(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】蒸気供給の減圧によって最適化された高温電解槽システム
(51)【国際特許分類】
C25B 1/042 20210101AFI20231101BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20231101BHJP
C25B 15/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
C25B1/042
C25B9/00 A
C25B15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526416
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021079531
(87)【国際公開番号】W WO2022090151
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・デュムラン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・バンデリール
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC03
4K021BC05
4K021CA12
4K021CA13
(57)【要約】
高温電解槽(HTE)(1)と、槽(1)に蒸気を供給する第1の供給ライン(2)と、槽(1)から二水素を排出する第1の排出ライン(4)と、槽(1)から二酸素を排出する第2の排出ライン(3)と、ライン(2)とライン(4)の間での熱交換を保証する第1の熱交換モジュール(5)と、ライン(2)においてモジュール(5)上流に配置され、液体水から蒸気を生成する蒸気発生器(6)とを備えたシステム。このシステムは、第1の供給ライン(2)のセクション(30)を減圧させるモジュールであって、第1の蒸気供給ライン(2)において蒸気発生器(6)上流に配置された膨張デバイス(28)と、ライン(2)において蒸気発生器(6)下流に配置されたコンプレッサ(29)を備えたモジュールを備えている。本発明は、固体酸化物電解質電池(SOEC)の高温水電気分解と、固体酸化物燃料電池(SOFC)の高温水電気分解の分野に関する。本発明は特に、SOEC電解槽システムのエネルギ消費を最適化するために適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温電解槽(HTE)(1)と、
前記電解槽(1)に蒸気を供給するように構成された、前記電解槽の第1の供給ライン(2)と、
前記電解槽(1)から二水素を排出するように構成された、前記電解槽の第1の排出ライン(4)と、
前記電解槽(1)から二酸素を排出するように構成された、前記電解槽の第2の排出ライン(3)と、
前記第1の蒸気供給ライン(2)と前記第1の二水素排出ライン(4)との間での熱交換を保証するように構成された、第1の熱交換モジュール(5)と、
前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記第1の熱交換モジュール(5)の上流に配置されており、液体水から蒸気を生成するように構成された蒸気発生器(6)と、
を備えたシステムであって、
前記システムは、前記第1の供給ライン(2)のセクション(30)を減圧させるモジュールであって、前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記蒸気発生器(6)の上流に配置されている膨張デバイス(28)と、前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記蒸気発生器(6)の下流に配置されているコンプレッサ(29)とを備えたモジュールを備えていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記コンプレッサ(29)が、前記第1の熱交換モジュール(5)の下流に配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の熱交換モジュール(5)が、直列に配置された前記第1の熱交換モジュールの第1の熱交換器(5a)と前記第1の熱交換モジュールの第2の熱交換器(5b)とを備えており、前記コンプレッサ(29)が、前記第1の熱交換器(5a)の下流であって前記第2の熱交換器(5b)の上流に配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の二酸素排出ライン(3)と前記第1の蒸気供給ライン(2)との間であって前記蒸気発生器(6)の上流に配置された第1の熱交換器(9)を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記膨張デバイス(28)が、前記第1の供給ライン(2)において前記第1の熱交換器(9)の上流に配置されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記電解槽(1)に空気を供給するように構成された、前記電解槽の第2の供給ライン(10)を備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の空気供給ライン(10)と前記第2の二酸素排出ライン(3)との間での熱交換を保証するように構成された、第2の熱交換モジュール(11)を備えている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の熱交換モジュール(5)の出口において、前記第1の蒸気供給ライン(2)のために、前記二水素から熱エネルギを回復するためのモジュールを備えており、前記回復モジュールが、
熱移動流体を受け取るように構成された流体回路(27)と、
前記第1の排出ライン(4)において前記第1の熱交換モジュール(5)の下流に配置されており、前記二水素から前記熱移動流体に前記熱エネルギを移動させるように構成された、第1の蒸発器(25a)と、
前記熱移動流体を圧縮するように構成されたコンプレッサ(26)と、
前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記蒸気発生器(6)の上流に配置され、前記熱移動流体から前記液体水に前記熱エネルギを移動させるように構成された、凝縮器(23)と、
前記熱移動流体を膨張させるように構成された膨張デバイス(24)と、
を備えた熱ポンプを備えており、
前記流体回路(27)が、前記第1の蒸発器(25a)を前記コンプレッサ(26)に、前記コンプレッサ(26)を前記凝縮器(23)に、前記凝縮器(23)を前記膨張デバイス(24)に、前記膨張デバイス(24)を前記第1の蒸発器(25a)に流体的に接続するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の二水素排出ライン(4)において前記第1の蒸発器(25a)の下流に配置された少なくとも1つの第2の熱交換器(16)を備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記熱ポンプが、第2の蒸発器(25b)を備えている、請求項8および9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の蒸発器(25b)が、前記熱ポンプの流体回路(27)において、前記第1の熱交換器(9)の下流に直列に配置されている、請求項4または5と組み合わされた請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の二水素排出ライン(4)において、第2の蒸発器(25b)の下流に配置された少なくとも1つの第3の熱交換器(19)を備えている、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2の熱交換器(16)の下流であって、前記第2の蒸発器(25b)の上流に、液体/気体セパレータ(17)を備えている、請求項10から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の熱交換器(16)が、第1の蒸発器(25a)の下流にある前記第1の二水素排出ライン(4)と前記第2の空気供給ライン(10)との間に配置されている、請求項6または7のいずれか一項と組み合わされた請求項9から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の空気供給ライン(10)に配置されており空気を圧縮するように意図されたコンプレッサ(12)を備えている、請求項12から14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温水電気分解(高温蒸気電気分解に対するHTEまたはHTSE)の分野に関し、さらに、固体酸化物(SOEC、固体酸化物電解質電池)および固体酸化物燃料電池(SOFC)の分野に関する。本発明は、特に、SOEC電解槽システムのエネルギ消費を最適化するように適用される。
【背景技術】
【0002】
水の電気分解は、反応
H2O → H2 + 1/2 O2
に従い、電流を用いて、水を二酸素および二水素ガスに分解する、電気分解反応である。
【0003】
水電気分解を実行するためには、典型的には600℃から950℃の間の高温でそれを行うのが有利であるが、その理由は、反応のために必要となるエネルギの一部が、電気より安価な熱によって提供されることが可能であり、反応の活性化が、高温での方がより効果的であっていかなる触媒も必要としないからである。固体酸化物電解質電池(SOEC)は、特に、二水素を生成するために蒸気を供給されることが意図されている第1の多孔性で伝導性の電極である「カソード」と、カソード上に注入された水の電気分解によって生成された二酸素がここから脱出する第2の多孔性で伝導性の電極である「アノード」と、カソードとアノードとの間に挟まれた固体酸化物の膜(高密度の電解質)であって、通常は600℃を超える高温で陰イオン伝導性(anionically conductive)である膜と、を備えている。この電池を少なくともこの温度まで加熱することにより、そして、カソードとアノードとの間に電流Iを与えることにより、カソードにおいて水の減少が生じ、したがって、これがカソードにおいては二水素(H2)を、アノードにおいては二酸素を発生させる。高温電気分解を実装するためには、SOECタイプの電解槽を用いることが知られており、この電解槽は、それぞれが固体酸化物電気分解電池を備えた基本パターンのスタックから構成され、この電池は、相互に積層された3つのアノード/電解質/カソード層と、バイポーラ板またはインターコネクタとも称される金属合金で作られた相互接続プレートと、によって構成されている。インターコネクタは、それぞれの電池の近傍において電流を流すことと気体を循環させること(注入された蒸気、水素および酸素がHTE電解槽において抽出され、空気および水素が注入され、水がSOFC電池において抽出される)との両方を保証し、電池のアノードおよびカソードのそれぞれの側における気体循環コンパートメントであるアノードコンパートメントとカソードコンパートメントとを分離するという機能を有する。
【0004】
高温蒸気電気分解HTEを実行するため、蒸気H2Oが、カソードコンパートメントの中に注入される。
【0005】
電池に加えられた電流の効果により、蒸気形態への水分子の分離が、水素電極(カソード)と電解質との接点で実行され、この分離は、二水素ガスH2と酸素イオンとを生じさせる。二水素は、収集され、水素コンパートメント出口において排出される。酸素イオンは、電解質を通じて移動し、電解質と酸素電極(アノード)との接点で、二酸素O2中で再結合する。
【0006】
スタックを通過する電気分解の効果的な実装のため、スタックが、600℃を超える温度、通常は600℃から950℃の温度まで加熱され、気体の供給は、一定流量で開始され、電源は、そこで電流Iを循環させるために、スタックの2つの端子の間に接続される。
【0007】
電気から水素への変換の歩留まりが、技術の競争力を保証するための要点である。電力消費は、厳密に言えば、主に電気分解反応の最中に生じるが、電解槽の消費のほとんど30%は、流体の熱/水力管理システムから、すなわち電解槽の外部のアーキテクチャと、このアーキテクチャにおける流体および熱エネルギの管理とから、生じる。
【0008】
電解槽において用いられる水の蒸発が、この熱/水力管理システムの最大のエネルギ消費である。従来、この機能は、電解槽の全体的な消費の20%を消費する電気蒸気発生器によって、保証されている。
【0009】
さらに、一般的に、エネルギの著しい部分が、周囲の環境に排出される。たとえば、水素の乾燥フェーズおよびその圧縮の間には、水/水素混合物における水の凝縮を可能にするために、この混合物を高度に冷却することが必要である。この凝縮は、全般的に、電解槽の入口における水の蒸発温度より低い温度で実行されるのであるが、これは、この凝縮エネルギの非常に僅かな部分が使用可能であることを意味する。
【0010】
中国特許出願公開第110904464A1号(特許文献1)という文書が知られており、この文書には、海上での風力エネルギに基づく海水電気分解によって水素を生成するためのシステムが記載されている。このシステムは、生成された二水素を用いて熱交換により蒸気の生成を保証する蒸発器を備えている。この蒸発器は、真空ポンプによって減圧される熱交換器である。このシステムは、上述した短所を解決しないように思われる。このシステムは、それ自体が複雑であり、それほど適切ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】中国特許出願公開第110904464A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、電解槽システムの流体のアーキテクチャと管理とを最適化することによって、この消費を最小化する必要が存在する。
【0013】
本発明の目的は、したがって、最適化された高温電解槽システムを提案することである。
【0014】
本発明の他の目的、特徴および長所は、以下の説明と添付の図面とを検討することで、明らかになるだろう。他の長所が組み込まれることがあり得ることも理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するため、ある実施形態によると、本発明は、高温電解槽(HTE)と、電解槽に蒸気を供給するように構成された電解槽の第1の供給ラインと、電解槽から二水素を排出するように構成された電解槽の第1の排出ラインと、電解槽から二酸素を排出するように構成された電解槽の第2の排出ラインと、第1の蒸気供給ラインと第1の二水素排出ラインとの間での熱交換を保証するように構成された第1の熱交換モジュールと、第1の蒸気供給ラインにおいて第1の熱交換モジュールの上流に配置されており液体水から蒸気を生成するように構成された蒸気発生器と、を備えたシステムであって、このシステムは、第1の供給ラインのセクションを減圧させるモジュールであって、第1の蒸気供給ラインにおいて蒸気発生器の上流に配置されている膨張(expansion)デバイスと、第1の蒸気供給ラインにおいて蒸気発生器の下流に配置されているコンプレッサとを備えたモジュールを備えていることを特徴とする、システムを提供する。
【0016】
よって、このシステムは、第1の供給ラインにおいて循環している水の沸点を低下させるために、第1の供給ラインのセクションにおける圧力を低減することを提案する。次に、いったん蒸気発生器において蒸気の蒸発が行われると、好ましくは、この減圧は、大気圧への再圧縮によって補償される。減圧されるセクションは、蒸気発生器を包囲する。
【0017】
好ましくは、水の沸騰は、電解槽の熱排出の温度よりも低い温度で、特に、交換としたがって熱排出の利用とに好都合な二酸素および二水素の温度よりも低い温度で、実行される。
【0018】
別の態様が、上述されたようなシステムに関係しており、この別の態様は、第1の熱交換モジュールの出口において、第1の蒸気供給ラインのために、二水素から熱エネルギを回復するためのモジュールを備えており、この回復モジュールは、熱移動流体を受け取るように構成された流体回路と、第1の排出ラインにおいて第1の熱交換モジュールの下流に配置されており二水素の熱エネルギを熱移動流体に移動させるように構成された第1の蒸発器と、熱移動流体を圧縮するように構成されたコンプレッサと、第1の蒸気供給ラインにおいて蒸気発生器の上流に配置されており熱移動流体から液体水に熱エネルギを移動させるように構成された凝縮器と、熱移動流体を膨張させるように構成された膨張デバイスと、を備えた熱ポンプを備えており、流体回路は、第1の蒸発器をコンプレッサに、コンプレッサを凝縮器に、凝縮器を膨張デバイスに、膨張デバイスを第1の蒸発器に流体的に接続するように構成されている。
【0019】
この配置により、電解槽によって生成される二水素の熱エネルギを回復することで、液体水の蒸発に寄与し、したがって、システムのエネルギ消費を低減させることが可能になる。
【0020】
これにより、熱ポンプを用いて減圧されたシステムを有利に結合することによって、カロリーをより多く用いることが可能になる。低熱源すなわち電解槽によって生成された二水素の枯渇により、エネルギの均衡と水素の排出(したがってその品質)とにとって非常に好都合である周囲温度未満の温度に到達することが可能になる。
【0021】
よって、このシステムは、電解槽の出口における二水素からの熱を用いるのであるが、第1の熱交換モジュールの後では、蒸発器における二水素の熱排出が、熱ポンプの能動システムを経由して、より低い温度で、用いられる。二水素から回復されたカロリーは、蒸気発生器の上流において、水の蒸発温度よりも高い温度で、再注入される。
【0022】
本発明の目的、目標、ならびに特徴および長所は、次の添付の図面によって図解されている後者の実施形態に関する詳細な説明から、最良に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】熱ポンプを備えた本発明の実施形態によるシステムを表す機能図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面は、例として与えられており、本発明の限定ではない。図面は、原理的な概略表現を構成しており、本発明の理解を容易にするように意図され、必ずしも実際的な応用例の縮尺通りとは限らない。
【0025】
本発明の実施形態の詳細な検討を開始する前に、以下では、オプションであるが関連としてまたは代替的に用いられ得るオプションの特徴が記載される。
【0026】
ある例によると、コンプレッサ29は、第1の熱交換モジュール5の下流に、配置される。
【0027】
コンプレッサ29による圧縮は、気体/液体混合物に対してではなく、気体フローに対してのみ、実行されるのが有利である。第1の熱交換モジュールの下流において圧縮を実行すると、これによって、ほとんどすべての液体水が蒸気に変換されることが保証される。
【0028】
ある例によると、第1の熱交換モジュール5は、第1の供給ライン2において直列に配置された第1の熱交換器5aと第2の熱交換器5bとを備えており、コンプレッサ29は、第1の熱交換器5aの下流であって第2の熱交換器5bの上流に、配置される。
【0029】
ある例によると、このシステムは、第2の二酸素排出ライン3と第1の蒸気供給ライン2との間であって蒸気発生器6の上流に配置された第1の熱交換器9を、備える。
【0030】
よって、この第1の熱交換器9は、蒸気発生器6の前の液体水の温度を上昇させるのに寄与し、電解槽によって生成された二酸素からの熱の回復により、そのエネルギ消費を制限する。
【0031】
ある例によると、膨張デバイス28は、第1の供給ライン2において、第1の熱交換器9の上流に配置される。
【0032】
ある例によると、このシステムは、電解槽に空気をまたは酸素を含む気体を提供するように構成された電解槽の第2の供給ライン10を備えている。
【0033】
ある例によると、このシステムは、第2の空気供給ライン10と第2の二酸素排出ライン3との間での熱交換を保証するように構成された第2の熱交換モジュール11を備えている。
【0034】
よって、第2の熱交換モジュール11により、出て行く二酸素フローからの熱によって入ってくる空気フローを加熱することが可能になる。
【0035】
ある例によると、このシステムは、第1の二水素排出ライン4において第1の蒸発器25aの下流に配置された少なくとも1つの第2の熱交換器16を備えている。
【0036】
ある例によると、熱ポンプは、第2の蒸発器25bを備えている。
【0037】
ある例によると、第2の蒸発器25bは、熱ポンプの流体回路27において、第1の熱交換器9の下流に、直列に配置されている。
【0038】
ある例によると、このシステムは、第1の二水素排出ライン4において第2の蒸発器25bの下流に配置された少なくとも1つの第3の熱交換器19を備えている。
【0039】
ある例によると、このシステムは、第2の熱交換器16の下流であって第2の蒸発器25bの上流に、液体/気体セパレータ17を備えている。
【0040】
ある例によると、第2の熱交換器16は、第1の蒸発器25aの下流にある第1の二水素排出ライン4と、第2の空気供給ライン10との間に配置されている。
【0041】
よって、第2の空気供給ライン10と第1の二水素排出ライン4との間に配置された第2の熱交換器16により、入って来て電解槽1へ行く空気を加熱するために、二水素からの残留熱を用いることが可能になる。交換器は、有利には、空気冷却器を置き換えることになり、これは、多くのエネルギを用いる空気冷却器の通風機の消費を回避することを可能にする。
【0042】
ある例によると、このシステムは、第2の空気供給ライン10に配置されていて空気を圧縮するように意図されており、好ましくは第2の熱交換モジュール11の上流に、そして好ましくは第2の熱交換器16の下流に配置された、コンプレッサ12を備えている。
【0043】
上流および下流、入口、出口とは、ある与えられた地点において、流体の循環の方向を参照するものと解釈される。
【0044】
ある与えられた値と「実質的に等しい/それよりも上/それよりも下」であるパラメータとは、このパラメータが、その与えられた値と等しい/それよりも上/それよりも下である、その値よりも10%大きいもしくは小さい、またはその値よりも5%大きいもしくは小さいことさえも意味する。
【0045】
本発明によるシステムは、高温電解槽(HTE)1を備えている。好ましくは、電解槽1は、SOEC(固体酸化物電解質電池)タイプである。
【0046】
このシステムは、電解槽1に接続されたいくつかの供給ラインおよび排出ラインを備えている。よって、あるラインとは、電解槽1に対するおよび電解槽1からの流体の輸送を可能にするパイプ、管、または1組のパイプもしくは管を意味する。
【0047】
本発明によるシステムは、電解槽1に蒸気を供給することができる電解槽1の第1の供給ライン2を備える。あるオプションによると、第1の供給ライン2は、電解槽1に蒸気を提供するように構成されており、これは、第1の供給ライン2が、たとえば空気または二水素または二酸化炭素など、蒸気と他の気体との混合物を提供することがあり得ることを意味する。この第1の供給ライン2の上流では、まだ蒸気が形成されておらず、第1の供給ライン2は、液体水を受け取るように構成されている。好適なオプションによると、第1の供給ライン2は、液体水を受け取る第1の部分と蒸気を受け取る第2の部分とを備える。好ましくは、第1の部分は蒸気発生器6の上流に位置し、第2の部分は蒸気発生器6の下流に位置する。
【0048】
本発明によるシステムは、電解槽1から二水素(H2)を排出することができる第1の排出ライン4を備える。好ましくは、第1の排出ライン4は、二水素を受け取る。二水素は、有利には、電解槽1によって生成される。二水素は、気体の形態にある。第1の排出ライン4は、二水素と蒸気との混合物であって電解槽1によって分解されていない、残留物と称される混合物を排出することができる。
【0049】
本発明によるシステムは、電解槽1から二酸素(O2)を排出することができる第2の排出ライン3を備える。好ましくは、第2の排出ライン3は、二酸素を受け取る。二酸素は、有利には、電解槽1によって生成される。二酸素は、気体の形態にある。第2の供給ライン3は、あるオプションによると、たとえば、二酸素が高濃度化された空気など、二酸素が高濃度化された気体を排出する。
【0050】
以下の説明では、これらのラインにおいて輸送されることが可能な気体、流体またはその混合物を制限することなく、第1の供給ライン2は第1の蒸気供給ライン2と称され、第1の排出ライン4は第1の二水素排出ライン4と称され、第2の排出ライン3は第2の二酸素排出ライン3と称される。
【0051】
あるオプションによると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2と第1の二水素排出ライン4との間での熱交換を保証するように構成されている第1の熱交換モジュール5を備える。この熱交換モジュールは、電解槽1からの二水素のカロリーを、電解槽1に供給することが意図されている水に移動させるように構成されている。二水素ガスのフローは、水のフローの温度上昇を保証するが、同時に、排出された二水素のフローを冷却することを可能にし、排出された二水素のフローは、有利には、その利用を考慮して、排出および/または圧縮される。
【0052】
第1の熱交換モジュール5は、ある実施形態によると、二水素から蒸気への熱移動を保証するように構成された少なくとも1つの熱交換器5aを備えている。ある好適な実施形態によると、第1の熱交換モジュール5は、第1の供給ライン2と第1の排出ライン4との間で直列に配置されている2つの熱交換器5a、5bを備える。この配置により、従来は約700℃である電解槽1の出口における二水素の温度に適応された第2の熱交換器5bと、従来は約330℃である熱交換器に送られた後の二水素の温度に適応された、より通常の第1の熱交換器5aとを提供することが可能になる。このようにして、これらのコンポーネントは、温度と達成される熱移動とのために最適化される。
【0053】
本発明によるシステムは、蒸気発生器6を備えている。蒸気発生器6は、液体水から蒸気を生成することを意図されている。蒸気発生器6には、液体水の温度がその蒸発温度より上まで上昇することを保証するために、エネルギが供給される。蒸気発生器6は、技術分野による電解槽システムの主たるエネルギ消費を構成するコンポーネントである。蒸気発生器6は、第1の蒸気供給ライン2に配置される。
【0054】
図1に図解されている本発明の第1の態様によると、このシステムは、第1の供給ライン2のセクション30を減圧させるためのモジュールを備えている。この減圧モジュールは、第1の蒸気供給ライン2に配置される。この減圧モジュールは、膨張デバイス28とコンプレッサ29とを備えている。有利には、膨張デバイス28は、蒸気発生器6の上流にある第1の供給ライン2における圧力を、そして好ましくは蒸気発生器6における圧力を低下させるように、蒸気発生器6の上流に配置される。この圧力低下により、蒸気発生器6における蒸気の中の液体水の蒸発温度を低下させることが可能になる。有利には、この減圧モジュールは、蒸気発生器6の下流に配置されたコンプレッサ29を備えている。コンプレッサ29は、好ましくは、第1の供給ライン2において、第1の供給ラインを循環している水のほぼ全体が蒸気フェーズとなる場所を用いて、配置されている。あるオプションによると、コンプレッサ29は、第1の熱交換モジュール5の下流に配置される。実際に、流体フローが気体のみで構成されているとき、この場合は蒸気のみで構成されているときに、圧縮は、より効果的である。よって、フローの中に液体水が存在しないことを保証するために、第1の熱交換モジュール5における蒸気を過剰に加熱しておくことが好ましい。好ましくは、コンプレッサ29は、第1の熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの下流であって第2の熱交換器5bの上流に、配置される。実際には、第2の熱交換器5bの前というこの位置決めが、このコンポーネントに対する熱応力を制限し、したがって、そのコストを制限することになる。さらには、第2の熱交換器5bの後での圧縮により、電解槽1の入口において特定される温度が700℃を超えることになり得る。
【0055】
ある例として、第1の供給ライン2のセクション30を減圧させるためのモジュールは、200ミリバールの減圧を保証する。液体水の蒸発温度は、こうして、60℃まで低下させられる。このような減圧も、非常に高いエネルギ消費なくして、コンプレッサ29によって補償される。このように、エネルギ効率が優れている。
【0056】
減圧モジュールによって減圧される第1の供給ライン2のセクション30は、膨張デバイス28とコンプレッサ29との間に延長しており、有利には、蒸気発生器6を備えている。
【0057】
ある実施形態によると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2と第2の二酸素排出ライン3とにおいて配置された第1の熱交換器9を備えている。第1の熱交換器9は、好ましくは、第1の供給ライン2において、発生器6の上流に配置される。第1の熱交換器9は、第1の供給ライン2の第1の部分に配置される。好ましくは、第1の熱交換器9は、第1のセクション30に、すなわち膨張デバイス28とコンプレッサ29との間に、配置される。この第1の熱交換器9は、電解槽1から排出され第2の排出ライン3を循環している二酸素のフローにおいて除去されたカロリーを蒸気供給ライン2に熱移動させることを保証するように構成されている。第1の熱交換器9は、電解槽1の出口における二酸素の熱エネルギを蒸気発生器6の上流にある液体水へ送るように、構成されている。
【0058】
ある実施形態によると、このシステムは、空気を電解槽1に供給することができる第2の供給ライン10を備えている。好ましくは、第2の供給ライン10は、空気を受け取る。あるオプションによると、第2の供給ライン10は、空気を電解槽1に提供するように構成されるが、それにより、これは、第2の供給ライン10が空気を、たとえば気体の混合物である空気を提供することができることを意味しており、それにより、電解槽1の電池を掃引することが可能になり、電解槽1によって生成された二酸素を除去することが可能になる。
【0059】
この実施形態によると、本発明によるシステムは、第2の空気供給ライン10と第2の二酸素排出ライン3との間での熱交換を保証するように構成された第2の熱交換モジュール11を備えることが有利である。この熱交換モジュール11は、電解槽1からの二酸素のカロリーを電解槽1に供給することを意図する空気に移動させるように構成される。二酸素ガスのフローが、空気フローの温度上昇を保証し、それが、排出された二酸素フローを冷却することも可能にする。
【0060】
第2の熱交換モジュール11は、ある実施形態によると、二酸素から空気への熱移動を保証するように構成された少なくとも1つの熱交換器11aを備えている。好適な実施形態によると、第2の熱交換モジュール11は、第2の供給ライン10と第2の排出ライン3との間で直列に配置されている2つの熱交換器11a、11bを備える。この配置により、従来は約700℃である電解槽1の出口における二酸素の温度に適応された第2の熱交換器11bと、従来は約330℃である熱交換器に送られた後の二酸素の温度に適応された、より通常の第1の熱交換器11aとを提供することが可能になる。このようにして、これらのコンポーネントは、温度と達成される熱移動とのために最適化される。
【0061】
このシステムは、好ましくは、空気を供給することが意図されている第2の供給ライン10に配置されたコンプレッサ12を備えている。コンプレッサ12は、存在する場合には、好ましくは、第2の熱交換モジュール11の上流に配置される。コンプレッサ12は、電解槽1に供給されるように意図されている空気の圧縮を保証するように、意図されている。空気の圧縮は、有利には、空気の温度を、それが電解槽1に入る前に上昇させることに寄与する。
【0062】
ある実施形態によると、このシステムは、生成された二水素フローを処理するための手段を備えている。電解槽1によって生成され、そこから第1の排出ライン4を通過して出現する二水素は、最初は、電解槽1の反応温度に対応する非常に高い温度を有する。しかし、その使用を考慮すると、この二水素は、好ましくは、周囲温度に近い温度にされなければならない。さらに、第1の排出ライン4を通過して電解槽1から排出される二水素は、二水素のフローと共に除去された蒸気を含み得る。したがって、二水素を、それを排出することにより、それと共に除去された可能性がある蒸気から分離することも好ましい。
【0063】
本発明によるシステムは、有利には、この目的のために、生成された二水素の排出および/または圧縮のために意図された少なくとも1つの第1の処理段を備えている。
【0064】
あるオプションによると、この第1の処理段は、第2の熱交換器16を備えている。第2の熱交換器16は、好ましくは第1の熱交換モジュール5の下流において、第1の排出ライン4に配置される。この第2の熱交換器16は、第1のオプションによると、空気冷却器16、すなわち、流体と気体との間での熱交換器であり、この場合、気体は通風機によって動かされている。別のオプションによると、この熱交換器は、標準的な冷却器、すなわち通風機を有していない冷却器であるが、このソリューションは、効果が劣る。
図1に表されていないオプションによると、第2の熱交換器16は、流体と特に電解槽1に供給することが意図されている空気である気体との間での熱交換を保証する。この配置により、空気冷却器とエネルギを消費するその通風機とを回避し、第1の排出ライン4を循環している二水素から電解槽1に供給される空気への廃熱を増加させることの両方が可能になる。
【0065】
よって、このシステムは、第1の二水素排出ライン4と第2の空気供給ライン10とに配置された第2の熱交換器16を備えている。流体接続110は、したがって、第2の熱交換器の出口とコンプレッサ12の入口との間に接続される。このように、電解槽1の中に入ることが意図されている空気は、二水素からのカロリーの移動によって予め加熱される。好ましくは、第2の熱交換器の配置は、上述された空気冷却器16の配置に対応している。
【0066】
第1の処理段は、有利には、第2の熱交換器16の下流に配置された液体/気体セパレータ17を備える。セパレータ17によると、第2の熱交換器16における蒸気をその凝縮点未満まで冷却することの結果として得られる液体水を、気体である二水素から分離することが可能になる。
【0067】
好適なオプションによると、このシステムは、第1の排出ライン4における第1の処理段の下流に配置された第2の処理段を含む。この第2の処理段によると、二水素の放出を完了させることが可能になる。この第2の処理段は、有利には、第1の段の場合のように標準的な冷却器であり得る第3の熱交換器19と、空気冷却器、すなわち流体(二水素)と電解槽1に供給することが意図された空気との間の熱交換器19とを含む。第3の交換器19は、第1の二水素排出ライン4において、好ましくは第2の熱交換器16の下流に、そして、第2の空気供給ライン10において、好ましくは第2の熱交換器16の上流に、配置される。第2の段は、好ましくは、液体/気体セパレータ20を備える。好ましくは、このシステムは、第1の処理段と第2の処理段との間に、再び冷却させることが可能なように混合物の温度を前もって上昇させることによって、第3の熱交換器19による第2の処理を可能にするように構成されたコンプレッサ18を備えている。
【0068】
第1の処理段および/または第2の処理段から、存在する場合には、水リサイクルライン21を通じて第1の蒸気供給ライン2に戻されることにより、液体水がリサイクルされることが好ましい。この水リサイクルラインは、好ましくは蒸気発生器6の上流において、好ましくは第1の熱交換器9の上流において、すなわち、好ましくは第1の供給ライン2の第1の部分において、第1の供給ライン2に流体的に接続される。二水素は、それ自体が用いられ、特に、従来の処理の後で保存される。
【0069】
あるオプションによると、このシステムは、電解槽1に入る蒸気を予め定義された目標温度まで加熱するように構成された、少なくとも1つの補足的な熱源を備える。この補足的な熱源は、有利には、第1の蒸気供給ライン2において、好ましくは第1の熱交換モジュール5の下流に、配置される。この補足的な熱源は、たとえば、電気ヒータ14である。
【0070】
あるオプションによると、このシステムは、電解槽1に入る空気を予め定義された目標温度まで加熱するように構成された、少なくとも1つの補足的な熱源を備える。この補足的な熱源は、有利には、第2の空気供給ライン10において、好ましくは第2の熱交換モジュール11の下流に、配置される。この補足的な熱源は、たとえば、電気ヒータ13である。
【0071】
ある実施形態によると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2において、蒸気発生器6の上流にある第1の供給ライン2の第1の部分において液体水を動かすように構成された、少なくとも1つのポンプ15を備える。
【0072】
このシステムは、好ましくは、水リサイクルライン21において、ポンプ22を備える。ポンプ22は、水リサイクルライン21を循環しており気体/液体セパレータ20から生じる液体水を動かすように構成されている。
【0073】
好ましくは、電解槽1は、第1の蒸気供給ライン2に、流体的に接続される。第1の蒸気供給ライン2は、前記第1の供給ライン2において電解槽1の上流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。以下の説明は、電解槽1の上流から開始して、第1の供給ラインにおける循環の方向に従うことによって、なされる。第1の供給ライン2は、膨張デバイス28から第1の熱交換器9への流体接続と、次に、第1の熱交換器9から蒸気発生器6への流体接続と、次に、蒸気発生器6から第1の熱交換モジュール5、好ましくは第1の熱交換器5aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器5aからコンプレッサ29への流体接続と、次に、コンプレッサ29から第2の熱交換器5bへの流体接続と、次に、第2の熱交換器5bから電気ヒータ14への流体接続と、次に、電気ヒータ14から電解槽1への流体接続と、を保証する。
【0074】
好ましくは、電解槽1は、第1の二水素排出ライン4に、流体的に接続される。第1の排出ライン4は、前記第1の排出ラインにおいて電解槽1の下流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。以下の説明は、電解槽1から開始して、第1の排出ライン4における電解槽1からの循環方向に従うことにより、なされる。第1の排出ライン4は、電解槽1と第1の熱交換モジュール5との、より好ましくは第2の熱交換器5bから第1の熱交換器5aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器5から第2の熱交換器16への流体接続と、次に、第2の熱交換器16から液体/気体セパレータ17への流体接続と、次に、液体/気体セパレータ17からコンプレッサ18への流体接続と、次に、有利には、コンプレッサ18から第3の熱交換器19への流体接続と、次に、第2の熱交換器19から液体/気体セパレータ20への流体接続と、を保証する。
【0075】
好ましくは、電解槽1は、第2の二酸素排出ライン3のうちの1つに流体的に接続される。第2の排出ライン3は、前記第2の排出ライン3において電解槽1の下流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。以下の説明は、電解槽1から開始して、第2の排出ライン3における電解槽1からの循環方向に従うことにより、なされる。第2の排出ライン3は、電解槽1と第2の熱交換モジュール11との、より好ましくは第2の熱交換器11bとの流体接続と、次に、第2の熱交換器11bから第1の熱交換器11aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器11aから第1の熱交換器9への流体接続と、を保証する。
【0076】
好ましくは、電解槽1は、第2の空気供給ライン10と流体的に接続される。第2の供給ライン10は、前記第2の供給ライン10において電解槽1の上流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。第2の供給ライン10は、コンプレッサ12から第1の熱交換器11aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器11aから第2の熱交換器11bへの流体接続と、次に、第2の熱交換器11bから電気ヒータ13への流体接続と、次に、電気ヒータ13から電解槽1への流体接続と、を保証する。ある表されていないオプションによると、コンプレッサ12の上流において、第2の供給ライン10は、第2の熱交換器16からコンプレッサ12への流体接続を保証する。
【0077】
このシステムは、以下で説明されておりこのシステムの異なる供給ライン2、10と排出ライン3、4との一部を形成する、流体接続を備えている。
【0078】
第1の供給ライン2に関しては、それは、有利には、ポンプ15の入口に接続された、流体接続Aを備える。
【0079】
有利には、第1の供給ライン2は、ポンプ15の出口と膨張デバイス28の入口との間に接続された、流体接続Bを備える。
【0080】
有利には、第1の供給ライン2は、膨張デバイス28の出口と第1の熱交換器9の入口との間に接続された流体接続Cを備えている。
【0081】
有利には、第1の供給ライン2は、第1の熱交換器9の出口と蒸気発生器6の入口との間に接続された、流体接続Dを備える。
【0082】
有利には、第1の供給ライン2は、蒸気発生器6の出口と熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの入口との間に接続された、流体接続Eを備える。
【0083】
有利には、第1の供給ライン2は、第1の熱交換器5aの出口とコンプレッサ29の入口との間に接続された、流体接続Fを備える。
【0084】
有利には、第1の供給ライン2は、コンプレッサ29の出口と第2の熱交換器5bの入口との間に接続された流体接続Gを備えている。
【0085】
有利には、第1の供給ライン2は、第2の熱交換器5bの出口と電気ヒータ14の入口との間に接続された流体接続Hを備えている。
【0086】
有利には、第1の供給ライン2は、電気ヒータ14の出口と電解槽1の入口との間に接続された流体接続Iを備えている。
【0087】
第1の排出ライン4に関しては、それは、有利には、電解槽1の出口と第1の熱交換モジュール5の第2の熱交換器5bの入口との間に、第1の流体接続Jを備える。
【0088】
有利には、第1の排出ライン4は、第1の熱交換モジュール5の第2の熱交換器5bの出口と第1の熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの入口との間に、流体接続Kを備えている。
【0089】
有利には、第1の排出ライン4は、第1の熱交換器5aの出口と第2の熱交換器16の入口との間に、流体接続Lを備えている。
【0090】
有利には、第1の排出ライン4は、第2の熱交換器16の出口とセパレータ17の入口との間に、流体接続Mを備えている。
【0091】
有利には、第1の排出ライン4は、セパレータ17の出口とコンプレッサ18の入口との間に、流体接続Nを備える。
【0092】
有利には、第1の排出ライン4は、コンプレッサ18の出口と第3の熱交換器19の入口との間に、流体接続Oを備える。
【0093】
有利には、第1の排出ライン4は、第3の熱交換器19の出口とセパレータ20の入口との間に、流体接続Pを備える。
【0094】
有利には、第1の排出ライン4は、セパレータ20からの二水素の出口を保証する、流体接続Qを備える。
【0095】
第2の二酸素排出ラインに関しては、それは、有利には、電解槽1の出口と第2の熱交換モジュール11の第2の熱交換器11bの入口との間に、流体接続100を備える。
【0096】
有利には、第2の排出ライン3は、第2の熱交換器11bの出口と第2の熱交換モジュール11の第1の熱交換器11aの入口との間に、流体接続101を備える。
【0097】
有利には、第2の排出ライン3は、第1の熱交換器11aの出口と第1の熱交換器9の入口との間に、流体接続102を備える。
【0098】
有利には、第2の排出ライン3は、第1の熱交換器9の出口と外部との間に、流体接続103を備える。
【0099】
第2の空気供給ライン4に関しては、それは、表されていないオプションによると、代替の第2の熱交換器16の出口とコンプレッサ12の入口との間の流体接続110を備えている。
【0100】
有利には、第2の供給ライン4は、コンプレッサ12の出口と第2の熱交換モジュール11の第1の熱交換器11aの入口との間に、流体接続111を備える。
【0101】
有利には、第2の供給ライン4は、第1の熱交換器11aの出口と第2の熱交換モジュール11の第2の熱交換器11bの入口との間に、流体接続112を備える。
【0102】
有利には、第2の供給ライン4は、第2の熱交換器11bの出口と電気ヒータ13の入口との間に、流体接続113を備える。
【0103】
有利には、第2の供給ライン4は、電気ヒータ13の出口と電解槽1の入口との間に、流体接続114を備える。
【0104】
動作においては、液体水が、第1の蒸気供給ライン2に、より詳しくは、流体接続Aを通じて第1の部分に、到着する。流体接続Aは、有利には、液体水を動かすポンプ15の入口に、接続される。水リサイクルライン21は、有利には、ポンプ出口15の膨張デバイス28の入口との流体接続を保証する流体接続Bで第1の供給ライン2に流体的に接続される。リサイクルされた水と液体水とが、膨張デバイス28の中に入る。膨張デバイス28においては、圧力が低下される。例として、膨張デバイス28は、第1の供給ラインの200ミリバールでの減圧を保証する。好ましくは、第1の減圧された供給ライン2は、膨張デバイス28とコンプレッサ29との間に延長する。水は、減圧された膨張デバイス28から、流体接続Cを通過して現れ、好ましくは直接に、第1の熱交換器9の中に入る。第1の熱交換器9においては、水の温度が、第1の熱交換器9を循環している二酸素からカロリーを回復することによって、上昇する。加熱された水は、第1の熱交換器9から、流体接続Dを通過して出て、好ましくは直接に、すなわち中間部材を経由することなく、蒸気発生器6の中に入る。この液体水は、蒸気発生器6によって、蒸気に変換される。
【0105】
本発明によると、液体水から蒸気への変換のために蒸気発生器6によって供給されることが必要なエネルギが、減圧モジュールのおかげで、特に水の蒸発温度を低下させることを可能にする膨張デバイス28のおかげで、そしてまた、有利には、電解槽1によって生成された二水素および二酸素から熱エネルギを回復することにより液体水の温度上昇を保証する第1の熱交換器9のおかげで、低減される。
【0106】
蒸気は、流体接続Eによって蒸気発生器6から出て、好ましくは直接に、第1の熱交換モジュール5に、好ましくは第1の熱交換器5aに入る。この蒸気は、第1の熱交換器5aにおいて循環している二水素からカロリーを回復することにより、第1の熱交換器5aにおいて、加熱される。この過剰に過熱された蒸気は、流体接続Fを通じて第1の熱交換器5aから出て、好ましくは直接に、コンプレッサ29に入る。コンプレッサ29は、電解槽1の動作を可能にするために、その下流にある供給ライン2の圧力を上昇させることを可能にする。コンプレッサ29によって加圧された蒸気は、流体接続Gを通過して出て、好ましくは直接に、第2の熱交換器5bの中に入る。この蒸気は、第2の熱交換器5bにおいて循環している二水素からカロリーを回復することにより、第2の熱交換器5bにおいて、再び加熱される。この過剰に過熱された蒸気は、流体接続Hを通じて第2の熱交換器5bから出て、必要な場合には、好ましくは直接に、電気ヒータ14に入る。電気ヒータ14は、電解槽1に入るためにはこの蒸気が予め定義された目標温度に到達するように必要な場合があり得る最小の温度上昇を、保証する。蒸気は、電気ヒータ14から、流体接続Iを通過して出て、好ましくは直接に、電解槽1の中に入る。
【0107】
電解槽1には、電気分解と、したがって、二水素および二酸素の生成とを保証することが可能になる予め定義された電圧および強度により、電流が供給される。
【0108】
二水素は、第1の排出ライン4を通じて電解槽1から出て、流体接続Jを通じて、好ましくは直接に、第1の熱交換モジュール5に、好ましくは第2の熱交換器5bに入る。この二水素は、高温の気体状態で電解槽1から出るのであるが、それを用いるおよび/または保存するためには、その温度を低下させることが必要である。この二水素からのカロリーは、したがって、第1の供給ライン2により、より詳しくはそこで循環している蒸気により、回復される。第2の熱交換器5bにおいて、二水素の温度は、第2の熱交換器5bにおいて循環している蒸気へのカロリーの移動によって、低下する。冷却された二水素は、流体接続Kを通じて第2の熱交換器5bから出て、好ましくは直接に、第1の熱交換器5aに入る。第1の熱交換器5aにおいては、二水素の温度は、第1の熱交換器5aを循環している蒸気にカロリーを移動させることによって、再び低下する。冷却された二水素は、第1の熱交換器5aから、流体接続Lを通過して出て、好ましくは直接に、第2の熱交換器16の中に入る。二水素は、第2の熱交換器16から、流体接続Mを通過して出て、好ましくは直接に、この二水素の凝縮を保証する液体/気体セパレータ17の中に入る。二水素は、液体/気体セパレータ17から、流体接続Nを通過して出て、必要な場合には、別の凝縮を考慮して別の圧縮を経験する。この場合には、二水素は、液体/気体セパレータ17から、流体接続Nを通過して出て、好ましくは直接に、コンプレッサ18の中に入り、コンプレッサ18からは、流体接続Oを通過して出て、好ましくは直接に、この二水素の冷却を保証する第3の熱交換器19の中に入る。二水素は、第3の熱交換器19から、流体接続Pを通過して出て、好ましくは直接に、この二水素の凝縮を保証する液体/気体セパレータ20の中に入る。凝縮された二水素は、流体接続Qを通じて液体/気体セパレータ20から出るが、用いられるまたは保存されることが可能である。液体/気体セパレータ17、20から回復される凝縮された液体水は、水リサイクルライン21を用いて、流体接続を通じて、第1の蒸気供給ライン2で、リサイクルされることが可能である。
【0109】
電解槽1によって生成された二酸素は、第2の排出ライン3を経由して電解槽1から出て、流体接続100を通じて、好ましくは直接に、第2の熱交換モジュール11に、好ましくは第2の熱交換器11bに入る。二酸素は高温の気体状態で電解槽1から出るのであるが、空気中への排出のためには、その温度を低下させることが必要である。二酸素からのカロリーは、したがって、有利には、第2の供給ライン10によって、より詳しくはそこで循環している空気によって、回復される。第2の熱交換器11bにおいては、二酸素の温度が、熱を第2の熱交換器11bにおいて循環している空気へのカロリーの移動により、低下させられる。冷却された二酸素は、流体接続101を通じて第2の熱交換器11bから出て、好ましくは直接に、第1の熱交換器11aに入る。第1の熱交換器11aにおいては、二酸素の温度は、第1の熱交換器11aにおいて循環している空気へのカロリーの移動により、再び低下する。冷却された二酸素は、流体接続102を通じて第1の熱交換器11aから出て、有利には、好ましくは直接に、回復モジュールの第1の熱交換器9に入る。第1の熱交換器9の中に送られることによって、二酸素の温度は、再び、熱を第1の熱交換器9において循環している液体水へのカロリーの移動により、低下する。空気は、流体接続103を通じて第1の熱交換器から出て、空中に排出される。
【0110】
あるオプションによると、空気が、電解槽1に供給される。この空気は、第2の供給ライン10を通じて、到着する。有利には、この空気は、空気冷却器を置き換える第2の熱交換器16を通過し、その熱交換器16において循環している二水素からカロリーを回復する。この第1の熱交換が、空気の第1の加熱を、保証する。空気は、流体接続110を通じて第2の熱交換器16から出て、好ましくは直接に、コンプレッサ12に入る。図解されているオプションによると、空気がコンプレッサ12によって圧縮され、その温度が上昇する。空気は、流体接続110を通過して、コンプレッサ12の中に入る。空気は、流体接続111を通過してコンプレッサ12から出て、好ましくは直接に、第2の熱交換モジュール11の中に、好ましくは第1の熱交換器11aの中に、入る。空気は、第1の熱交換器11aにおいて循環している二酸素からカロリーを回復することにより、第1の熱交換器11aにおいて、加熱される。過剰に過熱された空気は、流体接続112を通じて第1の熱交換器11aから出て、好ましくは直接に、第2の熱交換器11bに入る。この空気は、第2の熱交換器11bにおいて循環している二酸素からカロリーを回復することにより、再び、第2の熱交換器11bにおいて、加熱される。過剰に過熱された空気は、流体接続113を通じて第2の熱交換器11bから出て、必要な場合には、好ましくは直接に、電気ヒータ13に入る。電気ヒータ13は、電解槽1に入るために空気が予め定義された目標温度に到達するように必要な場合があり得る最後の温度上昇を、保証する。空気は、流体接続114を通じて電気ヒータ13から出て、好ましくは直接に、電解槽1に入る。
【0111】
図2に図解されており第1の態様との組合せが可能であるまたは可能でない本発明の第2の態様によると、このシステムは、熱交換モジュール5の出口において第1の蒸気供給ライン2のために二水素から熱エネルギを回復するモジュールを備える。
【0112】
あるオプションによると、この回復モジュールは、第1の二水素排出ライン4と第1の蒸気供給ライン2との間に配置された熱ポンプを備える。熱ポンプは、熱エネルギを二水素から液体水に移動させるように構成されている。
【0113】
熱ポンプは、凝縮器23と、膨張デバイス24と、少なくとも1つの第1の蒸発器25aと、コンプレッサ26とを備えている。
【0114】
熱ポンプは、熱移動流体を受け取ることができる流体回路27を備えている。
【0115】
熱移動流体は、たとえば、1234yfすなわち2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)や、R245FAペンタフルオロプロパンや、R290プロパンなど、熱ポンプで従来用いられている流体である。
【0116】
好ましくは、凝縮器23は、流体回路27と第1の供給ライン2との間に配置され、好ましくは、凝縮器23は、第1の供給ライン2において第1の熱交換器9の下流に配置される。
【0117】
流体回路27は、好ましくは閉じた回路で、熱ポンプのコンポーネントの流体接続を保証する。
【0118】
ある実施形態によると、流体回路27は、コンプレッサ26の出口と凝縮器23の入口との間に接続された流体接続200を備えている。有利には、流体回路27は、凝縮器23の出口と膨張デバイス24の入口との間に接続された流体接続201を備えている。有利には、流体回路27は、膨張デバイス24の出口と第1の蒸発器25aの入口との間に接続された流体接続202を備えている。
【0119】
図2に図解されているオプションによると、熱ポンプは、流体回路において、膨張デバイス24とコンプレッサ26との間に直列に配置された2つの蒸発器25a、25bを備えている。流体回路27は、第1の蒸発器25aの出口と第2の蒸発器25bの入口との間に接続された流体接続203を備えている。このオプションによると、有利には、流体回路27は、第2の蒸発器25bの出口とコンプレッサ26の入口との間に接続された流体接続204を備えている。
【0120】
表されていないオプションによると、熱ポンプは、流体回路において、凝縮器23とコンプレッサ26との間に並列に配置された2つの蒸発器25a、25bを備えている。好ましくは、熱ポンプは、流体回路において、各蒸発器25a、25bのそれぞれ上流に並列に配置された2つの膨張デバイス24を備えている。有利には、流体回路27は、凝縮器23の出口と膨張デバイス24の入口との間に接続された流体接続201を備えている。有利には、流体回路27は、膨張デバイス24の出口と第1の蒸発器25aの入口との間に接続された流体接続202を備えている。有利には、流体回路27は、第1の蒸発器25aの出口とコンプレッサ26の入口との間に接続された流体接続203を備えている。有利には、並列的に、流体回路27は、凝縮器23の出口と第2の膨張デバイスの入口との間に接続された流体接続を備えている。有利には、流体回路27は、第2の膨張デバイスの出口と第2の蒸発器25bの入口との間に接続された流体接続を備えている。有利には、流体回路27は、第2の蒸発器25bの出口とコンプレッサ26の入口との間に接続された流体接続を備えている。好ましくは、2つの蒸発器25a、25bから延びる流体接続203は、コンプレッサ26において単一の入口を保証するために、コンプレッサ26の入口の前で交わる。
【0121】
本発明によると、熱ポンプの凝縮器23は、熱移動流体からのカロリーを、蒸気発生器6の上流にある第1の供給ライン2、より詳しくは第1の供給ライン2の第1の部分を循環している液体水のためになるように送るために、第1の蒸気供給ライン2において蒸気発生器6の上流に配置されている。好ましくは、凝縮器23は、第1の供給ライン2のセクション30に配置される。好ましくは、凝縮器23は、膨張デバイス28の下流に、より詳しくは、第1の熱交換器9の下流に、配置される。凝縮器23は、好ましくは、第1の熱交換器9の下流であって、蒸気発生器6の上流に、配置される。第1の熱交換器9の出口は、流体接続D'を通過して、凝縮器23の入口に流体的に接続されている。凝縮器23の出口は、流体接続D"を通過して、蒸気発生器6の入口に流体的に接続されている。
【0122】
本発明によると、熱ポンプの第1の蒸発器25aは、第1の二水素排出ライン4において、好ましくは、第1の熱交換モジュール5の下流に、より詳しくは、第1の熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの下流に、配置される。好ましくは、第1の蒸発器25aは、第1の処理段の上流に、すなわち、オプションであるが、
図2に表されていない第2の熱交換器16の上流に、配置される。第1の蒸発器25aは、第1の排出ライン4を循環している二水素と熱ポンプの流体回路27を循環している熱移動流体との間でのエネルギの移動を、保証する。
【0123】
図2に図解されているオプションによると、第1の熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの出口は、流体接続L'を通過して、第1の蒸発器25aの入口に流体的に接続されている。第1の蒸発器25aの出口は、流体接続M'を通過して、セパレータ17の入口に流体的に接続されている。表されていないオプションによると、第1の蒸発器25aの出口は、表されていない流体接続を通過して、第2の熱交換器16の入口に流体的に接続されており、第2の熱交換器16の出口は、表されていない流体接続を通過して、セパレータ17の入口に流体的に接続されている。
【0124】
ある実施形態によると、熱ポンプは、第2の熱交換器25bを備えている。第2の熱交換器25bは、第1の二水素処理段の下流に、そして有利には第2の二水素処理段の上流に、配置されている。オプションとしては、第2の蒸発器25aは、
図2に表されていない第3の熱交換器19の上流に、好ましくは、コンプレッサ18の下流に、配置される。
【0125】
図2に図解されているオプションによると、コンプレッサ18の出口は、流体接続O'を通過して、第2の蒸発器25bの入口に、流体的に接続されている。第2の蒸発器25bの出口は、流体接続P'を通過して、セパレータ20の入口に、流体的に接続されている。表されていないオプションによると、第2の蒸発器25bの出口は、表されていない流体接続を通過して、第3の熱交換器19の入口に流体的に接続されており、第3の熱交換器19の出口は、表されていない流体接続を通過して、セパレータ17の入口に流体的に接続されている。
【0126】
表されていない別のオプションによると、熱ポンプは、単一の蒸発器25aを備えており、その出口は、流体接続203を通過して、コンプレッサ26の入口に直接に接続されている。
【0127】
本発明によると、システムの廃熱を利用することが可能になり、より詳しくは、生成された二水素の熱排出を利用することが可能になる。熱ポンプは、能動的なシステムであり、生成された二水素に対して除去されたカロリーを、蒸気発生器の上流において、水の蒸発温度よりも高い温度で再注入することを可能にする。
【0128】
次の表は、例として、
図1に図解されているような本発明によるシステムの特定の地点における温度および圧力を与える。
【0129】
【0130】
本発明の第1の態様によるこのソリューションによると、二水素への電気変換の全体的な歩留まりに対して約7%の利得が可能になる。
【0131】
本発明は、上述された実施形態には限定されず、特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態に及ぶ。
【符号の説明】
【0132】
1 電解槽
2 蒸気供給ライン
3 二酸素排出ライン
4 二水素排出ライン
5a 第1の熱交換モジュールの第1の熱交換器
5b 第1の熱交換モジュールの第2の熱交換器
6 蒸気発生器
7 コンプレッサ
9 第1の熱交換器
10 空気供給ライン
11a 第2の熱交換モジュールの第1の熱交換器
11b 第2の熱交換モジュールの第2の熱交換器
12 コンプレッサ
13 電気ヒータ
14 電気ヒータ
15 ポンプ
16 第2の熱交換器
17 液体/気体セパレータ
18 コンプレッサ
19 第3の熱交換器
20 液体/気体セパレータ
21 水リサイクルライン
22 ポンプ
23 凝縮器
24 膨張デバイス
25a 第1の蒸発器
25b 第2の蒸発器
26 コンプレッサ
27 流体回路
28 膨張デバイス
29 コンプレッサ
30 セクション
A ポンプ15に入る流体接続
B ポンプ15と膨張デバイス28との間の流体接続
C 膨張デバイス28と第1の熱交換器9との間の流体接続
D 第1の熱交換器9と蒸気発生器6との間の流体接続
E 蒸気発生器6と第1の熱交換器5aとの間の流体接続
F 第1の熱交換器5aとコンプレッサ29との間の流体接続
G コンプレッサ29と第2の熱交換器5bとの間の流体接続
H 第2の熱交換器5bとヒータ14との間の流体接続
I ヒータ14と電解槽1との間の流体接続
J 電解槽1と第2の熱交換器5bとの間の流体接続
K 第2の熱交換器5bと第1の熱交換器5aとの間の流体接続
L 第1の熱交換器5aと空気冷却器16との間の流体接続
M 空気冷却器16とセパレータ17との間の流体接続
N セパレータ17とコンプレッサ18との間の流体接続
O コンプレッサ18と空気冷却器19との間の流体接続
P 空気冷却器19とセパレータ20との間の流体接続
Q セパレータ20から出る流体接続
D' 第1の熱交換器9と凝縮器23との間の流体接続
D" 凝縮器23と蒸気発生器6との間の流体接続
L' 第1の熱交換器5aと第1の蒸発器25aとの間の流体接続
M' 第1の蒸発器25aとセパレータ17との間の流体接続
O' コンプレッサ18と第2の蒸発器25bとの間の流体接続
P' 第2の蒸発器25bとセパレータ20との間の流体接続
100 電解槽1と第2の熱交換器11bとの間の流体接続
101 第2の熱交換器11bと第1の熱交換器11aとの間の流体接続
102 第1の熱交換器11aと第1の熱交換器9の流体接続
110 コンプレッサ12の入口流体接続
111 コンプレッサ12と第1の熱交換器11aとの間の流体接続
112 第1の熱交換器11aと第2の熱交換器11bとの間の流体接続
113 第2の熱交換器11bとヒータ13との間の流体接続
114 ヒータ13と電解槽1との間の流体接続
200 コンプレッサ26と凝縮器23との間の流体接続
201 凝縮器23と膨張デバイス24との間の流体接続
202 膨張デバイス24と第1の蒸発器25aとの間の流体接続
203 第1の蒸発器25aと第2の蒸発器25bとの間の流体接続
204 第2の蒸発器25bとコンプレッサ26との間の流体接続
【国際調査報告】