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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】一液型ポリウレタン接着剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/04 20060101AFI20231102BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20231102BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20231102BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
C09J175/04
C09J11/06
C09J11/04
C08G18/40 018
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522479
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 US2021046487
(87)【国際公開番号】W WO2022081251
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/091,882
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519415100
【氏名又は名称】ディディピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】チュー、フイドー
(72)【発明者】
【氏名】ソフィア、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フェルトパウシュ、マシュー
【テーマコード(参考)】
4J034
4J040
【Fターム(参考)】
4J034BA03
4J034DA01
4J034DB03
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4J040EF111
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4J040KA14
4J040KA16
4J040KA31
4J040KA42
4J040MA05
4J040NA16
(57)【要約】
本明細書では、プレス曲げガラスフリット表面及び塗装金属表面の両方において優れた接着強度を示す一液型ポリウレタン接着剤組成物が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一液型ポリウレタン接着剤組成物であって、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%のアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)イソシアネートと、少なくとも1つの反応性水素を有する官能基との反応及びシラン縮合を触媒することができる少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、前記ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、0~20重量%であり、及び前記重量パーセントは、前記ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、一液型ポリウレタン接着剤組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー(A)は、ポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートの存在下で1種以上のポリオールを重合させることによって製造され、前記ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール及びそれらの混合物から選択され得る、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネートをポリエーテルポリオールと反応させることによって製造される、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記ポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネートを、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(ブチレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、ポリ(エチレンオキシド)トリオール、ポリ(プロピレンオキシド)トリオール、ポリ(ブチレンオキシド)トリオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)トリオール及びこれらの混合物から選択されるポリオールと反応させることによって製造される、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリエーテルプレポリマーは、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びこれらの混合物から選択されるポリイソシアネーを、アルキレン基がC~Cである、ポリ(アルキレンオキシド)ジオールから選択される二官能性ポリエーテルポリオール、アルキレン基がC~Cである、三官能性ポリオールで開始されたポリ(アルキレンオキシド)トリオールをベースとする三官能性ポリオール及びこれらの混合物と反応させることによって製造される、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記ポリエーテルプレポリマーは、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルをポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと反応させることによって製造される、請求項1~6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルを、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びこれらの混合物から選択されるポリイソシアネートと反応させることによって製造される、請求項1~7のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される、請求項1~8のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート(C)は、いずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得るイソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート(C)は、HDI三量体をベースとする、請求項1~10のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート(D)は、いずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得るジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックMDI(PMDI、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルイソシアネートとの混合物)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートから選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート(D)は、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである、請求項1~12のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン(E)は、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を、式:
【化1】

(式中、Wは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、一級アミノ基及び二級アミノ基からなる群から選択される活性水素含有基であり、Xは、加水分解性アルコキシ基であり、及びRは、C~C20アルキル、C~C20アリール、C~C20アラルキル基であり、Rは、C~C20炭化水素基から選択され、特にプロピレン(-CHCHCH-)基であり、及びbは、0、1又は2である)
のシリコーン化合物の活性水素含有基Wと反応させることによって製造されたシランから選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項15】
前記少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン(E)は、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である、請求項1~14のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項16】
前記アミン触媒(F)は、三級アミン触媒である、請求項1~15のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項17】
前記アミン触媒(F)は、N,N-ジメチルシクロヘキサン、トリエチレンジアミン、N,N,N,N-テトラメチルアルキレンジアミン、N,N,N,N-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン、N,N-ジメチルブチルアミン、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル及びこれらの混合物から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項18】
前記アミン触媒(F)は、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項19】
前記少なくとも1種のメルカプトシラン(G)は、以下の式:
【化2】

(式中、R、R及びRは、OCH及びOCから独立して選択され;及び
は、-C2n-であり、nは、1~12の整数である)
のものである、請求項1~18のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項20】
、R及びRは、-OCHであり、及びnは、1~6である、請求項19に記載の接着剤組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1種のメルカプトシラン(G)は、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである、請求項1~20のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項22】
前記少なくとも1種のアミノシラン(G’)は、以下の式:
【化3】

(式中、R、R、R、R、R及びRは、-OCH及び-OCから独立して選択され;及び
及びRは、-C2n-から独立して選択され、nは、1~6の整数である)
のものである、請求項1~21のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項23】
nは、3である、請求項22に記載の接着剤組成物。
【請求項24】
前記少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、前記接着剤組成物の総重量を基準として45~65重量%で存在する、請求項1~23のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項25】
前記少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、前記接着剤組成物の総重量を基準として58~64重量%で存在する、請求項1~24のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマーは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.9~1.5重量%で存在する、請求項1~25のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項27】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマーは、前記接着剤組成物の総重量を基準として1~1.3重量%で存在する、請求項1~26のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.75~2.5重量%で存在する、請求項1~27のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項29】
前記少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.8~2.5重量%で存在する、請求項1~28のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項30】
前記少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.3~0.65重量%で存在する、請求項1~29のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項31】
前記少なくとも1種のイソシアネート官能化シランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.5~2.8重量%で存在する、請求項1~30のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項32】
前記少なくとも1種のイソシアネート官能化シランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.5~2.5重量%で存在する、請求項1~31のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項33】
前記アミン触媒は、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.1~0.4重量%で存在する、請求項1~32のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項34】
前記アミン触媒は、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.14~0.3重量%で存在する、請求項1~33のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項35】
前記メルカプトシランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.5~1.2重量%で存在する、請求項1~34のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項36】
前記メルカプトシランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.75~1.0重量%で存在する、請求項1~35のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項37】
前記アミノシランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.05~0.5重量%で存在する、請求項1~36のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項38】
前記アミノシランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.09~0.2重量%で存在する、請求項1~37のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項39】
前記アミノシランは、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.1~0.15重量%で存在する、請求項1~38のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項40】
カーボンブラックは、前記接着剤組成物の総重量を基準として17.6~25重量%で存在する、請求項1~39のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項41】
カーボンブラックは、前記接着剤組成物の総重量を基準として20~23重量%で存在する、請求項1~40のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項42】
炭酸カルシウムは、前記接着剤組成物の総重量を基準として6~9重量%で存在する、請求項1~41のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項43】
前記少なくとも1種の有機金属触媒は、有機スズ触媒である、請求項1~42のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項44】
前記少なくとも1種の有機金属触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジメチルスズルメルカプチド、ジメチルスズカルボキシレート、ジメチルスズジオレエート、ジメチルスズジチオグリコレート、ジブチルスズメルカプチド、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズスルフィド、ジオクチルスズジチオグリコレート、ジオクチルスズメルカプチド、ジオクチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジオクチルスズジラウレート及びこれらの混合物から選択される、請求項1~43のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項45】
前記少なくとも1種の有機金属触媒は、ジメチルスズジネオデカノエートである、請求項1~44のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項46】
前記少なくとも1種の有機金属触媒は、前記接着剤組成物の総重量を基準として0.01~0.05重量%で使用される、請求項1~45のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項47】
熱、可視光及びUV光安定剤をさらに含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項48】
トリスノニルフェニルホスファイト、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、2-(2H-ベンゾトリアゾ-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール並びにこれらの混合物から選択される安定剤をさらに含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項49】
少なくとも1種の可塑剤をさらに含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項50】
ジイソノニルフタレートである少なくとも1種の可塑剤をさらに含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項51】
接着剤組成物であって、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における、HDI三量体をベースとする少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%の、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルであるアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における、ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)ジメチルスズジネオデカノエートである少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、前記ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、3~20重量%であり、及び前記重量パーセントは、前記ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物。
【請求項52】
接着剤組成物であって、
(A)58~64重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)1~1.3重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.8~2.5重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における、HDI三量体をベースとする少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.3~0.65重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.5~2.5重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.14~0.3重量%の、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルであるアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.7重量%である、0.75~1.0重量%のメルカプトシラン総含有量における、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0.1~0.15重量%のアミノシラン総含有量における、ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである少なくとも1種のアミノシラン;
(H)20~23重量%のカーボンブラック;
(I)9~12重量%の炭酸カルシウム;
(J)0.3~0.6重量%のヒュームドシリカ;
(K)0.01~0.05重量%の、ジメチルスズジネオデカノエートである少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、前記ポリイソシアネート総含有量は、1~4重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、3~15重量%であり、及び前記重量パーセントは、前記ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一液型ポリウレタン接着剤、特にプライマーの必要がないガラス及び耐酸性塗装基材への接着のためのポリウレタン接着剤の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
一液ポリウレタン接着剤は、自動車産業において、特に車体の窓フランジにフロントガラスを接着するために広範に使用されている。市販の接着剤は、強い接着性能及び良好な物理的特性の両方を提供するように設計されている。多くの接着剤は、良好な接着強度(重ね剪断値>362psi)及び良好な破壊モードをもたらすためにフロントガラスのガラスフリット及び被覆窓フランジ上にプライマーを必要とする。自動車OEMプラントでのプライマーの使用は、揮発性有機化合物、生産ステップ、品質問題及び製造コストを増大させる。
【0003】
ガラスフリット又は塗装金属パネルのいずれかへのプライマーレス接着を提供する接着剤が報告されているが、これらの接着剤は、ガラスフリット及び塗装パネルの両方への、とりわけプレス曲げガラスフリット及び耐酸性塗装パネルへのプライマーレス接着性能を欠いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガラスフリット及び塗装パネルへの良好なプライマーレス接着を提供することができる一液型ポリウレタン接着剤が強く必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本発明は、一液型ポリウレタン接着剤組成物であって、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%のアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)イソシアネートと、少なくとも1つの反応性水素を有する官能基との反応及びシラン縮合を触媒することができる少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、0~20重量%であり、及び重量パーセントは、ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物を提供する。
【0006】
第2の態様では、本発明は、
ガラス基材;
第2の基材;
両方の基材と接着接触する本発明の接着剤組成物の層
を含む接着された組立品を提供する。
【0007】
第3の態様では、本発明は、ガラス基材を第2の基材に接着する方法であって、
(1)ガラス基材及び第2の基材を提供するステップ;
(2)本発明の接着剤組成物を、プライマーなしにガラス基材、第2の基材又は両方に塗布するステップ;
(3)ガラス基材と第2の基材とを、接着剤組成物が両方の基材と接着接触するように組み立てるステップ
を含む方法を提供する。
【0008】
本発明の組成物は、ガラスと塗装基材とを一緒にプライマーの必要性なしに接着させるのに有用である。本組成物は、業界標準を満たす重ね剪断強度を与え、耐久性のある接着を提供する。好ましい実施形態では、23℃±2℃で7日間の硬化後の本組成物は、6MPa(870psi)以上の引張強度、3MPa(435psi)以上のヤング率、100パーセント凝集破壊で2.5MPa(362psi)以上の重ね剪断接着強度、270%以上の伸び、並びに23℃及び50%相対湿度、並びに他の環境老化条件下で7日硬化後に100パーセント凝集破壊のクイックナイフ接着を示す。本発明の組成物は、室温でポンプ送液可能であり、加熱が必要とされない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明者らは、意外にも、請求項1に記載の接着剤組成物が、環境老化条件後でもガラス及び塗装基材の両方への良好なプライマーレス接着を与えることを見出した。
【0010】
定義及び略語
MDI 4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)
HDI ヘキサメチレンジイソシアネート
PU ポリウレタン
SEC サイズ排除クロマトグラフィー。
【0011】
本明細書で報告されるようなポリマーの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定される数又は重量平均分子量としてダルトン(Da)単位で報告される。
【0012】
本発明の一液型ポリウレタン接着剤組成物は、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%のアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)イソシアネートと、少なくとも1つの反応性水素を有する官能基との反応及びシラン縮合を触媒することができる少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、0~20重量%であり、及び重量パーセントは、ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする。
【0013】
ポリエーテルプレポリマー(A)
本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として30~75重量%でポリエーテルプレポリマーを含む。
【0014】
ポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートの存在下で1種以上のポリエーテルポリオールを重合させることによって製造されたポリマーを含む。本発明において有用なポリエーテルポリオールには、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリ(アルキレンカーボネート)ポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール及びそれらの混合物が含まれる。ポリエーテルポリオールは、当技術分野において周知であり、例えば非置換の又はハロゲン若しくは芳香族置換エチレンオキシド又はプロピレンオキシドを、水、アンモニア、ポリアルコール又はアミンなどの2つ以上の活性水素基を含有する開始剤化合物と反応させることによって調製されるポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン及びポリテトラメチレンエーテルジオール及びトリオールを含む。一般に、ポリエーテルポリオールは、活性水含有開始剤化合物の存在下でアルキレンオキシドを重合させることによって調製され得る。好ましいポリエーテルポリオールは、ポリオールの主鎖中に1種以上のアルキレンオキシド単位を含有する。好ましいアルキレンオキシド単位は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びそれらの混合物である。好ましくは、ポリオールは、プロピレンオキシド単位、エチレンオキシド単位又はそれらの混合物を含有する。アルキレンオキシド単位の混合物がポリオール中に含有される実施形態では、異なる単位は、ランダムに配置され得るか、又はそれぞれのアルキレンオキシドのブロックで配置され得る。1つの好ましい実施形態では、ポリオールは、エチレンオキシド鎖がポリオールをキャップする状態でプロピレンオキシド鎖を含む。好ましい実施形態では、ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルジオールとポリエーテルトリオールとの混合物である。好ましくは、ポリエーテルポリオール又は混合物は、少なくとも約1.5、より好ましくは少なくとも約1.8の官能価を有し、最も好ましくは少なくとも約2.0であり;好ましくは約4.0以下、より好ましくは約3.5以下であり、最も好ましくは約3.0以下である。好ましくは、ポリエーテルポリオール混合物の当量は、少なくとも約200、より好ましくは少なくとも約500であり、より好ましくは少なくとも約1,000であり;好ましくは約5,000以下、より好ましくは約3,000以下であり、最も好ましくは約2,500以下である。
【0015】
より具体的な例としては、
1.アルキレン基がC~Cである、ポリ(アルキレンオキシド)ジオール、特にポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールなどの二官能性ポリオール(ジオール)であり、ポリ(プロピレンオキシド)ジオールが特に好ましい。特に好ましい実施形態では、ポリエーテルプレポリマーは、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)を含む。
2.アルキレン基がC~Cである、トリメチロールプロパンなどの三官能性ポリオールで開始されたアルキレンオキシドをベースとするものなどの三官能性ポリオール(トリオール)、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラメチレンオキシド及びブチレンオキシドであり、プロピレンオキシドが特に好ましい。特に好ましい実施形態では、ポリエーテルプレポリマーは、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)を含み;ポリマーは、反応性を変更するためにエチレンオキシドでキャップされていても又はキャップされていなくてもよい。
3.1と2との混合物。1と2との混合物が特に好ましく、特に1:2~2:1の重量比b)/a)において、a)56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)と、b)36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)との混合物がより特に好ましい。
【0016】
ポリエーテルプレポリマーを製造するために使用され得るジイソシアネートは、特に限定されない。脂肪族及び芳香族ジイソシアネートが使用され得る。好適なジイソシアネートの例としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)が挙げられ、MDIが特に好ましい。
【0017】
特に好ましい実施形態では、ポリエーテルプレポリマーは、MDIと反応された、56のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)と、36のヒドロキシル価を有する名目上三価のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)とを含む。
【0018】
好ましい実施形態では、ポリエーテルプレポリマーは、1.25重量%のイソシアネート含有量と、米国特許第5,922,809号明細書において列12、行38~49に記載されている手順に従って測定されるように23℃で16,000cpsの粘度とを有する。
【0019】
ポリエーテルプレポリマーは、接着剤組成物の総重量を基準として30~75重量%、接着剤の総重量を基準としてより好ましくは45~65重量%、より特に好ましくは55~64%で存在する。
【0020】
特に好ましい実施形態では、本発明の接着剤組成物は、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含み、且つ1.25重量%のイソシアネート含有量と、米国特許第5,922,809号明細書において列12、行38~49に記載されている手順に従って測定されるように23℃で16,000cpsの粘度とを有する、接着剤組成物の総重量を基準として58~64重量%のポリエーテルプレポリマーを含む。
【0021】
好ましくは、プレポリマーは、少なくとも6,000センチポアズ又は少なくとも約8,000センチポアズ、30,000センチポアズ又は20,000センチポアズほどの大きさのブルックフィールド粘度を有する。粘度が高すぎる場合、最終接着剤をポンプ送液することが困難であろう。粘度が低すぎる場合、最終接着剤は、余りにも流れやすく、且つ/又は垂れるであろう。
【0022】
プレポリマーは、5重量%のNCO含有量に対応する少なくとも840のイソシアネート当量を有する。プレポリマーのイソシアネート当量は、少なくとも1050(NCO含有量4%)、少なくとも1400(NCO含有量3%)又は少なくとも1680(NCO含有量2.5%)であり得、例えば10,000(NCO含有量0.42%)以下、8400(NCO含有量0.5%)以下、7000(NCO含有量0.6%)以下、5000(NCO含有量0.84%)以下であり得る。ポリエーテルプレポリマーは、少なくとも約2.0の平均イソシアネート官能価及び少なくとも約2,000の分子量(重量平均)を有する。好ましくは、プレポリマーの平均イソシアネート官能価は、少なくとも約2.2であり、より好ましくは少なくとも約2.4である。好ましくは、イソシアネート官能価は、約3.5以下、より好ましくは約3.0以下、最も好ましくは約2.8以下である。好ましくは、プレポリマーの重量平均分子量は、少なくとも約2,500であり、より好ましくは少なくとも約3,000であり;好ましくは約40,000以下、さらに一層好ましくは約20,000以下、より好ましくは約15,000以下であり、最も好ましくは約10,000以下である。プレポリマーは、対応するプレポリマーを形成するのに十分な反応条件下において、少なくとも2つのイソシアネート反応性が高い、活性水素含有基を含有するイソシアネート反応性化合物を、化学量論より過剰のポリイソシアネートと反応させることによるなど、任意の好適な方法によって調製され得る。
【0023】
プレポリマー当量及び分子量は、参照により本明細書に援用される米国特許第5,922,809号明細書において列12、行50~64に開示されている手順に従って測定される。
【0024】
ポリエステルプレポリマー(B)
本発明の接着剤組成物は、組成物の総重量を基準として0.5~2.0重量%でポリエステルプレポリマーを含む。
【0025】
ポリエステルプレポリマーは、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルをポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと反応させることによって製造されたポリマーを含む。3,000~4,000Da、好ましくは3,500Daの分子量を有するコポリエステルが特に好ましい。
【0026】
ポリエステルプレポリマーを製造するために使用され得るジイソシアネートは、特に限定されない。脂肪族及び芳香族ジイソシアネートが使用され得る。好適なジイソシアネートの例としては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)が挙げられ、MDIが特に好ましい。
【0027】
好ましい実施形態では、ポリエステルプレポリマーは、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される。好ましくは、それは、45~90℃の融点を有する。
【0028】
ポリエステルプレポリマーは、組成物の総重量を基準として0.5~2.0重量%、接着剤組成物の総重量を基準として好ましくは0.9~1.5重量%、より好ましくは1~1.3重量%で存在する。
【0029】
好ましい実施形態では、ポリエステルプレポリマーは、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造され、45~90℃の融点を有し、それは、接着剤組成物の総重量を基準として1~1.3重量%で使用される。
【0030】
脂肪族ポリイソシアネート(C)
本発明の接着剤組成物は、0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートを含む。
【0031】
脂肪族ポリイソシアネートは、特に限定されない。いくつかの例としては、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられ、これらのいずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得る。
【0032】
好ましい実施形態では、脂肪族ポリイソシアネートは、21.8±0.3%のNCO含有量(DIN EN ISO 11 909による)を有するHDI三量体をベースとする。
【0033】
脂肪族ポリイソシアネートは、組成物の総重量を基準として0.5~3.0重量%、好ましくは接着剤組成物の総重量を基準として0.8~2.5重量%で本発明の接着剤組成物中に存在する。
【0034】
特に好ましい実施形態では、脂肪族ポリイソシアネートは、接着剤組成物の総重量を基準として0.8~2.5重量%の、21.8±0.3%のNCO含有量(DIN EN ISO 11 909による)を有するHDI三量体である。
【0035】
芳香族ポリイソシアネート(D)
本発明の接着剤組成物は、(D)少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートを、接着剤組成物の総重量を基準として0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量で含む。
【0036】
芳香族ポリイソシアネートは、特に限定されない。例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックMDI(PMDI、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルイソシアネートとの混合物)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートが挙げられ、これらのいずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得る。
【0037】
好ましい実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、30.4%のNCO含有量(DIN EN ISO 11 909による)を有するポリメチレンポリフェニルイソシアネートである。
【0038】
芳香族ポリイソシアネートは、接着剤組成物の総重量を基準として0.2~2.0重量%、好ましくは接着剤組成物の総重量を基準として0.3~0.65重量%で使用される。
【0039】
特に好ましい実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、接着剤組成物の総重量を基準として0.3~0.65重量%の、30.4%のNCO含有量(DIN EN ISO 11 909による)を有するポリメチレンポリフェニルイソシアネートである。
【0040】
イソシアネート官能化シラン(E)
本発明の接着剤組成物は、(E)少なくとも1種のイソシアネート官能化シランを、接着剤組成物の総重量を基準として0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量で含む。
【0041】
イソシアネート官能化シランは、特に限定されない。例としては、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を、式:
【化1】

(式中、Wは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、一級アミノ基及び二級アミノ基からなる群から選択される活性水素含有基であり、Xは、加水分解性アルコキシ基であり、Rは、C~C20アルキル、C~C20アリール、C~C20アラルキル基であり、Rは、C~C20炭化水素基から選択され、特にプロピレン(-CH-CH-CH-)基であり、及びbは、0、1又は2である)
のシラン化合物の活性水素含有基Wと反応させることによって製造されたものが挙げられる。
【0042】
さらなる例としては、
・アミノシランとポリイソシアネートとの反応生成物;
・メルカプトシランとポリイソシアネートとの反応生成物;
・カルボキシレート官能化シランとポリイソシアネートとの反応生成物;
・(3-イソシアナトプロピル)トリメトキシシランなどのイソシアネート官能化シラン
が挙げられる。
【0043】
アミノシラン、より特に二級アミンアミノシランとポリイソシアネートとの反応生成物が特に好ましい。
【0044】
好ましい実施形態では、イソシアネート官能化シランは、二級アミノアルコキシシランとポリイソシアネートとの反応生成物、例えばHDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である。
【0045】
特に好ましい実施形態では、イソシアネート官能化シランは、7%のイソシアネート含有量を有する、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である。イソシアネート官能化シランは、可塑剤などの追加の不活性添加剤を含有し得る。
【0046】
イソシアネート官能化シランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.2~3重量%、好ましくは0.5~2.6重量%、より好ましくは0.5~2.5重量%で存在する。
【0047】
特に好ましい実施形態では、イソシアネート官能化シランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.8~1.0重量%、好ましくは0.5~2.5重量%で使用される、7%のイソシアネート含有量を有する、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である。
【0048】
アミン触媒(F)
本発明の接着剤組成物は、(F)アミン触媒を、接着剤組成物の総重量を基準として0.1~0.6重量%で含む。
【0049】
アミン触媒は、イソシアネートと水分との反応を触媒することができる任意のアミン触媒である。三級アミン、例えばN,N-ジメチルシクロヘキサンアミン、トリエチレンジアミン、N,N,N,N-テトラメチルアルキレンジアミン、N,N,N,N-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン、N,N-ジメチルブチルアミン、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルなどの脂肪族環状及び非環状アミンが好ましい。
【0050】
2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルが特に好ましい。
【0051】
アミン触媒は、接着剤組成物の総重量を基準として0.1~0.6重量%、好ましくは0.1~0.35重量%、より好ましくは0.14~0.3重量%で使用される。
【0052】
好ましい実施形態では、アミン触媒は、接着剤組成物の総重量を基準として0.14~0.3重量%の2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルである。
【0053】
メルカプトシラン(G)
本発明の接着剤組成物は、(G)0~1.5重量%の少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%の少なくとも1種のアミノシランを含み、アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせは、接着剤組成物の総重量を基準として少なくとも0.5重量%である。
【0054】
メルカプトシランは、特に限定されない。以下の式:
【化2】

(式中、R、R及びRは、OCH及びOCから独立して選択され;及び
は、C2nであり、nは、1~12の整数である)
のメルカプトシランが特に好ましい。
【0055】
、R及びRがOCHであり、及びnが1~6であるメルカプトシランが特に好ましい。
【0056】
好ましい実施形態では、メルカプトシラは、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
【0057】
少なくとも1種のメルカプトシランは、好ましくは、接着剤組成物の総重量を基準として0~1.5重量%、より好ましくは0.75~1.2重量%、特に好ましくは0.75~1.0重量%のメルカプトシラン総含有量で存在する。
【0058】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1種のメルカプトシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.75~1.0重量%のγ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである。
【0059】
アミノシラン(G’)
本発明の接着剤組成物は、(G)0~1.5重量%の少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%の少なくとも1種のアミノシランを含み、アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせは、接着剤組成物の総重量を基準として少なくとも0.5重量%である。
【0060】
アミノシランは、特に限定されない。一級及び二級アミノシランが使用され得る。二級の、特に以下の式:
【化3】

(式中、R、R、R、R、R及びRは、OCH及びOCから独立して選択され;及び
及びRは、C2nから独立して選択され、nは、1~6の整数であり、好ましくは、nは、3である)
のアミノシランが特に好ましい。
【0061】
好ましい実施形態では、少なくとも1種のアミノシランは、ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである。
【0062】
少なくとも1種のアミノシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0~1.5重量%、より好ましくは0.01~0.5重量%、より好ましくは0.05~0.2重量%、より特に好ましくは0.1~0.15重量%のアミノシラン総含有量で好ましくは存在する。
【0063】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1種のアミノシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.09~0.2重量%のビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである。
【0064】
カーボンブラック(H)
本発明の接着剤組成物は、(H)カーボンブラックを、接着剤組成物の総重量を基準として10~35重量%で含む。
【0065】
カーボンブラックは、特に限定されない。好ましいカーボンブラックは、ASTM D-2414-09に従って測定されるように、カーボンブラックの100g当たり少なくとも80cm、好ましくは少なくとも90cm、より好ましくは少なくとも95cmのジブチルフタレートの給油価を示す。加えて、カーボンブラックは、望ましくは、ASTM D1510-11に従って測定される少なくとも80のヨウ素価を有する。
【0066】
カーボンブラックは、接着剤組成物の総重量を基準として10~35重量%、好ましくは17.6~25重量%、より好ましくは20~23重量%で存在する。
【0067】
炭酸カルシウム(I)
本発明の接着剤組成物は、任意選択的に、(I)炭酸カルシウムを、接着剤組成物の総重量を基準として0~20重量%で含む。炭酸カルシウム粒子は、無処理であるか、又は有機酸若しくは有機酸のエステルなどの化学薬品での処理によって表面改質され得る。
【0068】
好ましくは、炭酸カルシウムは、接着剤組成物の総重量を基準として5~10重量%、より好ましくは6~9重量%で存在する。
【0069】
炭酸カルシウム+カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラーの総含有量は、組成物の総重量を基準として3~15重量%、より好ましくは5~12重量%である。
【0070】
フィラー(J)
本発明の接着剤組成物は、任意選択的に、組成物の総重量を基準として0~15重量%の、炭酸カルシウム及び/又はカーボンブラック以外の追加のフィラーを含む。
【0071】
好適なフィラーの例としては、ヒュームドシリカ、粘土、酸化カルシウム、有機粘土、タルク、粉末ガラス、窒化ホウ素などのセラミックス、金属、架橋有機ポリマー、リグノセルロース粉末が挙げられる。
【0072】
ヒュームドシリカが使用される場合、粒子は、非処理であるか、又はクロロシラン、ジクロロシラン、アルキルトリアルコキシシラン若しくはポリジメチルシロキサンなどの化学薬品での処理によって表面改質され得る。
【0073】
フィラーは、0~20重量%で存在するヒュームドシリカ及び/又は粘土であり得る。
【0074】
炭酸カルシウム+フィラー、例えばヒュームドシリカ及び/又は粘土の総含有量は、組成物の総重量を基準として0~20重量%である。
【0075】
好ましい実施形態では、本発明の接着剤組成物は、接着剤組成物の総重量を基準として0.1~1重量%、より好ましくは0.2~0.75重量%、特に好ましくは0.3~0.6重量%のフィラーを含む。
【0076】
好ましい実施形態では、フィラーは、ヒュームドシリカであり、接着剤組成物の総重量を基準として0.1~1重量%、より好ましくは0.2~0.75重量%、特により好ましくは0.3~0.6重量%で存在する。
【0077】
有機金属触媒(K)
接着剤は、イソシアネートと、少なくとも1つの反応性水素を有する官能基との反応及びシラン縮合を触媒することができる少なくとも1種の有機金属触媒を含む。金属カルボキシレートには、スズカルボキシレート及び亜鉛カルボキシレートが含まれる。金属アルカノエートには、オクタン酸スズ(II)、オクタン酸ビスマス又はネオデカン酸ビスマスが含まれる。好ましくは、少なくとも1種の有機金属触媒は、有機スズ触媒である。例としては、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジメチルスズメルカプチド、ジメチルスズカルボキシレート、ジメチルスズジオレエート、ジメチルスズジチオグリコレート、ジブチルスズメルカプチド、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズスルフィド、ジオクチルスズジチオグリコレート、ジオクチルスズメルカプチド、ジオクチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジオクチルスズジラウレートが挙げられる。特に好ましい実施形態では、それは、ジメチルスズジネオデカノエートである。
【0078】
有機金属触媒は、接着剤の総重量を基準として好ましくは0.001~2重量%、より好ましくは0.005~1重量%、特に好ましくは0.01~0.5重量%で存在する。
【0079】
特に好ましい実施形態では、有機金属触媒は、接着剤の総重量を基準として0.01~0.5重量%で使用される、上で列挙されたものから特に選択される有機スズ触媒である。
【0080】
別の好ましい実施形態では、有機金属触媒は、接着剤の総重量を基準として0.01~0.5重量%で使用されるジメチルスズジネオデカノエートである。
【0081】
他の成分
本発明の接着剤組成物は、例えば、1種以上の可塑剤(ジイソノニルフタレートなど)、1種以上の安定剤、例えば熱、可視光及びUV安定剤などの他の成分をさらに含み得る。
【0082】
熱安定剤の例としては、アルキル置換フェノール、ホスファイト、セバケート及びシンナメートが挙げられる。存在する場合、好ましい熱安定剤は、有機ホスファイト、より具体的には参照により本明細書に援用される米国特許第6,512,033号明細書に開示されているようなトリスノニルフェニルホスファイトである。熱安定剤は、接着剤組成物の全重量を基準として少なくとも0.01重量パーセント又は少なくとも0.3重量パーセント、最大でも5重量パーセント、2重量パーセント以下又は1.0重量パーセント以下を構成し得る。接着剤組成物は、そのような安定剤を欠き得る。
【0083】
UV光安定剤に関して、それらには、ベンゾフェノン類及びベンゾトリアゾール類が含まれる。具体的なUV光吸収剤には、TINUVIN(商標)P、TINUVIN(商標)326、TINUVIN(商標)213、TINUVIN(商標)327、TINUVIN(商標)571、TINUVIN(商標)328などのBASF製のもの並びにCYASORB(商標)UV-9、CYASORB(商標)UV-24、CYASORB(商標)UV-1164、CYASORB(商標)UV-2337、CYASORB(商標)UV-2908、CYASORB(商標)UV-5337、CYASORB(商標)UV-531、及びCYASORB(商標)UV-3638などのCytec製のものが含まれる。これらの中で、TINUVIN(商標)571が好ましい。1種以上のUV光吸収剤は、接着剤組成物の重量の少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.2重量パーセント又は少なくとも0.3重量部を構成し得、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下又は1重量パーセントを構成し得る。
【0084】
本発明の接着剤組成物は、1種以上の可視光安定剤をさらに含み得る。好ましい可視光安定剤には、Cytecから入手可能なTINUVIN(商標)144、TINUVIN(商標)622、TINUVIN(商標)77、TINUVIN(商標)123、TINUVIN(商標)765、CHIMASSORB(商標)944;全てCiba-Geigyから入手可能な、CYASORB(商標)UV-500、CYASORB(商標)UV-3581、CYASORB(商標)UV-3346などのヒンダードアミン可視光安定剤が含まれる。これらの中で、TINUVIN(商標)765が好ましい選択である。可視光安定剤は、接着剤組成物の少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.2重量パーセント又は少なくとも0.3重量パーセントを構成し得、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下又は1.5重量パーセント以下を構成し得る。
【0085】
好ましい実施形態では、安定剤は、トリスノニルフェニルホスファイト、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、2-(2H-ベンゾトリアゾ-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール並びにこれらの混合物を含み、これらの混合物を使用することが特に好ましい。
【0086】
粘度
接着剤組成物の粘度は、20gの接着剤組成物が23℃で552kPaの印加圧力下において4.0mmオリフィスを通過するための時間(秒単位)である、プレスフロー粘度として表される。プレスフロー粘度は、例えば、少なくとも5秒、少なくとも10秒、少なくとも15秒であり得、例えば150秒以下、120秒以下、80秒以下又は70秒以下であり得る。
【0087】
接着組立品
一態様では、本発明は、
ガラス基材;
第2の基材;
両方の基材と接着接触する本発明の接着剤組成物の層
を含む接着組立品を提供する。
【0088】
第2の基材は、特に限定されず、例えばガラス、金属(特に下塗した金属)、電着表面、塗装表面、木材及び硬化したポリウレタンであり得る。好ましい実施形態では、第2の基材は、自動車トップコートコーテッド表面(自動車トップコートでコーティングされた金属)、電着表面、硬化したポリウレタン及び硬化したシラン化ポリウレタンから選択される。
【0089】
特に好ましい実施形態では、本発明の組立品は、
ガラス基材;
自動車ペイント(シラン化自動車ペイントなど)でコーティングされた基材;
両方の基材と接着接触する本発明の接着剤組成物の層
を含む。
【0090】
製造方法
本発明の接着剤組成物は、均質な混合物が得られるまで、不活性な及び乾燥した条件下及び/又は真空下で成分を混合することによって製造される。1つの好ましい製造方法では、ポリエーテルプレポリマー、アミノシラン(使用される場合)、イソシアナトシラン、ジイソノニルフタレート可塑剤(使用される場合)、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネート及びメルカプトシラン(使用される場合)がミキサー容器(Rossミキサーなど)内に装入され、真空下で撹拌しながら(例えば、5分間又は約5分間で)60℃又は約60℃に加熱される。アミン触媒及び有機金属触媒が添加され、混合物が真空下で(例えば、5分間又は約5分間)撹拌される。真空が破壊され、不活性雰囲気(例えば、N又はAr)下において、フィラー(使用される場合、例えばヒュームドシリカ)、カーボンブラック及び炭酸カルシウム(使用される場合)が反応器に添加され、撹拌される(例えば、2~5分間)。フィラー(使用される場合、例えばヒュームドシリカ)は、カーボン及び炭酸カルシウムの前にミキサーに添加することもできる。混合物が真空下に置かれ、混合物がより長い期間(例えば、15分間)撹拌される。ポリエステルプレポリマー(80℃又は約80℃まで事前に加熱された)及び安定剤(使用される場合)が添加され、真空が再確立され、混合物は、さらに5分間撹拌される。結果として生じた接着剤組成物は、容器に入れられ、例えば、それは、気密チューブ内に入れられ得、気密チューブは、窒素充填密封アルミニウムバッグ内で保管される。
【0091】
使用
本発明の接着剤組成物は、プライマーの必要性なしに、塗装又はコーティングされた基材にガラスを接着させるために特に適している。
【0092】
使用において、接着剤は、ガラス基材及び/又は第2の塗装基材に塗布される。必要に応じて、例えば、両方の基材は、接着剤を塗布する前にきれいにされ得る。ガラス基材及び第2の塗装基材は、次いで、互いに、それらの間に挟まれた本発明の接着剤と接着接触される。
【0093】
硬化は、大気水分によって達成される。
【0094】
特に好ましい実施形態
以下は、本発明の接着剤組成物の特に好ましい実施形態である:
1.一液型ポリウレタン接着剤組成物であって、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%のアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)イソシアネートと、少なくとも1つの反応性水素を有する官能基との反応及びシラン縮合を触媒することができる少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、0~20重量%であり、及び重量パーセントは、ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物。
2.少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー(A)は、ポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートの存在下で1種以上のポリオールを反応させることによって製造され、ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール及びそれらの混合物から選択され得る、実施形態1に記載の接着剤組成物。
3.少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネートをポリエーテルポリオールと反応させることによって製造される、実施形態1又は2に記載の接着剤組成物。
4.ポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネートを、ポリ(オキシエチレンオキシド)ジオール、ポリ(オキシプロピレンオキシド)ジオール、ポリ(オキシブチレンオキシド)ジオール及びポリ(テトラメチレンオキシド)ジオールから選択されるポリオールと反応させることによって製造される、実施形態1、2又は3に記載の接着剤組成物。
5.ポリエーテルプレポリマーは、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びこれらの混合物から選択されるポリイソシアネーを、アルキレン基がC~Cである、ポリ(アルキレンオキシド)ジオールから選択される二官能性ポリエーテルポリオール、アルキレン基がC~Cである、三官能性ポリオールで開始されたポリ(アルキレンオキシド)ジオールをベースとする三官能性ポリオール及びこれらの混合物と反応させることによって製造される、実施形態1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
6.ポリエーテルプレポリマーは、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む、実施形態1~5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
7.少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルをポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと反応させることによって製造される、実施形態1~6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
8.少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルを、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びこれらの混合物から選択されるポリイソシアネートと反応させることによって製造される、実施形態1~7のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
9.少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される、実施形態1~8のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
10.少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート(C)は、いずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得るイソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される、実施形態1~9のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
11.少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート(C)は、HDI三量体をベースとする、実施形態1~10のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
12.少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート(D)は、いずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得るジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックMDI(PMDI、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルイソシアネートとの混合物)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートから選択される、実施形態1~11のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
13.少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート(D)は、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである、実施形態1~12のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
14.少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン(E)は、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートなどのポリイソシアネート化合物を、式:
【化4】

(式中、Wは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、一級アミノ基及び二級アミノ基からなる群から選択される活性水素含有基であり、Xは、加水分解性アルコキシ基であり、Rは、C~C20アルキル、C~C20アリール、C~C20アラルキル基であり、Rは、C~C20炭化水素基から選択され、特にプロピレン(-CHCHCH-)基であり、及びbは、0、1又は2である)
のシラン化合物の活性水素含有基Wと反応させることによって製造されたシランから選択される、実施形態1~13のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
15.少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン(E)は、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である、実施形態1~14のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
16.アミン触媒(F)は、三級アミン触媒である、実施形態1~15のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
17.アミン触媒(F)は、N,N-ジメチルシクロヘキサン、トリエチレンジアミン、N,N,N,N-テトラメチルアルキレンジアミン、N,N,N,N-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルヘキサデシルアミン、N,N-ジメチルブチルアミン、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテル及びこれらの混合物から選択される、実施形態1~16のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
18.アミン触媒(F)は、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルである、実施形態1~17のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
19.少なくとも1種のメルカプトシラン(G)は、以下の式:
【化5】

(式中、R、R及びRは、OCH及びOCから選択され;及び
は、-C2n-であり、nは、1~12の整数である)
のものである、実施形態1~18のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
20.R、R及びRは、OCHであり、及びnは、1~6である、実施形態19に記載の接着剤組成物。
21.少なくとも1種のメルカプトシラン(G)は、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである、実施形態1~20のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
22.少なくとも1種のアミノシラン(G’)は、以下の式:
【化6】

(式中、R、R、R、R、R及びRは、OCH及びOCから独立して選択され;及び
及びRは、-C2n-から独立して選択され、nは、1~6の整数である)
のものである、実施形態1~21のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
23.nは、3である、実施形態22に記載の接着剤組成物。
24.少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、接着剤組成物の総重量を基準として45~65重量%で存在する、実施形態1~23のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
25.少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、接着剤組成物の総重量を基準として58~64重量%で存在する、実施形態1~24のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
26.少なくとも1種のポリエステルプレポリマーは、接着剤組成物の総重量を基準として0.9~1.5重量%で存在する、実施形態1~25のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
27.少なくとも1種のポリエステルプレポリマーは、接着剤組成物の総重量を基準として1~1.3重量%で存在する、実施形態1~26のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
28.少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートは、接着剤組成物の総重量を基準として0.5~3.0重量%で存在する、実施形態1~27のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
29.少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネートは、接着剤組成物の総重量を基準として0.8~2.5重量%で存在する、実施形態1~28のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
30.少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートは、接着剤組成物の総重量を基準として0.3~0.65重量%で存在する、実施形態1~29のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
31.少なくとも1種のイソシアネート官能化シランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.5~2.8重量%で存在する、実施形態1~30のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
32.少なくとも1種のイソシアネート官能化シランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.5~2.5重量%で存在する、実施形態1~31のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
33.アミン触媒は、接着剤組成物の総重量を基準として0.1~0.6重量%で存在する、実施形態1~32のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
34.アミン触媒は、接着剤組成物の総重量を基準として0.14~0.3重量%で存在する、実施形態1~33のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
35.メルカプトシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.75~1.2重量%で存在する、実施形態1~34のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
36.メルカプトシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.75~1.0重量%で存在する、実施形態1~35のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
37.アミノシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.05~0.5重量%で存在する、実施形態1~36のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
38.アミノシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.09~0.2重量%で存在する、実施形態1~37のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
39.アミノシランは、接着剤組成物の総重量を基準として0.1~0.15重量%で存在する、実施形態1~38のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
40.カーボンブラックは、接着剤組成物の総重量を基準として17.6~25重量%で存在する、実施形態1~39のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
41.カーボンブラックは、接着剤組成物の総重量を基準として20~23重量%で存在する、実施形態1~40のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
42.炭酸カルシウムは、接着剤組成物の総重量を基準として6~9重量%で存在する、実施形態1~41のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
43.少なくとも1種の有機金属触媒は、有機スズ触媒である、実施形態1~42のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
44.少なくとも1種の有機金属触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジネオデカノエート、ジメチルスズメルカプチド、ジメチルスズカルボキシレート、ジメチルスズジオレエート、ジメチルスズジチオグリコレート、ジブチルスズメルカプチド、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズスルフィド、ジオクチルスズジチオグリコレート、ジオクチルスズメルカプチド、ジオクチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジネオデカノエート、ジオクチルスズジラウレート及びこれらの混合物から選択される、実施形態1~43のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
45.少なくとも1種の有機金属触媒は、ジメチルスズジネオデカノエートである、実施形態1~44のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
46.少なくとも1種の有機金属触媒は、接着剤組成物の総重量を基準として0.01~0.05重量%で使用される、実施形態1~45のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
47.熱、可視光及びUV光安定剤をさらに含む、実施形態1~46のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
48.トリスノニルフェニルホスファイト、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート及びメチル1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルセバケート、2-(2H-ベンゾトリアゾ-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール並びにこれらの混合物から選択される安定剤をさらに含む、実施形態1~47のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
49.少なくとも1種の可塑剤をさらに含む、実施形態1~48のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
50.ジイソノニルフタレートである少なくとも1種の可塑剤をさらに含む、実施形態1~49のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
51.接着剤組成物であって、
(A)45~65重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.75~2.5重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における、HDI三量体をベースとする少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.5~2.6重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.35重量%の、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルであるアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における、ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)ジメチルスズジネオデカノエートである少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、0~20重量%であり、及び重量パーセントは、ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物。
52.接着剤組成物であって、
(A)58~64重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)1~1.3重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.8~2.5重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における、HDI三量体をベースとする少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.3~0.65重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.5~2.5重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.14~0.3重量%の、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルであるアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.7重量%である、0.75~1.0重量%のメルカプトシラン総含有量における、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0.1~0.15重量%のアミノシラン総含有量における、ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである少なくとも1種のアミノシラン;
(H)20~23重量%のカーボンブラック;
(I)6~12重量%の炭酸カルシウム;
(J)0.3~0.6重量%のヒュームドシリカ;
(K)0.01~0.05重量%の、ジメチルスズジネオデカノエートである少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、ポリイソシアネート総含有量は、1.0~4.0重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、3~15重量%であり、及び重量パーセントは、ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物。
53.ガラス基材;
第2の基材;
両方の基材と接着接触する、実施形態1~52のいずれか一項に記載の接着剤組成物の層
を含む接着された組立品。
54.ガラス基材を第2の塗装基材に接着する方法であって、
(1)ガラス基材及び第2の塗装基材を提供するステップ;
(2)実施形態1~52のいずれか一項に記載の接着剤組成物をガラス基材、第2の塗装基材又は両方に塗布するステップ;
(3)ガラス基材と第2の塗装基材とを、接着剤が両方の基材と接着接触するように組み立てるステップ
を含む方法。
【実施例
【0095】
【表1】
【0096】
ポリエーテルプレポリマー(A):363.68gのVoranol 220-056ポリオール、527.04gのVoranol 232-036ポリオール及び32gのジイソノニルフタレートを窒素下で4リットルの反応ケトル内に装入し、混合し、54℃に加熱した。全てのその後のステップを窒素下で行った。160.64gの融解MDIを添加し、混ぜ込み、0.08gのオクタン酸スズ(II)触媒を滴加した。反応ケトル内の温度は、反応の発熱のために上昇し;反応混合物を80℃~90℃に30分間維持した。反応混合物を次いで60℃まで冷却し、501.20gのジイソノニルフタレート及び15.36gのジエチルマロネートを添加し、30分間混ぜ込み、引き続き室温まで冷却した。結果として生じたポリエーテル系ポリウレタンプレポリマーは、1.25重量%のイソシアネート含有量と、米国特許第5,922,809号明細書に列12、行38~49で開示されている手順に従って測定されるように23℃で16,000cpsの粘度とを有した。
【0097】
ポリエステルプレポリマー(B):280gのジイソノニルフタレートを窒素下で容器内に装入し、50℃に加熱した。172.80gのMDIを添加し、引き続き融解Dynacoll 7381をゆっくり添加した。混合物を撹拌し、80~90℃で40分間反応させた。結果として生じたプレポリマーを放冷し、不活性雰囲気下で保管した。ポリエステルプレポリマーは、プレポリマーの総重量を基準として2重量%のNCO含有量を有した。
【0098】
イソシアネート官能化シラン(E):二級アミノアルコキシシランとポリイソシアネートとの反応生成物を、窒素下で333.3gのジイソノニルフタレートを反応器に装入することによって調製した。729.75gのDesmodur N-100(ヘキサメチレンジイソシアネート-ビウレットをベースとする溶媒を含まない脂肪族ポリイソシアネート樹脂)を添加し、混合物を十分に混合し、N雰囲気下でパージした。436.95gのN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)を混合物にゆっくり添加し、混合物を窒素下で30分間反応させた。付加体は、付加体の総重量を基準として7.1重量%のイソシアネート含有量を有した。
【0099】
安定剤混合物
140gのTinuvin 765、140gのTinuvin 571及び120gのDoverphos 4を、窒素下で混合しながら反応ケトル内に装入した。混合物を窒素下で60分間撹拌し、次いで不活性雰囲気下で保管した。
【0100】
接着剤組成物の調製
表2に列挙される割合を用いて、炭酸カルシウムフィラー、シリカ及びカーボンブラックを混合し、204℃で約20時間乾燥させ、次いで密閉容器内で冷却して混合物を形成した。ポリエーテルプレポリマー、アミノシラン、イソシアネート官能化シラン、ジイソノニルフタレート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びメルカプトシランを2-ガロンミキサー内に装入し、約60℃で予熱した。混合物を脱ガスし、真空下で5分間混合した。真空を窒素で破壊し、次いで任意の安定剤と一緒にDMDEE及びスズ触媒を添加し、これに追加の脱ガス及び真空下で10分間の混合が続いた。真空を窒素で再び破壊し、次いで使用される場合、シリカを含むフィラー混合物をミキサー内に添加した。混合を開始してフィラーを2分間ウェットアウトした。真空を適用し、混合を15分間続行した。真空を窒素で破壊した後、混合物をこすり落とし、ポリエステルプレポリマーを任意の安定剤と一緒に添加した。真空下の混合を10分間行った。結果として生じた接着剤組成物を気密チューブ内に入れ、気密チューブを窒素充填密封アルミニウムバッグ内で保管した。
【0101】
クイックナイフ接着
試験は、以下の試験片:
1つの面上をセラミックフリット2L-5350、Johnson Matthey Inc.から入手可能である、ビスマス系プレスペイントフリットで覆われた1インチ×6インチ又は1インチ×4インチのガラス;
Axalta RK8032の2kポリウレタンペイントでコーティングされた1インチ×4インチの金属;
BASF 2K4の2kポリウレタンペイントでコーティングされた1インチ×4インチの金属;
Axalta GenIVのシラン化ペイントでコーティングされた1インチ×4インチの金属;
プレス曲げセラミックフリットのフロントガラス
に関して行った。
【0102】
クイックナイフ接着試験は、6mm(幅)×6mm(高さ)×100mm(長さ)サイズのビーズを試験基材上に分配することによって行う。クイックナイフ試験は、特定の期間23℃及び50パーセントRH(相対湿度)下でのビーズの初期硬化及び任意のさらなる環境暴露後に行う。試験する場合、スリット(20~40mm)を接着端部と基材との間にカットする。硬化ビーズを、次いで>90°の角度でビーズの端部を引き戻しながら、60°の角度で試験基材までカミソリの刃でカットする。基材上で約3~5mm毎にV字型刻み目をカットする。接着度は、接着破壊(AF)、薄膜破壊(TF)及び/又は凝集破壊(CF)として評価する。AFの場合、硬化ビーズは、試験基材表面から分離することができる一方、CFでは、分離は、切断及び引張の結果としてシーラント接着剤内で起こり、TFは、切断及び試験後に基材上に残った硬化接着剤の薄膜があるCFの特別な場合である。
【0103】
接着剤サンプルに関するプレスフロー粘度は、特に明記しない限り、20gの接着剤組成物が23℃で552kPaの印加圧力の条件下において4.0mmオリフィスを通過するための時間(秒単位)を決定することによって測定する。
【0104】
重ね剪断試験は、以下に記載されるSAE J1529試験手順に従って行う。およそ10mmの基部及び10mmの高さの接着剤組成物の三角形ビーズを、ビスマス系プレス曲げガラスフリット試験片など、25mm×100mmの規定試験片の幅に沿って且つ試験片端部から約6mm離れて塗布する。塗装金属試験片であり得る第2の基材を接着剤ビーズ上に直接押し付けて、中間にある組成物に対して6mmの最終高さを与える。サンプルを、特に明記しない限り23℃及び50パーセント相対湿度(RH)の条件下で7日間硬化させる。サンプルを、次いで直ちに又はさらなる環境暴露後、Instron Testerを用いて50mm/分の速度で引っ張る。サンプル面積(in)で割ったサンプル破壊荷重(ポンド)が重ね剪断接着強度(psi)を与える。接着度は、接着破壊(AF)、薄膜破壊(TF)及び/又は凝集破壊(CF)として評価する。AFの場合、硬化ビーズは、試験基材表面から分離することができる一方、CFでは、分離は、シーラント接着剤内で起こり、TFは、試験後に基材上に残った硬化接着剤の薄膜があるCFの特別な場合である。
【0105】
接着剤サンプルの丸いパティを23℃及び50%相対湿度(RH)の条件で7日間硬化させる。試験検体をこれらの硬化サンプルパティからカットし、全てASTM D412(Die C)に従い、Instron Testerを用いて引張強度、伸び及びヤング率(1~10%歪み)に関して試験した。
【0106】
垂れ性能は、以下の方法によって評価する。10cm高さ及び30cm長さの金属パネルをその長さによって垂直に置く。熱老化条件前又は後のいずれかである接着剤組成物を、1.8cmの高さ及び0.6cmの基部のパネルの上端に沿って直角三角形ビーズとして分配する。30分後、接着剤ビーズの先端からの滴又は垂れの量をミリメートル単位で測定する。ビーズ先端からの垂れが全くない場合、垂れ試験結果は、ゼロミリメートルである。
【0107】
【表2】
【0108】
【表3】
【0109】
【表4】
【0110】
結果は、本発明の接着剤が14日の湿度処理及び90℃で10日間の熱老化後でも全ての基材で100%凝集破壊を示すことを示す。
【0111】
表4は、実施例1~4に関して初期粘度、熱老化粘度、熱老化垂れ、引張強度、伸び及びヤング率を示す。
【0112】
【表5】
【0113】
実施例1~4の全てのサンプルは、54℃熱老化条件で3日後にゼロ垂れ、900psi超の引張強度、300%超の伸び及び3MPa超のヤング率を示した。
【0114】
表5は、実施例2及び3に関する重ね剪断接着データを示す。
【0115】
【表6】
【0116】
重ね剪断強度は、100%凝集破壊で400psi超である。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一液型ポリウレタン接着剤組成物であって、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%のアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)イソシアネートと、少なくとも1つの反応性水素を有する官能基との反応及びシラン縮合を触媒することができる少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、前記ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、0~20重量%であり、及び前記重量パーセントは、前記ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、一液型ポリウレタン接着剤組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー(A)は、ポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートの存在下で1種以上のポリオールを重合させることによって製造され、前記ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシル含有ポリチオエーテル、ポリマーポリオール及びそれらの混合物から選択され得る、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種のポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネートをポリエーテルポリオールと反応させることによって製造される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記ポリエーテルプレポリマーは、ポリイソシアネートを、ポリ(エチレンオキシド)ジオール、ポリ(プロピレンオキシド)ジオール、ポリ(ブチレンオキシド)ジオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)ジオール、ポリ(エチレンオキシド)トリオール、ポリ(プロピレンオキシド)トリオール、ポリ(ブチレンオキシド)トリオール、ポリ(テトラメチレンオキシド)トリオール及びこれらの混合物から選択されるポリオールと反応させることによって製造される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリエーテルプレポリマーは、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びこれらの混合物から選択されるポリイソシアネーを、アルキレン基がC~Cである、ポリ(アルキレンオキシド)ジオールから選択される二官能性ポリエーテルポリオール、アルキレン基がC~Cである、三官能性ポリオールで開始されたポリ(アルキレンオキシド)トリオールをベースとする三官能性ポリオール及びこれらの混合物と反応させることによって製造される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記ポリエーテルプレポリマーは、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルをポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと反応させることによって製造される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、一級ヒドロキシル官能基を有する1種以上の直鎖コポリエステルを、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、メチレンビス-シクロヘキシルイソシアネート(HMDI)(水素化MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びこれらの混合物から選択されるポリイソシアネートと反応させることによって製造される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のポリエステルプレポリマー(B)は、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート(C)は、いずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得るイソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートから選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート(C)は、HDI三量体をベースとする、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート(D)は、いずれもビウレット基、アロファネート基、尿素基、カルバメート基、イソシアヌレート基又はカルボジイミド基を含むように修飾され得るジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリメリックMDI(PMDI、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルイソシアネートとの混合物)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートから選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート(D)は、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン(E)は、ポリイソシアネート化合物、トルエンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートを、式:
【化1】

(式中、Wは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、メルカプト基、一級アミノ基及び二級アミノ基からなる群から選択される活性水素含有基であり、Xは、加水分解性アルコキシ基であり、及びRは、C~C20アルキル、C~C20アリール、C~C20アラルキル基であり、Rは、C~C20炭化水素基から選択され、特にプロピレン(-CHCHCH-)基であり、及びbは、0、1又は2である)
のシリコーン化合物の活性水素含有基Wと反応させることによって製造されたシランから選択される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項15】
接着剤組成物であって、
(A)30~75重量%のポリエーテルプレポリマーの総含有量における、MDIと反応された、36のヒドロキシル価を有する名目上三官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1558)と、56のヒドロキシル価を有する名目上二官能性のポリ(プロピレンオキシド)(当量1000)とを含む少なくとも1種のポリエーテルプレポリマー;
(B)0.5~2.0重量%のポリエステルプレポリマーの総含有量における、3,500Daの分子量のコポリエステルをMDIと反応させることによって製造される少なくとも1種のポリエステルプレポリマー;
(C)0.5~3.0重量%の脂肪族ポリイソシアネート総含有量における、HDI三量体をベースとする少なくとも1種の脂肪族ポリイソシアネート;
(D)0.2~2.0重量%の芳香族ポリイソシアネート総含有量における、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートである少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート;
(E)0.2~3.0重量%のイソシアネート官能化シラン総含有量における、HDI-ビウレットと反応されたN,N-ビス[(3-トリメトキシシリル)-プロピル]アミン)の反応生成物である少なくとも1種のイソシアネート官能化シラン;
(F)0.1~0.6重量%の、2,2’-ジモルホリノジエチルエーテルであるアミン触媒;
(G)アミノ及び/又はメルカプトシランの組み合わせが少なくとも0.5重量%である、0~1.5重量%のメルカプトシラン総含有量における、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシランである少なくとも1種のメルカプトシラン、及び/又は(G’)0~1.5重量%のアミノシラン総含有量における、ビス(γ-トリメトキシシリルプロピル)アミンである少なくとも1種のアミノシラン;
(H)10~35重量%のカーボンブラック;
(I)任意選択的に、0~20重量%の炭酸カルシウム;
(J)任意選択的に、0~20重量%の、カーボンブラック及び炭酸カルシウム以外のフィラー;
(K)ジメチルスズジネオデカノエートである少なくとも1種の有機金属触媒
を含み、前記ポリイソシアネート総含有量は、1~5重量%であり、炭酸カルシウム+フィラーの合計は、3~20重量%であり、及び前記重量パーセントは、前記ポリウレタン接着剤の総重量を基準とする、接着剤組成物。
【国際調査報告】