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特表2023-547243携帯型電子装置においてガスセンサを動作させるためのシステム及び方法
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  • 特表-携帯型電子装置においてガスセンサを動作させるためのシステム及び方法 図1a
  • 特表-携帯型電子装置においてガスセンサを動作させるためのシステム及び方法 図1b
  • 特表-携帯型電子装置においてガスセンサを動作させるためのシステム及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】携帯型電子装置においてガスセンサを動作させるためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20231101BHJP
   G01N 27/04 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
G01N27/12 D
G01N27/04 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526363
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2021076087
(87)【国際公開番号】W WO2022089847
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202041047453
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】515022571
【氏名又は名称】ロバート ボッシュ エンジニアリング アンド ビジネス ソリューションズ プライヴェット リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Robert Bosch Engineering and Business Solutions Private Limited
【住所又は居所原語表記】123, Industrial Layout, Hosur Road, Koramangala, Bangalore - 560 095, India
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】チェサナート サラニャ
(72)【発明者】
【氏名】アイビン パウル ラザール
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト フィクス
【テーマコード(参考)】
2G046
2G060
【Fターム(参考)】
2G046AA01
2G046DB04
2G046FB02
2G060AA01
2G060AE19
2G060AF07
2G060BA01
2G060KA01
(57)【要約】
本発明は、携帯型電子装置(50)においてガスセンサ(10)を動作させる方法及びシステム(100)を開示する。ガスセンサ(10)は、携帯型電子装置(50)がイナクティブである場合には超低電力モードで動作し、携帯型電子装置(50)がアクティブである場合には通常電力モードで動作する。本方法は、超低電力モードにおけるガスセンサ(10)のベースライン抵抗値を格納することを含む。ガスセンサ(10)は、携帯型電子装置(50)がアクティブになると、超低電力モードから通常電力モードへと移行する。通常電力モードにおけるガスセンサ(10)の抵抗値の安定化率が計算される。通常電力モードにおけるガスセンサ(10)の抵抗値の安定化率と、超低電力モードにおけるベースライン抵抗値と、超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサ(10)の安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、通常電力モードにおけるガスセンサ(10)の安定化した抵抗値が推定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子装置(50)においてガスセンサ(10)を動作させる方法であって、前記ガスセンサ(10)は、前記携帯型電子装置(50)がイナクティブである場合には超低電力モードで動作し、前記携帯型電子装置(50)がアクティブである場合には通常電力モードで動作する、方法において、
前記超低電力モードにおける前記ガスセンサ(10)のベースライン抵抗値を格納することと、
前記ガスセンサ(10)を通常電力モードへと移行させることと、
前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の抵抗値の安定化率を計算することと、
前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の前記抵抗値の安定化率と、前記超低電力モードにおける前記ベースライン抵抗値と、前記超低電力モード及び前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の安定化した抵抗値を推定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ガスセンサ(10)の前記安定化した抵抗値は、周囲空気の品質を示す、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の前記推定された安定化した抵抗値を出力することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記超低電力モード及び前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の安定化した抵抗値の前記比較チャートは、予め作成され、格納されている、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通常電力モードにおいて前記ガスセンサ(10)が安定化すると、前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の実際の安定化した抵抗値を出力することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記通常電力モードにおけるデータサンプリングレートは、前記超低電力モードにおけるデータサンプリングレートと比較してより高い、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
携帯型電子装置(50)のための空気品質検知システム(100)であって、
前記空気品質検知システム(100)は、ガスセンサ(10)を含み、
前記空気品質検知システム(100)は、前記携帯型電子装置(50)がイナクティブである場合には超低電力モードで動作し、前記携帯型電子装置(50)がアクティブである場合には通常電力モードで動作する、空気品質検知システム(100)において、
前記超低電力モードにおける前記ガスセンサ(10)のベースライン抵抗値を格納するためのメモリ(20)と、
・前記携帯型電子装置(50)がアクティブになると、前記空気品質検知システム(100)を通常電力モードへと移行させ、
・前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の抵抗値の安定化率を計算し、
・前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の前記抵抗値の安定化率と、前記超低電力モードにおける前記ベースライン抵抗値と、前記超低電力モード及び前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、前記通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の安定化した抵抗値を推定する
ように構成されているコントローラ(30)と、
を備える空気品質検知システム(100)。
【請求項8】
前記空気品質検知システム(100)は、前記通常電力モードにおける前記推定された安定化した抵抗値を出力する、
請求項7に記載の空気品質検知システム(100)。
【請求項9】
前記ガスセンサ(10)の前記推定された安定化した抵抗値は、周囲空気の品質を示す、
請求項7に記載の空気品質検知システム(100)。
【請求項10】
前記超低電力モード及び通常電力モードにおける前記ガスセンサ(10)の安定化した抵抗値の前記比較チャートは、予め作成され、前記メモリ(20)に格納されている、
請求項7に記載の空気品質検知システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の明細書は、本発明の性質と、本発明が実施されるべき手法とを説明し、確認するものである。
【0002】
本発明は、携帯型電子装置においてガスセンサを動作させるシステム及び方法に関する。より具体的には、本発明は、携帯型電子装置において室内の空気品質を迅速に測定又は推定することに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
携帯電話のような携帯型電子装置が、日々多数の新しい機能を搭載して登場している。最近の携帯電話における興味深い特徴の1つは、室内の空気品質の測定である。携帯電話内で使用されている金属酸化物センサが、空気品質を測定する。しかしながら、抵抗測定によって空気品質を測定するためには、金属酸化物センサを加熱するための多くの電力が必要である。携帯型電子装置がアクティブである場合には、金属酸化物センサは、通常電力モード又は高電力モードにある。
【0004】
携帯型電子装置がイナクティブである場合又はスリープモードにある場合には、金属酸化物センサは、通例、超低電力モードにある。すなわち、金属酸化物センサは、さほど頻繁には加熱されない。したがって、低電力モードにおいては、測定は、頻繁には行われない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第9739762号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、携帯型電子装置がスリープモードからアクティブモードに切り替わる際には、金属酸化物センサは、安定化するために、かつ、測定を行うために時間を要する。通例、空気品質測定を正確に行うためにはラグ又は遅延が存在する。このことは、空気品質機能のユーザ体験に影響を及ぼすこととなる。
【0007】
米国特許第9739762号明細書は、ガスセンサ及び低電力モードを備えた携帯型センサ装置を開示している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の簡単な説明
本発明は、携帯型電子装置においてガスセンサを動作させる方法を開示する。ガスセンサは、携帯型電子装置がイナクティブである場合には超低電力モードで動作し、携帯型電子装置がアクティブである場合には通常電力モードで動作する。通常電力モードにおけるデータサンプリングレートは、超低電力モードにおけるデータサンプリングレートと比較してより高い。
【0009】
本方法は、超低電力モードにおけるガスセンサのベースライン抵抗値を格納することを含む。ガスセンサは、携帯型電子装置がアクティブになると、超低電力モードから通常電力モードへと移行する。
【0010】
通常電力モードにおけるガスセンサの抵抗値の安定化率が計算される。通常電力モードにおけるガスセンサの抵抗値の安定化率と、超低電力モードにおけるベースライン抵抗値と、超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値が推定される。
【0011】
超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値の比較チャートは、予め作成され、格納されている。ガスセンサの推定された安定化した抵抗値は、周囲空気の品質を示す。通常電力モードにおけるガスセンサの推定された安定化した抵抗値は、携帯型電子装置のユーザに出力される。通常電力モードにおいてガスセンサが安定化すると、通常電力モードにおけるガスセンサの実際の安定化した抵抗値が出力される。
【0012】
本発明は、携帯型電子装置のための空気品質検知システムも開示する。本発明の一実施形態においては、空気品質検知システムは、ガスセンサ、例えば金属酸化物ガスセンサを含む。ガスセンサ、メモリ及びコントローラは、携帯型電子装置に取り付けられている。ガスセンサとメモリとコントローラとが共に空気品質検知システムを構成している。メモリ及びコントローラは、携帯型電子装置の一部である。
【0013】
空気品質検知システムは、携帯型電子装置がイナクティブである場合には超低電力モードで動作し、携帯型電子装置がアクティブである場合には通常電力モードで動作する。メモリは、超低電力モードにおけるガスセンサのベースライン抵抗値を格納する。コントローラは、携帯型電子装置がアクティブになると、空気品質検知システムを通常電力モードへと移行させる。コントローラは、通常電力モードにおけるガスセンサの抵抗値の安定化率を計算する。コントローラは、通常電力モードにおけるガスセンサの抵抗値の安定化率と、超低電力モードにおけるベースライン抵抗値と、超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値を推定する。空気品質検知システムは、通常電力モードにおける推定された安定化した抵抗値を出力する。超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値の比較チャートは、予め作成され、格納されている。
【0014】
本発明の他の実施形態においては、空気品質検知システム自体がガスセンサと称される。この実施形態においては、メモリ及びコントローラが、ガスセンサ内に設けられている。ガスセンサは、携帯型電子装置に取り付けられている。
【0015】
本開示の一実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1a】本発明の一実施形態による空気品質検知システムの概略的なブロック図である。
図1b】本発明の他の実施形態による空気品質検知システムの概略的なブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による、携帯型電子装置においてガスセンサを動作させる方法に関連するステップを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施形態の詳細な説明
図1aは、本発明の一実施形態による空気品質検知システムの概略的なブロック図を示す。本発明の一実施形態においては、空気品質検知システム100は、ガスセンサ10、例えば金属酸化物ガスセンサを含む。ガスセンサ10、メモリ20及びコントローラ30は、携帯電話又はスマートフォン、PDA、IOT装置等のような携帯型電子装置50に取り付けられている。
【0018】
ガスセンサ10とメモリ20とコントローラ30とは、共に空気品質検知システム100を構成している。メモリ20及びコントローラ30は、携帯型電子装置50の一部である。
【0019】
空気品質検知システム100は、携帯型電子装置50がイナクティブである場合には超低電力モードで動作する。空気品質検知システム100は、携帯型電子装置50がアクティブである場合には通常電力モードで動作する。通常電力モードにおけるデータサンプリングレートは、超低電力モードにおけるデータサンプリングレートと比較してより高い。例えば、超低電力モードにおいては、抵抗測定が300秒ごとに行われるが、その一方で、通常電力モードにおいては、抵抗測定が3秒ごとに行われる。その結果、通常電力モード中にガスセンサ10を加熱するために必要とされる電力は、超低電力モード中に必要とされる電力よりも高くなる。
【0020】
メモリ20は、超低電力モードにおけるガスセンサ10のベースライン抵抗値を格納する。ベースライン抵抗値は、特定の期間にわたってガスセンサ10によって測定された最大抵抗値である。ベースライン抵抗値は、短期間に発生した可能性のある突発的なピーク又は最大値ではない。これに対して、ベースライン抵抗値は、長期間にわたって観察される一貫した最大抵抗値である。
【0021】
超低電力モード中、ガスセンサ10は、通常電力モードと比較して頻繁には加熱されない。ガスセンサ10は、加熱される時にはいつでも所定の期間にわたって抵抗値を測定する。この測定に基づいて、超低電力モードにおけるガスセンサ10のベースライン抵抗値が決定され、メモリ20に格納される。
【0022】
コントローラ30は、携帯型電子装置50がアクティブになると、空気品質検知システム100を通常電力モードへと移行させる。コントローラ30は、通常電力モードにおけるガスセンサ10の抵抗値の安定化率を計算する。
【0023】
携帯型電子装置50がアクティブになると、ユーザは、空気品質の読み取り結果が即座にスクリーンに現れることを期待する。しかしながら、ガスセンサ10を加熱し、安定化させる必要があるので、抵抗又は空気品質の実際の測定には比較的長い時間がかかる可能性がある。
【0024】
通常電力モードにおけるガスセンサ10の初期アクティブ化期間中に、ガスセンサ10の抵抗値の安定化率が、コントローラ30によって予測技術を使用して計算される。コントローラ30は、通常電力モードにおけるガスセンサ10の抵抗値の安定化率と、超低電力モードにおけるベースライン抵抗値と、超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、通常電力モードにおけるガスセンサ10の安定化した抵抗値を推定する。
【0025】
超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサ10の安定化した抵抗値は、比較チャートを作成するために1周期にわたって収集され、分析される。超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサ10の安定化した抵抗値の比較チャートは、予めメモリ20に格納されている。
【0026】
ガスセンサ10の推定された安定化した抵抗値は、周囲空気の品質を示す。通常電力モードにおけるガスセンサ10の推定された安定化した抵抗値は、携帯型電子装置50のユーザに出力される。したがって、本発明は、空気品質測定を非常に短時間でユーザに提供するという目的を解決し、その一方で、顕著な省電力化を図ることが可能である。したがって、携帯型電子装置の空気品質機能のユーザ体験が顕著に改善される。通常電力モードにおいてガスセンサが安定化すると、通常電力モードにおけるガスセンサの実際の安定化した抵抗値が出力される。
【0027】
本発明の他の実施形態においては、空気品質検知システム100自体がガスセンサ10と称される。図1bは、本発明のこの実施形態よる空気品質検知システムの概略的なブロック図を示す。この実施形態においては、メモリ20及びコントローラ30が、ガスセンサ10内に設けられている。ガスセンサ10は、携帯型電子装置50に取り付けられている。残余の機能及び態様は、先行する段落において説明したものと同様である。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態による、携帯型電子装置においてガスセンサを動作させる方法に関連するステップを説明するフローチャートである。ガスセンサ10は、金属酸化物ガスセンサであるものとしてよい。ガスセンサ10は、携帯型電子装置50がイナクティブである場合には超低電力モードで動作し、携帯型電子装置50がアクティブである場合には通常電力モードで動作する。通常電力モードにおけるデータサンプリングレートは、超低電力モードにおけるデータサンプリングレートと比較してより高い。
【0029】
本方法は、ステップ200において、超低電力モードにおけるガスセンサ10のベースライン抵抗値を格納することを含む。先行する段落において説明したように、超低電力モードにおけるガスセンサ10のベースライン抵抗値は、特定の期間にわたって一貫して取得された最大抵抗値である。ステップ210において、ガスセンサ10は、超低電力モードから通常電力モードへと移行する。
【0030】
ステップ220において、通常電力モードにおけるガスセンサ10の抵抗値の安定化率が、予測技術を使用して計算される。ステップ230において、通常電力モードにおけるガスセンサの抵抗値の安定化率と、超低電力モードにおけるベースライン抵抗値と、超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値の比較チャートとに基づいて、通常電力モードにおけるガスセンサ10の安定化した抵抗値が推定される。
【0031】
超低電力モード及び通常電力モードにおけるガスセンサ10の安定化した抵抗値の比較チャートは、予め作成され、メモリ20に格納されている。ガスセンサの推定された安定化した抵抗値は、周囲空気の品質を示す。通常電力モードにおけるガスセンサの推定された安定化した抵抗値は、携帯型電子装置50のユーザに出力される。
【0032】
通常電力モードにおけるガスセンサの安定化した抵抗値は、高速に推定されるので、空気品質の読み取り結果を非常に短時間でユーザに出力することができる。携帯型電子装置からの応答が高速であるので、ユーザの満足度が顕著に改善される。空気品質測定は、余計な電力を浪費することなく迅速に行われる。空気品質測定のための電力要求が低減されるので、携帯型電子装置におけるいくつかの重要な機能のために電力を使用することができる。
【0033】
通常電力モードにおいてガスセンサが安定化すると、通常電力モードにおけるガスセンサの実際の安定化した抵抗値が出力される。
【0034】
上記において説明した実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。多くのそのような実施形態及び明細書において説明された実施形態の他の修正及び変更が想定される。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1a
図1b
図2
【国際調査報告】