(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ミルク含有流体に甘味付けする方法、供給装置、甘味付けユニットおよび甘味付けユニットの使用
(51)【国際特許分類】
A47J 31/40 20060101AFI20231102BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20231102BHJP
A47J 31/46 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A47J31/40 101
A47J31/44 410
A47J31/46
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023519901
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2021071349
(87)【国際公開番号】W WO2022069098
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520514609
【氏名又は名称】ユーラ エレクトロアパラーテ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Jura Elektroapparate AG
【住所又は居所原語表記】Kaffeeweltstrasse 10, 4626 Niederbuchsiten, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ グローブ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA17
4B104BA40
4B104EA30
(57)【要約】
まとめると、本発明は、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内することを特徴とする、ミルク含有流体に甘味付けする方法に関する。このためには、流体入口(4)と流体出口(5)とが、甘味料を通過する流体流を発生させることができるように形成されている、供給装置(2)用の甘味付けユニット(1)が使用され得る。甘味付けユニット(1)は、好適には再度取外し可能にミルクガイドユニット(19)のミルク出口(20)に被せ嵌められていてよい(
図2A参照)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルク含有流体に甘味付けする方法であって、
前記ミルク含有流体を、甘味料を通過させて、特に甘味料で満たされた容器(3)を通過させて案内し、通過させて案内するということは、前記ミルク含有流体が、前記甘味料を成す物質が占める容積を通過して案内されることにより行われることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ミルク含有流体の粘度は、前記甘味料の粘度よりも低く、かつ/または前記ミルク含有流体を形成するために、ミルクを、まず泡立ててから前記容器(3)に導入し、特に、泡立てのためにミルクを蒸気に混ぜる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ミルク含有流体を前記容器(3)内へ噴射するかまたは高速で前記容器(3)内に導入し、これにより、前記ミルク含有流体を、前記甘味料を通過させて案内し、かつ/または前記容器(3)に流入する前記ミルク含有流体を、流れ障害物、特に前記容器(3)の壁(23,11)、隔壁(7)および/または底部(6)により変向させ、この場合、好適には、前記ミルク含有流体は方向転換させられた後に、前記容器(3)から流出する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記ミルク含有流体が前記甘味料内へ流入した後に、前記ミルク含有流体が再び上方に向かって流出するように、前記ミルク含有流体を、前記甘味料を通過させて案内し、かつ/または前記ミルク含有流体が流入時に下方に向けられておりかつ/または上向きの速度成分を有さないように、前記ミルク含有流体を前記容器(3)内へ噴射するかまたは導入する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記甘味料は、例えばシロップ等の液状の甘味料であり、かつ/または前記甘味料は、例えば結晶状の砂糖等の固形物であり、かつ/または前記甘味料は、形状安定性を有していない、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記甘味料は、前記ミルク含有流体の導入時には静止している、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ミルク含有流体用の供給装置(2)、特に全自動コーヒーマシンおよび/またはミルクフォーマ(2)のための甘味付けユニット(1)であって、当該甘味付けユニット(1)は、甘味料用の容器(3)と、流体入口(4)と、流体出口(5)とを有している、甘味付けユニット(1)において、
前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、前記甘味料を通過する流体流を発生させることができるように形成されており、特に、前記流体出口(5)は、溢流部(5)として形成されており、かつ/または前記容器(3)は、桶状に形成されていることを特徴とする、甘味付けユニット(1)。
【請求項8】
前記流体出口(5)は、当該甘味付けユニット(1)の底部(6)から上向きに突出する、好適には円筒状にかつ/または全ての側の周りで流動可能であるように形成された溢流シュラウド(5)として形成されており、特に該溢流シュラウド(5)は、少なくとも下部領域において側方を完全に閉鎖されておりかつ/または閉鎖された前記領域の上側は開放されておりかつ/または下側は開放されている、請求項7記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項9】
前記流体入口(4)は、当該甘味付けユニット(1)の底部(6)または前記底部(6)から上向きに突出する、好適には円筒状に形成された入口シュラウド(4)として形成されており、該入口シュラウド(4)は、少なくとも所定の領域において側方を完全には閉鎖されておらず、特に前記入口シュラウド(4)は、内側において上方を開放されておりかつ下方を閉鎖されており、かつ/または前記流体入口(4)は、少なくとも1つのスリット(8)を有しており、特に該スリット(8)は、鉛直方向に延びており、かつ/または前記スリット(8)は、入口シュラウド(4)または前記入口シュラウド(4)において側方に形成されている、請求項7または8記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項10】
前記流体入口(4)は、その上端部に内向きに曲げられたつば(9)を有しており、特に該つば(9)は、上側を面取りされており、かつ/または前記流体入口(4)は、少なくとも一方の自由端部(10)に、弾性的な横断面を有している、請求項7から9までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項11】
前記流体入口(4)、特に前記入口シュラウド(4)は、前記流体出口(5)よりも高く上方に突出しており、かつ/または前記溢流部(5)は、全ての側において当該甘味付けユニット(1)の側方の周縁部(11)から間隔をあけて配置されており、特に前記溢流部(5)は、外側に縁部を形成しておらず、かつ/または前記側方の周縁部(11)は、内側に縁部を形成していない、請求項7から10までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項12】
前記溢流部(5)の第1の側壁(12)は、外面において、前記流体入口(4)の第1の開口(8)の側縁部(13)に整合して続いており、特に、前記第1の側壁(12,14)とは反対の側に位置する第2の側壁(14,12)は、外面において、前記流体入口(4)の第2の開口(8)の側縁部(15)に整合して続いている、請求項7から11までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項13】
スリット(8)または前記スリット(8)は、前記流体入口(4)において上方を閉じられており、特に、前記流体出口(5)は、上方に向かって前記スリット(8)を越えているか、または前記スリット(8)は、上方に向かって前記流体出口(5)を越えており、かつ/または前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、互いに間隔をあけて配置されている、請求項7から12までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項14】
前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、互いに移行し合っており、特に、前記溢流シュラウド(5)の所定の領域(16)が、同時に前記入口シュラウド(4)の所定の領域(16)を形成している、請求項7から13までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項15】
当該甘味付けユニット(1)は、好適には前記流体入口(4)の領域に、開いた蓋(17)を有しており、特に、該蓋(17)および/または当該甘味付けユニット(1)は、当該甘味付けユニット(1)に甘味料を充填するための開口(18)を有しており、かつ/または前記蓋(17)は、前記容器(3)を開閉可能な機構、好適にはフラップ機構を有している、請求項7から14までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項16】
前記容器(3)内に、該容器(3)を部分的にのみ、好適には大部分を閉鎖する隔壁(7)が形成されており、特に、該隔壁(7)は、前記容器内の下方にかつ/または側方に、開口(33)を残しており、かつ/または前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、前記隔壁(7)の同じ側に形成されている、請求項7から15までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項17】
甘味付けユニット(1)と基本装置とを備えた、ミルク含有流体用の供給装置(2)、特に全自動コーヒーマシンであって、前記基本装置は、ミルク含有流体用のミルク出口(20)を備えたミルクガイドユニット(19)を有している、供給装置(2)において、
前記甘味付けユニット(1)は、前記ミルク出口(20)に好適には再度取外し可能に被せ嵌め可能であるかまたは被せ嵌められており、かつ請求項7から16までのいずれか1項に基づき形成されていることを特徴とする、供給装置(2)。
【請求項18】
前記ミルクガイドユニット(19)は、ミルクフォーマ(2)を有しており、かつ/または前記甘味付けユニット(1)は、旋回可能に被せ嵌め可能であるかまたは被せ嵌められており、特に、旋回軸線(21)は、前記ミルク出口(20)の軸線(22)により形成されている、請求項17記載の供給装置(2)。
【請求項19】
特に全自動コーヒーマシンおよび/または請求項17または18記載のミルク含有流体用の供給装置における、特に請求項1から6までのいずれか1項記載の方法で前記ミルク含有流体に甘味付けするための、請求項7から16までのいずれか1項記載の甘味付けユニットの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルク含有流体に甘味付けする方法に関する。このような方法は、実地から周知である。例えば、例えば砂糖等の甘味料を添加し、次いで甘味付けされたミルクをホットドリンク、例えばコーヒーに加えることが知られている。
【0002】
本発明はさらに、ミルク含有流体用の供給装置のための甘味付けユニットに関し、この場合、甘味付けユニットは、甘味料用容器と、流体入口と、流体出口とを有している。このような甘味付けユニットは、実地から周知である。全自動コーヒーマシンの場合には、例えば、甘味料用容器と、流体入口と、流体出口とを有するフレーバーステーションを設けることが知られており、この場合、フレーバーステーションにおいて甘味料が、通過案内される流体に能動的に混加される。
【0003】
本発明はさらに、甘味付けユニットと基本装置とを備えた、ミルク含有流体用の供給装置に関し、この場合、基本装置は、ミルク含有流体用のミルク出口を備えたミルクガイドユニットを有している。これらの技術的な特徴を有する全自動コーヒーマシンは、既に市場に存在している。
【0004】
本発明はさらに、ミルク含有流体に甘味付けするための、ミルク含有流体用の供給装置における甘味付けユニットの使用に関する。
【0005】
本発明の根底を成す課題は、ミルク含有流体に甘味付けするプロセスおよび甘味付けの結果を改良することにある。
【0006】
この課題を解決するために、本発明は、請求項1記載の特徴を提案する。つまり、特に本発明では、ミルク含有流体に甘味付けする方法において前記課題を解決するために、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内することを提案する。好適には、ミルク含有流体を、甘味料で満たされた容器を通過させて案内する。ミルク含有流体は、例えば液状のミルク、ミルク・空気混合物、泡立てられたミルクまたはミルク成分を含むその他の流体であってよい。この場合、流体は、この流体がガス状または液状の状態、または任意の中間形態を有していることを特徴としていてよい。
【0007】
したがって本発明は、甘味料をミルク含有流体に添加するという従来の原理を逆転させることを想定している。本発明では、この原理の逆転において、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内する。これにより、ミルク含有流体が均一にかつ良好に管理可能に甘味付けされる、ということが達成され得る。
【0008】
甘味料を通過させて案内するということは、ミルク含有流体が、甘味料を成す物質が占める容積を通過して案内される、ということを特徴としていてよい。よって、甘味料が例えば空気で満たされた中空空間を包囲しており、ミルク含有流体がこの中空空間を通過して案内される場合、ミルク含有流体は、甘味料自体を通過して案内されるのではなく、甘味料外に位置する容積を通過して案内される。
【0009】
甘味料が例えば小さな粒から成っている場合には、流体が、粒により包囲された容積内に導入され、この容積から再び流出すると、流体は、甘味料を通過して案内されたことになる。甘味料は、好適には流体の特性を有している。このような特性は、例えば液状の甘味料が有しているが、粒状の甘味料も有している。択一的または追加的に、甘味料は、形状安定性ではない、ということが想定されていてよい。上述した各ケースにおいて、甘味料が占める体積内に中空空間が形成されていなくてもよく、甘味料が占める体積は、上方に対して限定された上面を有している。この体積は、甘味料が漏出しないように、例えば容器の底部により下方に対して限定されていてよい。下方の限定部と、甘味料の上面とが、甘味料が占める体積を画定する。このようなケースでは、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内するということに、ミルク含有流体が体積内に流入し、再びこの体積から流出する、ということが含まれる。
【0010】
当該方法の1つの好適な構成では、ミルク含有流体の粘度は、甘味料の粘度よりも低い、ということが想定されていてよい。このことは、流体を、甘味料を通過させて案内することを容易にする。
【0011】
択一的または追加的に、ミルク含有流体を形成するために、ミルクを、まず泡立ててから容器に導入する、ということが想定されていてよい。好適には、ミルクの泡立て用に、蒸気によるベンチュリ効果を利用して負圧を形成し、これにより、ミルクと空気とを引き付けて、混合室内で空気・ミルク混合物を泡立てる。好適には、ミルクは蒸気により加熱される。
【0012】
当該方法の1つの別の有利な構成では、ミルク含有流体を容器内へ噴射するかまたは高速で容器内に導入し、これにより、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内する、ということが想定されていてよい。噴射または高速での導入は、良好に調量することができ、ひいては管理して甘味料を通過させて案内することが達成され得る。
【0013】
当該方法の1つの別の有利な構成では、容器に流入するミルク含有流体を、流れ障害物により変向させる、ということが想定されていてよい。この場合、好適には、ミルク含有流体は方向転換させられた後に、容器から流出する。流れ障害物は、例えば容器の壁、隔壁および/または底部により形成されていてよい。変向および方向転換は、ミルク含有流体と甘味料との混合を促進させる。
【0014】
当該方法の1つの別の有利な構成では、ミルク含有流体が甘味料内へ流入した後に、ミルク含有流体が再び上方に向かって流出するように、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内する、ということが想定されていてよい。択一的または追加的に、ミルク含有流体が流入時に下方に向けられておりかつ/または上向きの速度成分を有さないように、ミルク含有流体を容器内へ噴射するかまたは導入する、ということが想定されていてもよい。このような構成は、ミルク含有流体と甘味料との混合をさらに促進させることができる。
【0015】
当該方法の1つの別の有利な構成では、甘味料は、液状の甘味料である、ということが想定されていてよい。甘味料は、例えばシロップであってよい。択一的または追加的に、甘味料は、固形物である、ということが想定されていてよい。例えば、甘味料は、結晶状の砂糖であってよい。さらに択一的または追加的に、甘味料は、形状安定性を有していない、ということが想定されていてよい。この特性は、例えば液状の甘味料または結晶状の粒から成る砂糖が有している。
【0016】
当該方法の1つの別の有利な構成では、甘味料は、ミルク含有流体の導入時には静止している、ということが想定されていてよい。これにより、例えば甘味料の提供を容易にすることができる。
【0017】
前記課題を解決するために、本発明では、甘味付けユニットに関する並列請求項に記載の特徴が想定されている。つまり、特に本発明に基づき冒頭に述べた形式の甘味付けユニットにおいて前記課題を解決するためには、流体入口と流体出口とが、甘味料を通過する流体流を生ぜしめることができるように形成されていることを提案する。好適には、流体出口は溢流部として形成されている。さらに容器は、好適には桶状に形成されている。供給装置は、好適には全自動コーヒーマシンおよび/またはミルクフォーマである。流体入口と流体出口との間に流体流が形成可能であることにより、ミルク含有流体を、容器内に位置する甘味料を通過させて案内することができる、ということが達成可能である。これに関する利点は、既に上述した。
【0018】
流体出口が溢流部として形成されていると、溢流部の下に位置する充填レベルまで、容器に甘味料を充填することができる。ミルク含有流体を容器内に導入し、甘味料を通過させて案内すると、ミルク含有流体は、溢流部を越えて容器から再び流出することができる。このことは、ミルク含有流体の導入により容器内の充填レベルが上昇し、次いで上方に達した、甘味料が添加されたミルク含有流体が、溢流部を越えて容器から再び流出することにより行われてもよい。
【0019】
甘味付けユニットの1つの有利な構成では、流体出口は、甘味付けユニットの底部から上向きに突出する溢流シュラウドとして形成されている、ということが想定されていてよい。好適には、溢流シュラウドは、円筒状にかつ/または全ての側の周りで流動可能であるように形成されている。さらに溢流シュラウドは、好適には少なくとも下部領域において側方を完全に閉鎖されておりかつ/または閉鎖された領域の上側および/または下側は開放されている。特に前記溢流部は、このような溢流シュラウドとして形成されていてよい。流体出口のこのような構成は、流体出口を包囲するように甘味料を配置することができると共に、ミルク含有流体を管理して、甘味料を通過させて案内することができる、という利点を有している。
【0020】
甘味付けユニットの1つの別の有利な構成では、流体入口は、甘味付けユニットの底部、例えば既に上述した底部から上向きに突出する入口シュラウドとして形成されており、入口シュラウドは、少なくとも所定の領域において側方を完全には閉鎖されていない、ということが想定されていてよい。入口シュラウドは、好適には円筒状に形成されている。さらに入口シュラウドは、好適には内側において上方を開放されておりかつ下方を閉鎖されている。択一的または追加的に、流体入口は、少なくとも1つのスリットを有している、ということが想定されていてよい。好適には、スリットは鉛直方向に延びている。さらにスリットは、好適には入口シュラウド、例えば既に上述した入口シュラウドにおいて側方に形成されている。このような構成は、ミルク含有流体を管理して高圧で容器内ひいては甘味料内へ噴射することができる、という利点を有している。
【0021】
甘味付けユニットの1つの有利な構成では、流体入口は、その上端部に内向きに曲げられたつばを有している、ということが想定されていてよい。好適には、つばは上側を面取りされている。択一的または追加的に、流体入口は、少なくとも一方の自由端部に、弾性的な横断面を有している、ということが想定されていてよい。
【0022】
流体入口は、流体出口よりも高く上方に突出している、ということが想定されていてよい。これに関して好適には、流体入口は、入口シュラウドとして形成されている。これにより、噴射範囲が増大される、ということが達成され得る。
【0023】
択一的または追加的に、溢流部は、全ての側において甘味付けユニットの側方の周縁部から間隔をあけて配置されている、ということが想定されていてよい。この場合、好適には、溢流部は、外側に縁部を形成しておらず、かつ/または側方の周縁部は、内側に縁部を形成していない。このような構成は、容器内へ導入されたミルク含有流体の変向および方向転換を支援する。
【0024】
甘味付けユニットの1つの構成では、溢流部の第1の側壁は、外面において、流体入口の第1の開口の側縁部に整合して続いている、ということが想定されていてよい。好適には、第1の側壁とは反対の側に位置する第2の側壁は、外面において、流体入口の第2の開口の側縁部に整合して続いている。この場合、1つまたは複数の開口を介して導入された流体を、側壁に沿って案内することができ、ひいては所望の形式で変向させることができる。
【0025】
甘味付けユニットの1つの有利な構成では、スリット、例えば上述したスリットは、流体入口において上方を閉じられている、ということが想定されていてよい。好適には、スリットは流体出口の上端部の下側で終わっている。これにより、飛沫が流体出口に達することを防ぐことができる。ただし、スリットは上方に向かって流体出口を越えている、ということが想定されていてもよい。スリットの上方を制限することは、さもなければ上方の供給装置を汚す恐れのある飛沫が回避され得る、という利点を有している。一方では、上方の間隔の方が大きくなっている。他方では、甘味料はスリットの上まで容器に充填されてよく、これにより、スリットを介して導入されたミルク含有流体がまず甘味料内に流入することで、飛沫がそもそも甘味料から上方に向かって流出することも同様に防止される。
【0026】
流体入口と流体出口とは、互いに間隔をあけて配置されている、ということが想定されていてよい。この間隔をあけた配置は、これにより甘味料を通過する流体流の自由経路を増やすことができるため、有利であってよい。
【0027】
流体入口と流体出口とは、互いに移行し合っている、ということが想定されていてよい。好適には、溢流シュラウドの所定の領域が、同時に入口シュラウドの所定の領域を形成している。このような構成は、導入されたミルク含有流体の流出に流体の方向転換を必要とすることにより、混合が改善される、という利点を有している。
【0028】
甘味付けユニットの1つの別の有利な構成では、甘味付けユニットは、開いた蓋を有している、ということが想定されていてよい。好適には、甘味付けユニットは、流体入口の領域に開いた蓋を有している。
【0029】
1つの別の好適な態様では、蓋および/または甘味付けユニットは、甘味付けユニットに甘味料を充填するための開口を有している。
【0030】
蓋の存在は、容器の内部に生じる飛沫が供給装置を汚す恐れがない、という利点を有している。開口を介して甘味料を、蓋を取り外さなくても、または開放機構を作動させずとも、容器内に充填することができる。
【0031】
蓋に設けられた開口から飛沫が流出することを防止するために、蓋は、容器を開閉可能な機構を有していてよい。例えば、蓋はフラップを有していてよい。蓋は、容器に甘味料を充填するために機構を介して開放され得、充填後には再び閉鎖され得る。好適には、流体が流入し得る開口を除いて、蓋は機構を介して完全に閉鎖可能である。
【0032】
甘味付けユニットの1つの別の有利な構成では、容器内に、容器を部分的にのみ閉鎖する隔壁が形成されている、ということが想定されていてよい。好適には、隔壁は容器の大部分を閉鎖する。特に、開口が、間隙を形成している、ということが想定されていてよい。さらに隔壁は、容器内の好適には下方にかつ/または側方に、開口を残している。さらに好適には、流体入口と流体出口とは、隔壁の同じ側に形成されている。隔壁は、隔壁の向こう側に位置する甘味料が極度に速く逆流せずに、純粋な甘味料が隔壁のこちら側に配置された流体出口から流出し得る、ということをもたらすことができる。
【0033】
前記課題を解決するために、本発明では、ミルク含有流体用の供給装置に関する並列請求項に記載の特徴が想定されている。つまり、特に本発明に基づき冒頭で述べた形式の供給装置において前記課題を解決するためには、甘味付けユニットは、ミルク出口に被せ嵌め可能であるかまたは被せ嵌められており、本発明に基づき、特に上述したようにかつ/または甘味付けユニットに関する保護請求項のうちの1つに基づき形成されていることを提案する。好適には、甘味付けユニットは、再度取外し可能である。このことは、特に全自動コーヒーマシンであってよい供給装置は、甘味付けユニット無しでも使用可能のままであり、甘味付けユニットは、任意に使用可能でもある、という利点を有している。
【0034】
供給装置の1つの有利な構成では、ミルクガイドユニットは、ミルクフォーマを有している、ということが想定されていてよい。択一的または追加的に、甘味付けユニットは、旋回可能に被せ嵌め可能であるかまたは被せ嵌められている、ということが想定されていてよい。この場合、好適には、旋回軸線は、ミルク出口の軸線により形成されている。このような構成は、甘味付けユニットは簡単に新規に充填可能でありかつ/または洗浄され得る、という利点を有している。
【0035】
前記課題を解決するために、本発明では、甘味付けユニットの使用に関する並列請求項に記載の特徴が想定されている。つまり、特に本発明に基づき甘味付けユニットの使用において前記課題を解決するためには、ミルク含有流体用の供給装置において、ミルク含有流体に甘味付けするために甘味付けユニットを使用することを提案する。この場合、甘味付けユニットは、本発明に基づき、特に上述したようにかつ/または甘味付けユニットに関する保護請求項のうちの1つに記載されているように形成されている。好適には、さらに供給装置も、本発明に基づき、特に上述したようにかつ/または供給装置に関する保護請求項のうちの1つに記載されているように形成されている。供給装置は、好適には全自動コーヒーマシンである。甘味付けユニットの使用は、好適には、本発明に基づき、特に上述したようにかつスラッスまたはミルク含有流体に甘味付けする方法に関する保護請求項のうちの1つに記載されているように構成された方法で行われる。
【0036】
次に、本発明をいくつかの少数の出発例に基づきより詳細に説明するが、本発明は、これらの少数の実施例に限定されるものではない。本発明の別の態様および実施例は、個々の保護請求項または複数の保護請求項に記載の特徴同士の組合せおよび/または本発明による装置および方法の実施例および/または上述した態様の個々のまたは複数の特徴との組合せにより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】甘味付けユニットが載置されたミルクフォーマの形態の供給装置を示す図である。
【
図1B】甘味付けユニットが載置されたミルクフォーマの形態の供給装置を示す図である。
【
図2A】本発明による甘味付けユニットの第1の実施例を示す図である。
【
図2B】本発明による甘味付けユニットの第1の実施例を示す図である。
【
図2C】本発明による甘味付けユニットの第1の実施例を示す図である。
【
図3A】本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図3B】本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図3C】本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図3D】本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図4】本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図5】蓋を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図6】蓋を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図7A】蓋および隔壁を備えた本発明による甘味付けユニットの1つの実施例を示す図である。
【
図7B】蓋および隔壁を備えた本発明による甘味付けユニットの1つの実施例を示す図である。
【
図8A】蓋および隔壁を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図8B】蓋および隔壁を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図9A】蓋および隔壁を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図9B】蓋および隔壁を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図10A】旋回可能な蓋を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【
図10B】旋回可能な蓋を備えた本発明による甘味付けユニットの別の実施例を示す図である。
【0038】
本発明の以下の説明では、機能が一致する部材は、異なる構成および賦形においても一致する参照符号を保持している。
【0039】
図1Aには、ミルクフォーマとして形成された供給装置2が斜視図で示されており、この場合、供給装置2は本発明に基づき形成されている。
図1Bには、この供給装置2の断面図が示されている。供給装置2は、全体として供給装置2も形成する全自動コーヒーマシンの一部である。供給装置2は、甘味付けユニット1を有しており、甘味付けユニット1は、供給装置2に取外し可能に取り付けられている。運転中に泡立てられたミルクが、ミルク出口20を介して甘味付けユニット1の容器3内へ導入される。この場合、甘味付けユニット1は、甘味付けユニット1をミルク出口20の軸線22を中心として旋回させることができるように供給装置2に取り付けられている。よって、ミルク出口20の軸線22は、甘味付けユニット1の旋回軸線21を形成している。
【0040】
甘味付けユニット1を側方に旋回させると、甘味付けユニット1の容器3に甘味料を充填することができる。次いで甘味付けユニット1を使用位置に戻すと、泡立てられたミルクが容器3と、容器3内の甘味料とを通過して案内され、これにより、ミルクが甘味付けされる。甘味付けされたミルクは、次いで流体出口5を通り流出する。下方に向かって流れるミルクは、次いで、例えばコーヒーカップまたは別の容器が流体出口5の下に配置されることにより、捕集され得る。
【0041】
供給装置2は、ミルクガイドユニット19を有している。
図1Aでは、外側にミルク入口24が形成されていることが認められる。ミルク入口24は、
図1Aでは閉鎖キャップを備えている。閉鎖キャップは取外し可能であり、ミルク入口24にはホースを接続することができるため、ホースとミルク入口24とを介して、ミルクをミルクガイドユニット19内へ導入することができる。導入されたミルクは、次いでミルク供給部27を介して空気・ミルク室28内へ導入される。そこでミルクは、空気供給部25により処理されて空気・ミルク混合物を形成する。次いで空気・ミルク混合物は、混合室30内へ流入する。これは、ベンチュリノズル29により負圧が発生させられることにより行われる。ベンチュリノズル29用に、供給装置2は蒸気供給部26を有している。混合室30内で、空気・ミルク混合物は泡立てられて、フォームミルクを形成する。次いでフォームミルクまたは別のミルク含有流体は、ミルク出口20を介してミルクガイドユニット19および供給装置2から下方に向かって流出し、そこで甘味付けユニット1の容器3内へ流入する。
【0042】
図2A~
図2Cには、それぞれ異なる視点から見た本発明による甘味付けユニット1の第1の実施例が示されている。甘味付けユニット1は、甘味料を充填することができる容器3を有している。容器3は、底部6と、側方に周縁部11とを有しており、周縁部11は、容器3の側方を完全に包囲している。周縁部11の内側には壁23が形成されている。容器3は、上向きに開いている。
【0043】
周縁部11から間隔をあけて、容器3内には上向きに突出した2つの円筒状のシュラウドが形成されている。第1のシュラウドは、流体入口4を形成する入口シュラウドである。第2のシュラウドは、流体出口5を形成する溢流シュラウドである。流体入口4は、下方を閉じられている。よって、
図2Cにおいて認識可能であるように、流体入口4は、閉じられた底部から上向きに突出しており、壁23よりも高く形成されている。流体入口4は上向きに開いているため、ミルク含有流体が上から流体入口4に流入することができるようになっている。流体入口4から流出することができるようにするために、流体入口4の側方の周縁部には、スリット8を形成する複数の開口が形成されている。この場合、スリット8は、流体入口4の底部から上部開口にまで達している。よって、スリット8は、流体入口4の全高にわたり延在している。スリット8の各1つの側縁部13,15には、流体出口5の第1の側壁12および流体出口5の第2の側壁14がそれぞれ整合して続いている。流体出口5の所定の領域16は、同時に流体入口4の所定の領域16を形成している。
【0044】
流体出口5は、溢流シュラウドとして形成されている。流体出口5は、上方にも下方にも開いているため、上方から流入する流体が下方に流出することができるようになっている。
図2Bでは、流体出口5は、容器3のほぼ中心に配置されていることが認められる。流体出口5の直径は、ここに示す実施例では流体入口4の直径よりも小さくなっている。流体出口5は、流体入口4よりも小さな高さを有している。さらに流体出口5は、容器3の周縁部11よりも小さな高さを有している。その結果、容器3は流体出口5の高さまで充填され得、次いで充填された流体は流体出口5に流入し、この流体は下方に向かって導出されることになる。
【0045】
甘味付けユニット1はその構成に基づき、流体入口4に好適には圧力下で流入する流体流が、容器3内に位置する甘味料を通過して形成可能であるように形成されている。スリット8を介して吐出された流体は、甘味料で満たされた容器3を通過して案内され、流体出口5を通って甘味付けユニット1から流出する。このことは、容器3が桶状に形成されていることにより支援される。
【0046】
スリット8を通り容器3内へ噴射されるかまたは高速で容器3内へ導入されるミルク含有流体は、容器3の壁23において変向させられ、この場合は方向転換させられ、次いで流体出口5を越えて導出される。
【0047】
ミルク含有流体が甘味料を通過して案内されることにより、ミルク含有流体は調量された甘味料を吸収し、その結果、ミルク含有流体が甘味付けされることになる。
【0048】
図3A~
図3Dには、本発明に基づき形成された甘味付けユニット1の1つの別の実施例が示されている。ここでは、流体入口4と流体出口5とが互いに間隔をあけて配置されている。流体出口5は、偏心的に形成されている。
図3Bから認められるように、流体出口5は、容器3の周縁部11の円形部分に対して一定の間隔を有している。また、特に
図3Aが示すように、流体入口4も、容器3の周縁部11の円形部分に対して一定の間隔を有している。流体入口4と周縁部11の一部とは同心的に配置されている、と言うこともできる。同様に、流体出口5と周縁部11の別の部分も、同心的に配置されている。
【0049】
図2A~
図2Cに示した実施例とは異なり、流体入口4は側方に1つの開口のみを有しており、この開口は、この例でも細いスリット8として形成されている。開口のスリット状の構成は、ミルク含有流体を高速で容器3内へ噴射することができる、という利点を有している。
【0050】
図3Dから認められるように、流体入口4は、その露出した上端部10に、内向きに曲げられたつば9を有しており、つば9は、上側を面取りされている。さらに、ここに示す実施例では、流体入口4は、その露出した上端部10において弾性的に形成されており、これにより、横断面が弾性的に適合可能である。
【0051】
スリット8は、鉛直方向に形成されている。スリット8は、容器3をその長手方向軸線に沿って2つの鏡像対称な部分に分割する中心平面に形成されている。スリット8は、スリット8を通流する流体が、容器3の長手方向軸線に沿って容器3内へ噴射されるように配置されている。
【0052】
図4には、本発明に基づき形成された甘味付けユニット1の1つの別の実施例が示されている。上述した実施例とは異なり、スリット8は、流体入口4の全高にわたり形成されているのではなく、入口シュラウドの下部領域にのみ形成されている。この場合、スリット8は、流体出口5の高さよりも小さな高さを有している。
【0053】
図5および
図6には、本発明に基づき形成された甘味付けユニット1の2つの別の実施例が示されており、この場合、甘味付けユニット1はそれぞれ、容器3に蓋17が載置されていることにより、上方が閉じられている。蓋17は、各1つの開口18を有している。
図5に示す実施例では、開口18は、容器3の壁23がくちばし状に前方に向かって湾曲させられていることにより形成されている。よって開口18は、周縁部11もしくは壁23と蓋17との間に形成されている。
【0054】
図6でも、同様に1つの開口18が形成されている。この開口18は、
図5に示した実施例とは異なり、蓋17に直接に形成されている。ここに示す実施例では、開口18は、蓋17の窪み31に形成されている。このことは、充填が容易になる、という利点を有している。それというのも、甘味料は最初に窪み31に流入し、次いで開口18を介して容器3内へ充填されるからである。
図5に示した実施例でも、開口18はまず第一に、容器3に甘味料を充填するために用いられる。
【0055】
各実施例に示す甘味付けユニット1は、液状の甘味料または結晶粒状の甘味料等の様々な種類の甘味料に適している。
【0056】
図6に示す実施例では、蓋17の一部が、側方において流体入口4の所に形成された開口の上部領域を閉鎖している。択一的には
図2および
図3における構成のように蓋17を有さない構成でも、例えば流体入口4の内側および/または外側において流体入口に差し込むことができる挿入部材または差込み部材を使用することにより、スリット8を部分的に閉じることができる。
【0057】
図7A~
図10Bには、本発明に基づき形成された甘味付けユニット1の4つの別の実施例が示されている。甘味付けユニット1はそれぞれ、蓋17と、追加的に容器3を2つの室35および36に分割する隔壁7とを有している。隔壁7は、択一的な実施例において蓋17無しで形成されていてもよい。
【0058】
隔壁7は、室35と36とを完全に隔てているのではなく、開口33が残されており、開口33は、2つの室35と36とを互いにつなぎ、容器3内に位置する甘味料の流動を、室35と36との間で可能にする。開口33は、図示の実施例では細く形成されており、1つの間隙を形成している。
【0059】
図7、
図8および
図10に示す実施例では、隔壁7は、下方が開けられているため、容器3の底部6と隔壁7との間に間隙が残されている。
図9に示す実施例では、隔壁7は、側方が開かれているため、容器3の外壁23と隔壁7との間に間隙が残されている。この場合、開口33は、底部6まで形成されている。
【0060】
図7および
図8に示した実施例では、隔壁7は、蓋17に形成されている。
図9に示す実施例では、隔壁7は、容器3の壁23と、容器3の周縁部11とに形成されている。
【0061】
図7、
図8および
図10に示した実施例では、容器3の周縁部11の外面に充填レベルライン34が形成されており、これらの充填レベルライン34において、甘味料による容器3の充填レベルを読み取ることができる。
【0062】
図7~
図10に示した実施例では、流体入口4および流体出口5は、第1の室35内に形成されている。第2の室36内には、固形の構造体は形成されていない。
【0063】
図8に示す実施例では、蓋17は隔壁7で終わっており、これにより、第2の室36は上方に対して開口18を有している。
図7、
図9および
図10に示す実施例では、蓋17が容器3全体を覆っているため、容器3は、流体入口4を除き、上方に対して完全に閉鎖されている。ただし、蓋17は取外し可能であり、
図10では上方旋回可能であるため、容器3に充填することができるようになっている。
【0064】
択一的な実施例では、蓋17は、蓋17を上方旋回させることができるかまたは別の形式で開くことができるヒンジ38または別のジョイントを有している、ということが想定されていてよい。択一的に形成されたこのような蓋17は、例えば
図7および
図9に示した、蓋17が容器3を完全に覆っている実施例に適合する。
図10には、旋回可能な蓋17を備えた実施例が示されている。蓋17は、隔壁7の後ろに比較的薄く形成されており、これにより、薄い箇所にヒンジ38が形成されており、特に容器3に甘味料を充填するために、ヒンジ38において蓋17を上方旋回させることができる。よって隔壁7の後ろに、蓋17はフラップ37として形成されている。
図10Aには、蓋17が下方旋回させられており、したがって容器3を閉じている状態が示されている。
図10Bには、蓋17が開かれた状態が示されている。
【0065】
本発明に基づき形成された甘味付けユニット1の上述した各実施例は、上述した、ミルク含有流体に甘味付けする本発明による方法の実施に特に良好に適している。
【0066】
まとめると、本発明は、ミルク含有流体を、甘味料を通過させて案内することを特徴とする、ミルク含有流体に甘味付けする方法に関する。このためには、流体入口4と流体出口5とが、甘味料を通過する流体流を発生させることができるように形成されている、供給装置2用の甘味付けユニット1が使用され得る。甘味付けユニット1は、好適には取外し可能にミルクガイドユニット19のミルク出口20に被せ嵌め可能であってよいか、または被せ嵌められていてよい。
【符号の説明】
【0067】
1 甘味付けユニット
2 供給装置
3 容器
4 流体入口
5 流体出口
6 1の底部
7 隔壁
8 スリット
9 つば
10 4の自由端部
11 1の周縁部
12 5の第1の側壁
13 側縁部
14 5の第2の側壁
15 側縁部
16 領域
17 蓋
18 開口
19 ミルクガイドユニット
20 ミルク出口
21 旋回軸線
22 20の軸線
23 3の壁
24 ミルク入口
25 空気供給部
26 蒸気供給部
27 ミルク供給部
28 空気・ミルク室
29 ベンチュリノズル
30 混合室
31 窪み
32 17の領域
33 3の開口
34 充填レベルライン
35 3の室
36 3の別の室
37 フラップ
38 ヒンジ
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミルク含有流体に甘味付けする方法であって、前記ミルク含有流体を、甘味料を通過させて、特に甘味料で満たされた容器(3)を通過させて案内し、通過させて案内するということは、前記ミルク含有流体が、前記甘味料を成す物質が占める容積を通過して案内されることにより行われる
、方法において、
前記甘味料は、例えばシロップ等の液状の甘味料であり、かつ/または前記甘味料は、形状安定性を有していないことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記ミルク含有流体の粘度は、前記甘味料の粘度よりも低く、かつ/または前記ミルク含有流体を形成するために、ミルクを、まず泡立ててから前記容器(3)に導入し、特に、泡立てのためにミルクを蒸気に混ぜる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ミルク含有流体を前記容器(3)内へ噴射するかまたは高速で前記容器(3)内に導入し、これにより、前記ミルク含有流体を、前記甘味料を通過させて案内し、かつ/または前記容器(3)に流入する前記ミルク含有流体を、流れ障害物、特に前記容器(3)の壁(23,11)、隔壁(7)および/または底部(6)により変向させ、この場合、好適には、前記ミルク含有流体は方向転換させられた後に、前記容器(3)から流出する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記ミルク含有流体が前記甘味料内へ流入した後に、前記ミルク含有流体が再び上方に向かって流出するように、前記ミルク含有流体を、前記甘味料を通過させて案内し、かつ/または前記ミルク含有流体が流入時に下方に向けられておりかつ/または上向きの速度成分を有さないように、前記ミルク含有流体を前記容器(3)内へ噴射するかまたは導入する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記甘味料は、例えば結晶状の砂糖等の固形物である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記甘味料は、前記ミルク含有流体の導入時には静止している、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ミルク含有流体用の供給装置(2)、特に全自動コーヒーマシンおよび/またはミルクフォーマ(2)のための甘味付けユニット(1)であって、当該甘味付けユニット(1)は、甘味料用の容器(3)と、流体入口(4)と、流体出口(5)とを有して
おり、前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、前記甘味料を通過する流体流を発生させることができるように形成されており、特に、前記流体出口(5)は、溢流部として形成されており、かつ/または前記容器(3)は、桶状に形成されている
、甘味付けユニット(1)において、
前記流体入口(4)は、当該甘味付けユニット(1)の底部(6)または前記底部(6)から上向きに突出する、好適には円筒状に形成された入口シュラウド(4)として形成されており、該入口シュラウド(4)は、少なくとも所定の領域において側方を完全には閉鎖されていないことを特徴とする、甘味付けユニット(1)。
【請求項8】
前記流体出口(5)は、当該甘味付けユニット(1)の底部(6)から上向きに突出する、好適には円筒状にかつ/または全ての側の周りで流動可能であるように形成された溢流シュラウド(5)として形成されており、特に該溢流シュラウド(5)は、少なくとも下部領域において側方を完全に閉鎖されておりかつ/または閉鎖された前記領域の上側は開放されておりかつ/または下側は開放されている、請求項7記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項9】
入口シュラウド(4)は、内側において上方を開放されておりかつ下方を閉鎖されており、かつ/または前記流体入口(4)は、少なくとも1つのスリット(8)を有しており、特に該スリット(8)は、鉛直方向に延びており、かつ/または前記スリット(8)は、入口シュラウド(4)または前記入口シュラウド(4)において側方に形成されている、請求項7または8記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項10】
前記流体入口(4)は、その上端部に内向きに曲げられたつば(9)を有しており、特に該つば(9)は、上側を面取りされており、かつ/または前記流体入口(4)は、少なくとも一方の自由端部(10)に、弾性的な横断面を有している、請求項7から9までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項11】
前記流体入口(4)、特に前記入口シュラウド(4)は、前記流体出口(5)よりも高く上方に突出しており、かつ/または前記溢流部(5)は、全ての側において当該甘味付けユニット(1)の側方の周縁部(11)から間隔をあけて配置されており、特に前記溢流部(5)は、外側に縁部を形成しておらず、かつ/または前記側方の周縁部(11)は、内側に縁部を形成していない、請求項7から10までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項12】
前記流体出口(5)は、溢流部(5)として形成されており、該溢流部(5)の第1の側壁(12)は、外面において、前記流体入口(4)の第1の開口(8)の側縁部(13)に整合して続いており、特に、前記第1の側壁(12,14)とは反対の側に位置する第2の側壁(14,12)は、外面において、前記流体入口(4)の第2の開口(8)の側縁部(15)に整合して続いている、請求項7から11までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項13】
スリット(8)、
特に請求項9記載のスリット(8)は、前記流体入口(4)において上方を閉じられており、特に、前記流体出口(5)は、上方に向かって前記スリット(8)を越えているか、または前記スリット(8)は、上方に向かって前記流体出口(5)を越えており、かつ/または前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、互いに間隔をあけて配置されている、請求項7から12までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項14】
前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、互いに移行し合っており、特に
、溢流シュラウド(5)、
好適には請求項8記載の溢流シュラウド(5)の所定の領域(16)が、同時に前記入口シュラウド(4)の所定の領域(16)を形成している、請求項7から13までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項15】
当該甘味付けユニット(1)は、好適には前記流体入口(4)の領域に、開いた蓋(17)を有しており、特に、該蓋(17)および/または当該甘味付けユニット(1)は、当該甘味付けユニット(1)に甘味料を充填するための開口(18)を有しており、かつ/または前記蓋(17)は、前記容器(3)を開閉可能な機構、好適にはフラップ機構を有している、請求項7から14までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項16】
前記容器(3)内に、該容器(3)を部分的にのみ、好適には大部分を閉鎖する隔壁(7)が形成されており、特に、該隔壁(7)は、前記容器内の下方にかつ/または側方に、開口(33)を残しており、かつ/または前記流体入口(4)と前記流体出口(5)とは、前記隔壁(7)の同じ側に形成されている、請求項7から15までのいずれか1項記載の甘味付けユニット(1)。
【請求項17】
甘味付けユニット(1)と基本装置とを備えた、ミルク含有流体用の供給装置(2)、特に全自動コーヒーマシンであって、前記基本装置は、ミルク含有流体用のミルク出口(20)を備えたミルクガイドユニット(19)を有している、供給装置(2)において、
前記甘味付けユニット(1)は、前記ミルク出口(20)に好適には再度取外し可能に被せ嵌め可能であるかまたは被せ嵌められており、かつ請求項7から16までのいずれか1項に基づき形成されていることを特徴とする、供給装置(2)。
【請求項18】
前記ミルクガイドユニット(19)は、ミルクフォーマ(2)を有しており、かつ/または前記甘味付けユニット(1)は、旋回可能に被せ嵌め可能であるかまたは被せ嵌められており、特に、旋回軸線(21)は、前記ミルク出口(20)の軸線(22)により形成されている、請求項17記載の供給装置(2)。
【請求項19】
請求項17または18記載のミルク含有流体用の供給装置、特に全自動コーヒーマシンにおける、特に請求項1から6までのいずれか1項記載の方法で前記ミルク含有流体に甘味付けするための、請求項7から16までのいずれか1項記載の甘味付けユニットの使用。
【国際調査報告】