(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】縦型再構成可能電界効果トランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/8234 20060101AFI20231102BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01L27/088 A
H01L29/78 301X
H01L27/088 E
H01L27/088 C
H01L27/088 B
H01L29/78 301J
H01L29/78 301H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526041
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2021125138
(87)【国際公開番号】W WO2022100389
(87)【国際公開日】2022-05-19
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】ヘクマットショアータバリ、バーマン
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
5F048
5F140
【Fターム(参考)】
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5F140BK29
5F140BK30
5F140BK34
5F140BK39
(57)【要約】
縦型再構成可能電界効果トランジスタ(VRFET)は基板および縦型チャネルを有する。縦型チャネルは、縦型チャネルとの下側ショットキー接合を形成する下部シリサイド領域および縦型チャネルとの上側ショットキー接合を形成する上部シリサイド領域と接触している。下部シリサイド領域および上部シリサイド領域はそれぞれデバイスのソース/ドレーン(S/D)を形成している。下側ゲート・スタックは、縦型チャネルを囲繞しており、下側ショットキー接合を包囲する下側オーバーラップを有する。上側ゲート・スタックは、縦型チャネルを囲繞しており、上側ショットキー接合を包囲する上側オーバーラップを有する。下側ゲート・スタックは上側ゲート・スタックから電気的に絶縁されている。下側ゲート・スタックは下側ショットキー接合(S/D)を電気的に制御することができる。上側ゲート・スタックは上側ショットキー接合(S/D)を電気的に制御することができる。下側ショットキー接合(S/D)の制御は上側ショットキー接合(S/D)の制御から独立しておりかつ別個である。上側ゲート・スタックは下側ゲート・スタックの上に積み重ねられており、低減されたデバイス・フットプリントを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)であって、
基板と、
縦型チャネルであって、前記縦型チャネルが、半導体材料から形成されており、前記縦型チャネルが、前記縦型チャネルとの下側ショットキー接合を形成する下部シリサイド領域および前記縦型チャネルとの上側ショットキー接合を形成する上部シリサイド領域と接触しており、前記下部シリサイド領域および前記上部シリサイド領域がそれぞれ、前記再構成可能電界効果トランジスタのソース/ドレーン(S/D)である、前記縦型チャネルと、
前記縦型チャネルを囲繞し、かつ前記下側ショットキー接合を包囲する下側オーバーラップを有する下側ゲート・スタックと、
前記縦型チャネルを囲繞し、かつ前記上側ショットキー接合を包囲する上側オーバーラップを有する上側ゲート・スタックと、
を含み、
前記下側ゲート・スタックが、前記上側ゲート・スタックから電気的に絶縁されている、再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)。
【請求項2】
前記上側ゲート・スタックが、前記下側ゲート・スタックの上に積み重ねられており、前記上側ゲート・スタックと前記下側ゲート・スタックとの間にゲート間スペーサが設けられており、前記ゲート間スペーサが、前記下側ゲート・スタックを前記上側ゲート・スタックから電気的に絶縁する電気的に絶縁性の材料から形成されている、請求項1に記載のRFET。
【請求項3】
前記上側ゲート・スタックが、外部上側電圧に接続されており、前記下側ゲート・スタックが、外部下側電圧に接続されており、前記外部上側電圧が、前記外部下側電圧とは異なる電圧である、請求項1に記載のRFET。
【請求項4】
外部下側電圧が、前記下側ショットキー接合を制御する前記下側ゲート・スタックに印加され、外部上側電圧が、前記上側ショットキー接合を制御する前記上側ゲート・スタックに印加され、前記下側ショットキー接合および前記上側ショットキー接合が、別々にかつ独立して制御される、請求項1に記載のRFET。
【請求項5】
第1のゲート・スタックに印加される外部電圧が、前記縦型チャネルを通る電流を制御する、請求項4に記載のRFET。
【請求項6】
第2のゲート・スタックに印加される外部電圧が、前記RFETがp-FETまたはn-FETの電気的特性を有するかどうかを決定する、請求項5に記載のRFET。
【請求項7】
前記下側オーバーラップが、1ナノメートル(nm)~10nmの間である、請求項1に記載のRFET。
【請求項8】
前記上側オーバーラップが、1ナノメートル(nm)~10nmの間である、請求項1に記載のRFET。
【請求項9】
再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)であって、
半導体基板と、
縦型チャネルであって、前記縦型チャネルが、シリコンから形成されており、前記縦型チャネルが、前記縦型チャネルとの下側ショットキー接合を形成する下部シリサイド領域および前記縦型チャネルとの上側ショットキー接合を形成する上部シリサイド領域と接触しており、前記下部シリサイド領域および前記上部シリサイド領域がそれぞれ、ソース/ドレーン(S/D)である、前記縦型チャネルと、
前記縦型チャネルを囲繞しかつ前記下側ショットキー接合を包囲する下側オーバーラップを有する下側ゲート・スタックと、
前記縦型チャネルを囲繞しかつ前記上側ショットキー接合を包囲する上側オーバーラップを有する上側ゲート・スタックと、
を含み、
ゲート間スペーサが前記下側ゲート・スタックと前記上側ゲート・スタックとの間に配置されており、前記ゲート間スペーサが、前記下側ゲート・スタックを前記上側ゲート・スタックから電気的に絶縁させており、
前記上側ゲート・スタックおよび前記下側ゲート・スタックが前記半導体基板上で同じ垂直投影を有するように、前記上側ゲート・スタックが前記下側ゲート・スタックの上に積み重ねられている、再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)。
【請求項10】
前記縦型チャネルが、ドープされていない、請求項9に記載のRFET。
【請求項11】
前記半導体基板と前記下側ゲート・スタックとの間の下側スペーサおよび前記上側ゲート・スタックの上の上側スペーサをさらに含む、請求項9に記載のRFET。
【請求項12】
再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)を製造する方法であって、
基板に対して垂直な単一の縦型チャネルを形成する工程であって、前記単一の縦型チャネルが半導体材料から形成されており、前記単一の縦型チャネルが、チャネル表面と、チャネル下部と、チャネル上部とを有する、前記形成する工程と、
前記チャネル下部および前記チャネル上部において前記チャネル表面を囲繞する金属層を堆積させる工程と、
下部シリサイド領域および上部シリサイド領域を形成するためにアニールする工程であって、前記下部シリサイド領域が、第1のS/Dおよび前記第1のS/Dと前記縦型チャネルとの間の下側ショットキー接合を形成しており、前記上部シリサイド領域が、第2のS/Dおよび前記第2のS/Dと前記チャネル上部との間の上側ショットキー接合を形成している、前記アニールする工程と、
前記下側ショットキー接合を包囲する下側ゲート・スタックを形成する工程と、
前記上側ショットキー接合を包囲する上側ゲート・スタックを形成する工程と、
前記下部シリサイド領域、前記上部シリサイド領域、前記下側ゲート・スタックおよび前記上側ゲート・スタックのそれぞれに対する外部電気接続を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項13】
前記下側ゲート・スタックが下側オーバーラップによって前記下側ショットキー接合を包囲する下側位置に前記下側ショットキー接合が位置するまで前記アニールが継続する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記上側ゲート・スタックが上側オーバーラップによって前記上側ショットキー接合を包囲する上側位置に前記上側ショットキー接合が位置するまで前記アニールが継続する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記下側ゲート・スタックおよび前記上側ゲート・スタックが、互いから電気的に絶縁されている、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記下側ゲート・スタックと前記上側ゲート・スタックとの間にゲート間スペーサを形成する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記下側ゲート・スタックへの前記外部電気接続が、前記上側ゲート・スタックから電気的に絶縁されている、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記上側ゲート・スタックおよび前記下側ゲート・スタックのうちの一方である第1のゲート・スタックに第1の電圧を印加し、また前記上側ゲート・スタックおよび前記下側ゲート・スタックのうちの一方である前記ゲート・スタックのうちの第2に第2の電圧を印加する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電圧が、前記単一の縦型チャネルを流れる電流を制御する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の電圧が、前記RFETがp-FETまたはn-FETの特性を有するかどうかを制御する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)に関する。より詳細には、本発明は、フットプリントが低減された縦型RFETに関する。
【背景技術】
【0002】
再構成可能電界効果トランジスタ(RFET)は、FET(電界効果トランジスタ)のソースおよびドレーン(S/D)として使用されるゲート・ショットキー接合を有するFETである。ゲートS/D接点に印加される電圧は、FETがn-FETまたはp-FETとして動作するかどうかを決定する。
【0003】
RFETの利点は、i.トランジスタの数を低減し(例えば、論理ゲートについて約2倍)、ii.再構成可能論理ゲートの設計を可能にし、iii.ドープなしトランジスタを可能にすることを含む。
【0004】
しかしながら、現在のRFETは、それらの使用を制限する欠点を有する。現在のRFETは、基板表面上の大きな面積を占める大きなフットプリントを有し、したがって、製造された半導体チップにおけるデバイス密度が低減される。
【0005】
小さなフットプリントを有するRFETが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、基板と、例えば、基板に対して実質的に垂直な、縦型チャネル(vertical channel)とを有する縦型再構成可能電界効果トランジスタ(Vertical Reconfigurable Field Effect Transistor,VRFET)を含む。縦型チャネルは、半導体材料から形成されており、非ドープであることができる。縦型チャネルは、縦型チャネルと下部/下側ショットキー接合を形成する下部/下側シリサイド領域および縦型チャネルと上部/上側ショットキー接合を形成する上部/上側シリサイド領域と接触している。下部/下側シリサイド領域および上部/上側シリサイド領域はそれぞれ、デバイスのソース/ドレーン(S/D)を形成している。
【0007】
下側ゲート・スタックは、縦型チャネルを囲繞し、下側ショットキー接合を包囲する下側オーバーラップを有する。上側ゲート・スタックは、縦型チャネルを囲繞し、上側ショットキー接合を包囲する上側オーバーラップを有する。
【0008】
下側ゲート・スタックは、上側ゲート・スタックから電気的に絶縁されている。下側ゲート・スタックは、下側ショットキー接合(S/D)を電気的に制御することができる。上側ゲート・スタックは、上側ショットキー接合(S/D)を電気的に制御することができる。下側ショットキー接合(S/D)の制御は、上側ショットキー接合(S/D)の制御とは独立しておりかつ別個である。
【0009】
上側ゲート・スタックは、下側ゲート・スタックの上に積み重ねられている。幾つかの実施形態において、基板上の上側および下側ゲート・スタック双方の垂直投影は同一である。これにより、基板上のデバイスのフットプリントが低減される。
【0010】
デバイスVRFETを製作する方法が開示される。
【0011】
本発明の様々な実施形態を、ここで簡単に説明する添付の図面を参照しながら以下により詳細に説明する。図面は、本発明の様々な装置、構造および関連する方法ステップを示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】暫定的な3層誘電スタック構造の断面図である。
【
図2】エッチングされたトレンチを備える暫定的な3層誘電スタック構造の断面図である。
【
図3】トレンチにおいてエピタキシャル成長させられたチャネルを備える暫定的な3層誘電スタック構造の断面図である。
【
図4】化学機械研磨(CMP)後の暫定的な3層誘電スタック構造におけるチャネルの断面図である。
【
図5】暫定的な3層誘電スタックのパターン付けされたエッチングによって形成された、ピラーを含むチャネルの断面図である。
【
図6】選択的エッチングによって露出させられたチャネルの上部および下部領域を備える暫定的なピラー構造の断面図である。
【
図7】露出させられたチャネル領域と接触した金属堆積後の暫定的なピラー構造の断面図である。
【
図8】シリサイド領域がアニール・プロセスによって形成された後の暫定的なピラー構造の断面図である。
【
図9】余分な金属が除去された後のシリサイド領域を備える暫定的なピラー構造の断面図である。
【
図10】エッチング・プロセスが、それぞれのチャネル下端およびチャネル上端における下側および上側ショットキー接合を露出させた後の、チャネルの断面図である。
【
図11】チャネルを包囲するように多層スタックが堆積させられた後の断面図である。
【
図12】ダミー・ゲート領域およびライナの部分を除去した後の、チャネル・サイドの露出した部分および露出したショットキー接合を備える多層スタックの断面図である。
【
図13】ゲート・スタックの形成後の縦型再構成可能電界効果トランジスタである。
【
図14】外部電気接続の形成後の縦型再構成可能電界効果トランジスタである。
【
図15】縦型再構成可能電界効果トランジスタを製造するためのプロセスのフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、本明細書に開示された例示的な方法、装置、構造、システムおよびデバイスに限定されるのではなく、その代わりに、本開示が与えられた当業者に明らかになるその他の代替的かつより広い方法、装置、構造、システムおよびデバイスにより広く適用可能であることが理解されるべきである。
【0014】
加えて、添付の図面に示された様々な層、構造または領域あるいはその組合せは、縮尺どおりではなく、共通して使用されるタイプの1つまたは複数の層、構造または領域あるいはその組合せは、所与の図面に明確に示されていない場合があることが理解されるべきである。これは、明確に示されていない層、構造または領域あるいはその組合せが実際のデバイスから省略されていることを示唆しない。
【0015】
加えて、ある要素は、説明が必ずしもこのような省略された要素に重点を置かれていない場合、明瞭さまたは簡略さあるいはその両方のために図面から除外されている場合がある。さらに、図面を通じて使用される同じまたは類似の参照番号は、同じまたは類似の特徴、要素または構造を示すために使用され、したがって、同じまたは類似の特徴、要素または構造の詳細な説明は各図面に対して繰り返されない場合がある。
【0016】
本発明の実施形態に従って開示された半導体デバイス、構造および方法は、アプリケーション、ハードウェアまたは電子システムあるいはその組合せにおいて採用することができる。発明の実施形態を実施するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、電子商業システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話およびスマート・フォン)、ソリッドステート・メディア・ストレージ・デバイス、エキスパートおよび人工知能システム、機能回路、ニューラル・ネットワークなどを含む場合があるが、これらに限定されない。半導体デバイスおよび構造を組み込んだシステムおよびハードウェアは、発明の想定された実施形態である。
【0017】
本明細書で使用される場合、「高さ」とは、要素の底面から上面まで測定されたまたは要素が配置された表面に対して測定されたあるいはその両方の断面図または立面図における要素(例えば、層、トレンチ、ホール、開口など)の垂直方向サイズを指す。
【0018】
逆に、「深さ」とは、要素の上面から底面まで測定された断面図または立面図における要素(例えば、層、トレンチ、ホール、開口など)の垂直方向サイズを指す。「厚い」、「厚さ」、「薄い」またはそれらの派生語などの用語は、示されている場合、「高さ」の代わりに使用される場合がある。
【0019】
本明細書で使用される場合、「横方向」、「横方向サイド」、「サイド」および「横方向面」とは、図面における左側面または右側面などの、要素(例えば、層、開口など)の側面を指す。
【0020】
本明細書で使用される場合、「幅」または「長さ」とは、要素の側面から反対側の面まで測定された図面における要素(例えば、層、トレンチ、ホール、開口など)のサイズを指す。「厚い」、「厚さ」、「薄い」またはそれらの派生語などの用語は、示されている場合、「幅」または「長さ」の代わりに使用される場合がある。
【0021】
本明細書で使用される場合、「上側」、「下側」、「右側」、「左側」、「垂直方向」、「水平方向」、「上部」、「下部」およびそれらの派生語などの用語は、図面において向き付けられたものとして、開示された構造および方法に関する。例えば、本明細書で使用される場合、「垂直方向」とは、立面図における基板の上面に対して垂直な方向を指し、「水平方向」とは、立面図における基板の上面に対して平行な方向を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、別段の定めがない限り、「~上(on)」、「上に位置する(overlaying)」、「~の上(atop)」、「頂上に(on top)」、「~上に位置決めされている(positioned on)」または「~の上に位置決めされている(positioned atop)」などの用語は、第1の要素が第2の要素上に存在することを意味し、介在する要素が第1の要素と第2の要素との間に存在する場合がある。本明細書で使用される場合、別段の定めがない限り、「~上(on)」、「上に位置する(overlaying)」、「~の上(atop)」、「頂上に(on top)」、「~上に位置決めされている(positioned on)」もしくは「~の上に位置決めされている(positioned atop)」、「~上に配置されている(disposed on)」という用語または「接触している(in contact)」もしくは「直接接触している(direct contact)」という用語に関連して使用される「直接に(directly)」という用語は、例えば、第1の要素と第2の要素との間に存在する中間の導電性、絶縁性または半導体層などのいかなる介在する要素もなしに第1の要素および第2の要素が接続されていることを意味する。
【0023】
これらの用語は説明されるデバイスの向きによって影響される場合があることが理解される。例えば、デバイスが上下逆さに回転させられた場合、これらの記述の意味は変化する場合があるが、それらは発明の特徴の間の相対的関係を説明しているので、記述は有効なままである。
【0024】
小さなデバイス・フットプリントを備える縦型RFET(VRFET)を可能にする構造および方法が開示されている。
【0025】
図1は、暫定的な3層誘電スタック構造100の断面図である。
【0026】
誘電スタック構造100は、基板105、下部スペーサ110、ダミー層115および上部スペーサ120を含む。
【0027】
基板105を形成する材料は、1つまたは複数の半導体材料を含む。適切な基板105の材料の非限定的な例はSi(シリコン)、歪みシリコン、Si:C(炭素ドープシリコン)、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、SiGe:C(炭素ドープシリコン-ゲルマニウム)、Si合金、Ge合金、III-V半導体材料(例えば、GaAs(ヒ化ガリウム)、InAs(ヒ化インジウム)、InP(リン化インジウム)またはヒ化インジウムガリウム(InGaAs))またはそれらの任意の組合せを含む。
【0028】
幾つかの実施形態において、基板105は、シリコン、例えば、バルク・シリコンまたはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)のいずれかである。
【0029】
下部スペーサ110、上部スペーサ120およびダミー層115の材料は、公知の蒸着プロセス、非限定的な例として、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層蒸着(ALD)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、誘導結合プラズマ化学気相成長(ICPCVD)またはそれらの任意の組合せによって堆積させられる。
【0030】
下部スペーサ110は、約5ナノメートル(nm)~20nmまたは5nm~12nmの間の厚さ111を有する。上部スペーサ120の厚さ121は、上部スペーサ120が後で除去されるので、あまり重要ではない。幾つかの実施形態において、上部スペーサ120の厚さ121は、20nm~100nmの間である。
【0031】
ダミー層115は、50nm~300nmの間の厚さ116を有する。
【0032】
下部スペーサ110および上部スペーサ120を形成する材料は、ダミー層115の材料から選択的にエッチング可能である。例えば、「3層誘電スタック」110/115/120は、窒化シリコン(SixNy)から形成された下部スペーサ110を成層し、次いで、酸化シリコン(SiOx)から形成されたダミー層115を成層し、次いで、窒化シリコン(SixNy)から形成された上部スペーサ120を成層することによって形成することができる。代替的な実施形態において、順序を変更することができ、例えば、下部スペーサ110(SiOx)、ダミー層115(SixNy)および上部スペーサ120(SiOx)とすることができる。
【0033】
図2は、エッチングされたトレンチ250を備える暫定的な3層誘電スタック構造200の断面図である。
【0034】
幾つかの実施形態において、トレンチ250は、基板105の材料、例えば、シリコンに対して選択的である(実質的に除去しない)プロセス、例えば、反応性イオン・エッチング(RIE)を使用してエッチングされる。したがって、トレンチ250のエッチングは、基板105の表面225において停止する。
【0035】
幾つかの実施形態において、複数のエッチング・プロセスが行われる。例えば、第1のエッチング(ダミー層115の材料に対して選択的である)はトレンチ250内の上部スペーサ120の部分を除去し、第2のエッチング(下部スペーサ110の材料に対して選択的である)はトレンチ250内のダミー層115の部分を除去し、第3のエッチング(基板105の材料に対して選択的である)はトレンチ250内の下部スペーサ110の部分を除去する。トレンチ250の幅は、約3nm~約20nm、または約6nm~約12nmであってもよい。
【0036】
図3は、トレンチ250においてエピタキシャル成長させられたチャネル350を備える暫定的な3層誘電スタック構造300の断面図である。
【0037】
チャネル350は、露出した基板105上に成長させられたエピタキシャル層であり、基板105の表面225を形成するエピタキシャル半導体材料から形成されている。チャネル350のエピタキシャル成長は、上部スペーサ120を超えて延びている。
【0038】
エピタキシャル成長は、シリコン、ゲルマニウムまたはそれらの組合せのような材料を含有する、エピタキシャル・チャネルのためのソースを使用する公知の方法によって行うことができる。エピタキシャル半導体材料の堆積のためのガス・ソースは、シリコン含有ガス・ソース、ゲルマニウム含有ガス・ソースまたはそれらの組合せを含んでもよい。例えば、エピタキシャル・シリコン層は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシランおよびそれらの組合せからなる群から選択されたシリコン・ガス・ソースから堆積させられてもよい。エピタキシャル・ゲルマニウム層は、ゲルマン、ジゲルマン、ハロゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマンおよびそれらの組合せからなる群から選択されたゲルマニウム・ガス・ソースから堆積させることができる。エピタキシャル・シリコンゲルマニウム合金層は、このようなガス・ソースの組合せを利用して形成することができる。水素、窒素またはヘリウムなどのキャリア・ガスを使用することができる。
【0039】
幾つかの実施形態において、チャネル350は、シリコンから形成されている。幾つかの実施形態において、チャネル350はドープされていない。
【0040】
図4は、化学機械研磨(CMP)後の暫定的な3層誘電スタック構造400におけるチャネルの断面図である。CMPは、上部スペーサ120の上部と平らになるようにエピタキシャル・チャネル350/450におけるエピタキシャル成長の上部を平坦化425する。CMPなどの平坦化プロセスが知られている。
【0041】
図5は、暫定的な3層誘電スタック400のパターン化されたエッチングによって形成された、チャネル450を含むピラー500の断面図である。
【0042】
公知のパターニング技術を使用して、マスクはピラー500の上部領域575を保護する一方、構造525の部分は、基板105における材料に対して選択的な、一回(または複数回)のエッチング、例えば、RIEによって除去される。幾つかの実施形態において、この工程は、デバイスのフットプリント/幅550を規定する。フットプリント/幅550は、30nm~60nmのオーダにある。
【0043】
図6は、チャネル450の周囲の上部領域620および下部領域610(およびその表面)が選択的エッチングによって露出させられた、暫定的なピラー構造600の断面図である。露出は、下部スペーサ110および上部スペーサ120の材料をエッチング除去することによって生じる。チャネル450の露出したサイド610の下部領域は、下部スペーサ110の厚さ111と等しい厚さを有する。
【0044】
非限定的な例として、下部スペーサ110および上部スペーサ120が窒化物から形成されている場合、窒化物を除去するとともに使用されるエッチングは、このエッチングによって実質的に除去されない基板105およびダミー層115を形成する材料、例えば、それぞれシリコンおよびSiOxに対して選択的である。
【0045】
図7は、構造600全体を封じ込め、囲繞しかつ覆うのに十分に厚い金属堆積750後の暫定的なピラー構造700の断面図である。
【0046】
これにより、堆積させられた金属750は、前に露出させられたチャネル450のサイド領域610/620と接触している。堆積させられた金属750は、下部スペーサ110の除去により残された空所を充填しており、約5nm~20nmの間の厚さ611を有し、ここで、金属750は、チャネル450の周囲の露出させられた下部領域/表面610と接触している。
【0047】
選択された金属750は、
図8において説明するように、シリサイドを形成することができる。
【0048】
非限定的な例として、堆積させられた金属750は、ニッケルである。幾つかの実施形態において、金属750は、ALDのようなコンフォーマル堆積技術を使用して堆積させられる。
【0049】
図8は、シリサイド領域805/825/830が一回または複数回のアニール・プロセスによって形成された後の暫定的なピラー構造800の断面図である。
【0050】
非限定的な例として、構造800は、実験によって決定された時間にわたって摂氏500度(℃)よりも高く加熱される。これらの条件下で、金属750と接触した半導体表面(例えば、610、620および基板105の表面)は、シリサイド805/825/830を形成する。
図8に示したように、アニール工程により、基板シリサイド層805が基板105の表面上に形成され、下部/下側シリサイド領域825がチャネル850の下に形成され、上部/上側シリサイド領域830がチャネル850の上に形成される。
【0051】
シリサイド形成は、1.チャネル850と下部/下側シリサイド領域825との間の下側ショットキー接合850Lおよび2.チャネル850と上部/上側シリサイド領域830との間の上側ショットキー接合850Uの両方を形成する。
【0052】
シリサイド形成は、下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850Uがダミー層115内にありかつダミー層115によって囲繞されるようになるまで継続する。
【0053】
したがって、構造800は、ダミー層115内にありかつダミー層115によって囲繞されたチャネル850/450/350を有する。構造800は、チャネル下端部852の下の下側ショットキー接合850Lおよびチャネル850の上端部854の上の上側ショットキー接合850Uを有する。下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850Uは、ダミー層115内にありかつダミー層115によって囲繞されている。
【0054】
シリサイド805/825/830は、金属750またはシリサイド自体と接触した半導体表面上にのみ形成されることに留意されたい。シリサイド805/825/830は、誘電性ダミー層115の表面上には形成されない。したがって、下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850Uは、それぞれのチャネル下端部852およびチャネル上端部854と厳密に位置合わせされるように形成される。
【0055】
シリサイドおよびその他の「金属半導体合金」を形成するためのその他のプロセスが想定される。例えば、構造800を15分間525℃よりも高く加熱することができる、などである。半導体表面上にシリサイドを形成するためのプロセスは公知であり、高温曝露の異なる温度、時間および回数などを要することができる。シリサイドの非限定的な例は、ニッケルシリサイド(NiSix)、エルビウムシリサイド、ニッケル白金シリサイド(NiPtySix)、白金シリサイド(PtSi)、コバルトシリサイド(CoSix)、タンタルシリサイド(TaSix)、チタンシリサイド(TiSix)およびそれらの組合せを含む。
【0056】
図9は、余分な金属750が除去された後のシリサイド領域805/825/830を備える暫定的なピラー構造900の断面図である。
【0057】
公知のエッチング化学物質は、金属750を除去するが、シリサイド領域805/825/830またはダミー層115に対して選択的である(それらを実質的に除去しない)。
【0058】
図10は、エッチング・プロセスがチャネル下端部852の下の下側ショットキー接合850Lおよびチャネル上端部854の上の上側ショットキー接合850Uをそれぞれ露出させた後の縦型チャネル850を備える構造1000の断面図である。下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850Uはそれぞれ、第1および第2のソース/ドレーンを形成している。幾つかの実施形態において、縦型チャネル850は、基板105に対して垂直または実質的に垂直である。
【0059】
ダミー層115を形成する材料を除去するエッチング・プロセスは、シリサイド805/825/830およびチャネル850の材料に対して選択的である(それらを除去しない)。
【0060】
図11は、構造1000のチャネル850およびシリサイド領域805/825/830を包囲するように多層スタックが堆積させられた後の構造1100の断面図である。
【0061】
まず、薄い誘電性ライナ1105が構造1000上に堆積させられる。ライナ1105は、CVD、大気圧CVD(APCVD)、低圧CVD(LPCVD)、PECVD、ALDおよびそれらの任意の組合せを含む標準的な技術によって堆積させられる。幾つかの実施形態において、ライナ1105は、コンフォーマル堆積プロセスによって堆積させられたコンフォーマルな厚さの連続的な層である。幾つかの実施形態において、ライナ1105の厚さは、約1nm~5nmの間または1nm~3nmの間であり、酸化ケイ素から形成されている。
【0062】
下側スペーサ1110が、ライナ1105上に指向性堆積技術によって堆積させられる。幾つかの実施形態において、下側スペーサは、約5nm~20nmの間の下側スペーサ1110の厚さ1111を有し、6nm~12nmが好ましい。幾つかの実施形態において、下側スペーサ1110は、窒化物(例えば、窒化ケイ素)または誘電性酸窒化物(例えば、SiOCNまたはSiBC)から形成されている。幾つかの実施形態において、下側スペーサ1110は、CVDまたはPVDのようなプロセスによって堆積させられた窒化ケイ素から形成されている。
【0063】
下側スペーサ1110の下側スペーサ厚さ1111は、下側オーバーラップ1150Lが下側スペーサ1110の上面と下部/下側ショットキー接合850Lとの間に存在するように十分に薄い。
【0064】
言い換えれば、下側ダミー・ゲート1125L(以下参照)は、下側ショットキー接合850Lおよび下部/下側シリサイド領域825の下側オーバーラップ1150Lを有する。
【0065】
最適な下側オーバーラップ1150Lの量を設計するときにトレードオフが存在する。下側オーバーラップ1150Lは、(以下で説明される下側ゲート・スタック1325L/1375Lによる)下側ショットキー接合850Lの制御を可能にするために十分に大きくなければならないが、あまりに多くの浮遊容量を導入しないように十分に小さくなければならない。
【0066】
幾つかの実施形態において、下側オーバーラップ1150Lの寸法は、1nm~10nmの間または1nm~3nmの間である。
【0067】
下側ダミー・ゲート1125Lは、下側スペーサ1110上に堆積させられる。下側ダミー・ゲート1125Lは、犠牲ゲート材料、例えば、アモルファスシリコン(αSi)または多結晶シリコン(ポリシリコン)から形成されている。犠牲ゲート材料は、あるプロセスによってエッチングされるとき、スペーサ1110/1176/1120を形成する材料よりも大幅に高い速度で除去される。幾つかの実施形態において、ライナ1105の材料も、犠牲ゲート材料が除去されるときに選択的である。
【0068】
犠牲材料は、PVD、CVD、PECVD、誘導結合プラズマ化学気相堆積(ICPCVD)またはそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない公知の堆積プロセスによって堆積させられてもよい。下側ダミー・ゲート1125Lを形成する犠牲材料は、約8nm~約100nmまたは約10nm~約30nmの厚さ1126Lを有する。
【0069】
ゲート間スペーサ1175が、下側ダミー・ゲート1125L上に堆積させられている。ゲート間スペーサ1175は、以下で形成される下側および上側ゲート・スタックを電気的に隔離する。幾つかの実施形態において、ゲート間スペーサ1175は、下側スペーサ1110と同じ材料から形成されており、下側スペーサ1110と同じ方法によって堆積させられている。ゲート間スペーサ1175は、約5nm~12nmの間または6nm~8nmの間のゲート間スペーサ厚さ1176を有する。
【0070】
上側ダミー・ゲート1125Uがゲート間スペーサ1175上に堆積させられる。幾つかの実施形態において、上側ダミー・ゲート1125Uは、下側ダミー・ゲート1125Lと同じ材料(例えば、アモルファスシリコン(α-Si)または多結晶シリコン(ポリシリコン))から形成されており、下側ダミー・ゲート1125Lと同じプロセスによって堆積させられている。上側ダミー・ゲート1125Uは、約8nm~約100nmまたは約10nm~約30nmの厚さ1126Uを有する。
【0071】
上側スペーサ1120は、約3nm~15nmの間の上側スペーサ1120の厚さ1121で上側ダミー・ゲート1125U上に指向性堆積技術によって堆積させられる。幾つかの実施形態において、上側スペーサ1120は、誘電性窒化物(例えば、窒化ケイ素)または誘電性酸窒化化物、例えば、SiOCNまたはSiBCから形成されている。幾つかの実施形態において、上側スペーサ1120は、CVDまたはPVDのようなプロセスによって堆積させられた窒化ケイ素から形成されている。
【0072】
上側スペーサ1120の厚さ1121は、上側スペーサ1120の底面と上側ショットキー接合850Uとの間に上側オーバーラップ1150Uが生じるように十分に薄い。
【0073】
言い換えれば、上側ダミー・ゲート1125Uは、上側ショットキー接合850Uおよび上部/上側シリサイド領域830の上側オーバーラップ1150Uを有する。
【0074】
幾つかの実施形態において、上側オーバーラップ1150Uは、1nm~10nmの間または1nm~3nmの間である。
【0075】
キャップ層1190は、CVD、PCVD、ALDなどの公知の堆積技術によって上側誘電性スペーサ1120上に堆積させられる。幾つかの実施形態において、キャップ層は、非限定的な例として、二酸化ケイ素、高アスペクト比プラズマ(HARP)酸化物、高温酸化物(HTO)および高密度プラズマ(HDP)酸化物を含む、酸化物から形成されている。キャップ層1190は、約30nm~約200nmまたは約50nm~約100nmの範囲の厚さ1191を有する。
【0076】
構造1100のキャップ層1190は、平らな上面を形成するために公知の化学機械研磨(CMP)を使用して平坦化される。
【0077】
幾つかの実施形態において、下側ダミー・ゲート1125Lまたは上側ダミー・ゲート1125Uあるいはその両方を形成するために、代替的な犠牲材料が想定される。これらの材料は、下側および上側のダミー・ゲート1125L/1125Uが除去されるときにライナ1105およびスペーサ1110/1175/1120が選択的にかつ実質的にエッチングされないように選択される。
【0078】
幾つかの実施形態において、ライナ1105は、スペーサ1110/1175/1120を形成する材料とも選択的に異なる材料から形成されている。
【0079】
図12は、ダミー・ゲート領域およびライナ1225L/1225Uの幾つかの部分を除去した後の、チャネル・サイド1250L/1250Uの露出した部分を備える多層スタック構造1200の断面図である。
【0080】
下側ダミー・ゲート領域1125Lまたは上側ダミー・ゲート領域1125Uあるいはその両方における犠牲材料は、1.下側スペーサ1110とゲート間スペーサ1175との間の下側ゲート・キャビティ1225Lおよび2.ゲート間スペーサ1175と上側スペーサ1120との間の上側ゲート・キャビティ1225Uから(例えば、これらを生じるために)選択的に除去されている。
【0081】
幾つかの実施形態において、下側ダミー・ゲート領域1125Lおよび上側ダミー・ゲート領域1125Uにおける犠牲材料は、ドライ・エッチングまたは室温よりも高温における水酸化アンモニウム(NH4OH)への曝露によって除去される。代替的な除去方法は、フッ化水素酸(HF)の溶液への曝露またはドライ化学的酸化物エッチングの使用を含む。下側ゲート・キャビティ1225Lまたは上側ゲート・キャビティ1225Uあるいはその両方に残留するライナ1105の材料は、単一の縦型チャネル850の下側露出サイド1250Lまたは上側露出サイド1250Uあるいはその両方の表面およびスペーサ1110/1175/1120に対して選択的な(それらを実質的に除去しない)公知のプロセスを使用して除去することができる。
【0082】
図13は、2つのゲート・スタック、すなわち下側ゲート・スタック1325L/1375Lおよび上側ゲート・スタック1325U/1375Uの形成後の縦型再構成可能電界効果トランジスタ(VRFET)1300である。
【0083】
幾つかの実施形態において、ゲート・スタック1325L/1375Lおよび1325U/1375Uは、同時に形成され、同じ材料から形成されている。下側ゲート・スタック1325L/1375Lは、高誘電率誘電性材料1375Lの薄い層と、金属ゲート1325Lの材料とから形成されている。上側ゲート・スタック1325U/1375Uは、高誘電率誘電性材料1375U(1375Lと同じ材料)の薄い層と、金属ゲート1325U(1325Lと同じ材料)とから形成されている。
【0084】
上側ゲート・スタック1325U/1375Uは、下側ゲート・スタック1325L/1375Lの上に積み重ねられている。幾つかの実施形態において、上側ゲート・スタック1325U/1375Uおよび下側ゲート・スタック1325L/1375Lは、基板105上に同じ垂直投影1390を有する。これにより、デバイス1300のフットプリントが低減される。
【0085】
下側ゲート・スタック1325L/1375Lおよび上側ゲート・スタック1325U/1375Uの両方は、単一の縦型チャネル850の全体を包囲している。
【0086】
しかしながら、下側ゲート・スタック1325L/1375Lおよび上側ゲート・スタック1325U/1375Uは、ゲート間スペーサ1175によって互いから電気的に隔離されている。
【0087】
下側ゲート・スタックの高誘電率誘電性層1375Lは、縦型チャネル850の露出した下側側面1360/1360Lおよびオーバーラップされた1150L/1350L下部/下側シリサイド領域825と直接接触している。
【0088】
上側ゲート・スタックの高誘電率誘電性層1375Uは、縦型チャネル850の露出した上側側面1360/1360Uおよびオーバーラップされた1150U/1350U上部/上側シリサイド領域830と直接接触している。
【0089】
言い換えれば、下側ゲート・スタック1325L/1375Lは、下側ショットキー接合850Lを包囲しかつオーバーラップ1350Lしており、上側ゲート・スタック1325U/1375Uは、上側ショットキー接合850Uを包囲しかつオーバーラップ1350Uしている。
【0090】
下側ショットキー接合850Lのオーバーラップ1350Lにより、下側ゲート・スタック1325L/1375Lに印加された電圧は下側ショットキー接合850Lを制御することができる。上側ショットキー接合850Uのオーバーラップ1350Uにより、上側ゲート・スタック1325U/1375Uに印加された電圧は上側ショットキー接合850Uを制御することができる。
【0091】
再び、下側ゲート・スタック1325L/1375Lと上側ゲート・スタック1325U/1375Uとは、ゲート間スペーサ1175によって互いから電気的に絶縁されている。したがって、下側ショットキー接合850Lと上側ショットキー接合850Uとは別々に制御されることができる。
【0092】
上側ゲート・スタック1325U/1375U(およびオーバーラップ1350Uされた上側ショットキー接合850U)は、下側ゲート・スタック1325L/1375L(およびオーバーラップ1350Lされた下側ショットキー接合850L)の上に積み重ねられているので、単一の縦型チャネル850を有するVRFET1300が形成される。したがって、VRFET1300は、大幅に低減されたフットプリントを有する。
【0093】
下側ゲート・スタック高誘電率誘電性層1375Lおよび上側ゲート・スタック高誘電率誘電性層1375Uは、3.9よりも大きい、より好ましくは7.0よりも高い、さらにより好ましくは10.0よりも高い誘電率を有する誘電性材料から形成することができる。ゲート誘電性材料1375L/1375Uのための適切な材料の非限定的な例は、酸化物、窒化物、酸窒化物またはそれらの任意の組合せを含む。(7.0よりも大きな誘電率を有する)高誘電率材料の例は、酸化ハフニウム、ハフニウムシリコン酸化物、ハフニウムシリコン酸窒化物、酸化ランタン、ランタンアルミニウム酸化物、酸化ジルコニウム、ジルコニウムシリコン酸化物、ジルコニウムシリコン酸窒化物、酸化タンタル、酸化チタン、バリウムストロンチウムチタン酸化物、バリウムチタン酸化物、ストロンチウムチタン酸化物、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、鉛スカンジウムタンタル酸化物、鉛亜鉛ニオブ酸塩などの金属酸化物を含むが、これらに限定されない。高誘電率材料はさらに、例えば、ランタンおよびアルミニウムなどのドーパントを含んでもよい。
【0094】
ゲート誘電性層材料1375L/1375Uは、適切な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、ALD、蒸発、物理蒸着(PVD)、化学溶液堆積、または他の同様のプロセスによって形成されてもよい。ゲート誘電性材料(1375L,1375U)の厚さは、堆積プロセスならびに使用される高誘電率誘電性材料の組成および数に依存して変化してもよい。
【0095】
金属ゲート1325L/1325Uの材料は、ゲート・スタックを形成するためにゲート誘電性材料1375L/1375Uの上に堆積させられた導電性金属である。適切な金属ゲート1325L/1325Uの材料の非限定的な例は、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)またはそれらの任意の組合せを含む。金属ゲート1325L/1325Uの材料は、適切な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、めっき、熱蒸発またはe-ビーム蒸発、およびスパッタリングによって堆積させられてもよい。
【0096】
図14は、外部電気接続1405/1425L/1425U/1430の形成後の縦型再構成可能電界効果トランジスタ(VRFET)1400である。
【0097】
層間絶縁膜層(ILD)1490が、構造1300上に堆積させられている。ILD1490は、酸化ケイ素、スピン・オン・グラス、流動性酸化物、高密度プラズマ酸化物、ホウリンケイ酸塩ガラス(BPSG)またはそれらの任意の組合せを含むが、それらに限定されない低誘電率誘電性材料(例えば、k<4.0を有する)から形成されている。ILD1490は、CVD、PVD、PECVD、ALD、蒸発、化学溶液堆積、または同様のプロセスを含むが、それらに限定されない堆積プロセスによって堆積させられる。
【0098】
幾つかの実施形態において、ILD1490は、キャップ層1190を形成する同じ材料、例えば、二酸化ケイ素から形成されている。
【0099】
外部電気接続1405/1425L/1425U/1430は、様々な公知の技術によって形成することができる。例えば、ILD1490におけるトレンチは、パターン化されたエッチング(RIE)によって、例えば、パターン化されたフォト・レジストを使用して形成されている。代替的な方法は、ILD1490にビアをレーザ・ドリリングすることを含む。
【0100】
トレンチは、導電性材料または導電性材料の組合せ1405/1425L/1425U/1430で充填されている。導電性材料は、導電性金属、例えば、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、金(Au)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)またはそれらの任意の組合せであってもよい。
【0101】
導電性材料は、適切な堆積プロセス、例えば、CVD、PECVD、PVD、めっき、熱蒸発もしくはe-ビーム蒸発、またはスパッタリングによって堆積させられてもよい。
【0102】
例えば、接続部1405は、トレンチ/ビアを充填しており、基板シリサイド層805と接触しており、下側ショットキー接合850Lへの外部電気接続、すなわち、下側ソース/ドレーン(S/D)接続部1405を形成している。
【0103】
接続部1430は、トレンチ/ビアを充填しており、上部/上側シリサイド領域830と接触しており、上側ショットキー接合850Uへの外部電気接続、すなわち、上側S/D接続部1430を形成している。
【0104】
下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850UはそれぞれVRFET1400の下側および上側S/Dを形成しているので、下側または上側S/Dのドーピングは不要であることに留意されたい。
【0105】
続けて、接続部1425Uは、トレンチ/ビアを充填しており、上側金属ゲート1325Uを介して上側ゲート・スタック1325U/1375Uと接触している。
【0106】
幾つかの実施形態において、接続部1425Lは、電気的に絶縁するライナ1426によって被覆されたトレンチ/ビアを充填している。ライナ1426は、ALDのようなコンフォーマル堆積によって形成することができる。接続部1425が下側金属ゲート1375Lを介して下側ゲート・スタック1325L/1375Lと電気接続1427Lを形成しているところではライナは存在しない。しかしながら、絶縁ライナ1426は、接続部1425Lが上側ゲート・スタック1325U/1375Uと電気的に接触することを防止する。
【0107】
電気的に絶縁するライナ1426は、下側ゲート・スタック1325L/1375Lと上側ゲート・スタック1325U/1375Uとの間の電気的隔離を維持する。
【0108】
外部電気接続のうちの1つまたは複数(例えば1405)を図面の平面の外側、例えば、示された断面1400の前方または後方に配置することによってデバイス1400のフットプリントをさらに小さくすることができることにさらに留意されたい。
【0109】
図15は、縦型再構成可能電界効果トランジスタ(VRFET)を製造するためのプロセス1500のフロー・チャートである。
【0110】
プロセス1500の工程1505は、単一の縦型チャネル850を形成する。この工程の実施形態は、
図1~
図8の説明において説明されている。
【0111】
プロセスの工程1510は、それぞれの下部/下側シリサイド領域825および上部/上側シリサイド領域830に接続された、下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850Uを形成する。このステップの実施形態は、
図6~
図10の説明において説明されている。
【0112】
プロセスの工程1515は、積み重ねられかつ(互いから)電気的に隔離された下側ゲート・スタック1325L/1375Lおよび上側ゲート・スタック1325U/1375Uを形成する。この工程の実施形態は、
図11~
図13の説明において説明されている。
【0113】
工程1520は、下側S/D1405、上側S/D1430、下側ゲート・スタック1425Lおよび上側ゲート・スタック1425Uへの外部電気接続を形成する。この工程の実施形態は、
図14の説明において説明されている。
【0114】
下側ゲート・スタック1325L/1375Lおよび上側ゲート・スタック1325U/1375Uは、電気的に絶縁されており、したがって、独立して動作する。言い換えれば、下側ショットキー接合850Lは、下側ゲート・スタック1325L/1375Lの接続部1425Lに印加される下側電圧によって制御される。上側ショットキー接合850Uは、上側ゲート・スタック1325U/1375Uの接続部1425Uに印加される上側電圧によって制御される。したがって、下側ショットキー接合850Lおよび上側ショットキー接合850Uは、別々にかつ独立して制御される。
【0115】
1つの実施形態において、第1のショットキー接合(850Lまたは850U)は、チャネル850を流れる電流をオンまたはオフにするように制御される。他方のショットキー接合、つまり第2のショットキー接合(850Uまたは850L)は、デバイス1400がp-FETまたはn-FETの電気的特性を有するかどうかを決定するために制御される。
【0116】
1つの例において、デバイス1400は、論理的低電圧(LOW)が第1のS/D接続(1405または1430)に印加されかつ論理的高電圧(HIGH)が第2のS/D接続(1430または1405)に印加されながら、第2のショットキー接合(850Uまたは850L)を制御するゲート・スタック接続(1425Uまたは1425L)に(例えば、正電源電圧VDDの)正電圧を印加することによってn-FETとしてバイアスされる:チャネル850を流れる電流は、第1のショットキー接合(850Lまたは850U)を制御するゲート・スタック接続(1425Lまたは1425U)にHIGH(またはLOW)電圧を印加することによってオン(またはオフ)にされることができる。
【0117】
デバイス1400がp-FETとして動作させられる別の例において、デバイス1400は、HIGH電圧が第1のS/D接続(1405または1430)に印加されかつLOW電圧が第2のS/D接続(1430または1405)に印加されながら、第2のショットキー接合(850Uまたは850L)を制御するゲート・スタック接続(1425Uまたは1425L)に(例えば、負電源電圧、VSS)の負電圧または接地(GND)電圧を印加することによってオンにされる:チャネル850を流れる電流は、第1のショットキー接合(850Lまたは850U)を制御するゲート・スタック接続(1425Lまたは1425U)にLOW(またはHIGH)電圧を印加することによってオン(またはオフ)にされることができる。
【0118】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示のために提供されているが、包括的であるまたは開示された実施形態に限定されることは意図されていない。説明された実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの変更および変形が当業者に明らかになるであろう。例えば、本発明の実施形態に従って開示された半導体デバイス、構造および方法は、アプリケーション、ハードウェアまたは電子システムあるいはその組合せにおいて採用することができる。発明の実施形態を実施するための適切なハードウェアおよびシステムは、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、電子商業システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話およびスマート・フォン)、ソリッドステート・メディア・ストレージ・デバイス、エキスパートおよび人工知能システム、機能回路などを含む場合があるが、これらに限定されない。半導体デバイスを組み込んだシステムおよびハードウェアは、発明の想定される実施形態である。
【0119】
本明細書において使用される用語は、実施形態の原理および実用的用途または市場に見られる技術に対する技術的改善を説明するためにまたは他の当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することを可能にするために選択されている。実質的に同じ機能を行う、実質的に同じ形式で働く、実質的に同じ使用法を有するまたは類似の工程を行うあるいはその組合せである異なる用語によって説明されたデバイス、構成要素、要素、特徴、装置、システム、構造、技術および方法は、本発明の実施形態であると想定される。
【国際調査報告】