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特表2023-547444眼科手術をサポートするための撮像ツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】眼科手術をサポートするための撮像ツール
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20231102BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A61F9/007 200C
A61B1/00 715
A61B1/00 731
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526023
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 IB2021059623
(87)【国際公開番号】W WO2022090870
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/106,435
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100165995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 寿人
(72)【発明者】
【氏名】ポール アール.ハレン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA26
4C161DD06
4C161FF45
4C161JJ02
4C161LL02
4C161NN01
4C161PP08
4C161PP09
4C161UU06
(57)【要約】
患者の眼の中に配置し画像捕捉プラットフォームをこれから延長するための極小直径の管状器具を持つ撮像ツール。プラットフォームは、薄膜画像センサなどを器具のルーメン又は内径内に収納するため固有のサイズを持つ。但し、器具の内径には大きすぎるバルクフットプリントを有するマイクロチップパッケージを、隣接するもっとサイズの大きいハンドピース又はハウジングなどツールの別の場所に変位できる。更に、プラットフォームは、これが延長することによって眼の内部に露出するとき拡張できる。したがって、撮像のために増大した面及びピクセル数が与えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼科手術をサポートするための撮像ツールであって、前記ツールが、
手術中に医師が物理的に操作するためのハウジングと、
所与の内径を持ち前記手術中に患者の眼の中まで達するために前記ハウジングから延長する管状器具であって、前記ハウジングが、前記内径より大きいバルクフットプリントを持つマイクロチップを収容する、管状器具と、
前記管状器具内に収容された薄膜画像捕捉プラットフォームであって、前記プラットフォームが前記手術中前記眼の画像捕捉のために前記器具内から延長し、延長すると拡張するように構成される、薄膜画像捕捉プラットフォームと、
を備える、撮像ツール。
【請求項2】
更に、前記器具を介して前記マイクロチップに電子的に結合する前記プラットフォームの薄膜画像センサを備える、請求項1に記載の撮像ツール。
【請求項3】
前記結合が、導電性トレースを持つ薄膜回路によって得られる、請求項2に記載の撮像ツール。
【請求項4】
前記薄膜画像センサが、前記延長及び拡張時に少なくとも約10,000ピクセルの画像データを取得する、請求項2に記載の撮像ツール。
【請求項5】
前記薄膜画像センサが、前記器具からの延長前に前記器具の前記内径内で約5mmを超える長さを占める、請求項2に記載の撮像ツール。
【請求項6】
眼科手術をサポートするための撮像ツールであって、前記ツールが、
前記手術中に医師が物理的に操作するためのハウジングと、
所与の内径を持ち前記手術中に患者の眼の中まで達するために前記ハウジングから延長する管状器具と、
前記ハウジングによって収容され前記所与の内径より大きいバルクフットプリントを有するマイクロチップと、
前記管状器具内に収容された画像捕捉プラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記手術中に前記眼内から画像データを取得して前記マイクロチップへ中継するために前記プラットフォームの前記所与の内径内から延長する、画像捕捉プラットフォームと、
を備える、撮像ツール。
【請求項7】
前記プラットフォームが、約0.05mm未満の厚みであり、支持基材上に薄膜画像センサを備える、請求項6に記載の撮像ツール。
【請求項8】
前記所与の直径が約0.9mm未満である、請求項6に記載の撮像ツール。
【請求項9】
前記プラットフォームが、その面を前記画像データのために前記眼の領域へ露出するために延長時に広がるように作られる、請求項6に記載の撮像ツール。
【請求項10】
前記プラットフォームが、前記所与の直径の中へ前記プラットフォームが引っ込むとき前記器具の境界部に強制的に接触するために傾斜撓み縁を備える、請求項9に記載の撮像ツール。
【請求項11】
眼科手術を実施する方法であって、前記方法が、
患者の眼内に手術用ツールの管状器具を位置付けることであって、前記器具が所与の内径を有する、位置付けることと、
前記器具内から薄膜撮像プラットフォームを延長して、前記眼の内部に前記プラットフォームを露出することと、
前記プラットフォームで前記眼の前記内部の撮像データを取得することと、
前記撮像データを前記プラットフォームから変位した前記ツールの別の場所のマイクロチップパッケージへ中継することであって、前記パッケージが前記所与の内径より大きいバルクフットプリントを持つ、中継することと、
を含む、方法。
【請求項12】
更に、
前記眼の中に照明器具を位置付けること、及び
前記プラットフォームからデジタルライトを放射すること、
の一方によって、前記眼の前記内部へ光を与えることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プラットフォームによって前記画像データを取得することが、更に、前記プラットフォームの上面及び下面の両方から画像データを取得することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
更に、
手術を実施するために前記眼内に手術用ツールを配置することと、
前記手術の実施の助けとして画像を生成するために前記撮像データを処理することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
更に、有線及び無線の一方で、前記画像の処理及び生成のために前記マイクロチップパッケージから非ツール場所へ前記撮像データを転送することを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2020年10月28日に提出された「眼科手術をサポートするための撮像ツール」と題する米国仮特許出願第63/106435号(発明者:Paul R. Hallen)(参照によりその全体がそのまま本明細書に援用される)の優先利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
長年にわたって、眼科手術の分野において多くの劇的進歩があった。但し、特定の処置に関係なく、少数のタイプのツールが全般に採用されている。例えば、眼の一部と直接係合してこれに作用することを任務とする介在的ツールが利用される。このようなツールの一般的な例は、硝子体切除に使用される硝子体切除用プローブである。硝子体切除とは、患者の眼から硝子体液の一部または全部を除去することである。手術が混濁した硝子体液の除去に限定される場合には、硝子体切除が処置の大部分を占める場合がある。しかし、硝子体切除は、黄斑ひだ又はその他の問題の宿主に対処するため、網膜を修復するための手術、白内障手術を伴う場合がある。
【0003】
硝子体液自体は、透明なゲルであり、眼に事前配置されたカニューレを介して挿入された場合には、細長いプローブによって除去できる。具体的には、プローブは、硝子体液の除去のための中央流路を含む。更に、カニューレは、扁平部などの目の前部のオフセット位置に戦略的に配置された構造的に支持的導管を提供する。このようにして、プローブは、患者の水晶体又は角膜への損傷を避けるように眼の中へ案内して挿入できる。
【0004】
当然、硝子体切除又はその他のこの種の介入を成功させるためには、いくつかの付加的ツールが必要とされる場合がある。例えば、硝子体切除の可視化は、照明器具の挿入の助けを受けることができる。硝子体切除用プローブと同様、照明器具は、この場合にもオフセット位置に位置付けられた事前配置の別のカニューレによって案内できる。介入の性質及びターゲットとなる眼の部位によっては、それ以上の助けなしに処置の外部撮像で充分な場合がある。例えば、出血の怖れに対処するために眼の後部へ向けてプローブが向けられる場合、眼の前部を通過して焦点を合わせたカメラが、処置のために眼の後部を充分に撮像できる。
【0005】
残念ながら、撮像という観点から、外科処置は必ずしも眼の後部に向けられない。更に、標準的状況においては、各々眼の前部付近のより安全な切開のオフセット位置から眼の中まで達する介入的ツール及び照明器具を持つ。即ち、可視化して眼の前部付近の領域に直接作用することは難問となる可能性がある。医師へ与えられる視野は、限定的である。
【0006】
限定された視野の問題に対処するために、手術用ミラーを使用して、医師が見ることができる視野を拡大できる。歯列の背後のミラーが無ければ遮蔽された部位が見えるようにするために患者の口内に位置付けられるデンタルミラーと同様に、眼科手術用ミラーを利用できる。例えば、手術用ミラーは、第3のオフセット位置において眼に挿入できる。ミラーの面は、隣接するオフセット位置に及び/又は眼の前部へ向けることができる。このようにして、医師及び眼の前部に面する外部撮像機器には、眼の前部のオフセット位置又は裏面部位の可視化を与えられる。
【0007】
手術用ミラーは、医師の可視化にとって効果的な助けとなり得るが、その品質はまだ限定されている。ミラーは、それ自体は手術を受けている患者の眼の外部に在るカメラにとって眼の部位の間接的反転画像を表す。確かに、直接患者の眼の中へ単純に内視鏡撮像機器を位置付けて、機器を眼のオフセット又は前部位置へ向ける方がもっとずっと理想的であると思われるかも知れない。実際、これは、眼の後部の部位でもあっても、眼の任意の領域を可視化するために望ましいと思われるかも知れない。
【0008】
残念ながら、このような処置に、内視鏡を使用する能力はあまり望ましくない。事前配置カニューレが既にオフセット位置に配置されている。カニューレは、非常に限定されたサイズの切開部に安全に配置される。実際に、照明器具、硝子体切除用プローブ、手術用ミラー及び眼の中まで達するその他の機器は、カニューレを通過して嵌めるために直径約0.70mm(ミリメートル)を超えることはありそうもない。これは、関連付けられる装備のために角度付き内視鏡を収容するには小さすぎる場合がある。
【発明の概要】
【0009】
眼科手術をサポートするための撮像ツールが提供される。ツールは、眼科医による物理的操作のためのハウジングを含む。外径約0.7mm以下の管状器具が、ハウジングの遠位端から延びて、手術中患者の眼の中まで達する。ハウジングは、器具の内径より大きいバルクフットプリントを持つマイクロチップを収容する。但し、薄膜画像捕捉プラットフォームは、環状器具内に収容され、眼の画像捕捉のために器具内からから延長できる。プラットフォームは、更に、器具内からこのように延長するとき拡張するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、薄膜画像捕捉プラットフォームを持つ眼科手術用の撮像ツールの1つの実施形態の斜視図である。
図2A図2Aは、図1のプラットフォームの薄膜撮像シートの側面断面図である。
図2B図2Bは、図1のツールのハウジング内のマイクロチップパッケージの側面断面図である。
図2C図2Cは、図2Aの2-2の拡大側面断面図であり、撮像シートのセンサ層を示す。
図3図3は、図1の撮像ツールを利用されする硝子体切除術中の患者の眼の側面断面図である。
図4A図4Aは、眼科手術のために最大限の撮像を容易にするために完全に延長された図3のツールの薄膜画像捕捉プラットフォームの上面図である。
図4B図4Bは、ツールのニードル器具の中へ後退中の薄膜画像捕捉プラットフォームの上面図である。
図4C図4Cは、眼からツールを引き上げるためにニードル器具の中へ完全に後退させるために充分に畳まれた薄膜画像捕捉プラットフォームの上面図である。
図5図5は、図1及び3に示すように撮像ツールの助けで眼科手術を実施する実施形態を要約するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明において、本開示を理解できるように多数の細部を示す。但し、説明する実施形態は、これらの特定の細部抜きで実施できることが当業者には分かるだろう。更に、具体的に説明する実施形態にそのまま包括される多数の変更又は修正を採用できる。
【0012】
実施形態は、特定のタイプの硝子体切除用プローブ外科処置を参照して説明する。特に、硝子体液出血に対処するために硝子体液を除去する処置を図解する。但し、本明細書において詳述するツール及び技法は、多様な他の方法で採用できる。例えば、本明細書において詳述する硝子体切除用プローブの実施形態は、網膜剥離、黄斑ひだ、黄斑円孔、硝子体浮遊物、糖尿病網膜症又は多様の他の眼の症状に対処するために利用できる。これとは別に、外科処置が直接撮像のために眼の環境の中へ延長可能及び/又は拡張可能な薄膜画像捕捉プラットフォームを持つ撮像ツールの使用の助けを受ける限り、適切な利点を実現できる。
【0013】
図1は、撮像ツール100の1つの実施形態の斜視図である。広義には、ツール100は、図3に示すように眼科手術に合わせて製作できる。但し、具体的には、ツール100は、薄膜画像捕捉プラットフォーム101を含む。図示するように、プラットフォーム101は、管状ニードル機器150の中から延長されている。この器具150は、外径約0.7mm以下とすることができる。したがって、実用的には、延長前に(又は後退時に)、プラットフォーム101は、内径0.7mm未満(おそらく約0.9mmを下回る)の器具150のルーメンの中へ折り畳まれるように構成される。このようにして、延長し拡張したプラットフォーム101のより大きくなったプロフィルは、図3に示すように、手術中、事前配置されたカニューレ315を介して器具150を位置付けすると言う最小限の侵襲性を妨害しない。
【0014】
プラットフォーム101は、ニチノール、生体適合性エラストマ又はその他の適切な基礎支持体の柔軟に拡張可能な基材によって支持できる。但し、最小限に侵襲的な手術に使用するためにツール100全体を固有に利するのは、プラットフォーム101の薄膜画像センサの特徴である。図2も参照すると、薄膜画像センサは、上で示唆し下で更に詳述するように折畳み可能であるだけでなく、図示する実施形態の場合、マイクロチップ撮像組立体240をプラットフォーム101の場所から変位できる。即ち、器具150内に位置付けるためには大きすぎるバルクフットプリントを持つこの種の組立体240を、図3に示すように処置中医師が手で保持するハウジング125内など別の場所に変位できる。
【0015】
更に図2を見ると、従来の内視鏡と異なり、図1のプラットフォーム101に採用されるものなどの薄膜画像センサは、従来のケーブル配線によって又は導電性トレースを持つ薄膜回路によって、マイクロチップ撮像組立体240に電気的に結合できる。それとは別に、薄膜プラットフォーム101を使用することは、より大きいバルクフットプリントの組立体240を近くの実用的場所まで変位することを実用的にする。したがって、アクチュエータ175を使用して、指示する通り器具150内から折畳み可能プラットフォーム101を延長し拡張できる。具体的には、アクチュエータ175及びプラットフォーム101と物理的に連絡している器具150内のマンドレル又は作動ロッドをアクチュエータ175によって前進又は後退して、プラットフォームの位置付けを操作できる。このようにして、延長したプロフィルのプラットフォーム101は、患者の眼350内に位置付けられると可視化のために展開でき、その後ツール100を取り除くために器具150内に後退させることができる(図3)。
【0016】
次に、図2Aは、図1の薄膜画像捕捉プラットフォーム101の側面断面図である。具体的には、プラットフォームの薄膜画像センサシート部分を、最小厚み(t)で示す。即ち、基礎となる基材は描いていない。シートは、厚み(t)が約0.05mm未満であり、上記の基材を加えてもおそらくそのままである。したがって、図4Cに示すように使用前に器具150内に折畳み可能プラットフォーム101を収納する能力は、実用的に保証される。
【0017】
次に、図1に加えて図2Bを参照すると、マイクロチップパッケージ240の側面断面図が示される。パッケージ240は、図2Aのプラットフォーム101からの画像捕捉データを記憶するために充分なメモリを持つチップ208を含む。パッケージ240は、又、従来のカプセル材230、回路板205、及び器具150内に収容するには大きすぎるものになるバルクフットプリント全体に寄与する他の特徴も含むことができる。折畳みプラットフォーム101と異なり、パッケージ240は剛性であり、各々おそらく1mmを超える厚み(T)及び幅(W)を含む。それにも拘らず、ハウジング125の中に収納するために薄膜プラットフォーム101の場所からパッケージ240を離して変位するために充分な利用可能空間がツール100のハウジング125内に在る。従来の配線又はプラットフォーム101から器具150を通過してハウジング125まで走る金属トレースを持つ薄膜回路を使用して、チップ208をプラットフォーム101に電子的に結合できる。
【0018】
図1に加えて図2Bを引き続き見ると、パッケージ240は、画像データ管理に良く適する従来のCMOS(相補的金属酸化膜半導体)パッケージとすることができる。「既製品」パッケージ240が、目的に合わせた形状又はサイズのパッケージ240を特に構成する必要なく、使用に適する場合がある。更に、パッケージ240は、付近のメインフレームにおける画像データ管理及び処理を容易にするために無線データトランスミッタを含むことができる。したがって、ツール100は、医師のための従来の無線機器を含むことができ、画像が生成されて、付近のスクリーンに提示される。
【0019】
図2Cは、図2Aの2-2の拡大側面断面図であり、薄膜プラットフォーム101のセンサ層225、250、275を示す。これは画像捕捉の実施形態を図解するものである。具体的には、Faveonセンサアーキテクチャを採用して、ブルー画像データを捕捉するように作られた第1層225、グリーン画像データを捕捉するように作られた第2層250及びレッド画像データを捕捉するように作られた第3層275を利用する。このスタックは、光210が達して各層ごとに吸収されるときデータを獲得する。図1の完全展開されたプラットフォーム101の総表面積に応じて、実用的には10,000~100,000ピクセルのデータ捕捉を達成できる。当然、Faveonスタックアーキテクチャを採用する必要はない。例えば、非スタックのBayerセンサアーキテクチャが好ましい場合がある。
【0020】
図3は、図1の撮像ツール100を利用する硝子体切除術中の患者の眼350の側面断面図である。図示する手術においては、強膜370においてオフセットに器具類を位置付けする。このようにして、より繊細な角膜390及び水晶体380並びに視神経360及び網膜375などの眼350の後部の中央に位置する繊細な特徴物を避けることができる。具体的には硝子体プローブニードル325は、事前配置されたカニューレ330を介して挿入されて、硝子体液を除去すべき領域310へ向けられる。図示する状況において、領域310は、多少オフセットして眼350の前部により近く、おそらく医師又は外部撮像設備が直接撮像するのを多少困難にする。したがって、別の事前配置されたカニューレ315を介して撮像ツール100を位置付けると、この状況において特に有利である場合がある。照明器具も、下に説明するように可視化を助けるために眼350の別のオフセット位置に事前配置されたカニューレを介して位置付けできる。更に、又はその代わりに、薄膜画像捕捉プラットフォーム101自体の電子機器を介してデジタルライトを直接供給できる。
【0021】
図1に加えて図3を引き続き参照すると、ツール100のアクチュエータ175は、器具150内からプラットフォーム101を延長するために医師が操作できる。図において、プラットフォーム101は、対象領域310へ向けてその表面を露出するために折り畳み形態から広げられている。したがって、領域310の撮像を、より直接的に行うことができる。所定の位置に装備したら、硝子体ニードル325を通じて吸引を加えて、そのポート177を領域310において硝子体液又はその他の物質を吸収するために使用できる。ツール100及びプラットフォーム101によって、このプロセス全体を通じて医師に直接可視化を与えることができる。
【0022】
図4Aは、図3の眼科手術のために最大限の撮像を容易にするために完全延長・拡張形態にある薄膜画像捕捉プラットフォーム101の上面図である。単なる例として、プラットフォーム101の長方形のような広がり面は、約0.16mmより大きくできる。即ち、器具150の内径が上述のように約0.4mmに限定される場合でも、プラットフォーム101は、0.4mmの内径(例えば、Y軸線)に合わせるために一切の重なりなしに広げることができる。当然、プラットフォーム101は広がって、Y軸線に沿ってさらに大きくなることができる。更に、プラットフォーム101の面のX軸線は、この軸線に沿った折り畳みに関して実用上の懸念がない限りこの大きさでもさらに大きくできる。1つの実施形態において、プラットフォーム101のX軸線を、5.0mmより大きくすることができる。それとは別に、内径が約0.4mmの器具150の例の場合、プラットフォーム101の各軸線(X、Y)は少なくとも約0.4mmとすることができ、したがって表面積は少なくとも約0.16mmである。これは、プラットフォーム101として使用される最新技術の薄膜センサで10,000~100,000ピクセルの生成をサポートするのに充分すぎる。
【0023】
図4Bは、ニードル器具150の中に後退中の薄膜画像捕捉プラットフォーム101の上面図である。図4Aも見てみると、プラットフォーム101の撓み縁400が分かる。縁400は、上述のように(図1)マンドレル/作動ロッドを介してアクチュエータ175によって指示される通りに引っ込められるとき器具150の境界部450に当たると撓んで内向きに曲がる又は折り畳まれるように構造的に作ることができる。1つの実施形態において、図に示す傾斜撓み形状に加えて、撓み縁400は、図示するように撓みを促進して、強制的に引っ込めて境界部400と接触させるときプラットフォーム101を傷つけないように、更に丈夫な縁構成を持つ。
【0024】
図4Cは、完全に潰された薄膜画像捕捉プラットフォーム101の上面図である。プラットフォーム101は、完全にニードル器具150の中へ後退させることができる。このように、図1のツール100の全体を、事前配置されたカニューレ315の内径に衝突する懸念なく、図3の眼350から取り出すことができる。
【0025】
図5は、図1及び3に示すように、撮像ツールの助けで眼科手術を実施する1つの実施形態を要約して示す。手術用ツールは515に示すように眼の中に配置される。但し、このツールの位置付け及び使用の助けとして、別のツールの撮像器具も、530で示すように眼の中に位置付けできる。位置付けされたら、薄膜撮像プラットフォームは、器具内から展開して、眼の内部に露出できる(545)。これは、プラットフォームを器具から延長するときプラットフォームを折畳み又は巻き込み形態から拡張することも含むことができる(560)。
【0026】
575に示すように、画像データは、プラットフォームによって取得して、変位した場所にある電子パッケージ(例えば、関連付けられるツールのハンドピース又はハウジング)に中継できる。このパッケージは、器具内に収容するには大きすぎるバルクフットプリントを持つことができる。しかし、変位した場所に在るので、チップセットの複雑な再設計は必要ない。1つの実施形態において、プラットフォームは、画像データを取得するだけでなく、取得した画像データを強化するための光源としても役立つ。更に、別の実施形態において、画像データは、広げられたプラットフォームの両側又は両面から取得できる。それとは別に、590に示すように、データが取得され中継されたら、安全で効果的な手術を促進するために医師にリアルタイム画像を提供するためにデータを処理できる。
【0027】
上で説明する実施形態は、単に間接的反転鏡像に依存せずに、手術中に患者の眼の内部の直接撮像をサポートするツール及び技法を含む。これは、特に、手術部位がこれがなければ視覚的にアクセスが難しいオフセットの周縁場所を含む場合に有利であろう。これらのツール及び技法は、手術後の速やかな治癒を容易にするために切開部及び事前配置された支持カニューレを限定されたサイズに維持できる。更に、画像品質及び/又は管理が犠牲にならない。むしろ、かなり大きい最新のチップ及び関連するパッケージを充分に利用できる。
【0028】
以上の説明のために、いくつかの実施形態を参照した。しかし、開示するが上では詳述しない他の実施形態及び/又は実施形態の特徴を採用できる。更に、これらの実施形態が属する分野の当業者は、説明する構造及び作動方法の更に別の改変および変更を、これらの実施形態の主旨及び範囲から大きく逸脱することなく加えることができることが分かるはずである。更に、以上の説明は、説明され図面に示される正確な構造のみに関すると解釈すべきではなく、その完全で妥当な範囲を持つ以下の請求項と一貫するもの及びこれをサポートするものとして解釈すべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図5
【国際調査報告】