(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(54)【発明の名称】石炭焚きバーナにおける燃料のレーザ点火のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F23Q 13/00 20060101AFI20231102BHJP
F23N 5/20 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
F23Q13/00 D
F23N5/20 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532318
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-25
(86)【国際出願番号】 US2021072700
(87)【国際公開番号】W WO2022126074
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルタク、サミール ディンカル
(72)【発明者】
【氏名】グッバ、スリーニヴァサ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】ラクシュミ ナラヤナン、カメシュ
(72)【発明者】
【氏名】スリダラン、アルン クマール
(72)【発明者】
【氏名】マヘシュワリ、アンクール
(72)【発明者】
【氏名】リスティック、ドラギサ
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニヤン、モールシ
【テーマコード(参考)】
3K005
【Fターム(参考)】
3K005GA12
3K005GB04
3K005GB06
3K005JA06
(57)【要約】
【課題】石炭焚きバーナにおける燃料の新規点火システム及び方法を提供する。
【解決方法】
石炭空気混合物を点火するシステム及び方法は、流動する燃料と空気の混合物を燃焼用の火炉に輸送するように動作可能なバーナ管(100)を有するバーナ(14)と、上記管内に配置された第1の流れ誘導装置(118)であって、流動する燃料と空気の混合物の第1の部分をバーナ管内の所定の位置に導くように動作可能な第1の流れ誘導装置(118)とを含む。本システムは、バーナ管(130)内のレーザ点火装置(17)も含んでおり、レーザ点火装置は、レーザ光入力を有する第1の端部と光出力を有する第2の端部を有するレーザ管(110)と、レーザ光入力に動作可能に結合したレーザ光源(150)とを含む。レーザ光源はレーザを含む。レーザ点火装置は、燃料の第1の部分の少なくとも一部を点火するため、光出力からの光子をバーナ管内の上記位置に誘導する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼バーナアセンブリ(14)であって、当該燃焼バーナアセンブリ(14)が、
燃料源(16)と、
火炉(12)と、
前記燃料源から前記火炉へ燃料を輸送するための燃料輸送管(100)と、
前記燃料輸送管を通って前記火炉に輸送される燃料を点火するように構成されたレーザ点火装置(17)と
を備えており、前記レーザ点火装置が、
レーザ光源(150)と、
前記レーザ光源から前記燃料輸送管内の燃料にレーザ光のビームを届けるレーザ管(110)と、
前記燃料輸送管内に配置されて、前記燃料輸送管を流れる燃料の一部を受け入れる点火管(130)であって、レーザ光のビームが該点火管内の燃料を加熱して点火し、該点火管内での燃料の点火が、複数の点火ステージで起こる、点火管(130)と
を備える、燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項2】
前記燃料輸送管(100)が複数の流れ誘導装置(118)を備えており、該流れ誘導装置の各々は、燃料の流れの一部が前記点火管(130)の周りに流れてレーザ光のビームで照射されるように導くように構成されている、請求項1に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項3】
前記複数の流れ誘導装置(118)が、前記点火管(130)の入口の周りに配置された1以上の流れ誘導装置と、前記点火管の出口の周りに配置された1以上の流れ誘導装置とを備えており、前記点火管の入口の周りに配置された1以上の流れ誘導装置は、前記燃料輸送管(100)内の燃料の流れを前記入口に誘導して導くように構成され、前記点火管の出口の周りに配置された1以上の流れ誘導装置は、前記点火管の入口に入らなかった燃料の流れの部分を、前記点火管の出口を出る燃料の点火流と混合して点火させるため前記点火管の出口を出る燃料の点火流に誘導して誘導するように構成されている、請求項2に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項4】
前記複数の流れ誘導装置(118)がベンチュリ形装置を備える、請求項2に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項5】
前記レーザ管(110)の一部が前記燃料輸送管(100)内に配置され、前記燃料輸送管内に配置された前記レーザ管の部分が前記点火管から所定の間隔をおいて離間し、前記燃料輸送管内に配置された前記レーザ管の部分と前記点火管(130)との間の所定の間隔は、前記燃料輸送管内に輸送された燃料の粒子が前記点火管に入る前に再循環してレーザ光のビームにさらに照射される再循環ゾーン(163)を形成し、前記再循環ゾーン内の燃料の粒子は、レーザ光のビームの光子を吸収し、加熱されて粒子の一部の初期点火を引き起こし、該初期点火が、再循環ゾーン内の他の燃料粒子の吸収、加熱及び点火を引き起こす、請求項1に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項6】
前記点火管の複数の点火ステージが、火炎発生ステージと火炎成長及び伝播ステージとを含んでおり、前記火炎発生ステージが、前記再循環ゾーンから燃料粒子を受け取って、レーザ光のビームでさらに照射し、さらなる照射によって燃焼及び火炎発生をもたらし、前記火炎成長及び伝播ステージが、火炎発生ステージで燃焼及び火炎発生を起こした燃料粒子をレーザ光のビームで追加照射し、追加照射が、前記点火管から出て前記火炉に向かう火炎のさらなる成長及び伝播を招く、請求項5に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)
【請求項7】
前記点火管(130)の内壁が複数の点火流誘導装置(118)を備えており、該点火流誘導装置の各々が、燃料の流れを、前記レーザ管からのレーザ光のビームで照射するための前記点火管内の集中箇所に誘導するように構成されている、請求項7に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項8】
レーザ光のビームを前記点火管(130)に誘導して誘導する光学装置(119)をさらに備える、請求項1に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項9】
システム(14)であって、当該システム(14)が、
石炭燃料源(16)と、
空気源(18)と、
火炉と、
前記石炭燃料源からの石炭と前記空気源からの空気の混合物をその燃焼のための火炉に輸送する燃料輸送管(100)と、
前記燃料輸送管を通って前記火炉に輸送される石炭と空気の混合物を点火するように構成されたレーザ点火装置(17)と
を備えており、前記レーザ点火装置が、
レーザ光源(150)と、
前記レーザ光源からのレーザ光のビームを前記燃料輸送管内の石炭と空気の混合物に届けるレーザ管(110)であって、該レーザ管の一部が、前記燃料輸送管内に配置されているレーザ管(110)と、
前記燃料輸送管内に配置されて、前記燃料輸送管内を流れる石炭と空気の混合物の一部を受け入れる点火管(130)であって、該点火管の入口が、前記燃料輸送管内に配置されたレーザ管の部分から所定の間隔をおいて離間し、レーザ光のビームが、石炭と空気の混合物を前記所定の間隔及び前記点火管において複数の点火ステージで加熱して点火する、点火管(130)と、
複数の流れ誘導装置(118)であって、該複数の流れ誘導装置の各々は、石炭と空気の混合物の流れの一部が前記点火管の周りを流れてレーザ光のビームで照射されるように導くように構成されている、複数の流れ誘導装置(118)と
を備えている、システム(14)。
【請求項10】
前記複数の流れ誘導装置が、前記点火管の入口の周りに配置された一対の対向する流れ誘導装置(118)と、前記点火管の出口の周りに配置された一対の対向する誘導装置とを備えており、前記点火管の入口の周りに配置された一対の流れ誘導装置は、前記燃料輸送管(100)内の石炭と空気の混合物の流れを前記入口に誘導して導くように構成されており、前記点火管の出口の周りに配置された一対の誘導装置は、前記点火管の入口に入らなかった石炭と空気の混合物の流れの部分を、前記点火管の出口を出る石炭と空気の点火流と混合して点火させるため前記点火管の出口を出る石炭と空気の点火流に誘導して誘導するように構成されている、請求項9に記載のシステム(14)。
【請求項11】
前記複数の流れ誘導装置(118)がベンチュリ形装置を備える、請求項9に記載のシステム(14)。
【請求項12】
前記燃料輸送管(100)内に配置された前記レーザ管(110)の部分と前記点火管との間の所定の間隔は、再循環ゾーン(163)を形成して、前記燃料輸送管内に輸送された石炭と空気の混合物中の石炭の粒子が前記点火管に入る前に該再循環ゾーン内で再循環してレーザ光のビームでさらに照射され、石炭の粒子は、レーザ光のビームの光子を吸収し、加熱されて石炭粒子の一部の初期点火を引き起こし、次いで再循環ゾーン内の他の石炭粒子の吸収、加熱及び点火を引き起こす、請求項9のシステム(14)。
【請求項13】
前記点火管(130)の複数の点火ステージが、火炎発生ステージと火炎成長及び伝播ステージとを含んでおり、前記火炎発生ステージが、再循環ゾーン(163)から石炭粒子を受け取って、レーザ光のビームでさらに照射し、さらなる照射によって燃焼及び火炎発生をもたらし、前記火炎成長及び伝播ステージが、火炎発生ステージで燃焼及び火炎発生を起こした石炭粒子をレーザ光のビームで追加照射し、追加照射が、前記点火管から出て前記火炉に向かう火炎のさらなる成長及び伝播を招く、請求項12のシステム(14)。
【請求項14】
前記点火管(130)の内壁が複数の点火流誘導装置(118)を備えており、該点火流誘導装置の各々が、石炭と空気の混合物の流れを、レーザ管からのレーザ光のビームで照射するための点火管内の集中箇所に導くように構成されている、請求項14のシステム(14)。
【請求項15】
前記燃料輸送管及び前記レーザ点火装置の周囲に位置する複数のセンサ(36,37)であって、該センサの各々が、石炭と空気の混合物の加熱及び点火に関連する動作状態を検出するように構成されている、複数のセンサ(36,37)と、
前記複数のセンサから検出された動作状態を受信して、検出された動作状態の関数としてレーザ点火装置による石炭と空気の混合物の加熱及び点火を制御するように構成された制御ユニット(200)と
をさらに備える、請求項9に記載のシステム(14)
【請求項16】
バーナアセンブリ(14)で燃焼のために燃料を点火する方法(400)であって、
燃料源からの燃料と空気源からの空気の混合物の流れを燃料輸送管(100)で火炉に輸送するステップと、
燃料と空気の混合物の流れの一部を、前記燃料輸送管内に配置された点火管(130)の入口に導くステップと、
レーザ光のビームを、点火管を通って輸送される燃料と空気の混合物に誘導するステップと、
点火管を通って輸送される燃料と空気の混合物を複数のステージ(162,163,164)で加熱及び点火するステップと、
燃料と空気の加熱及び点火された混合物を点火管から火炉へと供給するステップと
を含む、方法(400)。
【請求項17】
前記点火管の入口に入らなかった燃料と空気の混合物の流れの部分を、前記点火管の出口を出る燃料の点火流と混合して点火させるため前記点火管の出口を出る燃料の点火流に誘導して誘導することをさらに含む、請求項16に記載の方法(400)。
【請求項18】
前記点火管(130)の入口に入る前に燃料と空気の混合物から燃料の粒子をレーザ光のビームに通して再循環することをさらに含んでおり、燃料の粒子が再循環中にレーザ光のビームの光子を吸収し、加熱されて粒子の一部の初期点火を引き起こし、該初期点火が、前記点火管の入口の周りに位置する他の燃料粒子の吸収、加熱及び点火を引き起こす、請求項18に記載の方法(400)。
【請求項19】
前記点火管(130)を通って輸送される燃料の複数のステージでの加熱及び点火が、
前記点火管の第1のステージで燃料粒子を再循環した後に受け入れるステップと、
前記点火管の第1のステージでレーザ光のビームで燃料粒子を照射するステップであって、さらなる照射によって燃焼及び火炎発生をもたらす、ステップと、
前記点火管の第2のステージで燃焼及び火炎発生を起こした燃料粒子を受け入れるステップと、
前記点火管の第2のステージで燃焼及び火炎発生を起こした燃料粒子をレーザ光のビームで追加照射するステップであって、追加照射がさらなる火炎成長及び伝播を招く、ステップとを含む、請求項18に記載の方法(400)。
【請求項20】
前記燃料輸送管(100)内の燃料と空気の混合物の流れの速度を所定の最小許容速度まで低下させることをさらに含んでおり、燃料と空気の混合物の流れの速度を低下させることによって、混合物がレーザ光のビームで照射される時間を最大限にする、請求項16に記載の方法(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載した実施形態は、一般に、石炭のレーザ点火のための評価及び制御方法並びにシステムに関する。さらに具体的には、石炭焚きボイラシステムにおける燃料の点火及び燃焼を制御する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラは通常、燃料を燃焼させて熱を生じさせ、蒸気を発生させる火炉を含む。燃料の燃焼によって熱エネルギー又は熱を生じさせて、蒸気を発生させる水のような液体を加熱して気化させるのに用いる。発生した蒸気は、発電のためのタービンの駆動又は他の目的のための熱を供給するのに使用できる。微粉炭、天然ガスなどの化石燃料は、ボイラ用の多くの燃焼システムで使用される慣用燃料である。燃料を燃焼させると、熱が発生するだけでなく、煤並びに煙道ガスも形成される。
【0003】
現在の電力市場は、ベース負荷から、再生可能エネルギー源の算入増加によってもたらされる周期的及びピーク負荷へと移行しつつある。多くの送電システムが直面している新たな課題は、そのような再生可能エネルギー源の突然かつ周期的な発電プロファイルに関連する送電網の安定性である。送電網に追加される再生可能エネルギー源が増加するにつれて、送電網の安定化に資するため化石燃料火力発電所の低出力での運転及び/又は急速起動の向上に対する必要性が高まっている。プラントを部分負荷で長時間運転することができ、かつ複数のコールドスタートを有することができれば、再生可能電力の送電網への浸透が進み、負荷変動による部品の応力及び疲労が軽減される。ただし、低電力でプラントを運転し、負荷変動への大規模プラントの対応力を高めるには課題がある。例えば、大規模発電所は大きな熱質量を呈し、加熱に時間がかかり、温度勾配性能が限られている。また、低プラント負荷での石炭焚き燃焼では、バーナの火炎安定性が低下する。
【0004】
低出力状態での運転性を確保するため、多くの場合、石油を燃焼させることによって追加の支持又は初期火炎を発生させる。しかし、石油点火装置は、現在の石炭プラントの運転プロファイルのために強調される幾つかの問題を示す。例えば、石油中の硫黄の存在による腐食の増加、可燃性の石油又は天然ガスの十分な貯蔵をプラントで維持しなければならないためのロジスティクスの複雑さの増大並びに運転コストの増加である。
【0005】
幾つかのシステムでは、石油系点火装置では火炎を発生させる必要性を解消するためプラズマ点火装置が商業的に配備されている。これらの点火装置は、複数の点火ステージによって石炭を直接点火し、空燃比及び燃料流量レベルの全範囲にわたって火炎を維持する。プラズマ点火装置では、高電圧源(点火領域に存在する)でプラズマ(高エネルギー荷電ガスイオン)を発生させる。プラズマは石炭粒子に衝突し、それらを加熱してついには着火させる。ただし、プラズマ点火装置には、コスト上昇につながる課題もある。例えば、プラズマ点火装置には、高い補助電力要件(120~150kW)、十分な電気絶縁性を備える中電圧電気ケーブル、大型の機器、腐食性電極の頻繁な交換、並びに石炭の流れに対する必要以上の障害物を伴う点火ランスが必要とされる。
【0006】
そこで、石油又は複雑なプラズマ点火装置を必要とせずに追加の支持又は初期火炎を生成するための新しい方法及びシステムが望まれている。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、燃焼バーナアセンブリが開示される。本燃焼バーナアセンブリは、燃料源と、火炉と、燃料源から火炉に燃料を輸送するための燃料輸送管と、燃料輸送管を通って火炉に輸送される燃料を点火するように構成されたレーザ点火装置とを備えており、レーザ点火装置は、レーザ光源と、レーザ光源から燃料輸送管内の燃料にレーザ光のビームを届けるレーザ管と、燃料輸送管内に配置されて、燃料輸送管を流れる燃料の一部を受け入れる点火管であって、レーザ光のビームが点火管内の燃料を加熱して点火し、点火管内での燃料の点火が複数の点火ステージで起こる、点火管とを備える。
【0008】
別の実施形態では、システムが開示される。本システムは、石炭燃料源と、空気源と、火炉と、石炭燃料源からの石炭と空気源からの空気の混合物をその燃焼のための火炉に輸送する燃料輸送管と、燃料輸送管を通って火炉に輸送される石炭と空気の混合物を点火するように構成されたレーザ点火装置とを備えており、レーザ点火装置は、レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光のビームを燃料輸送管内の石炭と空気の混合物に届けるレーザ管であって、レーザ管の一部が燃料輸送管内に配置されているレーザ管と、燃料輸送管内に配置されて、燃料輸送管内を流れる石炭と空気の混合物の一部を受け入れる点火管であって、点火管の入口が、燃料輸送管内に配置されたレーザ管の部分から所定の間隔をおいて離間し、レーザ光のビームが、石炭と空気の混合物を所定の間隔及び点火管において複数の点火ステージで加熱して点火する、点火管とを含む。本システムは、複数の流れ誘導装置をさらに備えており、流れ誘導装置の各々は、石炭と空気の混合物の流れの一部が点火管の周りを流れてレーザ光のビームで照射されるように導くように構成されている。
【0009】
さらに別の実施形態では、バーナアセンブリで燃焼のために燃料を点火する方法が開示される。本方法は、燃料源からの燃料と空気源からの空気の混合物の流れを燃料輸送管で火炉に輸送するステップと、燃料と空気の混合物の流れの一部を、燃料輸送管内に配置された点火管の入口に導くステップと、レーザ光のビームを、点火管を通って輸送される燃料と空気の混合物に誘導するステップと、点火管を通って輸送される燃料と空気の混合物を複数のステージで加熱及び点火するステップと、燃料と空気の加熱及び点火された混合物を点火管から火炉に供給するステップとを含む。
【0010】
本開示の技術によって追加の特徴及び利点も実現される。本開示の他の実施形態及び態様については、本明細書中で詳しく説明する。その利点及び特徴と共に本開示の理解を深めるため、本願の明細書及び図面を参照されたい。
【0011】
添付の図面と併せて、非限定的な実施形態に関する以下の説明を参照することによって、本願記載の実施形態について理解を深めることができよう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係るボイラ及び点火システムを備える発電システムの概略図。
【
図2】一実施形態に係る例示的な点火管及び点火装置の断面図。
【
図4】一実施形態に係る点火方法のフローチャート。
【発明の実施の形態】
【0013】
以下、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明し、その実施例を図面に示す。図面を通して、同一又は同様の部品には、できるだけ同じ符号を用いた。本願では、排熱回収ボイラシステムにおける微粉炭ボイラを参照して様々な実施形態について説明するが、かかる参照は例示にすぎない。一般に、本願記載の実施形態は、限定されるものではないが、微粉炭発電プラントで利用される微粉炭バーナを始めとして、燃料焚き燃焼システムのあらゆる用途に適用し得る。その他のシステムとしては、例えば、限定されるものではないが、化学プラント、発電プラント、並びに限定されるものではないが、石炭を含めた広範な燃料を利用するボイラ、火炉及び燃焼式ヒータを始めとする、石炭焚き燃焼システムを用いる様々なタイプのプラントが挙げられる。例えば、想定されるボイラとしては、限定されるものではないが、T燃焼式及び壁面燃焼式微粉炭ボイラ、循環流動層(CFB)及びバブリング流動層(BFB)ボイラ、ストーカボイラ、制御循環式、自然循環式を含めたバイオマスボイラ用のサスペンションバーナ、及び超臨界圧ボイラその他の排熱回収ボイラシステムを挙げることができる。
【0014】
本明細書に記載される実施形態は、燃焼システムを有する発電システム並びにレーザ式点火及びその制御スキームに関する。特に、石油又はプラズマ点火の複雑さを必要とせずに初期火炎及び追加の火炎支持を生成するための方法。一実施形態では、火炎は、高出力レーザビームが流動微粉炭粒子に当たるカスタム設計の石炭バーナの内部で発生する。レーザからの光子の吸収によって粒子の温度が上昇し、所要の臨界温度に達した後に着火する。さらに、個々の粒子着火事象から放出されるエネルギーは、近隣の石炭粒子によって吸収される。これらの粒子も加熱されて着火する。このカスケードプロセスは、安定な火炎が発生するまで続く。
【0015】
図1は、幾つかの実施形態に係る発電用途で用いることのできるボイラ12を有する燃焼システム11を備える発電システム10を示す。ボイラ12は、接線方向燃焼ボイラ(T燃焼式ボイラとも呼ばれる)であっても又は壁面燃焼式ボイラであってもよい。燃料及び空気は、バーナアセンブリ14及び/又はそれに付随するノズルを介してボイラ12に導入される。燃焼システム11は、例えば石炭のような燃料を所望の細かさに粉砕するように構成された粉砕機16のような燃料源を含む。微粉炭は、一次空気を用いて粉砕機16からボイラ12へと送られる。空気源18は、一次、二次又は燃焼用空気をボイラ12に供給し、そこで燃料と混合して燃焼させる。ボイラ12が酸素燃焼される場合、空気源18は、流入空気流から又は大気から直接酸素を抽出する空気分離ユニットであってもよい。一実施形態では、1又は複数のバーナアセンブリ14は、本明細書でさらに詳しく説明する通り、粉砕機16からの燃料源及びレーザ点火装置17を含む。レーザ点火装置17は、限定されるものではないが、高出力レーザのための電力供給及び冷却システムと、高出力レーザと、光をバーナ位置に送るための光ファイバのような機構を含む。レーザ点火装置17及びレーザ管は、本明細書でさらに説明する通り、点火並びに火炎安定性のため、流動微粉炭にレーザ光を届ける。レーザ光は、高出力光の偶発的な漏れを避けるための予防措置を講じるために防護される。
【0016】
ボイラ12は、主バーナゾーン22の下に位置するホッパーゾーン20を含み、そこから灰を回収して後で除去することができる。ボイラ12の底には、2つの目的を果たす格子を設けてもよい。第一に、格子は、通風機34によって空気予熱器35を介してボイラ12内に供給される一次空気又は燃焼空気と呼ばれる燃焼、懸濁又は流動化ガス(流動層ボイラの場合)を導入するために利用される。第二に、格子は、ボイラ12からのボトムアッシュその他のデブリの除去を容易にする。ボイラ12は、ボイラ12内に空気及び空気燃料混合物が導入される主バーナゾーン22(ウィンドボックスとも呼ばれる)、並びに主バーナゾーン22で燃焼しなかった空気又は燃料が燃焼するバーンアウトゾーン24も含む。
【0017】
さらに、ボイラ12は、燃焼煙道ガスで蒸気を過熱することができる過熱器27を備える過熱器ゾーン26と、混合球又はドラム25に入る前に水を予熱することができるエコノマイザ31を備えるエコノマイザゾーン28とを含む。主バーナゾーン22では、回転する火球の形成をもたらすべく一次空気、微粉炭及び二次空気の制御された流れが燃焼システム11に導入される。エコノマイザ31に流入するボイラ給水は、蒸気タービン50並びに蒸気タービン50の下流の復水器57での使用に由来する。復水は、エコノマイザ31に入る前に、まず1以上の低圧予熱器(図示せず)を用いて蒸気によって加熱される。水管壁23へのボイラ12を通した水の循環を支援するためにポンプ40を用いてもよい。
【0018】
ボイラ12内での一次及び二次空気による燃料の燃焼は、煙道ガスの流れを生じさせ、煙道ガスは、エコノマイザゾーン28の下流の煙突を通して最終的に処理及び排出される。煙道ガスから熱を回収する最終ステップは、燃焼用空気予熱器35で行われ、そこで煙道ガス熱は、燃焼システム11で燃焼用空気として使用される空気を加熱するために用いられる。煙道ガス経路で空気予熱器35に続くのは、煙道ガスが煙突から大気に排出される前に、煙道ガス中に残る固体粒子を分離する静電フィルタ/集塵機又はバグフィルタ(図示せず)である。本明細書で用いる「下流」などの方向は、煙道ガスが流れる一般的方向を意味する。同様に、「上流」という用語は、「下流」の方向とは反対であり、煙道ガスの流れの方向と逆である。
【0019】
一般に、発電システム10、特に燃焼システム11の運転において、ボイラ12内での燃料の燃焼でボイラ12の水管壁23内の水が加熱され、次いで蒸気ドラム(又はその均等物)(以下、ドラム25という。)を通過する。加熱された蒸気は、次いで、過熱器ゾーン26内の過熱器27に導かれ、そこで煙道ガスによって蒸気に追加の熱が与えられる。過熱器27からの過熱蒸気は、次いで全体を符号60で示す配管システムを介してタービン50の高圧セクション52へと導かれ、そこで蒸気を膨張及び冷却させてタービン50を駆動し、発電機58を回転させて発電する。タービン50の高圧セクション52からの膨張蒸気は、次いで再熱器29に戻して蒸気を再加熱してもよく、しかる後、蒸気はタービン50の中圧セクション54に送られ、最終的にはタービン50の低圧セクション56に送られて、蒸気を順次膨張及び冷却させてタービン50を駆動する。
【0020】
図1に例示するように、燃焼システム11は、点火及び燃焼プロセス並びにボイラ運転に関する結果を監視及び制御するためのセンサ、アクチュエータ及び監視装置のアレイを含む。例えば、適切な制御及び動作を担保するとともに、燃焼システム11及びボイラ12の動作限界を超えないように担保するために、全体をまとめて符号36,37で示す温度及び圧力モニタをシステム全体で用いて、制御ユニット200と接続する。別の例では、燃焼システム11は、複数のバーナアセンブリ14に付随する各燃料導入ノズルに燃焼用の二次空気を供給する複数の流体流量制御装置30を含んでいてもよく、同様に制御ユニット200と接続される。一実施形態では、流体流量制御装置30は、各バーナアセンブリ14に付随する各燃料導入ノズルに供給される空気の量を変化させるように調整できる電気作動式空気ダンパであってもよい。
【0021】
ボイラ12は、火炉及びボイラ12の周囲の様々な空間位置で個別に制御できる他の空気ダンパ又は流体流量制御装置30を含んでいてもよい。流量制御装置30の各々は、各ノズル位置で所望の空燃比及び火炎温度が達成されるように、制御ユニット200によって独立に制御可能である。さらに、発電システム10は、複数の流体流量制御装置66を含んでいてもよく、一例では、システム10内の水又は蒸気の流れを制御する。一実施形態では、流体流量制御装置66は、通過流量を変化させるように調整できる電気作動弁であってもよい。流体流量制御装置66の各々は、例えば制御ユニット200によって個々に制御可能である。
【0022】
図1は、過熱器27、再熱器29及びエコノマイザゾーン28のエコノマイザ31から下流のボイラ12の後部煙道(又はバックドラフトセクション)33も示す。後部煙道33には、監視装置37を取り付けてもよい。ガスセンサ37のような監視装置37は、後部煙道33内の一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO
2)、水銀(Hg)、二酸化硫黄(SO
2)、三酸化硫黄(SO
3)、二酸化窒素(NO
2)、一酸化窒素(NO)、酸素(O
2)などのガス種の測定及び評価のために適宜構成し得る。SO
2及びSO
3はSOxと総称される。同様に、NO
2及びNOはNOxと総称される。
【0023】
ボイラ12の運転に関して続けると、適宜、燃焼のための燃料と空気の所定の比率がバーナアセンブリ14の各々に与えられる。火炉内で燃料と空気の混合物が燃焼して煙道ガスが発生すると、燃焼プロセス及び生成した煙道ガスが監視される。特に、火球及び火炎の様々なパラメータ、火炉の壁面の状態並びに煙道ガスの様々なパラメータを検知及び監視してもよい。これらのパラメータを燃焼制御ユニット200に伝達して、メモリに格納されプロセッサによって実行される制御アルゴリズムに従って解析及び処理してもよい。制御ユニット200は、1以上の監視される燃焼及び煙道ガスパラメータ並びに火炉壁状態に応じて、ボイラ12に供給される燃料及び/又はボイラ12に供給される空気を制御するように構成される。
【0024】
図2は、一実施形態に係る燃焼システム11の一部としての一次バーナアセンブリ14及びレーザ点火システム17の簡略化されたブロック図を示す。一実施形態では、バーナアセンブリ14は、限定されるものではないが、既存のバーナアセンブリのものと同様に、粉砕機16からの微粉炭粒子(全体を符号102で示す)及び空気源18からの一次空気を輸送する管100を含む。本図において、管100は円形断面として記載されているが、かかる記載は例示を目的としたものにすぎない。管100は、本明細書に記載される実施形態の技術的範囲を限定することなく、円形、正方形、長方形、三角形又は多角形を始めとする様々な構成及び/又は断面のものとすることができる。
【0025】
一次バーナアセンブリ14の管100は、1以上の流れ誘導装置も備えており、全体を符号118で示し、個々を118a、118b、118cなどとして示す。流れ誘導装置118は、微粉炭粒子102及び管100内の空気の流れを導くのに役立つように動作可能である。1又は複数の流れ誘導装置は、管100又は点火管130或いはその両方の円周の周りに分布していてもよい。一実施形態では、流れ誘導装置118は、石炭粒子102をバーナアセンブリ14に誘導し、集束させるように動作する。流れ誘導装置118の機能は、機械的手段によってこの燃料の制御可能な分量を、点火装置、例えば、上述の実施形態のレーザ点火装置17による点火のために管100内の所定の位置に偏向させることである。バーナに投入される燃料の流れの大きさは、バーナの所望の動作点によって決まる。流れ誘導装置118は、本明細書でさらに詳しく説明する通り、集束又はコリメートレーザビームの空間エンベロープ内での石炭粒子102の滞留時間が最大となるように設計される。一実施形態では、流れ誘導装置118は、制御可能なベンチュリポートであってもよい。別の実施形態では、流れ誘導装置118は、静止又は制御可能なバッフル又はベーンであってもよい。一実施形態では、流れ誘導装置118は、管内の流れの方向転換を引き起こす可変形状を有する静止又は制御可能な構造として具体化してもよい。例えば、流れ誘導装置は、管100又は点火管130内の空気及び石炭粒子の流れに変更可能な調整又は補正を与えるため、直線又は湾曲した前縁を有し得る。一実施形態では、流れ誘導装置118は、本明細書でさらに説明する通り、レーザ点火装置17からのレーザ光に直接当てるために、石炭粒子102の流れを主として管100の中心に誘導するように動作する。別の実施形態では、流れ誘導装置118aの機能は、本明細書でさらに詳しく説明する通り、機械的手段によって管100内の燃料及び空気流の制御可能な分量を、任意構成要素である点火管130内に偏向させることである。
【0026】
一実施形態では、管100は、レーザ点火装置17を取り囲むように構成される。一実施形態では、管100は、必須ではないがレーザ点火装置17と実質的に同心に構成される。レーザ点火装置17は、レーザ管110と名付けられる第2の管110を含んでおり、レーザ管110及び任意構成要素である点火管130を通してレーザ光が導かれる。レーザ管110は、第1の端部114にレーザ入力112及び空気入力113を有しており、第2のすなわち出口端部116に集束レンズ119を有する。空気入力113は、レーザ管110の長さに沿って空気を導いて、冷却を提供し、レーザ管110を正圧に維持するとともに、レーザ管110が清浄な状態に保たれるように流れを維持し、管100から石炭粒子102の入り込まないように担保する。
【0027】
レーザ入力112は、限定されるものではないが、制御可能な電源に動作可能に接続されたレーザ光源150からの入力を含んでいてもよい。レーザ光源150は、レーザダイオード(図示せず)、ファイバレーザ或いは高出力CW又はパルスレーザを含んでいてもよく、レーザ光源からの光は、光ファイバ154と結合させるために所定のレンズ、格子、カプラなどを通して導かれる。レーザ光は、光ファイバ154を介してレーザ入力112と光学的に結合される。好適には、レーザ光源からのエネルギーをレーザ点火装置17に結合するのに1本以上の光ファイバ154を用いることによって、レーザダイオード光源150及び付随する光学系を、レーザ点火装置17及び燃焼システム11の過酷な環境からある程度離れた位置に配置することができる。一実施形態では、低出力レーザから複数のファイバ154でレーザ光を送り、レーザシステムの総出力が高くなるようにしてもよい。例えば、複数の低出力レーザを集合的に用いて、大きなビーム体積を有するレーザ光又はレーザビームを高強度で生成することができる。このようにして、累積エネルギーで流動する石炭粒子102が加熱されるが、レーザ加工の場合のようにレーザの「単一集光スポット」である必要はない。好適には、かかるモジュラー構造は、レーザ点火装置のコストを下げ、システムを柔軟かつスケーラブルにする。システムの総出力は、ファイバー及びレーザの数を追加することによって簡単に調整又は増大させることができる。さらに、この方式は、システムの堅牢性を促進し、燃焼システム11の点火システム全体のレーザ光源150内の単一故障点をなくす。連続波(CW)ファイバ結合レーザを利用して燃焼システム11からある程度離れた場所にレーザ光源150を配置できるようにすることは本明細書に記載した通り都合がよいが、かかる記載は例示を目的としたものにすぎない。他の実施形態及び構成も可能である。例えば、一連のミラー及び/又はレンズを通して高出力の自由空間結合光エネルギービームを用いることができる。
【0028】
レーザ入力において、光ファイバ154から放射される光子はコリメートされ、レーザ管110を介して点火ゾーンに送られ、レーザ管110は、好適には、本明細書に記載した通り冷却及びパージされる。レーザ管110内で、光子は、レーザ管110の内側である程度離れて位置するレンズ119を用いて、点火管130の入口付近の所定の位置の狭いスポットサイズに集束される。別の実施形態では、光子は単にコリメートされたままで、レーザ管110から点火管130に導かれる。レーザ入力112を介して受け取られるレーザからの集束又はコリメート光子は、点火管130へと導かれる。その結果、レーザ管100は、従来のプラズマ点火装置よりも単純で小さい寸法のままであり、石炭の流れの侵入が少ない。レーザ管110でのパージ及び単純化された構成は、レーザ管110の汚損を最小限に抑制し、特に従来のプラズマ点火装置と比較してレーザ点火装置17のメンテナンス間隔が延びる。幾つかの実施形態では、レーザを点火管130の奥深くに集束させることが好適なこともある。例えば、レーザビームをバーナ内に集束させることが望ましいこともあるが、必ずしもレーザ管110の出口端部116近傍である必要はない。これは、所与のバーナ幾何形状においてレーザエネルギーによる石炭粒子102の所定の体積加熱を達成する上で望ましくなることがある。
【0029】
図2を参照し続けると、一実施形態では、レーザ点火装置17は、任意構成要素である点火管130も含む。点火管130は、レーザ管110に近い一端132で開口端を有する。点火管130は、管100と実質的に同心で管100内にあるとともにレーザ管110と実質的に同軸上にあるが、これは必須ではない。一実施形態では、点火管130は、空気及び石炭粒子102の流れの中でレーザ管110の軸方向下流に位置する。管100内の石炭粒子102及び空気流は、管100に配置された流れ誘導装置118によって導かれ、点火管130に入る。一実施形態では、符号118bで示す追加の流れ制御装置を点火管130内の内壁136に配置してもよい。これらの流れ誘導装置118bは、石炭粒子102及び空気の流れが点火管130を通って流れる際に点火管130内の所定の位置に石炭粒子102が濃縮するように導くために利用できる。一実施形態では、石炭粒子102は点火管130の実質的に中心に誘導されて、粒子102に当たって粒子に吸収されるレーザからの光子量ができるだけ多くなるようにする。一実施形態では、コリメート又は集束光子は、光子の焦点に濃縮させるため点火管130の実質的に中心に誘導される。一実施形態では、制御された量又は所定の量の石炭粒子102が臨界点火に達するようなレーザビームの光子及び石炭粒子102の分布を達成するのが望ましい。方向及び点火は、所要量を超えるレーザエネルギーを吸収する石炭粒子102が少なすぎる状況或いは逆にレーザエネルギーを吸収する石炭粒子102が多すぎる状態を点火装置17が回避できるように制御され、全体的な点火及び火炎伝播を達成するには点火される石炭粒子102が少なすぎる程度まで分割する。一実施形態では、この制御は、レーザビーム幾何形状とレーザビーム中を流れる石炭粒子102分布との相互作用を調和させることによって達成される。
【0030】
一実施形態では、管100は、それを用いる実施形態では、任意構成要素の点火管130を含むと含まないとにかかわらず、動作/点火の複数のステージ160に分割してもよい。幾つかの実施形態は任意構成要素の点火管130を利用するものとして記載されているが、かかる記載は例示にすぎない。燃焼システム11、特にレーザ点火装置17の記載された機能及び動作は、任意構成要素の点火管130の有無にかかわらず、実行し得る。
図3は、本明細書の実施形態で記載されるような多段点火プロセスの模式図であり、全体を符号160で示す点火及び燃焼の様々なステージを示す。一実施形態では、光子エネルギーの直接吸収による少数の石炭粒子102の点火のために、主にレーザ光子吸収を必要とするのは、符号162で示す点火の第1のステージだけである。管100又は点火管130の下流で、図に記載した通り第2のステージ164で、燃焼中の石炭粒子102が火炎を発生し、これが種となって第1のステージ162では点火されなかった多くの石炭粒子102(例えば、第1のステージでは点火されずに、第2の点火ステージ164に直接入ったもの)を加熱及び着火させる。その結果、第2のステージ164での点火は、点火管130内及び点火管130からバーナアセンブリ14内への点火及び火炎のさらなる膨張及び伝播を生じ、符号166に示すようにすべての石炭粒子が点火される。
【0031】
好適には、上述の実施形態は、石炭粒子にエネルギーを伝達するための中間熱伝達媒体(プラズマ又は火炎など)の必要性を解消する。上述の実施形態では、エネルギーは、レーザ光子自体によって石炭粒子102に直接送られる。光子が石炭粒子102に当たると、石炭粒子は光子のエネルギーを吸収して、加熱され、着火する。幾つかの実施形態では、点火プロセスを加速するため、予熱プロセスを用いてもよい。一実施形態では、点火管130は、レーザ光子が点火管130の内壁136に(石炭粒子102及び空気流の非存在下で)当たって点火管を加熱できるようにすることによって予熱される。別の実施形態では、点火管130は、点火管130内の石炭粒子を点火させ、もって点火管130を加熱することによって予熱される。この予熱は、点火管130を熱くし、石炭粒子102と空気の混合物を予熱し、もって光子吸収によって石炭粒子102を直接点火するのに必要なレーザ出力を低下させる。別の実施形態では、点火を促進するため、石炭粒子102の温度が上昇するように一次空気を予熱してもよく、レーザ点火が容易になり、石炭粒子102の温度を着火点を超えて上昇させるのに必要なレーザ出力を少なくすることができる。その結果、好適には、本明細書に記載のレーザ点火装置17は、既存のプラズマ点火装置の場合よりも、石炭バーナ14の点火に必要なレーザ出力が少ないと予測される。
【0032】
さらに別の実施形態では、さらなる空気流及び方向制御によって石炭粒子102のレーザ点火をさらに向上又は促進させることができる。一実施形態では、レーザ管110から出る空気速度を、周囲のバーナ及び管100内を流れる空気の速度よりも遅くしてもよい。かかる条件下では、点火ステージ162において全体を符号163で示す再循環ゾーン(例えば流れの渦)が、レーザビーム経路におけるレーザ管110の前方に生成するであろう。この再循環ゾーン163に捕捉された石炭粒子102は、レーザビームを複数回通過/横断して、レーザビーム内での滞留時間が増加し、光子を吸収して加熱される。その結果、この再循環は石炭粒子102が着火する確率を高め、これらの粒子102は、バーナ内の残りの石炭粒子102の点火をさらに促進する。一実施形態では、管100内を流れる石炭粒子102と空気の混合物の流れは、石炭と空気の混合物がレーザ管110から放射されるレーザビーム内に滞留する時間を最大にするために、所定の最小許容速度まで減速又は低下させることができる。こうして、石炭と空気の混合物は、再循環ゾーン及び点火管130の様々なステージでの照射時間を長くすることができる。別の実施形態では、流量制御装置118とレーザ管110及び/又は管100内での空気流速とを用いて、再循環ゾーン163を制御し、それによって初期点火及びその後の火炎の安定化のためのレーザ光の経路における石炭粒子102の滞留時間を制御してもよい。
【0033】
別の実施形態では、レーザ点火を促進するため、石炭粒子102及び/又は空気流速度を制御(本事例では低下)してもよい。速度を下げると、石炭粒子102が減速して、レーザビーム内を流れて光子を吸収する時間が長くなる。このような滞留時間の増加によって、石炭粒子がレーザビームから吸収するエネルギーが増える。かかるアプローチは、低出力を利用できるようにし、石炭粒子102を点火するためのレーザの定格を下げることができ、コスト削減につながる。
【0034】
プラズマ点火装置に比して上述の実施形態のレーザ点火装置17が有する別の潜在的利点は、エネルギー入力が、レーザ光を吸収する石炭粒子102だけに向けられ、レーザ光を吸収しない空気には向けられないことである。したがって、石炭粒子102の初期点火は、周囲の空気媒体も加熱してしまう石油、ガス又はプラズマ点火装置のような他の点火装置に比べて効率的に達成される。上述の実施形態のレーザ点火装置17の別の利点は、石油、ガス又はプラズマ点火装置では、石炭粒子102への熱エネルギーの伝達が典型的には激烈で乱雑であることである。その結果、乱雑さによって石炭粒子102の流れが乱れ、石炭粒子102の初期点火をシミュレート及び設計することが困難になる。レーザ光子は、石炭粒子102及び空気流を乱さずに、石炭粒子102に吸収されるため、石炭系燃焼システム11における石炭粒子102の点火のシミュレーション、設計及び制御が容易になる。その結果、点火装置17のための改良された点火特性を設計及び達成することができる。
【0035】
次いで
図4を参照すると、上述の実施形態において、方法400は、ボイラシステム12の燃焼システム11における点火を監視する。方法400は、プロセスステップ410に記載の通り、バーナ14の点火装置17に燃料及び空気を供給することによって開始される。本明細書に記載した通り、燃料は、石炭粒子102の形態の微粉炭及び空気であってもよい。一実施形態では、石炭粒子102は、本明細書に記載した通り、点火に望ましい所定の粒度のものになるように選別される。方法400では、続いて、プロセスステップ420に記載の通り、燃料と空気の混合物の第1の部分を管100内の所定の位置に誘導する。プロセスステップ430に記載の通り、適宜、燃料と空気の混合物の第1の部分の第1の分量を点火管130に誘導する。方法400は、続いてプロセスステップ440で、燃料の第1の部分の少なくとも一部を点火するため、レーザ管110からの光子を上記所定の位置に誘導する。任意の実施形態では、上記所定の位置は点火管130内にある。所定の位置は、レーザ管110から送られる光子の焦点に対応する。プロセスステップ450では、適宜、燃料と空気の混合物の第1の部分の第1の分量の別の部分を点火管130内に誘導し、そこでの燃料の燃焼を促進する。方法400は、続いて、プロセスステップ460で、バーナ14内又はバーナ14を通しての火炎の伝播を制御する。最後に、任意のプロセスステップ470に記載の通り、方法400は、点火管130の加熱を促進して点火管内での石炭粒子102の点火及び燃焼を促進するために、点火管の内壁136に光子を誘導することを含んでいてもよい。
【0036】
方法400の様々なステップを特定の順序で記載したが、その順序は必須ではなく、単に実施形態の例を例示するためにそのような順序で記載したにすぎない。幾つかのステップは、異なる順序で容易に実行できる。運用に際しての節約に加えて、上述の実施形態のレーザ点火システム17は、既存のプラズマ点火装置と比較して、資本コストの節約、スペースの節約及びエネルギーの節約、並びに単純化された設計及び構成をもたらす。特に、本明細書に開示した制御システムでは、バーナの至適性能のための燃料点火及び燃焼を精密に制御するためのレーザ点火装置の閉ループ制御を実施することができる。例えば、一実施形態では、石炭粒子102の点火を、機械的に移動可能で電気制御される流れ誘導装置118によって制御して、1つの所定の構成で点火を達成しつつ、さらに別の構成でもそれを維持するように流れを制御してもよい。このようなレーザ点火装置17の構成は、レーザエネルギーが石炭粒子102の流れを妨げないので、レーザ点火装置17として存在するよりも操作性及び効率が再度向上する。
【0037】
一実施形態では、圧力センサ及び/又は温度センサ120(
図2)は、必須ではないが、レーザ点火装置17における点火を監視するために利用し得る。必須ではないが、このようなセンサ120の利用は、レーザ点火装置17及び燃焼システム全体11の能力を広げ、システム14全体及び特に管100及び点火管130で用いることができる。例えば、バーナ管100内の圧力センサ120は、点火によるガスの急激な膨張があるときの指標を与えることができる。かかる圧力変化は、点火装置の点火制御を容易にするための初期点火の指標として役立てることができる。同様に、点火ステージ(例えば162、164)での熱電対、は、レーザ点火装置17によって持続的燃焼が達成されるのを担保する。測定温度は、制御された点火及び持続的燃焼を達成するのに使用できる。例えば、一実施形態では、レーザ出力は、石炭粒子102の初期点火を達成するために短時間高レベルに維持し、次いで点火を達成及び持続するために徐々に下げてもよい。その結果、レーザ光源150に要する平均出力が低減し、レーザ光源150のコストが削減される。
【0038】
制御ユニット200は、本明細書に記載される機能を実行して、本明細書に記載される結果を達成するために必要な電子機器、ソフトウェア、メモリ、記憶装置、データベース、ファームウェア、ロジック/ステートマシン、マイクロプロセッサ、通信リンク、ディスプレイ又は他のビジュアル又はオーディオユーザインタフェース、印刷デバイス並びにその他の入出力インターフェースを含んでいてもよい。例えば、上述の通り、一実施形態では、制御ユニット200は、発電システム10の内蔵又はモジュラー部品として具体化してもよく、1以上のプロセッサ又は処理モジュール(図示せず)及びシステムメモリ/データ記憶構造を含み、これらはランダムアクセスメモリ(RAM)及び読取り専用メモリ(ROM)を含んでいてもよい。モジュールのプロセッサは、1以上の従来のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、及び数値演算コプロセッサのような1以上の補助コプロセッサを含んでいてもよい。本明細書に記載のデータ記憶構造は、磁気、光及び/又は半導体メモリの適切な組合せを含んでいてもよく、例えば、RAM、ROM、フラッシュドライブ、コンパクトディスクのような光ディスク、及び/又はハードディスク又はドライブを含んでいてもよい。制御ユニット200は、統合マイクロコントローラの形態で具体化してもよく、本明細書に記載される機能、処理及び通信を実行するための様々なセンサ、制御弁、モジュールなどと接続するために、必要に応じて各機能を単一のパッケージ、ASIC又はFPGAに統合してもよい。
【0039】
さらに、本明細書に開示される方法400を実行するように燃焼システム11及びレーザ点火装置17を適合させるソフトウェアアプリケーションを、コンピュータ可読媒体から1以上のプロセッサのメインメモリに読み出してもよい。こうして、上述の実施形態では、本明細書に開示された方法をリアルタイムで実行し得る。一実施形態では、ソフトウェアアプリケーションにおける命令のシーケンスの実行は、1以上のプロセッサに本明細書に記載される方法/プロセスを実行させるが、記載された方法/プロセスを実行するためのソフトウェア命令の代わりに或いはそれと組合せてハードワイヤード回路を使用してもよい。したがって、一実施形態は、本明細書に記載した通り、ハードウェア及び/又はソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
【0040】
本明細書で用いる「コンピュータ可読媒体」という用語は、制御ユニット200の1以上のプロセッサ(又は本明細書に記載されるデバイスの他のプロセッサ)に実行のための命令を提供する或いは命令の提供に関与する任意の媒体をいう。かかる媒体は、限定されるものではないが、不揮発性媒体及び揮発性媒体を始めとする数多くの形態をとり得る。不揮発性媒体として、例えばメモリのような、光、磁気又は光磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体はダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含んでおり、通例、メインメモリを構成する。コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ(SSD)、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光学媒体、RAM、PROM、EPROM又はEEPROM(electronically erasable programmable read-only memory)、FLASH-EEPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、或いはコンピュータで読み取ることができる他の媒体が挙げられる。
【0041】
一実施形態では、センサ(例えば36)の各々は、制御ユニット200に配線接続されていてもよい。別の実施形態では、低電力通信インターフェースを用いてもよい。通信インターフェースは相互接続/ネットワークと接続し、システム10の部品と制御ユニット200などの1以上のコントローラとを相互接続する。ネットワークは、有線及び無線部品の組合せであってもよく、IPネットワークを始めとする通信ネットワークを活用することができる。相互接続/ネットワークは、有線部品又は無線部品或いはそれらの組合せを含むことができる。かかる有線部品は、通常のネットワークケーブル、光ファイバー、電気ワイヤ、或いはセンサ36、制御弁30,66、制御ユニット200及びボイラシステム10の他のデバイスが通信できる他のタイプの物理構造体を含んでいてもよい。ネットワークは、無線部品を含んでもよく、無線リンク、光リンク、磁気リンク、音波リンク、或いはセンサ、制御弁30,66及び制御ユニット200が通信できる他のタイプの無線リンクを含んでいてもよい。一実施形態では、無線通信インターフェース及び無線ネットワークを用いてもよい。例えば、通信インターフェースは、限定されるものではないが、上述の実施形態の実施を容易にするための様々な技術、技術及びプロトコルを使用してもよい。例えば、通信インターフェース及びネットワークは、イーサネット、WiFi(商標)、Bluetooth(商標)、NFCなどとして実現できる。ネットワークは、ハブアンドスポーク型構造を用いて或いはメッシュネットワーク構造として実現し得る。幾つかの実施形態では、無線メッシュネットワークを利用して、ボイラ12の周囲に配置された複数のセンサ、制御弁30,66が互いに通信し、測定値を整合し、データを制御ユニット200に戻すことができようにしてもよい。
【0042】
ボイラ12、特にレーザ点火システム17又は制御ユニット200は、様々な部品のための様々な分離モジュールを含むものとして具体化し得ると記載できるが、かかる記載は例示であり、一例にすぎない。1以上の実施形態では、記載された部品の全部又は一部の機能は、必要に応じて容易に統合又は組合せることができる。例えば、一実施形態では、センサ36、制御弁30,66、処理モジュール400及び通信インターフェース/ネットワークなどの機能は、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどにすべて又は部分的に統合してもよい。
【0043】
一実施形態で本明細書に記載されているのは、燃焼バーナ内で燃料を点火する方法である。本方法は、流動する燃料と空気の混合物を燃料バーナ内の点火装置に供給し、流動する燃料と空気の混合物の第1の部分をバーナ内の位置に誘導し、かつレーザからの光子を上記位置に誘導して燃料の第1の部分の少なくとも一部を点火させることを含む。
【0044】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、燃料と空気の混合物の第1の部分、第1の部分の第1の分量、及び第2の部分の少なくとも1つの流れを誘導することに少なくとも部分的に基づいて、バーナ内又はバーナを通しての火炎の伝播を制御することを含んでいてもよい。
【0045】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、上記制御が、流動する燃料と空気の混合物の第2の部分を、点火された第1の部分の少なくとも一部と混合するように誘導することに少なくとも部分的に基づくことを含んでいてもよい。
【0046】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、燃料と空気の混合物の第1の部分を点火管内の所定の位置に誘導することを含んでいてもよい。
【0047】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、燃料と空気の混合物の第1の部分の一部を点火管内の所定の位置に誘導することを含んでいてもよい。
【0048】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、燃料と空気の混合物の第1の部分を誘導する前に、レーザからの光子を点火管の内壁に誘導することによって点火管を予熱することを含んでいてもよい。
【0049】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、燃料の第1の部分の上記部分の燃料の少なくとも一部を点火するために、点火管内の位置にレーザからの光子を誘導することを含んでいてもよい。
【0050】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、燃料と空気の混合物の別の部分を点火管の外壁に沿って導くことによって点火管を冷却することを含んでいてもよい。
【0051】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、誘導が、管内の流れる燃料及び空気の方向を修正するように構成された流れ制御装置に基づくことを含んでいてもよい。
【0052】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本方法のさらなる実施形態は、コリメータで光子をコリメートすること及び光子をレンズで集束させることの少なくとも1つによって、上記位置に誘導される光子の強度を高めることを含んでいてもよい。
【0053】
また、別の実施形態で本明細書に記載されているのは、石炭空気混合物に点火するシステムである。本システムは、流動する燃料と空気の混合物を燃焼用の火炉に輸送するように動作可能なバーナ管と、上記管内に配置された第1の流れ誘導装置であって、流動する燃料と空気の混合物の第1の部分をバーナ管内の所定の位置に誘導するように動作可能な第1の流れ誘導装置と、バーナ管内のレーザ点火装置とを有するバーナを備える。レーザ点火装置は、レーザ管であって、レーザ光入力を有する第1の端部と、光出力を有する第2の端部とを有するレーザ管と、レーザ光入力に動作可能に結合したレーザ光源とを含む。レーザ光源はレーザを含み、レーザ点火装置は、燃料の第1の部分の少なくとも一部を点火するため、光出力からの光子をバーナ管内の上記位置に誘導する。
【0054】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、上記管内に配置された第2の流れ誘導装置を含んでいてもよく、第2の流れ誘導装置は、バーナ内又はバーナを通る火炎の伝播を制御するために管内の流動する燃料と空気の混合物の第2の部分を導くように動作可能である。
【0055】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、伝播の制御が、流動する燃料と空気の混合物の第2の部分を、点火された第1の部分の少なくとも一部と混合するように導くことに少なくとも部分的に基づくことを含んでいてもよい。
【0056】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、上記管内の点火管であって、レーザ管と実質的に同心でかつ燃料と空気の混合物の流れにおいて軸方向下流にある点火管を含んでいてもよい。
【0057】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、第1の流れ誘導装置が、燃料と空気の混合物の第1の部分を点火管内の所定の位置に導くことを含んでいてもよい。
【0058】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、点火管内に配置された第2の流れ誘導装置を含んでいてもよく、第2の流れ誘導装置は、流動する燃料と空気の混合物の第1の部分の少なくとも一部を所定の位置に誘導するように動作可能であり、レーザ点火装置は、燃料の第1の部分の少なくとも一部を点火するため、光出力からの光子を点火管内の上記位置に誘導する。
【0059】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、管内に配置された第3の流れ誘導装置を含んでいてもよく、第3の流れ誘導装置は、管内のに流動する燃料と空気の混合物の少なくとも別の部分を誘導するように動作可能である。
【0060】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、第3の流れ誘導装置が、燃料と空気の混合物の第1の部分、第1の部分の第1の分量及び第2の部分の少なくとも1つの流れを誘導することに少なくとも部分的に基づいて、バーナ内又はバーナを通る火炎の伝播を制御するように動作可能である。
【0061】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、レーザ管内の光子をコリメートするためのコリメータ及び上記位置に光子を集束させるためのレンズの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0062】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、レーザ光源がレーザ光入力から離間していることを含んでいてもよい。
【0063】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、レーザビームが複数のレーザビームの組合せによって形成されることを含んでいてもよい。
【0064】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、初期点火時にレーザ強度を第1のレベルまでスパイクし、しかる後に安定な点火を達成するためにレーザ強度を低下させることのように、所定の条件下でレーザの強度を変化させることを含んでいてもよい。
【0065】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、上記管及び点火管の少なくとも1つにおいて石炭粒子及び空気の流れを変化させるように構成し得る複数の異なるベンチュリ設計を含んでいてもよい。
【0066】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、初期点火のために石炭の流れを減速させることを含んでいてもよい。
【0067】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、点火管、上記管、石炭粒子、及び点火管に導かれる空気の少なくとも1つを予熱してもよい。
【0068】
上述の特徴の1以上に加えて或いは代えて、本システムのさらなる実施形態は、初期点火のために流れ方向及びレーザ出力を制御し、次いで安定な火炎のために異なる構成及びレーザ出力に戻すことを含んでいてもよい。
【0069】
本明細書で用いる「電気通信」又は「電気的に結合」とは、個々の部品が、直接的又は間接的な電気接続による直接的又は間接的シグナリングを介して互いに通信するように構成されることを意味する。本明細書で用いる「機械的に結合」とは、部品間でトルクを伝達するのに必要な力を支持することができる結合方法をいう。本明細書で用いる「動作可能に結合」とは、接続をいい、接続は直接的であっても又は間接的であってもよい。接続は必ずしも機械的な取付けである必要はない。
【0070】
本明細書において、単数形で記載され不定冠詞が付された構成要素又はステップであっても、別途明示されていない限り、複数の構成要素又はステップを除外するものではない。さらに、記載された複数の実施形態の「一実施形態」という場合、記載された特徴が取り込まれた追加の実施形態の存在を除外するものではない。さらに、別途明示されていない限り、ある特定の性質を有する1又は複数の構成要素を「備える」、「含む」又は「有する」実施形態は、その性質を有さない追加の構成要素を含んでいてもよい。
【0071】
さらに、本明細書に記載された材料の寸法及び種類は、上述の実施形態に関連するパラメータを定義するためのものであり、それらは限定的なものではなく、例示的な実施形態である。以上の説明を参酌すれば、他の多くの実施形態が当業者には明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲に基づいて決定される。かかる説明は、当業者に自明な他の実施例を含んでもよく、そうした他の実施例は、特許請求の範囲の記載と文言上差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の記載と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。また、特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」、「上」、「下」、「底」、「頂」等の用語は、単に符号にすぎず、そのものに数的又は位置的な要件を課すものではない。さらに、特許請求の範囲における限定は、機能的表現で記載されてはおらず、そのような特許請求の範囲における限定が、構造的記載を伴わない機能「のための手段」という表現を明示的に用いていない限り、ミーンズ・プラス・ファンクション・クレームとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0072】
12 火炉
14 バーナアセンブリ
16 燃料源
17 レーザ点火装置
100 燃料輸送管
110 レーザ管
118 流れ誘導装置
130 点火管
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼バーナアセンブリ(14)であって、当該燃焼バーナアセンブリ(14)が、
燃料源(16)と、
空気源(18)と、
火炉(12)と、
前記燃料源から燃料
と前記空気源(18)からの空気との混合物を
前記火炉へ輸送するための燃料輸送管(100)と、
前記燃料輸送管を通って前記火炉に輸送される燃料
と空気との混合物を点火するように構成されたレーザ点火装置(17)と
を備えており、前記レーザ点火装置が、
レーザ光源(150)と、
前記レーザ光源から前記燃料輸送管内の燃料
と空気との前記混合物にレーザ光のビームを届けるレーザ管(110)と、
前記燃料輸送管内に配置されて、前記燃料輸送管を流れる燃料
と空気との前記混合物の一部を受け入れる点火管(130)であって、レーザ光のビームが該点火管内の燃料
と空気との前記混合物を加熱して点火し、該点火管内での燃料
と空気との前記混合物の点火が、複数の点火ステージで起こる、点火管(130)と、
前記レーザ管(110)から出る空気の速度を、前記燃料輸送管(100)内の燃料と空気の混合物の流れの速度よりも遅い速度まで低下させ、前記レーザ管(110)の出口と前記点火管(130)の入口の間の領域に再循環ゾーン(163)を生成するように構成された制御ユニット(200)と、を備え、
前記燃料輸送管(100)内で運ばれる燃料と空気の混合物は再循環し、前記点火管(130)に入る前に前記再循環ゾーン(163)で前記レーザー光のビームにさらされる、燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項2】
前記燃料輸送管(100)および前記点火管(130)の周囲に配置される複数の流れ誘導装置(118)をさらに備え、
前記複数の流れ誘導装置(118)の第1のセットは、前記燃料輸送管(100)の内壁に配置され、前記複数の流れ誘導装置(118)の第2のセットは、前記点火管(130)の内壁に配置され、
前記複数の流れ誘導装置(118)の第1のセットは、前記レーザ管(110)の出口の下流かつ前記点火管(130)の入口の上流にある少なくとも1つの流れ誘導装置と、前記点火管(130)の出口の周囲に対して横切るように配向されている燃料輸送管(100)の内壁の位置にある少なくとも1つの流れ誘導装置とを含み、
前記複数の流れ誘導装置(118)の第2のセットは、前記点火管(130)の入口の下流に少なくとも1つの流れ誘導装置を含み、
前記
複数の流れ誘導装置(118)
は、燃料
と空気との前記混合物の流れの一部が前記点火管(130)の周りに流れてレーザ光のビームで照射されるように導くように構成されている、請求項1に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項3】
前記レーザ管(110)の出口の下流かつ前記点火管(130)の入口の上流にある少なくとも1つの流れ誘導装置は、前記燃料輸送管(100)内の燃料と空気の混合物の流れを前記点火管(130)の入口に向けて誘導するように構成され、
前記点火管(130)の出口の周囲に対して横切るように配向されている燃料輸送管(100)の内壁の位置にある少なくとも1つの流れ誘導装置は、燃料と空気の混合気の流れの任意の部分を誘導し、点火された燃料の流れに向かって前記点火管(130)の入口に入るのを回避し、燃料との混合とその後の点火のために前記点火管(130)の出口から出ることを回避するように構成されている、請求項2に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項4】
前記レーザ管(110)の一部が前記燃料輸送管(100)内に配置され、前記燃料輸送管内に配置された前記レーザ管の部分が前記点火管から所定の間隔をおいて離間し、前記燃料輸送管内に配置された前記レーザ管の部分と前記点火管(130)との間の所定の間隔は、前記燃料輸送管内に輸送された燃料の粒子が前記点火管に入る前に再循環してレーザ光のビームにさらに照射される
前記再循環ゾーン(163)を形成し、前記再循環ゾーン内の燃料の粒子は、レーザ光のビームの光子を吸収し、加熱されて粒子の一部の初期点火を引き起こし、該初期点火が、再循環ゾーン内の他の燃料粒子の吸収、加熱及び点火を引き起こす、請求項1に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)。
【請求項5】
前記点火管の複数の点火ステージが、火炎発生ステージと火炎成長及び伝播ステージとを含んでおり、前記火炎発生ステージが、前記再循環ゾーンから燃料粒子を受け取って、レーザ光のビームでさらに照射し、さらなる照射によって燃焼及び火炎発生をもたらし、前記火炎成長及び伝播ステージが、火炎発生ステージで燃焼及び火炎発生を起こした燃料粒子をレーザ光のビームで追加照射し、追加照射が、前記点火管から出て前記火炉に向かう火炎のさらなる成長及び伝播を招く、請求項
4に記載の燃焼バーナアセンブリ(14)
【請求項6】
システム(14)であって、当該システム(14)が、
石炭燃料源(16)と、
空気源(18)と、
火炉と、
前記石炭燃料源からの石炭と前記空気源からの空気の混合物をその燃焼のための火炉に輸送する燃料輸送管(100)と、
前記燃料輸送管を通って前記火炉に輸送される石炭と空気の混合物を点火するように構成されたレーザ点火装置(17)と
を備えており、前記レーザ点火装置が、
レーザ光源(150)と、
前記レーザ光源からのレーザ光のビームを前記燃料輸送管内の石炭と空気の混合物に届けるレーザ管(110)であって、該レーザ管の一部が、前記燃料輸送管内に配置されているレーザ管(110)と、
前記燃料輸送管内に配置されて、前記燃料輸送管内を流れる石炭と空気の混合物の一部を受け入れる点火管(130)であって、該点火管の入口が、前記燃料輸送管内に配置されたレーザ管の部分から所定の間隔をおいて離間し、レーザ光のビームが、石炭と空気の混合物を前記所定の間隔及び前記点火管において複数の点火ステージで加熱して点火する、点火管(130)と、
複数の流れ誘導装置(118)であって、該複数の流れ誘導装置の各々は、石炭と空気の混合物の流れの一部が前記点火管の周りを流れてレーザ光のビームで照射されるように導くように構成されている、複数の流れ誘導装置(118)と
、
前記レーザ管(110)から出る空気の速度を、前記燃料輸送管内の石炭と空気の混合物の流れの速度よりも遅い速度まで低下させ、前記レーザ管(110)の出口と前記点火管(130)の入口の間の領域に再循環ゾーン(163)を作成するように構成された制御ユニット(200)と、を備え、
前記燃料輸送管内で運ばれる石炭と空気の混合物は再循環して、前記点火管(130)に入る前に前記再循環ゾーン(163)でレーザー光のビームにさらされる、システム(14)。
【請求項7】
前記複数の流れ誘導装置が、前記点火管の入口の周りに配置された一対の対向する流れ誘導装置(118)と、前記点火管の出口の周りに配置された一対の対向する誘導装置とを備えており、前記点火管の入口の周りに配置された一対の流れ誘導装置は、前記燃料輸送管(100)内の石炭と空気の混合物の流れを
前記点火管の前記入口に誘導して導くように構成されており、前記点火管の出口の周りに配置された一対の誘導装置は、前記点火管の入口に入らなかった石炭と空気の混合物の流れの部分を、前記点火管の出口を出る石炭と空気の点火流と混合して点火させるため前記点火管の出口を出る石炭と空気の点火流に誘導して誘導するように構成されている、請求項
6に記載のシステム(14)。
【請求項8】
前記燃料輸送管(100)内に配置された前記レーザ管(110)の部分と前記点火管との間の所定の間隔は、再循環ゾーン(163)を形成して、前記燃料輸送管内に輸送された石炭と空気の混合物中の石炭の粒子が前記点火管に入る前に該再循環ゾーン内で再循環してレーザ光のビームでさらに照射され、石炭の粒子は、レーザ光のビームの光子を吸収し、加熱されて石炭粒子の一部の初期点火を引き起こし、次いで再循環ゾーン内の他の石炭粒子の吸収、加熱及び点火を引き起こす、請求項
7のシステム(14)。
【請求項9】
前記点火管(130)の複数の点火ステージが、火炎発生ステージと火炎成長及び伝播ステージとを含んでおり、前記火炎発生ステージが、再循環ゾーン(163)から石炭粒子を受け取って、レーザ光のビームでさらに照射し、さらなる照射によって燃焼及び火炎発生をもたらし、前記火炎成長及び伝播ステージが、火炎発生ステージで燃焼及び火炎発生を起こした石炭粒子をレーザ光のビームで追加照射し、追加照射が、前記点火管から出て前記火炉に向かう火炎のさらなる成長及び伝播を招く、請求項
8のシステム(14)。
【請求項10】
前記点火管(130)の内壁が複数の点火流誘導装置(118)を備えており、該点火流誘導装置の各々が、石炭と空気の混合物の流れを、レーザ管からのレーザ光のビームで照射するための点火管内の集中箇所に導くように構成されている、請求項
6のシステム(14)。
【請求項11】
前記燃料輸送管及び前記レーザ点火装置の周囲に位置する複数のセンサ(36,37)であって、該センサの各々が、
前記燃料輸送管及び前記レーザ点火装置の周囲の石炭と空気の混合物の加熱及び点火に関連する動作状態を検出するように構成されている、複数のセンサ(36,37)と、
前記制御ユニット(200)は、前記複数のセンサから検出された動作状態を受信して、検出された動作状態の関数としてレーザ点火装置による石炭と空気の混合物の加熱及び点火を制御するように構成され
る、請求項
6に記載のシステム(14)
【請求項12】
バーナアセンブリ(14)で燃焼のために燃料を点火する方法(400)であって、
燃料源からの燃料と空気源からの空気の混合物の流れを燃料輸送管(100)で火炉に輸送するステップと、
燃料と空気の混合物の流れの一部を、前記燃料輸送管内に配置された点火管(130)の入口に導くステップと、
前記レーザ管(110)から前記燃料輸送管へのレーザ光のビームを、点火管を通って輸送される燃料と空気の混合物に誘導するステップと、
点火管を通って輸送される燃料と空気の混合物を複数のステージ(162,163,164)で加熱及び点火するステップと、
燃料と空気の加熱及び点火された混合物を点火管から火炉へと供給するステップと
、
前記レーザ管(110)から出る空気の速度を、前記燃料輸送管内の石炭と空気の混合物の流れの速度よりも遅い速度まで低下させ、前記レーザ管(110)の出口と前記点火管(130)の入口の間の領域に再循環ゾーン(163)を作成するステップと、
を含
み、
前記燃料輸送管内で運ばれる石炭と空気の混合物は再循環して、前記点火管(130)に入る前に前記再循環ゾーン(163)でレーザー光のビームにさらされる、方法(400)。
【請求項13】
前記点火管の入口に入らなかった燃料と空気の混合物の流れの部分を、前記点火管の出口を出る燃料の点火流と混合して点火させるため前記点火管の出口を出る燃料の点火流に誘導して誘導することをさらに含む、請求項1
2に記載の方法(400)。
【請求項14】
前記再循環ゾーン(163)内の燃料の粒子が再循環中にレーザ光のビームの光子を吸収し、加熱されて粒子の一部の初期点火を引き起こし、該初期点火が、前記点火管の入口の周りに位置する他の燃料粒子の吸収、加熱及び点火を引き起こす、請求項1
2に記載の方法(400)。
【請求項15】
前記点火管(130)を通って輸送される燃料の複数のステージでの加熱及び点火が、
前記点火管の第1のステージで燃料粒子を再循環した後に受け入れるステップと、
前記点火管の第1のステージでレーザ光のビームで燃料粒子を照射するステップであって、さらなる照射によって燃焼及び火炎発生をもたらす、ステップと、
前記点火管の第2のステージで燃焼及び火炎発生を起こした燃料粒子を受け入れるステップと、
前記点火管の第2のステージで燃焼及び火炎発生を起こした燃料粒子をレーザ光のビームで追加照射するステップであって、追加照射がさらなる火炎成長及び伝播を招く、ステップとを含む、請求項1
4に記載の方法(400)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】