(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】加工基板上にMMICおよびRFデバイスを製造するための方法とシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
H01L21/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522756
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 US2021054835
(87)【国際公開番号】W WO2022081749
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518137335
【氏名又は名称】クロミス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】アクタス,オズギュル
(72)【発明者】
【氏名】オドノブリュードフ,ウラジミール
(72)【発明者】
【氏名】バセリ,セム
(57)【要約】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムは、成長基板と、成長基板に結合されたデバイス層と、デバイス層に結合された複数のMMICデバイス素子と、複数のMMICデバイス素子に結合された複数のメタライゼーション構造を含む。MMICシステムはまた、複数のメタライゼーション構造に結合されたキャリア基板と、キャリア基板に結合された冷却構造を含む。
【選択図】
図3G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムであって、
成長基板と、
前記成長基板に結合されたデバイス層と、
前記デバイス層に結合された複数のMMICデバイス素子と、
前記複数のMMICデバイス素子に結合された複数のメタライゼーション構造と、
前記複数のメタライゼーション構造に結合されたキャリア基板と、
前記キャリア基板に結合された冷却構造と、
を備える、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システム。
【請求項2】
前記成長基板の熱膨張係数(CTE)が前記デバイス層のCTEと実質的に一致する、請求項1に記載のMMICシステム。
【請求項3】
前記成長基板が多結晶セラミックコアを含む、請求項1に記載のMMICシステム。
【請求項4】
前記多結晶セラミックコアが窒化アルミニウムを含む、請求項3に記載のMMICシステム。
【請求項5】
前記デバイス層の厚さが1μmを超える、請求項1に記載のMMICシステム。
【請求項6】
前記厚さが1~10μmである、請求項5に記載のMMICシステム。
【請求項7】
前記複数のMMICデバイス素子にグランド/電源プレーンを接続する複数のビアをさらに備える、請求項1に記載のMMICシステム。
【請求項8】
前記グランド/電源プレーンに結合された第2の冷却構造をさらに備える、請求項7に記載のMMICシステム。
【請求項9】
前記キャリア基板に結合された第2のグランド/電源プレーンと、
前記第2のグランド/電源プレーンから前記複数の金属構造のうちの1つ以上に通じる第2の複数のビアと、
をさらに備える、請求項1に記載のMMICシステム。
【請求項10】
前記第2のグランド/電源プレーンに結合された第2の冷却構造をさらに備える、請求項9に記載のMMICシステム。
【請求項11】
前記デバイス層が窒化ガリウム(GaN)を含む、請求項1に記載のMMICシステム。
【請求項12】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムを製造する方法であって、前記方法は、
成長基板と、前記成長基板に結合されたデバイス層とを含む加工基板を提供するステップと、
前記デバイス層を用いて複数のMMICデバイス素子を製造するステップと、
複数の金属構造を含むキャリア基板を提供するステップと、
前記複数の金属構造を前記複数のMMIC素子に接合するステップと、
前記成長基板の一部を除去するステップと、
前記キャリア基板の一部を除去するステップと、
前記成長基板に結合されたグランド/電源プレーンを形成するステップと、
前記グランド/電源プレーンから前記複数のMMICデバイス素子のうちの1つ以上に通じる複数のビアを形成するステップと、
前記キャリア基板に冷却構造を接合するステップと、
を含む、MMICシステムを製造する方法。
【請求項13】
第2の冷却構造を前記グランド/電源プレーンに接合することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記冷却構造を前記キャリア基板に接合する前に、
前記キャリア基板に結合された第2のグランド/電源プレーンを形成するステップと、
前記第2のグランド/電源プレーンから前記複数の金属構造のうちの1つ以上に通じる第2の複数のビアを形成するステップと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第2の冷却構造を前記グランド/電源プレーンに接合することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記成長基板の熱膨張係数(CTE)が前記デバイス層のCTEと実質的に一致する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記成長基板が多結晶セラミックコアを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記多結晶セラミックコアが窒化アルミニウムを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デバイス層の厚さが1~10μmである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記デバイス層が窒化ガリウム(GaN)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムであって、
代替加工基板と、
前記代替加工基板に結合されたデバイス層と、
前記デバイス層に結合された複数のモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)デバイス素子と、
前記複数のMMICデバイス素子に結合されたキャリア基板と、
前記代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーンと、
前記グランド/電源プレーンを前記複数のMMICデバイス素子に接続する複数のビアと、
前記グランド/電源プレーンに結合された冷却構造と、
を備える、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システム。
【請求項22】
前記代替加工基板の熱膨張係数(CTE)が前記デバイス層のCTEと実質的に一致する、請求項21に記載のMMICシステム。
【請求項23】
前記代替加工基板が多結晶セラミックコアを含む、請求項21に記載のMMICシステム。
【請求項24】
前記多結晶セラミックコアが窒化アルミニウムを含む、請求項23に記載のMMICシステム。
【請求項25】
前記デバイス層の厚さが1μmを超える、請求項21に記載のMMICシステム。
【請求項26】
前記複数のMMICデバイス素子に結合された第2のグランド/電源プレーンを接続する第2の複数のビアをさらに備える、請求項21に記載のMMICシステム。
【請求項27】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムを製造する方法であって、前記方法は、
成長基板と、前記成長基板に結合されたデバイス層とを含む加工基板を提供するステップと、
前記デバイス層を用いて複数のMMICデバイス素子を製造するステップと、
キャリア基板を提供するステップと、
前記キャリア基板を前記複数のMMICデバイス素子に接合するステップと、
前記成長基板を除去するステップと、
代替加工基板を前記デバイス層に接合するステップと、
前記代替加工基板の一部を除去するステップと、
前記代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーンを形成するステップと、
前記グランド/電源プレーンから前記複数のMMICデバイス素子のうちの1つ以上に通じる複数のビアを形成するステップと、
冷却構造を前記グランド/電源プレーンに接合するステップと、
を含む、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムを製造する方法。
【請求項28】
前記キャリア基板の少なくとも一部を除去するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記キャリア基板の残りの部分に結合された第2のグランド/電源プレーンを形成するステップと、
前記第2のグランド/電源プレーンから前記複数のMMICデバイス素子のうちの1つ以上に通じる第2の複数のビアを形成するステップと、
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記代替加工基板の熱膨張係数(CTE)が、前記デバイス層のCTEと実質的に一致する、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記代替加工基板が多結晶セラミックコアを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記多結晶セラミックコアが窒化アルミニウムを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記デバイス層の厚さが1μmより大きい、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムであって、
代替加工基板と、
前記代替加工基板に結合されたデバイス層と、
前記デバイス層に結合された複数のMMICデバイス素子と、
前記代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーンと、
前記グランド/電源プレーンを前記複数のMMICデバイス素子に接続する複数のビアと、
前記グランド/電源プレーンに結合された冷却構造と、
を備える、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システム。
【請求項35】
前記代替加工基板の熱膨張係数(CTE)が前記デバイス層のCTEと実質的に一致する、請求項34に記載のMMICシステム。
【請求項36】
前記代替加工基板が多結晶セラミックコアを含む、請求項34に記載のMMICシステム。
【請求項37】
前記多結晶セラミックコアが窒化アルミニウムを含む、請求項36に記載のMMICシステム。
【請求項38】
前記デバイス層の厚さが1μm~10μmである、請求項34に記載のMMICシステム。
【請求項39】
前記複数のMMICデバイス素子に結合されたキャリア基板をさらに備える、請求項34に記載のMMICシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
[0001]本出願は、2020年10月14日に出願された米国仮特許出願第63/091,777号に対する優先権を主張し、その開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0002]高周波トランジスタまたは高電子移動度トランジスタ(HEMT)などの高周波、高性能無線周波数(RF)集積デバイスは、化合物半導体を使用して製造され得る。例えば、RFデバイスを製造するために、窒化ガリウム(GaN)などのエピタキシャル層は、シリコン、炭化ケイ素(SiC)、サファイア、または他の基板などの堆積GaNとは異なる格子構造(または格子定数)を有する半導体キャリア基板上にGaNを堆積させることを含むヘテロエピタキシャル(エピ)成長プロセスによって形成され得る。GaNとキャリア基板の間の格子不整合は、デバイスの歩留まりと性能に悪影響を与え得る欠陥、転位、およびひずみを引き起こし得る。さらに、GaN層およびキャリア基板は、異なる熱膨張係数(CTE)を有し得る。熱処理(GaNエピタキシャル成長など)により、GaNに亀裂が入り、剥離や曲がりが起こることがあり、場合によってはキャリア基板を破壊したりする可能性がある。異なるCTEは、基板ウェーハサイズを制限し、スケールを制限し、RFデバイスおよびソリューションの全体的な製造コストの削減を妨げ得る。
【0004】
[0003]モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)デバイスは、マイクロ波周波数、例えば、300MHzから300GHzで動作する集積回路デバイスである。MMICデバイスは、マイクロ波混合、電力増幅、高周波スイッチングなどのアプリケーションに適している。RFおよびMMICデバイスの製造における進歩にもかかわらず、RFおよびMMICデバイスの製造に関連する改良された方法およびシステムに対する技術分野のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
[0004]本発明は、一般に、加工基板を用いてRFおよびMMICデバイスを製造するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、加工基板を用いてMMICデバイス構造を製造するための方法およびシステムに関する。単なる例として、本発明は、MMICデバイスの高周波動作時の低損失を特徴とする代替加工基板に結合されたデバイス層を使用してMMICデバイスを製造するための方法およびシステムに適用された。本方法および技術は、様々な半導体処理操作に適用することができる。
【0006】
[0005]本発明の実施形態によれば、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムが提供される。MMICシステムは、成長基板と、成長基板に結合されたデバイス層と、デバイス層に結合された複数のMMICデバイス素子とを含む。MMICシステムはまた、複数のMMICデバイス素子に結合された複数のメタライゼーション構造と、複数のメタライゼーション構造に結合されたキャリア基板と、キャリア基板に結合された冷却構造を含む。
【0007】
[0006]本発明の別の実施形態によれば、MMICシステムを製造する方法が提供される。本方法は、成長基板と、成長基板に結合されたデバイス層とを含む加工基板を提供すること、デバイス層を使用して複数のMMICデバイス素子を製造すること、および複数の金属構造を含むキャリア基板を提供することを含む。本方法はまた、複数の金属構造を複数のMMICデバイス素子に接合し、成長基板の一部を除去し、キャリア基板の一部を除去することを含む。本方法は、成長基板に結合されたグランド/電源プレーンを形成すること、グランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子のうちの1つ以上に通じる複数のビアを形成すること、および冷却構造をキャリア基板に接合することをさらに含む。
【0008】
[0007]本発明の具体的な実施形態によれば、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)システムが提供される。MMICシステムは、代替加工基板と、代替加工基板に結合されたデバイス層と、デバイス層に結合された複数のMMICデバイス素子と、複数のメタライゼーション構造に結合されたキャリア基板を含む。MMICシステムはまた、代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーン、グランド/電源プレーンを複数のMMICデバイス素子に接続する複数のビア、およびグランド/電源プレーンに結合された冷却構造も含む。
【0009】
[0008]本発明の別の特定の実施形態によれば、MMICシステムを製造する方法が提供される。本方法は、成長基板と成長基板に結合されたデバイス層とを含む加工基板を提供すること、デバイス層を用いて複数のMMICデバイス素子を製造すること、キャリア基板を提供すること、キャリア基板を複数のMMICデバイス素子に接合し、成長基板を除去することを含む。本方法はまた、代替加工基板をデバイス層に接合すること、代替加工基板の一部を除去すること、代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーンを形成すること、グランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子の1つ以上に通じる複数のビアを形成すること、および冷却構造をグランド/電源プレーンに接合することを含む。
【0010】
[0009]本発明の特定の実施形態によれば、モノリシックマイクロ波集積回路 (MMIC)システムが提供される。MMICシステムは、代替加工基板、代替加工基板に結合されたデバイス層、デバイス層に結合された複数のMMICデバイス素子、代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーン、グランド/パワープレーンを複数のMMICデバイス素子に接続する複数のビア、およびグランド/電源プレーンに結合された冷却構造を含む。
【0011】
[0010]本発明の別の特定の実施形態によれば、MMICシステムを製造する方法が提供される。本方法は、成長基板と、成長基板に結合されたデバイス層とを含む加工基板を提供すること、ハンドル基板をデバイス層に接合すること、成長基板を除去することを含む。本方法はまた、代替加工基板をデバイス層に接合すること、ハンドル基板を除去すること、デバイス層を使用して複数のMMICデバイス素子を製造すること、および代替加工基板の一部を除去することを含む。本方法は、代替加工基板の残りの部分に結合されたグランド/電源プレーンを形成すること、グランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子の1つ以上に通じる複数のビアを形成すること、および冷却構造をグランド/電源プレーンに接合することをさらに含む。
【0012】
[0011]本発明により、従来の技術よりも多くの利益が達成される。例えば、本発明の実施形態は、面積の大きな基板上での製造、ならびにより容易で迅速な製造ステップによって、より低コストで製造することができるMMICデバイスを製造するためのシステムおよび方法を提供する。本発明のこれらの実施形態や、他の実施形態は、その利点および特徴の多くと共に、以下のテキストおよび添付の図と共により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による加工基板を示す簡略化された概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による代替の工学構造を示す簡略化された概略図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による加工基板上に形成されたMMICデバイス素子の断面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による金属相互接続を備えたキャリア基板の断面図である。
【
図3C】本発明の一実施形態による
図3Cに図示される金属相互接続を有するキャリア基板に関し
図3Aに図示されるMMICデバイス素子を有する加工基板の配置を示す断面図である。
【
図3D】本発明の一実施形態による金属相互接続を備えたキャリア基板へのMMICデバイス素子を備えた加工基板の接合を示す断面図である。
【
図3E】本発明の一実施形態による加工基板の一部およびキャリア基板の一部の除去を示す断面図である。
【
図3F】本発明の一実施形態による加工基板におけるビアの形成を示す断面図である。
【
図3G】本発明の一実施形態によるキャリア基板への冷却構造の取り付けを示す断面図である。
【
図3H】本発明の一実施形態によるMMICシステムの製造方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図4A】本発明の一実施形態による両面冷却構造を利用する代替実施形態を示す断面図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による両面グランド/電源プレーンおよび冷却構造を利用する第2の代替実施形態を示す断面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態による加工基板のデバイス層に形成されたMMICデバイス素子の断面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態によるMMICデバイス素子へのキャリア基板の接合を示す断面図である。
【
図5C】本発明の一実施形態による加工基板の一部の除去を示す断面図である。
【
図5D】本発明の一実施形態によるデバイス層への代替加工基板の接合を示す断面図である。
【
図5E】本発明の一実施形態による代替加工基板の一部の除去を示す断面図である。
【
図5F】本発明の一実施形態による代替加工基板の残りの部分におけるビアの形成を示す断面図である。
【
図5G】本発明の一実施形態によるキャリア基板の一部の除去を示す断面図である。
【
図5H】本発明の一実施形態による代替加工基板への冷却構造の取り付けを示す断面図である。
【
図5I】本発明の一実施形態によるMMICシステムの製造方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態による両面グランド/電源プレーンを利用する代替実施形態を示す断面図である。
【
図7A】、本発明の一実施形態によるデバイス層を備えた加工基板の断面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態によるデバイス層へのハンドル基板の接合を示す断面図である。
【
図7C】本発明の一実施形態による成長基板の除去を示す断面図である。
【
図7D】本発明の一実施形態によるデバイス層への代替加工基板の接合を示す断面図である。
【
図7E】本発明の一実施形態によるハンドル基板の除去を示す断面図である。
【
図7F】本発明の一実施形態によるデバイス層におけるMMICデバイス素子の形成を示す断面図である。
【
図7G】本発明の一実施形態による代替加工基板の一部の除去を示す断面図である。
【
図7H】本発明の一実施形態による代替加工基板の残りの部分におけるビアの形成を示す断面図である。
【
図7I】本発明の一実施形態による代替加工基板への冷却構造の取り付けを示す断面図である。
【
図7J】本発明の一実施形態によるMMICシステムの製造方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【
図8A】本発明の一実施形態による薄型キャリア基板を利用する代替実施形態を示す断面図である。
【
図8B】本発明の一実施形態による両面グランド/電力プレーンを利用する第2の代替実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0046]ディスクリートRFデバイスおよびMMICデバイスは、異なる設計制約を有し、異なる半導体構造から利益を得る。ディスクリートRFデバイス、MMICデバイスともに、熱抵抗が低く、ドレインソース寄生容量が低く、移動度が高くキャリア密度が高いことが好ましく、これによりHEMT構造を含むデバイス構造に2次元電子ガスを形成できる。さらに、バッファ層およびデバイス表面でのトラップのため、ディスクリートRFデバイスとMMICデバイス両方の電流崩壊が少ないことが好ましく、高電力動作に適したスルー基板ビアの形成に適合する必要がある。ディスクリートRFデバイスを特徴付けるこれらの設計上の制約および利点に加えて、MMICデバイスは、導波路として利用できる低基板損失、および高出力導波路に適した厚い(例えば、50μm~100μm程度の)半絶縁基板を有することが好ましい。
【0015】
[0047]
図1は、本発明の一実施形態による、加工基板100を示す簡略化された概略図である。
図1に示される加工基板100は、様々な電子および光学用途に適している。加工基板100は、加工基板100上に成長するエピタキシャル材料の熱膨張係数(CTE)に実質的に一致するCTEを有することができるコア110を含む。GaNまたはGaNベースの材料を含み得るエピタキシャル材料130は、加工基板100の素子として必要とされないので、オプションとして図示されるが、典型的には加工基板100上に成長されるであろう。いくつかの実施形態において、加工基板100は、加工基板上に堆積された、またはそうでなければ加工基板に接合された1つ以上の層または素子を含み得るので、加工基板構造と呼ばれる。
【0016】
[0048]窒化ガリウム(GaN)ベースの材料(GaNベースの層を含むエピタキシャル層)の成長を含むアプリケーションについて、コア110は、多結晶セラミック材料、例えば、酸化イットリウムなどの結合剤を含み得る多結晶窒化アルミニウム(AlN)である。コア110として利用できる他の材料としては、多結晶窒化ガリウム(GaN)、多結晶窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、多結晶炭化ケイ素(SiC)、多結晶酸化亜鉛(ZnO)、多結晶三酸化ガリウム(Ga2O3)等が挙げられる。コア110の厚さは、100~1500μm程度、例えば750μmとすることができる。
【0017】
[0049]コア110は、シェルまたは封入シェルと呼ぶことができる第1の接着層112に封入され得る。一実施形態では、第1の接着層112は、厚さが1,000Å程度のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物層を含む。他の実施形態では、第1の接着層112の厚さは、例えば、100Å~2,000Åの範囲で変化する。TEOS酸化物は、前駆体としてTEOSを使用して堆積される酸化物材料を含み、いくつかの実施形態では接着層に利用することができるが、後で堆積された層と下地層または材料との間の接着を提供する他の材料(例えばセラミックス、特に、多結晶セラミックス)は、本発明の他の実施形態によって利用することができる。例えば、SiO2または他のケイ素酸化物(SixOy)は、セラミック材料に良好に付着し得、その後の堆積、例えば導電性材料の堆積に適した表面を提供し得る。いくつかの実施形態において、第1の接着層112は、いくつかの実施形態においてコア110を完全に取り囲んで完全に封入されたコアを形成し、LPCVDプロセスまたは他の適切な堆積プロセスを用いて形成することができ、これは半導体プロセス、特に多結晶または複合基板および層と適合性があり得る。いくつかの実施形態では、第1の接着層112は、コア110の片面に形成され得る。第1の接着層112は、これに続く層が接着して加工基板の素子を形成する表面を提供する。
【0018】
[0050]封入された接着層を形成するためのLPCVDプロセス、ガラス/誘電体上のスピン、炉ベースのプロセスなどを使用することに加えて、CVDプロセスまたは同様の堆積プロセスを含む、本発明の実施形態による他の半導体プロセスを利用することができる。一例として、コアの一部を被覆する堆積プロセスを利用することができる。つまり、コアをひっくり返すことができ、堆積プロセスを繰り返すことでコアの追加部分をコーティングすることができる。したがって、LPCVD技術は、完全に封入された構造を提供するためにいくつかの実施形態において利用されるが、特定の用途に応じて、他の膜形成技術が利用され得る。
【0019】
[0051]第1の接着層112の上に導電層114が形成される。一実施形態では、導電層114は、第1の接着層112の周囲に形成されるポリシリコン(すなわち、多結晶シリコン)のシェルであるが、ポリシリコンがセラミック材料に対して貧弱な接着性を示すことがある。導電層114がポリシリコンである実施形態では、ポリシリコン層の厚さは、500~5,000Å程度、例えば2,500Åとすることができる。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層は、第1の接着層112(例えば、TEOS酸化物層)を完全に取り囲むシェルとして形成することができ、それによって完全に封入された接着層を形成し、LPCVDプロセスを用いて形成することができる。他の実施形態では、導電性材料は、接着層の一部、例えば基板の上半分上に形成され得る。いくつかの実施形態では、導電性材料は、完全に封入された層として形成され得、続いて基板の片面上で除去され得る。
【0020】
[0052]一実施形態では、導電層114は、高度な導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層とすることができる。例えば、導電層114は、p型ポリシリコン層を提供するためにホウ素をドープしてもよい。いくつかの実施形態において、ホウ素によるドーピングは、1×1019cm-3から1×1020cm-3のレベルであり、高い導電性を提供する。異なるドーパント濃度の他のドーパント(例えば、1×1016cm-3から5×1018cm-3の範囲のドーパント濃度でのリン、ヒ素、ビスマスなど)を利用して、導電層での使用に適したn型またはp型半導体材料のいずれかを提供することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0021】
[0053]導電層114の存在は、半導体加工用具、例えば静電チャック(ESCまたは電子チャック)を有する工具への加工基板の静電チャッキングの間に有用である。導電層114は、半導体加工ツールでの加工後の迅速なデチャックを可能にする。本発明の実施形態では、導電層は、接合を含む将来の処理中に、チャックとの電気的接触または電子チャックへの容量結合を可能にする。したがって、本発明の実施形態は、従来のシリコンウェーハで利用される方法で処理することができる基板構造を提供する。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。さらに、ESDチャッキングと組み合わせて、高い熱伝導率を有する基板構造を有することは、その後の加工層およびエピタキシャル層の形成、ならびにその後のデバイス製造ステップのためのより良い堆積条件を提供し得る。例えば、より低い応力、より均一な堆積厚さ、およびその後の層形成によるより良い化学量論制御をもたらすことができる望ましい熱プロファイルを提供し得る。
【0022】
[0054]第2の接着層116(例えば、厚さが1,000Å程度のTEOS酸化物層)は、導電層114上に形成される。第2の接着層116は、いくつかの実施形態において導電層114を完全に取り囲んで完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセス、CVDプロセス、またはスピンオン誘電体の堆積を含む任意の他の適切な堆積プロセスを用いて形成することができる。
【0023】
[0055]バリア層118、例えば窒化シリコン層は、第2の接着層116上に形成される。一実施形態では、バリア層118は、厚さが4,000Å~5,000Å程度である窒化シリコン層である。バリア層118は、いくつかの実施形態において第2の接着層を完全に取り囲み、完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセスを用いて形成される。窒化シリコン層に加えて、SiCN、SiON、AlN、SiCなどを含むアモルファス材料をバリア層として利用することができる。いくつかの実装形態では、バリア層118は、バリア層118を形成するために構築される多数のサブ層を含む。したがって、バリア層という用語は、単層または単一材料を示すものではなく、複合的な方法で層化された1つ以上の材料を包含するものである。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0024】
[0056]いくつかの実施形態において、バリア層118、例えば窒化シリコン層は、例えば、高温(例えば、1,000°C)のエピタキシャル成長プロセスの間、コアに存在する元素、例えば、イットリウム(元素)、酸化イットリウム(すなわち、イットリア)、酸素、金属不純物、他の微量元素などが、加工基板が存在する可能性のある半導体処理チャンバの環境へ拡散および/またはガス放出するのを防止する。本明細書に記載される封入層を利用して、非クリーンルーム環境向けに設計された多結晶AlNを含むセラミック材料は、半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境において利用され得る。
【0025】
[0057]いくつかの実施形態において、コアを形成するために利用されるセラミック材料は、1,800°Cの範囲の温度で焼成され得る。本プロセスにより、セラミック材料に存在するかなりの量の不純物が排出されることが予想される。これらの不純物には、焼結剤としてのイットリアの使用から生じるイットリウム、カルシウム、およびその他の元素および化合物が含まれる場合がある。続いて、800°C~1,100°Cの範囲のはるかに低い温度で実施され得るエピタキシャル成長プロセスの間、これらの不純物のその後の拡散は重要ではないことが予想されるであろう。しかしながら、従来の予想に反して、セラミック材料の焼成温度よりはるかに低い温度でのエピタキシャル成長プロセスの間でさえ、加工基板の層を通る元素の著しい拡散が存在し得る。したがって、本発明の実施形態は、この望ましくない拡散を防止するために、バリア層を加工基板に集積する。
【0026】
[0058]したがって、本発明のいくつかの実施形態は、多結晶セラミック材料(例えば、AlN)から任意のGaN層130などの加工層およびエピタキシャル層への背景元素の拡散を防止するためのバリア層118として窒化シリコン層を集積する。下地の層および材料を封入するバリア層118は、所望のバリア層機能性を提供する。バリア層118の加工基板への集積は、バリア層が存在しない場合に典型的に起こるであろう、アニーリングプロセス中の加工層へのカルシウム、イットリウム、およびアルミニウムの拡散を防止する。したがって、バリア層118の使用は、これらの元素がバリア層を通って拡散するのを防ぎ、それにより加工基板を取り巻く環境への元素の放出を防止する。同様に、バルクセラミック材料内に含まれる他の不純物は、バリア層によって含有されるであろう。
【0027】
[0059]接合層120(例えば、酸化シリコン層)は、バリア層118の一部、例えば、バリア層118の上面に堆積させてもよく、続けて、実質的単結晶層122(例えば、剥離シリコン(111)層などの単結晶シリコン層)の接合中に使用されてもよい。接合層120は、いくつかの実施形態では厚さがおよそ1.5μmであり得る。いくつかの実施形態において、接合層120の厚さは、接合誘起ボイド緩和のために20nm以上である。いくつかの実施形態において、接合層120の厚さは、0.75~1.5μmの範囲である。
【0028】
[0060]接合層120は、厚い(例えば、2~5μmの厚さの)酸化物層の堆積とそれに続く酸化物を約1.5μm以下の厚さに薄くする化学機械研磨(CMP)プロセスによって形成され得る。厚い初期酸化物が、多結晶コアの製造後に残り得る支持構造上に存在する表面特徴を平滑にし、
図1に示される封入層が形成されるように、存在し続ける。CMPプロセスは、ボイドのない実質的に平坦な表面を提供し、次いで、これをウェーハ転写プロセス中に使用して、単結晶シリコン層122を接合層120に接合することができる。
【0029】
[0061]実質的単結晶層122(例えば、剥離Si(111))は、エピタキシャル材料の形成のためのエピタキシャル成長プロセス中の成長層として使用するのに適している。いくつかの実施形態において、エピタキシャル材料は、厚さが2μm~10μmのGaN層を含むことができ、これは、オプトエレクトロニクス、RF、およびパワーデバイスにおいて利用される複数の層の1つとして利用することができる。一実施形態では、実質的単結晶層122は、層転写プロセスを用いて接合層に付着した単結晶シリコン層を含む。
【0030】
[0062]層転写プロセスは、シリコンウェーハを用いて行ってもよい。シリコンウェーハには、Si内部に損傷界面を形成するためにいくつかの元素を注入してもよく、これは、接合層120に付着するための単結晶層122を形成するのを助け得る。例えば、互いに接合されたシリコンウェーハと接合層120に圧力を加え、接合層120にシリコンウェーハを原子接合してもよい。
【0031】
[0063]接合プロセスの後、剥離プロセスは、シリコンウェーハ内部の損傷界面を活性化してよく、単結晶層122に注入された元素を膨張させ、したがって、シリコンウェーハの上部をセラミックウェーハ110から加工層で分割してもよい。接合層120に接合された残りの単結晶層122は、約5ミクロン以下など、比較的薄くてもよく、したがって、加工基板100のCTEに大きく寄与しなくてもよい。したがって、加工基板100のCTEは、主にセラミックコア110のCTEによって決定される。
【0032】
[0064]シリコン以外の材料は、単結晶薄膜接合層を作成するために使用され得る。これらの単結晶材料には、SiC、GaN、AlGaN、AlN、ZnO、サファイアなどが含まれ得る。
【0033】
[0065]GaNエピタキシャル層130(エピタキシャル層とも称され得る)は、多数の層またはサブ層をエピタキシャル成長させて、加工基板110の上にエピタキシャル構造を形成することによって形成され得る。本明細書においてより完全に説明されるように、GaNエピタキシャル層130は、基板上にエピタキシャル成長されるデバイス層の一例である。当業者に明らかなように、MMICおよびRFデバイスの製造ならびにMMICおよびRFデバイスに適したエピタキシャル構造は、必ずしも単一のエピタキシャル層からなるとは限らず、異なる組成、厚さ、ドーピング密度などの多数の層を含むことができる。したがって、本明細書で使用される場合、「層」および「デバイス層」という用語は、同一または異なる材料の複数の層またはサブ層を含む構造を含むと理解されるべきである。いくつかの実施形態では、バッファ層は、接合層120上に形成されてもよく、GaNエピタキシャル層130(エピタキシャル層)は、バッファ層の上に形成されてもよい。セラミックウェーハ110およびGaNエピタキシャル層130のCTEは、互いに約0.1%、0.5%、1%、2%、5%、または10%以内など、広い温度範囲(例えば、約25°C~約1200°C)にわたって実質的に一致させてもよい。このCTEマッチングで、より大きなセラミックウェーハ110上に、割れや反りなしに高品質のエピタキシャル層を形成することができる。例えば、GaNエピタキシャル層130は、6インチ、8インチ、12インチ、またはより大きな加工基板100上に形成され得る。より大きなウェーハを使用すると、ウェーハあたりのデバイス数が増える可能性があるため、GaNデバイスが安価になる。
【0034】
[0066]このCTEマッチングで、加工基板110の上に、著しく厚いGaNエピタキシャル層130(例えば、数十または数百ミクロン)の形成を可能にし得る。結合されたエピタキシャル層は、GaNエピタキシャル層130と単結晶層122との間の格子構造の全体的な転位密度を低下させ得る。さらに、より多くのエピタキシャル層を使用して、GaNデバイスのより幅広いアレイ用のより複雑な回路を製造できる。
【0035】
[0067]加工基板に関する追加の記載は、2019年5月21日に発行された米国特許第10,297,445号、および2018年11月20日に発行された米国特許第10,134,589号に提供され、その開示は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
[0068]
図2は、本発明の一実施形態による代替加工基板を示す簡略化された概略図である。
図2に示される代替加工基板200は、
図1に示される加工基板100といくつかの共通素子を共有しており、
図1に関連して提供される説明は、適宜
図2に適用可能である。
図2を参照すると、代替加工基板200は、コア110、例えば多結晶AlNを含み、これは、代替加工基板200上で成長されるエピタキシャル材料のCTEに実質的に一致する熱膨張係数(CTE)を有することができる。多結晶AlNに加えて、コア110を形成するために利用される他の材料を、
図1に関連して論じるように利用することができる。コア110の厚さは、100~1500μm程度、例えば750μmとすることができる。
【0037】
[0069]コア110は、シェルまたは封入シェルと呼ぶことができる接着層212に封入され得る。接着層212は、
図1に関連して論じたように厚さが1,000Å程度のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物層を含むことができる。TEOS酸化物は、いくつかの実施形態において接着層のために利用することができるが、後に堆積された層と下地層または材料との間の接着を提供する他の材料(例えば、セラミックス、特に、多結晶セラミックス)は、本発明の他の実施形態によって利用される。図示の実施形態では、接着層212は、コア110を完全に取り囲んで完全に封入されたコアを形成し、LPCVDプロセスまたは他の適切な堆積プロセスを使用して形成され得る。
【0038】
[0070]バリア層214、例えば窒化シリコン層は、接着層212の上に形成される。一実施形態では、バリア層214は、
図1に関連して論じたように厚さが4,000Å~5,000Å程度である窒化シリコン層である。バリア層214は、
図2に示した実施形態では接着層212を完全に取り囲んで完全に封入された構造を形成し、LPCVDプロセスを用いて形成され得る。窒化シリコン層に加えて、SiCN、SiON、AlN、SiCなどを含むアモルファス材料をバリア層として利用することができる。いくつかの実装形態では、バリア層214は、バリア層214を形成するために構築される多数のサブ層を含む。したがって、バリア層という用語は、単層または単一材料を示すものではなく、複合的に層化された1つ以上の材料を包含するものである。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0039】
[0071]
図1に関連して論じたように、例えば、高温(例えば、1,000°C)のエピタキシャル成長プロセスの間、バリア層214は、コア110に存在する元素、例えば、イットリウム(元素)、酸化イットリウム(すなわち、イットリア)、酸素、金属不純物、他の微量元素等が、代替加工基板200が存在する可能性のある半導体処理チャンバの環境への拡散および/またはガス放出を防止する。したがって、本明細書に記載されるようなバリア層214を利用して、非クリーンルーム環境向けに設計された多結晶AlNを含むセラミック材料は、半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境において利用することができる。
【0040】
[0072]
図3Aは、本発明の一実施形態による加工基板上に形成されたMMICデバイス素子の断面図である。
図3Aにおいて、加工基板310は、成長基板305と、図示の実施形態ではGaN層によって表されるデバイス層307とを含む。成長基板305およびデバイス層307は、
図1に示されるような、GaNエピタキシャル層130に対応するデバイス層307を有する加工基板100を用いて実装され得る。デバイス層307は、MMICデバイス素子320a、320b、および320cの製造に利用される。MMICデバイス素子320の各々は、異なるMMICデバイスを表し、例えば、MMICデバイス素子320aをキャパシタとすることができ、MMICデバイス素子320bをトランジスタとすることができ、MMICデバイス素子320bを導波路とすることができる。異なるMMICデバイス素子320の各々は、金属構造322を含む。
図3Aにおいて、デバイス層307は、GaN層であり、厚さを1~10μm程度とすることができ、損失や静電容量を低減するために利用されている。
【0041】
[0073]したがって、MMICデバイス素子320は、デバイス層307で製造されたデバイスを表す。「デバイス層で製造される」という用語は、全てのデバイス素子が、デバイス層を構成する元の半導体材料を用いて製造され、他の材料が、イオン注入、拡散によるドーピング、パターニングやエッチング、コンタクト用の絶縁体や金属の堆積などを含む製造プロセス中にデバイス層上に堆積され得ることを意味するわけではないことは、当業者には明らかであろう。したがって、
図3Aに示されるMMICデバイス素子320は、電子部品を形成するために単独でまたは組み合わせて利用することができる、異なるデバイス素子のセットを表すことを意図する。結果として、本明細書で提供される議論は、デバイスがデバイス層において製造されることを示す文言を使用するが、デバイス層がデバイス製造の出発点を提供することが理解される。これは、デバイス層の部分の除去および特定のデバイス素子への適切な他の材料の添加を含むことができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0042】
[0074]
図3Bは、本発明の一実施形態による金属相互接続を備えたキャリア基板の断面図である。
図3Bにおいて、キャリア基板330は、
図3Aに示す金属構造322a、322b、および322cに対応する複数の金属相互接続332を有する。
図3Bに示す処理の段階で、キャリア基板330は、その後の接合動作のために金属相互接続332を配向させるために反転されている。
【0043】
[0075]
図3Cは、本発明の一実施形態による
図3Cに示される金属相互接続を有するキャリア基板に関し、
図3Aに示されるMMICデバイス素子を有する加工基板の配置を示す断面図である。
図3Cに示されるように、MMICデバイス素子320を備えた加工基板310は、基板が互いに対向する金属相互接続332を備えたキャリア基板330に隣接して配置される。整列プロセスは、金属相互接続332a、332b、および332cを金属構造322a、322b、および322cと整列させるために利用される。
【0044】
[0076]
図3Dは、本発明の一実施形態による金属相互接続を有するキャリア基板へのMMICデバイス素子を備えた加工基板の接合を示す断面図である。
図3Dに示されるように、接合プロセスが完了した後、金属相互接続332a、332b、および332cは、対応する金属構造322a、322b、および322cに接合されている。
図3Dに示す金属間接合は、高い導電性を備えた機械的に強い接合を提供する。
【0045】
[0077]
図3Eは、本発明の一実施形態による、加工基板の一部、すなわち成長基板305の一部、およびキャリア基板330の一部の除去を示す断面図である。熱抵抗を低減するために、成長基板305およびキャリア基板330は、厚みを減少させるため、例えば50μm程度に薄くされる。
【0046】
[0078]
図3Eに示される基板薄化プロセスは、いくつかの方法で行うことができる。一例として、機械的研削プロセスを使用して、キャリア基板330の大部分を除去することができる。次に、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、材料を除去し、目的の層を露出させることができる。一例として、化学的エッチングは、エッチングプロセス中に水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を利用してもよい。最後に、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、その後のメタライゼーションおよび他のプロセスのために表面を滑らかにして準備することができる。
【0047】
[0079]
図3Fは、本発明の一実施形態による加工基板におけるビアの形成を説明する断面図である。
図3Fにおいて、ビア340および342は、それぞれMMICデバイス素子320bおよびMMICデバイス素子320cと電気的に接触するように、加工基板310の残りの部分を通して形成される。グランド/電源プレーン344が形成され、ビア340および342に電気的に接続される。グランド/電源プレーン344は、特定の用途に応じて、グランドへの接続を提供するか、または電源から電力を供給するのに有用である。ビア340および342は、エッチング、レーザアブレーションなどを含む適切な半導体処理技術を用いて製造することができる。いくつかの実施形態では、MMICデバイス素子320bおよびMMICデバイス素子320cが接続されたら、方法を組み合わせて、ビア形成プロセスを終了することができる。
【0048】
[0080]2つのビア、ビア340およびビア342のみが
図3Fに示されているが、MMICデバイス素子320aに対して形成されたビアはなく、これは本発明によって必要とされない。他の実施形態では、ビアは、すべてのMMICデバイス素子に対して形成することができ、またはビアは、MMICデバイス素子のより小さなサブセットに対して形成することができる。一例として、MMICデバイス素子320aがキャパシタである場合、ビアを設けないようにし得る。
【0049】
[0081]ビア形成は、加工基板310およびキャリア基板330が接合された後に図示されるが、これは本発明および他の実施において必要とされないことに留意されたい。つまり、ビア形成は、
図3Aに例示されるようにデバイス製造後に行うことができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0050】
[0082]
図3Gは、本発明の一実施形態によるキャリア基板への冷却構造の取り付けを示す断面図である。冷却構造350は、冷却構造350からグランド/電源プレーン344を分離する方法で片側冷却を提供するために利用することができる。デバイス動作中、MMICデバイス素子320によって発生した熱は、金属構造322およびキャリア基板330を通って冷却構造350に伝導され得る。
【0051】
[0083]
図3Hは、本発明の一実施形態によるMMICシステムの製造方法を示す簡略化されたフローチャートである。方法370は、成長基板および成長基板(371)に結合されたデバイス層を含む加工基板を提供し、デバイス層(372)を使用して複数のMMICデバイス素子を製造することを含む。成長基板の熱膨張係数(CTE)は、デバイス層のCTEと実質的に一致する。成長基板は、多結晶セラミックコア、例えば窒化アルミニウムを含むことができる。デバイス層の厚さは1~10μmとすることができ、デバイス層はGaNおよびGaNベースの材料を含むことができる。
【0052】
[0084]本方法はまた、複数の金属構造(374)を含むキャリア基板を提供すること、複数の金属構造を複数のMMICデバイス素子(376)に接合すること、成長基板の一部を除去すること、およびキャリア基板(378)の一部を除去することを含む。
【0053】
[0085]本方法はさらに、成長基板(380)に結合されたグランド/電源プレーンを形成すること、グランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子(382)のうちの1つ以上に通じる複数のビアを形成すること、および冷却構造をキャリア基板(384)に接合することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第2の冷却構造をグランド/電源プレーンに接合することをさらに含む。いくつかの実装形態では、冷却構造をキャリア基板に接合する前に、本方法は、キャリア基板に結合された第2のグランド/電源プレーンを形成すること、および、第2のグランド/電源プレーンから複数の金属構造のうちの1つ以上に通じる第2の複数のビアを形成することを含む。本方法は、第2の冷却構造をグランド/電源プレーンに接合することを含み得る。
【0054】
[0086]
図3Hに示される特定のステップは、本発明の一実施形態によるMMICシステムを製造する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態によって実行され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図3Hに示される個々のステップは、個々のステップに適宜様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加し、いくつかのステップを削除することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0055】
[0087]
図4Aは、本発明の一実施形態による両面冷却構造を利用する代替実施形態を示す断面図である。
図4Aに示される代替実施形態では、第2の冷却構造360がグランド/電源プレーン344に取り付けられており、両面冷却およびより高いレベルの熱性能を提供する。
【0056】
[0088]
図4Bは、本発明の一実施形態による両面グランド/電源プレーンおよび冷却構造を利用する第2の代替実施形態を示す断面図である。
図4Bに示される第2の代替実施形態では、冷却構造368を取り付ける前に、キャリア基板330の残りの部分を通過し、グランド/電源プレーン366に電気的に接続された追加のビア362および364が形成される。続いて、冷却構造368がグランド/電源プレーン366に取り付けられる。本実装形態では、両面電気プレーン、すなわち、グランド/電源プレーン344およびグランド/電源プレーン366は、3層回路構造を効果的に提供し、ルーティングの複雑さの低減、デバイス面積の低減などを可能にする。さらに、両面冷却は、装置に含まれる特定のMMICデバイスに適宜提供される。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0057】
[0089]
図5Aは、本発明の一実施形態による加工基板のデバイス層に形成されたMMICデバイス素子の断面図である。
図3Aに示されるMMICデバイス素子と同様の方法で、加工基板510は、成長基板505およびデバイス層507を含み、これは図示の実施形態ではGaN層によって表される。成長基板505およびデバイス層507は、
図1に示されるような、GaNエピタキシャル層130に対応するデバイス層507を有する加工基板100を用いて実装され得る。デバイス層507は単層として図示されるが、これは本発明では必須ではなく、デバイス層507は異なる組成、異なるドーピング密度、異なる厚さなどの複数の層を含むことが可能であることを理解されたい。したがって、MMICデバイス素子の製造に使用するのに適した様々なエピタキシャル構造は、デバイス層507によって表される。前述のとおり、加工基板100のコア110とデバイス層507を構成するエピタキシャル材料との間のCTEの一致は、従来の技術では提供されない高品質の成長を可能にする。
【0058】
[0090]デバイス層507は、MMICデバイス素子520a、520b、および520cの製造に利用される。MMICデバイス素子520の各々は、異なるMMICデバイスを表し、例えば、MMICデバイス素子520aをキャパシタとすることができ、MMICデバイス素子520bをトランジスタとすることができ、MMICデバイス素子520bを導波路とすることができる。異なるMMICデバイス素子520の各々は、金属構造522を含む。
図5Aにおいて、デバイス層507は、GaN層であり、厚さが1~10μm程度であり、損失と静電容量を低減し、一部のMMICデバイス構造で形成される2次元電子ガス(2DEG)の特性を向上させ、電子のトラップを低減するために利用されている。
【0059】
[0091]したがって、MMICデバイス素子520は、デバイス層507で製造されたデバイスを表す。「デバイス層で製造される」という用語は、全てのデバイス素子が、デバイス層を構成する元の半導体材料を用いて製造され、他の材料が、イオン注入、拡散によるドーピング、パターニングやエッチング、コンタクト用の絶縁体や金属の堆積などを含む製造プロセス中にデバイス層上に堆積され得ることを意味するわけではないことは、当業者には明らかであろう。したがって、
図5Aに示されるMMICデバイス素子520は、電子部品を形成するために単独でまたは組み合わせて利用することができる、異なるデバイス素子のセットを表すことを意図する。結果として、本明細書で提供される議論は、デバイスがデバイス層において製造されることを示す文言を使用するが、デバイス層がデバイス製造の出発点を提供することが理解されよう。これは、デバイス層の部分の除去および特定のデバイス素子への適切な他の材料の添加を含むことができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0060】
[0092]
図5Bは、本発明の一実施形態によるMMICデバイス素子へのキャリア基板の接合を示す断面図である。
図5Bに示されるように、キャリア基板530を金属構造522a、522b、および522cに接合するために、接合プロセスが利用される。いくつかの実施形態では、キャリア基板530は、
図2に示される代替加工基板200として実装される。代替加工基板200と同様のキャリア基板530を使用することで、キャリア基板のためのコア、例えば多結晶AlNを提供し、MMICデバイス構造中の他の要素中に存在するエピタキシャル材料に実質的に一致するCTEを有することになるが、これは、半導体処理動作中に有益であり得る。
図2に関連して論じたような接着およびバリア層の使用は、バリア層を可能にし、多結晶セラミックコアに存在する背景元素が加工基板を取り巻く環境内への拡散を防ぐことができる。
【0061】
[0093]いくつかの実施形態では、キャリア基板530は、キャリア基板上にマッチング金属パターンを提供することによる金属間接合を含むウェーハ接合技術を用いて、または例えばSiO2を用いて両方のウェーハをコーティングすることによる酸化物間接合によって、金属構造522a、522b、および522cに接合される。いくつかの実施形態では、キャリア基板530の接合面は、接合の強度を促進するために接着促進剤で被覆することができる。一例として、金属間接合を実施するために、金属層(図示せず)をキャリア基板530上に堆積させ、金属構造522a、522b、および522cへの接合中に使用することができる。
【0062】
[0094]
図5Cは、本発明の一実施形態による加工基板の一部の除去を示す断面図である。様々な技術を使用して、成長基板505を除去し、デバイス層507をキャリア基板530に接合したままにすることができる。一例として、化学機械研磨(CMP)プロセスは、成長基板505を除去するために、デバイス層507でまたはデバイス層507内で終了するように使用され得る。他の実施形態では、CMPプロセスを使用して成長基板505の一部を除去し、次いで化学的および/または物理的エッチングプロセスを利用して成長基板505の残りを除去する。あるいは、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、成長基板505の一部または全部を除去することができる。化学的エッチングは、目的の層、例えばデバイス層507で終了するように選択的であり得る。最後に、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、成長基板505の一部または全部を除去し、および/または後続の接合および処理ステップのためにデバイス層507を滑らかにして準備することができる。
【0063】
[0095]加工基板の部分の除去は、いくつかの方法で行うことができる。一例として、機械的研削プロセスを使用して、加工基板の大部分を除去することができる。次に、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、材料を除去し、目的の層を露出させることができる。最後に、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、界面層を除去することができる。
【0064】
[0096]成長基板505の除去は、そうでなければMMICデバイスの動作中に損失をもたらし得る構造を除去することを可能にする。一例として、
図1に示される加工基板100は、導電層114を含み、これは、高導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層とすることができる。高周波動作中、MMICデバイスによって生成された電界および/または磁界がそのような導電層と相互作用し、損失、発熱、およびその他の望ましくない影響をもたらす可能性がある。したがって、MMICデバイスの性能に悪影響を及ぼし得る成長基板505および成長基板505内の層/構造を除去することによって、本発明の実施形態は、同等の従来のデバイスおよび構造よりも低い損失を有する方法およびシステムを提供する。
【0065】
[0097]一例として、デバイス層507は、バッファ層および、初期エピタキシャル成長、例えば、GaN材料のエピタキシャル成長中に利用される他の層を含むことができる。バッファ層を含むこれらの層は、導電層と同様の方法で、例えば損失をもたらすことによってMMICデバイスの性能を損なう可能性がある。したがって、
図5Cに例示されるように、これらの層は、成長基板505と共に除去することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0066】
[0098]
図5Dは、本発明の一実施形態によるデバイス層への代替加工基板の接合を示す断面図である。いくつかの実施形態では、代替加工基板540は、
図2に示される代替加工基板200として実装される。代替加工基板200と同様の代替加工基板540の使用は、MMICデバイス構造中の他の素子中に存在するエピタキシャル材料に実質的に一致するCTEを有し得る代替加工基板、例えば多結晶AlNのためのコアを提供し、これは、半導体処理動作中に有益であり得る。さらに、成長基板505の除去に関連して論じたように、代替加工基板540を、低損失、高周波動作に適合する材料を用いて製造することができる。一例として、代替加工基板540は、実質的にシリコンを含まないことができ、これはMMICデバイスの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0067】
[0099]いくつかの実施形態において、代替加工基板540は、キャリア基板上にマッチング金属パターンを設けることによる金属間接合を含むウェーハ接合技術を用いて、または、例えばSiO2を用いて両方のウェーハをコーティングすることによる酸化物間接合によって、デバイス層507に接合される。いくつかの実施形態では、代替加工基板540の接合面は、接合の強度を促進するために接着促進剤で被覆することができる。
【0068】
[0100]
図5Eは、本発明の一実施形態による代替加工基板の一部の除去を示す断面図である。
図3Eに関連して論じたように、熱抵抗を低減するために、代替加工基板540は、厚みを減少させるため、例えば、50μm程度に薄くされる。
【0069】
[0101]
図5Eに示される基板薄化プロセスは、いくつかの方法で実施することができる。一例として、機械的研削プロセスを使用して、代替加工基板540の一部を除去することができる。次いで、選択的エッチングとすることができる化学的エッチングを使用して、代替加工基板540の図示部分を除去することができる。一例として、化学的エッチングは、エッチングプロセス中に水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を利用してもよい。最後に、化学粉砕プロセスおよび/または化学的エッチングに加えて、または化学的エッチングと組み合わせて、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、代替加工基板540の図示部分を除去することができる。物理的エッチングプロセスは、その後のメタライゼーションやその他のプロセスのために表面を滑らかにして準備することができる。
【0070】
[0102]
図5Fは、本発明の一実施形態による代替加工基板の残りの部分におけるビアの形成を示す断面図である。
図5Fにおいて、ビア542および544は、MMICデバイス素子520bおよびMMICデバイス素子520cとそれぞれ電気的接触するように、代替加工基板540の残りの部分を通して形成される。グランド/電源プレーン546が形成され、ビア542および544に電気的に接続される。ビア542および544は、エッチング、レーザアブレーションなどを含む適切な半導体処理技術を用いて製造される。いくつかの実施形態では、MMICデバイス素子520bおよびMMICデバイス素子520cが接続されたら、方法を組み合わせて、ビア形成プロセスを終了することができる。
【0071】
[0103]2つのビア、ビア542およびビア544のみが
図5Fに示されており、MMICデバイス素子520aに対して形成されたビアはなく、これは本発明によって必要とされない。他の実施形態では、ビアは、すべてのMMICデバイス素子に対して形成することができ、またはビアは、MMICデバイス素子のより小さなサブセットに対して形成することができる。一例として、MMICデバイス素子520aがキャパシタである場合、ビアを設けないようにし得る。
【0072】
[0104]
図5Eに示されるようにビアの形成は、代替加工基板540が薄化された後に示されるが、これは本発明によって必要とされず、他の実施態様では、ビア形成は基板の薄化の前に行うことができることに留意されたい。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0073】
[0105]
図5Gは、本発明の一実施形態によるキャリア基板の一部の除去を示す断面図である。
図5Eおよび代替加工基板540に関連して論じたように、キャリア基板530を、厚みを減少させるため、例えば、50μm程度に薄くすることができる。
図3Eおよび
図5Eに関連して論じた薄化プロセスは、適宜利用することができる。
【0074】
[0106]
図5Hは、本発明の一実施形態による代替加工基板への冷却構造の取り付けを示す断面図である。冷却構造550は、冷却構造550からグランド/電源プレーン546を分離する方法で片側冷却を提供するために利用することができる。デバイスの動作中、MMICデバイス素子520によって生成された熱は、デバイス層507、代替加工基板540の残りの部分、およびグランド/電源プレーン546を介し冷却構造550に伝導され得る。
【0075】
[0107]
図5Iは、本発明の一実施形態によるMMICシステムの製造方法を示す簡略化されたフローチャートである。方法560は、成長基板および成長基板(570)に結合されたデバイス層を含む加工基板を提供すること、およびデバイス層(572)を使用して複数のMMICデバイス素子を製造することを含む。本方法はまた、キャリア基板(574)を提供すること、およびキャリア基板を複数のMMICデバイス素子(576)に接合することを含む。代替加工基板の熱膨張係数(CTE)は、デバイス層のCTEと実質的に一致する。代替加工基板は、多結晶セラミックコア、例えば窒化アルミニウムを含むことができる。デバイス層の厚さは、1μmより大きく、例えば、1μm~10μmであり得る。
【0076】
[0108]本方法は、成長基板(578)を除去すること、代替加工基板をデバイス層に接合すること、および代替加工基板(580)の一部を除去することをさらに含む。本方法は、代替加工基板に結合されたグランド/電源プレーンを形成すること、および、グランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子(582)のうちの1つ以上に通じる複数のビアを形成することをさらに含む。本方法はまた、冷却構造をグランド/電源プレーン(584)に接合することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、キャリア基板の少なくとも一部を除去することを含むこともできる。さらに、いくつかの実装形態では、本方法は、キャリア基板の残りの部分に結合された第2のグランド/電源プレーンを形成することと、第2のグランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子のうちの1つ以上に通じる第2の複数のビアを形成することを含む。
【0077】
[0109]
図5Iに示される特定のステップは、本発明の一実施形態によるMMICシステムを製造する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替の実施形態によって実行され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図5Iに示される個々のステップは、個々のステップに適宜様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含み得る。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加し、いくつかのステップを削除することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0078】
[0110]
図6は、本発明の一実施形態による両面グランド/電源プレーンを利用する代替の実施形態を示す断面図である。
図6において、ビア640および642は、キャリア基板530の残りの部分を通して形成され、それぞれMMICデバイス素子520bおよびMMICデバイス素子520cと電気的に接触する。グランド/電源プレーン644が、形成され、ビア640および642に電気的に接続される。ビア640および642は、エッチング、レーザアブレーションなどを含む適切な半導体処理技術を用いて製造され得る。いくつかの実施形態では、MMICデバイス素子520bおよびMMICデバイス素子520cが接続されたら、方法を組み合わせて、ビア形成プロセスを終了することができる。グランド/電源プレーン650および冷却構造652は、
図5Hに関連して論じられたように利用される。
【0079】
[0111]ビア640およびビア642の2つのビアのみが
図6に示されているが、MMICデバイス素子520aに対して形成されたビアはなく、これは本発明によって必要とされない。他の実施形態では、ビアは、すべてのMMICデバイス素子に対して形成することができ、またはビアは、MMICデバイス素子のより小さなサブセットに対して形成することができる。一例として、MMICデバイス素子520aがキャパシタである場合、ビアを設けないようにし得る。
【0080】
[0112]
図7Aは、本発明の一実施形態によるデバイス層を備えた加工基板の断面図である。
図7Aにおいて、加工基板710は、成長基板705と、図示の実施形態ではGaN層によって表されるデバイス層707とを含む。成長基板705およびデバイス層707は、
図1に示されるような、GaNエピタキシャル層130に対応するデバイス層707を有する加工基板100を用いて実装され得る。デバイス層707は、以下でより完全に説明されるようにMMICデバイス素子の製造に利用される。
【0081】
[0113]
図7Bは、本発明の一実施形態によるデバイス層へのハンドル基板の接合を示す断面図である。いくつかの実施形態では、ハンドル基板750は、シリコン基板、サファイア基板などとして実装される。ハンドル基板750は、機械的剛性および製造の後の段階で除去される能力によって特徴付けられる。本明細書で説明される実施形態において論じられ、利用される他の基板のいくつかとは対照的に、ハンドル基板750は、最終処理ステップの前に除去される。したがって、他の基板に関して論じられた有用な特性、例えば、CTEマッチングおよび低損失との互換性、および高周波動作は、ハンドル基板750には必要とされない。
【0082】
[0114]いくつかの実施形態において、ハンドル基板750は、ハンドル基板上にマッチング金属パターンを設けることによる金属間接合を含むウェーハ接合技術を用いて、または例えばSiO2を用いて両方のウェーハをコーティングすることによる酸化物間接合によって、デバイス層707に接合される。いくつかの実施形態では、ハンドル基板750の接着面を接着促進剤でコーティングして、接合の強度を促進することができる。
【0083】
[0115]
図7Cは、本発明の一実施形態による成長基板の除去を示す断面図である。
図7Cに示されるように、成長基板705は、デバイス層707を露出させるために除去される。
【0084】
[0116]様々な技術を使用して、成長基板705を除去し、デバイス層507をハンドル基板750に接合したままにすることができる。一例として、化学機械研磨(CMP)プロセスは、、成長基板705を除去するために、デバイス層707でまたはデバイス層内707で終了するように使用され得る。他の実施形態では、成長基板705の一部を除去するためにCMPプロセスが使用され、次いで、成長基板705の残りを除去するために化学的および/または物理的エッチングプロセスが利用される。あるいは、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、成長基板705の一部または全部を除去することができる。化学的エッチングは、目的の層、例えばデバイス層707で終了するように選択的であり得る。最後に、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、成長基板705の一部または全部を除去し、および/または、後続の接合および処理ステップのためにデバイス層707を滑らかにして準備することができる。
【0085】
[0117]成長基板705の除去は、その後デバイス層707において製造されるMMICデバイスの動作中に損失をもたらし得る構造を除去することを可能にする。一例として、
図1に図示される加工基板100は、導電層114を含み、これは、高導電性材料を提供するためにドープされたポリシリコン層とすることができる。高周波動作中、MMICデバイスによって生成された電界および/または磁界がそのような導電層と相互作用し、損失、発熱、およびその他の望ましくない影響をもたらす可能性がある。したがって、MMICデバイスの性能に悪影響を与え得る成長基板705および成長基板705内の層/構造を除去することによって、本発明の実施形態は、同等の従来のデバイスおよび構造よりも低い損失を有する方法およびシステムを提供する。
【0086】
[0118]一例として、デバイス層707は、バッファ層および初期エピタキシャル成長、例えば、GaN材料のエピタキシャル成長中に利用される他の層を含むことができる。バッファ層を含むこれらの層は、導電層と同様の方法で、例えば損失をもたらすことによってMMICデバイスの性能を損なう可能性がある。したがって、
図7Cに示されるように、これらの層は、成長基板705と共に除去することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0087】
[0119]
図7Dは、本発明の一実施形態に係るデバイス層への代替加工基板の接合を示す断面図である。いくつかの実施形態では、代替加工基板760は、
図2に示される代替加工基板200として実装される。代替加工基板200と同様の代替加工基板760の使用は、MMICデバイス構造内の他の素子中に存在するエピタキシャル材料に実質的に一致するCTEを有し得る代替加工基板、例えば多結晶AlNのためのコアを提供し、これは、半導体処理動作中に有益であり得る。さらに、成長基板705の除去に関連して論じたように、代替加工基板760は、低損失、高周波動作に適合する材料を用いて製造され得る。一例として、代替加工基板760は、実質的にシリコンを含まないことができ、これはMMICデバイスの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0088】
[0120]一例として、デバイス層707に接合された代替加工基板760をシリコン基板上にエピタキシャル成長GaN層を有するシリコン基板と比較すると、代替加工基板760に接合されたデバイス層707で製造されたMMICデバイスは、代替加工基板760の特性に起因して低損失によって特徴付けられるであろう。対照的に、代替加工基板760がシリコン基板に置き換えられた場合、デバイス層707で製造されたMMICデバイスは、電場および磁場とシリコン基板との間の相互作用から生じるより高い損失によって特徴付けられ、これは界面損失を含み得る。
【0089】
[0121]いくつかの実施形態において、代替加工基板760は、代替加工基板上にマッチング金属パターンを提供することによる金属間接合を含むウェーハ接合技術を用いて、または例えばSiO2を用いて両方のウェーハをコーティングすることによる酸化物間接合によって、デバイス層707に接合される。いくつかの実施形態では、代替加工基板760の接合面は、接合の強度を促進するために接着促進剤で被覆することができる。
【0090】
[0122]
図7Eは、本発明の一実施形態によるハンドル基板の除去を示す断面図である。その後、MMICデバイス製造プロセスで使用されるデバイス層707を露出させるために、
図7Eに示されるようにハンドル基板750が除去される。
【0091】
[0123]様々な技術を使用して、ハンドル基板750を除去し、デバイス層707を代替加工基板760に接合したままにすることができる。一例として、化学機械研磨(CMP)プロセスは、ハンドル基板750を除去するために、デバイス層707でまたはデバイス層707内で終了するように使用され得る。他の実施形態では、CMPプロセスを使用してハンドル基板750の一部を除去し、次いで、化学的および/または物理的エッチングプロセスを使用して、ハンドル基板750の残りの部分を除去する。あるいは、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、ハンドル基板750の一部または全部を除去することができる。化学的エッチングは、目的の層、例えばデバイス層707で終了するように選択的であり得る。最後に、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、ハンドル基板750の一部または全部を除去し、および/または、後続のエピタキシャル成長および/または処理ステップのためにデバイス層707を滑らかにして準備することができる。
【0092】
[0124]ハンドル基板750の除去は、いくつかの方法で行うことができる。一例として、機械的研削プロセスを使用して、ハンドル基板の大部分を除去することができる。次に、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、材料を除去し、目的の層を露出させることができる。最後に、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、存在し得る界面層を除去することができる。
【0093】
[0125]ハンドル基板750の除去は、そうでなければMMICデバイスの動作中に損失をもたらし得る構造を除去することを可能にする。一例として、ハンドル基板750は、高周波動作中に、MMICデバイスによって生成された電界および/または磁界と相互作用し得る導電層を含み得、損失、発熱、および他の望ましくない影響をもたらし得る。したがって、MMICデバイスの性能に悪影響を及ぼし得るハンドル基板750およびハンドル基板750内の層/構造を除去することによって、本発明の実施形態は、同等の従来のデバイスおよび構造よりも低い損失を有する方法およびシステムを提供する。
【0094】
[0126]
図7Eに示される代替加工基板760およびデバイス層707を参照すると、以下でより完全に説明されるように、MMIC製造ラインにおいて利用することができる基板構造が提供される。代替加工基板760は、MMIC製造ラインに適した大きなサイズ、例えば200mmまたは300mmで提供され得る。さらに、代替加工基板760は、多結晶AlNを含むセラミック材料からの外方拡散を防止できるバリア層を含むことができるため、基板構造は、半導体プロセスフローおよびクリーンルーム環境において利用することができる。さらに、代替加工基板760は、その後に成長するエピタキシャル層にCTEマッチングさせることができるので、代替加工基板は、成長基板705を使用して利用可能な利益を提供するが、MMICデバイスの性能に悪影響を与え得る構造または材料は含まない。
【0095】
[0127]
図7Fは、本発明の一実施形態によるデバイス層におけるMMICデバイス素子の形成を示す断面図である。
図7Fにおいて、基板構造770は、代替加工基板760およびデバイス層707を含み、これは図示の実施形態ではGaN層である。デバイス層707は、MMICデバイス素子720a、720b、および720cの製造に利用される。MMICデバイス素子720の各々は、異なるMMICデバイスを表す。例えば、MMICデバイス素子720aをキャパシタとすることができ、MMICデバイス素子720bをトランジスタとすることができ、MMICデバイス素子720bを導波路とすることができる。異なるMMICデバイス素子720の各々は、金属構造722を含む。
図7Fでは、デバイス層707はGaN層であり、厚さを1~10μm程度にすることができ、損失や静電容量を低減するために利用される。
【0096】
[0128]
図7Fに示されるように、
図3Aに関連するプロセスフローとは対照的に、デバイス製造は、デバイス層707が代替加工基板760に接合された後に実行される。その結果、代替加工基板760は、上述したようにMMICデバイスの高周波動作中に低損失を提供するように選択され得る。さらに、代替加工基板760の特性は、ファウンドリプロセスへの準拠を提供するために選択することができる。さらに、代替加工基板760の使用は、他の方法では利用できないであろうMMICデバイス製造プロセス中の基板の使用を可能にする。例えば、
図2に示される代替加工基板200を代替加工基板760として使用すると、デバイス層707は、200mmまたは300mm等の直径を有することができる。代替加工基板760に接合されたデバイス層707として200mmGaN層を用いて、200mmウェーハに適したファウンドリプロセスを使用することができる。対照的に、デバイス層707が炭化ケイ素基板上に成長した場合、サイズ制限により、これらの大きな直径のデバイス層の使用が妨げられる。
【0097】
[0129]
図7Gは、本発明の一実施形態による代替加工基板の一部の除去を示す断面図である。
図3Eに関連して論じたように、熱抵抗を低減するために、代替加工基板760を、厚みを減少させるため、例えば50μm程度に薄くすることができる。
【0098】
[0130]
図7Gに示される基板薄化プロセスは、いくつかの方法で実施することができる。一例として、機械的研削プロセスを使用して、代替加工基板760の一部を除去することができる。代替的に、または機械的研削プロセスと組み合わせて、選択的エッチングであり得る化学的エッチングを使用して、代替加工基板760の図示部分を除去することができる。一例として、化学的エッチングは、エッチングプロセス中に水酸化カリウム(KOH)または水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を利用してもよい。最後に、機械的研削プロセスおよび/または化学的エッチングに加えて、またはそれと組み合わせて、物理的エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)プロセスを使用して、代替加工基板760の図示部分を除去することができる。物理的エッチングプロセスは、その後のメタライゼーションやその他のプロセスのために表面を滑らかにして準備することができる。
【0099】
[0131]他のタイプの基板の一部を除去する技術とは対照的に、
図7Gに示されるような薄化代替加工基板760は、デバイス層707およびMMICデバイス素子に対して機械的安定性を提供する。この機械的安定性は、代替加工基板760に接合されているデバイス層707に関連する低レベルの残留応力に起因する。例えば、デバイス層707がシリコン基板上に成長した場合、デバイス層707に存在する残留応力は、
図7Gに示される薄化プロセス後にシリコン基板の反りおよび/または湾曲をもたらすであろう。対照的に、デバイス層707は成長基板705にCTE整合したので、デバイス層707に存在する残留応力は低く、
図7Gに示す薄化プロセス後の高レベルの機械的安定性を可能にする。
【0100】
[0132]
図7Hは、本発明の一実施形態による代替加工基板の残りの部分におけるビアの形成を示す断面図である。
図7Hにおいて、ビア762および764は、MMICデバイス素子720bおよびMMICデバイス素子720cとそれぞれ電気的接触するように、代替加工基板760の残りの部分を通して形成される。グランド/電源プレーン766が形成され、ビア762および764に電気的に接続される。ビア762および764は、エッチング、レーザアブレーションなどを含む適切な半導体処理技術を用いて製造され得る。いくつかの実施形態では、MMICデバイス素子720bおよびMMICデバイス素子720cが接続されたら、方法の組み合わせ、ビア形成プロセスを終了することができる。
【0101】
[0133]ビア762およびビア764の2つのビアのみが
図7Hに示されているが、MMICデバイス素子720aに対して形成されたビアはなく、これは本発明によって必要とされない。他の実施形態では、ビアは、すべてのMMICデバイス素子に対して形成することができ、またはビアは、MMICデバイス素子のより小さなサブセットに対して形成することができる。一例として、MMICデバイス素子720aがキャパシタである場合、ビアを設けないようにし得る。
【0102】
[0134]
図7Iは、本発明の一実施形態による代替加工基板への冷却構造の取り付けを示す断面図である。冷却構造775は、グランド/電源プレーン766に取り付けられ、デバイス動作中、MMICデバイス素子720によって生成された熱は、デバイス層707、代替加工基板760の残りの部分、およびグランド/電源プレーン766を介して冷却構造775に伝導され得る。
【0103】
[0135]
図7Jは、本発明の一実施形態によるMMICシステムの製造方法を示す簡略化されたフローチャートである。方法780は、成長基板および成長基板(781)に結合されたデバイス層を含む加工基板を提供すること、およびハンドル基板をデバイス層(782)に接合することを含む。本方法はまた、成長基板を除去し、代替加工基板をデバイス層(784)に接合することを含む。本方法は、ハンドル基板(786)を除去し、デバイス層(788)を使用して複数のMMICデバイス素子を製造することをさらに含む。
【0104】
[0136]さらに、本方法は、代替加工基板の一部を除去し、代替加工基板(790)の残りの部分に結合されたグランド/電源プレーンを形成することを含む。方法はまた、グランド/電源プレーンから複数のMMICデバイス素子(792)のうちの1つ以上に通じる複数のビアを形成し、冷却構造をグランド/電源プレーン(794)に接合することを含む。
図7Jに関連して記載された方法を用いて製造された構造体は、
図3Hおよび
図5Iに関連して記載された方法を用いて製造された構造体と共通の要素を有するので、
図3Hおよび
図5Iと併せて利用されるステップは、
図7Jに適宜適用可能である。
【0105】
[0137]
図7Jに示される特定のステップは、本発明の実施形態によるMMICシステムを製造する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスも、代替実施形態によって実行され得る。例えば、本発明の代替実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。さらに、
図7Jに示される個々のステップは、個々のステップに適宜様々な順序で実行され得る複数のサブステップを含んでもよい。さらに、特定の用途に応じて、追加のステップを追加し、削除することができる。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0106】
[0138]
図8Aは、本発明の一実施形態による薄化されたキャリア基板を利用する代替実施形態を示す断面図である。
図8Aは、
図5Hで示されるものに対応する構造を提供し、これは、MMICデバイス素子に電気的接触を提供するために、薄化キャリア基板を通過するビアの形成と併せて利用することができる。
【0107】
[0139]
図8Bは、本発明の一実施形態による両面グランド/電源プレーンを利用する第2の代替実施形態を示す断面図である。
図6で論じた同様の方法で、両面グランド/電源プレーンが
図8Bで実装されている。ビア820および822は、MMICデバイス素子と電気的に接触するために、薄化されたキャリア基板810を通して形成される。グランド/電源プレーン824が形成され、ビア820および822に電気的に接続される。ビア820および822は、エッチング、レーザアブレーションなどを含む適切な半導体処理技術を用いて製造され得る。いくつかの実施形態では、MMICデバイス素子が接続されたら、方法を組み合わせて、ビア形成プロセスを終了することができる。第2のグランド/電源プレーン805は、冷却構造550に結合される。
【0108】
[0140]ビア820およびビア822の2つのビアのみが
図8Bに示されているが、MMICデバイス素子の少なくとも1つに対して形成されたビアはなく、これは本発明によって必要とされない。他の実施形態では、ビアは、すべてのMMICデバイス素子に対して形成することができ、またはビアは、MMICデバイス素子のより小さなサブセットに対して形成することができる。
【0109】
[0141]いくつかの実施形態が層に関して論じられたが、層という用語は、層が対象の層を形成するために構築される多数のサブ層を含むように理解されるべきである。したがって、層という用語は、単一の材料からなる単一の層を示すことを意図するのではなく、所望の構造を形成するために複合的に層化された1つ以上の材料を包含する。当業者であれば、多くの変形形態、改変形態、および代替形態を認識するであろう。
【0110】
[0142]本明細書に記載の実施例および実施形態は、例示のみを目的としており、それに照らした様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲内に含まれること、および添付の特許請求の範囲に含まれることが理解される。
【国際調査報告】