(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】熱交換器プレートモジュール、プレート熱交換器、およびプレート熱交換器の製造のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
F28F 3/04 20060101AFI20231102BHJP
F28F 3/00 20060101ALI20231102BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20231102BHJP
B21D 53/04 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
F28F3/04 B
F28F3/00 311
F28D9/02
B21D53/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524773
(86)(22)【出願日】2021-10-11
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 EP2021078032
(87)【国際公開番号】W WO2022084083
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フレードリク・ストレーメル
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・コックム
(72)【発明者】
【氏名】ホーカン・ラーション
(72)【発明者】
【氏名】アルネ・ボルグ
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・ニルソン
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA05
3L103AA11
3L103BB26
3L103CC26
3L103DD57
(57)【要約】
本開示は、押圧された熱交換器プレート201と平らなプレート201’を備えた熱交換器プレートモジュール200を備えた熱交換器1に関し、プレートは、流体ポート110を備えた第1の長手端部分101と流体ポート120を備えた第2の長手端部分102と、中間長熱交換部103とを備え、熱交換器プレート201はさらに波形パターンPを備える。パターンPは、流体ポート内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターンFCP1/流体ポートをバイパスする第2の流体チャネルパターンFCP2を備える。中間熱交換部103では、第3の流体チャネルパターンFCP3は、第1/第2の流体チャネルパターンと流体連通し、熱交換器プレート201が平らなプレート201’に取り付けられた場合にモジュール200の長手方向に流体チャネル31を形成するよう構成された波形の押圧ライン1030を備える。小型の熱交換器構造を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
押圧された熱交換器プレート(201)と平らなプレート(201’)とを備えた熱交換器プレートモジュール(200)であって、前記押圧された熱交換器プレートおよび前記平らなプレートは、2つの対向する側部表面と、前記プレートの長手方向(l)と前記長手方向に垂直な横方向(t)と厚さ方向(d)とにおける延在部と、を有しており、
前記プレート(201、201’)は、前記長手方向および横方向において略同一の外形を有しており、
前記熱交換器プレートモジュール内の前記プレートは、
少なくとも1つの流体ポート(110)を備えた第1の長手端部分(101)と、
少なくとも1つの流体ポート(120)を備えた第2の長手端部分(102)と、
前記第1および第2の長手端部分の間に配置された中間熱交換部(103)と、
を備え、
前記押圧された熱交換器プレート(201)は、さらに、前記押圧されたプレート(201)の前記厚さ方向(d)に交互の上部および底部を備えた押圧された波形パターン(P)を備え、
前記押圧されたパターン(P)は、
前記第1および/または第2の長手端部分(101;102)において、少なくとも1つの前記流体ポート(110;130)内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン(FCP1)、および/または少なくとも1つの前記流体ポート(120;140)をバイパスする第2の流体チャネルパターン(FCP2)と、
前記中間熱交換部(103)において、前記第1の流体チャネルパターン(FCP1)および/または第2の流体チャネルパターン(FCP2)と流体連通する第3の流体チャネルパターン(FCP3)であって、前記押圧された熱交換器プレート(201)が前記平らなプレート(201’)に取り付けられた場合に、前記熱交換器プレートモジュール(200)の前記長手方向(l)に別個の流体チャネル(31)を形成するように構成された長手方向に延びる波形の押圧ライン(1030)を複数備えた第3の流体チャネルパターン(FCP3)と、
を備えた、熱交換器プレートモジュール(200)。
【請求項2】
前記平らなプレート(201’)は、前記第1の流体チャネルパターン(FCP1)、前記第2の流体チャネルパターン(FCP2)および前記第3の流体チャネルパターン(FCP3)の延在部に沿って、前記押圧された熱交換器プレート(201)に取り付けられている、請求項1に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項3】
前記第1の流体チャネルパターン(FCP1)および/または前記第2の流体チャネルパターン(FCP2)は、前記第1および/または前記第2の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2)と前記第3の流体チャネルパターン(FCP3)との間に遮断部分(151;152)を伴うように前記第3の流体チャネルパターン(FCP3)とともに非連続パターンを形成する、請求項1または2に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項4】
前記平らなプレート(201’)とともに前記押圧されたプレート(201)においてそれぞれの前記第1の流体チャネルパターン(FCP1)および前記第2の流体チャネルパターン(FCP2)によって形成された流体チャネルの量は、前記押圧されたプレート(201)および前記平らなプレート(201’)において前記第3の流体チャネルパターン(FCP3)によって形成された別個の流れチャネルの量より少ない、請求項3に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項5】
前記第1および第2の長手端部分(101;102)はそれぞれ、2つの流体ポート(110、130;120、140)を備えた、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項6】
それぞれの前記第1および第2の長手端部分(101;102)は、少なくとも1つの前記流体ポート(110;140)内に流体流れを案内する、および/または少なくとも1つの前記流体ポート(120;130)をバイパスする前記第1および第2の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2)を備え、前記第1および第2の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2)は、前記第1および第2の長手端部分(101;102)において前記流体ポート(110、130;120、140)間に対角または平行流れを提供するように構成されている、請求項5に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項7】
それぞれの前記第1および第2の長手端部分(101;102)は、少なくとも1つの前記流体ポート(110;140)内に流体流れを案内する、および/または少なくとも1つの前記流体ポート(120;130)をバイパスする前記第1および第2の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2)を備え、前記第1および第2の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2)は、前記第1および第2の長手端部分(101;102)で前記流体ポート(110、130;120、140)間に平行流れを提供するように構成されている、請求項5に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項8】
前記プレート(201、201’)は、0.25から5.0mm、または0.3から3.0mmの厚さを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項9】
前記流体チャネルパターン(FCP1;FCP2;FCP3)の押圧深さは、少なくとも0.5mmである、請求項1から8のいずれか一項に記載の熱交換器プレートモジュール。
【請求項10】
複数のスタックされた熱交換器プレートモジュール(200)を備えたプレート熱交換器(1)であって、前記スタック(301)では、前記熱交換器プレートモジュールは、1つおきのプレートが押圧された熱交換器プレート(201)であり、別の1つおきのプレートが平らなプレート(201’)であるように配置され、前記平らなプレート(201’)および押圧された熱交換器プレート(201)はそれぞれ、2つの対向する側部表面と、前記プレートの長手方向(l)と前記長手方向に垂直な横方向(t)と厚さ方向(d)とに延在部を有しており、
前記前記平らなプレート(201’)および押圧された熱交換器プレート(201)は、
少なくとも1つの流体ポート(110)を備えた第1の長手端部分(101)と、
少なくとも1つの流体ポート(120)を備えた第2の長手端部分(102)と、
前記第1および第2の長手端部分の間に配置された中間熱交換部(103)と、
を備え、
前記押圧された熱交換器プレートはさらに、前記押圧されたプレート(201)の前記厚さ方向に交互の上部および底部を備えた波形パターンを形成する押圧されたパターン(P)を備え、
前記押圧されたパターン(P)は、
前記第1および/または第2の長手端部分(101;102)において、少なくとも1つの前記流体ポート(110;120)内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン(FCP1)、および/または少なくとも1つの前記流体ポート(110;120)をバイパスする第2の流体チャネルパターン(FCP2)と、
前記中間熱交換部(103)において、前記第1の流体チャネルパターン(FCP1)および/または第2の流体チャネルパターン(FCP2)と流体連通する第3の流体チャネルパターン(FCP3)であって、前記押圧された熱交換器プレート(201)が前記平らなプレート(201’)に取り付けられた場合に、前記押圧された熱交換器プレート(201)の長手方向(l)にフィン付きの別個の流体チャネル(31)を形成するように構成された複数の長手方向に延びる波形の押圧ラインを備えた第3の流体チャネルパターン(FCP3)と、
を備えた、プレート熱交換器(1)。
【請求項11】
各モジュール(200)の前記平らなプレート(201’)は、それぞれの前記モジュール(200)の押圧されたプレート(201)および隣接するモジュール(200)の押圧されたプレート(201)に取り付けられており、
前記第1、第2および第3の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2;FCP3)は、前記流体チャネルパターンの長さに沿う接触表面によって別個の流体チャネルを形成する、請求項10に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項12】
前記押圧された熱交換器プレート(201)の1つおきのプレートは、それぞれの前記第1および第2の長手端部分(101;102)に、少なくとも1つの流体ポート(110;120)および少なくとも1つの前記流体ポート(110;120)内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン(FCP1)を備え、前記押圧された熱交換器プレート(201)の別の1つおきのプレートは、それぞれの前記第1および第2の長手端部分(101;102)に、少なくとも1つの流体ポート(110;120)、および少なくとも1つの前記流体ポート(110;120)をバイパスする第2の流体チャネルパターン(FCP2)を備えた、請求項10または11に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項13】
前記押圧された熱交換器プレート(201)は、それぞれの前記第1および第2の長手端部分(101;102)において、2つの流体ポート(110、130;120、140)と、前記流体ポート(110、130)の一方内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン(FCP1)と、前記流体ポート(120、140)のもう一方をバイパスする第2の流体チャネルパターン(FCP2)と、を備えており、
前記押圧された熱交換器プレート(201)は1つおきに、前記平らなプレートに面する第1の表面を備えた前記平らなプレート(201’)に固定され、他方の前記押圧された熱交換器プレート(201)は1つおきに、前記平らなプレートに面する第2の対向する表面を備えた前記平らなプレートに固定されている、請求項10または11に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項14】
前記プレート熱交換器(1)は、少なくとも2つの熱交換器プレートモジュール(200)のスタック(301)が前記熱交換器プレートモジュールの2つの対向する長手側部に沿ってともに前記熱交換器プレートモジュールを取り付けることによって平行に配置されるように構成することができ、または、
少なくとも2つの押圧されたパターンは1つのプレート上で平行に配置され、各パターン(P)は熱交換器プレートモジュール(200)の押圧された熱交換器プレート(201)の前記押圧されたパターン(P)に対応する、請求項10から13のいずれか一項に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項15】
前記流体ポート(110;120;130;140)は、外部流体コネクタ(8)に接続されてもよい、請求項10から14のいずれか一項に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項16】
前記プレート熱交換器は、2つのガスの間の熱交換のために構成されている、請求項10から15のいずれか一項に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項17】
前記プレート熱交換器は、高圧用途のために構成されている、請求項10から16のいずれか一項に記載のプレート熱交換器(1)。
【請求項18】
請求項10から17のいずれか一項に記載のプレート熱交換器(1)の製造のためのプロセスであって、
プレートの長手方向(l)と前記長手方向に垂直な横方向(t)と厚さ方向(d)とにおいて延在部を有する2つ以上の金属プレートを提供するようにシート金属材料を切断するステップと、
押圧ツール内で前記金属プレートの少なくとも1つを押すステップであって、それにより、前記熱交換器プレートに押圧されたパターンPを提供するように前記押圧ツールが構成されている、ステップと、
前記長手方向および横方向に前記押圧されたプレートとして対応する外形および寸法を有する平らなプレートを提供するステップと、
押圧されたプレートおよび平らなプレートを備えた熱交換器プレートモジュールを提供するステップと、
1つおきのプレートが押圧された熱交換器プレート(201)であり、別の1つおきのプレートが平らなプレート(201’)であるように、熱交換器プレートモジュールのスタックを組み立てるステップと、
熱交換器プレートモジュールの前記スタックを備えたプレート熱交換器を提供するように前記熱交換器プレートモジュールを一緒に結合するステップとを含む、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本明細書に添付された独立請求項の導入部で定義されるような押圧されたプレートおよび平らなプレートを備えた熱交換器プレートモジュールに関する。本開示はまた、本明細書に添付された独立請求項の導入部で定義されるようなプレート熱交換器に関する。さらに、本開示はまた、プレート熱交換器の製造のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
プレート熱交換器、またはPHEは、スタックに整列して配置された複数の金属熱伝導プレートを典型的には備えた熱交換器である。金属プレートは、2つの流体を分離し、流体の間で熱を伝導するために使用される。プレート熱交換器では、増加された熱交換面積を提供するいくつかのフィンを備えることができるプレートのそれぞれの表面上に、異なる温度の流体が分配される。フィンは、プレートに波形を付けることによって設けられてもよい。熱交換器プレートのスタックは、エンドプレートの間に配置されてもよく、全てのプレートが例えば、溶接またはろう付けによって結合されてもよい。いくつかの変形形態では、熱交換器プレートおよびエンドプレートを互いに向けて押圧する圧力プレートを使用してもよい。流体間で熱を伝導することを可能にするためには、それぞれの流体用の流れチャネルが必要であり、これは問題となる熱交換器タイプおよび流体によって、異なる方法で達成することができる。
【0003】
異なるタイプのプレート熱交換器(PHE)があり、プレート熱交換器は異なるタイプの熱流体に適合されてもよい。よく知られているPHEは、例えば、ろう付けまたは溶融結合された熱交換器を含み、熱流体の流れは通常、別個のチャネル内で向流に配置されている。流体を分離するためにガスケットまたは同様のものは使用されない。また、いわゆるガスケット付きプレート熱交換器(GPHE)があり、ガスケットが熱伝導プレートの間に配置されて、熱流体が互いに混合しないことを保証する。熱交換器では、通常、熱伝導プレートの間に流れチャネルが画定され、これを通して初期に異なる温度のチャネル流体が、熱を一方の流体からもう一方の流体に伝導するように流れることができる。ろう付けまたは溶融結合された熱交換器では、交互の熱い流体および冷たい流体を備えた平行流れチャネルを形成する溝を備えたプレートを使用してもよい。知られているタイプのろう付けされたプレート熱交換器が、特許文献1に記載されている。この文献は、交互の波形プレートおよび平らなプレートを備えた熱交換器表面を形成するプレートを備えた熱交換器を示し、ここでは、各流体が、波形プレートの両側を流れるように配置されている。しかし、プレート熱交換器のアセンブリ内には、いくつかの構成部品、すなわち、例えばスリットを備えた波形ストリップが必要であり、これらは、側壁および金属ディスクによって囲まれた空間内に固定する必要がある。
【0004】
既存のプレート熱交換器解決法にかかわらず、プレート熱交換器の改良へのニーズが依然としてある。特に、小型であり、製造するのが簡単であり、最小量の金属原材料を必要とするプレート熱交換器へのニーズがある。加えて、特に例えば100バール以上からの高圧での接続の際の使用に適したプレート熱交換器へのニーズがある。また、特に、ガスの少なくとも1つが、本明細書では高圧ガス(HPG)プレート技術と呼ばれる、高圧で提供された場合に、熱いガスおよび冷たいガスの間の熱交換のための使用に適した熱交換器が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】英国特許出願公開第718991号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術の上記欠点の1つ以上を軽減し、緩和し、または取り除き、熱交換器プレートに対する解決法を提供することにより、熱交換器プレートの設計が、頑丈になり、異なるタイプのプレート熱交換器内の効率的な熱交換を可能にすることである。
【0007】
目的はまた、高圧での使用に適した熱交換器プレートを提供することである。
【0008】
別の目的は、最小量の金属原材料を必要とする製造方法を提供することである。
【0009】
目的はまた、プレート用の費用を減らすことである。
【0010】
加えて、プレート上の熱交換プロセスのために使用される面積を増加する要望がある。それゆえ、本発明の別の目的は、熱交換用のプレート面積の増加した利用を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、添付の特許請求の範囲で規定されるように、本発明によって達成される。
【0012】
第1の態様によると、押圧された熱交換器プレートと平らなプレートを備えた熱交換器プレートモジュールが提供され、押圧された熱交換器プレートおよび平らなプレートは、2つの対向する側部表面と、プレートの長手方向と長手方向に垂直な横方向と厚さ方向とにおける延在部と、を有する。プレート、すなわち、押圧されたプレートおよび平らなプレートの両方は、長手方向および横方向に実質的に同じ外形を有し、モジュール内のプレートは、
・少なくとも1つの流体ポートを備えた第1の長手端部分、
・少なくとも1つの流体ポートを備えた第2の長手端部分、および
・第1および第2の長手端部分の間に配置された中間熱交換部
を備えている。
【0013】
押圧された熱交換器プレートはさらに、プレートの厚さ方向に交互の上部および底部を備えた押圧された波形パターンを備えている。特に、押圧されたパターンは、
・第1および/または第2の長手端部分に、少なくとも1つの流体ポート内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン、および/または少なくとも1つの流体ポートをバイパスする第2の流体チャネルパターンと、
・中間熱交換部に、第1の流体チャネルパターンおよび/または第2の流体チャネルパターンと流体連通し、押圧された熱交換器プレートが平らなプレートに取り付けられた場合に、熱交換器プレートモジュールの長手方向に別個の流体チャネルを形成するように構成された複数の長手方向に延びる波形の押圧ラインを備えた第3の流体チャネルパターンと
を備えている。
【0014】
押圧されたプレートが一体型流体ポートを備え、押圧された流体チャネルパターンにより、一体型ポートを流体が貫通またはバイパスすることが可能になり、ポート間の大きな熱交換面積が提供される本発明の熱交換器プレートモジュールによって、異なるタイプのプレート熱交換器での十分な熱交換を可能にする頑丈な熱交換器プレートモジュールが提供される。プレートモジュールの頑丈な構成により、モジュールは、高い流体圧力のために構成されたプレート熱交換器、または熱い流体および冷たい流体の間の大きな差圧を有する熱交換器での使用に適している。さらに、一体型ポートおよび特定の流体チャネルパターンを備えた熱交換器プレートモジュールの構造により、従来技術の解決法と比較してプレートの厚さを薄くすることができ、それにより最小量の金属原材料が必要になる。それにより、プレートの費用を減らすことが可能である。加えて、構造は、押圧されたプレート内の流れチャネルパターンにより、大きな熱交換面積を提供する。
【0015】
モジュールが流体密閉状態であることを保証するために、平らなプレートは、第1、第2および第3の流体チャネルパターンの延在部に沿って押圧された熱交換器プレートに取り付けられている。
【0016】
第1の流体チャネルパターンおよび/または第2の流体チャネルパターンは、第3の流体チャネルパターンと非連続パターンを形成してもよい。非連続パターンは、第1および/または第2の流体チャネルパターンと第3の流体チャネルパターンの間に遮断部分を備えていてもよい。このように、第1および/または第2の流体チャネルパターンと第3の流体チャネルパターンの間の流体流れの移行を容易にすることが可能である。
【0017】
平らなプレートとともに押圧されたプレート内でそれぞれの第1の流体チャネルパターンおよび第2の流体チャネルパターンによって形成された流体チャネルの量は、押圧されたプレートおよび平らなプレート内の第3の流体チャネルパターンによって形成された別個の流れチャネルの量より少ない。このように、第1および第2の長手端部分に必要な面積が小さくなり、材料削減を得ることができる。
【0018】
一実施形態によると、第1および第2の長手端部分はそれぞれ、2つの流体ポートを備えてもよく、それにより、例えば対角または平行流体流れを、流体間の効率的な熱交換につながるプレート熱交換器に配置してもよい。それぞれの第1および第2の長手端部分は、少なくとも1つの流体ポートに流体流れを案内する、および/または少なくとも1つの流体ポートをバイパスする第1および第2の流体チャネルパターンを備えてもよい。第1および第2の流体チャネルパターンはその後、第1および第2の長手端部分で流体ポート間に対角流れを提供するように構成されてもよい。別の方法では、第1および第2の流体チャネルパターンは、第1および第2の長手端部分で流体ポートの間に平行流れを提供するように構成されてもよい。平行流れは、いくつかの用途では対角流れより望ましいことがある。
【0019】
前述の実施形態のいずれか1つに記載の熱交換器プレートモジュールにおいて、第3の流体チャネルパターンでは、波形の押圧ラインの量、したがって平らなプレートとともに形成された流体チャネルの量は、10から150、または10から50、または12から20である。それにより、熱交換表面は所望の用途に適合させることができる。第3の流体チャネルパターンでは、波形の押圧ライン内の全波の数は、8から100、または8から50、または8から20であってもよく、所望の用途に適するように量を適合させる可能性につながっている。第3の流体チャネルパターンでは、波形の押圧ラインは互いに一致し、それにより各流れチャネルに対して等しい幅を確保することができることが好ましい。
【0020】
プレート、すなわち、モジュール内の押圧されたプレートおよび平らなプレートの両方または少なくとも1つは、0.25から5.0mm、または0.3から3.0mmの厚さを有してもよい。プレートの厚さは、プレートの材料厚さを意味する。押圧されたプレートでは、厚さは押圧の後に測定される。プレートの厚さは、同じである必要はなく、例えば、押圧されたプレートの厚さは平らなプレートの厚さより薄いまたは厚くてもよいが、いくつかの用途では、厚さは同じであってもよい。
【0021】
流体チャネルパターン(FCP1;FCP2;FCP3)の押圧深さは、少なくとも0.5mmであってもよい。このように、プレートの厚さ方向の交互の上部および底部は、0.5mmの高さの差を有してもよく、流体流れチャネル高さはしたがって、0.5mmである。チャネルの高さを調節することによって、例えば、モジュール内の流れ抵抗が調節されてもよい。
【0022】
上記目的および利点はまた、添付の特許請求の範囲で定義されるようなプレート熱交換器によって達成される。プレート熱交換器は、適切には上に記載したタイプの複数のスタックされた熱交換器プレートモジュールを備えている。スタックには、モジュールは、1つおきのプレートが押圧された熱交換器プレートであり、別の1つおきのプレートが平らなプレートであるように配置されている。平らなおよび押圧された熱交換器プレートはそれぞれ、2つの対向する側部表面と、プレートの長手方向と長手方向に垂直な横方向と厚さ方向とにおける延在部を有する。平らなおよび押圧された熱交換器プレートは、
・少なくとも1つの流体ポートを備えた第1の長手端部分、
・少なくとも1つの流体ポートを備えた第2の長手端部分、および
・第1および第2の長手端部分の間に配置された中間熱交換部
を備えている。
【0023】
押圧された熱交換器プレートはさらに、押圧されたプレートの厚さ方向に交互の上部および底部を備えた波形パターンを形成する押圧されたパターンを備えている。押圧されたパターンは、
・第1および/または第2の長手端部分に、少なくとも1つの流体ポート内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン、および/または少なくとも1つの流体ポートをバイパスする第2の流体チャネルパターンと、
・中間熱交換部に、第1の流体チャネルパターンおよび/または第2の流体チャネルパターンと流体連通し、押圧された熱交換器プレートが平らなプレートに取り付けられた場合に、押圧された熱交換器プレートの長手方向に別個の流体チャネルを形成するように構成された複数の長手方向に延びる波形の押圧ラインを備えた第3の流体チャネルパターンと
を備えている。
【0024】
平らなプレートは、第1の流体チャネルパターン、第2の流体チャネルパターンおよび第3の流体チャネルパターンの延在部に沿って、押圧された熱交換器プレートに取り付けられてもよい。したがって、各モジュールの平らなプレートは、それぞれのモジュールの押圧されたプレートおよび隣接するモジュールの押圧されたプレートに取り付けられている。第1、第2および第3の流体チャネルパターンは、流体チャネルパターンの長さに沿って接触表面で別個の流体チャネルを形成してもよい。このように、モジュールが互いに押されるまたは取り付けられる場合に、スタックに別個の流体密閉チャネルが得られる。
【0025】
一例示的プレート熱交換器によると、押圧された熱交換器プレートの1つおきのプレートは、それぞれの第1および第2の長手端部分に、少なくとも1つの流体ポートおよび少なくとも1つの流体ポート内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターンを備え、押圧された熱交換器プレートの別の1つおきのプレートは、それぞれの第1および第2の長手端部分に、少なくとも1つの流体ポート、および少なくとも1つの流体ポートをバイパスする第2の流体チャネルパターンを備えている。したがって、それぞれの冷たい流体および熱い流体に対する流体チャネルは交互に配置されてもよく、大きな熱交換面積を小型に提供することができる。
【0026】
別の実施例によると、それぞれの第1および第2の長手端部分内に、2つの流体ポート、流体ポートの一方内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターン、および流体ポートのもう一方をバイパスする第2の流体チャネルパターンを備えた押圧された熱交換器プレートの1つおきのプレートは、平らなプレートに面する第1の表面を備えた平らなプレートに固定され、押圧された熱交換器プレートの別の1つおきのプレートは、平らなプレートに面する第2の対向する表面を備えた平らなプレートに固定されている。このように、対角または平行流れを1つのプレートモジュールに配置することができ、それにより、プレート熱交換器の可撓性および熱交換能力が増加する。
【0027】
プレート熱交換器は、少なくとも2つの熱交換器プレートモジュールのスタックが、モジュールの2つの対向する長手側部に沿ってともにモジュールを取り付けることによって平行に配置されるように構成されてもよい。別の方法では、少なくとも2つの押圧されたパターンは1つのプレート上で平行に配置することができ、各パターンはモジュールの押圧された熱交換器プレートの押圧されたパターンに対応する。このように、いくつかの平行ポートを備えた一体型の押圧された熱交換器プレートがプレート熱交換器に提供されてもよい。各ポートが押圧されたプレートまたはプレートパターンの各長手端部分に配置された、一体型の押圧された熱交換器プレート内の平行ポートの量は、例えば、2から20またはそれより多く変更することができる。
【0028】
本開示のプレート熱交換器はしたがって、回収熱交換器であることが適切であり、別個の流れ経路が各流体に配置される。
【0029】
流体ポートは、外部流体コネクタに接続されてもよい。
【0030】
プレート熱交換器は、溶融結合、ろう付け、溶接、拡散溶接、またはガスケット付き熱交換器であってもよい。
【0031】
プレート熱交換器は、2つのガスの間の熱交換のために構成されてもよい。変更形態によると、プレート熱交換器は、高圧用途のために構成されている。
【0032】
本発明の別の態様によると、本発明は、上に記載したようなプレート熱交換器の製造のプロセスに関し、プロセスは、
・プレートの、長手方向に垂直な横方向(t)と厚さ方向(d)とにおける延在部を有する2つ以上の金属プレートを提供するようにシート金属材料を切断するステップと、
・押圧ツール内で金属プレートの少なくとも1つを押すステップであって、それにより、熱交換器プレートに押圧されたパターンPを提供するように押圧ツールが構成されている、ステップと、
・長手方向および横方向に押圧されたプレートとして対応する外形および寸法を有する平らなプレートを提供するステップと、押圧されたプレートおよび平らなプレートを備えた熱交換器プレートモジュールを提供するステップと、
・1つおきのプレートが押圧された熱交換器プレート(201)であり、別の1つおきのプレートが平らなプレート(201’)であるように、熱交換器プレートモジュールのスタックを組み立てるステップと、
・熱交換器モジュールのスタックを備えたプレート熱交換器を提供するようにモジュールを一緒に結合するステップと
を含む。
【0033】
本発明は、以下に与える詳細な説明から明らかになるだろう。詳細な説明および特定の例は、単に例示として本発明を開示する。当業者は、詳細な説明の助言から、変化および変更を、添付の特許請求で定義された本発明の範囲内で行ってもよいことが分かる。
【0034】
本発明の上記目的と、追加の目的、特性および利点は、添付の図面と合わせて解釈した場合に、本発明の例示的実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な記載を参照してより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1a】側面図で熱交換器プレートのスタックを備えたプレート熱交換器の一例を示す略図である。
【
図1b】
図1aに示すタイプのものであってもよい、プレート熱交換器内のプレートのスタックの上からの略拡大断面図である。
【
図2】
図1aに示す熱交換器に適した端部プレートの略正面図である。
【
図3a】本開示の一実施形態による4つの一体型ポートを備えた熱交換器プレートを示す図である。
【
図3b】
図3aの鏡像熱交換器プレートを示す図である。
【
図4a】本開示による熱交換器プレートの別の実施形態を示す図であって、プレートは第1のプレートタイプに対応し、2つの一体型ポート、およびポートをバイパスする流れチャネルパターンを備えている。
【
図4b】本開示による熱交換器プレートモジュールの一実施形態に対する上からの第2のプレートタイプを示す図であって、モジュールは
図4aのプレート、および
図4aのプレートと
図4bに示す最上部プレートの間に挟まれた平らなプレートを備え、プレートは2つのポート、およびいわゆる「U字流れ」でポート内に流体流れを案内する流れチャネルパターンを備えている。
【
図5】冷たい流体用のいわゆる「U字流れ」のために構成されたプレート熱交換器の一例を示す図であって、熱交換器は
図4bのモジュールを備えた9つの平行プレートスタックを備えた熱交換器プレートのスタック、または幅広いプレートのスタックを備え、各幅広いプレートは
図4aに図示したタイプの9つの平行プレートパターン、または
図4bの最上部を含む。
【
図6a】9つの平行に配置されたプレートパターンを備えた幅広いプレート内の流体流れを示す略図であって、プレートパターンの1つが
図4aに示すプレートに対応する。
【
図6b】9つの平行に配置されたプレートパターンを備えた幅広いプレート内の流体流れを示す略図であって、プレートパターンの1つが
図4bに示すプレートに対応する。
【
図7a】それぞれ9つの平行に配置されたプレートパターンを有するプレートのスタックを備えたプレート熱交換器を示す図であって、プレートはモジュール内に配置され、冷たい流れ用のいわゆる「Z字流れ」に対して配置されている。
【
図7b】
図7aの1つの平行プレート内に配置された流れ、または幅広いプレートの一部に配置された
図7aのパターンに対応する1つの平行プレートパターンを示す図である。
【
図8a】それぞれ9つの平行に配置されたプレートパターンを有し、冷たい流れおよび熱い流れの両方用のいわゆる「L字流れ」に対して配置されたプレートのスタックを備えたプレート熱交換器を示す図である。
【
図8b】本開示による熱交換器プレートの別の実施形態を示す図であり、プレートは2つの一体型ポートおよび2つの流れチャネルパターンを備え、一方はポート内に流れを案内し、一方はポートをバイパスし、プレートまたはプレートパターンは
図8aに示すように「L字流れ」のために構成されたプレート熱交換器に適している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
今日のプロセス技術はしばしば、プロセスのエネルギー効率を改善するための熱交換器を必要とする。一般的に使用される熱交換器の1つのタイプは、いわゆるシェルおよび管熱交換器であり、例えばクーラとして使用されてもよい。これらのクーラでは、流入ガスを冷媒として使用してもよい。これらは効果的であり、高圧での流体に耐え得るが、しばしば空間の要求がある。このような熱交換器は一般的に、例えば、触媒床間のアンモニア変換器内で使用される。変換器は、約200バールに設計された、2つないし3つの触媒床および2つないし3つの熱交換器を含む高圧容器であってもよい。しかし、これらは圧力容器内にあり、熱いガスおよび冷たいガスの間の圧力差がほとんどないことが多い。より小型の熱交換器は、変換器容器容量を解放して、より多くの触媒、したがって容量増加を、大きな容器を必要とすることなく可能にする。さらに、例えば燃焼機関に関連したより高いエネルギー効率への需要により、例えば、流出ガスで流入ガスを予熱するために、回収する方法で燃焼エネルギーを利用することへの増加するニーズがある。同時に、高圧プロセス技術環境は、高温および大量の塵および他の粒子および腐食性ガスへの要求が多くなることがあり、支配的な状態に耐える頑丈な構成を必要とする。したがって、要求の厳しい高圧状態で使用可能な小型、頑丈および効率的な熱交換器技術への大きなニーズがある。したがって、これらのニーズに応じる熱交換器技術を提供することが本発明の目的である。
【0037】
上記目的は、本発明によるプレート熱交換器によって達成されることが分かっており、本発明の例を示す添付の図面を参照して次に記載する。しかし、本発明は、他の形態で実施されてもよく、本明細書に開示した例示的な実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。開示した実施形態は、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供される。
【0038】
図1aは、押圧されたプレート201および平らなプレート201’を備えたスタックされた熱交換器モジュール200からなるスタック301を備えた、プレート熱交換器1の一例を略図的に示す。プレート熱交換器1は、一方は「冷たい」(C)流体、もう一方は「熱い」(H)流体と呼ばれる、異なる温度の2つの流体媒体の間の熱交換を目的としている。冷たい流体は、熱い流体より低い温度を有する。熱交換は、異なる目的、例えば、加熱、冷却、熱回収、蒸発および濃縮のために行ってもよい。流体は、ガスまたは水などの液体であってもよい。変更形態によると、プレート熱交換器は、高い流体圧力の使用を必要とするが、これに限定されない、アンモニアの製造で使用される。本開示のプレート熱交換器は、高圧のために構成され、したがって、例えば、アンモニア製造中に流体の高圧/圧力差に耐えることが可能である。
【0039】
プレート熱交換器1のプレートスタック301は、互いに対して押圧されたプレート201および平らなプレート201’を交互にすることによって、および1つおきのプレートが押圧されたプレートであり、別の1つおきのプレートが平らなプレートであるプレートスタック301を形成するような方法で連続的に、互いの上部にスタックされた複数の熱交換器プレート201、201’を備えている。熱交換器プレート201は、本発明による押圧された設計を有し、以下により詳細に説明する。平らなプレートは、押圧された流れチャネルパターンを備えていないが、完全に平らである必要はない、すなわち、平らなプレートは小さな屈曲部を備えていてもよい。プレートスタック301は、プレートスタック301の第1の側に配置された第1の端部プレート6とプレートスタック301の第2の側に配置された第2の端部プレート7の間に提供される。端部プレート6、7は、プレートスタック301内に熱交換器プレート201、201’として同じ外周面形状を有してもよいが、外力に対する増加する機械的保護を提供するために僅かにより厚くてもよい。スタック内のプレートの外形は、丸みを帯びたコーナを備えた矩形であるが、他の形状、例えば、角付けされたコーナ(すなわち、8つのコーナ、例えば
図3a参照)または鋭いコーナを備えた矩形が可能である。
【0040】
各モジュール200の押圧されたプレート201および平らなプレート201’は、プレートスタック301内で互いに恒久的に結合されてもよい。スタック301内では、交互の押圧されたプレート201および平らなプレート201’を備えたモジュール200は、それぞれ第1の流体および第2の流体用の交互の第1および第2の流れチャネルまたは経路を形成する。流れチャネルは、押圧されたプレート201が平らなプレート201’のそれぞれの側部表面に取り付けられた場合に、平らなプレート201’のそれぞれの側部に形成されている。
【0041】
プレート熱交換器1は、入口であってもよい第1の流体ポート10、および出口であってもよい第2の流体ポート11を備えていてもよい。第1の流体ポート10は、入口として働いてもよく、第1の流体を受け、第1の流体をプレートスタック301内のプレート間の第1の流れ経路に案内する。出口として働く第2の流体ポート11は、第1の流れ経路から第1の流体を受け、流体がプレート熱交換器1から出ることを可能にする。プレート熱交換器1は、
図2の例に示すように、入口として働く第3の流体ポート12、および出口として働く第4の流体ポート13を含んでもよい。第3の流体ポート12は、第2の流体を受け、第2の流体をプレートの間の第2の流れ経路に案内する。第4の流体ポート13は、第2の流れ経路から第2の流体を受け、第2の流体がプレート熱交換器1から出ることを可能にする。
【0042】
コネクタ8は、いくつかの実施形態では、入口および出口として働く各ポートに接続することができ、各コネクタ8はパイプの形を有してもよい。2つの流体用の流体ラインはその後、コネクタ8を介してプレート熱交換器1に接続されてもよい。このような接続を達成するために、あらゆる適切な技術を使用してもよく、コネクタ8は典型的には、プレートスタック301内のプレートと同じ材料で作られている。流体の1つに対する入口および出口は、図示したような向流の代わりに、流体の並流があるように逆にされてもよい。しかし、このタイプのコネクタは、本発明の全ての実施形態に必要ではない。
【0043】
本発明は、一態様によると、プレートの中間部の断面図で
図1bによって略図的に示されたように、すなわち、熱交換器スタック301の上部側からポート10、13;11、12の間で、互いに取り付けられるように構成された、平らなプレート201’および押圧された熱交換器プレート201を備えた熱交換器プレートモジュール200に関する。プレートは、例えば、互いに恒久的に取り付けられてもよく、一緒にろう付け、溶融結合、または溶接されてもよい。
図1bから、プレートの厚さ方向dに交互の上部Tおよび底部Bを備えた押圧されたパターンを備えた3つの押圧されたプレート201は、厚さ方向dに波形の外側輪郭またはフィン21を形成することが分かる。これらのフィン21は、平らなプレート201’および/または端部または側部プレート6および7と一緒に、平らなプレート201’の対向する側にそれぞれの熱い流れおよび冷たい流れ用の別個の流れチャネルを形成する。加えて、その2つのみが参照符号を備えたフィン21は、プレート熱交換器に対して増加した熱交換表面を提供する。
【0044】
熱交換器モジュール200はそれぞれ、2つの鏡像押圧されたプレート201の間に、押圧されたプレート201のそれぞれの表面に取り付けられた平らなプレート201’があるように配置されている。押圧されたプレート201は、波形の流れチャネルパターンPが押圧されたプレート201に押される場合に形成される、上記フィン21を備えている。このように、プレート201のフィン21は平らなプレート201’と一緒に、別個の流体チャネル31を形成し、その中をガスなどの熱い(H)流体または冷たい(C)流体が流れることができる。チャネル31の高さ、すなわち、プレートの厚さ方向dの延在部は、プロセスにおいて流体および圧力のタイプに適合されてもよい。チャネルが高くなればなるほど、熱交換面積が大きくなる。チャネルの高さは加えて、チャネル内の流れに対する圧力低下に影響を与え得る。加えて、押圧によってプレートを製造する場合、チャネルの強度性状は選択した高さによって影響されることがあり、すなわち、チャネルが所与のプレート厚さに対して高くなればなるほど、より大きなプレートの強度性状が影響を受ける。チャネルの高さは、1から5mmなどの例えば0.5mmから10mm、例えば、約1.5mmであってもよい。金属プレート、すなわち、平らなプレートおよび押圧されたプレートは両方とも通常は、すなわち、プレートに対してパターンPを押す前に、約0.1から1.0mmの初期厚さを有してもよい。プレートの厚さは、押圧された熱交換器プレート全体を通して適切に均一である。それにより、平らなプレートへの取り付けが、制御された方法で行われてもよい。加えて、チャネルの高さは、押圧された熱交換器プレート全体を通して適切に均一である。しかし、いくつかの実施形態では、チャネルの高さは変化してもよい。平らなプレート201’および押圧された熱交換器プレート201はそれぞれ、2つの対向する側部表面211’、212’および211、212を有する。
【0045】
図3aおよび
図3bは、本開示の一実施形態による押圧された熱交換器プレート201をより詳細に示している。プレート201は、プレートの長手方向(l)と、長手方向に垂直な横方向(t)と、厚さ方向(d)とにおける延在部を有する。
図3aから
図3bに示した押圧された熱交換器プレート201は、長手方向lおよび横方向tに押圧されたプレート201とほぼ同じ外形を有する、平らなプレート201’(
図1bを参照)に取り付けられるように構成されている。モジュール200内の平らなプレート201’および押圧された熱交換器プレート201はそれぞれ、2つの流体ポート110、130を備えた第1の長手端部分101、2つの流体ポート120、140を備えた第2の長手端部分102、および第1および第2の長手端部分101、102の間に配置された中間熱交換部103を備えている。押圧された熱交換器プレート201はさらに、
図1bに示すように、横および長手方向における延在部の平面に延び、プレートの厚さ方向(d)に上部および底部を備えたフィン21を形成する押圧された波形パターンPを備えている。
【0046】
図3a~
図3bに示す実施形態では、押圧されたパターンPは、それぞれの第1および第2の長手端部分101および102内に、流体流れをそれぞれの流体ポート110、140内に案内する第1の流体チャネルパターンFCP1、およびそれぞれの流体ポート130、120をバイパスする第2の流体チャネルパターンFCP2を備えている。このように、押圧された熱交換器プレートは、合計4つのポート、すなわち各長手端部分101および102に2つのポートを備えている。それぞれの長手端部分に、流体が1つのポート110、140に案内されもう一方130、120がバイパスされる、2つの流体ポートを提供することによって、金属プレート内の温度範囲および勾配はより小さくなり、その結果、より低い熱応力およびより良い疲労強度につながる。
図3a~
図3bから分かるように、ポート内への流れは対角に配置される。このように、好ましい流れ分配を提供することが可能であり、それにより、例えば、プレートの熱応力を高温でさらに減少させることができる。しかし、ポートおよび流れパターンは別の方法では、流体が平行に流れるように配置されてもよい。
【0047】
図3a~
図3bに関連して示すように、押圧された熱交換器プレート201は、中間熱交換部103内に、第1の流体チャネルパターンFCP1および第2の流体チャネルパターンFCP2と流体連通して配置された、第3の流体チャネルパターンFCP3を備えている。第3の流体チャネルパターンFCP3は、厚さ方向dにフィン21を形成するように構成された、複数の長手方向に延びる波形の押圧ライン1030を備えている。
【0048】
「押圧ライン」は、本開示では、熱交換器プレートに押圧された別個の細長く狭いリッジ、ビームまたはトラックを意味し、それにより、押圧ラインは長手、横および厚さ方向おける延在部を有し、長手方向における延在部は横および厚さ方向における延在部より長い。「波形の」は、正弦曲線に似た形状を意味する。振幅および波長は、1つの押圧ラインに沿って同じであってもよい、または1つの押圧ライン内で変化してもよい。押圧ラインは適切には、全ての方向(長手、横および深さ)に湾曲縁部を有し、したがって、鋭い縁部を有していないが、鋭い縁部はいくつかの実施形態で生じてもよい。
【0049】
押圧された波形のライン1030によって形成されるフィン21はその後、
図1bに示すように、押圧された熱交換器プレート201が平らなプレート201’に取り付けられた場合に、熱交換器プレートの長手方向(l)に別個の流体チャネル31を形成する。第3の流体チャネルパターンFCP3は、プレート201の中間部103に熱交換表面の主な部分を形成する。押圧ライン1030の波形は、長手方向lおよび横方向tの平面で主に延びている。厚さ方向dでは、波形の押圧ラインの高さ、したがって、形成された別個のチャネル31は、第3の流体チャネルパターンFCP3の全長を通してほぼ同じ延在部を有する。このように、モジュール200内で押圧されたプレート201への平らなプレート201’の取り付けを、流体密閉状態で行うことができる。加えて、熱交換器の最終外形は、全ての方向で一貫している。平らなプレート201’は、第3の流体チャネルパターンFCP3全体の延在部に沿って押圧された熱交換器プレート201に取り付けられてもよく、それにより、別個のチャネルが形成され、別個のチャネル間の漏洩のリスクが最小限に抑えられる。
【0050】
図4a~
図4bには、本開示による押圧された熱交換器プレート201の別の実施形態が示されている。各モジュール200のそれぞれの押圧されたプレート201および平らなプレート201’内の4つのポートの代わりに、2つのポートのみがあり、プレートのそれぞれの端部分101、102に1つある。加えて、
図4a~
図4bに示すように、各プレートは、第1および第2の端部分101、102の両方に第1の流体チャネルパターンFCP1または第2の流体チャネルパターンFCP2のいずれかを有してもよい。しかし、変形形態では、各プレートは、第1の端部分に第1の流体チャネルパターンFCP1、および第2の端部分に第2の流体チャネルパターンFCP2を有してもよい。
【0051】
図4aでは、ポート110、120をバイパスすることによって、それぞれの端部分101、102に第2の流体チャネルパターンFCP2を有するタイプの押圧された熱交換器プレート201が示されている。
図4bでは、ポート110、120内に流れを案内するそれぞれの端部分101、102に第1の流体チャネルパターンFCP1を有するタイプの押圧された熱交換器プレート201が示されている。ポート110、120をバイパスする流れは、本実施例では、熱く(H)、ポート110、120を通して案内される流れは本実施例では冷たい(C)。
【0052】
図5は、
図4a~
図4bの熱交換器プレートモジュールを使用することができるが、1つの大きな一体型熱交換器プレート内に押圧される熱交換器の一実施形態を示し、
図6a~
図6bはそれぞれの一体型の幅広いプレート内の流体流れを示している。
【0053】
図4aを参照すると、本開示の2ポート実施形態による押圧された熱交換器プレート201の第1のタイプが、より詳細に示されている。各プレート201は、プレートの長手方向(l)と、長手方向に垂直な横方向(t)と、厚さ方向(d)とにおける延在部を有する。
図4aに示す実施形態では、押圧されたパターンPは、それぞれ第1および第2の長手端部分101、102内に、それぞれの流体ポート110、120をバイパスする第2の流体チャネルパターンFCP2を備えている。
図4bに示す実施形態では、押圧されたパターンPは、それぞれ第1および第2の長手端部分101および102内に、それぞれの流体ポート110、120内に流体を案内する第1の流体チャネルパターンFCP1を備えている。さらに、
図4a~
図4bに示す実施形態では、押圧された熱交換器プレート201は、中間熱交換部103内に、
図4aに示したプレートの第1の流体チャネルパターンFCP1、または
図4bに示したプレートの第2の流体チャネルパターンFCP2と流体連通して配置された第3の流体チャネルパターンFCP3を備えている。
【0054】
図3a~
図3dに示す実施形態に関連するのと同じ方法で、
図4a~
図4bの実施形態の第3の流体チャネルパターンFCP3は、押圧された熱交換器プレートが
図1bに示すように平らなプレートに取り付けられている場合に、熱交換器プレートの長手方向(l)に別個の流体チャネルをその後に形成するフィンを形成するように構成された複数の長手方向に延びる波形の押圧ライン1030を備えている。第3の流体チャネルパターンFCP3は、プレート201の熱交換表面の主な部分を形成する。波形は主に、長手方向lおよび横方向tの平面に延びている。厚さ方向dにおける波形の押圧ラインの高さは、第3の流体チャネルパターンFCP3全体を通してほぼ同じ広がりを有する。このように、平らなプレート201’の取り付けは、流体密閉状態で、熱交換器の最終外形が一貫しているように行うことができる。
【0055】
本開示の押圧されたプレートの変更形態全てでは、第1の流体チャネルパターンFCP1および/または第2の流体チャネルパターンFCP2は、
図3a~
図3bおよび
図4a~
図4bに示されるように、それぞれ第1および/または第2の流体チャネルパターンFCP1およびFCP2と第3の流体チャネルパターンFCP3の間で、それぞれ遮断部分151および152を使用することによって、第3の流体チャネルパターンFCP3と非連続パターンを形成してもよい。遮断部分151および152を使用することによって、端部分101、102内とは異なる数の流体チャネルを、中間部103内で使用することができる単純な構成を提供することが可能である。変更形態によると、それぞれ第1の流体チャネルパターンFCP1および第2の流体チャネルパターンFCP2によって形成される流体チャネルの数は、第3の流体チャネルパターンFCP3によって形成される別個の流れチャネルの量より少ない。このように、一般的により少ない熱交換器プレートを提供し、したがって、流体の連続流れを可能にしながら、より小型の熱交換器構造を提供し、加えて、材料費用を抑えることが可能である。
【0056】
平らなプレート201’(
図1bを参照)は、第3の流体チャネルパターンFCP3全体の延在部に沿って押圧された熱交換器プレート201に取り付けられてもよく、それにより、別個のチャネルが形成され、それぞれの熱い流体および冷たい流体の間の漏洩のリスクが最小限に抑えられる。
【0057】
一般的に、第3の流体チャネルパターンFCP3内の波形の押圧ライン1030の量は、10から150、または10から50、または12から20であってもよい。押圧ラインの数は、プレートの横方向tの別個のチャネルの幅に影響を与える。幅はその後、例えば、押圧されたプレートの強度、および流体に対して得られた圧力低下に影響を与える。押圧された波形のラインの数は、プロセス内の流体、圧力および温度を含むプロセスパラメータに適合するようになっていてもよい。さらに、第3の流体チャネルパターンFCP3では、波形の押圧ライン内の全波の数は、プレートのサイズによって変化してもよく、8~100、または8から50、または8から20であってもよい。加えて、第3の流体チャネルパターンFCP3では、波形の押圧ラインは互いに一致してもよく、それにより各別個のチャネル内の均一な流れを提供することができる。
【0058】
加えて、
図4a~
図4bに示す2ポート実施形態によると、押圧された熱交換器プレート201および平らな熱交換器プレート201’は両方とも、長手方向および横方向l、tにほぼ同じ外形を有する。モジュール内の平らなおよび押圧された熱交換器プレートはそれぞれ、流体ポート110を備えた第1の長手端部分101、流体ポート120を備えた第2の長手端部分102、および第1および第2の長手端部分101、102の間に配置された中間熱交換部103を備えていてもよい。押圧された熱交換器プレート201はさらに、
図1bに示すように、プレートの厚さ方向(d)に上部および底部を備えたフィン21を形成する押圧された波形パターンPを備えている。
【0059】
一般的に、押圧された熱交換器プレート201および平らなプレート201’は両方とも、0.25から5.0mm、または0.3から3.0mmの厚さを有してもよい。押圧された熱交換器プレート201の厚さは同じであってもよい、または冷たい側/熱い側で異なっていてもよい。平らなプレート201’の厚さはまた、より厚くてもよい、
図1aおよび
図1bに示された、端部プレート6、7を除いて、同じであることが好ましい。押圧された熱交換器プレート201は、平らなプレート201’と同じ厚さを有してもよい、または最初は同じ厚さを有してもよい。しかし、押圧動作中、押圧されたプレート201の厚さは影響が与えられてもよく、それにより、押圧されたプレート201の最終厚さが平らなプレート201’の厚さより小さくてもよい。いくつかの場合ではまた、押圧されたプレート201は平らなプレート201’より厚いまたは薄い可能性があってもよい。一般的に、押圧されたプレート201および平らなプレート201’の材料は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、タンタル、チタンまたはその合金などのあらゆる適切な一般的に使用されているものでもよいが、これに限定されるものではない。材料は、押圧されたプレート201および平らなプレート201’に対して同じまたは異なっていてもよい。
【0060】
本開示はまた、上に記載したタイプのものであってもよい、複数のスタックされた熱交換器プレートモジュール200を備えたプレート熱交換器1に関する。スタック301では、モジュール200は、
図1bに略図的に示すように、1つおきのプレートとして、押圧された熱交換器プレート201、および別の1つおきのプレートとして、平らなプレート201’を備えている。平らなおよび押圧された熱交換器プレートはそれぞれ、上に説明したように、2つの対向する側部表面と、プレートの長手方向(l)と長手方向に垂直な横方向(t)と厚さ方向(d)とにおける延在部を有する。
【0061】
プレート熱交換器は、上に記載したような構造を有する押圧されたプレート201を備えた熱交換器モジュール200のために構成されてもよい。平らな熱交換器プレート201’および押圧された熱交換器プレート201はそれぞれ、少なくとも1つの流体ポート110を備えた第1の長手端部分101、少なくとも1つの流体ポート120を備えた第2の長手端部分102、および第1および第2の長手端部分の間に配置された中間熱交換部103を備えていてもよい。
【0062】
押圧された熱交換器プレート201はそれぞれ、さらに、厚さ方向dに上に記載されたように、上部Tおよび底部Bを備えた波形パターンを形成する押圧されたパターンPを備えている。押圧されたパターンPは、それぞれの第1および第2の長手端部分101、102内に、少なくとも1つの流体内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターンFCP1、および/または少なくとも1つの流体ポートをバイパスする第2の流体チャネルパターンFCP2を備えている。押圧されたパターンPはさらに、中間熱交換部103内に、第1の流体チャネルパターンFCP1および/または第2の流体チャネルパターンFCP2と流体連通する第3の流体チャネルパターンFCP3を備え、押圧された熱交換器プレート201が平らなプレート201’に取り付けられる場合、押圧された熱交換器プレートの長手方向(l)に別個の流体チャネルを形成するように構成された複数の長手方向に延びる波形の押圧ライン1030を備えている。熱交換器では、第1、第2および第3の流体チャネルパターン(FCP1;FCP2;FCP3)は、スタック301内で平らなプレート201’に向けて押圧された場合に、流体チャネルパターンの長さに沿って接触表面で別個の流体チャネルを形成する。
【0063】
熱交換器は、異なるタイプの流れ方向のために構成されていてもよい。したがって、押圧されたパターンP、特に、押圧熱交換器プレート201内の第1および第2の流体チャネルパターンは、所望の流れ方向に適合するようになっていてもよい。
【0064】
図4aおよび
図4bの押圧された熱交換器プレート201内に示すように、押圧された熱交換器プレート201の1つおきのプレートは、それぞれ第1および第2の長手端部分101;102内に、1つの流体ポート110;120を備えている。
図4aおよび
図4bに最もよく示すように、1つおきのプレートは、第1の流体チャネルパターンFCP1が流体流れを流体ポート110;120(
図4b参照)内に案内するタイプのものであり、押圧された熱交換器プレート201の別の1つおきのプレートは、少なくとも1つの流体ポート110;120をバイパスする第2の流体チャネルパターンFCP2を備えている、
図4a参照。平らなプレート201’は、押圧されたプレート201の間に位置決めされている。このように、プレート熱交換器内では、冷たい流れは、「C」で示された矢印ラインによって図示されたように、「U字流れ」と呼ばれる流れを形成してもよい。冷たい流れCは、上から第1の長手端部分101に入り、流れは中間部103内でチャネルを通して第1の流れパターンFCP1によって案内される。流れは、第2の長手部分102内で第2のポート120を介して押圧されたプレート201から出る。
【0065】
上に記載された熱交換器モジュール200は、熱交換器内でスタック301に配置されている。プレート熱交換器は、プレート熱交換器1内に平行に配置された少なくとも2つのスタック301を備えていてもよい。
図5は、
図1b、
図4aおよび
図4bに示すように、押圧されたプレートの間に押圧された熱交換器プレート201および平らなプレート201’を備えた熱交換器プレートモジュール200の9つの平行熱交換器スタック301を備えた熱交換器の一例を示している。平行スタックは、モジュールの2つの対向する長手側に沿って一緒に9つのモジュールを取り付けることによって得られてもよい。別の方法では、押圧されたプレートは、9つの押圧されたパターンが1つのプレート上で平行に配置される1つの幅広いプレート内にともに一体化されてもよく、各パターンはモジュールの押圧された熱交換器プレートの押圧パターンに対応する。
【0066】
図5に図示した例では、冷たい流れCは「U字流れ」として配置されている。また、
図6aおよび
図6bを参照すると、熱い流れHおよび冷たい流れCはそれぞれ、9つの平行な押圧されたプレートパターンに関連してより詳細に示されている。参照符号が、図面の左手側にのみ追加されているが、参照符号は図面全体に適用される。
図6aに示すように、熱い流体Hは、押圧されたプレート201の中間部103内で第3の流れチャネルパターンFCP3によって形成された別個のチャネルに沿って流れ、一体化された押圧されたプレート2010のそれぞれ第1および第2の端部分101および102内で第2の流れパターンFCP2によって形成されたチャネル内の第1および第2のポート110、120をバイパスする。
図6bに示すように、冷たい流れCは、一体化された押圧されたプレート2010の中間部103内で第3の流れチャネルパターンFCP3によって形成された別個のチャネルに沿って流れ、押圧されたプレート2010のそれぞれ第1および第2の端部分101および102内で第1の流れパターンFCP1によって形成されたチャネル内の第1および第2のポート110、120内に案内される。
【0067】
図7aでは、「Z字流れ」変更形態のために構成された熱交換器1が示され、
図7bでは、熱交換器1が「Z字流れ」のために構成された場合に、1つの押圧された熱交換器プレート201内にどのように熱い流れHおよび冷たい流れCが配置されるかの詳細な図が示されている。
図6aおよび
図6bに示した変更形態と同様に、
図7bの押圧されたプレートは、1つの一体型の幅広いプレート2010内に配置することができ、9つの平行な押圧パターンPが1つのプレート内に配置されている。
【0068】
図7bは、プレートの長手方向中心の上側の押圧されたプレート201および平らなプレート201’の部分切取図である。下側の押圧されたプレート201は、熱い流れHが第1および第2のポート110、120をバイパスすることができるように、それぞれ第1および第2の端部分101、102内に第2の流れチャネルパターンFCP2を備えている。上側の押圧されたプレート201は、それぞれ第1および第2の端部分101、102内に第1の流れチャネルパターンFCP1を備え、それにより冷たい流れはそれぞれ第1および第2のポート110、120内に案内される。冷たい流れは押圧されたプレート201の裏側から第1のポート110内に案内され、それにより、冷たい流体Cが流入する冷たい流体Cと比較して、反対方向に向けて第2のポート120を通して押圧されたプレート201の中間部103内で第3の流れチャネルパターンFCP3によって形成された別個のチャネルに沿って流れることが分かる。これはまた、プレート201、201’の9つの平行スタック301を備えたプレート熱交換器1を示す
図7aから分かり、第1のポート110は例示した図で熱交換器1の前側に配置され、第2のポート120(図示せず)は例示した図で熱交換器の後側に配置されている。
【0069】
図8aでは、「L字流れ」変更形態のために構成された熱交換器1が示され、
図8bでは、「L字流れ」での熱交換器のために構成された押圧されたプレート201の詳細図が示されている。
図8bは、冷たい流体流れCが第2のポート120を介して押圧された熱交換器プレート201に入ることができるように、第2の端部分102内で第1の流れチャネルパターンFCP1を備えた押圧されたプレート201を示している。押圧されたプレート201は、第1の端部分101内に、第2の流れチャネルパターンFCP2を備え、それによって冷たい流れは第1のポート110をバイパスすることができる。冷たい流れCは、熱交換器1の前から第2のポート120内に案内することができることが、
図8aから分かる。冷たい流体Cは、押圧されたプレート201の中間部103内で第3の流れチャネルパターンFCP3によって形成された別個のチャネルに沿って流れ、その後、「L字流れ」内で第1のポート110をバイパスする。これはまた、プレート201、201’の9つの平行スタック301、または9つの平行ポートを有する一体化されたプレート1020のスタックを備えたプレート熱交換器を示す
図8aから分かり、第2のポート120は例示した図では熱交換器1の前側に配置されている。熱い流れHは、同様の方法であるが、熱交換器1内に流れる向流方法で配置されてもよい。熱い流れHはしたがって、第2のポート120を介して熱交換器の背面から熱交換器1に入り、押圧されたプレート201の中間部103内で第3の流れチャネルパターンFCP3に沿って流れてもよく、その後、「L字流れ」で第1のポート110をバイパスする。明らかなように、それぞれの熱い流れおよび冷たい流れは、多くの異なる方法で熱交換器プレートに入るおよびそこから出るように配置されてもよい。
【0070】
図8aの熱交換器と、
図1a、
図1bおよび
図2に示すタイプの熱交換器では、このタイプのプレート熱交換器1内で、それぞれ第1および第2の長手端部分101;102内に、1つまたは2つの流体ポート、および流体ポートの一方内に流体流れを案内する第1の流体チャネルパターンFCP1および/または流体ポートのもう一方をバイパスする第2の流体チャネルパターンFCP2を備えた押圧された熱交換器プレート201の1つおきが、平らなプレートに面する第1の表面で平らなプレート201’に固定され、押圧された熱交換器プレート201の別の1つおきが、平らなプレートに面する第2の対向する表面で平らなプレートに固定されていることに留意されたい。このように、押圧されたプレートは、交互に平らなプレートに取り付けられ、1つの押圧ツールのみが押圧されたプレートを提供するのに必要である。
【0071】
一般的に、プレート熱交換器は、向流エネルギー回収を備えた回収熱交換器であってもよい。回収熱交換器は効率的であり、単位表面積毎の優れた伝熱速度を提供する。
【0072】
熱交換器は、
図2に示すように、内部流体ポート110;120;130;140に加えて、少なくとも1つの外部流体コネクタ8を備えてもよい。流体流れは、「L字流れ」に対して、
図8aおよび
図8bに図示するように構成された熱交換器内で特に有利であってもよい外部コネクタ内で収集されてもよい。
【0073】
本開示のプレート熱交換器は、2つの流体間の熱交換のために構成されてもよく、流体はガスである可能性がある。プレート熱交換器は、高圧用途のために構成されていてもよい。
【0074】
本開示はさらに、以下に記載するような熱交換器プレートモジュールの製造のためのプロセスに関する。プロセスは、
・プレートの長手方向(l)と、長手方向に垂直な横方向(t)と、厚さ方向(d)とにおける延在部と、を有する2つ以上の金属プレートを提供するようにシート金属材料を切断するステップと、
・押圧ツール内で金属プレートの少なくとも1つを押すステップであって、それにより、熱交換器プレートに押圧されたパターンPを提供するように押圧ツールが構成されている、ステップと、
・長手方向および横方向に押圧されたプレートとして対応する外形および寸法を有する平らなプレートを提供するステップと、
・押圧されたプレートおよび平らなプレートを備えた熱交換器プレートモジュールを提供するステップと、
・1つおきのプレートが押圧された熱交換器プレート(201)であり、別の1つおきのプレートが平らなプレート(201’)であるように、熱交換器プレートモジュールのスタックを組み立てるステップと、
・熱交換器モジュールのスタックを備えたプレート熱交換器を提供するようにモジュールを一緒に結合するステップと
を含む。
【0075】
本発明はまた、フレームおよび複数のスタックされた熱交換器プレートモジュールを備えたプレート熱交換器に関する。熱交換器を提供するためのモジュールの結合は、溶融結合、ろう付け、溶接、または拡散溶接によって行うことができる。熱交換器は、代替形態によると、ガスケット付き熱交換器であってもよい。
【0076】
当業者は、本発明は上に記載した例に限定されるものではないことが分かる。当業者はさらに、変更形態、組合せおよび変形形態は添付の特許請求の範囲内で可能であることが分かる。加えて、開示した実施形態に対する変更は、図面、開示および添付の特許請求の範囲の研究から、請求する発明を行う際に当業者によって理解および行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
1 プレート熱交換器
6 第1の端部プレート
7 第2の端部プレート
8 コネクタ
10 第1の流体ポート
11 第2の流体ポート
12 第3の流体ポート
13 第4の流体ポート
21 波形の外側輪郭またはフィン
31 流体チャネル
101 第1の長手端部分
102 第2の長手端部分
103 中間熱交換部
110 流体ポート
120 流体ポート
130 流体ポート
140 流体ポート
151 遮断部分
152 遮断部分
200 熱交換器モジュール
201 押圧されたプレート
201’ 平らなプレート
211 側部表面
211’ 側部表面
212 側部表面
212’ 側部表面
301 プレートスタック
1030 波形の押圧ライン
2010 押圧されたプレート
【国際調査報告】