(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】スイッチング可能バイパスデバイスを備えるモジュール
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20231102BHJP
H01L 29/747 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H02M7/48 M
H01L29/747
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023531669
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 EP2021082298
(87)【国際公開番号】W WO2022112127
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボベッキー,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ハーフナー,イン-ジアン
【テーマコード(参考)】
5F005
5H770
【Fターム(参考)】
5F005AD01
5F005AE03
5F005EA00
5F005EA01
5H770AA04
5H770AA13
5H770DA23
5H770DA41
5H770DA44
5H770JA03X
5H770JA11X
5H770JA17X
5H770LA01X
(57)【要約】
モジュール(100)が規定され、モジュール(100)は、第1のモジュール接続部(108)と、第2のモジュール接続部(109)と、エネルギー貯蔵部(105)と、第1の電気スイッチ(101)と、第2の電気スイッチ(102)とを備え、スイッチング可能バイパスデバイス(1)が、第1のモジュール接続部(108)と第2のモジュール接続部(109)との間に配置され、スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、単一のトリガパルスに応答して双方向の通電状態を維持するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモジュール接続部(108)および第2のモジュール接続部(109)と、
エネルギー貯蔵部(105)と、
第1の電気スイッチ(101)および第2の電気スイッチ(102)と
を備えるモジュール(100)であって、
スイッチング可能バイパスデバイス(1)が、前記第1のモジュール接続部(108)と前記第2のモジュール接続部(109)との間に配置され、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、単一のトリガパルスに応答して双方向の通電状態を維持するように構成され、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、第1の主面(21)と第2の主面(22)との間に延在する半導体本体(2)を備え、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、前記第1の主面(21)上に配置された第1の主電極(31)と、前記第2の主面(22)上に配置された第2の主電極(32)とを備え、
前記半導体本体(2)は、第1の導電型の第1のベース層(51)と、前記第1の導電型の第2のベース層(52)と、前記第1のベース層(51)と前記第2のベース層(52)との間に配置された、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層(53)とを備え、
前記第1の主電極(31)は、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)の第1のサイリスタ機能要素(11)のためのカソードとして、および第2のサイリスタ機能要素(12)のためのアノードとして作用し、
前記半導体本体(2)は、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)が電圧転流に応答してオフにならないような電荷キャリア再結合寿命に関して構成され、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)がその保持電流を下回る場合に、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)のターンオフが発生する、モジュール(100)。
【請求項2】
前記第1の主電極(31)は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)および前記第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)に隣接し、
前記第1の主電極(31)は、前記第1のエミッタ領域(61)を介して前記第1のサイリスタ機能要素(11)のための前記カソードとして、および前記第1のエミッタ短領域(71)を介して前記第2のサイリスタ機能要素(12)のための前記アノードとして作用する、
請求項1に記載のモジュール(100)。
【請求項3】
前記第1のサイリスタ機能要素(11)および前記第2のサイリスタ機能要素(12)の各々は、前記第1のベース層(51)と前記第3のベース層(53)との間に形成されるp-n接合の全エリアを使用する、
請求項1または2に記載のモジュール(100)。
【請求項4】
前記第2の主電極(31)は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域(62)および前記第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域(72)に隣接する、
請求項1~3のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)は、前記第1の主面に向かって見たときに第2のエミッタ短領域(72)と重なる、
請求項4に記載のモジュール(100)。
【請求項6】
前記第1の主面(21)上の第1のエミッタ領域(61)および第1のエミッタ短領域(71)の配置は、前記第2の主面(22)上の第2のエミッタ領域(62)および第2のエミッタ短領域(72)の配置とは異なる、
請求項1~5のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項7】
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、前記第1の主面(21)上に第1のゲート電極(41)を備え、前記第1の主電極(31)は、互いに離間した複数の第1のセグメント(310)を備え、前記第1のセグメント(310)のうちの少なくともいくつかは、前記第1の主面(21)に向かって見て前記第1のゲート電極(41)によって完全に囲まれる、
請求項1~6のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項8】
前記第2の主電極(32)は、互いに離間した複数の第2のセグメント(320)を備え、前記第2のセグメント(320)のうちの少なくともいくつかは、前記第2の主面(22)に向かって見て前記第2のゲート電極(42)によって完全に囲まれる、
請求項7に記載のモジュール(100)。
【請求項9】
前記モジュール(100)は、ハーフブリッジ配置として、またはフルブリッジ配置として構成される、
先行する請求項のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項10】
前記モジュール(100)は、モジュール式マルチレベル変換器のために構成される、
先行する請求項のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項11】
前記モジュール(100)は、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)に並列に接続されたさらなるスイッチング可能バイパスデバイス(10)を備える、
先行する請求項のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項12】
前記モジュール(100)は、電気的または光学的にトリガされるように構成される、
先行する請求項のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項13】
前記スイッチング可能バイパスデバイスは、前記モジュール(100)内の障害、または所定値を超える前記モジュール(100)に印加される電圧を引き起こす外部障害の場合にトリガされるように構成される、
先行する請求項のいずれかに記載のモジュール(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
スイッチング可能バイパスデバイスを備えるモジュールが規定される。
【背景技術】
【0002】
モジュラーマルチレベル変換器(MMC)は、高電圧直流伝送(HVDC)および静的同期補償器(STATCOM)用途に広く使用されている。
【0003】
そのようなMMC変換器の典型的なサブモジュールは、ハーフブリッジまたはフルブリッジセル内のセルキャパシタを備え、多数のそのようなサブモジュールが電気的に直列に接続される。キャパシタの電圧は、アクティブスイッチによってセルの出力に接続される。これらのスイッチは、典型的には、逆並列接続された高速リカバリダイオードを有する絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)である。ダイオードは高いサージ電流に耐えることができないため、ダイオードを保護するためにバイパスデバイスが使用されている。スイッチングデバイスが、逆並列接続された高速ダイオードを有する金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である場合、同様の状況が現れる。
【0004】
これらのサブモジュールの要素が、例えばスイッチングデバイスの故障または通信エラーに起因して故障した場合、セルエネルギー貯蔵部の充電の制御されない状態が発生する可能性があり、これはサブモジュールまたはMMC変換器全体に対する潜在的なリスクである。
【0005】
国際公開第2011/107363A1号は、直列に接続された1つまたは複数のモジュールが故障した場合にMMCが機能し続けることを保証するための機械的バイパスを記載している。
【0006】
しかしながら、機械的バイパススイッチは、その機械的構成要素の慣性のために、それが導電状態になり、故障の場合に電流を安全に引き継ぐまでに一定期間を必要とする。この期間中、電流はモジュールに流れ続け、電気エネルギー貯蔵部を充電し続け、それによってエネルギー貯蔵部を損傷する可能性がある。一方、その後、エネルギー貯蔵部が機械的バイパススイッチを介して放電されると、拡大された貯蔵量のエネルギーが爆発的に熱に変換される可能性がある。さらに、モジュールの構成要素における電流方向の突然の反転により、モジュールのさらなる破壊または損傷が発生する可能性がある。
【0007】
中国特許第110829811号は、2つの逆並列サイリスタと並列に機械的バイパススイッチを使用することを提案している。しかしながら、例えば50Hz~数百Hzの周波数を有するAC電流が逆並列サイリスタを介してバイパスされる場合、逆並列サイリスタがオンになる前にサイリスタのうちの最初のサイリスタがオフにされなければならない。これは、バイパスの信頼性の低下をもたらす複雑なトリガプロセスを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、障害時に信頼性の高い保護を提供するモジュールを規定することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、とりわけ、請求項1に記載のモジュールによって達成される。開発および便宜は、さらなる請求項の主題である。
【0010】
少なくとも1つの実施形態によれば、モジュールは、
第1のモジュール接続部および第2のモジュール接続部を備える。モジュールは、エネルギー貯蔵部と、第1の電気スイッチおよび第2の電気スイッチとをさらに備え、スイッチング可能バイパスデバイスが、第1のモジュール接続部と第2のモジュール接続部との間に配置される。スイッチング可能バイパスデバイスは、単一のトリガパルスに応答して双方向の通電状態を維持するように構成される。
【0011】
障害時に、スイッチング可能バイパスデバイスは導通状態にされ、それによって第1のモジュール接続部から第2のモジュール接続部への電気的バイパスを提供することができる。例えば、スイッチング可能バイパスデバイスは、電気的または光学的にトリガされるように構成される。
【0012】
例えば、少なくとも50Hzの周波数を有する少なくとも交流電流が、単一のトリガパルスに応答してスイッチング可能バイパスデバイスを介して双方向に伝導されてもよい。換言すれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、通電状態(またはオン状態)になると、第1の主電極と第2の主電極との間の電圧の極性が変化しても導通状態のままである。したがって、印加電圧の極性が変化するたびにスイッチング可能バイパスデバイスを作動させる必要がない。例えば、スイッチング可能バイパスデバイスは、単一のパワー半導体デバイスである。
【0013】
少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、第1の主面と第2の主面との間に延在する半導体本体と、第1の主面上に配置された第1の主電極と、第2の主面上に配置された第2の主電極とを備える。例示的には、第1の主面および第2の主面は、スイッチング可能バイパスデバイスの両側に配置される。半導体本体は、第1の導電型の第1のベース層と、第1の導電型の第2のベース層と、第1のベース層と第2のベース層との間に配置された、第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層とを備える。第1の主電極は、スイッチング可能バイパスデバイスの第1のサイリスタ機能要素のためのカソードとして、および第2のサイリスタ機能要素のためのアノードとして作用する。
【0014】
阻止方向に対して、第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素は、例えば逆並列に配置される。
【0015】
例えば、第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型であり、またはその逆である。
【0016】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の主電極は、第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域および第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域に隣接する。例えば、第1の主電極は、第1のエミッタ領域を介して第1のサイリスタ機能要素のためのカソードとして、および第1のエミッタ短領域を介して第2のサイリスタ機能要素のためのアノードとして作用する。換言すれば、1つのサイリスタ機能要素のカソード短領域は、同時に逆並列サイリスタ機能要素のアノード領域として作用する。
【0017】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素の各々は、第1のベース層と第3のベース層との間に形成されるp-n接合の全エリアを使用する。例えば、第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素の各々は、第2のベース層と第3のベース層との間に形成されるp-n接合の全エリアを使用する。例えば、第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型である場合、第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素は、共通のp-n-pベース層シーケンスを使用することができる。2つの逆並列サイリスタ間の分離領域は省略されてもよい。第1、第2および第3のベース層は、横方向、すなわち第1の主面に平行に延びる方向に完全に構造化されていなくてもよい。さらに、スイッチング可能バイパスデバイスの同じ側に2つの別個の電極を設ける必要はなく、一方の電極は一方のサイリスタのためのアノードとして作用し、他方の電極は他方のサイリスタのためのカソードとして作用する。
【0018】
同じサイズの単一サイリスタに近い非常に高いサージ電流能力が、スイッチング可能バイパスデバイスに対して得られ得る。
【0019】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体本体は、スイッチング可能バイパスデバイスが電圧転流に応答してオフにならないような電荷キャリア再結合寿命に関して構成される。したがって、第1の主電極と第2の主電極との間の電圧の極性の変化は、スイッチング可能バイパスデバイスを非導通状態に切り替えることはない。例えば、スイッチング可能バイパスデバイスがその保持電流を下回る場合に、ターンオフが発生する。
【0020】
双方向サイリスタ装置の従来の用途では、サイリスタが電圧転流に応答してオフになることができることを確実にするために、n型およびp型ベース層内の過剰キャリアの寿命がp-n接合付近の電子照射またはイオン注入によって意図的に短縮される。陽子照射による局所寿命制御のこの方法は、例えば国際公開第2019/158594A1号に記載されている。
【0021】
対照的に、本バイパスデバイスでは、過剰な電荷キャリアの寿命は、オン状態で生成された電子正孔プラズマが転流中に非常にゆっくりと再結合するように意図的に大きく保たれ得る。高い寿命は、製造中に半導体本体を未照射のままにすること、すなわち、半導体本体の陽子または電子照射がないことによって得ることができる。ゼロ電流レベルの交差中に電子正孔プラズマの濃度が十分に高ければ、空間電荷領域(SCR)の形成が防止される。したがって、第1および第2の主電極間の電圧の極性が変化した場合、スイッチング可能バイパスデバイスはオン状態のままである。転流ターンオフはない。スイッチング可能バイパスデバイスがその保持電流を下回る場合にのみ、ターンオフが発生し得る。したがって、例えばゲート電極を介して、または光学的に、極性の一方についてオン状態に切り替えるための単一のトリガパルスは、両方の電流方向についてオン状態を維持するのに十分である。したがって、スイッチング可能バイパスデバイスは、ACスイッチとなり得る。
【0022】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、モジュールはハーフブリッジ配置として構成される。ハーフブリッジ配置は、第1のモジュール接続部と第2のモジュール接続部との間に2つの異なる電圧レベルを提供することができる。ハーフブリッジ配置では、スイッチなどの必要な構成要素の数が最小化される。
【0023】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、モジュールはフルブリッジ配置として構成される。フルブリッジ配置は、第1のモジュール接続部と第2のモジュール接続部との間に3つの異なる電圧レベルを提供することができる。例えば、フルブリッジ配置は、4つのスイッチを備える。
【0024】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、モジュールは、モジュール式マルチレベル変換器のために構成される。例えば、モジュールは、モジュール式マルチレベル変換器のセルのうちの1つとなる。例えば、各セルは電気的に直列に接続される。スイッチング可能バイパスデバイスを使用すると、モジュール式マルチレベル変換器内の故障の場合に、例えば1kAを超えるまたは10kAを超える高故障電流を確実に処理することができる。障害が発生している間、モジュールの絶縁ゲートバイポーラトランジスタのようなアクティブスイッチはオフに切り替えられることができ、モジュール式マルチレベル変換器は数マイクロ秒以内にブロックされ得る。IGBTに逆並列に接続された転流ダイオードは高いサージ電流に耐えることができないので、スイッチング可能バイパスデバイスをトリガすることによってダイオードが保護される。
【0025】
しかしながら、スイッチング可能バイパスデバイスは、他の用途、例えば100A以上の大電流を処理することができるスイッチング可能保護デバイスを必要とする電力用途にも適している。
【0026】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、モジュールは、スイッチング可能バイパスデバイスに並列に接続されたさらなるバイパスデバイスを備える。
【0027】
さらなるバイパスデバイスは、例えば、機械的スイッチである。さらなるバイパスデバイスを使用して、例えば長すぎる故障事象のために、スイッチング可能バイパスデバイスを過度に重い負荷から解放することができる。例えば、スイッチング可能バイパスデバイスは、さらなるバイパスデバイスよりも速くオン状態に切り替わる。さらなるバイパスデバイスもオン状態になると、バイパスされる電流の少なくとも一部は、さらなるバイパスデバイスを介して伝導され得る。
【0028】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、モジュール内の障害、または所定値を超えるモジュールに印加される電圧を引き起こす外部障害の場合にトリガされるように構成される。したがって、モジュールは、内部障害および外部障害の両方によって引き起こされる損傷から保護することができる。
【0029】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、第2の主電極は、第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域および第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域に隣接する。
【0030】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、第1の主面上の第1のエミッタ領域および第1のエミッタ短領域の配置は、第2の主面上の第2のエミッタ領域および第2のエミッタ短領域の配置とは異なる。例えば、領域の位置および横方向範囲の少なくとも一方が異なる。換言すれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、第1および第2の主面上のエミッタ領域およびエミッタ短領域の配置に関して非対称である。異なる配置によって、スイッチング可能バイパスデバイスは、スイッチング可能バイパスデバイスの特性が電圧極性に関して異なるように構成されてもよい。例えば、アノード-カソード電圧の1つの極性について、スイッチング可能バイパスデバイスのサージ電流能力は低下し、その結果、デバイスは保護短絡として作用することができない。電圧の極性が反対の場合、デバイスは電流障害をバイパスし続け、潜在的な過電圧を制限する(クロウバー動作)。
【0031】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、少なくとも1つの第1のエミッタ領域は、第1の主面に向かって見たときに第2のエミッタ短領域と重なる。この配置を使用して、第1の主電極と第2の主電極との間の半導体本体内の電流経路の長さを短縮して、スイッチング可能バイパスデバイスのオン状態電圧降下を最小化することができる。
【0032】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、高々1つのゲート電極を備える。例えば、第1のゲート電極が第1の主面上に形成される。ゲート電極を使用して、スイッチング可能バイパスデバイスをオン状態にすることができる。第2の主面は、ゲート電極を有していなくてもよい。スイッチング可能バイパスデバイスはまた、光学的にトリガされるように構成されてもよい。この場合、ゲート電極は、光ケーブル(ライトガイド)を介して光学的にトリガされ得る感光性トリガ領域に置き換えられる。
【0033】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、第1の主面上に第1のゲート電極を備え、第1の主電極は、互いに離間した複数の第1のセグメントを備え、第1のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第1の主面に向かって見て第1のゲート電極によって完全に囲まれる。第1の主電極のセグメントを囲む第1のゲート電極は、非常に速くオンになるスイッチング可能バイパスデバイスを得ることを可能にする。例えば、第1のゲート電極は、第1の主面の全体に分布していてもよい。したがって、ゲート-カソード境界の長さが増加し、高速ターンオンのための増強されたdi/dt能力をもたらし得る。同時に、dV/dt能力は変化しないままであり得る。
【0034】
例えば、第1の主電極の第1のセグメントの各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域および第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域に隣接する。
【0035】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、スイッチング可能バイパスデバイスは、第2の主面上に第2のゲート電極を備える。この場合、スイッチング可能バイパスデバイスは、第1および第2のゲート電極を介して両方の電流方向に電気的にトリガされてもよい。
【0036】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、第2の主電極は、互いに離間した複数の第2のセグメントを備え、第2のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第2の主面に向かって見て第2のゲート電極によって完全に囲まれる。第1の主電極のセグメントを囲む第2のゲート電極は、両方の電流方向において非常に速くオンになるスイッチング可能バイパスデバイスを得ることを可能にする。例えば、第2のゲート電極は、第2の主面の全体に分布していてもよい。
【0037】
スイッチング可能バイパスデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のゲート電極は、第1のベース層とオーミックコンタクトを形成する。これは、例えば、第1のゲート電極と第1のベース層との間にp-n接合が存在しないことを意味する。これに応じて、第2のゲート電極は、第2のベース層とオーミックコンタクトを形成してもよい。
【0038】
例えば、スイッチング可能バイパスデバイスは、同じデバイス内の2つの逆並列接続サイリスタ構造(第1のサイリスタ機能要素および第2のサイリスタ機能要素)にアノード領域とカソード領域との交互嵌合を提供して、2つの逆並列サイリスタ間の分離領域の必要性を回避することができる。さらに、ゲート領域の交互嵌合は、第1および第2の主面の少なくとも一方に設けられてもよい。
【0039】
スイッチング可能バイパスデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のゲート電極は、複数の第1のセルを有する第1のグリッド構造を備える。第1のセルは、第1の主面に向かって見て多角形形状を有してもよい。例えば、第1のセルは、六角形、八角形または四角形の形状を有することができる。例えば、スイッチング可能バイパスデバイスは、20~2000個の第1のセルを備える。セルの数は、スイッチング可能バイパスデバイスの特定の要件に応じて広範囲で変化させることができる。
【0040】
スイッチング可能バイパスデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のグリッド構造は、少なくとも複数の領域でハニカムパターンを形成する。例えば、ハニカムパターンは、正六角形によって形成される。
【0041】
スイッチング可能バイパスデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、複数の第1のエミッタ短領域が、第1のセルのうちの1つの中に配置される。例えば、第1のセルのうちの1つの中の第1のエミッタ短領域の数は、2以上100以下である。しかしながら、1つの第1のエミッタ短領域のみでも十分であり得る。
【0042】
スイッチング可能バイパスデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、増幅ゲート構造が、第1のゲート電極および第2のゲート電極の少なくとも一方に統合される。増幅ゲート構造は、大きなウェハ領域にわたるトリガ電流の迅速な横方向分布によって短いターンオン時間を得るのに役立つ。増幅ゲート構造を使用することにより、第1のゲート電極および第2の電極の両方に対して短いターンオン時間を両方の電流方向において得ることができる。
【0043】
スイッチング可能バイパスデバイスの少なくとも1つの実施形態によれば、第1のゲート電極および第2のゲート電極は、同じベース形状を有する。換言すれば、第2のゲート電極は、第1のゲート電極のコピーまたは少なくとも相似のコピーを表す。
【0044】
このようにして、両方の電流方向に対するスイッチング可能バイパスデバイスの対称的な挙動が容易になる。
【0045】
例示的な実施形態および図において、同様の、または同様に作用する構成部品には同じ参照符号が付されている。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。特に明記しない限り、一実施形態における部分または態様の説明は、別の実施形態における対応する部分または態様にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】モジュールの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】モジュールのさらなる例示的な実施形態を示す図である。
【
図3】スイッチング可能バイパスデバイスの例示的な実施形態を示す図である。
【
図4A】スイッチング可能バイパスデバイスの例示的な実施形態に対する時間の関数としての電流および電圧の測定値を示す図である。
【
図4B】
図4Aの3つの異なる段階におけるスイッチング可能バイパスデバイス内の電荷キャリア分布の概略図である。
【
図4C】
図4Aの3つの異なる段階におけるスイッチング可能バイパスデバイス内の電荷キャリア分布の概略図である。
【
図4D】
図4Aの3つの異なる段階におけるスイッチング可能バイパスデバイス内の電荷キャリア分布の概略図である。
【
図5A】スイッチング可能バイパスデバイスの例示的な実施形態の詳細を示す上面図である。
【
図5B】
図5Aのスイッチング可能バイパスデバイスの断面図である。
【
図6】スイッチング可能バイパスデバイスのさらなる例示的な実施形態の詳細を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図に示されている要素およびそれらの互いのサイズ関係は、必ずしも縮尺通りではない。むしろ、個々の要素または層の厚さは、より良い表現可能性のために、および/またはより良い理解のために、誇張されたサイズで表され得る。
【0048】
モジュール100の例示的な実施形態が
図1に示される。
モジュール100は、例えばMMCのハーフブリッジセルとして構成される。モジュール100は、エネルギー貯蔵部105と、第1のスイッチ101と、第2のスイッチ102とを備える。モジュール100は、第1のモジュール接続部108および第2のモジュール接続部109をさらに備える。
【0049】
第1および第2のスイッチの少なくとも一方は、例えば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を備えることができる。
【0050】
モジュール100は、第1のモジュール接続部108と第2のモジュール接続部109との間に配置されたスイッチング可能バイパスデバイス1をさらに備える。モジュール100の通常動作中、スイッチング可能バイパスデバイス1は非導通オフ状態にあり、その結果、スイッチング可能バイパスデバイス1を通る電流はない。第1のモジュール接続部108と第2のモジュール接続部109との間の電圧は、第1のスイッチ101および第2のスイッチ102の状態に依存する。第1のスイッチ101が開いており、第2のスイッチ102が閉じている場合、第1のモジュール接続部108と第2のモジュール接続部109との間の電圧差は、エネルギー貯蔵部105の電圧に対応する。第1のスイッチ101が閉じており、第2のスイッチ102が開いている場合、第1のモジュール接続部108と第2のモジュール接続部109との間に電圧差はないか、または少なくとも有意な電圧差はない。
【0051】
障害の場合、スイッチング可能バイパスデバイス1は、第1のモジュール接続部108と第2のモジュール接続部109との間にエネルギー貯蔵部105ならびに第1および第2のスイッチ101、102を回避する電気的バイパスが存在するようにオン状態に切り替えられ得る。
【0052】
例えば、スイッチング可能バイパスデバイス1は、逆並列に配置され、共通の半導体本体に一体化された第1のサイリスタ機能要素11および第2のサイリスタ機能要素12を含む。スイッチング可能バイパスデバイス1の例示的な実施形態は、
図3~
図6に関連してより詳細に説明される。
【0053】
モジュール100は、例えば機械的スイッチであってもよいさらなるバイパス10をさらに備えてもよい。機械的スイッチを使用して、例えば長すぎる故障事象中に、スイッチング可能バイパスデバイス1を過度に重い負荷から解放することができる。例えば、スイッチング可能バイパスデバイス1およびさらなるバイパスデバイス10は、同時にトリガされてもよい。機械的スイッチはまた、MMCシステムの電源電圧が0の条件での保護に用いることもできる。
【0054】
スイッチング可能バイパスデバイス1の高い信頼性のために、例えば、MMCで電圧がゼロの場合が他の手段によって回避される場合、機械的スイッチは不要になり得る。例えば、スイッチング可能バイパスデバイスは、所定量の過負荷の場合に不可逆的に永久短絡状態に切り替わるように構成されてもよい。例えば、所定量の過負荷に達すると、スイッチング可能バイパスデバイス内の伝導経路が溶融によって形成される。
【0055】
単一のトリガパルスは、スイッチング可能バイパスデバイス1がさらなるバイパスデバイス10によって短絡されるまで、または障害がクリアされるまで、スイッチング可能バイパスデバイス1が恒久的にオン状態に留まるのに十分である。これは、
図4A~
図4Cに関連してより詳細に説明される。
【0056】
トリガは、電気信号を介して実行されてもよい。しかしながら、光トリガを使用することもできる。スイッチング可能バイパスデバイスのゲート電極を介した電気的トリガの場合、故障の場合のターンオン順序は、アノードとカソードとの間の電圧の極性がスイッチング可能バイパスデバイスの対応するサイリスタ機能の順方向遮断の極性に対応するゲート電極にトリガパルスが提供されるように与えられ得る。
【0057】
トリガはまた、同時に2つのゲートにもたらされる電気信号または光信号を介して実行されてもよい。したがって、モジュールを制御する制御システムは、アノード-カソード電圧の極性を考慮する必要がない。すべてのトリガオプションについて、保護を作動させるためには単一のゲートトリガパルスのみが必要である。これは、従来技術と比較して実質的に単純化されている。
【0058】
重大な内部障害のさらなる例は、MMC内のバルブAC端子の地絡障害であり、その結果、セルの一部が過剰な充電に起因して異常に高い電圧を受ける可能性がある。この場合、セルのさらなる充電を防止するターンオン命令がスイッチング可能バイパスデバイス1に送信されてもよい。したがって、セルの過電圧が防止される。MMCの内部障害により、MMC全体がシャットダウンされ、その結果、スイッチング可能バイパスデバイス1を通る電流は最終的に0になる。これにより、モジュールが次に通電されたときにモジュールが正常に機能するように、スイッチング可能バイパスデバイス1がオフ(または開放)状態に切り替わる。
【0059】
図2に示す例示的な実施形態は、
図1に関連して説明したものに本質的に対応する。そこから出発すると、モジュール100は、2つの追加のスイッチ、すなわち第3のスイッチ103および第4のスイッチ104を有するフルブリッジ配置として構成される。フルブリッジ配置を使用して、第1のモジュール接続部108と第2のモジュール接続部109との間の3つの異なる電圧レベルを得ることができる。しかしながら、ハーフブリッジ配置と比較して、これは追加のスイッチという犠牲を払っている。
【0060】
第1のスイッチ101および第3のスイッチ103が閉じている場合、第1と第2のモジュール接続部108、109の間の電圧は、エネルギー貯蔵部105の正電圧に対応する。
【0061】
一方、第2のスイッチ102および第4のスイッチ104が閉じている場合、電圧はエネルギー貯蔵部105の負電圧に対応する。第2のスイッチ102および第3のスイッチ103または第1のスイッチ101および第4のスイッチ104が閉じている場合、第1および第2のモジュール接続部の電圧はゼロである。
【0062】
スイッチング可能バイパスデバイス1は、バイパス保護を必要とする他のモジュールにも適している。
【0063】
図3は、スイッチング可能バイパスデバイス1の例示的な実施形態を概略破断図で示す。スイッチング可能バイパスデバイス1は、第1の主面21と第2の主面22との間に延在する半導体本体2を備える。
【0064】
半導体本体は、第1の導電型の第1のベース層51と、第1の導電型の第2のベース層52と、鉛直方向において第1のベース層51と第2のベース層52との間に配置された、第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層53とを備える。第1の主電極31が第1の主面21上に配置され、第2の主電極32が第2の主面22上に配置される。例えば、第1の導電型はp型であり、第2の導電型はn型であり、またはその逆である。
【0065】
第1の主電極31は、第1のサイリスタ機能要素11のためのカソードとして、および第2のサイリスタ機能要素12のためのアノードとして作用する。第2のサイリスタ機能要素12では、第1の主電極31は第1のエミッタ短領域71を介してアノードとして作用する。第1のサイリスタ機能要素11および第2のサイリスタ機能要素12は、矢印を使用して
図3に示されている。これらの機能要素は、同じ半導体本体2内に配置された2つの逆並列接続サイリスタ構造を表す。
【0066】
第1の主電極31は、第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域61および第1の導電型の複数の第1のエミッタ短領域71に隣接する。
【0067】
第2の主電極は、第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域62および第1の導電型の複数の第2のエミッタ短領域72に隣接する。第1のサイリスタ機能要素11は、この実施形態では、アノードとして作用する第2のエミッタ短領域72、第2のベース層52、第3のベース層53、第1のベース層51および第1のエミッタ領域61によって形成される。
【0068】
これに応じて、第2のサイリスタ機能要素12は、アノードとして作用する第1のエミッタ短領域71、第1のベース層51、第3のベース層53、第2のベース層52および第2のエミッタ領域62によって形成される。その結果、エミッタ短領域71、72はまた、関連する逆並列サイリスタ機能要素のアノードの機能を果たす。
【0069】
第1のベース層51と第3のベース層53との間、および、第3のベース層53と第2のベース層52との間には、半導体本体2の全エリアにわたって延在するp-n接合が形成される。したがって、第1のサイリスタ機能要素11および第2のサイリスタ機能要素12の両方がこれらのp-n接合の全エリアを使用し得る。このようにして、同じサイズの単一サイリスタに近い高いサージ電流能力が得られ得る。
【0070】
半導体本体2は、例えば、シリコンを含む。しかしながら、他の半導体材料、例えばSiC(炭化ケイ素)を使用することもできる。
【0071】
スイッチング可能バイパスデバイス1は、第1の主面21上の第1のゲート電極41と、第2の主面22上の第2のゲート電極42とをさらに備える。2つのゲート電極を有するスイッチング可能バイパスデバイス1は、両方の電流方向に対してオンにすることができる。
【0072】
しかし、第1および第2のゲート電極41、42の一方を省略してもよい。
第1のゲート電極41は、第1の主面21に隣接する半導体本体2の第1のゲートコンタクト領域91を介して、第1のベース層51とオーミックコンタクトを形成する。第2のゲート電極42は、第2の主面22に隣接する半導体本体2の第2のゲートコンタクト領域92を介して、第2のベース層52とオーミックコンタクトを形成する。第1のゲートコンタクト領域91および第2のゲートコンタクト領域92は、第1のベース層51と同じ導電型である。
【0073】
図示の例示的な実施形態では、増幅ゲート構造8は、第1のゲート電極41および第2のゲート電極42に一体化されている。増幅ゲート構造8は、第1のゲート電極41のセクション80を備える。セクション80は、例えば、第1のゲート電極パッドの周囲に延在するリング状に形成される。第1のゲート電極パッドは、第1のゲート電極41に外部トリガ電流を印加するための外部コンタクトとして構成される。セクション80は、第1の導電型の第1の部分領域81および第2の導電型の第2の部分領域82と重なる。これにより、第1のゲート電極パッドを介して第1のゲート電極41に印加される電流パルスが増幅される。原則として、これは、サイリスタ本体内に集積された2つのバイポーラトランジスタのダーリントン構成である。
【0074】
半導体本体2は、スイッチング可能バイパスデバイス1が電圧転流に応答してオフにならないような電荷キャリア再結合寿命に関して構成される。これは、
図4A~
図4Dに関連して説明される。
【0075】
図4Aは、電流Iのほぼ線形減少中のゼロ電圧(または電流)交差点付近の時間の関数として、測定された電圧Vおよび電流Iを例示的に示す。
図4B~
図4Dは、
図4Aにおいて4B、4C、および4Dとラベル付けされた3つの異なる段階に対する第1の主電極31と第2の主電極32との間の電荷キャリア分布を示す。
【0076】
段階4Bでは、第1の主電極31はアノードとして作用し、第2の主電極32はカソードとして作用する。
図4Bに概略的に示すように、多数の電子および正孔が半導体本体2内で利用可能である。
【0077】
図4Aにおいて4Cとラベル付けされたゼロ電圧交差点において、利用可能な電荷キャリアの数は減少するが、電荷キャリアの寿命は非常に長いため、空間電荷領域の形成が防止される(
図4C)。スイッチング可能バイパスデバイス1は、自由電荷キャリアが完全に空乏化していないため、電流の極性を変更するだけでオン状態に戻ることができる(
図4Dに示す段階4D)。段階4Dにおいて、第1の主電極31はカソードとして作用し、第2の主電極32は逆並列サイリスタ機能要素のアノードとして作用する。
【0078】
これは、スイッチング可能バイパスデバイス1が、第1および第2の主電極31、32間の電圧の極性が変化した場合にオン状態のままであるACスイッチとなることを意味する。例えば、周波数は少なくとも50Hzである。したがって、1つのゲート電極を介した単一のトリガパルスは、両方の極性についてスイッチング可能バイパスデバイス1をオン状態に切り替えるのに十分である。このため、第1および第2のゲート電極の一方を省略してもよい。
【0079】
スイッチング可能バイパスデバイスが代わりに2つの個別のサイリスタ要素を備えていたとすれば、サイリスタ要素は、電圧の極性が変化するたびにトリガされなければならない。これは、ターンオン工程中に広がる横方向プラズマ(導電領域)の速度が制限されているために、ターンオンが比較的遅い大面積サイリスタにとって特に問題である。
【0080】
第1のゲート電極41および第2のゲート電極42の少なくとも一方は、スイッチング可能バイパスデバイス1のエリアにわたるゲートパルスの分布を改善するために、いくつかの分枝を備えることができる。例えば、分枝によって雪片に似た構造が形成されてもよい。第1および第2の主電極31、32は、いずれの場合も連続した要素として構成されている。
【0081】
半導体本体2は、フルウェハであってもよい。しかしながら、半導体本体2は、ウェハの一部であってもよく、その場合、スイッチング可能バイパスデバイス1は、処理されたウェハを個々のデバイスに個片化したチップである。この場合、スイッチング可能バイパスデバイスは、例えばガードリングまたは可変横方向ドーピング(VLD)を使用して、平面pn接合終端を備えることができる。同時に、逆阻止能力のために深いp型シンクを設けることができる。
【0082】
図5Aおよび
図5Bに示すスイッチング可能バイパスデバイスの例示的な実施形態は、
図3に関連して説明したものに本質的に対応する。
【0083】
そこから出発すると、第1の主電極31は、互いに離間した複数の第1のセグメント310を備える。第1のセグメント310の少なくとも一部、例えば第1のセグメントの少なくとも50%、または少なくとも90%、または全部は、第1の主面21に向かって見て、第1のゲート電極41によって完全に囲まれる。
【0084】
第1のゲート電極41は、第1のゲート電極パッド(図示せず)に接続された第1のグリッド構造411を備える。
【0085】
第1の主電極31の第1のセグメント310の各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域61および第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域71に隣接する。
【0086】
図5Aに示す例示的な実施形態では、第1のグリッド構造411は六角形の複数の第1のセル4110を含み、それによってハニカム構造を形成する。しかしながら、他の多角形の第1のセル、例えば四角形または八角形も第1のグリッド構造411に適用され得る。
【0087】
図5Bの断面図に示すように、第2の主電極32および第2のゲート電極42は、半導体本体の第2の主面22上に配置される。第2の主電極32は、第1の主電極31と同様に、複数の第2のセグメント320に分割される。第2のセグメント320の少なくとも一部、例えば第2のセグメント320の少なくとも50%、または少なくとも90%、または全部は、第2の主面22に向かって見て、第2のゲート電極42によって完全に囲まれる。
【0088】
第2の主電極32の第2のセグメント320の各々は、第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域62および第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域72に隣接する。
【0089】
スイッチング可能バイパスデバイス1の動作中、第1の主電極31の第1のセグメント310は、例えば導電性プレートまたは導電性ウェハを第1の主電極31に押し付けることによって、同じ電位に電気的に接触することができる。
図5Bに示すように、第1のグリッド構造411内の第1のゲート電極41の厚さは、第1の主電極31の厚さよりも小さい。したがって、第1のグリッド構造411はプレートまたはウェハと電気的接触を形成しない。第2の主電極32についても同様である。
【0090】
セルの数は、スイッチング可能バイパスデバイスの意図された用途に応じて、例えば10から5000の間で広い範囲で変化し得る。例えば、100mmの直径を有するデバイスは、第1のグリッド構造411によって形成された数百の第1のセルを備えてもよい。
【0091】
第1の主面21に向かって見た図は、第2の主面22に向かって見た図に対応してもよい。したがって、第2の主面22に向かって見た図は、図面に明示的に示されていない。例えば、第1の主電極31、第1のゲート電極41、第1のグリッド構造411、第1のセル4110、第1のエミッタ領域61および第1のエミッタ短領域71に関連して、第1の主面21上の構成に関連して説明した特徴およびパラメータは、同様に、例えば、第2の主電極32、第2のゲート電極42、第2のグリッド構造421、第2のセル4210、第2のエミッタ領域62および第2のエミッタ短領域72それぞれについて、第2の主面22上の対応する要素にも適用され得る。
【0092】
第1のセル4110の1辺4111の長さL1は、例えば、500μm以上5000μm以下、または、900μm以上3000μm以下である。長さL1が大きいほど、第1の主電極31の第1のセグメント310の連続エリアが大きくなる。
【0093】
第1のセル4110のうちの少なくとも1つの1辺の幅W1は、100μm以上2000μm以下、例えば100μm以上500μm以下である。辺の幅は、それらの厚さとともに、第1のグリッド構造411の断面を画定する。第1のグリッド構造411の厚さは、例えば、3μm以上30μm以下または5μm以上12μm以下である。例えば、これらのパラメータを使用して、第1のグリッド構造411の断面は、第1のゲート電極パッドから第1のグリッド構造411の最外エリアまでのゲート経路に沿った著しい電圧降下を回避するのに十分な大きさである。
【0094】
「長さ」および「幅」という用語は、横方向の延長を指す。厚さは、鉛直方向、すなわち第1の主面に垂直な範囲を指す。
【0095】
第1のエミッタ短領域71の最大横方向範囲E1は、例えば、50μm以上1000μm以下、または100μm以上500μm以下である。
【0096】
同じ第1のセル内の2つのエミッタ短領域71間のエッジ間距離D1は、例えば、200μm以上1000μm以下、または300μm以上500μm以下である。エミッタ短領域間の距離は、十分に高いdV/dtを提供するように適切に選択することができる。
【0097】
第1のグリッド構造411と、第1のグリッド構造に最も近く配置された第1のエミッタ短領域との間のエッジ間距離D2は、例えば、50μm以上400μm以下、または100μm以上200μm以下である。
【0098】
上記のパラメータは、既存のデバイス概念に適用されない設計規則を考慮に入れることができる。例えば、これは、1つのサイリスタ機能要素のカソード側のエミッタ短領域が、同時に逆並列サイリスタ機能要素のアノード領域として作用するためである。
【0099】
例えば、
図5Aとは異なり、1つの第1のセル内に配置された第1のエミッタ短領域71はまた、最大横方向範囲について異なる値を有してもよい。例えば、第1のセグメントのエッジの近くに配置されたエミッタ短領域は、それぞれの第1のセグメントの中心の近くに配置された第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲よりも小さくてもよい。
【0100】
代替的または追加的に、中央の第1のエミッタ短領域71は、いくつかのより小さい第1のエミッタ短領域71に置き換えられてもよい。
【0101】
例えば、第1のセルのエッジに近接して配置された第1のエミッタ短領域71は、100μm以上250μm以下の直径を有してもよく、セルの中心に近接して配置された第1のエミッタ短領域71は、150μm以上500μm以下の直径を有してもよい。
【0102】
図5Bに示す例では、各第1のセグメント310は、複数の第1のエミッタ短領域71と重なり、1つの第1のエミッタ短領域71は第1のセグメント310の中心に配置され、さらなる第1のエミッタ短領域71は第1のセグメント310の周囲に沿って配置される。しかしながら、1つのエミッタ短領域71もまた十分であり得る。
【0103】
記載されたデバイス構造は、第1および第2の主面上のゲート電極と主電極との間の界面面積が大幅に増加するため、高いdi/dt能力を提供する。従来のデバイスと比較して、ゲート電流パルスの印加後の短いターンオン時間を得ることができる。
【0104】
従来のデバイスでは、主電極エッジからの短領域の距離は、dV/dt能力に反比例するため、低く保たれている。これにより、di/dt能力が低下する。対照的に、dV/dtおよびdi/dtの高い値が、例えばゲート-カソード面積の大幅な増加に起因して、記載されたバイパスデバイスについて同時に得ることができる。
【0105】
図6の例示的な実施形態は、
図3に関連して説明したものに本質的に対応する。
そこから出発すると、第1の主面21上の第1のエミッタ領域61および第1のエミッタ短領域71の配置は、第2の主面上の第2のエミッタ領域62および第2のエミッタ短領域72の配置とは異なる。
【0106】
第1の主面に向かって見ると、第1のエミッタ領域61の少なくとも一部または全部は、第2のエミッタ短領域72の1つまたは複数と重なる。この配置を使用して、第1のサイリスタ機能要素11と第2のサイリスタ機能要素12との間の第1の主電極31および第2の主電極32の直流経路の長さは、第1のエミッタ領域61が第2のエミッタ領域62と同じサイズおよび位置を有する配置と比較して短縮され得る。したがって、スイッチング可能バイパスデバイスは、より薄いデバイス本体を有するかのように動作することができ、その結果、より低いオン状態電圧降下およびより低い電気損失をもたらす。
【0107】
さらに、異なる極性に対して異なる特性を意図的に得るために、異なる主面21、22上のエミッタ領域61、62およびエミッタ短領域71、72の非対称配置を使用することができる。
【0108】
例えば、異なる極性に対して異なる保護限界を得ることができる。例えば、異なる最大サージ電流の大きさを得ることができる。例えば、それらのうちの1つは低サージ電流で故障する可能性があり、第2のものは高サージ電流で故障する可能性がある。したがって、2つの異なる逆並列機能要素を単一のデバイスに組み込むことができる。これは、コストを削減し、かつ/またはより小さい設置面積を得るのに役立ち得る。
【0109】
スイッチング可能バイパスデバイス1の上述の非対称構成は、
図5Aおよび
図5Bの例示的な実施形態にも使用することができる。
【0110】
図3ならびに
図5Aおよび
図5Bの例示的な実施形態のように、スイッチング可能バイパスデバイス1は、1つのゲート電極のみまたは2つのゲート電極を備えることができる。
【0111】
本特許出願は、欧州特許出願第20209823.2号の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
なお、ここで説明する発明は、例示的な実施形態を参照して与えられた説明に限定されるものではない。むしろ、本発明は、この特徴またはこの組合せ自体が請求項または例示的な実施形態において明示的に示されていなくても、特に請求項における特徴の任意の組合せを含む、任意の新規な特徴および特徴の任意の組合せを包含する。
【符号の説明】
【0113】
参照符号のリスト
1 スイッチング可能バイパスデバイス
10 さらなるバイパスデバイス
100 モジュール
101 第1のスイッチ
102 第2のスイッチ
103 第3のスイッチ
104 第4のスイッチ
105 エネルギー貯蔵部
108 第1のモジュール接続部
109 第2のモジュール接続部
11 第1のサイリスタ機能要素
12 第2のサイリスタ機能要素
2 半導体本体
21 第1の主面
22 第2の主面
31 第1の主電極
310 第1のセグメント
32 第2の主電極
320 第2のセグメント
41 第1のゲート電極
411 第1のグリッド構造
4110 第1のセル
4111 辺
42 第2のゲート電極
421 第2のグリッド構造
4210 第2のセル
51 第1のベース層
52 第2のベース層
53 第3のベース層
61 第1のエミッタ領域
62 第2のエミッタ領域
71 第1のエミッタ短領域
72 第2のエミッタ短領域
8 増幅ゲート構造
80 セクション
81 第1の部分領域
82 第2の部分領域
91 第1のゲートコンタクト領域
92 第2のゲートコンタクト領域
L1 辺の長さ
W1 辺の幅
E1 第1のエミッタ短領域の最大横方向範囲
D1 エッジ間距離
D2 エッジ間距離
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモジュール接続部(108)および第2のモジュール接続部(109)と、
エネルギー貯蔵部(105)と、
第1の電気スイッチ(101)および第2の電気スイッチ(102)と
を備えるモジュール(100)であって、
スイッチング可能バイパスデバイス(1)が、前記第1のモジュール接続部(108)と前記第2のモジュール接続部(109)との間に配置され、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、単一のトリガパルスに応答して双方向の通電状態を維持するように構成され、
前記双方向の通電状態にある前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、前記エネルギー貯蔵部(105)と、前記第1の電気スイッチ(101)および前記第2の電気スイッチ(102)とをバイパスする前記第1のモジュール接続部(108)および前記第2のモジュール接続部(109)の間の電気的バイパスを形成し、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、第1の主面(21)と第2の主面(22)との間に延在する半導体本体(2)を備え、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、前記第1の主面(21)上に配置された第1の主電極(31)と、前記第2の主面(22)上に配置された第2の主電極(32)とを備え、
前記半導体本体(2)は、第1の導電型の第1のベース層(51)と、前記第1の導電型の第2のベース層(52)と、前記第1のベース層(51)と前記第2のベース層(52)との間に配置された、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第3のベース層(53)とを備え、
前記第1の主電極(31)は、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)の第1のサイリスタ機能要素(11)のためのカソードとして、および第2のサイリスタ機能要素(12)のためのアノードとして作用し、
前記半導体本体(2)は、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)が
前記第1の主電極(31)と前記第2の主電極(32)との間の電圧極性の変化に応答してオフにならないような電荷キャリア再結合寿命に関して構成され、
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)がその保持電流を下回る場合に、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)のターンオフが発生する、モジュール(100)。
【請求項2】
前記第1の主電極(31)は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)および前記第1の導電型の少なくとも1つの第1のエミッタ短領域(71)に隣接し、
前記第1の主電極(31)は、前記第1のエミッタ領域(61)を介して前記第1のサイリスタ機能要素(11)のための前記カソードとして、および前記第1のエミッタ短領域(71)を介して前記第2のサイリスタ機能要素(12)のための前記アノードとして作用する、
請求項1に記載のモジュール(100)。
【請求項3】
前記第1のサイリスタ機能要素(11)および前記第2のサイリスタ機能要素(12)の各々は、前記第1のベース層(51)と前記第3のベース層(53)との間に形成されるp-n接合の全エリアを使用する、
請求項1または2に記載のモジュール(100)。
【請求項4】
前記第2の主電極(
32)は、前記第2の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ領域(62)および前記第1の導電型の少なくとも1つの第2のエミッタ短領域(72)に隣接する、
請求項1~3のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項5】
少なくとも1つの第1のエミッタ領域(61)は、前記第1の主面に向かって見たときに第2のエミッタ短領域(72)と重なる、
請求項2に従属する場合の請求項4に記載のモジュール(100)。
【請求項6】
前記第1の主面(21)上の第1のエミッタ領域(61)および第1のエミッタ短領域(71)の配置は、前記第2の主面(22)上の第2のエミッタ領域(62)および第2のエミッタ短領域(72)の配置とは異なる、
請求項2に従属する場合の請求項4に記載のモジュール(100)。
【請求項7】
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、前記第1の主面(21)上に第1のゲート電極(41)を備え、前記第1の主電極(31)は、互いに離間した複数の第1のセグメント(310)を備え、前記第1のセグメント(310)のうちの少なくともいくつかは、前記第1の主面(21)に向かって見て前記第1のゲート電極(41)によって完全に囲まれる、
請求項1~6のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項8】
前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)は、前記第2の主面(22)上に
第2のゲート電極(42)を備え、前記第2の主電極(32)は、互いに離間した複数の第2のセグメント(320)を備え、前記第2のセグメント(320)のうちの少なくともいくつかは、前記第2の主面(22)に向かって見て前記第2のゲート電極(42)によって完全に囲まれる、
請求項7に記載のモジュール(100)。
【請求項9】
前記モジュール(100)は、ハーフブリッジ配置として、またはフルブリッジ配置として構成される、
請求項
1~8のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項10】
前記モジュール(100)は、モジュール式マルチレベル変換器のために構成される、
請求項
1~9のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項11】
前記モジュール(100)は、前記スイッチング可能バイパスデバイス(1)に並列に接続されたさらなるスイッチング可能バイパスデバイス(10)を備える、
請求項
1~10のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項12】
前記モジュール(100)は、電気的または光学的にトリガされるように構成される、
請求項
1~11のいずれかに記載のモジュール(100)。
【請求項13】
前記スイッチング可能バイパスデバイスは、前記モジュール(100)内の障害、または所定値を超える前記モジュール(100)に印加される電圧を引き起こす外部障害の場合にトリガされるように構成される、
請求項
1~12のいずれかに記載のモジュール(100)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
モジュールの少なくとも1つの実施形態によれば、第2の主電極は、互いに離間した複数の第2のセグメントを備え、第2のセグメントのうちの少なくともいくつかは、第2の主面に向かって見て第2のゲート電極によって完全に囲まれる。第2の主電極のセグメントを囲む第2のゲート電極は、両方の電流方向において非常に速くオンになるスイッチング可能バイパスデバイスを得ることを可能にする。例えば、第2のゲート電極は、第2の主面の全体に分布していてもよい。
【国際調査報告】