(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】電解槽出力における圧力を上昇させることにより最適化された高温電解槽システム
(51)【国際特許分類】
C25B 1/042 20210101AFI20231101BHJP
C25B 9/00 20210101ALI20231101BHJP
【FI】
C25B1/042
C25B9/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526418
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2021079529
(87)【国際公開番号】W WO2022090150
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ピエール・デュムラン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・トーヴェロン
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・モントジウ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン・ラクロワ
(72)【発明者】
【氏名】ブリジット・ゴンザレス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-バティスト・ロペス-ヴェラスコ
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021BC01
4K021BC03
4K021BC05
4K021CA05
4K021CA12
(57)【要約】
高温電解槽(1)、槽(1)に蒸気を供給する第1の供給ライン(2)、槽(1)から二水素を排出する第1の排出ライン(4)、槽(1)から二酸素を排出する第2の排出ライン(3)、ライン(2),(4)間で熱交換する第1の熱交換モジュール(5)と、ライン(2)内でモジュール(5)上流に配置され液体水から蒸気を生成する蒸気発生器(6)を備えたシステム。システムはモジュール(5)の出力においてライン(2)のために二水素からの熱エネルギを回復するモジュールを備え、当該モジュールはライン(4)内でモジュール(5)下流に配置され二水素を圧縮するコンプレッサ(7)と、圧縮二水素の熱エネルギを蒸気発生器(6)上流にある液体水に送るため発生器(6)上流にあるライン(2)とコンプレッサ(7)下流にあるライン(4)の間に配置された第1の熱交換器(8)を備える。本発明は固体酸化物電解質電池(SOEC)と固体酸化物燃料電池(SOFC)の電気分解の分野に関し、特にSOEC電解槽システムのエネルギ消費を最適化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温電解槽(HTE)(1)と、
前記電解槽(1)に蒸気を供給するように構成された、前記電解槽の第1の供給ライン(2)と、
前記電解槽(1)から二水素を排出するように構成された、第1の電解槽排出ライン(4)と、
前記電解槽(1)から二酸素を排出するように構成された、第2の電解槽排出ライン(3)と、
前記第1の蒸気供給ライン(2)と前記第1の二水素排出ライン(4)との間で熱交換を提供するように構成された、第1の熱交換モジュール(5)と、
前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記第1の熱交換モジュール(5)の上流に配置されており、液体水から蒸気を生成するように構成された蒸気発生器(6)と、
を備えたシステムであって、
前記システムは、前記第1の熱交換モジュール(5)の出力において、前記第1の蒸気供給ライン(2)のために、二水素の熱エネルギを回復するためのモジュールを備えており、前記回復モジュールは、
前記第1の二水素排出ライン(4)において前記第1の熱交換モジュール(5)の下流に配置され、前記二水素を圧縮するように構成されたコンプレッサ(7)と、
前記圧縮された二水素の熱エネルギを前記蒸気発生器(6)の上流にある前記液体水に送るために、前記蒸気発生器(6)の上流にある前記第1の蒸気供給ライン(2)と前記コンプレッサ(7)の下流にある前記第1の二水素排出ライン(4)との間に配置された第1の熱交換器(8)とを備えていること、および
前記システムは、前記電解槽(1)に空気を供給するように構成された第2の電解槽供給ライン(10)と、前記エネルギ回復モジュールの前記第1の熱交換器(8)の下流にある前記第1の二水素排出ライン(4)と前記第2の空気供給ライン(10)との間に配置された第3の熱交換器(16)とを備えていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記二酸素の前記熱エネルギを前記蒸気発生器(6)の上流にある前記液体水に送るために、前記第2の二酸素排出ライン(3)と前記蒸気発生器(6)の上流にある前記第1の蒸気供給ライン(2)との間に配置された第2の熱交換器(9)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の熱交換器(9)が、前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記第1の熱交換器(8)の下流に配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の蒸気供給ライン(2)において前記蒸気発生器(6)の上流に配置されている前記第2の熱交換器(9)と前記第1の熱交換器(8)とは、3流体熱交換器に結合される、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の空気供給ライン(10)と前記第2の二酸素排出ライン(3)との間で熱交換を提供するように構成された第2の熱交換モジュール(11)を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2の空気供給ライン(10)に配置されており、空気を圧縮するために意図されたコンプレッサ(12)を備えている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温水電気分解(HTE)または高温蒸気電気分解(HTSE)の分野に、また、固体酸化物電解質電池(Solid Oxide Electrolyte Cells)(SOEC)および固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cells)(SOFC)に関する。本発明は、SOEC電解槽システムのエネルギ消費を最適化するために、特に有用である。
【背景技術】
【0002】
水の電気分解は、反応
H2O → H2 + 1/2 O2
に従い、電流を用いて、水を二酸素および二水素ガスに分解する、電気分解反応である。
【0003】
水の電気分解のためには、典型的には600℃から950℃の間の高温でそれを行うのが有利であるが、その理由は、反応のために必要となるエネルギの一部が、電気より安価な熱によって提供されることが可能であり、反応の活性化が、高温での方がより効果的であって触媒を必要としないからである。固体酸化物電解質電池(SOEC)は、特に、二水素の生成のために蒸気を供給されることが意図されている第1の多孔性で伝導性の電極である「カソード」と、カソード上に注入された水の電気分解によって生成された二酸素がここから脱出する第2の多孔性で伝導性の電極である「アノード」と、カソードとアノードとの間に挟まれた固体酸化物の膜(高密度の電解質)であって、通常は600℃を超える高温で陰イオン伝導性(anionically conductive)である膜と、を備えている。この電池を少なくともこの温度まで加熱することにより、そして、カソードとアノードとの間に電流Iを与えることにより、カソードにおいて水の減少が生じ、これが、カソードにおいては二水素(H2)を、アノードにおいては二酸素を発生させる。
【0004】
高温蒸気電気分解HTSEを実行するため、蒸気H2Oが、カソードコンパートメントの中に注入される。
【0005】
電池に加えられた電流の効果により、水蒸気形態への水分子の分離が、水素電極(カソード)と電解質との接点で生じ、この分離は、二水素ガスH2と酸素イオンとを生じさせる。二水素は、収集され、水素コンパートメントの出力において排出される。酸素イオンは、電解質を通じて移動し、電解質と酸素電極(アノード)との接点で再結合して二酸素O2となる。
【0006】
スタック電気分解の効果的な実装のために、スタックは、通常は600℃から950℃の間の温度である600℃を超える温度まで加熱され、気体供給は、一定流量でオンにされ、電力源が、電流Iをそこで循環させるために、スタックの2つの端子の間に接続される。
【0007】
技術の競争力を確保するためには、電気から水素への変換効率が要点である。電気消費のほとんどは、電気分解反応自体の間に生じるが、電解槽の消費の約30%は、熱/水力流体管理システム(thermal/hydraulic fluid management system)からのものである。これは、電解槽の外部アーキテクチャと、このアーキテクチャの内部における流体および熱エネルギの管理とに関係する。
【0008】
電解槽において用いられる水の蒸発が、この熱/水力管理システムでの最大のエネルギ消費を生じさせる。典型的には、この機能は、電解槽の全消費の20%を消費する電気蒸気発生器によって実行される。
【0009】
さらに、一般的に、著しい量のエネルギが、周囲の環境に放出される。たとえば、水素の乾燥フェーズとその圧縮との最中には、水/水素の混合物の中に存在する水の凝縮を可能にするため、この混合物を強力に冷却することが必要である。この凝縮は、ほとんどが、電解槽への入口における水の蒸発温度よりも低い温度で生じるのであり、これは、この凝縮エネルギの非常に僅かだけが使用可能であることを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、電解槽システムのアーキテクチャと流体管理とを最適化することによって、この消費を最小化することが必要である。
【0011】
したがって、最適化された高温電解槽システムを提供することが、本発明の目的である。
【0012】
本発明のさらなる目的、特徴および長所は、以下の説明と添付の図面とから明らかになるだろう。他の長所が含まれ得ることも理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的を達成するため、ある実施形態によると、本発明は、高温電解槽(HTE)と、電解槽に蒸気を供給するように構成された第1の電解槽供給ラインと、電解槽から二水素を排出するように構成された第1の電解槽排出ラインと、電解槽から二酸素を排出するように構成された第2の電解槽排出ラインと、第1の蒸気供給ラインと第1の二水素排出ラインとの間で熱交換を提供するように構成された第1の熱交換モジュールと、第1の蒸気供給ラインにおいて第1の熱交換モジュールの上流に配置されており液体水から蒸気を生成するように構成された蒸気発生器と、を備えたシステムであって、このシステムは、第1の熱交換モジュールの出力において、第1の蒸気供給ラインのために、二水素の熱エネルギを回復するためのモジュールを備えており、この回復モジュールは、第1の二水素排出ラインにおいて第1の熱交換モジュールの下流に配置されており二水素を圧縮するように構成されたコンプレッサと、圧縮された二水素の熱エネルギを蒸気発生器の上流にある液体水に送るために、蒸気発生器の上流にある第1の蒸気供給ラインとコンプレッサの下流にある第1の二水素排出ラインとの間に配置された第1の熱交換器とを備えていることを特徴とする、システムを提供する。
【0014】
この配置により、標準的なコンポーネントの使用を許容するコンポーネントに関する制約を考慮しながら、液体水の蒸発に参加することによりシステムのエネルギ消費を低減させるため、電解槽によって生成される二水素から熱エネルギが回復されることが可能になる。
【0015】
このように、システムが、電解槽の出力において、しかし第1の熱交換モジュールの後で、二水素の熱を用いることにより、二水素の圧縮が、二水素の温度を、液体水の蒸発温度より上まで上昇させ、第1の熱交換器は、たとえば300℃より低い温度に適していることで商業的市場において容易に入手可能な熱交換器で、満足することになる。
【0016】
このようにして、本発明により、電解槽の出力における圧力を上昇させることでシステムのために二水素からの廃エネルギの回復を可能にすることによって、システムのアーキテクチャが最適化され、より正確には、電解槽の外部にある熱水力アーキテクチャが最適化される。
【0017】
有利には、システムは、電解槽に空気または酸素を含む気体を供給するように構成された、電解槽の第2の供給ラインを備える。
【0018】
有利には、システムは、エネルギ回復モジュールの第1の熱交換器の下流にある第1の二水素排出ラインと第2の空気供給ラインとの間に配置された第3の熱交換器を備える。
【0019】
よって、第2の空気供給ラインと第1の二水素排出ラインとの間に配置された第3の熱交換器により、電解槽に入る空気を加熱するために、二水素の残留熱を用いることが可能になる。第3の交換器は、有利には、典型的に二水素の凝縮のために用いられる空気冷却器に取って代わり、これによって、エネルギを多く消費する空気冷却器のファンのエネルギ消費を回避することが可能になる。
【0020】
本発明の意図、目的、特徴および長所は、以下の添付の図面によって図解されている本発明の実施形態に関する詳細な説明から、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明によるシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面は、例によって与えられており、決して本発明に対する限定ではない。図面は、本発明の理解を容易にするための原理の概略的な表現であり、必ずしも、実際的な応用例のための縮尺通りとは限らない。
【0023】
本発明の実施形態の詳細な検討に進む前に、以下では、組合せとしてまたは代替的に用いられ得るオプションの特徴が提示される。
【0024】
ある例によると、本発明のシステムは、二酸素の熱エネルギを蒸気発生器の上流にある液体水に送るために、第2の二酸素排出ラインと第1の蒸気供給ラインとの間であって蒸気発生器の上流に配置された第2の熱交換器を備えている。
【0025】
よって、この第2の熱交換器は、電解槽によって生成される二酸素から熱を回復することによって、そのエネルギ消費を制限するために、蒸気発生器の前の液体水の温度を上昇させることに関与する。
【0026】
ある例によると、第2の熱交換器は、第1の蒸気供給ラインにおいて、第1の熱交換器の下流に配置される。有利には、最低温度でのエネルギを有するソースが最初に用いられ、それにより、後では、最高温度でのエネルギが、その最大効果に至るまで利用される。
【0027】
ある例によると、第1の蒸気供給ラインにおいて蒸気発生器の下流に配置された第2の熱交換器と第1の熱交換器とが、3流体熱交換器に組み合わされる。
【0028】
ある例によると、このシステムは、第2の空気供給ラインと第2の二酸素排出ラインとの間での熱交換を提供するように構成された第2の熱交換モジュールを備える。
【0029】
よって、第2の熱交換モジュールにより、入ってくる空気の流れが、二酸素の出て行く流れからの熱によって加熱されることが可能になる。
【0030】
ある例によると、このシステムは、第2の空気供給ラインに配置されていて空気を圧縮するように意図されており、好ましくは第2の熱交換モジュールの上流に、そして好ましくは回復モジュールの第3の熱交換器の下流に配置された、コンプレッサを備えている。
【0031】
上流および下流、入口および出口という用語は、ある与えられた地点における、流体の循環の方向を指している。
【0032】
ある与えられた値と「実質的に等しい/それよりも上/それよりも下」であるパラメータとは、このパラメータが、その与えられた値と等しい/それよりも上/それよりも下である、その値のプラスマイナス10%、またはその値のプラスマイナス5%であることさえも意味する。
【0033】
本発明によるシステムは、高温電解槽(HTE)1を備えている。好ましくは、電解槽1は、SOECタイプであり、すなわち固体酸化物電解質電池である。
【0034】
このシステムは、電解槽1に接続された複数の供給および排出ラインを備えている。よって、あるラインは、電解槽1に対するおよび電解槽1からの流体の輸送を許容するダクト、管、または1組のダクトもしくは管であると理解される。
【0035】
本発明によるシステムは、電解槽1に蒸気を供給することができる電解槽1の第1の供給ライン2を備える。あるオプションによると、第1の供給ライン2は、電解槽1に蒸気を供給するように構成されており、これは、第1の供給ライン2が、たとえば空気または二水素または二酸化炭素など、蒸気と他の気体との混合物を供給することがあり得ることを意味する。この第1の供給ライン2の上流では、まだ蒸気が形成されておらず、第1の供給ライン2は、液体水を受け取るように構成されている。好適なオプションによると、第1の供給ライン2は、液体水を受け取る第1の部分と蒸気を受け取る第2の部分とを備える。好ましくは、第1の部分は蒸気発生器6の上流に位置し、第2の部分は蒸気発生器6の下流に位置する。
【0036】
本発明によるシステムは、電解槽1から二水素(H2)を排出することができる第1の排出ライン4を備える。好ましくは、第1の排出ライン4は、二水素を受け取る。二水素は、有利には、電解槽1によって生成される。二水素は、気体の形態にある。第1の排出ライン4は、二水素と蒸気との混合物であって電解槽1によって分解されていない、いわゆる廃棄物を排出することができる。
【0037】
本発明によるシステムは、電解槽1から二酸素(O2)を排出することができる第2の排出ライン3を備える。好ましくは、第2の排出ライン3は、二酸素を受け取る。二酸素は、有利には、電解槽1によって生成される。二酸素は、気体の形態にある。あるオプションによると、第2の排出ライン3は、二酸素を用いて高濃度化された気体、たとえば二酸素を用いて高濃度化された空気を排出する。
【0038】
以下の説明では、これらのラインにおいて輸送されることが可能な気体、流体または混合物に関するいかなる制限もなく、第1の供給ライン2は第1の蒸気供給ライン2と称され、第1の排出ライン4は第1の二水素排出ライン4と称され、第2の排出ライン3は第2の二酸素排出ライン3と称される。
【0039】
あるオプションによると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2と第1の二水素排出ライン4との間での熱交換を保証するように構成されている第1の熱交換モジュール5を備える。この熱交換モジュールは、二水素の熱を、電解槽1から、電解槽1に供給される水に移動させるように構成されている。二水素ガスの流れは、水の流れの温度を上昇させるために、また同時に、二水素の排出された流れの冷却を可能にするために用いられ、そして、有利には、用いるために乾燥および/または圧縮される。
【0040】
ある実施形態によると、第1の熱交換モジュール5は、二水素から蒸気への熱移動を保証するように構成された少なくとも1つの熱交換器5aを備える。ある好適な実施形態によると、第1の熱交換モジュール5は、第1の供給ライン2と第1の排出ライン4との間で直列に配置されている2つの熱交換器5a、5bを備える。この配置により、典型的には約700℃である電解槽1の出力における二水素の温度に調整された第2の熱交換器5bと、典型的には約330℃である熱交換器を通過した後の二水素の温度に調整されているのがより通常である第1の熱交換器5aとを提供することが可能になる。このようにして、これらのコンポーネントは、温度と実行される熱移動とのために最適化される。
【0041】
本発明によるシステムは、蒸気発生器6を備えている。蒸気発生器6は、液体水から蒸気を生成することを意図されている。蒸気発生器6には、液体水の温度がその蒸発温度より上まで上昇させられることを保証するために、エネルギが供給される。蒸気発生器6は、従来技術による電解槽システムの内部における主たるエネルギ消費装置であるコンポーネントである。蒸気発生器6は、第1の蒸気供給ライン2に配置される。
【0042】
本発明のある態様によると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2のために、熱交換モジュール5の出力において二水素から熱エネルギを回復するためのモジュールを備える。
【0043】
あるオプションによると、この回復モジュールは、コンプレッサ7を備える。コンプレッサ7は、第1の二水素排出ライン4において、好ましくは第1の熱交換モジュール5の下流に、配置される。コンプレッサ7は、二水素を圧縮するように構成される。たとえば、コンプレッサ7の出力における二水素の圧力は、特に、流体接続Lでは、少なくとも5バール(500kPa)に、たとえば10バール(1MPa)に等しい。第1の排出ライン4で循環している二水素の圧縮により、その温度を、好ましくは蒸気発生器6の動作条件における水の蒸発温度より上まで上昇させることが可能になる。コンプレッサ7は、また、乾燥し圧縮された二水素を取得することを、助ける。第1の二水素排出ライン4におけるコンプレッサ7の位置は、高温すぎるためにどのような特定のコンポーネントも必要としないような温度に適応したコンプレッサと材料とを用いることが可能になるように、選択される。実際、二水素の圧縮は、その温度を上昇させ、したがって本発明によると、コンプレッサ7の入口では、すなわち流体接続Kにおいては、二水素の温度を、200℃未満、たとえば110℃から150℃の間とすることが好ましい。よって、圧縮の前では、二水素は、用いられる水の蒸発温度に近すぎる温度を有する。圧縮の後、すなわち第1の熱交換器8に供給する流体接続Lにおいては、二水素の温度は、たとえば、約450℃である。
【0044】
ある実施形態によると、回復モジュールは、第1の蒸気供給ライン2と第1の二水素排出ライン4との間に配置された第1の熱交換器8を備える。好ましくは、第1の熱交換器8は、第1の供給ライン2における蒸気発生器6の上流に、そして第1の排出ライン4におけるコンプレッサ7の下流に配置される。第1の熱交換器8は、圧縮された二水素の熱エネルギを、蒸気発生器6の上流にある液体水に送るように構成される。好ましくは、第1の熱交換器8は、液体水を受け取る第1の供給ライン2の第1の部分に配置される。
【0045】
有利には、回復モジュールのコンプレッサ7と第1の熱交換器8とは、電気から二水素への変換の全リターンの約5%の利得を可能にする。
【0046】
コンプレッサ7と第1の熱交換器8とは、有利には、乾燥し圧縮された二水素を取得するのに用いられる。よって、コンプレッサ7と第1の熱交換器8とは、二水素の圧縮/冷却を提供する。冷却により、二水素の中に存在する水の一部の凝縮が可能になる。圧縮を通じて圧力が上昇するにつれて、より多くの液体水が二水素の気体混合物から抽出されることが、可能になる。圧縮は、温度の上昇を引き起こす。
【0047】
ある実施形態によると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2と第2の二酸素排出ライン3とに配置された第2の熱交換器9を備えている。第2の熱交換器9は、好ましくは、第1の供給ライン2において、第1の熱交換器8の下流であって蒸気発生器6の上流に配置される。第2の熱交換器9は、第1の供給ライン2の第1の部分に配置される。この第2の熱交換器9は、電解槽1から排出され蒸気供給ライン2のために第2の排出ライン3を循環している二酸素の流れから取得された熱の熱移動を保証するように構成されている。第2の熱交換器9は、電解槽1の出力における二酸素から蒸気発生器6の上流にある液体水へ熱エネルギを送るように、構成されている。
【0048】
あるオプションによると、第1の熱交換器8と第2の熱交換器9とは、3流体熱交換器へと組み合わされる。この3流体熱交換器は、第1の熱交換器8および第2の熱交換器9として、すなわち、第1の排出ライン4において循環している二水素から第1の供給ライン2において循環している液体水への、そして、第2の排出ライン3において循環している二酸素から第1の供給ライン2において循環している液体水への、交換を実行する。
【0049】
ある実施形態によると、このシステムは、空気を電解槽1に供給するのに適切な第2の供給ライン10を備えている。好ましくは、第2の供給ライン10は、空気の経路を変更する。あるオプションによると、第2の供給ライン10は、電解槽1に空気を供給するように構成されており、これはつまり、第2の供給ライン10が空気を供給することができ、この空気がたとえば電解槽1の電池が掃引されることを可能にすると共に電解槽1によって生成された二酸素を除去する気体混合物である、ということを意味する。
【0050】
この実施形態によると、本発明によるシステムは、第2の空気供給ライン10と第2の二酸素排出ライン3との間での熱交換を保証するように構成された第2の熱交換モジュール11を備えることが有利である。この熱交換モジュール11は、電解槽1からの二酸素の熱を電解槽1に供給される空気に移動させるように構成される。二酸素ガスの流れが、空気の流れの温度が上昇させられることを保証し、それがまた、二酸素の排出される流れが冷却されることを可能にする。
【0051】
ある実施形態によると、第2の熱交換モジュール11は、二酸素から空気への熱移動を保証するように構成された少なくとも1つの熱交換器11aを備えている。好適な実施形態によると、第2の熱交換モジュール11は、第2の供給ライン10と第2の排出ライン3との間で直列に配置されている2つの熱交換器11a、11bを備える。この配置により、典型的には約700℃である電解槽1の出力における二酸素の温度に調整された第2の熱交換器11bと、典型的には約330℃である熱交換器を通過した後の二酸素の温度に適応されているのがより通常である第1の熱交換器11aとを提供することが可能になる。このようにして、これらのコンポーネントは、温度と実行される熱移動とのために最適化される。
【0052】
このシステムは、好ましくは、空気供給のために第2の供給ライン10に配置されたコンプレッサ12を備えている。コンプレッサ12は、提供される場合には、好ましくは、第2の熱交換モジュール11の上流に配置される。コンプレッサ12は、電解槽1に供給されるように意図されている空気の圧縮を保証するように、意図されている。空気の圧縮は、有利には、空気の温度を、それが電解槽1に入る前に上昇させることに寄与する。
【0053】
ある実施形態によると、このシステムは、生成された二水素のフローを処理するための手段を備えている。電解槽1によって生成され第1の排出ライン4を経由して電解槽1から出る二水素は、最初、電解槽1の反応温度に対応する非常な高温を有する。しかし、用いられるためには、二水素は、好ましくは、周囲温度に近い温度に変化させなければならない。さらに、第1の排出ライン4を経由して電解槽1から排出される二水素は、二水素の流れと共に運ばれる蒸気を含むことがあり得る。したがって、二水素を、それを乾燥させることにより、それと共に運ばれるあらゆる蒸気から分離することも好ましい。
【0054】
本発明によるシステムは、有利には、この目的のために、生成された二水素を乾燥させるおよび/または圧縮するように意図された少なくとも1つの第1の処理ステップを含む。
【0055】
あるオプションによると、この第1の処理ステップは、熱交換器を含む。この熱交換器は、好ましくは第1の熱交換モジュール5の下流において、第1の排出ライン4に配置される。この熱交換器は、第1のオプションによると、空気冷却器、すなわち、流体と気体との間での熱交換器であり、この場合、気体はファンによって動かされている。別のオプションによると、この熱交換器は、標準的な冷却器、すなわちファンを有していない冷却器であるが、このソリューションは、効果が劣る。
図1に示されているオプションによると、熱交換器は、第3の熱交換器16と称されており、流体と特に電解槽1に供給することが意図されている空気である気体との間での熱交換を保証する。
【0056】
あるオプションによると、第1の処理ステップは、
図1には示されていないが、流体接続110が除去されている後述の第3の熱交換器16の位置に配置された空気冷却器を含む。この第1の空気冷却器は、第1の排出ライン4において、好ましくは第1の熱交換モジュール5の下流に、より好ましくは熱エネルギ回復モジュールの第1の熱交換器8の下流に、配置される。
図1に示されているオプションによると、空気冷却器は、第3の熱交換器16によって置き換えられる。このシステムは、次に、第1の二水素排出ライン4と第2の空気供給ライン10とに配置された第3の熱交換器16を備えている。このようにして、電解槽1に入るように意図された空気は、二水素から熱を移動させることによって、予め加熱される。好ましくは、第3の熱交換器16の配置は、上述された空気冷却器の配置に対応しており、すなわち、回復モジュールの第1の熱交換器8の下流にある。
【0057】
この実施形態によると、第1の処理ステップは、有利には、空気冷却器または第3の熱交換器16の下流に配置された液体/気体セパレータ17を備える。セパレータ17によると、空気冷却器または第3の熱交換器16における蒸気をその凝縮点未満まで冷却することの結果として得られる液体水を、気体である二水素から分離することが可能になる。
【0058】
好適なオプションによると、このシステムは、第1の排出ライン4における第1の処理ステップの下流に配置された第2の処理ステップを含む。この第2の処理ステップによると、二水素の乾燥を完了させることが可能になる。この第2の処理ステップは、有利には、第1のステップの場合のように標準的な冷却器であり得る熱交換器と、空気冷却器19、すなわち流体(二水素)と電解槽1に供給することが意図された空気との間の第3の熱交換器とを含む。この第2のステップは、液体/気体セパレータ20を含む。好ましくは、このシステムは、第1の処理ステップと第2の処理ステップとの間に、コンプレッサ18を備えており、このコンプレッサ18は、混合物の温度をそれが再び冷却されることが可能となるように前もって上昇させることによって、空気冷却器19による第2の処理を可能にするように構成されている。
【0059】
第1の処理ステップおよび/または第2の処理ステップが終了すると、提供される場合には、水リサイクルライン21を経由して第1の蒸気供給ライン2に戻されることにより、液体水がリサイクルされることが好ましい。この水リサイクルラインは、好ましくは蒸気発生器6の上流において、好ましくは熱エネルギ回復モジュールの第1の熱交換器8の上流において、すなわち、好ましくは第1の供給ライン2の第1の部分において、第1の供給ライン2に流体的に接続される。二水素が順に用いられ、特に、標準的な処理の後で保存される。
【0060】
示されていないオプションによると、空気冷却器19が置き換えられる。たとえば、第1の処理ステップの空気冷却器は、第3の熱交換器16によって置き換えられ、第2の処理ステップの空気冷却器19は、第4の熱交換器によって置き換えられる。この第4の熱交換器は、第1の二水素排出ライン4において、好ましくは第3の熱交換器16の下流に、そして、第2の空気供給ライン10において、好ましくは第3の熱交換器16の上流に、配置される。
【0061】
あるオプションによると、このシステムは、電解槽1に入る蒸気を予め定義された目標温度まで加熱するように構成された、少なくとも1つの補足的な熱源を備える。この補足的な熱源は、有利には、第1の蒸気供給ライン2において、好ましくは第1の熱交換モジュール5の下流に、配置される。この補足的な熱源は、たとえば、電気ヒータ14である。
【0062】
あるオプションによると、このシステムは、電解槽1に入る空気を予め定義された目標温度まで加熱するように構成された、少なくとも1つの補足的な熱源を備える。この補足的な熱源は、有利には、第2の空気供給ライン10において、好ましくは第2の熱交換モジュール11の下流に、配置される。この補足的な熱源は、たとえば、電気ヒータ13である。
【0063】
ある実施形態によると、このシステムは、第1の蒸気供給ライン2において、蒸気発生器6の上流にある第1の供給ライン2の第1の部分において液体水を動かすように構成された、少なくとも1つのポンプ15を備える。
【0064】
このシステムは、好ましくは、水リサイクルライン21において、ポンプ22を備える。ポンプ22は、水リサイクルライン21を循環しており気体/液体セパレータ20から生じる液体水を動かすように構成されている。
【0065】
電解槽1は、蒸気を、有利には空気を受け取り、二水素と二酸素とを放出する。
【0066】
好ましくは、電解槽1は、第1の蒸気供給ライン2に、流体的に接続される。第1の蒸気供給ライン2は、前記第1の供給ライン2において電解槽1の上流に配置されたコンポーネントの流体接続を提供する。以下の説明は、電解槽1の上流から開始して、第1の供給ライン2におけるフローの方向に従うように、なされる。第1の供給ライン2は、回復モジュールの第1の熱交換器8から回復モジュールの第2の熱交換器9への流体接続と、次に、回復モジュールの第2の熱交換器9から蒸気発生器6への流体接続と、次に、蒸気発生器6から第1の熱交換モジュール5への、好ましくは第1の熱交換器5aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器5aから第2の熱交換器5bへの流体接続と、次に、第2の熱交換器5bから電気ヒータ14への流体接続と、次に、電気ヒータ14から電解槽1への流体接続と、を提供する。
【0067】
好ましくは、電解槽1は、第1の二水素排出ライン4に、流体的に接続される。第1の排出ライン4は、前記第1の排出ライン4において電解槽1の下流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。以下の説明は、電解槽1から開始して、第1の排出ライン4における電解槽1からのフローの方向に従うように、なされる。第1の排出ライン4は、電解槽1と第1の熱交換モジュール5との、より好ましくは第2の熱交換器5bとの流体接続と、次に、第2の熱交換器5bから第1の熱交換器5aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器5aからコンプレッサ7への流体接続と、次に、コンプレッサ7から回復モジュールの第1の熱交換器8への流体接続と、次に、回復モジュールの第1の熱交換器8から第3の熱交換器16すなわち空気冷却器への流体接続と、次に、第3の熱交換器16から液体/気体セパレータ17への流体接続と、次に、液体/気体セパレータ17からコンプレッサ18への流体接続と、次に、コンプレッサ18から空気冷却器19への流体接続と、次に、空気冷却器19から液体/気体セパレータ20への流体接続と、を保証する。
【0068】
好ましくは、電解槽1は、第2の二酸素排出ライン3に流体的に接続される。第2の排出ライン3は、前記第2の排出ライン3において電解槽1の下流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。以下の説明は、電解槽1から開始して、第2の排出ライン3における電解槽1からの循環の方向に従うように、なされる。第2の排出ライン3は、電解槽1から第2の熱交換モジュール11への、より好ましくは第2の熱交換器11bへの流体接続と、次に、第2の熱交換器11bから第1の熱交換器11aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器11aから回復モジュールの第2の熱交換器9への流体接続と、を保証する。
【0069】
好ましくは、電解槽1は、第2の空気供給ライン10と流体的に接続される。第2の供給ライン10は、前記第2の供給ライン10において電解槽1の上流に配置されたコンポーネントの流体接続を保証する。第2の供給ライン10は、コンプレッサ12から第1の熱交換器11aへの流体接続と、次に、第1の熱交換器11aから第2の熱交換器11bへの流体接続と、次に、第2の熱交換器11bから電気ヒータ13への流体接続と、次に、電気ヒータ13から電解槽1への流体接続と、を保証する。あるオプションによると、コンプレッサ12の上流において、第2の供給ライン10は、第3の熱交換器16からコンプレッサ12への流体接続を保証する。
【0070】
このシステムは、以下で説明されておりこのシステムの異なる供給ライン2、10と排出ライン3、4との一部を形成する、流体接続を備えている。
【0071】
第1の供給ライン2に関しては、それは、有利には、ポンプ15の入口に接続された、流体接続Aを備える。
【0072】
有利には、第1の供給ライン2は、ポンプ15の出口と第1の熱交換器8の入口との間に接続された、流体接続Bを備える。
【0073】
有利には、第1の供給ライン2は、第1の熱交換器8の出口と第2の熱交換器9の入口との間に接続された、流体接続Cを備える。
【0074】
有利には、第1の供給ライン2は、第2の熱交換器9の出口と蒸気発生器6の入口との間に接続された、流体接続Dを備える。
【0075】
有利には、第1の供給ライン2は、蒸気発生器6の出口と熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの入口との間に接続された、流体接続Eを備える。
【0076】
有利には、第1の供給ライン2は、第1の熱交換器5aの出口と第2の熱交換器5bの入口との間に接続された、流体接続Fを備える。
【0077】
有利には、第1の供給ライン2は、第2の熱交換器5bの出口と電気ヒータ14の入口との間に接続された、流体接続Jを備える。
【0078】
有利には、第1の供給ライン2は、電気ヒータ14の出口と電解槽1の入口との間に接続された、流体接続Hを備える。
【0079】
第1の排出ライン4に関しては、それは、有利には、電解槽1の出口と第1の熱交換モジュール5の第2の熱交換器5bの入口との間に、第1の流体接続Iを備える。
【0080】
有利には、第1の排出ライン4は、第1の熱交換モジュール5の第2の熱交換器5bの出口と第1の熱交換モジュール5の第1の熱交換器5aの入口との間に、流体接続Jを備える。
【0081】
有利には、第1の排出ライン4は、第1の熱交換器5aの出口とコンプレッサ7の入口との間に、流体接続Kを備える。
【0082】
有利には、第1の排出ライン4は、コンプレッサ7の出口と回復モジュールの第1の熱交換器8の入口との間に、流体接続Lを備える。
【0083】
有利には、第1の排出ライン4は、第1の熱交換器8の出口と空気冷却器による置き換えが可能な第3の熱交換器16の入口との間に、流体接続Mを備える。
【0084】
有利には、第1の排出ライン4は、空気冷却器による置き換えが可能な第3の熱交換器16の出口とセパレータ17の入口との間に、流体接続Nを備える。
【0085】
有利には、第1の排出ライン4は、セパレータ17の出口とコンプレッサ18の入口との間に、流体接続Oを備える。
【0086】
有利には、第1の排出ライン4は、コンプレッサ18の出口と空気冷却器19の入口との間に、流体接続Pを備える。
【0087】
有利には、第1の排出ライン4は、空気冷却器19の出口とセパレータ20の入口との間に、流体接続Qを備える。
【0088】
有利には、第1の排出ライン4は、セパレータ20からの二水素の出口を保証する、流体接続Rを備える。
【0089】
第2の二酸素排出ライン3に関しては、それは、有利には、電解槽1の出口と第2の熱交換モジュール11の第2の熱交換器11bの入口との間に、流体接続100を備える。
【0090】
有利には、第2の排出ライン3は、第2の熱交換器11bの出口と第2の熱交換モジュール11の第1の熱交換器11aの入口との間に、流体接続101を備える。
【0091】
有利には、第2の排出ライン3は、第1の熱交換器11aの出口と第2の熱交換器9の入口との間に、流体接続102を備える。
【0092】
有利には、第2の排出ライン3は、第2の熱交換器9の出口と外部との間に、流体接続103を備える。
【0093】
第2の空気供給ライン4に関しては、それは、有利には、第3の熱交換器16の出口とコンプレッサ12の入口との間に、流体接続110を備える。
【0094】
有利には、第2の供給ライン4は、コンプレッサ12の出口と第2の熱交換モジュール11の第1の熱交換器11aの入口との間に、流体接続111を備える。
【0095】
有利には、第2の供給ライン4は、第1の熱交換器11aの出口と第2の熱交換モジュール11の第2の熱交換器11bの入口との間に、流体接続112を備える。
【0096】
有利には、第2の供給ライン4は、第2の熱交換器11bの出口と電気ヒータ13の入口との間に、流体接続113を備える。
【0097】
有利には、第2の供給ライン4は、電気ヒータ13の出口と電解槽1の入口との間に、流体接続114を備える。
【0098】
動作においては、液体水が、第1の蒸気供給ライン2に、より正確には、流体接続Aを経由して第1の部分に、入る。流体接続Aは、有利には、液体水を動かし有利には第1の供給ライン2の加圧を保証するポンプ15の入口に、接続される。水リサイクルライン21は、有利には、流体接続Bを経由して第1の供給ライン2に流体的に接続され、出口ポンプ15から流体接続Bを経由して回復モジュールの第1の熱交換器8の入口に至る流体接続を保証する。リサイクルされた水と液体水とは、回復モジュールの第1の熱交換器8の中に入る。水の温度は、第1の熱交換器8において循環している二水素のカロリーを回復することによって、上昇される。加熱された水は、流体接続Cを経由して第1の熱交換器8から出て、好ましくは直接に、すなわちどのような中間要素も介さずに、第2の熱交換器9に入る。水の温度は、第2の熱交換器9において循環している二酸素から熱を回復することによって、上昇する。熱い液体水は、流体接続Dを経由して、有利には蒸発温度に近いすなわち±5℃の温度で第2の熱交換器9から出て、好ましくは直接に、蒸気発生器6の中に入る。この液体水は、蒸気発生器6によって、蒸気に変換される。
【0099】
本発明によると、液体水を蒸気に変換するための蒸気発生器6によって供給されるエネルギは、熱エネルギ回復モジュールによって、削減されるのであって、特に、第1の熱交換器8に関して、また、有利には第2の熱交換器9に関しては、電解槽1によって生成される二水素および二酸素から熱エネルギを回復することによって、液体水の温度上昇が保証される。
【0100】
蒸気は、流体接続Eを経由して蒸気発生器6から出て、好ましくは直接に、第1の熱交換モジュール5に、好ましくは第1の熱交換器5aに入る。この蒸気は、第1の熱交換器5aにおいて循環している二水素から熱を回復することにより、第1の熱交換器5aにおいて、加熱される。この過熱された蒸気は、流体接続Fを経由して第1の熱交換器5aから出て、好ましくは直接に、第2の熱交換器5bに入る。この蒸気は、第2の熱交換器5bにおいて循環している二水素から熱を回復することにより、第2の熱交換器5bにおいて、再び加熱される。この過熱された蒸気は、流体接続Fを経由して第2の熱交換器5bから出て、必要な場合には、好ましくは直接に、電気ヒータ14に入る。電気ヒータ14は、電解槽1に入るためにはこの蒸気が予め定義された目標温度に到達するのに必要な場合があり得る最後の温度上昇を、提供する。この蒸気は、流体接続Hを経由して電気ヒータ14から出て、好ましくは直接に、電解槽1に入る。
【0101】
電解槽1には、電気分解とそれによる二水素および二酸素の生成とを保証するために、予め定義された電圧および強度で、電流が供給される。
【0102】
二水素は、第1の排出ライン4を経由して電解槽1から出て、流体接続Iを経由して、好ましくは直接に、第1の熱交換モジュール5に、好ましくは第2の熱交換器5bに入る。この二水素は、高温の気体状態で電解槽1から出るのであるが、それを用いるおよび/または保存するためには、その温度を低下させることが必要である。この二水素からの熱は、したがって、第1の供給ライン2を経由して、より正確にはそこで循環している蒸気を経由して、回復される。第2の熱交換器5bにおいて、二水素の温度は、第2の熱交換器5bにおいて循環している蒸気への熱の移動によって、低下させられる。冷却された二水素は、流体接続Jを経由して第2の熱交換器5bから出て、好ましくは直接に、第1の熱交換器5aに入る。第1の熱交換器5aにおいて、二水素の温度は、第1の熱交換器5aにおいて循環している蒸気に熱を移動させることによって、再び低下させられる。冷却された二水素は、流体接続Kを経由して第1の熱交換器5aから出て、好ましくは直接に、コンプレッサ7に入る。コンプレッサ7を通過する際に、二水素は圧縮され、その温度は、好ましくは水の蒸発温度を超えるまで、上昇する。二水素は、流体接続Lを経由してコンプレッサ7から出て、好ましくは直接に、回復モジュールの第1の熱交換器8に入る。圧縮によって加熱された二水素の温度は、第1の熱交換器8において循環している液体水への熱移動によって、低下させられる。二水素は、流体接続Kを経由して第1の熱交換モジュール5から出たときの温度で、流体接続Mを経由して、第1の熱交換器8から出る。二水素は、次に、この二水素の冷却と有利には第2の供給ライン10において循環している空気の加熱とを保証する第3の熱交換器16すなわち空気冷却器の中へ移動し、電解槽1の中に導かれることが意図される。二水素は、流体接続Nを経由して第3の熱交換器16すなわち空気冷却器から出て、好ましくは直接に、二水素の凝縮を保証する液体/気体セパレータ17に入る。二水素は、流体接続Oを経由して液体/気体セパレータ17から出て、必要な場合には、さらなる凝縮のためにさらに圧縮される。この場合、二水素は、流体接続Oを経由して液体/気体セパレータ17から出て、好ましくは直接にコンプレッサ18に入るのであるが、二水素は、流体接続Pを経由してコンプレッサ18から出て、好ましくは直接に、二水素の冷却を保証し、また有利には電解槽1に導入可能な空気の加熱を保証する空気冷却器19すなわち熱交換器に入る。二水素は、流体接続Qを経由して空気冷却器19すなわち熱交換器から出て、好ましくは直接に、二水素の凝縮を保証する液体/気体セパレータ20に入る。凝縮された二水素は、流体接続Rを経由して液体/気体セパレータ20から出るが、用いられるまたは保存されることが可能である。液体/気体セパレータ17、20から回復される凝縮された液体水は、水リサイクルライン21を用いて、流体接続を経由して、第1の蒸気供給ライン2で、リサイクルされることが可能である。
【0103】
電解槽1によって生成された二酸素は、第2の排出ライン3を経由して電解槽1から出て、流体接続100を経由して、好ましくは直接に、第2の熱交換モジュール11に、好ましくは第2の熱交換器11bに入る。二酸素は高温の気体状態で電解槽1から出るのであるが、空気中への放出のためには、その温度を低下させることが必要である。二酸素からの熱は、したがって、有利には、第2の供給ライン10によって、より正確にはそこで循環している空気によって、回復される。第2の熱交換器11bにおいては、二酸素の温度が、熱を第2の熱交換器11bにおいて循環している空気に移動させることにより、低下させられる。冷却された二酸素は、流体接続101を経由して第2の熱交換器11bから出て、好ましくは直接に、第1の熱交換器11aに入る。第1の熱交換器11aにおいては、二酸素の温度が、再び、熱を第1の熱交換器11aにおいて循環している空気に移動させることにより、低下させられる。冷却された二酸素は、流体接続102を経由して第1の熱交換器11aから出て、有利には、好ましくは直接に、回復モジュールの第2の熱交換器9に入る。第2の熱交換器9の中に送られることによって、二酸素の温度は、再び、熱を第2の熱交換器9において循環している液体水に移動させることにより、低下させられる。空気は、流体接続103を経由して第2の熱交換器9から出て、空中に放出される。
【0104】
あるオプションによると、空気が、電解槽1に供給される。この空気は、第2の供給ライン10を通じて、到着する。有利には、この空気は、空気冷却器を置き換える第3の熱交換器16を通過し、その熱交換器16において循環している二水素から熱を回復する。この第1の熱交換が、空気の第1の加熱を、保証する。空気は、流体接続110を経由して熱交換器16から出て、好ましくは直接に、コンプレッサ12に入る。空気は、コンプレッサ12によって圧縮され、その温度が上昇する。空気は、流体接続111を経由してコンプレッサ12から出て、好ましくは直接に、第2の熱交換モジュール11に、好ましくは第1の熱交換器11aに入る。空気は、第1の熱交換器11aにおいて循環している二酸素から熱を回復することにより、第1の熱交換器11aにおいて、加熱される。過熱された空気は、流体接続112を経由して第1の熱交換器11aから出て、好ましくは直接に、第2の熱交換器11bに入る。この空気は、第2の熱交換器11bにおいて循環している二酸素から熱を回復することにより、再び、第2の熱交換器11bにおいて、加熱される。過熱された空気は、流体接続113を経由して第2の熱交換器11bから出て、必要な場合には、好ましくは直接に、電気ヒータ13に入る。電気ヒータ13は、電解槽1に入るために空気が予め定義された目標温度に到達するのに必要な場合があり得る最後の温度上昇を、提供する。空気は、流体接続114を経由して電気ヒータ13から出て、好ましくは直接に、電解槽1に入る。
【0105】
【0106】
本発明は、上述された実施形態には限定されず、特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態に及ぶ。
【符号の説明】
【0107】
1 電解槽
2 第1の蒸気供給ライン
3 第2の二酸素排出ライン
4 第1の二水素排出ライン
5a 第1の熱交換モジュールの第1の熱交換器
5b 第1の熱交換モジュールの第2の熱交換器
6 蒸気発生器
7 コンプレッサ
8 回復モジュールの第1の熱交換器
9 第2の熱交換器
10 第2の空気供給ライン
11a 第2の熱交換モジュールの第1の熱交換器
11b 第2の熱交換モジュールの第2の熱交換器
12 コンプレッサ
13 電気ヒータ
14 電気ヒータ
15 ポンプ
16 第3の熱交換器
17 液体/気体セパレータ
18 コンプレッサ
19 空気冷却器
20 液体/気体セパレータ
21 水リサイクルライン
22 ポンプ
A ポンプ15に入る流体接続
B ポンプ15と第1の熱交換器8との間の流体接続
C 第1の熱交換器8と第2の熱交換器9との間の流体接続
D 第2の熱交換器9と蒸気発生器6との間の流体接続
E 蒸気発生器6と第1の熱交換器5aとの間の流体接続
F 第1の熱交換器5aと第2の熱交換器5bとの間の流体接続
G 第2の熱交換器5bとヒータ14との間の流体接続
H ヒータ14と電解槽1との間の流体接続
I 電解槽1と第2の熱交換器5bとの間の流体接続
J 第2の熱交換器5bと第1の熱交換器5aとの間の流体接続
K 第1の熱交換器5aとコンプレッサ7との間の流体接続
L コンプレッサ7と第1の熱交換器8との間の流体接続
M 第1の熱交換器8と第3の熱交換器16との間の流体接続
N 第3の熱交換器16とセパレータ17との間の流体接続
O セパレータ17とコンプレッサ18との間の流体接続
P コンプレッサ18と空気冷却器19との間の流体接続
Q 空気冷却器19とセパレータ20との間の流体接続
R セパレータ20から出る流体接続
100 電解槽1と第2の熱交換器11bとの間の流体接続
101 第2の熱交換器11bと第1の熱交換器11aとの間の流体接続
102 第1の熱交換器11aと第2の熱交換器9との間の流体接続
110 第3の熱交換器16とコンプレッサ12との間の流体接続
111 コンプレッサ12と第1の熱交換器11aとの間の流体接続
112 第1の熱交換器11aと第2の熱交換器11bとの間の流体接続
113 第2の熱交換器11bとヒータ13との間の流体接続
114 ヒータ13と電解槽1との間の流体接続
【国際調査報告】