(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】高出力電子デバイス及びそれを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/48 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
H01L23/48 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526053
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2021061333
(87)【国際公開番号】W WO2022118288
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ザデレジュ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード フィッツパトリック
(72)【発明者】
【氏名】アラン ハン
(72)【発明者】
【氏名】リリー イェン
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ホッジ
(72)【発明者】
【氏名】ゲーリー オコナー
(57)【要約】
【解決手段】高出力電子デバイス及びそれを形成する方法が開示される。高出力電子デバイスは、成形コンパウンド、プリント回路基板、導電性の接点、少なくとも1つの電子部品、及び成形コンパウンドを含む複数の層で形成される。一実施形態では、誘電性のキャリアの層も設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高出力電子デバイスを形成する方法であって、
厚い導電性の材料のシートからスタンピングを形成することであって、該スタンピングは、リードフレーム部分と、フィンガによって前記リードフレーム部分に結合された少なくとも第1及び第2の電子部品取り付け接点とを含む、形成することと、
アセンブリを形成するために、前記第1及び第2の電子部品取り付け接点に電子部品を着装することであって、該電子部品は複数の端子を有し、前記電子部品の複数の端子のうちの1つは、前記第1及び第2の電子部品取り付け接点に着装されない、着装することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記シートは銅で形成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シートは約100ミクロン~約3,000ミクロンの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記シートは約500ミクロン~約800ミクロンの厚さを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記電子部品は電界効果トランジスタである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アセンブリをプリント回路基板に取り付けることと、
前記接点を前記プリント回路基板と結合することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接点は、はんだ、締結具、及びワイヤ又はリボンボンドのうちの1つ以上によって前記プリント回路基板と結合される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プリント回路基板は、前記接点と結合する前に固定具上に取り付けられる、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記プリント回路基板は、前記接点に近接している、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記プリント回路基板は、前記接点の上に部分的に置かれる、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記電子部品の複数の端子のうちの1つを前記プリント回路基板に結合することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記電子部品の複数の端子のうちの1つは、はんだ及びワイヤ又はリボンボンドのうちの1つによって前記プリント回路基板と結合される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アセンブリが前記プリント回路基板に取り付けられた後に前記リードフレーム部分及びフィンガを除去して第2のアセンブリを形成することと、
該第2のアセンブリをオーバーモールドすることと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記電子部品を前記第1及び第2の電子部品取り付け接点に着装する前に、前記方法は、
前記スタンピングに誘電性のキャリアをインサート成形することと、
その後、前記リードフレーム部分及びフィンガを除去することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記キャリアにプリント回路基板を取り付けることと、
前記接点を前記プリント回路基板と結合することと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記接点は、はんだ、締結具、及びワイヤ又はリボンボンドのうちの1つ以上によって前記プリント回路基板と結合される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電子部品の複数の端子のうちの1つを前記プリント回路基板に結合することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記電子部品の複数の端子のうちの1つは、はんだ及びワイヤ又はリボンボンドのうちの1つによって前記プリント回路基板と結合される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記接点を前記プリント回路基板と結合することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
高出力電子デバイスであって
成形コンパウンドの第1の層と、
プリント回路基板を備える、前記第1の層の上の第2の層と、
導電性の接点で形成された、前記第2の層の上の第3の層と、
少なくとも1つの電子部品で形成された、前記第3の層の上の第4の層と、
成形コンパウンドで形成された、前記第4の層の上の第5の層と、を備える、高出力電子デバイス。
【請求項21】
前記第1の層と第2の層との間に第6の層を更に備え、該第6の層は誘電性のキャリアを備える、請求項20に記載の高出力電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年12月4日に出願され、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第63/121,524号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、高出力電子デバイス及びそれを製造する方法を対象とする。より具体的には、本開示は、ソリッドステートデバイス及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
「移動車両」、工業、商業、及び消費者の市場が電化するにつれて、より信頼性があり、より小型で、より軽量で、より低コストの電子機器の必要性が高まっている。この傾向とともに、電気機器を確実かつインテリジェントに調整するために使用される制御装置及びスイッチが必要とされている。
【0004】
過去においては、この機能を提供するためにリレーが使用されていたが、リレーは、限定された寿命及び性能を有する大型の電気機械デバイスであり、増大する要件を満たすことができない。リレーは、次世代電子機器の実用的な代替手段ではない。
【0005】
MOSFET(Metal Oxide Field Effect Transistor 、金属酸化物電界効果トランジスタ)を使用するソリッドステートスイッチは、過去に使用されてきたリレーに対して、より信頼性があり、より小型で、より軽量で、より費用効率の良い代替物である。MOSFETは、数百アンペアの電流を搬送するために、このレベルの電力を必要とする用途で、個々に使用するか、又は並列に配置することができる。
【0006】
高電力(高電流)を伝送することに関連する課題の1つは、電流経路内で生成される熱(I2 ×R)である。熱が増加すると、電子機器の寿命及び性能が低下する。電流経路内で発生する熱を最小化する鍵は、システム内の抵抗を低減することである。
【0007】
従来のプリント回路基板(printed circuit board 、PCB)パッケージング方法では、高電流を搬送する能力は、銅トレースの厚さによって限定される。高電流用途では、PCBを製造するために使用されるプロセスに起因する実用上の限界は、4オンス(144ミクロン厚)の銅層を有する回路基板である。場合によっては、より高い電流を搬送すること及び熱を除去することができるようにするために、複数の層が電気ビア及び熱ビアを用いて相互接続される。これは、PCBが非常に高価になる、熱を内層から除去することが困難になる、及び高電流層を信号層と混合することが非常に困難になる、といういくつかの問題を引き起こす。
【0008】
出願人は、ASEP技術と称される独自の技術を有し、それは、高電流導電性金属スタンピング、高温誘電体材料、及び誘電体材料の表面上の選択的に金属化された回路パターンの利点を統合して、多くの場合、より小型で、より軽量で、より信頼性があり、費用効率の良いシステムを作製する。ASEP技術は、設計者が、スタンピング及び成形などの従来の製造方法を使用して高電流搬送スイッチ又はモジュールを作製することを可能にし、高価な(厚い銅の)PCBの必要性を排除し、システムのサイズを低減し、最終的に非常に費用効率の良い製品を生産する。
【0009】
ASEP技術は、過去に可能でなかったかもしれない高出力電子デバイスの設計及び製造を可能にするが、プロセスは、追加の資本及びツーリングを必要とする。より低量の用途では、追加コストは、妥当とするには困難な場合がある。更に、より従来的な製造方法を使用して生産され得るいくつかの用途が存在し得る。
【0010】
したがって、改善された高出力電子デバイス及びそれを製造する改善された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0011】
したがって、一実施形態では、本開示は、成形コンパウンドの第1の層と、プリント回路基板を備える、第1の層の上の第2の層と、導電性の接点で形成された、第2の層の上の第3の層と、少なくとも1つの電子部品で形成された、第3の層の上の第4の層と、成形コンパウンドで形成された、第4の層の上の第5の層と、で形成された高出力電子デバイスを提供する。
【0012】
一実施形態では、本開示は、成形コンパウンドの第1の層と、プリント回路基板を備える、第1の層の上の第2の層と、導電性の接点で形成された、第2の層の上の第3の層と、少なくとも1つの電子部品で形成された、第3の層の上の第4の層と、成形コンパウンドで形成された、第4の層の上の第5の層と、で形成された高出力電子デバイスを提供する。
【0013】
一実施形態では、本開示は、高出力電子デバイスを形成する方法であって、厚い導電性材料のシートからスタンピングを形成することであって、スタンピングは、リードフレーム部分と、フィンガによってリードフレーム部分に結合された少なくとも第1及び第2の電子部品取り付け接点とを含む、形成することと、アセンブリを形成するために、第1及び第2の電子部品取り付け接点に電子部品を着装することであって、電子部品は複数の端子を有し、電子部品の複数の端子のうちの1つは第1及び第2の電子部品取り付け接点に着装されない、着装することと、を含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は、例として示され、添付図に限定されるものではなく、図において、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【0015】
【
図2】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図3】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図4】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図5】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図6】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図7】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図8】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図9】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図10】高出力電子デバイスを形成する第1の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図11】高出力電子デバイスを形成する第2の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図12】高出力電子デバイスを形成する第2の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図13】高出力電子デバイスを形成する第2の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図14】高出力電子デバイスを形成する第2の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図15】高出力電子デバイスを形成する第2の方法に使用される部品の上面図を示す。
【
図16】高出力電子デバイスを形成する第2の方法に使用される部品の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面は、本開示の実施形態を示し、開示される実施形態は、様々な形態で具現化され得る本開示の単なる例にすぎないことが理解される。したがって、本明細書に開示される具体的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び本開示を様々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0017】
高出力電子デバイス20及びそれを製造する改善された方法が本明細書で提供される。1つのタイプの高出力電子デバイス20は、50アンペア未満の電力を切り替えるために1つのFET(Field Effect Transistor 、電界効果トランジスタ)を必要とするソリッドステートスイッチなどのソリッドステートデバイスである。一実施形態では、FETは、MOSFET(金属酸化物電界効果トランジスタ)である。
【0018】
【0019】
以下のステップによって実行される
図1~
図10に示された第1の製造方法に注意を向けて頂きたい。
【0020】
図2に示されたように、スタンピング22が、厚い導電性材料のシートで形成されている。一実施形態では、材料は銅である。別の実施形態では、材料はアルミニウムである。材料は、約200ミクロン~約3,000ミクロンの厚さを有し、好ましくは約500ミクロン~約800ミクロンの厚さを有し、これは、上述したような現在のプリント回路基板上に設けられる従来のトレースよりもはるかに厚い。スタンピング22は大きな厚さを有するので、スタンピング22は、複数のスタンピングを互いの上に積み重ねる必要なくして、高電流を搬送することができる。スタンピング22は、リールツーリール(連続フロー)製造プロセスで形成され得る。
【0021】
図2及び
図3に示されるように、スタンピング22は、複数の接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dを含み、これらの各々は、リードフレームセクション26と、複数の接点28a、28b、28c、28d及び32、34、36、38、40、42、44、46と、を含み、複数の接点のうちのいくつかはリードフレーム接続フィンガ48によってリードフレームセクションに結合され、いくつかは接点接続フィンガ50によって互いに接続されている。接点28b、28dなどの接点をリードフレーム接続フィンガ48に接続するために、フィンガ接続フィンガ52が設けられ得る。各接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dは、回路基板接点54、56を更に含み、回路基板接点54、56は、フィンガ50のうちの1つから延在してもよいし、又はリードフレーム26から延在してもよい。示されたような実施形態では、各リードフレームセクション26は、接点及びフィンガが設けられる内部空間66を画定する第1、第2、第3、及び第4のリードフレーム部分58、60、62、64を有する。3つのリードフレーム部分58、60、62のみが設けられる場合には、内部空間66は、隣接する接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dの第1のリードフレーム部分58によって更に画定される。接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dの第1のリードフレーム部分58及び第2のリードフレーム部分60は互いに平行であり、接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dの第2のリードフレーム部分62及び第3のリードフレーム部分64は互いに連続し、第1のリードフレーム部分58及び第2のリードフレーム部分60に対して垂直である。各接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dの接点は、接点28a、28bとして示された少なくとも第1及び第2の電子部品取り付け接点を含む。示されたように、リードフレームセクション26のうちの1つから延在する他の接点が設けられてもよい。
【0022】
第1の電子部品取り付け接点28aは、電子部品取り付け接点28bの第2の取り付け部分68bに隣接し、それに平行で、それから離間した第1の取り付け部分68aを有する。第1の取り付け部分68aと第2の取り付け部分68bとの間には、空間70が画定されている。取り付け部分68aのうちの一方は、他方の取り付け部分68bの長さよりも大きい長さを有し、したがって、空隙72が設けられる。回路基板接点54は、空隙72内に延在する。
図2及び
図3に示される構成は、接点サブアセンブリ内の接点及びフィンガの一例を表しており、他の構成も本開示の範囲内である。
【0023】
図4及び
図5に示されるように、FETなどの電子部品76の信号端子74は、例えば、はんだ、ワイヤ又はリボンボンドなどによって回路基板接点54に電気的に結合され、電子部品76の残りの接点78は、例えば、はんだ、ワイヤ又はリボンボンドなどによって第1の取り付け部分68a及び第2の取り付け部分68bに電気的に結合される。電子部品76は、第1の取り付け部分68aと第2の取り付け部分68bとの間の空間70に跨っている。更に、電子部品取り付け接点28c、28d及び第2の回路基板接点56は、スタンピング22の一部として形成され、FETなどの第2の電子部品76が同様に電気的に結合される。この構成は、結果として生じるスイッチを、バッテリ電圧が逆転されることから切り替えられることから保護する。逆バッテリ保護が必要とされない場合、第2の電子部品76、取り付け接点28c、28d、及び第2の回路基板接点56は必要でなくなるが、当業者には理解されるように、小さな改変、例えば、ゼロオーム抵抗器又はストラップの追加が、回路を完成させるために必要になる。
図5を参照すると、電流の測定を可能にするために、第2の電子部品取り付け接点28b、28dの間に、分流器80が電気的に結合され得る。
【0024】
その後、
図6に示されるように、接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dは、電子部品76がその上に取り付けられた状態で個々のサブアセンブリ82a、82b、82c、82dを形成するように単体化される。
【0025】
部品装着された従来のプリント回路基板(PCB)84が、
図7のPCBパネル86内に設けられ、
図8に示されるように、個々のサブアセンブリ82a、82b、82c、82dが、PCB84の上に置かれる。次いで、各サブアセンブリ82a、82b、82c、82dの接点28a、28b、28c、28d、32、34、36、38、40、42、44、46は、例えば、はんだ、タッピングねじなどの締結具、ワイヤ又はリボンボンドなどのうちの1つ以上によって、PCB84上のトレースに電気的に結合される。結合のための他の手段も設けられ得る。
【0026】
次に、
図10に示されるように、各サブアセンブリ82a、82b、82c、82dのリードフレームセクション26及びフィンガ48、50、52を除去して、各PCB84に電気的に結合された接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54及び電子部品76(並びに、設けられている場合には、接点28c、28d、第2の回路基板接点56、第2の電子部品76、分流器80)のみを残し、それによって、個別のアセンブリ90を形成する。次いで、各個別アセンブリ90が、PCBパネル86から取り外される。
【0027】
最後に、
図1に示されるように、各個別アセンブリ90は、成形コンパウンド92でオーバーモールドされて、小型ソリッドステートスイッチが作製される。低圧成形コンパウンドが使用され得る。
【0028】
図7に示されたステップは、
図8に示されたステップの前の任意の時点に実行することができる。
【0029】
一実施形態では、回路基板接点54(及び回路基板接点56)が排除され、電子部品76の信号端子74は、PCB84に直接、電気的に結合される。
【0030】
図1~
図10に示される第1の製造方法は、以下の層を有する高出力電子デバイス20のサンドイッチ構造を作製する:成形コンパウンド92で形成された第1の最下層、PCB84で形成された、第1の層の上の第2の層、接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(及び、設けられている場合には、接点28c、28d、第2の回路基板接点56)で形成された、第2の層の上の第3の層、電子部品76(及び、設けられている場合には、第2の電子部品76、分流器80)で形成された、第3の層の上の第4の層、並びに成形コンパウンド92で形成された、第4の層の上の第5の層。第5の層はまた、第3の層によって覆われていない第2の層の部分の上にもある。接点28a、32、34、36、38、40、42、44、46は、別の電気デバイス(図示せず)に接続するために成形コンパウンド92から外向きに延在する。
【0031】
2つのFET76を有する実施形態が提供される場合、接点はピンを形成する。1つのピンは、電流感知ピンであり得、ピンは(故障が検出された場合にデバイス20をシャットダウンするために使用される)故障検出ピンであってもよく、ピンは(電流をオン/オフにする)イネーブルピンであってもよく、ピンは接地されていてもよく、ピンはバッテリ(電源)に接続するように構成されていてもよく、ピンは負荷に接続する(アイテムが駆動される)ように構成される。一実施形態では、一方のFET76はバッテリピンに接続され、他方のFET76は負荷ピンに接続され、分流器80はバッテリピン及び負荷ピンの各々に接続される。したがって、デバイス20は、本質的にスマートソリッドステートリレーを形成する。
【0032】
以下のステップによって実行される
図1、
図2及び
図11~
図16に示される第2の製造方法に注意を向けて頂きたい。
【0033】
スタンピング22は、
図2に示されるように形成され、詳細はここでは繰り返さない。
【0034】
その後、
図11を参照すると、接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dは、個々のサブアセンブリを形成するために単体化される。この実施形態では、電子部品76(及び、設けられている場合には、第2の電子部品76、分流器80)は、単体化の前にスタンピング22上に組み立てられない。
【0035】
図12に示されるように、接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dは、誘電性のキャリア92内にインサート成形される。次に、
図13に示されるように、各接点サブアセンブリ24a、24b、24c、24dのリードフレームセクション26及びフィンガ48、50、52を除去して、キャリア92上に接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(及び、設けられている場合には、接点28c、28d、第2の回路基板接点56)のみを残す。
【0036】
その後、
図14を参照すると、PCB84の縁部96が接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(及び、設けられている場合には、接点56)に近接するように、PCB84がキャリア92の上に置かれるか、又はキャリア92の開口94を通して挿入される。PCB84がキャリア92の上に置かれる場合、PCB84は、接点のうちの少なくともいくつかの上に部分的に置かれてもよい。PCB84は、キャリア92上のその位置を維持するためにキャリア92に結合される。いくつかの実施形態では、PCB84は、熱かしめによってキャリア92に結合される。
【0037】
図15に示されるように、電子部品76(及び、設けられている場合には、第2の電子部品76、分流器80)は、接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(及び、設けられている場合には、接点56)に電気的に結合される。上記に示し述べたように、電子部品76の信号端子74は、例えば、はんだ、ワイヤ又はリボンボンドなどによって回路基板接点54に電気的に結合され、電子部品76の残りの接点78は、例えば、はんだ、ワイヤ又はリボンボンドなどによって第1の取り付け部分68a及び第2の取り付け部分68bに電気的に結合される。電子部品76は、第1の取り付け部分68aと第2の取り付け部分68bとの間の空間70に跨っている。更に、電子部品取り付け接点28c、28d及び第2の回路基板接点56は、スタンピング22の一部として形成され、FETなどの第2の電子部品76が同様に電気的に結合される。この構成は、結果として生じるスイッチを、バッテリ電圧が逆転されることから切り替えられることから保護する。逆バッテリ保護が必要とされない場合、第2の電子部品76、取り付け接点28c、28d、及び第2の回路基板接点56は必要でなくなるが、当業者には理解されるように、回路を完成させるために、小さな改変、例えば、ゼロオーム抵抗器又はストラップの追加が必要になる。
図5を参照すると、電流の測定を可能にするために、第2の電子部品取り付け接点28b、28dの間に、分流器80が電気的に結合され得る。
【0038】
あるいは、
図15に示されるステップは、
図14に示されるステップの前に実行することができる。
【0039】
次いで、接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(及び、設けられている場合には、接点28c、28d、第2の回路基板接点56)は、例えば、はんだ、タッピングねじなどの締結具、ワイヤ又はリボンボンドなどのうちの1つ以上によって、PCB84に電気的に結合される。結合のための他の手段も設けられ得る。
【0040】
一実施形態では、回路基板接点54(及び、設けられている場合には、回路基板接点56)が排除され、電子部品76の信号端子74は、PCB84に直接、電気的に結合される。
【0041】
最後に、
図1に示されるように、キャリア92、PCB84、及び接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(並びに、設けられている場合には、接点28c、28d、第2の回路基板接点56)が、成形コンパウンド92でオーバーモールドされて、小型ソリッドステートスイッチが作製される。低圧成形コンパウンドが使用され得る。
【0042】
図1、
図2、及び
図11~
図16に示される第2の製造方法は、以下の層を有する高出力電子デバイス20のサンドイッチ構造を作製する:成形コンパウンド92で形成された第1の最下層、キャリア92で形成された、第1の層の上の第2の層、PCB84で形成された、第2の層の上の第3の層、接点28a、28b、32、34、36、38、40、42、44、46、54(及び、設けられている場合には、接点28c、28d、第2の回路基板接点56)で形成された、第3の層の上の第4の層、電子部品76(及び、設けられている場合には、第2の電子部品76、分流器80)で形成された、第4の層の上の第5の層、並びに成形コンパウンド92で形成された、第5の層の上の第6の層。第6の層はまた、第4の層によって覆われていない第2及び第3の層の部分の上にもある。接点28a、32、34、36、38、40、42、44、46は、別の電気デバイス(図示せず)に接続するために成形コンパウンド92から外向きに延在する。
【0043】
この第2の実施形態は、ソリッドステートデバイスが、その中に使用されている集積回路の低い接合温度に苛まれていることを認識している。これらのデバイスの多くは、動作中に自身の熱を発生するFET及び絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated-Gate Bipolar Transistor 、IGBT)を使用している。この自己発生熱に加えて、それらの環境において提供される高温は、接合温度に到達しないように、熱をFETから遠くに伝達させるための熱管理を必要とする。現在の解決策は、熱を排除するためのヒートシンクへの密接な熱接触を有するベアダイを使用する。この第2の実施形態は、パッケージ化FET/ICを厚い熱伝導性接触端子ブレード上にはんだ付けして、熱をデバイス20から外へ伝達する。PCB84は、ワイヤ又はリボンボンドを使用してパッケージ化IC端子に結合されてもよいし、PCB84は、ワイヤ又はリボンボンドを使用して信号端子74に結合されてもよい。上述のソリッドステートデバイスの製造を以下に説明及び示す。
【0044】
特定の実施形態が、図面に関して示され、説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な改変を考案し得ることが想定される。したがって、開示及び添付の特許請求の範囲は、図面に示され、図面に関して検討された特定の実施形態に限定されるものではなく、改変物及び他の実施形態が、開示及び添付図面の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるであろう。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的組み合わせのコンテクストおいて例示的な実施形態を説明しているが、開示及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、要素及び/又は機能の異なる組み合わせが、代替的な実施形態によって提供され得ることを理解されたい。更に、前述の説明は、いくつかのステップの性能を列挙する方法を説明する。特段の記載がない限り、方法内の1つ以上のステップは必要とされない場合があり、1つ以上のステップは、記載されたものとは異なる順序で実行されてもよく、1つ以上のステップは、実質的に同時に形成されてもよい。最後に、図面は必ずしも原寸に比例して描かれていない。
【0045】
本明細書で提供される開示は、その好ましい実施形態及び例示的な実施形態の観点から特徴を説明する。当業者には、添付の特許請求の範囲及び趣旨内での多くの他の実施形態、改変、及び変形が、本開示を検討することにより想起されるであろう。
【国際調査報告】