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▶ ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】クレンジング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20231102BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231102BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20231102BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20231102BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A61K8/36
A61Q19/10
A61Q1/14
A61K8/44
A61K8/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526964
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2021078917
(87)【国際公開番号】W WO2022096257
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】20206522.3
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,マイケル・ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー,エリザベス・ジョイ
(72)【発明者】
【氏名】ファレル,テレンス・ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC251
4C083AC261
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083CC23
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE10
(57)【要約】
クレンジング組成物は25重量%から35重量%の界面活性剤と、1.5重量%から5重量%の補助界面活性剤と、5重量%から9重量%の水と、50重量%から60重量%の脂肪酸及び石鹸の混合物とを含み、脂肪酸と石鹸との比は、2.3:1から1.8:1である。クレンジングバーを製造する方法は、溶融組成物を提供するのに十分な温度までクレンジング組成物を加熱すること、溶融組成物を冷却してフレークやチップを形成すること、フレークやチップを精製してビレットを形成すること、ならびにビレットを打ち抜くか切断してクレンジングバーを形成することを含む。クレンジングバーを作製する別の方法は、溶融組成物を提供するのに十分な温度にクレンジング組成物を加熱すること、溶融組成物を型に注ぐこと、クレンジングバーが形成されるまで溶融組成物を冷却すること、およびクレンジングバーを型から取り出すことを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
25重量%から35重量%の界面活性剤;
1.5重量%から5重量%の補助界面活性剤;
5重量%から9重量%の水;並びに
50重量%から60重量%の脂肪酸及び石鹸の混合物を含み、ここで脂肪酸対石鹸比が2.3:1から1.8:1であり、脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの組み合わせから選択され、好ましくは脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、又はそれらの組み合わせから選択される、脂肪酸及び石鹸混合物である、
クレンジング組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤がコカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドスルホスクシネート、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせであり、好ましくは、前記界面活性剤がラウロイルイセチオン酸ナトリウム、コカミドスルホスクシネート、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載のクレンジング組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤が25重量%から32重量%の量で存在し、好ましくは、前記界面活性剤が26重量%から32重量%の量で存在する、請求項1又は請求項2に記載のクレンジング組成物。
【請求項4】
前記補助界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、メチルココイルタウレートナトリウム、ココイルグリシネートナトリウム、メチルエステルスルホネート、脂肪酸エステルスルホネートを含む、請求項1から3のいずれかに記載のクレンジング組成物。
【請求項5】
石鹸が中和脂肪酸であり、好ましくは脂肪族アルカン又はアルケンのモノカルボン酸脂肪酸の塩であり、好ましくは6から22個の炭素原子を含み、より好ましくは8から18個の炭素原子を含む、請求項1から4のいずれかに記載のクレンジング組成物。
【請求項6】
中和脂肪酸がラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの組み合わせから選択され、好ましくは脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項5に記載のクレンジング組成物。
【請求項7】
前記石鹸が、ラウリン酸と、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、又はそれらの組み合わせから選択される酸との混合物を含む、請求項1から6のいずれかに記載のクレンジング組成物。
【請求項8】
ラウリン酸が脂肪酸及び石鹸混合物中に80重量%の量で存在し、好ましくはラウリン酸が、脂肪酸及び石鹸混合物中に85重量%の量で存在する、請求項7に記載のクレンジング組成物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載のクレンジング組成物を、十分な温度に加熱して溶融組成物を供給し;
溶融組成物を冷却してフレーク及び/又はチップを形成し;
フレーク及び/又はチップを練って、ビレットを形成し;
ビレットを打ち抜き及び/又は切断してクレンジングバーを形成する、
クレンジングバーの製造方法。
【請求項10】
前記クレンジング組成物が、少なくとも100℃の温度に加熱される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ビレットが、1000から4000のTAXT読み取り値を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
請求項1から8のいずれかに記載のクレンジング組成物を、溶融組成物を提供するのに十分な温度に加熱し;
溶融組成物を型へ注入し;
クレンジングバーが形成されるまで溶融組成物を冷却し、
クレンジングバーを型から取り出す、
クレンジングバーの製造方法。
【請求項13】
前記クレンジング組成物が、少なくとも100℃の温度に加熱される、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書には、クレンジング組成物が開示される。クレンジング組成物は、他のクレンジング組成物より界面活性剤が少なく、穏やかな石鹸が得られ、さらに他の利点を有する。クレンジング組成物は、界面活性剤、補助界面活性剤、水、および脂肪酸と石鹸の混合物を含む。
【背景技術】
【0002】
脂肪酸石鹸は効率的で安価なクレンジング製品であるが、皮膚に対して刺激を与えることがある。短鎖、例えば、C14およびそれ以下、またはC12およびそれ以下、および不飽和長鎖、例えば、オレイン酸ナトリウム、石鹸は良好な泡立ちおよび洗浄力を提供するが、皮膚に対して刺激が強く乾燥させることもある。より可溶性で、より刺激が強い炭素鎖を石鹸の鎖長の分布から除去することは刺激の強さを減少させることができるが、消費者にとって望ましい使用中の特性、例えば、泡立ちの速さ、泡立ちのボリューム、および品質を犠牲にする。
【0003】
Slavtcheffらの米国特許出願公開第2006/0225285 A1号は毛を剃り、皮膚を保護するために刃に隣接して配置されたアシルイセチオネート界面活性剤を含む穏やかなクレンジング組成物を含有するかみそりヘッドアセンブリを開示している。イセチオネート界面活性剤によって使用者は、保湿、クレンジング、および剃毛を同時に行うことができる。好ましい実施形態では、後剃り段階が洗浄段階に加えて設けられてもよい。
【0004】
より穏やかなバーを得るために、組成物中に含まれる脂肪酸石鹸の一部または全部を合成界面活性剤で置き換えてもよい(「シンデット」バー)。合成界面活性剤は石鹸よりも穏やかな傾向があるが、消費者にとって望ましい泡を得るために、含有レベルが高くなっているために、依然として皮膚に対して刺激が強い場合がある。また高い界面活性剤レベルの洗浄力が強いため、香料または皮膚に有益な成分の沈着などの、バー組成物によって達成されるはずの効果も阻害している。
【0005】
したがって、刺激の強い界面活性剤だけでなく界面活性剤の総量も最小限に抑えることができるクレンジング組成物が継続的に必要とされている。これらの材料の含有量をバランスさせることは、マイルドさと、保湿およびより長く持続する香りなどの向上した利益とを提供する一方で、いかなるユーザーの体験も犠牲にすることなく、依然としてバー状に加工可能である。
【発明の概要】
【0006】
様々な態様によって、クレンジング組成物が開示される。
【0007】
クレンジング組成物は、25重量%から35重量%の界面活性剤と、1.5重量%から5重量%の補助界面活性剤と、5重量%から9重量%の水と、50重量%から60重量%の脂肪酸および石鹸の混合物とを含む。脂肪酸対石鹸の比は、2.3:1から1.8:1である。
【0008】
これらおよび他の特徴および特徴は、以下でより具体的に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に開示されるクレンジング組成物は、固体クレンジングバー(固形石鹸)組成物に関する。クレンジング組成物は、界面活性剤、補助界面活性剤、脂肪酸、石鹸、および場合により他の雑多な成分からなるバランスのとれた配合からなる。クレンジング組成物はこの独特の組成が市場で既知の組成物に対して使用の現場における(clinically)優位性があり、(界面活性剤を最小限に抑え、ステアリン酸を活用することによって)コスト上の利益が得られ、同様の成分パレットを利用する組成物で期待される泡立ちの心地よさ(lather hedonics)を犠牲にすることなく使用の現場における(clinical)利益およびコスト上の利益の両方を達成するので、以下に示すようにバランスのとれたものである。クレンジング組成物は優れた皮膚効果を発揮しながら、消費者の体験に対して犠牲を払う必要がない。
【0010】
脂肪酸対石鹸の比、ならびに最終組成物中のこれらの2つの成分の取り込みレベルは、本明細書に開示されるクレンジング組成物の重要な特徴である。固形シンデットは総界面活性剤レベルを最小限にする傾向があるので、脂肪酸および石鹸は配合のかなりの部分を構成し、次いでデフォルトでは組成物の構造、したがってその相挙動およびレオロジーに有意に寄与する。このクレンジング組成の系(cleansing composition space)の予想外の利点は、成分の固形混合物(amalgam)中の相挙動である。個々の組成物は生地の状態で流動性のあるもの(doughy consistency)という溶融状態で、または溶融流体の(すなわち、注ぐのに十分に薄い)溶融状態で処理することができる。流動性のある状態である、生地または溶融流体のいずれかは、結晶化でき、押出成形でき、さらに加工によって使用可能な形態にできる。流動溶融状態のための第2の選択肢は、型に注がれ、結晶化され、使用可能な形態として型から取り出されることである。
【0011】
この配合の系(formulation space)の独特の特徴はクレンジング組成の系の相の挙動である。(全ての材料が溶融状態にある)混合温度では配合物が粘性のある生地または薄く、容易に注入可能な液体のいずれかとして存在することができる。そのような相の挙動は製造上の柔軟性をもたらす点で有利である。高温(例えば、100℃超)の生地は従来の方法(チルロール、ベルト剥離、ミリングなど)で冷却され得る。高温(例えば、100℃超)の液体もまた前述のような従来の方法で冷却され得るが、そのような液体は溶融後に型に注がれる手順を介して処理でき、この場合、溶融した材料を型に流し込んで冷却する。
【0012】
さらに、典型的な石鹸、すなわち、当技術分野で典型的な中和脂肪酸または鹸化油を含めることは、使用の現場における(clinical)性能に悪影響を与えることなく、有益であることが実証されている。脂肪酸および石鹸の比率を維持し、適切な最終配合のpHを達成することは、石鹸が通常関連するのであろう負の寄与(すなわち、刺激の強い、使用の現場における(clinically)劣った製品)を軽減する。
【0013】
クレンジング組成物は界面活性剤を含むことができ、具体的には、クレンジング組成物が25重量%から35重量%の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、25重量%超35重量%未満の量で存在することができる。界面活性剤は、26重量%から32重量%の量で存在することができる。
【0014】
クレンジング組成物は補助界面活性剤を含むことができ、具体的には、クレンジング組成物が1.5重量%から5重量%の補助界面活性剤を含むことができる。補助界面活性剤は、1.5重量%以上5重量%以下の量で存在することができる。補助界面活性剤は、2.0重量%から4重量%、例えば2.5重量%から3.5重量%の量で存在することができる。
【0015】
界面活性剤および/または補助界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、またはそれらの組み合わせから選択することができる。以下の考察は、界面活性剤、補助界面活性剤、または界面活性剤および補助界面活性剤に言及する。界面活性剤および/または補助界面活性剤はC-C18アルキル基、例えば、C12-C16アルキル基、例えば、C10-C14アルキル基、またはそれらの混合物を含有することができる。例えば、界面活性剤および/または補助界面活性剤は、C10アルキル基、C12アルキル基、C14アルキル基、またはそれらの任意の組合せを含有することができる。
【0016】
存在する場合、使用されるアニオン性界面活性剤は、脂肪族スルホネート、例えば第一級アルカン(例えばC-C22)スルホネート、第一級アルカン(例えばC-C22)ジスルホネート、C-C22アルケンスルホネート、C-C22ヒドロキシアルカンスルホネートまたはアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS);または芳香族スルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含むことができる。アニオン性界面活性剤はまた、アルキルサルフェート(例えば、C12-C18アルキルサルフェート)またはアルキルエーテルサルフェート(アルキルグリセリルエーテルサルフェートを含む)であってもよい。アルキルエーテルサルフェートの中には、式:
【0017】
RO(CHCHO)SO
【0018】
式中、Rは8から18個の炭素、好ましくは12から18個の炭素を有するアルキルまたはアルケニルであり、nは少なくとも1.0、好ましくは5未満、最も好ましくは1から4の平均値を有し、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。
【0019】
アニオン性界面活性剤はまた、アルキルスルホスクシネート(モノおよびジアルキル、例えば、スルホスクシネートC-C22を含む);アルキルおよびアシルタウレート(多くの場合、メチルタウレート)、アルキルおよびアシルサルコシネート、スルホアセテート、C-C22アルキルホスフェートおよびホスホネート、アルキルホスフェートエステルおよびアルコキシルアルキルホスフェートエステル、アシルラクテート、C-C22モノアルキルスクシネートおよびマレエート、スルホアセテート、アルキルグルコシドおよびアシルイセチオネートなどであってもよい。
【0020】
スルホスクシネートは、下記式を有するモノアルキルスルホスクシネートであり得る:
【0021】
OC(O)CHCH(SOM)COM;
【0022】
式のアミド-MEAスルホスクシネート:
【0023】
CONHCHCHOC(O)CHCH(SOM)CO
【0024】
(式中、RはC-C22である。)。
【0025】
一般に、サルコシネートは次式で表される:
【0026】
CON(CH)CHCOM(式中、R2はC-C20アルキルである)。
【0027】
タウレートは一般に、式:
【0028】
CONRCHCHSO
【0029】
式中、RはC-C20アルキルであり、R4はC-Cアルキルである。
【0030】
Mは、前述の可溶化カチオンである。
【0031】
本明細書に開示されるクレンジング組成物は、C-C18アシルイセチオネートを含有していてもよい。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオネートと、6から18個の炭素原子および20未満のヨウ素価を有する混合脂肪族脂肪酸との反応によって調製される。混合脂肪酸の少なくとも75%は12から18個の炭素原子を有し、25%までは6から10個の炭素原子を有する。
【0032】
アシルイセチオネートは、Ilardiらの米国特許に記載されているようなアルコキシル化イセチオネートであってもよい。米国特許第5,393,466号、発明の名称「ポリアルコキシル化イセトン酸の脂肪酸エステル」;1995年2月28日発行;参照により本明細書に組み入れられる。この化合物は一般式:
【0033】
C-(O)O-C(X)H-C(Y)H-(OCH-CH-SO
【0034】
(式中、Rは8から18個の炭素を有するアルキル基であり、mは1から4の整数であり、XおよびYはそれぞれ独立して、水素または1から4個の炭素を有するアルキル基であり、Mは、前述の可溶化カチオンである)。
【0035】
クレンジング組成物の一態様では、使用されるアニオン性界面活性剤が2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、スルホスクシネートナトリウムエステル、ラウロイルイセチオネートナトリウム、またはそれらの組み合わせである。このようなアニオン性界面活性剤は、Galaxy Surfactants、Clariant、Sino Lion、Stepan Company、およびInnospecのような供給業者から市販されている。
【0036】
必要に応じて、両性界面活性剤を、本明細書に開示されるクレンジング組成物に含めることができる。両性界面活性剤(pHに応じて両性イオン性であり得る)としてはアシルアンホアセテートナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム、アシルアンフォジアセテート二ナトリウムおよびアシルアンホジプロピオン酸二ナトリウムが挙げられ、ここで、アシル(すなわち、アルカノイル基)はC-C18 アルキル部を含み得る。両性界面活性剤の例示的な例としては、ラウロアンフォアセタートナトリウム、ココアンフォアセタートナトリウム、ラウロアンフォアセタートナトリウム、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0037】
本発明のクレンジング組成物に使用される両性イオン性界面活性剤に関して、このような界面活性剤は、少なくとも1つの酸基を含む。このような酸基は、カルボン酸基またはスルホン酸基であってもよい。それらは、多くの場合、第四級窒素を含み、したがって、第四級アミノ酸であり得る。それらは、一般に、7から18個の炭素原子のアルキル基またはアルケニル基を含み、一般に、全体的な構造式に従う:
【0038】
-[-C(O)-NH(CH-]-N(R)(R)-A-B
【0039】
式中、Rは7から18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニルであり;RおよびRがそれぞれ独立して、1から3個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキルまたはカルボキシアルキルであり;qは2から4であり;rは0から1であり;Aはヒドロキシル基で置換されていてもよい1から3個の炭素原子のアルキレンであり、Bは-CO-または-SO-である。
【0040】
本明細書に開示され、上記一般式内のクレンジング組成物に使用するための望ましい双性イオン界面活性剤としては、下記式の単純なベタインが含まれ:
【0041】
-N(R)(R)-CHCO
【0042】
さらに下記式で表されるアミドベタインが含まれ:
【0043】
-CONH(CH-N(R)(R)-CHCO
【0044】
式中、tは2または3である。
【0045】
両方の式において、R6、R7およびRは、先に定義した通りである。R6は特に、基R6の少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が10から14個のC原子を有するように、ココナッツオイルから誘導されるC12およびC14アルキル基の混合物であってもよい。R7およびRは、好ましくはメチルである。
【0046】
さらに両性イオン界面活性剤が下記式のスルホベタインでもよい:
【0047】
-N(R)(R)-(CHSO または
【0048】
-CONH(CH-N(R)(R)-(CHSO
【0049】
式中、uは、2もしくは3であり、またはこれらのバリアントであって、-(CHSO を-CHC(OH)(H)CHSO に置き換えたものである。
【0050】
これらの式において、R6、R7およびRは、先に定義した通りである。
【0051】
使用するのに望ましい双性イオン界面活性剤の例示的な例としては、ベタイン、例えばラウリルベタイン、クエン酸ベタイン、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルベタイン、およびラウリルアミドプロピルベタインが挙げられる。使用に適した追加の双性イオン界面活性剤としては、ココアミドプロピルスルタイン、例えば、コカミドプロピルヒドロキシスルタインが挙げられる。好ましい双性イオン性界面活性剤としては、ラウリルベタイン、クエン酸ベタイン、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、(カルボキシメチル)ジメチル-3-[(1-オキソドデシル)アミノ]プロピルアンモニウムヒドロキシド、ココアルキルジメチルベタイン、(カルボキシメチル)ジメチルオレイルアンモニウムヒドロキシド、ココアミドプロピルベタイン、(カルボキシメチル)ジメチルオレイルアンモニウムヒドロキシド、ココアミドプロピルベタイン、(カルボキシアトメチル)ジメチル(オクタデシル)アンモニウム、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。そのような界面活性剤はStepan Company、Solvay、Evonikなどの供給業者から市販されており、前述の界面活性剤の混合物を使用することは、本明細書に開示されるクレンジング組成物の範囲内である。
【0052】
非イオン性界面活性剤は場合により、クレンジング組成物に使用されてもよい。使用される場合、非イオン性界面活性剤は、典型的には0.5、1、1.5または2重量%の低い水準で、6、8、10または12重量%の高い水準で使用される。使用され得る非イオン性界面活性剤としては、特に、疎水性基および反応性水素原子を有する化合物、例えば、脂肪族アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールと、アルキレンオキシド、特に、エチレンオキシド単独またはプロピレンオキシドとの反応生成物が挙げられる。具体的な非イオン性界面活性剤化合物は、アルキル(C-C22)フェノール、エチレンオキシド縮合物、脂肪族(C-C18)第一級または第二級直鎖または分枝鎖アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとエチレンジアミンとの縮合生成物である。他の非イオン性界面活性剤としては、長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。
【0053】
一態様では非イオン性界面活性剤が以下の構造a)HOCH(CH(CHCHO)Hまたはb)HOOC(CH(CHCHO)Hを有する脂肪酸/アルコールエトキシレートを含むことができ、式中、sおよびvはそれぞれ独立して、18までの整数であり、cおよびdはそれぞれ独立して、1以上の整数である。一態様ではsおよびvがそれぞれ独立して、6から18であり得、cおよびdはそれぞれ独立して、1から30であり得る。非イオン性界面活性剤の他の選択肢としては、式H(CH-CH=CH-(CH(CHCHO)H,(式中、i、kはそれぞれ独立して5から15であり、zは5から50である)を有するものが挙げられる。別の態様において、iおよびkはそれぞれ独立して、6から12であり;zは15から35である。
【0054】
非イオン性界面活性剤はまた、多糖アミドなどの糖アミドを含んでもよい。具体的には、界面活性剤が特許文献1に記載されているラクトビオンアミドの1つであってよい。1995年2月14日に発行された「非イオン性糖脂質界面活性剤を含む組成物」と題されたAuらの米国特許第5,389,279号(これは、参照により本明細書に組み入れられる)、または1991年4月23日に発行された「液体水性界面活性剤系のための増粘剤としてのN-ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドの使用」と題されたKelkenbergの米国特許第5,009,814号に記載された糖アミドの1つであってもよく、参照により本出願に組み入れられる。
【0055】
本明細書に開示されるクレンジング組成物において任意に使用され得る非イオン性界面活性剤の例示的な例としてはポリグリコシド、セチルアルコール、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、n-オクチルβ-d-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、ポリソルベート、ソルビタン、ステアリルアルコール、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定さ。
【0056】
一態様では、カチオン性界面活性剤が任意選択で、本出願のクレンジング組成物に使用することができる。
【0057】
カチオン性界面活性剤の1つのクラスには、セチルまたはステアリルピリジニウムクロリド、アルキルアミドエチルピロリジニウム(pyrrylinodium)メチルサルフェート、およびラピリウムクロリドなどの複素環式アンモニウム塩が含まれる。
【0058】
テトラアルキルアンモニウム塩は、使用のための別の有用な種類のカチオン性界面活性剤である。例としては、セチルまたはステアリルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド;水素化パームまたは獣脂トリメチルアンモニウムハライド;ベヘニルトリメチルアンモニウムハライドまたはメチルサルフェート;デシルイソノニルジメチルアンモニウムハライド;ジタロー(ditallow、またはジステアリル)ジメチルアンモニウムハライド、およびベヘニルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
【0059】
使用され得るさらに他のタイプのカチオン性界面活性剤は、様々なエトキシル化第四級アミンおよび第四級エステルである。例としては、PEG-5ステアリルアンモニウムラクテート(例えば、Clariant社製のGenamin KSL)、PEG-2ココアンモニウムクロリド、PEG-15水素化タロー(tallow)アンモニウムクロリド、PEG15ステアリルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルヒドロキシエチルメチルサルフェート、およびステアリルアミドプロピルジメチルアミンラクテートが挙げられる。
【0060】
さらに他の有用なカチン界面活性剤にはシルク、コムギ、およびケラチンたんぱく質の四級化された加水分解物が含まれ、上述のカチン界面活性剤の混合物を使用することはクレンジング組成物の範囲内である。
【0061】
使用される場合、カチオン性界面活性剤は、クレンジング組成物の1.0重量%以下を構成する。存在する場合、カチオン性界面活性剤は典型的にはクレンジング組成物の0.01から0.7重量%、より典型的には0.1から0.5重量%を構成し、その中に包含される全ての範囲を含む。
【0062】
本クレンジング組成物に使用するための特に好ましい界面活性剤としてはコカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドスルホスクシネート、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせが挙げられ、最も好ましくは界面活性剤がラウロイルイセチオン酸ナトリウム、またはそれらの組み合わせである。
【0063】
本発明のクレンジング組成物に使用するための特に好ましい補助界面活性剤としては、コカミドプロピルベタイン、メチルココイルタウレートナトリウム、ココイルグリシネートナトリウム、ココイルグルタメートナトリウム、メチルエステルスルホネート、脂肪酸エステルスルホネート、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
クレンジング組成物はさらに、5重量%から9重量%の水、例えば、5重量%以上の水および9重量%以下の水を含む。例えば、クレンジング組成物は、6重量%から8重量%の水を含む。
【0065】
クレンジング組成物はまた、50重量%から60重量%の脂肪酸および石鹸混合物を含む。脂肪酸対石鹸の比は、2.3:1から1.8:1であり得る。存在する多量の脂肪酸および石鹸混合物は皮膚の利益を得るために、快適さ(hedonics)を失うことなく、他の配合と比較して、界面活性剤の量を大幅に減少させることを可能にする。
【0066】
脂肪酸はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、またはそれらの組み合わせから選択することができ、好ましくは脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0067】
用語「石鹸」は本明細書ではその一般的な意味で使用され、すなわち、好ましくは6から22個の炭素原子、好ましくは8から18個の炭素原子を有する脂肪族アルカン-またはアルケンモノカルボン酸の塩である。
【0068】
典型的な石鹸塩はそのような脂肪酸のアルカリ金属またはアルカノールアンモニウム塩であるが、その他の金属塩、例えばマグネシウム塩も使用することができる。そのような酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、モノ-、ジ-およびトリ-エタノールアンモニウム塩は、本明細書で使用するのに望ましい石鹸の中にある。
【0069】
石鹸は、中和脂肪酸であり得る。中和脂肪酸はラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、またはそれらの組み合わせから選択することができ、好ましくは、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸、またはそれら。
【0070】
石鹸は、ラウリン酸と、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸、ヒドロキシステアリン酸、またはそれらの組み合わせから選択される酸との混合物を含むことができる。ラウリン酸が使用される場合、それは脂肪酸および石鹸混合物中に80重量%の量で存在することができ、例えば、ラウリン酸は脂肪酸および石鹸混合物中に85重量%の量で存在することができる。ラウリン酸は一般にC12に富み、ココナッツ油および/またはパーム核油を含む。
【0071】
クレンジング組成物は着色剤、皮膚軟化剤、ふけ防止剤、皮膚感触剤、シリコンオイル、カチオン性ポリマー、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な添加剤をさらに含むことができる。これらの物質の各々は、液体および組成物の総重量の約0.03から約5重量%、例えば0.03から5重量%、好ましくは0.1から3重量%の範囲であってよく、その範囲に包含される全ての範囲を含む。例えば、着色剤は、5ppmから15ppm、例えば約15ppm、例えば15ppmの量で存在することができる。
【0072】
対象のパーソナルクレンジング配合中に存在し得るさらなる任意の成分は例えば、芳香剤;封鎖剤およびキレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)、エタンヒドロキシルジホスホン酸塩(EHDP)、およびエチドロン酸、すなわち1-ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(HEDP);着色剤;乳白剤(opacifiersおよびpearlizers)、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、TiO、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)、エチレングリコールジステアレート(EGDS)またはLytron 621(スチレン/アクリレートコポリマー)など;pH調整剤;抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)など;安定剤;泡増強剤、例えば、ココナッツアシルモノ-またはジ-エタノールアミド;イオン化塩、例えば、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウム、ならびにバーソープ配合物中で従来使用されているような他の成分である。このような追加の任意成分の総量は、パーソナルクレンジング配合物の総重量に基づいて、典型的には0から10重量%、より具体的には0.1から5重量%である。
【0073】
組成物は、典型的には1つ以上の皮膚に有益な添加材剤を含む。「皮膚に有益な添加剤」という用語は皮膚(角質層)を軟らかくし、または皮膚(角質層)の弾力性、外観、および若々しさを改善するために、その含水量を増加させる働き、脂質および他の皮膚栄養素を添加する働き、もしくは置き換える働き、またはその両方を有し、さらにその含水量の減少を遅延させることによって皮膚を軟らかく保つ物質として定義される。適切な皮膚に有益な添加剤には、例えば、疎水性皮膚軟化剤、親水性皮膚軟化剤、またはそれらのブレンドを含む皮膚軟化剤が含まれる。
【0074】
有用な皮膚に有益な添加剤としては以下のものが挙げられる:(a)シリコーン油およびその修飾物、例えば、直鎖および環状ポリジメチルシロキサン;アミノ、アルキル、アルキルアリール、およびアリールシリコーン油;(b)天然油脂、例えば、ホホバ油、大豆油、ヒマワリ油、米糠油、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ココナッツ油、およびミンク油;カカオ脂;牛脂およびラード;上記の油を水素化して得られる硬化油;ならびにミリスチン酸グリセリドおよび2-エチルヘキサン酸グリセリドなどの合成モノ、ジ、トリグリセリド;(c)ハカルナウバ、スペルマケティ、蜜蝋、ラノリン等のワックスおよびこれらの誘導体;(d)疎水性および親水性植物抽出物;(e)流動パラフィン、ワセリン、微結晶ワックス、セレシン、スクアレン、プリスタンおよび鉱油などの炭化水素;(f)ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノール酸、イソステアリン酸、アラキドン酸およびポリ不飽和脂肪酸(PUFA)などの高級脂肪酸;(g)高級アルコール、例えば、ラウリル、セチル、ステアリル、オレイル、ベヘニル、コレステロール、2-ヘキシデカノールアルコール等の高級アルコール類;(h)オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール、モノステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、乳酸アルキル、クエン酸アルキルおよび酒石酸アルキル等のエステル;(i)精油およびその抽出物、例えば、ハッカ、ジャスミン、樟脳、ヒノキ(white ceder)、ビターオレンジピール、リュウ、テレビン(油)、シナモン、ベルガモット、ウンシュウミカン、カラムス、パイン、ラベンダー、ベイ(油)、クローブ、ヒバ、ユーカリ、レモン、スターフラワー、タイム、ペパーミント、ローズ、セージ、ゴマ、ショウガ、バジル、杜松子(油)、レモングラス、ローズマリー、ローズウッド、アボカド、グレープ、グレープシード、ミルラ、キュウリ、クレソン、カレンデュラ(油)、エルダーフラワー、ゼラニウム、リンデンブロッサム(油)、アマランサス、海藻、ギンコウ(油)、朝鮮人参、ニンジン、ガラナ、ティーツリー、ホホバ、コンフリー、オートミール、ココア、ネロリ(油)、バニラ、緑茶、ペニーロイヤル、アロエベラ、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラ、ボルネオール、リナロール、ゲラニオール、月見草、樟脳、チモール、スピラントール、ペネン、リモネンおよびテルペノイド油;(j)多価アルコール、例えばグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール等;さらにポリエチレングリコールのようなポリオール、例えば、Polyox WSR-205 PEG 14M、Polyox WSR-N-60K PEG 45M、またはPolyox WSR-N-750、およびPEG7M;(k)欧州特許明細書第556,957号に記載されたコレステロール、セラミド、スクロースエステル、および偽セラミドなどの脂質;(l)ビタミン、ミネラルおよび皮膚栄養素、例えばビタミンA、E、およびK;ビタミンCアルキルエステルを含むビタミンアルキルエステル;マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛、および他の金属成分;(m)オクチルメトキシシンナメート(Parsol MCX)およびブチルメトキシベンゾイルメタン(Parsol 1789)等の日焼け止め剤;(n)リン脂質;および(o)α-ヒドロキシ酸およびβ-ヒドロキシ酸などの抗老化化合物。皮膚に有益な添加剤は一般に、液体石鹸配合の最大30重量%を占め、0から25重量%、より具体的には0から20重量%のレベルが、「皮膚軟化剤」として一般に知られている皮膚に有益な添加剤が対象配合の多くで使用されるレベルの典型である。好ましい皮膚に有益な添加剤としては脂肪酸、炭化水素、多価アルコール、ポリオールおよびそれらの混合物が挙げられ、皮膚軟化剤としては少なくとも1つのC12からC18の脂肪酸、ワセリン、グリセリン、ソルビトールおよび/またはプロピレングリコールが挙げられ、1つ以上の実施形態において特に関連する。
【0075】
バーはミキサーを約80℃から約90℃、例えば、80℃から90℃に加熱し、脂肪酸を添加した後、苛性物質を添加して前駆物質(precursor)を生成し、続いて界面活性剤および他のバー材料を添加することによって製造することができる。混合物を乾燥させて目的の水分にし、次いで冷却する。冷却された材料は、次いで、押し出され、ビレット(棒状物)にされ、バーにプレスされる。
【0076】
クレンジングバーを作製する方法は本明細書に開示されるクレンジング組成物を、溶融組成物を提供するのに十分な温度に加熱し、次いで、溶融組成物を冷却してフレークおよび/またはチップを形成し、フレークおよび/またはチップを練って(refining)ビレットを形成し、ビレットを打ち抜きおよび/または切断してクレンジングバーを形成することを含むことができる。クレンジング組成物が加熱される温度は、少なくとも100℃、例えば100℃から120℃、例えば105℃から120℃である。
【0077】
クレンジング組成物を作製する別の方法は、本明細書に開示されるクレンジング組成物を、溶融組成物を提供するのに十分な温度に加熱すること、溶融組成物を型に注ぐこと、クレンジングバーが形成されるまで溶融組成物を冷却すること、およびクレンジングバーを型から取り出すことを含むことができる。クレンジング組成物が加熱される温度は、少なくとも100℃、例えば100℃から120℃、例えば105℃から120℃である。
【実施例
【0078】
以下の実施例は本明細書に開示されるクレンジング組成物の単なる例示であり、本明細書の範囲を限定することを意図するものではない。
【0079】
バッチプロセスを使用して、個々のシンデットをベースとする配合物を作製した。基本的な手順は脂肪酸をその融点を超えて加熱し、必要に応じて部分的に中和し、ここで選択肢として石鹸を分けて予備成形してもよく(dose in preformed soap)、必要な主界面活性剤および補助界面活性剤を、少量の任意成分と共に添加し、均質になるまで加熱し、所望の水分まで乾燥させ、次いで、その後の処理のために室温まで結晶化させることであった。
【0080】
その後の処理は評価目的のために、ベース材料を使用可能な形状に形成するためのステップを含む。これらの配合物が押出のための特定の基準を満たすことが重要であると考えられる。特に、材料の硬度は、ビレットに圧縮され、任意選択的にバーに打ち抜かれるために適切でなければならない。硬度は、テクスチャアナライザの一つであるTA.XT Plusテクスチャアナライザで定義できる。本明細書に示される配合例では、TAXTデータと、押出による加工のための適合性とを経験的に相関させている。試料当たり5回の測定を行い、平均した。測定方法は、0.0050kgのトリガー力を利用して、10.00mmの距離にわたって1.00mm/秒の貫入プログラム試験速度を有する30°円錐を必要とする。材料の温度も記録した。一般的に認められている範囲は、TAXT読み取り値が1000から4000である場合、材料を加工できることである。
【0081】
この配合物の空間(formulation space)の独特の特徴は、その相の挙動である。混合温度(全ての材料が溶融状態にあると定義される)では、配合物が粘性の生地または薄く、容易に注入可能な液体のいずれかとして存在することができる。この相挙動は、製造の柔軟性を可能にするので有利である。高温(すなわち、100℃超)の生地は、従来の方法(冷却ロール上での剥離、ベルト剥離、ミリングなど)で冷却される可能性がある。高温(すなわち、100℃を超える)の液体もまた、ちょうど記載されたような従来の冷却の可能性を有するが、溶融材料が型に注がれて冷却される溶融キャスト手順によってさらに処理され得る。
【0082】
本明細書に開示されるクレンジング組成物内の成分の任意の比について、混合中の相化学は、配合中の水の量によって決定される。所与の配合物について、流動的な生地は常に、その対応する流体よりも高い含水量を有する、すなわち、所与の配合物について、含水量に基づく相転移を同定することができる。従来のシンデット製造は、バッチを均質にするために混合中に十分な水分を必要とする。典型的には、始めに必要以上に高い水分量でバッチを開始し、目標水分量を達成するために乾燥を必要とする。配合物が生地として残るか、または薄い流体が得られる相転移まで十分に乾燥されるかどうかを決定するのは、プロセスのこの部分の間である。この相転移はそれぞれ特定の組成に特有であるが、全ての組成物について、その下で配合物が液体となり、その上で配合物が生地となる相転移点が存在する。冷却されてフレークとなり、押出成形される任意の組成物について、(上述のよう)押出成形の要件を満たさなければならない。
【0083】
表1は、相転移点として定義することができる、材料の異なる比、およびそれぞれの固有の含水率を示す。各配合物は組成物中に占める部分(placeholder)として7.5%の水の「目標」水分を使用するが、バッチの実際の含水量が相化学を決定する。全ての量は、重量%で測定される。
【0084】
【表1】
【0085】
本配合の系(formulation space)の選択は、以下のパラメータによって定義される:
【0086】
実施例1および8
【0087】
この典型的な配合の系は、実施例1で定義される。遊離脂肪酸は組成物の最も高い部分に寄与したが、材料は押出によって加工することができるように、依然として十分な硬度を示した。脂肪酸対石鹸の比は1.9であった。この配合を作製するための手順は以下の通りであった:その融点より高い約100℃までステアリン酸を加熱し、その時点で、水酸化ナトリウム溶液を使用してステアリン酸を部分的に中和してステアリン酸ナトリウムを得た。混合物が均質であるとき、90/10石鹸を添加し、100℃で混合して均質な溶液を得た。次いで、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム(残留ステアリン酸およびラウリン酸を含有する)を添加し、100℃超で混合して、流体組成物を得た。次に、コカミドプロピルベタインを加え、混合物を100℃以上に加熱して過剰の水分を除去した。バッチは目標水分が達成されたときに完成し、次いで、バッチを冷却し、本明細書で前述した方法の1つで処理した。全ての後続の実施例は、その実施例のように適切な置換を用いて、ちょうど記載された方法で作製された。
【0088】
実施例1
【0089】
【表2】
【0090】
TAXT:2447、温度35.4℃にて
【0091】
実施例1では、石鹸成分がステアリン酸を部分的に中和することによってその場で(in situ)製造されたステアリン酸ナトリウムと、あらかじめ作られたソープベース(soap noodles)とから構成された。石鹸成分は、実施例8に示されるようなステアリン酸ナトリウムとソープベース(soap noodles)との組み合わせである必要はなく、石鹸の全体がステアリン酸ナトリウムからなっていた。
【0092】
実施例8
【0093】
【表3】
【0094】
TAXT:1651;32.2℃
【0095】
実施例1では補助界面活性剤としてコカミドプロピルベタインを使用したが、この補助界面活性剤に限定されるものではない。
【0096】
実施例2から7
【0097】
以下の実施例は、非常に異なる化学的特性を有する様々な補助界面活性剤が配合物の加工にどのように影響しないかを実証する。補助界面活性剤の組み合わせも使用することができる。種々の界面活性剤/補助界面活性剤の組合せを使用するデモンストレーションは、許容可能な泡の体積に著しい影響を与えることなく、乳白色性、クリーミーさ、小さな泡や大きな泡などの泡の違いを調整できる。そのような属性は一般に、DOVE(商標)などの典型的なシンデットのアンカーと比較して、当業者によって評価される。
【0098】
実施例2
【0099】
【表4】
【0100】
実施例3
【0101】
【表5】
【0102】
TAXT:2375;39.5℃
【0103】
実施例4
【0104】
【表6】
【0105】
TAXT:1208、33.8℃
【0106】
実施例5
【0107】
【表7】
【0108】
TAXT:1739;34.4℃
【0109】
実施例6
【0110】
【表8】
【0111】
TAXT:2179;35.2℃
【0112】
実施例7
【0113】
【表9】
【0114】
TAXT:2996;40.6℃
【0115】
実施例9から12
【0116】
以下の実施例は、主活性成分であるラウロイルイセチオン酸ナトリウムのレベルを変化させる可能性を実証する。これらの系では、全界面活性剤、補助界面活性剤、酸:石鹸の量および比が含水量に基づく相転移に影響する。
【0117】
実施例9
【0118】
【表10】
【0119】
実施例10
【0120】
【表11】
【0121】
実施例11
【0122】
【表12】
【0123】
TAXT:2499;38.2℃
【0124】
実施例12
【0125】
【表13】
【0126】
TAXT:3610;41.7℃
【0127】
実施例13から21
【0128】
残りの組成物は、脂肪酸、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、石鹸、および補助界面活性剤のレベルを改変できることをさらに実証する。これらの実施例の組成物はそれらのTAXT値に関して、全ての加工可能な処方であり、これは、それらの組成物をバーにできることを意味することに留意されたい。
【0129】
実施例13
【0130】
【表14】
【0131】
TAXT:2246;36.0℃
【0132】
実施例14
【0133】
【表15】
【0134】
TAXT:2452;35.2℃
【0135】
実施例15
【0136】
【表16】
【0137】
TAXT:2065;33.4℃
【0138】
実施例16
【0139】
【表17】
【0140】
実施例17
【0141】
【表18】
【0142】
TAXT:2731;35.2℃
【0143】
実施例18
【0144】
【表19】
【0145】
TAXT:2867;38.4℃
【0146】
実施例19
【0147】
【表20】
【0148】
TAXT:3064;39.3℃
【0149】
実施例20
【0150】
【表21】
【0151】
TAXT:2652;37.0℃
【0152】
実施例21
【0153】
【表22】
【0154】
TAXT:1831;33.1℃
【0155】
実施例22から25
【0156】
これらの実施例では、活性成分を脂肪酸:石鹸比と同様に変化させた。実施例23は脂肪酸と石鹸の比率が1:1であったが、例22、24、25では脂肪酸と石鹸の比率が1.8:1であった。活性成分の量は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびソープベース(soap noodles)とステアリン酸ナトリウムの組み合わせの間で変化させた。全ての成分の量は、重量パーセントとして列挙される。
【0157】
データは、7日間の前腕制御応用試験(FCAT)で収集した。全ての測定は、7日目の午後に行った。SKICONを曲線下面積として測定した。TEWLはベースラインからの変化として測定した。指標は、SKICON/TEWLとして測定した。SKICON値がより高い方が望ましく、TEWL値はより低い方が望ましく、また、これらのインデックスはより高い値であることが、より低い値であることよりも望ましい。
【0158】
実施例22から25
【0159】
【表23】
SLI=ラウロイルイセチオン酸ナトリウム
【0160】
全体的な性能を改善するための典型的な対応は活性物質の量を低減すること(すなわち、合成洗剤レベルを低減すること)であろう。活性レベルの低下は消費者の皮膚へのダメージがより少ない、より穏やかな配合の助けとなり得る。これは実施例22および23に示されているが、SLIの量を54%から38%に減少させた一方で、脂肪酸対石鹸の比を1.8:1から1:1に変化している。この結果に見られるように、脂肪酸対石鹸の比は、所望の結果を達成するのに役割を果たす。SKICON、TEWL、およびインデックス値はいずれも、活性物質の量が低下し、脂肪酸対石鹸比が考慮されない場合に損なわれた。より簡単に言えば、単に活性物質を低減しても、有効な脂肪酸対石鹸比を維持しないことには使用の現場において(clinically)改善されたバーの配合を得られない。予想外であったのは、組成物中の活性物質の量を減少させ、構築した系(すなわち、脂肪酸対石鹸比)をバランスさせることによって、穏やかで十分に泡立たせることができ、消費者にとっても受け入れやすい配合として性能の向上したことが見出された。
【0161】
本明細書に開示されるクレンジング組成物および製造方法に関して、他に明示的に示される場合を除いて、材料の量または反応条件、材料の物理的特性および/または使用を示す本明細書中のすべての数は「約」という語によって修飾されると理解されるべきであることに留意されたい。すべての量が別段の指定がない限り、最終組成物の重量による。
【0162】
濃度または量の任意の範囲を特定する際に、任意の特定の上限濃度は、任意の特定の下限濃度または量、ならびにその中で消費される任意の部分範囲と関連付けられ得ることに留意されたい。その点に関して、本明細書に開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は互いに独立して組み合わせ可能であることに留意されたい(例えば、「終点を含む、最大25重量%、またはより具体的には5重量%から20重量%」の範囲、および5重量%から25重量%の範囲のすべての中間値など)。「組合せ」はブレンド、混合物、合金、反応生成物、反応生成物などを含む。さらに、本明細書における「第1の」、「第2の」などの用語はいずれの順序、量、または重要性も示さない。本明細書における「a」および「an」および「The」という用語は量の限定を示すものではなく、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書における接尾辞「s」は修飾する用語の単数および複数の両方を含むことを意図し、それによって、1つまたは複数の用語(例えば、フィルム)を含む。本明細書全体を通して、「1つの実施形態」、「1つの態様」、「別の実施形態」、「別の態様」、「一実施形態」、「態様」などへの言及は特定の要素(例えば、 、実施形態または態様に関連して説明される特徴、構造、および/または特性)は、本明細書に説明される少なくとも1つの実施形態または態様に含まれ、他の実施形態または態様に存在しても存在しなくてもよい。さらに、説明された要素は、様々な実施形態または態様において、任意の適切な方法で組み合わされ得ることを理解されたい。
【0163】
すべての引用された特許、特許出願、および他の参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、本出願における用語が組み込まれた参照文献における用語と矛盾するかまたは矛盾する場合、本出願からの用語は、組み込まれた参照文献からの矛盾する用語よりも優先される。特定の態様が記載されてきたが、現在予期されないか、または予期されない可能性がある代替、修正、変形、改良、および実質的な等価物が、出願人または他の当業者に生じ得る。したがって、出願時および補正され得る添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような代替、修正、変形、改善、および実質的な均等物を包含することが意図される。
【0164】
疑義を避けるために、「comprising」という用語は「including」を意味することを意図しているが、必ずしも「consisting」や「composed of」を意味するわけではない。言い換えれば、リストされたステップ、オプション、または選択肢は網羅的である必要はない。
【0165】
本明細書で見出される本発明の開示は、特許請求の範囲が複数の従属関係または冗長性なしで見出され得るという事実にかかわらず、特許請求の範囲で見出されるすべての態様を、互いに複数の従属関係にあると見なされるべきである。特に明記しない限り、「xからy」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。任意の範囲の値または量を指定する際に、任意の特定の上限値または量を、任意の特定の下限値または量と関連付けることができる。本明細書に含まれる全ての百分率および比率は特に指示がない限り、重量で計算される。上記の個々のセクションにおいて言及された本発明の様々な特徴は、必要な変更を加えて、必要に応じて他のセクションに適用される。したがって、1つのセクションで指定された特徴は、必要に応じて他のセクションで指定された特徴と組み合わせることができる。任意のセクションの見出しは、便宜上追加されているにすぎず、決して本開示を限定することを意図するものではない。
【国際調査報告】