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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】多目的酸性組成物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20231102BHJP
C11D 1/00 20060101ALI20231102BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20231102BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20231102BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20231102BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20231102BHJP
C11D 3/34 20060101ALI20231102BHJP
【ＦＩ】
C11D17/08
C11D1/00
C11D3/43
C11D3/04
C11D3/20
C11D1/22
C11D3/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524723
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021060268
(87)【国際公開番号】W WO2022115355
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】63/198,956
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/249,793
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510250467
【氏名又は名称】エコラボ ユーエスエー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100191444
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 尚久
(72)【発明者】
【氏名】エリック シー．オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ヒリナ エミル
(72)【発明者】
【氏名】デリック アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】ケリー アン ライトマイア
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー メイア
【テーマコード（参考）】
4H003
【Ｆターム（参考）】
4H003AB19
4H003AC08
4H003AC23
4H003BA12
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003DA17
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA28
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB09
4H003EB14
4H003EB22
4H003ED02
4H003ED28
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】洗浄及び／又は消毒のための多目的酸性組成物を提供する。酸性組成物は、難しい汚れ、例えば、脂肪、油、化粧品、及び他の難しい汚れの一般的な洗浄を補助することを含む、重合汚れ、硬水沈着物（例えば、炭酸カルシウム）、石鹸かす、錆、並びに他の染み（例えば、コーヒー及び茶）を除去する液体である。
【解決手段】酸性組成物は、少なくとも１つの有機酸及び溶媒又は溶媒系を含むことができ、所望される場合、ＰＰＥを含まない組成物であることができる。機械並びに手動による食器洗浄における前処理、浸漬、及び／又は適用として酸性組成物を使用するための方法も提供される。重合油、炭化汚れ、脂肪、油、染み（例えば、コーヒー及び茶）、硬水あか／沈着物、並びに化粧品を除去するために酸性組成物を使用するための方法も提供される。
【選択図】なし
【解決手段】酸性組成物は、少なくとも１つの有機酸及び溶媒又は溶媒系を含むことができ、所望される場合、ＰＰＥを含まない組成物であることができる。機械並びに手動による食器洗浄における前処理、浸漬、及び／又は適用として酸性組成物を使用するための方法も提供される。重合油、炭化汚れ、脂肪、油、染み（例えば、コーヒー及び茶）、硬水あか／沈着物、並びに化粧品を除去するために酸性組成物を使用するための方法も提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約１重量％～約５０重量％の少なくとも１つの酸源と、約１重量％～約５０重量％の界面活性剤と、
約１重量％～約５０重量％の溶媒又は溶媒系と、を含む、組成物であって、
前記組成物の使用溶液が、約１～約５のｐＨを有する、組成物。
【請求項2】
前記使用溶液の前記ｐＨが、約２．５～約４、又は約３～約４である、請求項２に記載の組成物。
【請求項3】
前記酸源が、有機酸、無機酸、又はそれらの混合物である、請求項１又は２に記載の組成物。
【請求項4】
前記有機酸が、乳酸、グルコン酸、ギ酸、クエン酸、及び酢酸のうちの少なくとも１つである、請求項３に記載の組成物。
【請求項5】
前記溶媒又は溶媒系が、一つ又は複数の芳香族アルコール、一つ又は複数のアルカノールアミン、一つ又は複数のエーテルアミン、一つ又は複数のグリコールエーテル、一つ又は複数のエステル、又はそれらの混合物である、請求項１～４のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記有機溶媒が、ベンジルアルコールである、請求項５に記載の組成物。
【請求項7】
前記界面活性剤が、アニオン性界面活性剤である、請求項１～６のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤が、アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは直鎖アルキルベンゼンスルホネート（ＬＡＳ）、又は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸（ＬＡＢＳＡ）である、請求項７に記載の組成物。
【請求項9】
水を更に含む、請求項１～８のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
ヒドロトロープを更に含む、請求項１～９のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、約１重量％～約１０重量％の少なくとも１つの有機酸、約１重量％～約５重量％のアニオン性界面活性剤、約１重量％～約２０重量％のベンジルアルコール溶媒、及び水を含み、前記使用溶液が、約２．５～約４のｐＨを有する、請求項１～１０のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記溶媒又は溶媒系対前記酸源の重量比が、約１：１であるか、又は約４：１～約１：４である、請求項１～１１のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記酸源が、ギ酸及び／又はクエン酸であり、前記溶媒が、ベンジルアルコールであり、前記界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネートであり、前記ヒドロトロープが、任意選択的に含まれ、かつキシレンスルホン酸ナトリウムであり、前記組成物が、約２．５～約４のｐＨを有し、個人用保護具（ＰＰＥ）の使用を必要としない、請求項１～１２のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
洗浄及び／又は脱脂する方法であって、前記方法は、洗浄及び／又は脱脂する必要がある表面又は物体に、請求項１～１３のいずれか一項に記載の酸性組成物を適用することと、
前記表面又は物体から、汚れ、染み、及び／又は硬水沈着物を除去することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記表面又は物体への前記適用が、多目的スポット処理であり、洗浄利益が、脱脂、脱灰、及び脱染である、請求項１４に記載の方法。
【請求項16】
前記汚れが、重合汚れ、炭化汚れ、焼き付いた汚れ、及び／又は他の脂肪汚れを含む、請求項１４又は１５に記載の方法。
【請求項17】
前記組成物の前記適用が、個人用保護具（ＰＰＥ）の使用を必要としない、請求項１４～１６のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、前記汚れの重合レベルに応じて、約１秒～約１時間の時間量の間、前記汚れた表面又は物体に適用される、請求項１４～１７のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物の使用溶液を配合する第１のステップを更に含む、請求項１４～１８のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、約１～約５、約１～約４、約２．５～約４、又は約３～約４のｐＨを有する使用溶液を有する、請求項１４～１９のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記表面又は物体への前記適用が、洗剤組成物によって洗浄する前の前処理である、請求項１４～２０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記物体が器物洗濯機又はシンクの中に配置される前に、前記組成物が適用される、請求項１４～２１のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記汚れが、食品加工機器上、環境表面上、例えば、壁、床、又は食品調製中に使用される種々雑多な機器上にある、請求項１４～２２のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記表面が、浴室表面である、請求項１４～２３のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記表面が、ヘルスケア表面である、請求項１４～２４のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記表面が、床である、請求項１４～２５のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記洗浄及び／又は脱脂が、前記表面又は物体から、硬水沈着物、石鹸かす、及び／又は錆を更に除去する、請求項１４～２６のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記染みが、コーヒー染み、茶染み、及び／又は硬水あかである、請求項１４～２７のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記汚れが、布地又は洗濯基材表面上にある、請求項１４～２８のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
（関連出願の相互参照）
本出願は、米国特許法第１１９条に基づき、２０２０年１１月２５日に出願された米国仮特許出願第６３／１９８，９５６号、及び２０２１年３月１２日に出願された米国特許出願第１７／２４９，７９３号の優先権を主張し、これらは、限定するものではないが、明細書、特許請求の範囲、及び要約、並びにそれらの任意の図、表、又は例を含むその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、米国特許法第１１９条に基づき、２０２０年１１月２５日に出願された米国仮特許出願第６３／１９８，９５６号、及び２０２１年３月１２日に出願された米国特許出願第１７／２４９，７９３号の優先権を主張し、これらは、限定するものではないが、明細書、特許請求の範囲、及び要約、並びにそれらの任意の図、表、又は例を含むその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、本明細書と同時に出願された、Ｍｕｌｔｉｐｕｒｐｏｓｅ Ａｌｋａｌｉｎｅ Ｃｏｍｐｏｓｉｔｉｏｎｓ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ ｏｆ Ｕｓｅという名称の米国特許出願第１７／２４９，７８４号にも関連している。本特許出願の全容は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、明細書、特許請求の範囲、及び要約、並びにこれらの任意の図、表、又は図面が含まれるが、これらに限定されない。
【0003】
（発明の分野）
本発明は、脱脂、脱染、及び／又は脱灰、及び／又は消毒を含む、洗浄のための多目的酸性組成物に関する。酸性組成物は、液体であり、重合汚れを有益に除去し、硬水沈着物（例えば、炭酸カルシウム）を除去し、石鹸かす、錆、並びに他の染み（例えば、コーヒー及び茶）を除去し、脂肪、油、化粧品、及び他の難しい汚れの一般的な洗浄を助けることを含む予備噴霧（すなわち、スポット処理）としての使用に好適である。酸性組成物は、従来の特殊洗剤にコストが高い添加剤を含めることなく、汎用製品の性能を向上させるために、機械及び手動による食器洗浄のための前処理に使用することができる。酸性組成物は、少なくとも１つの有機酸及び溶媒又は溶媒系を含むことができる。必要に応じて、酸性組成物は、ＰＰＥを含まない組成物であることができる。機械並びに手動による食器洗浄における前処理、浸漬、及び／又は適用として酸性組成物を使用するための方法も提供される。重合油、炭化汚れ、焼き付いた汚れ、脂肪、油、染み（例えば、コーヒー及び茶）、硬水あか／沈着物、及び化粧品を除去するために酸性組成物を使用するための方法も提供される。
本発明は、脱脂、脱染、及び／又は脱灰、及び／又は消毒を含む、洗浄のための多目的酸性組成物に関する。酸性組成物は、液体であり、重合汚れを有益に除去し、硬水沈着物（例えば、炭酸カルシウム）を除去し、石鹸かす、錆、並びに他の染み（例えば、コーヒー及び茶）を除去し、脂肪、油、化粧品、及び他の難しい汚れの一般的な洗浄を助けることを含む予備噴霧（すなわち、スポット処理）としての使用に好適である。酸性組成物は、従来の特殊洗剤にコストが高い添加剤を含めることなく、汎用製品の性能を向上させるために、機械及び手動による食器洗浄のための前処理に使用することができる。酸性組成物は、少なくとも１つの有機酸及び溶媒又は溶媒系を含むことができる。必要に応じて、酸性組成物は、ＰＰＥを含まない組成物であることができる。機械並びに手動による食器洗浄における前処理、浸漬、及び／又は適用として酸性組成物を使用するための方法も提供される。重合油、炭化汚れ、焼き付いた汚れ、脂肪、油、染み（例えば、コーヒー及び茶）、硬水あか／沈着物、及び化粧品を除去するために酸性組成物を使用するための方法も提供される。
【背景技術】
【0004】
酸性洗浄組成物は、硬水沈着物及びミネラル沈着物の除去、グラウト及びタイルの洗浄などのためにしばしば使用される。酸性洗浄組成物は、一般に、染みに付着し、除去するために染みを分解することによって染みを溶解する。酸性組成物は、一般に、重合汚れなどの汎用性の洗浄又は除去では困難な汚れに使用される。代わりに、これらのタイプの汚れを処理するための特殊な添加剤を用いて、特殊なアルカリ性洗剤が、より一般的に配合される。これらの特殊な添加剤を含有する配合物は、高コストである。それらはまた、全ての市場及びタイプの洗浄、脱脂、脱染、脱灰、及び／又は消毒に必要というわけではない。結果として、多くの場合、ある特定の特殊な添加剤を含む特殊な洗浄組成物又は配合物は、全ての用途及び／又は市場に必要とされているわけではない。
【0005】
塗料剥離剤として使用するための酸性及びアルカリ性組成物、例えば、ベンジルアルコール及び約２．５のｐＨを有する酸が使用されている。しかしながら、アルカリ性塗料剥離剤が、中和された酸又はアルカリ源、溶媒、及び洗剤と一緒に、７．０を超えるｐＨで使用されるのは、より効果的であり、一般的である。これらの塗料剥離剤は、他の方法によって除去することが難しい古いコーティングを除去するために使用される。酸性の塗料除去剤の使用は、塗料を除去するためにゆっくりと作用することが知られており、しばしば一晩中又は長時間の接触を必要とする。これらの配合物は、危険な使用に関する事前注意が必要であり、健康及び安全に害を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本開示の目的は、酸と溶媒を組み合わせた多目的酸性組成物を提供することであり、この組成物は、重合した汚れを含む難しい汚れの除去するために、染みを除去するために、硬水沈着物を除去するために、石鹸かすを除去するために、錆を除去するために、また、コーヒー及び茶を含む他の難しい汚れや染みの一般的な洗浄を補助するために、予備噴霧又はスポット処理組成物として使用することができる。
【0007】
本開示の更なる目的は、脂肪、油、化粧品、及び他の一般的な施設の汚れ（institutional soil）の汎用性洗浄を補助する多目的酸性組成物を提供することである。
【0008】
本開示の更なる目的は、汎用製品の性能を強化又は促進させるために、機械及び手動による食器洗浄のための前処理として使用することができ、それによって洗剤組成物中の特殊な添加剤の使用を減らすことができる多目的酸性組成物を提供することである。
【0009】
本開示の別の目的は、ＰＰＥを含まない製品である多目的酸性組成物を配合することである。
【0010】
本開示の別の目的は、茶染み、コーヒーの染み、硬水あか／堆積物、重合油、炭化汚れ、焼き付いた汚れ、脂肪、油、化粧品及び他のものを含む、骨の折れる汚れを除去する多目的酸性組成物を配合することである。
【0011】
本発明の他の目的、態様及び利点は、以下の開示、図面、及び添付の特許請求の範囲を考慮して当業者には明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、多目的酸性洗浄組成物及びその使用に関する。実施形態では、組成物は、約１重量％～約５０重量％の少なくとも１つの酸源、約１重量％～約５０重量％の界面活性剤、約１重量％～約５０重量％の溶媒又は溶媒系を含み、組成物の使用溶液は、約１～約５のｐＨを有する。組成物は、酸性配合物、すなわち、約６未満、好ましくは約１～約５のｐＨの酸性配合物で汚れに浸透する多目的洗浄及び脱脂配合物としての有効性を提供する。
【0013】
実施形態では、洗浄及び／又は脱脂の方法が提供される。方法は、洗浄及び／又は脱脂する必要があるときに、本明細書の開示による酸性組成物を表面又は物体に適用することと、表面又は物体から、汚れ、染み、及び／又は硬水沈着物を除去することと、を含む。実施形態では、表面又は物体への適用は、多目的スポット処理であり、洗浄利益は、脱脂、脱灰及び脱染である。
【0014】
複数の実施形態を開示するが、本発明の更なる他の実施形態は、例証的な実施形態を図示及び説明する以下の詳細な説明から、当業者には明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的であり限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本特許又は出願書類は、少なくとも１つのカラー印刷された図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公開の複製は、要求に応じて、必要な手数料を支払うことにより、特許庁によって提供されるであろう。
【図1A】実施例１に記載のように、試験片上のトウモロコシ油の汚れに浸透し除去する速度における有効性に関する、ステンレス鋼試験片上でのギ酸（図１Ａ）、クエン酸（図１Ｂ）、及びグルコン酸（図１Ｃ）を含有する酸性組成物を使用した落下試験の写真を示している。
【図1B】実施例１に記載のように、試験片上のトウモロコシ油の汚れに浸透し除去する速度における有効性に関する、ステンレス鋼試験片上でのギ酸（図１Ａ）、クエン酸（図１Ｂ）、及びグルコン酸（図１Ｃ）を含有する酸性組成物を使用した落下試験の写真を示している。
【図1C】実施例１に記載のように、試験片上のトウモロコシ油の汚れに浸透し除去する速度における有効性に関する、ステンレス鋼試験片上でのギ酸（図１Ａ）、クエン酸（図１Ｂ）、及びグルコン酸（図１Ｃ）を含有する酸性組成物を使用した落下試験の写真を示している。
【図2A】実施例１に記載のように、試験片上のトウモロコシ油の汚れを完全に除去する時間有効性に関する、ステンレス鋼試験片上でのギ酸（図１Ａ）、クエン酸（図１Ｂ）、及びグルコン酸（図１Ｃ）を含有する酸性組成物を使用した浸漬試験の写真を示している。
【図2B】実施例１に記載のように、試験片上のトウモロコシ油の汚れを完全に除去する時間有効性に関する、ステンレス鋼試験片上でのギ酸（図１Ａ）、クエン酸（図１Ｂ）、及びグルコン酸（図１Ｃ）を含有する酸性組成物を使用した浸漬試験の写真を示している。
【図2C】実施例１に記載のように、試験片上のトウモロコシ油の汚れを完全に除去する時間有効性に関する、ステンレス鋼試験片上でのギ酸（図１Ａ）、クエン酸（図１Ｂ）、及びグルコン酸（図１Ｃ）を含有する酸性組成物を使用した浸漬試験の写真を示している。
【図3】実施例２に記載のように、重合したトウモロコシ油の汚れの試験片からの除去速度に関するグラフを示している。
【図4】実施例３に記載のように、３０秒、１分、及び２分の浸漬後に、クエン酸を含有する酸性組成物と比較した、対照配合物（アルカリ性脱脂剤組成物）の茶染み除去の有効性に関するグラフを示している。
【図5】実施例４に記載のように、様々な酸性組成物と比較した、対照配合物による赤色及び黒色汚れ除去のグラフを示している。
【図6】実施例５に記載のように、様々な酸性組成物と比較した、対照配合物による石鹸かす除去のグラフを示している。
【図7A】実施例５に記載のように、ギ酸（図７Ａ）及びクエン酸（図７Ｂ）を含有する酸性組成物、酸性対照（図７Ｃ）、アルカリ性対照（図７Ｄ）、及び水（図７Ｅ）を使用したガラススライドからの石鹸かす除去の写真を示している。
【図7B】実施例５に記載のように、ギ酸（図７Ａ）及びクエン酸（図７Ｂ）を含有する酸性組成物、酸性対照（図７Ｃ）、アルカリ性対照（図７Ｄ）、及び水（図７Ｅ）を使用したガラススライドからの石鹸かす除去の写真を示している。
【図7C】実施例５に記載のように、ギ酸（図７Ａ）及びクエン酸（図７Ｂ）を含有する酸性組成物、酸性対照（図７Ｃ）、アルカリ性対照（図７Ｄ）、及び水（図７Ｅ）を使用したガラススライドからの石鹸かす除去の写真を示している。
【図7D】実施例５に記載のように、ギ酸（図７Ａ）及びクエン酸（図７Ｂ）を含有する酸性組成物、酸性対照（図７Ｃ）、アルカリ性対照（図７Ｄ）、及び水（図７Ｅ）を使用したガラススライドからの石鹸かす除去の写真を示している。
【図7E】実施例５に記載のように、ギ酸（図７Ａ）及びクエン酸（図７Ｂ）を含有する酸性組成物、酸性対照（図７Ｃ）、アルカリ性対照（図７Ｄ）、及び水（図７Ｅ）を使用したガラススライドからの石鹸かす除去の写真を示している。
【図8】実施例６に記載のように、水（Ａ）及びクエン酸（Ｂ）を含有するスポット処理を使用した染み除去の写真を示している。
【図9】実施例６に記載のように、水（Ａ）及びクエン酸（Ｂ）を含有するスポット処理を使用した重合トウモロコシ油除去の写真を示している。
【図11】実施例６に記載のように、水対照と比較した、酸性組成物のスポット処理による茶染み除去、タンパク質除去、及び重合コーン油除去のグラフを示している。
【0016】
本発明の様々な実施形態について、図面を参照して詳細に説明するが、いくつかの図を通して同様の参照番号は同様の部分を表す。様々な実施形態への参照は、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に表される図は、本発明による様々な実施形態を限定するものではなく、本発明の例示的な例証のために提示される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施形態は、ある特定の酸性組成物及び同じものを使用する方法に限定されるものではなく、それらは、変化することができ、当業者によって理解される。本明細書で使用される全ての専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、いかなる様式又は範囲においても限定することを意図するものではないことを更に理解されたい。例えば、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」は、内容が別段明らかに示されない限り、複数形の指示対象を含み得る。更に、全ての単位、接頭辞、及び記号は、そのＳＩによって認められた形式で示され得る。本明細書内に列挙された数値範囲は、定義された範囲内の数を含む。本開示全体を通して、様々な態様が範囲形式で提示される。範囲形式での説明は単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、全ての可能な下位範囲及びその範囲内の個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである（例えば、１～５は、１、１．５、２、２．７５、３、３．８０、４、及び５を含む）。
【0018】
本発明をより容易に理解し得るように、特定の用語をまず定義する。別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の実施形態が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似しているか、それらを修正したか、又はそれらと同等である多くの方法及び材料が、過度の実験を伴うことなく、本発明の実施形態の実践に使用することができるが、好ましい材料及び方法が、本明細書に記載される。実施形態を説明し、特許請求する際に、以下に記載される定義に従って以下の専門用語が使用される。
【0019】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、現実世界において濃縮物又は使用溶液の作製に使用される典型的な測定及び液体取り扱い手順、これらの手順における不慮の誤差、組成物の作製又は方法の実行に使用される配合成分の作製、供給源、又は純度の違いなどによって生じ得る、数量の変形を指す。用語「約」は、特定の初期混合物から生じる組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量も包含する。「約」という用語によって修飾されているか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、その量と同等のものを含む。
【0020】
「有効量（actives）」又は「パーセント活性（percent actives）」又は「質量パーセントの有効量（percent by weight actives）」又は「有効濃度（actives concentration）」という用語は、本明細書では互いに同じ意味で使用され、不活性の配合成分、例えば、水若しくは塩を除いた百分率として表された、洗浄において含まれるそれらの配合成分の濃度を指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、「洗浄」という用語は、汚れ除去、漂白、微生物集団減少、及びそれらの任意の組み合わせを促進するか、又は助けるために使用される方法を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「含まない」という用語は、その構成成分が完全に欠落した組成物、又はその成分が組成物の性能に影響しないような少量の構成成分を有する組成物を指す。その成分は、不純物又は汚染物質として存在する可能性があり、０．５重量％未満とする。別の実施形態では、構成成分の量は０．１重量％未満であり、更に別の実施形態では、構成成分の量は０．０１重量％未満である。
【0023】
「硬質表面」という用語は、カウンタートップ、タイル、床、壁、パネル、窓、衛生器具、キッチン及び浴室装備品、電化製品、エンジン、回路基板、及び皿などの、固体の実質的に非柔軟性の表面を指す。硬質表面としては、例えば、ヘルスケア表面、食品加工表面、浴室表面などを挙げることができ、内部又は外部であり得る。
【0024】
「実質的に同様の洗浄性能」という用語は、典型的な基材上の典型的な汚れの状態に対処するために、代替の洗浄製品又は代替の洗浄系を使用したときに、一般に同じ程度の（若しくは少なくとも有意に劣らない程度の）清浄度の、代替の洗浄製品若しくは代替の洗浄系によって、又は、一般に同じ労力（若しくは少なくとも有意に劣らない労力）で、又はその両方で、達成されることを一般に表している。この清浄度の程度は、特定の洗浄製品と特定の基材に応じて、目に見える汚れが一般的にないこと、又はいくらかより低い程度の清浄度に相当し得る。
【0025】
「界面活性剤」又は「表面活性剤」という用語は、液体に添加されると、表面でその液体の特性を変化させる有機化学物質を指している。
【0026】
用語「重量パーセント（weight percent）」、「重量％（wt-%）」、「重量パーセント（percent by weight）」、「重量％（% by weight）」、及びそれらの変形は、本明細書で使用される場合、その物質の重量を組成物の総重量で除し、１００を乗じた物質の濃度を指す。本明細書で使用される場合、「パーセント」、「％」等は、「重量パーセント」、「重量％」等と同義であることが意図されることが理解される。
【0027】
方法及び組成物は、本明細書に記載の構成成分及び配合成分、並びに他の配合成分を含み得るか、それらから本質的になり得るか、又はそれらからなり得る。本明細書において使用する場合、「から本質的になる」とは、方法及び組成物が、追加のステップ、成分、又は配合成分を含み得るが、追加のステップ、成分、又は配合成分が、特許請求される方法及び組成物の基本的及び新規の特徴を物質的に変えない場合に限ることを意味している。
【0028】
多目的酸性組成物
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの酸、界面活性剤、溶媒及び／又は溶媒系、並びに水を含む。多目的アルカリ性組成物は、追加の機能性配合成分を含むことができ、濃縮物又は使用組成物として提供することができる。例示的な多目的酸性組成物を、重量百分率で表１に示す。組成物は、汚れへの直接適用などの前処理に使用され得る濃縮組成物として提供されるか、又は洗浄及び／若しくは消毒の用途で更に希釈することができる。多目的酸性組成物は、濃縮物（例えば、第１の例示的範囲）として有益に配合されるか、又は使用濃縮物又は直ぐに利用可能な（ready-to-use、ＲＴＵ）配合物（例えば、第３の例示的範囲へと更に希釈することができる。
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの酸、界面活性剤、溶媒及び／又は溶媒系、並びに水を含む。多目的アルカリ性組成物は、追加の機能性配合成分を含むことができ、濃縮物又は使用組成物として提供することができる。例示的な多目的酸性組成物を、重量百分率で表１に示す。組成物は、汚れへの直接適用などの前処理に使用され得る濃縮組成物として提供されるか、又は洗浄及び／若しくは消毒の用途で更に希釈することができる。多目的酸性組成物は、濃縮物（例えば、第１の例示的範囲）として有益に配合されるか、又は使用濃縮物又は直ぐに利用可能な（ready-to-use、ＲＴＵ）配合物（例えば、第３の例示的範囲へと更に希釈することができる。
【0029】
【表1】
【0030】
実施形態によれば、多目的酸性組成物使用溶液のｐＨは、約７未満、約１～約７、約２～約７、約２．５～約７、及び好ましくは約６未満である。好ましい実施形態によれば、多目的酸性組成物使用溶液のｐＨは、約６未満、又は約５未満、約１～約５、約１～約４、約２．５～約４、又は約３～約４である。多目的酸性組成物は、実質的に同様の洗浄有効性を提供し、多くの実施形態では、従来の酸性組成物よりも優れた洗浄有効性を提供し、並びに追加の洗浄及び／又は消毒の利益を提供すると同時に、安全な取り扱いのための個人用保護具（personal protective equipment、ＰＰＥ）を必要としない配合物を含む、約２．５を超えるｐＨ及び／又は約３～約４のｐＨの結果としての有意な安全上の利点を提供する。他の態様では、多目的酸性組成物は、染みの除去（例えば、茶、コーヒーなどの除去し難い染み）、炭酸カルシウム及び石鹸かすの除去、錆の除去、及び脂肪、油、化粧品並びに他の除去し難い汚れに関する更なる汎用の洗浄を助けると共に、優れた脱脂有効性を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、溶媒又は溶媒系対酸源の重量比は約１：１である。他の実施形態では、溶媒又は溶媒系対酸源の重量比は、約４：１～約１：４であり、重合トウモロコシ油などの除去し難い汚れにおいて有益な効果を提供する。
【0032】
酸源
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの酸源を含む。酸源は、有機酸、無機酸、又はそれらの混合物を含むことができる。酸源の例としては、例えば、クエン酸、ギ酸、グリコール酸、グルコン酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、又はペルオキシカルボン酸が挙げられる。実施形態では、例えば、乳酸、グルコン酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、シュウ酸、尿酸、リンゴ酸、酒石酸などを含む１つ以上の有機酸が酸源として含まれる。多目的酸性組成物に所望のｐＨを提供するために、様々な酸を多目的酸性組成物に配合することができる。
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの酸源を含む。酸源は、有機酸、無機酸、又はそれらの混合物を含むことができる。酸源の例としては、例えば、クエン酸、ギ酸、グリコール酸、グルコン酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、又はペルオキシカルボン酸が挙げられる。実施形態では、例えば、乳酸、グルコン酸、ギ酸、クエン酸、酢酸、シュウ酸、尿酸、リンゴ酸、酒石酸などを含む１つ以上の有機酸が酸源として含まれる。多目的酸性組成物に所望のｐＨを提供するために、様々な酸を多目的酸性組成物に配合することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、濃縮多目的アルカリ性組成物は、約１重量％～約５０重量％、約１重量％～約５０重量％、約１重量％～約３０重量％、約１重量％～約２５重量％、約５重量％～約２５重量％、約５重量％～約２０重量％、又は約５重量％～約１５重量％の少なくとも１つの酸源を含む。これらの値と範囲の間の全ての値及び範囲は、濃縮物の希釈と同様に、本発明によって包含されることを理解されたい。
【0034】
界面活性剤
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの界面活性剤を含む。好適な界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、両性イオン性、及び／又は非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤の乳化特性は、使用可能な洗浄及び／又は消毒製品を作出するために希釈することができる濃縮物（使用希釈）と、使用希釈それ自体の両方のために使用することができる。界面活性剤又は界面活性剤の混合物は、所望の洗浄及び／又は消毒の用途に好適な発泡又は消泡特性を有することができる。界面活性剤又は界面活性剤系は、除去されるべきである特定の汚れ、例えば、重合汚れに応じて、選択することができる。
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの界面活性剤を含む。好適な界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、両性イオン性、及び／又は非イオン性の界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤の乳化特性は、使用可能な洗浄及び／又は消毒製品を作出するために希釈することができる濃縮物（使用希釈）と、使用希釈それ自体の両方のために使用することができる。界面活性剤又は界面活性剤の混合物は、所望の洗浄及び／又は消毒の用途に好適な発泡又は消泡特性を有することができる。界面活性剤又は界面活性剤系は、除去されるべきである特定の汚れ、例えば、重合汚れに応じて、選択することができる。
【0035】
多目的アルカリ性組成物と共に使用するのに好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホネート、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルカルボキシレート、パラフィンスルホネート及び二級ｎ－アルカンスルホネート、スルホコハク酸エステル及び硫酸化直鎖アルコールが挙げられる。追加のスルホン化アニオン性物質としては、アルキルスルホネート又はジスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルジフェニルオキシドジスルホネートなどが挙げられる。実施形態では、直鎖アルキルベンゼンスルホネート（linear alkylbenzene sulfonate、ＬＡＳ）又は直鎖アルキルベンゼンスルホン酸（linear alkylbenzene sulfonic acid、ＬＡＢＳＡ）が、アニオン性界面活性剤として好ましい。
【0036】
多目的アルカリ性組成物と共に使用するのに好適な両性イオン性又は両性界面活性剤としては、ベータ－Ｎ－アルキルアミノプロピオン酸、ｎ－アルキル－ベータ－イミノジプロピオン酸、イミダゾリンカルボキシレート、ｎ－アルキル－ベタイン、アミンオキシド、スルホベタインフ、及びスルタインが挙げられる。
【0037】
多目的アルカリ性組成物と共に使用するのに好適な非イオン性界面活性剤としては、ＥＯ、ＰＯ、及びＢＯブロックを有するアルコールアルコキシレート、脂肪酸アルコキシレート、アルキルフェノールアルコキシレート、及びポリエーテル（ポリアルキレンオキシド、ポリオキシアルキレン、又はポリアルキレングリコールとしても知られる）化合物が挙げられる。より具体的には、ポリエーテル化合物は、一般に、ポリオキシプロピレン又はポリオキシエチレングリコール化合物である。典型的には、多目的アルカリ性組成物と共に使用するのに好適な界面活性剤は、合成有機ポリオキシプロピレン（ＰＯ）－ポリオキシエチレン（ＥＯ）ブロックコポリマーである。これらの界面活性剤は、ＥＯブロックと、ＰＯブロック、すなわち、ポリオキシプロピレン単位（polyoxypropylene unit、ＰＯ）の中央ブロックとを含み、かつ、ポリオキシプロピレン単位上にグラフトされたポリオキシエチレンのブロック又は結合したＰＯブロックを有するＥＯの中央ブロックを有する、ジブロックポリマーを有する。
【0038】
多目的アルカリ性組成物と共に使用するのに好適なカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン及びそれらの塩、アルキルイミダゾリン、エトキシル化アミン、並びに、四級物、例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、複素環式アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。カチオン性剤としては、少なくとも１つの長炭素鎖疎水性基と、少なくとも１つの正電荷を帯びた窒素とを含有する化合物が更に挙げられる。長炭素鎖基は、単純な置換によって直接に、又は、より好ましくは、いわゆる中断アルキルアミン及びアミドアミン中の架橋官能基若しくは基によって間接的に、窒素原子に結合され得る。そのような官能基は、分子を、より親水性及び／若しくはより水分散性にし、共界面活性剤混合物によってより容易に水に溶解されるようにし、かつ／又は水溶性にすることができる。水溶性の増大のために、更なる一級、二級、若しくは三級アミノ基が導入され得るか、又はアミノ窒素が低分子量アルキル基を用いて四級化され得る。更に、窒素は、多様な不飽和度の分岐鎖部分若しくは直鎖部分の一部、又は飽和若しくは不飽和ヘテロ環式環の一部であり得る。加えて、カチオン性界面活性剤は、２個以上のカチオン性窒素原子を有する複雑な結合を含有してもよい。追加の説明は、「Ｓｕｒｆａｃｔａｎｔ Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ」，Ｃｏｓｍｅｔｉｃｓ ＆ Ｔｏｉｌｅｔｒｉｅｓ，Ｖｏｌ．１０４（２）８６－９６（１９８９）及び米国特許第９，６６３，４３１号に記載されており、それらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0039】
多目的アルカリ性組成物と一緒に使用するのに好適な両性界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体が挙げられ、脂肪族ラジカルは、直鎖又は分岐鎖であってもよく、脂肪族置換基のうちの１つは、約８～１８個の炭素原子を含有し、１つは、アニオン性水可溶化基、例えば、カルボキシ、スルホ、スルファト、ホスファト、又はホスホノを含有する。両性界面活性剤は、当業者に知られており、「Ｓｕｒｆａｃｔａｎｔ Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ」Ｃｏｓｍｅｔｉｃｓ ＆ Ｔｏｉｌｅｔｒｉｅｓ，Ｖｏｌ．１０４（２）６９－７１（１９８９）及び米国特許第９，６６３，４３１号に記載されている２つの主要なクラスに細分されており、それらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。第１のクラスには、アシル／ジアルキルエチレンジアミン誘導体（例えば、２－アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン誘導体）及びそれらの塩が含まれる。第２のクラスには、Ｎ－アルキルアミノ酸及びそれらの塩が含まれる。一部の両性界面活性剤は、両方のクラスに当てはまると想像され得る。
【0040】
使用することができる界面活性剤としては、多くの供給源から市販されているアニオン性、カチオン性、両性、両性イオン性、及び／又は非イオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の考察については、Ｋｉｒｋ－Ｏｔｈｍｅｒ，Ｅｎｃｙｃｌｏｐｅｄｉａ ｏｆ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｔｈｉｒｄ Ｅｄｉｔｉｏｎ，ｖｏｌｕｍｅ ８，ｐａｇｅｓ ９００－９１２を参照されたい。界面活性剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。実施形態では、非イオン性物質とアニオン性物質を組み合わせて使用する。半極性の非イオン性、カチオン性、両性、及び両性イオン性の界面活性剤は、非イオン性物質又はアニオン性物質と組み合わせて用いることができる。上記の例は、多目的アルカリ性組成物の範囲内で用途を見出すことができるいくつもの界面活性剤の単なる特定の例示である。ある特定の界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせの選択は、意図された使用濃度での洗浄される表面との適合性と、温度及びｐＨを含む意図された環境条件とを含むいくつもの要因に基づく場合があることを理解すべきである。
【0041】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、アニオン性アルキルベンゼンスルホネートである。実施形態では、界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネートであり、好ましい酸性組成物のために溶媒（例えば、ベンジルアルコール）と組み合わされる。
【0042】
いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物は、約１重量％～約５０重量％、約１重量％～約４０重量％、約１重量％～約３０重量％、約１重量％～約２０重量％の界面活性剤、約１重量％～約１０重量％の界面活性剤、又は約１重量％～約５重量％の界面活性剤を含む。これらの値及び範囲の間の全ての値及び範囲は、本発明によって包含されることが理解される。
【0043】
溶媒及び溶媒系
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの溶媒又は溶媒系を含む。様々な実施形態では、多目的酸性組成物は、洗剤としても機能する溶媒を含み得る。溶媒又は溶媒系は、多目的酸性組成物の洗浄特性を向上させるため、並びに所与の組成物の乳化特性を提供するために使用することができる。例えば、溶媒系は、特定の組成物の親水性及び疎水性の成分が分離するのを防ぐことができる。乳化特性は、使用可能な洗浄製品（使用溶液）を作出するために希釈することができる濃縮物と、使用希釈それ自体の両方のために使用することができる。
多目的酸性組成物は、少なくとも１つの溶媒又は溶媒系を含む。様々な実施形態では、多目的酸性組成物は、洗剤としても機能する溶媒を含み得る。溶媒又は溶媒系は、多目的酸性組成物の洗浄特性を向上させるため、並びに所与の組成物の乳化特性を提供するために使用することができる。例えば、溶媒系は、特定の組成物の親水性及び疎水性の成分が分離するのを防ぐことができる。乳化特性は、使用可能な洗浄製品（使用溶液）を作出するために希釈することができる濃縮物と、使用希釈それ自体の両方のために使用することができる。
【0044】
例示的な溶媒及び溶媒系は、芳香族アルコール、アルカノールアミン、エーテルアミン、グリコールエーテル、エステル、及びそれらの混合物を含む１つ以上の異なる溶媒を含み得る。代表的な溶媒としては、アセトアミドフェノール、アセトアニリド、アセトフェノン、２－アセチル－１－メチルピロール、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、アルファフェニルエタノール、安息香酸ベンジル、ベンジルオキシエタノール、エチレングリコールフェニルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．から「ＤＯＷＡＮＯＬ ＥＰｈ」として市販されている）、プロピレングリコールフェニルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．から「ＤＯＷＡＮＯＬ ＰＰｈ」として市販されている）、酢酸アミル、アミルアルコール、ブタノール、３－ブトキシエチル－２－プロパノール、酢酸ブチル、プロピオン酸ｎ－ブチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジエトキシエタノール、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジイソブチルカルビノール、ジイソブチルケトン、ジメチルヘプタノール、ジプロピレングリコールｔｅｒｔ－ブチルエーテル、エタノール、酢酸エチル、２－エチルヘキサノール、プロピオン酸エチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、ヘキサノール、イソブタノール、酢酸イソブチル、イソブチルヘプチルケトン、イソホロン、イソプロパノール、酢酸イソプロピル、メタノール、メチルアミルアルコール、メチルｎ－アミルケトン、２－メチル－１－ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、１－ペンタノール、プロピオン酸ｎ－ペンチル、１－プロパノール、酢酸ｎ－プロピル、プロピオン酸ｎ－プロピル、プロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＤＯＷＡＮＯＬ ＴＰＭとして市販されている）、トリプロピレングリコールｎ－ブチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＤＯＷＡＮＯＬ ＴＰＮＢとして市販されている）、ジエチレングリコールｎ－ブチルエーテルアセテート（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＢｕｔｙｌ ＣＡＲＢＩＴＯＬアセテートとして市販されている）、ジエチレングリコールモノブチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＢｕｔｙｌ ＣＡＲＢＩＴＯＬとして市販されている）、エチレングリコールｎ－ブチルエーテルアセテート（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＢｕｔｙｌ ＣＥＬＬＯＳＯＬＶＥ ａｃｅｔａｔｅとして市販されている）、エチレングリコールモノブチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＢｕｔｙｌ ＣＥＬＬＯＳＯＬＶＥとして市販されている）、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＢｕｔｙｌ ＤＩＰＲＯＰＡＳＯＬとして市販されている）、プロピレングリコールモノブチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＢｕｔｙｌ ＰＲＯＰＡＳＯＬとして市販されている）、エチル３－エトキシプロピオネート（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＵＣＡＲ Ｅｓｔｅｒ ＥＥＰとして市販されている）、２，２，４－トリメチル－１，３－ペンタンジオールモノイソブチレート（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＵＣＡＲ Ｆｉｌｍｅｒ ＩＢＴとして市販されている）、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＨｅｘｙｌ ＣＡＲＢＩＴＯＬとして市販されている）、エチレングリコールモノヘキシルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＨｅｘｙｌ ＣＥＬＬＯＳＯＬＶＥとして市販されている）、ジエチレングリコールモノメチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＭｅｔｈｙｌ ＣＡＲＢＩＴＯＬとして市販されている）、ジエチレングリコールモノエチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＣＡＲＢＩＴＯＬとして市販されている）、エチレングリコールメチルエーテルアセテート（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＭｅｔｈｙｌ ＣＥＬＬＯＳＯＬＶＥ ａｃｅｔａｔｅとして市販されている）、エチレングリコールモノメチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＭｅｔｈｙｌ ＣＥＬＬＯＳＯＬＶＥとして市販されている）、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＭｅｔｈｙｌ ＤＩＰＲＯＰＡＳＯＬとして市販されている）、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＭｅｔｈｙｌ ＰＲＯＰＡＳＯＬ ａｃｅｔａｔｅとして市販されている）、プロピレングリコールモノメチルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＭｅｔｈｙｌ ＰＲＯＰＡＳＯＬとして市販されている）、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＰｒｏｐｙｌ ＣＡＲＢＩＴＯＬとして市販されている）、エチレングリコールモノプロピルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＰｒｏｐｙｌ ＣＥＬＬＯＳＯＬＶＥとして市販されている）、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＰｒｏｐｙｌ ＤＩＰＲＯＰＡＳＯＬとして市販されている）、及びプロピレングリコールモノプロピルエーテル（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏ．からＰｒｏｐｙｌ ＰＲＯＰＡＳＯＬとして市販されている）を含み得る。代表的な炭酸ジアルキルとしては、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイソプロピル、及び炭酸ジブチルが挙げられる。代表的な精油には、ベンズアルデヒド、ピネン（アルファ、ベータなど）、テルピネオール、テルピネン、カルボン、シンナムアルデヒド、ボルネオール及びそのエステル、シトラール、イオネン、ジャスミン油、リモネン、ジペンテン、リナロール及びそのエステルが含まれる。代表的な二塩基性エステルとしては、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、マロン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、グルタル酸ジエチル、コハク酸ジブチル、グルタル酸ジブチル、及びＤｕＰｏｎｔ Ｎｙｌｏｎから商標名ＤＢＥ、ＤＢＥ－３、ＤＢＥ－４、ＤＢＥ－５、ＤＢＥ－６、ＤＢＥ－９、ＤＢＥ－ＩＢ、及びＤＢＥ－ＭＥで入手可能な製品が挙げられる。代表的なフタル酸エステルとしては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチルヘキシル、及びフタル酸ジエチルが挙げられる。
【0045】
重合した非トランス脂肪の汚れなどの除去し難い汚れを湿潤させるための好ましい溶媒としては、ベンジルアルコール、二塩基性エステル、精油、ジアルキルカーボネート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0046】
実施形態によれば、溶媒又は溶媒系は、少なくとも１つの芳香族アルコール（例えば、ベンジルアルコール、フェニルアルコール）を含む。好ましくは、芳香族アルコール溶媒系はベンジルアルコールである。溶媒は、例えば、ベンジルオキシエタノール及び／又はベンジルオキシプロパノールを含む、ベンジルアルコールと同様の制限された水溶性範囲内の溶媒を更に含み得る。
【0047】
更なる実施形態によれば、溶媒系は、酢酸ベンジル、ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコール、アルファフェニルエタノール、安息香酸ベンジル、及び／又はベンジルオキシエタノールなどを含み得る。組成物に含まれ得る溶媒系に関する追加の説明は、米国特許公開第２０１０／０３１７５５９号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物は、約１重量％～約５０重量％、約１重量％～約４０重量％、約１重量％～約３０重量％、約１重量％～約２０重量％、又は約１重量％～約２０重量％の溶媒系を含む。これらの値及び範囲の間の全ての値及び範囲は、本発明の方法によって包含されることが理解される。
【0049】
追加の機能性配合成分
多目的酸性組成物の成分は、本明細書に開示される使用に好適な様々な機能性成分と更に組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの酸、界面活性剤、溶媒及び／又は溶媒系、並びに水を含む多目的酸性組成物は、組成物の総重量の大部分又は実質的に全てを構成する。例えば、いくつかの実施形態では、追加の機能性配合成分は、ほとんど又はまったく、その中に入っていない。
多目的酸性組成物の成分は、本明細書に開示される使用に好適な様々な機能性成分と更に組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも１つの酸、界面活性剤、溶媒及び／又は溶媒系、並びに水を含む多目的酸性組成物は、組成物の総重量の大部分又は実質的に全てを構成する。例えば、いくつかの実施形態では、追加の機能性配合成分は、ほとんど又はまったく、その中に入っていない。
【0050】
他の実施形態では、追加の機能性配合成分を、多目的酸性組成物中に含めることができる。機能性配合成分は、組成物に所望の特性及び機能性を提供する。本出願の目的のために、「機能性配合成分」という用語は、水溶液などの使用溶液及び／又は濃縮物溶液中に分散又は溶解すると、特定の使用において有益な特性を提供する材料を含む。機能性材料のいくつかの特定の例を以下でより詳細に考察するが、考察される特定の材料は単に例として挙げられているだけであり、多様な他の機能性配合成分が使用されてもよい。例えば、以下で考察される機能性材料の多くは、洗浄に使用される材料に関する。しかしながら、他の実施形態は、他の用途で使用するための機能性配合成分を含み得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物は、ヒドロトロープ又はカプラ、中和剤、蛍光増白剤、消泡剤、再付着－防止剤、漂白剤、溶解度調整剤、緩衝剤、トレーサ、分散剤、金属保護剤、汚れ再付着防止剤、安定剤、腐食防止剤、キレート剤／封鎖剤、酵素、美的向上剤、例えば、香料及び／又は染料、追加のレオロジ調整剤及び／又は溶解度調整剤、又は増粘剤、緩衝剤、溶媒、追加の洗剤などを含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物は、緩衝剤又はｐＨ調整剤（すなわち、アルカリ源）、染料（すなわち、製品の安全性／識別のため）、芳香剤、増粘剤、腐食防止剤、及び／又は酵素のうちの１つ以上を含み得る。
【0053】
実施形態では、追加の配合成分は、多目的アルカリ性組成物と一緒に予め配合することができるか、又は組成物の添加前、添加後、若しくは添加と実質的に同時に使用溶液に添加することができる。加えて、組成物は、１つ以上の従来の洗浄及び／若しくは消毒の薬剤又は組成物と併せて使用することができる。
【0054】
好ましい実施形態では、組成物は、多糖ポリマー及びビニルピロリドンのホモ／コポリマーを含まない。好ましい実施形態では、組成物はカチオン性界面活性剤を含まない。好ましい実施形態では、組成物は強酸を含まない。
【0055】
実施形態によれば、様々な追加の機能性配合成分は、約０重量％～約５０重量％、約０重量％～約４０重量％、約０重量％～約３０重量％、約０重量％～２５重量％、約０重量％～約２０重量％、０．１重量％～約５０重量％、約０．１重量％～約４０重量％、約０．１重量％～約３０重量％、約０．１重量％～約２５重量％、約０．１重量％～約２０重量％、約０．１重量％～約１０重量％、約０．１重量％～約５重量％、約１重量％～約５０重量％、約１重量％～約４０重量％、約１重量％～約３０重量％、約１重量％～約２５重量％、約１重量％～約２０重量％、約１重量％～約１０重量％、又は約１重量％～約５重量％の量で組成物に提供され得る。加えて、列挙された全ての範囲は、本発明に従って限定されることなく、範囲を定義する数を含み、定義された範囲内の各整数を含む。
【0056】
ヒドロトロープ
多目的酸性組成物は、追加の機能性配合成分としてヒドロトロープを任意選択的に含むことができる。ヒドロトロープは、組成の安定性及び水性配合を助ける。機能的に言えば、使用することができる好適なヒドロトロープカプラは、非毒性であり、濃縮物又は任意の使用溶液がさらされる温度範囲及び濃度にわたって水溶液中に活性配合成分を保持する。ある特定の作用機構又は実施形態に限定されることなく、多目的酸性組成物の酸濃度が上昇するにつれて、ヒドロトロープを使用して酸性組成物のｐＨを所望のｐＨ範囲、例えば、約２．５～約４、又は約３～約４のｐＨまで上昇させることができる。
多目的酸性組成物は、追加の機能性配合成分としてヒドロトロープを任意選択的に含むことができる。ヒドロトロープは、組成の安定性及び水性配合を助ける。機能的に言えば、使用することができる好適なヒドロトロープカプラは、非毒性であり、濃縮物又は任意の使用溶液がさらされる温度範囲及び濃度にわたって水溶液中に活性配合成分を保持する。ある特定の作用機構又は実施形態に限定されることなく、多目的酸性組成物の酸濃度が上昇するにつれて、ヒドロトロープを使用して酸性組成物のｐＨを所望のｐＨ範囲、例えば、約２．５～約４、又は約３～約４のｐＨまで上昇させることができる。
【0057】
あらゆるヒドロトロープカプラが、組成物の他の構成成分と反応しないか、又は組成物の性能特性に悪影響を及ぼさないことを条件として使用され得る。用いることができるヒドロトロープカップリング剤又は可溶化剤の代表的なクラスとしては、アニオン性界面活性剤、例えば、アルキルスルフェート及びアルカンスルホネート、直鎖アルキルベンゼン（直鎖アルキルベンゼンスルホネート（ＬＡＳ）を含む）又はナフタレンスルホネート、二級アルカンスルホネート、アルキルエーテルスルフェート又はスルホネート、アルキルホスフェート又はホスホネート、ジアルキルスルホコハク酸エステル、糖エステル（例えば、ソルビタンエステル）、アミンオキシド（モノ－、ジ－、又はトリ－アルキル）、及びＣ８～Ｃ１０アルキルグルコシドが挙げられる。好ましいカップリング剤としては、芳香族スルホネート、例えば、アルキルベンゼンスルホネート（例えば、キシレンスルホネート）又はナフタレンスルホネート、アリール又はアルカリールホスフェートエステル、又は１～約４０のエチレン、プロピレン、若しくはブチレンオキシド単位、又はそれらの混合物を有するそれらのアルコキシル化類似体が挙げられる。他の好ましいヒドロトロープとしては、１～約１５のアルキレンオキシド基（好ましくは約４～約１０のアルキレンオキシド基）を有するＣ６～Ｃ２４アルコールアルコキシレート（アルコキシレートとは、エトキシレート、プロポキシレート、ブトキシレート、及びそれらのコ－又はターポリマー混合物を意味している）（好ましくはＣ６～Ｃ１４アルコールアルコキシレート）；１～約１５のアルキレンオキシド基（好ましくは約４～約１０のアルキレンオキシド基）を有するＣ６～Ｃ２４アルキルフェノールアルコキシレート（好ましくはＣ８～Ｃ１０アルキルフェノールアルコキシレート）；１～約１５のグリコシド基（好ましくは約４～約１０のグリコシド基）を有するＣ６～Ｃ２４アルキルポリグリコシド（好ましくはＣ６～Ｃ２０アルキルポリグリコシド）；Ｃ６～Ｃ２４脂肪酸エステルエトキシレート、プロポキシレート、又はグリセリド；及びＣ４～Ｃ１２モノ又はジアルカノールアミドが挙げられる。好ましいヒドロトロープは、キシレンスルホン酸ナトリウム（sodium xylene sulfonate、ＳＸＳ）である。
【0058】
ヒドロトロープを用いる実施形態では、多目的酸性組成物は、約０．１重量％～約２０重量％、約０．１重量％～約１０重量％、約０．５重量％～約１０重量％、約０．５重量％～約８重量％、又は約０．５重量％～約５重量％のヒドロトロープを含む。これらの値及び範囲の間の全ての値及び範囲は、本発明によって包含されることが理解される。
【0059】
使用溶液
実施形態によれば、濃縮多目的酸性組成物の使用希釈は、更なる希釈を必要としないＲＴＵ配合物から、濃縮物対溶媒の約１：１０希釈までの範囲であることができる。中間の希釈範囲も好適である。より好ましくは、約１：３～約１：６の使用希釈が、濃縮組成物から得られる。本明細書の開示の結果として当業者が確認するように、使用溶液は、ユーザ及びその用途のある特定のニーズに従って発生させることができる。
実施形態によれば、濃縮多目的酸性組成物の使用希釈は、更なる希釈を必要としないＲＴＵ配合物から、濃縮物対溶媒の約１：１０希釈までの範囲であることができる。中間の希釈範囲も好適である。より好ましくは、約１：３～約１：６の使用希釈が、濃縮組成物から得られる。本明細書の開示の結果として当業者が確認するように、使用溶液は、ユーザ及びその用途のある特定のニーズに従って発生させることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、使用溶液又は使用組成物を発生させるのに好適な濃縮組成物に水源を提供するために最初に希釈ステップが用いられ得る。いくつかの態様では、濃縮された多目的洗浄組成物は、水希釈剤１ガロン当たり約１～約２２オンスの液体濃縮物、水希釈剤１ガロン当たり約１～約１２オンスの液体濃縮物、又は水希釈剤１ガロン当たり約８オンス～約１０オンスの液体濃縮物の希釈係数で希釈され得る。いくつかの態様では、希釈ステップは、使用点又はその近くで行われ、例えば、アスピレータ又は当技術分野で知られている他の希釈機構を使用して提供される水源の使用を含み得る。他の態様では、洗浄組成物が希釈された（又は使用溶液若しくは使用組成物）配合物で用いられるとき、ユーザによる更なる希釈は必要ない。
【0061】
使用方法
多目的酸性組成物は、様々な表面及び物体の洗浄、消毒、及び／又は殺菌に好適である。多目的組成物は、名前が示すように、複数のタイプの表面及び複数のタイプの汚れで使用することを意図している。多目的酸性組成物は、例えば、重合した汚れ、炭化した汚れ、焼き付いた汚れ、及び／又は他の脂肪汚れを含む、除去し難い汚れを含む、汚れを、そのような表面及び物体から洗浄及び除去するのに効果的である。これらには、多くの場合、トウモロコシ油を含む重合したゼロトランス脂肪汚れなどの重合した脂肪汚れが含まれる。本明細書に記載の使用の方法を実施するために、機構を理解する必要はないが、いくつかの実施形態では、溶媒又は溶媒系（例えば、ベンジルアルコール）は、脂肪汚れに親和性を追加し、可塑剤として機能する疎水性を提供する制限された水溶性アルコールを提供すると考えられる。汚れは、多目的酸性組成物と接触すると、膨張して基材からの付着力を失い、苛性脱脂剤及び／又は他のアルカリ制御組成物の使用と比較して、独自の洗浄アプローチを提供する。
多目的酸性組成物は、様々な表面及び物体の洗浄、消毒、及び／又は殺菌に好適である。多目的組成物は、名前が示すように、複数のタイプの表面及び複数のタイプの汚れで使用することを意図している。多目的酸性組成物は、例えば、重合した汚れ、炭化した汚れ、焼き付いた汚れ、及び／又は他の脂肪汚れを含む、除去し難い汚れを含む、汚れを、そのような表面及び物体から洗浄及び除去するのに効果的である。これらには、多くの場合、トウモロコシ油を含む重合したゼロトランス脂肪汚れなどの重合した脂肪汚れが含まれる。本明細書に記載の使用の方法を実施するために、機構を理解する必要はないが、いくつかの実施形態では、溶媒又は溶媒系（例えば、ベンジルアルコール）は、脂肪汚れに親和性を追加し、可塑剤として機能する疎水性を提供する制限された水溶性アルコールを提供すると考えられる。汚れは、多目的酸性組成物と接触すると、膨張して基材からの付着力を失い、苛性脱脂剤及び／又は他のアルカリ制御組成物の使用と比較して、独自の洗浄アプローチを提供する。
【0062】
有益には、多目的酸性組成物は、従来の酸性組成物よりも高いｐＨを有し、実質的に同様の洗浄有効性を提供する。実施形態では、組成物は、約４未満のｐＨを有する。有益には、使用溶液中の組成物のｐＨは、約４未満、約１～約４、又は約２～約４である。他の実施形態では、使用溶液中の組成物のｐＨは、約２．５～約４、又は約３～約４である。組成物は、ｐＨ範囲の結果として、有意な安全上の利点を提供すると同時に、実質的に同様の洗浄有効性を提供し、多くの実施形態では、従来の酸性組成物より（又は従来のアルカリ性脱脂組成物と比較しても）優れた洗浄有効性を提供する。
【0063】
好ましい実施形態によれば、約２．５を超えるｐＨを有する組成物はＰＰＥを必要としないが、予想外にも、約１１．５を超えるようなアルカリ性ｐＨを有する組成物及び／又は水酸化物（すなわち、苛性ソーダ）を含む組成物と同じ又は実質的に同様の洗浄有効性を提供する。
【0064】
多目的酸性組成物は、重合脂肪汚れなどの汚れを除去するために迅速に作用する。汚れへの浸透が速いため、長い滞留時間又は前処理時間を必要としない前処理で、組成物を使用することができる。実施形態では、組成物は、汚れた表面又は物体と接触してから約５秒から数分以内に脱脂作用を達成する。好ましい実施形態によれば、組成物を適用すると、実質的な機械的作用又は過度の温度を必要とせずに、約数秒以内に汚れが除去される。方法は、水酸化物系で腐食性の高アルカリ組成物を使用した場合と少なくとも実質的に同様の洗浄有効性をもたらし、多目的酸性組成物の使用による予想外の有益な適用を実証する。更なる実施形態では、洗浄及び／又は脱脂の方法は、アルカリ性制御組成物よりも迅速に汚れに浸透する組成物をもたらす。本明細書で言及されるように、アルカリ性制御組成物は、水酸化物系アルカリ性組成物か又は１１．５を超えるｐＨを含む非水酸化物組成物のいずれかを含むことができ、及び／又はＰＰＥの使用を必要とする。
【0065】
多目的酸性組成物は、多目的の脱脂、脱石灰化（すなわち、硬水腐れ）、及び脱染の組成物としての使用に特によく適している。脱染は、茶及びコーヒーの染みなどの除去し難い染みの除去を含むことができる。これらの多目的の利益は、多目的キッチンスポット処理として特に有用である。有益なことに、そのような多目的の利益は、染み、重合汚れ（炭化汚れ及び脂肪も含む）、及び硬水腐れを除去するために洗剤を配合する代わりに、単一の洗浄アプリケーションを提供する。
【0066】
いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物による表面又は物体の脱染は、約１０分未満、約５分未満、約４分未満、約３分未満、９０秒未満、約６０秒未満、約４５秒未満、又は約３０秒未満の接触時間で達成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物による表面又は物体の脱染は、約１０分未満、約５分未満、約４分未満、約３分未満、約２分未満、約６０秒未満、又は約４５秒未満の接触時間で達成される。
【0068】
本方法を使用することできる例示的な産業としては、外食産業、食品及び飲料業界、消費者の脱脂用途、石油加工業、農業産業及びエタノール処理、並びに医薬品製造業が挙げられるが、それらに限定されない。本発明の組成物及び方法のための好適な使用としては、例えば、電子レンジを含むオーブンクリーナ、一般的な脱脂剤、フライヤ脱脂剤、スモークハウス洗剤、床クリーナ、排気フードクリーナ、ドレン洗剤、床仕上げリムーバ、床洗剤、フライヤ洗剤、ポット及びパン洗剤、カーペットスポッタ、医薬用及び化粧用洗剤、機器洗剤、タールリムーバなどを挙げることができる。
【0069】
更なる利点として、多目的酸性組成物は、表面又は物体から重合脂肪汚れを超えて他の汚れを除去することもできる。追加の実施形態では、多目的酸性組成物は、例えば、床及び他の仕上げから、重合又は架橋した膜を除去することにおいて、水酸化物系又は腐食性の配合物の使用を必要とせずに、重合した汚れ、染み、及び／又は硬水あかを除去しようと試みる任意の他の方法で使用することができる。そのような実施形態では、床剥離剤及び／又は床洗剤としての組成物の使用方法を用いてもよい。実施形態では、使用の方法は、内部及び／又は外部の床から汚れを除去することを含む。そのような実施形態では、床は、例えば、コンクリート、例えば、油及びグリースの汚れが存在する可能性があるドライブスルーの外側を含む様々な材料で作製され得る。更なる実施形態では、組成物を多目的配合物として使用する方法が用いられ、非－水酸化物アルカリ度組成物の従来とは異なる適用における有効性を予想外に実証する。
【0070】
本方法はまた、重合汚れ以外の汚れを除去するためにも使用することができる。そのような他の汚れとしては、デンプン、セルロース繊維、タンパク質、単純な炭水化物、及びそれらの汚れのタイプのいずれかとミネラル複合体との組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。本方法を使用して効果的に除去される特定の食品汚れの例としては、肉、家禽、野菜、及び果物、パン製品、清涼飲料、醸造及び発酵残留物の製造及び処理の際に生じる汚れ、サトウダイコン及びサトウキビの加工の際に生じる汚れ、並びにこれらの配合成分及び関連配合成分、例えば、ジュース、ソース、及び調味料（例えば、フルーツジュース、ケチャップ、トマトソース、バーベキューソース）を含有する加工食品が挙げられるが、それらに限定されない。これらの汚れは、環境表面上に、例えば、壁及び床、冷凍庫及び冷却システム、熱交換器表面、コンベア表面、並びに製造及び包装プロセス中の他の表面上に発生する可能性がある。
【0071】
多目的酸性組成物は、浴室洗剤として更に用いることができる。組成物の多目的洗浄能力が、浴室用途で見出すことができる汚れを更に除去するという点で有益である。例えば、多目的酸性組成物で清浄にされる表面又は物体から、硬水沈着物、石鹸かす（例えば、ステアリン酸カルシウム及び他の石鹸かすの汚れ）及び／又は錆を除去することができる。組成物は、トイレ、シャワー室、ラック、カーテン、シャワードア、入浴器具、シャワーバー、浴槽、ビデ、シンクなど、並びにカウンタートップ、壁、床などを含むがそれらに限定されない任意の従来の浴室表面の染み、汚れ、硬水などを除去するために使用することができる。本組成物を使用して洗浄され得る追加の硬質表面は、例えば、カウンタートップ、タイル、床、壁、窓、備品、キッチン家具、電荷製品などを含む。洗浄に好適な様々な硬質表面としては、例えば、ガラス、金属、プラスチック、例えば、ポリエステル、ビニル、ガラス繊維、フォルミカ、コーリアン、耐火材料、例えば、釉薬及び無釉タイル、レンガ、磁器、セラミック、並びに石、例えば、大理石、花崗岩、及び他の石の表面、及び業界で知られている他の硬質表面が挙げられる。
【0072】
低いｐＨ（例えば、約３未満）を有する酸性組成物は、石鹸かす、あか（すなわち、浴室で普通に見出されるそのような染みを指すためにも使用され得る硬水あか及び水あか）及び／又は約３未満のｐＨ値で配合されたとき、トリプロトン酸の強さに起因してバスルームで普通に見出される他の残留物を洗浄するために特に良く適している。石鹸かす及びあかの除去には、カルシウム塩とマグネシウム塩と石鹸残留物とが存在することに起因して、効果的に洗浄するために酸の強さが必要である。同様に、酸成分は、硬水にしばしば存在する炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウムなどの塩の沈着によって引き起こされるミネラルの染みである硬水あかを処理するために必要である。なお更に、石鹸かすのあかを除去するために、酸性製品の力価が更に必要であり、石鹸かすのあかとしては、かかる表面に望ましくない残留物を残す金属塩の存在に起因して硬水中で沈殿することが知られている低級脂肪酸のアルカリ塩をベースとすることが多い脂肪酸石鹸の残留物が挙げられる。実施形態では、酸性組成物が浴室洗剤として典型的に使用されるものよりも高いｐＨを有することは予想外である（従来のｐＨ＜２．５又は＜２）。特定の作用機構に限定されることなく、酸、界面活性剤、及び溶媒又は溶媒系の組み合わせは、より低いｐＨを必要とせずに洗浄に利益を提供する。
【0073】
多目的酸性組成物は、抗菌組成物として更に用いることができる。抗菌有効性は、洗浄組成物を清浄及び／又は消毒するために使用することができる。有益なことに、１つ以上の酸源とアニオン性界面活性剤（例えば、ＬＡＳ）との組み合わせは、消毒利益を提供することができる。消毒のための使用は、広域スペクトルの微生物に対する抗菌有効性を提供し、広域スペクトルの殺菌活性及び抗真菌活性を提供する。例えば、広域スペクトル活性は、細菌、酵母、カビ、真菌、藻類、及び他の問題となる微生物を含む広範囲の異なるタイプの微生物（好気性と嫌気性微生物、グラム陽性とグラム陰性微生物の両方を含む）に対する活性を含むことができる。消毒方法を使用して、少なくとも１ｌｏｇ１０、少なくとも２ｌｏｇ１０、少なくとも３ｌｏｇ１０、少なくとも４ｌｏｇ１０、又は少なくとも５ｌｏｇ１０だけ微生物集団を減少させることを含む、表面又は物体の中及び／又は上の微生物集団の任意の好適な減少を達成することができる。本発明の範囲を限定することなく、本明細書内に記載される数値範囲は、範囲を定義する数字を含み、定義された範囲内の各整数を含む。いくつかの実施形態では、多目的酸性組成物は、少なくとも約５００ｐｐｍの界面活性剤（例えば、ＬＡＳ）の濃度で消毒有効性が達成されるｐＨ（例えば、約４未満）で用いられる。
【0074】
実施形態では、組成物は、濃縮物又は使用溶液として使用することができる。
【0075】
実施形態では、組成物は、前処理、浸漬、又は噴霧として使用することができる。組成物又はその使用溶液は、様々な方法及び従来の適用技術を使用して適用することができ、それは、浸漬、噴霧などの適用に依存して変化する。これらの方法では、物体又は表面を本組成物と接触させることによって、物体、表面などに作用することができる。接触は、化合物の噴霧、化合物への物体の浸漬、化合物による物体の発泡又はゲル処理、又はそれらの組み合わせなど、液体を適用するための多数の方法のいずれかを含むことができる。接触方法に限定されることなく、濃縮物又は使用組成物は、液体組成物を物体に適用するための任意の従来の方法又は装置によって、物体又は表面に適用することができるか又は接触させることができる。例えば、表面は、濃縮された組成物から作製された組成物又は使用組成物で拭き取ることができ、で噴霧することができ、で発泡させることができ、かつ／若しくは浸漬することができる。液体組成物は、表面上に噴霧され、泡立てられ、又は拭き取られることができ、化合物を表面上に流すことができ、又は表面を化合物中に浸漬することができる。接触は、手動又は機械によって行うことができる。
【0076】
染みの付いた又は汚れた表面に組成物を適用又は接触させるために特に好適な方法は、手動で操作される噴霧式分配器の使用によるものである。噴霧式分配器は、好ましくは、噴霧ノズル、浸漬チューブ、関連するポンプ分配部品を含み、染みの付いた又は汚れた表面又は物体への簡便な適用を提供する。
【0077】
様々な方法は、洗浄及び／又は脱脂を必要とする表面を、除去されるべき汚れの中に組成物が浸透するのに十分な時間、組成物と接触させるステップを含む。汚れへの浸透に必要な時間の長さは、汚れの厚さ並びに汚れの相対的な重合レベルに依存する。そのような場合、組成物が乾燥せず、長期間にわたって表面上で水和したままであるように、組成物は高発泡性界面活性剤系又は増粘系を含むことが好ましい。
【0078】
多目的酸性組成物は、表面又は物体を洗浄するのに十分な時間、表面又は物体と接触していることができる。一態様では、表面又は物体を組成物と、少なくとも約１０秒間、３０秒間、１分間、少なくとも約１０分間、又は約１０分～約２０分間接触させる。接触時間はまた、約６未満、約５未満、好ましくは約４未満のｐＨを含む、多目的有効性を提供するのに十分に酸性のｐＨで提供される。更に他の実施形態では、接触時間はまた、約１重量％～約２０重量％（これらの間の全ての範囲を含む）の多目的酸性組成物のＲＴＵ又は使用濃度でも提供される。
【0079】
方法は、任意選択的に、処理された表面又は物体を、布切れ、タオル、スポンジ、又は他のアイテム（例えば、使い捨てペーパータオル又はスポンジ）で拭き取るステップを更に含むことができる。他の実施形態では、洗剤組成物で更に処理するために、表面又は物体を洗濯機又は器物洗濯機に入れてもよいため、このステップは必要ない。重度の汚れ沈着物又は染みを伴ういくつかの実施形態では、組成物は、汚れ沈着物又は染みを効果的にほぐすまで汚れた表面上に残っていてもよく、その後、拭き取られ、濯がれ、又は他の方法で除去することができる。そのような望ましくない染みの特に多量の沈着物の場合、複数回の適用を使用することもできる。
【0080】
本方法は、任意選択的に、接触ステップ中に機械力を使用することを更に含むことができる。例えば、表面又は物体からある特定の汚れ又は染みを除去するために、追加の力を、例えば、水源及び／又は機械力を適用して、汚れを除去するのを補助することが必要な場合がある。
【0081】
本方法は、任意選択的に、処理された表面又は物体を水で濯ぐステップを更に含むことができる。更に他の実施形態では、組成物は、汚れた表面から拭き取られ、汚れ及びあらゆる残留組成物が効果的に除去される。更なる態様では、濯ぐステップの必要はない。
【0082】
組成物は、組成物を約４０°Ｆ以上、４０°Ｆ～約１３０°Ｆの温度まで加熱するステップの後に適用することができる。他の実施形態では、本方法は、周囲温度又は室温、例えば、約５０°Ｆ～約１００°Ｆにて、表面又は物体からの汚れの除去を提供する。様々な実施形態では、表面又は物体も組成物も接触ステップの前に加熱されないことが好ましい。更に他の場合では、方法は、より低い温度で、例えば、約２５°Ｆ～約５０°Ｆで、表面又は物体からの汚れの除去を提供する。他の場合では、本方法は、０°Ｆ～約２００°Ｆの範囲の温度の表面又は物体に適用することを必要とし得る。
【0083】
本明細書に記載の組成物及び方法は、染み及び／又は汚れ及び／又は石灰（硬水沈着物）を、少なくとも約７０％、少なくとも約８０％、好ましくは少なくとも約９０％、又は少なくとも約９５％だけ、有益に除去する。有益なことに、本明細書に記載の組成物及び方法は、水酸化物系及び腐食性の高アルカリ性組成物と比較して、実質的に同様の又は優れた洗浄有効性を提供する。
【0084】
例示的な実施形態では、組成物及び方法は、様々な表面から染みを有益に除去し、少なくとも約８０％の染み除去、好ましくは少なくとも約９０％の染み除去、又は少なくとも約９５％の染み除去を提供する。なお更なる実施形態では、本組成物及び方法は、処理された表面から１００％の染みを有益に除去する。これらの性能上の利益は、水酸化物系及び腐食性の高アルカリ性組成物から達成された利益を上回る。
【0085】
更なる例示的な実施形態では、本組成物及び方法は、様々な表面から汚れを有益に除去し、少なくとも約８０％の汚れ除去、好ましくは少なくとも約９０％の汚れ除去、又は少なくとも約９５％の汚れ除去を提供する。なお更なる実施形態では、本組成物及び方法は、処理された表面から１００％の汚れを有益に除去する。
【0086】
なお更なる例示的な実施形態では、本組成物及び方法は、様々な表面から水あか（硬水沈着物）を有益に除去し、処理された表面から少なくとも約７０％の水あか除去、少なくとも約７５％の水あか除去、少なくとも約８０％の水あか除去、好ましくは少なくとも約９０％の水あか除去を提供する。
【実施例】
【0087】
本発明の実施形態を、以下の非限定的な実施例において更に定義する。これらの実施例は、本発明の特定の実施形態を示しているが、単なる例示として与えられていることを理解されたい。上の考察及びこれらの実施例から、当業者は、本発明の本質的な特徴を確認することができ、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の実施形態の様々な変更及び修正を行い、これを様々な用途及び条件に適合させることができる。したがって、本明細書に示され説明されたものに加えて、本発明の実施形態の様々な修正は、前述の説明から当業者には明らかであろう。そのような修正もまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
【0088】
実施例で利用したアルカリ性対照及び酸性組成物を表２－３に示す。
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
実施例１
グリース染み及び重合汚れ、例えばトウモロコシ油汚れを除去するために使用されるアルカリ性対照配合物（表３のアルカリ性対照を参照されたい）を、溶媒と有機酸との組み合わせを含有する酸性組成物（表２の酸性組成物を参照されたい）と比較して、追加の性能利益を評価した。酸性組成物の初期評価は、重合トウモロコシ油を有する汚れた試験片について完了した。溶媒と有機酸との組み合わせを含有する酸性組成物が、脂汚れ除去を超えて性能利益を拡大することができたかどうかを判定するために、茶の染みについて追加の試験を行った。
グリース染み及び重合汚れ、例えばトウモロコシ油汚れを除去するために使用されるアルカリ性対照配合物（表３のアルカリ性対照を参照されたい）を、溶媒と有機酸との組み合わせを含有する酸性組成物（表２の酸性組成物を参照されたい）と比較して、追加の性能利益を評価した。酸性組成物の初期評価は、重合トウモロコシ油を有する汚れた試験片について完了した。溶媒と有機酸との組み合わせを含有する酸性組成物が、脂汚れ除去を超えて性能利益を拡大することができたかどうかを判定するために、茶の染みについて追加の試験を行った。
【0092】
重合トウモロコシ油パネルの調製。２インチのポリウレタンブラシを使用してトウモロコシ油を軽くコーティングすることによって、３×５インチのステンレス鋼（３０４等級）パネル上にトウモロコシ油汚れを調製した。パネルはステンレス鋼の長方形の平らなシートであり、蒸発したグリースが集まり被覆するグリル機器を取り囲む垂直面の表面をシミュレートしている。保護コーティングを試験片から除去した後、試験片を洗浄し、濯ぎ、残留物を除去した後、試験片を乾燥させる。パネルを重合トウモロコシ油でコーティングした。それらを均一にコーティングして、裸鋼の筋が残らないようにし、ブラシの重量のみを使用して過剰な油を除去した。約０．１２ｇ＋／－０．０１ｇのトウモロコシ油を試験片に適用した。
【0093】
次いで、パネルをアルミニウムトレー上に置き、重合した油がもはや粘着性でなくなり、明るい琥珀色を示すまで、予熱した３７５°Ｆのオーブン中で約２０分間（トレーを１０分、１５分、及び２０分回転させて）調理した。約１０分間の調理後、油は、重合及び増粘し始め、油から煙が発生する。トレーを回転させて、パネルがオーブン内で確実に均一に加熱されるようにする。次いで、試験片を周囲温度で一晩冷却し、塵塊を減少させるためにコーティング側を下に向けてラック上に置いた。試験片は、対照及び酸性組成物で試験する前に、室温で２４時間静置した後に硬化される。
【0094】
ピペットを使用して試験片上に滴下した様々な酸性組成物を比較する第１の試験では、洗浄組成物が試験片上のトウモロコシ油の汚れに浸透する時間を秒単位で測定した。図１Ａは、ギ酸の有効性を示している。図１Ｂは、クエン酸の有効性を示し、図１Ｃは、グルコン酸含有酸性組成物の有効性を示している。３つ全ての配合物は、対照と少なくとも同様の有効性を示した。重要なことに、トウモロコシ油を浸透させて除去する（すなわち、脱脂）測定された時間は、図１Ａ～図１Ｃに示したように、全ての酸性配合物について１分未満であった。
【0095】
第２の試験は、試験片上への化学物質の浸漬適用について、様々な酸性組成物を比較した。試験片を、評価される化学物質の試験溶液中に浸漬し、完全な汚れ除去に必要な時間を測定した。組成物の有効性を図２Ａ～図２Ｃに示すが、１分間の浸漬時間で重合トウモロコシ油が除去された。
【0096】
実施例２
試験片から重合トウモロコシ油を除去するための酸性組成物の追加試験を完了した。重合トウモロコシ油汚れについての実施例１の方法論を、試験片上に滴下した化学物質と共に使用し、ｐＨを、ＭＥＡを使用して調整した。試験片を２～４のｐＨで様々な酸性組成物と接触させて、トウモロコシ油除去に対するｐＨの影響、すなわち、除去速度を評価した。組成物の有効性が図３に示されており、より低いｐＨの配合物が、より速い浸透及び試験片からの重合トウモロコシ油汚れの除去を提供することを示している。３～４のｐＨは、完全な除去を提供するが、適用前、例えば、器物洗浄の適用前に、接触時間が、可能な限り最短であるスポット処理の場合は、ｐＨ＜４を有する酸性組成物が好ましい場合がある。
試験片から重合トウモロコシ油を除去するための酸性組成物の追加試験を完了した。重合トウモロコシ油汚れについての実施例１の方法論を、試験片上に滴下した化学物質と共に使用し、ｐＨを、ＭＥＡを使用して調整した。試験片を２～４のｐＨで様々な酸性組成物と接触させて、トウモロコシ油除去に対するｐＨの影響、すなわち、除去速度を評価した。組成物の有効性が図３に示されており、より低いｐＨの配合物が、より速い浸透及び試験片からの重合トウモロコシ油汚れの除去を提供することを示している。３～４のｐＨは、完全な除去を提供するが、適用前、例えば、器物洗浄の適用前に、接触時間が、可能な限り最短であるスポット処理の場合は、ｐＨ＜４を有する酸性組成物が好ましい場合がある。
【0097】
実施例３
茶染みタイル洗浄性能を評価するための方法を、（実施例１において概説した）対照と比較して、アルカリ性組成物を使用して実施した。茶染みに対するクエン酸組成物の試験は、器物洗浄プロセスにおいて最も頑固な染みの１つを処理及び除去する能力を実証している。茶の組成物は、表面上の染みの構造中でケイ酸カルシウムによって架橋された酸化ポリフェノール（タンニン）との複合体である。評価された方法を使用して、白いセラミックタイル上に染みを作り出し、次いで、既知の濃度の洗剤を用いて標準的な自動食器洗浄機を使用することによって、染みを除去しようと試みる。性能は、視覚及び画像操作方法の両方を使用して、タイルのセット間の比較によって評価される。
茶染みタイル洗浄性能を評価するための方法を、（実施例１において概説した）対照と比較して、アルカリ性組成物を使用して実施した。茶染みに対するクエン酸組成物の試験は、器物洗浄プロセスにおいて最も頑固な染みの１つを処理及び除去する能力を実証している。茶の組成物は、表面上の染みの構造中でケイ酸カルシウムによって架橋された酸化ポリフェノール（タンニン）との複合体である。評価された方法を使用して、白いセラミックタイル上に染みを作り出し、次いで、既知の濃度の洗剤を用いて標準的な自動食器洗浄機を使用することによって、染みを除去しようと試みる。性能は、視覚及び画像操作方法の両方を使用して、タイルのセット間の比較によって評価される。
【0098】
最初に、タイルを標準的な皿洗い機で、高濃度のキレート剤を含有する高アルカリ性洗剤で洗浄した。タイルが完全に清浄になるまで、皿洗い機のサイクルを行う。次いで、タイルは汚される準備が整う。
【0099】
試験のためのタイルを準備するために、茶浴を１７グレインの硬水で満たし、蒸気ラインを使用して１８０°Ｆまで加熱した。１５０のＬｉｐｔｏｎ紅茶バッグを入れ、約５分間撹拌した。ティーバッグから液体を搾り出しブロスに入れながら、ティーバッグを取り出した。次いで、浴中の温度を約１５５～１６０°Ｆまで下げた。次いで、茶浴に通じるエアラインをオンにした。タイルのセットをディッパ中のラックに入れ、タイルを、２５回、１回ごとに１分間、溶液に浸漬し、各浸漬について１分間溶液から出した。必要であれば、脱イオン水をディッパに添加して、蒸発による水損失を補充した。次いで、タイルを３日間空気乾燥させた（又は試験前に１８０°Ｆのオーブンで２時間焼成した）。
【0100】
汚れをより良好に除去するクエン酸組成物の能力を評価するために、染みの付いたタイルを様々な洗浄組成物のビーカに沈めた。タイルを洗浄する前に、タイル上の汚れの量を、洗浄前の写真を撮り、タイルを視覚的に評価することによって、書き留めた。試験溶液のビーカを、濃縮物ＲＴＵ（更なる希釈なし）として調製した。その溶液を１００ｒｐｍで撹拌した。茶染みタイルを、それぞれのビーカに３０秒間、１分間、及び２分間浸漬した。その後、タイルを視覚的に分析し、次いで、画像ソフトウェアを使用して定量化して、タイルの清浄度を評価した。
【0101】
アルカリ性対照対クエン酸組成物の有効性を図４に示し、除去％測定値を表４に示し、また表５に要約してある。
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
試験結果は、クエン酸組成物がアルカリ性対照よりも実質的に良好に機能することを示している。
【0105】
実施例４
酸性対照、アルカリ性対照（実施例１で概説した）、及び陰性対照（ＤＩ水）と比較した、様々な酸性組成物の機械的脱脂有効性を、赤色汚れ及び黒色汚れを使用して評価した。赤色汚れ及び黒色汚れの各々の調製及びそれらに関する試験について記載する。
酸性対照、アルカリ性対照（実施例１で概説した）、及び陰性対照（ＤＩ水）と比較した、様々な酸性組成物の機械的脱脂有効性を、赤色汚れ及び黒色汚れを使用して評価した。赤色汚れ及び黒色汚れの各々の調製及びそれらに関する試験について記載する。
【0106】
黒色汚れ調製。約５０グラムのミネラルスピリット、約５グラムのミネラルオイル、約５グラムのモーターオイル、約２．５グラムの黒色顔料分散液、及び約３７．５グラムのバンディブラッククレーを含む黒色汚れを調製した。複数の３インチ×３インチの白色ビニールタイルの裏面の溝のある側を、３インチのフォームブラシを使用して約０．７５グラムの黒色試験汚れで汚した。タイルを室温で一晩乾燥させた。翌日、タイルを、約２００ｇの洗浄組成物を含有する浸漬トレーの中に約２分間置いた。
【0107】
赤色汚れ調製。赤色汚れは、ラード、油、タンパク質、及び酸化鉄（ＩＩＩ）（着色用）から調製した。約３０グラムのラードを、約３０グラムのコーン油、約１５グラムの粉末全卵、及び約１．５グラムのＦｅ２Ｏ３と混合した。複数の３インチ×３インチの白色ビニールタイルの裏面の溝のある側を、３インチのフォームブラシを使用して約０．７５グラムの赤色汚れで汚した。タイルを室温で一晩乾燥させた。このインキュベーション期間により、汚れの中でトリグリセリドとタンパク質を一緒に保持している結合が結晶化し、相互に連結し始めたと思われる。翌日、タイルを、約２００ｇの試験組成物を含有する浸漬トレーの中に約１分間置いた。
【0108】
【数1】
【0109】
対照対酸性組成物の有効性結果を図５に示し、酸性組成物の性能は、アルカリ性対照（並びに陰性対照としてのＤＩ水）を上回っている。
【0110】
実施例５
ギ酸組成物及びクエン酸組成物の石鹸かす除去の有効性を、アルカリ性対照組成物、酸性対照組成物、及び水と比較した。利用した組成物に関する配合を表２～３に示す。
ギ酸組成物及びクエン酸組成物の石鹸かす除去の有効性を、アルカリ性対照組成物、酸性対照組成物、及び水と比較した。利用した組成物に関する配合を表２～３に示す。
【0111】
石鹸かす汚れの調製。石鹸かす汚れは、約８２グラムのＤＩ水、１．５グラムのカゼインタンパク質、３グラムのＩｖｏｒｙブランドの石鹸、０．４０グラムのＣｒｉｓｃｏ、０．３０グラムのＫａｌｉｎ粘土、並びに塩化カルシウムと塩化マグネシウムと重炭酸ナトリウムとを含有する１２．８グラムの硬度溶液（hardness solution）を混合することによって調製した。この混合物を８．７５のｐＨに調整した。およそ０．５０グラムの調製した石鹸かす汚れを、複数のガラススライド上に広げ、乾燥させた。乾燥後、スライドを２００℃で３０分間焼成し、次いで冷却した。
【0112】
汚れ除去試験は、合成スポンジを備えたＧａｒｄｎｅｒ Ｓｔｒａｉｇｈｔｌｉｎｅ Ａｐｐａｒａｔｕｓを使用して行った。合成スポンジを、約３００グラムの試験組成物で飽和させ、絞った後、次いで、２５グラムの試験組成物をスポンジの片側に適用した。次いで、スライドをＧａｒｄｎｅｒに入れ、試験組成物を軽く噴霧した。試験組成物をスライド上に３０秒間滞留させた。次いで、スライドを、湿らせた合成スポンジを用いて、約２ポンドの圧力で、１５サイクルスクラブした。次いで、スライドを、ＤＩ水で濯ぎ、室温で一晩乾燥させた。
【0113】
次いで、除去された汚れの重量パーセントを測定した。組成物による汚れ除去パーセントのグラフを図６に示す。汚れ除去試験後のガラススライドの視覚画像を図７Ａ～図７Ｅに示す。図６及び図７Ａ～図７Ｅに示したように、ギ酸組成物及びクエン酸組成物は、アルカリ性対照、酸性対照、及び水よりも実質的に良好に機能する。
【0114】
実施例６
本発明によるクエン酸及びギ酸組成物のスポット処理有効性を、水の対照組成物と比較した。酸性組成物の配合は、表２による。使用した水は、５ｇｐｇの水である。
本発明によるクエン酸及びギ酸組成物のスポット処理有効性を、水の対照組成物と比較した。酸性組成物の配合は、表２による。使用した水は、５ｇｐｇの水である。
【0115】
茶染みタイルを、実施例３に記載の手順に従って調製した。タイルに試験組成物を噴霧し、組成物を各タイル上に１分間滞留させた（すなわち、予備浸漬）。次いで、タイルを、Ｈｏｂａｒｔ ＡＭ－１５食器洗浄機中で、水５ｇｐｇ及び通常の非発泡トリガ噴霧を使用して、市販のアルカリ性洗剤組成物（６０～１００重量％の水酸化ナトリウム、Ａｌｋａｌｉｎｅ Ｄｅｔｅｒｇｅｎｔ）１０滴を用いて、１回のサイクルで洗浄した。
【0116】
洗浄前後のタイルの写真を撮った。クエン酸組成物は、水より性能が優れていた。クエン酸組成物は、図８Ａ（水）及び図８Ｂ（クエン酸組成物）とを比較することによって明らかなように、より多くの汚れを有意に除去した。
【0117】
同様の試験を行って、重合トウモロコシ油の汚れ除去に関するスポット処理を比較した。トウモロコシ油で汚したパネルを、実施例１に概説したように調製した。パネルにクエン酸組成物又は水のいずれかを噴霧し、各々をパネル上に１～２分間滞留させた。パネルを垂直に配向させて、１分間の滞留時間で、非発泡噴霧器で噴霧するか、又はパネルを発泡トリガ噴霧器で噴霧して水平に配向させた。次いで、パネルをＨｏｂａｒｔ ＡＭ－１５食器洗浄機中で、１０滴のアルカリ性洗剤及び５ｇｐｇの水を用いて、１サイクル、洗浄した。洗浄が完了した後、パネルの写真を撮った。クエン酸組成物は、図９Ｂに示したように、２分間の処理でかなりの量の重合トウモロコシ油を除去した。
【0118】
同様の試験を行って、タンパク質除去に関するスポット処理を比較した。汚れの調製。パネルにギ酸組成物又は水のいずれかを噴霧し、各々をパネル上に１分間滞留させた。次に、パネルを、Ｈｏｂａｒｔ ＡＭ－１５食器洗浄機中で、１０滴のアルカリ性洗剤及び５ｇｐｇの水を使用して、１０サイクル、洗浄した。食器洗浄機での洗浄後にパネルの写真を撮った。ギ酸組成物は、図１０Ａ及び図１０Ｂに示したように、対照配合物よりも性能が優れていた。
【0119】
この実施例で概説した試験の各々について、除去された汚れの百分率を計算した。結果のグラフを図１１に示す。図１１において実証されているように、酸性組成物は、染み及び汚れの各タイプについて、水対照スポット試験よりも性能が優れている。
【0120】
本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は例示を意図しており、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の実施形態、利点、及び変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。加えて、上で考察された全ての特許公報の内容は、この参照によりその全体が組み込まれる。
【0121】
特定の形態で、あるいは開示の機能を実行するための手段、又は開示の結果を達成するための方法若しくはプロセスの観点から表される前述の説明、又は次の特許請求の範囲、又は添付の図面に開示される特徴は、適宜、別々に、又はそのような特徴の任意の組み合わせで、本発明をその多様な形態で実現するために利用することができる。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【国際調査報告】