(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】新規な化合物、それを含む二次電池用電解液およびそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0567 20100101AFI20231102BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20231102BHJP
H01M 10/0569 20100101ALI20231102BHJP
C07F 9/146 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01M10/0567
H01M10/052
H01M10/0569
C07F9/146
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518338
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 KR2021017825
(87)【国際公開番号】W WO2023286940
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0092197
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0166583
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523099219
【氏名又は名称】ドンファエレクトロライト株式会社
【住所又は居所原語表記】(Seongdong-myeon) 45, Saneopdanji-ro 5-gil, Seongdong-myeon, Nonsan-si, Chungcheongnam-do 32925 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ボム ソク
(72)【発明者】
【氏名】シン, ジェ ウク
(72)【発明者】
【氏名】アン, ヒョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】ビン, ユ リム
【テーマコード(参考)】
4H050
5H029
【Fターム(参考)】
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB78
5H029AJ02
5H029AJ05
5H029AJ06
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
5H029HJ01
5H029HJ02
(57)【要約】
本発明の例示的な実施形態によると、特定の化学式で表される新規な化合物が提供される。例示的な実施形態によるリチウム二次電池用電解液は、前記化合物を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物。
【化1】
(化学式1において、
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基;または-OR
1であり、
R
2~R
5は、互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、
Mは、アルカリ金属であり、
Y
+は、陽イオン性物質である。)
【請求項2】
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
R
2~R
5の少なくとも1つはハロゲンであり、
Mは、Li、NaまたはKであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、Ra~Rdの少なくとも1つは水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
R
2~R
5は、いずれもハロゲンであり、
Mは、Liであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、Raは水素であり、Rb~Rdは互いに独立してC1-C3のアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
下記化学式2で表される化合物と下記化学式3で表される化合物とを反応させるステップを含む、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【化2】
(化学式2において、
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基;または-OR
1であり、Y
+は、陽イオン性物質である。)
【化3】
(化学式3において、
R
2及びR
3は、互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、M
+は、アルカリ金属イオンである。)
【請求項5】
リチウム塩と、
有機溶媒と、
下記化学式1で表される化合物とを含むリチウム二次電池用電解液。
【化4】
(化学式1において、
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基;または-OR
1であり、
R
2~R
5は互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、
Mは、アルカリ金属であり、
Y
+は、陽イオン性物質である。)
【請求項6】
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
R
2~R
5の少なくとも1つはハロゲンであり、
Mは、Li、NaまたはKであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、Ra~Rdの少なくとも1つは水素である、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項7】
R
1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
R
2~R
5は、いずれもハロゲンであり、
Mは、Liであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、Raは水素であり、Rb~Rdは互いに独立してC1-C3のアルキル基である、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項8】
前記化学式1で表される前記化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%である、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項9】
前記有機溶媒は、線状カーボネート系溶媒、環状カーボネート系溶媒、線状エステル系溶媒、環状エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、および非プロトン性溶媒の少なくとも1つを含む、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項10】
フッ素含有環状カーボネート系化合物、ビニル基含有環状カーボネート系化合物、ビニレンカーボネート系化合物、環状スルフェート系化合物、スルトン系化合物、フッ素含有リチウムホスフェート系化合物、リチウムボレート系化合物、ラクトン系化合物およびスルホニルイミド系化合物の少なくとも1つを含む補助添加剤をさらに含む、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項11】
前記補助添加剤の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%である、請求項10に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項12】
前記電解液において、前記化学式1で表される前記化合物の含有量に対する前記補助添加剤の含有量の比は0.1~10である、請求項11に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項13】
正極と、
前記正極に対向する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在する分離膜と、
請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液とを含む、リチウム二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化合物、それを含む二次電池用電解液およびそれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、充電と放電の繰り返しが可能な電池であり、携帯電話、ノートパソコンなどの小型電子機器の動力源として適用されている。
【0003】
特に、リチウム二次電池は、動作電圧、エネルギー密度および充填速度が高く、軽量化に有利な利点がある。これにより、リチウム二次電池は小型電子機器だけでなく、電気自動車の動力源として適用されている。
【0004】
例えば、リチウム二次電池を電気自動車の動力源として使用するためには、より優れた出力特性および寿命特性を備えなければならない。
【0005】
一方、リチウム二次電池は、負極活物質(例えば、黒鉛)を含む負極と、正極活物質(例えば、リチウム金属酸化物粒子)を含む正極と、リチウム塩および有機溶媒を含む非水電解液とを含むことができる。
【0006】
例えば、リチウム二次電池は、リチウム金属酸化物粒子および黒鉛においてリチウムイオンが挿入および脱離する過程が繰り返され、充放電を行うことができる。
【0007】
例えば、電解液の組成を変えて、リチウム二次電池の出力特性および寿命特性を向上させることができる。例えば、リチウムイオンの伝導度を向上させ、リチウム二次電池の出力特性を向上させることができる。また、負極に固体電解質膜(SEI;solid electrolyte interface)を堅固に形成し、リチウム二次電池の寿命特性を向上させることができる。
【0008】
大韓民国特許第10-1999615号公報では、リチウム二次電池の寿命特性を向上させることができるリチウム二次電池用電解液を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、新規な化合物を提供することである。
【0010】
本発明の課題は、リチウム二次電池の寿命特性(例えば、繰り返し充放電容量維持率)、出力特性等を向上できるリチウム二次電池用電解液を提供することである。
【0011】
本発明の課題は、寿命特性、出力特性などが向上したリチウム二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による新規な化合物は、下記化学式1で表すことができる。
【0013】
【0014】
化学式1において、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基、置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基、または-OR1であり、R2~R5は、互いに独立して、ハロゲン、または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、Mは、アルカリ金属であり、Y+は、陽イオン性物質であってもよい。
【0015】
一実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基、または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、R2~R5の少なくとも1つはハロゲンであり、Mは、Li、NaまたはKであり、Y+は、N+RaRbRcRdであり、Ra~Rdの少なくとも1つは、水素であってもよい。
【0016】
一実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、R2~R5は、いずれもハロゲンであり、Mは、Liであり、Y+は、N+RaRbRcRdであり、Raは、水素であり、Rb~Rdは、互いに独立してC1-C3のアルキル基であってもよい。
【0017】
例示的な実施形態による前記化学式1で表される化合物の製造方法は、下記化学式2で表される化合物と下記化学式3で表される化合物とを反応させるステップを含むことができる。
【0018】
【0019】
化学式2において、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基、置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基、または-OR1であり、Y+は、陽イオン性物質であってもよい。
【0020】
【0021】
化学式3において、R2及びR3は互いに独立して、ハロゲン、または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、M+は、アルカリ金属イオンであってもよい。
【0022】
例示的な実施形態によるリチウム二次電池用電解液は、リチウム塩と、有機溶媒と、前記化学式1で表される化合物とを含むことができる。
【0023】
一実施形態では、前記化学式1で表される前記化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%であってもよい。
【0024】
一実施形態では、前記有機溶媒は、線状カーボネート系溶媒、環状カーボネート系溶媒、線状エステル系溶媒、環状エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒および非プロトン性溶媒の少なくとも1つを含むことができる。
【0025】
一実施形態では、前記電解液は、フッ素含有環状カーボネート系化合物、ビニル基含有環状カーボネート系化合物、ビニレンカーボネート系化合物、環状スルフェート系化合物、スルトン系化合物、フッ素含有リチウムホスフェート系化合物、リチウムボレート系化合物、ラクトン系化合物およびスルホニルイミド系化合物の少なくとも1つを含む補助添加剤をさらに含むことができる。
【0026】
一実施形態では、前記補助添加剤の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%であってもよい。
【0027】
一実施形態では、前記電解液において、前記化学式1で表される前記化合物の含有量に対する前記補助添加剤の含有量の比は0.1~10であってもよい。
【0028】
例示的な実施形態によるリチウム二次電池は、正極と、前記正極に対向する負極と、前記正極と前記負極との間に介在する分離膜と、前記リチウム二次電池用電解液とを含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
例示的な実施形態によると、化学式1で表される化合物は、リチウム二次電池用電解液に含まれ得る。
【0030】
例示的な実施形態によるリチウム二次電池用電解液は、化学式1で表される化合物を含むことにより、リチウム二次電池の寿命特性(例えば、繰り返し充放電容量維持率)および出力特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、SC-XRD(single crystal X-ray diffraction)によって分析した製造例1の化合物の3次元構造を示す。
【
図2】
図2は、例示的な実施形態によるリチウム二次電池を概略的に示す平面透視図である。
【
図3】
図3は、例示的な実施形態によるリチウム二次電池を概略的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施例2及び比較例1のリチウム二次電池に対して測定した微分容量曲線(dQ/dV)を示すグラフである。
【
図5】
図5は、実施例2及び比較例1のリチウム二次電池に対して測定した交流インピーダンス(AC-impedance)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明によると、化学式1で表される新規化合物、それを含むリチウム二次電池用電解液およびそれを含むリチウム二次電池が提供される。
【0033】
本明細書で「X系化合物」とは、X単位を母体、側基または置換基に含む化合物を意味し得る。
【0034】
本明細書で「Ca-Cb」とは、「a~bの炭素原子数」を意味し得る。なお、「5-7員の環」は「環内の原子数が5個~7個」であることを意味し得る。
【0035】
<新規な化合物>
本発明による新規な化合物は、下記化学式1で表すことができる。
【0036】
【0037】
化学式1において、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基;または-OR1であってもよい。
【0038】
R2~R5は、互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であってもよい。
【0039】
Mは、アルカリ金属であり、Y+は、陽イオン性物質であってもよい。
【0040】
例えば、リン(P)と酸素(O)との間;および硫黄(S)と酸素(O)との間の結合
は、一部の電子が非局在化していることを示すことができる。
【0041】
例えば、「置換された」の意味は、水素原子が任意の置換基で置換され、当該置換基に任意の置換基がさらに結合していることを意味し得る。
【0042】
例えば、前記任意の置換基は、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等であってもよい。いくつかの実施形態では、前記任意の置換基はハロゲンまたはC1-C6のアルキル基であってもよい。
【0043】
一実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。いくつかの実施形態では、R1は、非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。
【0045】
一実施形態では、R2~R5の少なくとも1つはハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI)であってもよい。いくつかの実施形態では、R2~R5の少なくとも1つはFであってもよい。
【0046】
一実施形態では、R2~R5は、いずれもハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R2~R5は、いずれもFであってもよい。
【0047】
一実施形態では、Mは、Li、NaまたはKであってもよい。
【0048】
一実施形態では、Y+は、アルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;または、第一級~第四級のアンモニウムイオンであってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、Y+は、N+RaRbRcRdまたはReRfN+=RgRhであってもよい。
【0050】
Ra~Rdは、互いに独立して、水素;置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。また、Ra~Rdの少なくとも2つは、互いに結合して5~7員のヘテロ環を形成してもよい。
【0051】
Re~Rhは、互いに独立して、水素;置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。また、Re~Rhの少なくとも2つは、互いに結合して5~7員のヘテロ環を形成してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、Y+は、N+RaRbRcRdであり、Ra~Rdの少なくとも1つは水素であってもよい。いくつかの実施形態では、Y+はN+RaRbRcRdであり、Raは水素であり、Rb~Rdは互いに独立してC1-C3のアルキル基であってもよい。
【0053】
<新規な化合物の調製方法>
例示的な実施形態によると、スルホネート系塩またはスルフェート系塩をホスフェート系アルカリ金属塩と反応させ、前記化学式1の化合物を調製することができる。
【0054】
一実施形態では、前記スルホネート系塩またはスルフェート系塩は、下記化学式2で表すことができる。
【0055】
【0056】
化学式2において、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基;または-OR1であってもよい。Y+は、陽イオン性物質であってもよい。
【0057】
一実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、R1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。いくつかの実施形態では、R1は、非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。
【0059】
一実施形態では、Y+は、アルカリ金属イオン;アンモニウムイオン;または第一級~第四級のアンモニウムイオンであってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、Y+は、N+RaRbRcRdまたはReRfN+=RgRhであってもよい。
【0061】
Ra~Rdは、互いに独立して、水素;置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。また、Ra~Rdの少なくとも2つは、互いに結合して5~7員のヘテロ環を形成してもよい。
【0062】
Re~Rhは、互いに独立して、水素;置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。また、Re~Rhの少なくとも2つは、互いに結合して5~7員のヘテロ環を形成してもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、Y+はN+RaRbRcRdであり、Ra~Rdの少なくとも1つは水素であってもよい。いくつかの実施形態では、Y+はN+RaRbRcRdであり、Raは水素であり、Rb~Rdは互いに独立してC1-C3のアルキル基であってもよい。
【0064】
一実施形態では、Raは置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、Raは、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。いくつかの実施形態では、Raは、非置換のC2-C6のアルケニル基であってもよい。
【0066】
一実施形態では、前記ホスフェート系アルカリ金属塩は、下記化学式3で表すことができる。
【0067】
【0068】
化学式3において、R2及びR3は、互いに独立して、ハロゲン(例えば、F、Cl、BrまたはI);または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であってもよい。
【0069】
一実施形態では、R2及びR3の少なくとも1つはハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R2及びR3の少なくとも1つはFであってもよい。
【0070】
一実施形態では、R2及びR3は、いずれもハロゲンであってもよい。いくつかの実施形態では、R2及びR3は、いずれもFであってもよい。
【0071】
一実施形態では、前記スルホネート系塩またはスルフェート系塩;および、前記ホスフェート系アルカリ金属塩を反応させて生成した結晶物をろ過及び乾燥し、前記化学式1で表される化合物を得ることができる。
【0072】
一実施形態では、反応温度は10~50℃であってもよい。
【0073】
一実施形態では、前記スルホネート系塩またはスルフェート系塩;および、前記ホスフェート系アルカリ金属塩の混合モル比は、1:0.9~1:1.1であってもよい。
【0074】
<リチウム二次電池用電解液>
本発明の例示的な実施形態によると、前記化学式1で表される化合物を含むリチウム二次電池用電解液が提供される。
【0075】
一実施形態では、前記化学式1で表される化合物は、リチウム二次電池用電解液の添加剤として提供することができる。
【0076】
例示的な実施形態によるリチウム二次電池は、前記リチウム二次電池用電解液を含み、寿命特性(例えば、繰り返し充放電容量維持率)、出力特性などを向上させることができる。
【0077】
例えば、前記化学式1で表される化合物は、約2.1Vの電圧で還元及び分解され、負極の表面上にSEI(solid electrolyte interface)膜を形成することができる。前記SEI膜は、2.9Vの電圧で発生する有機溶媒(例えば、エチレンカーボネートなど)の分解を抑制することができる。これにより、リチウム二次電池の寿命特性を向上させることができる。
【0078】
例えば、前記化学式1で表される化合物は、正極界面抵抗を低減することができる。これにより、リチウム二次電池の出力特性を向上させることができる。
【0079】
例示的な実施形態によるリチウム二次電池用電解液は、リチウム塩(但し、前記化学式1で表される化合物のリチウム塩の形態を除く。)と、有機溶媒と、前記化学式1で表される化合物とを含むことができる。
【0080】
一実施形態では、前記化学式1で表される化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%、好ましくは0.1~7.5重量%、より好ましくは0.3~5重量%であってもよい。前記範囲では、リチウム二次電池の寿命特性および出力特性をより向上させることができる。
【0081】
例えば、前記化学式1で表される化合物は、前記電解液中で単体として存在してもよく、二量体(例えば、下記化学式4を参照。置換基の説明は省略。)、三量体、四量体以上の多量体の形態で存在してもよい。
【0082】
【0083】
一実施形態では、前記リチウム二次電池用電解液は、リチウム二次電池の寿命特性および出力特性をより向上させるために、または高温貯蔵特性などを向上させるために、さらに補助添加剤を含むことができる。
【0084】
例えば、前記補助添加剤は、フッ素含有環状カーボネート系化合物、ビニル基含有環状カーボネート系化合物、ビニレンカーボネート系化合物、環状スルフェート系化合物、スルトン系化合物、フッ素含有リチウムホスフェート系化合物、リチウムボレート系化合物、ラクトン系化合物、スルホニルイミド系化合物などを含むことができる。
【0085】
いくつかの実施形態では、前記補助添加剤の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%、0.1~7.5重量%、または0.3~5重量%であってもよい。前記範囲では、リチウム二次電池の寿命特性、出力特性、高温貯蔵特性などをより向上させることができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、前記電解液の全重量において、前記化学式1で表される化合物の含有量に対する前記補助添加剤の含有量の比は0.1~10、好ましくは0.1~7、より好ましくは0.5~5であってもよい。
【0087】
例えば、前記フッ素含有環状カーボネート系化合物は、5~7角の環状構造を有することができる。例えば、前記フッ素含有環状カーボネート系化合物は、炭素原子にフッ素原子が直接結合しているか、フッ素置換されたアルキル基(例えば、-CF3など)が結合していてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、前記フッ素含有環状カーボネート系化合物は、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などを含むことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、前記フッ素含有環状カーボネート系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、前記ビニル基含有環状カーボネート系化合物は、ビニルエチレンカーボネート(VEC)などを含むことができる。また、前記ビニレンカーボネート系化合物は、ビニレンカーボネート(VC)などを含むことができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、前記ビニル基含有環状カーボネート系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。また、前記ビニレンカーボネート系化合物の含有量は、電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0092】
例えば、前記環状スルフェート系化合物は、5~7角の環状構造を有することができる。いくつかの実施形態では、前記環状スルフェート系化合物は、エチレンスルフェート(ESA)、トリメチレンスルフェート(TMS)、メチルトリメチレンスルフェート(MTMS)、1,3-プロパンジオール・サイクリック・スルフェートなどを含むことができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、前記環状スルフェート系化合物は、ビサイクリック・スルフェート系化合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記ビサイクリック・スルフェート系化合物は、2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジチアスピロ[5.5]ウンデカン3,3,9,9-テトラオキシド、4,4’-ビ(1,3,2-ジオキサチオラン)]2,2,2’,2’-テトラオキシドなどを含むことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、前記環状スルフェート系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0095】
例えば、前記スルトン系化合物は、5~7角の環状構造を有することができる。いくつかの実施形態では、前記スルトン系化合物は、アルキルスルトン系化合物およびアルケニルスルトン系化合物の少なくとも一つを含むことができる。例えば、前記アルキルスルトン系化合物は環内飽和結合のみを有し、前記アルケニルスルトン系化合物は環内二重結合を含むことができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、前記アルキルスルトン系化合物は、1,3-プロパンスルトン(PS)、1,4-ブタンスルトンなどを含むことができる。また、前記アルケニルスルトン系化合物は、エテンスルトン、1,3-プロペンスルトン(PRS)、1,4-ブテンスルトン、1-メチル-1,3-プロペンスルトンなどを含むことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、前記スルトン系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0098】
例えば、前記フッ素含有リチウムホスフェート系化合物は、リン原子にフッ素原子が直接結合しているか、またはフッ素置換されたアルキル基(例えば、-CF3)が結合していてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、前記フッ素含有リチウムホスフェート系化合物は、リチウムジフルオロホスフェート、リチウムテトラフルオロオキサレートホスフェート、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートなどを含むことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、前記フッ素含有リチウムホスフェート系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、前記リチウムボレート系化合物は、リチウムテトラフェニルボレート、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiFOB)などを含むことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、前記リチウムボレート系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、前記ラクトン系化合物は、ビシクロラクトン系化合物および環内二重結合を含むラクトン系化合物の少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、前記ラクトン系化合物は、ミューコニックラクトン(muconic lactone)などを含むことができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、前記ラクトン系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、前記スルホニルイミド系化合物は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどを含むことができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、前記スルホニルイミド系化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~2重量%または0.1~1重量%であってもよい。
【0107】
例えば、前記有機溶媒は、前記リチウム塩、前記化学式1で表される化合物および前記補助添加剤に対して十分な溶解度を有することができる。一実施形態では、前記有機溶媒は非水系有機溶媒であってもよい。
【0108】
一実施形態では、前記有機溶媒は、カーボネート系溶媒、エステル系(カルボキシレート系)溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、非プロトン性溶媒などを含むことができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、前記カーボネート系溶媒は、線状カーボネート系溶媒および環状カーボネート系溶媒を含むことができる。
【0110】
例えば、前記線状カーボネート系溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC;dimethyl carbonate)、エチルメチルカーボネート(EMC;ethyl methyl carbonate)、ジエチルカーボネート(DEC;diethyl carbonate)、メチルプロピルカーボネート(methyl propyl carbonate)、エチルプロピルカーボネート(ethyl propyl carbonate)、ジプロピルカーボネート(dipropyl carbonate)などを含むことができる。
【0111】
例えば、前記環状カーボネート系溶媒は、エチレンカーボネート(EC;ethylene carbonate)、プロピレンカーボネート(PC;propylene carbonate)、ブチレンカーボネート(butylene carbonate)などを含むことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、前記有機溶媒は、体積を基準に、前記線状カーボネート系溶媒を前記環状カーボネート系溶媒よりも多く含むことができる。
【0113】
例えば、前記有機溶媒において、前記線状カーボネート系溶媒に対する環状カーボネート系溶媒の体積比は1:1~9:1、好ましくは1.5:1~4:1であってもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、前記エステル系溶媒は、線状エステル系溶媒および環状エステル系溶媒を含むことができる。
【0115】
例えば、前記線状エステル系溶媒は、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、エチルアセテートなどを含むことができる。
【0116】
例えば、前記環状エステル系溶媒は、ブチロラクトン、カプロラクトン、バレロラクトンなどを含むことができる。
【0117】
例えば、前記エーテル系溶媒は、ジブチルエーテル(dibutyl ether)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME;tetraethylene glycol dimethyl ether)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME;diethylene glycol dimethyl ether)、ジメトキシエタン(dimethoxyethane)、テトラヒドロフラン(THF;tetrahydrofuran)および2-メチルテトラヒドロフラン(2-methyltetrahydrofuran)の少なくとも1つを含むことができる。
【0118】
例えば、前記ケトン系溶媒は、シクロヘキサノン(cyclohexanone)などを含むことができる。
【0119】
例えば、前記アルコール系溶媒は、エチルアルコール(ethyl alcohol)およびイソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)の少なくとも1つを含むことができる。
【0120】
例えば、前記非プロトン性溶媒は、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)およびジオキソラン系溶媒(例えば、1,3-ジオキソラン)、スルホラン(sulfolane)系溶媒の少なくとも1つを含むことができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、前記有機溶媒は、前記カーボネート系溶媒を含むことができ、前記カーボネート系溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびジエチルカーボネート(DEC)の少なくとも1つを含むことができる。
【0122】
例えば、前記リチウム塩は、Li+X-で表すことができる。
【0123】
一実施形態では、前記リチウム塩の陰イオン(X-)は、F-、Cl-、Br-、I-、NO3
-、N(CN)2
-、BF4
-、ClO4
-、PF6
-、(CF3)2PF4
-、(CF3)3PF3
-、(CF3)4PF2
-、(CF3)5PF-、(CF3)6P-、CF3SO3
-、CF3CF2SO3
-、(CF3SO2)2N-、(FSO2)2N-、CF3CF2(CF3)2CO-、(CF3SO2)2CH-、(SF5)3C-、(CF3SO2)3C-、CF3(CF2)7SO3
-、CF3CO2
-、CH3CO2
-、SCN-および(CF3CF2SO2)2N-などであってもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、前記リチウム塩は、LiPF6、LiBF4、LiSbF6、LiAsF6、LiClO4、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)2、CF3SO3Li、LiC(CF3SO2)3などであってもよい。
【0125】
一実施形態では、前記リチウム塩は、前記有機溶媒に対して0.01~5M、好ましくは0.01~2Mの濃度で含むことができる。前記濃度範囲内では、電池の充放電時のリチウムイオン及び/又は電子の移動を円滑にすることができる。
【0126】
<リチウム二次電池>
本発明の例示的な実施形態によると、前記リチウム二次電池用電解液を含むリチウム二次電池が提供される。
【0127】
以下、図面を参照して、例示的な実施形態によるリチウム二次電池についてより詳細に説明する。
図2及び
図3は、それぞれ例示的な実施形態によるリチウム二次電池を示す概略的な平面透視図および断面図である。
【0128】
図2及び
図3を参照すると、リチウム二次電池は、正極100と、正極100に対向する負極130とを含むことができる。
【0129】
正極100は、正極集電体105と、正極集電体105上の正極活物質層110とを含むことができる。
【0130】
例えば、正極活物質層110は、正極活物質、必要によっては正極バインダーおよび導電材を含むことができる。
【0131】
例えば、正極100は、正極活物質、正極バインダー、導電材、分散媒などを混合及び攪拌して正極スラリーを製造した後、前記正極スラリーを正極集電体105上に塗布、乾燥及び圧延して製造することができる。
【0132】
例えば、正極集電体105は、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅、またはこれらの合金を含むことができる。
【0133】
例えば、前記正極活物質は、リチウムイオンの可逆的な挿入および脱離が可能なリチウム金属酸化物粒子を含むことができる。
【0134】
一実施形態では、前記リチウム金属酸化物粒子は、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムなどを含有することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、前記リチウム金属酸化物粒子はニッケルを含有し、前記リチウム金属酸化物粒子中のニッケルの含有量は、リチウムおよび酸素を除く全元素に対して80モル%以上であってもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、前記リチウム金属酸化物粒子は、LiNiO2、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、または下記化学式5で表すことができる。
【0137】
【0138】
化学式5において、Mは、Al、Zr、Ti、Cr、B、Mg、Mn、Ba、Si、Y、WおよびSrの少なくとも1つであり、0.9≦x≦1.2、1.9≦y≦2.1、0≦a+b≦0.5であってもよい。
【0139】
いくつかの実施形態では、化学式5において、a及びbは、0<a+b≦0.4、0<a+b≦0.3、0<a+b≦0.2または0<a+b≦0.1を満たすことができる。
【0140】
例えば、前記正極バインダーは、ポリビニリデンフルオライド(PVDF;polyvinylidenefluoride)、ビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF-co-HFP)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate)などの有機系バインダー;スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などの水系バインダーを含むことができる。また、例えば、前記正極バインダーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のような増粘剤と共に使用することもできる。
【0141】
例えば、前記導電材は、黒鉛、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなどの炭素系導電材;スズ、酸化スズ、酸化チタン、LaSrCoO3、LaSrMnO3などのペロブスカイト(perovskite)物質などの金属系導電材を含むことができる。
【0142】
負極130は、負極集電体125と、負極集電体125上の負極活物質層120とを含むことができる。
【0143】
例えば、負極活物質層120は、負極活物質、必要によっては負極バインダーおよび導電材を含むことができる。
【0144】
例えば、負極130は、負極活物質、負極バインダー、導電材、溶媒などを混合及び攪拌して負極スラリーを製造した後、前記負極スラリーを負極集電体125上に塗布、乾燥及び圧延して製造することができる。
【0145】
例えば、負極集電体125は、金、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、銅またはこれらの合金を含むことができ、好ましくは銅または銅合金を含むことができる。
【0146】
例えば、前記負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる物質であってもよい。例えば、前記負極活物質は、リチウム合金、炭素系活物質、シリコン系活物質などを含むことができる。
【0147】
例えば、前記リチウム合金は、アルミニウム、亜鉛、ビスマス、カドミウム、アンチモン、シリコン、鉛、スズ、ガリウム、インジウムなどを含むことができる。
【0148】
例えば、前記炭素系活物質は、結晶質炭素、非晶質炭素、炭素複合体、炭素繊維などを含むことができる。
【0149】
例えば、前記非晶質炭素は、ハードカーボン、コークス、1500℃以下で焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB;mesocarbon microbead)、メソフェーズピッチ系炭素繊維(MPCF;mesophase pitch-based carbon fiber)などを含むことができる。例えば、前記結晶質炭素は、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化コークス、黒鉛化MCMB、黒鉛化MPCFなどを含むことができる。
【0150】
一実施形態では、前記負極活物質は、シリコン系活物質を含むことができる。例えば、前記シリコン系活物質は、Si、SiOx(0<x<2)、Si/C、SiO/C、Si-金属(Metal)などを含むことができる。
【0151】
前記負極バインダーおよび導電材は、前述の正極バインダーおよび導電材と実質的に同一または類似の物質であってもよい。例えば、前記負極バインダーは、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)などの水系バインダーであってもよい。また、例えば、前記負極バインダーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)のような増粘剤と共に使用することができる。
【0152】
一実施形態では、正極100と負極130との間に分離膜140を介在することができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、負極130の面積は、正極100の面積よりも大きくてもよい。この場合、正極100から生成されたリチウムイオンが途中で析出することなく負極130に円滑に移動することができる。
【0154】
例えば、分離膜140は、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン・ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体などのような、ポリオレフィン系高分子から製造した多孔性高分子フィルムを含むことができる。また、例えば、分離膜140は、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などで形成された不織布を含むことができる。
【0155】
例えば、正極100、負極130及び分離膜140を含んで電極セルを形成することができる。
【0156】
例えば、複数の電極セルを積層して電極組立体150を形成することができる(但し、
図3では、都合上、1つの電極セルを示している。)。
【0157】
例えば、分離膜140の巻き取り(winding)、積層(lamination)、ジグザグ折り畳み(z-folding)などにより電極組立体150を形成することができる。
【0158】
例示的な実施形態によるリチウム二次電池は、正極100に接続され、ケース160の外部に突出する正極リード107と、負極130に接続され、ケース160の外部に突出する負極リード127とを含むことができる。
【0159】
例えば、正極100と正極リード107は、電気的に接続されていてもよい。同様に、負極130と負極リード127は、電気的に接続されていてもよい。
【0160】
例えば、正極リード107は、正極集電体105と電気的に接続することができる。また、負極リード130は、負極集電体125と電気的に接続することができる。
【0161】
例えば、正極集電体105は、一側に突出部(正極タブ、106)を含むことができる。正極タブ106上には、正極活物質層110が形成されていなくてもよい。正極タブ106は、正極集電体105と一体であってもよく、溶接等により連結されていてもよい。正極タブ106を介して正極集電体105と正極リード107とが電気的に接続されていてもよい。
【0162】
同様に、負極集電体125は、一側に突出部(負極タブ、126)を含むことができる。前記負極タブ上には、負極活物質層120が形成されていなくてもよい。負極タブ126は、負極集電体125と一体であってもよく、溶接等により連結されていてもよい。負極タブ126を介して負極集電体125と負極リード127とが電気的に接続されていてもよい。
【0163】
一実施形態では、電極組立体150は、複数の正極および複数の負極を含むことができる。例えば、複数の正極及び複数の負極は互いに交互に配置することができ、正極と負極との間に分離膜を介在することができる。これにより、本発明の一実施形態によるリチウム二次電池は、前記複数の正極及び複数の負極のそれぞれから突出した複数の正極タブ及び複数の負極タブを含むことができる。
【0164】
一実施形態では、前記正極タブ(または、負極タブ)は、積層、圧着および溶接されて正極タブ積層体(または、負極タブ積層体)を形成することができる。前記正極タブ積層体は、正極リード107と電気的に接続することができる。また、前記負極タブ積層体は、負極リード127と電気的に接続することができる。
【0165】
例えば、電極組立体150および前述の電解液をケース160内に共に収容し、リチウム二次電池を形成することができる。
【0166】
前記リチウム二次電池は、例えば、円筒型、角型、ポーチ(pouch)型、コイン型などで製造することができる。
【0167】
以下、本発明の好適な実施例および比較例を示す。しかし、下記実施例は、本発明の1つの好適な実施例にすぎず、本発明を限定するものではない。
【0168】
製造例
反応器にエチレンカーボネート(EC)およびジメチルカーボネート(DMC)を3:7の体積比で混合した溶媒1,000gおよびリチウムジフルオロホスフェート(LiPO2F2)50gを投入して攪拌し、トリエチルアンモニウムエテンスルホネート(triethylammonium ethenesulfonate)97gを追加投入した。
【0169】
前記反応器内の混合物を常温で約7時間撹拌して反応を行った。反応が終了した後、生成された結晶物をろ過し、DMCで洗浄し、真空乾燥して、白色の目的物(収率:約90%)を得た。
【0170】
前記目的物に対してSC-XRDを用いて3次元構造分析を行い、
図1に示す。SC-XRD分析データは下記表1に示す。
【0171】
SC-XRD分析により、前記目的物が目的とする構造(下記化学式6)を有することを確認した。
【0172】
【0173】
【0174】
実施例および比較例
(1)電解液の調製
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7(v/v)で混合した混合溶媒を用いて、1.0MのLiPF6溶液を調製した。
前記LiPF6溶液に、電解液全重量(100wt%)を基準に、下記表2に従って添加剤を投入して、実施例および比較例の電解液を調製した。
【0175】
(2)リチウム二次電池の製造
Li(Ni0.6Co0.2Mn0.2)O2、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)およびカーボンブラックを92:4:4の重量比でN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に分散し、正極スラリーを製造した。
【0176】
前記正極スラリーを、一側に突出部(以下、「正極タブ」)を有するアルミ箔(厚さ:20μm)上に塗布し(突出部は除く。)、乾燥および圧延して正極を製造した。
【0177】
結晶性人造黒鉛、アセチレンブラックおよびPVDFを92:1:7の重量比でNMPに分散し、負極スラリーを製造した。
【0178】
前記負極スラリーを、一側に突出部(以下、「負極タブ」)を有する銅箔(厚さ:15μm)上に塗布し(突出部は除く。)、乾燥および圧延して負極を製造した。
【0179】
前記正極と前記負極との間にポリエチレン分離膜(厚さ:20μm)を介在してセルを形成した。前記正極タブおよび前記負極タブに、それぞれ正極リードおよび負極リードを溶接して連結した。
【0180】
前記正極リードおよび前記負極リードの一部の領域が外部に露出するように、前記セルをポーチ内に収納した。
【0181】
前記ポーチの内部に電解液を注入し、ポーチをシールおよび密封してリチウム二次電池を製造した。
【0182】
【0183】
評価方法
1.25℃寿命特性の評価
(1)初期放電容量の測定
実施例及び比較例のリチウム二次電池を1C CC/CV充電(4.2V CUT-OFF)した後、1C CC放電(3V CUT-OFF)して初期放電容量C1を測定した。
【0184】
(2)500回繰り返し充放電後の容量維持率
実施例および比較例のリチウム二次電池に対して、前記充放電過程を繰り返し500回行い、500回目の放電容量C2を測定した。
容量維持率は、以下のように、C1に対するC2の百分率で算出した。
初期放電容量、500回放電容量および容量維持率を表3および4に示す。
容量維持率(%)=C2/C1×100(%)
【0185】
(3)微分容量曲線(dQ/dV)
実施例2及び比較例1のリチウム二次電池を0.2C CC/CV充電(4.2V CUT-OFF)した後、0.2C CC放電(2.75V CUT-OFF)して、充放電容量を電圧に微分して微分容量曲線と電圧の関係を導き出した。
プロットした微分容量曲線は
図4に示す。
【0186】
(4)交流インピーダンス
実施例2及び比較例1のリチウム二次電池を1C CC/CV充電(4.2V CUT-OFF)した後、インピーダンス分析器(Impedance analyzer)を用いて交流インピーダンスを測定した。
交流インピーダンスのグラフは
図5に示す。
【0187】
2.25℃出力特性の評価
実施例及び比較例のリチウム二次電池を1C CC/CV充電(4.2V CUT-OFF)した後、440mAまで2C CC放電した。その後、Cレート(C-rate)を0.5C、1C、2C、4Cに変えてそれぞれ10秒間放電および補充電してDCIRを測定した。
測定されたDCIRの値で出力(pulse power)値を算出し、下記の表3及び5に示す。
【0188】
【0189】
前記表3から分かるように、実施例1及び2のリチウム二次電池は、比較例1及び17のリチウム二次電池に比べて向上した寿命特性および出力特性を示した。
【0190】
例えば、実施例1及び2のリチウム二次電池は、比較例1及び17のリチウム二次電池の容量維持率値に比べて3.9%~6.4%向上した容量維持率値を示した。また、実施例1及び2のリチウム二次電池は、比較例1及び17のリチウム二次電池の出力値に比べて7.5%~13.4%向上した出力値を示した。
【0191】
比較例17を参照すると、トリエチルアンモニウムエテンスルホネートが反応性の高いリチウム塩(LiPF6)と優先的に反応して製造例の化合物が生成されず、これにより、比較例17のリチウム二次電池は、実施例1及び2のリチウム二次電池に比べて劣れた容量維持率および出力値を示した。
【0192】
図4を参照すると、製造例の化合物は2.1Vの電圧に還元及び分解されて負極上にSEI(Solid electrolyte interface)膜を形成して、2.9Vの電圧で発生するエチレンカーボネート(EC)の分解を抑制することにより、リチウム二次電池の性能を向上させることを確認できる。
【0193】
図5を参照すると、製造例の化合物は低周波領域の正極側抵抗を減少させてリチウム二次電池の性能を向上させることを確認できる。
【0194】
【0195】
上記表4を参照すると、製造例1の化合物と特定の添加剤を組み合わせて使用する場合には、リチウム二次電池の寿命特性がより向上することを確認できる。
【0196】
例えば、実施例3~11のリチウム二次電池は、比較例2~10のリチウム二次電池に比べて4.2%~5.8%向上した容量維持率値を示した。
【0197】
【0198】
前記表5を参照すると、製造例1の化合物と特定の添加剤を組み合わせて使用する場合には、リチウム二次電池の出力特性がより向上することを確認することができる。
【0199】
例えば、実施例12~17のリチウム二次電池は、比較例11~16のリチウム二次電池に比べて4.7%~7.0%向上した出力値を示した。
【0200】
例えば、製造例1の化合物は、添加剤C-1~C-6によって形成された負極上のSEI膜の構造を変形させることができる。これにより、リチウム二次電池の寿命特性および出力特性をより向上させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物。
【化1】
(化学式1において、
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;
または置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基であり、
R
2~R
5は、互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、
Mは、アルカリ金属であり、
Y
+は、陽イオン性物質であ
り、
前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも1つで置換されることを意味する。)
【請求項2】
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、及びシアノ基の少なくとも一つで置換されることを意味し、
R
2~R
5の少なくとも1つはハロゲンであり、
Mは、Li、NaまたはKであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、
Ra~Rdは互いに独立して、水素またはC1-C6のアルキル基であり、Ra~Rdの少なくとも1つは水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも一つで置換されることを意味し、
R
2~R
5は、いずれもハロゲンであり、
Mは、Liであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、Raは水素であり、Rb~Rdは互いに独立してC1-C3のアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
下記化学式2で表される化合物と下記化学式3で表される化合物とを反応させるステップを含む、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【化2】
(化学式2において、
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;
または置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基であり、Y
+は、陽イオン性物質であ
り、前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも1つで置換されることを意味する。)
【化3】
(化学式3において、
R
2及びR
3は、互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、M
+は、アルカリ金属イオンであ
り、前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも1つで置換されることを意味する。)
【請求項5】
リチウム塩と、
有機溶媒と、
下記化学式1で表される化合物とを含むリチウム二次電池用電解液。
【化4】
(化学式1において、
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基;置換若しくは非置換のC2-C6のアルキニル基;置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルキル基;
または置換若しくは非置換のC3-C7のシクロアルケニル基であり、
R
2~R
5は互いに独立して、ハロゲン;または置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基であり、
Mは、アルカリ金属であり、
Y
+は、陽イオン性物質であ
り、
前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも1つで置換されることを意味する。)
【請求項6】
R
1は、置換若しくは非置換のC1-C6のアルキル基;または置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも一つで置換されることを意味し、
R
2~R
5の少なくとも1つはハロゲンであり、
Mは、Li、NaまたはKであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、
Ra~Rdは互いに独立して、水素またはC1-C6のアルキル基であり、Ra~Rdの少なくとも1つは水素である、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項7】
R
1は、置換若しくは非置換のC2-C6のアルケニル基であり、
前記「置換」とは、ハロゲン、C1-C6のアルキル基、C2-C6のアルケニル基、C2-C6のアルキニル基、C1-C6のアルコキシ基、ニトロ基、およびシアノ基の少なくとも一つで置換されることを意味し、
R
2~R
5は、いずれもハロゲンであり、
Mは、Liであり、
Y
+は、N
+RaRbRcRdであり、Raは水素であり、Rb~Rdは互いに独立してC1-C3のアルキル基である、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項8】
前記化学式1で表される前記化合物の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%である、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項9】
前記有機溶媒は、線状カーボネート系溶媒、環状カーボネート系溶媒、線状エステル系溶媒、環状エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、および非プロトン性溶媒の少なくとも1つを含む、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項10】
フッ素含有環状カーボネート系化合物、ビニル基含有環状カーボネート系化合物、ビニレンカーボネート系化合物、環状スルフェート系化合物、スルトン系化合物、フッ素含有リチウムホスフェート系化合物、リチウムボレート系化合物、ラクトン系化合物およびスルホニルイミド系化合物の少なくとも1つを含む補助添加剤をさらに含む、請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項11】
前記補助添加剤の含有量は、前記電解液の全重量に対して0.01~10重量%である、請求項10に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項12】
前記電解液
の全重量において、前記化学式1で表される前記化合物の含有量に対する前記補助添加剤の含有量の比は0.1~10である、請求項11に記載のリチウム二次電池用電解液。
【請求項13】
正極と、
前記正極に対向する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在する分離膜と、
請求項5に記載のリチウム二次電池用電解液とを含む、リチウム二次電池。
【国際調査報告】