(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生基質、エアロゾル発生装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20231102BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20231102BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231102BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/46
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576886
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2021120548
(87)【国際公開番号】W WO2023044835
(87)【国際公開日】2023-03-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】李東建
(72)【発明者】
【氏名】杜靖
(72)【発明者】
【氏名】卜桂華
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
本願は、エアロゾル発生基質、エアロゾル発生装置及びシステムを提供する。エアロゾル発生基質はエアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設けられている。また、エアロゾル基質部には挿接部が設けられている。挿接部は、エアロゾル発生装置の共振ロッドを挿入するために用いられ、共振ロッドと間隔を置いて設置される。共振ロッドは挿接部内に挿入可能である。エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル基質部を含み、前記エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設けられており、前記エアロゾル基質部には挿接部が設けられており、前記挿接部は、エアロゾル発生装置の共振ロッドを挿入するために用いられ、前記共振ロッドと間隔を置いて設置される、エアロゾル発生基質。
【請求項2】
前記エアロゾル基質部は、更に、隔離部を含み、前記エアロゾル基質が前記隔離部内に位置し、前記隔離部は、前記エアロゾル基質と前記共振ロッドを隔離するために用いられることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項3】
前記挿接部は、前記エアロゾル基質部を貫通していることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項4】
前記エアロゾル基質部は、更に、前記挿接部内に設けられて前記共振ロッドの端部と当接するために用いられる位置規制部を含むことを特徴とする請求項3に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項5】
前記位置規制部は少なくとも2つとし、少なくとも2つの前記位置規制部は前記挿接部の周方向に間隔を置いて分布し、或いは、
前記位置規制部は環状構造をなすことを特徴とする請求項4に記載のエアロゾル発生基質。
【請求項6】
共振空洞が設けられている筐体と、
前記筐体に設けられて、前記共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリと、
第1端が前記共振空洞の空洞底壁に連なり、第2端が前記共振空洞の開口に面しており、エアロゾル発生基質内に挿接するために用いられる共振ロッド、を含み、
前記共振ロッドが前記エアロゾル発生基質内に挿接されたとき、前記共振ロッドと前記エアロゾル発生基質は間隔を置いて設置されるエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記共振空洞における開口箇所に位置する内壁は、前記エアロゾル発生基質と接触するために用いられることを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
更に、前記筐体に設けられる固定ベースを含み、前記固定ベースは前記共振空洞内に位置し、前記固定ベースには装着空洞が設けられており、前記装着空洞は、前記エアロゾル発生基質の一部を挿入するために用いられることを特徴とする請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
更に、前記装着空洞の底壁に設けられるとともに、前記エアロゾル発生基質の挿接部内に挿入される突出部を含み、前記突出部には収容部が設けられており、前記共振ロッドの第2端が前記収容部内に挿入されることを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記固定ベースは、取り外し可能に前記筐体に接続されることを特徴とする請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
共振空洞が設けられている筐体と、
前記筐体に設けられて、前記共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリと、
第1端が前記共振空洞の空洞底壁に連なり、第2端が前記共振空洞の開口に面している共振ロッドと、
エアロゾル基質部を含むエアロゾル発生基質、を含み、
前記エアロゾル基質部にはエアロゾル基質が設けられており、前記エアロゾル基質部は、前記共振空洞の開口から前記共振空洞内に伸入し、前記エアロゾル基質部には挿接部が設けられており、前記共振ロッドの第2端は前記挿接部内に挿入され、前記共振ロッドの第2端と前記エアロゾル基質は間隔を置いて設置されるエアロゾル発生システム。
【請求項12】
更に、前記筐体に設けられる固定ベースを含み、前記固定ベースは前記共振空洞内に位置し、前記固定ベースには装着空洞が設けられており、前記装着空洞は、前記エアロゾル発生基質の一部を挿入するために用いられることを特徴とする請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記装着空洞の高さは前記エアロゾル基質部の長さよりも大きいことを特徴とする請求項12に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記挿接部内への前記共振ロッドの挿入長さをLとし、前記エアロゾル基質部の長さをHとする場合、L≦1/3Hを満たすことを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子霧化の技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生基質、エアロゾル発生装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、エアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を燃焼させることなく加熱する電子機器である。加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが、燃焼には至らない温度まで高温加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0003】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱針等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB装置の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が上昇しすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0004】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝達ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0005】
b.発熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0006】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い応えの一致性が高くなり、吸い応えが一段とタバコに近似する。
【0007】
しかし、エアロゾル発生基質のうちマイクロ波発射端に近接する位置は均一に加熱可能であるが、エアロゾル発生基質のうちマイクロ波発射端から離間する位置は加熱効果に劣り、エアロゾル発生基質の利用率が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑みて、第1の局面において、本願は、エアロゾル発生基質を提供する。当該エアロゾル発生基質は、エアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設けられている。また、エアロゾル基質部には挿接部が設けられている。挿接部は、エアロゾル発生装置の共振ロッドを挿入するために用いられ、共振ロッドと間隔を置いて設置される。
【0010】
エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質に作用すると、エアロゾル基質がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部には挿接部が設置されており、共振ロッドを挿接部内に挿入可能である。共振ロッドとエアロゾル基質部の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部には共振ロッドとの間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【0011】
共振ロッドはエアロゾル基質部と間隔を置いて設置されるため、共振ロッドとエアロゾル基質との接触が回避される。これにより、共振ロッドに汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0012】
また、本願に基づき提供する上記の技術方案におけるエアロゾル発生基質は、更に、以下の技術的特徴を有し得る。
【0013】
可能な設計において、エアロゾル基質部は、更に、隔離部を含み、エアロゾル基質が隔離部内に位置する。隔離部は、エアロゾル基質と共振ロッドを隔離するために用いられる。
【0014】
当該設計において、エアロゾル基質部はエアロゾル基質及び隔離部を含む。エアロゾル基質は隔離部内に位置し、隔離部はエアロゾル基質を封入する。これにより、エアロゾル基質と共振ロッドとの接触が回避されるため、エアロゾル基質と共振ロッドとの接触が回避される。且つ、エアロゾル基質は加熱されると温度が高くなるため、エアロゾル基質と共振ロッドを隔離して設置することで、エアロゾル基質が共振ロッドに粘着するとの事態も回避可能となり、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0015】
当然ながら、隔離部と共振ロッドとの粘着を回避するために、隔離部はマイクロ波との間に作用が生じにくい材質とする必要がある。且つ、隔離部は支持作用を有するように設置する必要がある。よって、隔離部は、高通気性の板紙、晒クラフト紙、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、多孔質セラミックスシート、合成樹脂、化繊系製品、ポリ乳酸フィルム、アルミホイル、不織布のうちの少なくとも1つで製造すればよい。
【0016】
可能な設計において、挿接部はエアロゾル基質部を貫通している。
【0017】
当該設計では、挿接部がエアロゾル基質部を貫通している場合に限定する。共振ロッドは、エアロゾル基質部内に挿入する必要がある。そこで、エアロゾル基質部に1つの貫通区間を直接設置すれば、挿接部の加工の利便性を向上させられる。且つ、共振ロッドはエアロゾル基質部を貫通しているため、挿接部内における共振ロッドのサイズを容易に調整可能である。挿接部内への共振ロッドの挿入サイズは、エアロゾル基質部の厚さに応じて変更すればよい。これにより、エアロゾル基質部内のエアロゾル基質が均一に加熱され得るため、エアロゾル基質に対する加熱効果が向上するとともに、エアロゾル基質の利用率が向上する。
【0018】
可能な設計において、エアロゾル基質部は、更に、挿接部内に設けられて共振ロッドの端部と当接するために用いられる位置規制部を含む。
【0019】
当該設計では、収容部内に位置規制部が設置されており、位置規制部が共振ロッドを位置規制可能である。具体的に、位置規制部は、挿接部内への共振ロッドの最大挿入サイズを規制する。共振ロッドは、挿接部内に挿入されてエアロゾル基質に対する加熱効果を向上させ得るが、挿入される長さが大きいほど加熱効果が良好になるわけではなく、共振ロッドの端部から伝送されるマイクロ波がエアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質に均一に作用し得る必要がある。共振ロッドが挿接部を貫通する場合には、共振ロッドの端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質に作用し得なくなり、マイクロ波が無駄になってしまう。また、共振ロッドの端部が挿接部を貫通する場合には、エアロゾル基質部のうち共振空洞に面する側と共振ロッドの端部との距離が大きくなるとの問題が生じる。この場合、エアロゾル基質部のうち共振空洞に面する側に対する共振ロッドの端部による加熱効果が低下する。そこで、共振ロッドが各箇所におけるエアロゾル基質を均一に加熱し得るよう保証するために、位置規制部によって挿接部内への共振ロッドの最大挿入長さを規制する。これにより、エアロゾル基質に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質の利用率が向上する。
【0020】
可能な設計において、位置規制部は少なくとも2つとする。少なくとも2つの位置規制部は、挿接部の周方向に間隔を置いて分布する。或いは、位置規制部は環状構造をなす。
【0021】
当該設計では、位置規制部の構造を限定する。位置規制部は少なくとも2つとすればよく、少なくとも2つの位置規制部が挿接部の周方向に間隔を置いて設置される。少なくとも2つの位置規制部は、共振ロッドの端部を位置規制可能である。少なくとも2つの位置規制部は間隔を置いて分割されるため、共振ロッドの端部は均一な遮断力を受け得る。これにより、共振ロッドとエアロゾル発生基質に偏位が発生するとの問題が回避され、エアロゾル発生基質と共振ロッドの破損率が低下することから、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスが向上する。
【0022】
当然ながら、位置規制部は環状構造をなしていてもよい。環状構造の位置規制部によっても共振ロッドの端部を安定的に位置規制可能であり、共振ロッドとエアロゾル発生装置に偏位が発生するとの事態が回避される。
【0023】
第2の局面において、本願は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、共振空洞が設けられている筐体と、筐体に設けられて、共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリと、第1端が共振空洞の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞の開口に面しており、エアロゾル発生基質内に挿接するために用いられる共振ロッド、を含む。共振ロッドがエアロゾル発生基質内に挿接されたとき、共振ロッドとエアロゾル発生基質は間隔を置いて設置される。
【0024】
マイクロ波アセンブリはマイクロ波を発生可能である。筐体には共振空洞が設置されており、マイクロ波アセンブリは共振空洞内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッドは共振空洞内に装着される。共振ロッドの直径は共振空洞の直径よりも小さい。よって、共振ロッドの外側壁と共振空洞の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッドは導体とすることができる。また、共振ロッドは金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッドは、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッドは、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質はエアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質に作用すると、エアロゾル基質がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質がエアロゾルを発生可能となる。共振ロッドは、エアロゾル基質部内に挿入可能である。共振ロッドとエアロゾル基質部の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部には共振ロッドとの間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【0025】
共振ロッドはエアロゾル基質部と間隔を置いて設置されるため、共振ロッドとエアロゾル基質との接触が回避される。これにより、共振ロッドに汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0026】
可能な設計において、共振空洞における開口箇所に位置する内壁は、エアロゾル発生基質と接触する。
【0027】
当該設計では、共振空洞に開口が設置されている。エアロゾル発生基質は、共振空洞の開口箇所から共振空洞内に挿入可能である。共振空洞における開口箇所に位置する内壁はエアロゾル発生基質と接触するため、開口箇所の内壁はエアロゾル発生基質を位置規制可能である。具体的に、共振空洞の開口箇所はエアロゾル発生基質を位置規制する。また、共振ロッドが挿接部内に挿接される際には、共振ロッドによってもエアロゾル発生基質を位置規制可能である。即ち、開口箇所の内壁と共振ロッドが、エアロゾル発生基質を2つの箇所で位置規制する。これにより、エアロゾル発生基質を筐体に安定的に装着可能となるため、共振空洞内でのエアロゾル発生基質のぐらつきが回避され、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。
【0028】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、筐体に設けられる固定ベースを含む。固定ベースは共振空洞内に位置する。固定ベースには装着空洞が設けられており、装着空洞は、エアロゾル発生基質の一部を挿入するために用いられる。
【0029】
当該設計では、筐体に固定ベースが設置されている。固定ベースには装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質を固定ベースに装着可能なことから、筐体に対してエアロゾル発生基質がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベースは共振空洞内に設置されるため、筐体の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0030】
通常、エアロゾル発生基質は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾルアセンブリをしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質が固定ベースから離脱しにくくなり、エアロゾルアセンブリの装着の安定性が確実に保証される。
【0031】
固定ベースによりエアロゾル発生基質を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質を使用したあと、固定ベースだけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0032】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、装着空洞の底壁に設けられるとともに、エアロゾル発生基質の挿接部内に挿入される突出部を含む。突出部には収容部が設けられており、共振ロッドの第2端が収容部内に挿入される。
【0033】
当該設計では、装着空洞の底壁に突出部が設置される場合に限定する。突出部は、共振ロッドから離間する方向に装着空洞の底壁から突出している。突出部には収容部が設置されており、共振ロッドの第2端を収容部内に挿入可能である。且つ、突出部は挿接部内に挿入することも可能である。よって、挿接部と共振ロッドの間に突出部を有することになり、突出部が挿接部と共振ロッドを隔離する。これにより、共振ロッドがエアロゾル発生基質と接触しなくなるため、共振ロッドの破損が回避され、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。且つ、固定ベースを設置して共振ロッドを保護することで、汚れは固定ベースにのみ進入可能となり、共振空洞内には進入し得ない。これにより、共振ロッドの汚れが更に防止されるため、ユーザのクリーニング作業量が減少する。
【0034】
可能な設計において、固定ベースは取り外し可能に筐体に接続される。
【0035】
当該設計では、固定ベースと筐体の接続関係を限定する。固定ベースは、筐体に対して装着又は取り外し可能である。エアロゾル発生装置の使用後は、固定ベースを筐体から取り外し可能なため、固定ベースを単独で洗浄しやすく、ユーザが固定ベースをクリーニングする際の利便性が向上する。ことことは、ユーザによるエアロゾル発生装置の使用上の利便性を向上させるのに有利である。
【0036】
例示的に、固定ベースと筐体に装着孔を設置し、ボルト等のロック部材を装着孔に挿通することで、固定ベースを筐体に装着してもよい。また、固定ベースと筐体にフックアセンブリを設置し、フックアセンブリによって固定ベースを筐体にロックしてもよい。
【0037】
第3の局面において、本願は、エアロゾル発生システムを提供する。当該エアロゾル発生システムは、共振空洞が設けられている筐体と、筐体に設けられて、共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリと、第1端が共振空洞の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞の開口に面している共振ロッドと、エアロゾル基質部を含むエアロゾル発生基質、を含む。エアロゾル基質部にはエアロゾル基質が設けられている。エアロゾル基質部は、共振空洞の開口から共振空洞内に伸入する。エアロゾル基質部には挿接部が設けられており、共振ロッドの第2端が挿接部内に挿入される。共振ロッドの第2端とエアロゾル基質は間隔を置いて設置される。
【0038】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、筐体内に共振空洞が設置されており、筐体上にマイクロ波アセンブリを装着可能である。マイクロ波アセンブリはマイクロ波を発生可能である。筐体には共振空洞が設置されており、マイクロ波アセンブリは共振空洞内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッドは共振空洞内に装着される。共振ロッドの直径は共振空洞の直径よりも小さい。よって、共振ロッドの外側壁と共振空洞の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッドは導体とすることができる。また、共振ロッドは金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッドは、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッドは、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質はエアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質に作用すると、エアロゾル基質がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部には挿接部が設置されており、共振ロッドを挿接部内に挿入可能である。共振ロッドとエアロゾル基質部の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部には共振ロッドとの間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【0039】
共振ロッドはエアロゾル基質部と間隔を置いて設置されるため、共振ロッドとエアロゾル基質との接触が回避される。これにより、共振ロッドに汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0040】
可能な設計において、エアロゾル発生システムは、更に、筐体に設けられる固定ベースを含む。固定ベースは共振空洞内に位置する。固定ベースには装着空洞が設けられており、装着空洞は、エアロゾル発生基質の一部を挿入するために用いられる。
【0041】
当該設計では、筐体に固定ベースが設置されている。固定ベースには装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質を固定ベースに装着可能なことから、筐体に対してエアロゾル発生基質がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベースは共振空洞内に設置されるため、筐体の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0042】
通常、エアロゾル発生基質は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾルアセンブリをしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質が固定ベースから離脱しにくくなり、エアロゾルアセンブリの装着の安定性が確実に保証される。
【0043】
固定ベースによりエアロゾル発生基質を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質を使用したあと、固定ベースだけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0044】
エアロゾル基質部の高さは固定ベースの高さ以下である。エアロゾル基質部の高さは3mmから25mmである。また、エアロゾル基質部の直径は共振ロッドの直径よりも大きい。エアロゾル基質部の直径は3mmから20mmである。
【0045】
装着空洞の底壁には突出構造が設けられている。これは、吸入時に気流の円滑性を維持し、吸引抵抗を減少させることが目的である。
【0046】
固定ベースと共振空洞は同軸に設置される。これにより、共振ロッドを共振空洞の中心位置に配置することも可能となり、共振ロッドによるマイクロ波の伝達効果が向上する。
【0047】
固定ベースは、エアロゾル発生基質が挿入される上端の開口を除き、残りの部分は孔のないよう密閉されている。
【0048】
固定ベースに対するマイクロ波の作用を回避するために、固定ベースの材質は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、マイクロ波透過セラミックス、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニア又は酸化ケイ素等の低誘電損失材料とする必要がある。
【0049】
可能な設計において、装着空洞の高さはエアロゾル基質部の長さよりも大きい。
【0050】
当該設計では、装着空洞の高さとエアロゾル基質部の長さの関係を限定する。固定ベースが共振空洞内に位置し、装着空洞の高さがエアロゾル基質部の長さよりも大きい場合には、エアロゾル基質部全体が共振空洞内に位置するため、エアロゾル基質も全てが共振空洞内に位置する。これにより、マイクロ波でエアロゾル基質を加熱する際に、エアロゾル基質に発生する熱が散逸しにくくなるため、エアロゾル基質の昇温速度を加速可能となり、即時吸入・即時パフ(puff)機能を実現するのに有利となる。また、エアロゾル基質が発生させるエアロゾルの速度が加速するため、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスを向上させるのに有利である。
【0051】
可能な設計において、挿接部内への共振ロッドの挿入長さをLとし、エアロゾル基質部の長さをHとする場合、L≦1/3Hを満たす。
【0052】
当該設計では、挿接部内への共振ロッドの最大挿入可能長さを限定する。具体的に、位置規制部により規制される共振ロッドの挿入長さ、又は、突出部により規制される共振ロッドの挿入長さに基づいて、共振ロッドの挿入長さが過度に大きい場合には、共振ロッドの端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質に作用し得ないとの問題が生じる。そこで、共振ロッドが各箇所におけるエアロゾル基質を均一に加熱し得るよう保証するために、挿接部への共振ロッドの挿入長さをエアロゾル基質部の厚さの3分の1以下に限定する。これにより、エアロゾル基質に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質の利用率が向上する。
【0053】
可能な設計において、マイクロ波アセンブリは、筐体の側壁に設置されるマイクロ波導入部と、マイクロ波導入部に連なるマイクロ波発射源を含む。マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部を通じて共振空洞に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッドの第1端から共振ロッドの第2端に向かう方向に伝達される。
【0054】
当該設計において、マイクロ波発射源はマイクロ波を発生可能であり、マイクロ波は、マイクロ波導入部を通じて共振空洞内に導入される。マイクロ波導入部を設置することで、共振空洞内におけるマイクロ波の導入位置を変更可能となるため、共振空洞内の部品を回避することも、マイクロ波を安定的に共振ロッドの第1端から共振ロッドの第2端に伝達するよう保証することも可能となる。
【0055】
可能な設計において、マイクロ波導入部は、筐体の側壁に設置される第1導入部材と、第1端が第1導入部材に連なる第2導入部材を含む。第2導入部材は共振空洞内に位置し、第2導入部材の第2端が共振空洞の空洞底壁に面している。
【0056】
当該設計において、マイクロ波導入部は、第1導入部材及び第2導入部材という2つの部分で構成される。第1導入部材は筐体の側壁に設置される。また、第1導入部材はマイクロ波発射源に連なっている。これにより、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波は、第1導入部材を通じて共振空洞内に導入される。また、第2導入部材はマイクロ波の伝達方向を変更可能である。第2導入部材は共振空洞の底壁に面しているため、マイクロ波は共振空洞の底壁に伝達される。共振空洞の底壁におけるマイクロ波は、共振ロッドを通じてエアロゾル基質に伝達される。第2導入部材を共振空洞の底壁に面するよう設置することで、共振ロッドの第1端からマイクロ波の伝達を開始可能となるよう確実に保証される。第1導入部材及び第2導入部材がマイクロ波を伝達する際、マイクロ波には伝達時に方向転換が発生する。このように設置することで、マイクロ波導入部が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質に作用させられる。
【0057】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞の空洞底壁に設置される凹陥部を含み、第2導入部材の第2端が凹陥部内に位置する。
【0058】
当該設計では、第2導入部材の第2端が凹陥部内に位置する。凹陥部は、第2導入部材の端部を保護する作用を奏し得る。これにより、第2導入部材の端部とその他の部品との接触が回避されるため、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。
【0059】
可能な設計において、マイクロ波導入部は、筐体の側壁に設置される第1導入部材と、第1端が第1導入部材に連なる第2導入部材を含む。第2導入部材は共振空洞内に位置し、第2導入部材の第2端が共振ロッドに面している。
【0060】
当該設計において、マイクロ波導入部は、第1導入部材及び第2導入部材という2つの部分で構成される。第1導入部材は筐体の側壁に設置される。また、第1導入部材はマイクロ波発射源に連なっている。これにより、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波は、第1導入部材を通じて共振空洞内に導入される。また、第2導入部材は共振ロッドに面している。即ち、第2導入部材は共振空洞の底壁と平行である。このように設置することで、マイクロ波導入部が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質に作用させられる。
【0061】
本願の付加的局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0062】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図1を示す。
【
図2】
図2は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図2を示す。
【
図3】
図3は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図3を示す。
【
図4】
図4は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図4を示す。
【
図5】
図5は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図5を示す。
【
図6】
図6は、本願の実施例における周波数と反射損失との関係の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0065】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制約されない。
【0066】
以下に、
図1~
図6を参照して、本願のいくつかの実施例に基づき提供するエアロゾル発生基質、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムについて述べる。
【0067】
図1及び
図2を組み合わせて、本願のいくつかの実施例では、エアロゾル基質部310を含むエアロゾル発生基質300を提供する。エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設けられている。また、エアロゾル基質部310には挿接部360が設けられている。挿接部360は、エアロゾル発生装置の共振ロッド400を挿入するために用いられ、共振ロッド400と間隔を置いて設置される。
【0068】
エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質311に作用すると、エアロゾル基質311がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質311がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部310には挿接部360が設置されており、共振ロッド400を挿接部360内に挿入可能である。共振ロッド400とエアロゾル基質部310の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部310には共振ロッド400との間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311は、共振ロッド400から伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311の利用率を向上させるのに有利である。
【0069】
共振ロッド400はエアロゾル基質部310と間隔を置いて設置されるため、共振ロッド400とエアロゾル基質311との接触が回避される。これにより、共振ロッド400に汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0070】
共振ロッド400は、中空又は中実の構造をなしており、且つ外壁が導電性である。この目的を実現するために、共振ロッド400には、金属材料又はその他の高導電性材料を使用してもよいし、非金属材料の外表面に、金メッキ、銀メッキ又は銅メッキ等の金属薄膜層等をメッキしてもよい。共振ロッド400は、共振空洞110の底部に接続されて導電する。
【0071】
共振空洞110の内壁は導電性である。この目的を実現するために、空洞体に導電材料(好ましくは、金属)を使用してもよいし、共振空洞110の内部に、金メッキ、銀メッキ又は銅メッキ等の導電性コーティング層を有してもよい。
【0072】
本実施例において、エアロゾル発生基質300は、更に、中空区間320、降温区間330及びフィルタ区間340を含む。エアロゾル基質部310は端部に位置する。且つ、エアロゾル基質部310は中空区間320に連なっている。中空区間320は、エアロゾルがゆるやかに流動し得るよう、エアロゾルを緩衝するために用いられる。中空区間320は、更に、降温区間330に連なっている。降温区間330は、ユーザの快適性が向上するよう、エアロゾルを降温させるために用いられる。フィルタ区間340は降温区間330に連なっている。フィルタ区間340は、エアロゾルを濾過するために用いられる。エアロゾル発生基質300には、更にハウジングが設置されている。ハウジングは、エアロゾル基質部310、中空区間320、降温区間330及びフィルタ区間340を封入するために用いられる。ハウジングは、支持作用を有する板紙管、ポリ乳酸材料管、タンパク質材料管、植物性ゴム系材料管又はセルロース誘導体材料管のうちの1つとする。
【0073】
本実施例において、エアロゾル基質311は、タバコ葉又はハーブを原料とし、例えば、顆粒物、シート、粉末状破片、糸状物、ペースト状物、クレープ状物、多孔質エアロゲル又はカプセル等の異なる形態の基質に調製される。
【0074】
降温区間330の材料には、ポリ乳酸/アルミ箔複合フィルム、紙製フィルタロッド、ポリ乳酸不織布、ポリ乳酸顆粒、ポリ乳酸トウ(tow)編み上げ管、鋸歯状ポリ乳酸折り畳みフィルム、降温活性炭複合材料のうちの1つを選択する。
【0075】
フィルタ区間340は、ポリ乳酸トウ又は酢酸繊維トウのうちの1つとする。
【0076】
図1及び
図2を組み合わせて、可能な実施例において、エアロゾル基質部310は隔離部312を更に含む。エアロゾル基質311は隔離部312内に位置する。隔離部312は、エアロゾル基質311と共振ロッド400を隔離するために用いられる。
【0077】
本実施例において、エアロゾル基質部310はエアロゾル基質311及び隔離部312を含む。エアロゾル基質311は隔離部312内に位置し、隔離部312はエアロゾル基質311を封入する。これにより、エアロゾル基質311と共振ロッド400との接触が回避されるため、エアロゾル基質311と共振ロッド400との接触が回避される。且つ、エアロゾル基質311は加熱されると温度が高くなるため、エアロゾル基質311と共振ロッド400を隔離して設置することで、エアロゾル基質311が共振ロッド400に粘着するとの事態も回避可能となり、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0078】
当然ながら、隔離部312と共振ロッド400との粘着を回避するために、隔離部312はマイクロ波との間に作用が生じにくい材質とする必要がある。且つ、隔離部312は支持作用を有するように設置する必要がある。よって、隔離部312は、高通気性の板紙、晒クラフト紙、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、多孔質セラミックスシート、合成樹脂、化繊系製品、ポリ乳酸フィルム、アルミホイル、不織布のうちの少なくとも1つで製造すればよい。
【0079】
図1及び
図2を組み合わせて、可能な実施例において、挿接部360はエアロゾル基質部310を貫通している。
【0080】
本実施例では、挿接部360がエアロゾル基質部310を貫通している場合に限定する。共振ロッド400は、エアロゾル基質部310内に挿入する必要がある。そこで、エアロゾル基質部310に1つの貫通区間を直接設置すれば、挿接部360の加工の利便性を向上させられる。且つ、共振ロッド400はエアロゾル基質部310を貫通しているため、挿接部360内における共振ロッド400のサイズを容易に調整可能である。挿接部360内への共振ロッド400の挿入サイズは、エアロゾル基質部310の厚さに応じて変更すればよい。これにより、エアロゾル基質部310内のエアロゾル基質311が均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311に対する加熱効果が向上するとともに、エアロゾル基質311の利用率が向上する。
【0081】
可能な実施例において、エアロゾル基質部310は位置規制部350を更に含む。位置規制部350は、挿接部360内に設けられて、共振ロッド400の端部と当接するために用いられる。
【0082】
本実施例では、収容部内に位置規制部350が設置されており、位置規制部350が共振ロッド400を位置規制可能である。具体的に、位置規制部350は、挿接部360内への共振ロッド400の最大挿入サイズを規制する。共振ロッド400は、挿接部360内に挿入されてエアロゾル基質311に対する加熱効果を向上させ得るが、挿入される長さが大きいほど加熱効果が良好になるわけではなく、共振ロッド400の端部から伝送されるマイクロ波がエアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311に均一に作用し得る必要がある。共振ロッド400が挿接部360を貫通する場合には、共振ロッド400の端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質311に作用し得なくなり、マイクロ波が無駄になってしまう。また、共振ロッド400の端部が挿接部360を貫通する場合には、エアロゾル基質部310のうち共振空洞110に面する側と共振ロッド400の端部との距離が大きくなるとの問題が生じる。この場合、エアロゾル基質部310のうち共振空洞110に面する側に対する共振ロッド400の端部による加熱効果が低下する。そこで、共振ロッド400が各箇所におけるエアロゾル基質311を均一に加熱し得るよう保証するために、位置規制部350によって挿接部360内への共振ロッド400の最大挿入長さを規制する。これにより、エアロゾル基質311に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質311の利用率が向上する。
【0083】
可能な実施例において、位置規制部350は少なくとも2つとする。少なくとも2つの位置規制部350は、挿接部360の周方向に間隔を置いて分布する。或いは、位置規制部350は環状構造をなす。
【0084】
本実施例では、位置規制部350の構造を限定する。位置規制部350は少なくとも2つとすればよく、少なくとも2つの位置規制部350が挿接部360の周方向に間隔を置いて設置される。少なくとも2つの位置規制部350は、共振ロッド400の端部を位置規制可能である。少なくとも2つの位置規制部350は間隔を置いて分割されるため、共振ロッド400の端部は均一な遮断力を受け得る。これにより、共振ロッド400とエアロゾル発生基質300に偏位が発生するとの問題が回避され、エアロゾル発生基質300と共振ロッド400の破損率が低下することから、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスが向上する。
【0085】
当然ながら、位置規制部350は環状構造をなしていてもよい。環状構造の位置規制部350によっても共振ロッド400の端部を安定的に位置規制可能であり、共振ロッド400とエアロゾル発生装置に偏位が発生するとの事態が回避される。
【0086】
本願のいくつかの実施例では、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、共振空洞110が設けられている筐体100と、筐体100に設けられて共振空洞110内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリ200と、第1端が共振空洞110の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞110の開口に面しており、エアロゾル発生基質300内に挿接するために用いられる共振ロッド400、を含む。共振ロッド400がエアロゾル発生基質300内に挿接されたとき、共振ロッド400とエアロゾル発生基質300は間隔を置いて設置される。
【0087】
マイクロ波アセンブリ200はマイクロ波を発生可能である。筐体100には共振空洞110が設置されており、マイクロ波アセンブリは共振空洞110内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッド400は共振空洞110内に装着される。共振ロッド400の直径は共振空洞110の直径よりも小さい。よって、共振ロッド400の外側壁と共振空洞110の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッド400は導体とすることができる。また、共振ロッド400は金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッド400は、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッド400は、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞110内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質300にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質300に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質300はエアロゾル基質部310を含む。エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質311に作用すると、エアロゾル基質311がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質311がエアロゾルを発生可能となる。共振ロッド400は、エアロゾル基質部310内に挿入可能である。共振ロッド400とエアロゾル基質部310の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部310には共振ロッド400との間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311は、共振ロッド400から伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311の利用率を向上させるのに有利である。
【0088】
共振ロッド400はエアロゾル基質部310と間隔を置いて設置されるため、共振ロッド400とエアロゾル基質311との接触が回避される。これにより、共振ロッド400に汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0089】
図1及び
図2を組み合わせて、可能な実施例において、共振空洞110における開口箇所に位置する内壁はエアロゾル発生基質300と接触する。
【0090】
本実施例では、共振空洞110に開口が設置されている。エアロゾル発生基質300は、共振空洞110の開口箇所から共振空洞110内に挿入可能である。共振空洞110における開口箇所に位置する内壁はエアロゾル発生基質300と接触するため、開口箇所の内壁はエアロゾル発生基質300を位置規制可能である。具体的に、共振空洞の開口箇所はエアロゾル発生基質300を位置規制する。また、共振ロッド400が挿接部360内に挿接される際には、共振ロッド400によってもエアロゾル発生基質300を位置規制可能である。即ち、開口箇所の内壁と共振ロッド400が、エアロゾル発生基質300を2つの箇所で位置規制する。これにより、エアロゾル発生基質300を筐体100に安定的に装着可能となるため、共振空洞110内でのエアロゾル発生基質300のぐらつきが回避され、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。
【0091】
図3及び
図4を組み合わせて、可能な実施例において、エアロゾル発生装置は固定ベース500を更に含む。固定ベース500は筐体100に設けられる。また、固定ベース500は共振空洞110内に位置する。固定ベース500には装着空洞が設けられている。装着空洞は、エアロゾル発生基質300の一部を挿入するために用いられる。
【0092】
本実施例では、筐体100に固定ベース500が設置されている。固定ベース500には装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質300の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質300を固定ベース500に装着可能なことから、筐体100に対してエアロゾル発生基質300がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベース500は共振空洞110内に設置されるため、筐体100の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0093】
通常、エアロゾル発生基質300は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質300の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾルアセンブリをしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質300が固定ベース500から離脱しにくくなり、エアロゾルアセンブリの装着の安定性が確実に保証される。
【0094】
固定ベース500によりエアロゾル発生基質300を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質300を使用したあと、固定ベース500だけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体100のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0095】
エアロゾル基質部310の高さは固定ベース500の高さ以下である。エアロゾル基質部310の高さは3mmから25mmである。また、エアロゾル基質部310の直径は共振ロッド400の直径よりも大きい。エアロゾル基質部310の直径は3mmから20mmである。
【0096】
装着空洞の底壁には突出構造が設けられている。これは、吸入時に気流の円滑性を維持し、吸引抵抗を減少させることが目的である。
【0097】
固定ベース500と共振空洞110は同軸に設置される。これにより、共振ロッド400を共振空洞110の中心位置に配置することも可能となり、共振ロッド400によるマイクロ波の伝達効果が向上する。
【0098】
固定ベース500は、エアロゾル発生基質300が挿入される上端の開口を除き、残りの部分は孔のないよう密閉されている。
【0099】
固定ベース500に対するマイクロ波の作用を回避するために、固定ベース500の材質は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、マイクロ波透過セラミックス、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニア又は酸化ケイ素等の低誘電損失材料とする必要がある。
【0100】
図3及び
図4を組み合わせて、可能な実施例において、エアロゾル発生装置は突出部510を更に含む。突出部510は、装着空洞の底壁に設けられるとともに、挿接部360内に挿入される。突出部510には収容部が設けられており、共振ロッド400の第2端が収容部内に挿入される。
【0101】
本実施例では、装着空洞の底壁に突出部510が設置される場合に限定する。突出部510は、共振ロッド400から離間する方向に装着空洞の底壁から突出している。突出部510には収容部が設置されており、共振ロッド400の第2端を収容部内に挿入可能である。且つ、突出部510は挿接部360内に挿入することも可能である。よって、挿接部360と共振ロッド400の間に突出部510を有することになり、突出部510が挿接部360と共振ロッド400を隔離する。これにより、共振ロッド400がエアロゾル発生基質300と接触しなくなるため、共振ロッド400の破損が回避され、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。且つ、固定ベース500を設置して共振ロッド400を保護することで、汚れは固定ベース500にのみ進入可能となり、共振空洞110内には進入し得ない。これにより、共振ロッド400の汚れが更に防止されるため、ユーザのクリーニング作業量が減少する。
【0102】
可能な実施例において、固定ベース500は取り外し可能に筐体100に接続される。
【0103】
本実施例では、固定ベース500と筐体100の接続関係を限定する。固定ベース500は、筐体100に対して装着又は取り外し可能である。エアロゾル発生装置の使用後は、固定ベース500を筐体100から取り外し可能なため、固定ベース500を単独で洗浄しやすく、ユーザが固定ベース500をクリーニングする際の利便性が向上する。ことことは、ユーザによるエアロゾル発生装置の使用上の利便性を向上させるのに有利である。
【0104】
例示的に、固定ベース500と筐体100に装着孔を設置し、ボルト等のロック部材を装着孔に挿通することで、固定ベース500を筐体100に装着してもよい。また、固定ベース500と筐体100にフックアセンブリを設置し、フックアセンブリによって固定ベース500を筐体100にロックしてもよい。
【0105】
本願のいくつかの実施例では、エアロゾル発生システムを提供する。当該エアロゾル発生システムは、共振空洞110が設けられている筐体100と、筐体100に設けられて共振空洞110内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリ200と、第1端が共振空洞110の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞110の開口に面している共振ロッド400と、エアロゾル基質部310を含むエアロゾル発生基質300、を含む。エアロゾル基質部310にはエアロゾル基質311が設けられている。エアロゾル基質部310は、共振空洞110の開口から共振空洞110内に伸入する。また、エアロゾル基質部310には挿接部が設けられており、共振ロッド400の第2端が挿接部内に挿入される。共振ロッド400の第2端とエアロゾル基質311は間隔を置いて設置される。
【0106】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、筐体100内に共振空洞110が設置されており、筐体100上にマイクロ波アセンブリ200を装着可能である。マイクロ波アセンブリ200はマイクロ波を発生可能である。筐体100には共振空洞110が設置されており、マイクロ波アセンブリ200は共振空洞110内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッド400は共振空洞110内に装着される。共振ロッド400の直径は共振空洞110の直径よりも小さい。よって、共振ロッド400の外側壁と共振空洞110の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッド400は導体とすることができる。また、共振ロッド400は金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッド400は、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッド400は、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞110内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質300にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質300に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質300はエアロゾル基質部310を含む。エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質311に作用すると、エアロゾル基質311がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質311がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部310には挿接部が設置されており、共振ロッド400を挿接部内に挿入可能である。共振ロッド400とエアロゾル基質部310の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部310には共振ロッド400との間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311は、共振ロッド400から伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311の利用率を向上させるのに有利である。
【0107】
共振ロッド400はエアロゾル基質部310と間隔を置いて設置されるため、共振ロッド400とエアロゾル基質311との接触が回避される。これにより、共振ロッド400に汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0108】
可能な実施例において、エアロゾル発生システムは、更に、筐体100に設けられる固定ベースを含む。固定ベースは共振空洞110内に位置する。固定ベースには装着空洞が設けられている。装着空洞は、エアロゾル発生基質300の一部を挿入するために用いられる。
【0109】
筐体100には固定ベース500が設置されている。固定ベース500には装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質300の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質300を固定ベース500に装着可能なことから、筐体100に対してエアロゾル発生基質300がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベース500は共振空洞110内に設置されるため、筐体100の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0110】
通常、エアロゾル発生基質300は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質300の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾルアセンブリをしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質300が固定ベース500から離脱しにくくなり、エアロゾルアセンブリの装着の安定性が確実に保証される。
【0111】
固定ベース500によりエアロゾル発生基質300を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質300を使用したあと、固定ベース500だけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体100のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0112】
エアロゾル基質部310の高さは固定ベース500の高さ以下である。エアロゾル基質部310の高さは3mmから25mmである。また、エアロゾル基質部310の直径は共振ロッド400の直径よりも大きい。エアロゾル基質部310の直径は3mmから20mmである。
【0113】
装着空洞の底壁には突出構造が設けられている。これは、吸入時に気流の円滑性を維持し、吸引抵抗を減少させることが目的である。
【0114】
固定ベース500と共振空洞110は同軸に設置される。これにより、共振ロッド400を共振空洞110の中心位置に配置することも可能となり、共振ロッド400によるマイクロ波の伝達効果が向上する。
【0115】
固定ベース500は、エアロゾル発生基質300が挿入される上端の開口を除き、残りの部分は孔のないよう密閉されている。
【0116】
可能な実施例において、装着空洞の高さはエアロゾル基質部310の長さよりも大きい。
【0117】
本実施例では、装着空洞の高さとエアロゾル基質部310の長さの関係を限定する。固定ベース500が共振空洞110内に位置し、装着空洞の高さがエアロゾル基質部310の長さよりも大きい場合には、エアロゾル基質部310全体が共振空洞110内に位置するため、エアロゾル基質311も全てが共振空洞110内に位置する。これにより、マイクロ波でエアロゾル基質311を加熱する際に、エアロゾル基質311に発生する熱が散逸しにくくなるため、エアロゾル基質311の昇温速度を加速可能となり、即時吸入・即時パフ(puff)機能を実現するのに有利となる。また、エアロゾル基質311が発生させるエアロゾルの速度が加速するため、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスを向上させるのに有利である。
【0118】
可能な実施例において、挿接部360内への共振ロッド400の挿入長さをLとし、エアロゾル基質部310の長さをHとする場合、L≦1/3Hを満たす。
【0119】
本実施例では、挿接部360内への共振ロッド400の最大挿入可能長さを限定する。具体的に、位置規制部350により規制される共振ロッド400の挿入長さ、又は、突出部510により規制される共振ロッド400の挿入長さに基づいて、共振ロッド400の挿入長さが過度に大きい場合には、共振ロッド400の端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質311に作用し得ないとの問題が生じる。そこで、共振ロッド400が各箇所におけるエアロゾル基質311を均一に加熱し得るよう保証するために、挿接部360への共振ロッド400の挿入長さをエアロゾル基質部の厚さの3分の1以下に限定する。これにより、エアロゾル基質311に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質311の利用率が向上する。
【0120】
図5に示すように、可能な実施例において、マイクロ波アセンブリ200は、マイクロ波導入部210及びマイクロ波発射源220を含む。マイクロ波導入部210は筐体100の側壁に設置される。また、マイクロ波発射源220はマイクロ波導入部210に連なっている。マイクロ波発射源220から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部210を通じて共振空洞110に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッド400の第1端から共振ロッド400の第2端に向かう方向に伝達される。
【0121】
本実施例において、マイクロ波発射源220はマイクロ波を発生可能であり、マイクロ波は、マイクロ波導入部210を通じて共振空洞110内に導入される。マイクロ波導入部210を設置することで、共振空洞110内におけるマイクロ波の導入位置を変更可能となるため、共振空洞110内の部品を回避することも、マイクロ波を安定的に共振ロッド400の第1端から共振ロッド400の第2端に伝達するよう保証することも可能となる。
【0122】
図6に示すように、反射損失はマイクロ波の周波数の影響を受ける。マイクロ波の周波数が増大するのに伴って、反射損失は、まず減少してから増大する。マイクロ波の周波数が244GHz付近のときに反射損失は小さくなり、このとき、マイクロ波の導入効果が良好となる。
【0123】
図5に示すように、可能な実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212を含む。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置され、第2導入部材212の第1端が第1導入部材211に連なっている。第2導入部材212は共振空洞110内に位置し、第2導入部材212の第2端が共振空洞110の空洞底壁に面している。
【0124】
本実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212という2つの部分で構成される。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置される。また、第1導入部材211はマイクロ波発射源220に連なっている。これにより、マイクロ波発射源220が発生させたマイクロ波は、第1導入部材211を通じて共振空洞110内に導入される。また、第2導入部材212はマイクロ波の伝達方向を変更可能である。第2導入部材212は共振空洞110の底壁に面しているため、マイクロ波は共振空洞110の底壁に伝達される。共振空洞110の底壁におけるマイクロ波は、共振ロッド400を通じてエアロゾル基質311に伝達される。第2導入部材212を共振空洞110の底壁に面するよう設置することで、共振ロッド400の第1端からマイクロ波の伝達を開始可能となるよう確実に保証される。第1導入部材211及び第2導入部材212がマイクロ波を伝達する際、マイクロ波には伝達時に方向転換が発生する。このように設置することで、マイクロ波導入部210が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞110内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質311に作用させられる。
【0125】
可能な実施例において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞110の空洞底壁に設置される凹陥部を含み、第2導入部材212の第2端が凹陥部内に位置する。
【0126】
本実施例では、第2導入部材212の第2端が凹陥部内に位置する。凹陥部は、第2導入部材212の端部を保護する作用を奏し得る。これにより、第2導入部材212の端部とその他の部品との接触が回避されるため、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。
【0127】
図5に示すように、可能な実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212を含む。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置され、第2導入部材212の第1端が第1導入部材211に連なっている。第2導入部材212は共振空洞110内に位置し、第2導入部材212の第2端が共振ロッド400に面している。
【0128】
本実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212という2つの部分で構成される。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置される。また、第1導入部材211はマイクロ波発射源220に連なっている。これにより、マイクロ波発射源220が発生させたマイクロ波は、第1導入部材211を通じて共振空洞110内に導入される。また、第2導入部材212は共振ロッド400に面している。即ち、第2導入部材212は共振空洞110の底壁と平行である。このように設置することで、マイクロ波導入部210が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞110内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質311に作用させられる。
【0129】
本願では、別途明確に限定している場合を除き、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、「装着する」、「連なる」、「接続する」、「固定する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、「連なる」とは、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、具体的状況に応じて、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0130】
本明細書の記載において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0131】
以上の記載は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0132】
100 筐体
110 共振空洞
200 マイクロ波アセンブリ
210 マイクロ波導入部
211 第1導入部材
212 第2導入部材
220 マイクロ波発射源
300 エアロゾル発生基質
310 エアロゾル基質部
311 エアロゾル基質
312 隔離部
320 中空区間
330 降温区間
340 フィルタ区間
350 位置規制部
360 挿接部
400 共振ロッド
500 固定ベース
510 突出部
【手続補正書】
【提出日】2023-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電子霧化の技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生基質、エアロゾル発生装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、エアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を燃焼させることなく加熱する電子機器である。加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが、燃焼には至らない温度まで高温加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0003】
現在、市販されている非燃焼・加熱器具は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱針等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような器具は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB装置の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が上昇しすぎ、部分的に分解が発生することで、人体に有害な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0004】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝達ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0005】
b.発熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0006】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い応えの一致性が高くなり、吸い応えが一段とタバコに近似する。
【0007】
しかし、エアロゾル発生基質のうちマイクロ波発射端に近接する位置は均一に加熱可能であるが、エアロゾル発生基質のうちマイクロ波発射端から離間する位置は加熱効果に劣り、エアロゾル発生基質の利用率が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記に鑑みて、第1の局面において、本願は、エアロゾル発生基質を提供する。当該エアロゾル発生基質は、エアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設けられている。また、エアロゾル基質部には挿接部が設けられている。挿接部は、エアロゾル発生装置の共振ロッドを挿入するために用いられ、共振ロッドと間隔を置いて設置される。
【0010】
エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質に作用すると、エアロゾル基質がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部には挿接部が設置されており、共振ロッドを挿接部内に挿入可能である。共振ロッドとエアロゾル基質部の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部には共振ロッドとの間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【0011】
共振ロッドはエアロゾル基質部と間隔を置いて設置されるため、共振ロッドとエアロゾル基質との接触が回避される。これにより、共振ロッドに汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0012】
また、本願に基づき提供する上記の技術方案におけるエアロゾル発生基質は、更に、以下の技術的特徴を有し得る。
【0013】
可能な設計において、エアロゾル基質部は、更に、隔離部を含み、エアロゾル基質が隔離部内に位置する。隔離部は、エアロゾル基質と共振ロッドを隔離するために用いられる。
【0014】
当該設計において、エアロゾル基質部はエアロゾル基質及び隔離部を含む。エアロゾル基質は隔離部内に位置し、隔離部はエアロゾル基質を封入する。これにより、エアロゾル基質と共振ロッドとの接触が回避される。且つ、エアロゾル基質は加熱されると温度が高くなるため、エアロゾル基質と共振ロッドを隔離して設置することで、エアロゾル基質が共振ロッドに粘着するとの事態も回避可能となり、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0015】
当然ながら、隔離部と共振ロッドとの粘着を回避するために、隔離部はマイクロ波との間に作用が生じにくい材質とする必要がある。且つ、隔離部は支持作用を有するように設置する必要がある。よって、隔離部は、高通気性の板紙、晒クラフト紙、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、多孔質セラミックスシート、合成樹脂、化繊系製品、ポリ乳酸フィルム、アルミホイル、不織布のうちの少なくとも1つで製造すればよい。
【0016】
可能な設計において、挿接部はエアロゾル基質部を貫通している。
【0017】
当該設計では、挿接部がエアロゾル基質部を貫通している場合に限定する。共振ロッドは、エアロゾル基質部内に挿入する必要がある。そこで、エアロゾル基質部に1つの貫通区間を直接設置すれば、挿接部の加工の利便性を向上させられる。且つ、共振ロッドはエアロゾル基質部を貫通しているため、挿接部内における共振ロッドのサイズを容易に調整可能である。挿接部内への共振ロッドの挿入サイズは、エアロゾル基質部の厚さに応じて変更すればよい。これにより、エアロゾル基質部内のエアロゾル基質が均一に加熱され得るため、エアロゾル基質に対する加熱効果が向上するとともに、エアロゾル基質の利用率が向上する。
【0018】
可能な設計において、エアロゾル基質部は、更に、挿接部内に設けられて共振ロッドの端部と当接するために用いられる位置規制部を含む。
【0019】
当該設計では、収容部内に位置規制部が設置されており、位置規制部が共振ロッドを位置規制可能である。具体的に、位置規制部は、挿接部内への共振ロッドの最大挿入サイズを規制する。共振ロッドは、挿接部内に挿入されてエアロゾル基質に対する加熱効果を向上させ得るが、挿入される長さが大きいほど加熱効果が良好になるわけではなく、共振ロッドの端部から伝送されるマイクロ波がエアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質に均一に作用し得る必要がある。共振ロッドが挿接部を貫通する場合には、共振ロッドの端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質に作用し得なくなり、マイクロ波が無駄になってしまう。また、共振ロッドの端部が挿接部を貫通する場合には、エアロゾル基質部のうち共振空洞に面する側と共振ロッドの端部との距離が大きくなるとの問題が生じる。この場合、エアロゾル基質部のうち共振空洞に面する側に対する共振ロッドの端部による加熱効果が低下する。そこで、共振ロッドが各箇所におけるエアロゾル基質を均一に加熱し得るよう保証するために、位置規制部によって挿接部内への共振ロッドの最大挿入長さを規制する。これにより、エアロゾル基質に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質の利用率が向上する。
【0020】
可能な設計において、位置規制部は少なくとも2つとする。少なくとも2つの位置規制部は、挿接部の周方向に間隔を置いて分布する。或いは、位置規制部は環状構造をなす。
【0021】
当該設計では、位置規制部の構造を限定する。位置規制部は少なくとも2つとすればよく、少なくとも2つの位置規制部が挿接部の周方向に間隔を置いて設置される。少なくとも2つの位置規制部は、共振ロッドの端部を位置規制可能である。少なくとも2つの位置規制部は間隔を置いて分割されるため、共振ロッドの端部は均一な遮断力を受け得る。これにより、共振ロッドとエアロゾル発生基質に偏位が発生するとの問題が回避され、エアロゾル発生基質と共振ロッドの破損率が低下することから、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスが向上する。
【0022】
当然ながら、位置規制部は環状構造をなしていてもよい。環状構造の位置規制部によっても共振ロッドの端部を安定的に位置規制可能であり、共振ロッドとエアロゾル発生装置に偏位が発生するとの事態が回避される。
【0023】
第2の局面において、本願は、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、共振空洞が設けられている筐体と、筐体に設けられて、共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリと、第1端が共振空洞の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞の開口に面しており、エアロゾル発生基質内に挿接するために用いられる共振ロッド、を含む。共振ロッドがエアロゾル発生基質内に挿接されたとき、共振ロッドとエアロゾル発生基質は間隔を置いて設置される。
【0024】
マイクロ波アセンブリはマイクロ波を発生可能である。筐体には共振空洞が設置されており、マイクロ波アセンブリは共振空洞内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッドは共振空洞内に装着される。共振ロッドの直径は共振空洞の直径よりも小さい。よって、共振ロッドの外側壁と共振空洞の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッドは導体とすることができる。また、共振ロッドは金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッドは、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッドは、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質はエアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質に作用すると、エアロゾル基質がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質がエアロゾルを発生可能となる。共振ロッドは、エアロゾル基質部内に挿入可能である。共振ロッドとエアロゾル基質部の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部には共振ロッドとの間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【0025】
共振ロッドはエアロゾル基質部と間隔を置いて設置されるため、共振ロッドとエアロゾル基質との接触が回避される。これにより、共振ロッドに汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0026】
可能な設計において、共振空洞における開口箇所に位置する内壁は、エアロゾル発生基質と接触する。
【0027】
当該設計では、共振空洞に開口が設置されている。エアロゾル発生基質は、共振空洞の開口箇所から共振空洞内に挿入可能である。共振空洞における開口箇所に位置する内壁はエアロゾル発生基質と接触するため、開口箇所の内壁はエアロゾル発生基質を位置規制可能である。具体的に、共振空洞の開口箇所はエアロゾル発生基質を位置規制する。また、共振ロッドが挿接部内に挿接される際には、共振ロッドによってもエアロゾル発生基質を位置規制可能である。即ち、開口箇所の内壁と共振ロッドが、エアロゾル発生基質を2つの箇所で位置規制する。これにより、エアロゾル発生基質を筐体に安定的に装着可能となるため、共振空洞内でのエアロゾル発生基質のぐらつきが回避され、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。
【0028】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、筐体に設けられる固定ベースを含む。固定ベースは共振空洞内に位置する。固定ベースには装着空洞が設けられており、装着空洞は、エアロゾル発生基質の一部を挿入するために用いられる。
【0029】
当該設計では、筐体に固定ベースが設置されている。固定ベースには装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質を固定ベースに装着可能なことから、筐体に対してエアロゾル発生基質がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベースは共振空洞内に設置されるため、筐体の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0030】
通常、エアロゾル発生基質は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾル発生基質をしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質が固定ベースから離脱しにくくなり、エアロゾル発生基質の装着の安定性が確実に保証される。
【0031】
固定ベースによりエアロゾル発生基質を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質を使用したあと、固定ベースだけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0032】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、装着空洞の底壁に設けられるとともに、エアロゾル発生基質の挿接部内に挿入される突出部を含む。突出部には収容部が設けられており、共振ロッドの第2端が収容部内に挿入される。
【0033】
当該設計では、装着空洞の底壁に突出部が設置される場合に限定する。突出部は、共振ロッドから離間する方向に装着空洞の底壁から突出している。突出部には収容部が設置されており、共振ロッドの第2端を収容部内に挿入可能である。且つ、突出部は挿接部内に挿入することも可能である。よって、挿接部と共振ロッドの間に突出部を有することになり、突出部が挿接部と共振ロッドを隔離する。これにより、共振ロッドがエアロゾル発生基質と接触しなくなるため、共振ロッドの破損が回避され、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。且つ、固定ベースを設置して共振ロッドを保護することで、汚れは固定ベースにのみ進入可能となり、共振空洞内には進入し得ない。これにより、共振ロッドの汚れが更に防止されるため、ユーザのクリーニング作業量が減少する。
【0034】
可能な設計において、固定ベースは取り外し可能に筐体に接続される。
【0035】
当該設計では、固定ベースと筐体の接続関係を限定する。固定ベースは、筐体に対して装着又は取り外し可能である。エアロゾル発生装置の使用後は、固定ベースを筐体から取り外し可能なため、固定ベースを単独で洗浄しやすく、ユーザが固定ベースをクリーニングする際の利便性が向上する。ことことは、ユーザによるエアロゾル発生装置の使用上の利便性を向上させるのに有利である。
【0036】
例示的に、固定ベースと筐体に装着孔を設置し、ボルト等のロック部材を装着孔に挿通することで、固定ベースを筐体に装着してもよい。また、固定ベースと筐体にフックアセンブリを設置し、フックアセンブリによって固定ベースを筐体にロックしてもよい。
【0037】
第3の局面において、本願は、エアロゾル発生システムを提供する。当該エアロゾル発生システムは、共振空洞が設けられている筐体と、筐体に設けられて、共振空洞内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリと、第1端が共振空洞の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞の開口に面している共振ロッドと、エアロゾル基質部を含むエアロゾル発生基質、を含む。エアロゾル基質部にはエアロゾル基質が設けられている。エアロゾル基質部は、共振空洞の開口から共振空洞内に伸入する。エアロゾル基質部には挿接部が設けられており、共振ロッドの第2端が挿接部内に挿入される。共振ロッドの第2端とエアロゾル基質は間隔を置いて設置される。
【0038】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、筐体内に共振空洞が設置されており、筐体上にマイクロ波アセンブリを装着可能である。マイクロ波アセンブリはマイクロ波を発生可能である。筐体には共振空洞が設置されており、マイクロ波アセンブリは共振空洞内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッドは共振空洞内に装着される。共振ロッドの直径は共振空洞の直径よりも小さい。よって、共振ロッドの外側壁と共振空洞の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッドは導体とすることができる。また、共振ロッドは金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッドは、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッドは、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質はエアロゾル基質部を含む。エアロゾル基質部内にはエアロゾル基質が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質に作用すると、エアロゾル基質がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部には挿接部が設置されており、共振ロッドを挿接部内に挿入可能である。共振ロッドとエアロゾル基質部の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部には共振ロッドとの間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部内の各箇所におけるエアロゾル基質は、共振ロッドから伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質の利用率を向上させるのに有利である。
【0039】
共振ロッドはエアロゾル基質部と間隔を置いて設置されるため、共振ロッドとエアロゾル基質との接触が回避される。これにより、共振ロッドに汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッドに対するクリーニング作業量が減少する。
【0040】
可能な設計において、エアロゾル発生システムは、更に、筐体に設けられる固定ベースを含む。固定ベースは共振空洞内に位置する。固定ベースには装着空洞が設けられており、装着空洞は、エアロゾル発生基質の一部を挿入するために用いられる。
【0041】
当該設計では、筐体に固定ベースが設置されている。固定ベースには装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質を固定ベースに装着可能なことから、筐体に対してエアロゾル発生基質がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベースは共振空洞内に設置されるため、筐体の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0042】
通常、エアロゾル発生基質は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾル発生基質をしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質が固定ベースから離脱しにくくなり、エアロゾル発生基質の装着の安定性が確実に保証される。
【0043】
固定ベースによりエアロゾル発生基質を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質を使用したあと、固定ベースだけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0044】
エアロゾル基質部の高さは固定ベースの高さ以下である。エアロゾル基質部の高さは3mmから25mmである。また、エアロゾル基質部の直径は共振ロッドの直径よりも大きい。エアロゾル基質部の直径は3mmから20mmである。
【0045】
装着空洞の底壁には突出構造が設けられている。これは、吸入時に気流の円滑性を維持し、吸引抵抗を減少させることが目的である。
【0046】
固定ベースと共振空洞は同軸に設置される。これにより、共振ロッドを共振空洞の中心位置に配置することも可能となり、共振ロッドによるマイクロ波の伝達効果が向上する。
【0047】
固定ベースは、エアロゾル発生基質が挿入される上端の開口を除き、残りの部分は孔のないよう密閉されている。
【0048】
固定ベースに対するマイクロ波の作用を回避するために、固定ベースの材質は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、マイクロ波透過セラミックス、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニア又は酸化ケイ素等の低誘電損失材料とする必要がある。
【0049】
可能な設計において、装着空洞の高さはエアロゾル基質部の長さよりも大きい。
【0050】
当該設計では、装着空洞の高さとエアロゾル基質部の長さの関係を限定する。固定ベースが共振空洞内に位置し、装着空洞の高さがエアロゾル基質部の長さよりも大きい場合には、エアロゾル基質部全体が共振空洞内に位置するため、エアロゾル基質も全てが共振空洞内に位置する。これにより、マイクロ波でエアロゾル基質を加熱する際に、エアロゾル基質に発生する熱が散逸しにくくなるため、エアロゾル基質の昇温速度を加速可能となり、即時吸入・即時パフ(puff)機能を実現するのに有利となる。また、エアロゾル基質が発生させるエアロゾルの速度が加速するため、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスを向上させるのに有利である。
【0051】
可能な設計において、挿接部内への共振ロッドの挿入長さをLとし、エアロゾル基質部の長さをHとする場合、L≦1/3Hを満たす。
【0052】
当該設計では、挿接部内への共振ロッドの最大挿入可能長さを限定する。具体的に、位置規制部により規制される共振ロッドの挿入長さ、又は、突出部により規制される共振ロッドの挿入長さに基づいて、共振ロッドの挿入長さが過度に大きい場合には、共振ロッドの端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質に作用し得ないとの問題が生じる。そこで、共振ロッドが各箇所におけるエアロゾル基質を均一に加熱し得るよう保証するために、挿接部への共振ロッドの挿入長さをエアロゾル基質部の厚さの3分の1以下に限定する。これにより、エアロゾル基質に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質の利用率が向上する。
【0053】
可能な設計において、マイクロ波アセンブリは、筐体の側壁に設置されるマイクロ波導入部と、マイクロ波導入部に連なるマイクロ波発射源を含む。マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部を通じて共振空洞に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッドの第1端から共振ロッドの第2端に向かう方向に伝達される。
【0054】
当該設計において、マイクロ波発射源はマイクロ波を発生可能であり、マイクロ波は、マイクロ波導入部を通じて共振空洞内に導入される。マイクロ波導入部を設置することで、共振空洞内におけるマイクロ波の導入位置を変更可能となるため、共振空洞内の部品を回避することも、マイクロ波を安定的に共振ロッドの第1端から共振ロッドの第2端に伝達するよう保証することも可能となる。
【0055】
可能な設計において、マイクロ波導入部は、筐体の側壁に設置される第1導入部材と、第1端が第1導入部材に連なる第2導入部材を含む。第2導入部材は共振空洞内に位置し、第2導入部材の第2端が共振空洞の空洞底壁に面している。
【0056】
当該設計において、マイクロ波導入部は、第1導入部材及び第2導入部材という2つの部分で構成される。第1導入部材は筐体の側壁に設置される。また、第1導入部材はマイクロ波発射源に連なっている。これにより、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波は、第1導入部材を通じて共振空洞内に導入される。また、第2導入部材はマイクロ波の伝達方向を変更可能である。第2導入部材は共振空洞の底壁に面しているため、マイクロ波は共振空洞の底壁に伝達される。共振空洞の底壁におけるマイクロ波は、共振ロッドを通じてエアロゾル基質に伝達される。第2導入部材を共振空洞の底壁に面するよう設置することで、共振ロッドの第1端からマイクロ波の伝達を開始可能となるよう確実に保証される。第1導入部材及び第2導入部材がマイクロ波を伝達する際、マイクロ波には伝達時に方向転換が発生する。このように設置することで、マイクロ波導入部が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質に作用させられる。
【0057】
可能な設計において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞の空洞底壁に設置される凹陥部を含み、第2導入部材の第2端が凹陥部内に位置する。
【0058】
当該設計では、第2導入部材の第2端が凹陥部内に位置する。凹陥部は、第2導入部材の端部を保護する作用を奏し得る。これにより、第2導入部材の端部とその他の部品との接触が回避されるため、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。
【0059】
可能な設計において、マイクロ波導入部は、筐体の側壁に設置される第1導入部材と、第1端が第1導入部材に連なる第2導入部材を含む。第2導入部材は共振空洞内に位置し、第2導入部材の第2端が共振ロッドに面している。
【0060】
当該設計において、マイクロ波導入部は、第1導入部材及び第2導入部材という2つの部分で構成される。第1導入部材は筐体の側壁に設置される。また、第1導入部材はマイクロ波発射源に連なっている。これにより、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波は、第1導入部材を通じて共振空洞内に導入される。また、第2導入部材は共振ロッドに面している。即ち、第2導入部材は共振空洞の底壁と平行である。このように設置することで、マイクロ波導入部が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質に作用させられる。
【0061】
本願の付加的局面及び利点については、以下に記載する部分で明らかとなるか、本願の実践を通じて理解される。
【0062】
本願の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図1を示す。
【
図2】
図2は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図2を示す。
【
図3】
図3は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図3を示す。
【
図4】
図4は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図4を示す。
【
図5】
図5は、本願の実施例におけるエアロゾル発生システムの概略構造
図5を示す。
【
図6】
図6は、本願の実施例における周波数と反射損失との関係の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本願における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本願につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本願の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0065】
以下の記載では、本願が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本願は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本願の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制約されない。
【0066】
以下に、
図1~
図6を参照して、本願のいくつかの実施例に基づき提供するエアロゾル発生基質、エアロゾル発生装置及びエアロゾル発生システムについて述べる。
【0067】
図1及び
図2を組み合わせて、本願のいくつかの実施例では、エアロゾル基質部310を含むエアロゾル発生基質300を提供する。エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設けられている。また、エアロゾル基質部310には挿接部360が設けられている。挿接部360は、エアロゾル発生装置の共振ロッド400を挿入するために用いられ、共振ロッド400と間隔を置いて設置される。
【0068】
エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質311に作用すると、エアロゾル基質311がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質311がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部310には挿接部360が設置されており、共振ロッド400を挿接部360内に挿入可能である。共振ロッド400とエアロゾル基質部310の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部310には共振ロッド400との間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311は、共振ロッド400から伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311の利用率を向上させるのに有利である。
【0069】
共振ロッド400はエアロゾル基質部310と間隔を置いて設置されるため、共振ロッド400とエアロゾル基質311との接触が回避される。これにより、共振ロッド400に汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0070】
共振ロッド400は、中空又は中実の構造をなしており、且つ外壁が導電性である。この目的を実現するために、共振ロッド400には、金属材料又はその他の高導電性材料を使用してもよいし、非金属材料の外表面に、金メッキ、銀メッキ又は銅メッキ等の金属薄膜層等をメッキしてもよい。共振ロッド400は、共振空洞110の底部に接続されて導電する。
【0071】
共振空洞110の内壁は導電性である。この目的を実現するために、空洞体に導電材料(好ましくは、金属)を使用してもよいし、共振空洞110の内部に、金メッキ、銀メッキ又は銅メッキ等の導電性コーティング層を有してもよい。
【0072】
本実施例において、エアロゾル発生基質300は、更に、中空区間320、降温区間330及びフィルタ区間340を含む。エアロゾル基質部310は端部に位置する。且つ、エアロゾル基質部310は中空区間320に連なっている。中空区間320は、エアロゾルがゆるやかに流動し得るよう、エアロゾルを緩衝するために用いられる。中空区間320は、更に、降温区間330に連なっている。降温区間330は、ユーザの快適性が向上するよう、エアロゾルを降温させるために用いられる。フィルタ区間340は降温区間330に連なっている。フィルタ区間340は、エアロゾルを濾過するために用いられる。エアロゾル発生基質300には、更にハウジングが設置されている。ハウジングは、エアロゾル基質部310、中空区間320、降温区間330及びフィルタ区間340を封入するために用いられる。ハウジングは、支持作用を有する板紙管、ポリ乳酸材料管、タンパク質材料管、植物性ゴム系材料管又はセルロース誘導体材料管のうちの1つとする。
【0073】
本実施例において、エアロゾル基質311は、タバコ葉又はハーブを原料とし、例えば、顆粒物、シート、粉末状破片、糸状物、ペースト状物、クレープ状物、多孔質エアロゲル又はカプセル等の異なる形態の基質に調製される。
【0074】
降温区間330の材料には、ポリ乳酸/アルミ箔複合フィルム、紙製フィルタロッド、ポリ乳酸不織布、ポリ乳酸顆粒、ポリ乳酸トウ(tow)編み上げ管、鋸歯状ポリ乳酸折り畳みフィルム、降温活性炭複合材料のうちの1つを選択する。
【0075】
フィルタ区間340は、ポリ乳酸トウ又は酢酸繊維トウのうちの1つとする。
【0076】
図1及び
図2を組み合わせて、可能な実施例において、エアロゾル基質部310は隔離部312を更に含む。エアロゾル基質311は隔離部312内に位置する。隔離部312は、エアロゾル基質311と共振ロッド400を隔離するために用いられる。
【0077】
本実施例において、エアロゾル基質部310はエアロゾル基質311及び隔離部312を含む。エアロゾル基質311は隔離部312内に位置し、隔離部312はエアロゾル基質311を封入する。これにより、エアロゾル基質311と共振ロッド400との接触が回避される。且つ、エアロゾル基質311は加熱されると温度が高くなるため、エアロゾル基質311と共振ロッド400を隔離して設置することで、エアロゾル基質311が共振ロッド400に粘着するとの事態も回避可能となり、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0078】
当然ながら、隔離部312と共振ロッド400との粘着を回避するために、隔離部312はマイクロ波との間に作用が生じにくい材質とする必要がある。且つ、隔離部312は支持作用を有するように設置する必要がある。よって、隔離部312は、高通気性の板紙、晒クラフト紙、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、多孔質セラミックスシート、合成樹脂、化繊系製品、ポリ乳酸フィルム、アルミホイル、不織布のうちの少なくとも1つで製造すればよい。
【0079】
図2及び図4を組み合わせて、可能な実施例において、挿接部360はエアロゾル基質部310を貫通している。
【0080】
本実施例では、挿接部360がエアロゾル基質部310を貫通している場合に限定する。共振ロッド400は、エアロゾル基質部310内に挿入する必要がある。そこで、エアロゾル基質部310に1つの貫通区間を直接設置すれば、挿接部360の加工の利便性を向上させられる。且つ、共振ロッド400はエアロゾル基質部310を貫通しているため、挿接部360内における共振ロッド400のサイズを容易に調整可能である。挿接部360内への共振ロッド400の挿入サイズは、エアロゾル基質部310の厚さに応じて変更すればよい。これにより、エアロゾル基質部310内のエアロゾル基質311が均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311に対する加熱効果が向上するとともに、エアロゾル基質311の利用率が向上する。
【0081】
可能な実施例において、エアロゾル基質部310は位置規制部350を更に含む。位置規制部350は、挿接部360内に設けられて、共振ロッド400の端部と当接するために用いられる。
【0082】
本実施例では、収容部内に位置規制部350が設置されており、位置規制部350が共振ロッド400を位置規制可能である。具体的に、位置規制部350は、挿接部360内への共振ロッド400の最大挿入サイズを規制する。共振ロッド400は、挿接部360内に挿入されてエアロゾル基質311に対する加熱効果を向上させ得るが、挿入される長さが大きいほど加熱効果が良好になるわけではなく、共振ロッド400の端部から伝送されるマイクロ波がエアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311に均一に作用し得る必要がある。共振ロッド400が挿接部360を貫通する場合には、共振ロッド400の端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質311に作用し得なくなり、マイクロ波が無駄になってしまう。また、共振ロッド400の端部が挿接部360を貫通する場合には、エアロゾル基質部310のうち共振空洞110に面する側と共振ロッド400の端部との距離が大きくなるとの問題が生じる。この場合、エアロゾル基質部310のうち共振空洞110に面する側に対する共振ロッド400の端部による加熱効果が低下する。そこで、共振ロッド400が各箇所におけるエアロゾル基質311を均一に加熱し得るよう保証するために、位置規制部350によって挿接部360内への共振ロッド400の最大挿入長さを規制する。これにより、エアロゾル基質311に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質311の利用率が向上する。
【0083】
可能な実施例において、位置規制部350は少なくとも2つとする。少なくとも2つの位置規制部350は、挿接部360の周方向に間隔を置いて分布する。或いは、位置規制部350は環状構造をなす。
【0084】
本実施例では、位置規制部350の構造を限定する。位置規制部350は少なくとも2つとすればよく、少なくとも2つの位置規制部350が挿接部360の周方向に間隔を置いて設置される。少なくとも2つの位置規制部350は、共振ロッド400の端部を位置規制可能である。少なくとも2つの位置規制部350は間隔を置いて分割されるため、共振ロッド400の端部は均一な遮断力を受け得る。これにより、共振ロッド400とエアロゾル発生基質300に偏位が発生するとの問題が回避され、エアロゾル発生基質300と共振ロッド400の破損率が低下することから、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスが向上する。
【0085】
当然ながら、位置規制部350は環状構造をなしていてもよい。環状構造の位置規制部350によっても共振ロッド400の端部を安定的に位置規制可能であり、共振ロッド400とエアロゾル発生装置に偏位が発生するとの事態が回避される。
【0086】
本願のいくつかの実施例では、エアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、共振空洞110が設けられている筐体100と、筐体100に設けられて共振空洞110内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリ200と、第1端が共振空洞110の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞110の開口に面しており、エアロゾル発生基質300内に挿接するために用いられる共振ロッド400、を含む。共振ロッド400がエアロゾル発生基質300内に挿接されたとき、共振ロッド400とエアロゾル発生基質300は間隔を置いて設置される。
【0087】
マイクロ波アセンブリ200はマイクロ波を発生可能である。筐体100には共振空洞110が設置されており、マイクロ波アセンブリは共振空洞110内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッド400は共振空洞110内に装着される。共振ロッド400の直径は共振空洞110の直径よりも小さい。よって、共振ロッド400の外側壁と共振空洞110の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッド400は導体とすることができる。また、共振ロッド400は金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッド400は、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッド400は、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞110内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質300にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質300に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質300はエアロゾル基質部310を含む。エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質311に作用すると、エアロゾル基質311がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質311がエアロゾルを発生可能となる。共振ロッド400は、エアロゾル基質部310内に挿入可能である。共振ロッド400とエアロゾル基質部310の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部310には共振ロッド400との間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311は、共振ロッド400から伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311の利用率を向上させるのに有利である。
【0088】
共振ロッド400はエアロゾル基質部310と間隔を置いて設置されるため、共振ロッド400とエアロゾル基質311との接触が回避される。これにより、共振ロッド400に汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0089】
図1及び
図2を組み合わせて、可能な実施例において、共振空洞110における開口箇所に位置する内壁はエアロゾル発生基質300と接触する。
【0090】
本実施例では、共振空洞110に開口が設置されている。エアロゾル発生基質300は、共振空洞110の開口箇所から共振空洞110内に挿入可能である。共振空洞110における開口箇所に位置する内壁はエアロゾル発生基質300と接触するため、開口箇所の内壁はエアロゾル発生基質300を位置規制可能である。具体的に、共振空洞110の開口箇所はエアロゾル発生基質300を位置規制する。また、共振ロッド400が挿接部360内に挿接される際には、共振ロッド400によってもエアロゾル発生基質300を位置規制可能である。即ち、開口箇所の内壁と共振ロッド400が、エアロゾル発生基質300を2つの箇所で位置規制する。これにより、エアロゾル発生基質300を筐体100に安定的に装着可能となるため、共振空洞110内でのエアロゾル発生基質300のぐらつきが回避され、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。
【0091】
図3及び
図4を組み合わせて、可能な実施例において、エアロゾル発生装置は固定ベース500を更に含む。固定ベース500は筐体100に設けられる。また、固定ベース500は共振空洞110内に位置する。固定ベース500には装着空洞が設けられている。装着空洞は、エアロゾル発生基質300の一部を挿入するために用いられる。
【0092】
本実施例では、筐体100に固定ベース500が設置されている。固定ベース500には装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質300の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質300を固定ベース500に装着可能なことから、筐体100に対してエアロゾル発生基質300がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベース500は共振空洞110内に設置されるため、筐体100の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0093】
通常、エアロゾル発生基質300は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質300の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾル発生基質をしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質300が固定ベース500から離脱しにくくなり、エアロゾル発生基質の装着の安定性が確実に保証される。
【0094】
固定ベース500によりエアロゾル発生基質300を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質300を使用したあと、固定ベース500だけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体100のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0095】
エアロゾル基質部310の高さは固定ベース500の高さ以下である。エアロゾル基質部310の高さは3mmから25mmである。また、エアロゾル基質部310の直径は共振ロッド400の直径よりも大きい。エアロゾル基質部310の直径は3mmから20mmである。
【0096】
装着空洞の底壁には突出構造が設けられている。これは、吸入時に気流の円滑性を維持し、吸引抵抗を減少させることが目的である。
【0097】
固定ベース500と共振空洞110は同軸に設置される。これにより、共振ロッド400を共振空洞110の中心位置に配置することも可能となり、共振ロッド400によるマイクロ波の伝達効果が向上する。
【0098】
固定ベース500は、エアロゾル発生基質300が挿入される上端の開口を除き、残りの部分は孔のないよう密閉されている。
【0099】
固定ベース500に対するマイクロ波の作用を回避するために、固定ベース500の材質は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、マイクロ波透過セラミックス、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニア又は酸化ケイ素等の低誘電損失材料とする必要がある。
【0100】
図3及び
図4を組み合わせて、可能な実施例において、エアロゾル発生装置は突出部510を更に含む。突出部510は、装着空洞の底壁に設けられるとともに、挿接部360内に挿入される。突出部510には収容部が設けられており、共振ロッド400の第2端が収容部内に挿入される。
【0101】
本実施例では、装着空洞の底壁に突出部510が設置される場合に限定する。突出部510は、共振ロッド400から離間する方向に装着空洞の底壁から突出している。突出部510には収容部が設置されており、共振ロッド400の第2端を収容部内に挿入可能である。且つ、突出部510は挿接部360内に挿入することも可能である。よって、挿接部360と共振ロッド400の間に突出部510を有することになり、突出部510が挿接部360と共振ロッド400を隔離する。これにより、共振ロッド400がエアロゾル発生基質300と接触しなくなるため、共振ロッド400の破損が回避され、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。且つ、固定ベース500を設置して共振ロッド400を保護することで、汚れは固定ベース500にのみ進入可能となり、共振空洞110内には進入し得ない。これにより、共振ロッド400の汚れが更に防止されるため、ユーザのクリーニング作業量が減少する。
【0102】
可能な実施例において、固定ベース500は取り外し可能に筐体100に接続される。
【0103】
本実施例では、固定ベース500と筐体100の接続関係を限定する。固定ベース500は、筐体100に対して装着又は取り外し可能である。エアロゾル発生装置の使用後は、固定ベース500を筐体100から取り外し可能なため、固定ベース500を単独で洗浄しやすく、ユーザが固定ベース500をクリーニングする際の利便性が向上する。ことことは、ユーザによるエアロゾル発生装置の使用上の利便性を向上させるのに有利である。
【0104】
例示的に、固定ベース500と筐体100に装着孔を設置し、ボルト等のロック部材を装着孔に挿通することで、固定ベース500を筐体100に装着してもよい。また、固定ベース500と筐体100にフックアセンブリを設置し、フックアセンブリによって固定ベース500を筐体100にロックしてもよい。
【0105】
本願のいくつかの実施例では、エアロゾル発生システムを提供する。当該エアロゾル発生システムは、共振空洞110が設けられている筐体100と、筐体100に設けられて共振空洞110内にマイクロ波を導入するために用いられるマイクロ波アセンブリ200と、第1端が共振空洞110の空洞底壁に連なり、第2端が共振空洞110の開口に面している共振ロッド400と、エアロゾル基質部310を含むエアロゾル発生基質300、を含む。エアロゾル基質部310にはエアロゾル基質311が設けられている。エアロゾル基質部310は、共振空洞110の開口から共振空洞110内に伸入する。また、エアロゾル基質部310には挿接部が設けられており、共振ロッド400の第2端が挿接部内に挿入される。共振ロッド400の第2端とエアロゾル基質311は間隔を置いて設置される。
【0106】
本願で提供するエアロゾル発生装置は、筐体100内に共振空洞110が設置されており、筐体100上にマイクロ波アセンブリ200を装着可能である。マイクロ波アセンブリ200はマイクロ波を発生可能である。筐体100には共振空洞110が設置されており、マイクロ波アセンブリ200は共振空洞110内にマイクロ波を導入可能である。共振ロッド400は共振空洞110内に装着される。共振ロッド400の直径は共振空洞110の直径よりも小さい。よって、共振ロッド400の外側壁と共振空洞110の内側壁の間には隙間が設けられ、当該部分の間隔内でマイクロ波を伝達可能である。共振ロッド400は導体とすることができる。また、共振ロッド400は金属材料で製造可能である。例示的に、共振ロッド400は、銅、アルミニウム、鉄等や、その合金で製造される。共振ロッド400は、マイクロ波の伝送及びマイクロ波の伝送速度の向上に用いられる。マイクロ波には、共振空洞110内での伝達時に減衰が生じにくいため、エアロゾル発生基質300にマイクロ波が作用する際の効果が向上する。これにより、マイクロ波を効率的且つ迅速にエアロゾル発生基質300に作用させられるため、ユーザの使用ニーズを満たすのに有利である。また、エアロゾル発生基質300はエアロゾル基質部310を含む。エアロゾル基質部310内にはエアロゾル基質311が設置されている。マイクロ波がエアロゾル基質311に作用すると、エアロゾル基質311がマイクロ波の作用で加熱されることで、エアロゾル基質311がエアロゾルを発生可能となる。また、エアロゾル基質部310には挿接部が設置されており、共振ロッド400を挿接部内に挿入可能である。共振ロッド400とエアロゾル基質部310の両端との間隔はいずれも小さいため、エアロゾル基質部310には共振ロッド400との間隔が大きな部位は発生しにくい。即ち、エアロゾル基質部310内の各箇所におけるエアロゾル基質311は、共振ロッド400から伝達されるマイクロ波によって均一に加熱され得るため、エアロゾル基質311の利用率を向上させるのに有利である。
【0107】
共振ロッド400はエアロゾル基質部310と間隔を置いて設置されるため、共振ロッド400とエアロゾル基質311との接触が回避される。これにより、共振ロッド400に汚れが発生するとの事態が回避され、共振ロッド400に対するクリーニング作業量が減少する。
【0108】
可能な実施例において、エアロゾル発生システムは、更に、筐体100に設けられる固定ベースを含む。固定ベースは共振空洞110内に位置する。固定ベースには装着空洞が設けられている。装着空洞は、エアロゾル発生基質300の一部を挿入するために用いられる。
【0109】
筐体100には固定ベース500が設置されている。固定ベース500には装着空洞が設けられており、エアロゾル発生基質300の一部を装着空洞内に挿入可能である。エアロゾル発生基質300を固定ベース500に装着可能なことから、筐体100に対してエアロゾル発生基質300がぐらつきにくくなり、ユーザがエアロゾル発生装置を使用する際の安定性が向上する。また、固定ベース500は共振空洞110内に設置されるため、筐体100の全長が小さくなる。このことは、エアロゾル発生装置の小型化を実現するのに有利であり、ユーザがエアロゾル発生装置を携帯及び収納するのに都合がよい。
【0110】
通常、エアロゾル発生基質300は円柱状構造をなしているため、装着空洞は円柱状の空洞体とすればよい。また、エアロゾル発生基質300の径方向のサイズは装着空洞の径方向のサイズ以下であり、装着空洞内にエアロゾル発生基質をしっかりと挿入可能である。これにより、エアロゾル発生基質300が固定ベース500から離脱しにくくなり、エアロゾル発生基質の装着の安定性が確実に保証される。
【0111】
固定ベース500によりエアロゾル発生基質300を装着する場合、ユーザは、エアロゾル発生基質300を使用したあと、固定ベース500だけをクリーニングすればよい。このことは、ユーザによる筐体100のクリーニング作業量を減少させるのに有利である。
【0112】
エアロゾル基質部310の高さは固定ベース500の高さ以下である。エアロゾル基質部310の高さは3mmから25mmである。また、エアロゾル基質部310の直径は共振ロッド400の直径よりも大きい。エアロゾル基質部310の直径は3mmから20mmである。
【0113】
装着空洞の底壁には突出構造が設けられている。これは、吸入時に気流の円滑性を維持し、吸引抵抗を減少させることが目的である。
【0114】
固定ベース500と共振空洞110は同軸に設置される。これにより、共振ロッド400を共振空洞110の中心位置に配置することも可能となり、共振ロッド400によるマイクロ波の伝達効果が向上する。
【0115】
固定ベース500は、エアロゾル発生基質300が挿入される上端の開口を除き、残りの部分は孔のないよう密閉されている。
【0116】
可能な実施例において、装着空洞の高さはエアロゾル基質部310の長さよりも大きい。
【0117】
本実施例では、装着空洞の高さとエアロゾル基質部310の長さの関係を限定する。固定ベース500が共振空洞110内に位置し、装着空洞の高さがエアロゾル基質部310の長さよりも大きい場合には、エアロゾル基質部310全体が共振空洞110内に位置するため、エアロゾル基質311も全てが共振空洞110内に位置する。これにより、マイクロ波でエアロゾル基質311を加熱する際に、エアロゾル基質311に発生する熱が散逸しにくくなるため、エアロゾル基質311の昇温速度を加速可能となり、即時吸入・即時パフ(puff)機能を実現するのに有利となる。また、エアロゾル基質311が発生させるエアロゾルの速度が加速するため、エアロゾル発生装置に対するユーザエクスペリエンスを向上させるのに有利である。
【0118】
可能な実施例において、挿接部360内への共振ロッド400の挿入長さをLとし、エアロゾル基質部310の長さをHとする場合、L≦1/3Hを満たす。
【0119】
本実施例では、挿接部360内への共振ロッド400の最大挿入可能長さを限定する。具体的に、位置規制部350により規制される共振ロッド400の挿入長さ、又は、突出部510により規制される共振ロッド400の挿入長さに基づいて、共振ロッド400の挿入長さが過度に大きい場合には、共振ロッド400の端部から伝達される大変多くのマイクロ波がエアロゾル基質311に作用し得ないとの問題が生じる。そこで、共振ロッド400が各箇所におけるエアロゾル基質311を均一に加熱し得るよう保証するために、挿接部360への共振ロッド400の挿入長さをエアロゾル基質部の厚さの3分の1以下に限定する。これにより、エアロゾル基質311に対する加熱効果が保証され、エアロゾル基質311の利用率が向上する。
【0120】
図5に示すように、可能な実施例において、マイクロ波アセンブリ200は、マイクロ波導入部210及びマイクロ波発射源220を含む。マイクロ波導入部210は筐体100の側壁に設置される。また、マイクロ波発射源220はマイクロ波導入部210に連なっている。マイクロ波発射源220から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部210を通じて共振空洞110に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッド400の第1端から共振ロッド400の第2端に向かう方向に伝達される。
【0121】
本実施例において、マイクロ波発射源220はマイクロ波を発生可能であり、マイクロ波は、マイクロ波導入部210を通じて共振空洞110内に導入される。マイクロ波導入部210を設置することで、共振空洞110内におけるマイクロ波の導入位置を変更可能となるため、共振空洞110内の部品を回避することも、マイクロ波を安定的に共振ロッド400の第1端から共振ロッド400の第2端に伝達するよう保証することも可能となる。
【0122】
図6に示すように、反射損失はマイクロ波の周波数の影響を受ける。マイクロ波の周波数が増大するのに伴って、反射損失は、まず減少してから増大する。マイクロ波の周波数が244GHz付近のときに反射損失は小さくなり、このとき、マイクロ波の導入効果が良好となる。
【0123】
図5に示すように、可能な実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212を含む。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置され、第2導入部材212の第1端が第1導入部材211に連なっている。第2導入部材212は共振空洞110内に位置し、第2導入部材212の第2端が共振空洞110の空洞底壁に面している。
【0124】
本実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212という2つの部分で構成される。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置される。また、第1導入部材211はマイクロ波発射源220に連なっている。これにより、マイクロ波発射源220が発生させたマイクロ波は、第1導入部材211を通じて共振空洞110内に導入される。また、第2導入部材212はマイクロ波の伝達方向を変更可能である。第2導入部材212は共振空洞110の底壁に面しているため、マイクロ波は共振空洞110の底壁に伝達される。共振空洞110の底壁におけるマイクロ波は、共振ロッド400を通じてエアロゾル基質311に伝達される。第2導入部材212を共振空洞110の底壁に面するよう設置することで、共振ロッド400の第1端からマイクロ波の伝達を開始可能となるよう確実に保証される。第1導入部材211及び第2導入部材212がマイクロ波を伝達する際、マイクロ波には伝達時に方向転換が発生する。このように設置することで、マイクロ波導入部210が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞110内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質311に作用させられる。
【0125】
可能な実施例において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞110の空洞底壁に設置される凹陥部を含み、第2導入部材212の第2端が凹陥部内に位置する。
【0126】
本実施例では、第2導入部材212の第2端が凹陥部内に位置する。凹陥部は、第2導入部材212の端部を保護する作用を奏し得る。これにより、第2導入部材212の端部とその他の部品との接触が回避されるため、エアロゾル発生装置の構造の安定性が向上する。
【0127】
図5に示すように、可能な実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212を含む。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置され、第2導入部材212の第1端が第1導入部材211に連なっている。第2導入部材212は共振空洞110内に位置し、第2導入部材212の第2端が共振ロッド400に面している。
【0128】
本実施例において、マイクロ波導入部210は、第1導入部材211及び第2導入部材212という2つの部分で構成される。第1導入部材211は筐体100の側壁に設置される。また、第1導入部材211はマイクロ波発射源220に連なっている。これにより、マイクロ波発射源220が発生させたマイクロ波は、第1導入部材211を通じて共振空洞110内に導入される。また、第2導入部材212は共振ロッド400に面している。即ち、第2導入部材212は共振空洞110の底壁と平行である。このように設置することで、マイクロ波導入部210が伝達する大部分のマイクロ波を共振空洞110内に導入可能となり、マイクロ波の導入効率が向上するため、マイクロ波を効率よくエアロゾル基質311に作用させられる。
【0129】
本願では、別途明確に限定している場合を除き、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、「装着する」、「連なる」、「接続する」、「固定する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、「連なる」とは、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、具体的状況に応じて、本願における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0130】
本明細書の記載において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0131】
以上の記載は本願の好ましい実施例にすぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願には各種の変更及び変形が存在し得る。本願の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本願の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0132】
100 筐体
110 共振空洞
200 マイクロ波アセンブリ
210 マイクロ波導入部
211 第1導入部材
212 第2導入部材
220 マイクロ波発射源
300 エアロゾル発生基質
310 エアロゾル基質部
311 エアロゾル基質
312 隔離部
320 中空区間
330 降温区間
340 フィルタ区間
350 位置規制部
360 挿接部
400 共振ロッド
500 固定ベース
510 突出部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】