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特表2023-547436耐振動性を向上させたウルトラキャパシタモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】耐振動性を向上させたウルトラキャパシタモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/10 20130101AFI20231102BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20231102BHJP
【FI】
H01G11/10
H01G11/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525561
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 US2021056618
(87)【国際公開番号】W WO2022093798
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/105,400
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】バートリー,シェルビー
(72)【発明者】
【氏名】ケイン,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ホック,ジョセフ・エム
【テーマコード(参考)】
5E078
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AA12
5E078HA05
5E078JA02
5E078JA07
(57)【要約】
ウルトラキャパシタモジュールが開示される。ウルトラキャパシタモジュールは、筐体と、筐体内に収容された複数のウルトラキャパシタであり、複数のウルトラキャパシタのうちの少なくとも1つのウルトラキャパシタが筐体に固定される、複数のウルトラキャパシタとを含む。ウルトラキャパシタモジュールは、ISO 16750-3-2012, Table 12、およびIEC 60068-2-64に従って振動プロファイルにさらされた際に、以下の条件、すなわち、IEC 62391-1, Method 1Aに従って決定された定格キャパシタンス値内のキャパシタンス、IEC 62391-1に従って決定された定格等価直列抵抗値内の等価直列抵抗、IEC 62391-1に従って決定された定格漏洩電流値内の漏洩電流、のうちの1つまたは複数を満たす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容された複数のウルトラキャパシタであり、前記複数のウルトラキャパシタのうちの少なくとも1つのウルトラキャパシタが前記筐体に固定される、複数のウルトラキャパシタと
を含むウルトラキャパシタモジュールであって、
前記ウルトラキャパシタモジュールが、ISO 16750-3-2012, Table 12、およびIEC 60068-2-64に従って振動プロファイルにさらされた際に、以下の条件、すなわち、IEC 62391-1, Method 1Aに従って決定された定格キャパシタンス値内のキャパシタンス、IEC 62391-1に従って決定された定格等価直列抵抗値内の等価直列抵抗、IEC 62391-1に従って決定された定格漏洩電流値内の漏洩電流、定格動作電圧値をもつ動作電圧のうちの1つまたは複数を満たす、ウルトラキャパシタモジュール。
【請求項2】
前記条件のうちの1つまたは複数が、前記ウルトラキャパシタモジュールを2つの異なる方位で前記振動プロファイルにさらした後に満たされる、請求項1に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項3】
前記条件のうちの1つまたは複数が、前記ウルトラキャパシタモジュールを3つの異なる方位で前記振動プロファイルにさらした後に満たされる、請求項1または2に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項4】
前記筐体が、少なくとも1つのインターロック機構を介して互いに接続された上部筐体部材および下部筐体部材を含む、請求項1~3のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項5】
前記筐体が、前記筐体の各側面に沿って少なくとも2つのインターロック機構を介して互いに接続された上部筐体部材および下部筐体部材を含む、請求項4に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項6】
前記上部筐体部材および前記下部筐体部材のうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのウルトラキャパシタが設けられる少なくとも1つの個別の開口を含む、請求項4または5に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項7】
前記上部筐体部材と前記下部筐体部材の両方は、前記少なくとも1つのウルトラキャパシタが設けられる少なくとも1つの個別の開口を含む、請求項4~6のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項8】
前記複数のウルトラキャパシタのうちの前記ウルトラキャパシタの各々が、前記上部筐体部材および前記下部筐体部材のうちの少なくとも1つにおける個別の開口を通して設けられる、請求項4~7のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項9】
前記開口の周囲は、前記ウルトラキャパシタが接着剤に接触するような前記接着剤を含む、請求項4~8のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項10】
前記ウルトラキャパシタが、前記ウルトラキャパシタの対向する端部に外部端子を含む、請求項1~9のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項11】
隣接するウルトラキャパシタが、相互接続部を使用して互いに電気的に接続される、請求項1~10のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項12】
前記相互接続部がウルトラキャパシタにレーザ溶接される、請求項11に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項13】
前記相互接続部が、締結具を受け入れるための孔を含む、請求項11または12に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項14】
接着剤が、前記相互接続部と、前記ウルトラキャパシタの表面との間に設けられる、請求項11~13のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項15】
前記筐体が、前記ウルトラキャパシタモジュールの上面、底面、または両方の上に第1のカバー層を含む、請求項1~14のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項16】
前記第1のカバー層が孔を含み、締結具が、前記第1のカバー層を、隣接するウルトラキャパシタを電気的に接続する相互接続部に接続する、請求項15に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項17】
前記第1のカバー層が、平衡回路を含む回路基盤である、請求項15または16に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項18】
前記第1のカバー層が、締結具を使用して、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材に固定される、請求項15~17のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項19】
接着剤が、前記第1のカバー層と、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材との間に存在するように、前記接着剤が前記第1のカバー層の周囲に沿って設けられる、請求項15~18のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項20】
第2のカバー層が前記第1のカバー層上に設けられる、請求項15~19のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項21】
前記第2のカバー層が少なくとも1つの補強部材を含む、請求項20に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項22】
前記第2のカバー層が、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材とインターロックするためのインターロック機構を含む、請求項20または21に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項23】
前記第2のカバー層が、締結具を使用して、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材に固定される、請求項20~22のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項24】
緩衝部材が、前記ウルトラキャパシタと前記第2のカバー層との間に与えられる、請求項20~23のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項25】
前記筐体の少なくとも2つの側面が、金属から形成された側面筐体部材を含む、請求項1~24のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項26】
請求項1~25のいずれかに記載の前記ウルトラキャパシタモジュールを組み込んだ車両であって、前記車両が、運搬用車両、産業用車両、または軍用車両である、車両。
【請求項27】
請求項1~25のいずれかに記載の前記ウルトラキャパシタモジュールを組み込んだロボット。
【請求項28】
少なくとも1つのインターロック機構を介して互いに接続された上部筐体部材および下部筐体部材を含む筐体と、
前記筐体内に収容された複数のウルトラキャパシタと
を含むウルトラキャパシタモジュールであって、
前記上部筐体部材および前記下部筐体部材のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのウルトラキャパシタが設けられる少なくとも1つの個別の開口を含み、前記少なくとも1つのウルトラキャパシタが、そのような開口の周囲に接触する、ウルトラキャパシタモジュール。
【請求項29】
前記筐体が、前記筐体の各側面に沿って少なくとも2つのインターロック機構を介して互いに接続された上部筐体部材および下部筐体部材を含む、請求項28に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項30】
前記上部筐体部材と前記下部筐体部材の両方は、前記少なくとも1つのウルトラキャパシタが設けられる少なくとも1つの個別の開口を含む、請求項28または29に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項31】
前記複数のウルトラキャパシタのうちの前記ウルトラキャパシタの各々が、前記上部筐体部材および前記下部筐体部材のうちの少なくとも1つにおける個別の開口を通して設けられる、請求項28~30のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項32】
前記開口の周囲は、前記ウルトラキャパシタが接着剤に接触するような前記接着剤を含む、請求項28~31のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項33】
前記ウルトラキャパシタが、前記ウルトラキャパシタの対向する端部に外部端子を含む、請求項28~32のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項34】
隣接するウルトラキャパシタが、相互接続部を使用して互いに電気的に接続される、請求項28~33のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項35】
前記相互接続部がウルトラキャパシタにレーザ溶接される、請求項34に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項36】
前記相互接続部が、締結具を受け入れるための孔を含む、請求項34または35に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項37】
接着剤が、前記相互接続部と、前記ウルトラキャパシタの表面との間に設けられる、請求項34~36のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項38】
前記筐体が、前記ウルトラキャパシタモジュールの上面、底面、または両方の上に第1のカバー層を含む、請求項28~37のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項39】
前記第1のカバー層が孔を含み、締結具が、前記第1のカバー層を、隣接するウルトラキャパシタを電気的に接続する相互接続部に接続する、請求項38に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項40】
前記第1のカバー層が、平衡回路を含む回路基盤である、請求項38または39に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項41】
前記第1のカバー層が、締結具を使用して、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材に固定される、請求項38~40のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項42】
接着剤が、前記第1のカバー層と、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材との間に存在するように、前記接着剤が前記第1のカバー層の周囲に沿って設けられる、請求項38~41のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項43】
第2のカバー層が前記第1のカバー層上に設けられる、請求項38~42のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項44】
前記第2のカバー層が少なくとも1つの補強部材を含む、請求項43に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項45】
前記第2のカバー層が、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材とインターロックするためのインターロック機構を含む、請求項43または44に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項46】
前記第2のカバー層が、締結具を使用して、それぞれの上部筐体部材または下部筐体部材に固定される、請求項43~45のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項47】
緩衝部材が、前記ウルトラキャパシタと前記第2のカバー層との間に与えられる、請求項43~46のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項48】
前記筐体の少なくとも2つの側面が、金属から形成された側面筐体部材を含む、請求項28~47のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項49】
前記ウルトラキャパシタモジュールが、ISO 16750-3-2012, Table 12、およびIEC 60068-2-64に従って振動プロファイルにさらされた際に、以下の条件、すなわち、IEC 62391-1, Method 1Aに従って決定された定格キャパシタンス値内のキャパシタンス、IEC 62391-1に従って決定された定格等価直列抵抗値内の等価直列抵抗、IEC 62391-1に従って決定された定格漏洩電流値内の漏洩電流、定格動作電圧値をもつ動作電圧のうちの1つまたは複数を満たす、請求項28~48のいずれかに記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項50】
前記条件のうちの1つまたは複数が、前記ウルトラキャパシタモジュールを2つの異なる方位で前記振動プロファイルにさらした後に満たされる、請求項49に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項51】
前記条件のうちの1つまたは複数が、前記ウルトラキャパシタモジュールを3つの異なる方位で前記振動プロファイルにさらした後に満たされる、請求項50に記載のウルトラキャパシタモジュール。
【請求項52】
請求項28~51のいずれかに記載の前記ウルトラキャパシタモジュールを組み込んだ車両であって、前記車両が、運搬用車両、産業用車両、または軍用車両である、車両。
【請求項53】
請求項28~51のいずれかに記載の前記ウルトラキャパシタモジュールを組み込んだロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2020年10月26日の出願日を有する米国特許仮出願第63/105,400号の出願利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[002]ウルトラキャパシタモジュール(ultracapacitor module)は、通常、筐体内に囲われる。最終用途に利用される場合、そのようなウルトラキャパシタモジュールは、困難な環境条件にさらされ、それにより、衝撃および/または振動を受けることがある。特定の環境では、そのような衝撃および/または振動は、ウルトラキャパシタモジュールの故障をもたらすことがある。そのような故障は、限定はしないが、機械的故障および/または性能故障であり得る。例えば、衝撃および/または振動は、ウルトラキャパシタモジュールで利用される筐体または他の構成要素の破損、締結具の解除、電気接続などの切断、などをもたらす可能性がある。そのような衝撃および/または振動はまた、ウルトラキャパシタ、および/またはそのようなウルトラキャパシタに関連する回路基盤または平衡回路の性能に害をもたらすことがある。そのような問題に対処するための試みがなされてきたが、依然として不全が残っている。例えば、単に、減衰要素が設けられてもよいが、しかしながら、それは、より長い時間にわたって適応安定性(adequation stability)を提供しない可能性がある。加えて、それは、ウルトラキャパシタモジュールの特定の区域または場所内に挿入することが困難である場合がある。そのような不全のために、ウルトラキャパシタモジュールは、継続的に修理または交換されなければならない。その結果、現在、衝撃および振動の特定の閾値に耐えることができる改善されたウルトラキャパシタモジュールへの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[003]本発明の1つの実施形態によれば、ウルトラキャパシタモジュールが開示される。ウルトラキャパシタモジュールは、筐体と、筐体内に収容された複数のウルトラキャパシタであり、複数のウルトラキャパシタのうちの少なくとも1つのウルトラキャパシタが筐体に固定される、複数のウルトラキャパシタとを含む。ウルトラキャパシタモジュールは、ISO 16750-3-2012, Table 12、およびIEC 60068-2-64に従って振動プロファイルにさらされた際に、以下の条件、すなわち、IEC 62391-1, Method 1Aに従って決定された定格キャパシタンス値内のキャパシタンス、IEC 62391-1に従って決定された定格等価直列抵抗値内の等価直列抵抗、IEC 62391-1に従って決定された定格漏洩電流値内の漏洩電流、定格動作電圧値をもつ動作電圧のうちの1つまたは複数を満たす。
【0004】
[004]本発明の別の実施形態によれば、前記のウルトラキャパシタモジュールを組み込んだ車両が開示される。車両は、運搬用車両、産業用車両、または軍用車両である。
【0005】
[005]本発明の別の実施形態によれば、ウルトラキャパシタモジュールを組み込んだロボットが開示される。
【0006】
[006]本発明の別の実施形態によれば、ウルトラキャパシタモジュールが開示される。ウルトラキャパシタモジュールは、少なくとも1つのインターロック機構を介して互いに接続された上部筐体部材および下部筐体部材を含む筐体と、筐体内に収容された複数のウルトラキャパシタとを含み、上部筐体部材および下部筐体部材のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのウルトラキャパシタが設けられる少なくとも1つの個別の開口を含み、少なくとも1つのウルトラキャパシタは、そのような開口の周囲に接触する。
【0007】
[007]本発明の別の実施形態によれば、前記のウルトラキャパシタモジュールを組み込んだ車両が開示される。車両は、運搬用車両、産業用車両、または軍用車両である。
【0008】
[008]本発明の別の実施形態によれば、前記のウルトラキャパシタモジュールを組み込んだロボットが開示される。
【0009】
[009]本発明の他の特徴および態様が、以下でさらに詳細に説明される。
【0010】
[010]当業者を対象とした、本発明の最良の形態を含む本発明の完全で有効な開示が、添付の図面を参照する本明細書の残りの部分でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[011]ウルトラキャパシタモジュールの筐体の一実施形態を示す図である。
図2】[012]ウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の上面図および底面図である。
図3】[013]ウルトラキャパシタ相互接続部を示すウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の上面図である。
図4】[014]ウルトラキャパシタ上の第1のカバー層を示すウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の上面図である。
図5】[015]ウルトラキャパシタ上の第2のカバー層を示すウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の上面図である。
図6】[016]制御盤を含むウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の上面図である。
図7】[017]ウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の切欠図である。
図8】[018]ウルトラキャパシタモジュールの一実施形態の別の切欠図である。
図9】[019]ウルトラキャパシタのハウジングの一実施形態を示す図である。
図10】[020]ウルトラキャパシタで用いられ得る集電子の一実施形態を示す図である。
図11】[021]ウルトラキャパシタで用いられ得る集電子/炭素質コーティング構成の一実施形態を示す図である。
図12】[022]ウルトラキャパシタで使用され得る電極アセンブリを形成するための一実施形態を示す図である。
図13】[023]ヒートシンクをもつウルトラキャパシタモジュールを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[024]本明細書および図面における参照文字の繰り返しの使用は、本発明の同じまたは類似の特徴または要素を表すように意図されている。
【0013】
[025]本議論は、例示的な実施形態のみの説明であり、本発明のより広い態様を限定することを意図されておらず、そのより広い態様は例示的な構造で具現化されることが当業者によって理解されるべきである。
【0014】
[026]一般的に言えば、本発明は、ウルトラキャパシタモジュールに関する。ウルトラキャパシタモジュールは、複数のウルトラキャパシタと、複数のウルトラキャパシタを収容するための筐体とを含む。複数のウルトラキャパシタの少なくとも1つは、筐体に固定される。本発明者らは、様々な構成要素の取り付けまたは固定の手段、および/または封止を含む、ウルトラキャパシタモジュールが構成される方法が、衝撃または振動による影響を最小限に抑えることができることを発見した。この点に関して、本発明者らは、衝撃または振動を受けたときに構造的完全性および性能を維持することができるウルトラキャパシタモジュールを発見した。
【0015】
[027]例えば、特定の最終用途で利用される場合、ウルトラキャパシタモジュールは、困難な環境条件を受けることがある。特に、ウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタおよびモジュールの安定性、構造的完全性、および/または性能に潜在的に影響を与える可能性がある衝撃および/または振動を受けることがある。しかしながら、本発明者らは、本明細書に開示されるウルトラキャパシタモジュールは、そのような衝撃および/または振動による影響を最小限に抑えることができ、それによって、ウルトラキャパシタモジュールが動作し続けることを可能にすることを発見した。特に、本発明者らは、ウルトラキャパシタモジュールが、ISO16750-3-2012,Table 12、およびIEC60068-2-64に従って指定される振動プロファイルにさらされた際に、1つまたは複数の性能試験に合格することができることを発見した。プロファイルは、57.9m/sの二乗平均平方根加速度と、そのような試験のTable 12に示され、本明細書で提供される周波数およびスペクトル密度値、すなわち、10Hz - 18(m/s/Hz; 20Hz - 36(m/s/Hz; 30Hz - 36(m/s/Hz;180Hz - 1(m/s/Hz; 2000Hz - 1(m/s/Hzとの下で32時間管理される。
【0016】
[028]1つの実施形態では、上記の振動プロファイルにさらされた後、ウルトラキャパシタモジュールは、特定の性能試験を受けることができる。この点に関して、ウルトラキャパシタモジュールは、そのような衝撃および振動を受けた後でさえそのような性能試験の1つまたは複数に合格することができる。これらの性能試験は、ウルトラキャパシタモジュールのキャパシタンス、等価直列抵抗、漏洩電流、動作電圧、および/またはエネルギー貯蔵に基づくことができる。
【0017】
[029]例えば、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタモジュール製品仕様に基づいて評価される最小キャパシタンス値および最大キャパシタンス値を満たすことができる。当技術分野において一般に知られているように、そのようなキャパシタンス値は、ウルトラキャパシタの構成、ウルトラキャパシタの数、ウルトラキャパシタの接続、などのような様々な要因に応じて変化する可能性がある。その結果、そのような最小値および最大値は、ウルトラキャパシタモジュール間で変化する可能性がある。それにもかかわらず、本発明は、振動プロファイルにさらされた後でさえ、ウルトラキャパシタモジュールが、ウルトラキャパシタモジュールの定格キャパシタンス値内のキャパシタンスを示すことを実現する。一例として、ウルトラキャパシタモジュールは、最小キャパシタンスを有することができる。この点に関して、振動プロファイルにさらされた際に、ウルトラキャパシタモジュールは、最小定格値以上のキャパシタンスを示すことができる。一般に、キャパシタンスは、IEC62391-1, Method 1Aに従って決定され得る。
【0018】
[030]同様に、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタモジュール製品仕様で評価される最小等価直列抵抗値および最大等価直列抵抗値を満たすことができる。当技術分野において一般に知られているように、そのような等価直列抵抗値は、ウルトラキャパシタの構成、ウルトラキャパシタの数、ウルトラキャパシタの接続、などのような様々な要因に応じて変化する可能性がある。その結果、そのような最小値および最大値は、ウルトラキャパシタモジュール間で変化する可能性がある。それにもかかわらず、本発明は、振動プロファイルにさらされた後でさえ、ウルトラキャパシタモジュールが、ウルトラキャパシタモジュールの定格等価直列抵抗値内の等価直列抵抗を示すことを実現する。一例として、ウルトラキャパシタモジュールは、最大等価直列抵抗を有することができる。この点に関して、振動プロファイルにさらされた際に、ウルトラキャパシタモジュールは、最小定格値以下の等価直列抵抗を示すことができる。一般に、等価直列抵抗は、IEC62931-1に従って決定され得る。
【0019】
[031]さらに、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタモジュール製品仕様で評価される最小漏洩電流値および最大漏洩電流値を満たすことができる。当技術分野において一般に知られているように、そのような漏洩電流値は、ウルトラキャパシタの構成、ウルトラキャパシタの数、ウルトラキャパシタの接続、などのような様々な要因に応じて変化する可能性がある。その結果、そのような最小値および最大値は、ウルトラキャパシタモジュール間で変化する可能性がある。それにもかかわらず、本発明は、振動プロファイルにさらされた後でさえ、ウルトラキャパシタモジュールが、ウルトラキャパシタモジュールの定格漏洩電流値内の漏洩電流を示すことを実現する。一例として、ウルトラキャパシタモジュールは、最大漏洩電流を有することができる。この点に関して、振動プロファイルにさらされた際に、ウルトラキャパシタモジュールは、最小定格値以下の漏洩電流を示すことができる。一般に、漏洩電流は、IEC62931-1に従って決定され得る。
【0020】
[032]さらに、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタモジュール製品仕様の定格電圧を満たすことができる。当技術分野において一般に知られているように、そのような定格電圧は、ウルトラキャパシタの構成、ウルトラキャパシタの数、ウルトラキャパシタの接続、などのような様々な要因に応じて変化する可能性がある。その結果、そのような定格電圧は、ウルトラキャパシタモジュール間で変化する可能性がある。それにもかかわらず、本発明は、振動プロファイルにさらされた後でさえ、ウルトラキャパシタモジュールが、ウルトラキャパシタモジュールの定格電圧に近い電圧を示すことを実現する。一例として、ウルトラキャパシタモジュールは、特定の定格電圧(例えば、出力電圧)を有することができる。この点に関して、振動プロファイルにさらされた際に、ウルトラキャパシタモジュールは、そのような定格値に近い電圧を示すことができる。近似的に、その値は、定格電圧の5%以内、例えば3%以内、例えば1%以内とすべきである。
【0021】
[033]加えて、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタモジュール製品仕様で評価される最小動作電圧および最大動作電圧を満たすことができる。当技術分野において一般に知られているように、そのような動作電圧値は、ウルトラキャパシタの構成、ウルトラキャパシタの数、ウルトラキャパシタの接続、などのような様々な要因に応じて変化する可能性がある。その結果、そのような最小値および最大値は、ウルトラキャパシタモジュール間で変化する可能性がある。それにもかかわらず、本発明は、振動プロファイルにさらされた後でさえ、ウルトラキャパシタモジュールが、ウルトラキャパシタモジュールの定格動作電圧値内の動作電圧を示すことを実現する。一例として、ウルトラキャパシタモジュールは、動作電圧範囲を有することができる。この点に関して、振動プロファイルにさらされた際に、ウルトラキャパシタモジュールは、定格範囲内の動作電圧を示すことができる。
【0022】
[034]さらに、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、ウルトラキャパシタモジュール製品仕様の定格エネルギー貯蔵を満たすことができる。当技術分野において一般に知られているように、そのような定格エネルギー貯蔵は、ウルトラキャパシタの構成、ウルトラキャパシタの数、ウルトラキャパシタの接続、などのような様々な要因に応じて変化する可能性がある。その結果、そのような定格エネルギー貯蔵は、ウルトラキャパシタモジュール間で変化する可能性がある。それにもかかわらず、本発明は、振動プロファイルにさらされた後でさえ、ウルトラキャパシタモジュールが、ウルトラキャパシタモジュールの定格エネルギー貯蔵内のエネルギー貯蔵を示すことを実現する。
【0023】
[035]加えて、振動プロファイルにさらされた際に、本発明のウルトラキャパシタモジュールは、目視検査を受け、そのような試験に合格することができる。例えば、ウルトラキャパシタモジュールの構造的完全性は、振動に耐えるべきである。この点に関して、ウルトラキャパシタモジュールは破損すべきではなく、明らかな損傷があるべきではない。例えば、振動に起因するいかなる動作不良も破損もあるべきではない。特定の実施形態では、ウルトラキャパシタモジュールを適切に視覚的に検査するために、ウルトラキャパシタモジュールは、例えば、前記の電気試験のいずれかを行って電気性能を決定した後、分解されて、モジュールの機械的完全性を評価され得る。この評価中に、構成要素のいずれかがひび割れていた、材料が摩耗していた、接着結合/封止材が壊れてゆるんでいた、および/または他の機械的な問題が観察される場合、これは、振動試験によるウルトラキャパシタモジュールの故障を示している可能性がある。
【0024】
[036]上述で示されたように、振動プロファイルにさらされた際に、ウルトラキャパシタモジュールは、さらに、上記のように、以下の試験、すなわち、キャパシタンス、等価直列抵抗、漏洩電流、定格電圧、および/または動作電圧のうちの1つまたは複数の試験を満たすことができ得る。この点に関して、ウルトラキャパシタモジュールは、前記の試験のうちの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、例えばすべての5つを満たすことができ得る。
【0025】
[037]そのような試験によって決定されたとき、ウルトラキャパシタモジュールは、性能を維持しながらも破損がないことによって示されるように、安定性および振動堅牢性を示す。1つの実施形態では、そのような試験はまた、ウルトラキャパシタモジュールが2つの異なる方位で試験された場合に合格となり得る。1つの特定の実施形態では、そのような試験は、ウルトラキャパシタモジュールが3つの異なる方位で試験された場合に合格となり得る。さらに、上述で明示したように、振動の完了に際して、ウルトラキャパシタモジュールはまた、上記のように、以下の試験のうちの1つまたは複数の試験を満たすことができ得る。この点に関して、ウルトラキャパシタモジュールは、2つの異なる方位で振動プロファイルにさらされた後でさえ、前記の試験のうちの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、例えばすべての5つを満たすことができ得る。1つの実施形態では、ウルトラキャパシタモジュールは、3つの異なる方位で振動プロファイルにさらされた後でさえ、前記の試験のうちの少なくとも1つ、例えば少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、例えばすべての5つを満たすことができ得る。
【0026】
[038]この点に関して、ウルトラキャパシタモジュール、およびウルトラキャパシタモジュール内の接続、固定、減衰、および/または封止、例えば、筐体に関連するもの(例えば、筐体部材間、カバー層と筐体部材との間、など)、ウルトラキャパシタと筐体との間(例えば、ウルトラキャパシタと筐体部材との間、ウルトラキャパシタとカバー層との間、など)、および/または相互接続部とカバー層との間などは、特に振動負荷に対して機械的に安定しており、それによって、ウルトラキャパシタモジュールの構造的完全性を維持する。
【0027】
[039]加えて、そのような振動堅牢性と、衝撃および振動に起因する影響の最小化とは、広い温度範囲、例えば、-40℃~65℃などにわたって実現され得る。この点に関して、そのような最小化は、-40℃以上、例えば-30℃以上、例えば-20℃以上、例えば-10℃以上、例えば0℃以上、例えば10℃以上、例えば20℃以上、例えば25℃以上、例えば30℃以上の温度で実現され得る。加えて、そのような最小化は、65℃以下、例えば60℃以下、例えば50℃以下例えば40℃以下、例えば30℃以下例えば25℃以下、例えば20℃以下例えば10℃以下、例えば0℃以下の温度で実現され得る。
【0028】
[040]さらに、ウルトラキャパシタモジュールは、振動および衝撃に耐えるように設計され得るが、他の条件にも耐えることが望ましいことがある。例えば、以下で示されるように、構造および封止機構は、ウルトラキャパシタモジュールに入り、それによって、その性能に影響を与えることがある汚染物質の量を減少または最小化させることができる。これらの汚染物質は、塵埃、水蒸気、液体などを含むことがある。したがって、適切なウルトラキャパシタモジュール構成およびそれぞれの封止を提供することによって、他の利益も本発明によって実現され得る。
【0029】
[041]本発明の様々な実施形態が、次に、より詳細に説明されることになる。
【0030】
[042]筐体
[043]図1図8および図13を参照すると、ウルトラキャパシタモジュール200は、複数のウルトラキャパシタ202を収容するための筐体100を含む。特に、筐体100は、上部筐体部材102および下部筐体部材104を含む。筐体部材は、モジュールおよび筐体に構造的完全性を与えることができる当技術分野で知られている任意の材料から製作され得る。この点に関して、1つの実施形態では、筐体部材は、金属から製作され得る。金属は、限定はしないが、銀、銅、金、アルミニウム、モリブデン、亜鉛、リチウム、タングステン、ニッケル、鉄、パラジウム白金、スズ、それらの合金、またはそれらの組合せを含むことができる。合金は、限定はしないが、鋼(例えば、ステンレス鋼)、真鍮、青銅、などを含むことができる。ある実施形態では、アルミニウム、特に陽極酸化アルミニウムなどの金属が利用され得る。別の実施形態では、筐体部材は、ポリマーから製作され得る。例えば、ポリマーは、熱可塑性物質または熱硬化性物質とすることができる。1つの特定の実施形態では、ポリマーは、熱可塑性ポリマーとすることができる。例えば、熱可塑性ポリマーは、限定はしないが、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、など)、ポリアミド(例えば、ナイロン)、スチレン(例えば、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン)、アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンスルフィド、ポリアセタール、などを含むことができる。特に、熱可塑性ポリマーは、成形され得る(例えば、射出成形され得る、吹込成形され得る、などの)ものとすることができる。加えて、熱可塑性ポリマーは、30℃以上、例えば40℃以上、例えば50℃以上、例えば75℃以上、例えば100℃以上、例えば125℃以上、例えば150℃以上、例えば200℃以上の溶融温度を有することができる。この点に関して、熱可塑性ポリマーは、通常、高性能ポリマーであり得る。1つの実施形態では、両方の筐体部材は、同じタイプの材料のから製作され得る。しかしながら、筐体部材はまた、異なるタイプの材料から製作されてもよいことを理解されたい。
【0031】
[044]上部筐体部材102および下部筐体部材104は、機械的インターロック機構などのインターロック機構を使用して互いに接続され得る。理論によって限定されるものではないが、インターロック機構は、筐体およびモジュールの構造的完全性に寄与することができる。さらに、筐体部材は、複数のインターロック機構を含むことができる。例えば、筐体部材は、少なくとも1つ、例えば少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ、例えば少なくとも4つ、例えば少なくとも5つの個別のインターロック機構を含むことができる。しかしながら、筐体部材は、筐体およびモジュールの構造的完全性を支援するためにさらに多くのインターロック機構を含むことができることを理解されたい。
【0032】
[045]1つの例として、インターロック機構は、ピン/受け孔機構(pin/receiving hole mechanism)などの雄/雌インターロック機構を含むことができる。例えば、インターロック機構は、ピン106aおよび受け孔106bを含むことができる。1つの実施形態では、上部筐体部材102はピン106aを含むことができ、一方、下部筐体部材104は受け孔106bを含むことができる。加えて、上部筐体部材102は受け孔106bをさらに含むことができ、一方、下部筐体部材104はピン106aを含むことができる。この点に関して、上部筐体部材および下部筐体部材の各々は、両方とも、それぞれのピン106aおよび受け孔106bを含むことができる。上部筐体部材および下部筐体部材が両方ともそれぞれのピンおよび受け孔を含む場合、それらは、筐体の同じ側に設けられ、互いにオフセットされてもよい。例えば、そのような機構のうちの1つは、筐体の1つの隅に隣接して設けられてもよく、一方、他方の機構は、筐体の同じ側の対向する隅に隣接して設けられてもよい。加えて、筐体の反対側が、同じ構成のインターロック機構をさらに含んでもよい。
【0033】
[046]インターロック機構は、さねはぎ機構(tongue and groove mechanism)を含むことができる。例えば、下部筐体部材104は、舌部106cを含むことができ、一方、上部筐体部材102は、溝部106dを含むことができる。代替として、上部筐体部材102は、舌部106cを含むことができ、一方、下部筐体部材104は、溝部106dを含むことができる。加えて、上部筐体部材および下部筐体部材の各々は、両方とも、それぞれの舌部106cおよび溝部106dを含むことができる。上部筐体部材および下部筐体部材が、両方とも、それぞれのさねはぎ機構を含む場合、それらは、筐体の同じ側に設けられ、互いにオフセットされてもよい。例えば、そのような機構のうちの1つは、筐体の1つの隅に隣接して設けられてもよく、一方、他方の機構は、筐体の同じ側の対向する隅に隣接して設けられてもよい。加えて、筐体の反対側が、同じ構成のインターロック機構をさらに含んでもよい。
【0034】
[047]前記は2つのタイプのインターロック機構を特定しているが、他のタイプのインターロック機構が、さらに、本発明に従って利用されてもよいことを理解されたい。これらは、部材を成形するかまたは作り出す際に生成されるかまたは作り出されるフィーチャなどの一体化フィーチャを含むことができる。例えば、これらは、スナップフック、上記のようなさねはぎ機構などを含むことができる。加えて、他のタイプの締結具は、ねじ付きスタッド、リベットなどの使用を含むことができる。さらに、これらのインターロック機構に加えて、上部筐体部材を下部筐体部材に接着させるために、接着剤が利用されてもよい。接着剤は、筐体部材間の様々な接触点に設けられてもよい。例えば、接着剤は、インターロック部材の1つまたは複数の場所に設けられてもよい。接着剤は、上部筐体部材と下部筐体部材との間の接触点の周囲に沿って設けられてもよい。
【0035】
[048]上部筐体部材102および下部筐体部材104のうちの少なくとも1つは、複数のウルトラキャパシタを受け入れるための個別の開口112、114をさらに含むことができる。例えば、上部筐体部材102および下部筐体部材104のうちの少なくとも1つは、複数のウルトラキャパシタのうちのウルトラキャパシタのための少なくとも1つの個別の開口を含むことができる。しかしながら、ウルトラキャパシタの少なくとも25%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも90%、例えば100%が、各々、筐体部材内の個別の開口を受け取ることができることを理解されたい。
【0036】
[049]1つの実施形態では、上部筐体部材102と下部筐体部材104の両方が、複数のウルトラキャパシタの各々を受け入れるためのそのような開口を含む。この点に関して、少なくとも一方の、好ましくは両方の筐体部材が、ウルトラキャパシタモジュール内に存在するウルトラキャパシタの各々のためのそれぞれの開口を含む。上部筐体部材では、これらの開口112は、筐体部材102の上縁部102aと下縁部102bとの間に設けられ得る。下部筐体部材では、これらの開口114は、下部筐体部材104の上縁部104aと下縁部104bとの間に設けられ得る。
【0037】
[050]そのような開口の直径は、ウルトラキャパシタがそのような開口によって受け取られることを可能にするために、ウルトラキャパシタ、特にウルトラキャパシタのハウジングの直径と同じにすることができる。この点に関して、1つの実施形態では、ウルトラキャパシタは、開口112、114の周囲に接触することができる。しかしながら、そのような開口の直径はまた、ウルトラキャパシタ、特にウルトラキャパシタのハウジングの直径よりもかなり大きくてもよいことを理解されたい。いずれにしても、そのような開口の直径は、ウルトラキャパシタハウジングの直径の110%以下、例えば108%以下、例えば105%以下、例えば103%以下、例えば102%以下、例えば101%以下、例えば100.5%以下、例えば100.1%以下とすることができる。そのような開口の直径は、ウルトラキャパシタハウジングの直径の99%以上、例えば99.5%以上、例えば99.9%以上、例えば100%以上とすることができる。いずれにしても、直径は、そのような開口および筐体部材の周囲と、そのような開口内に配置されたそれぞれのウルトラキャパシタとの接触を可能にするようなものとすることができる。
【0038】
[051]上述で示されたように、ウルトラキャパシタのうちの少なくとも1つは、開口の周囲に接触することができる。ウルトラキャパシタと開口の周囲との間のそのような接触は、ウルトラキャパシタをそれぞれの筐体部材に固定するのを支援することができる。1つの実施形態では、ウルトラキャパシタのうちの2つ以上が、ハウジングの周囲に接触してもよい。例えば、ウルトラキャパシタの少なくとも25%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも90%、例えば100%が、開口の周囲に接触してもよい。この点に関して、1つの実施形態では、そのような周囲は、図1および図2に示されるように、ウルトラキャパシタと、開口およびそれぞれの筐体部材との間の接着または接触を促進するために、材料112a、114aでライニングされてもよい。そのような材料は限定されなくてもよいことを理解されたい。例えば、1つの実施形態では、そのような材料は、ウルトラキャパシタの接触および安定性を促進するための機械的機構であってもよい。例えば、そのような材料は、一般に、当技術分野で知られているようなグリップリングであってもよい。1つの実施形態では、周囲は、接着剤でライニングされてもよい。本発明に従って利用される接着剤は必ずしも限定されない。例えば、接着剤は、柔軟であり、脆くなく、亀裂が入りにくいものとすることができる。加えて、接着剤は、特に劣化または変質の挙動なしに、ウルトラキャパシタの動作の温度範囲に耐えることができ得る。接着剤は、振動があっても良好な表面把持を提供することができるものとすることができる。接着剤は、製造条件において液体から固体に固化させることができるものとすることができる。
【0039】
[052]この点に関して、接着剤は、非反応性接着剤であってもよく、または反応性接着剤であってもよい。接着剤は、乾燥型接着剤、圧感接着剤、接触接着剤、ホットメルト接着剤、嫌気性接着剤、などを含むことができる。接着剤は、一液型接着剤であってもよく、または多液型接着剤(multi-part adhesive)であってもよい。接着剤は、限定はしないが、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリル、レゾソルシノール、エポキシ、エチレンビニルアセテート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、ポリビニルクロライド、ゴムセメント、シリコーン、スチレンアクリルコポリマー、など、またはそれらの混合物に基づくものとすることができる。接着剤は、ある実施形態では、合成接着剤とすることができる。別の実施形態では、接着剤は、動物性接着剤、直物性接着剤、またはそれらの混合物などの天然接着剤とすることができる。
【0040】
[053]1つの実施形態では、周囲は、ゴムまたはゴム様材料でライニングされてもよい。ゴムは、限定はしないが、シリコーン、ポリウレタン、スチレン-ブタジエン、ニトリル、ブチルゴム、エラストマー(例えば、ネオプレン(登録商標)、フルオロエラストマー、など)、天然ゴム(例えば、イソプレン)、エチレンプロピレンジエンモノマー、などとすることができる。いずれにしても、材料は、使用時にウルトラキャパシタおよびウルトラキャパシタモジュールの温度に耐えることができるものであるべきである。理論によって限定されるものではないが、そのような材料は、モジュール内のウルトラキャパシタの安定性を促進するとともに、衝撃および/または振動の減衰を可能にすることもできる。
【0041】
[054]上部筐体部材102および/または下部筐体部材104は、1つまたは複数の装着孔108、110をさらに含むことができる。1つの実施形態では、両方の筐体部材が装着孔を含む。これらの装着孔は、最終用途に関連する表面などの別の表面にウルトラキャパシタモジュールを装着することを可能にすることができる。一般に、装着孔は、設けられるとき、業界標準の装着パターンに従って与えられる。この点に関して、各筐体部材は、少なくとも1つ、例えば少なくとも2つ、例えば少なくとも3つ、例えば少なくとも4つの装着孔を含むことができる。装着孔は、上部筐体部材102の上縁部102aに沿って与えられ得る。装着孔は、下部筐体部材104の下縁部104bに沿って与えられ得る。加えて、装着孔は、それぞれの筐体部材の隅に沿って与えられ得る。装着孔は、ねじまたはボルトなどの締結具を受け入れるための形状および断面のものとすることができる。
【0042】
[055]ウルトラキャパシタは、それぞれの開口内に設けられると、図3に示されるように、相互接続部204(バスバーとも呼ばれる)を使用して接続され得る。図3は、ウルトラキャパシタおよびモジュールの上面における相互接続部204を示しているが、相互接続部は、ウルトラキャパシタおよびモジュールの底面にも存在し得ることを理解されたい。加えて、ウルトラキャパシタは、所望の特定の特性に応じて、直列または並列に互いに電気的に接続され得る。例えば、1つの実施形態では、ウルトラキャパシタは、あるウルトラキャパシタの特定の極性(例えば、正)の端子が、別のウルトラキャパシタの反対の極性(例えば、負)の端子に接続されるように、直列に電気的に接続され得る。代替として、1つの実施形態では、ウルトラキャパシタは、並列に接続され得る。
【0043】
[056]本発明に従って利用される相互接続部および材料のタイプは、必ずしも本発明によって限定されない。例えば、相互接続部204は、様々な材料から形成されてもよい。相互接続部は、導電性である限り、任意の適切なプラスチック、樹脂、金属、などからなることができる。1つの実施形態では、相互接続部は、導電性金属などの導電性材料から形成される。導電性金属は、限定はしないが、銅、スズ、ニッケル、アルミニウム、など、ならびに合金および/または被覆された金属を含むことができる。1つの特定の実施形態では、相互接続部は、アルミニウムから形成される。加えて、1つの実施形態では、相互接続部は、比較的平坦とすることができる。代替として、相互接続部は、表面積が増加したものとすることができる。後者に関して、相互接続部は、突起(projection)/突出(protrusion)を有してもよく、またはさらにワイヤ、編組、コイル、などから形成されてもよい。
【0044】
[057]いずれにしても、ウルトラキャパシタは、ウルトラキャパシタのそれぞれの端子に取り付けるかまたは接続する相互接続部を使用して接続され得る。この点に関して、相互接続部204は、図3に示されるようにウルトラキャパシタの端子232が配置されるボイド206を含む。相互接続部は、端子を囲み、電気接続を可能にする。相互接続部は、ウルトラキャパシタ202の端子232にレーザ溶接などの溶接が行われてもよい。しかしながら、他の手段がまた、相互接続部をウルトラキャパシタの端子に接続するために用いられてもよいことを理解されたい。例えば、端子がねじ構成を有する場合、端子は、相互接続部のボイドを通って突き出ることができ、それによって、ナットを利用して、相互接続部を端子に接続し、構造的完全性を維持することができる。上述に加えて、他の手段がまた、相互接続部をそれぞれの端子に固定するために利用されてもよいことを理解されたい。
【0045】
[058]さらに、図3に示されるように、ウルトラキャパシタモジュールは、最終用途のための外部接続用の外部終端208、210を含むことができる。特に、そのような外部終端は、ウルトラキャパシタの接続における最初および/または最後のウルトラキャパシタに設けられ得る。そのような外部終端は、本明細書に示されるようにカバー層を通して突き出ることができ、それによって、最終用途用の電気接続を可能にする。1つの実施形態では、そのような外部終端は、ウルトラキャパシタの端子から直接延びなくてもよい。代わりに、図3に示されるように、外部終端208、210を含むペデスタル208a、210aが利用されてもよい。ペデスタル208a、210aはまた、それぞれのウルトラキャパシタ端子232に電気的に接続される。特に、ペデスタルは、相互接続部に関して上述で示されたように、ウルトラキャパシタ端子232を受け入れるためのボイドをさらに含むことができる。次いで、外部終端は、図3に示されるように、ウルトラキャパシタの端子に隣接する場所でペデスタルから延びることができる。加えて、ペデスタルの材料と、端子がペデスタルに接続される方法とはまた、相互接続部に関して上記されたものと同じとすることができる。
【0046】
[059]1つの実施形態では、接着剤212aが、相互接続部204と、ウルトラキャパシタ202の表面との間に供給され得る。例えば、接着剤212aは、相互接続部と、ウルトラキャパシタの上面または底面との間に供給され得る。特に、接着剤は、ウルトラキャパシタおよび相互接続部に接触するように、端子の周囲のまわりに供給され得る。ある実施形態では、そのような接着剤はまた、ウルトラキャパシタの端子に接触することができる。別の実施形態では、そのような接着剤は、端子の周囲からオフセットされるように、ウルトラキャパシタの端子に接触しなくてもよい。同様に、1つの実施形態では、接着剤212bは、ペデスタル208a、210aと、ウルトラキャパシタ202の表面との間に供給され得る。例えば、接着剤212bは、ペデスタルと、ウルトラキャパシタの上面との間に供給され得る。相互接続部と同様に、接着剤は、ウルトラキャパシタおよびペデスタルに接触するように、端子の周囲のまわりに供給され得る。ある実施形態では、そのような接着剤はまた、ウルトラキャパシタの端子に接触することができる。別の実施形態では、そのような接着剤は、端子の周囲からオフセットされるように、ウルトラキャパシタの端子に接触しないことがある。理論によって限定されるものではないが、そのような接着剤は、振動の減衰と、ウルトラキャパシタモジュールの構造的完全性の維持とを支援するために利用され得る。
【0047】
[060]1つの実施形態では、相互接続部は、孔206aを含むことができる。同様に、1つの実施形態では、ペデスタル208a、210aは、孔208bをさらに含むことができる。これらの孔206a、208bは、リベット、ねじ、または他のタイプの締結具を受け入れるために設けられ得る。例えば、以下で述べられるように、そのような孔を利用して、カバー層と、相互接続部および/またはペデスタルと、ウルトラキャパシタとの間のさらなる接続を行うことができる。理論によって限定されるものではないが、そのような接続はまた、ウルトラキャパシタモジュールの構造的完全性の維持を支援することができる。
【0048】
[061]筐体部材が複数のウルトラキャパシタを囲うためにインターロックされる場合、筐体部材はウルトラキャパシタを部分的にのみ囲うことがある。例えば、図2に示されるように、ウルトラキャパシタモジュールは、上面160、底面168、2つの側面162、および2つの側面164を含む。この点に関して、上部筐体部材および下部筐体部材は、ウルトラキャパシタモジュールの側面162などの少なくとも2つの側面を囲うのを支援することができる。1つの実施形態では、筐体部材は、ウルトラキャパシタモジュールのすべての4つの側面162、164を囲うことを支援することができる。しかしながら、1つの実施形態では、ウルトラキャパシタモジュールの少なくとも上面160および/または底面168、およびウルトラキャパシタの上面および/または下面は、それぞれ、簡素に筐体部材が存在する場合、露出される場合がある。その結果、第1のカバー層214が、図4に示されるように、ウルトラキャパシタ202の上面を覆うために、上面160上に与えられ得る。そのようなカバー層は、1つまたは複数の締結具234を使用して、所定の場所に固定され得る。例えば、締結具234を利用して、カバー層214をそれぞれの筐体部材に接続することができる。そのようなカバー層214はまた、接着剤216を使用して、それぞれの筐体部材に接着されてもよい。例えば、接着剤は、カバー層の少なくとも一部、例えば全周囲に沿って設けられ得る。理論によって限定されるものではないが、そのような接着剤は、振動の減衰を支援することができ、さらに、汚染物質がモジュールのコンパートメントに入るのを阻止することを支援することができる。加えて、カバー層214は、孔218を通るリベット、ねじ、または他の締結具を使用することによって、それぞれの相互接続部および/またはペデスタルに接続され得る。理論によって限定されるものではないが、機構/固定のそのような組合せは、ウルトラキャパシタモジュールの構造的完全性を維持するのを支援することができる。
【0049】
[062]図4に示されるように、第1のカバー層214は、ウルトラキャパシタの端子232を露出させる孔236を含むことができる。接着剤238がまた、カバー層と端子との間のそのような接触点に設けられてもよい。理論によって限定されるものではないが、そのような接着剤は、振動の減衰を支援することができ、それによって、ウルトラキャパシタモジュールの安定性および構造的完全性をさらに改善することができる。
【0050】
[063]一般に、第1のカバー層214は、絶縁基盤であってもよく、または回路基盤などの電子基盤であってもよい。例えば、回路基盤は、当技術分野で一般に知られているような平衡回路とすることができる。一般に、平衡回路は、能動平衡回路であってもよく、または受動平衡回路であってもよい。例えば、能動平衡回路は、レギュレータなどの能動構成要素を含むことができる。一般に、レギュレータは、入力電圧を基準電圧と比較し、出力を供給するように動作可能な任意のデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、レギュレータは、単一のパッケージ(例えば、集積回路)に設けられたコンパレータおよび/または1つまたは複数のスイッチング要素を含むことができる。一方、受動平衡回路は、抵抗器などの受動構成要素を含むことができる。
【0051】
[064]第1のカバー層214は、ウルトラキャパシタの外部終端208、210を補完するように寸法を合わされた開口をさらに含むことができる。例えば、最終用途のための電気接続を行うために、外部終端は、第1のカバー層214を通って延びることができる。第1のカバー層を固定する手段が上記されているが、第1のカバー層はまた、外部終端のまわりにナットなどの締結具を使用して固定されてもよいことを理解されたい。
【0052】
[065]第1のカバー層214は、図4では、ウルトラキャパシタの上面を覆うようにウルトラキャパシタモジュールの上面に示されているが、第1のカバー層はまた、ウルトラキャパシタの底面を覆うようにウルトラキャパシタモジュールの底部で対向する面上に設けられ得ることを理解されたい。
【0053】
[066]次に、第2のカバー層228が、図5に示されるように、第1のカバー層214上に設けられ得る。そのような第2のカバー層は、ウルトラキャパシタモジュールに追加の保護を提供するために与えられ得る。一例として、第2のカバー層228は、補強部材(strengthening member)224(例えば、補強リブ)を含むことができる。理論によって限定されるものではないが、そのような補強部材は、振動の減衰を支援することができる。図5は、ウルトラキャパシタモジュールの上面上の第1のカバー層214上の第2のカバー層228を示しているが、第2のカバー層はまた、ウルトラキャパシタモジュールの底部で対向する面上の第1のカバー層上に設けられ得ることを理解されたい。
【0054】
[067]追加の減衰を行うために、緩衝部材222が、さらに、ウルトラキャパシタと第2のカバー層228との間に設けられてもよい。例えば、そのような緩衝部材は、1つの実施形態では、図5に示されるように、ウルトラキャパシタ端子に配置されてもよい。代替として、そのような緩衝部材は、第1のカバー層の表面に配置されてもよい。いずれにしても、そのような緩衝部材は、少なくとも第2のカバー層に接触し、減衰効果を与えるように設けられる。そのような緩衝部材は、減衰効果を与えることができる任意の材料とすることができる。例えば、そのような緩衝部材は、本明細書で述べられるようなゴムまたはゴム様材料から製作されてもよい。さらに、緩衝部材の形状および量は本発明によって限定されない。
【0055】
[068]第2のカバー層228は、当技術分野で知られている手段を使用して固定され得る。例えば、第2のカバー層は、インターロック機構226をもつ陥凹リッドを含むことができる。例えば、インターロック機構は、さねはぎ機構とすることができる。特に、第2のカバー層は、それぞれの筐体部材内に設けられた溝の内部に置かれてもよい。加えて、第2のカバー層228はまた、リベット、ねじなどのような1つまたは複数の締結具を使用して第1のカバー層および/または筐体部材に固定されてもよい。理論によって限定されるものではないが、そのようなインターロック機構は、ウルトラキャパシタモジュールを封止することと、汚染物質がモジュールのコンパートメントに入るのを阻止することとを支援することができる。
【0056】
[069]第2のカバー層228は、ウルトラキャパシタの外部終端208、210を補完するように寸法を合わされた開口をさらに含むことができる。例えば、最終用途のための電気接続を行うために、外部終端は、第2のカバー層228を通って延びることができる。第2のカバー層を固定する手段が上記されているが、第2のカバー層はまた、外部終端のまわりにナットなどの締結具を使用して固定されてもよいことを理解されたい。
【0057】
[070]筐体部材が複数のウルトラキャパシタを囲うためにインターロックされる場合、筐体部材は、上述で示されたように、ウルトラキャパシタを部分的にのみ囲うことがある。例えば、図2に示されるように、ウルトラキャパシタモジュールは、上面160、底面168、2つの側面162、および2つの側面164を含む。この点に関して、上部筐体部材および下部筐体部材は、ウルトラキャパシタモジュールの側面162などの少なくとも2つの側面を囲うのを支援することができる。1つの実施形態では、筐体部材は、ウルトラキャパシタモジュールのすべての4つの側面162、164を囲うことを支援することができる。しかしながら、1つの実施形態では、ウルトラキャパシタモジュールの2つの側面およびウルトラキャパシタの側面のうちのより長い方などの少なくとも2つの側面164は、簡素に筐体部材が存在する場合、露出される場合がある。ウルトラキャパシタおよびモジュールの上面および/または底面を覆うために第1のカバー層を設けたとしても、ウルトラキャパシタの側面が、少なくとも部分的に露出される場合がある。この点に関して、図5に示されるように、上部筐体部材および下部筐体部材に加えて、側面筐体部材220が各側面に設けられてもよい。側面筐体部材は、本明細書に示されるように、上部筐体部材および下部筐体部材と同じ材料から製作されてもよい。1つの実施形態では、側面筐体部材は、アルミニウムなどの金属から製作され得る。さらに、側面筐体部材は、当技術分野で知られている手段を使用して固定され得る。例えば、側面筐体部材は、リベット、ねじなどの締結具を使用して、上部筐体部材および/または下部筐体部材および/またはカバー層に固定されてもよい。そのような側面筐体部材220はまた、接着剤を使用して、それぞれの上部筐体部材および/または下部筐体部材および/またはカバー層に接着されてもよい。例えば、接着剤は、側面筐体部材220の少なくとも一部、例えば全周囲に沿って設けられ得る。理論によって限定されるものではないが、側面筐体部材は、熱エネルギー放散を支援することができる。この点に関して、熱放散をさらに支援するために、そのような側面筐体部材は、熱放散を支援するために表面積を増やす突起または隆起を有することができる。当技術分野で利用される1つの例として、熱放散を支援するために、フィンが側面筐体部材に設けられてもよい。
【0058】
[071]1つの実施形態では、ウルトラキャパシタモジュールは、図6に示されるような制御盤250をさらに含むことができる。制御盤は、ウルトラキャパシタモジュールの動作ならびに最終用途を支援するための電子構成要素を含むことができる。ウルトラキャパシタモジュールは、制御盤250からそれぞれのウルトラキャパシタまで延びるワイヤまたはリボンを供給するためのチャネル255をさらに含むことができる。特に、ワイヤまたはリボンのそのような接続は、ウルトラキャパシタに電気的に接続されるそれぞれの基盤(例えば、第1のカバー層)のためのものであり得る。そのようなワイヤまたはリボンは、設けられるとき、接着剤、またはクランプもしくはクリップなどの機械的締結具を使用して固定されてもよい。同様に、制御盤250は、接着剤、またはリベット、ねじなどの締結具を使用して、ウルトラキャパシタモジュール、特に第2のカバー層に固定され得る。さらに、接着剤または封止材258が、制御盤250と第2のカバー層228との間に設けられてもよい。そのような材料258は、汚染物質がウルトラキャパシタモジュールに入るのを防止することをさらに支援することができる。
【0059】
[072]図7および図8を参照すると、ウルトラキャパシタモジュールの切欠斜視図が示される。図示のように、配線チャネル255が、モジュールの上面から、カバー層と、ウルトラキャパシタと、上部筐体部材および下部筐体部材との間の間隙を通って延びる。図示のように、そのようなチャネルは、少なくとも1つの側面162に隣接して存在する。図示のように、そのようなチャネル255は、制御盤250からそれぞれのウルトラキャパシタまで延びるワイヤまたはリボン256を供給するために利用される。特に、ワイヤまたはリボンのそのような接続は、ウルトラキャパシタに電気的に接続されるそれぞれの基盤(例えば、第1のカバー層)のためのものであり得る。例えば、そのような接続は、それぞれのカバー層214、230、特にそのようなカバー層の縁部上のコネクタ252、254により行われ得る。
【0060】
[073]さらに、ヒートシンク1300が、本明細書に開示され、および図13に示されるように、モジュールとともに利用され得る。理論によって限定されるものではないが、ヒートシンクは、モジュールおよびその中に格納されたウルトラキャパシタからの温度および熱を制御するために利用され得る。例えば、それは、ウルトラキャパシタおよび/または平衡回路によって生成された熱または熱エネルギーの移送を可能にするために利用され得る。
【0061】
[074]ヒートシンクは、熱の効果的な放散を可能にすることができる当技術分野で知られている任意の金属から形成され得る。例えば、金属は、任意の熱伝導性金属とすることができる。特に、金属は、約50W/m・K以上、例えば約100W/m・K、例えば約150W/m・K以上、例えば約200W/m・K、例えば約250W/m・K、例えば約300W/m・K~約600W/m・K以下、例えば約500W/m・K以下、例えば約450W/m・K以下の熱伝導率を有することができる。ヒートシンクは、銀、銅、金、アルミニウム、モリブデン、亜鉛、リチウム、タングステン、ニッケル、鉄、パラジウム白金、スズ、それらの合金、またはそれらの組合せから形成され得る。合金は、限定はしないが、鋼(例えば、ステンレス鋼)、真鍮、青銅、などを含む。アルミニウムは、本発明で使用するのに特に適している。
【0062】
[075]ヒートシンクは、モジュールと一体であってもよい。例えば、ヒートシンクは、モジュールの側壁に装着されてもよい。別の実施形態では、ヒートシンクは、図13に示されるように、外部にあってもよい。例えば、ヒートシンクは、モジュールに取り付けられるかまたは接続されてもよい。そのような実施形態では、ヒートシンクは、当技術分野で知られており、一般的な締結について本明細書に開示される手段または締結具を使用して取り付けまたは接続され得る。さらに、ヒートシンクは、モジュールのハウジングからオフセットされるように配置されてもよい。例えば、図13に示されるように、そのようなオフセットは、空気がヒートシンクの下および上に流れることを可能にすることによって、追加の空気接触を可能にすることができ、それは、モジュールおよび/または平衡回路から環境へのより効果的な熱移送を支援することができる。
【0063】
[076]さらに、ある実施形態では、ヒートシンクは、図13に示されるように、概して平坦な表面を有することができる。別の実施形態では、ヒートシンクは、単なる平坦な表面と比較して増加した表面積を有することができる。例えば、ヒートシンクは、突出またはフィンを有することができる。そのような増加した表面は、平衡回路および/またはモジュールからの熱エネルギーの除去および調整をさらに支援することができる。
【0064】
[077]さらに、図13に示されるように、熱放散構成要素1350が存在してもよい。熱放散構成要素は、制御盤の外面などのモジュールの外面に存在することができる。加えて、平衡回路が熱を得て、熱が熱放散構成要素に移送されるとき、熱放散構成要素からの熱は、次いで、ヒートシンクに移送され得る。例えば、熱放散構成要素は、ヒートシンクに接するように設けられ得る。一般に、ヒートシンクは、熱放散構成要素よりも大きい表面積を有する。そのように表面積が大きいと、平衡から熱をより効果的に放散させることができる。1つの実施形態では、ヒートシンクの表面積は、熱放散構成要素の表面積よりも少なくとも100%、例えば少なくとも500%、例えば少なくとも1000%、例えば少なくとも10000%大きい。
【0065】
[078]しかしながら、熱放散構成要素が配置される方法は限定されない。例えば、熱放散構成要素は、接続、装着、取り付け、などが、熱放散構成要素からの熱/熱エネルギーの移送を可能にする限り、金属を含むヒートシンクに接続、装着、取り付け、などが行われ得る。ある実施形態では、熱放散構成要素は、ヒートシンクに直接配置されてもよい。別の実施形態では、中間材料が、熱放散構成要素とヒートシンクとの間に存在してもよい。そのような実施形態では、中間材料は、本明細書に定義されるような熱伝導性金属とすることができる。
【0066】
[079]一般に、熱放散構成要素は、電子構成要素であり得る。この点に関して、電子構成要素は、電子回路で一般に用いられる任意の個別デバイスであり得る。特に、熱放散構成要素は、能動構成要素であっても受動構成要素であってもよく、または能動構成要素と受動構成要素の両方を含んでもよい。
【0067】
[080]1つの実施形態では、熱放散構成要素は、能動構成要素とすることができる。能動構成要素は、トランジスタとすることができる。特に、トランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタなどの電界効果トランジスタとすることができる。そのようなトランジスタにおいてゲート材料として用いられる誘電体材料は、限定はしないが、ポリシリコン、二酸化ケイ素、などのような当技術分野で用いられる任意のものとすることができる。別の実施形態では、熱放散構成要素は、受動構成要素とすることができる。受動構成要素は、負荷抵抗器などの抵抗器とすることができる。1つの特定の実施形態では、熱放散構成要素は、能動構成要素と受動構成要素の両方を含むことができる。すなわち、熱放散構成要素は、トランジスタおよび抵抗器を含むことができる。
【0068】
[081]一般に、熱放散構成要素は、平衡回路に電気的に接続される。任意の数の熱放散構成要素が、本発明に従って用いられてもよい。例えば、モジュールは少なくとも1つの熱放散構成要素を含み、実施形態によっては少なくとも2つの熱放散構成要素を含む。しかしながら、モジュールはより多くの熱放散構成要素を含んでもよいことを理解されたい。
【0069】
[082]さらに、上述で示されたように、接着剤またはゴム/ゴム様材料が、ウルトラキャパシタモジュールの特定の部分内で利用されてもよい。しかしながら、そのような材料は、そのような接着剤またはゴム/ゴム様材料の代わりにまたはそれに加えて、注封材料または緩衝材料をさらに含んでもよいことを理解されたい。さらに、これらの材料は、上述で明確に言及されていないモジュールの他の区域で利用されてもよい。例えば、これらの材料は、特に強い振動下でのあり得る相対運動により、2つの構成要素または表面が互いに接近する界面で利用されてもよい。理論によって限定されるものではないが、そのような区域に材料を利用すると、移動による曲げまたは滑り接触による摩擦に起因する構成要素の疲労およびフレッティングを防止することができる。これらの材料は、2つの構成要素または表面が互いに接近している界面で利用され得、モジュールの構造的強度/完全性は、そのような材料が利用される場合、強化され得る。理論によって限定されるものではないが、そのような区域に材料を利用すると、構造の剛性を増加させ、および/または曲げによる疲労の変化を減少させることができる。これらの材料はまた、2つの構成要素間の界面に封止表面を設けるために利用されてもよい。理論によって限定されるものではないが、そのような区域に材料を利用すると、塵埃または液体などの汚染物質を中に入れないための封止を設けることができる。この点に関して、上記のように、特定の場所が、これらの材料を利用するために指定されている。しかしながら、明確に言及されていない場合、本発明は、これらの材料が利用され得る他の表面(または界面)をさらに含むことを理解されたい。
【0070】
[083]ウルトラキャパシタ
[084]本明細書に示されるように、本発明は、複数のウルトラキャパシタを含むウルトラキャパシタモジュールに関する。モジュール内で利用されるウルトラキャパシタの数は、必ずしも本発明によって限定されていない。例えば、モジュールは、少なくとも2つ、例えば少なくとも4つ、例えば少なくとも6つ、例えば少なくとも10個、例えば少なくとも14個、例えば少なくとも18個のウルトラキャパシタを含むことができる。
【0071】
[085]さらに、ウルトラキャパシタモジュールの筐体内で利用されるウルトラキャパシタは、必ずしも本発明によって限定されていない。一般に、ウルトラキャパシタは、電極アセンブリおよび電解質が保持および封止されるハウジングを含む。ウルトラキャパシタは、電極アセンブリ内のそれぞれの電極に電気的に接続される端子をさらに含む。例えば、1つの実施形態では、少なくとも1つの外部端子がウルトラキャパシタの上面に設けられ得、一方、第2の外部端子がウルトラキャパシタの底面に設けられ得る。この点に関して、外部端子は、電極アセンブリおよびウルトラキャパシタの対向する端部から延びる。別の実施形態では、両方の外部端子は、ウルトラキャパシタの上面などの同じ表面に設けられ得る。この点に関して、外部端子は、電極アセンブリおよびウルトラキャパシタの同じ側から延びることができる。
【0072】
[086]電極アセンブリ
[087]一般に、ウルトラキャパシタは、第1の電極、第2の電極、およびセパレータを含む電極アセンブリを含む。例えば、第1の電極は、一般に、第1の集電子に電気的に結合された第1の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子(activated carbon particle))を含む第1の電極を含み、第2の電極は、一般に、第2の集電子に電気的に結合された第2の炭素質コーティング(例えば、活性炭粒子)を含む。セパレータが、第1の電極と第2の電極との間にも配置され得る。加えて、ウルトラキャパシタは、第1の電極および第2の電極にそれぞれ電気的に接続される第1の端子および第2の端子を含む。
【0073】
[088]そのようなアセンブリの様々な実施形態が、以下でより詳細に説明される。
【0074】
[089]電極
[090]上述で示されたように、ウルトラキャパシタは、第1の電極および第2の電極を含む電極アセンブリを含む。アセンブリ内で用いられる電極は、通常、集電子を含む。集電子は、同じ材料から形成されてもよく、または異なる材料から形成されてもよい。例えば、1つの実施形態では、各電極の集電子は同じ材料から形成される。いずれにしても、各集電子は、一般に、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銀、パラジウム、など、ならびにそれらの合金などの導電性金属を含む基板から形成される。アルミニウムおよびアルミニウム合金は、本発明で使用するのに特に適している。
【0075】
[091]集電子基板は、フォイル、シート、プレート、メッシュ、などの形態のものでよい。基板はまた、比較的小さい厚さ、例えば約200マイクロメートル以下、例えば約150マイクロメートル以下、例えば約100マイクロメートル以下、例えば約80マイクロメートル以下、例えば約50マイクロメートル以下、例えば約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下を有することができる。基板は、約1マイクロメートル以上、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約10マイクロメートル以上、例えば約20マイクロメートル以上の厚さを有することができる。
【0076】
[092]決して必須ではないが、基板の表面は、処理されてもよい。例えば、1つの実施形態では、表面は、例えば、洗浄、エッチング、ブラスチング、などによって粗化されてもよい。特定の実施形態では、集電子は、基板から外向きに突き出る複数の繊維様ウィスカを含むことができる。理論によって限定されるものではないが、これらのウィスカは、集電子の表面積を効果的に増加させ、さらに、対応する電極への集電子の接着を改善することができると考えられる。これは、第1の電極および/または第2の電極の比較的低い結合剤含有量の使用を可能にすることができ、それは、電荷移動を改善し、界面抵抗を低減し、その結果、非常に低いESR値をもたらすことができる。ウィスカは、一般に、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物を含む材料から形成される。1つの実施形態では、例えば、材料は、炭化アルミニウム(Al)などの導電性金属の炭化物を含むことができる。図10を参照すると、例えば、基板1から外向きに突き出る複数のウィスカ21を含む集電子の1つの実施形態が示される。必要に応じて、ウィスカ21は、オプションとして、基板1内に埋め込まれたシード部分3から突き出ることができる。ウィスカ21と同様に、シード部分3はまた、炭素、および/または炭素と導電性金属の反応生成物、例えば、導電性金属の炭化物(例えば、炭化アルミニウム)などを含む材料から形成されてもよい。さらに、図11は、基板1から外向きに突き出る複数のウィスカ21を、本明細書で説明されるような炭素質コーティング22と組み合わせて有する前記の集電子を含む電極を示す。
【0077】
[093]そのようなウィスカが基板に形成される方法は、所望に応じて変わることができる。1つの実施形態では、例えば、基板の導電性金属を炭化水素化合物と反応させる。そのような炭化水素化合物の例は、例えば、パラフィン炭化水素化合物、例えば、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン、など;オレフィン炭化水素化合物、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、など;アセチレン炭化水素化合物、例えば、アセチレン;ならびに前述のもののいずれかの誘導体または組合せを含むことができる。一般に、炭化水素化合物は反応の間ガス形態であることが望ましい。したがって、加熱されたときにガス形態であるメタン、エタン、およびプロパンなどの炭化水素化合物を用いることが望ましいことがある。必ずしも必須ではないが、炭化水素化合物は、一般に、基板の100重量部に基づいて、約0.1重量部~約50重量部、実施形態によっては、約0.5重量部~約30重量の範囲で用いられる。炭化水素および導電性金属との反応を開始するために、基板は、通常、約300℃以上、実施形態によっては約400℃以上、および実施形態によっては約500℃~約650℃温度である雰囲気中で加熱される。加熱の時間は、選択された正確な温度に依存するが、一般に、約1時間~約100時間の範囲である。雰囲気は、一般に、基板の表面への誘電体膜の形成を最小にするために、比較的少量の酸素を含む。例えば、雰囲気の酸素含有量は、約1体積%以下であり得る。
【0078】
[094]ウルトラキャパシタで使用される電極はまた、集電子の対向側面上にコーティングされる炭素質材料を含む。それは、同じまたは異なるタイプの材料から形成されてもよく、1つまたは多数の層を含んでもよいが、炭素質コーティングの各々は、通常、活性化粒子を含む少なくとも1つの層を含む。特定の実施形態では、例えば、活性炭層は、集電子の上に直接配置されてもよく、オプションとして、炭素質コーティングの唯一の層であってもよい。適切な活性炭粒子の例は、例えば、ヤシ殻系活性炭、石油コークス系活性炭、ピッチ系活性炭、ポリビニリデンクロライド系活性炭、フェノール樹脂系活性炭、ポリアクリロニトリル系活性炭、および石炭、木炭、または他の天然有機源などの天然源からの活性炭を含むことができる。
【0079】
[095]特定の実施形態では、1つまたは複数の充電-放電サイクルを受けた後の特定のタイプの電解質のイオン移動度を改善するのに役立つために、活性炭粒子の特定の態様、例えば、粒径分布、表面積、および細孔径分布などを選択的に制御することが望ましいことがある。例えば、粒子の少なくとも50体積%(D50サイズ)は、約0.01マイクロメートル以上から、例えば約0.1マイクロメートル以上、例えば約0.5マイクロメートル以上、例えば約1マイクロメートル以上~約30マイクロメートル以下、例えば約25マイクロメートル以下、例えば約20マイクロメートル以下、例えば約15マイクロメートル以下、例えば約10マイクロメートル以下の範囲のサイズを有することができる。粒子の少なくとも90体積%(D90サイズ)は、同様に、約2マイクロメートル以上から、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約6マイクロメートル以上~約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下、例えば約20マイクロメートル以下、例えば約15マイクロメートル以下の範囲のサイズを有することができる。BET表面はまた、約900m/g以上、例えば約1000m/g以上、例えば約1100m/g以上、例えば約1200m/g以上~約3000m/g以下、例えば約2500m/g以下、例えば約2000m/g以下、例えば約1800m/g以下、例えば約1500m/g以下の範囲であり得る。
【0080】
[096]活性炭粒子は、特定のサイズおよび表面積を有することに加えて、特定のサイズ分布を有する細孔をさらに含むことができる。例えば、約2ナノメートル未満のサイズの細孔(すなわち「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、例えば約40体積%以下、例えば約30体積%以下、例えば約20体積%以下、例えば約15体積%以下、例えば約10体積%以下、例えば約5体積%以下の細孔体積を提供することができる。約2ナノメートル未満のサイズの細孔(すなわち「ミクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約0体積%以上、例えば約0.1体積%以上、例えば約0.5体積%以上、例えば約1体積%以上の細孔体積を提供することができる。約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間のサイズの細孔(すなわち「メゾ細孔」)の量は、同様に、全細孔体積の約20体積%以上、例えば約25体積%以上、例えば約30体積%以上、例えば約40体積%以上、例えば約50体積%以上であり得る。約2ナノメートルと約50ナノメートルとの間のサイズの細孔(すなわち「メゾ細孔」)の量は、全細孔体積の約90体積%以下、例えば約80体積%以下、例えば約75体積%以下、例えば約65体積%以下、例えば約55体積%以下、例えば約50体積%以下であり得る。最後に、約50ナノメートルより大きいサイズの細孔(すなわち「マクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約1体積%以上、例えば約5体積%以上、例えば約10体積%以上、例えば約15体積%以上であり得る。約50ナノメートルより大きいサイズの細孔(すなわち「マクロ細孔」)の量は、全細孔体積の約50体積%以下、例えば約40体積%以下、例えば約35体積%以下、例えば約30体積%以下、例えば約25体積%以下であり得る。カーボン粒子の全細孔体積は、約0.2cm/g以上から、例えば約0.4cm/g以上、例えば約0.5cm/g以上~約1.5cm/g以下、例えば約1.3cm/g以下、例えば約1.0cm/g以下、例えば約0.8cm/g以下の範囲にあり得る。中央細孔幅は、約8ナノメートル以下、例えば約5ナノメートル以下、例えば約4ナノメートル以下であり得る。中央細孔幅は、約1ナノメートル以上、例えば約2ナノメートル以上であり得る。細孔径および全細孔体積は、窒素吸着を使用して測定され、当技術分野でよく知られているBarrett-Joyner-Halenda(「BJH」)技法によって分析され得る。
【0081】
[097]本発明の1つの特有の態様は、電極が、ウルトラキャパシタ電極で従来用いられているかなりの量の結合剤を含む必要がないことである。すなわち、結合剤は、炭素質コーティングの炭素の100部当たり、約60部以下、例えば約40部以下、例えば約30部以下、例えば約25部以下、例えば約20部以下~約1部以上、例えば約5部以上の量で存在することができる。結合剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、例えば約10重量%以下、例えば約8重量%以下、例えば約5重量%以下、例えば約4重量%以下を構成し得る。結合剤は、炭素質コーティングの全重量の約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%以上、例えば約1重量%以上を構成し得る。
【0082】
[098]それにもかかわらず、使用される場合、様々な適切な結合剤のうちのいずれかが電極に使用され得る。例えば、不水溶性有機結合剤、例えば、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリビニルアセテートホモポリマー、ビニル-アセテートエチレンコポリマー、ビニル-アセテートアクリルコポリマー、エチレン-ビニルクロライドコポリマー、エチレン-ビニルクロライド-ビニルアセテートターポリマー、アクリルポリビニルクロライドポリマー、アクリルポリマー、ニトリルポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレンまたはポリビニリデンフルオライドなどのフルオロポリマー、ポリオレフィン、など、ならびにそれらの混合物が特定の実施形態において用いられ得る。水溶性有機結合剤、例えば、多糖類およびその誘導体などがさらに用いられてもよい。1つの特定の実施形態では、多糖類は、非イオン性セルロースエーテル、例えばアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルセルロースおよびエチルセルロース);ヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、など);アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、およびメチルエチルヒドロキシプロピルセルロース);カルボキシアルキルセルロースエーテル(例えば、カルボキシメチルセルロース);など、ならびに前述のもののいずれかのプロトン化塩、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウムなどであり得る。
【0083】
[099]必要に応じて、他の材料が、さらに、炭素質材料の活性炭層内で用いられてもよい。例えば、特定の実施形態では、導電性促進剤が、導電率をさらに増加させるために用いられてもよい。例示的な導電性促進剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト(天然または人工)、グラファイト、カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノチューブ、金属繊維、グラフェン、など、ならびにそれらの混合物を含むことができる。ある実施形態では、カーボンブラックが特に適している。別の実施形態では、カーボンナノチューブが特に適している。使用される場合、導電性促進剤は、一般に、炭素質コーティングの炭素の100部当たり、約60部以下、例えば約40部以下、例えば約30部以下、例えば約25部以下、例えば約20部以下~約1部以上、例えば約5部以上を構成する。導電性促進剤は、例えば、炭素質コーティングの全重量の約15重量%以下、例えば約10重量%以下、例えば約8重量%以下、例えば約5重量%以下、例えば約4重量%以下を構成し得る。導電性促進剤は、炭素質コーティングの全重量の約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%以上、例えば約1重量%以上を構成し得る。一方では、活性炭粒子は、同様に、一般に、炭素質コーティングの全重量の85重量%以上、例えば約90重量%以上、例えば約95重量%以上、例えば約97重量%以上を構成する。活性炭粒子は、炭素質コーティングの全重量の100重量%未満、例えば約99.5重量%以下、例えば約99重量%以下、例えば約98重量%以下を構成し得る。
【0084】
[0100]炭素質材料が集電子の側面上にコーティングされる特定の方法は、当業者によく知られているように、例えば、印刷(例えば、輪転グラビア)、噴霧、スロットダイコーティング、ドロップコーティング、ディップコーティング、など様々であってもよい。塗布される方法にかかわらず、結果として得られる電極は、一般に、コーティングから水分を取り除くために、例えば、約100℃以上、実施形態によっては約200℃以上、および実施形態によっては約300℃~約500℃の温度で乾燥される。電極はまた、ウルトラキャパシタの体積効率を最適化するために圧縮され(例えば、カレンダー加工され)得る。オプションの圧縮の後、各炭素質コーティングの厚さは、通常、ウルトラキャパシタの所望の電気性能および動作範囲に基づいて変わってもよい。しかしながら、一般に、コーティングの厚さは、約20~約200マイクロメートル、30~約150マイクロメートル、実施形態によっては約40~約100マイクロメートルである。コーティングは、集電子の片側または両側に存在することができる。いずれにしても、全体的な電極の厚さ(オプションの圧縮の後の集電子および炭素質コーティングを含む)は、一般に、約20~約350マイクロメートル、実施形態によっては約30~約300マイクロメートル、および実施形態によっては約50~約250マイクロメートルの範囲内にある。
【0085】
[0101]セパレータ
[0102]上述で示されたように、電極アセンブリは、第1の電極と第2の電極との間に配置されたセパレータを含むことができる。セパレータは、ある電極を別の電極から電気的に分離することを可能にして、電気的短絡を防止するのに役立ち、しかし、依然として、2つの電極間のイオンの輸送を可能にすることができる。特定の実施形態では、例えば、セルロース繊維材料(例えば、エアレイドペーパーウェブ、ウェットレイドペーパーウェブ、など)、不織布繊維材料(例えば、ポリオレフィン不織布ウェブ)、織物、フィルム(例えば、ポリオレフィンフィルム)、などを含むセパレータが用いられ得る。天然繊維、合成繊維、などを含むものなどのセルロース繊維材料は、ウルトラキャパシタで使用するのに特に適している。セパレータで使用するための好適なセルロース系繊維の具体的な例は、例えば、広葉樹パルプ繊維、針葉樹パルプ繊維、レーヨン繊維、再生セルロース繊維、などを含むことができる。
【0086】
[0103]用いられる特定の材料にかかわらず、セパレータは、一般に、約150マイクロメートル以下、例えば約100マイクロメートル以下、例えば約80マイクロメートル以下、例えば約50マイクロメートル以下、例えば約40マイクロメートル以下、例えば約30マイクロメートル以下の厚さを有する。セパレータは、約1マイクロメートル以上、例えば約5マイクロメートル以上、例えば約10マイクロメートル以上、例えば約20マイクロメートル以上の厚さを有することができる。
【0087】
[0104]非水電解質
[0105]加えて、ウルトラキャパシタは、ハウジング内で用いられる電解質をさらに含むことができる。電解質は、通常、本質的に非水性であり、したがって、少なくとも1つの非水溶媒を含む。ウルトラキャパシタの動作温度範囲を広げるのに役立つために、一般に、非水溶媒は、約150℃以上、実施形態によっては約200℃以上、および実施形態によっては約200℃~約300℃などの比較的高い沸点を有することが望ましい。特に好適な高沸点溶媒は、例えば、環状カーボネート溶媒、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、などを含むことができる。プロピレンカーボネートは、高い電気伝導度および分解電圧、ならびに広い範囲の温度にわたって使用され得ることのために特に適している。当然、他の非水溶媒がまた、単独でまたは環状カーボネート溶媒と組み合わせて用いられてもよい。そのような溶媒の例は、例えば、開鎖カーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、など)、脂肪族モノカルボキシレート(例えば、メチルアセテート、メチルプロピオネート、など)、ラクトン溶媒(例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン、など)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、など)、アミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン)、アルカン(例えば、ニトロメタン、ニトロエタン、など)、イオウ化合物(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド、など)、などを含むことができる。
【0088】
[0106]電解質は、非水溶媒に溶解され得る少なくとも1つのイオン性液体をさらに含む。イオン性液体の濃度は多様であり得るが、一般に、イオン性液体は比較的高い濃度で存在することが望ましい。例えば、イオン性液体は、電解質の約0.8モル/リットル(M)以上、実施形態によっては約1.0M以上、例えば約1.2M以上、例えば約1.3M以上、例えば約1.5M以上の量で存在することができる。イオン性液体は、約2.0M以下、例えば約1.8M以下、例えば約1.5M以下、例えば約1.4M以下、例えば約1.3M以下の量で存在することができる。
【0089】
[0107]イオン性液体は、通常、約400℃以下、実施形態によっては約350℃以下、実施形態によっては約1℃~約100℃、および実施形態によっては約5℃~約50℃などの比較的低い溶融温度を有する塩である。塩は、カチオン種および対イオンを含む。カチオン種は、「カチオン中心」として少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、窒素またはリン)を有する化合物を含む。そのようなヘテロ原子化合物の例は、例えば、非置換または置換有機第四級アンモニウム化合物、例えば、アンモニウム(例えば、トリメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、など)、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピラミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、キノリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、2つ以上の環がスピロ原子(例えば、炭素、ヘテロ原子、など)によって一緒に接続されている第四級アンモニウムスピロ化合物、第四級アンモニウム縮合環構造(例えば、キノリニウム、イソキノリニウム、など)、などを含む。1つの特定の実施形態では、例えば、カチオン種はN-スピロ二環式化合物、例えば環式環を有する対称または非対称N-スピロ二環式化合物であってもよい。そのような化合物の1つの例は、以下の構造の
【0090】
【化1】
を有し、ここで、mおよびnは、独立して、3から7の数であり、いくつかの実施形態では4から5である(例えば、ピロリジニウムまたはピペリジニウム)である。
【0091】
[0108]カチオン種に好適な対イオンは、同様に、ハロゲン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨージド、など);サルフェートまたはスルホネート(例えば、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ブチルサルフェート、ヘキシルサルフェート、オクチルサルフェート、ハイドロジェンサルフェート、メタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルスルフェート、トリフルオロメタンスルフォネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルフォネート、ソジウムドデシルエトキシスルフォネート、など);スルホスクシネート;アミド(例えば、ジシアナミド);イミド(例えば、ビス(ペンタフルオロエチル-スルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチル)イミド、など);ボレート(例えば、テトラフルオロボレート、テトラシアノボレート、ビス[オキサラト]ボレート、ビス[サリチラト]ボレート、など);ホスフェートまたはホスフィネート(例えば、ヘキサフルオロホスフェート、ジエチルホスフェート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、トリス(ペンタフルオロエチル)-トリフルオロホスフェート、トリス(ノナフルオロブチル)トリフルオロホスフェート、など);アンチモネート(例えば、ヘキサフルオロアンチモネート);アルミネート(例えば、テトラクロロアルミネート);脂肪酸カルボキシレート(例えば、オレエート、イソステアレート、ペンタデカフルオロオクタノエート、など);シアネート;アセテート;など、ならびに前述のいずれかの組合せを含むことができる。
【0092】
[0109]好適なイオン性液体のいくつかの例は、例えば、スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムテトラフルオロボレートトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートスピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムヨージド、トリエチルメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレートテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、などを含むことができる。
【0093】
[0110]ハウジング
[0111]本発明のウルトラキャパシタは、電極アセンブリおよび電解質が保持されるハウジングを用いる。構成要素がハウジングに挿入される方法は、当技術分野で知られているように多様であり得る。例えば、電極およびセパレータは、電極アセンブリを形成するために、最初に、折り畳まれるか、巻かれるか、またはさもなければ一緒に接触されてもよい。電解質が、オプションとして、アセンブリの電極中に浸漬されてもよい。1つの特定の実施形態では、電極、セパレータ、およびオプションの電解質が、「ゼリーロール」構成を有する電極アセンブリ内に巻かれてもよい。図12を参照すると、例えば、第1の電極1102と、第2の電極1104と、電極1102と電極1104との間に配置されたセパレータ1106とを含むそのようなゼリーロール電極アセンブリ1100の1つの実施形態が示される。この特定の実施形態では、電極アセンブリ1100は、第2の電極1104上に配置された別のセパレータ1108をさらに含む。このようにして、電極の2つのコーティングされた表面の各々は、セパレータによって分離され、それによって、単位体積当たりの表面積およびキャパシタンスを最大化する。決して必須ではないが、電極1102および1104は、この実施形態では、それぞれ、第1のセパレータ1106および第2のセパレータ1108の第1の縁部および第2の縁部を越えて延びるそれぞれの接触縁部を残すようにオフセットされる。とりわけ、これは、電極間の電流の流れによる「短絡」を防止するのに役立つことができる。しかしながら、他の構成も利用され得ることを理解されたい。例えば、別の実施形態では、電極、セパレータ、およびオプションの電解質は、層状構成を有する電極アセンブリとして提供されてもよい。
【0094】
[0112]本明細書に示されるように、構成要素は、ウルトラキャパシタのハウジング内に設けられ、オプションとして、気密に封止され得る。ハウジングの性質は、所望に応じて異なってもよい。特定の実施形態では、例えば、ハウジングは、ウルトラキャパシタの構成要素を囲う容器を含むことができる。例えば、ハウジングは、タンタル、ニオビウム、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金、それらの複合材(例えば、導電性酸化物でコーティングされた金属)、などから形成されたものなどの金属容器(「缶」)を含むことができる。アルミニウムは、本発明で使用するのに特に適している。金属容器は、円筒状、D字形、などの様々な異なる形状のうちのいずれかを有することができる。円筒形状の容器が特に適している。
【0095】
[0113]電極アセンブリは、様々な異なる技法を使用して、円筒状ハウジング内に封止され得る。図9を参照すると、電極アセンブリ2108を含むウルトラキャパシタの1つの実施形態が示されており、電極アセンブリ2108は、上述で論じられように、ゼリーロール構成で一緒に巻かれた層2106を含む。この特定の実施形態では、ウルトラキャパシタは、第1の集電子ディスク(collector disc)2114を含み、第1の集電子ディスク2114は、ディスク形状部分2134、スタッド部分2136、および締結具2138(例えば、ねじ)を含む。集電子ディスク2114は、電極アセンブリの中心に形成された中空コア2160の第1の端部と位置合わせされ、次いで、スタッド部分2136が、コアの開口内に挿入され、その結果、ディスク形状部分2134が、第1の接触縁部2110において電極アセンブリ2108の第1の端部に着座する。リッド2118が、第1の端子柱2116に溶接され(例えば、レーザ溶接され)、例えばねじ付きとすることができるソケットが、締結具2138に結合される。ウルトラキャパシタは、さらに、第2の集電子ディスク2120を含み、第2の集電子ディスク2120は、ディスク形状部分2142、スタッド部分2140、および第2の端子柱2144を含む。第2の集電子ディスク2120は、中空コア2160の第2の端部と位置合わせされ、次いで、スタッド部分2140が、コアの開口内に挿入され、その結果、集電子ディスク部分2142が電極アセンブリ2108の第2の端部に着座する。
【0096】
[0114]その後、金属容器2122(例えば、円筒形状缶)は、電極アセンブリ2108上を滑るように進み、その結果、第2の集電子ディスク2120が、最初に容器2122に入り、第1の絶縁ワッシャ2124を通過し、容器2122の端部の軸方向孔を通過し、次いで、第2の絶縁ワッシャ2126を通過する。第2の集電子ディスク2120は、さらに、平ワッシャ2128およびばねワッシャ2130を通過する。ロックナット2132が、ばねワッシャ2130上で締められ、それが、ばねワッシャ2130を平ワッシャ2128に押し付け、その結果として、平ワッシャ2128が、第2の絶縁ワッシャ2126に押し付けられる。第2の絶縁ワッシャ2126は、金属容器2122の軸方向孔の外周に押し付けられ、第2の集電子ディスク2120がこの圧縮力によって軸方向孔の方に引かれるとき、第1の絶縁ワッシャ2124は、第2の集電子ディスク2120と、容器2122の軸方向孔の内周との間に押し付けられる。第1の絶縁ワッシャ2124上のフランジは、第2の集電子ディスク2120と軸方向孔のリムとの間の電気的接触を阻止する。同時に、リッド2118は、容器2122の開口に引き込まれ、その結果、リッド2118のリムが、容器2122の開口のリップのすぐ内側に着座する。次いで、リッド2118のリムは、容器2122の開口のリップに溶接される。
【0097】
[0115]ロックナット2132が、ばねワッシャ2130に対して締められた後、気密封止が、軸方向孔と、第1の絶縁ワッシャ2124と、第2の絶縁ワッシャ2126と、第2の集電子ディスク2120との間に形成され得る。同様に、容器2122のリップへのリッド2118の溶接、および第1の端子柱2116へのリッド2118の溶接は、別の気密封止を形成することができる。リッド2118の孔2146は、上述の電解質の注入口として機能するように開いたままとすることができる。電解質が缶に入った(すなわち、上述のように真空下で缶に引き込まれた)後、ブッシング2148が、孔2146に挿入され、孔2146の内縁でフランジ2150に着座される。ブッシング2148は、例えば、プラグ2152を受け入れるように作られた中空円筒の形状とすることができる。円筒の形状であるプラグ2152は、ブッシング2148の中心に押し込まれ、それによって、ブッシング2148を孔2146の内部に押し付け、孔2146とブッシング2148とプラグ2152との間に気密封止を形成する。プラグ2152およびブッシング2148は、規定レベルの圧力がウルトラキャパシタ内で到達されたときに外れるように選択され、それによって、過剰圧力安全機構を形成することができる。
【0098】
[0116]上述の実施形態は、通常、ウルトラキャパシタの単一の電極アセンブリの使用に関する。しかしながら、当然、本発明のキャパシタは、2つ以上の電極アセンブリを含むこともできることを理解されたい。例えば、1つのそのような実施形態では、例えば、ウルトラキャパシタは、同じであってもよく異なっていてもよい2つ以上の電極アセンブリのスタックを含むことができる。
【0099】
[0117]特性および用途
[0118]本発明に従って利用されるウルトラキャパシタは、特に高温にさらされたときに優れた電気特性を示すことができる。例えば、ウルトラキャパシタは、23℃の温度、120Hzの周波数、および印加電圧なしで測定されて、約6ファラド/立方センチメートル(「F/cm」)以上、実施形態によっては約8F/cm以上、実施形態によっては約9~約100F/cm、および実施形態によっては約10~約80F/cmのキャパシタンスを示すことができる。ウルトラキャパシタはまた、23℃の温度、1kHzの周波数、および印加電圧なしで決定されて、低い等価直列抵抗(「ESR」)、例えば約150mohm以下、実施形態によっては約125mohm以下、実施形態によっては約0.01~約100mohm、および実施形態によっては約0.05~約70mohmを有することができる。上述で示されたように、結果として得られるウルトラキャパシタは、改善されたキャパシタンスおよびESR値などの多種多様な有益な電気特性を示すことができる。特に、ウルトラキャパシタは、高温にさらされたときでさえ、優れた電気特性を示すことができる。例えば、ウルトラキャパシタは、約80℃以上から、実施形態によっては約100℃~約150℃、および実施形態によっては約105℃~約130℃(例えば、85℃または105℃)の温度を有する雰囲気と接触するように配置され得る。キャパシタンスおよびESR値は、そのような温度において、かなりの期間、例えば約100時間以上、実施形態によっては約300時間~約5000時間、および実施形態によっては約600時間から約4500時間(例えば、168、336、504、672、840、1008、1512、2040、3024、または4032時間)安定のままであり得る。
【0100】
[0119]1つの実施形態では、例えば、1008時間高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)にさらされた後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、最初に高温雰囲気にさらされたときのウルトラキャパシタのキャパシタンス値に対する比は、約0.75以上、実施形態によっては約0.8~1.0、および実施形態によっては約0.85~1.0である。そのような高いキャパシタンス値は、電圧の印加時および/または多湿雰囲気などの様々な極端な条件下でも維持され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および印加電圧にさらされた後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、高温雰囲気にさらされたが電圧を印加される前のときのウルトラキャパシタの初期のキャパシタンス値に対する比は、約0.60以上、実施形態によっては約0.65~1.0、および実施形態によっては約0.7~1.0であり得る。電圧は、例えば、約1ボルト以上、実施形態によっては約1.5ボルト以上、および実施形態によっては約2~約10ボルト(例えば、2.1ボルト)であり得る。1つの実施形態では、例えば、上記の比は、1008時間以上維持され得る。ウルトラキャパシタはまた、高湿レベルにさらされたときに、例えば、約40%以上、実施形態によっては約45%以上、実施形態によっては約50%以上、および実施形態によっては約70%以上(例えば、約85%~100%)の相対湿度を有する雰囲気と接触して配置されたときなどに、上記のキャパシタンス値を維持することができる。相対湿度は、例えば、ASTM E337-02、Method A(2007)に従って決定され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および高湿(例えば、85%)にさらされた後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、高温雰囲気にさらされたが高湿にさらされる前のときのウルトラキャパシタの初期のキャパシタンス値に対する比は、約0.7以上、実施形態によっては約0.75~1.0、および実施形態によっては約0.80~1.0であり得る。1つの実施形態では、例えば、この比は、1008時間以上維持され得る。
【0101】
[0120]ESRはまた、上記されたものなどのかなりの期間そのような温度で安定なままであり得る。1つの実施形態では、例えば、1008時間高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、最初に高温雰囲気にさらされたときのウルトラキャパシタのESRに対する比は、約1.5以下、実施形態によっては約1.2以下、および実施形態によっては約0.2~約1である。特に、そのような低いESR値は、上述のような高電圧の印加時、および/または多湿雰囲気などの様々な極端な条件下でも維持され得る。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および印加電圧にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気にさらされたが電圧を印加される前のときのウルトラキャパシタの初期ESRに対する比は、約1.8以下、実施形態によっては約1.7以下、および実施形態によっては約0.2~約1.6であり得る。1つの実施形態では、例えば、上記の比は、1008時間以上維持され得る。ウルトラキャパシタはまた、高湿レベルにさらされたとき上記のESR値を維持することができる。例えば、高温雰囲気(例えば、85℃または105℃)および高湿(例えば、85%)にさらされた後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気にさらされたが高湿にさらされる前のときのウルトラキャパシタの初期のキャパシタンス値に対する比は、約1.5以下、実施形態によっては約1.4以下、および実施形態によっては約0.2~約1.2であり得る。1つの実施形態では、例えば、この比は、1008時間以上維持され得る。
【0102】
[0121]ウルトラキャパシタおよびそれを含むモジュールは、大量の電荷を貯蔵するために用いられ得る。ウルトラキャパシタモジュールは、一次電源または二次電源として利用され得る。その結果、本開示のウルトラキャパシタモジュールは、様々な用途で用いられ得る。例えば、それは、限定はしないが、風力タービン、ソーラータービン、ソーラーパネル、燃料電池、無停電電源装置を含む様々なエネルギー用途で使用され得る。加えて、それはまた、様々な運搬車両で使用され得る。例えば、これは、限定はしないが、一般運搬用途(例えば、バッテリ推進電気車両、バスを含むハイブリッド電気車両、エンジン始動、パワーおよびブレーキ回復システム、など)、列車および電車(例えば、磁気浮上列車、軌道切換、スタータシステム、など)、および航空宇宙(例えば、ドア用アクチュエータ、脱出用スライド、など)を含むことができる。それはまた、オートメーション(例えば、ロボティクス、など)、車両(例えば、フォークリフト、クレーン、電気カート、など)を含む様々な産業用途を有する。モジュールおよびウルトラキャパシタはまた、軍用車両などの軍用の様々な用途を有することができる。これらの用途は、戦車および潜水艦のモータ起動、フェーズドアレイレーダアンテナ、レーザ電源、無線通信、アビオニクスディスプレイおよび計装、GPSガイダンス、などをさらに含むことができる。
【0103】
試験方法
[0122]等価直列抵抗(ESR):等価直列抵抗は、0.0ボルト、1.1ボルト、または2.1ボルトのDCバイアス(0.5ボルトピークツーピーク正弦波信号)を備えたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して測定され得る。動作周波数は1kHzである。様々な温度および相対湿度レベルが試験され得る。例えば、温度は、23℃、85℃、または105℃とすることができ、相対湿度は、25%または85%とすることができる。
【0104】
[0123]キャパシタンス:キャパシタンスは、0.0ボルト、1.1ボルト、または2.1ボルトのDCバイアス(0.5ボルトピークツーピーク正弦波信号)を備えたKeithley 3330 Precision LCZメータを使用して測定され得る。動作周波数は120Hzである。例えば、温度は、23℃、85℃、または105℃とすることができ、相対湿度は、25%または85%とすることができる。
【0105】
[0124]振動プロファイル:振動は、ISO 16750-3-2012,Table 12、およびIEC 60068-2-64に従って管理される。試験は、57.9m/sの二乗平均平方根加速度と、そのような試験のTable 12に示され、本明細書で提供される周波数およびパワースペクトル密度の値、すなわち、10Hz - 18(m/s/Hz; 20Hz - 36(m/s/Hz; 30Hz - 36(m/s/Hz; 180Hz - 1(m/s/Hz; 2000Hz - 1(m/s/Hzとの下で32時間管理される。
【0106】
[0125]本発明のこれらおよび他の変更および変形は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実践され得る。加えて、様々な実施形態の態様は全体的にまたは部分的に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、前述の説明が、単なる例であり、そのような添付の特許請求の範囲にさらに記載されている本発明を限定するものではないことを認識されよう。
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【国際調査報告】