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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】電子エアロゾル供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20231102BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20231102BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231102BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/51
A24F40/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526922
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 GB2021052830
(87)【国際公開番号】W WO2022096862
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】2017558.4
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン, デイヴィッド アラン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC12
4B162AC16
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD02
4B162AD08
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
制御体(200)と、制御体と係合するように構成されたカートリッジ(300)とを備えるエアロゾル供給システム(100)が記載され、制御体は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器(230)を備え、エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するように構成された、カートリッジに備えられたエアロゾル生成材料貯蔵領域(310)と、電源(240)からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路(250)と、カートリッジが制御体に係合されたときに作動するように構成された安全要素とをさらに備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成される。
【選択図】 図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御体と、前記制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムであって、
前記制御体が、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器を備え、
当該エアロゾル供給システムは、
前記消耗品に備えられ、前記エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するように構成されたエアロゾル生成材料貯蔵領域と、
電源から前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、
前記消耗品が前記制御体に係合されているときに作動するように構成された安全要素と
をさらに備え、
前記回路が、前記安全要素が作動しない限り、前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成されている、エアロゾル供給システム。
【請求項2】
前記安全要素が、前記消耗品及び前記制御体のうちの第1のものに付随するセンサであって、前記消耗品が前記制御体に係合されているときの、前記消耗品及び前記制御体のうちの第2のものの存在が前記センサの検出状態に影響を及ぼすように、前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものの特性に応じて変化する前記検出状態を有して構成されたセンサを備え、
前記安全要素の作動状態が前記センサの前記検出状態に依存する、請求項1に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項3】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものに付随する前記特性が、前記消耗品が前記制御体に係合されていないときに、前記センサによって受信可能な周囲の光学信号、周囲の音響信号、又は周囲の磁場と相互作用する特性を含む、請求項2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項4】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものに付随する前記特性が、前記消耗品及び前記制御体のうちの第2のものに関連する放射要素によって放射される信号又は場を含み、前記センサの前記検出状態が、前記信号又は場の特性に応じて変化する、請求項2に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項5】
前記放射要素によって放射される前記信号又は場が磁場を含む、請求項4に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項6】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第1のものが、第1の場又は信号を放射するように構成された放射要素を備え、前記センサの前記検出状態が、前記第1の場又は信号に関連する第2の場又は信号の特性に応じて変化するように構成され、前記第1の場又は信号と前記第2の場又は信号との間の関連が、前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものの前記特性に依存する、請求項3に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項7】
前記第2の場又は信号が、前記第1の場又は信号の変形又は変更された形態を含み、前記消耗品が前記制御体に係合されると、前記第1の場又は第1の信号が、反射、減衰、吸収、歪み、屈折、散乱、又は吸収及び再放射のプロセスを経て、前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものの一部分によって変形又は変更される、請求項6に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項8】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものに付随する前記特性が磁気特性を含み、前記第1の場又は第1の信号が磁場を含む、請求項6又は7に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項9】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものに付随する特性が、RFIDタグを含み、前記第1の場又は第1の信号が、前記RFIDタグによって受信可能な電磁信号を含み、前記第2の場又は第2の信号が、前記第1の信号を受信したことに応答して前記RFIDタグによって放射される信号を含む、請求項6又は7に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項10】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものに付随する前記特性が光学的特性を含み、前記第1の場又は第1の信号が光学信号を含む、請求項7又は8に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項11】
前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものに付随する前記特性が音響特性を含み、前記第1の場又は第1の信号が音響信号を含む、請求項7又は8に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項12】
前記放射要素が、電場を生成するように構成された第1の電極を備え、前記センサが、前記第1の電極と、前記制御体又は前記消耗品のいずれかに付随する第2の電極との間の容量結合の程度に応じて変化する検出状態を有して構成されている、請求項7又は8に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項13】
前記第2の電極が、前記制御体及び前記消耗品のうちの前記第1のものに付随する、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項14】
前記第2の電極が、前記制御体及び前記消耗品のうちの前記第2のものに付随する、請求項12に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項15】
前記第1の場又は第1の信号が、前記消耗品及び前記制御体のうちの第2のものの一部分を介して伝送することによって変形又は変更されて前記第2の場又は第2の信号を生成するように、前記放射要素及び前記センサが構成されている、請求項6~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項16】
前記第1の場又は第1の信号が前記消耗品及び前記制御体のうちの前記第2のものの一部分からの反射を経て変形又は変更されて前記第2の場又は第2の信号を生成するように、前記放射要素及び前記センサが構成されている、請求項6~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項17】
前記安全要素が、前記センサの前記検出状態が予め定められた範囲内にある場合に作動するように構成され、前記予め定められた範囲が、前記消耗品と前記制御体が係合されたときに、前記センサの前記検出状態が前記予め定められた範囲内にのみあるように設定されている、請求項2~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項18】
前記センサを備える前記消耗品及び前記制御体のうちの一方が、外面及び内面を有するハウジングを備え、前記センサが、前記ハウジングの前記内面と前記外面との間に完全に又は部分的に埋め込まれている、請求項2~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項19】
前記センサを付随する前記消耗品及び前記制御体のうちの一方が、外面及び内面を有するハウジングを備え、前記センサが、前記ハウジングの前記内面に対して内部に配置されている、請求項2~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項20】
前記センサが、前記電源から前記エアロゾル生成器に電流を供給するために使用される電気経路に配置されたスイッチを備え、前記センサの検出状態が予め定められた範囲内にある場合にのみ、前記スイッチが、前記エアロゾル生成器に電流が流れることを可能にする、請求項2~19のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項21】
前記センサが、前記センサの前記検出状態を測定するように構成された制御回路に接続され、前記測定された検出状態が予め定められた範囲内にある場合にのみ、前記制御回路が、前記エアロゾル生成器に電流が流れることを可能にする、請求項2~19のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項22】
前記制御体が前記センサを備える、請求項2~21のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項23】
前記消耗品が前記センサを備える、請求項2~21のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項24】
前記消耗品が、エアロゾル生成材料の供給を保持するための前記エアロゾル生成材料貯蔵領域を備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項25】
前記エアロゾル生成器によるエアロゾル化のために、前記エアロゾル生成材料貯蔵領域から前記制御体へエアロゾル生成材料を輸送するように構成されたエアロゾル生成材料移送構成要素を備える、請求項24に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項26】
前記エアロゾル生成器が加熱要素を備える、請求項1~25のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項27】
前記エアロゾル生成器からの熱が前記制御体から前記消耗品に輸送されて、前記消耗品に含まれる前記エアロゾル生成材料の一部分を加熱することによってエアロゾルを生成するように構成されている、請求項26に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項28】
前記安全要素を備える回路全体が、消耗品及び前記制御体のうちの前記第1のものに備えられている、請求項1~27のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項29】
前記消耗品が前記制御体から係合解除されると、前記エアロゾル生成器の少なくとも一部分が露出される、請求項1~28のいずれか一項に記載のエアロゾル供給システム。
【請求項30】
エアロゾル供給システム用の消耗品であって、
前記エアロゾル供給システムが、前記消耗品と、前記消耗品と係合するように構成された制御体とを備え、前記制御体が、前記消耗品に備えられたエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器と、電源から前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、安全要素の少なくとも一部とを備え、前記回路が、前記安全要素が作動しない限り、前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成された、エアロゾル供給システム用の消耗品であり、前記エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するためのエアロゾル生成材料貯蔵領域をさらに備え、前記消耗品が前記制御体と係合されると、前記安全要素を作動させるように構成されている、エアロゾル供給システム用の消耗品。
【請求項31】
エアロゾル供給システム用の制御体であって、
前記エアロゾル供給システムが、前記制御体と、前記制御体と係合するように構成された消耗品とを備え、前記消耗品に備えられたエアロゾル生成材料の供給からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器と、電源から前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、安全要素とを備えるエアロゾル供給システム用の制御体であり、前記回路が、前記安全要素が作動しない限り、前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成され、前記制御体が、前記消耗品が前記制御体と係合されると、前記安全要素が作動するように構成されている、エアロゾル供給システム用の制御体。
【請求項32】
エアロゾル供給システム用の制御体のための回路であって、
前記エアロゾル供給システムが、前記制御体と、前記制御体と係合するように構成された消耗品とを備え、前記制御体が、前記消耗品に備えられたエアロゾル生成材料の供給からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器と、電源から前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、安全要素とを備え、前記安全要素が作動しない限り、前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成されたエアロゾル供給システム用の制御体のための回路であり、前記制御体が、前記消耗品が前記制御体と係合されると、前記安全要素が作動するように構成されている、エアロゾル供給システム用の制御体のための回路。
【請求項33】
制御体と、前記制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムを動作させる方法であって、
前記制御体が、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器を備え、
前記エアロゾル供給システムが、
前記エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するためのエアロゾル生成材料貯蔵領域と、
電源から前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、
前記消耗品が前記制御体と係合されると作動するように構成された安全要素と
をさらに備え、
前記回路が、前記安全要素が作動しない限り、前記エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成された、エアロゾル供給システムを動作させる方法。
【請求項34】
制御体と、前記制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムであって、
前記制御体が、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器手段を備え、
当該エアロゾル供給システムは、
前記消耗品に備えられ、前記エアロゾル生成器手段によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するように構成されたエアロゾル生成材料貯蔵手段と、
電源手段から前記エアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路手段と、
前記消耗品が前記制御体に係合されているときに作動するように構成された安全手段と
をさらに備え、
前記回路手段が、前記安全手段が作動しない限り、前記エアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給をしないように構成されている、エアロゾル供給システム。
【請求項35】
制御体と、前記制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムを動作させる方法であって、
前記制御体が、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器手段を備え、
前記エアロゾル供給システムが、
前記エアロゾル生成器手段によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するためのエアロゾル生成材料貯蔵手段と、
電源から前記エアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路手段と、
前記消耗品が前記制御体と係合されると作動するように構成された安全手段と
をさらに備え、
前記回路手段が、前記安全手段が作動しない限り、前記エアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給をしないように構成された、エアロゾル供給システムを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチン送達システムなどの蒸気送達非燃焼性エアロゾル供給システム(例えば、電子タバコなど)に関する。
【背景技術】
【0002】
eシガレットなどのエアロゾル供給デバイスは、典型的にはニコチンを含むエアロゾル生成材料のリザーバを含むことが多く、エアロゾルは、このリザーバから、例えば、気化又は他の手段によって生成される。エアロゾル供給システムのためのエアロゾル供給源は、リザーバから供給されるエアロゾル生成材料の一部分に結合されたエアロゾル生成器(例えば、ヒータ)を備えてもよい。多くの場合、エアロゾル生成材料は、リザーバから毛管現象によってエアロゾル生成器に輸送される液体を含む。ユーザがデバイスで吸引すると、エアロゾル生成器が作動して少量のエアロゾル生成材料をエアロゾル化し、エアロゾル生成材料は、このように、ユーザによって吸引されるエアロゾルに変換される。多くの場合、リザーバ及びエアロゾル生成器は、電源及び制御回路を含む制御体と取外し可能に係合することができるカートリッジに備えられる。カートリッジが制御体に係合されると、電気経路が形成され(例えば、カートリッジのインタフェースの電気接点と制御体のインタフェースの電気接点とを協働させることによって)、制御回路の制御下で電源からエアロゾル生成器に電力を供給することができる。カートリッジと制御体が係合されていない場合(例えば、カートリッジの電気接点と制御体の電気接点が互いと係合されていない場合)、電源とエアロゾル生成器との間には開回路が存在する。これにより、カートリッジと制御体が係合されない限り、エアロゾル生成器が作動することはない。
【0003】
しかしながら、特にカートリッジ内にエアロゾル生成器を設けることにより、典型的には制御体よりも寿命の短いカートリッジを交換及び/又は廃棄すると、廃棄する材料の量が増加し得る。実際、再充填不可能なカートリッジは、液体エアロゾル生成材料が使い尽くされると、一般には、新しいカートリッジと交換され、その結果、典型的には、使い尽くされたカートリッジは捨てられるか、リサイクルされる。
【0004】
これらの課題のいくつかに対処するのに役立たせようとする様々な手法を説明する。
【発明の概要】
【0005】
特定の実施形態の第1の態様によれば、制御体と、制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムが提供され、制御体は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器を備え、エアロゾル供給システムは、消耗品に備えられ、エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するように構成されたエアロゾル生成材料貯蔵領域と、電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、消耗品が制御体に係合されたときに作動するように構成された安全要素とをさらに備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成される。
【0006】
特定の実施形態の第2の態様によれば、エアロゾル供給システム用の消耗品が提供され、エアロゾル供給システムは、消耗品と、消耗品と係合するように構成された制御体とを備え、制御体は、消耗品に備えられたエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器と、電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、安全要素の少なくとも一部とを備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成され、消耗品は、エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するためのエアロゾル生成材料貯蔵領域をさらに備え、消耗品は、消耗品が制御体と係合されると、安全要素を作動させるように構成される。
【0007】
特定の実施形態の第3の態様によれば、エアロゾル供給システム用の制御体が提供され、エアロゾル供給システムは、制御体と、制御体と係合するように構成された消耗品とを備え、制御体は、消耗品に備えられたエアロゾル生成材料の供給からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器と、電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、安全要素とを備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成され、制御体は、消耗品が制御体と係合されると、安全要素が作動するように構成される。
【0008】
特定の実施形態の第4の態様によれば、エアロゾル供給システム用の制御体のための回路が提供され、エアロゾル供給システムは、制御体と、制御体と係合するように構成された消耗品とを備え、制御体は、消耗品に備えられたエアロゾル生成材料の供給からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器と、電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、安全要素とを備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成され、制御体は、消耗品が制御体と係合されると、安全要素が作動するように構成される。
【0009】
特定の実施形態の第5の態様によれば、制御体と、制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムを動作させる方法が提供され、制御体は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器を備え、エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するためのエアロゾル生成材料貯蔵領域と、電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、消耗品が制御体と係合されると作動するように構成された安全要素とをさらに備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成される。
【0010】
特定の実施形態の第6の態様によれば、制御体と、制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムが提供され、制御体は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器手段を備え、エアロゾル供給システムは、消耗品に備えられ、エアロゾル生成器手段によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するように構成されたエアロゾル生成材料貯蔵手段と、電源手段からエアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路手段と、消耗品が制御体に係合されたときに作動するように構成された安全手段とをさらに備え、回路手段は、安全手段が作動しない限り、エアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給をしないように構成される。
【0011】
特定の実施形態の第7の態様によれば、制御体と、制御体と係合するように構成された消耗品とを備えるエアロゾル供給システムを動作させる方法が提供され、制御体は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器手段を備え、エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成器手段によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するためのエアロゾル生成材料貯蔵手段と、電源からエアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路手段と、消耗品が制御体と係合されると作動するように構成された安全手段とをさらに備え、回路手段は、安全手段が作動しない限り、エアロゾル生成器手段へのエネルギーの供給をしないように構成される。
【0012】
本発明の第1及び他の態様に関して上記で説明した本発明の特徴及び態様は、本発明の他の態様による本発明の実施形態に等しく適用可能であり、上記の特定の組合せに限らずそれらと適宜組み合わされてもよいことは理解されよう。
【0013】
次に、以下の図面を参照して、本発明の様々な実施形態を単なる例として詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本開示の例による例示的なエアロゾル供給システムの概略図であり、本エアロゾル供給デバイスは消耗品と制御体とを備える。
図1B】本開示の例による例示的なエアロゾル供給システムの概略図であり、本エアロゾル供給デバイスは消耗品と制御体とを備える。
図2A】本開示の例によるエアロゾル供給システムの例の概略図であり、本エアロゾル供給システムは、図1A及び図1Bに示したエアロゾル供給システムとは異なる構成を有する消耗品と制御体とを備える。
図2B】本開示の例によるエアロゾル供給システムの例の概略図であり、本エアロゾル供給システムは、図1A及び図1Bに示したエアロゾル供給システムとは異なる構成を有する消耗品と制御体とを備える。
図3A】本開示の例によるエアロゾル供給システムの例の概略図であり、本エアロゾル供給システムは、図1A及び図1B、並びに図2A及び図2Bに示したエアロゾル供給システムとは異なる構成を有する消耗品と制御体とを備える。
図3B】本開示の例によるエアロゾル供給システムの例の概略図であり、本エアロゾル供給システムは、図1A及び図1B、並びに図2A及び図2Bに示したエアロゾル供給システムとは異なる構成を有する消耗品と制御体とを備える。
図4A】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構の例の概略図である。
図4B】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構の例の概略図である。
図5A】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のセンサ要素の位置の例の概略図である。
図5B】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のセンサ要素の位置の例の概略図である。
図5C】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のセンサ要素の位置の例の概略図である。
図6A】本開示の態様による、カートリッジを制御体に係合することに関する関連する距離の例の概略図である。
図6B】本開示の態様による、カートリッジを制御体に係合することに関する関連する距離の例の概略図である。
図7】本開示の態様による、安全要素として働く統合スイッチを有するセンサ要素を含む概略回路図である。
図8】本開示の態様による、放射要素に対する距離の関数としてセンサ信号を示すグラフである。
図9】本開示の態様による、安全要素として働く統合スイッチを有する制御回路に結合されたセンサ要素を含む概略回路図である。
図10】本開示の態様による、安全要素を動作させるための例示的な方法の図である。
図11A】センサ要素及び放射要素が制御体に配置された、本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のさらなる例の概略図である。
図11B】センサ要素及び放射要素が制御体に配置された、本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のさらなる例の概略図である。
図12A】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のさらなる例の概略図である。
図12B】本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のさらなる例の概略図である。
図13A】放射された信号を検出器へ反射するように反射要素が設けられた、本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のさらなる例の概略図である。
図13B】放射された信号を検出器へ反射するように反射要素が設けられた、本開示のいくつかの例によるカートリッジ検出機構のさらなる例の概略図である。
図14A】本開示のいくつかの例による、センサ要素と放射要素が、制御体のインタフェース部分を備える凹部を挟んで互いに向かい合うように構成された例の概略図である。
図14B】本開示のいくつかの例による、センサ要素と放射要素が、制御体のインタフェース部分を備える凹部を挟んで互いに向かい合うように構成された例の概略図である。
図15】放射された信号の減衰が判定される本開示のいくつかの例によるシステムに対する、センサ要素の検出状態と、カートリッジと制御体との係合の程度を示す距離との関係の概略図である。
図16A】本開示のいくつかの例による、センサ要素と放射要素が、互いから離れるように向くように構成された例の概略図である。
図16B】本開示のいくつかの例による、センサ要素と放射要素が、放射された信号の反射を検出するように向くように構成された例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する非燃焼性エアロゾル供給システムに関する。本開示によれば、「非燃焼性」エアロゾル供給システムは、少なくとも1つの物質のユーザへの送達を容易にするために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成構成材料(又は、その成分)が燃焼されない又は燃やされないシステムである。
【0016】
いくつかの実施形態では、本供給システムは、電力式非燃焼性エアロゾル供給システムなどの非燃焼性エアロゾル供給システムである。
【0017】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料内にニコチンが存在していることは必要条件ではないことに留意されたい。
【0018】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの例としては、タバコ加熱システムがある。
【0019】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを備える。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0020】
エアロゾル生成材料は、本明細書で使用されるとき、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを与えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、活性物質及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、「非晶質固体」(これに代えて、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維状)と呼ばれることがある)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に液体などの何らかの流体を保持することができる固体材料である。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、例えば、約50重量%、60重量%、又は70重量%~約90重量%、95重量%、又は100重量%の非晶質固体を含んでもよい。
【0021】
エアロゾル生成材料は、所望により、1つ以上の活性物質(例えば、限定するものではないが、ニコチン)及び/又は香料、1つ以上のエアロゾル形成材料(例えば、限定するものではないが、グリセロール)、並びに、任意選択で、1つ以上の他の機能材料(複数可)を含んでもよい。
【0022】
以下の説明全体にわたって、「eシガレット」又は「電子タバコ」という用語を使用することもあるが、この用語は、蒸気供給システム/デバイス、電子蒸気供給システム/デバイス、蒸気送達システム/デバイス、電子蒸気送達システム/デバイス、エアロゾル供給システム/デバイス、電子エアロゾル供給システム/デバイス、エアロゾル送達システム/デバイス、及び電子エアロゾル送達システム/デバイスと互換的に使用することができることは理解されよう。さらに、当技術分野では一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化する」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」などの関連の用語は、一般的に、互換的に使用することができる。
【0023】
典型的には、非燃焼性エアロゾル供給システムは、非燃焼性エアロゾル供給デバイス(制御部又は制御体と呼ばれることもある)と、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品とを備えることがある。
【0024】
いくつかの実施形態では、本開示は、エアロゾル生成材料を備え、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用されるように構成された消耗品に関する。これらの消耗品は物品と呼ばれることもある。
【0025】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システム、例えば、その非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及び制御器を備えてもよい。パワー源は、例えば、電源であってもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、消耗品、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル改質剤を受け入れるための領域を備えてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成器、エアロゾル生成領域、ハウジング、被覆体、フィルタ、マウスピース、及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0028】
図1A及び図1Bは、本発明のいくつかの実施形態によるエアロゾル供給システム100の概略図である(正確な縮尺ではない)。エアロゾル供給システムは、2つの主要な構成要素、すなわち、制御体200及び取外し可能なカートリッジ300を備え、それぞれ、本明細書でさらに述べるようにさらなる構成要素を備える。図1Aは、本明細書でさらに説明するように、係合していない状態の制御体とカートリッジを示し、図1Bは、係合している状態の制御体とカートリッジを示す。
【0029】
カートリッジ300は消耗品の一例である。消耗品は、エアロゾル生成材料を備える、又はエアロゾル生成材料よりなる物品であり、その一部又は全部が、ユーザによる使用時に消費されるように意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、被覆体、マウスピース、フィルタ、及び/又はエアロゾル改質剤など、1つ以上の他の構成要素を備えてもよい。本明細書で説明する例では、消耗品はカートリッジである。説明する実施形態では、カートリッジ300は、液体エアロゾル生成材料を収納するように構成され、したがって、エアロゾル供給システムは、液体エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成される。カートリッジ300は、典型的には、プラスチックハウジングなどを有することができる。しかしながら、異なるタイプの消耗品とともに動作するように構成されたエアロゾル供給システムもまた、本開示に従って実現することができることは理解すべきである。
【0030】
カートリッジ300は、エアロゾル生成材料(陰影を付けて示す)の供給源を含む内部リザーバ310(又は、より一般的には、エアロゾル生成材料貯蔵領域)を備え、そのエアロゾル生成材料から、制御体200に付随する1つ以上のエアロゾル生成器230によってエアロゾル又は蒸気を形成することができる。リザーバ310は、中空ハウジング、タンク、発泡体マトリックス、又はエアロゾル生成材料を保持するのに適した任意の他の構造体を備えてもよい。エアロゾル生成材料は、上記のような液体、ゲル、若しくは固体エアロゾル生成材料、又はそれらの組合せであってもよい。したがって、エアロゾル生成材料貯蔵領域(又は、リザーバ310)は、当業者によって理解されるように、エアロゾル生成材料を保持するのに適する態様で構成され、例えば、例示的なリザーバ310は、液体エアロゾル生成材料を保持するのに適している。リザーバ310内にエアロゾル生成材料が存在していることは、図1A及び図1Bにおいて、陰影を付けることによって示されている。
【0031】
カートリッジは、カートリッジが制御体200と係合されたときに、1つ以上の空気入口221、321と空気出口322との間に配置される流体連通経路の一部分を備える空気通路320をさらに含んでもよい。図1Bは、ハッチング線AAによって示されたインタフェースで制御体200に係合されたカートリッジ300を示し、カートリッジ300に備えられた空気通路320は、制御体に備えられた空気通路220に接続され、その結果、制御体及び/又はカートリッジに付随する空気入口(複数可)221、321とカートリッジ300に付随するマウスピース330に配置された空気出口322との間に流体連通経路が形成される。本明細書でさらに説明するように、エアロゾル生成器230は、空気通路220及び320によって形成される流体連通経路内に配置され、その結果、システムの使用時、エアロゾル生成器によって生成されたエアロゾル又は蒸気を、空気入口(複数可)221/321から流体連通経路を通ってマウスピース330に向かう空気の流れに取り込むことができる。
【0032】
制御体200は、エアロゾル供給システム100の構成要素に電力を供給するための電源240と、エアロゾル供給システム100の機能を全体的に制御するための制御回路250とを含む。電源240は、電池又はバッテリーを備えてもよく、再充電可能であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル供給システムは、これに代えて又はこれに加えて、(例えば、ケーブルを介して)外部電源から電力を受け取ってもよい。制御体200は、本明細書でさらに説明するように、電源240からエネルギーの供給を受けることにより、カートリッジのリザーバ310から来るエアロゾル生成材料の一部分から蒸気又はエアロゾルを生成するように動作可能なエアロゾル生成器230をさらに含む。エアロゾル生成器は、電源240とエアロゾル生成器230との間の電気経路を含む電気接続部によって、制御回路250及び電源240に(直接的又は間接的に)接続される。制御回路250は、本明細書でさらに述べるように、起動信号を受け取ることに応じて、電源要素240からエアロゾル生成器230への電力の供給を制御するように構成される。起動信号は、制御回路及び/又は電源に接続された空気流センサ252及び/又はボタン若しくは他のユーザ入力デバイス253から与えられてもよい。大まかには、起動信号は、ユーザが、吸引するためにエアロゾルを生成する目的でエアロゾル供給システムを起動することを望んでいることを示す信号である。
【0033】
以下にさらに述べるように、起動信号を受け取ったことに応答して制御回路250によって制御されるように、エアロゾル生成器230がバッテリーから電力を受け取ると、エアロゾル生成器(例えば、ヒータ)からエアロゾル生成材料の一部分にエネルギーが伝達され、それにより、蒸気又はエアロゾルがユーザによる吸入のために生成される。制御回路250は、CPUを含むマイクロコントローラ(例えば、ASIC)を備えてもよい。エアロゾル供給システム100のCPU及び他の電子構成要素の動作は、一般的には、CPU(又は他の構成要素)上で実行されるソフトウェアプログラムによって少なくとも部分的に制御される。このようなソフトウェアプログラムは、マイクロコントローラ自体に組み込むことができるROMなどの不揮発性メモリに記憶されてもよいし、別個の構成要素として提供されてもよい。CPUはROMにアクセスして、必要に応じ、また、必要なときに、個々のソフトウェアプログラムをロードし実行することができる。マイクロコントローラはまた、パフセンサ又は他のユーザ入力デバイスなどの起動センサなど、制御体200及び/又はカートリッジ300の他の構成要素、並びに放射要素、及び安全要素の作動を決定するために使用されるセンサなど、本明細書でさらに説明する他の構成要素と適宜通信するために、適切な通信インタフェース(及び制御ソフトウェア)を備えることができる。
【0034】
制御体200及びカートリッジ300は、図1Bの線AAによって示されるインタフェースなどのインタフェースで互いに接続されるように構成される。本説明全体にわたって、制御体200とカートリッジ300を「係合する」とは、制御体200とカートリッジ300が、ユーザによって吸引するためのエアロゾルを生成するために協働して機能することができるように、それらの間にインタフェースを形成するように制御体200とカートリッジ300を結合するプロセスを指す。したがって、制御体200とカートリッジ300との係合は、流体(空気又は液体エアロゾル生成材料など)及び/又は電気エネルギーが制御体とカートリッジとの間のインタフェースを横切って流れることができるように、制御体200とカートリッジ300との間に流体連通路及び/又は電気連通経路を形成/結合することを含むことができる。制御体200及びカートリッジ300の係合を容易にするために、制御体200及びカートリッジ300のそれぞれは、それぞれインタフェース部分201及び301を有して構成され、これらは、互いに相互作用して、適切なインタフェースの形成を容易にするように構成される。インタフェース部分の構成は、当業者に知られている任意の手法に従ってもよい。したがって、いくつかの例では、第1のインタフェース部分は、凹部(例えば、環状壁部分及び底部分を有する円筒形又は楕円形の凹部)を備え、第2のインタフェース部分は、すべり嵌め又はすきま嵌めによって凹部に挿入されるような形状のボスを備える。いくつかの例では、ボスはバヨネットラグを備え、凹部は協働するL字形スロットを備え、その結果、ボスを凹部に完全に挿入し、次いで、回転させると、カートリッジと制御体がデバイス100の長手方向軸線に実質的に一致する方向に沿って分離することを防ぐことができる。他の実施形態では、凹部及びボスのうちの一方が磁性部分を備え、他方が磁気引付可能な部分(例えば、反対極性の磁石又は鉄要素を備える)を備え、その結果、カートリッジは、カートリッジのボスが制御体の凹部に挿入されると、磁気引力によって制御体に対して定位置に保持することができる。他の例では、第1のインタフェース部分は、ねじが切られた内面を有する凹部を備え、第2のインタフェース部分は、外面に対応するねじを有するボスを備え、その結果、カートリッジは、ねじ結合によって制御体に取り付けることができる。ボスが凹部内に受け入れられることを含む前述の例のそれぞれでは、これらは、制御体とカートリッジのインタフェース部分の間に任意の適切な態様で配分することができることが理解されよう。いくつかの実施形態では、カートリッジ及び制御体のうちの第1のもののインタフェース部分は、インタフェース部分を備える外側ハウジングに形成された、又はそこから延在するいくつかのラグ又はタブを備える。カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分の窪み又はスロットなどの協働する機能部は、制御体とカートリッジが引き寄せられてインタフェースで一緒になったときに、カートリッジと制御体の機能部が互いに機械的に係合してカートリッジ300と制御体200を互いに対して固定された構成体に保持し、機械的に安定したインタフェースを提供するように設けられてもよい。これらは例示的な例に過ぎないことは理解されよう。また、インタフェース部分は、スナップフィット、磁気、押込みばめ、又はねじ接続など、当技術分野で知られている任意の種類の接続を提供するように構成することができることは理解されよう。
【0035】
図1A及び図1Bは、カートリッジが概ね細長く、マウスピース端から遠位にあるインタフェース端にインタフェース部分を備えるエアロゾル供給システム100の実施形態を概略的に示しているが、この構成は単なる一例であり、カートリッジが制御体と係合すると、エアロゾル生成器230がカートリッジ内のエアロゾル生成材料の一部分からエアロゾルを生成するように動作可能であるように設けられたインタフェースであれば、カートリッジと制御体との間のインタフェースには多くの形態が可能である。例えば、いくつかの例では、カートリッジ300は、制御体200の凹部内に部分的に又は完全に挿入されるように構成される。
【0036】
図2A及び図2Bは、図1A及び図1Bに示したものに対する代替のエアロゾル供給システム100の構成の例を概略的に示す。図2Aには、図1Aの制御体から部分的に認識されるであろう制御体が示されている。制御体は、電源240及びエアロゾル生成器230を備える。しかしながら、図2Aに概略的に示された実施形態では、制御体200はまた、空気出口261を備えるマウスピース260と、カートリッジ300を挿入することができる凹部271とを備える。第1の空気通路220は、空気入口(複数可)221と凹部との間を連通し、第2の空気通路222は、凹部271と空気出口261との間を連通する。カートリッジ300は、以下にさらに述べるように、(例えば、カートリッジを凹部271に部分的に又は完全に挿入することによって)カートリッジが制御体に係合されると、リザーバ310からのエアロゾル生成材料を、制御体に付随するエアロゾル生成器230によってエアロゾル化することができるように構成される。図2Bは、例示的なカートリッジ300と係合された制御体200を示す。カートリッジは、リザーバ310及び空気通路320を備える。カートリッジ300の外側寸法と凹部271の内側寸法は、カートリッジ300を制御体の凹部に部分的に又は完全に挿入することができるように構成される。上述したように、カートリッジ300は、圧入、磁気若しくはねじ接続、又は当技術分野で知られている、カートリッジを制御体に係合する任意の他の方法によって制御体と係合してもよい。重要なことは、カートリッジが、空気通路320を第1の空気通路220及び第2の空気通路222と連通させるインタフェースを形成するように制御体に係合することである。図2Bの例では、空気通路320は、以て、カートリッジと制御体が係合されると、空気入口(複数可)221と空気出口261との間に形成される連続した流体連通路の一部分を構成する。本明細書でさらに述べるように、カートリッジは、カートリッジと制御体が係合されると、制御体に付随するエアロゾル生成器230によってリザーバ310からのエアロゾル生成材料をエアロゾル化することができるようにさらに構成される。
【0037】
以下にさらに述べるように、制御体に付随するエアロゾル生成器230によって、カートリッジに備えられたリザーバ310からのエアロゾル生成材料をエアロゾル化することは、いくつかの異なる方法で達成することができる。例えば、本明細書でさらに述べるように、カートリッジ及び制御体のそれぞれは、それぞれのエアロゾル生成材料移送構成要素(本明細書では、輸送要素と呼ぶこともある)を備えて構成され、カートリッジと制御体が係合されると、それらが協働して、エアロゾル生成材料をカートリッジ300から制御体200のエアロゾル生成器230に移送することができる。このような移送要素の例はウィックであり、ウィックは、織られた又は織られていない綿又はガラスフィラメントから形成され、液体エアロゾル生成材料が毛管現象によって制御体とカートリッジとの間のインタフェースを横切る流体連通の経路を形成するように設計され、これにより、エアロゾル生成材料は、リザーバから、エアロゾル生成器によってエアロゾル化することができる場所へ流れることができる。しかし、当業者であれば、例えば、ポンプ又はプッシュロッドなどの他の移送要素が、異なるタイプのエアロゾル生成材料に対して使用されてもよいことは理解するであろう。
【0038】
図1A及び図1Bは、以下に詳細に説明するそのような構成体を概略的に示す。エアロゾル生成器230は、エアロゾル生成材料をエアロゾル生成器230に向けて輸送しやすいように構成されたエアロゾル生成材料輸送要素231の出口端の近傍に配置される。輸送要素のインタフェース端232は、カートリッジが制御体に係合されると、カートリッジ300の外面に配置されたリザーバ出口311と結合するように構成される。このように結合すると、カートリッジのリザーバ310と輸送要素231の出口端との間に流体連通の経路が形成される。カートリッジのリザーバ出口311は、カートリッジのインタフェース部分に開口するように配置された、リザーバ又はリザーバに接続された導管の開口を備えることができる。輸送要素231の出口端は、エアロゾル生成器230によるエアロゾル化のために、輸送要素内に存在するエアロゾル生成材料を供給するように配置される。したがって、いくつかの例では、輸送要素の出口端の一部分は、輸送要素231の残りの部分と流体連通する多孔性要素233(例えば、ウィック)を備える。いくつかの例では、多孔性要素は、例えば、綿材料、セラミック材料、メッシュ材料、織物材料、又は不織布材料を含む。いくつかの例では、輸送要素231の実質的な部分又はすべては、例えば、多孔性要素233と同じ材料から形成された多孔性材料を含む。輸送要素231は、任意選択で、カートリッジと制御体が係合されたときに、リザーバ310から多孔性要素233への前駆体の輸送を容易にするために、その長さに沿って配置されたポンプ要素を備えてもよい。図1Bは、制御体とカートリッジとの係合により、制御体の輸送要素231がカートリッジのリザーバ310に結合し、それにより、エアロゾル生成材料(陰影を付けた領域によって示される)が制御体に入って、エアロゾル生成器230の近傍の多孔性要素233(例えば、ウィック)へ至ることができる状況を概略的に示す。
【0039】
エアロゾル生成器230は、エアロゾル生成材料の供給からエアロゾルを生成するように動作可能な任意の適切な構成要素を備えてもよい。いくつかの実施態様では、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に熱エネルギーを受けさせて、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発物を放出させてエアロゾルを形成するように構成されたヒータ(又は加熱要素)である。いくつかの実施態様では、エアロゾル生成器は、加熱せずにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料に、振動、高圧力、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数を受けさせるように構成されてもよい。エアロゾル生成器がヒータを備える例では、ヒータは、電池又はバッテリーから電流を供給することによって加熱されるように構成される。例えば、加熱要素は抵抗加熱材料のコイルを備えてもよく、多孔性要素233の一部分はコイルと接触して(例えば、コイル内に)配置される。他の例では、加熱要素は、多孔性要素233の一部分の上又は中に配置された加熱可能な材料のフィルム、トレース、又はコーティングを備えてもよい。いくつかの例では、加熱要素は、ニクロムなどの抵抗加熱材料を備え、加熱要素は、その材料に電流を通すことによって加熱される。いくつかの例では、加熱要素は、駆動コイルによって生成された磁場があるときに加熱されるように構成されたサセプタを備える。いくつかの例では、エアロゾル生成器は圧電要素を備え、輸送要素231の出口端は、エアロゾル生成材料をエアロゾル化するために圧電素子に供給するように構成される。
【0040】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成器によって生成されたエアロゾルを空気通路内の空気の流れに取り込むことができるように、空気通路220内に配置されてもよい。多孔性要素233は、例えば、空気通路220を完全に又は部分的に横断する片持ち梁又はブリッジの態様で、エアロゾル生成器の近傍の空気通路内に配置されてもよい。エアロゾル生成材料輸送構成体の前述の説明は、図2A及び図2Bに示すように構成されたカートリッジ及び制御体(例えば、制御体内の凹部に挿入されるポッドを備えるカートリッジ)に関して適用することができることは理解されよう。
【0041】
他の実施形態では、カートリッジ及び制御体は、カートリッジと制御体が係合されて一緒になったときに、エアロゾル前駆体がカートリッジと制御体との間のインタフェースを横切って輸送されないように構成されてもよい。このような構成では、エアロゾル生成器230は、制御体200とカートリッジ300が係合されると、カートリッジ300内に保持されているエアロゾル生成材料の一部分からエアロゾル生成器230によってエアロゾルを生成することができるように構成される。これは、いくつかの異なる方法で達成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、制御体がカートリッジと係合されると、エアロゾル生成器がカートリッジ内に保持されているエアロゾル生成材料の一部分と接触又は近接するように構成される。この構成体の例は、図3A及び図3Bに概略的に示されている。図3Aは、図1Bから認識されるであろう。図3Aは、カートリッジ300と係合された制御体200を示す。しかしながら、図1Bに示される構成とは異なり、カートリッジ300は、リザーバとカートリッジ内の空気通路320との間を連通する輸送要素330を備える。輸送要素330は、本明細書でさらに説明した輸送要素231と同様に(例えば、材料の点で)構成されてもよいが、輸送要素330は、カートリッジ300からのエアロゾル生成材料が制御体200に入るための流体連通の経路を提供せずに、リザーバとカートリッジ300内の空気通路320との間を直接連通するという違いを有する。いくつかの例では、カートリッジ300は、液体輸送要素を備えず、むしろ、カートリッジの空気通路内に配置されたエアロゾル生成材料の供給部を備える。そのような例では、エアロゾル生成材料のリザーバ310は、空気通路内に部分的に又は完全に配置されていると考えることができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、エアロゾル生成材料は、植物系の材料(例えば、タバコ)などの固体材料を含み、リザーバは、空気通路内に配置されたエアロゾル生成材料の一部分を備える。この部分は、いくつかの実施態様では、固体材料のプラグを含んでもよい。これに代えて又はこれに加えて、空気通路の一部分には、固体材料(例えば、タバコなどの植物材料を含む)を充填してもよい。固体材料は、固体材料をカートリッジ内の定位置に保持するように、空気通路を横切って配置された上流メッシュと下流メッシュとの間に保持されてもよい。図3Bは、そのような構成体の一例を概略的に示しており、細断された植物材料を含むエアロゾル生成材料のリザーバ310が空気通路320内に配置されている。カートリッジは、いくつかの例では、巻かれて管になり、タバコなどの植物系エアロゾル生成材料を含む、紙又は他のフィルムタイプの材料のラップを含むことができる。
【0042】
カートリッジのリザーバからのエアロゾル生成材料が、エアロゾル化のために制御体に輸送されるように構成されていない(例えば、エアロゾル生成材料がカートリッジ内に留まる)実施形態では、エアロゾル生成材料は、いくつかの方法でエアロゾル生成器230によってエアロゾル化することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器は、制御体とカートリッジが係合されたときに、エアロゾル生成器230が、カートリッジに備えられたエアロゾル生成材料の一部分、例えば、多孔性要素233に保持された、又は空気通路320内に配置されたリザーバ310に備えられたエアロゾル生成材料の一部分に挿入されて、それと当接して、それを取り囲んで、又はそれの近くに配置されるように構成されてもよい。図3Aは、制御体200に付随するエアロゾル生成器(例えば、ヒータ)が、液体又はゲルの形態のエアロゾル生成材料を含む多孔性輸送要素330の近傍(例えば、その近くに、それに当てて、又はその中に)に持ってこられた例を概略的に示す。図3Bは、エアロゾル生成器が、空気通路320内に配置された固体エアロゾル生成材料のリザーバ310の近傍に(例えば、その近くに、それを取り囲んで、それと当接して、又はその中に挿入されて)持ってこられた例を概略に示す。エアロゾル生成器は、カートリッジと制御体が係合されたときに、カートリッジ内のエアロゾル生成材料に近接することができるように構成される必要がある場合がある。例えば、図3A及び図3Bに概略的に示すように、エアロゾル生成器230は、制御体200とカートリッジ300が係合されたときに、エアロゾル生成器230が空気通路320内に受け入れられるように、制御体200のハウジングから突出する。
【0043】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成器230は、例えば、加熱によって、又は圧電エアロゾル化によって、エアロゾル生成材料を直接エアロゾル化するように構成される。エアロゾル生成器230がヒータを備える実施形態では、熱は、ヒータからエアロゾル生成材料内に直接伝導されてもよい、又は、エアロゾル生成材料を放射加熱するように空隙を横切って伝達されてもよい。他の例では、エアロゾル生成器230は、カートリッジの空気通路320に配置されたエアロゾル生成材料の一部分(例えば、多孔性要素331に保持された液体若しくはゲル、又は固体材料の一部分)の上流の流体連通路の位置に配置されたヒータを備える。エアロゾルを生成するために、ヒータは、制御体内の通路220又はカートリッジ内の通路320のいずれかの空気を加熱し、この空気は、空気出口322又は261での吸引の影響により、下流に流れてカートリッジ内のエアロゾル生成材料に至り、加熱された空気によってこのエアロゾル生成材料はエアロゾル化される。これに代えて又はこれに加えて、エアロゾル生成器230は、カートリッジ内のエアロゾル生成材料の上流の位置でエアロゾル又は蒸気を生成してもよい。
【0044】
エアロゾル生成材料及びエアロゾル生成器のそれぞれの構成に関する前述の説明のいずれも、異なる制御体及びカートリッジに、例えば、制御体の遠位部分と係合されるように設計されたカートリッジ、又は制御体の凹部に完全に又は部分的に受け入れられるように設計されたカートリッジに適用することができることは理解されるよう。
【0045】
エアロゾル生成器が、使用のために制御体に係合されるように構成されたカートリッジに付随するのではなく(例えば、「カトマイザ」ではなく)、電源を含む制御体に付随する、前述の説明で述べたようなエアロゾル供給システムに生じるいくつかの課題があり得ることが認識されてきた。多くのエアロゾル供給システムでは、エアロゾル生成器はカートリッジに備えられ、電気接点は、カートリッジ及び制御体のそれぞれのインタフェース部分に配置され、カートリッジと制御体とが係合してこれらの接点が当接すると、エアロゾル生成器230と電源240との間に電気経路を形成する。したがって、カートリッジと制御体が係合されていない場合、エアロゾル生成器230に電力を供給する回路に開回路状態が存在し、以て、カートリッジ300と制御体200が係合されていない限り、エアロゾル生成器230は、電力が供給されることが自動的に防止される。
【0046】
しかしながら、エアロゾル生成器230及び電源240が両方とも制御体200に付随している、本明細書で説明したものなどのシステムにおいては、カートリッジ300が制御体200と係合していないときにエアロゾル生成器230が作動する可能性がある。これは、制御体とカートリッジとの係合が解除されているときに、制御回路250が作動信号を受信し、エアロゾル生成器230に電力を供給する場合、電源240の消耗をもたらすことがある。エアロゾル生成器230がヒータを備える場合、特に、制御体200の構成が、制御体とカートリッジとの係合が解除されているときにヒータが露出されるような場合、このような偶発的な作動は、火災又は火傷の危険性をもたらす場合がある。
【0047】
したがって、本開示の実施形態によれば、エアロゾル供給システム100は安全要素を備え、エアロゾル供給システム100は、安全要素が作動しない限り、電源240からエアロゾル生成器230にエネルギーを供給することができないように構成される。安全要素は、カートリッジが制御体に係合されたときにのみ作動状態になることができるように構成される。電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御する回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーの供給をしないように構成される。本開示の実施形態によれば、センサ要素は、エアロゾル供給システムの制御体及びカートリッジのうちの第1のものに付随する。センサ要素は、カートリッジが制御体に係合されているときの、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの存在がセンサ要素の検出状態に影響を及ぼすように、センサ要素の検出状態がカートリッジ及び制御体のうちの第2のものに付随する特性に応じて変化するように構成され、安全要素の作動状態はセンサ要素の検出状態に依存する。したがって、カートリッジが制御体に係合されているときの検出状態は、カートリッジが制御体に係合されていないときの検出状態とは異なる。
【0048】
図4A及び図4Bは、本開示の第1の実施形態を概略的に示す。この実施形態によれば、センサ要素400は、制御体200の中又は上に配置され、その検出状態は、カートリッジ300及び制御体200に関連する放射要素410によって放射される信号又は場の特性に応じて変化するように構成される。図4A及び図4Bは、センサ要素400が制御体400に配置され、放射要素410がカートリッジ300に配置された実施態様を示すが、その代わりに、センサ要素400がカートリッジ300に配置され、放射要素410が制御体200に配置されてもよいことは理解すべきである。
【0049】
図4Aは、制御体200のインタフェース部分270に付随するセンサ要素400を示し、この例では、インタフェース部分270は、制御体200の端部に形成された凹部271を備える。図4Aは、カートリッジ300のインタフェース部分340に付随する放射要素410をさらに示し、この例では、インタフェース部分340は、凹部271に受け入れられるような形状のボスを備える。図4Aは、制御体とカートリッジが完全には係合されていない状況を概略的に示し、一方、図4Bは、制御体200とカートリッジ300が完全に係合され、放射要素410とセンサ要素400が互いに近接した状況を概略的に示す。本明細書でさらに述べるように、センサ要素400及び放射要素410の特性、並びにカートリッジ300及び制御体200のうちの第1及び第2のものに対するそれらの空間的配置は、カートリッジ300と制御体200が係合されているときにセンサ要素400が第1の検出状態(又は、あり得る検出状態の範囲)を有するように構成され、これはカートリッジ300と制御体200が係合されていないときの検出状態(又は、あり得る検出状態の範囲)とは異なる。したがって、カートリッジ300と制御体200が係合されているときと係合されていないときのセンサ要素400の検出状態の変化は、放射要素410によって放射された場又は信号のセンサ要素位置における強度及び/又は向きの変化によってもたらされたセンサ要素400に対する放射要素410の近接度及び/又は向きの変化を示す。したがって、センサ要素400の検出状態は、制御体200とカートリッジ300が完全に係合しているか否か、及び/又は、制御体200とカートリッジ300との係合の度合いを示す指標を与えることができる。
【0050】
センサ要素400は、一般に、カートリッジ300及び制御体200のうちの第1のもののインタフェース部分270の近傍に配置され、例えば、インタフェース部分271を備えるカートリッジ300及び制御体200のうちの第1のもののハウジングの一部分に配置され、埋め込まれ、又はその内部に配置される。図5Aは、制御体200のインタフェース部分270を備えるハウジングの一部分の概略断面図であり、例えば、図4Aに概略的に示された凹部271の内面の一部を画定する環状壁272の一部分の、エアロゾル供給システム100の長手方向軸線に沿った断面図である。したがって、環状壁272の外面2721は、凹部271内を向き、環状壁272の外面2722は、カートリッジ300及び制御体200うちの第1のものの内部空間内を向く。これに代えて、外面2722は、カートリッジ300及び制御体200のうちの第1のものの外面を含んでもよい。図5Aでは、センサ要素400は、壁272の外面2722に配置されて(例えば、接着若しくは機械的締結によって固定され、又は内面に部分的に埋め込まれて)示されている。図5Bは、図5Aから認識されるであろうが、壁272の2つの外面2721と2722の間に埋め込まれたセンサ要素400を示す。図5Cは、図5A及び図5Bから認識されるであろうが、凹部271を向く壁の外面2722の外側又は部分的に外側に配置された(例えば、接着若しくは機械的締結によって固定され、又は内面に部分的に埋め込まれた)センサ要素400を示す。センサ要素400は、壁の外面と面一になるように配置されてもよいし、壁面から、例えば、窪み又はチャネル内に引っ込むように配置されてもよい。図5A図5B、及び図5Cに示したハウジング構造体に対するセンサ配置は、例えば、図4Aに概略的に示された凹部などの凹部の底部の中、上、又はその内部に配置された、カートリッジ及び制御体のうちの第1のもののインタフェース部分に対するセンサ要素の他の位置に関しても、同様に適用することができることが理解されよう。これに代えて、インタフェース部分270は凹部を備えなくてもよく、壁272は、カートリッジ300及び制御体200のうちの第1のものの外側ハウジングの一部分を備える。いくつかの例では、センサ要素は、インタフェース部分から離れたカートリッジ及び制御体のうちの第1のものの一部分に備えられる。センサ要素400は、制御体200又はカートリッジ300のいずれかに付随することができることが理解されよう。
【0051】
同様に、放射要素410は、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分を備えるハウジングの一部分の上、中、又はその内部に配置され、図5A図5B、及び図5Cのセンサ要素の配置について示したのと同じ態様で、カートリッジ300及び制御体200のうちの第2のものの一部を備えるハウジングの一部分に対して配置されてもよい。しかしながら、これらの構成は単なる例であり、カートリッジ300及び制御体200のうちの第1及び第2のものの中又は上にあるセンサ要素400及び放射要素410のそれぞれの構成は、カートリッジ300と制御体200との間のインタフェースの性質、放射要素410によって放射される場又は信号の性質、並びにカートリッジ及び制御体の構造(例えば、ハウジング構成要素の形状及び寸法、並びにそれらの原材料)に応じて異なる形態を取ることができることが理解されよう。
【0052】
一般に、放射要素410の位置は、カートリッジ300が制御体200と完全に係合されているときに、放射要素410とセンサ要素400との間の距離dが最小になるように選択される。例えば、図6Aは、カートリッジ300及び制御体200のうちの第2のもののインタフェース部分を備えるボスの基底面に埋め込まれた放射要素410と、カートリッジ300と制御体200を係合するためにボスが受け入れられるカートリッジ及び制御体のうちの第1のものの凹部271の基底面に埋め込まれたセンサ要素400とを概略的に示す。図6Aでは、カートリッジ300と制御体200は完全には係合されておらず、放射要素とセンサ要素との間の距離dは、d1で示されている。図6Bでは、カートリッジ300と制御体200は完全に係合され、その結果、ボスの基底面は凹部の基底面に接触している。したがって、センサ要素400と放射要素410との間の距離は最短となり、距離d1よりも短い値d2を取る。カートリッジ300が制御体200と完全に係合されたとき、センサの検出状態が、カートリッジ300が制御体200と完全には係合されていないときとは異なるように、放射要素410によって放射される信号又は場がセンサ要素400の検出状態に影響を及ぼすように作用することができるならば、放射要素410及びセンサ要素400は、制御体200及びカートリッジ300の任意の位置に配置することができることは理解されよう。例えば、放射要素410によって放射される信号又は場が磁場を含む場合、カートリッジ300と制御体200とが係合されたときのセンサ要素400の検出状態が、係合されていないときのセンサ要素400の検出状態と異なるほど場の強度が十分に大きく、センサ要素400が十分に敏感であれば、放射要素410及びセンサ要素400がカートリッジ及び制御体のインタフェース部分に付随する必要はなくてもよい。
【0053】
センサ要素は、放射要素によって放射される場又は信号の1つ以上の特性に応じて変化する(例えば、1つ以上の特性に対して検知可能である)検出状態を有するように構成される。したがって、放射要素によって放射される特定の種類の信号又は場に対して、センサ要素の検出状態が検知可能であることを示すように、放射要素とセンサ要素とは合わせられる。センサ要素は、検出状態が、例えば、強度、指向性、周期性、又は任意の他の特性など、入射場又は信号の任意の適切な特性に応じて変化するように構成することができる。検出状態の1つの非限定的な例として、センサ要素は、磁気抵抗センサ又はリードスイッチなどの磁気センサを備えてもよく、その検出状態は、センサ要素の2つ以上の端子にわたる抵抗を含むことができ、前記抵抗は、入射磁場の向き及び/又は強度の関数として変化するように構成される。しかしながら、本明細書でさらに説明するように、センサ要素の検出状態は、例えば、抵抗、インダクタンス、キャパシタンス、リアクタンス、インピーダンス、又はリラクタンス特性など、入射場又は信号の特性に応じて変化する任意の物理特性に関連付けることができることが理解されよう。
【0054】
したがって、センサ要素が、選択されたセンサの検出状態が検知可能な信号又は場を放射する放射要素と対になることができれば、センサ要素として広範囲のタイプのセンサを使用することができることが理解されよう。
【0055】
例えば、いくつかの実施形態では、センサ要素は、リードスイッチ又は磁気抵抗センサなどの磁気センサを備え、放射要素は、磁石、例えば、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石を含む希土類磁石などの磁場生成要素を備える。放射要素410として磁石を使用すると、電源(又は制御体200との電気的接続)が不要であり、したがって、システムの設計が全体として簡略化されるので、特に、カートリッジ内に放射要素410が配置されるときに好適である場合がある。しかしながら、放射要素410としての磁石を制御体200に配置し、センサ要素400として、例えば、リードスイッチをカートリッジ300に配置することができないということではないが、そのような実施態様では、センサ要素400の検出状態を制御体200に伝達するための少なくとも信号線又は無線通信機構が、そのような実施態様のカートリッジに存在し得る。このような磁場を与えるために使用される磁石はまた、本明細書でさらに説明するように、制御体とカートリッジが係合されるときにカートリッジを制御体に結合する機能を果たすことができる。センサ要素自体は、磁気引力によってカートリッジと制御体が係合状態に結合することができるように、磁場に引き付けられるように構成されてもよい。
【0056】
他の実施形態では、センサ要素はフォトダイオードなどの感光要素を備え、放射要素は、駆動回路を付随するLED素子又はレーザなどの光源を備える。より一般的には、センサ要素は、入射電磁放射線に応じて変化する検出状態を有して構成された任意のセンサを備えることができ、放射要素は、センサ要素が検知可能な任意の適切な電磁放射線源(例えば、無線信号)とすることができる。
【0057】
放射要素は、他の例では、カートリッジと制御体が係合されたときに音響信号を提供してもよい。例えば、カートリッジ及び/又は制御体のインタフェース部分は、カートリッジと制御体が係合されたときに音響信号(「クリック音」など)を提供するように機械的に相互作用する特徴を有して構成されてもよく、センサ要素は、センサ要素の検出状態が音響信号に対して検知可能であるように構成された音響センサを備えることができる。
【0058】
放射要素によって放射される場又は信号の性質に応じて、制御体及びカートリッジのそれぞれを備えるハウジングの一部分(例えば、それぞれのインタフェース部分)は、場又は信号が放射要素から放射されて、過度に減衰する又は歪むことなくセンサによって受信することができるように、適切な材料(例えば、場又は信号に対して部分的に又は完全に透明な材料)から形作られ及び/又は製造されてもよい。したがって、制御体とカートリッジが係合したときにセンサと放射要素との間の経路にある、制御体及びカートリッジのいかなる部分の特性も、放射要素とセンサとの間でその信号又は場を結びつけることができるように選択される必要があり得る。例えば光源は、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののハウジングの壁に埋め込まれても、内部に配置されてもよく、フォトセンサは、カートリッジ及び制御体のうちの第1のもののハウジングの壁に埋め込まれても、内部に配置されてもよく、カートリッジと制御体が係合したときの光源とセンサとの間の伝送経路の近傍にあるいずれかのハウジングの部分は、カートリッジと制御体が係合されたときに光放射要素からセンサに光が通るように、開口を備えても、透明又は半透明材料から形成されてもよい。放射要素が磁場放射要素であり、センサが磁気センサの場合、カートリッジ及び制御体を製作するために使用される材料は、放射要素によって放射される磁界を過度に減衰させたり、又は歪ませたりしないように選択されてもよい。これは、センサ要素及び放射要素の近傍に、主として非鉄材料を使用することを含んでもよい。
【0059】
上記のように、本開示のエアロゾル供給システムは、エアロゾル生成器230に電力が供給されることを可能にする又は防止するように構成された安全要素を備える。安全要素は作動されるように構成され、これは、この点では、状態(電気的又は物理的のいずれか)の変化を意味し、安全要素の作動状態は、センサ要素の検出状態に依存する。大まかに言えば、安全要素は、センサ要素400及びスイッチを備えてもよく、その結果、これらの構成要素の組合せが安全要素を提供する。
【0060】
本開示のいくつかの例では、安全要素はスイッチを備える。安全要素の作動は、スイッチが閉じられて閉回路を提供し、それによって、電流が電源からスイッチを通って流れることができることを含む。したがって、スイッチは、スイッチのスイッチ状態(すなわち、開又は閉)が、センサ要素400の検出状態に応じて変化するように構成される。したがって、入射場又は信号の予め定められた範囲の強度及び/又は指向性によって引き起こされる検出状態は、電流がスイッチを通って流れることができる閉スイッチ位置に対応する。このような場又は信号が存在しない検出状態は、電流がスイッチを通って流れることができない開スイッチ位置に対応する。
【0061】
いくつかの例では、スイッチ402はリードスイッチ又は他の磁気スイッチを備え、磁石を備える放射要素410によって提供される入射磁場の特性に依存する検出状態を有して構成される。いくつかの検出状態(例えば、適切な向きの適切な強さの磁場によって引き起こされる検出状態)では、スイッチ状態は、電流が電源からスイッチを通って、例えば、エアロゾル生成器に流れることができるように閉状態である。この閉状態は、安全装置の作動状態に対応する。他の検出状態(例えば、適切な向きの適切な強さの磁場がない検出状態)では、スイッチ状態は、空気流センサ又は他のユーザ入力によって作動信号が提供されても、電流がスイッチを通って、例えば、エアロゾル発生器に流れることができないように開いている。この開状態は、安全要素の非作動状態に対応する。
【0062】
図7は、センサ要素400がスイッチ402を備えるか、又はセンサ要素400がスイッチ402である回路の概略的な例を示す。すなわち、センサ要素400とスイッチ402は1つであり、同じ構成要素である。組み合わされたセンサ要素400とスイッチ402は、この実施態様では安全要素として働く。センサ要素400(図6A及び図6Bに示すようなものなど)及びスイッチ402は、バッテリーを備える電源240、エアロゾル生成器230、及び制御回路250と直列に配線される。制御回路250は、作動信号(例えば、エアロゾル供給装置100でのパフを示す)の受信に応じて閉じる又は開く少なくとも1つのさらなるスイッチを備える。したがって、安全要素/スイッチ402が閉状態であり、制御回路250が作動信号を受信することにより、制御回路250のスイッチが閉じてエアロゾル生成器230と電源240との間の電気経路を提供する場合にのみ、エアロゾル生成器230に電力を供給することができる。
【0063】
図7は、スイッチ402を直接制御するように構成されたセンサ要素400の例である。すなわち、センサ要素400の状態は、スイッチ402の状態、したがって、安全要素の状態に直接影響を及ぼす。図7は、センサ要素400と一体化され、したがってセンサ要素400を形成するスイッチを示しているが、センサ要素400とスイッチ402は、別個のもので、電気的に互いに結合されて安全要素を形成してもよいことを理解すべきである。例えば、図7に示す構成では、センサ要素400は、スイッチのスイッチング状態を制御するために使用されてもよい。例えば、スイッチ402がトランジスタ(FETなど)である場合、センサ要素400は、トランジスタのゲートに結合されて、センサ要素400の検出状態に基づき、トランジスタをセンサ要素400の出力信号(検出状態)に基づいて開く又は閉じることができる。
【0064】
安全要素がスイッチを備える例では、安全要素の「作動」は、したがって、電流がスイッチを通って流れることができる経路を提供するようにスイッチ状態が変わることを意味すると解釈される。この経路は、制御回路250のいくつかの部分を含んでもよい。例えば、スイッチを備えるセンサ要素400(すなわち安全要素)は、制御回路250を具現化するチップ内に含まれてもよい。放射要素及びセンサ要素の特性、並びにそれらの互いに対する空間的配置(例えば、それらの間の距離及びそれらの向き)は、カートリッジと制御体が係合状態にあるときに、スイッチの検出状態がスイッチの閉回路状態に対応するように選択される。スイッチを閉じることは、安全要素を作動させることを含む。多くの例では、制御体及びカートリッジのうちの第1のもののインタフェース部分の上又は中のセンサ要素の位置及び向き、並びに制御体及びカートリッジのうちの第2のもののインタフェース部分の上又は中の放射要素の位置及び向きは、カートリッジと制御体が完全に係合されたとき、放射要素によって放射された信号又は場の向き及び強度、並びにセンサ要素の位置及び向きに対する放射要素の近接度が、(例えば、センサ要素と放射要素との間の距離が最短になるので)センサ要素の検出状態を最大化するように選択される。実際には、放射要素及びセンサ要素の特性、並びにそれらの位置及び向きは、カートリッジと制御体が係合されたときのセンサ及び放射要素の検出状態及び/又は信号/場の放射特性及び/又はアライメントにある程度の許容範囲があるように構成することができる。いくつかの例では、これは、カートリッジと制御体がそれらの係合状態に向かって近接するとき、カートリッジと制御体が完全に係合する前に安全要素を作動するように、センサ要素及び放射要素の特性及び空間位置を構成することを伴うことがある。例えば、図8は、例示的なセンサ要素の検出状態S(グラフのY軸に示す)と、センサ要素と放射要素との間の距離d(X軸に示す)との関係の例を概略的に示す。図8に示す距離の関数としての検出状態Sは、単に例に過ぎず、実際の関係は、放射要素410及びセンサ要素400の性質に応じて変化することがあることを理解すべきである。図8に示すように、検出状態Sは、放射要素とセンサ要素との間の最小距離d1において最大であり、これは、カートリッジと制御体が完全に係合されていることに対応する。検出状態の閾値T(この閾値で、センサが開状態から閉状態に切り替わるように構成される)は、距離がd1であるときの、完全に係合状態であるSの値に対応するように設定されてもよい(すなわち、閾値をT=Ts,1に設定)。しかしながら、TをTS,2の値に設定することにより、距離d1よりも大きい距離d2でスイッチが確実に閉じることができ、これにより、ある程度の許容範囲が提供され、カートリッジと制御体が係合するときでも必ずスイッチが閉じることが確実になる。センサ要素、放射要素、及びそれらの位置の適切な構成、並びに閾値Tの適切な値は、例えば、実験を通じて経験的に確立することができ、数学的モデル化を通じて確立することができる。
【0065】
説明したように、本開示の他の例では、センサ要素400は、エアロゾル生成器に電流を供給するのに用いられる電気経路に配置されていないが、センサ要素400の検出状態の測定、又はその他の検出に基づいて安全要素を作動させるかどうかを決定するように構成された制御回路250に接続される。これは、スイッチを間接的に制御するように構成されたセンサ要素400の例である。すなわち、センサ要素400の状態が、間接的にスイッチの状態に影響を与える。図9は、このような構成体の概略的な例を示しており、この場合、センサ要素400は、制御回路250に接続されている。制御回路はスイッチ251を含む。スイッチ251は、大まかには、スイッチ402と同様であってもよい。スイッチ251とセンサ要素400は一緒になって安全要素を形成する。この場合もまた、図9は、制御回路250と一体化されたスイッチ251を示しているが、スイッチ251は制御回路250とは別個のもので、制御回路250に電気的に接続されてもよい。電源240及びエアロゾル生成器230は、制御回路250にさらに接続される。これらの実施形態では、安全要素251の作動状態は、センサ要素400の測定された検出状態に基づいて制御回路250によってなされる決定に依存する。センサ要素の検出状態は、実質的に2値(例えば、上記で述べたスイッチのように、開又は閉)を取ることができるが、センサ要素の近傍における場又は信号の特性に応じて、連続的な値の範囲を取ってもよい。したがって、例えば、センサ要素がフォトダイオードを備える非限定的な例では、センサ要素の検出状態は、例えば、制御回路によって加えられた所与の電位差でフォトダイオードを通過する電流の程度(光伝導モード)、又はフォトダイオードの両端で測定された電位差(光起電モード)によって測定されるとき、センサ要素によって受け取られる入射光の強度及び/又は波長に応じた値の範囲を取ることができる。センサ要素の検出状態の測定は、例えば抵抗、導電率、インダクタンス、インピーダンス、リアクタンス、又はキャパシタンスのパラメータなど、センサ要素に関連するパラメータの絶対値又は値の変化のいずれかを測定することを含んでもよい。重要と考えられることができることは、センサ要素に関連し、検出状態を決定するために使用されるパラメータが、放射要素によって放射される入射場又は信号の特性に応じて変化するように構成されることである。センサ要素の検出状態は、当業者に知られている任意の適切な手法に従って制御回路によって測定することができ、以下にさらに述べるように、連続的、周期的、又はアドホックに測定されてもよい。
【0066】
センサ要素の検出状態に基づいて安全要素を作動させるか否かの制御回路による決定は、測定されたセンサ要素の検出状態を1つ以上の予め定められた検出閾値に比較することに基づくことができる。制御体とカートリッジが完全に係合された状態に対応する測定された検出状態の値又は値の範囲を(例えば、実験又はモデル化によって)確立することによって、安全要素を作動させる検出状態の対応する範囲を定めるように1つ以上の予め決められた閾値を設定することができる。制御回路は、センサ要素の測定された検出状態を決定し、検出状態が予め定められた範囲内にある場合に安全要素を作動させるように構成される。測定された検出状態は、単一の閾値、又は(例えば、範囲を定める)2つ以上の閾値と比較されてもよく、測定された検出状態と1つ以上の閾値との任意の適切な比較は、安全要素を作動させるべきかどうか(すなわち、検出状態が閾値よりも大きい又は小さいことが必要であり得る)を決定するために使用されてもよいことが理解されよう。大きさ以外の他の検出状態の特性は、制御回路によって決定され、安全要素を作動させるかどうかを決定するために使用されてもよい(例えば、検出状態の位相、周期性、若しくは持続時間、又は検出状態の時間分解測定に適用される信号処理手法から得られるパラメータなど)。
【0067】
制御回路による安全要素の作動は、エアロゾル生成器に電力が供給されないようにする制御回路に関連する任意の状態又は変数の設定を含むことができる。これは、制御回路の動作に関連するソフトウェア又はファームウェアルーチンにフラグを設定すること、及び/又は制御回路に備えられたハードウェアラッチに状態を設定すること、及び/又は制御回路に備えられたレジスタに値を設定することを含んでもよく、制御回路は、このフラグ、状態、又は値が、安全要素が作動状態にあることを示すために予め定められた特定の値を取らない限り、又は特定の範囲内にない限り、エアロゾル生成器に電流を供給しないように構成される。安全要素は、2つの状態のいずれかになるように動作可能な制御回路の任意のハードウェア又はソフトウェア構成を備えることができ、この状態が、起動信号の受信時に制御回路がアトマイザに供給される電流を供給するか否かを決定することが理解されよう。安全要素の作動は、制御回路が、エアロゾル生成器に電流を供給するために使用される電気経路のスイッチの状態を、経路が閉回路を含むように変更することを含んでもよい。
【0068】
本開示のいくつかの例では、安全要素の作動状態の設定は、連続的な監視プロセスに基づく。例えば、制御回路がセンサ要素の検出状態を測定するように構成される場合、制御回路は、そのような測定を連続的又は半連続的に(例えば、予め定められた時間間隔に従って)行うように構成されてもよい。他の実施形態では、作動状態は、デバイスが、空気流センサ又は他のユーザ入力デバイス(例えば、ボタン)からの起動信号の受信に応答して、エアロゾル生成器に電力を供給するように構成されている制御シーケンスの一部として「アドホック」に決定される。これらの例では、センサ要素の検出状態の決定、及び検出状態に依存する安全要素の作動状態の設定は、作動信号の受信に従ってエアロゾル生成器に電力を供給する前に制御回路によって行われるチェックを含むと考えることができる。このようなチェックはまた、デバイスのスイッチが最初に入れられたときに実施されてもよい。
【0069】
図10は、制御回路250によって実行することができる制御アルゴリズムの概略的な例を示す。第1のステップS1によれば、この手順が開始される。これは、例えば、制御体200の手動で作動可能なスイッチによってデバイス/システムの電源が入れられているときはいつでも起きてもよい。ステップS2によれば、制御回路250は、安全要素のための適切な作動状態を設定又はその他決定するかどうかを決定する。この決定は、デバイスのスイッチが入れられていること、予め定められたタイミングスケジュール、安全要素の検出状態の変化の決定、作動信号の受信、又は任意の他の適切なトリガーに応答するものであってもよい。ステップS2の間、安全要素に対する作動状態を設定又はその他決定することが決められた場合、次いで、ステップS3によれば、制御回路250は、センサ要素400の検出状態を測定する。これは、検出状態の絶対値、又は以前に測定された1つ以上の値に対する検出状態の変化を測定することを含んでもよい。検出状態の測定は、時間分解測定を含んでもよい。ステップS4では、制御回路250は、次いで、センサ要素の検出状態が、カートリッジと制御体が係合されていることを示す予め定められた範囲内にあるかどうかを判定する。これは、測定された検出状態を1つ以上の閾値と比較すること、又はその他、測定された検出状態を分析すること(例えば、時間分解測定の分析を行うこと)、及び測定された検出状態が(例えば、検出状態の変化速度又は位相などの特性に関して)予め定められた基準を満たすことを判定することを含んでもよい。測定された検出状態が予め定められた基準(複数可)を満たすと制御回路が判定した場合、次いで、ステップS5によれば、本明細書でさらに述べる手法のいずれかに従って安全要素が作動される。このプロセスは連続的に繰り返し実行されてもよく、この点で、安全要素の作動状態の決定は、連続的であると考えることができる。
【0070】
本開示のいくつかの例では、放射要素410及びセンサ要素400は、カートリッジ及び制御体に別々に備えられるのではなく、むしろ、センサ要素400を備えるカートリッジ又は制御体のうちの第1のものは、第1の場又は信号を放射するように構成された放射要素をさらに備え、センサ要素の検出状態は、第1の場又は信号に関連する第2の場又は信号の特性に応じて変化するように構成され、第1の場又は信号と第2の場又は信号との間の関連はカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの特性に依存する。多くの点で、このような例は、例えば、安全要素をセンサ要素の検出状態に基づいて作動させる方法に関して、第1の実施形態と同じように構成されてもよい。しかしながら、制御体とカートリッジが係合したときに、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの特性がどのようにセンサ要素の検出状態に影響を与えるかについては、いくつかの変更点があってもよい。図4A及び図4Bから理解されるであろう図11A及び図11Bは、制御体200のインタフェース部分270を概略的に示し、この例では、インタフェース部分270は、制御体に形成された凹部271を備え、センサ要素400及び放射要素410はインタフェース部分270に付随する(例えば、インタフェース部分を備えるハウジングの上、中、又はその内部に配置される)。図11Aは、カートリッジ300のインタフェース部分340が制御体と係合されていない状況を概略的に示し、図11Bは、インタフェース部分340(ここでは、凹部271に受け入れられるように構成されたボス341を含む)がインタフェース部分270と係合されてカートリッジと制御体を結合し、その結果、インタフェース部分340の一部分がセンサ要素400と放射要素410との間の経路Pと交差している状況を示す。センサ要素400及び放射要素410は、カートリッジ300内に備えられ、例えば、無線インタフェース(例えば、Bluetooth(登録商標)インタフェース)を介して通信される無線伝送信号、又はカートリッジと制御体のそれぞれの信号線を接続することによって確立される有線通信を介して制御回路と通信してもよいことが理解されよう。カートリッジは、センサ要素400及び/又は放射要素410、並びに任意の関連する制御回路に電力を供給するために電源を備えてもよい。
【0071】
一般に、第2の場又は信号は、第1の場又は信号の変形又は変更された形態を含み、カートリッジが制御体に係合されると、放射要素によって放射された第1の場又は信号は、反射、減衰、吸収、歪み、屈折、散乱、又は吸収及び再放射のプロセスを経て、制御カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの一部分によって変形又は変更される。本明細書でさらに述べるように、センサ要素は、第2の場又は信号に対して検知可能な検出状態を有して構成されてもよい。センサ要素の検出状態は、これに加えて又はこれに代えて、第1の場又は信号に対して検知可能であってもよい。放射要素、センサ要素、並びにカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの特性は、センサ要素の検出状態が検知可能な第2の場又は信号の特性がカートリッジと制御体が係合されているか係合されていないかに応じてセンサ要素位置において異なるように構成される。
【0072】
センサ要素の検出状態に基づいて安全要素の作動状態を設定するために使用される手順は、本明細書でさらに述べる手法のいずれかに従うことができる。したがって、安全要素は、図7に概略的に示すように、電源からエアロゾル生成器に電流を供給するために使用される電気経路に配置された、スイッチとして働くセンサ要素を備えてもよい。これに代えて、安全要素の作動は、センサ要素の測定された検出状態に基づいて、制御回路によって実行されてもよく、この場合、センサ要素、制御回路、電源、及びエアロゾル生成器は、例えば、図9に概略的に示されるように配置される。安全要素の作動状態の決定及び/又は設定は、一般に、安全要素の作動状態が設定/決定されている期間中に、第1の場又は信号を放射することを含むであろう。例えば、いくつかの実施形態では、放射要素は制御回路によって制御され、安全要素を作動させるかどうかを決定するためにセンサ要素の検出状態を測定するために制御回路によって用いられるルーチンは、測定を行う前に、放射要素を起動して予め定められた特性を有する第1の場又は信号を生成するステップを含む。他の実施形態では、放射要素は、第1の場又は信号を持続的に生成するように(例えば、放射要素は、磁石などのパッシブな放射器であってもよい)、又は、エアロゾル供給システムのスイッチが入れられているいかなる期間中にも第1の場又は信号を生成するように構成されてもよい。図7に概略的に示されるように、安全要素が電源回路のスイッチとして構成されたセンサ要素を備える実施形態では、放射要素は、制御回路250がエアロゾル生成器を起動させるべきと決定するすべての期間中(例えば、パフセンサ又はユーザ入力デバイスからの作動信号が制御回路250によって受信されている期間中)、場又は信号を放射するように構成されてもよい。
【0073】
本開示のいくつかの例では、放射要素及びセンサ要素は、放射要素によって放射された第1の場又は信号がカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの一部分による第1の場又は信号の伝送を介して変形又は変更されて第2の場又は信号を生成するように構成される。第1の組の例では、放射要素及びセンサは、カートリッジ及び制御体が係合されていないときに、第1の場又は信号がセンサ要素によって受信可能であるように配置される。例えば、センサ要素と放射要素は、カートリッジと制御体が係合されたときにカートリッジ及び制御体うちの第2のものの一部分が受け入れられる空間(例えば、空洞又はスロット)を挟んで互いに向かい合ってもよい。この構成の例は、図12A及び図12Bに概略的に示されており、これらはそれぞれ、カートリッジ及び制御体のうちの第1のもののインタフェース部分の側面図及び上面図を示し、このインタフェース部分は凹部又はスロット271を備え、センサ要素400と放射要素410は、ハウジング272の反対側の位置に配置され、その結果、センサ要素400と放射要素410の間に経路Pが存在する。これに代えて、放射要素410とセンサ要素400は、互いに向き合わなくてもよいが(すなわち、第1の場又は信号が放射要素410によってセンサ要素400に直接向けられるという意味で)、第1の場又は信号が1つ以上の表面(例えば、スロット又は凹部271を向くハウジング272の外面(複数可)2721)からの反射によってセンサ要素400に向けられるように配置される。例えば、放射要素410とセンサ要素400は、近接した位置に配置されてもよく、第1の場又は信号は、凹部又はスロット271を横断するように放射され、反射壁部分2723から反射されてセンサに向かって戻ることができる。この構成の例は、凹部又はスロットを構成する空間の側面図及び上面図をそれぞれ示す図13A及び図13Bに概略的に示されており、センサ要素400及び放射要素410は、スロット又は凹部271の壁2721の反射部分2723を向くように配置され、それによって、放射要素410によって経路P1に沿って放射された第1の場又は信号は経路P2に沿って反射してセンサ要素400に向かって戻る。経路P1とP2は重なってもよいし、重ならなくてもよい。
【0074】
本開示のいくつかの例によれば、制御体とカートリッジが係合されていない(すなわち、非係合状態の)とき、第1の場又は信号は、放射要素によって信号又は場の少なくとも一部がセンサ要素によって受信されるような方向に放射され、それにより、センサ要素は、非係合状態の第1の検出状態又は第1の範囲の検出状態の特性を有する。一般に、第1の場又は信号は、通常は一定である予め定められた放射パラメータのセットに従って放射要素によって放射され、その結果、実質的に一定(例えば、強度、周期性、向き、波長などに関して)の特性を有する第1の場又は信号が生成される。いくつかの例では、センサ要素の検出状態は、第1の場又は信号の1つ以上の特性に対して検知可能であり、放射要素から一定の特性を有する第1の場又は信号を与えると、センサの検出状態は、カートリッジと制御体が係合されていない状況では実質的に一定の第1の値又は第1の範囲の値を取る。他の例では、センサ要素は、第1の場又は信号に対して検知可能でなく、制御体とカートリッジが係合されていないとき、放射された場又は信号の特性にかかわらず、センサの検出状態は一定となる。本明細書でさらに述べるように、制御体の第1のもののインタフェース部分は、第1及び/又は第2の場又は信号をセンサ要素が受信することができるように(例えば、材料の選択、形状、及び寸法の点で)構成される必要があり得る。本明細書でさらに述べるように、これは、図5A図5B、及び図5Cに示すように、制御体及びカートリッジのうちの第1のもののインタフェース部分を備えるハウジングの表面に、それに埋め込まれた、又はその内部に配置されたセンサ要素及び/又は放射要素を配置すること、及び/又は、放射要素とセンサ要素との間の経路の材料が第1及び/又は第2の場又は信号に対して確実に透明であることを含んでもよい。
【0075】
カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分は、カートリッジと制御体が係合されたときに、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの一部分が、放射要素とセンサ要素との間の信号経路P(複数の経路部分P1、P2、...、Pnの経路を含んでもよい)と少なくとも部分的に交差するように構成される。例えば、経路Pと交差するように構成された部分は、カートリッジ及び制御体のうちの第1のもののインタフェース部分に付随する凹部又はスロット271に挿入されるような形状のボス又はタブを備えてもよい。制御体とカートリッジが係合されると、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分が放射要素とセンサ要素との間の信号経路Pと交差することにより、第1の場又は信号が変形又は変更され、一般に第1の場又は信号が減衰及び/又は散乱された形態を備える第2の場又は信号が生成される。図14A及び図14Bは、本明細書でさらに述べるように、センサ要素400と放射要素410が、制御体200のインタフェース部分を含む凹部271を挟んで互いに向き合うように構成された例を概略的に示す。図4Aは、カートリッジと制御体が係合していない状況を示し、放射要素410によって放射された第1の場又は信号は、経路Pに沿ってセンサ要素400によって受信される。図14Bは、カートリッジ200と制御体300とが係合されており、その結果、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分の一部341が凹部271に受け入れられている状況を示す。部分341が第1の場又は信号と相互作用することにより、第2の場又は信号は、経路Pと部分的に又は完全に重なることがある経路Rに沿ってセンサ要素400によって受信される。第2の場又は信号は、凹部又はスロット271の内面の一部分(図13A及び図13Bに概略的に示すような反射部分2723など)から反射され、センサ要素400によって受信される前に、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分341と再び相互作用してもよい。第1の場又は信号は、反射、減衰、吸収、歪み、屈折、散乱、又は吸収及び再放射(例えば光励起)などの、任意の適切なプロセスを経て、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分341によって変形又は修正されて第2の場又は信号を生成することができる。センサ要素400は、第2の場又は信号の存在下でのその検出状態又は検出状態の範囲が、第1の場又は信号の存在下での検出状態とは異なるように構成される。第1の場又は信号と相互作用するように構成されたカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分341の材料特性及び/又は構造は、センサ要素400の検出状態を第1の場又は信号の存在下でのその検出状態とは異なるものにする第2の場又は信号を生成するように選択される。いくつかの例では、カートリッジ300及び制御体200が係合されたときに第1の場又は信号に関連する場又は信号がセンサ要素400で受信されないように、第2の場又は信号は、第1の場又は信号が完全に減衰したものを示す(すなわち、第2の場又は信号は「無」の場又は信号である)。これらの例では、センサ要素400は、第1の場又は信号に対して検知可能な検出状態を有して構成される。第1の場又は信号が放射要素によって放射され、カートリッジと制御体が係合されていないとき(すなわち、センサ要素が、減衰していない第1の場又は信号を受信しているとき)、検出状態は基準値又は基準範囲の値を有する。カートリッジ300と制御体200を係合することによって、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分341は第1の場又は信号と相互作用し、それによって、第2の場又は信号はセンサ要素400によって受信され、以て、センサ要素の検出状態は基準検出状態からずれる(例えば、第2の場又は信号が、第1の場又は信号が部分的に又は完全に減衰した形態であるので)。第1の実施形態に関連して述べた手法によれば、安全要素は、センサ要素の検出状態の特性が予め定められた基準を満たす(例えば、基準値(複数可)を除くが、センサ要素400によって受信される第2の場又は信号に関連する検出状態(複数可)を含む予め定められた範囲内にある)か否かに基づいて作動させることができる。
【0076】
図15は、センサ要素400の検出状態Sと、カートリッジと制御体の係合の程度を示す距離D(例えば、ボスを備えるインタフェース部分341の底部と、ボスを受け入れるインタフェース部分270に備えられた凹部271の底部との間の距離)との関係を概略的に示す。距離d0は、カートリッジのインタフェース部分と制御体のインタフェース部分との間の距離が最小になる、完全に係合した状態を示す。これは、部分341が凹部271の底部に接触している、(a)に示す概略図によって示される。距離d1は、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分が、センサ要素と放射要素との間の経路内に存在して、(例えば、放射要素によって放射された第1の場又は信号を減衰させることによって)第2の場又は信号をちょうど生成させ始める距離を示す。これは、(b)に示す概略図によって示される。距離d2は、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものが、第1の場又は信号に影響を及ぼさないで第2の場又は信号を生じさせる距離を示す。これは、(c)に示す概略図によって示される。安全要素を作動させるべきかどうかを決定するために使用されるSの閾値は、カートリッジと制御体との完全な係合に対応するようにTs,1として設定されてもよく、又は、安全要素を完全な係合より前に(すなわち、(a)と(b)によって示される状況の間で)作動させるように値Ts,2で設定されてもよく、これは、製造又は測定変動に対するある程度の許容範囲を与える。
【0077】
本開示のいくつかの例では、センサ要素の検出状態は、第1の場又は信号に対して検知可能ではないが、制御体及びカートリッジのうちの第2のものの一部分と第1の場又は信号との相互作用によって生成された第2の場又は信号に対してのみ検知可能である。第1の場又は信号と第2の場又は信号との間の関連を決定するカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの特性は、第2の場又は信号を生成するように第1の場又は信号によって引き起こさせるような能力を備えることができる。例えば、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分は、発光材料を含んでもよく、第1の場又は信号は、発光材料の励起を引き起こすように構成された電磁場又は信号であってもよく、第2の場又は信号は、発光材料の光励起によって生じ、第1の場又は信号の特性とは異なる特性を有する電磁場又は信号を含んでもよい。センサ要素が、第1の場又は信号の特性と比較して、第2の場又は信号の特性に対してのみ検知可能である(又はより強く検知可能である)場合、センサ要素の検出状態は、カートリッジと制御体が係合されているか否かに応じて異なる。本明細書でさらに述べる手法によれば、安全要素は、検出状態に基づいて作動させることができる。
【0078】
多くの種類のセンサ要素及び放射要素が、本明細書で述べた例に使用することできることが理解されよう。いくつかの例では、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものに付随する特性は光学的特性を含み、放射要素によって放射される第1の場又は信号は、光学信号を含む。いくつかの例では、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものに付随する特性は、音響特性を含み、放射要素によって放射される第1の場又は信号は、音響信号を含む。いくつかの例では、放射要素は、電場を含む第1の場を生成するように構成された第1の電極を備え、センサ要素は、第1の電極と第2の電極との間の容量結合の程度に応じて変化する検出状態を有して構成される。第1の電極と第2の電極とを組み合わせるとセンサ要素を構成することができ、その検出状態は、制御回路によって制御された予め定められた駆動条件の下での第1の電極と第2の電極との間の容量結合の程度を含む。カートリッジと制御体が係合されたときに、電極間の電場内にカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分341が存在することにより、第1の場又は信号が変更されて第2の場又は信号を生成する(例えば、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの部分341の誘電特性の関数として)。電場の変化は、センサ要素の検出状態を変化させる。本明細書でさらに述べる手法によれば、安全要素は、検出状態に基づいて作動させることができる。第2の実施形態の他の例では、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものに付随する特性は、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの中又は上に配置されたRFIDタグを含み、第1の場又は信号は、RFIDタグによって受信可能な電磁信号を含み、第2の場又は信号は、第1の信号を受信したことに応答してRFIDタグによって放射される信号を含む。センサは、RFIDタグによって放射された第2の場又は信号に対して検知可能な検出状態を有して構成され、本明細書でさらに述べる手法によれば、安全要素は、この検出状態に基づいて作動させることができる。
【0079】
本開示のいくつかの例によれば、放射要素及びセンサ要素は、カートリッジと制御体が係合されたとき、放射要素によって放射された第1の場又は信号が、第1の場又は信号の少なくとも一部分を受け取るように構成されたカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの一部分からの反射又は吸収及び再放射を経て変形又は変更されて第2の場又は信号を生じさせるように構成される。これらの例は、上記で述べた第2の実施形態の他の例とほぼ同じように構成されてもよい。したがって、センサ要素400及び放射要素410は、一般に、第2の場又は信号のうちの第1のもののインタフェース部分を備えるハウジングの一部分の中、上、又はその内部に互いに近接して配置される。本明細書で説明した他の例との違いは、放射要素410が、第1の場又は信号が(空隙を横切って直接、又は、例えば、凹部又は空洞271の内壁からの1つ以上の反射を経て)センサ要素400の方に向けられるようには一般に構成されない(例えば、配置されない、及び向けられない)ことである。この構成の例は、図16Aに概略的に示されており、これは、カートリッジと制御体のうちの第1のもののインタフェース部分270の一部の断面図を示しており、他の例と同様に、凹部271を備えることができる(が、これは必須ではない)。図16Aは、カートリッジと制御体が係合されていない状況を示す。制御体とカートリッジが係合されると、図16Bに概略的に示すように、制御体及びカートリッジのうちの第2のもののインタフェース部分340が、凹部に受け入れられる。センサ要素400及び放射要素410は、適切な場所に、例えば、インタフェース部分270の外面2721に配置され、インタフェース部分270を備えるハウジング272に埋め込まれ、又は、そのようなハウジングの内部に配置される。第1の場又は信号、及び第2の場又は信号の性質に応じて、インタフェース部分を備えるハウジングは、第1の場又は信号を放射要素によってインタフェース部分から放射することができ、第2の場又は信号をセンサ要素によって受信することができるように、適切な材料(例えば、第1及び/又は第2の場又は信号に対して部分的に、又は完全に透明な材料)から形作られる及び/又は製造されることが必要な場合がある。放射要素及びセンサ要素は、カートリッジと制御体が完全に係合されたときに、第2の場又は信号がセンサ要素によって最も強く受信されるように配置される。図16Aは、経路Pに沿って放射要素によって放射された第1の場又は信号が、経路R1に沿ってカートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分から反射/再放射され、その結果、第2の場又は信号が主にセンサ要素230から離れるように向けられていることを示す。図16Bは、カートリッジ300と制御体200が係合されているときの状況を示し、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分の構成、並びにセンサ要素400及び放射要素410の向きにより、第1の場又は信号は、経路R2に沿って反射又は再放射され、それにより第2の場又は信号はセンサ要素の方に向けられる。多くの例では、放射要素は、放射要素が配置された場所において、インタフェース部分の表面に対して実質的に垂直な方向に場又は信号を放射するように構成される。センサ要素は、放射要素に近接する又は放射要素を取り囲むインタフェース部分の位置にあってもよく、検出状態が、放射要素が配置された位置において、インタフェース部分の表面に対して実質的に垂直な方向に受信される第2の場又は信号に対して最も強く検知可能であるように構成されてもよい。しかしながら、これらの構成は例であり、任意の適切な構成を使用することができる。重要なことは、カートリッジ300と制御体200が係合されているときに、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分340の一部が、放射要素によって放射された第1の場又は信号がセンサ要素400によって受信されるようにカートリッジ及び制御体のうちの第2のものの一部分によって反射、吸収、及び再放射、又は導かれるようにセンサ要素400と放射要素410に近接していることである。カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分340の特性は、放射要素410によって放射された第1の場又は信号が、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分340によって変更又は変形され、センサ要素400の検出状態が検知可能である第2の場又は信号を生成するように選択される。したがって、カートリッジと制御体が係合されているとき、第1の場又は信号は、放射要素及びセンサ要素400の近傍で、カートリッジ300及び制御体200のうちの第2のもののインタフェース部分340の一部によって反射、又は再吸収及び再放射され得る。第1の場又は信号の予め定められた特性に対して、センサ要素における第2の場又は信号の特性は、カートリッジと制御体との係合の程度に依存し、例えば、カートリッジと制御体の近接度、及び/又はカートリッジと制御体のアライメントに応じて変化する。したがって、安全要素の作動状態は、本明細書でさらに述べる手法のいずれかを使用して、センサ要素の検出状態に基づいて設定することができる。
【0080】
第2の実施形態のいくつかの例では、制御体及びカートリッジのうちの第2のもののインタフェース部分340は、カートリッジと制御体が係合されているときに放射要素から第1の場又は信号を受け取り、第2の場又は信号を放射要素の方に向けるように構成された導波管341(光ファイバー要素又は音響管など)を備える。他の例では、センサ要素は容量センサを備え、放射要素は電場を生成するように構成された第1の電極を備え、センサ要素は、第1の電極と、制御体又はカートリッジのいずれかに付随した第2の電極との間の容量結合の程度に応じて変化する検出状態を有して構成される。したがって、センサは、第1の電極及び基準電極を備えて、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分のセンサへの近接度の関数として変化する検出状態を有して配置された近接センサを形成してもよい。検出状態は、一般に、キャパシタの相互キャパシタンスを含む。これに代えて、センサ要素及び放射要素は、自己静電容量センサとして構成された単一の電極を備えてもよく、この場合、自己静電容量は、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分の近接度の関数として変化する。
【0081】
本開示のいくつかの例では、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものに付随する特性は、カートリッジが制御体に係合されていないときに、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものの一部分が、センサ要素によって受信可能な周囲の場又は信号と相互作用する態様を備える。多くの点で、これらの例は、センサ要素の検出状態が検知可能な場又は信号を放射する放射要素が、カートリッジ及び制御体のうちの第2のものに付随せず、周囲の放射源であるという相違を有して、既に説明した例に従って構成されてもよい。一般に、センサ要素は、カートリッジと制御体が係合されていないときに周囲の場又は信号を受信することができるように、カートリッジ及び制御体のうちの第1のもののインタフェース部分に対して配置され、それにより、センサ要素は、周囲の信号又は場の特性並びにカートリッジ及び制御体のうちの第1のものの向きと位置に応じた第1の範囲の検出状態を有する。エアロゾル供給システム100は、カートリッジと制御体が係合されているとき、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分の一部分がセンサ要素を閉塞し、周囲の場又は信号を受信しないようにさらに構成される。したがって、カートリッジと制御体が係合されているとき、検出状態は、カートリッジと制御体が係合されていないときの通常の範囲の状態とは異なり、この違いは、本明細書でさらに説明する手法に従って、安全要素を作動させるかどうかを決定するために使用するための閾値を決定するために使用することができる。一例では、周囲の信号は、(例えば、太陽、及び又は、室内照明からの)光学信号を含み、センサ要素は、本明細書でさらに説明するように、フォトセンサを備える。カートリッジと制御体が係合されると、カートリッジ及び制御体のうちの第2のもののインタフェース部分の一部分がフォトセンサを閉塞し、光学信号を受信しないようにする。安全要素は、光学信号がセンサ要素に到達していないことを検出状態が示す状態にある場合にのみ作動されるように構成される。
【0082】
このように、制御体と、制御体と係合するように構成されたカートリッジとを備えるエアロゾル供給システムを説明してきた。ここでは、制御体は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成されたエアロゾル生成器を備え、エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成器によってエアロゾル化されるエアロゾル生成材料の供給を保持するように構成された、カートリッジに備えられたエアロゾル生成材料貯蔵領域と、電源からエアロゾル生成器へのエネルギーの供給を制御するように構成された回路と、カートリッジが制御体に係合されているときに作動するように構成された安全要素とをさらに備え、回路は、安全要素が作動しない限り、エアロゾル生成器へのエネルギーを供給しないように構成される。
【0083】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル供給システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使用するエアロゾル供給システムに対して適用することができることは理解されよう。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の方法は、本明細書で説明した例の基本的な原理に直接関係しない。
【0084】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示はその全体にわたって様々な実施形態を例示している。これらの実施形態では、特許請求する発明(複数可)が実施され、また、優れたエアロゾル供給システム、並びに、使用者が吸引するために供給源材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給源とマウスピース端部との間の流体連通を可能にする一次空気チャネル、及びセンサ要素とマウスピース端部との間の流体連通を可能にする二次空気チャネルを備える交換可能なカートリッジの部分を提供することができる。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表例に過ぎず、包括的及び/又は排他的なものではない。これらは、特許請求する特徴の理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の様態は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、或いは特許請求の範囲の等価物を限定するものと考えるべきではなく、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることを理解されよう。様々な実施形態が、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、或いは実質的にそれらから構成されてもよい。加えて、本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
【国際調査報告】