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特表2023-547551LIDARセンサーのための光カプラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】LIDARセンサーのための光カプラ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20231102BHJP
   G02B 6/124 20060101ALI20231102BHJP
   G02B 6/34 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G02B6/124
G02B6/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530857
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 US2021060393
(87)【国際公開番号】W WO2022109418
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/117,316
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/531,029
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437397
【氏名又は名称】アワーズ テクノロジー リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ・アンドルー・スタイル
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5J084
【Fターム(参考)】
2H137AA14
2H137AB15
2H137BA34
2H137BA35
2H137BA51
2H137BC51
2H147AA02
2H147BA01
2H147BB02
2H147BC05
2H147BC08
2H147BG04
2H147CA10
2H147CA13
2H147EA02A
2H147EA13C
2H147EA14B
5J084AA05
5J084AA07
5J084AC02
5J084BA03
5J084BA20
5J084BA48
5J084BB27
5J084BB33
5J084CA08
5J084EA33
(57)【要約】
LIDAR(Light Detection and Ranging)装置は、導波管、クラッディング、および散乱アレイを含む。導波管は、赤外線光フィールドをルーティングするように構成される。クラッディングは、導波管の周りに配置される。散乱アレイは、クラッディングに形成される。散乱アレイは、赤外線光フィールドをクラッディングの表面に向かって伝播する赤外線ビームに向けるために、導波管によってルーティングされる赤外線光学フィールドを撹乱させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線光フィールドをルーティングするように構成される導波管と、
前記導波管の周りに配置されるクラッディング(Cladding)と、
前記クラッディング内に形成される散乱アレイ(Scattering Array)と、を含み、前記散乱アレイは、前記導波管によってルーティングされる前記赤外線光フィールドを撹乱し、前記赤外線光フィールドを前記クラッディングの表面に向かって伝播する赤外線ビームに指向するように構成されるLIDAR装置。
【請求項2】
前記散乱アレイは、特定の離隔距離だけ前記導波管から離隔され、前記導波管は、前記散乱アレイと前記クラッディングの表面との間に配置される請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項3】
前記クラッディングに当接する基板層をさらに含み、前記散乱アレイは、前記導波管および前記基板層と前記クラッディングの界面との間に配置される請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項4】
前記クラッディング内に形成される反射体層をさらに含み、前記導波管は、前記反射体層と前記散乱アレイとの間に配置され、前記反射体層は、前記赤外線ビームが前記基板層を通じて抜けるように前記赤外線ビームを指向するように構成される請求項3に記載のLIDAR装置。
【請求項5】
前記散乱アレイと前記界面との間の厚さおよび前記導波管と前記散乱アレイとの間の離隔距離は、前記赤外線光フィールドの下向き-散乱部分と相殺的干渉することによって前記赤外線ビームの強度を増加させるように構成される請求項3に記載のLIDAR装置。
【請求項6】
前記散乱アレイは、また、受信した赤外線ビームを前記導波管に結合するように構成され、前記受信された赤外線ビームは、前記LIDAR装置の外部環境におけるターゲットによる前記赤外線ビームの反射である請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項7】
前記クラッディングは、前記赤外線光フィールドに対して透明である請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項8】
前記導波管は、前記クラッディングの第2屈折率よりも高い第1屈折率を有する請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項9】
前記導波管は、前記導波管が前記散乱アレイに近づくにつれて、次第に細くなり、外側に広がり、前記散乱アレイは、徐々に外側に広がる請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項10】
前記赤外線ビームの偏光配向は、前記散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項11】
第2導波管-前記導波管の第1テーパは、前記第2導波管の第2テーパ内に延長される-をさらに含み、
前記散乱アレイは、第1偏光配向に前記赤外線光フィールドを散乱させるように構成され、第2偏光配向に第2赤外線光フィールドを散乱させるように構成された2次元結合器であり、前記第2赤外線光フィールドは、前記第2導波管によってルーティングされる請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項12】
前記導波管でルーティングされた前記赤外線光フィールドは、前記第2導波管で伝播する前記第2赤外線光フィールドに直交して伝播する請求項11に記載のLIDAR装置。
【請求項13】
前記導波管と前記第2導波管は、同じ層に形成される請求項11に記載のLIDAR装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDAR装置を含む自律車両制御システム。
【請求項15】
請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のLIDAR装置を含む自律車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2020年11月23日付で出願された米国仮出願第63/117,316号についての優先権を主張する2021年11月19日付で出願された米国特許出願第17/531,029号についての優先権を主張する。米国出願第17/531,029号、第63/117,316号は、本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本開示は、一般に光学に関するものであって、具体的に光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LIDAR)に関する。
【背景技術】
【0003】
周波数変調連続波(FMCW、Frequency Modulated Continuous Wave)LIDARは、周波数変調されたコリメートされた光ビームをターゲットに向けてオブジェクトの距離と速度を直接測定する。ターゲットの距離および速度情報は、FMCW LIDAR信号から導出できる。LIDAR信号の精度を高める設計および技術が好ましい。
【0004】
自動車産業は、現在、特定の状況で車両を制御するための自律機能を開発している。SAE国際規格J3016によると、レベル0(自律なし)からレベル5(あらゆる条件で運転者入力なしで操作できる車両)まで、6レベルの自律性が存在する。自律機能を有する車両は、センサーを用いて車両が走行する環境を感知する。センサーからデータを収集して処理することによって、車両は、環境を探索することができる。自律車両には、環境を感知するための1つ以上のFMCW LIDAR装置を含み得る。従来のLIDARシステムは、感知環境をイメージングするのに使用されるレーザビームを操縦するために機械的に動く部品を必要とする。これらは、自動車やロボット工学などの多くの用途にとって、かさばり、高価で、信頼性が低いと見なされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、導波管、クラッディング、および散乱層を含む光検出および距離測定(LIDAR)装置を含む。導波管は、赤外線光フィールドをルーティングするように構成される。クラッディングは、導波管の周りに配置される。散乱アレイは、クラッディング内に形成される。散乱アレイは、導波管によってルーティングされる赤外線光フィールドを撹乱し、赤外線光フィールドをクラッディングの表面に向かって伝播する赤外線ビームに指向するように構成される。
【0006】
一実施形態において、散乱アレイは、特定の離隔距離だけ導波管から離隔され、導波管は、散乱アレイとクラッディングの表面との間に配置される。
【0007】
一実施形態において、LIDAR装置は、クラッディングと当接する基板層をさらに含む。散乱アレイは、導波管および基板層とクラッディングの界面との間に配置される。
【0008】
一実施形態において、LIDAR装置は、クラッディング内に形成される反射体層をさらに含む。導波管は、反射体層と散乱アレイとの間に配置される。反射体層は、赤外線ビームが基板層を通じて抜けるように赤外線ビームを指向するように構成される。
【0009】
一実施形態において、散乱アレイと界面との間の厚さ、および導波管と散乱アレイとの間の離隔距離は、赤外線光フィールドの下向き-散乱部分と相殺的干渉することによって、赤外線ビームの強度を増加させるように構成される。
【0010】
一実施形態において、散乱アレイは、また、受信した赤外線ビームを導波管に結合するように構成され、受信された赤外線ビームは、LIDAR装置の外部環境におけるターゲットによる赤外線ビームの反射である。
【0011】
一実施形態において、クラッディングは、赤外線光フィールドに対して透明である。
【0012】
一実施形態において、導波管は、クラッディングの第2屈折率よりも高い第1屈折率を有する。
【0013】
一実施形態において、導波管は、導波管が散乱アレイに近づくにつれて、次第に細くなり、外側に広がる。散乱アレイは、徐々に外側に広がる。
【0014】
一実施形態において、赤外線ビームの偏光配向は、散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する。
【0015】
一実施形態において、LIDAR装置は、第2導波管をさらに含む。導波管の第1テーパは、第2導波管の第2テーパ内に延長される。散乱アレイは、第1偏光配向に赤外線光フィールドを散乱させるように構成され、第2偏光配向に第2赤外線光フィールドを散乱させるように構成された2次元結合器である。第2赤外線光フィールドは、第2導波管によってルーティングされる。
【0016】
一実施形態において、導波管でルーティングされた赤外線光フィールドは、第2導波管で伝播する第2赤外線光フィールドに直交して伝播する。
【0017】
一実施形態において、導波管と第2導波管は、同じ層に形成される。
【0018】
一実施形態において、導波管は、シリコン窒化物である。
【0019】
本開示の実施形態は、LIDAR装置および1つ以上のプロセッサを含む自律車両用の自律車両制御システムを含む。LIDAR装置は、導波管、クラッディングおよび散乱層を含む。導波管は、赤外線光フィールドをルーティングするように構成される。クラッディングは、導波管の周りに配置される。散乱アレイは、クラッディング内に形成される。散乱アレイは、導波管によってルーティングされる赤外線光フィールドを撹乱し、赤外線光フィールドをクラッディングの表面に向かって伝播する赤外線ビームに指向するように構成される。1つ以上のプロセッサは、赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して自律車両を制御するように構成される。
【0020】
一実施形態において、赤外線送信ビームの偏光配向は、散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する。
【0021】
一実施形態において、LIDAR装置は、第2導波管をさらに含む。散乱アレイは、第1偏光配向に赤外線光フィールドを散乱させるように構成され、第2偏光配向に第2赤外線光フィールドを散乱させるように構成された2次元結合器である。第2赤外線光フィールドは、第2導波管によってルーティングされる。
【0022】
一実施形態において、散乱アレイは、特定の離隔距離だけ導波管から離隔される。
【0023】
本開示の実施形態は、LIDARセンサーおよび1つ以上のプロセッサを含む自律車両を含む。LIDAR装置は、導波管、クラッディングおよび散乱層を含む。導波管は、赤外線光フィールドをルーティングするように構成される。クラッディングは、導波管の周りに配置される。散乱アレイは、クラッディング内に形成される。散乱アレイは、導波管によってルーティングされる赤外線光フィールドを撹乱し、赤外線光フィールドをクラッディングの表面に向かって伝播する赤外線ビームに指向するように構成される。1つ以上のプロセッサは、赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して自律車両を制御するように構成される。
【0024】
一実施形態において、赤外線送信ビームの偏光配向は、散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の非限定的かつ非包括的な実施形態は、以下の図面を参照して説明され、ここで特に明示されない限り、同様の参照番号は、様々な図面全体にわったて同様の部分を指す。
【0026】
図1a】本開示の実施形態によって上向き方向に光ビームを放出する光カプラの断面を示す。
【0027】
図1b】本開示の実施形態によって表面を通じて伝播し、導波管内で伝播する光モードに結合される受信されたビームを示す。
【0028】
図2】本開示の実施形態によって光が基板層を通じて光カプラを抜けるように指向させるように構成される反射体層を含む光カプラの断面を示す。
【0029】
図3a】~
図3c】本開示の実施形態による選択的な上部金属反射器を有する単一偏光(1D)光カプラの3次元観点の層を示す。
【0030】
図4a】~
図4b】本開示の実施形態による任意の反射体層を備えない二重-偏光(2D)光カプラの3次元観点の層を示す。
【0031】
図5a】本開示の実施形態による例示的なセンサーアレイを含む自律車両を示す。
【0032】
図5b】本開示の実施形態による例示的なセンサーアレイを含む自律車両の平面図を示す。
【0033】
図5c】本開示の実施形態によるセンサー、ドライブトレイン、および制御システムを含む例示的な車両制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
LIDAR光カプラの実施形態がここで説明される。以下の説明においては、前記実施形態についての完全な理解を提供するためにいくつかの詳細が提示される。しかし、関連技術分野の技術者は、本明細書に説明されている技術が1つ以上の特定の詳細を除いて、または他の方法、構成要素または材料などを用いて行われ得ることを認識するであろう。他の場合において、周知の構造、材料または作業は、特定の態様を曖昧にすることを防止するために詳細に表示または説明されていない。
【0035】
本明細書全体にわたって「1つの実施形態」または「実施形態」についての言及は、実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって、様々な位置での「1つの実施形態」または「実施形態」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態で任意の適切な方法で結合され得る。
【0036】
本明細書全体にわたって、いくつかの技術用語が使用される。これらの用語は、本明細書で具体的に定義されていないか、または使用文脈が明確に別段の意味を持たない限り、当該用語が由来した技術分野における一般的な意味を取るべきである。本開示の目的のために、「自律車両(Autonomous Vehicle)」という用語は、SAE国際規格J3016の任意の自律性レベルで自律機能を有する車両を含む。
【0037】
ソリッドステート(Solid-State)LIDAR装置は、LIDAR動作のために光ビームを操縦するのに必要な機械的に動く部品を減らしたり、除去したりすることによって、従来のLIDARの機械的に動く部品に比べて改善されたものである。ソリッドステートLIDARシステムの重要な構成要素は、光を放出および/または受信する光カプラである。光効率は、光カプラの重要な側面である。
【0038】
周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave、FMCW)LIDARは、周波数変調されコリメートされた光ビームをオブジェクトに向けることによって、オブジェクトの距離と速度を直接測定する。オブジェクト/ターゲットから反射される光は、タップバージョン(Tapped Version)のビームと結合される。結果として得られるビートトーンの周波数は、ドップラーシフトが補正された後、LIDARシステムからオブジェクトまでの距離に比例し、ドップラーシフトの補正のために2回目の測定が必要となる。同時に実行されるか、または実行されない可能性がある両方の測定は、距離と速度の両方の情報を提供する。
【0039】
ソリッドステートFMCW LIDARシステムの設計における重要な考慮事項は、電力処理能力である。改善された電力処理は、改善された信号対雑音比(SNR)およびより長い距離範囲性能を可能にする。高性能FMCW LIDARシステムのために、高い電力処理性能を維持しながら光を効率的に操作する統合光学プラットフォームを開発することが好ましい。
【0040】
本開示の実施形態は、導波管、クラッディング(Cladding)、および赤外線光フィールドをクラッディングの表面または導波管とクラッディングを支持する基板(例えば、シリコン基板)を抜ける赤外線ビームに向ける散乱アレイ(Scattering Array)を含む。LIDAR装置は、赤外線ビームが基板層を通じて抜けるように赤外線ビームを指向するように構成される反射体層を含み得る。散乱アレイは、また、受信された赤外線ビームがLIDAR装置の外部環境におけるターゲットによる赤外線ビームの反射である場合、受信された赤外線ビームを導波管に結合するように構成され得る。散乱アレイは、準周期的(Quasi-Periodic)であり得る。一部の実施形態において、第2導波管は、導波管に延長され、散乱アレイは、赤外線光フィールドを第1偏光配向に散乱させるように構成され、第2赤外線光フィールド(第2導波管によってルーティングされる)を第1偏光配向に直交する第2偏光配向に散乱させるように構成された2次元結合器である。これらおよび他の実施形態は、図1a~5cに関してより詳細に説明される。
【0041】
図1aは、本開示の実施形態によって上向き方向に光ビーム107を放出する光カプラ150の断面を示す。光カプラ150は、導波管102、クラッディング120、散乱アレイ104、および基板層130を含む。一実施形態において、導波管102は、窒化ケイ素スラブ(Silicon Nitride Slab)であり得る。一実施形態において、クラッディング120は、酸化物(Oxide)である。一実施形態において、クラッディング120は、シリコン二酸化物(Silicon Dioxide)である。クラッディング120は、赤外線に透明であり得る。導波管102は、クラッディング120の第2屈折率よりも高い第1屈折率を有し得る。基板層130は、シリコンウェハ基板であり得る。図1aにおいて、基板層130は、界面(Interface)109でクラッディング120と当接するものとして示されている。クラッディング120が二酸化ケイ素であり、基板層130がシリコンである場合、界面109は、シリコン-ガラス界面と見なすことができる。
【0042】
図1aにおいて、散乱アレイ104は、クラッディング120の離隔距離105だけ導波管102から離隔される。散乱アレイ104は、準周期的であり得る。散乱アレイ104は、シリコンで形成され得るシリコン散乱体を含み得る。図1aは、例示の目的のために12個の散乱体を含むが、より多いか、またはより少ない散乱体が用いられ得る。図1aに示す実施形態において、散乱アレイ104は、導波管102と界面109との間に配置される。
【0043】
動作中、光モード101は、導波管102を介して伝播する。光モード101は、狭い線幅(Linewidth)を有する赤外線光フィールドであり得る。光モード101は、導波管102に結合されたレーザ光から生成され得る。光モード101のテール103は、導波管102の外部に延長される。導波管102は、光モード101をルーティングするように構成される。光モード101が伝播するにつれて、テール103は、光を導波管102の外に散乱させるシリコン散乱体104(例えば、窒化ケイ素スラブ)の散乱アレイと相互作用する。図1aは、散乱体104を単一の厚さ、幅および間隔で示すが、これらの散乱体は、生成された光ビーム107を特定の形状に成形するために様々な厚さ、幅および間隔を有し得る。散乱体104の離隔距離105(酸化物スペーサの厚さであり得る)およびデューティファクタに応じてこのような散乱の強度を制御することができる。一実施形態において、散乱アレイ104は、赤外線光フィールド101をクラッディング120の表面121に向かって伝播する赤外線ビーム107に向けるように、窒化ケイ素導波管102によってルーティングされる赤外線光フィールド101を撹乱させるように構成される。
【0044】
光は、下向き(例えば、下向き-散乱光106)および上向き(例えば、ビーム107)方向の両方に散乱する。下向きに散乱した光は、離隔距離105、散乱体104、および酸化物の厚さ108を通じて伝播し、最終的に光110としてシリコン-ガラス界面109から部分的に反射される。102、104、105および108の厚さは、界面109を通じて伝播する光波(Optical Wave)に相殺的干渉を引き起こすように構成され得、これにより、ビーム107として上向きに伝播する光出力を増加させる。正味の効果(Net Effect)は、光モード101に含まれる光出力の大部分を含む上向き-伝播の光ビーム107である。一実施形態において、クラッディング120の離隔距離105および厚さ108は、光フィールド101の下向き-散乱部分106を相殺的に干渉することによって、ビーム107の強度を増加させるように構成される。ビーム107がクラッディング120の表面121を通じて抜けるため、光構造150は、エッジ放出(Edge Emitting)よりも表面放出(Surface Emitting)である垂直光カプラと見なすことができる。表面放出光カプラは、LIDARシステムおよび装置に有利であり得る。
【0045】
ビーム107を送信する送信光カプラであることに加えて、光構造150は、入射光を受信し、光を導波管102に結合する受信光カプラとしても機能し得る。図1bは、表面121を通じて伝播し、光モード101とは反対方向に導波管102で伝播する光モード151に結合される受信されたビーム157を示す。したがって、散乱アレイ104(および離隔距離105および厚さ108)は、また、受信されたビーム157を導波管102と結合するように構成され得る。受信されたビーム157は、光構造150がLIDAR装置に含まれるとき、光構造150の外部環境でターゲットを反射する赤外線ビーム107の反射である受信された赤外線ビームであり得る。したがって、光モード151は、LIDARコンテキストで受信された電気信号に変換することができる。
【0046】
図2は、本開示の実施形態によって基板層130を介して光カプラ250を抜けるように光を指向させるように構成される反射体層212を含む光カプラ250の断面を示す。この実施形態において、基板層130は、赤外線に透明である。反射体層212は、銅などの金属性反射体層であり得る。反射体層212は、またビーム207の線幅を反射するように構成された回折構造(Diffractive Structure)であり得る。反射体層212は、クラッディング120に形成される。導波管202は、反射体層212と散乱アレイ204との間に配置される。散乱アレイ204は、準周期的であり得る。動作中、光モード201は、導波管202を介して伝播する。光モード201は、光モード101に関連する特性を含み得る。一部の実施形態において、導波管202は、導波管102に関連する特徴を有し得る。光モード201のテール203は、導波管材料の外部に延長される。テール203は、ビーム207として導波管202の外部に光を散乱させる散乱体204の散乱アレイと相互作用する。クラッディング120の離隔距離および散乱体204のデューティファクタに応じてこのような散乱の強度を制御および設計することができる。
【0047】
図2において、光は、下向き206と上向き207方向の両方に散乱する。下向きに散乱した光は、離隔距離205、散乱体204、および厚さ208を通じて伝播し、最終的には、光210として界面109で部分的に反射される。上向きに散乱した光は、ビーム207として離隔寸法211を通過し、ビーム213として下向きに光の大部分を反射する反射体層212と出会う。202、204、205、208および211の厚さを制御することによって、界面209を介して送信される光波(ビーム213を含む)は、補強干渉を引き起こし、入力モード201で大部分の電力を含む下向き-伝播光線214を形成するように作ることができる。ビーム214が基板層130の底面を通じて抜けるため、光構造250は、エッジ放出よりも表面放出である垂直光カプラと見なすことができる。
【0048】
図3a~図3cは、本開示の実施形態による選択的な上部金属反射器312を有する単一偏光(1D)光カプラ350の3次元観点の層を示す。光カプラ350は、ハイブリッドシリコン-シリコン窒化物光カプラであり得る。図3aは、基板層130上に配置された散乱アレイ304を示す。散乱アレイ304は、準周期的であり得る。図3a~図3cは、光カプラ350の他の構成要素を隠さないようにクラッディング120を具体的に示していない。しかし、クラッディング120の厚さ(例えば、厚さ108)は、例えば、散乱アレイ304を支持するであろう。クラッディング120は、また、導波管301および反射体層312を支持することができる。
【0049】
図3bは、入力光モード101を所望のサイズに拡張するテーパ状シリコン窒化物スラブ302に接続する導波管301を示す。図示の実施形態において、導波管301は、導波管が散乱アレイ304に近づくにつれて次第に細くなり(is tapered)、外側に広がる(Flares Outward)。導波管301およびテーパ状窒化物スラブ302は、シリコン窒化物の連続的な材料であり得る。導波管301およびスラブ302は、窒化ケイ素スラブ302の外に光の散乱を制御する散乱アレイ304の上に配置される。放出された光(例えば、ビーム214)の偏光状態および拡張によって効率的に受信される光の偏光状態は、散乱アレイ304の散乱体の長手方向391と一致する。一実施形態において、(散乱アレイ304によって生成された)赤外線ビームの偏光配向は、散乱アレイ304の散乱体の長手方向と一致する。
【0050】
図3cは、スラブ302上に配置された選択的な反射体層312を示す。反射体層312は、散乱アレイ304の散乱体によって占められる領域と同様であるか、またはより大きい領域にわたって延長される。基板層130は、入力導波管301の内外への光の結合を制御するために使用できる追加の反射界面として作用し得る。他の導波管設計が302で示されるテーパ状スラブに加えて、光カプラ350で用いられ得る。一実施形態において、テーパのないストレートスラブを同じ効果で使用できる。さらに、入力導波管301とスラブ302との間の遷移を調整することができる。
【0051】
図4aおよび図4bは、本開示の実施形態による選択的反射体層を備えない二重-偏光(2D)光カプラ450の3次元観点の層を示す。光カプラ450は、ハイブリッドシリコン-シリコン窒化物光カプラであり得る。図4aは、基板層130上に配置された散乱アレイ404を示す。散乱アレイ404は、準周期的であり得る。図4aおよび4bは、光カプラ450の他の構成要素を隠さないようにクラッディング120を具体的に示していない。しかし、クラッディング120の厚さ(例えば、厚さ108)は、例えば、散乱アレイ404を支持するであろう。クラッディング120は、また、導波管401および402を支持することができる。
【0052】
図4bは、光モードを入力導波管401または402のいずれかから所望のサイズに拡張するスラブ403に接続する2-入力導波管401および402を示す。導波管401は、光モード481を受信し、導波管402は、光モード482を受信する。一部の実施形態において、スラブ403は、90度回転して併合された2つの1Dカプラスラブ302(図3b)に例えられることができる。一実施形態において、導波管401の第1テーパは、導波管402の第2テーパに延長される。光が導波管401または402のいずれかから入射するかに応じて、光は、散乱アレイ404によって2つの直交偏光状態のうちの1つに散乱する。一実施形態において、光モード481は、散乱アレイ404によって第1偏光配向に散乱し、光モード482は、散乱アレイ404によって第1偏光配向に直交する第2偏光配向に散乱する。
【0053】
図4bの例において、導波管401によってルーティングされた光フィールド481は、導波管402から伝播する光フィールド482に垂直に伝播する。光カプラ450上の入射光の偏光状態(例えば、光カプラ450によって放出された送信ビームの反射)は、光がどの導波管にルーティングされるかに影響を及ぼし得る。一部の実施形態において、散乱アレイ404は、入射光の第1偏光配向を導波管401に指向するように構成され、入射光の第2偏光配向を導波管402に指向するように構成される。したがって、二重-偏光構成において、本開示の光カプラは、2つの直交偏光状態で光を送受信することができる。
【0054】
光構造150、250、350および450は、クラッディング層または基板層の上部または下部の表面を介して光を送信および/または受信することができるため、統合垂直光カプラと見なすことができる。すなわち、光構造150、250、350、450は、エッジ放出よりも表面放出であり得る。これらの垂直伝播ビームは、LIDAR測定を行うために環境に投射され得る。
【0055】
図5aは、本開示の態様によるLIDAR装置の図1a~図4bの光構造を含み得る例示的な自律車両500を示す。図示された自律車両500は、自律車両500の動作を制御する目的で自律車両の外部環境の1つ以上のオブジェクトをキャプチャし、キャプチャされた1つ以上のオブジェクトに関連するセンサーデータを生成するように構成されたセンサーアレイを含む。図5aは、センサー533A、533B、533C、533Dおよび533Eを示す。図5bは、センサー533A、533B、533C、533Dおよび533Eに加えて、センサー533F、533G、533Hおよび533Iを含む自律車両500の平面図を示す。任意のセンサー533A、533B、533C、533D、533E、533F、533G、533Hおよび/または533Iは、図1a~図4bの設計を含むLIDAR装置を含み得る。図5cは、自律車両500のための例示的なシステム599のブロック図を示す。例えば、自律車両500は、エネルギーソース506によって動力の供給を受け、ドライブトレイン508に電力を提供できる原動機504を含むパワートレイン502を含み得る。自律車両500は、方向制御512、パワートレイン制御514、およびブレーキ制御516を含む制御システム510をさらに含み得る。自律車両500は、人および/または貨物を輸送することができ、様々な異なる環境で走行することができる車両を含む多くの異なる車両として具現できる。前述のコンポーネント502~516は、これらのコンポーネントが使用される車両のタイプによって広範囲に変化する可能性があることを理解するであろう。
【0056】
例えば、以下で説明する実施形態は、自動車、バン、トラック、またはバスなどの車輪付き陸上車両に焦点を合わせる。このような実施形態において、原動機504は、(その中でも)1つ以上の電気モータおよび/または内燃機関を含み得る。エネルギーソースは、例えば、燃料システム(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素を提供)、バッテリーシステム、ソーラーパネルまたは他の再生エネルギーソースおよび/または燃料電池システムを含み得る。ドライブトレイン508は、原動機504の出力を車両運動に変換するのに適したトランスミッションおよび/または任意の他の機械駆動コンポーネントとともにホイールおよび/またはタイヤを含み得るだけでなく、自律車両500を制御可能に停止または減速するように構成される1つ以上のブレーキおよび自律車両500の軌跡を制御するのに適した方向またはステアリングコンポーネント(例えば、自律車両500の1つ以上のホイールが車両の縦軸に対するホイールの回転平面の角度を変更するために、一般に垂直軸を中心に旋回することを可能にするラックおよびピニオンステアリング接続装置)を含み得る。一部の実施形態において、パワートレインとエネルギーソースの組み合わせが使用できる(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合)。一部の実施形態において、複数の電気モータ(例えば、個々の車輪または車軸専用)を原動機として使用できる。
【0057】
方向制御512は、自律車両500が望む軌跡に沿うことができるように、方向またはステアリングコンポーネントからフィードバックを制御かつ受信するための1つ以上のアクチュエーターおよび/またはセンサーを含み得る。パワートレイン制御514は、パワートレイン502の出力を制御するように構成され得るが、例えば、原動機504の出力電力を制御し、ドライブトレイン508の変速機ギアを制御することによって、自律車両500の速度および/または方向を制御できる。ブレーキ制御516は、自律車両500を減速または停止させる1つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールに結合されたディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成され得る。
【0058】
オフロード車両、オールテレーン(All-Terrain)またはトラック車両、または建設装備を含むが、これらに限定されない他の車両タイプは、必然的に、本開示の利点を有する通常の技術者であれば理解する他のパワートレイン、ドライブトレイン、エネルギーソース、方向制御、パワートレイン制御、およびブレーキ制御を活用する。また、一部の実施形態において、一部のコンポーネントは結合され得るが、例えば、車両の方向制御は、主に1つ以上の原動機の出力を変更することによって処理できる。したがって、本明細書に開示された実施形態は、車輪付き陸上自律車両で本明細書に説明された技術の特定の用途に限定されない。
【0059】
図示の実施形態において、自律車両500についての自律制御は、車両制御システム520で具現され、これは、処理ロジック522内の1つ以上のプロセッサおよび1つ以上のメモリ524を含み得、処理ロジック522は、メモリ524に格納されたプログラムコード(例えば、命令526)を実行するように構成される。処理ロジック522は、例えば、グラフィック処理装置(GPU)および/または中央処理装置(CPU)を含み得る。車両制御システム520は、光構造150、250、350および/または450によって自律車両500の外部環境に放出され、光構造150、250、350および/または450に反射されて戻る赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して、自律車両500のパワートレイン502を制御するように構成され得る。
【0060】
センサー533A~533Iは、自律車両の動作を制御するのに使用するために自律車両の周辺環境からデータを収集するのに適した様々なセンサーを含み得る。例えば、センサー533A~533Iは、RADARユニット534、LIDARユニット536、3Dポジショニングセンサー538、例えば、GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、またはCompassなどの衛星航法システムを含み得る。図1a~図4bの光カプラ設計は、LIDARユニット536に含まれ得る。LIDARユニット536は、例えば、自律車両500の周囲に分散した複数のLIDARセンサーを含み得る。一部の実施形態において、3Dポジショニングセンサー538は、衛星信号を用いて地球上の車両の位置を決定し得る。センサー533A~533Iは、選択的に1つ以上の超音波センサー、1つ以上のカメラ540、および/または慣性測定ユニット(IMU)542を含み得る。一部の実施形態において、カメラ540は、静止画および/またはビデオ画像を記録することができるモノグラフィックカメラまたはステレオグラフィックカメラであり得る。カメラ540は、自律車両500の外部環境にある1つ以上のオブジェクトのイメージをキャプチャするように構成されたCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサーを含み得る。IMU542は、3つの方向で自律車両500の線形および回転運動を検出できるマルチジャイロスコープおよび加速度計を含み得る。ホイールエンコーダなどの1つ以上のエンコーダ(図示せず)は、自律車両500の1つ以上のホイールの回転をモニタリングするために使用できる。
【0061】
センサー533A~533Iの出力は、位置推定(Localization)サブシステム552、軌跡サブシステム556、知覚サブシステム554、および制御システムインターフェース558を含む制御サブシステム550に提供され得る。位置推定サブシステム552は、周辺環境内で、そして一般的に特定の地理的領域内で自律車両500の位置および(また、時々「姿勢」とも呼ばれる)方向を決定するように構成され得る。自律車両の位置は、ラベル付き自律車両データ生成の一部として、同じ環境にある追加車両の位置と比較できる。知覚サブシステム554は、自律車両500を囲む環境内のオブジェクトを検出、追跡、分類および/または決定するように構成され得る。軌跡サブシステム556は、特定のタイムフレームにわたって希望する目的地が与えられた自律車両500についての軌跡だけでなく、環境内で静止および移動するオブジェクトの軌跡を生成するように構成され得る。一部の実施形態による機械学習モデルは、車両軌跡を生成するために活用できる。制御システムインターフェース558は、自律車両500の軌跡を実施するために制御システム510と通信するように構成される。一部の実施形態において、機械学習モデルは、計画された軌跡を実施するために自律車両を制御するために活用できる。
【0062】
図5cに示される車両制御システム520についてのコンポーネントの集合は、本質的に単なる例示であることが理解されるであろう。個々のセンサーは、一部の実施形態においては省略され得る。一部の実施形態において、図5cに示される異なるタイプのセンサーが自律車両を囲む環境で冗長的におよび/または異なる領域をカバーするために使用できる。一部の実施形態において、制御サブシステムの異なるタイプおよび/または組み合わせが使用できる。また、サブシステム552~558は、処理ロジック522およびメモリ524とは別のものとして示されているが、一部の実施形態において、サブシステム552~558の機能のうちの一部または全部は、メモリ524に常駐し、処理ロジック522によって行われる命令526などのプログラムコードで具現でき、これらのサブシステム552~558は、場合によっては、同じプロセッサおよび/またはメモリを使用して具現できることが理解されるであろう。一部の実施形態において、サブシステムは、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なFPGA(Field Programmable Gate Array)、様々なASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、様々なリアルタイムコントローラなどで具現でき、前述したように、複数のサブシステムが回路、プロセッサ、センサー、および/または他のコンポーネントを活用できる。また、車両制御システム520の様々なコンポーネントは、様々な方法でネットワーク化することができる。
【0063】
一部の実施形態において、ソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサー、およびネットワークの様々な組み合わせを含む異なるアーキテクチャが図5cに示される様々なコンポーネントを具現するために使用できる。それぞれのプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサとして具現でき、それぞれのメモリは、メインストレージだけでなく、メモリの任意の補助レベル、例えば、キャッシュメモリ、不揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、またはリードオンリーメモリを含むランダムアクセスメモリ(RAM)を意味し得る。また、それぞれのメモリは、例えば、大容量格納装置または他のコンピュータコントローラに格納されているような仮想メモリとして使用される任意の格納容量だけでなく、自律車両500の他の場所に物理的に位置したメモリストレージ、例えば、プロセッサの任意のキャッシュメモリを含むものと見なすことができる。図5cに示される処理ロジック522、または完全に別個の処理ロジックは、自律制御の目的以外に自律車両500で追加の機能を実施するために、例えば、エンターテインメントシステムを制御したり、ドア、照明、または便宜機能を操作するために使用できる。
【0064】
また、追加の格納のために、自律車両500は、また、1つ以上の大容量格納装置、例えば、リムーバブルディスクドライブ、ハードディスクドライブ、直接アクセス格納装置(「DASD」)、光ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブ)、SSD(Solid State Storage Drive)、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、および/またはテープドライブなどを含み得る。また、自律車両500は、自律車両500が乗客から複数の入力を受信し、乗客のための出力を生成するためのユーザーインターフェース564、例えば、1つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声および/またはジェスチャーインターフェース、ボタン、およびその他の触覚コントロールを含み得る。一部の実施形態において、乗客からの入力は、他のコンピュータまたは電子装置を介して、例えば、モバイル装置のアプリを介して、またはウェブインターフェースを介して受信され得る。
【0065】
一部の実施形態において、自律車両500は、1つ以上のネットワーク570(例えば、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、無線ネットワーク、および/またはインターネットなど)と通信するのに適している1つ以上のネットワークインターフェース、例えば、ネットワークインターフェース562を含み得、これにより、例えば、自律車両500が自律制御に使用するために環境およびその他のデータを受信するためのクラウドサービスなどの中央サービスを含む他のコンピュータおよび電子装置との情報通信を可能にすることができる。一部の実施形態において、1つ以上のセンサー533A~533Iによって収集されたデータは、追加処理のためにネットワーク570を介してコンピューティングシステム572にアップロードされることができる。このような実施形態において、タイムスタンプは、アップロード前に車両データの各インスタンスに関連付けることができる。
【0066】
本明細書に開示される様々な追加のコントローラおよびサブシステムだけでなく、図5cに示される処理ロジック522は、一般に、オペレーティングシステムの制御下で動作かつ実行されるか、そうでなければ以下に詳細に説明される様々なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、またはデータ構造に依存する。また、様々なアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、またはモジュールは、ネットワーク570を介して、例えば、分散、クラウドベース、またはクライアント-サーバコンピューティング環境で自律車両500に結合された他のコンピュータの1つ以上のプロセッサで行い得、これにより、コンピュータプログラムの機能を実施するために必要な処理がネットワークを介して複数のコンピュータおよび/またはサービスに割り当てられる。
【0067】
本明細書に記載されている様々な実施形態を具現するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部または特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令シーケンス、またはそのサブセットの一部として具現されているかどうかにかかわらず、ここで「プログラムコード」と呼ばれる。プログラムコードは、一般に、様々なメモリおよび格納装置に常駐する1つ以上の命令を含み、1つ以上のプロセッサによって読み取りおよび実行されるとき、本開示の様々な態様を具現するステップまたは要素を実行するために必要なステップを実行する。また、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびシステムの文脈で説明されており、今後もそうであろうが、本明細書に記載されている様々な実施形態は、様々な形態のプログラム製品として配布されることができ、実施形態が実際に配布を実行するために使用される特定のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体に関係なく具現できることが理解されるであろう。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、揮発性および不揮発性メモリ装置、フロッピーおよび他のリムーバブルディスク、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気テープおよび光ディスク(例えば、CD-ROM、DVD)のようなタイプの非一時的な媒体を含む。
【0068】
また、以下で説明される様々なプログラムコードは、特定の実施形態で具現されるアプリケーションに基づいて識別できる。しかし、以下の任意の特定のプログラム命名法は、単に便宜のために使用されたものであり、したがって、本発明は、このような命名法によって識別および/または暗示された任意の特定アプリケーションでのみ使用するように制限されてはならないことを理解するべきである。また、コンピュータプログラムがルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどで構成できる一般的に無限の数の方式とプログラム機能が通常のコンピュータ(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレット)内に常駐する様々なソフトウェア層の間に割り当てられる様々な方式を考慮するとき、本開示は、本明細書に記載のプログラム機能の特定の組織および割り当てに限定されないことを理解するべきである。
【0069】
本開示の利点を有する当業者は、図5cに示される例示的な環境が本明細書に開示された実施形態を制限することを意図していないことを認識するであろう。実際、当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲から逸脱することなく、他の代替ハードウェアおよび/またはソフトウェア環境を使用できることを認識するであろう。
【0070】
本開示の態様において、可視光線は、約380nm~700nmの波長範囲を有すると定義されることができる。非可視光は、紫外線、赤外線などの可視光線領域外の波長を有する光として定義されることができる。約700nm~1mmの波長範囲を有する赤外線は、近赤外線を含む。本開示の態様において、近赤外線は、約700nm~1.6μmの波長範囲を有すると定義されることができる。
【0071】
本開示の態様において、「透明」という用語は、90%より大きい光透過率を有すると定義されることができる。一部の実施形態において、「透明」という用語は、可視光線の90%より大きい透過率を有する物質として定義されることができる。
【0072】
本明細書において、「処理ロジック」という用語は、本明細書に開示されている動作を実行するための1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)を含み得る。一部の実施形態において、メモリ(図示せず)は、演算を実行および/またはデータを格納するための命令を格納するために処理ロジックに統合される。また、処理ロジックは、本開示の実施形態に係る動作を実行するためのアナログまたはデジタル回路を含み得る。
【0073】
本明細書で説明する「メモリ」または「複数のメモリ」は、1つ以上の揮発性または不揮発性メモリアーキテクチャを含み得る。「メモリ」または「複数のメモリ」は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報格納のための任意の方法または技術で具現された取り外し可能および取り外し不可能媒体であり得る。メモリ技術の例においては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD、高精細マルチメディア/データ格納ディスクまたはその他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納装置、またはコンピューティング装置によってアクセスを可能にするように情報を格納するために使用できるその他の非送信媒体を含み得る。
【0074】
ネットワークは、ピアツーピアネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのパブリックネットワーク、プライベートネットワーク、セルラーネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、有無線組み合わせのネットワーク、および衛星ネットワークなどの任意のネットワークまたはネットワークシステムを含むが、これらに 限定されない。
【0075】
通信チャネルは、IEEE802.11プロトコル、SPI(Serial Peripheral Interface)、IC(Inter-Integrated Circuit)、USB(Universal Serial Port)、CAN(Controller Area Network)、セルラーデータプロトコル(例えば、3G、4G、LTE、5G)、光通信ネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISPs)、ピアツーピアネットワーク、LAN、WAN、パブリックネットワーク(例えば、「インターネット」)、プライベートネットワーク、衛星ネットワークまたは他のものを用いる1つ以上の有線または無線通信を含むか、またはこれらによってルーティングされることができる。
【0076】
コンピューティング装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、フィーチャーホン、サーバコンピュータなどを含み得る。サーバコンピュータは、データセンターに遠隔に位置するか、またはローカルに格納できる。
【0077】
前述したプロセスは、コンピュータソフトウェアおよびハードウェアの側面で説明される。説明された技術は、機械によって実行されるときに、機械が説明された動作を行うようにする有形または非一時的な機械(例えば、コンピュータ)可読格納媒体内に具現された機械実行可能命令を構成し得る。また、プロセスは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)などのハードウェア内に具現できる。
【0078】
有形の非一時的な機械可読格納媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、PDA、製造ツール、1つ以上のプロセッサセットを有する任意の装置など)によってアクセス可能な形態の情報を提供(例えば、格納)するための任意のメカニズムを含み得る。例えば、機械可読格納媒体は、記録可能/記録不可能媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリ装置など)を含む。
【0079】
要約書に説明されたものを含め、本開示の例示された実施形態についての前述の説明は、完全なものとして、または開示された正確な形態として本発明を限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態および例示が例示的な目的で本明細書に説明されているが、関連技術分野の技術者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0080】
このような本発明の修正は、前述の詳細な説明に照らして行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されてはならない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、これは特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線光フィールドをルーティングするように構成される導波管と、
前記導波管の周りに配置されるクラッディング(Cladding)と、
前記クラッディング内に形成される散乱アレイ(Scattering Array)と、を含み、前記散乱アレイは、前記導波管によってルーティングされる前記赤外線光フィールドを撹乱し、前記赤外線光フィールドを前記クラッディングの表面に向かって伝播する赤外線ビームに指向するように構成され
前記散乱アレイは、前記赤外線光フィールドのテール(Tail)が前記散乱アレイと相互作用し、光を前記赤外線ビームとして前記導波管の外部に散乱させることができるように、離隔距離だけ前記導波管から離隔されるLIDAR装置。
【請求項2】
記導波管は、前記散乱アレイと前記クラッディングの前記表面との間に配置される請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項3】
前記クラッディング当接する基板層をさらに含み、前記散乱アレイは、前記導波管および前記基板層と前記クラッディングの界面との間に配置される請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項4】
前記クラッディング内に形成される反射体層をさらに含み、前記導波管は、前記反射体層と前記散乱アレイとの間に配置され、前記反射体層は、前記赤外線ビームが前記基板層を通じて抜けるように前記赤外線ビームを指向するように構成される請求項3に記載のLIDAR装置。
【請求項5】
前記散乱アレイと前記界面との間の厚さおよび前記導波管と前記散乱アレイとの間の前記離隔距離は、前記赤外線光フィールドの下向き-散乱部分と相殺的干渉することによって前記赤外線ビームの強度を増加させるように構成される請求項3に記載のLIDAR装置。
【請求項6】
前記散乱アレイは、また、受信した赤外線ビームを前記導波管に結合するように構成され、前記受信た赤外線ビームは、前記LIDAR装置の外部環境におけるターゲットによる前記赤外線ビームの反射である請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項7】
前記クラッディングは、前記赤外線光フィールドに対して透明である請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項8】
前記導波管は、前記クラッディングの第2屈折率よりも高い第1屈折率を有する請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項9】
前記導波管は、前記導波管が前記散乱アレイに近づくにつれて、次第に細くなり、外側に広がり、前記散乱アレイは、徐々に外側に広がる請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項10】
前記赤外線ビームの偏光配向は、前記散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項11】
第2導波管-前記導波管の第1テーパは、前記第2導波管の第2テーパ内に延長される-をさらに含み、
前記散乱アレイは、第1偏光配向に前記赤外線光フィールドを散乱させるように構成され、第2偏光配向に第2赤外線光フィールドを散乱させるように構成された2次元結合器であり、前記第2赤外線光フィールドは、前記第2導波管によってルーティングされる請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項12】
前記導波管でルーティングされた前記赤外線光フィールドは、前記第2導波管で伝播する前記第2赤外線光フィールドに直交して伝播する請求項11に記載のLIDAR装置。
【請求項13】
前記導波管と前記第2導波管は、同じ層に形成される請求項11に記載のLIDAR装置。
【請求項14】
前記導波管は、シリコン窒化物である請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項15】
自律車両用の自律車両制御システムであって、前記自律車両制御システムは、
LIDAR装置-前記LIDAR装置は、
赤外線光フィールドをルーティングするように構成される導波管と、
前記導波管の周りに配置されるクラッディング(Cladding)と、
前記クラッディング内に形成される散乱アレイ(Scattering Array)と、を含み、前記散乱アレイは、前記導波管によってルーティングされる前記赤外線光フィールドを撹乱し、前記赤外線光フィールドを赤外線送信ビームに指向するように構成され、前記散乱アレイは、前記赤外線光フィールドのテール(Tail)が前記散乱アレイと相互作用し、光を前記赤外線送信ビームとして前記導波管の外部に散乱させることができるように、離隔距離だけ前記導波管から離隔される-と、
前記赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して前記自律車両を制御するように構成される1つ以上のプロセッサと、を含む自律車両制御システム。
【請求項16】
前記赤外線送信ビームの偏光配向は、前記散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する請求項15に記載の自律車両制御システム。
【請求項17】
前記LIDAR装置は、第2導波管をさらに含み、
前記散乱アレイは、第1偏光配向に前記赤外線光フィールドを散乱させるように構成され、第2偏光配向に第2赤外線光フィールドを散乱させるように構成された2次元結合器であり、前記第2赤外線光フィールドは、前記第2導波管によってルーティングされる請求項15に記載の自律車両制御システム。
【請求項18】
自律車両であって、前記自律車両は、
LIDARセンサ-前記LIDARセンサは、赤外線光フィールドをルーティングするように構成される導波管と、
前記導波管の周りに配置されるクラッディング(Cladding)と、
前記クラッディング内に形成される散乱アレイ(Scattering Array)と、を含み、前記散乱アレイは、前記導波管によってルーティングされる前記赤外線光フィールドを撹乱し、前記赤外線光フィールドを赤外線送信ビームに指向するように構成され、前記散乱アレイは、前記赤外線光フィールドのテール(Tail)が前記散乱アレイと相互作用し、光を前記赤外線送信ビームとして前記導波管の外部に散乱させることができるように、離隔距離だけ前記導波管から離隔される-と、
前記赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して前記自律車両を制御するように構成される1つ以上のプロセッサと、を含む自律車両。
【請求項19】
前記赤外線送信ビームの偏光配向は、前記散乱アレイ内の散乱体の長手方向と一致する請求項18に記載の自律車両。
【国際調査報告】