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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】非対称全内部反射レンズ
(51)【国際特許分類】
   F21V 5/08 20060101AFI20231101BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20231101BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20231101BHJP
   G02B 5/08 20060101ALN20231101BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231101BHJP
【FI】
F21V5/08
F21V5/00 320
G02B5/00 Z
G02B5/08 Z
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526308
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 EP2021080600
(87)【国際公開番号】W WO2022096554
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,609
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20207945.5
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】オルベ オレステス
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA03
2H042AA07
2H042AA21
2H042DB08
2H042DE04
(57)【要約】
非対称全内部反射(TIR)レンズ、及び各TIRレンズ内の非対称分布をもたらす及びスピル光の高められた制御を提供するように設計され、TIRレンズの出口面に配置される二次オプティックを必要としない複数の非対称TIRレンズを含む照明器具に関する。本明細書に開示されるTIRレンズは、複数の部分を有する屈折部材を利用し、各部分は、中間長手方向エッジ、中間横方向エッジ、及び中間長手方向エッジと中間横方向エッジとの間に形成される中間コーナを含む。TIRレンズはまた、屈折部材について配置されるコリメータであって、屈折部材からの電磁放射を受ける及びこれを反射又は屈折させてTIRレンズの出口面を通すように構成される内面を含む、コリメータを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁源に対して第1の方向に突出するボディを有する屈折部材であって、前記屈折部材は、前記電磁源からの電磁放射を受ける及び前記電磁放射を屈折させるように構成され、前記屈折部材は、
複数の底部長手方向エッジ及び複数の底部横方向エッジを含み、各底部横方向エッジは、少なくとも一つの底部長手方向エッジとコーナを形成し、前記コーナは、当該コーナを形成する底部横方向エッジと底部長手方向エッジとの間に鈍角を作る、屈折部材と、
前記屈折部材について配置されるコリメータであって、前記コリメータは、
前記屈折部材からの前記屈折された電磁放射の少なくとも一部を受ける及び前記電磁放射を屈折させてレンズの出口面を通すように構成される内面を含む、コリメータと、
を含む、レンズ。
【請求項2】
前記複数の底部長手方向エッジの少なくとも1つ及び前記複数の底部横方向エッジの少なくとも1つは、直線状のエッジである、請求項1に記載のレンズ。
【請求項3】
前記複数の底部長手方向エッジ及び前記複数の底部横方向エッジの少なくとも1つは、カーブしている又は丸みを帯びている、請求項1に記載のレンズ。
【請求項4】
前記コリメータは、
第1の頂部長手方向エッジ、
第1の頂部横方向エッジ、及び
前記第1の頂部長手方向エッジと前記第1の頂部横方向エッジとの間に形成される第1の頂部コーナ、
を含む、請求項1に記載のレンズ。
【請求項5】
前記第1の頂部コーナは、フィレットが付けられ、フィレットは、0.254cm~0.635cmの範囲から選択される、請求項4に記載のレンズ。
【請求項6】
前記コリメータは、
第2の頂部長手方向エッジ、
第2の頂部横方向エッジ、及び
前記第2の頂部長手方向エッジと前記第2の頂部横方向エッジとの間に形成される第2の頂部コーナ、
を含む、請求項4に記載のレンズ。
【請求項7】
少なくとも1つのコーナは、面取りされている、フィレットが付けられている、又はカーブしている、請求項1に記載のレンズ。
【請求項8】
請求項1に記載の全内部反射レンズを複数有する照明器具。
【請求項9】
複数の中間長手方向エッジ及び複数の中間横方向エッジの少なくとも1つは、直線状のエッジである、請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
当該照明器具は、ウォールグレーザである、請求項8に記載の照明器具。
【請求項11】
前記複数の底部長手方向エッジ及び複数の底部横方向エッジのエッジの合計が少なくとも6つである、請求項1に記載のレンズ。
【請求項12】
前記複数の底部横方向エッジは各々、前記複数の底部横方向エッジの別の底部横方向エッジと当接する、請求項1に記載のレンズ。
【請求項13】
各底部横方向エッジが前記複数の底部横方向エッジの別の横方向エッジに当接する場所に形成される角度は、直角又は鈍角を形成する、請求項12に記載のレンズ。
【請求項14】
各底部横方向エッジが前記複数の底部横方向エッジの別の横方向エッジに当接する場所はコーナを形成し、当該コーナは、面取りされている、フィレットが付けられている、又はカーブしている、請求項13に記載のレンズ。
【請求項15】
当該レンズは、複数の中間長手方向エッジ及び複数の中間横方向エッジを含み、前記複数の中間長手方向エッジ及び前記複数の中間横方向エッジの合計は、前記複数の底部長手方向エッジ及び前記複数の底部横方向エッジの合計よりも大きい、請求項1に記載のレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、照明システムに関し、とりわけ、1つ以上の全内部反射(TIR:total internal reflector)レンズを含む照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウォールグレーザライトフィクスチャ(wall grazer light fixture)は、典型的には、8~10度の狭い光ビームを生成する丸いTIRレンズ(round TIR lense)を利用する。さらに、丸みを帯びたTIRレンズ(rounded TIR lense)は、通常、二次オプティックを使用して、フィクスチャ平面に沿って生成される光ビームを広げ、異なるアプリケーションのために非対称ビームを生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
二次オプティックは、スプレッドフィルム(spread film)、スプレッドレンズ(spread lens)、又は場合によってはTIRオプティック自体の表面上のレンズレットの形態を取ることができる。これは、典型的には、光を広げるための余分なレンズの追加に起因して低い光学効率をもたらし、スプレッドレンズ又はフィルムにより光の制御が制限され、制御できない高角度の光を生成し、生成される光に光条及びフレア又はホットスポットをもたらし、また、二次レンズ又はフィルムの余分な広がりを考慮するためにオーバーデザインする(over-design)必要があるので全体的により大きなオプティックを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、非対称TIRレンズ、及び各TIRレンズ内の分布及びスピル光(spill light)の高められた制御(increased control)を提供するように設計され、TIRレンズの出口面に配置される二次オプティック(secondary optic)を必要としない複数の非対称TIRレンズを含む照明器具に関する。本明細書に開示されるTIRレンズは、複数の部分を有する屈折部材を利用し、各部分は、中間長手方向エッジ、中間横方向エッジ、及び中間長手方向エッジと中間横方向エッジとの間に形成される中間コーナを含む。TIRレンズはまた、屈折部材について配置されるコリメータであって、屈折部材からの光線又は電磁放射を受ける及びこれを反射又は屈折させてTIRレンズの出口面を通すように構成される内面を含む、コリメータを含む。
【0005】
一例において、全内部反射(TIR:total internal reflection)レンズであって、TIRレンズは、電磁源に対して第1の方向に突出するボディを有する屈折部材であって、屈折部材は、電磁源からの電磁放射を受ける及び電磁放射を反射又は屈折させるように構成され、屈折部材は、第1の長さ及び第1の幅を有する第1の部分を含み、第1の幅は、第1の長さよりも小さく、第1の部分は、第1の中間長手方向エッジ、第1の中間横方向エッジ、及び第1の中間長手方向エッジと第1の中間横方向エッジとの間に形成される第1の中間コーナを含む、屈折部材と、屈折部材について配置されるコリメータであって、コリメータは、屈折部材からの反射又は屈折された電磁放射の少なくとも一部を受ける及び電磁放射を反射又は屈折させてTIRレンズの出口面を通すように構成される内面を含む、コリメータとを含む、TIRレンズが提供される。
【0006】
一態様において、屈折部材はさらに、第1の長さ及び第1の幅を有する第2の部分を含み、第2の部分は、第2の中間長手方向エッジ、第2の中間横方向エッジ、及び第2の中間長手方向エッジと第2の中間横方向エッジとの間に形成される第2の中間コーナを含む。
【0007】
一態様において、屈折部材はさらに、第1の中間横方向エッジと第2の中間横方向エッジとの間に位置付けられ、第1の中間長手方向エッジ及び第2の中間長手方向エッジと実質的に平行に配置される中央エッジを含む。
【0008】
一態様において、第1の中間長手方向エッジ及び第1の中間横方向エッジは、直線状のエッジである。
【0009】
一態様において、屈折部材はさらに、第1の底部長手方向エッジ、第1の底部横方向エッジ、及び第1の底部長手方向エッジと第1の底部横方向エッジとの間に形成される第1の底部コーナを含む。
【0010】
一態様において、第1の底部長手方向エッジ及び第1の底部横方向エッジは、直線状のエッジである。
【0011】
一態様において、屈折部材はさらに、第2の底部長手方向エッジ、第2の底部横方向エッジ、及び第2の底部長手方向エッジと第2の底部横方向エッジとの間に形成される第2の底部コーナを含む。
【0012】
一態様において、コリメータはさらに、第1の頂部長手方向エッジ、第1の頂部横方向エッジ、及び第1の頂部長手方向エッジと第1の頂部横方向エッジとの間に形成される第1の頂部コーナを含む。
【0013】
一態様において、第1の頂部コーナは、フィレットが付けられ、フィレットは、0.254cm~0.635cmの範囲から選択される。
【0014】
一態様において、コリメータはさらに、第2の頂部長手方向エッジ、第2の頂部横方向エッジ、及び第2の頂部長手方向エッジと第2の頂部横方向エッジとの間に形成される第2の頂部コーナを含む。
【0015】
一態様において、第1の中間長手方向サイドエッジと第1の中間横方向サイドエッジとの間に作られる角度は、鈍角である。
【0016】
一態様において、第1の中間コーナは、面取りされている、フィレットが付けられている、又はカーブしている。
【0017】
一例において、複数の全内部反射(TIR:total internal reflection)レンズを有する照明器具であって、複数のTIRレンズの各TIRレンズは、電磁源に対して第1の方向に突出するボディを有する屈折部材であって、屈折部材は、電磁源からの電磁放射を受ける及び電磁放射を反射又は屈折させるように構成され、屈折部材は、第1の長さ及び第1の幅を有する第1の部分を含み、第1の幅は、第1の長さよりも小さく、第1の部分は、第1の中間長手方向エッジ、第1の中間横方向エッジ、及び第1の中間長手方向エッジと第1の中間横方向エッジとの間に形成される第1の中間コーナを含む、屈折部材と、屈折部材について配置されるコリメータであって、コリメータは、屈折部材からの反射又は屈折された電磁放射の少なくとも一部を受ける及び電磁放射を反射又は屈折させてTIRレンズの出口面を通すように構成される内面を含む、コリメータとを含む、照明器具が提供される。
【0018】
一態様において、第1の中間長手方向エッジ及び第1の中間横方向エッジは、直線状のエッジである。
【0019】
一態様において、照明器具は、ウォールグレーザ(wall grazer)である。
【0020】
様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般的に、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
図1】本開示による環境における照明器具の概略図である。
図2】本開示によるTIRレンズの斜視図である。
図3A】本開示によるTIRレンズの断面図である。
図3B】本開示によるTIRレンズの断面図である。
図4】本開示によるTIRレンズの断面図である。
図5】本開示によるTIRレンズの断面図である。
図6】本開示によるTIRレンズの上面図である。
図7A】本開示によるTIRレンズの上面図である。
図7B】本開示によるTIRレンズの上面図である。
図8A】本開示によるレイトレーシングを用いたTIRレンズの上面図である。
図8B】本開示によるレイトレーシングを用いたTIRレンズの上面図である。
図9】本開示によるTIRレンズの長手方向断面プロファイルである。
図10】本開示によるTIRレンズの横方向断面プロファイルである。
図11A】本開示による極分布である。
図11B】本開示による極分布である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、非対称TIRレンズ、及び各TIRレンズ内の非対称分布及びスピル光の高められた制御を提供するように設計され、TIRレンズの出口面に配置される二次オプティックを必要としない複数の非対称TIRレンズを含む照明器具に関する。本明細書に開示されるTIRレンズは、複数の部分を有する屈折部材を利用し、各部分は、中間長手方向エッジ、中間横方向エッジ、及び中間長手方向エッジと中間横方向エッジとの間に形成される中間コーナを含む。TIRレンズはまた、屈折部材について配置されるコリメータであって、屈折部材からの電磁放射を受ける及びこれを反射又は屈折させてTIRレンズの出口面を通すように構成される内面を含む、コリメータを含む。
【0023】
以下の説明は、図1~11Bを考慮して読まれたい。図1は、本開示による環境E内の照明器具100の概略図を示している。図1に示されるように、照明器具100は、ウォールグレーザ、すなわち、壁W、及び、壁Wからのその後の反射を通じて、環境Eが照らされることができるように、壁Wに近接して設置され、壁W及び/又は照明器具の下の床を向くように構成される照明器具であることが意図されている。照明器具100は、環境E内の平面に対して実質的に直接的な照明を提供するように配置される、埋め込み型コーブライティングフィクスチャ(recessed cove lighting fixture)、ウォールウォッシュライティングフィクスチャ(wall wash lighting fixture)、間接ペンダントライティングフィクスチャ(indirect pendant lighting fixture)、直接ペンダントライティングフィクスチャ(direct pendant lighting fixture)、ウォールスコンス(wall sconce)、キャビネット下ライティングフィクスチャ(under-cabinet lighting fixture)、又は任意の他のライティングフィクスチャ構成(lighting fixture configuration)として構成されてもよいことを理解されたい。環境Eは、少なくとも1つの壁W又はユーザが照らすことを望む他の実質的に平面的な物体を有する、オフィス、住宅、又は商業空間等、屋内ロケーションであることが意図されている。環境Eは、屋外ロケーションであってもよいことを理解されたい。以下で述べられるように、照明器具100は、複数の全内部反射(TIR)レンズ102及び複数の電磁放射源104を含む。各電磁放射源104は、電気エネルギを電磁放射106に変換するように構成され、各TIRレンズ102は、複数の電磁放射源104によって生成される電磁放射106を受け、反射させ、及び/又は屈折させ、特定の非対称ビーム形状で、環境Eに入れるように構成される。
【0024】
本明細書で述べられるように、照明器具100は、電気エネルギを電磁放射106に変換するように構成される複数の電磁放射源104を含む。一例では、各電磁放射源104は、発光ダイオード(LED:Light-Emitting Diode)又はLEDのクラスタである。例えば、有機LED、蛍光体ベースのLED等、様々なLEDが利用されてもよいことを理解されたい。本明細書で提供される例では、電磁放射源104は、電磁放射106を環境Eに提供するように配置され、電磁放射106は、可視光、又は可視光範囲、例えば、380~700nmにある波長を有する光である。
【0025】
明確さのために、照明器具100は複数のTIRレンズ102及びそれぞれの複数の電磁放射源104を含むことができることが理解されるべきであるが、以下の説明は、これらの構成要素を単数で参照する。しかしながら、以下で論じられるTIRレンズ102及び電磁放射源104に関して提供される、構成要素、構造、機能等は、上述のすべてのTIRレンズ102及び電磁放射源104のすべてに当てはまることを理解されたい。
【0026】
一例では、図2~7に示されるように、TIRレンズ102は、屈折部材108(後述)、コリメータ110、及び仮想出口面(imaginary exit plane)112を含む。コリメータ110は、電磁放射106(以下、「放射106」と称する)を受ける、並びに、受けた放射106を反射及び/又はコリメートして実質的にTIRレンズ102の光軸OAに沿って出口面112を通すように構成される輪郭付けられた内面(contoured inner surface)114を含む。図2~7では、例えば、コリメータ110の内面内のボリューム(volume)が実質的に空の空間(substantially empty space)である、中空ボディ(hollow body)として図示されているが、コリメータ110は、透明又は半透明の材料、例えば、シリコン又はポリカーボネートガラスから作られる実質的に固体のボディ(substantially solid body)であってもよいことを理解されたい。動作中(後述)、放射106は、屈折部材108のジオメトリを通過し、例えば、コリメータ110の内面114に向かって屈折するように構成される。その後、放射106は、光軸OAに沿って、TIRレンズ102の出口面112に向かって、内面114から反射することができる。図2は、屈折部材108が、TIRレンズ102の底部(例えば、出口面112からTIRレンズ102の反対の側)に対して第1の方向DR1に突出するボディ116を有することを示している。コリメータ110と同様に、屈折部材108は、中空ボディであってもよく、又は、透明若しくは半透明の材料、例えば、シリコン若しくはポリカーボネートから作られる実質的に固体のボディであってもよい。以下で論じられるように、屈折部材108のボディ116は、概念的に、複数の部分、すなわち、本明細書で提供されるようなTIRレンズ102の各概念的象限に対応する部分118A~118Dに分けられることができる。さらに、2つのボディとして述べられるが、屈折部材108及びコリメータ110は、単一のボディとして形成されること、すなわち、各構成要素が他と一体であることが意図されていることを理解されたい。
【0027】
図3Aは、明確さのために、TIRレンズ102の単一の象限を斜視図を示している。図示されているように、屈折部材108は、TIRレンズ102の第1の象限に対応する第1の部分118Aを含む。屈折部材108の第1の部分118Aは、底部長手方向エッジ(bottom longitudinal edge)120A、底部横方向エッジ122A(bottom lateral edge)、及び底部コーナ(bottom corner)124Aを含む。底部長手方向エッジ120Aは、TIRレンズ102の底部と屈折部材108の第1の部分118Aの底部との間の境界エッジ(boundary edge)を表すことが意図されている。一例では、図3Aに示されるように、底部長手方向エッジ120A及び底部横方向エッジ122Aは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。第1の部分118Aは、底部長手方向エッジ120Aによって表される第1の長さL1、及び、底部横方向エッジ122Aによって表される第1の幅W1を有し、第1の幅W1は、第1の長さL1よりも小さい。さらに、底部長手方向エッジ120A及び底部横方向エッジ122Aは、同一平面(co-planar)にあること、すなわち、TIRレンズ102の底部と共有される同じ平坦面上に存在することが意図されている。第1の部分118Aはまた、底部長手方向エッジ120Aと底部横方向エッジ122Aとの間に配置される底部コーナ124Aを含む。底部コーナ124Aは、鋭いコーナ(sharp corner)(例えば、底部長手方向エッジ120A及び底部横方向エッジ122Aによって表される2つの直線間の頂点)、面取りされたコーナ(chamfered corner)、フィレットが付けられたコーナ(filleted corner)等であることができる。一例では、図7A及び7Bに示されるように、底部長手方向エッジ120Aによって形成される直線と底部横方向エッジ122Aによって形成される直線との間の角度は、鈍角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、90度の角度又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。
【0028】
屈折部材108の第1の部分118Aは、中間長手方向エッジ(middle longitudinal edge)126A、中間横方向エッジ128A(middle lateral edge)、及び中間コーナ(middle corner)130Aを含む。中間長手方向エッジ126Aは、TIRレンズ102の屈折部材108の上部境界エッジ(upper boundary edge)を表すことが意図されている。一例では、図3Aに示されるように、中間長手方向エッジ126A及び中間横方向エッジ128Aは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。第1の部分118Aはまた、中間長手方向エッジ126Aと中間横方向エッジ128Aとの間に配置される中間コーナ130Aを含む。中間コーナ130Aは、鋭いコーナ(例えば、中間長手方向エッジ126A及び中間横方向エッジ128Aによって表される2つの直線間の頂点)、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等であることができる。一例では、図7A及び7Bに示されるように、中間長手方向エッジ126Aによって形成される直線と中間横方向エッジ128Aによって形成される直線との間の角度は、鈍角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、90度の角度又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。さらに、中間横方向エッジ128Aは、出口面112と実質的に平行な平面に対して斜めにされ(skewed)てもよく、又は角度が付けられ(angled)てもよい。言い換えれば、中間長手方向エッジ126A及び中間横方向エッジ128Aは共平面であるのではなく、中間横方向エッジ128Aは、方向DR2において下方に、中間コーナ130Aから離れるように延びる。
【0029】
さらに、コリメータ110も同様の配置を含み、すなわち、コリメータ110は、頂部長手方向エッジ(top longitudinal edge)132A、頂部横方向エッジ(top lateral edge)134A、及び頂部コーナ(top corner)136Aを含む。頂部長手方向エッジ132Aは、TIRレンズ102の出口面112と交わる(meet)コリメータ110の上部境界エッジを表すことが意図されている。一例では、図3Aに示されるように、頂部長手方向エッジ132A及び頂部横方向エッジ134Aは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。コリメータ110はまた、頂部長手方向エッジ132Aと頂部横方向エッジ134Aとの間に配置される頂部コーナ136Aを含む。頂部コーナ136Aは、鋭いコーナ(例えば、頂部長手方向エッジ132A及び頂部横方向エッジ134Aによって表される2つの直線間の頂点)、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等であることができる。一例では、図7A及び7Bに示されるように、頂部コーナ136Aは、フィレットが付けられたコーナであり、フィレット半径(fillet radius)は、0.254cm~0.635cm(0.1インチ~0.25インチ)の範囲から選択される。一部の例では、頂部長手方向エッジ132Aによって形成される直線と頂部横方向エッジ134Aによって形成される直線との間の角度は、直角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、鈍角又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。さらに、頂部横方向エッジ134Aは、出口面112内で頂部横方向エッジ134Aと共平面である。
【0030】
図3B及び4に示されるように、TIRレンズ102の第1の象限は、2つの断面、すなわち、長手方向断面138及び横方向断面140の間に形成される。長手方向断面138は、光軸OAを通過するように配置され、底部長手方向エッジ120A、中間長手方向エッジ126A、及び頂部長手方向エッジ132Aと実質的に平行である。横方向断面140は、光軸OAを通過するように配置され、底部横方向エッジ122A、中間横方向エッジ128A、及び頂部横方向エッジ134Aと実質的に平行である。
【0031】
図4は、TIRレンズ102の2つの象限、すなわち、TIRレンズ102の半分を示している。第2の象限、すなわち、図4において見ている人に近い象限は、(図3Bに示される)長手方向断面138を挟んで第1の象限の鏡面コピーである。それゆえ、第1の象限と同様に、第2の象限内で、屈折部材108は、第2の部分118Bを含む。第2の部分118Bは、底部長手方向エッジ120B、底部横方向エッジ122B、及び底部コーナ124Bを含む。底部長手方向エッジ120Bは、TIRレンズ102の底部と屈折部材108の第2の部分118Bの底部との間の境界エッジを表すことが意図されている。一例では、図4に示されるように、底部長手方向エッジ120B及び底部横方向エッジ122Bは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。第2の部分118Bは第1の部分118Aの鏡像バージョンであるので、第2の部分118Bは、長さ、例えば、底部長手方向エッジ120Bによって表される第1の長さL1、及び、底部横方向エッジ122Bによって表される第1の幅W1を有し、第1の幅W1は、第1の長さL1よりも小さい。さらに、底部長手方向エッジ120B及び底部横方向エッジ122Bは、同一平面にあること、すなわち、TIRレンズ102の底部と共有される同じ平坦面上に存在することが意図されている。第2の部分118Bはまた、底部長手方向エッジ120Bと底部横方向エッジ122Bとの間に配置される底部コーナ124Bを含む。底部コーナ124Bは、鋭いコーナ(例えば、底部長手方向エッジ120B及び底部横方向エッジ122Bによって表される2つの直線間の頂点)、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等であることができる。一例では、図7A及び7Bに示されるように、底部長手方向エッジ120Bによって形成される直線と底部横方向エッジ122Bによって形成される直線との間の角度は、鈍角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、90度の角度又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。
【0032】
屈折部材108の第2の部分118Bは、中間長手方向エッジ126B、中間横方向エッジ128B、及び中間コーナ130Bを含む。中間長手方向エッジ126Bは、中間長手方向エッジ126Aとは反対の、TIRレンズ102の屈折部材108の上部境界エッジを表すことが意図されている。一例では、図4に示されるように、中間長手方向エッジ126B及び中間横方向エッジ128Bは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。第2の部分118Bはまた、中間長手方向エッジ126Bと中間横方向エッジ128Bとの間に配置される中間コーナ130Bを含む。中間コーナ130Bは、鋭いコーナ(例えば、中間長手方向エッジ126B及び中間横方向エッジ128Bによって表される2つの直線間の頂点)、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等であることができる。一例では、図7A及び7Bに示されるように、中間長手方向エッジ126Bによって形成される直線と中間横方向エッジ128Bによって形成される直線との間の角度は、鈍角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、90度の角度又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。さらに、中間横方向エッジ128Bは、出口面112と実質的に平行な平面に対して斜めにされてもよく、又は角度が付けられてもよい。言い換えれば、中間長手方向エッジ126B及び中間横方向エッジ128Bは共平面であるのではなく、中間横方向エッジ128Bは、方向DR2において下方に、中間コーナ130Bから離れるように延びる。
【0033】
さらに、コリメータ110は、頂部長手方向エッジ132B、頂部横方向エッジ134B、及び頂部コーナ136Bを含む。頂部長手方向エッジ132Bは、頂部長手方向エッジ132Aの反対側にある、TIRレンズ102の出口面112と交わるコリメータ110の上部境界エッジを表すことが意図されている。一例では、図4に示されるように、頂部長手方向エッジ132B及び頂部横方向エッジ134Bは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。コリメータ110はまた、頂部長手方向エッジ132Bと頂部横方向エッジ134Bとの間に配置される頂部コーナ136Bを含む。頂部コーナ136Bは、鋭いコーナ(例えば、頂部長手方向エッジ132B及び頂部横方向エッジ134Bによって表される2つの直線間の頂点)、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等であることができる。一例では、図7A及び7Bに示されるように、頂部コーナ136Bは、フィレットが付けられたコーナであり、フィレット半径は、0.254cm~0.635cm(0.1インチ~0.25インチ)の範囲から選択される。一部の例では、頂部長手方向エッジ132Bによって形成される直線と頂部横方向エッジ134Bによって形成される直線との間の角度は、直角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、鈍角又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。さらに、頂部横方向エッジ134Bは、出口面112内で頂部横方向エッジ134Bと共平面である。
【0034】
図5は、TIRレンズ102の第3の象限及び第4の象限、すなわち、TIRレンズ102の他の半分を示している。第3の象限、すなわち、図5において見ている人に最も近い象限は、屈折部材108の第3の部分118Cを含む。図示された例では、第3の象限は、(図3Bに示される)横方向断面140を挟んで鏡像の、第2の象限の鏡面コピーである。第3の象限は横方向断面140を挟んで第2の象限の鏡面コピーであるので、第3の象限は、第2の象限の構成要素に関して上述したのと類似又は同一の機能性、特徴、及び変形を有する同様の構造及び構成要素を含む。例えば、屈折部材108の第3の部分118Cは、底部長手方向エッジ120C、底部横方向エッジ122C、及び底部コーナ124Cを含み、底部長手方向エッジ120C及び底部横方向エッジ122Cは共平面であり、両方とも直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。さらに、第3の部分118Cは、中間長手方向エッジ126C、中間横方向エッジ128C及び中間コーナ130Cを含み、中間長手方向エッジ126C及び中間横方向エッジ128Cは共平面であり、両方とも直線状のエッジである。底部コーナ124C及び中間コーナ130Cは、鋭いコーナ、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等として形成されることができる。さらに、底部長手方向エッジ120Cによって形成される直線と底部横方向エッジ122Cによって形成される直線との間の角度は、鈍角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、90度の角度又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。同様に、中間長手方向エッジ126C及び中間横方向エッジ128Cによって形成される直線によって形成される角度は鈍角であり、例えば、90度より大きい任意の角度から選択されることができる。さらに、中間横方向エッジ128Cは、出口面112と実質的に平行な平面に対して斜めにされてもよく、又は角度が付けられてもよい。言い換えれば、中間長手方向エッジ126C及び中間横方向エッジ128Cは共平面であるのではなく、中間横方向エッジ128Cは、方向DR2において下方に、中間コーナ130Cから離れるように延びる。
【0035】
さらに、第3の象限において、コリメータ110は、頂部長手方向エッジ132C、頂部横方向エッジ134C、及び頂部コーナ136Cを含む。図示されるように、頂部長手方向エッジ132C及び頂部横方向エッジ134Cは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。頂部コーナ136Aは、鋭いコーナ、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等であることができる。頂部コーナ136A及び136Bに関して概説されるように、頂部コーナ136Cは、フィレットが付けられたコーナであり、フィレット半径は、0.254cm~0.635cm(0.1インチ~0.25インチ)の範囲から選択される。一部の例では、頂部長手方向エッジ132Cによって形成される直線と頂部横方向エッジ134Cによって形成される直線との間の角度は、直角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、鈍角又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。
【0036】
さらに、頂部横方向エッジ134Cは、出口面112内で頂部横方向エッジ134Cと共平面である。図5に示されるように、第4の象限は、(図3Bに示される)横方向断面140を挟んで鏡像の、第1の象限の鏡面コピーである。第4の象限は横方向断面140を挟んで第1の象限の鏡面コピーであるので、第4の象限は、第1の象限の構成要素に関して上述したのと類似又は同一の機能性、特徴、及び変形を有する同様の構造及び構成要素を含む。例えば、屈折部材108の第4の部分118Dは、底部長手方向エッジ120D、底部横方向エッジ122D、及び底部コーナ124Dを含み、底部長手方向エッジ120D及び底部横方向エッジ122Dは共平面であり、両方とも直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。さらに、第4の部分118Dは、中間長手方向エッジ126D、中間横方向エッジ128D及び中間コーナ130Dを含み、中間長手方向エッジ126D及び中間横方向エッジ128Dは共平面であり、両方とも直線状のエッジである。底部コーナ124D及び中間コーナ130Dは、鋭いコーナ、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナ等として形成されることができる。さらに、底部長手方向エッジ120Dによって形成される直線と底部横方向エッジ122Dによって形成される直線との間の角度は、鈍角、すなわち、90度より大きい角度である。同様に、中間長手方向エッジ126D及び中間横方向エッジ128Dによって形成される直線によって形成される角度は、鈍角、すなわち、90度より大きい任意の角度である。さらに、中間横方向エッジ128Dは、出口面112と実質的に平行な平面に対して斜めにされてもよく、又は角度が付けられてもよい。言い換えれば、中間長手方向エッジ126D及び中間横方向エッジ128Dは共平面であるのではなく、中間横方向エッジ128Dは、方向DR2において下方に、中間コーナ130Dから離れるように延びる。
【0037】
さらに、第4の象限において、コリメータ110は、頂部長手方向エッジ132D、頂部横方向エッジ134D、及び頂部コーナ136Dを含む。図示されるように、頂部長手方向エッジ132D及び頂部横方向エッジ134Dは両方、直線状のエッジであり、例えば、実質的に直線を形成する。頂部コーナ136Dは、鋭いコーナ、面取りされたコーナ、フィレットが付けられたコーナであることができる。頂部コーナ136A、136B、及び136Cに関して概説されるように、頂部コーナ136Dは、フィレットが付けられたコーナであり、フィレット半径は、0.254cm~0.635cm(0.1インチ~0.25インチ)の範囲から選択される。一部の例では、頂部長手方向エッジ132Dによって形成される直線と頂部横方向エッジ134Dによって形成される直線との間の角度は、直角である。しかしながら、この角度は完全に適応可能であり、鈍角又は鋭角を形成してもよいことを理解されたい。
【0038】
さらに、頂部横方向エッジ134Dは、出口面112内で頂部横方向エッジ134Dと共平面である。図6は、4つの象限がすべて存在するTIRレンズ102の上面図を示している。図示されるように、屈折部材108の全幅TWは、屈折部材108の全長TLよりも小さい。図示されるように、全幅TWは、底部横方向エッジ122Aの幅(すなわち、第1の幅W1)及び底部横方向エッジ122Bの幅(すなわち、第1の幅W1)の組み合わせとして表される。同様に、屈折部材108の全長TLは、底部長手方向エッジ120Aの長さ(すなわち、第1の長さL1)及び底部長手方向エッジ120Dの長さ(すなわち、第1の長さL1)の組み合わせとして表される。斯くして、屈折部材108の全幅TWは、2*W1と表されることができ、全長TLは、2*L1と表されることができる。
【0039】
図3A図6に示されるように、下向きに傾斜している中間横方向エッジ、すなわち、中間横方向エッジ128A~128Dは、屈折部材108の4つの部分すべて、すなわち、部分118A~118Dによって共有される中央エッジ(central edge)142に向かって傾斜する。例えば、中間横方向エッジ128A及び中間横方向エッジ128Bは、中央エッジ142の第1の端部で合流するまで、それぞれの中間コーナから下方向に傾斜する。同様に、中間横方向エッジ128C及び128Dは、中央エッジ142の第2の端部で合流するまで、それぞれの中間コーナから下方向に傾斜する。このように、中央エッジ142は、中間長手方向エッジ126A~126D及び底部長手方向エッジ120A~120Dと実質的に平行に配置される実質的に長手方向のエッジである。さらに、図示されるように、中央エッジ142は、長手方向断面138と実質的に一致するように配置される。それぞれの中間コーナ130A~130Dからそれぞれ延びる、中間横方向エッジ128A~128Dは、出口面112に対して、上向きの角度、下向きの角度、又は角度なしで延びることができ、それゆえ、中央エッジ142は、中間長手方向エッジ126A~126Dに対して上、下、又は平行に位置付けられてもよいことを理解されたい。
【0040】
図7A~7Bは、TIRレンズ102の2つの例示的な実施形態の上面図を示している。図7Aは、各頂部コーナ136A~136Dがフィレットが付けられ、各フィレットが第1の半径、例えば、0.635cm(0.25インチ)の半径を有する、TIRレンズ102の一例の実施形態の上面図を示している。図7Bは、各頂部コーナ136A~136Dがフィレットが付けられ、各フィレットが第2の半径、例えば、0.254cm(0.1インチ)の半径を有する、TIRレンズ102の別の例の実施形態の上面図を示している。上述したように、各コーナのフィレットの半径は、0.254cm~0.635cm(0.1インチ~0.25インチ)の間の任意の半径から選択されることができることを理解されたい。以下で論じられるように、選択されたフィレットの半径の大きさは、TIRレンズ102の出口面112を出る光線ビームの広がりを制御するように動作する。頂部コーナ136A~136Dのフィレット半径を調整することは、ビームの狭い部分に関する小さな変動のみで、TIRプロファイルに入射する光の量を制御する。図7A及び7Bに示される上面図に見られるように、頂部長手方向エッジ132A~132D及び頂部横方向エッジ134A~134Dと共に、フィレットが付けられたコーナ136A~136Dは、正方形のような形状、すなわち、丸みを帯びたコーナを有する実質的に正方形の形状を形成する。さらに、これらの図は、(図6に示される)中間長手方向エッジ126A~126D及び(図6に示される)中間横方向エッジ128A~128Dが、不規則な八角形を形成し、底部長手方向エッジ120A~120D及び底部横方向エッジ122A~122Dが、不規則な六角形を形成することも示している。中間エッジが不規則な六角形を形成してもよく、底部エッジが不規則な八角形を形成することができることを理解されたい。取られる形状は、各コーナ(例えば、底部コーナ124A~124D及び中間コーナ130A~130D)の内角144を変更することによって変更され得る。図示の例では、内角144は100.98度である。しかしながら、内角144は、任意の鈍角又は直角であることができることを理解されたい。
【0041】
図8Aは、屈折部材のエッジがカーブしている、レイトレーシングを用いたレンズの上面図である。図示されるように、カーブしている(curved)又は丸みを帯びた(rounded)エッジの使用は、望ましくない電磁放射106のレイトレースパターンにおけるフレアF及び光条Sを引き起こす。これは、TIRレンズ102から延びる光パターン又は配光の制御の欠如に起因する。図8Bは、本開示のTIRレンズ102の上面図であり、屈折部材の長手方向及び横方向エッジ(底部及び中間)が、光線が壁Wに沿って走る場合に、顕著なフレアリング(flaring)及び可視光条が著しく少ない又はない結果となる、配光のより大きな制御を可能にする。
【0042】
図9~10は、レイトレーシングを用いた本開示のTIRレンズ102の長手方向の側面プロファイル及び横方向の側面プロファイルを示している。図示されるように、(図2に示される)出口面112を出るレイトレース電磁放射106は、制御された、実質的に均質なビームであり、顕著なフレアリングはなく、顕著な光条又は影はない。図示の長手方向の側面プロファイル及び横方向の側面プロファイルの両方において、中間長手方向エッジ126A~126D及び中間横方向エッジ128A~128Dについての直線間の遷移(transition)は、フレア、光条及び影を低減又は排除する結果となる反射/屈折された光線又は電磁放射106間のきれいな遷移(clean transition)を可能にする。
【0043】
図11A及び11Bは、カンデラ(略称「cd」)で測定される光度の範囲にわたる、それぞれ、図7A及び7Bに関して図示及び述べられるTIRレンズ102の可視光又は電磁放射106の極分布を示している。図示されるように、例えば、100cdから約1000cdまでの、光度の範囲を通して、配光は、極分布上で実質的な制御を示す膨らみのない(no bulging)、実質的に滑らかで均質である。図11A及び図11Bは、それぞれ、10°x55°及び10°x75°の非対称ビーム分布を表している。
【0044】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0045】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0046】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。
【0047】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。
【0048】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。
【0049】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0050】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、それぞれ、クローズド(closed)又は半クローズド(semi-closed)移行句である。
【0051】
いくつかの発明実施形態が、本明細書で説明及び図示されてきたが、当業者は、本明細書で説明される機能を実行するための、並びに/あるいは、その結果及び/又は利点のうちの1つ以上を得るための、様々な他の手段及び/又は構造体を、容易に構想することとなり、そのような変形態様及び/又は修正態様は、本明細書で説明される発明実施形態の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で説明される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の用途に応じて変化することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で説明される特定の発明実施形態に対する、多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の実施形態は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に説明及び特許請求されるもの以外の発明実施形態が実践されてもよい点を理解されたい。本開示の発明実施形態は、本明細書で説明される、それぞれの個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。更には、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合であれば、本開示の発明の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
【国際調査報告】