IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

特表2023-547466コア-シース繊維、不織繊維ウェブ、及びそれを含む濾過物品
<>
  • 特表-コア-シース繊維、不織繊維ウェブ、及びそれを含む濾過物品 図1
  • 特表-コア-シース繊維、不織繊維ウェブ、及びそれを含む濾過物品 図2
  • 特表-コア-シース繊維、不織繊維ウェブ、及びそれを含む濾過物品 図3
  • 特表-コア-シース繊維、不織繊維ウェブ、及びそれを含む濾過物品 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】コア-シース繊維、不織繊維ウェブ、及びそれを含む濾過物品
(51)【国際特許分類】
   D01F 8/06 20060101AFI20231102BHJP
   D04H 3/147 20120101ALI20231102BHJP
   D04H 3/007 20120101ALI20231102BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20231102BHJP
   B03C 3/28 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
D01F8/06
D04H3/147
D04H3/007
B01D39/16 A
B03C3/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526161
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 IB2021060101
(87)【国際公開番号】W WO2022091060
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/108,561
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】シュルツ,ネイサン イー.
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ザカリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】デュアン,ダニエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジャスジャ,ヒマーンシュ
(72)【発明者】
【氏名】カーク,セス エム.
(72)【発明者】
【氏名】リ,フーミン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン,ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】テヴェロフスキー,ゲオルギー
【テーマコード(参考)】
4D019
4D054
4L041
4L047
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA13
4D019BB03
4D019BC01
4D019CA02
4D019CB04
4D019CB06
4D019DA03
4D019DA06
4D054AA12
4D054AA15
4D054BC15
4D054BC16
4L041BA02
4L041BA05
4L041BA21
4L041BC07
4L041BD11
4L041CA05
4L041CA36
4L041CA38
4L041CA39
4L041DD21
4L047AA14
4L047AA21
4L047AA27
4L047AA29
4L047AB03
4L047BA08
4L047BB01
4L047BB02
4L047BB09
4L047CC03
4L047CC12
(57)【要約】
本明細書に記載されるのは、熱可塑性コア-シース繊維である。熱可塑性コア-シース繊維は、その上に配置された同延のシース層を有するコアを含み、コアは第1のポリマー樹脂及び帯電強化添加剤を含む、コアを含み、シース層が第2のポリマー樹脂を含み、但し、第2のポリマー樹脂がポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む場合、第2のポリマー樹脂は100重量%のポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含まない。これらの熱可塑性コア-シース繊維は、濾過用途に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性コア-シース繊維であって、
その上に配置された同延のシース層を有するコアを含み、前記コアは第1のポリマー樹脂及び帯電強化添加剤を含み、前記シースは第2のポリマー樹脂を含み、但し、前記第2のポリマー樹脂がポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む場合、前記第2のポリマー樹脂は100重量%のポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含まない、熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項2】
前記シースが、少なくとも0.1マイクロメートルかつ最大で3マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項3】
前記シース対前記コアの体積比が少なくとも60:40である、請求項1又は2に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項4】
前記シースが帯電強化添加剤を実質的に含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項5】
前記シースが帯電強化添加剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項6】
前記コアが少なくとも0.1重量%の前記帯電強化添加剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項7】
前記帯電強化添加剤が、顔料、光安定剤、一次及び二次酸化防止剤、金属不活性化剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、金属塩、亜リン酸トリエステル、リン酸塩、フッ素含有化合物、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項8】
前記コア-シース繊維が少なくとも4マイクロメートルの直径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項9】
前記コアがポリプロピレンを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項10】
前記第2のポリマー樹脂が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリエステル、又はポリスチレンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項11】
前記コア-シース繊維がエレクトレット電荷を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項12】
前記シース層がフッ素化化合物を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項13】
前記第1のポリマー樹脂及び前記第2のポリマー樹脂が、同じポリマーを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の熱可塑性コア-シース繊維を含む、不織繊維ウェブ。
【請求項15】
請求項14に記載の不織繊維ウェブを含む、医療用物品。
【請求項16】
請求項14に記載の不織繊維ウェブを含む、濾過物品。
【請求項17】
前記濾過物品がレスピレーターである、請求項16に記載の濾過物品。
【請求項18】
前記不織繊維ウェブがプリーツ加工されている、請求項16又は17に記載の濾過物品。
【請求項19】
エレクトレットを作製する方法であって、
(i)その上に配置された同延のシース層を有するコアを含む、熱可塑性コア-シース繊維を提供することであって、前記コアが第1のポリマー樹脂及び帯電強化添加剤を含み、但し、前記第2のポリマー樹脂がポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む場合、前記第2のポリマー樹脂が100重量%のポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含まない、提供することと、
(ii)コロナ処理、ハイドロチャージング、摩擦帯電、又はこれらの組み合わせを介して、前記熱可塑性コア-シース繊維を帯電させて、前記エレクトレットを形成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、電荷強化添加剤を含有する不織繊維ウェブ、及びそれらを含む物品に関する。
【発明の概要】
【0002】
エレクトレットは、永久的若しくは半永久的な電荷又は双極子分極を有する誘電材料である。エレクトレットは、例えば食品包装用ラップ、空気フィルタ、フィルタ付きマスク(filtering facepiece)、及びレスピレーターを含む様々なデバイスにおいて、またマイクロホン、ヘッドホンなどの電気音響デバイス、及び静電記録装置中の静電要素として有用である。
【0003】
典型的には、エレクトレットは、帯電添加剤をポリマー材料に組み込み、次いで、コロナ処理、摩擦帯電処理、ハイドロチャージング処理、又はこれらの組み合わせを使用してポリマー材料上に電荷を誘導することによって作製される。両方のコロナ処理、摩擦帯電及びハイドロチャージングが、表面処理技術と考えられる。したがって、繊維状エレクトレットを作製する場合、準永久電荷を作製するために使用される電荷強化添加剤は、表面層中に配置される(米国特許第4,375,718号(Wadsworthら)及び特開2008150753号(Haneら)を参照されたい)。本出願において、コア-シース繊維のコアに添加された帯電添加剤がエレクトレットを生成し得ることが予想外にも発見された。
【0004】
一態様では、熱可塑性コア-シース繊維が開示される。熱可塑性コア-シース繊維は、その上に配置された同延(coextensive)のシース層を有するコアを含み、コアは第1のポリマー樹脂及び帯電強化添加剤(electrostatic charge enhancing additive)を含み、シースは第2のポリマー樹脂を含み、但し、第2のポリマー樹脂がポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む場合、第2のポリマー樹脂は100重量%のポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含まない。
【0005】
一実施形態では、本明細書に開示される熱可塑性コア-シース繊維は、レスピレーターなどの濾過物品に使用することができる。
【0006】
別の態様では、エレクトレットを作製する方法が記載される。この方法は、その上に配置された同延のシース層を有するコアを含む、熱可塑性コア-シース繊維を提供することであって、コアが第1のポリマー樹脂及び帯電強化添加剤を含み、シースが第2のポリマー樹脂を含み、但し、第2のポリマー樹脂がポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む場合、第2のポリマー樹脂は100重量%のポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含まない、提供することと、コロナ処理、ハイドロチャージング、摩擦帯電、又はこれらの組み合わせを介して、熱可塑性コア-シース繊維を帯電させて、エレクトレットを形成することと、を含む。
【0007】
上記の概要は、各実施形態を説明することは意図されていない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細はまた、以下の「発明を実施するための形態」にも記載される。その他の特徴、目的、及び利点は、「発明を実施するための形態」及び「特許請求の範囲」から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示による例示的なコア-シース繊維の概略断面図である。
【0009】
図2】本開示による不織繊維ウェブの概略斜視図である。
【0010】
図3】本開示の一実施形態による例示的なレスピレーター40の概略正面図である。
【0011】
図4図3のマスク体42の概略断面図である。
【0012】
明細書及び図面中の参照文字が繰り返して使用されている場合、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。当業者は多くの他の修正形態及び実施形態を考案することができ、それらは本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれることを理解されたい。図は、縮尺通りに描かれていないことがある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用するとき、
用語「a」、「an」、及び「the」は、互換的に使用され、1つ以上を意味し、
「及び/又は」は、記載された事例の一方又は両方が生じ得ることを示すのに用いられ、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)並びに(A又はB)を含む。
【0014】
更に本明細書では、端点による範囲の記載は、この範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~10は、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98などを含む)。
【0015】
更に本明細書では、「少なくとも1」の記載は、1以上の全ての数(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100など)を含む。
【0016】
本明細書で使用する場合、A、B、及びC「のうちの少なくとも1つを含む」は、単独の要素A、単独の要素B、単独の要素C、A及びB、A及びC、B及びC、並びに3つ全ての組み合わせを指す。
【0017】
ここで図1を参照すると、コア-シース繊維100は、その上に配置されたシース層120を有するコア110を含む。図示されていないが、シース層120は、繊維長さに沿って(繊維端部は除外される)同延である。図1に示されるコア-シース繊維及びコアは、円形断面を有するが、他の断面、例えば、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、七角形、八角形、星形、楕円形、三葉形、及び四葉形の断面なども使用することができる。同様に、図1は中心に配置されたコアを示しているが、コアは中心からずれて配置されてもよい。
【0018】
一実施形態では、本開示のコア-シース繊維は、いわゆる「海島型」押出物ではなく、複数の繊維コア(すなわち、1つ、2つ、4つ、又は更には6つを超えるコア)が、シースも形成するポリマーマトリックス内に分布している。
【0019】
本開示のコアにおいて有用な熱可塑性樹脂としては、ウェブに形成し帯電させたときに多量のトラップされた帯電を保持することができる、任意の熱可塑性非導電性ポリマーが挙げられる。典型的には、そのようなポリマー樹脂は、意図される用途の温度で1014Ω-cmを超えるDC(直流)抵抗率を有する。トラップされた電荷を獲得することができるポリマーとしては、ポリプロピレン;ポリエチレン(例えば、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE;ULDPE、UHMW-PEグレード);ポリ(1-ブテン);ポリ(3-メチルブテン);ポリ(4-メチル-1-ペンテン)などのポリオレフィン;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリカーボネート;ポリラクチドを含むポリエステル;並びに全フッ素化ポリマー及びコポリマーが挙げられる。好ましくは、熱可塑性樹脂はポリプロピレンを含む。
【0020】
好適な熱可塑性樹脂の例として、例えば、ポリプロピレン樹脂:Exxon-Mobil Corporation(Irving,TX)から市販されているESCORENE PP 3746G;Total Petrochemicals USA Inc.(Houston,TX)から市販されているTOTAL PP3960、TOTAL PP3860、及びTOTAL PP3868;並びにLyondellBasell Industries,Inc.(Rotterdam,Netherlands)から市販されているMETOCENE MF 650W;並びに三井化学(東京)から市販されているポリ-4-メチル-1-ペンテン樹脂TPX-DX820、TPX-DX470、及びTPX-MX002が挙げられる。
【0021】
本開示において、繊維のコアは、帯電強化添加剤を含有する。エレクトレット含有繊維ウェブを作製するための多くの電荷強化添加剤が、当該技術分野において既知である。電荷強化添加剤は、コア-シース繊維を用いて作製されたウェブについて、以下で論じられる初期品質係数(Q0)を増加させる、及び/又は電荷安定性(Q3/Q0の比)を高める材料である。例示的な帯電強化添加剤としては、顔料、光安定剤、一次及び二次酸化防止剤、金属不活性化剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、金属塩、亜リン酸トリエステル、リン酸塩、フッ素含有化合物、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。好ましくは、電荷強化添加剤は、樹脂内での移動を防止するために周囲条件で固体であり、適度な温度で分解しない。一実施形態では、電荷強化添加剤は、少なくとも25、30、40、50、60、80℃又は更には100℃の温度で固体である。一実施形態では、電荷強化添加剤は分解せず、例えば、235℃まで加熱するために10℃/分の温度上昇速度を使用して熱重量分析によって窒素下で測定した場合、著しい重量損失はない(すなわち、5、1、又は更には0.1重量%未満)。
【0022】
特に好ましい電荷強化添加剤としては、ヒンダードアミン系添加剤、トリアジン系添加剤、及びヒンダードフェノール系添加剤が挙げられる。
【0023】
ヒンダードアミン系又はトリアジン系添加剤の具体例としては、BASF,Ludwigshafen,Germanyから商品名「CHIMASSORB 944」で入手可能な(ポリ[[6-(1,1,3,3,-テトラメチルブチル)アミノ]-s-トリアジン-2,4-ジイル][[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]]);BASFから商品名「TINUVIN 622」で入手可能なコハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物;BASFから商品名「TINUVIN 144」で入手可能なジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-n-ブチルマロネートビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル;BASFから商品名「CHIMASSORB 2020」で入手可能なジブチルアミン-1,3,5-トリアジン-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミン-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物;BASFから商品名「TINUVIN 1577」で入手可能な2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-((ヘキシル)オキシ)-フェノール;BASFから商品名「UVINUL T-150」で入手可能な2,4,6-トリアニリノ-p-(カルボ-2’-エチルヘキシル-l’-オキシ)-l,3,5-トリアジンなどのN置換アミノ芳香族化合物、特にトリアミノ置換化合物;及びトリステアリルメラミン(「TSM」)としても知られる2,4,6-トリス-(オクタデシルアミノ)トリアジンが挙げられる。
【0024】
ヒンダードフェノール系添加剤は、末端官能基としてヒドロキシル基を有する。ヒンダードフェノール系添加剤は、特に限定されないが、具体例としては、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](Irganox 1010、BASF製)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox 1076、BASF製)、トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート(Irganox 3114、BASF製)、3,9-ビス-{2-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ-[5,5]ウンデカン(Sumilizer-GA-80、Sumitomo Chemical Co.,Ltd.製)などが挙げられる。
【0025】
化合物又はオリゴマーがトリアジン環中にある窒素原子に加えて少なくとも1個の窒素原子を含有する、更に熱的に安定な有機トリアジン化合物又はオリゴマーが、Rousseauらの米国特許第6,268,495号、同第5,976,208号、同第5,968,635号、同第5,919,847号、及び同第5,908,598号に開示されている。
【0026】
電荷強化添加剤の更なる例は、米国特許出願公開第2011/0137082号(Liら);米国特許第8613795号(Liら)、同第7,390,351号(Leirら)、米国特許第5,057,710号(Nishiuraら)、並びに米国特許第4,652,282号及び同第4,789,504号(両方ともSusumuら)、並びに米国特許第8,790,449(B2)号(Liら)に提供されている。
【0027】
電荷強化添加剤は、任意の好適な量で添加することができる。本開示の電荷強化添加剤は、比較的少量であっても有効であり得る。典型的には、電荷強化添加剤は、熱可塑性樹脂と電荷強化添加剤とのブレンド中に、ブレンドの総重量に基づいて、最大約10重量%、より典型的には0.02~5重量%の範囲の量で存在する。いくつかの実施形態では、電荷強化添加剤は、0.1~3重量%、0.1~2重量%、0.2~1.0重量%、又は0.25~0.5重量%の量で存在する。
【0028】
熱可塑性樹脂と電荷強化添加剤とのブレンドは、よく知られた方法によって調製することができる。電荷強化添加剤を熱可塑性樹脂に直接添加してコアを形成してもよく、あるいは電荷強化添加剤を、いわゆるマスターバッチ中の熱可塑性樹脂中で濃縮し、次いでマスターバッチを熱可塑性樹脂に添加してコアを形成してもよい。マスターバッチの場合、マスターバッチの熱可塑性樹脂は、コアを形成する熱可塑性樹脂とは異なっていてもよい。一実施形態では、電荷強化添加剤は、マスターバッチ中に10~30重量%の量で存在する。典型的には、電荷強化添加剤と熱可塑性樹脂とのブレンドは、溶融押出技術を使用して加工されるため、バッチプロセスでブレンドを予めブレンドしてペレットを形成してもよく、又は連続プロセスにて押出機中で熱可塑性樹脂及び電荷強化添加剤を混合してもよい。連続プロセスを使用する場合、熱可塑性樹脂及び電荷強化添加剤は、固体として予備混合してもよく、又は押出機に別々に添加して溶融状態で混合させてもよい。
【0029】
予備ブレンドされたペレットを形成するために使用できる溶融混合機の例としては、分散混合、分配混合、又は分散混合と分配混合の組み合わせを提供するものが挙げられる。バッチ法の例としては、BRABENDER(例えば、C.W.Brabender Instruments,Inc.;South Hackensack,New Jerseyから市販されているBRABENDER PREP CENTER)又はBANBURY内部混合及びロールミリング装置(例えば、Farrel Co.;Ansonia,Connecticutから入手可能な装置)を使用するものが挙げられる。バッチ混合後、生成した混合物を直ちに急冷し、後で加工するために混合物の融解温度未満で保管してもよい。
【0030】
連続法の例としては、単軸押出、二軸押出、ディスク押出、プランジャー式(reciprocating)単軸押出及びピンバレル単軸押出が挙げられる。連続法は、キャビティトランスファーミキサー(例えば、RAPRA Technology,Ltd.(Shrewsbury,England)から市販されているCTM)及びピン混合要素、静的混合要素などの分配要素又は分散混合要素(例えば、MADDOCK混合要素又はSAXTON混合要素から市販されている)の両方の利用を含むことができる。
【0031】
バッチプロセスによって調製される予備ブレンドされたペレットを押し出すために使用できる押出機の例としては、連続加工について前述した装置と同じタイプが挙げられる。有用な押出条件は、概して、添加剤なしで樹脂を押し出すのに好適なものである。
【0032】
コアは、任意の平均直径を有し得るが、好ましくは1~100ミクロン、より好ましくは5~50ミクロン、及び更により好ましくは10~25ミクロンの範囲である。
【0033】
コアは、シース層によって封入される。シース層は、シース層で被覆されていてもいなくてもよい繊維コアの端部を除いて、繊維コアの外側表面と同延の層を形成する。必要条件ではないが、シース層は実質的に均一かつ完全であることが好ましい。一実施形態では、シース層は、例えば、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.4、0.5、又は更には0.6ミクロン厚、かつ最大で0.8、1.0、1.5、2.0、2.5、2.8、又は更には3.0ミクロンの平均厚を有する薄い層であり得る。一実施形態では、コア対シースの体積比は、少なくとも60:40、70:30、又は更には75:25である。一実施形態では、コア対シースの体積比は、最大で80:20、85:15、90:10、又は更には95:5である。一実施形態では、コア-シース繊維中のシース層の重量パーセントは、少なくとも3、5、8、10、15、又は更には25重量%である。一実施形態では、コア-シース繊維中のシース層の重量パーセントは、最大で30、40、50、60、又は更には70重量%である。
【0034】
シース層は、熱可塑性ポリマーを含む。例示的な熱可塑性ポリマーとしては、スチレンブロックコポリマー(例えば、SIS、SEBS、SBS)、熱可塑性ポリオレフィン、エラストマーアロイ(例えば、クラレ(岡山)からクラリティとして市販されているポリメチルメタクリレート-ブロック-ポリ(ブチルアクリレート)-ブロック-ポリメチルメタクリレートなどのエラストマー熱可塑性アクリレートブロックコポリマー)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステル及びコポリエステル;ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリカーボネート;熱可塑性ポリエステル(例えば、ポリラクチド及びポリエチレンテレフタレート);全フッ素化ポリマー及びコポリマー、熱可塑性ポリアミド、並びに前述のいずれかのブレンドが挙げられる。
【0035】
熱可塑性コポリエステルは、熱可塑性ポリマーとして有用であり得る。ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、及び他の生分解性ポリマーを更に含んでもよい熱可塑性脂肪族ポリエステルが特に有用である。溶融加工可能な(フィラメント形成)ポリ乳酸ポリマー材料(例えば、L-Dコポリマー)は、例えば、NatureWorks LLC(Minnetonka,Minnesota)から商品名INGEO 6100D、6202D、及び6260Dで市販されている。溶融加工可能なポリ乳酸ポリマー材料(例えば、D-乳酸ホモポリマー)は、例えば、Synbra Technologies,The Netherlandsから商品名「SYNTERRA PDLA 1010」で入手可能である。多くの他の潜在的に好適なポリ乳酸材料も利用可能である。
【0036】
例示的な熱可塑性ポリウレタン(TPU)としては、ポリエステル系TPU及びポリエーテル系TPUが挙げられる。1つの例示的なポリエステル系熱可塑性ポリウレタンは、The Huntsman Corporation(The Woodlands,Texas)からIROGRAN(model PS 440-200)として入手することができる。例示的なポリエーテルTPU樹脂としては、B.F.Goodrich Company(Cleveland,Ohio)からEstaneとして市販されているものが挙げられる。
【0037】
例示的な熱可塑性ポリオレフィンとしては、プロピレン、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、及び1-オクタデセンの、ホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。これらのうち、エチレン及び/又はプロピレンのホモポリマー及びコポリマーが好ましく、プロピレンが概して好ましい。代表的な例としては、ポリエチレン(例えば、HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE;ULDPE、UHMW-PEグレード)、ポリプロピレン、ポリ(1-ブテン)、ポリ(3-メチルブテン)、及び本明細書で論じられるオレフィンモノマーのコポリマーが挙げられる。
【0038】
一実施形態では、コアの第1のポリマー樹脂は、シースに使用される第2のポリマー樹脂と同じである。別の実施形態では、コアの第1のポリマー樹脂は、シースに使用される第2のポリマー樹脂とは異なる。
【0039】
一実施形態では、シースのポリマー樹脂(又は第2のポリマー樹脂)は、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む。一実施形態では、シースのポリマー樹脂は、100、99、98、97、95、90、85、80、又は更には75重量%未満のポリ(4-メチル-1-ペンテン)を含む。一実施形態では、シースのポリマー樹脂は、4-メチル-1-ペンテン又はそのポリマー(例えば、ポリ(4-メチル-1-ペンテン))を実質的に含まず、これは10、8、6、5、4、3、2、1、0.5、又は更には0.1重量%未満を含むことを意味する。
【0040】
一実施形態では、コア-シース繊維は、ポリアリーレンスルフィドを実質的に含まず、言い換えれば、コア-シース繊維は、シース部分、コア部分、又はコア-シース繊維中に10、8、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、又は更には0.01重量%未満のポリアリーレンスルフィドを含む。
【0041】
一実施形態では、コア-シース繊維は、ポリテトラフルオロエチレンを実質的に含まず、言い換えれば、コア-シース繊維は、シース部分、コア部分、又はコア-シース繊維中に10、8、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、又は更には0.01重量%未満のポリテトラフルオロエチレンを含む。
【0042】
シースは、導電率を高めるか、又はそうでなければ帯電を受け入れて保持する繊維のコアの能力に干渉し得る帯電防止剤などの材料を実質的に含まない(0.1、0.05、又は更には0.01重量%未満を含む)必要がある。
【0043】
一実施形態では、シースは、帯電強化添加剤を実質的に含まない(0.1重量%未満、又は更には0.01重量%未満を含む)。
【0044】
一実施形態では、シースはまた、帯電強化添加剤を含む。
【0045】
シース及びコアは異なる組成を有し、コアは、シース層とは異なる熱可塑性樹脂及び/又は異なる電荷強化添加剤を含んでもよい。
【0046】
一実施形態では、コア及び/又はシースは、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、酸中和剤、充填剤、抗菌剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、顔料、プライマー、分散剤、及び他の接着促進剤などの1つ以上の従来の補助剤を含んでもよい。米国特許第7,879,746号(Klunら)(本明細書に参照により組み込まれる)において論じられている抗菌剤及び強化剤を組み込むことは、医療用途に特に有益であり得る。特定の用途では、米国特許出願公開第2012/0077886号(Scholzら)(本明細書に参照により組み込まれる)において論じられている界面活性剤を組み込むことは、特定の用途に特に有益であり得る。
【0047】
一実施形態では、有利なことに、本開示のコア-シース繊維は、繊維のコアに位置する電荷強化添加剤により、より良好な性能(寿命及び/又は濾過能力など)を有することができる。
【0048】
一実施形態では、添加剤化合物をシースに添加して、コア-シース繊維の表面を改変することができる。例えば、コア-シース繊維をフッ素化する。一実施形態では、フッ素化化合物(例えば、3M Co.,Maplewood,MNからRepellent Polymer Melt Additive PM-870として入手可能なフッ素化化合物)をシース層のポリマー樹脂に添加してもよい。別の実施形態では、コア-シース繊維は、フッ素含有種及び不活性ガスを含む雰囲気中に置き、次いで放電させてシース層の表面の化学的性質を改変することができる。放電は、ACコロナ放電などのプラズマの形態であってもよい。このプラズマフッ素化プロセスにより、ポリマー物品の表面上にフッ素原子が存在するようになる。プラズマフッ素化プロセスは、Jones/Lyonsらの多くの米国特許第6,397,458号、同第6,398,847号、同第6,409,806号、同第6,432,175号、同第6,562,112号、同第6,660,210号及び同第6,808,551号に記載されている。高いフッ素飽和比(fluorosaturation ratio)を有するエレクトレット物品は、米国特許第7,244,291号(Spartzら)に記載されており、ヘテロ原子により低いフッ素飽和比を有するエレクトレット物品は、米国特許第7,244,292号(Kirkら)に記載されている。フッ素化技術を開示する他の公報には以下のものが挙げられる:米国特許第6,419,871号、同第6,238,466号、同第6,214,094号、同第6,213,122号、同第5,908,598号、同第4,557,945号、同第4,508,781号、及び同第4,264,750号;米国特許出願公開第2003/0134515(A1)号及び同第2002/0174869(A1)号;並びに国際公開第01/07144号。
【0049】
本開示の実施において使用されるコア-シース繊維は、任意の平均繊維直径を有してもよく、連続繊維、ランダム繊維、及び/又はステープル繊維であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、繊維(すなわち、個々の繊維)は、5ミクロン以上(例えば、6ミクロン以上、8ミクロン以上、10ミクロン以上)、最大15ミクロン、最大18ミクロン、最大20ミクロン、最大22ミクロン、又は更には最大25ミクロン)の平均繊維直径を有し得る。
【0050】
一実施形態では、コア-シース繊維の直径は、顕微鏡法(例えば、光学顕微鏡法又は走査型電子顕微鏡法)によって決定することができ、繊維は、繊維の直径、コアの直径、及び/又はシースの厚さを決定するために、断面にされ、拡大下で見られる。
【0051】
一実施形態では、コア-シース繊維の直径は、繊維ウェブにわたる圧力降下を測定することによって計算することができる。有効繊維径(EFD)は、C.N.Davies,The Separation of Airborne Dust and Particulates,Institution of Mechanical Engineers,London Proceedings,IB(1952)に記載されるように計算することができる。実際には、シース厚は、日常的な実験的変動及びEFDの平均化の性質の結果として、いくつかの実験的変動を示し得る。
【0052】
コア-シース繊維を作製するための方法は周知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。一実施形態では、コア-シース繊維は共押出によって作製される。例えば、少なくとも2つのポリマーが別々に押し出され、ポリマー分配システムに供給され、そこでポリマーがセグメント化紡糸口金プレートに導入される。ポリマーは別々の経路をたどり、紡糸口金孔内で組み合わされ、これによりコア-シース型繊維を提供する。例えば、米国特許第4,789,592号(Taniguchiら)及び同第5,336,552号(Strackら)を参照されたく、これらは両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、シース層は、当該技術分野で既知である堆積及びコーティング技術を使用してコア繊維上に堆積される。例えば、蒸着を使用して、樹脂の溶融温度を超えるシース材料で繊維コアを包み込むことができる。このような技術は、ニートポリマー樹脂シースでより有用であり得る。例えば、米国特許第10,213,716号(Kitagawaら)を参照されたく、これは、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。コーティング技術、例えばスプレーコーティング、ディップコーティングなどを使用して、繊維コアをシース組成物でコーティングすることができる。例えば、国際公開第201688692号(Kitagawa)を参照されたい。
【0053】
本明細書に記載される繊維(フィラメント)は、概して、フィラメントを作製するための当技術分野において既知の技術を使用して作製することができる。このような技術としては、湿式紡糸、乾式紡糸、溶融紡糸、メルトブロー、又はゲル紡糸が挙げられる。
【0054】
コア-シースフィラメントを形成するのに特に有利なのは溶融紡糸である。溶融紡糸において、ポリマーを加熱し、紡糸口金を通過させて、繊維を冷却時に固化させる。例えば、溶融紡糸プロセスを行って多成分フィラメントを収集することができる。本明細書で使用される用語「溶融紡糸」は、1組のオリフィスから溶融フィラメントを押し出し、フィラメントを冷却及び(少なくとも部分的に)固化させてフィラメントを形成することにより形成されるフィラメントを指し、この場合、フィラメントは、フィラメントの冷却及び固化を助けるために空気の空間(移動空気流を含み得る)を通過し、次いで、このように形成された繊維を、繊維を延伸させるために細長化(すなわち、延伸)ユニットを通過させる。
【0055】
メルトブローが押し出しオリフィスのきわめて近くに配置された空気吹き込みオリフィスにより導入される収束高速空気流への溶融フィラメントの押し出しを伴うという点で、溶融紡糸はメルトブローと区別することができる。溶融紡糸はまた、電界紡糸が、必要な溶媒溶液から押し出すものとして説明され得るという点で、電界紡糸と区別され得る。紡糸口金の改変は、多成分(例えば、コア-シース)繊維をもたらす(例えば、米国特許第4,406,850号(Hills)、同第5,458,972号(Hagen)、同第5,411,693号(Wust)、同第5,618,479号(Lijten)、及び同第5,989,004号(Cook)を参照されたい)。本開示によるフィラメントはまた、フィルムのフィブリル化によって作製することもでき、これは矩形断面を有するフィラメントを提供し得る。
【0056】
ここで図2を参照すると、例示的な不織繊維ウェブ200は、コア-シース繊維210と、任意選択の二次繊維220とを含む。コア-シース繊維210は、2~100ミクロンの平均繊維直径を有し、本開示によるコア-シース繊維を含む。任意選択の二次繊維は、任意の繊維タイプであってもよく、及び/又は任意の平均繊維直径を有してもよい。
【0057】
不織繊維ウェブは、例えば、従来のエアレイド、カード、ステッチボンド、スパンボンド、ウェットレイド及び/又はメルトブロー手順によって作製することができる。
【0058】
スパンボンド不織繊維ウェブは、溶融紡糸繊維が移動ベルト上に堆積され、そこで繊維間結合を有する不織連続繊維ウェブを形成する周知の従来の方法に従って形成することができる。メルトブロー不織繊維ウェブは、高速ガスが押し出された繊維に衝突し、それによってそれらが回転ドラム上に収集される前にそれらを延伸して薄くすることを除いて、同様のプロセスによって作製される。メルトブロー繊維ウェブも同様に繊維間結合を有するが、このウェブは概して対応するスパンボンド繊維ウェブの凝集強度を有していない。
【0059】
いくつかの実施形態では、不織ウェブは、繊維(例えば、コアシース繊維及び任意選択の二次繊維)のエアレイ加工によって作製することができる。エアレイド不織繊維ウェブは、例えば、Rando Machine Company(Macedon,New York)からRANDO WEBBERとして入手可能なものなどの機器を使用して作製することができる。いくつかの実施形態では、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0247839号(Lalouch)に開示されているような重力レイ加工と称される型のエアレイ加工を使用することができる。不織繊維ウェブは、例えば、クロスラップ加工、ステッチボンド加工、ニードルタック加工、水流交絡、ケミカルボンド加工、及び/又はサーマルボンド加工などの技術によって、高密度化及び強化することができる。
【0060】
本開示による不織繊維ウェブは、別段の指定がない限り、任意の坪量、厚さ、多孔性、及び/又は密度を有し得る。いくつかの実施形態では、不織繊維ウェブは、嵩高な開放不織繊維ウェブである。いくつかの実施形態では、不織繊維ウェブの繊維は、少なくとも3、4、5、10、15、20、又は25マイクロメートルかつ最大125、100、90、80、75、50、40、又は更には30マイクロメートルの有効繊維径を有する。
【0061】
コア-シース繊維及び/又はコア-シース繊維を含む不織繊維ウェブは、それが形成されたまま帯電されてもよく、形成された後に帯電されてもよい。エレクトレットフィルタ媒体(例えば、不織繊維ウェブ)の場合、媒体は、概して、繊維ウェブが形成された後に帯電される。
【0062】
概して、当技術分野において既知の任意の標準的な帯電方法を使用することができる。例えば、帯電は、摩擦帯電、ハイドロチャージング及びコロナ放電を含む様々な方法で実施することができる。方法の組み合わせもまた使用することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、本開示のエレクトレットウェブは、追加の帯電方法を必要とせず、コロナ放電のみ、特にDCコロナ放電によって帯電することができるという望ましい特徴を有する。好適なコロナ放電プロセスの例は、米国再発行特許第30,782号(van Turnhout)、米国再発行特許第31,285号(van Turnhout)、米国再発行特許第32,171号(van Turnhout)、米国特許第4,215,682号(Davisら)、米国特許第4,375,718号(Wadsworthら)、米国特許第5,401,446号(Wadsworthら)、米国特許第4,588,537号(Klaaseら)、米国特許第4,592,815号(Nakao)、米国特許第6,365,088号(Knightら)、英国特許第384,052号(Hansen)、米国特許第5,643,525号(McGintyら)、日本国特許第4,141,679(B2)号(Kawabeら)に記載されている。更なる方法は、M.PaajanenらによってJournal of Physics D:Applied Physics(2001),vol.34,pp.2482-2488、並びにG.M.Sessler及びJ.E.Westによって、Journal of Electrostatics(1975),1,pp.111-123において論じられている。
【0063】
エレクトレットウェブを帯電させるために使用することができる別の技術は、ハイドロチャージングである。ウェブのハイドロチャージングは、繊維に電荷を付与するのに十分な方法で繊維を水と接触させ、その後ウェブを乾燥させることによって実施される。ハイドロチャージングの一例は、ウェブに濾過促進エレクトレット電荷を供給するのに十分な圧力で、ウォータージェット又は水滴流をウェブに当て、次いで、ウェブを乾燥させることを要する。最適な結果を達成するために必要な圧力は、使用する噴霧器の種類、ウェブを形成する元となるポリマーの種類、ポリマーへ加える添加剤の種類及び濃度、ウェブの厚さ及び密度、並びにハイドロチャージングの前に行われるコロナ表面処理などの前処理の有無に応じて変わる。概ね、約10~500psi(69~3450kPa)の範囲の水圧が好適である。ウォータージェット又は水滴流は、任意の好適な噴霧装置によって提供することができる。有用な噴霧装置の一例は、繊維の水圧交絡に使用される装置である。ハイドロチャージングの好適な方法の例は、米国特許第5,496,507号(Angadjivandら)に記載されている。他の方法は、米国特許第6,824,718号(Eitzmanら)、米国特許第6,743,464号(Insleyら)、米国特許第6,454,986号(Eitzmanら)、米国特許第6,406,657号(Eitzmanら)、及び米国特許第6,375,886号(Angadjivandら)に記載されている。また、ウェブのハイドロチャージングは、米国特許第7,765,698号(Sebastianら)に開示されている方法を用いて実施してもよい。
【0064】
驚くべきことに、コア中に電荷強化添加剤を含むコア-シース繊維がエレクトレット電荷を有することが発見された。エレクトレット電荷は、少なくとも準永久的な電荷が存在することを意味し、「準永久的」とは、電荷が、標準大気条件(22℃、101,300パスカルの大気圧、及び50%相対湿度)下で、有意に測定可能であるのに十分長い期間存在することを意味する。電荷は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,815,067号(Schultzら)の第18欄第12~42行に記載されているようなX線放電試験によって特徴付けることができる。(摩擦の結果として生成され得るような)直後に消散する帯電とは異なり、(例えば、不織)ウェブ物品のエレクトレット電荷は、物品の意図された製品寿命にわたって、実質的に維持される準永久的な電荷である。したがって、十分な電荷は、使用時並びに製造後少なくとも6ヶ月又は12ヶ月で明らかである。
【0065】
特定の濾過材が事実上帯電していることを確認するために、電離X線放射線への曝露後にその性能を調べてもよい。文献(Air Filtration by R.C.Brown(Pergamon Press,1993 and”Application of Cavity Theory to the Discharge of Electrostatic Dust Filters by x-Rays”,A.J.WAKER and R.C.BROWN,Applied Radiation and Isotopes,Vol.39,No.7,pp.677-684,1988)に記載されているように、帯電しているフィルタをX線に曝露した場合、繊維間の気孔中でX線により生成されるイオンが電荷の一部を中和しているので、フィルタを透過するエアロゾルは曝露前よりも曝露後の方が多くなる。したがって、一定レベルまで堅調に増加し、その後は更に照射により変化しない、累積X線曝露に対する透過のプロットを得ることができる。この時点で、全ての電荷がフィルタから除去されている。
【0066】
いくつかの実施形態では、(例えば、単一の)コア-シース繊維ウェブのエレクトレット電荷は、X線放電試験に従って試験したときに少なくとも50%の透過率%を示すことによって特徴付けられ得る。
【0067】
他の実施形態では、(例えば、単一の)コア-シース繊維ウェブのエレクトレット電荷は、少なくとも0.2の初期品質係数を示すことによって特徴付けられてもよく、品質係数は、(実施例に記載されるような)X線放電試験に従って試験されるとき、40分後に初期品質係数よりも少なくとも50%小さい。
【0068】
本開示によるコア-シース繊維は、例えば、不織濾過材、特に不織エレクトレット濾過材の製造において有用である。
【0069】
一実施形態では、コアシース繊維は、フィルタ付きマスクなどのレスピレーターの空気フィルタ要素として、又は家庭用及び業務用エアコンディショナー、空気清浄機、真空掃除機、医療用送気管フィルタ、ビークル用並びにコンピュータ、コンピュータディスクドライブ及び電子機器などの一般的な機器用のエアコンディショニングシステムなどの濾過物品のために含まれ得る。いくつかの実施形態では、濾過物品をレスピレーターアセンブリと組み合わせて、人が使用するよう設計された人工呼吸装置を形成する。レスピレーターの用途において、濾過物品は、成形された、プリーツ加工された若しくは折りたたまれた半面形のレスピレーター、交換可能なカートリッジ若しくはキャニスター又はプレフィルタの形態であってもよい。本明細書で使用するとき、用語「レスピレーター」は、夾雑物質が装着者の気道に入るのを防止し、及び/又は呼吸中に装着者によって排出される病原体若しくは他の夾雑物質への曝露から他の人又は物を保護するために、人の気道上に装着されるシステム又は装置を意味し、濾過フェイスマスクを含むが、これに限定されない。
【0070】
図3及び図4は、レスピレーターの一例である。レスピレーター40は、湾曲した半球形状であり得るか、又は所望の他の形状をとり得るマスク本体42を含む(例えば、米国特許第5,307,796号(Kronzerら)及び同第4,827,924号(Japuntich)を参照されたい)。マスク40において、本開示によるエレクトレット不織繊維ウェブ(すなわち、濾過材)200は、カバーウェブ43と内側成形層45との間に挟まれている。成形層45は、マスク本体42に構造を提供し、濾過材200のための支持を提供する。
【0071】
成形層45は、濾過材200のどちらか一方側に配置することができ、例えば、カップ状構成に成形された熱結合性繊維の不織ウェブから作製することができる。成形層は、既知の手順に従って成形することができる(例えば、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,307,796号(Kronzerら)を参照されたい)。成形層(単数又は複数)は、典型的には、成形型内で加熱されたときに成形層が成形型の形状に適合し、室温に冷却されたときにこの形状を保持するように、より低い融点の材料のシースによって取り囲まれたポリエチレンテレフタレートなどの高融点材料のコアを有する二成分繊維から作製される。フィルタ層などの別の層と一緒にプレスされる場合、低融点シース材料はまた、層を一緒に結合する働きをすることができる。
【0072】
マスク40を装着者の顔にぴったりと保持するために、マスク本体42は、ストラップ52、紐、マスクハーネスなどをマスク本体42に取り付けることができる。マスク40を装着者の鼻の上に所望のフィット関係で保持するように成形することができるように、アルミニウムなどの金属製の柔軟なバンド54をマスク本体42上に設けることができる(例えば、米国特許第5,558,089号(Castiglioneら)を参照されたい)。本開示によるレスピレーターはまた、追加の層、弁(例えば、米国特許第5,509,436号(Japuntichら)を参照されたい)、成形マスクなどを含んでもよい。本開示によるエレクトレット濾過材を組み込むことができるレスピレーターの例としては、米国特許第4,536,440号(Berg)、同第4,827,924号(Japuntich)、同第5,325,892号(Japuntichら)、同第4,807,619号(Dyrudら)、同第4,886,058号(Brostromら)、及び米国再発行特許第35,062号(Brostromら)に記載されているものが挙げられる。
【0073】
濾過性能を評価するために、様々な濾過試験プロトコルを開発してきた。これらの試験は、ジオクチルフタレート(DOP)などの標準的な曝露用エアロゾルを使用してフィルタウェブのエアロゾル透過[これは、通常、フィルタウェブを透過するエアロゾルのパーセント(%Pen)で表される]を測定すること、及びフィルタウェブ全域での圧力低下(ΔP)を測定することを含む。Δこれらの2つの測定から、品質係数(Quality Factor)(QF)として知られている量を、以下の式によって算出することができる:
QF=-ln(%Pen/100)/ΔPΔ
(式中、lnは自然対数を表す)。高いQF値は、より良好な濾過性能を示し、QF値の低下は、濾過性能の低下と完全に相関している。これらの値の測定についての詳細は、実施例の項で示す。典型的には、本開示の濾過材は、13.8センチメートル/秒の面速度で0.3(mmHO)-1以上の測定QF値を有する。
【0074】
初期品質係数(Q0)は、以下の実施例に記載されるように、濾過性能試験方法に従って試験される場合、13.8cm/秒の面速度に対して、典型的には、少なくとも0.2、好ましくは少なくとも0.3、0.4、又は更には0.5である。より好ましくは、初期品質係数は、少なくとも0.6又は0.7である。いくつかの実施形態では、初期品質係数は、少なくとも0.8、少なくとも0.90、少なくとも1.0、又は更には1.0を超える。フィルタウェブの性能を試験するために、フィルタウェブは、室温(例えば、23℃)で特定の時間にわたってX線にさらされ、品質係数が再び測定される。一実施形態では、40分間のX線曝露後の品質係数は、典型的には、初期品質係数の少なくとも50%未満である。
【0075】
一実施形態では、さらされたフィルタウェブの品質係数(Q3)の、初期ウェブの品質係数(Q0)に対する比は、少なくとも0.75、0.80、0.85、0.90、又は更には0.95であり、1.00はさらした後の電荷保持の変化がないことを表す。
【0076】
ウェブがフィルタとして使用するのに十分な電荷を有するためには、透過率%は、典型的には少なくとも50%である。透過率%が高まるに従って、ウェブの濾過性能も高まる。いくつかの実施形態では、透過率%は、少なくとも55%、60%、又は70%である。好ましい実施形態では、透過率%は、少なくとも75%又は80%である。いくつかの実施形態では、単一のウェブは、少なくとも85%、少なくとも、又は少なくとも95%の透過率%を示す。
【0077】
一実施形態では、本開示のコア-シース繊維で作製されたフィルタウェブは、本明細書に開示される撥油性試験によって測定される場合、撥油性試験の少なくとも3、4、又は更には5を有する。
【実施例
【0078】
別段断りのない限り、実施例及び明細書のその他の部分における、全ての部、百分率、比などは、重量によるものであり、実施例で用いた全ての試薬は、総合的な化学物質供給元、例えば、Sigma-Aldrich Company(Saint Louis,Missouri)などから入手した若しくは入手可能なものであるか、又は従来の方法によって合成することができる。
【表1】
【0079】
濾過性能試験方法、不織ウェブ
【0080】
初期濾過性能
【0081】
エアロゾル透過率%(%Pen)及び圧力低下(ΔP)についてサンプルを試験し、これらの2つの値から品質係数(QF)を算出した。Δ自動フィルタ試験機AFTモデル8130(TSI,Inc.St.Paul,MNから入手可能)を使用して、曝露用エアロゾルとしてのジオクチルフタレート(DOP)、及びフィルタ全域の圧力低下(ΔP(mmHO))を測定する圧力変換器を使用して、不織マイクロファイバーウェブの濾過性能(%Pen及びQF)を評価した。DOPエアロゾルは、公称で、50~200mg/mの上流濃度及び100mg/mの目標値を有する、単分散の0.33マイクロメートル質量中央径(MMD)であった。エアロゾルは、85リットル/分(13.8cm/秒の面速度)の較正された流量で濾過材のサンプルに通した。これらの試験では、エアロゾルイオナイザーはオフにした。総試験時間は、23秒であった(立ち上がり時間15秒、サンプル時間4秒、及びパージ時間4秒)。較正した光度計を使用して、濾過材の上流と下流の両方で、光散乱によりDOPエアロゾルの濃度を測定した。DOP %Penは、以下のように定義する:%Pen=100×(DOP濃度下流/DOP濃度上流)。各材料について、ウェブ上の異なる箇所で6回の別個の測定を行い、結果を平均した。
【0082】
初期品質係数(Q0)を決定した。Q3値については、6つのサンプルを72℃で3日間(周囲湿度)熱的にエージングし、次いで品質係数を決定し、これら6つのQFの平均をQ3として報告した。
【0083】
撥油性試験
【0084】
ウェブは全て、3M Oil Repellency Test I(Drop Test)(2020年4月)を使用して撥油性について試験する。この試験では、サンプルを、様々な表面張力の油又は油混合物による浸透にさらす。油及び油混合物には、以下の表に対応する採点評価が与えられる。
【表2】
【0085】
繊維及び不織サンプルの調製
【0086】
工程A-繊維及びウェブの形成:
【0087】
各実施例について、濾過材を、最初に帯電添加剤(該当する場合)を樹脂(以下の表に列挙されるような)と乾式ブレンドし、次いで、コア-シースダイを使用して繊維をスパンボンドウェブに押し出すことによって形成した。使用した公称ウェブ仕様を以下の表3に列挙し、それらを仕様1、仕様2、及び仕様3と呼ぶ。
【表3】
【0088】
工程B-エレクトレットの調製:
【0089】
工程Aにおけるスパンボンドウェブの各々を、以下のエレクトレット帯電方法のうちの1つによって帯電させた:コロナ帯電、ハイドロチャージング、又はコロナ前処理後のハイドロチャージング。これらの方法は、それぞれ、帯電方法C、H、及びCHと表示される。
【0090】
帯電方法C-コロナ帯電:
【0091】
接地表面上のウェブに、放電源の長さ1センチメートル当たり約0.01ミリアンペアのコロナ電流でコロナブラシ電源(corona brush source)の下を約3センチメートル/秒の速度で通過させることによって、コロナ帯電を実現した。コロナ電源は、ウェブを載せた接地表面の約3.5センチメートル上に位置していた。コロナ電源は、正のDC電圧によって駆動した。
【0092】
帯電方法H-ハイドロチャージング:
【0093】
5マイクロシーメンス/cm未満の導電性を有する高純度水の微細スプレーを、896キロパスカル(130psig)の圧力及び約1.4リットル/分の流速で動作するノズルから連続的に発生させた。工程Aで調製した選択されたウェブを、多孔質ベルトによって運び、約10センチメートル/秒の速度で水噴霧の中を通過させ、それと同時に、ウェブを通して水を下方から減圧吸引した。各ウェブをハイドロチャージャーに2回通し(各面に順次1回ずつ)、次いで、フィルタ試験の前に終夜完全に乾燥させた。
【0094】
帯電方法CH-コロナ前処理及びハイドロチャージング:
【0095】
上記の工程Aで調製した選択されたウェブを、帯電方法Cに記載のDCコロナ放電によって前処理し、次いで、帯電方法Hに記載のハイドロチャージングによって帯電させた。
【0096】
有効繊維径(EFD)
【0097】
EFDは、圧力降下、約0.028インチ(仕様1の場合)及び0.047インチ(仕様2の場合)の目標厚さ、並びに1気圧で13.8cm/秒の面速度から計算される。圧力降下を以下のように決定する:高速自動フィルタ試験機(TSI Inc.,Shoreview,MNから商品名「8130」で入手)を、粒子発生及び測定を止めて操作した。流速を85リットル/分(LPM)に調節し、直径5.25インチ(13.34cm)のサンプルを使用した。サンプルを下方円形プレナム開口部に置き、試験機を係合させた。デバイス内の圧力変換器(MKS Instruments,Inc.,Andover,MAから得られる)が、mm HOで圧力低下を測定した。測定された圧力降下に基づいて、有効繊維径を、C.N.Davies,The Separation of Airborne Dust and Particulates,Institution of Mechanical Engineers,London Proceedings,IB(1952)に記載されるように計算する。
【0098】
シース厚
【0099】
選択されたサンプルの有効シース厚を、以下の式を使用して計算した。この式は、円筒形断面を仮定して体積S/C比を使用して導出される。
シース=(d/2)-[C体積%/100×(d/2)(1/2)
式中、rシースはシースの半径であり、dはEFDによって決定されるコア-シース繊維の直径であり、C体積%は(S/C比に基づく)コアの体積パーセントである。以下の表5に、サンプルについてのEFD(有効繊維径)及び計算されたシース厚を示す。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0100】
表12では、実施例8-2のウェブを、帯電前に110℃で10分間アニールした。表12に示されるように、Q0又はQ3に対する影響は実質的にない。
【表12】
【0101】
表13において、ウェブを、指定されたように帯電前に10分間アニールした。表13に示すように、アニール時に耐油性が付与される。
【表13】
【0102】
本発明の予見可能な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、当業者には明らかとなろう。本発明は、例示目的のために本出願に記載されている実施形態に限定されるものではない。本明細書の記述と、本明細書に述べられる又は参照により組み込まれた任意の文書中の開示との間に何らかの不一致又は矛盾が存在する場合、本明細書の記述が優先される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】