(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】6-(4-ニトロ-フェノキシ)-2H-ピリダジン-3-オン及び6-(4-アミノ-フェノキシ)-2H-ピリダジン-3-オン誘導体を甲状腺ホルモン類似体の中間体として調製するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
C07D 237/16 20060101AFI20231102BHJP
C07D 237/32 20060101ALI20231102BHJP
C07D 403/12 20060101ALI20231102BHJP
A61P 5/14 20060101ALI20231102BHJP
A61K 31/53 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
C07D237/16 CSP
C07D237/32
C07D403/12
A61P5/14
A61K31/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524612
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 US2021055865
(87)【国際公開番号】W WO2022087141
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503271718
【氏名又は名称】マドリガル ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Madrigal Pharmaceuticals,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コンファローネ,パスクヮーレ・エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ベレコープ,エイ・サミュエル
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC44
4C063DD28
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC64
4C086GA07
4C086NA20
4C086ZC06
(57)【要約】
本開示は、ピリダジノン誘導体を調製する方法を説明し、本方法には、式(I)の化合物又はその塩:(I)を式(II)の化合物又はその塩:(II)と接触させて、式(III)の化合物又はその塩:(III)を形成させることが含まれる。その後、式(III)の化合物を式(IV)の化合物:(IV)に変換することができ、この化合物は、肝臓疾患若しくは障害、又は脂質疾患若しくは障害を治療するための化合物の調製に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、その互変異性体又は塩を、
【化1】
式(II)の化合物又はその塩と、
【化2】
第1の有機溶媒中、塩基の存在下で接触させて、式(III)の化合物又はその塩を形成させることを含む、方法であって、
【化3】
式中、
R
1及びR
2が、各々独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
4~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであるか、あるいはR
1及びR
2が、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールを形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
3が、独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
aが、独立して、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルであり、
各R
bが、独立して、水素、重水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
cが、独立して、水素、重水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
Xが、ハロゲンであり、
nが、0、1、2、3、又は4である、方法。
【請求項2】
前記式(III)の化合物又はその塩を第2の有機溶媒及び還元剤と接触させて、式(IV)の化合物又はその塩を形成させることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【化4】
【請求項3】
前記式(IV)の化合物又はその塩をR
4CH
2C(O)N(R
5)C(O)OCH
2CH
3と接触させて、式(V)の化合物又はその塩を形成させることを更に含み、
【化5】
式中、
R
4が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
R
5が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記式(III)の化合物又はその塩をR
6Xと接触させて、式(III-a)の化合物又はその塩を形成させることを更に含み、
【化6】
式中、
R
6が、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記式(III-a)の化合物又はその塩を第2の有機溶媒及び還元剤と接触させて、式(IV-a)の化合物又はその塩を形成させることを更に含む、請求項4に記載の方法。
【化7】
【請求項6】
前記式(IV-a)の化合物又はその塩をR
4CH
2C(O)N(R
5)C(O)OCH
2CH
3と接触させて、式(V-a)の化合物又はその塩を形成させることを更に含み、
【化8】
式中、
R
4が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
R
5が、水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
XがFである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
R
3がClである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記式(I)の化合物が、化合物1-1、化合物2-1、化合物3-1、化合物4-1、化合物5-1、化合物6-1、又は化合物7-1:
【化9】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記式(II)の化合物が化合物1-2:
【化10】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記式(III)の化合物が、化合物1-3、化合物1-4、化合物2-2、化合物3-2、化合物3-3、化合物4-2、化合物5-2、化合物6-2、又は化合物7-2:
【化11】
である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記式(IV)の化合物又はその塩が、中間体7、化合物2-3、化合物3-4、化合物3-5、化合物4-3、化合物5-3、化合物6-3、化合物7-3、又は化合物8-1:
【化12】
である、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の有機溶媒が、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、又はアセトンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記塩基が、KHCO
3又はK
2CO
3を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の有機溶媒が、THFを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記還元剤が、H
2ガス及びPd/C、H
2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H
2ガス及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズを含む、請求項2又は5に記載の方法。
【請求項17】
前記還元剤が、H
2ガス及びPd/Cを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記接触させることが、室温で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記接触させることが、室温より高い温度で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記接触させることが、室温で行われる、請求項2又は5に記載の方法。
【請求項21】
前記接触させることが、室温より高い温度で行われる、請求項2又は5に記載の方法。
【請求項22】
前記式(V)の化合物が、2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(MGL-3196)である、請求項3に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の有機溶媒が、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、又はアセトンを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項24】
【化13】
の構造を有する、化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年10月23日に出願された米国特許出願第63/104,898号及び2021年2月18日に出願された米国特許出願第63/150,616号の優先権及び利益を主張するものであり、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ピリダジノン誘導体を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
甲状腺ホルモンは、正常な成長及び発達、並びに代謝恒常性の維持に重要である。甲状腺ホルモンの循環レベルは、視床下部/下垂体/甲状腺(hypothalamus/pituitary/thyroid、HPT)軸におけるフィードバック機序によって厳密に調節される。甲状腺機能低下又は甲状腺機能亢進をもたらす甲状腺機能異常は、甲状腺ホルモンが、心臓機能、体重、代謝、代謝率、体温、コレステロール、骨、筋、及び挙動に対して顕著な効果を発揮することを明確に示す。
【0004】
甲状腺ホルモンの有益な効果を維持しながら、甲状腺機能亢進及び甲状腺機能低下の望ましくない効果を回避する甲状腺ホルモン類似体の開発は、代謝疾患、例えば、肥満、高脂血症、高コレステロール血症、糖尿病、並びに他の障害及び疾患、例えば、脂肪肝及び非アルコール性脂肪性肝炎(Nonalcoholic steatohepatitis、NASH)、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患、甲状腺機能低下、甲状腺がん、甲状腺疾患、甲状腺ホルモンに対する抵抗性、並びに関連する障害及び疾患を有する患者のための治療に新しい道を開く。
【0005】
甲状腺ホルモン類似体としてピリダジノン化合物を調製する新しい方法を開発する必要性は、満たされていない。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、一部には、ピリダジノン化合物及びその塩などの甲状腺ホルモン類似体を合成する方法を提供する。例えば、本発明は、ピリダジノン化合物及びその塩などの甲状腺ホルモン類似体を合成するための非グリニャール法を提供する。本発明は、ピリダジノン化合物又はその塩を合成するための中間体にも関する。
【0007】
本発明は、式V又はVa:
【0008】
【0009】
一態様では、本開示は、方法であって、式(I)の化合物、その互変異性体又は塩を、
【0010】
【0011】
【化3】
第1の有機溶媒中、塩基の存在下で接触させて、式(III)の化合物又はその塩を形成させることを含み、
【0012】
【化4】
式中、
R
1及びR
2が、各々独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
4~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであるか、あるいはR
1及びR
2が、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールを形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
3が、独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
aが、独立して、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルであり、
各R
bが、独立して、水素、重水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
cが、独立して、水素、重水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
Xが、ハロゲンであり、
nが、0、1、2、3、又は4である、方法、を提供する。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の有機溶媒は、ジメチルホルムアミド(dimethylformamide、DMF)、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide、DMAC)、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)、ジクロロメタン(dichloromethane、DCM)、ジオキサン、又はアセトンを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、塩基は、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、又は重炭酸カリウム(KHCO3)を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、接触させることは、室温又は室温より高い温度で行われる。
【0016】
一態様では、本開示は、式(III)の化合物又はその塩を第2の有機溶媒及び還元剤と接触させて、式(IV)の化合物又はその塩を形成させることを含む方法を提供する。
【0017】
【0018】
いくつかの実施形態では、還元剤は、水素(H2)ガス及びパラジウム炭素(Pd/C)、H2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H2ガス及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、接触させることは、室温又は室温より高い温度で行われる。
【0020】
一態様では、本開示は、方法であって、式(IV)の化合物又はその塩をR4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と接触させて、式(V)の化合物又はその塩を形成させることを含み、
【0021】
【化6】
式中、
R
4が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
R
5が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換される、方法、を提供する。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV)の化合物又はその塩を、R4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と、酸化剤及び酸の存在下で接触させて、式(IV-中間体)の化合物又はその塩を形成させることを含む。
【0023】
【0024】
いくつかの実施形態では、酸化剤は、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)又は亜硝酸カリウム(KNO2)である。いくつかの実施形態では、酸は、塩酸(HCl)又は酢酸(AcOH)である。
【0025】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV-中間体)の化合物を塩基と接触させて、式(V)の化合物を形成させることを含む。いくつかの実施形態では、塩基は、酢酸ナトリウム(NaOAc)又は酢酸カリウム(KOAc)である。
【0026】
一態様では、本開示は、方法であって、式(III)の化合物又はその塩をR6Xと接触させて、式(III-a)の化合物又はその塩を形成させることを含み、
【0027】
【化8】
式中、
R
6が、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
Xが、式(II)について本明細書に定義されるとおりである、方法、を提供する。
【0028】
一態様では、本開示は、式(III-a)の化合物又はその塩を第2の有機溶媒及び還元剤と接触させて、式(IV-a)の化合物又はその塩を形成させることを含む方法を提供する。
【0029】
【0030】
いくつかの実施形態では、還元剤は、H2ガス及びPd/C、H2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H2ガス及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、接触させることは、室温又は室温より高い温度で行われる。
【0032】
一態様では、本開示は、方法であって、式(IV-a)の化合物又はその塩をR4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と接触させて、式(V-a)の化合物又はその塩を形成させることを含み、
【0033】
【化10】
式中、
R
4が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
R
5が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換される、方法、を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV-a)の化合物又はその塩をR4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と、酸化剤及び酸の存在下で接触させて、式(IV-a-中間体)の化合物又はその塩を形成させることを含む。
【0035】
【0036】
いくつかの実施形態では、酸化剤は、NaNO2又はKNO2である。いくつかの実施形態では、酸は、HCl又はAcOHである。
【0037】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV-a-中間体)の化合物を塩基と接触させて、式(V-a)の化合物を形成させることを含む。いくつかの実施形態では、塩基は、NaOAc又はKOAcである。
【0038】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、4-イソプロピルピリダジン-3,6-ジオール(化合物1-1)、4,5-ジメチル-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物2-1)、4-メチル-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物3-1)、4-フェニル-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物4-1)、4-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物5-1)、2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロフタラジン-1,4-ジオン(化合物6-1)、又は2,3-ジヒドロフタラジン-1,4-ジオン(化合物7-1):
【0039】
【0040】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(化合物1-2):
【0041】
【0042】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(化合物1-3)、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(化合物1-4)、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物2-2)、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-メチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物3-2)、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-5-メチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物3-3)、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(化合物4-2)、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(化合物5-2)、4-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロフタラジン-1(2H)-オン(化合物6-2)、又は4-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)フタラジン-1(2H)-オン(化合物7-2):
【0043】
【0044】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(中間体7)、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物2-3)、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-メチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物3-4)、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5-メチルピリダジン-3(2H)-オン(化合物3-5)、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(化合物4-3)、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(化合物5-3)、4-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロフタラジン-1(2H)-オン(化合物6-3)、4-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)フタラジン-1(2H)-オン(化合物7-3)、又は6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(化合物8-1):
【0045】
【0046】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(MGL-3196)である。
【0047】
一態様では、本開示は、
【0048】
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示は、ピリダジノン誘導体を調製するための非グリニャール法を提供する。ピリダジノン誘導体を調製するためのグリニャール法と比較して、本明細書に記載される非グリニャール法は、少なくとも、MGL-3196などのピリダジノン誘導体の産生のための中間体を製造するために危険で高価なグリニャール試薬を使用する必要性を回避するので、有利である。
【0050】
本開示のいくつかの態様は、以下のスキーム1、スキーム2、又はスキーム3に従う合成スキームにおける1つ以上の工程に関する。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
一態様では、本開示は、方法であって、式(I)の化合物、その互変異性体又は塩を、
【0055】
【0056】
【化21】
第1の有機溶媒中、塩基の存在下で接触させて、式(III)の化合物又はその塩を形成させることを含み、
【0057】
【化22】
式中、
R
1及びR
2が、各々独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
4~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであるか、あるいはR
1及びR
2が、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールを形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
3が、独立して、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
aが、独立して、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルであり、
各R
bが、独立して、水素、重水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
各R
cが、独立して、水素、重水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OCH
3、-NH
2、-C(=O)CH
3、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
Xが、ハロゲンであり、
nが、0、1、2、3、又は4である、方法、を提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、nは0である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、nは2である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、nは4である。
【0059】
いくつかの実施形態では、R1中の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ、2つ、又は3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0060】
いくつかの実施形態では、R1は、水素又は重水素である。いくつかの実施形態では、R1は、水素である。
【0061】
いくつかの実施形態では、R1は、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C4~C6アルキル、C1~C6重水素化アルキル、C1~C6ハロアルキル、C4~C6ヒドロキシアルキル、C1~C6アミノアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0062】
いくつかの実施形態では、R1は、C4~C6アルキル、C1~C6重水素化アルキル、C1~C6ハロアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0063】
いくつかの実施形態では、R1は、C4~C6アルキル、C1~C6重水素化アルキル、C1~C6ハロアルキル、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルであり、ここで、各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルは、独立して、任意選択で、1つ以上のハロゲンで置換される。いくつかの実施形態では、R1は、C1~C6重水素化アルキルである。
【0064】
いくつかの実施形態では、R1は、C-1-C6アルキル、C2~C6アルケニル、又はC2~C6アルキニルである。
【0065】
いくつかの実施形態では、R1は、C-1-C6アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、メチルである。いくつかの実施形態では、R1は、エチルである。いくつかの実施形態では、R1は、プロピルである。いくつかの実施形態では、R1は、ブチルである。いくつかの実施形態では、R1は、イソプロピルである。いくつかの実施形態では、R1は、iso-ブチルである。いくつかの実施形態では、R1は、sec-ブチルである。いくつかの実施形態では、R1は、tert-ブチルである。いくつかの実施形態では、R1は、ペンチルである。いくつかの実施形態では、R1は、iso-ペンチルである。いくつかの実施形態では、R1は、ヘキシルである。いくつかの実施形態では、R1は、iso-ヘキシルである。
【0066】
いくつかの実施形態では、R1は、C2~C6アルケニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C2アルケニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C3アルケニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C4アルケニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C5アルケニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C6アルケニルである。
【0067】
いくつかの実施形態では、R1は、C2~C6アルキニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C2アルキニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C3アルキニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C4アルキニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C5アルキニルである。いくつかの実施形態では、R1は、C6アルキニルである。
【0068】
いくつかの実施形態では、R2中の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ、2つ、又は3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0069】
いくつかの実施形態では、R2は、水素、重水素、C-1-C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、水素である。いくつかの実施形態では、R2は、重水素である。
【0070】
いくつかの実施形態では、R3中の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ、2つ、又は3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0071】
いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールを形成する。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、シクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、アリールを形成する。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、ヘテロシクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、ヘテロアリールを形成する。
【0072】
いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、シクロアルキルを形成する。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、6員シクロアルキルを形成する。
【0073】
いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、アリールを形成する。いくつかの実施形態では、R1及びR2は、一緒になって、6員アリールを形成する。
【0074】
いくつかの実施形態では、各R3は、独立して、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、各R3は、独立して、ハロゲン、例えば、ハロゲン、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素である。いくつかの実施形態では、R3のうちの1つは、重水素である。いくつかの実施形態では、各R3は、独立して、水素、重水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、各R3は、独立して、重水素、ハロゲン、又はC1~C6アルキルである。いくつかの実施形態では、各R3は、独立して、重水素又はハロゲンである。
【0075】
いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲンである。いくつかの実施形態では、Xは、フッ素である。いくつかの実施形態では、Xは、塩素である。いくつかの実施形態では、Xは、臭素である。いくつかの実施形態では、Xは、ヨウ素である。
【0076】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-a)の化合物:
【0077】
【化23】
その互変異性体又は塩であり、式中、R
1は、式(I)について本明細書に記載されるとおりである。
【0078】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-b)の化合物:
【0079】
【化24】
その互変異性体又は塩であり、式中、R
2は、式(I)について本明細書に記載されるとおりである。
【0080】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-a)の化合物:
【0081】
【化25】
又はその塩であり、式中、X及びR
3は、式(II)について本明細書に記載されるとおりである。
【0082】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-b)の化合物:
【0083】
【化26】
又はその塩であり、式中、X及びR
3は、式(II)について本明細書に記載されるとおりである。
【0084】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-c)の化合物:
【0085】
【化27】
又はその塩であり、式中、Xは、式(II)について本明細書に記載されるとおりである。
【0086】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-b)の化合物:
【0087】
【化28】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、及びnは、式(III)について本明細書に記載されるとおりである。
【0088】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-d)の化合物:
【0089】
【化29】
又はその塩であり、式中、R
2、R
3、及びnは、式(III)について本明細書に記載されるとおりである。
【0090】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-f)の化合物:
【0091】
【化30】
又はその塩であり、式中、R
1、R
2、及びR
3は、式(III)について本明細書に記載されるとおりである。
【0092】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-h)の化合物:
【0093】
【化31】
又はその塩であり、式中、R
1及びR
3は、式(III)について本明細書に記載されるとおりである。
【0094】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、4-イソプロピルピリダジン-3,6-ジオール(化合物1-1):
【0095】
【0096】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(化合物1-2):
【0097】
【0098】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(化合物1-4):
【0099】
【0100】
式(III)の化合物の合成に使用される第1の有機溶媒は、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、アセトン、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の合成に使用される第1の有機溶媒は、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、アセトン、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第1の有機溶媒は、DMFを含む。いくつかの実施形態では、第1の有機溶媒は、DMFである。
【0101】
式(III)の化合物の合成に使用される塩基は、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3、KHCO3、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(III)の化合物の合成に使用される塩基は、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3、KHCO3、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、塩基は、固体として加えられる。
【0102】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(III)の化合物又はその塩を第2の有機溶媒及び還元剤と接触させて、式(IV)の化合物又はその塩を形成させることを更に含む。
【0103】
【0104】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-b)の化合物:
【0105】
【化36】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、及びnは、式(IV)について本明細書に記載されるとおりである。
【0106】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-d)の化合物:
【0107】
【化37】
又はその塩であり、式中、R
2、R
3、及びnは、式(IV)について本明細書に記載されるとおりである。
【0108】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-f)の化合物:
【0109】
【化38】
又はその塩であり、式中、R
1、R
2、及びR
3は、式(IV)について本明細書に記載されるとおりである。
【0110】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、式(IV-h)の化合物:
【0111】
【化39】
又はその塩であり、式中、R
1及びR
3は、式(IV)について本明細書に記載されるとおりである。
【0112】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-イソプロピルピリダジン-3(2H)-オン(中間体7)である。
【0113】
【0114】
式(IV)の化合物の合成に使用される第2の有機溶媒は、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、アセトン、又はそれらの組み合わせを含み得る。式(IV)の化合物の合成に使用される第2の有機溶媒は、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、アセトン、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の有機溶媒は、THFを含む。いくつかの実施形態では、第2の有機溶媒は、THFである。
【0115】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物の合成に使用される還元剤は、H2ガス及びPd/C、H2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H2ガス、及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズを含み得る。いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物の合成に使用される還元剤は、H2ガス及びPd/C、H2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H2ガス及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズである。いくつかの実施形態では、還元剤は、H2ガス及びPd/Cを含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、H2ガス及びPd/Cである。
【0116】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV)の化合物又はその塩をR4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と接触させて、式(V)の化合物又はその塩を形成させることを更に含み、
【0117】
【化41】
式中、
R
4は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-SH、-SR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-NO
2、-NR
bR
c、-NHS(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-OC(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、-OC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)NR
bR
c、-NR
bC(=O)R
a、-NR
bC(=O)OR
b、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
R
5は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換される。
【0118】
いくつかの実施形態では、R4中の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ、2つ、又は3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0119】
いくつかの実施形態では、R4は、水素、重水素、又はハロゲンである。
【0120】
いくつかの実施形態では、R4は、-CNである。
【0121】
いくつかの実施形態では、R5中の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0122】
いくつかの実施形態では、R5は、水素又はC1~C6アルキルである。
【0123】
いくつかの実施形態では、R5は、水素である。
【0124】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(V-b)の化合物:
【0125】
【化42】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、R
4、R
5、及びnは、式(V)について本明細書に記載されるとおりである。
【0126】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(V-d)の化合物:
【0127】
【化43】
又はその塩であり、式中、R
2、R
3、R
4、R
5、及びnは、式(V)について本明細書に記載されるとおりである。
【0128】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(V-f)の化合物:
【0129】
【化44】
又はその塩であり、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、及びR
5は、式(V)について本明細書に記載されるとおりである。
【0130】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(V-h)の化合物:
【0131】
【化45】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、R
4、及びR
5は、式(V)について本明細書に記載されるとおりである。
【0132】
いくつかの実施形態では、R4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3は、CNCH2C(O)NHC(O)OCH2CH3である。
【0133】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(MGL-3196)である。
【0134】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の形成の前に、本方法は、式(IV)の化合物又はその塩を、上記のように、R4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と、酸化剤及び酸の存在下で接触させて、式(IV-中間体)の化合物又はその塩を形成させることを更に含む。
【0135】
【0136】
いくつかの実施形態では、式(IV-中間体)の化合物の合成に使用される酸化剤は、NaNO2、KNO2、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(IV-中間体)の化合物の合成に使用される酸化剤は、NaNO2、KNO2、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、式(V-中間体)の化合物の合成に使用される酸は、HCl、AcOH、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(V-中間体)の化合物の合成に使用される酸は、HCl、AcOH、又はそれらの組み合わせである。
【0137】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV-中間体)の化合物を塩基と接触させて、式(V)の化合物を形成させることを更に含む。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の合成に使用される塩基は、酢酸ナトリウム(NaOAc)、酢酸カリウム(KOAc)、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(V)の化合物の合成に使用される塩基は、NaOAc、KOAc、又はそれらの組み合わせである。
【0138】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(III)の化合物又はその塩をR6Xと接触させて、式(III-a)の化合物又はその塩を形成させることを更に含み、
【0139】
【化47】
式中、
R
6は、-CN、-OH、-OR
a、-S(=O)R
a、-S(=O)
2R
a、-S(=O)
2NR
bR
c、-C(=O)R
a、-OC(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6重水素化アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
1~C
6アミノアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールが、独立して、任意選択で、1つ以上のオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-OR
a、-NR
bR
c、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
b、-C(=O)NR
bR
c、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルで置換され、
Xは、式(II)について本明細書に定義されるとおりである。
【0140】
いくつかの実施形態では、R6中の各アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールは、独立して、任意選択で、1つ、2つ、又は3つのオキソ、重水素、ハロゲン、-CN、-OH、-ORa、-NRbRc、-C(=O)Ra、-C(=O)ORb、-C(=O)NRbRc、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルで置換される。
【0141】
いくつかの実施形態では、R6は、C1~C6アルキルである。
【0142】
いくつかの実施形態では、式(III-a)の化合物は、式(III-c)の化合物:
【0143】
【化48】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、R
6、及びnは、式(III-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0144】
いくつかの実施形態では、式(III-a)の化合物は、式(III-e)の化合物:
【0145】
【化49】
又はその塩であり、式中、R
2、R
3、R
6、及びnは、式(III-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0146】
いくつかの実施形態では、式(III-a)の化合物は、式(III-g)の化合物:
【0147】
【化50】
又はその塩であり、式中、R
1、R
2、R
3、及びR
6は、式(III-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0148】
いくつかの実施形態では、式(III-a)の化合物は、式(III-i)の化合物:
【0149】
【化51】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、及びR
6は、式(III-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0150】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(III-a)の化合物又はその塩を第2の有機溶媒及び還元剤と接触させて、式(IV-a)の化合物又はその塩を形成させることを更に含む。
【0151】
【0152】
いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物の合成に使用される第2の有機溶媒は、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、アセトン、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物の合成に使用される第2の有機溶媒は、DMF、DMAC、DMSO、アセトニトリル、THF、DCM、ジオキサン、アセトン、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、第2の有機溶媒は、THFを含む。いくつかの実施形態では、第2の有機溶媒は、THFである。
【0153】
いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物の合成に使用される還元剤は、H2ガス及びPd/C,H2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H2ガス及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズを含み得る。いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物の合成に使用される還元剤は、H2ガス及びPd/C、H2ガス及びRaney(登録商標)ニッケル、H2ガス及び酸化白金(IV)、塩化第一鉄、又は塩化第一スズである。いくつかの実施形態では、還元剤は、H2ガス及びPd/Cを含む。いくつかの実施形態では、還元剤は、H2ガス及びPd/Cである。
【0154】
いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物は、式(IV-c)の化合物:
【0155】
【化53】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、R
6、及びnは、式(IV-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0156】
いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物は、式(IV-e)の化合物:
【0157】
【化54】
又はその塩であり、式中、R
2、R
3、R
6、及びnは、式(IV-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0158】
いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物は、式(IV-g)の化合物:
【0159】
【化55】
又はその塩であり、式中、R
1、R
2、R
3、及びR
6は、式(IV-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0160】
いくつかの実施形態では、式(IV-a)の化合物は、式(IV-i)の化合物:
【0161】
【化56】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、及びR
6は、式(IV-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0162】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV-a)の化合物又はその塩を、上記のように、R4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と接触させて、式(V-a)の化合物又はその塩を形成させることを更に含む。
【0163】
【0164】
いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物の形成の前に、本方法は、式(IV-a)の化合物又はその塩を、上記のように、R4CH2C(O)N(R5)C(O)OCH2CH3と、酸化剤及び酸の存在下で接触させて、式(IV-a-中間体)の化合物又はその塩を形成させることを含む。
【0165】
【0166】
いくつかの実施形態では、式(IV-a-中間体)の合成に使用される酸化剤は、NaNO2、KNO2、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(IV-a-中間体)の化合物の合成に使用される酸化剤は、NaNO2、KNO2、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、式(IV-a-中間体)の化合物の合成に使用される酸は、HCl、AcOH、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(IV-a-中間体)の化合物の合成に使用される酸は、HCl、AcOH、又はそれらの組み合わせである。
【0167】
いくつかの実施形態では、本方法は、式(IV-a-中間体)の化合物を塩基と接触させて、式(V-a)の化合物を形成させることを更に含む。いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物の合成に使用される塩基は、NaOAc、KOAc、又はそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物の合成に使用される塩基は、NaOAc、KOAc、又はそれらの組み合わせである。
【0168】
いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物は、式(V-c)の化合物:
【0169】
【化59】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、R
4、R
5、R
6、及びnは、式(V-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0170】
いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物は、式(V-e)の化合物:
【0171】
【化60】
又はその塩であり、式中、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びnは、式(V-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0172】
いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物は、式(V-g)の化合物:
【0173】
【化61】
又はその塩であり、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、式(V-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0174】
いくつかの実施形態では、式(V-a)の化合物は、式(V-i)の化合物:
【0175】
【化62】
又はその塩であり、式中、R
1、R
3、R
4、R
5、及びR
6は、式(V-a)について本明細書に記載されるとおりである。
【0176】
式(V)又は(V-a)の化合物の実施形態は、WO2019/240938に見出すことができ、これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0177】
いくつかの実施形態では、本化合物は、室温で接触させることも、室温より高い温度で接触させることも、室温より低い温度で接触させることもできる。いくつかの実施形態では、接触させることは、室温で行われる。
【0178】
一態様では、本開示は、
【0179】
【0180】
本開示の化合物の例を以下の表1に示す。
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
薬学的に許容される塩
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、それらの薬学的に許容される塩として存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容される塩を投与することによって疾患を治療する方法を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、そのような薬学的に許容される塩を医薬組成物として投与することによって疾患を治療する方法を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物は、酸性基又は塩基性基を保有し、したがって、ある数の無機塩基又は有機塩基、並びに無機酸及び有機酸のうちのいずれかと反応して、薬学的に許容される塩を形成する。いくつかの実施形態では、これらの塩は、本明細書に開示される化合物の最終的な単離及び精製の間にインサイチュで調製されるか、又は遊離形態の精製された化合物を好適な酸又は塩基と別々に反応させ、このようにして形成された塩を単離することによって調製される。
【0186】
薬学的に許容される塩の例としては、本明細書中に記載される化合物を、鉱物、有機酸、又は無機塩基と反応させることによって調製される塩が挙げられ、このような塩には、酢酸塩、アクリル酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、臭化物、酪酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クロロ安息香酸塩、塩化物、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、デカン酸塩、ジグルコン酸塩、二水素リン酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオエート、ヒドロキシ安息香酸塩、g-ヒドロキシ酪酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、一水素リン酸塩、1-ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピロ硫酸塩、ピロリン酸塩、プロピオレート(propiolate)、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、プロパンスルホン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩ウンデコネート、及びキシレンスルホン酸塩が含まれる。
【0187】
更に、本明細書に記載される化合物は、遊離塩基形態の化合物を、薬学的に許容される無機又は有機酸と反応させることによって形成される薬学的に許容される塩として調製することができ、これらの酸としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸メタリン酸など、並びに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、p-トルエンスルホニル酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、アリールスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’-メチレンビス-(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、及びムコン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0188】
いくつかの実施形態では、遊離酸基を含む本明細書に記載される化合物は、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩などの好適な塩基と、アンモニアと、又は薬学的に許容される有機一級、二級、三級、若しくは四級アミンと反応する。代表的な塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムのようなアルカリ又はアルカリ土類塩、並びにアルミニウム塩などが挙げられる。塩基の実例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウム、N+(C1~4アルキル)4などが挙げられる。
【0189】
塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。本明細書に記載される化合物はまた、それらが含有する任意の塩基性窒素含有基の四級化を含むことが理解される。いくつかの実施形態では、水溶性又は油溶性又は分散性の生成物は、このような四級化によって得られる。
【0190】
医薬組成物及び治療方法
いくつかの態様では、本開示は、式(V)若しくは(V-a)の化合物(単数又は複数)又はその塩を活性成分として含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、式(V)若しくは(V-a)の化合物(単数又は複数)又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物と、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0191】
いくつかの態様では、本開示は、本明細書に記載される方法によって調製される式(V)若しくは(V-a)の化合物(単数又は複数)又はその塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0192】
本開示の医薬組成物は、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、封入、又は凍結乾燥プロセスによって、一般に知られている様式で製造されてもよい。薬学的組成物は、薬学的に使用され得る調製物への活性化合物の加工を容易にする賦形剤及び/又は補助剤を含む1つ以上の薬学的に許容される担体を使用して、従来の様式で製剤化されてもよい。言うまでもなく、適切な製剤は、選択される投与経路に依存する。
【0193】
いくつかの実施形態では、本医薬組成物はゲルに製剤化される。
【0194】
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は錠剤に製剤化される。
【0195】
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は丸剤に製剤化される。
【0196】
いくつかの実施形態では、本医薬組成物はカプセルに製剤化される。
【0197】
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は溶液に製剤化される。
【0198】
いくつかの態様では、本開示は、少なくとも部分的に、肝臓疾患若しくは障害又は脂質疾患若しくは障害を治療するための方法に関し、本方法は、それを必要とする対象に、式(V)若しくは(V-a)の化合物又はその塩を投与することによる。
【0199】
いくつかの実施形態は、本発明の方法によって治療される肝臓疾患又は障害は、脂肪肝疾患である。
【0200】
いくつかの実施形態では、本発明の方法によって治療される肝臓疾患又は障害は、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease、NAFLD)である。いくつかの実施形態では、本発明の方法によって治療される肝臓疾患又は障害は、NASHである。
【0201】
いくつかの実施形態では、本発明の方法によって治療される脂質疾患又は障害は、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL、及び高LDLからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、高コレステロール血症は、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症(heterozygous familial hypercholesterolemia、HeFH)又はホモ接合型家族性高コレステロール血症(homozygous familial hypercholesterolemia、HoFH)である。
【0202】
いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載される肝臓疾患又は障害を発症するリスクを有する。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載される脂質疾患又は障害を発症するリスクを有する。
【0203】
いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0204】
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを意図しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0205】
値の範囲が提供される場合、範囲は、その範囲を有する終点の両方、及び全ての介在する値を含むことが理解される。
【0206】
冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈により別途明確に示されない限り、冠詞の文法上の目的語の1つ又は1つ超(すなわち、少なくとも1つ)を指すために本明細書で使用される。例として、「超高純度形態(an ultrapure form)」は、1つの超高純度形態又は1つ超の超高純度形態を意味する。
【0207】
「及び/又は」という句は、本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「一方又は両方」を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」節によって具体的に特定される要素以外の他の要素が、任意選択で存在してもよい。このため、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「含む(comprising)」などの制約のない言葉と併せて使用される場合、一実施形態では、Aのみ(任意選択でB以外の要素を含む)を、別の実施形態では、Bのみ(任意選択でA以外の要素を含む)を、更に別の実施形態では、AとBとの両方(任意選択で他の要素を含む)を指し得る。
【0208】
別途明示的に示されない限り、「およそ」及び「約」という用語は同義である。いくつかの実施形態では、「およそ」及び「約」は、列挙された量、値、用量、又は期間±10%、±8%、±6%、±5%、±4%、±2%、±1%、又は±0.5%を指す。いくつかの実施形態では、「およそ」及び「約」は、リストされた量、値、用量、又は期間±5%を指す。いくつかの実施形態では、「およそ」及び「約」は、リストされた量、値、用量、又は期間±2%を指す。いくつかの実施形態では、「およそ」及び「約」は、リストされた量、値、用量、又は期間±1%を指す。
【0209】
本明細書及び特許請求の範囲においてここで使用される場合、「又は」は、上で定義した「及び/又は」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離しているとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、ある数の要素又は要素のリストのうちの少なくとも1つを含むが、1つ超、及び任意選択で追加のリストされていない項目も含むものとして解釈されるものとする。「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの正確に1つ」、又は特許請求の範囲において使用される場合、「~からなる」など、反対のことが明らかに示される用語のみが、ある数の要素又は要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。概して、「又は」という用語は、本明細書で使用される場合、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの正確に1つ」などの排他性の用語が先行するとき、排他的代替物(すなわち、「一方又は他方であるが、両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。
【0210】
本明細書で使用される場合、「アルキル」、「C1、C2、C3、C4、C5、又はC6アルキル」、又は「C1~C6アルキル」は、C1、C2、C3、C4、C5、又はC6直鎖(線状)飽和脂肪族炭化水素基、C3、C4、C5、又はC6分岐飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、C1~C6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、又はC6アルキル基を含むことが意図される。アルキルの例としては、1~6個の炭素原子を有する部分、例えば、非限定的に、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、又はn-ヘキシルが挙げられる。ある特定の実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは、6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC1~C6、分岐鎖についてはC3~C6)を有し、別の実施形態では、直鎖又は分岐アルキルは4個以下の炭素原子を有する。
【0211】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、上記のアルキルと長さ及び可能な置換が類似しているが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、及び分岐アルケニル基を含む。ある特定の実施形態では、直鎖又は分岐アルケニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC2~C6、分岐鎖についてはC3~C6)を有する。「C2~C6」という用語は、2~6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。「C3~C6」という用語は、3~6個の炭素原子を含有するアルケニル基を含む。
【0212】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、上記のアルキルと長さ及び可能な置換が類似しているが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、及び分岐アルキニル基を含む。ある特定の実施形態では、直鎖又は分岐アルキニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC2~C6、分岐鎖についてはC3~C6)を有する。「C2~C6」という用語は、2~6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。「C3~C6」という用語は、3~6個の炭素原子を含有するアルキニル基を含む。本明細書で使用される場合、「C2~C6アルケニレンリンカー」又は「C2~C6アルキニレンリンカー」は、C2、C3、C4、C5、又はC6鎖(線状又は分岐)二価不飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。例えば、C2~C6アルケニレンリンカーは、C2、C3、C4、C5、及びC6アルケニレンリンカー基を含むことが意図される。
【0213】
「アミノアルキル」は、1つ以上のアミノ基で置換された、本明細書で定義されるアルキル部分を意味する。
【0214】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、1つ以上の芳香環を有し、環構造中にいずれのヘテロ原子も含有しない「共役」又は多環系を含む、芳香族性を有する基を含む。アリールという用語は、一価種と二価種との両方を含む。アリール基の例としては、フェニル、ビフェニル、ナフチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリールがフェニルであると、好都合である。
【0215】
本明細書で使用される場合、「接触させる」又は「接触させること」という用語は、2つ以上の反応物を、例えば2つ以上の反応物が化学的に反応するように、近接させる動作を指す。いくつかの実施形態では、接触させることは、2つ以上の反応物を混合することを含む。いくつかの実施形態では、接触させることは、2つ以上の反応物から所望の反応生成物を形成させるのに好適な反応条件下である。
【0216】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~30個の炭素原子(例えば、C3~C12、C3~C10、又はC3~C8)を有する飽和又は不飽和非芳香族炭化水素単環又は多環(例えば、縮合環、架橋環、又はスピロ環)系を指す。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル、及びアダマンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0217】
「重水素化アルキル」は、アルキルの1つ以上の水素原子が重水素で代置されているアルキル基を指す。
【0218】
本明細書で使用される場合、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
【0219】
「ハロアルキル」は、アルキルの1つ以上の水素原子がハロゲンで代置されているアルキル基を指す。
【0220】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、別途指定のない限り、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1個以上のヘテロ原子(O、N、S、P、又はSeなど)、例えば、1若しくは1~2若しくは1~3若しくは1~4若しくは1~5若しくは1~6個のヘテロ原子、又は例えば、1、2、3、4、5、若しくは6個のヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和の非芳香族3~8員単環式、7~12員二環式(縮合環、架橋環、又はスピロ環)、又は11~14員三環式環系(縮合環、架橋環、又はスピロ環)を指す。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、イソインドリニル、インドリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、トリアゾリジニル、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、ピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオピラニル、1,4-ジアゼパニル、1,4-オキサゼパニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカニル、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカニル、1-オキサスピロ[4.5]デカニル、1-アザスピロ[4.5]デカニル、3’H-スピロ[シクロヘキサン-1,1’-イソベンゾフラン]-イル、7’H-スピロ[シクロヘキサン-1,5’-フロ[3,4-b]ピリジン]-イル、3’H-スピロ[シクロヘキサン-1,1’-フロ[3,4-c]ピリジン]-イル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾリル、3,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-メチル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-メチル-2-アザスピロ[3.5]ノナニル、2-アザスピロ[4.5]デカニル、2-メチル-2-アザスピロ[4.5]デカニル、2-オキサ-アザスピロ[3.4]オクタニル、2-オキサ-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。多環式非芳香族環の場合、環のうちの1つのみが非芳香族である必要がある(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレニル又は2,3-ジヒドロインドール)。
【0221】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立して選択される1個以上のヘテロ原子、例えば、1若しくは1~2若しくは1~3若しくは1~4若しくは1~5若しくは1~6個のヘテロ原子、又は例えば、1、2、3、4、5、若しくは6個のヘテロ原子とからなる、安定な5員、6員、若しくは7員の単環式、又は7員、8員、9員、10員、11員、若しくは12員の二環式芳香族複素環を含むことが意図される。窒素原子は置換されている場合もされていない場合もある(すなわち、N又はNRであり、ここで、Rは、定義されるとおりに、H又は他の置換基である)。窒素及び硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化されていてもよい(すなわち、N→O及びS(O)pであり、ここで、pは、1又は2である)。芳香族複素環中のS及びO原子の総数は1以下であることに留意されたい。ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジンなどが挙げられる。
【0222】
「ヒドロキシアルキル」は、1つ以上のヒドロキシ基で置換された、本明細書で定義されるアルキル部分を意味する。代表的な例としては、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチルエチル、2,3-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチル、及び2-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシプロピルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0223】
「アリール」及び「ヘテロアリール」という用語は、多環式アリール及びヘテロアリール基、例えば、三環式、二環式、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、インドリジンを含むことが理解される。
【0224】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症を伴わずに、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に見合っている、化合物、アニオン、カチオン、材料、組成物、担体、及び/又は剤形を指す。
【0225】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、「それを必要とする対象」という用語と交換可能であり、その両方は、疾患を有するか、又は疾患を発症する増加したリスクを有する対象を指す。「対象」は哺乳動物を含む。哺乳動物は、例えば、ヒト、又は霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、若しくはブタなどの適切な非ヒト哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0226】
本明細書で使用される場合、「互変異性体」という用語は、平衡状態で存在し、1つの異性体形態から別の異性体形態に容易に変換される2つ以上の構造異性体のうちの1つである。この変換により、隣接する共役二重結合の切り替えを伴う水素原子の形式移動が生じる。互変異性体は、溶液中の互変異性セットの混合物として存在する。互変異性化が可能である溶液中では、互変異性体の化学平衡が達成されることになる。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒、及びpHを含むいくつかの因子に依存する。互変異性化によって相互変換可能である互変異性体の概念が、互変異性と呼ばれる。可能である様々な種類の互変異性のうち、2つが一般的に観察される。ケト-エノール互変異性では、電子及び水素原子の同時シフトが起こる。環-鎖互変異性は、糖鎖分子中のアルデヒド基(-CHO)が同じ分子中のヒドロキシ基(-OH)のうちの1つと反応して、グルコースが呈するような環式(環形状)形態をそれに付与する結果として生じる。
【0227】
本開示の化合物は、異なる互変異性体として示されてもよいことを理解されたい。化合物が互変異性形態を有するとき、全ての互変異性形態が本開示の範囲に含まれることが意図され、化合物の命名は任意の互変異性型を除外しないことも理解されるべきである。ある特定の互変異性体は、他のものよりも高いレベルの活性を有してもよいことが理解される。
【0228】
本明細書で使用される場合、「治療すること」又は「治療する」という用語は、疾患、状態、又は障害に対抗することを目的とした患者の管理及びケアを説明し、疾患、状態、若しくは障害の症状若しくは合併症を緩和するため、又は疾患、状態、若しくは障害を排除するために、本開示の化合物、又はその薬学的に許容される塩、多形体、若しくは溶媒和物を投与することを含む。「治療する」という用語はまた、インビトロの細胞又は動物モデルの治療を含み得る。
【0229】
本明細書で使用される場合、「塩」又は「薬学的に許容される塩」という用語は、親化合物が、その酸性塩又は塩基性塩の作製によって修飾されている、本開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩又は有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩としては、例えば、非毒性無機酸又は有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩又は四級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、このような従来の非毒性塩としては、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサニル(glycollyarsanilic)酸、ヘキシルレゾルシン(hexylresorcinic)酸、ヒドラバム(hydrabamic)酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、次酢(subacetic)酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び一般的に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなどから選択される無機酸及び有機酸から誘導される塩が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩の他の例としては、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ムコン酸などが挙げられる。本開示はまた、親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、又はアルミニウムイオンによって代置されるか、あるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合するときに形成される塩を包含する。塩形態において、化合物と塩のカチオン又はアニオンとの比は、1:1、又は1:1以外の任意の比、例えば、3:1、2:1、1:2、又は1:3であり得ることが理解される。薬学的に許容される塩への全ての言及は、同じ塩の、本明細書で定義されるとおりの溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形体)を含むことを理解されたい。
【0230】
本明細書で使用される全ての百分率及び比は、別途示されない限り、重量による。本開示の他の特徴及び利点は、様々な実施例から明らかである。提供される実施例は、本開示を実施する際に有用な様々な構成要素及び方法論を例示する。実施例は、特許請求される開示を限定するものではない。本開示に基づいて、当業者であれば、本開示を実施するのに有用な他の構成要素及び方法論を特定し、それらを用いることができる。
【0231】
本明細書で使用される場合、「MGL-3196」は、2-(3,5-ジクロロ-4-((5-イソプロピル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリダジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3,5-ジオキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,2,4-トリアジン-6-カルボニトリル(すなわち、
【0232】
【化64】
)、又はその薬学的に許容される塩のうちの任意のものと等しい。
【0233】
本明細書に引用される全ての刊行物及び特許文献は、そのような刊行物又は文献の各々が、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示される場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物及び特許文献の引用は、いずれのものも、関連する先行技術であると認めることを意図するものではなく、その内容又は日付に関していかなる承認も構成しない。本発明を書面による説明によって記載してきたが、当業者であれば、本発明は様々な実施形態で実施することができ、前述の説明及び以下の実施例は例示を目的としており、以下の特許請求の範囲を限定するものではないことを認識する。
【実施例】
【0234】
別途指定のない限り、実施例に記載の化合物に使用される分析機器及びパラメータは以下のとおりである。
【0235】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、5mm広帯域観察プローブを装備したBruker NEO 600MHz NMR分光計で記録した。1H NMRについては、16スキャンを、90度パルス及び10秒のリサイクル遅延で同時に加えた。13C NMRについては、13C検出は、1H複合パルスデカップリングを伴った。別途記述のない限り、13C NMRデータ収集のために、256スキャンを同時に加えた。化学シフト(δ)は、100万分の1(parts per million、ppm)単位で報告する。
【0236】
LC-MSクロマトグラム及びスペクトルは、Shimadzu LC-2040C 3D液体クロマトグラフィーシステムと接続したShimadzu LCMS-2020超高速質量分析計を使用して記録した。
【0237】
XRPDデータは、Rigaku X線発生装置:30kV、15mA;波長:Kアルファ1、ゴニオメトリー:MiniFlexゴニオメーター、走査速度:2.0000°/分、走査ステップ:0.02°、検出器:Miniflexカウンター、走査範囲:3.0000~45.0000を使用して収集した。
【0238】
融点は、TA Instruments Inc.DSC Q200を使用して取得した。
【0239】
【0240】
実施例1:6-(4-アミノ-2,6-ジクロロ-フェノキシ)-4-イソプロピル-2H-ピリダジン-3-オン(中間体7)の合成
6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロ-フェノキシ)-4-イソプロピル-2H-ピリダジン-3-オン(化合物1-4)の合成
【0241】
【0242】
重炭酸カリウム(2.34g、23.4mmol)を化合物3-1(3.0g、19.5mmol)及び3-2(2.9g、13.6mmol)のDMF(60mL)溶液に加え、混合物を室温で2時間撹拌した後、反応物を水(180mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(60mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物1-4(4.93g)を得て、これを酢酸エチル中のスラリーによって更に精製して、オフホワイト色固体の化合物1-4を得た(3.51g、純度74.9%)。化合物1-4の位置異性体である化合物1-3を、カラムクロマトグラフィー精製によって得た。
【0243】
化合物1-4:1H NMR(600MHz,CDCl3)δ 8.31(s,2H),7.16(d,J=0.8Hz,1H),3.24(m,1H),1.30(d,J=6.9Hz,3H)。13C NMR(150MHz,CDCl3)δ 160.72,154.89,151.70,150.85,145.18,130.55,124.31,119.65,28.22,20.75。C13H12Cl2N3O4のLRMS[M+H+]m/z=344、C13H10Cl2N3O4のLRMS[M+H-]m/z=342。化合物1-4の結晶性固体を、DCM及びTHFの溶媒混合物中での再結晶から得た。融点:270.82℃。化合物1-4のXRPDのピーク値を以下に列挙する(ピーク:21-pts/放物線フィルタ、閾値=3.0、カットオフ=0.1%、BG=3/0.6、ピークトップ=頂点)。
【0244】
【0245】
化合物1-3(HPLCにより純粋):1H NMR(600MHz,CDCl3)δ 10.76(s,1H,NH),8.27(s,2H),6.84(s,1H),3.16(m,1H),1.34(d,J=6.8Hz,6H)。13C NMR(150MHz,CDCl3)δ 161.98,151.08,150.64,147.85,145.42,130.64,128.36,124.50,28.63,21.19。C13H12Cl2N3O4のLRMS[M+H+]m/z=344。
【0246】
6-(4-アミノ-2,6-ジクロロ-フェノキシ)-4-イソプロピル-2H-ピリダジン-3-オン(中間体7)の合成
【0247】
【化66】
パラジウム炭素(5%、50mg)を化合物1-4(0.5g、1.5mmol)のTHF(25mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、オフホワイト色固体の中間体7を得た(473mg、103.6%)。
1H NMR(600MHz,CDCl
3)δ 7.05(s,1H),6.64(s,2H),3.18(m,1H),1.24(d,J=6.9Hz,6H)。
13C NMR(151MHz,CDCl
3)δ 160.53,154.12,152.89,145.35,137.15,129.41,120.44,114.87,28.29,21.00。C
13H
11Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H-]m/z=312。
【0248】
実施例2. 6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン(2-3)
6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン(2-2)の合成
【0249】
【化67】
炭酸カリウム(118mg、0.86mmol)を4,5-ジメチル-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物2-1、80mg、0.57mmol)及び化合物1-2(84mg、0.40mmol)のDMF(2.0mL)溶液に加え、混合物を室温で3時間撹拌した後、反応物を水(6.0mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(2.0mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物2-2(114mg)を得て、これを酢酸エチル中のスラリーによって更に精製して、オフホワイト色非晶質固体の化合物2-2を得た(93mg、収率:49.5%)。化合物2-2:
1H NMR(600MHz,CDCl
3)δ 10.72(s,1H,NH),8.31(s,2H),2.38(s,3H),2.26(s,3H)。
13C NMR(151MHz,CDCl
3)δ 161.71,151.52,151.27,145.28,140.78,133.08,130.66,124.47,13.36,13.00。C
13H
10C
l2N
3O
4のLRMS[M+H
+]m/z=330。
【0250】
6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4,5-ジメチルピリダジン-3(2H)-オン(2-3)の合成
【0251】
【化68】
パラジウム炭素(5%、3.0mg)を化合物2-2(30mg、0.09mmol)のTHF(2.0mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、オフホワイト色固体の化合物2-3を得た(32mg、116%)。化合物2-3:
1H NMR(600MHz,CDCl
3)δ 6.69(s,2H),2.34(s,3H),2.20(s,3H)。
13C NMR(151MHz,CDCl
3)δ 163.28,153.70,148.80,140.39,137.37,135.21,130.01,115.16,13.25,12.65。C
12H
12Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=300。
【0252】
実施例3. 6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-メチルピリダジン-3(2H)-オン(3-4)及び6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5-メチルピリダジン-3(2H)-オン(3-5)の合成
6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-メチルピリダジン-3(2H)-オン(3-2)及び6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-5-メチルピリダジン-3(2H)-オン(3-3)
【0253】
【化69】
炭酸カリウム(329mg、2.38mmol)を4-メチル-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物3-1、200mg、1.59mmol)及び化合物1-2(233mg、1.11mmol)のDMF(4.0mL)溶液に加え、混合物を室温で3時間撹拌した後、反応物を水(12.0mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(4.0mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物3-2/3-3(310mg)を得た。カラムクロマトグラフィーによって更に精製すると、オフホワイト色結晶性固体の化合物3-2(139mg、収率:27.8%)及びオフホワイト色非晶質固体3-3(74mg、収率:14.8%)が得られた。化合物3-2:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 12.29(s,1H,NH),8.51(s,2H),7.60(s,1H),2.14(s,3H)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6,)δ 160.50,150.44,150.12,145.35,145.33,129.31,124.67,122.37,16.24。C
11H
8Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=316。化合物3-3:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 12.23(s,1H,NH),8.53(s,2H),6.99(s,1H),2.31(s,3H)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 160.07,150.45,150.29,145.36,136.98,131.82,129.15,124.67,15.61。C
11H
8Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=316。
【0254】
6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-メチルピリダジン-3(2H)-オン(3-4)の合成
【0255】
【化70】
パラジウム炭素(5%、2.5mg)を化合物3-2(25mg、0.08mmol)のTHF(2.0mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、オフホワイト色固体の化合物3-4を得た(21mg、収率:92.9%)。化合物3-4:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 12.11(s,1H,NH),7.40(s,1H),6.66(s,2H),2.09(s,3H)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 160.56,151.37,147.96,144.14,133.78,127.84,122.72,112.88,16.11。C
11H
10C
l2N
3O
2のLRMS[M+H+]m/z=286。
【0256】
6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5-メチルピリダジン-3(2H)-オン(3-5)の合成
【0257】
【化71】
パラジウム炭素(5%、1.5mg)を化合物3-3(15mg、0.05mmol)のTHF(5.0mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、オフホワイト色固体の化合物3-5を得た(16mg、収率:107%)。化合物3-5:
1H NMR(600MHz,CD
3OD)δ 6.89(s,1H),6.70(s,2H),2.35(s,3H)。
13C NMR(151MHz,CD
3OD)δ 163.52,154.04,148.90,140.86,137.19,131.34,129.90,115.13,16.60。C
11H
10C
l2N
3O
2のLRMS[M+H+]m/z=286。
【0258】
実施例4. 6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(4-3)の合成
6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(4-2)の合成
【0259】
【化72】
炭酸カリウム(249mg、1.80mmol)を4-フェニル-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物4-1、226mg、1.20mmol)及び化合物1-2(177mg、0.84mmol)のDMF(5.0mL)溶液に加え、混合物を室温で3時間撹拌した後、反応物を水(20mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(5.0mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物4-2(177mg)を得て、これを酢酸エチル中のスラリーによって更に精製して、薄褐色色結晶性固体の化合物4-2を得た(110mg、収率:24.2%)。化合物4-2:
1H NMR(600MHz,CDCl
3)δ 11.02(s,1H,NH),8.27(m,2H),7.84(m,2H),7.48(m 3H),7.43(s,1H)。
13C NMR(151MHz,CDCl
3)δ 160.66,152.04,151.01,145.45,144.52,132.91,130.77,128.94,128.92,128.82,124.56,122.07。C
16H
10Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=378。
【0260】
6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-フェニルピリダジン-3(2H)-オン(4-3)の合成
【0261】
【化73】
パラジウム炭素(5%、3.0mg)を化合物4-2(30mg、0.08mmol)のTHF(2.0mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、薄褐色固体の化合物4-3を得た(23mg、収率:83.3%)。化合物4-3:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 7.85-7.84(m,2H),7.56(s,1H),7.50-7.48(m,3H),6.71(s,2H)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 152.41,145.26,139.33,135.14,127.44,125.18,121.47,120.54,120.21,119.99,114.46,105.52。C
16H
12C
l2N
3O
2のLRMS[M+H+]m/z=348。
【0262】
実施例5. 6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(5-3)の合成
6-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(5-2)の合成
【0263】
【化74】
重炭酸ナトリウム(46.7mg、0.56mmol)を5.0℃未満の4-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(化合物5-1、100mg、0.56mmol)及び化合物1-2(58.3mg、0.28mmol)のDMF(2.0mL)溶液に加え、混合物を室温で4日間撹拌した後、反応物を水(6.0mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(2.0mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物5-2(109mg)を得て、これを酢酸エチル中のスラリーによって更に精製して、オフホワイト色固体の化合物5-2を得た(58mg、収率:28.3%)。化合物5-2:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 13.11(s,1H,NH),8.55(s,2H),8.38(s,1H)。C
11H
5Cl
2F
3N
3O
4のLRMS[M+H
+]m/z=370)。
【0264】
6-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-4-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3(2H)-オン(5-3)の合成
【0265】
【化75】
パラジウム炭素(5%、1.5mg)を化合物5-2(15mg、0.04mmol)のTHF(2.0mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させた。カラムクロマトグラフィー精製後、オフホワイト色固体の化合物5-3を得た(6.1mg、収率:44.3%)。化合物5-3:
1H NMR(600MHz,CDCl
3)δ 10.02(s,1H,NH),7.60(s,1H),6.63(s,2H)。C
11H
7Cl
2F
3N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=340。
【0266】
実施例6. 4-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロフタラジン-1(2H)-オン(6-3)の合成
4-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロフタラジン-1(2H)-オン(6-2)の合成
【0267】
【化76】
炭酸カリウム(699mg、5.05mmol)を2,3,5,6,7,8-ヘキサヒドロフタラジン-1,4-ジオン(化合物6-1、560mg、3.37mmol)及び化合物1-2(495mg、2.36mmol)のDMF(5.0mL)溶液に加え、混合物を室温で3時間撹拌した後、反応物を水(20mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(5.0mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物6-2(821mg)を得て、これを酢酸エチル中のスラリーによって更に精製して、白色固体の化合物6-2を得た(722mg、収率:60.2%)。化合物6-2:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 12.15(s,1H,NH),8.51(s,2H),2.65(t,J=5.8Hz,2H),2.44(t,J=5.8Hz,2H),1.81-1.70(m,4H)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 159.90,150.59,149.67,145.28,141.37,132.70,129.28,124.61,23.03,22.53,20.26,20.13。C
14H
12Cl
2N
3O
4のLRMS[M+H
+]m/z=356。
【0268】
4-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)-5,6,7,8-テトラヒドロフタラジン-1(2H)-オン(6-3)の合成
【0269】
【化77】
パラジウム炭素(5%、2.5mg)を化合物6-2(25mg、0.07mmol)のTHF(2.0mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、オフホワイト色固体の化合物6-3を得た(20mg、収率:87.3%)。化合物6-3:
1H NMR(600MHz,CD
3OD)δ 6.70(s,2H),2.73(t,J=4.9Hz,2H),2.54(t,J=4.9Hz,2H),1.88-1.78(m,4H)。
13C NMR(151MHz,CD
3OD)δ 163.02,153.43,148.52,141.45,137.42,136.55,130.03,115.30,31.04,24.38,22.03,21.91。C
14H
14Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=326。
【0270】
実施例7. 4-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)フタラジン-1(2H)-オン(7-3)の合成
4-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェノキシ)フタラジン-1(2H)-オン(7-2)の合成
【0271】
【化78】
炭酸カリウム(2.60g、18.50mmol)をフタル酸ヒドラジド(化合物7-1、2.00g、12.33mmol)及び化合物1-2(1.81g、8.63mmol)のDMF(20mL)溶液に加え、混合物を室温で3時間撹拌した後、反応物を水(60mL)でクエンチした。得られた懸濁液を濾過した。濾過ケーキを水(20mL)で洗浄し、24時間真空乾燥させて、粗化合物7-2(2.98g)を得て、これを酢酸エチル中のスラリーによって更に精製して、オフホワイト色固体の化合物7-2を得た(2.2g、収率:50.7%)。化合物7-2:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 12.09(s,1H,NH),8.55(s,2H),8.32(d,J=7.5Hz,1H),8.23(d,J=7.8Hz,1H),8.12-8.07(m,1H),8.06-8.00(m,1H)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 158.89,150.39,147.70,145.43,134.33,133.40,129.40,129.09,126.70,124.63,123.34,122.77。C
14H
8Cl
2N
3O
4のLRMS[M+H
+]m/z=352。
【0272】
4-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェノキシ)フタラジン-1(2H)-オン(7-3)の合成
【0273】
【化79】
パラジウム炭素(5%、10mg)を化合物7-2(100mg、0.28mmol)のTHF(10mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、薄褐色固体の化合物7-3を得た(98mg、収率:107%)。化合物7-3:
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 11.86(s,1H,NH),8.28(d,J=7.7Hz,1H),8.19(d,J=7.8Hz,1H),8.05-8.01(m,1H),8.00-7.95(m,1H),6.71(s,2H),5.64(s,2H,NH
2)。
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 158.88,148.48,148.03,134.00,133.90,132.85,128.88,127.90,126.46,123.40,123.37,112.92。C
14H
10Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=322。
【0274】
実施例8. 6-(4-アミノ-2,6-ジクロロ-フェノキシ)-4-イソプロピル-2H-ピリダジン-3-オン(8-1)の合成
【0275】
【化80】
パラジウム炭素(5%、45mg)を、化合物1-3(450mg、1.31mmol)のTHF(25mL)溶液に加えた。溶液を窒素で2回パージした後、水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した。混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮乾固させて、オフホワイト色の化合物8-1を得た(410mg、99.8%)。化合物8-1:
1H NMR(600MHz,CDCl
3)δ 12.08(s,NH),6.79(s,1H),6.68(s,2H),3.05(m,1H),1.27(d,J=6.9Hz,6H)。
13C NMR(151MHz,CDCl
3)δ 160.92,150.65,148.46,146.69,134.17,128.21,128.02,113.41,28.24,21.16。C
13H
13Cl
2N
3O
2のLRMS[M+H
+]m/z=314。
【0276】
均等物
本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。したがって、前述の実施形態は、本明細書に記載される本発明を限定するのではなく、あらゆる点で例示的であると見なされるべきである。よって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に入る全ての変更は、これに包含されることが意図される。
【国際調査報告】