(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】電気モータ駆動式ロック装置
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20231101BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20231101BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20231101BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/639 A
B60L53/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526281
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 DE2021100747
(87)【国際公開番号】W WO2022089682
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020128580.9
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】デジェドヴィク, ベンジャミン
【テーマコード(参考)】
5E021
5H125
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC05
5E021FC14
5E021FC36
5E021FC38
5E021HC24
5E021JA05
5E021KA08
5E021KA15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF12
(57)【要約】
本発明は、電気コネクタ半体(1)のロック装置(4)であって、このロック装置は、電気モータによって駆動され、他の電気コネクタ半体を電気コネクタ半体(1)に差し込むことによって電気またはハイブリッド車両を充電する為に他の電気コネクタ半体との電気接続を確立する、ロック装置であって、電気コネクタ半体(1)に差し込まれた他の電気コネクタ半体をロックするための可動ロックピン(5)と、ロック装置(4)上に配置されたセンサ素子(27)と、を有し、センサ素子(27)によって、ロックピン(5)の少なくとも1つの位置(E,V)、特に端部位置を決定することができ、少なくとも1つのスイッチ手段(26)および抵抗器(29)がセンサ素子(27)の回路(28)に組み込まれて、ロックピン(5)の少なくとも1つの更なる位置(E,V)を決定することができるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気コネクタ半体(1)のロック装置(4)において、
電気モータによって駆動され、他の電気コネクタ半体を前記電気コネクタ半体(1)に差し込むことによって電気またはハイブリッド車両を充電する為に電気的接続を確立する、ロック装置(4)であって、
前記電気コネクタ半体(1)にプラグインされた他の電気コネクタ半体を固定させる為の可動ロックピン(5)と、
前記ロック装置(4)上に配置されたセンサ素子(27)と、
を有し、
前記センサ素子(27)によって、前記ロックピン(5)の少なくとも1つの位置(E,V)、特に端部位置を決定することができ、少なくとも1つのスイッチ手段(26)および抵抗器(29)が前記センサ素子(27)の回路(28)に組み込まれて、前記ロックピン(5)の少なくとも1つのさらなる位置(E,V)を決定することができるようにすることを特徴とする、ロック装置(4)。
【請求項2】
前記スイッチ手段(26)および前記センサ素子(27)は直列に接続され、前記スイッチ手段(26)および前記抵抗器(29)は並列接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のロック装置(4)。
【請求項3】
前記センサ素子27、特にマイクロスイッチは、第2の抵抗器30に直列に接続され、第3の抵抗器31に並列に接続されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロック装置(4)。
【請求項4】
前記スイッチ手段(26)は、少なくとも一部が前記ロックピン(5)に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のロック装置(4)。
【請求項5】
前記スイッチ手段(26)は、前記ロックピン(5)に沿って続く導体トラック(10)として構成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のロック装置(4)。
【請求項6】
前記導体トラック(10)は、接触タブ(16,17)、特に弾性接触タブ(16,17)を有することを特徴とする、請求項5に記載のロック装置(4)。
【請求項7】
前記ロックピン(5)を移動させることによりスイッチ手段(26)を切り替えることができ、前記タブ(16,17)を前記導体トラック(21,22)から係合解除させることができることを特徴とする、請求項6に記載のロック装置(4)。
【請求項8】
前記ロックピン(5)の移動経路(H)は、20mm、好ましくは10mm、より好ましくは7mmであることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のロック装置(4)。
【請求項9】
前記ロックピン(5)は、歯部(8)を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のロック装置(4)。
【請求項10】
抵抗器(29、30、31)は異なる抵抗値を有し、好ましくは、第1の抵抗器が3kΩの抵抗器であり、第2の抵抗器が1kΩの抵抗器であり、第3の抵抗器が10kΩの抵抗器であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のロック装置(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタ半体のロック装置に関し、このロック装置は、電気モータによって駆動され、他の電気コネクタ半体への電気接続を確立して、他の電気コネクタ半体を第1の電気コネクタ半体に差し込むことによって電気またはハイブリッド車両を充電するためのものであり、電気コネクタ半体に差し込まれた他の電気コネクタ半体をロックする為の移動可能なロックピンと、ロック装置上に配置されたセンサ素子とを有し、センサ素子によって、ロックピンの少なくとも1つの位置、特に端部位置を決定することができる。
【0002】
電気またはハイブリッド車両のバッテリは、通常、電気コネクタ半体としての充電プラグを介して充電され、充電プラグは、別の電気コネクタ半体として車両側の充電ソケットに差し込むことができる。電気車両またはハイブリッド車両のバッテリを充電するための充電プロセスは、内燃エンジンを有する燃料供給車両と比較して非常に長い時間を要する。
【0003】
通常、このような充電プロセスは数時間かかる。
【0004】
充電プロセスにそんなに時間がかかるので、充電プロセス全体の間、誰もが待機することは合理的ではない。したがって、バッテリが完全に充電される前に、認可されていない第三者が充電ソケットから充電プラグを取り外すことによって、充電プロセスが中断される危険がある。この場合、高電流で充電され、電気接続が制御されずに切断された場合に、たとえば、火花衝撃による傷害の危険がある。
【0005】
充電プラグは、通常、手動でソケットに差し込まれる。プラグインに必要なプラグイン力は、極数、接点、ハウジングの設計によって異なる。従って、電気コネクタ半体が完全に接続されていないことが起こり得る。その場合、電気接点は確立されるが、電気接続部の気密性および耐振動性が損なわれ、故障につながる可能性がある。
【0006】
電気またはハイブリッド車両を充電するための別の電気コネクタ半体への電気接続を確立するために、電気モータによって駆動される一般的なロック装置が、DE 102018109661 A1から知られている。この場合、ロックピンを移動させる伝達装置は電気駆動装置を介して駆動される。充電プラグが充電ソケットに完全に差し込まれた後、ロックピンは、電気接続の切断がロックピンによって防止されるように移動する。ロックピンの位置を確保し、充電プラグと充電ソケットとの適切な接続を確保するために、ロックピンの位置はセンサによって連続的に決定される。
【0007】
このロック装置は原理的に証明されており、電気接続の安全なロックを保証することができる。
【発明の概要】
【0008】
しかしながら、自動車技術者は常に、コスト最適化され改良されたシステムを提供することを目指しており、従って、コスト最適化され改良されたロック装置も提供することを目指している。特に、製品サイクル全体、すなわち自動車の全耐用年数にわたってシステムの信頼性を確保することが可能でなければならない。ここから発明が始まる。
【0009】
本発明の目的は、改良された電子的に駆動されるロック装置を提供することである。本発明の目的は、特に、非常に単純な設計手段によって駆動されるロック装置を提供することであり、したがって、電気モータによって駆動され、さらに製品サイクル全体にわたって信頼性を確保することができる、コストを低減したロック装置を提供することである。
【0010】
この目的は、独立クレーム1の特徴によって達成される。有利な実施形態は、従属クレームに明記されている。しかしながら、以下に説明する例示的な実施形態は限定的なものではないことに留意されたい。むしろ、明細書、従属クレーム及び図面に記載された特徴の任意の可能な変形が可能である。
【0011】
請求項1に記載の発明の目的は、電気モータによって駆動される電気コネクタ半体のロック装置であって、他の電気コネクタ半体への電気接続を確立して、他の電気コネクタ半体を前記第1の電気コネクタ半体に差し込むことによって電気またはハイブリッド車両を充電するために、電気コネクタ半体に差し込まれた他の電気コネクタ半体をロックするための可動ロックピンを有する電気コネクタ半体のロック装置と、ロック装置上に配置されたセンサ素子とを備え、センサ素子によって、ロックピンの少なくとも1つの位置、特に端部位置を決定することができ、少なくとも1つのスイッチ手段および抵抗器がセンサ素子の回路に組み込まれて、ロックピンの少なくとも1つの更なる位置を決定することができるようにすることによって達成される。本発明によるロック装置の設計により、非常に簡単な設計手段でロックピンの少なくとも1つの更なる位置の信頼できる検出を決定することが可能となり、したがってコストを削減することができる。この場合、センサ素子の回路に別のスイッチ手段を組み込むことにより、ロックピンの直接位置を検出することができるだけでなく、ロックピンの破損およびロックピンの移動を推測することもできる。センサ素子の回路にスイッチ手段を組み込むことによって、スイッチ状態および/またはスイッチ状態から生じる抵抗からロックピンの位置を推測することが可能である。したがって、位置検出のための更なる手段は、マイクロスイッチのような非常に単純な設計手段だけでなく、単純な断続器接点も備えることができる。
【0012】
スイッチ手段およびセンサ素子は有利には直列に接続され、スイッチ手段および抵抗器は並列に接続される。第2のスイッチ手段を回路に組み込むことによって、ロックピンの位置のさらなる照会を行うことができる。スイッチ手段は、2つのスイッチ位置、すなわち「開」および「閉」を想定することができる。スイッチ手段が閉じられている場合、ロックピンの位置は、たとえば、閉じた位置から推論することができる。一方、スイッチ手段が開放されている場合には、回路の抵抗が変化するので、ロックピンの更なる位置を推測することができる。したがって、センサ素子およびスイッチ手段の本発明に係る構成によって、センサ素子によって位置を決定することに加えて、3つの異なる位置を可能にすることができる。
【0013】
センサ素子、特にマイクロスイッチが、第2の抵抗器と直列に接続され、かつ第3の抵抗器と並列に接続される場合、本発明のさらに有利な実施形態の変形例が生じる。第2のセンサ素子を第2の抵抗器との直列接続および第3の抵抗器との並列接続に組み込むことにより、ロック装置における一連の位置および機能位置ならびに誤差を検出することが可能になる。好ましくは、少なくとも4つの異なる場合を検出することができる。第1のケースでは、センサ素子を閉じ、スイッチ手段を閉じることができる。ここで、ロックピンの端部位置、すなわち電気的接続のロック状態における切替え位置は、たとえば、1kΩの抵抗値を有するセンサ素子の直列接続により決定することができる。ロックピンをたとえば反対方向に移動させて他端位置に移動させると、センサ素子およびスイッチ手段は開状態となる。この2番目のケースは、ロック解除された終了位置を決定できる。
【0014】
スイッチ手段が閉じた状態でセンサ素子が開いていれば、たとえば、10kΩの抵抗値を有する第3の抵抗器の並列接続からロックピンの移動を推測することができる。この3番目のケースは、ロックピンの動きを決定する。さらに、第4のケース、すなわち、スイッチ手段が開かれ、センサ素子が閉じた状態である端部位置でスイッチ手段がロック解除されるケースも起こり得る。この場合、たとえば、ロックピンの折損を検出することができるロック装置の誤差を推測することができる。これらの4つの場合において、スイッチ手段は端部位置においてロックされていない開位置にあり、センサ素子は、たとえば、マイクロスイッチとして設計され、端部位置においてロック状態すなわち閉状態で動作すると仮定する。従って、センサ素子とスイッチ手段と直列および並列に接続された抵抗器とによって4つの異なる場合を区別することができ、その結果、ロックピンの異なる位置を同時に推定することができる。
【0015】
1kΩ、3kΩおよび10kΩの抵抗値が特定されている場合、これは単に実施例として、および特定の実施形態として見るべきである。重要なことは、抵抗器が異なる値を持ち、変数が互いに明確に区別できることである。3kΩ、6kΩおよび9kΩの抵抗値を有する抵抗器、または4kΩ、8kΩおよび12kΩ、または任意の他の変形例を使用することもできる。
【0016】
別の実施形態の変形例において、スイッチ手段は少なくとも部分的にロックピン上に配置される。ロックピン上にスイッチ手段を配置することにより、ロックピンの移動経路に沿って切替えの閾値を配置することができる。たとえば、ロックピンは、20mm、好ましくは10mm、より好ましくは7mmの移動経路を有することができる。この移動経路に沿って、スイッチ手段はロックピンで移動可能であり、切替え信号を生成することができる。スイッチ手段は、ロックピンに沿って続く導体トラックとして構成することができる。スイッチ手段が導体トラックとして構成されている場合、スイッチ手段は、例えばロック装置のハウジング上の接触タブと係合することができる。次いで、導体トラックと導体トラックおよび/またはハウジング上の接点および/または摺動接点との係合または係合解除により、ロックピンの位置を決定するための回路におけるスイッチング信号の生成が可能になる。次いで、導体トラックと導体トラックおよび/またはハウジング上の接点および/または摺動接点との係合または係合解除により、ロックピンの位置を決定するための回路における切替え信号の生成が可能になる。
【0017】
本発明の有利な態様および更なる実施形態の変形例において、導体トラックは、接触タブ、特に弾性接触タブを有する。たとえば、ロック装置のハウジング上の導体トラックとの確実な相互作用は、弾性接触タブによって確保することができる。次に、接触タブは、たとえば、ロックピン上のU字状導体トラックの脚部として配置することができ、したがって、離間した導体トラックは、ハウジング内に固定された導体トラックと接触するようにすることができる。ロックピン上の接触タブは、ロックピンに対して有利に作用することができ、さらに、特に、例えば歯車と係合させることができる歯部がロックピン上に存在する場合に、ロックピンに対して安定化するように作用することができる。歯車とロックピン上の歯部との間の相互作用は、ロックピンのためのガイドを必要とし、それは弾性接触タブによって提供可能である。特に、歯部の係合状態は改善される。
【0018】
接触タブによってバネ力の利点を提供することができるだけでなく、設計が単純であり、従って費用対効果が高く、同時に高い機能性および信頼性を有するスイッチ手段を提供することも可能である。単純な設計はまた、ロック装置の全製品サイクルにわたる機能性を保証する。
【0019】
本発明の更なる実施形態において、ロックピンを移動させることによってスイッチ手段を切り替えることができ、接触タブを導体トラックから外すことができる場合に生じる。スイッチ手段がロックピンとしての導体トラックとして設計され、ハウジングの方向に接触タブを備えている場合、ロックピンは接触タブを移動させることができる。これにより、ロックピンの移動中に、ロックピンは、ハウジング内に存在する導体トラックに沿って接触タブを案内することができる。端部位置、好ましくはロックピンが電気コネクタの半体を解放する端部位置、すなわちロック解除位置では、導体トラックはハウジングの中で終端することができ、その結果、接触が接触タブを横切って中断可能である。ロックピンを移動させることによって、接触タブを導体トラックから取り外すことができる。もちろん、ロック位置において、ハウジングの導体トラックと接触タブとが接触しないようにすることも考えられる。従って、ロックピンの異なる位置を決定することができる非常に単純な設計のスイッチ手段を提供することが可能である。
【0020】
以下、好適な実施形態に基づいて添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。しかしながら、例示的実施形態は本発明を限定するものではなく、単に有利な実施形態であるという原則が適用される。示される特徴は、個別に、又はクレームと同様に明細書の更なる特徴と組み合わせて、個別に又は組み合わせて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、電気コネクタ半体のハウジング上に配置されたロック装置を有する電気またはハイブリッド車両用のソケットとしてのソケットの形態の電気コネクタ半体の3次元図を示す。
【
図2】
図2は、ロックピン上に配置された導体トラック構造を有するロックピンの3次元図を示す。
【
図3】
図3は、ハウジングに配置された導体トラックおよびロック位置に挿入されたロックピンを有するロック装置のハウジングの一部の三次元図を示す。
【
図4】
図4は、
図3に従った位置にあるハウジングおよびロックピンの側面図を示す。
【
図5】
図5は、ロック装置およびロックピンの位置を決定するための回路としての概略回路図を示す。
【
図6】
図6は、ロックピンのロック解除位置におけるロックピンの三次元図を示す。
【
図7】
図7は、
図6の例示的実施形態による「ロック解除された」位置を決定するための回路の概略回路図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0022】
図1は、電気またはハイブリッド車両のソケット1の形態の電気コネクタ半体1を示す。ソケットまたはコネクタ1は前側から示されており、さらに、電気コネクタ半体(図示せず)は、電気またはハイブリッド車両を充電する為に、プラグの形態で電気コネクタ半体1の前側に差し込むことができる。ここでは、車両の充電または急速充電のための接点2,3が見られる。プラグが電気コネクタ半体1に差し込まれている場合、電気コネクタ半体1に差し込まれた別の電気コネクタ半体は、ロック装置4によってロックすることができる。このため、ロックピン5が開口部6の方向に移動して他の電気コネクタ半体が引き出されるのを防止することができる。
図1に示す電気コネクタ半体1は、たとえば、電気車両またはハイブリッド車両の本体のフラップ後方に配置することができる。次いで、電気コネクタ半体、特に、フラップ後方にある電気コネクタ半体1のフレームがオペレータに見えるようになる。
【0023】
ロック装置4は、ロックピン5を有し、このロックピン5は、
図2においてロック装置4から分離して示されている。ロックピン5は、歯部8を有し、この歯部と、ロックピン5を操作または移動させるための伝達装置が係合できる。さらに、ロックピン5は、円筒状延長部9を有しており、この延長部は、ロックピン5を移動させたときに、他の電気コネクタ半体と係合して、他の電気コネクタ半体が電気コネクタ半体1内に引き出されることを防止する。ロックピン5の歯部8と反対側には導体トラック10が配置されており、導体トラックはロックピン5の後側11に沿ってU字状に延びている。導体トラック10は、ロックピン5にしっかりと接続されている。ロックピン5はプラスチックで作られていることが好ましい。従って、導体トラック10は、レセプタクル12,13を変形させることによって、たとえば、レセプタクル12、13を変形させることによって、ロックピン5に接続することができる。
図2に示されるU字状導体トラック10の垂直拡張部14、15は、弾性拡張部14、15として設計されている。U字状拡張部14、15の軸方向端部には接触タブ16、17が形成されており、接触タブ16、17および拡張部14、15は、後側11から離れた位置でロックピン5に保持されている。ロックピン5の後側11の隆起部18は、溝19と組み合わされて、ロックピン5を案内する役割を果たす。
【0024】
導体トラック10は、ハウジング20に組み込まれた導体トラック21、22と組み合わされて、
図3の三次元図に示すように、スイッチ手段を形成する。したがって、
図3は、ロック装置のハウジング20の一部の図を示し、ここで、表面23は、ロック装置4のハウジング24に設定または装着することができる。円筒状延長部9は、
図1に示されていない開口部によって開口部6内に移動することができ、したがって、電気コネクタ半体1内に別の電気コネクタ半体を固定することができる。
図3は、ロックピン5のロック位置Vを示しており、ロックピン5が矢印P方向に移動してロック位置Vの端部位置に入っている。肩部25は、ロック装置4のハウジング20上に載置されている。この点に関して、肩部25は、ロックピン5の移動のための停止部を形成する。
【0025】
図3の矢印IVの方向から見た図が
図4に示されている。この場合、図はスイッチ手段26を更に概略的に示しており、導体トラック10は導体トラック21、22上のロックピン5に当接して導体トラック21、22を接続している。したがって、電流は、たとえば、導体トラック21、ロックピン5上のU字状導体トラック10を介して、更に導体トラック22に導くことができる。従って、スイッチ手段26は、
図4において閉じた位置に示されている。センサ素子27、たとえば、マイクロスイッチは、センサ素子27がロック位置Vにおいて同様に閉じられるように、ロック位置Vにおいて操作可能である。したがって、スイッチ手段26およびセンサ素子27の両方が閉じられることによって、肩部25がハウジング20に当接するロックピン5の(
図4に示される)端部位置を決定することができる。
【0026】
概略的に描かれた回路28におけるロック位置は、
図5に示されている。
図5は、スイッチ手段26およびセンサ素子27が閉位置にある状態を示している。スイッチ手段26には、並列に抵抗器29が接続されている。第2の抵抗器30は、センサ素子と直列に接続され、センサ素子27は、第3の抵抗器31と並列に接続される。従って、回路28は、ロック装置4のロックピン5のロック位置を示す。
【0027】
図6は、ロックピン5のロック解除位置Eを示す。接触タブ16、17が導体トラック21、22と係合していないことが分かる。この点に関して、回路28の
図7に示されるように、スイッチ手段26は開いている。ロックピン5はロック解除位置Eにあるので、センサ素子27も再び解放され、回路28内で開いているように示される。従って、導体トラック21、22を介して導かれる電流は、抵抗器29、30、31を介して流れることになる。そして、電流の電圧差によりロックピン5の位置を検出することができる。たとえば、
図5の電流は、導体トラック21、スイッチ手段26、導体トラック22、センサ素子27および第2の抵抗器30を介して流れる。なお、ロックピン5の位置および移動位置は、スイッチ手段26およびセンサ素子27の切替え位置に応じて異ならせることができる。
【0028】
また、
図6にもロックピン5の行程Hまたは移動経路Hが記入されており、たとえば、8mmとすることができる。本発明によるロック装置4の設計により、非常に単純な設計手段で設計されたスイッチ手段26を、ロック装置4の回路28に組み込むことができる。導体トラック21、22から切り離すことができる接触タブ16、17を介して導かれる電流もまた、高い信頼性を提供し、それにより、ロック装置4の製品サイクルにわたる耐用年数を確保することができる。
【0029】
【符合の説明】
【0030】
1…電気コネクタ半体、ソケット、
2,3…接点、
4…ロック装置、
5…ロックピン、
6…開口部、
7…フレーム、
8…歯部、
9…円筒状延長部、
10、21、22…導体トラック、
11…後側、
12、13…レセプタクル、
14、15…拡張部、
16、17…接触タブ、
18…隆起部、
19…溝、
20、24…ハウジング、
23…表面、
25…肩部、
26…スイッチ手段、
27…センサ素子、
28…回路、
29、30、31…抵抗器、
V…ロック位置、
E…ロック解除位置、
H…行程、移動経路、
P…矢印。
【国際調査報告】