IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クーパーヴィジョン インターナショナル リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-カチオン性コンタクトレンズ 図1A
  • 特表-カチオン性コンタクトレンズ 図1B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】カチオン性コンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
G02C7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023521544
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 GB2021053224
(87)【国際公開番号】W WO2022129871
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/125,418
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521013611
【氏名又は名称】クーパーヴィジョン インターナショナル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ジ ユアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ユウェン
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ ヴィクトリア
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒョ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】シ アーウィン シー
(72)【発明者】
【氏名】ケイアー ナンシー ジェイ
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BB01
2H006BB06
(57)【要約】
カチオン性コンタクトレンズ及びその製造方法が記載されている。カチオン性コンタクトレンズは、少なくとも1つのシロキサン、少なくとも1つの非イオン性親水性モノマー、及び、少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマー、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を備える。カチオン性コンタクトレンズは、未使用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであり得る。コンタクトレンズは、放出可能なアニオン剤を実質的に線形に放出することができ、少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーは、ポリマーレンズ本体による放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する。コンタクトレンズは、密封されたコンタクトレンズパッケージ内に存在し得る。密封されたコンタクトレンズパッケージは、少なくとも、a)キャビティを有するベース部材、b)キャビティ内のコンタクトレンズパッケージング溶液、c)放出可能なアニオン剤が存在するキャビティ内のコンタクトレンズパッケージング溶液に浸漬された未使用の滅菌されたコンタクトレンズ、及び、d)ベース部材と液密シールを形成するカバー、を備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージング溶液内に浸漬され、パッケージ内に密封された未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
(a) 15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体と、
(b)前記ポリマーレンズ本体に付着された少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と、
を備え、
前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する
ことを特徴とするコンタクトレンズ。
【請求項2】
前記非環状第三級アミンモノマーが、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートである
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記重合性組成物は、0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、脂肪酸である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、小分子である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項6】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項7】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有し、
対照レンズの放出プロファイルは、当該対照レンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるというバースト放出を示す
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有し、
対照レンズの放出プロファイルは、当該対照レンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるというバースト放出を示し、
前記放出可能なアニオン剤は、オレイン酸である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項10】
前記パッケージング溶液が、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と同一であるかまたは異なる、追加の放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項11】
約25μg~約1000μgの放出可能なアニオン剤が、前記ポリマーレンズ本体に付着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項12】
約100μg~約300μgの放出可能なアニオン剤が、前記ポリマーレンズ本体に付着されており、
前記放出可能なアニオン剤は、オレイン酸である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項13】
前記パッケージは、
(a)前記パッケージング溶液を保持するキャビティを有するベース部材、及び、
(b)前記ベース部材と液密シールを形成するカバー
を有することを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項14】
25重量%~55重量%のシロキサンモノマー、
30重量%~55重量%の、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、または、それらの組み合わせ、から選択されたビニルモノマー、
0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、及び、
任意選択的に、約1重量%~約20重量%の、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された親水性モノマー、及び、
任意選択的に、約1重量%~約20重量%の、メチルメタクリレート(MMA)、イソボルニルメタクリレート(IBM)、2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された疎水性モノマー、
を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体
を備えたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項15】
請求項1に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、
a)前記ポリマーレンズ本体を得るためにコンタクトレンズ型内で前記重合性組成物を重合する工程、
b)前記コンタクトレンズ型から前記ポリマーレンズ本体を取り出す工程、
c)前記ポリマーレンズ本体を抽出溶媒内で抽出する工程、
d)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために前記ポリマーレンズ本体を水和液体内で水和する工程、
e)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをパッケージング溶液と共にパッケージ内に密封する工程、及び、
f)前記パッケージをオートクレーブする工程、
を備え、
前記抽出溶媒、前記水和液体または前記パッケージング溶液のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記抽出溶媒が、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体
を備え、
当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、インビトロ放出アッセイで試験される場合、少なくとも8時間、少なくとも6μg/hrの放出速度で、放出可能なアニオン剤を実質的に線形に放出することが可能であり、
前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、前記ポリマーレンズ本体による前記放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する
ことを特徴とするコンタクトレンズ。
【請求項18】
前記非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項19】
前記非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、である
ことを特徴とする請求項17に記載の未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月15日に出願された米国特許仮出願第63/125,418号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益及び/または優先権を主張し、当該出願は、その全体において、当該参照によって本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
本発明の技術分野は、コンタクトレンズ及び密封されたコンタクトレンズパッケージに関し、特にはカチオン性を有するコンタクトレンズに関し、更にはコンタクトレンズを含むパッケージ及びコンタクトレンズを製造する方法に関する。カチオン性を有する本発明のコンタクトレンズは、カチオン性コンタクトレンズとみなされ得る。コンタクトレンズは、放出可能なアニオン剤の形態で、1若しくは複数の快適剤または他の有益な薬剤を制御可能に放出する能力を提供する。
【背景技術】
【0003】
コンタクトレンズの快適性を改善するための主要なアプローチの1つは、レンズ材料またはパッケージング溶液のいずれかに1または複数の快適剤を導入することである。レンズが目に装着される時、快適剤が眼球表面に放出される。しかしながら、コンタクトレンズ着用中に快適剤の制御された放出を達成することは、常に課題であった。なぜなら、快適剤は、放出が制限された状態でレンズ材料の内部に閉じ込められているか、あるいは、所望の制御された放出の代わりにバースト放出を示してしまって必要とされる時間(8時間以上であり得る)の放出を提供しないからである。
【0004】
このように、産業界では、快適剤の制御された放出、または、快適剤の制御された放出の改善、を提供するコンタクトレンズのニーズが存在する。更に、そのような制御された放出特性を、コンタクトレンズによって提供される他の特性に有意に影響することなく、提供することも望まれている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の特徴は、レンズ着用中に快適剤を放出可能であって、快適剤のバースト放出を回避可能であるコンタクトレンズを提供することである。
【0006】
本発明の更なる特徴は、シリコーンヒドロゲルであってカチオン性を有する未着用の滅菌されたコンタクトレンズを提供することである。
【0007】
本発明の更なる特徴は、眼に着用した時に放出可能であって長期間にわたって制御された放出を有する快適剤を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを提供することである。
【0008】
本発明の更なる特徴は、従来のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズよりも高い快適剤の取り込み能力及び放出能力を有するシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを提供することである。
【0009】
本発明の更なる特徴は、快適剤を含む点眼剤または多目的コンタクトレンズケア溶液とコンタクトレンズとを接触させることによって、快適剤を装填または再充填できるコンタクトレンズを提供することである。
【0010】
本発明の更なる特徴及び利点が、以下の説明において部分的に記載され、当該説明から部分的に明らかになる、あるいは、本発明の実践によって学習され得る。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び添付の特許請求の範囲で特に指摘される要素及び組み合わせによって、実現及び達成される。
【0011】
これら及び他の利点を達成するために、本発明の目的に従って、本明細書で具体化されて且つ広く説明されるように、本発明は、部分的に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関し、当該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、(i)15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体と、(ii)少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と、を備える。前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、任意選択的に、前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する。
【0012】
本発明は、更に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関し、当該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、25重量%~55重量%のシロキサンモノマー、30重量%~55重量%の、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、または、それらの組み合わせ、から選択されたビニルモノマー、0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、及び、任意選択的に、約1重量%~約20重量%の、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された親水性モノマー、及び、任意選択的に、約1重量%~約20重量%の、メチルメタクリレート(MMA)、イソボルニルメタクリレート(IBM)、2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された疎水性モノマー、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を備える。
【0013】
また、本発明は、未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズに関し、当該シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体を備える。当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、任意選択的に、少なくとも8時間、少なくとも6μg/hrの放出速度で、放出可能なアニオン剤を実質的に線形に放出することが可能である。前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、任意選択的に、前記ポリマーレンズ本体による前記放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する。
【0014】
更に、本発明は、本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法に関する。当該方法は、a)ポリマーレンズ本体を得るためにコンタクトレンズ型内で重合性組成物(本明細書に記載されるような)を重合する工程、b)前記コンタクトレンズ型から前記ポリマーレンズ本体を取り出す工程、c)前記ポリマーレンズ本体を有機溶媒内で抽出する工程、d)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために前記ポリマーレンズ本体を水和液体内で水和する工程、e)前記水和されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをパッケージング溶液と共にパッケージ内に密封する工程、及び、f)前記パッケージをオートクレーブする工程、を備え、前記有機溶媒、前記水和液体または前記パッケージング溶液のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む。
【0015】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方が、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明の更なる説明を提供することが意図されている、ということが理解されるべきである。添付の図面は、本出願に組み込まれて本出願の一部を構成するものであるが、本発明の特徴の幾つかを図示し、本発明の説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、対照レンズと比較して、カチオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズから放出されたアニオン剤の量をプロットする。
【0017】
図1B図1Bは、対照レンズと比較して、カチオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズから放出されたアニオン剤のパーセンテージをプロットする。
【発明を実施するための形態】
【0018】
カチオン性を有するコンタクトレンズ、及び、それらの製造方法が、本明細書に記載される。1または複数のカチオン性を有する1または複数のコンタクトレンズが、本明細書において、カチオン性コンタクトレンズと呼ばれ得る。当該コンタクトレンズを含む密封されたコンタクトレンズパッケージも、本明細書に記載される。
【0019】
本発明において、カチオン性コンタクトレンズは、好ましくは、コンタクトレンズ着用の過程中に1または複数のアニオン剤の制御された放出を提供する。例えば、当該アニオン剤は、生理学的条件下での着用中にポリマーレンズ材料から解離可能な、アニオン快適剤または他の有益なアニオン剤、である。
【0020】
本発明のコンタクトレンズに関して、当該コンタクトレンズは、未着用の滅菌されたヒドロゲルコンタクトレンズである。換言すれば、当該コンタクトレンズは、未使用の新品である。
【0021】
ヒドロゲルコンタクトレンズは、1つの非環状第三級アミンモノマーを含む重合性組成物の反応生成物である。
【0022】
一実施例として、ヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーを含む非シリコーンヒドロゲル用の重合性組成物の反応生成物である。非シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、典型的には、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)またはビニルアルコール等の1または複数の親水性モノマーの重合から形成され、選択的に他のモノマーと組み合わされ、シロキサンを含まない(すなわち、少なくとも1つのSi-0基を含む分子)。
【0023】
一実施例として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも1つのシロキサンモノマー、少なくとも1つの非イオン性親水性モノマー、及び、少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマー、を含む重合性組成物の反応生成物である。
【0024】
更なる一実施例として、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも1つのシロキサンモノマー、少なくとも1つの非イオン性親水性モノマー、少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマー、及び、少なくとも1つの疎水性モノマー、を含む重合性組成物の反応生成物である。
【0025】
一般に、「モノマー」とは、ポリマーまたはコポリマーを形成するために、同一または異なる他の重合性基含有分子と反応することができる重合可能な炭素-炭素二重結合(すなわち、重合性基)を含む分子、を含み得る、または、そのような分子を指し得る。「モノマー」という用語は、重合可能なプレポリマー及びマクロマーを包含し、別段の指示がない限り、モノマーのサイズの制約はない。モノマーは、単一の重合可能な炭素-炭素二重結合、または、2以上の重合可能な基、を含み得て、従って、架橋官能基を有し得る。
【0026】
重合性組成物の反応生成物に関して、少なくとも1つのシロキサンモノマーは、1つのシロキサンモノマー、2つのシロキサンモノマー、3つのシロキサンモノマー、または、それ以上のシロキサンモノマー、であり得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「シロキサンモノマー」という用語は、少なくとも1つのSi-O基及び少なくとも1つの重合性基を含む分子である。コンタクトレンズ組成物において用いられるシロキサンモノマーは、当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第8,658,747号及び米国特許第6,867,245号を参照)。(本明細書において言及される全ての特許及び刊行物は、当該参照によりその全体の内容が本明細書の一部に組み込まれる(incorporated by reference)。)
【0028】
幾つかの実施例では、重合性組成物は、少なくとも、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%または30重量%から、約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%または65重量%までの、シロキサンモノマーの総量を含む。例えば、少なくとも1つのシロキサンモノマーは、重合性組成物の重量に基づいて、15重量%から約65重量%の量で存在し得る。
【0029】
一般に、別段の指定が無い限り、本明細書で使用される場合、重合性組成物のある成分の所与の重量パーセント(重量%)は、当該重合性組成物中の全ての重合性成分(及び存在し得る任意の選択的なポリマーまたは他の構成要素)の総重量に対するものである。最終的なコンタクトレンズ製品には取り込まれない成分、例えば希釈剤など、が寄与する重合性組成物の重量は、重量%の計算には含まれない。
【0030】
例示的なシロキサンモノマーは、以下のFDA承認シリコーンヒドロゲル材料で使用されるものである:アスモフィルコンA、バラフィルコンA、コムフィルコンA、デレフィルコンA、エンフィルコンA、ファンフィルコンA、ガリフィルコンA、カリフィルコンA、ロトラフィルコンA、ロトラフィルコンB、ナラフィルコンA、ナラフィルコンB、オリフィルコンA、リオフィルコンA、サムフィルコンA、セノフィルコンA、セノフィルコンB、セノフィルコンC、ソモフィルコンA、及び、ステンフィルコン。
【0031】
非イオン性親水性モノマーは、重合性組成物の反応生成物中に、少なくとも10重量%、15重量%、20重量%、25重量%または30重量%から、約40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%または75重量%までの量で存在し得る。例えば、少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーは、重合性組成物の重量に基づいて、25重量%から約70重量%の量で存在し得る。
【0032】
非イオン性親水性モノマーに関して、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーは、単一の親水性モノマーを含むか、または、2以上(例えば、2つ、3つ、4つ、または、それ以上)の親水性モノマーから構成される親水性モノマー成分を含む、と理解され得る。
【0033】
モノマーの親水性または疎水性は、例えば、モノマーの水溶性に基づくなど、従来の技術を使用して決定され得る。本開示の目的のために、親水性モノマーは、室温(例えば、約20~25℃)で水溶液に視覚的に可溶であるモノマーである。例えば、親水性モノマーは、当業者に知られているような標準的な振盪フラスコ法を用いて判定される場合に、50グラムのモノマーが20℃で1リットルの水に視覚的に完全に溶解可能である(すなわち、水に、≧5%(5%以上)溶解可能である)任意のモノマーであると理解され得る。疎水性モノマーは、本明細書で使用される場合、室温で水溶液に視覚的に不溶性であって、水溶液中に視覚的に識別可能な別個の複数相が存在する、あるいは、水溶液が曇って(濁って)いるように見えて室温に置いた後の時間の経過により2つの別個の相に分離する、というモノマーである。例えば、疎水性モノマーは、50グラムのモノマーが20℃で1リットルの水に視覚的に完全には溶解不可である任意のモノマーであると理解され得る。
【0034】
本明細書に開示される重合性組成物中に親水性モノマーまたは親水性モノマー成分として使用され得る非シリコン非イオン性親水性モノマーは、例えば、アクリルアミド含有モノマー、アクリレート含有モノマー、アクリル酸含有モノマー、メタクリレート含有モノマー、メタクリル酸含有モノマー、ビニル含有モノマー、または、それらの任意の組み合わせ、を含む。親水性モノマーまたは親水性モノマー成分は、非シリコンモノマーであることが理解される。
【0035】
非イオン性親水性モノマーの例は、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、2-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、グリセロールメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、または、それらの任意の組み合わせ、を含むが、これらに限定されない。
【0036】
非イオン性親水性モノマーは、少なくとも1つの親水性ビニルモノマーであり得る。本明細書で使用される場合、「親水性ビニルモノマー」という用語は、アクリル基の一部では無いその分子構造中に重合性の(重合可能な)炭素-炭素二重結合(すなわち、ビニル基)を有する、シロキサンを含まない(すなわち、Si-O基を含まない)親水性モノマーである。当該ビニル基の炭素-炭素二重結合は、フリーラジカル重合下で重合可能なメタクリレート基に存在する炭素-炭素二重結合よりも反応性が低い。本明細書で使用される場合、「アクリル基」という用語は、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、等に存在する重合性基である。従って、炭素-炭素二重結合は、アクリレート基及びメタクリレート基にも存在するが、本明細書で使用される場合、そのような重合性基はビニル基とはみなされない。
【0037】
重合性組成物内に提供され得る親水性ビニル含有モノマーの例は、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルイソプロピルアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-N-エチルホルムアミド、N-ビニルホルムアミド、N-2-ヒドロキシエチルビニルカルバメート、N-カルボキシ-β-アラニンN-ビニルエステル、1,4-ブタンジオールビニルエーテル(BVE)、エチレングリコールビニルエーテル(EGVE)、ジエチレングリコールビニルエーテル(DEGVE)、または、それらの任意の組み合わせ、を含むが、これらに限定されない。一実施例では、親水性モノマーまたは親水性モノマー成分は、VMA、NVP、または、VMAとNVPの両方、を含む。
【0038】
一実施例では、重合性組成物は、少なくとも、10重量%、15重量%、20重量%または25重量%から、約45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%または75重量%までの、親水性ビニルモノマーを含む。本明細書で使用される場合、重合性組成物中の特定のクラスの成分(例えば、親水性ビニルモノマー、シロキサンモノマー、等)の所与の重量パーセントは、当該クラスに該当する当該組成物中の各成分の重量%の合計に等しい。従って、例えば、5重量%のBVEと25重量%のNVPとを含み他の親水性ビニルモノマーを含まない重合性組成物は、30重量%の親水性ビニルモノマーを含むと称される。
【0039】
一実施例では、親水性ビニルモノマーは、N-ビニルアミドモノマーである。例示的な親水性N-ビニルアミドモノマーは、VMA及びNVPである。特定の実施例では、重合性組成物は、少なくとも25重量%(例えば25重量%から55重量%まで)の少なくとも1つのビニルアミドモノマーを含む。別の特定の実施例では、重合性組成物は、約25重量%から約75重量%まで(例えば25重量%から55重量%まで)の、VMA、NVP、またはそれらの組み合わせ、を含む。
【0040】
非環状第三級アミンモノマーは、重合性組成物の反応生成物中に、重合性組成物の総重量に基づいて、0.1重量%から約15重量%の量で、例えば、1重量%から14重量%、1重量%から12重量%、1重量%から10重量%、1重量%から7重量%、1重量%から5重量%、5重量%から15重量%、6重量%から15重量%、8重量%から15重量%、の量で存在し得る。
【0041】
非環状第三級アミンモノマーは、カチオン性モノマーとみなされ得る。
【0042】
非環状第三アミンモノマーに関して、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの非環状第三アミンモノマーは、単一の非環状第三アミンモノマーを含むか、または、2以上(例えば、2つ、3つ、4つ、または、それ以上)の非環状第三アミンから構成される非環状第三アミンモノマー成分を含む、と理解され得る。
【0043】
非環状第三級アミンモノマーは、第三級アミン基の窒素が環構造の一部ではない、というモノマーであり、当該モノマー自体は環構造を含み得る(例えば、N-(2-アミノエチル)アミノメチルスチレン)。「第三級アミン基」という用語は、炭素原子がいずれもカルボニル基の一部ではないという条件で、3つの炭素原子に直接結合された窒素原子を指すと理解される。
【0044】
例示的な非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、を含むが、これらに限定されない。
【0045】
非環状第三級アミンモノマーのより具体的な例は、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレートであり、これは、重合性組成物中に、0.1重量%から15重量%、または、1重量%から10重量%、の量で存在し得る(重合性組成物の総重量に基づく)。
【0046】
一般に、非環状第三級アミンモノマー(及びポリマーレンズ本体の一部)は、より低いpH及び/またはより低いイオン強度の溶液内、例えば8.0未満または7未満のpHの溶液内で、あるいは、pH6以下(例えば、pH4~6)の酸性状態下で、帯電部位を形成する。これらの条件下では、非環状第三級アミン基は、プロトン化されて、レンズ材料内に正に帯電した部位を形成する。更に説明されるように、これらの正に帯電した部位は、負に帯電した快適化剤または他の放出可能なアニオン剤と、イオン複合体を形成し得る。
【0047】
有利には、1または複数の非環状第三級アミンモノマーが、約1.0%、2.0%または3.0%から約5.0%、7.0%または10.0%までのカチオン含有量を有するポリマーレンズ本体を提供するように、重合性組成物に含まれる。本明細書で使用される場合、「カチオン含有量」は、式Iによって決定される値である。
Σ(an1×bn1/cn1)×157=%カチオン含有量 (I)
ここで、an1は、以下に定義されるように、モノマー混合物中で使用されるカチオン性モノマーn1の重量パーセントであり、bn1は、モノマーn1上の第三級アミン基の数であり、cn1は、第三級アミン含有モノマーn1の分子量である。2以上の第三級アミン含有モノマーが重合性組成物内に使用される場合、得られるポリマーレンズ本体の%第三級アミン含量は、各第三級アミン含有モノマー(すなわち、n1、n2など)によって提供される%イオン含量の合計である。重合性組成物中の第三級アミン含有モノマーn1の重量パーセントは、ヒドロゲルに組み込まれるモノマー混合物の全成分の重量に対するものである。換言すれば、製造プロセス中にヒドロゲルから除去される希釈剤など、最終的なヒドロゲル製品に組み込まれないモノマー混合物の成分は、重量パーセントの決定には含まれない。式Iは、157の分子量及び1つの第三級アミン基を有する例示的な第三級アミン含有モノマーである2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートに対する分子量及び電荷の差を調整する。
【0048】
選択肢として、1または複数の疎水性モノマーが、重合性組成物の一部として存在し得る。
【0049】
適切な疎水性モノマーの例は、1または複数の非シリコン含有疎水性モノマーを含むが、これらに限定されない。適切な疎水性モノマーの例は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、酢酸ビニル、ビニルプロピオン酸、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1-ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、パーフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート(IBM)、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、または、それらの任意の組み合わせ、を含む。
【0050】
使用される場合、疎水性モノマーは、重合性組成物の反応生成物中に、重合性組成物の総重量に基づいて、1重量%から約30重量%の量で、例えば、1重量%から25重量%、1重量%から20重量%、1重量%から15重量%、2重量%から20重量%、3重量%から20重量%、5重量%から20重量%、5重量%から15重量%、1重量%から10重量%、の量で存在し得る。
【0051】
親水性モノマーに対して付加的または代替的に、重合性組成物は、非重合性親水性ポリマーを含み得て、これは、非重合性親水性ポリマーがシリコーンヒドロゲルポリマーマトリックスと相互貫入した相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を含むポリマーレンズ本体に帰結する。この実施例では、非重合性親水性ポリマーは、IPNポリマーと呼ばれ、これは、コンタクトレンズの内部湿潤剤として作用する。対照的に、重合性組成物中に存在するモノマーの重合によって形成されるシリコーンヒドロゲルネットワーク内のポリマー鎖は、IPNポリマーとはみなされない。IPNポリマーは、例えば約50,000~約500,000ダルトンの高分子量親水性ポリマーであり得る。特定の実施例では、IPNポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)である。他の実施例では、重合性組成物は、ポリビニルピロリドンまたは他のIPNポリマーを実質的に含まない。
【0052】
重合性組成物は、少なくとも1つの架橋剤を更に含み得る。本明細書で使用される場合、「架橋剤」という用語は、少なくとも2つの重合性基を有する分子である。従って、架橋剤は、2以上のポリマー鎖上の官能基と反応し得て、1つのポリマーを別のポリマーに架橋し得る。シリコーンヒドロゲル重合性組成物での使用に適した様々な架橋剤が、当該技術分野で知られている(例えば、米国特許第8,231,218号を参照。当該特許は、当該参照により、本明細書に組み込まれる)。適切な架橋剤の例は、トリエチレングリコールジメタクリレートやジエチレングリコールジメタクリレート等の低級アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(低級アルキレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、低級アルキレンジ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテルやジエチレングリコールジビニルエーテルや1,4-ブタンジオールジビニルエーテルや1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等のジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジビニルベンゼン及びトリビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、フタル酸トリアリル、1,3-ビス(3-メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート、並びに、それらの組み合わせ、を含むが、これらに限定されない。
【0053】
当業者に理解されるように、重合性組成物は、重合開始剤、脱酸素剤、連鎖移動剤、希釈剤、等のうちの1または複数など、コンタクトレンズ配合に従来から使用されている追加の重合性または非重合性の成分を含み得る。幾つかの実施例では、重合性組成物は、光学的に透明なレンズが得られるように、当該重合性組成物の親水性成分と疎水性成分との間の相分離を防止または最小化する量で有機希釈剤を含み得る。コンタクトレンズ配合に一般的に使用される希釈剤は、ヘキサノール、エタノール、及び/または、他の第一級、第二級または第三級アルコール、を含む。他の実施例では、重合性組成物は、有機希釈剤を含まないか、または、実質的に含まない(例えば、500ppm未満)。このような実施例では、ポリエチレンオキシド基、ペンダントヒドロキシル基、または他の親水性基、等の親水性部分を含むシロキサンモノマーの使用が、重合性組成物に希釈剤を含めることを不要にし得る。重合性組成物に含まれ得るこれらの成分及び追加の成分の非限定的な例が、米国特許第8,231,218号に提供されている。
【0054】
本発明のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの具体的な一実施例は、25重量%~55重量%のシロキサンモノマーと、NVP、VMAまたはそれらの組み合わせから選択される30重量%~55重量%のビニルモノマーと、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)またはそれらの任意の組み合わせから選択される約1重量%~約20重量%の任意選択的な親水性モノマーと、メチルメタクリレート(MMA)、イソボルニルメタクリレート(IBM)、2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)またはそれらの任意の組み合わせから選択される約1重量%~約20重量%の任意選択的な疎水性モノマーと、を含む重合性組成物に基づいている。この特定の実施形態の重合性組成物から製造されるシリコーンヒドロゲル材料は、ステンフィルコンA、コムフィコンA、ソモフィルコンA、ファンフィルコンA、及び、エンフィコンAを含む。前述のベースの重合性組成物は、更に、例えば1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートなどの、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンを付加的に含むように修正されて、カチオン性ポリマーレンズ本体を提供するべく硬化される。
【0055】
本発明の一部として、コンタクトレンズは、ポリマーレンズ本体と、ポリマーレンズ本体に付着された少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と、を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。アニオン剤は、カチオン性相互作用及び/若しくは疎水性相互作用によってポリマーレンズ本体に付着され得て、並びに/または、ポリマーレンズ本体のポリマーネットワークによって物理的に取り込まれ得る。放出可能なアニオン剤は、1または複数(例えば、1つ、2つ、または、それ以上)の放出可能なアニオン剤であり得る。
【0056】
選択肢して、放出可能なアニオン剤は、TRPV1受容体をブロックすることができ、及び/または、角膜上などのPPARα受容体と相互作用することができる。
【0057】
放出可能なアニオン剤の例は、少なくとも1つの酸を含むが、これに限定されない。具体的な一例では、アニオン剤は単一のカルボン酸基を含む。別の例では、アニオン剤は2以上のカルボン酸基を含む。一例では、アニオン剤は小分子(すなわち、約900ダルトン未満の分子量を有する)である。幾つかの例では、放出可能なアニオン剤は、選択肢として、ポリマーではない。選択肢として、放出可能なアニオン剤は、二糖類のポリマーではない。
【0058】
放出可能なアニオン剤の例は、少なくとも1つの脂肪酸を含むが、これに限定されない。放出可能なアニオン剤のより具体的な例は、オレイン酸である。
【0059】
放出可能なアニオン剤がポリマーレンズ本体とイオン性相互作用を介して複合化される(複合体を形成する)場合(例えば、約7pH未満または約6pH未満などの低pH条件及び/または低イオン強度条件に起因する)、当該状態で、放出可能なアニオン剤自体が、ポリマーレンズ材料の一部を形成しているカチオン性の部分または分子とイオン性相互作用を介して錯化されるアニオン剤またはアニオン材料である。一例として、放出可能なアニオン剤は、脱プロトン化されると、ポリマーレンズ本体内に存在するプロトン化された第三級アミン基など、ポリマーレンズ本体内のプロトン化された部分または分子の少なくとも幾つかと複合体を形成し得る。ポリマーレンズ本体とのイオン性相互作用を通じて複合化されている放出可能なアニオン剤は、涙液中の対イオンとのイオン性相互作用を通じて生理学的条件下で解離するなどして、ポリマーレンズ本体から放出される。当該時点で、放出されたアニオン剤は、一般に、塩またはエステル(例えば、オレイン酸などの少なくとも1つの酸の塩、すなわち、オレエート)になる。
【0060】
ポリマーレンズ本体に付着された放出可能なアニオン剤の量は、少なくとも25μgの量、例えば、約25μg~1000μg以上、25μg~700μg、25μg~650μg、25μg~600μg、25μg~550μg、25μg~500μg、25μg~450μg、25μg~400μg、25μg~350μg、25μg~300μg、25μg~250μg、50μg~750μg、75μg~750μg、100μg~750μg、125μg~700μg、150μg~700μg、175μg~700μg、200μg~700μg、などの量であり得る。一例では、放出可能なアニオン剤は、オレイン酸であり、約25μg~約500μg、または、約100μg~約300μgの量で、ポリマーレンズ本体に付着されている。本明細書で使用される場合、「ポリマーレンズ本体に付着された放出可能なアニオン剤の量」という語句は、以下の実施例1に記載されるイソプロピルアルコール(IPA)抽出方法など、適切な抽出方法によってコンタクトレンズから抽出され得る放出可能なアニオン剤の総量を指す。
【0061】
選択肢として、放出可能なアニオン剤は、本明細書に記載のイオン性相互作用によって、ポリマーレンズ本体全体に均一に分布され得る。選択肢として、放出可能なアニオン剤は、不均一に分布され得る。例えば、放出可能なアニオン剤は、コンタクトレンズの内部(後側と前側との間に位置する領域)と比較して、コンタクトレンズの一方側またはコンタクトレンズの両側(すなわち、後側及び前側)においてより高量で存在し得る。
【0062】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ内に存在する放出可能なアニオン剤は、ポリマーレンズ本体に共有結合はしていない。
【0063】
ポリマーレンズ本体と放出可能なアニオン剤との間の本明細書に記載のイオン性相互作用の代わりに、あるいは、それに加えて、放出可能なアニオン剤は、選択肢として、コンタクトレンズ内に埋め込まれている、捕捉されている、分散されている、吸収されている、及び/または、配置されている、とみなされ得る。前述されたように、放出可能なアニオン剤は、好適には、当該放出可能なアニオン剤がレンズ材料またはレンズ材料の一部と複合体を形成する(イオン性相互作用と考えられる)ために、コンタクトレンズの内部及び/または表面上に存在する。
【0064】
本発明のコンタクトレンズの更なる例は、15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、少なくとも8時間、少なくとも6μg/hrの放出速度で、放出可能なアニオン剤を放出することが可能である。本明細書におけるコンタクトレンズからのアニオン剤の放出の量または持続時間についての言及は、実施例2に記載されるインビトロ放出アッセイで試験される場合のコンタクトレンズからの放出の量及び/または持続時間を意味することが意図されている。少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーは、ポリマーレンズ本体による放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出(徐放)を容易化する。
【0065】
ポリマーレンズ本体による少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーに関して、これは、「対照レンズ」を「カチオン性レンズ」と比較した場合を意味する。「対照レンズ」とは、非環状第三級アミンモノマーが存在しない重合性組成物から形成されたポリマーレンズ本体を含む(但し、ある量の非環状第三級アミンモノマーの代わりに当該量がMMAなどの疎水性モノマーで置換される以外は、同一の重合性組成物である)シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。「カチオン性レンズ」とは、非環状第三級アミンモノマーが存在する重合性組成物から形成されたポリマーレンズ本体を含むシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。非環状第三級アミンモノマーを含むポリマーレンズ本体による取り込み量は、ローディング溶液において同一濃度の放出可能なアニオン剤を使用した対照レンズよりも高い。同様に、持続的な放出の容易化に関して、重合性組成物中に非環状第三級アミンモノマーを含むポリマーレンズ本体は、対照レンズと比較して8時間または9時間などのより長い放出期間を有し得て、及び/または、対照レンズと比較して8時間または9時間に亘るより線形の放出プロファイルを有し得る。本明細書で使用される場合、「放出プロファイル」という用語は、以下の実施例2に記載される放出媒体及び放出アッセイ法を使用してレンズから放出されるアニオン剤の量が、例えば図1Aに示されるように、1時間、3時間、6時間、9時間の各時点でプロットされる時の直線の形状を指す。
【0066】
一例では、カチオン性コンタクトレンズは、少なくとも8時間、アニオン剤の実質的に線形の放出を示す。本明細書で使用される場合、アニオン剤の放出プロファイルの線形回帰が少なくとも0.90のR二乗値を有し、放出量が1時間、3時間、6時間及び9時間の各時点で測定される場合に(各時点でn=3)、少なくとも8時間にわたる実質的に線形の放出が示される。一例では、カチオン性コンタクトレンズは、少なくとも8時間、アニオン剤の実質的に線形の放出を示し、少なくとも0.90のR二乗値を有する。幾つかの例では、カチオン性コンタクトレンズは、少なくとも8時間に亘ってアニオン剤の実質的に線形の放出を示し、少なくとも0.90のR二乗値を有し、対照レンズは、コンタクトレンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるバースト放出を示す。
【0067】
幾つかの例では、本発明のカチオン性コンタクトレンズは、少なくとも8時間、少なくとも9時間、または、少なくとも10時間(例えば、8時間~16時間、10時間~16時間、または、12時間~16時間)、1時間当たり2μg~50μg(例えば、5μg~50μg、10μg~40μg、または、10μg~30μg)のアニオン剤の放出を有し得る。本発明では、好ましくは、アニオン剤のバースト放出が回避される。バースト放出(バースト効果)の一例は、コンタクトレンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるという場合である。
【0068】
従って、本発明において、本発明のコンタクトレンズは、以下の特性の少なくとも1または複数を提供することが可能である:
a)アニオン剤の実質的に線形の放出プロファイル。
b)多量のアニオン剤(レンズに対して、少なくとも50μg、少なくとも100μg、少なくとも150μg、または、少なくとも200μg)をアップロードする能力。
c)アニオン剤の長期間(少なくとも8時間、例えば、8時間~16時間、9時間~16時間、10時間~16時間、または、8時間~12時間)の放出。
d)バースト放出を避けること。
【0069】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズによる放出可能なアニオン剤の取り込みまたは装填(ローティング)は、抽出工程中及び/または水和工程中及び/またはパッケージング工程中に起こり得る。例えば、放出可能なアニオン剤の取り込みは、コンタクトレンズ材料が硬化された後の溶媒抽出工程中、及び/または、1または複数の水和工程中、に起こり得る。そこでは、少なくとも1つの放出可能なアニオン剤が、抽出溶媒中及び/または水和溶液中に存在している。一般に、アニオン剤が水に不溶性である場合、それはエタノールまたはエタノールと水との混合物などの有機抽出溶媒に添加される。硬化後、ポリマーレンズ本体は、アニオン剤を含む抽出溶媒中で膨潤される。抽出されたポリマーレンズ本体が脱イオン水のような水和溶液中に入れられる時、抽出溶媒が除去され、アニオン剤が水和ポリマーレンズ本体内に残る。
【0070】
一般に、アニオン剤が親水性である場合、それは、水和溶液内または最終的なパッケージング溶液に含まれ、そこからアニオン剤がポリマーレンズ本体によって取り込まれる。
【0071】
例えば、抽出及び水和プロセスで使用される抽出及び水和液体は、変性エタノール、変性エタノールと脱イオン水の50/50(体積による)混合物、及び、脱イオン水、から構成され得る。一例として、抽出及び水和プロセスは、変性エタノールとこれに続くエタノール及び水の50:50混合物での少なくとも1つの抽出工程と、これに続く脱イオン水中での少なくとも1つの水和工程と、を含み得る。各抽出及び水和工程は、約20℃~約30℃の温度で、約15分~約3時間、継続し得る。本発明の目的のため、抽出及び/または水和のために用いられる液体のいずれか1つまたは複数または全てが、更に、ポリマーレンズ本体への放出可能なアニオン剤のアップロードを達成するべく、1または複数の放出可能なアニオン剤を含み得る。当該アップロードをより効果的に達成するために、約4~約6など、7以下のpHを有するように、当該液体が調整され得る。
【0072】
一例では、カチオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、対照レンズより少なくとも25%(重量)多い、例えば、少なくとも50%多い、または、少なくとも75%多い、放出可能なアニオン剤を含む。
【0073】
以下で更に説明されるように、抽出及び水和工程後の未着用のコンタクトレンズは、一般に、パッケージング溶液を含むベース部材内に配置され、その後、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を含むベース部材が密封され、滅菌プロセス(例えば、オートクレービング)を受ける。選択肢として、パッケージング溶液は、ある量の放出可能なアニオン剤を含み得て、当該アニオン剤がパッケージング時にコンタクトレンズにアップロードされ得る。好ましくは、滅菌工程は、コンタクトレンズ内またはパッケージング溶液中のアニオン剤のアップロードにも安定性にも影響を与えない。
【0074】
選択肢として、点眼薬及び/または多目的コンタクトレンズケア溶液(MPS)が、放出可能なアニオン剤を含み得る。この選択肢は、更なる放出可能なアニオン剤でコンタクトレンズを再充填するのに特に効果的である。従って、本発明の更なる態様は、放出可能なアニオン剤を含むアップロード溶液でコンタクトレンズを再充填する能力である。
【0075】
放出可能なアニオン剤のアップロード溶液として使用される任意の液体が、少なくとも50ppmの放出可能なアニオン剤の濃度を含み得る。この濃度は、少なくとも100ppm、少なくとも250ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、少なくとも1000ppm、少なくとも1250ppm、少なくとも1500ppm、少なくとも1750ppm、または、少なくとも2000ppm、であり得る。例えば、当該濃度は、アップロード溶液(すなわち、コンタクトレンズへのアニオン剤のアップロードに使用される溶液)中、50ppm~2000ppm以上のアニオン剤であり得る。
【0076】
幾つかの例では、放出可能なアニオン剤は、一旦ポリマーレンズ本体に付着されると安定的であり、ポリマーレンズ本体から実質的に放出されず、パッケージング溶液中に未着用のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含む密封されたコンタクトレンズパッケージのオートクレービング中またはそのパッケージング溶液での保管中に分解しない一方で、レンズ着用中には放出される。従って、オートクレービング前、オートクレービング直後、その1日後、その30日後、その60日後、または、その120日後、コンタクトレンズが浸漬されるパッケージング溶液は、10ppm未満、5ppm未満、1ppm未満、または、0ppm、の放出可能なアニオン剤を、コンタクトレンズからパッケージング溶液中に放出させる。放出可能なアニオン剤がオートクレービング中または保管中にコンタクトレンズから放出されるか否かは、HPLC、LCMS、または、他の適切な分析方法、を使用してパッケージング溶液中の放出可能なアニオン剤の存在を試験することによって、判定され得る。
【0077】
本発明において、達成され得る特徴の1つは、ソフトコンタクトレンズの快適性のレベルを改善することである。これは、TRPV1受容体を遮断するかまたは角膜上のPPARα受容体と相互作用する薬剤を放出することによって、角膜の感受性を低減させることを含む。
【0078】
更に、本発明は、本発明の密封されたコンタクトレンズパッケージの製造方法、または、ポリマーレンズ本体を含む未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法に関する。
当該方法は、
a)ヒドロゲルコンタクトレンズを得るためにコンタクトレンズ型内で(本明細書に記載されるような)重合性組成物を重合する工程、
b)コンタクトレンズ型からヒドロゲルコンタクトレンズを取り出す工程、
c)取り出されたヒドロゲルコンタクトレンズ1回または複数回抽出して水和するステ工程、
d)前記水和されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをパッケージング溶液と共にパッケージ内に密封する工程、及び、
e)前記パッケージをオートクレーブする工程、
を備える。
【0079】
コンタクトレンズの形状に成形されるシリコーンヒドロゲル材料は、典型的には、少なくとも1つのシロキサンモノマー、少なくとも1つの親水性モノマー、少なくとも1つの第三級アミンモノマー、及び、任意選択的に少なくとも1つの疎水性モノマー、を含む重合性組成物(すなわちモノマー混合物)を硬化することによって形成され得る。
【0080】
従来方法が、本発明のコンタクトレンズを製造するために使用され得る。一例として、重合性のシリコーンヒドロゲル組成物が、コンタクトレンズの前面を画定する凹面を有する雌型部材内に分配される。コンタクトレンズの後面すなわち角膜接触面を画定する凸面を有する雄型部材が、雌型部材と組み合わされて、コンタクトレンズ型アセンブリが形成される。当該型アセンブリは、UV硬化条件または熱硬化条件などの硬化条件にさらされ、当該硬化条件下で、硬化性組成物がポリマーレンズ本体に形成される。雌型部材及び雄型部材は、非極性型または極性型であり得る。当該型アセンブリは分解され(すなわち脱型され)、ポリマーレンズ本体が当該型から取り出されて、溶媒(例えばエタノールなどの有機溶媒)と接触させられて、当該レンズ本体から未反応成分が抽出される。当該抽出後、レンズ本体は、水や水溶液などの水和液体で水和される。示されるように、放出可能なアニオン剤は、抽出工程用に使用される1または複数の抽出溶媒内、水和工程用に使用される1または複数の水和液体内、あるいは、抽出溶媒及び水和液体の両方、に含まれ得る。
【0081】
放出可能なアニオン剤が抽出溶媒内に含まれる場合、水和工程は当該溶媒を水和液体で置換し、それによってポリマーレンズ本体を水和してシリコーンヒドロゲルを形成し、放出可能なアニオン剤(またはその一部)は得られるシリコーンヒドロゲル内でイオン性相互作用によって残ることができる。シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する例示的な方法は、米国特許第8,865,789号に記載されている。
【0082】
本発明におけるコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズ、特にはソフトシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、が考慮され得る。本開示のコンタクトレンズパッケージ内に密封されるコンタクトレンズは、任意のレンズ着用(装用)モダリティであり得る。レンズ着用モダリティとは、取り外し無しでレンズが連続着用(装用)可能な昼夜の数(日数)を指す。一例では、本開示のコンタクトレンズパッケージ内に密封されるコンタクトレンズは、1日使い捨てレンズである。1日使い捨てレンズは、1回の使用について、約12~16時間までの連続着用が指示されており、当該1回の使用の後は廃棄されるべきものである。別の例では、本開示のコンタクトレンズパッケージ内に密封されるコンタクトレンズは、1日着用レンズである。1日着用レンズは、起きている時間の間、典型的には約12~16時間まで、着用され、就寝前に取り外される。1日着用レンズは、典型的には、非使用の時間中、当該レンズを洗浄して消毒するためのコンタクトレンズケア溶液を含むコンタクトレンズケース内で保管される。典型的には、1日着用レンズは、最大で30日の着用の後に廃棄される。更に別の例では、コンタクトレンズは、長期着用レンズである。長期着用レンズは、典型的には、連続で6日、14日または30日も着用される。
【0083】
本開示のコンタクトレンズパッケージ内に密封されるパッケージング溶液は、任意の従来のコンタクトレンズ適合溶液であり得る。一実施例では、パッケージング溶液は、緩衝剤及び/または等張化剤の水溶液を含むか、それらからなるか、または本質的にそれらからなる。別の実施例では、パッケージング溶液は、1または複数の追加の抗菌剤、及び/または快適剤、及び/または親水性ポリマー、及び/または界面活性剤、及び/またはレンズがパッケージに付着することを防止する他の添加剤、などの追加の助剤を含む。パッケージング溶液は、約6.8または7.0から約7.8または8.0までの範囲のpHを有し得る。一実施例では、パッケージング溶液は、リン酸緩衝液またはホウ酸緩衝液を含む。別の実施例では、パッケージング溶液は、塩化ナトリウムまたはソルビトールから選択される等張化剤を、約200~400mOsm/kg、典型的には約270mOsm/kg~約310mOsm/kg、の範囲に浸透圧を維持する量で含む。幾つかの実施例では、パッケージング溶液は、多糖類(例えば、ヒアルロン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなど)、または、ポリビニルピロリドンなどの他の高分子量ポリマー、を含み得る。それらは、眼科用溶液及びコンタクトレンズパッケージング溶液において快適ポリマーまたは増粘剤として、一般的に使用されている。
【0084】
コンタクトレンズパッケージに関して、このパッケージは、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を保持するように構成されたキャビティと、当該キャビティの周りに外向きに延在するフランジ領域と、を含むベース部材、例えばプラスチックベース部材、を備え得る。密封されたコンタクトレンズパッケージを提供するために、取り外し可能なホイルまたはシールがフランジ領域に取り付けられる。そのようなコンタクトレンズパッケージは、一般に「ブリスターパック」と呼ばれ、当該技術分野で周知である(例えば、米国特許第7,426,993号)。
【0085】
当該密封されたコンタクトレンズパッケージを製造するために従来の製造方法が利用され得ることが理解されるであろう。従って、本開示の一態様は、コンタクトレンズパッケージを製造する方法であって、当該方法は、レセプタクル(容器)内に未着用のコンタクトレンズとコンタクトレンズパッケージング溶液とを入れる工程と、レセプタクル上にカバーを置く工程と、レセプタクル上でカバーを密封する工程と、を含む。一般に、レセプタクルは、単一のコンタクトレンズと、当該コンタクトレンズを完全に覆うのに十分な量、典型的には約0.5~1.5ml、のパッケージング溶液と、を受容するように構成される。レセプタクルは、ガラスやプラスチックなどの、任意の適切な材料から製造され得る。一実施例では、レセプタクルは、コンタクトレンズ及びパッケージング溶液を保持するように構成されたキャビティと、当該キャビティの周りに外向きに延在するフランジ領域と、を含むプラスチックベース部材を備え、カバーは、密封されたコンタクトレンズパッケージを提供するためにフランジ領域に取り付けられる取り外し可能なホイルを有する。取り外し可能なホイルは、ヒートシールまたは接着などの、任意の従来の手段によって密封(シール)され得る。別の実施例では、レセプタクルは、複数のネジ部を含むプラスチックベース部材の形態であり、カバーは、当該ベース部材のネジ部と係合するための適合性のあるネジ部のセットを含むプラスチックキャップ部材を含み、それによって再密封可能なカバーを提供する。再密封可能なパッケージを提供するために、他のタイプのパッケージングも利用され得ることを理解されたい。例えば、コンタクトレンズパッケージは、レセプタクルの適合する特徴部と係合して締まり嵌めを形成する特徴部を含むプラスチックカバーを含み得る。
【0086】
密封されたコンタクトレンズパッケージを製造する方法は、密封されたコンタクトレンズパッケージをオートクレーブすることによって未着用のコンタクトレンズを滅菌する工程を更に含み得る。オートクレーブ処理工程は、一般に、密封されたコンタクトレンズパッケージを少なくとも121℃の温度に少なくとも20分間さらす工程を含む。最終製品は、眼科的に許容可能な表面湿潤性を有する滅菌されパッケージ化されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズである。具体的な一例では、本発明は、パッケージング溶液及びコンタクトレンズを収容するためのキャビティを有するベース部材と、当該ベース部材のキャビティ内の未着用のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズと、前記ベース部材のキャビティ内のパッケージング溶液と、を備えたコンタクトレンズパッケージを提供する。
【0087】
以下の実施例は、本発明の特定の態様及び利点を説明する。但し、本発明は、それらによって限定されない、と理解されるべきである。
【0088】
実施例1.カチオン性シリコーンヒドロゲルレンズのオレイン酸の取り込み
【0089】
シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズが、ステンフィルコンA(対照レンズ)用または約4.5重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートを含有するように改変されたステンフィルコンA(カチオン性レンズ)用の重合性組成物を使用して調製された。当該重合性組成物は、ポリプロピレン製コンタクトレンズ型で硬化された。ポリマーレンズ本体が、型から取り出され、表1に示す濃度でオレイン酸(Sigma)を含むエタノール(EtOH)に215分間浸漬させることによって、抽出された。当該レンズは、EtOHから取り出され、50/50(体積)のEtOH/水の混合液で約30分間洗浄され、DI水(脱イオン水)の3回の交換(それぞれ、約6分間、30分間、30分間)がこれに続いた。
【0090】
各レンズ(n=3)のオレイン酸(OA)の量が、当該レンズをイソプロパノール(IPA)で抽出し、抽出物中のオレイン酸を液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)で測定することによって、決定された。簡潔に説明すると、各レンズが容器から取り出され、余剰のパッケージング溶液を除去するために軽く吸い取られ、10mLの100%イソプロパノール(IPA)を含む20mLのガラスバイアルに入れられた。当該バイアルが、室温で300rpmで一晩(約16時間)ベンチトップシェーカー上に置かれた。ステンフィルコンAの場合、レンズから実質的に全てのオレイン酸を抽出するのに、一晩の単一の抽出工程が十分である。より疎水性の高いシリコーンヒドロゲルレンズ材料は、オレイン酸を全て抽出するのに、2度目の一晩の抽出を必要とする場合がある。後者の場合、最初の抽出工程からのIPAが除去され、3mLの新鮮なIPAと交換されて、室温で300rpmで一晩振盪される。各レンズからのIPA抽出物中のオレイン酸の量は、液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)によって決定される。オレイン酸の装填(ローティング)濃度とレンズ毎の平均のオレイン酸取り込み量とが、表1に示される。
【0091】
表1.
【0092】
実施例2.カチオン性シリコーンヒドロゲルレンズからのオレイン酸の放出
【0093】
表2に示される組成を有する人工涙液膜(ATF)が、インビトロ放出媒体として使用された。
【0094】
表2.
【0095】
各レンズが容器から取り出され、余剰のパッケージング溶液を除去するために振盪された。各レンズ(n=3)は、6mLのガラスバイアルに移され、35℃に予熱された5mLのATSが各バイアルに添加された。当該バイアルが、35℃のインキュベーター内に入れられ、125rpmで振盪された。放出媒体は、1時間、3時間、及び7時間で、4.5mLの新鮮なATSと交換された。各時点でのレンズ中のオレイン酸の量が、実施例1に記載のIPA抽出法を用いて測定された。結果が、表3に示されており、図1A及び図1Bにプロットされている。
【0096】
表3.
【0097】
放出プロファイルの線形回帰式及びR二乗値が、表4に提供される。
【0098】
表4.
【0099】
本発明は、以下の態様/実施形態/特徴を、任意の順序及び/または任意の組み合わせで含む。
【0100】
1. 任意選択的にパッケージング溶液内に浸漬されパッケージ内に密封された、未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
(a) 15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体と、
(b)前記ポリマーレンズ本体に付着された少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と、
を備え、
前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、任意選択的に、前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する
ことを特徴とするコンタクトレンズ。
【0101】
2. 前記非環状第三級アミンモノマーが、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートである
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0102】
3. 前記重合性組成物は、0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートを含む
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0103】
4. 前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、脂肪酸である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0104】
5. 前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、小分子であり、任意選択的にオレイン酸である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0105】
6. 前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0106】
7. 前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0107】
8. 前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有し、
対照レンズの放出プロファイルは、当該対照レンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるというバースト放出を示す
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0108】
9. 前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有し、
対照レンズの放出プロファイルは、当該対照レンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるというバースト放出を示し、
前記放出可能なアニオン剤は、任意選択的にオレイン酸である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0109】
10. 当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、パッケージング溶液内に浸漬され、パッケージ内に密封されており、
前記パッケージング溶液が、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と同一であるかまたは異なる、追加の放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0110】
11. 約25μg~約1000μgの放出可能なアニオン剤が、前記ポリマーレンズ本体に付着されている
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0111】
12. 約100μg~約300μgの放出可能なアニオン剤が、前記ポリマーレンズ本体に付着されており、
前記放出可能なアニオン剤は、任意選択的にオレイン酸である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0112】
13. 当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、パッケージング溶液内に浸漬され、パッケージ内に密封されており、
前記パッケージは、
(a)前記パッケージング溶液を保持するキャビティを有するベース部材、及び、
(b)前記ベース部材と液密シールを形成するカバー
を有する
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0113】
14. 25重量%~55重量%のシロキサンモノマー、
30重量%~55重量%の、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、または、それらの組み合わせ、から選択されたビニルモノマー、
0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、及び、
任意選択的に、約1重量%~約20重量%の、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された親水性モノマー、及び、
任意選択的に、約1重量%~約20重量%の、メチルメタクリレート(MMA)、イソボルニルメタクリレート(IBM)、2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された疎水性モノマー、
を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体
を備えたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0114】
15. 前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ(特に、当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズがパッケージング溶液内に浸漬されパッケージ内に密封されている時、実施形態/特徴/態様1-13、17、18及び19のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ)を製造する方法であって、
a)前記ポリマーレンズ本体を得るためにコンタクトレンズ型内で前記重合性組成物を重合する工程、
b)前記コンタクトレンズ型から前記ポリマーレンズ本体を取り出す工程、
c)前記ポリマーレンズ本体を抽出溶媒内で抽出する工程、
d)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために前記ポリマーレンズ本体を水和液体内で水和する工程、
e)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをパッケージング溶液と共にパッケージ内に密封する工程、及び、
f)前記パッケージをオートクレーブする工程、
を備え、
前記抽出溶媒、前記水和液体または前記パッケージング溶液のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする方法。
【0115】
16. 前記抽出溶媒が、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、方法。
【0116】
17. 未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体
を備え、
当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、インビトロ放出アッセイで試験される場合、少なくとも8時間、少なくとも6μg/hrの放出速度で、放出可能なアニオン剤を実質的に線形に放出することが可能であり、
前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、前記ポリマーレンズ本体による前記放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する
ことを特徴とするコンタクトレンズ。
【0117】
18. 前記非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、コンタクトレンズ。
【0118】
19. 前記非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、である
ことを特徴とする、前述または後述のいずれかの実施形態/特徴/態様の、未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【0119】
本発明は、文章及び/または段落で説明されたように、前述された及び/または後述される(特許請求の範囲で説明される)様々な特徴または実施形態の任意の組み合わせを含み得る。本明細書に開示された特徴の任意の組み合わせが、本発明の一部とみなされる。組み合わせ可能な特徴に関して、限定は全く意図されていない。
【0120】
本明細書の開示は、特定の図示された実施例に言及しているが、これらの実施例は、限定ではなく例示として提示されていることが理解されるべきである。前述の詳細な説明の意図は、例示的な実施例について論じているが、当該実施例の全ての修正、代替、均等物、を包含すると解釈されるべきである。それらは、本発明の精神及び範囲内に入り得て、付加的な開示として定義され得る。
【0121】
本明細書において、「実施例」、「特定の実施例」、「態様」、「実施形態」、または、それらと同様の語句への言及は、カチオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ、その構成要素、密封されたコンタクトレンズパッケージ、その構成要素、または、カチオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法、の1または複数の特徴を紹介することが意図されている(文脈に応じて)。それらは、特定の特徴の組み合わせが相互に排他的でない限り、あるいは、文脈がそうでないことを示さない限り、前述されるまたは後述される、実施例、態様、実施形態(すなわち、特徴)の任意の組み合わせと組み合わされ得る。更に、本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明示的にそうでないことを示さない限り、複数の指示対象(例えば、少なくとも1または複数)を含む。従って、例えば、「a」「コンタクトレンズ」という言及は、単一のレンズ、及び、同一または異なる2以上のレンズ、を含む。
【0122】
本開示における全ての引用文献の全内容が、本開示と矛盾しない限りにおいて、参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0123】
本発明の他の実施形態が、本明細書の考察及び本明細書に開示された本発明の実践から、当業者には明らかである。本明細書及び実施例は、例示的であると見なされることが意図されている。本発明の真の範囲及び精神は、特許請求の範囲及びその均等物によって示される。
図1A
図1B
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージング溶液内に浸漬され、パッケージ内に密封された未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
(a) 15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体と、
(b)前記ポリマーレンズ本体に付着された少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と、
を備え、
前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、単一のカルボン酸基を有する少なくとも1つの酸であり、約900ダルトン未満の分子量を有しており、
前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する
ことを特徴とするコンタクトレンズ。
【請求項2】
前記非環状第三級アミンモノマーが、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートである
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項3】
前記重合性組成物は、0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、脂肪酸である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項5】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項6】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項7】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有し、
対照レンズの放出プロファイルは、当該対照レンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるというバースト放出を示す
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項8】
前記ポリマーレンズ本体による前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤の持続的な放出は、人工涙液膜溶液中に置かれる時、少なくとも8時間、実質的に線形であり、
前記放出プロファイルの線形回帰が、少なくとも0.90のR二乗値を有し、
対照レンズの放出プロファイルは、当該対照レンズから放出可能なアニオン剤の50重量%以上が3時間以内に放出されるというバースト放出を示し、
前記放出可能なアニオン剤は、オレイン酸である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項9】
前記パッケージング溶液が、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤と同一であるかまたは異なる、追加の放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項10】
約25μg~約1000μgの放出可能なアニオン剤が、前記ポリマーレンズ本体に付着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項11】
約100μg~約300μgの放出可能なアニオン剤が、前記ポリマーレンズ本体に付着されており、
前記放出可能なアニオン剤は、オレイン酸である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項12】
前記パッケージは、
(a)前記パッケージング溶液を保持するキャビティを有するベース部材、及び、
(b)前記ベース部材と液密シールを形成するカバー
を有することを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項13】
(a)25重量%~55重量%のシロキサンモノマー、
(b)30重量%~55重量%の、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、または、それらの組み合わせ、から選択されたビニルモノマー、
(c)0.1重量%~10重量%の2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、または、0.1重量%~15重量%の3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート
(d)約1重量%~約20重量%の、メチルメタクリレート(MMA)、イソボルニルメタクリレート(IBM)、2-ヒドロキシブチルメタクリレート(HOB)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された疎水性モノマー、
を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体
を備えたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項14】
請求項1に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、
a)前記ポリマーレンズ本体を得るためにコンタクトレンズ型内で前記重合性組成物を重合する工程、
b)前記コンタクトレンズ型から前記ポリマーレンズ本体を取り出す工程、
c)前記ポリマーレンズ本体を抽出溶媒内で抽出する工程、
d)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを得るために前記ポリマーレンズ本体を水和液体内で水和する工程、
e)前記シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズをパッケージング溶液と共にパッケージ内に密封する工程、及び、
f)前記パッケージをオートクレーブする工程、
を備え、
前記抽出溶媒、前記水和液体または前記パッケージング溶液のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記抽出溶媒が、前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤を含む
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
15重量%~65重量%の少なくとも1つのシロキサンモノマーと、25重量%~75重量%の少なくとも1つの非イオン性親水性モノマーと、0.1重量%~15重量%の少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーと、を含む重合性組成物の反応生成物であるポリマーレンズ本体
を備え、
当該未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、インビトロ放出アッセイで試験される場合、少なくとも8時間、少なくとも6μg/hrの放出速度で、放出可能なアニオン剤を実質的に線形に放出することが可能であり、
前記少なくとも1つの放出可能なアニオン剤は、単一のカルボン酸基を有する少なくとも1つの酸であり、約900ダルトン未満の分子量を有しており、
前記少なくとも1つの非環状第三級アミンモノマーが、前記ポリマーレンズ本体による前記放出可能なアニオン剤の取り込み及び/または持続的な放出を容易化する
ことを特徴とするコンタクトレンズ。
【請求項17】
前記非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンタクトレンズ。
【請求項18】
前記非環状第三級アミンモノマーは、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)アクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)アクリルアミド、N-(2-(ジメチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(2-(ジエチルアミノ)エチル)メタクリルアミド、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、N-(3-(ジエチルアミノ)プロピル)メタクリルアミド、3-(ジエチルアミノ)プロピルビニルエーテル、3-(ジメチルアミノ)プロピルビニルエーテル、または、それらの任意の組み合わせ、である
ことを特徴とする請求項16に記載の未着用の滅菌されたシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【請求項19】
(e)約1重量%~約20重量%の、N,N-ジメチルアクリルアミド(DMA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、エトキシエチルメタクリルアミド(EOEMA)、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(EGMA)、または、それらの任意の組み合わせ、から選択された親水性モノマー、
を更に備えたことを特徴とする請求項13に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズ。
【国際調査報告】