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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231102BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231102BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231102BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20231102BHJP
   A24F 40/57 20200101ALI20231102BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/51
A24F40/57
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022576889
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2021122354
(87)【国際公開番号】W WO2023050375
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517419906
【氏名又は名称】深▲せん▼麦克韋爾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN SMOORE TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】16#, Dongcai Industrial Park, Gushu Town, Xixiang Street, Baoan District, Shenzhen, Guangdong, China
(71)【出願人】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】卜桂華
(72)【発明者】
【氏名】杜靖
(72)【発明者】
【氏名】程志文
(72)【発明者】
【氏名】李東建
(72)【発明者】
【氏名】梁峰
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC12
4B162AC21
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD20
4B162AD22
(57)【要約】
本発明は、電子霧化の技術分野に属するエアロゾル発生装置を提供する。エアロゾル発生装置は、共振空洞が設けられている筐体と、筐体に設けられ、共振空洞の第1端に位置するとともに、エアロゾル発生基質を収容するために用いられる装着部と、筐体に接続され、共振空洞内にマイクロ波を発射することで、エアロゾル発生基質を加熱してエアロゾルを発生させるために用いられるマイクロ波アセンブリと、共振空洞に設けられて、エアロゾル発生基質の温度を検出するために用いられ、少なくとも一部が装着部に挿設される光ファイバ感温部材、を含む。光ファイバ感温部材を設置してエアロゾル発生基質の温度を収集すれば、共振空洞内のマイクロ波場の影響を受けることなく、非常に速い速度でエアロゾル発生基質の正確な温度をフィードバック可能となる。これにより、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置の使用体験が効果的に向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振空洞が設けられている筐体と、
前記筐体に設けられ、前記共振空洞の第1端に位置するとともに、エアロゾル発生基質を収容するために用いられる装着部と、
前記筐体に接続され、前記共振空洞内にマイクロ波を発射することで、前記エアロゾル発生基質を加熱してエアロゾルを発生させるために用いられるマイクロ波アセンブリと、
前記共振空洞に設けられて、前記エアロゾル発生基質の温度を検出するために用いられ、少なくとも一部が前記装着部に挿設される光ファイバ感温部材、を含むエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記装着部には、前記共振空洞と連通する貫通孔が設けられており、少なくとも一部の前記光ファイバ感温部材が前記貫通孔に挿通される請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記光ファイバ感温部材はN個の光ファイバ感温プローブを含み、
前記貫通孔の数はN個であり、且つ、N個の貫通孔と前記N個の光ファイバ感温プローブが一対一で対応しており、Nは1よりも大きな整数である請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
更に、前記共振空洞内に位置する共振ロッドを含み、前記共振ロッドの第1端は前記装着部に接続され、前記共振ロッドの第2端は前記共振空洞の第2端に接続される請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記共振空洞は円柱状の共振空洞であり、前記装着部は中空の円柱状の装着部であり、前記円柱状の共振空洞と前記円柱状の装着部は同軸に設置され、
前記共振ロッドと前記円柱状の共振空洞は同軸に設置される請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記共振ロッドは空洞を含み、前記空洞は、前記共振ロッドの軸線方向に沿って前記共振ロッドを貫通している請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
更に、
前記エアロゾル発生基質の温度に基づき前記マイクロ波アセンブリを制御するためのコントローラを含み、
前記光ファイバ感温部材は、更に、
前記空洞内に位置する伝送線を含み、前記伝送線は、前記光ファイバ感温プローブと前記コントローラを接続する請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記共振ロッドは導体共振ロッドである請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記共振ロッドは金属共振ロッドである請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記共振ロッドは、
ロッド体と、
前記ロッド体の外側壁を覆う第1金属薄膜層と、を含む請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記筐体は、
第1外筐体と、
前記第1外筐体に接続されて、前記第1外筐体内に位置する内筐体と、を含み、
前記内筐体は金属材質であり、前記共振空洞は前記内筐体内に位置する請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記筐体は、
第2外筐体と、
前記第2外筐体の内側壁を覆う導電層と、を含み、
前記導電層の外側は前記第2外筐体に接続され、前記共振空洞は前記導電層の内側に位置する請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
更に、前記装着部に設けられる隔離カバーを含み、前記隔離カバーは、前記光ファイバ感温部材のうち前記装着部に挿通される部分に覆設される請求項1~12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記隔離カバーはガラス隔離カバーであり、前記光ファイバ感温部材は前記ガラス隔離カバーの内表面に密着する請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記光ファイバ感温プローブは円柱状の光ファイバ感温プローブであり、前記円柱状の光ファイバ感温プローブの直径の範囲は、0.2mm以上3mm以下である請求項3~10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記円柱状の光ファイバ感温プローブの直径の範囲は、0.5mm以上1mm以下である請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記光ファイバ感温部材の温度測定範囲は-20℃~400℃である請求項1~12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記マイクロ波アセンブリは、
前記筐体の側壁に設置されて、前記共振空洞と連通するマイクロ波導入部と、
前記マイクロ波導入部に連なるマイクロ波発射源と、を含み、
前記マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波は、前記マイクロ波導入部を経由して前記共振空洞に導入され、前記マイクロ波は、前記共振ロッドの第2端から前記共振ロッドの第1端に向かう方向に伝達される請求項4~10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記マイクロ波導入部は、
前記筐体の側壁に設置されて前記マイクロ波発射源に連なる第1導入部材と、
第1端が前記第1導入部材に連なる第2導入部材と、を含み、
前記第2導入部材は前記共振空洞内に位置し、前記第2導入部材の第2端が前記共振空洞の底壁に面している請求項18に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
前記マイクロ波導入部は、
前記筐体の側壁に設置される第3導入部材を含み、前記第3導入部材の第1端は前記マイクロ波発射源に連なっており、前記第3導入部材の第2端は前記共振ロッドに面している請求項18に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項21】
更に、前記共振空洞の底壁に設置される凹陥部を含み、前記第2導入部材の第2端が前記凹陥部内に位置する請求項19に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子霧化の技術分野に属し、具体的には、エアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼・加熱(Heat Not Burning,HNB)装置は、エアロゾル発生基質(処理済みの植物の葉系製品)を燃焼させることなく加熱する電子機器である。非燃焼・加熱装置は、エアロゾル発生基質がエアロゾルを発生し得るが、燃焼には至らない温度まで高温加熱することで、非燃焼を前提に、ユーザが所望するエアロゾルをエアロゾル発生基質により発生可能とする。
【0003】
現在、市販されているHNB装置は、主に抵抗加熱方式を採用している。即ち、中心発熱チップ又は発熱針等をエアロゾル発生基質の中心からエアロゾル発生基質の内部に挿入することで加熱する。このような装置は、使用前に予熱等が必要なため待機時間が長く、吸入と停止を自在に行うことができない。且つ、エアロゾル発生基質が不均一に炭化し、エアロゾル発生基質のベーキングが不十分となるため、利用率が低い。また、HNB装置の発熱チップは、エアロゾル発生基質の取り出し装置や発熱チップベースに汚れを生じさせやすく、クリーニングが難しい。且つ、発熱体と接触する部分のエアロゾル発生基質の温度が上昇しすぎ、部分的に分解が発生することで、不要な物質が放出される。そのため、抵抗加熱方式に代わって、マイクロ波加熱技術が徐々に新たな加熱方式となっている。マイクロ波加熱技術は、効率的、迅速、選択的及び加熱に遅延がないとの特性を有し、特定の誘電特性を持つ物質についてのみ加熱効果を有する。マイクロ波加熱による霧化を採用する際の応用上の利点としては、以下が挙げられる。
【0004】
a.マイクロ波加熱は放射加熱であり、熱伝導ではないため、即時吸入、即時停止を実現可能である。
【0005】
b.発熱チップを有さないため、チップ折れや、発熱チップのクリーニングの問題が存在しない。
【0006】
c.エアロゾル発生基質の利用率が高く、吸い応えの一致性が高くなり、吸い応えが一段とタバコに近似する。
【0007】
且つ、抵抗加熱方式のHNB装置は、加熱温度を制御する際に、いずれも熱電対で電流又は電圧の出力をフィードバック、測定・制御することで、温度制御の目的を達成している。しかし、発熱チップの電気的パラメータは、一致性及び精度の要求が非常に高く、温度制御の精度に劣るため、温度制御が正確ではなく、不要な物質が発生しやすい。一方、マイクロ波加熱方式のHNB装置の場合には、マイクロ波加熱が強電磁場を発生させる。そのため、強電磁場において一般的な温度センサにより温度を測定すると、金属材料からなる温度測定プローブや導線が高周波電磁場において誘導電流を発生させる。そして、表皮効果及び渦電流効果によって、それら自体の温度が上昇し、スパークが発生しやすくなる結果、温度測定を深刻に妨害することになる。これにより、温度の指示値に大きな誤差が生じたり、安定的な温度測定を実施できなくなったりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術又は関連技術に存在する技術的課題の一つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明は、エアロゾル発生装置を提供する。
【0010】
上記に鑑みて、本発明に基づきエアロゾル発生装置を提供する。当該エアロゾル発生装置は、共振空洞が設けられている筐体と、筐体に設けられ、共振空洞の第1端に位置するとともに、エアロゾル発生基質を収容するために用いられる装着部と、筐体に接続され、共振空洞内にマイクロ波を発射することで、エアロゾル発生基質を加熱してエアロゾルを発生させるために用いられるマイクロ波アセンブリと、共振空洞に設けられて、エアロゾル発生基質の温度を検出するために用いられ、少なくとも一部が装着部に挿設される光ファイバ感温部材、を含む。
【0011】
当該技術方案において、エアロゾル発生装置は「電子タバコ」の等の機器を含む。筐体は、エアロゾル発生装置の本体フレームである。筐体の内部には、共振空洞が形成されており、且つ、筐体に接続されるマイクロ波アセンブリが設置されている。更に、筐体には装着部が設置されている。装着部は共振空洞の第1端に設置されている。また、装着部はエアロゾル発生基質を収容するために用いられる。
【0012】
エアロゾル発生装置の動作過程では、マイクロ波アセンブリがマイクロ波を生成可能であり、且つ、マイクロ波を共振空洞内に発射する。これにより、装着部に装着されているエアロゾル発生基質を加熱し、霧化することで、エアロゾルを形成してユーザに吸入させる。
【0013】
装着部の材質は、具体的には、低誘電損失性を有する絶縁材料である。具体的に、装着部の材質は、PTFE(Poly tetra fluoroethylene,ポリテトラフルオロエチレン)、マイクロ波透過セラミックス等とすることができる。
【0014】
エアロゾル発生装置は、更に、光ファイバ感温部材を含む。光ファイバ感温部材は光ファイバ構造を主に含み、光ファイバを温度収集用のセンサ兼信号伝送経路とし、光ファイバが存在する空間の温度場から光ファイバの後方に散乱した光信号を利用して温度検出を実現する。光ファイバ感温部材には、金属プローブや金属ケーブルは設置されていないため、非常に強い耐電磁場干渉性、応答時間の速さ、性能の安定性、長寿命、耐腐食性、体積の小ささ等の特性を有する。
【0015】
光ファイバ感温部材を設置してエアロゾル発生基質の温度を収集すれば、共振空洞内のマイクロ波場の影響を受けなくなるため、収集される温度情報がより正確となり、温度変化に対する応答速度も更に速くなる。また、光ファイバの信号伝送速度は一般的なケーブルよりも著しく速い。そのため、非常に速い速度でエアロゾル発生基質の正確な温度をフィードバックして、マイクロ波電力を速やかに調整するようマイクロ波アセンブリを制御可能となる。これにより、エアロゾル発生基質が適切な温度下で霧化されるため、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置の使用体験が効果的に向上する。
【0016】
そのほか、本発明に基づき提供する上記の技術方案におけるエアロゾル発生装置は、更に、以下の技術的特徴を有し得る。
【0017】
上記の技術方案において、装着部には、共振空洞と連通する貫通孔が設けられており、少なくとも一部の光ファイバ感温部材が貫通孔に挿通される。
【0018】
当該技術方案において、光ファイバ感温部材は光ファイバ構造を主に含む。光ファイバ感温部材を装着部に挿通してエアロゾル発生基質に接触可能とするために、装着部には共振空洞と連通する貫通孔が設置されている。光ファイバ構造は、共振空洞及び装着部上の貫通孔を貫通し、少なくとも一部の光ファイバ構造がエアロゾル発生基質と接触する。これにより、エアロゾル発生基質の実際の温度を正確に識別可能となるため、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生基質の実際の温度に基づいてマイクロ波アセンブリの動作パワーを制御し得る。よって、エアロゾル発生基質を適切な温度下で霧化させることができ、霧化効率が保証されるとともに、不要な物質の発生も防止される。
【0019】
上記いずれかの技術方案において、光ファイバ感温部材は、N個の光ファイバ感温プローブを含む。貫通孔の数はN個であり、且つ、N個の貫通孔とN個の光ファイバ感温プローブが一対一で対応している。なお、Nは1よりも大きな整数である。
【0020】
当該技術方案において、光ファイバ感温部材は、複数の光ファイバ感温プローブ、具体的にはN個の光ファイバ感温プローブを含む。具体的に、1つの光ファイバ感温プローブは1本の光ファイバハーネスとすることができる。且つ、N個の光ファイバ感温プローブに対応して、装着部には、これらに一対一で対応するN個の貫通孔が更に設置されている。N個の光ファイバ感温プローブにおける各プローブは、いずれも対応する1つの貫通孔を通じて装着部に挿通される。これにより、エアロゾル発生基質における異なる部位の温度を収集可能となるため、加熱・霧化時におけるエアロゾル発生基質の全体的な温度変化曲線をリアルタイムで監視制御し得る。
【0021】
従って、本発明の実施例で提供するエアロゾル発生装置は、第一に、マイクロ波アセンブリによる加熱を一段と良好に制御することで、部分的に温度が高すぎたり低すぎたりすることによる霧化効率の低下を防止可能である。また、第二に、設計者が、加熱・霧化時におけるエアロゾル発生基質の全体的な温度変化に基づいて、エアロゾル発生装置における共振空洞内のマイクロ波の分布状況を探究するのに有利である。このことは、設計者が、より均一なマイクロ波場分布を得られるようマイクロ波アセンブリの動作パラメータを調整するのに有利である。これにより、エアロゾル発生装置(例えば、電子タバコ)は、一段と良好にエアロゾル発生基質(例えば、電子タバコと組み合わせて使用されるタバコカプセル)を均一に加熱して、十分に霧化することが可能となる。
【0022】
上記いずれかの技術方案において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞内に位置する共振ロッドを含む。共振ロッドの第1端は装着部に接続される。また、共振ロッドの第2端は共振空洞の第2端に接続される。
【0023】
当該技術方案では、エアロゾル発生装置の共振空洞内に、マイクロ波アセンブリと組み合わせて使用される共振ロッドが設置されている。具体的に、共振ロッドは、マイクロ波アセンブリから発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリが共振空洞に導入したマイクロ波は、共振ロッドの第2端から共振ロッドの第1端に伝達されて、装着部上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0024】
エアロゾル発生基質は装着部によって共振空洞から隔離されている。よって、霧化により発生したエアロゾル、液状廃棄物、固形廃棄物が共振空洞に進入するとの事態を回避可能であり、廃棄物による共振空洞の汚染に伴う故障が回避される。
【0025】
上記いずれかの技術方案において、共振空洞は円柱状の共振空洞であり、装着部は円柱状の装着部である。円柱状の共振空洞と円柱状の装着部は同軸に設置され、共振ロッドと円柱状の共振空洞は同軸に設置される。
【0026】
当該技術方案において、共振空洞、装着部はいずれも円柱状に設置されている。よって、第一に、内部空間の利用率を効果的に向上させることができ、装置の体積全体が減少するため、エアロゾル発生装置の小型化が実現される。また、第二に、エアロゾル発生装置における各構造の全体的な強度を向上させられる。
【0027】
且つ、円柱状の共振空洞と円柱状の装着部が同軸に設置され、共振ロッドと円柱状の共振空洞が同軸に設置されるため、共振ロッドを経由してエアロゾル発生基質に伝達されるマイクロ波がエアロゾル発生基質の中央部位置に伝達され得るよう保証可能となる。これにより、マイクロ波によるエアロゾル発生基質に対する加熱の均一性が向上するため、マイクロ波の集中に伴ってエアロゾル発生基質が受ける熱にムラができるとの事態が回避される。よって、霧化効率が更に向上し、エアロゾル発生基質の霧化効果が保証される。
【0028】
上記いずれかの技術方案において、共振ロッドは空洞を含む。空洞は、共振ロッドの軸線方向に沿って共振ロッドを貫通している。
【0029】
当該技術方案において、具体的に、共振ロッドは中空の「管状」構造をなしている。光ファイバ感温プローブは共振ロッドの内部に挿設可能である。これにより、共振ロッドによって光ファイバ感温プローブの固定及び保護が実現されるため、光ファイバ感温プローブの損傷が防止される。
【0030】
上記いずれかの技術方案において、エアロゾル発生装置は、更に、エアロゾル発生基質の温度に基づきマイクロ波アセンブリを制御するためのコントローラを含む。また、光ファイバ感温部材は、更に、空洞内に位置する伝送線を含む。伝送線は、光ファイバ感温プローブとコントローラを接続する。
【0031】
当該技術方案において、エアロゾル発生装置はコントローラを更に含む。コントローラは、ユーザの吸入動作に基づきマイクロ波アセンブリの動作を制御可能であり、且つ、収集したエアロゾル発生基質に基づき、例えば、マイクロ波電力、マイクロ波デューティー比等のマイクロ波アセンブリの動作パラメータを制御する。
【0032】
光ファイバ感温部材は、伝送線(具体的には、光ファイバハーネス)を含む。当該伝送線は、一端が光ファイバ感温プローブに接続され、他端がコントローラに接続される。これにより、光ファイバ感温プローブが収集した温度データをサーバに送信することで、サーバは、エアロゾル発生基質の温度からマイクロ波アセンブリの動作パラメータを調節する。その結果、エアロゾル発生基質が適切な温度下で霧化されるため、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置の使用体験が効果的に向上する。
【0033】
上記いずれかの技術方案において、共振ロッドは導体共振ロッドである。
【0034】
当該技術方案において、共振ロッドは、マイクロ波アセンブリから発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリが共振空洞に導入したマイクロ波は、共振ロッドの第2端から共振ロッドの第1端に伝達されて、装着部上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0035】
共振要求を満たすために、共振ロッドの外表面は導電性を有する必要がある。よって、共振ロッドの材質は導体材質とする。即ち、共振ロッドは、導体共振ロッドであり、その材料としては金属が好ましく、例えば、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金等とする。いくつかの実施例において、導体共振ロッドの材料は、炭素又は炭素の同素体としてもよく、本発明の実施例ではこれを制限しない。
【0036】
上記いずれかの技術方案において、共振ロッドは金属共振ロッドである。
【0037】
当該技術方案において、共振ロッドは金属共振ロッドである。具体的に、共振ロッドは、マイクロ波アセンブリから発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリが共振空洞に導入したマイクロ波は、共振ロッドの第2端から共振ロッドの第1端に伝達されて、装着部上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0038】
共振要求を満たすために、共振ロッドの外表面は導電性を有する必要がある。よって、共振ロッドの材質は金属材質であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金等を含む。
【0039】
上記いずれかの技術方案において、共振ロッドは、ロッド体と、ロッド体の外側壁を覆う第1金属薄膜層、を含む。
【0040】
当該技術方案において、具体的に、共振ロッドはロッド体及び第1金属薄膜層を含む。共振ロッドは、マイクロ波アセンブリから発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリが共振空洞に導入したマイクロ波は、共振ロッドの第2端から共振ロッドの第1端に伝達されて、装着部上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0041】
共振要求を満たすために、共振ロッドの外表面は導電性を有する必要がある。そこで、ロッド体の外側壁にロッド体を覆う金属薄膜層を設置することで、共振ロッドの外表面に導電性を持たせる。これにより、マイクロ波アセンブリから発射されるマイクロ波を共振及び伝達するとの作用を実現可能となる。
【0042】
理解し得るように、金属薄膜層は、金属の単一材質としてもよいし、金属の合金材質としてもよい。好ましくは、金属薄膜層は、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金材質とすることができる。
【0043】
上記いずれかの技術方案において、筐体は、第1外筐体と、第1外筐体に接続されて第1外筐体内に位置する内筐体、を含む。内筐体は金属材質であり、共振空洞は内筐体内に位置する。
【0044】
当該技術方案において、筐体の内部には共振空洞が形成されている。共振空洞の空洞壁は導電性を有しているため、マイクロ波アセンブリが発生させたマイクロ波は共振空洞内に拘束され、外部へのマイクロ波の漏出が防止される。具体的に、筐体は、第1外筐体及び内筐体を含む。第1外筐体は、プラスチック等の絶縁材料としてもよいし、金属材質としてもよい。内筐体は、第1外筐体の内側で外筐体に接続される。且つ、内筐体は中空構造をなしており、内部に共振空洞が形成されている。内筐体は金属材質であるため、マイクロ波アセンブリが生成したマイクロ波を共振空洞内に拘束可能である。これにより、マイクロ波は外部環境に拡散し得なくなり、エアロゾル発生装置の使用上の安全性が保証される。
【0045】
且つ、第1外筐体及び内筐体の2重構造によって、第1外筐体を絶縁材質とすることができるため、エアロゾル発生装置の使用上の安全性が更に保証される。
【0046】
内筐体の材質は、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金材質とすることができる。ただし、本発明ではこれについて制限しない。
【0047】
上記いずれかの技術方案において、筐体は、第2外筐体と、第2外筐体の内側壁を覆う導電層、を含む。導電層の外側は第2外筐体に接続され、共振空洞は導電層の内側に位置する。
【0048】
当該技術方案において、筐体の内部には共振空洞が形成されている。共振空洞の空洞壁は導電性を有しているため、マイクロ波アセンブリが発生させたマイクロ波は共振空洞内に拘束され、外部へのマイクロ波の漏出が防止される。具体的に、筐体は、第2外筐体及び導電層を含む。導電層は、第2外筐体の内側壁を覆うことで導電性のシールド層を形成する。これにより、マイクロ波アセンブリが発生させたマイクロ波を導電層により囲繞されて形成される共振空洞内に拘束可能となるため、マイクロ波は外部環境に拡散し得ず、エアロゾル発生装置の使用上の安全性が保証される。
【0049】
且つ、第2外筐体及び内筐体の2重構造によって、第2外筐体を絶縁材質とすることができるため、エアロゾル発生装置の使用上の安全性が更に保証される。
【0050】
好ましくは、導電層は金属導電層とする。導電層の材質は、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金材質とすることができる。ただし、本発明ではこれについて制限しない。
【0051】
上記いずれかの技術方案において、エアロゾル発生装置は、更に、装着部に設けられる隔離カバーを含む。隔離カバーは、光ファイバ感温部材のうち装着部に挿通される部分に覆設される。
【0052】
当該技術方案において、装着部には隔離カバーが設置されている。隔離カバーは、装着部の貫通孔に対応して設置され、光ファイバ感温部材に覆設される。具体的に、光ファイバ感温部材は、装着部の貫通孔に挿通されたあと隔離カバーにより覆われる。隔離カバーによって、光ファイバ感温部材及び共振空洞をエアロゾル発生基質から隔離することで、光ファイバ感温プローブがエアロゾル発生基質に直接接触するとの事態が防止される。これにより、エアロゾル発生基質の霧化後に生成される液状物質やその他の汚れが感温プローブを汚染するとの事態が回避されるため、光ファイバ温度センサの使用寿命及び測定精度が向上する。
【0053】
隔離カバーは透明隔離カバーである。
【0054】
上記いずれかの技術方案において、隔離カバーはガラス隔離カバーであり、光ファイバ感温部材はガラス隔離カバーの内表面に密着する。
【0055】
当該技術方案において、隔離カバーはガラス隔離カバーである。ガラス隔離カバーは、良好な透光性を有するとともに、耐腐食性、耐摩耗性であり、光ファイバ感温部材を効果的に保護可能である。且つ、光ファイバ感温部材はガラス隔離カバーの内表面に密着するため、エアロゾル発生基質の温度をいっそう正確に収集可能となり、温度収集の精度が向上する。
【0056】
上記いずれかの技術方案において、光ファイバ感温プローブは円柱状の光ファイバ感温プローブである。円柱状の光ファイバ感温プローブの直径の範囲は、0.2mm以上3mm以下である。
【0057】
当該技術方案において、具体的に、光ファイバ感温プローブは円柱状の光ファイバ感温プローブであり、直径の範囲は0.2mm~3mmである。これにより、第一に、エアロゾル発生装置の体積を減少させられる。また、第二に、より多くの光ファイバ感温プローブを限りある体積に設置可能となるため、温度検出の精度が向上する。
【0058】
上記いずれかの技術方案において、光ファイバ感温部材の温度測定範囲は-20℃~400℃である。
【0059】
当該技術方案において、「電子タバコ」等のエアロゾル発生装置は、霧化により発生させるエアロゾルの温度が160℃~180℃の範囲のときに、大きなベイパー量と満足感を有し得る。よって、光ファイバ感温部材の温度測定範囲を-20℃~400℃の範囲内とすれば、エアロゾル発生基質の温度区間を効果的にカバー可能となる。
【0060】
上記いずれかの技術方案において、マイクロ波アセンブリは、筐体の側壁に設置されて共振空洞と連通するマイクロ波導入部と、マイクロ波導入部に連なるマイクロ波発射源、を含む。マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部を経由して共振空洞に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッドの第2端から共振ロッドの第1端に向かう方向に伝達される。
【0061】
当該技術方案において、マイクロ波アセンブリは、マイクロ波発射源及びマイクロ波導入部を含む。マイクロ波発射源はマイクロ波を発生させるために用いられる。また、筐体の側壁に設置されるマイクロ波導入部は、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波を共振空洞内に搬送するために用いられる。マイクロ波は、マイクロ波導入部を経由して共振空洞に導入される。その後、マイクロ波は、共振ロッドの第2端から共振ロッドの第1端に向かう方向に伝達可能となる。これにより、マイクロ波をエアロゾル発生基質に直接作用させられるため、エアロゾル発生基質の霧化効果が向上する。
【0062】
上記いずれかの技術方案では、筐体の側壁に設置されてマイクロ波発射源に連なる第1導入部材と、第1端が第1導入部材に連なる第2導入部材、を含む。第2導入部材は共振空洞内に位置し、第2導入部材の第2端が共振空洞の底壁に面している。
【0063】
当該技術方案において、マイクロ波導入部は、第1導入部材及び第2導入部材を含む。第1導入部材は筐体の側壁に挿設される。第1導入部材の第1端はマイクロ波発射源に連なっており、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波を第1導入部材の第1端からマイクロ波導入部に進入させる。第1導入部材の第2端は第2導入部材の第1端に連なっており、第2導入部材の第2端は共振空洞の底壁に面している。マイクロ波は、第1導入部材及び第2導入部材を経由して伝達されたあと、共振空洞の底壁からエアロゾル発生基質に伝達されて、マイクロ波加熱により霧化を行う。
【0064】
第1導入部材は、マイクロ波発射源のマイクロ波出力端と同軸に設置される。第2導入部材は、水平導入部及び垂直導入部を有している。水平導入部の軸線は共振空洞の底壁と平行であり、垂直導入部の軸線は共振空洞の底壁と垂直である。水平導入部は屈曲部を介して垂直導入部に連なっている。また、水平導入部は第1導入部材と同軸に設置される。上記の方式でマイクロ波導入部を設置すれば、マイクロ波発射源が発生させたマイクロ波を全て共振空洞に進入させて、共振ロッドにより共振空洞内を伝達させることが可能となる。
【0065】
上記いずれかの技術方案において、マイクロ波導入部は、筐体の側壁に設置される第3導入部材を含む。第3導入部材の第1端はマイクロ波発射源に連なっており、第3導入部材の第2端は共振ロッドに面している。
【0066】
マイクロ波導入部は、更に第3導入部材を含む。第3導入部材は、マイクロ波発射源のマイクロ波出力端と同軸に設置される。第3導入部材の第1端はマイクロ波発射源に連なっており、第3導入部材の第2端は共振ロッドに面している。第3導入部材をマイクロ波発射源のマイクロ波出力端と同軸に設置し、且つ、第3導入部材を共振ロッドに連ねることで、マイクロ波を共振ロッドに直接伝達する。これにより、マイクロ波発射源から出力されたマイクロ波を全て共振空洞内に進入させる。
【0067】
上記いずれかの技術方案において、エアロゾル発生装置は、更に、共振空洞の底壁に設置される凹陥部を含み、第2導入部材の第2端が凹陥部内に位置する。
【0068】
エアロゾル発生装置は凹陥部を更に含む。凹陥部は共振空洞の底壁に設置される。且つ、凹陥部は第2導入部材の第2端に対向して設置され、第2導入部材の第2端が凹陥部内に延伸する。これにより、共振空洞内に進入したマイクロ波を共振ロッドの第2端から第1端に向かう方向に伝達可能となるため、マイクロ波の伝達過程におけるエネルギー損失が減少する。
【0069】
本発明の上記及び/又は付加的な局面及び利点については、下記の図面を組み合わせた実施例の記載から明らかとなり、且つ容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1図1は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図1を示す。
図2図2は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図2を示す。
図3図3は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図3を示す。
図4図4は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図4を示す。
図5図5は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図5を示す。
図6図6は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図6を示す。
図7図7は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図7を示す。
図8図8は本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図8を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本発明における上記の目的、特徴及び利点がより明瞭に理解され得るよう、以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本発明につき更に詳細に述べる。説明すべき点として、矛盾しない場合には、本発明の実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせてもよい。
【0072】
以下の記載では、本発明が十分に理解されるよう、多くの具体的詳細事項について詳述するが、本発明は、ここで記載するものとは異なるその他の方式で実施してもよい。従って、本発明の保護の範囲は以下で開示する具体的実施例に制約されない。
【0073】
以下に、図1図8を参照して、本発明のいくつかの実施例に基づくエアロゾル発生装置について述べる。
【0074】
本発明のいくつかの実施例では、エアロゾル発生装置を提供する。図1は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図1を示す。図1に示すように、エアロゾル発生装置100は、共振空洞104が設けられている筐体102と、筐体102に設けられ、共振空洞104の第1端に位置するとともに、エアロゾル発生基質を収容するために用いられる装着部106と、筐体102に接続され、共振空洞104内にマイクロ波を発射することで、エアロゾル発生基質を加熱してエアロゾルを発生させるために用いられるマイクロ波アセンブリ108と、共振空洞104に設けられて、エアロゾル発生基質の温度を検出するために用いられ、少なくとも一部が装着部106に挿設される光ファイバ感温部材110、を含む。
【0075】
本発明の実施例において、エアロゾル発生装置100は、例えば、所望の香りを有する植物の葉系基質といった固体系エアロゾル発生基質を霧化するために使用可能である。且つ、エアロゾル発生基質には、別の香気成分を更に添加することも可能である。筐体102は、エアロゾル発生装置100の本体フレームである。筐体102の内部には、共振空洞104が形成されており、且つ、筐体102に接続されるマイクロ波アセンブリ108が設置されている。更に、筐体102には装着部106が設置されている。装着部106は共振空洞104の第1端に設置されている。また、装着部106はエアロゾル発生基質を収容するために用いられる。
【0076】
エアロゾル発生装置100の動作過程では、マイクロ波アセンブリ108がマイクロ波を生成可能であり、且つ、マイクロ波を共振空洞104内に発射する。これにより、装着部106に装着されているエアロゾル発生基質を加熱し、霧化することで、エアロゾルを形成してユーザに吸入させる。
【0077】
装着部106の材質は、具体的には、低誘電損失性を有する絶縁材料である。具体的に、装着部106の材質は、PTFE(Poly tetra fluoroethylene,ポリテトラフルオロエチレン)、マイクロ波透過セラミックス等とすることができる。
【0078】
エアロゾル発生装置100は、更に、光ファイバ感温部材110を含む。光ファイバ感温部材110は光ファイバ構造を主に含み、光ファイバを温度収集用のセンサ兼信号伝送経路とし、光ファイバが存在する空間の温度場から光ファイバの後方に散乱した光信号を利用して温度検出を実現する。光ファイバ感温部材110には、金属プローブや金属ケーブルは設置されていないため、非常に強い耐電磁場干渉性、応答時間の速さ、性能の安定性、長寿命、耐腐食性、体積の小ささ等の特性を有する。
【0079】
光ファイバ感温部材110を設置してエアロゾル発生基質の温度を収集すれば、共振空洞104内のマイクロ波場の影響を受けなくなるため、収集される温度情報がより正確となり、温度変化に対する応答速度も更に速くなる。また、光ファイバの信号伝送速度は一般的なケーブルよりも著しく速い。そのため、非常に速い速度でエアロゾル発生基質の正確な温度をフィードバックして、マイクロ波電力を速やかに調整するようマイクロ波アセンブリ108を制御可能となる。これにより、エアロゾル発生基質が適切な温度下で霧化されるため、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置100の使用体験が効果的に向上する。
【0080】
そのほか、本発明に基づき提供する上記の技術方案におけるエアロゾル発生装置100は、更に、以下の技術的特徴を有し得る。
【0081】
本発明のいくつかの実施例において、装着部106には、共振空洞104と連通する貫通孔1062が設けられており、少なくとも一部の光ファイバ感温部材110が貫通孔1062に挿通される。
【0082】
本発明の実施例において、光ファイバ感温部材110は光ファイバ構造を主に含む。光ファイバ感温部材110を装着部106に挿通してエアロゾル発生基質に接触可能とするために、装着部106には共振空洞104と連通する貫通孔1062が設置されている。光ファイバ構造は、共振空洞104及び装着部106上の貫通孔1062を貫通し、少なくとも一部の光ファイバ構造がエアロゾル発生基質と接触する。これにより、エアロゾル発生基質の実際の温度を正確に識別可能となるため、エアロゾル発生装置100は、エアロゾル発生基質の実際の温度に基づいてマイクロ波アセンブリ108の動作パワーを制御し得る。よって、エアロゾル発生基質を適切な温度下で霧化させることができ、霧化効率が保証されるとともに、不要な物質の発生も防止される。
【0083】
本発明のいくつかの実施例において、図2は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図2を示す。図2に示すように、光ファイバ感温部材110は、N個の光ファイバ感温プローブ1102を含む。貫通孔1062の数はN個であり、且つ、N個の貫通孔1062とN個の光ファイバ感温プローブ1102が一対一で対応している。なお、Nは1よりも大きな整数である。
【0084】
本発明の実施例において、光ファイバ感温部材110は、複数の光ファイバ感温プローブ1102、具体的にはN個の光ファイバ感温プローブ1102を含む。具体的に、1つの光ファイバ感温プローブ1102は1本の光ファイバハーネスとすることができる。且つ、N個の光ファイバ感温プローブ1102に対応して、装着部106には、これらに一対一で対応するN個の貫通孔1062が更に設置されている。N個の光ファイバ感温プローブ1102における各プローブは、いずれも対応する1つの貫通孔1062を通じて装着部106に挿通される。これにより、エアロゾル発生基質における異なる部位の温度を収集可能となるため、加熱・霧化時におけるエアロゾル発生基質の全体的な温度変化曲線をリアルタイムで監視制御し得る。
【0085】
従って、本発明の実施例で提供するエアロゾル発生装置100は、第一に、マイクロ波アセンブリ108による加熱を一段と良好に制御することで、部分的に温度が高すぎたり低すぎたりすることによる霧化効率の低下を防止可能である。また、第二に、設計者が、加熱・霧化時におけるエアロゾル発生基質の全体的な温度変化に基づいて、エアロゾル発生装置100における共振空洞104内のマイクロ波の分布状況を探究するのに有利である。このことは、設計者が、より均一なマイクロ波場分布を得られるようマイクロ波アセンブリ108の動作パラメータを調整するのに有利である。これにより、エアロゾル発生装置100は、一段と良好にエアロゾル発生基質を均一に加熱して、十分に霧化することが可能となる。
【0086】
図2に示すように、本発明のいくつかの実施例において、エアロゾル発生装置100は、更に、共振空洞104内に位置する共振ロッド112を含む。共振ロッド112の第1端は装着部106に接続される。また、共振ロッド112の第2端は共振空洞104の第2端に接続される。
【0087】
本発明の実施例では、エアロゾル発生装置100の共振空洞104内に、マイクロ波アセンブリ108と組み合わせて使用される共振ロッド112が設置されている。具体的に、共振ロッド112は、マイクロ波アセンブリ108から発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリ108が共振空洞104に導入したマイクロ波は、共振ロッド112の第2端から共振ロッド112の第1端に伝達されて、装着部106上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0088】
エアロゾル発生基質は装着部106によって共振空洞104から隔離されている。よって、霧化により発生したエアロゾル、液状廃棄物、固形廃棄物が共振空洞104に進入するとの事態を回避可能であり、廃棄物による共振空洞104の汚染に伴う故障が回避される。
【0089】
図1図2及び図3に示すように、本発明のいくつかの実施例において、共振空洞104は円柱状の共振空洞であり、装着部106は中空の円柱状の装着部106である。円柱状の共振空洞104と中空の円柱状の装着部106は同軸に設置される。また、共振ロッド112と円柱状の共振空洞104は同軸に設置される。
【0090】
本発明の実施例において、図2に示すように、装着部106は中空の円柱体構造をなしている。装着部106における共振空洞104に近接する一端には底壁が備わっており、底壁が装着部106と共振空洞104を隔離している。光ファイバ感温部材110は底壁に設置される。共振空洞104の底壁には複数の貫通孔1062が設置されている。複数の貫通孔1062は共振空洞104の底壁に均一に分布している。また、光ファイバ感温部材110は貫通孔1062に一対一で対応している。光ファイバ感温部材110の光ファイバ感温プローブ1102は、貫通孔1062に挿通されたあと、一部が共振空洞104に進入する。
【0091】
共振空洞104、装着部106はいずれも円柱状に設置されている。よって、第一に、内部空間の利用率を効果的に向上させることができ、装置の体積全体が減少するため、エアロゾル発生装置100の小型化が実現される。また、第二に、エアロゾル発生装置100における各構造の全体的な強度を向上させられる。
【0092】
且つ、円柱状の共振空洞104と円柱状の装着部106が同軸に設置され、共振ロッド112と円柱状の共振空洞104が同軸に設置されるため、共振ロッド112を経由してエアロゾル発生基質に伝達されるマイクロ波がエアロゾル発生基質の中央部位置に伝達され得るよう保証可能となる。これにより、マイクロ波によるエアロゾル発生基質に対する加熱の均一性が向上するため、マイクロ波の集中に伴ってエアロゾル発生基質が受ける熱にムラができるとの事態が回避される。よって、霧化効率が更に向上し、エアロゾル発生基質の霧化効果が保証される。
【0093】
本発明のいくつかの実施例において、共振ロッド112は空洞1122を含む。空洞1122は、共振ロッド112の軸線方向に沿って共振ロッド112を貫通している。
【0094】
本発明の実施例において、具体的に、共振ロッド112は中空の「管状」構造をなしている。光ファイバ感温プローブ1102は共振ロッド112の内部に挿設可能である。これにより、共振ロッド112によって光ファイバ感温プローブ1102の固定及び保護が実現されるため、光ファイバ感温プローブ1102の損傷が防止される。
【0095】
本発明のいくつかの実施例において、図3は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図3を示し、図4は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図4を示す。図3及び図4に示すように、エアロゾル発生装置100は、更に、エアロゾル発生基質の温度に基づきマイクロ波アセンブリ108を制御するためのコントローラ113を含む。また、光ファイバ感温部材110は、更に、空洞1122内に位置する伝送線1104を含む。伝送線1104は、光ファイバ感温プローブ1102とコントローラ113を接続する。
【0096】
本発明の実施例において、エアロゾル発生装置100はコントローラ113を更に含む。コントローラ113は、ユーザの吸入動作に基づきマイクロ波アセンブリ108の動作を制御可能であり、且つ、収集したエアロゾル発生基質に基づき、例えば、マイクロ波電力、マイクロ波デューティー比等のマイクロ波アセンブリ108の動作パラメータを制御する。
【0097】
光ファイバ感温部材は、伝送線1104(具体的には、光ファイバハーネス)を含む。当該伝送線1104は、一端が光ファイバ感温プローブ1102に接続され、他端がコントローラ113に接続される。これにより、光ファイバ感温プローブ1102が収集した温度データをサーバに送信することで、サーバは、エアロゾル発生基質の温度からマイクロ波アセンブリ108の動作パラメータを調節する。その結果、エアロゾル発生基質が適切な温度下で霧化されるため、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置100の使用体験が効果的に向上する。
【0098】
本発明のいくつかの実施例において、共振ロッド112は導体共振ロッド112である。
【0099】
本発明の実施例において、共振ロッド112は、マイクロ波アセンブリ108から発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリ108が共振空洞104に導入したマイクロ波は、共振ロッド112の第2端から共振ロッド112の第1端に伝達されて、装着部106上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0100】
共振要求を満たすために、共振ロッド112の外表面は導電性を有する必要がある。よって、共振ロッド112の材質は導体材質とする。即ち、共振ロッド112は、導体共振ロッド112であり、その材料としては金属が好ましく、例えば、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金等とする。いくつかの実施例において、導体共振ロッド112の材料は、炭素又は炭素の同素体としてもよく、本発明の実施例ではこれを制限しない。
【0101】
本発明のいくつかの実施例において、共振ロッド112は金属共振ロッド112である。
【0102】
本発明の実施例において、共振ロッド112は金属共振ロッド112である。具体的に、共振ロッド112は、マイクロ波アセンブリ108から発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリ108が共振空洞104に導入したマイクロ波は、共振ロッド112の第2端から共振ロッド112の第1端に伝達されて、装着部106上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0103】
共振要求を満たすために、共振ロッド112の外表面は導電性を有する必要がある。よって、共振ロッド112の材質は金属材質であり、例えば、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金等を含む。
【0104】
本発明のいくつかの実施例において、図5は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図5を示す。図5に示すように、共振ロッド112は、ロッド体1124と、ロッド体1124の外側壁を覆う第1金属薄膜層1126を含む。
【0105】
本発明の実施例において、具体的に、共振ロッド112はロッド体1124及び第1金属薄膜層1126を含む。共振ロッド112は、マイクロ波アセンブリ108から発射されるマイクロ波を共振及び伝達するために用いられる。これにより、マイクロ波アセンブリ108が共振空洞104に導入したマイクロ波は、共振ロッド112の第2端から共振ロッド112の第1端に伝達される。共振ロッド112の第1端は装着部106に近接しているため、装着部106上のエアロゾル発生基質をマイクロ波加熱し、霧化してエアロゾルとする。
【0106】
共振要求を満たすために、共振ロッド112の外表面は導電性を有する必要がある。そこで、ロッド体1124の外側壁にロッド体1124を覆う金属薄膜層を設置することで、共振ロッド112の外表面に導電性を持たせる。これにより、マイクロ波アセンブリ108から発射されるマイクロ波を共振及び伝達するとの作用を実現可能となる。
【0107】
理解し得るように、金属薄膜層は、金属の単一材質としてもよいし、金属の合金材質としてもよい。好ましくは、金属薄膜層は、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金材質とすることができる。
【0108】
本発明のいくつかの実施例において、図6は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図6を示す。図6に示すように、筐体102は、第1外筐体1021と、第1外筐体1021に接続されて第1外筐体1021内に位置する内筐体1022、を含む。内筐体1022は金属材質であり、共振空洞104は内筐体1022内に位置する。
【0109】
本発明の実施例において、筐体102の内部には共振空洞104が形成されている。共振空洞104の空洞壁は導電性を有しているため、マイクロ波アセンブリ108が発生させたマイクロ波は共振空洞104内に拘束され、外部へのマイクロ波の漏出が防止される。具体的に、筐体102は、第1外筐体1021及び内筐体1022を含む。第1外筐体1021は、プラスチック等の絶縁材料としてもよいし、金属材質としてもよい。内筐体1022は、第1外筐体1021の内側で外筐体102に接続される。且つ、内筐体1022は中空構造をなしており、内部に共振空洞104が形成されている。内筐体1022は金属材質であるため、マイクロ波アセンブリ108が生成したマイクロ波を共振空洞104内に拘束可能である。これにより、マイクロ波は外部環境に拡散し得なくなり、エアロゾル発生装置100の使用上の安全性が保証される。
【0110】
且つ、第1外筐体1021及び内筐体1022の2重構造によって、第1外筐体1021を絶縁材質とすることができるため、エアロゾル発生装置100の使用上の安全性が更に保証される。
【0111】
内筐体1022の材質は、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金材質とすることができる。ただし、本発明ではこれについて制限しない。
【0112】
本発明のいくつかの実施例において、図7は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図7を示す。図7に示すように、筐体102は、第2外筐体1023と、第2外筐体1023の内側壁を覆う導電層1024、を含む。導電層1024の外側は第2外筐体1023に接続される。また、共振空洞104は導電層1024の内側に位置する。
【0113】
本発明の実施例において、筐体102の内部には共振空洞104が形成されている。共振空洞104の空洞壁は導電性を有しているため、マイクロ波アセンブリ108が発生させたマイクロ波は共振空洞104内に拘束され、外部へのマイクロ波の漏出が防止される。具体的に、筐体102は、第2外筐体1023及び導電層1024を含む。導電層1024は、第2外筐体1023の内側壁を覆うことで導電性のシールド層を形成する。これにより、マイクロ波アセンブリ108が発生させたマイクロ波を導電層1024により囲繞されて形成される共振空洞104内に拘束可能となるため、マイクロ波は外部環境に拡散し得ず、エアロゾル発生装置100の使用上の安全性が保証される。
【0114】
且つ、第2外筐体1023及び導電層1024の2重構造によって、第2外筐体1023を絶縁材質とすることができるため、エアロゾル発生装置100の使用上の安全性が更に保証される。
【0115】
好ましくは、導電層1024は金属導電層1024とする。導電層1024の材質は、銅、鉄、アルミニウム、銀、金又は上記金属の合金材質とすることができる。ただし、本発明ではこれについて制限しない。
【0116】
図1図2及び図3を参照して、本発明のいくつかの実施例において、エアロゾル発生装置100は、更に、装着部106に設けられる隔離カバー114を含む。隔離カバー114は、光ファイバ感温部材110のうち装着部106に挿通される部分に覆設される。
【0117】
本発明の実施例において、装着部106には隔離カバー114が設置されている。隔離カバー114は、装着部106の貫通孔1062に対応して設置され、光ファイバ感温部材110に覆設される。具体的に、光ファイバ感温部材110は、装着部106の貫通孔1062に挿通されたあと隔離カバー114により覆われる。隔離カバー114によって、光ファイバ感温部材110及び共振空洞104をエアロゾル発生基質から隔離することで、光ファイバ感温プローブ1102がエアロゾル発生基質に直接接触するとの事態が防止される。これにより、エアロゾル発生基質の霧化後に生成される液状物質やその他の汚れが感温プローブを汚染するとの事態が回避されるため、光ファイバ温度センサの使用寿命及び測定精度が向上する。
【0118】
隔離カバー114は透明隔離カバー114である。
【0119】
本発明のいくつかの実施例において、隔離カバー114はガラス隔離カバー114である。光ファイバ感温部材110はガラス隔離カバー114の内表面に密着する。
【0120】
本発明の実施例において、隔離カバー114はガラス隔離カバー114である。ガラス隔離カバー114は、良好な透光性を有するとともに、耐腐食性、耐摩耗性であり、光ファイバ感温部材110を効果的に保護可能である。且つ、光ファイバ感温部材110はガラス隔離カバー114の内表面に密着するため、エアロゾル発生基質の温度をいっそう正確に収集可能となり、温度収集の精度が向上する。
【0121】
本発明のいくつかの実施例において、光ファイバ感温プローブ1102は円柱状の光ファイバ感温プローブ1102である。円柱状の光ファイバ感温プローブ1102の直径の範囲は、0.2mm以上3mm以下である。
【0122】
本発明の実施例において、具体的に、光ファイバ感温プローブ1102は円柱状の光ファイバ感温プローブ1102であり、直径の範囲は0.2mm~3mmである。これにより、第一に、エアロゾル発生装置100の体積を減少させられる。また、第二に、より多くの光ファイバ感温プローブ1102を限りある体積に設置可能となるため、温度検出の精度が向上する。
【0123】
本発明のいくつかの実施例において、光ファイバ感温部材110の温度測定範囲は-20℃~400℃である。
【0124】
本発明の実施例において、エアロゾル発生装置100は、霧化により発生させるエアロゾルの温度が160℃~180℃の範囲のときに、大きなベイパー量と満足感を有し得る。よって、光ファイバ感温部材110の温度測定範囲を-20℃~400℃の範囲内とすれば、エアロゾル発生基質の温度区間を効果的にカバー可能となる。
【0125】
図1図2及び図3に示すように、本発明のいくつかの実施例において、マイクロ波アセンブリ108は、筐体102の側壁に設置されて、共振空洞104と連通するマイクロ波導入部1082と、マイクロ波導入部1082に連なるマイクロ波発射源1084を含む。マイクロ波発射源1084から出力されたマイクロ波は、マイクロ波導入部1082を経由して共振空洞104に導入される。そして、マイクロ波は、共振ロッド112の第2端から共振ロッド112の第1端に向かう方向に伝達される。
【0126】
本発明の実施例において、マイクロ波アセンブリ108は、マイクロ波発射源1084及びマイクロ波導入部1082を含む。マイクロ波発射源1084はマイクロ波を発生させるために用いられる。また、筐体102の側壁に設置されるマイクロ波導入部1082は、マイクロ波発射源1084が発生させたマイクロ波を共振空洞104内に搬送するために用いられる。マイクロ波は、マイクロ波導入部1082を経由して共振空洞104に導入される。その後、マイクロ波は、共振ロッド112の第2端から共振ロッド112の第1端に向かう方向に伝達可能となる。これにより、マイクロ波をエアロゾル発生基質に直接作用させられるため、エアロゾル発生基質の霧化効果が向上する。
【0127】
本発明のいくつかの実施例では、筐体102の側壁に設置されてマイクロ波発射源1084に連なる第1導入部材10822と、第1端が第1導入部材10822に連なる第2導入部材10824、を含む。第2導入部材10824は共振空洞104内に位置し、第2導入部材10824の第2端が共振空洞104の底壁に面している。
【0128】
本発明の実施例において、マイクロ波導入部1082は、第1導入部材10822及び第2導入部材10824を含む2段式構造となっている。第1導入部材10822は、マイクロ波発射源1084が発生させたマイクロ波を第1導入部材10822の延伸方向に沿って共振空洞104に伝達し、第2導入部材10824を経由して、更にマイクロ波を装着部106に伝達するために用いられる。
【0129】
具体的に、第1導入部材10822は筐体102の側壁に挿設される。第1導入部材10822の第1端はマイクロ波発射源1084に連なっており、マイクロ波発射源1084が発生させたマイクロ波を第1導入部材10822の第1端からマイクロ波導入部1082に進入させる。第1導入部材10822の第2端は第2導入部材10824の第1端に連なっており、第2導入部材10824の第2端は共振空洞104の底壁に面している。マイクロ波は、第1導入部材10822及び第2導入部材10824を経由して伝達されたあと、共振空洞104の底壁からエアロゾル発生基質に伝達されて、マイクロ波加熱により霧化を行う。
【0130】
第1導入部材は、マイクロ波発射源1084のマイクロ波出力端と同軸に設置される。第2導入部材は、水平導入部及び垂直導入部を有している。水平導入部の軸線は共振空洞104の底壁と平行であり、垂直導入部の軸線は共振空洞104の底壁と垂直である。水平導入部は屈曲部を介して垂直導入部に連なっている。また、水平導入部は第1導入部材と同軸に設置される。上記の方式でマイクロ波導入部1082を設置すれば、マイクロ波発射源1084が発生させたマイクロ波を全て共振空洞104に進入させて、共振ロッド112により共振空洞104内を伝達させることが可能となる。
【0131】
本発明のいくつかの実施例において、マイクロ波導入部1082は、筐体102の側壁に設置される第3導入部材を含む。第3導入部材の第1端はマイクロ波発射源1084に連なっており、第3導入部材の第2端は共振ロッド112に面している。
【0132】
本発明の実施例において、第3導入部材は、マイクロ波発射源1084のマイクロ波出力端と同軸に設置される。第3導入部材の第1端はマイクロ波発射源1084に連なっており、第3導入部材の第2端は共振ロッド112に面している。第3導入部材をマイクロ波発射源1084のマイクロ波出力端と同軸に設置し、且つ、第3導入部材を共振ロッド112に連ねることで、マイクロ波を共振ロッド112に直接伝達する。これにより、マイクロ波発射源1084から出力されたマイクロ波を全て共振空洞104内に進入させる。
【0133】
本発明のいくつかの実施例において、図8は、本発明の実施例に基づくエアロゾル発生装置の概略構造図8を示す。図8に示すように、エアロゾル発生装置100は、更に、共振空洞104の底壁に設置される凹陥部116を含み、第2導入部材の第2端が凹陥部116内に位置する。
【0134】
本発明の実施例において、エアロゾル発生装置100は凹陥部116を更に含む。凹陥部116は共振空洞104の底壁に設置される。且つ、凹陥部116は第2導入部材の第2端に対向して設置され、第2導入部材の第2端が凹陥部116内に延伸する。これにより、共振空洞104内に進入したマイクロ波を共振ロッド112の第2端から第1端に向かう方向に伝達可能となるため、マイクロ波の伝達過程におけるエネルギー損失が減少する。
【0135】
明確にすべき点として、本発明の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「複数の」との用語は、2つ又は2つ以上を意味する。また、別途明確に限定している場合を除き、「上」、「下」等の用語が示す方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明をより記載しやすくし、且つ記載過程を更に簡便にするためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が、記載した特定の方向を有し、特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するためのものではない。よって、これらの記載は、本発明を制約するものと解釈すべきではない。また、「接続する」、「装着する」、「固定する」等の用語は広義に解釈すべきである。例えば、「接続する」とは、複数の対象間の固定的な接続であってもよいし、複数の対象間の取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよい。且つ、複数の対象間の直接的な連なりであってもよいし、複数の対象間の中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者は、上記用語の具体的状況に基づき、本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0136】
本発明の特許請求の範囲、明細書及び図面において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的実施例」等の用語による記載は、その実施例又は例示を組み合わせて記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例示に含まれることを意味する。本発明の特許請求の範囲、明細書及び図面において、上記用語についての概略的記載は、必ずしも同一の実施例又は事例を示すとは限らない。且つ、記載する具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施例或いは例示において適切な方式で組み合わせ可能である。
【0137】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を制限するものではない。当業者にとって、本発明には各種の変更及び変形が存在し得る。本発明の精神及び原則の範囲内で実施される何らかの修正、同等の置換、改良等は、いずれも本発明の保護の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0138】
100 エアロゾル発生装置
102 筐体
1021 第1外筐体
1022 内筐体
1023 第2外筐体
1024 導電層
104 共振空洞
106 装着部
1062 貫通孔
108 マイクロ波アセンブリ
1082 マイクロ波導入部
10822 第1導入部材
10824 第2導入部材
1084 マイクロ波発射源
110 光ファイバ感温部材
1102 光ファイバ感温プローブ
1104 伝送線
112 共振ロッド
1122 空洞
1124 ロッド体
1126 第1金属薄膜層
113 コントローラ
114 隔離カバー
116 凹陥部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-03-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
光ファイバ感温部材は、伝送線(具体的には、光ファイバハーネス)を含む。当該伝送線は、一端が光ファイバ感温プローブに接続され、他端がコントローラに接続される。これにより、光ファイバ感温プローブが収集した温度データをコントローラに送信することで、コントローラは、エアロゾル発生基質の温度からマイクロ波アセンブリの動作パラメータを調節する。その結果、エアロゾル発生基質が適切な温度下で霧化されるため、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置の使用体験が効果的に向上する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
に示すように、本発明のいくつかの実施例において、エアロゾル発生装置100は、更に、共振空洞104内に位置する共振ロッド112を含む。共振ロッド112の第1端は装着部106に接続される。また、共振ロッド112の第2端は共振空洞104の第2端に接続される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0097
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0097】
光ファイバ感温部材は、伝送線1104(具体的には、光ファイバハーネス)を含む。当該伝送線1104は、一端が光ファイバ感温プローブ1102に接続され、他端がコントローラ113に接続される。これにより、光ファイバ感温プローブ1102が収集した温度データをコントローラに送信することで、コントローラは、エアロゾル発生基質の温度からマイクロ波アセンブリ108の動作パラメータを調節する。その結果、エアロゾル発生基質が適切な温度下で霧化されるため、第一に、温度が不適切なために不要な物質が発生するとの事態が防止される。また、第二に、霧化効率が向上し、基質の無駄が減少するため、電子タバコ等のエアロゾル発生装置100の使用体験が効果的に向上する。
【国際調査報告】