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特表2023-547601レーザー蛍光能力を備えた光学的に強化された器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-13
(54)【発明の名称】レーザー蛍光能力を備えた光学的に強化された器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20231106BHJP
   A61B 10/04 20060101ALI20231106BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20231106BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
A61B10/02 110H
A61B10/04
A61B1/018 515
A61B1/00 511
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523153
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 US2021055193
(87)【国際公開番号】W WO2022081981
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/092,664
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/127,483
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/213,853
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニキル・ムルデシュワル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ジェイ・ホルマン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161BB04
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF43
4C161GG15
4C161HH24
4C161HH51
4C161LL02
4C161WW17
(57)【要約】
外科用器具は、近位端部部分および遠位端部部分を含む細長い本体部と、組織セパレーターとを含み、組織セパレーターは、遠位端部部分に連結されており、それは、収集のためにサンプル組織に係合するように構成されており、組織セパレーターは、光が組織セパレーターを通過することを可能にする材料から少なくとも部分的に作製されている。組織回収デバイスを使用して生物学的物質を収集する方法は、組織回収デバイスを患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと、組織回収デバイスの組織コレクターをターゲット組織にガイドするステップと、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップと、組織回収デバイスによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、前記外科用器具は、
細長い本体部であって、
近位端部部分と;
遠位端部部分と;
前記近位端部部分から前記遠位端部部分へ延在する曲げ可能なシャフトとを含む、細長い本体部と、
前記遠位端部部分に連結された組織セパレーターであって、収集のためにサンプル組織に係合するように構成されている組織セパレーターと、
を含み、
前記組織セパレーターは、光が前記組織セパレーターを通過することを可能にする材料から少なくとも部分的に作製されている、外科用器具。
【請求項2】
請求項1の外科用器具を含む内視鏡検査システムであって、前記内視鏡検査システムは、内視鏡をさらに含み、前記内視鏡は、
第1のルーメンを有する細長い曲げ可能なシャフトであって、前記細長い本体部が前記第1のルーメンの中に配設されることが可能である、細長い曲げ可能なシャフトと;
前記細長い本体部によって前記第1のルーメンから延在させられている前記組織セパレーターを見るように構成されたビューイングデバイスと
を含み、
前記ビューイングデバイスは、前記組織セパレーターを通して見るように位置決めされている、内視鏡検査システム。
【請求項3】
前記組織セパレーターは、反射性の特性、半透明の特性、透明な特性、または拡大特性を有する組織除去デバイスを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項4】
前記組織セパレーターは、クリアなポリカーボネートまたはガラスから製作されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記組織セパレーターは、分離された組織を貯蔵するための内部体積を含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項6】
前記組織セパレーターは、オーガーまたはパンチを含む、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
前記組織セパレーターは、鉗子を含み、前記鉗子は、
第1のジョーと;
前記第1のジョーから延在する複数の歯と;
前記第1のジョーの反対側に配設されている第2のジョーと
を含み、
前記第1のジョーは、前記第2のジョーと係合された閉位置から、前記第2のジョーから離れた開位置へ枢動可能であり;
内部貯蔵体積が、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に画定されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
前記複数の歯は、蛍光性または反射性の材料から製作されている、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記鉗子は、前記鉗子が複数の組織サンプルを保持することを可能にするように構成された容量強化特徴を含む、請求項7に記載の外科用器具。
【請求項10】
前記容量強化特徴は、前記開位置において前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間に保たれる組織のピースを固定化するように構成された組織付勢デバイスを含む、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項11】
前記組織付勢デバイスは、
前記第1のジョーの上に位置付けされているスポンジと;
前記第1および第2のジョーが前記閉位置にあるときに前記スポンジを貫通するように位置決めされている、前記第2のジョーの上に位置付けされた針アレイと
を含む、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記容量強化特徴は、前記第1および第2のジョーのうちの少なくとも1つの内部体積を増加させるように構成された容量増加特徴を含む、請求項9に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記容量増加特徴は、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーのうちの少なくとも一方が、ヒンジにおいて、前記第1および第2のジョーのうちの他方と反対の方向に並進し、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間の前記内部貯蔵体積を増加させるように構成されているという特徴を含む、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
前記容量増加特徴は、前記第1のジョーおよび前記第2のジョーのうちの少なくとも一方が、前記第1のジョーと前記第2のジョーとの間の前記内部貯蔵体積を増加させるための可撓性の壁部を備えて構成されているという特徴を含む、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記外科用器具は、第1の光エミッターをさらに含み、前記第1の光エミッターは、前記細長い本体部に接続されており、前記遠位端部部分の遠位に第1の波長で光を投影するように構成されている、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項16】
前記第1の光エミッターは、フルオロフォアを蛍光化するように構成されている、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項17】
前記第1の光エミッターは、レーザーを含み、前記第1の波長は、358ナノメートルから405ナノメートルを含む、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項18】
前記外科用器具は、第2の光エミッターをさらに含み、前記第2の光エミッターは、前記細長い本体部に接続されており、前記第1の波長とは異なる第2の波長で、前記遠位端部部分の遠位に光を投影するように構成されている、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項19】
前記第2の光エミッターは、発光ダイオードを含み、前記第2の波長は、400ナノメートルから700ナノメートルを含む、請求項18に記載の外科用器具。
【請求項20】
前記外科用器具は、前記細長い本体部を通って前記第1の光エミッターへ延在する光透過性のファイバーをさらに含む、請求項15に記載の外科用器具。
【請求項21】
組織回収デバイスを使用して生物学的物質を収集する方法であって、前記方法は、
前記組織回収デバイスを患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと;
前記組織回収デバイスの組織コレクターをターゲット組織にガイドするステップと;
前記組織コレクターを通して前記ターゲット組織を見るステップと;
前記組織回収デバイスによって前記ターゲット組織から生物学的物質を収集するステップと
を含む、方法。
【請求項22】
前記組織コレクターを通して前記ターゲット組織を見るステップは、ビデオカメラによって前記ターゲット組織のイメージを見るステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組織コレクターを通して前記ターゲット組織を見るステップは、前記組織コレクターを越えてまたは前記組織コレクターの中でターゲット組織を見るステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、前記組織コレクターによって前記ターゲット組織の表面を貫通するステップと、貫通された前記表面の中の新たに露出された組織を見るステップとをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記組織回収デバイスによって前記ターゲット組織から生物学的物質を収集するステップは、前記ターゲット組織の一部分を分断するために鉗子を動作させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記組織回収デバイスによって前記ターゲット組織から生物学的物質を収集するステップは、前記ターゲット組織の中へ組織パンチをボーリングするステップ、または、前記ターゲット組織の中へオーガーを前進させるステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、光エミッターによって前記組織回収デバイスを照射するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、前記組織回収デバイスの切断縁部によって光を反射させるステップ、または、前記組織回収デバイスの切断縁部を蛍光化するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記組織回収デバイスの切断縁部が組織に係合することを可能にするように、前記組織回収デバイスを屈曲させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記組織回収デバイスの中に組織を貯蔵するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記組織回収デバイスの中に組織を貯蔵するステップは、組織付勢デバイスを使用して鉗子の中に生物学的物質を保つステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記組織付勢デバイスによって前記鉗子の中に生物学的物質を保つステップは、前記収集された組織をタインによって穿孔するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記組織回収デバイスの中に組織を貯蔵するステップは、容量増加特徴によって鉗子の容量を増加させるステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記容量増加特徴によって前記鉗子の容量を増加させるステップは、前記鉗子のジョーを枢動ポイントから離れるようにスライドさせ、対向するジョーからの距離を増加させるステップ、または、前記鉗子のジョーの壁部を屈曲させ、前記ジョーの内部体積を増加させるステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記組織コレクターを通して前記ターゲット組織を見るステップは、前記組織コレクターの半透明の材料を通して前記ターゲット組織を見るステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
前記方法は、
第1の長手方向の通路を含む内視鏡を前記患者の前記解剖学的構造の中へ挿入するステップと;
第2の長手方向の通路を含む補助スコープを前記第1の長手方向の通路の中へ挿入するステップと;
前記ターゲット組織に到達するように、前記組織回収デバイスを前記第2の長手方向の通路の中へ挿入するステップと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記方法は、
励起光によって前記ターゲット組織を照射し、前記ターゲット組織が光を放出することを引き起こすステップと;
カメラによって発光ターゲット組織を見るステップと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項38】
前記方法は、前記ターゲット組織の中へ蛍光性の材料を注入し、前記発光ターゲット組織を作り出し、前記励起光が前記発光ターゲット組織を蛍光化させるようになっているステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記励起光によって前記ターゲット組織を照射するステップは、レーザーによって前記ターゲット組織を照射するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記方法は、可視光を放出する第2の光エミッターによって、前記組織回収デバイスを照射するステップをさらに含み、
前記励起光は、358ナノメートルから405ナノメートルの範囲にある波長を有しており;
前記可視光は、400ナノメートルから700ナノメートルの範囲にある波長を有している、請求項37に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2020年10月16日に出願された米国仮特許出願第63/092,664号、2020年12月18日に出願された米国仮特許出願第63/127,483号、および、2021年6月23日に出願された米国仮特許出願第63/213,853号の優先権の利益を主張し、それらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、診断動作または治療動作を提供するために患者の解剖学的構造の中の切開部または開口部の中へ挿入されるように構成された細長い本体部を含む医療用デバイスに関する。
【0003】
より詳細には、本開示は、たとえば、分析のためにサンプル組織を切断することなどによって、生物学的物質除去プロセスを実施するために患者の解剖学的構造の中へ挿入されることが可能である医療用デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
内視鏡は、1)さまざまな解剖学的部分に向けて他のデバイス(たとえば、治療用デバイスまたは組織収集デバイス)の通路を提供すること、および、2)そのような解剖学的部分のイメージングのうちの1つまたは複数のために使用されることが可能である。そのような解剖学的部分は、消化管(たとえば、食道、胃、十二指腸、膵胆管、腸、および結腸など)、腎臓域(たとえば、腎臓、尿管、膀胱、尿道)、ならびに、他の内部器官(たとえば、生殖器系、副鼻腔、粘膜下領域、気道)などを含むことが可能である。
【0005】
従来の内視鏡は、たとえば、1つまたは複数の疾患状態を照射すること、イメージングすること、検出すること、および診断すること、解剖学的領域に向けて流体送達(たとえば、流体チャネルを介して生理食塩水または他の調合液)を提供すること、解剖学的領域をサンプリングまたは治療するための1つまたは複数の治療用デバイスの(たとえば、作業チャネルを介した)通路を提供すること、ならびに、流体(たとえば、生理食塩水または他の調合液)を収集するための吸引通路を提供することなどを含む、さまざまな臨床的手順に関与することが可能である。
【0006】
従来の内視鏡検査では、内視鏡の遠位部分は、たとえば、エレベーターの使用などによって、治療用デバイスを支持および配向するために構成されることが可能である。いくつかのシステムでは、2つの内視鏡が、エレベーターの補助によって、第1の内視鏡がその中に挿入される第2の内視鏡をガイドする状態で、一緒に働くように構成されることが可能である。そのようなシステムは、到達することが困難な身体の中の解剖学的な場所に内視鏡をガイドする際に有用である可能性がある。たとえば、いくつかの解剖学的な場所は、遠回り経路を通した挿入の後にのみ内視鏡によってアクセスされることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】PCT公開第WO2011/140118A1号
【特許文献2】米国特許出願第17/100,025号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、従来の医療用デバイス、ならびに、とりわけ、サンプル生物学的物質を回収するために使用される内視鏡および十二指腸内視鏡によって解決されるべき問題が、なかでも、1)患者の中の奥深くの解剖学的領域における場所に内視鏡(および、その中に挿入された器具)をナビゲートすることの困難さ、2)小さな組織サンプルサイズしか取得することができないという不利益、3)十分な量のサンプル材料を取得するために医療用デバイスを繰り返して除去および再挿入しなければならないという時間および関連のコストの増加、ならびに、4)とりわけ、内視鏡に装着されている光学デバイス(たとえば、イメージングコンポーネントおよび照明コンポーネント)を妨害することなく、小さな直径のデバイスの中へ特徴(たとえば、操縦性および組織収集特徴)を組み込むことの困難さを含むということを認識する。そのような問題は、とりわけ、十二指腸内視鏡検査手順(たとえば、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(Endoscopic Retrograde Cholangio-Pancreatography)、以降では、「ERCP」手順)に存在している可能性があり、十二指腸内視鏡検査手順では、補助スコープ(ドータースコープ(daughter scope)または胆管鏡とも称される)は、「メインスコープ」(マザースコープ(mother scope)または十二指腸内視鏡とも称される)の作業チャネルを通して取り付けられて前進させられることができる。そのうえ、サンプル物質を除去するために使用される組織収集および回収デバイスが、補助スコープを通して挿入されることが可能である。そうであるので、十二指腸内視鏡、補助スコープ、および組織回収デバイスは、徐々に小さくなり、操縦して介入および治療を行うことがより困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、小さな直径の通路を有する補助スコープによって組織回収デバイス(たとえば、生検鉗子など)を挿入することに関係するシステム、デバイス、および方法を提供することによって、これらのおよび他の問題に対する解決策を提供することを助けることが可能である。組織回収デバイスは、内視鏡の遠位端部に繋留されるかまたはその他の方法で取り付けられ、内視鏡のルーメンの制約を超えて組織回収デバイスがサイズ決めされることを可能にすることできる。それによって、組織回収デバイスは、取得されるサンプル組織を貯蔵するための容量を増加させ、それによって、別のサンプル収集挿入反復のために組織回収デバイスを空にするために内視鏡を除去する必要性を低減させるかまたは排除することが可能である。
【0010】
そのうえ、組織回収デバイスがその遠位に位置付けされた状態の内視鏡のナビゲーションおよび組織収集プロセスを促進させるために、組織回収デバイスは、たとえば、組織回収デバイスを通したおよび組織回収デバイスの中への光学デバイスの視認性を可能にするために、半透明の材料またはクリアな材料から作製されることなどによって、光学的に強化されることが可能である。他の光学的に強化された材料は、光学デバイスによる認識を改善するために、材料と光との相互作用を可能にするための反射性材料を含むことが可能である。光学的に強化された組織回収デバイスは、たとえば、光学的な拡大を提供するなどのために、光波を曲げるように構成されることが可能である。光学的に強化された材料は、1)組織回収デバイスによって収集されることとなるターゲット組織、2)組織回収デバイスの内側の組織、3)いくつかのターゲット組織が解剖学的構造から分離された後の新たに露出された組織、および、4)ターゲット組織に対する組織回収デバイスのコンポーネントを見ること、ならびに、他の利益を可能にすることができる。
【0011】
追加的に、内視鏡ルーメンのサイズ制約から部分的に解放されることに起因して、組織回収デバイスは、以前に収集されたサンプルが組織回収デバイスから脱落される(たとえば、落下する)ことなく、組織の複数のサンプルを取得することを促進させるための、および、組織回収デバイスの保持容量を増加させるための特徴を含むことが可能である。したがって、組織回収デバイスは、サンプル材料の1つまたは複数のピースを保持するように構成され、それによって、単一の挿入パスでの複数のサンプルおよびより大きなサンプルの収集を可能にすることができる。
【0012】
そうであるので、本開示は、1)組織回収デバイスが解剖学的構造の中へ挿入および再挿入される必要がある回数を低減させることによって、および、2)それぞれの挿入によって収集されるサンプル材料の容量を増加させることによって、なかでも、本明細書で説明されているように、たとえば、組織回収デバイス(組織回収デバイスは、サイズを増加させるために内視鏡のルーメンよりも大きくなっていることが可能であり、イメージング能力との干渉を低減または排除するために光学的に強化されることが可能である)を内視鏡の遠位に位置付けすることなどによって、上記に言及された問題および他の問題を解決することを助けることが可能である。
【0013】
また、本開示は、医療手順を実施する際に解決されるべき問題が、除去のためにターゲット組織を適正に識別する能力を含むということを認識する。たとえば、導管悪性腫瘍は、子宮内膜症および癌性材料または前癌性材料(癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫、および、混合タイプの癌を含む)を含むことが可能である。
【0014】
これらの導管悪性腫瘍のための治療は、それ自体の目的として、または、次の行動方針を決定するために生検を実施するためにのいずれかで、疾患のある組織を除去することを含むことが可能である。そうであるので、導管または腹部の中の他の健康な組織が不必要に除去されないように導管悪性腫瘍を識別すること、および、追加的な組織を除去するためにフォローアップ手順において患者の中へ戻らなければならないことを防止することが望ましい。たとえば、疾患を治療するために子宮外の子宮内膜組織のすべてを除去することが望ましく、また、生検を実施するために十分な体積の組織を収集することが望ましい。
【0015】
子宮内膜組織および癌性組織の識別は、染料の使用によって促進されることが可能であり、それによって、患者は、染料を摂取し、染料は、子宮内膜および癌性組織に代謝するか、または、その他の方法で子宮内膜および癌性組織によって吸収されることが可能である。次いで、染料は、特定の波長の光によって励起され、染料を含有する組織を照射することが可能である。しかし、染料の使用は、光が外科的部位の中へ導入されることを必要とし、それは、典型的に、追加的な器具の使用を必要とする。そのうえ、たとえば、デバイス自体の妨害、または、デバイスとともに作業する他の器具の妨害に起因して、組織に係合するようにデバイスを動作させながら、ターゲット組織の上に励起光を方向付けることは困難である可能性がある。
【0016】
本主題は、外科用器具の外科的ツール部分(たとえば、組織コレクターまたはセパレーター)が、追加的なまたは別個のツールの必要性なしに、放出された光を介して直接的に照射されることが可能なように、たとえば、外科用器具の中へ光エミッターを組み込んだシステムを提供することなどによって、この問題および他の問題に対する解決策を提供することが可能である。そのうえ、組織回収デバイスは、励起光が組織コレクターを通過することおよび染料を励起することを可能にするように、透明な組織セパレーターおよびコレクター(たとえば、ブレードおよびジョー)から作製されることが可能である。光は、組織照射染料に異なる励起を提供するために、異なる波長で提供されることが可能である。そのようなシステムによって外科的手順を実施する方法も、本明細書で説明されている。
【0017】
「組織回収デバイス」および「生検器具」という用語は、本開示の全体を通して使用されるが、しかし、組織回収デバイスまたは生検器具は、代替的にまたは追加的に、生物学的物質収集デバイス、生物学的物質回収デバイス、組織収集デバイス、および組織回収デバイスを含むことが可能である。
【0018】
例では、組織分離デバイスは、近位端部部分および遠位端部部分を含む細長い本体部と、遠位端部部分に連結されている組織セパレーターであって、組織セパレーターは、回収のためにサンプル組織に係合するように構成されている、組織セパレーターとを含むことが可能であり、組織セパレーターは、光が組織セパレーターを通過することを可能にする材料から少なくとも部分的に作製されている。
【0019】
別の例では、組織回収デバイスを使用して生物学的物質を収集する方法は、組織回収デバイスを患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと、組織回収デバイスの組織コレクターをターゲット組織エリアにガイドするステップと、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップと、組織回収デバイスによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップとを含むことが可能である。
【0020】
追加的な例では、外科用器具は、内視鏡および組織回収デバイスを含むことが可能である。内視鏡は、近位端部から遠位端部へ延在する挿入シャフトと、挿入シャフトを通って少なくとも部分的に延在する作業チャネルと、挿入シャフトに連結されているイメージングシステムであって、イメージングシステムは、作業チャネルの遠位に投影する視野を有している、イメージングシステムとを含むことが可能である。組織回収デバイスは、作業チャネルの中に位置決め可能な細長いシャフトと、組織収集デバイスとを含むことが可能であり、細長いシャフトは、軸線に沿って延在しており、解剖学的構造の中への挿入のために構成されており、組織収集デバイスは、細長いシャフトに連結されており、解剖学的構造から組織を分離するように構成されており、組織収集デバイスは、イメージングシステムの視野と相互作用するように光学的に強化されている。
【0021】
例では、生検器具は、組織セパレーターデバイスおよび細長い制御エレメントを含むことが可能である。組織セパレーターデバイスは、ベースと、ベースに装着されている組織セパレーターと、組織セパレーターに連結されている作動メカニズムとを含むことが可能である。細長い制御エレメントは、組織セパレーターを操作するための作動メカニズムに連結されることが可能である。組織セパレーターは、光を伝送することができる材料から少なくとも部分的に作製されることが可能である。
【0022】
別の例では、生検器具を使用して生物学的物質を収集する方法は、内視鏡の遠位端部部分に生検器具を繋留するステップと、生検器具を備えた内視鏡を患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと、生検器具をターゲット組織部位にガイドするステップと、生検器具を通してターゲット組織を見るステップと、生検器具によってターゲット組織部位から生物学的物質を収集するステップとを含む。
【0023】
例では、外科用器具は、スコープおよび組織回収デバイスを含むことが可能である。スコープは、近位端部部分から遠位端部部分へ延在する細長い本体部と;細長い本体部を通って少なくとも部分的に延在する作業チャネルと;細長い本体部に連結されているイメージングコンポーネントであって、イメージングコンポーネントは、作業チャネルの遠位に投影する視野を有している、イメージングコンポーネントと、発光材料を励起するのに適切な第1の波長の光を細長い本体部から投影するように構成されている第1の光エミッターとを含むことが可能である。組織回収デバイスは、細長いシャフトであって、細長いシャフトは、軸線に沿って延在するように作業チャネルの中に位置決め可能であり、解剖学的構造の中への挿入のために構成されている、細長いシャフトと、組織収集デバイスであって、組織収集デバイスは、細長いシャフトに連結されており、解剖学的構造から組織を分離するように構成されている、組織収集デバイスとを含むことが可能である。
【0024】
別の例では、組織回収デバイスを使用して生物学的物質を収集する方法は、組織回収デバイスを患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと、組織回収デバイスの組織コレクターをターゲット組織にガイドするステップと、励起光によってターゲット組織を照射するステップと、組織コレクターによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップとを含むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の生物学的物質収集システムおよびデバイスがそれとともに使用されることが可能である、イメージングおよび制御システムと内視鏡(たとえば、十二指腸内視鏡など)を含む内視鏡検査システムの概略ダイアグラムである。
図2】内視鏡に接続されているイメージングおよび制御システムを示す、図1のイメージングおよび制御システムの概略ダイアグラムである。
図3A】側視型内視鏡の光学コンポーネントおよびエレベーターメカニズムを含むカメラモジュールを含む、図2の内視鏡の遠位部分の概略上面図である。
図3B】光学コンポーネントを示す、図3Aの平面3B-3Bに沿ってとられた拡大断面図である。
図3C】エレベーターメカニズムを示す、図3Aの平面3C-3Cに沿ってとられた拡大断面図である。
図4】十二指腸に近接して補助スコープを位置決めするために使用されている内視鏡の遠位部分の概略図であり、補助スコープは、本開示の組織回収デバイス(繋留された生検器具を含む)を受け入れるように構成されている、図である。
図5A】細長いシャフトおよび半透明の組織コレクターを含む、本開示の組織回収デバイスの概略図である。
図5B】補助内視鏡の中に配設されている半透明の組織コレクターを示す、図5Aの組織回収デバイスの遠位端部の拡大図である。
図6A】閉じた状態の鉗子を含む半透明の組織コレクターの概略図である。
図6B】鉗子が開いた状態の図6Aの半透明の組織コレクターの概略図である。
図7A】イメージングデバイスを有する内視鏡から延在するボーリングデバイスを含む半透明の組織コレクターの概略図である。
図7B】収集された組織が半透明の組織コレクターの内側にある状態の図7Aの半透明の組織コレクターの概略断面図である。
図8A】内視鏡および繋留された生検器具を含む内視鏡検査システムの概略図である。
図8B図8Aの生検器具として使用するのに適切な鉗子の側面図である。
図9】スポンジおよび針を含む組織リテンションシステムを有する鉗子を含む生検器具の概略図である。
図10】拡張可能なジョーを有する鉗子を含む生検器具の概略図である。
図11】可撓性のジョーを有する鉗子を含む生検器具の概略図である。
図12】本開示の繋留された生検器具を使用して患者から生物学的物質を収集する方法を図示するブロック図である。
図13】発光材料を励起するように構成された光エミッターを有する鉗子を含む組織収集器具の概略図である。
図14】内蔵された励起能力および光学的に強化された組織セパレーターを有する組織収集デバイスによって、発光染料を有する組織を照射する方法を図示するブロック図である。
図15】本開示の組織回収デバイを使用して患者から生物学的物質を収集する方法を図示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、イメージングおよび制御システム12と内視鏡14とを含む内視鏡検査システム10の概略ダイアグラムである。図1のシステムは、本明細書で説明されているシステム、デバイス、および方法(たとえば、患者の分析または治療のために患者から除去されることとなる組織または他の生物学的物質のサンプルを取得するために使用されることが可能である、繋留されたおよび光学的に強化された生物学的物質および組織の収集、回収、および貯蔵デバイスならびに生検器具など)とともに使用するのに適切な内視鏡検査システムの例示目的の例である。いくつかの例によれば、内視鏡14は、イメージングのために、および/あるいは、生検のための1つもしくは複数のサンプリングデバイス、または、解剖学的領域と関連付けられる疾患状態の治療のための1つもしくは複数の治療用デバイスの通路もしくはそれへの(たとえば、繋留を介した)取り付けを提供するために解剖学的領域の中へ挿入可能であり得る。有利な態様では、内視鏡14は、イメージングおよび制御システム12とインターフェース接続し、また、イメージングおよび制御システム12に接続することが可能である。図示されている例では、内視鏡14は、十二指腸内視鏡を含むが、他のタイプの内視鏡も、本開示の特徴および教示とともに使用されることが可能である。
【0027】
イメージングおよび制御システム12は、制御ユニット16、出力ユニット18、入力ユニット20、光供給源22、流体供給源24、および吸引ポンプ26を含むことが可能である。
【0028】
イメージングおよび制御システム12は、内視鏡検査システム10と連結するためのさまざまなポートを含むことが可能である。たとえば、制御ユニット16は、内視鏡14からデータを受け取るための、および、内視鏡14にデータを通信するためのデータ入力/出力ポートを含むことが可能である。光供給源22は、たとえば光ファイバーリンクを介してなど、内視鏡14に光を伝送するための出力ポートを含むことが可能である。流体供給源24は、内視鏡14に流体を伝送するためのポートを含むことが可能である。流体供給源24は、流体のポンプおよびタンクを含むことが可能であり、または、外部タンク、容器、または貯蔵ユニットに接続されることが可能である。吸引ポンプ26は、たとえば、内視鏡14がその中へ挿入される解剖学的領域から流体を引き出すためなど、吸引を発生させるために内視鏡14から真空を引くために使用されるポートを含むことが可能である。出力ユニット18および入力ユニット20は、内視鏡検査システム10の機能を制御し、内視鏡14の出力を見るために、内視鏡検査システム10のオペレーターによって使用されることが可能である。制御ユニット16は、内視鏡14がその中へ挿入される解剖学的領域を治療するための信号または他の出力を発生させるために追加的に使用されることが可能である。例では、制御ユニット16は、たとえば、焼灼、切断、および凍結などによって、解剖学的領域を治療するために、電気出力、音響出力、および流体出力などを発生させることが可能である。
【0029】
内視鏡14は、挿入セクション28、機能セクション30、およびハンドルセクション32を含むことが可能であり、それらは、ケーブルセクション34およびカップラーセクション36に連結されることが可能である。
【0030】
挿入セクション28は、ハンドルセクション32から遠位に延在することが可能であり、ケーブルセクション34は、ハンドルセクション32から近位に延在することが可能である。挿入セクション28は、細長くなっていることが可能であり、曲げセクションおよび遠位端部を含むことが可能であり、機能セクション30は、遠位端部に取り付けられることができる。曲げセクションは、曲がりくねった解剖学的通路(たとえば、胃、十二指腸、腎臓、尿管など)を通して遠位端部を操縦するために(たとえば、ハンドルセクション32の上の制御ノブ38によって)制御可能であり得る。また、挿入セクション28は、細長くなっていることが可能であり機能セクション30の1つまたは複数の治療用ツール(たとえば、図4の補助スコープ134など)の挿入を支持することが可能である1つまたは複数の作業チャネル(たとえば、内部ルーメン)を含むことも可能である。作業チャネルは、ハンドルセクション32と機能セクション30との間に延在することが可能である。追加的な機能性(たとえば、流体通路、ガイドワイヤー、およびプルワイヤーなど)は、挿入セクション28によって(たとえば、吸引通路または灌流通路などを介して)提供されることが可能である。
【0031】
ハンドルセクション32は、ノブ38およびポート40を含むことが可能である。ノブ38は、挿入セクション28を通って延在するプルワイヤーまたは他の作動メカニズムに連結されることが可能である。ポート40は、さまざまな電気ケーブル、ガイドワイヤー、補助スコープ、および、本開示の組織収集デバイス、流体チューブなどを、挿入セクション28と連結するためにハンドルセクション32に連結するように構成されることが可能である。
【0032】
例によれば、イメージングおよび制御システム12は、光供給源22、吸引ポンプ26、イメージ処理ユニット42(図2)などを収納するための棚を備えた移動式プラットフォーム(たとえば、カート41)の上に提供されることが可能である。代替的に、図1および図2に示されているイメージングおよび制御システム12のいくつかのコンポーネントは、内視鏡14の上に直接的に提供されることが可能であり、内視鏡を「自己完結型」にするようになっている。
【0033】
機能セクション30は、患者の解剖学的構造を治療および診断するためのコンポーネントを含むことが可能である。機能セクション30は、イメージングデバイス、照明デバイス、およびエレベーター(たとえば、図3A図3Cのエレベーター54を参照してさらに説明されているようなものなど)を含むことが可能である。機能セクション30は、本明細書で説明されているような光学的に強化された生物学的物質および組織の収集および回収デバイスをさらに含むことが可能である。たとえば、機能セクション30は、1つまたは複数の電極を含むことが可能であり、1つまたは複数の電極は、ハンドルセクション32に導電的に接続されており、イメージングおよび制御システム12に機能的に接続されており、イメージングおよび制御システム12の中に記憶されている比較の生物学的データに基づいて、電極と接触している生物学的物質を分析する。他の例では、機能セクション30は、図5A図7Bを参照して説明されている組織回収デバイス、および、図8A図11を参照して説明されている生検デバイスと同様の、組織コレクターを直接的に組み込むことが可能である。
【0034】
図2は、イメージングおよび制御システム12ならびに内視鏡14を含む、図1の内視鏡検査システム10の概略ダイアグラムである。図2は、内視鏡14に連結されているイメージングおよび制御システム12のコンポーネントを概略的に図示しており、内視鏡14は、図示されている例では、十二指腸内視鏡を含む。イメージングおよび制御システム12は、制御ユニット16を含むことが可能であり、制御ユニット16は、イメージ処理ユニット42、治療発生器44、およびドライブユニット46、ならびに、光供給源22、入力ユニット20、および出力ユニット18を含むことが可能であり、または、それらに連結されることが可能である。図4図5Bを参照してより詳細に下記に議論されているように、制御ユニット16は、内視鏡100、外科用器具200、および内視鏡検査システム400を含むことが可能であり、または、それらと通信していることが可能であり、それらは、組織に係合して組織の一部分を収集および貯蔵するように構成されたデバイスを含むことが可能であり、イメージング機器(たとえば、カメラ)は、それを通して、光学的に強化された材料およびコンポーネントを含むことを介して、ターゲット組織を見ることが可能である。制御ユニット16は、外科用器具200および内視鏡検査システム400の遠位にあるターゲット組織を見るために、カメラを活性化させるように構成されることが可能であり、それは、カメラが組織回収デバイスによって妨害されるかまたは部分的に妨害される影響を最小化するために、半透明の材料から製作されることが可能である。同様に、制御ユニット16は、外科用器具200に光を当てるために光供給源22を活性化させるように構成されることが可能であり、それは、特定の様式で光を反射するように構成されている選択コンポーネント(たとえば、反射性粒子によって強化されている組織カッターなど)を含むことが可能である。
【0035】
イメージ処理ユニット42および光供給源22は、有線または無線の電気的接続によって、(たとえば、機能ユニット30において)内視鏡14とそれぞれインターフェース接続することが可能である。したがって、イメージングおよび制御システム12は、解剖学的領域を照射し、解剖学的領域を表す信号を収集し、解剖学的領域を表す信号を処理し、解剖学的領域を表すイメージをディスプレイユニット18の上に表示することが可能である。イメージングおよび制御システム12は、所望のスペクトルの光(たとえば、広帯域白色光、および、好適な電磁波長さを使用する狭帯域イメージングなど)を使用して解剖学的領域を照射するための光供給源22を含むことが可能である。イメージングおよび制御システム12は、信号伝送(たとえば、光供給源からの光出力、遠位端部におけるイメージングシステムからのビデオ信号、ならびに、診断デバイスからの診断信号およびセンサー信号など)のために(たとえば、内視鏡コネクターを介して)内視鏡14に接続することが可能である。
【0036】
流体供給源24(図1)は、制御ユニット16と通信していることが可能であり、空気、生理食塩水、または他の流体の1つまたは複数の供給源、ならびに、関連の流体経路(たとえば、空気チャネル、灌流チャネル、吸引チャネル)およびコネクター(バーブフィッティング(barb fitting)、流体シール、およびバルブなど)を含むことが可能である。流体供給源24は、本開示の付勢デバイスまたは圧力印加デバイスのための活性化エネルギーとして利用されることが可能である。また、イメージングおよび制御システム12は、ドライブユニット46を含むことが可能であり、ドライブユニット46は、随意的なコンポーネントであることが可能である。ドライブユニット46は、少なくとも、Frassicaらによる「Rotate-to-Advance Catheterization System」という標題のPCT公開第WO2011/140118A1号に説明されているように、内視鏡14の遠位セクションを前進させるためのモーター駆動のドライブを含むことが可能であり、その文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0037】
図3A図3Cは、図2の内視鏡14の機能セクション30の第1の例を図示している。図3Aは、機能セクション30の上面図を図示している。図3Bは、図3Aの断面平面3B-3Bに沿ってとられた機能セクション30の断面図を図示している。図3Cは、図3Aの断面平面3C-3Cに沿ってとられた機能セクション30の断面図を図示している。図3A図3Cは、「側視型内視鏡」(たとえば、十二指腸内視鏡)カメラモジュール50を図示している。側視型内視鏡カメラモジュール50において、照明およびイメージングシステムは、イメージングシステムの視野角が、内視鏡14の中心長手方向軸線A1に対して横方向のターゲット解剖学的構造に対応するように位置決めされている。しかし、生物学的物質回収デバイスは、「端面視型内視鏡」などのような他のタイプの内視鏡とともに使用されることが可能である。
【0038】
図3Aおよび図3Bの例では、側視型内視鏡カメラモジュール50は、ハウジング52、エレベーター54、流体出口部56、照明レンズ58、および対物レンズ60を含むことが可能である。ハウジング52は、挿入セクション28との流体密封の連結を形成することが可能である。ハウジング52は、エレベーター54のための開口部を含むことが可能である。エレベーター54は、挿入セクション28を通して挿入されるデバイス(たとえば、図4の補助スコープ134など)を移動させるためのメカニズムを含むことが可能である。とりわけ、エレベーター54は、図3Cを参照してより詳細に議論されているように、軸線A1に沿って挿入セクション28を通して延在させられた細長いデバイスを曲げることができるデバイスを含むことが可能である。エレベーター54は、軸線A1に対して所定の角度で細長いデバイスを曲げ、それによって、側視型内視鏡カメラモジュール50に隣接する解剖学的領域を治療またはアクセスするために使用されることが可能である。エレベーター54は、軸線A1、照明レンズ58、および対物レンズ60と並んで(たとえば、その半径方向外向きに)位置付けされている。
【0039】
図3Bにおいて見ることができるように、挿入セクション28は、中央ルーメン62を含むことが可能であり、さまざまなコンポーネント(たとえば、補助スコープ134(図4))が、中央ルーメン62を通して延在させられ、機能セクション30をハンドルセクション32(図2)と接続することが可能である。たとえば、照明レンズ58は、光伝送器64に接続されることが可能であり、光伝送器64は、光供給源22(図1)に延在する光ファイバーケーブルまたはケーブル束を含むことが可能である。同様に、対物レンズ60は、プリズム66およびイメージングユニット67に連結されることが可能であり、イメージングユニット67は、配線68に連結されることが可能である。また、流体出口部56は、流体ライン69に連結されることが可能であり、流体ライン69は、流体供給源24(図1)に延在するチューブを含むことが可能である。他の細長いエレメント(たとえば、チューブ、ワイヤー、ケーブル)は、ルーメン62を通って延在し、機能セクション30を内視鏡検査システム10のコンポーネント(たとえば、吸引ポンプ26(図1)および治療発生器44(図2)など)と接続することが可能である。
【0040】
図3Cは、エレベーター54を示す、図3Aの断面平面3C-3Cに沿ってとられた概略断面図である。エレベーター54は、デフレクター55を含むことが可能であり、デフレクター55は、ハウジング52のスペース53の中に配設されることが可能である。デフレクター55は、ワイヤー57に接続されることが可能であり、ワイヤー57は、チューブ59を通って延在し、ハンドルセクション32に接続することが可能である。ワイヤー57は、たとえば、ノブを回転させること、レバーを引っ張ること、または、ハンドルセクション32の上のボタンを押すことなどによって、作動させることができる。ワイヤー57の移動は、デフレクター55の第1の位置からデフレクター55の第2の位置(55’によって示されている)へのピン61の周りでの(たとえば、時計回りの)回転を引き起こすことが可能である。デフレクター55は、ワイヤー57によって作動され、ハウジング52の中のウィンドウ65を通って延在する器具63の遠位部分を移動させることが可能である。
【0041】
ハウジング52は、デフレクター55を収納する収容スペース53を含むことが可能である。器具63は、ルーメン62を通って延在する鉗子、ガイドワイヤー、またはカテーテルなどを含むことが可能である。器具63は、図4の補助スコープ134、または、組織収集デバイス(たとえば、図5A図6Bの外科用器具200および組織回収デバイス300(図7A)など)、および、他の器具(たとえば、図8Aの生検器具404など)を追加的に含むことが可能である。デフレクター55の近位端部は、リジッドの先端部21に提供されているピン61において、ハウジング62に取り付けられることができる。デフレクター55の遠位端部は、デフレクター55が低下された(または、作動されていない)状態にあるときに、ハウジング62の中にウィンドウ65の下方に位置付けされることが可能である。デフレクター55の遠位端部は、デフレクター55がワイヤー57によって上昇される(または、作動される)ときに、少なくとも部分的にウィンドウ65から外に延在することが可能である。器具63は、デフレクター55の角度付きランプ表面51の上でスライドし、器具63の遠位端部をウィンドウ65に向けて最初に偏向させることが可能である。角度付きランプ表面51は、ルーメン62の軸線に対して第1の角度でウィンドウ65から延在する器具63の遠位部分の延在を促進させることが可能である。角度付きランプ表面51は、器具63を受け入れてガイドするための溝部69(たとえば、v字ノッチ)を含むことが可能である。デフレクター55は、ルーメン62の軸線に対して第2の角度で器具63を曲げるように作動されることが可能であり、第2の角度は、第1の角度よりも垂直に近い。ワイヤー57が解放されるときに、デフレクター55は、ワイヤー57を押すことまたは弛緩させることのいずれかによって、(たとえば、反時計回りに)回転させられ、低下された位置に戻ることが可能である。例では、器具63は、胆管鏡または補助スコープ134(図4)を含むことが可能である。
【0042】
図3A図3Cの側視型内視鏡カメラモジュール50は、イメージ信号の収集のための光学コンポーネント(たとえば、対物レンズ60、プリズム66、イメージングユニット67、配線68)、光の伝送または発生のための照明コンポーネント(たとえば、照明レンズ58、光伝送器64)を含むことが可能である。また、内視鏡カメラモジュール50は、電荷結合素子(「CCD」センサー)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサーなどのような、感光性エレメントを含むことが可能である。いずれの例においても、イメージングユニット67は、(たとえば、有線接続または無線接続を介して)イメージ処理ユニット42(図2)に連結され、イメージ(たとえば、ビデオ信号)を表す感光性エレメントからの信号をイメージ処理ユニット42に伝送し、そして、ディスプレイ(たとえば、出力ユニット18など)の上に表示されるようにすることが可能である。さまざまな例において、イメージングおよび制御システム12ならびにイメージ処理ユニット67は、内視鏡検査手順に適切な所望の分解能(たとえば、少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4K UHDなど)において出力を提供するように構成されることが可能である。
【0043】
したがって、内視鏡100が解剖学的構造の中へさらに挿入されるとき、図4を参照して説明されているように、それが操縦されてねじ曲げられなければならないときに伴う複雑さが増大する。そのうえ、解剖学的構造の中のさらに進んだ場所に到達するために、追加的なデバイスが使用されることが可能である(たとえば、補助スコープ134の形態の器具63)。そうであるので、その後に入れ子にされるデバイスの断面積(たとえば、直径)はより小さくなり、それによって、さらにより小さなデバイスを必要とし、それは、図5A図7Bを参照して説明されているように、製造および操作するのが困難である可能性があり、または、繰り返される介入(たとえば、患者との相互作用)なしに満足のいくように結果をもたらすことが困難である可能性がある。
【0044】
図4は、十二指腸Dの中に位置決めされている、本開示による内視鏡100の遠位部分の概略図である。内視鏡100は、機能モジュール102、挿入セクションモジュール104、および制御モジュール106を含むことが可能である。制御モジュール106は、コントローラー108を含むことが可能である。制御モジュール106は、内視鏡検査システム10(図1)および制御ユニット16(図2)を参照して説明されているものなどのような、他のコンポーネントを含むことが可能である。追加的に、制御モジュール106は、補助スコープ134に接続されているカメラおよび光供給源を制御するためのコンポーネント(たとえば、イメージングユニット110、照明ユニット112およびパワーユニット114など)を含むことが可能である。内視鏡100は、図1および図2の内視鏡14と同様に構成されることが可能である。
【0045】
十二指腸Dは、導管壁120、オッディ括約筋122、総胆管124、および主膵管126を含むことが可能である。十二指腸Dは、小腸の上側部を構成している。総胆管124は、胆嚢および肝臓(図示されていない)からの胆液を運び、オッディ括約筋122を通して十二指腸Dの中へ胆液を空にする。主膵管126は、膵臓外分泌腺(図示されていない)から総胆管124へ膵液を運ぶ。ときには、胆管124または膵管126から生物学的物質(たとえば、組織)を除去し、組織を分析し、たとえば、患者の疾患または病気(たとえば、癌など)を診断することが望ましい可能性がある。
【0046】
機能モジュール102は、エレベーター部分130を含むことが可能である。内視鏡100は、ルーメン132および補助スコープ134をさらに含むことが可能である。補助スコープ134は、ルーメン136を含むことが可能である。補助スコープ134は、それ自体、機能的コンポーネント(たとえば、制御モジュール106に連結されているカメラレンズ137および光レンズ(図示されていない)など)を含み、解剖学的構造を通した内視鏡100からの補助スコープ134のナビゲーションを促進させ、ルーメン132から延在するコンポーネントを見ることを促進させることが可能である。
【0047】
十二指腸内視鏡検査手順(たとえば、内視鏡的逆行性胆道膵管造影、以降では、「ERCP」手順)において、補助スコープ(ドータースコープまたは胆管鏡とも称される)(たとえば、補助スコープ134など)は、「メインスコープ」(マザースコープまたは十二指腸内視鏡とも称される)(たとえば、内視鏡100など)のルーメン132(または、図3Bにおける内視鏡14の挿入セクション28の中央ルーメン62)を通して取り付けられて前進させられることができる。より詳細に下記に議論されているように、補助スコープ134は、オッディ括約筋122の中へガイドされることが可能である。そこから、補助スコープ134を動作させる外科医は、ルーメン132を通して、消化器系の中の胆嚢、肝臓、または他の場所に向けて、補助スコープ134をナビゲートし、さまざまな手順を実施することが可能である。外科医は、主膵管126の進入口128を越えて総胆管124の通路129の中へ、または、進入口128の中へ、補助スコープ134をナビゲートすることが可能である。補助スコープ134は、たとえば、ルーメン136を通過することまたはルーメン136に取り付けることなどによって、生物学的物質を取得するために追加的なデバイスを解剖学的構造にガイドするために使用されることが可能である。追加的なデバイスは、治療用手順のためのそれ自身の機能的デバイス(たとえば、光供給源、カメラ、組織セパレーター、アクセサリー、および生検チャネルなど)を有することが可能である。図5A図7Bを参照して説明されているように、追加的なデバイスは、生物学的物質(たとえば、組織など)を集めるためのさまざまな特徴(たとえば、鉗子またはオーガー(auger)など)を含むことが可能である。図8A図11を参照して説明されているように、追加的なデバイスは、内視鏡に繋留された生検デバイスを含むことが可能であり、それは、組織収集容量強化特徴を有している。次いで、生物学的物質は、典型的に補助デバイスからの追加的なデバイスの除去によって、患者から除去されることが可能であり、除去された生物学的物質が、患者の1つまたは複数の条件を診断するために分析されることが可能であるようになっている。いくつかの例によれば、内視鏡100は、癌性物質または前癌性物質(たとえば、癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、およびリンパ腫など)の除去、子宮内膜症評価、および胆管生検などに適切である可能性がある。
【0048】
しかし、上述のように、追加的なデバイスのサイズは、内視鏡100、補助スコープ134、および追加的なデバイスのサイズが徐々に小さくなることに起因して、典型的に小さい。例では、内視鏡100のルーメン132は、典型的に、直径に関しておおよそ4.0mmのオーダーにあることが可能であり、一方では、補助スコープ134のルーメン136は、典型的に、おおよそ1.2mmのオーダーにあることが可能である。そうであるので、従来のデバイスでは、追加的なデバイスを繰り返して除去および再挿入する必要なしに、正確な診断を保証するようにサイズ決めされた十分に大きな組織サンプルを取得することが困難である可能性がある。同様に、補助スコープカメラの見通し線の中の組織回収デバイスの存在を含む複数の理由に起因して、所望の物質(たとえば、ターゲット組織)を見ることが困難である可能性がある。それによって、これは、望ましくない(たとえば、非癌性の)材料の収集を起こり得るものにする。しかし、本開示のシステムおよびデバイスでは、たとえば、本開示の組織回収デバイスまたは生検器具として構成されるときに、追加的なデバイスの単一の挿入および除去のみによって、十分に大きな組織サンプルサイズを取得することが可能である。たとえば、組織回収デバイスは、部分的にまたは全体的に半透明の材料から製作され、イメージングデバイスが組織回収デバイスの後ろの組織の改善された視認性を有することを可能にすることができる。追加的に、組織回収デバイスは、部分的にまたは全体的に反射性材料から製作され、イメージングデバイスが組織回収デバイスの特定のコンポーネント(たとえば、組織カッターなどのような機能的コンポーネント)の改善された視認性を有することを可能にすることができる。そのうえ、本開示は、組織収集デバイスのサイズおよび容量を増加させるために、補助スコープおよびそれを通って延在するルーメンの前方に設置されることが可能である組織回収デバイスおよび生検デバイスを含む。
【0049】
図5Aは、細長い本体部202と、組織収集デバイス204と、デバイスコントローラー206とを含む外科用器具200の概略図である。外科用器具200は、患者からの生物学的物質(たとえば、組織など)の分離、収集、および回収のために構成されたデバイスを含むことが可能である。組織収集デバイス204は、セパレーター210を含むことが可能であり、セパレーター210は、図示されている例では、ジョー212およびヒンジ214および活性化メカニズム216を含む。コントローラー206は、ハンドピースまたはハンドル218を含むことが可能であり、それは、活性化メカニズム216およびコネクター220を含むことが可能である。細長い本体部202は、ルーメン224を含むことができるシャフト222を含むことが可能である。コントローラー206は、ケーブル226を介して、および、コネクター220の使用を介して、システム制御ユニット16(図1および図2)に接続されることが可能である。図5Aおよび図5Bに図示されているコンポーネントは、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。
【0050】
組織収集デバイス204は、細長い本体部202によって患者の中に位置決めされた後に、患者の中から生物学的物質を分離および回収することのうちの一方または両方を行うように構成されることが可能である。組織収集デバイス204は、ターゲット組織に係合し、患者からターゲット組織を分離し、(たとえば、患者からの細長い本体部202の除去などによる)患者からの除去のために、分離されたターゲット組織を貯蔵するように構成されることが可能である。
【0051】
ハンドピース218は、外科用器具200の操作および動作を促進させるのに適切な任意のデバイスを含むことが可能である。ハンドピース218は、シャフト222の近位端部に、または、シャフト222に沿った別の適切な場所に位置付けされることが可能である。例では、ハンドピース218は、ピストルグリップ、ノブ、およびハンドルバーグリップを含むことが可能である。作動メカニズム216は、組織収集デバイス204を動作させるために、ハンドピース218に取り付けられることができる。作動メカニズム216は、ボタン、トリガー、レバー、ノブ、およびダイアルなどのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。作動メカニズム216は、圧力印加デバイス214に連結されることが可能であり、ハンドピース218からの圧力印加デバイス214の動作を可能にするための任意の適切なデバイスを含むことが可能である。そうであるので、作動メカニズム216は、シャフト222のルーメン224の中にまたはシャフト222と並んで位置付けされているリンケージを含むことが可能である。例では、リンケージは、機械的なリンケージ、電子的なリンケージ、もしくは電気的なリンケージ(たとえば、ワイヤーもしくはケーブルなど)、または、活性化エネルギー供給源(たとえば、電気供給源、流体供給源、もしくはガス供給源(たとえば、チューブもしくは導管など)など)であることが可能である。
【0052】
シャフト222は、ハンドピース218から延在することが可能であり、組織収集デバイス204が患者の中へ挿入されることを可能にするように構成されている細長い部材を含むことが可能である。例では、シャフト222は、補助スコープ(たとえば、図4のスコープ134など)の中に設置するようにサイズ決めされることが可能である。そうであるので、シャフト222は、患者の表皮の中の切開部の中へ、患者の体腔を通して、器官の中へ挿入されることが可能である。したがって、低侵襲性の外科的手順を促進させるために、シャフト222(および、それに取り付けられているコンポーネント)の直径または断面形状が可能な限り小さくなっていることが望ましい。したがって、組織収集デバイス204は、外科用器具200に対するサイズの影響を最小化するために、および、リンケージと干渉することなく、シャフト222の中へ組み込まれることができる。シャフト222は、軸線方向にリジッドであるが、弾性的に曲げ可能であり、金属またはプラスチック材料から形成されることが可能である。
【0053】
組織収集デバイス204は、シャフト222の遠位端部に、または、シャフト222に沿った別の適切な場所に位置付けされることが可能である。組織収集デバイス204は、たとえば、ルーメン136(図4)の中にフィットするようにサイズ決めされることが可能である。組織収集デバイス204は、患者と相互作用するためのコンポーネントまたはデバイス(たとえば、組織を切断するか、スライスするか、引っ張るか、ノコギリで切るか、パンチするか、捩じるか、またはオーガーをするなどのように構成されたものなど)を含むことが可能である。具体的には、セパレーター210は、患者から組織を除去するのに適切な任意のデバイス(たとえば、ブレード、パンチ、掻き取りデバイス、またはオーガーなど)を含むことが可能である。追加の例では、セパレーター212は、患者から組織を掻き取るかまたは薄く削るように構成されたデバイス(たとえば、ブラシまたはおろし金デバイスなど)を含むことが可能である。別の例では、セパレーター212は、粗面化された表面(たとえば、硬質粒子(たとえば、ダイヤモンド粒子または砂粒子など)によってコーティングされた表面など)を含むことが可能である。セパレーター210は、患者の組織の一部分を、患者の中の組織の他のより大きな部分から物理的に分離するように構成されることが可能である。追加の例では、セパレーター210は、物理的な分離を必要としない生物学的物質(たとえば、粘液または流体など)を患者から単に収集するように構成されることが可能である。例では、セパレーター212は、組織収集デバイスまたは別のデバイスによる回収のために、患者の組織の一部分を物理的に分離するように構成されること可能である。図示されている例では、セパレーター210は、ヒンジ214において枢動可能に接続されているジョー212を有する鉗子を含むことが可能である。しかし、セパレーター210は、生物学的物質を収集することができるさまざまなデバイス(たとえば、パンチ、オーガー、ブレード、およびノコギリなど)として構成されることが可能である。同様に、セパレーター210は、収集された物質を貯蔵するための特徴(たとえば、コンテナまたは貯蔵スペースなど)を組み込むことが可能である。例では、図6Aを参照して議論されているように、貯蔵スペースは、ジョー同士の間に提供されることが可能である。セパレーター210は、図6Aおよび図6Bを参照して説明されているような鉗子、または、図7Aおよび図7Bを参照して説明されているようなオーガーを含むことが可能である。任意の構成において、セパレーター210の一部分は、光がそれを通過することを可能にするように、または、それに入射する光を反射するように構成され、イメージングユニットによって取得されるセパレーター210および解剖学的構造のイメージを選択的に強化することが可能である。
【0054】
ジョー212は、組織収集デバイス204によって収集された生物学的物質を保持するおよび保つためのコンテナまたは壁付きエレメントとして構成されることが可能である。例では、ジョー212は、可撓性のバスケットを含むことが可能であり、可撓性のバスケットは、ジョー212の一部分がターゲット組織と密接に接触させられることを可能にするように変形させられることができる。たとえば、ジョー212は、織物材料(たとえば、Kevlar、PVC、ポリエチレン、ポリカーボネート、およびPEEKなどのストランドなど)から製作されることが可能である。ジョー212は、構造的コンポーネント(たとえば、フレーム)に連結されており、シャフト222への連結を促進させること、および、切断エレメント(たとえば、歯またはブレードなど)をジョー212に装着することを促進させること、ならびに、セパレーター210に安定性を提供することが可能である。追加の例では、ジョー212は、リジッドのおよび非可撓性の材料から製作されたボックスなどのような、構造的エレメントを含むことが可能である。
【0055】
ハンドピース218は、ユーザーによって動作され、組織収集デバイス204を動作させることができる。ハンドピース218は、シャフト222を操作し、ターゲット組織に対してセパレーター210を押し付けるために使用されることが可能である。たとえば、シャフト222は、回転させられ、振動させられ、および、往復運動などさせられ、ターゲット組織に沿ってセパレーター210を移動させ、患者に取り付けられたターゲット組織からセパレーター210がサンプル組織を分離することを引き起こすことが可能である。活性化メカニズム216は、ハンドピース218に連結されることが可能であり、セパレーター210を動作させるように構成されることが可能である。活性化メカニズム216は、本明細書で説明されている異なるタイプのセパレーターデバイスを活性化させるのに適切な任意のタイプのデバイスを含むことが可能である。例では、活性化メカニズム216は、レバー、トリガー、ジョイスティック、ボタン、およびホイールなど、ならびに、それらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。例では、活性化メカニズム216は、ホイールを含むことが可能であり、ホイールは、ジョー212を開けるために1つの方向に回転させられることができ、また、ジョー212を閉じるために反対方向に回転させられることができる。たとえば、ホイールは、ジョー212を開閉するためにワイヤーを押すおよび/または引っ張るように回転させられることができる。
【0056】
図5Bは、補助内視鏡230から延在する半透明の組織セパレーター210を示す、図5Aの組織収集デバイス204の遠位端部の拡大図である。内視鏡230は、補助スコープ134の例を含むことが可能である。内視鏡230は、シャフト232、作業チャネル234、通路236、およびレンズ238を含むことが可能である。視野240は、レンズ238から投影することが可能である。内視鏡230は、視野240の中への光の投影のためのレンズ239を追加的に含むことが可能である。
【0057】
組織収集デバイス204は、ロープロファイルデバイスとして構成されることが可能であり、小さな直径のルーメン(たとえば、図4の補助スコープ134のルーメン136など)を通して挿入されることが可能であるようになっている。追加的に、組織収集デバイス204は、高容量の組織コレクターとして構成されることが可能であり、高容量の組織コレクターは、大きな体積の収集されたサンプル組織を保持し、それによって、補助スコープから外科用器具200を繰り返して除去する必要性を低減させるかまたは排除することが可能である。そのうえ、組織収集デバイス204は、光学的に強化され、ターゲット組織と相互作用するための組織収集デバイス204のユーザー動作を促進させることが可能である。たとえば、ジョー212Aおよび212Bは、半透明の材料から製作され、レンズ238がジョー212Aおよび212Bを通して見ることを可能にすることができ、歯213は、反射性材料から製作され、レンズ239からの光を反射してレンズ238に戻し、組織収集デバイス204が患者のターゲット組織と相互作用することとなる場所を、ユーザーがより明確に描出することを可能にすることができる。ジョー212Aおよび212Bは、ジョー212Aおよび212Bのうちの一方または両方を通して見られるときに、ターゲット組織の拡大を提供するようにさらに構成されることが可能である。例では、ジョー212Aおよび212Bのうちの一方または両方は、透明な材料の1つまたは複数の凸形表面を含み、光学的な拡大を提供することが可能である。
【0058】
組織収集デバイス204は、作業チャネル234の中へ完全に後退されることが可能である。作業チャネル234は、図4のルーメン136を含むことが可能である。そうであるので、レンズ238は、シャフト232の操作によって自由に移動され、視野240の中にターゲット組織を位置決めすることが可能である。しかし、作業チャネル234から組織収集デバイス204を延在させることが望まれるときに、組織収集デバイス204は、視野240の中に位置決めされるようになり、それによって、レンズ238がターゲット組織のイメージをキャプチャーすることを阻止または防止することが可能である。図6A図7Bを参照して議論されているように、組織収集デバイス204は、光が1)コレクター210のコンポーネント、部分、もしくはすべてを通過すること、および/または、光が2)コレクター210のコンポーネント、部分、またはすべてによって反射されることを可能にし、レンズ238を通して取得されるイメージを強化するように構成されることが可能である。
【0059】
図6Aは、外科用器具200の概略図であり、ここでは、セパレーターデバイス210は、鉗子250を含み、鉗子250は、閉じた状態になっており、ターゲット組織254に近接して内視鏡230から延在させられている。図6Bは、外科用器具200の概略図であり、セパレーターデバイス210は展開状態にあり、ターゲット組織254に係合するために鉗子250が開いた状態になっている。図6Aおよび図6Bは、同時に議論されており、その中のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。
【0060】
図6Aに示されているように、組織収集デバイス204は、ターゲット組織254が位置付けされている解剖学的導管255の中に位置決めされることが可能である。シャフト222は、解剖学的導管を通してターゲット組織254へセパレーター210をガイドするために使用されることが可能である。ターゲット組織254は、突出部(たとえば、癌性材料または前癌性材料の成長など)を含む可能性がある。
【0061】
内視鏡230は、レンズ238がターゲット組織254に面するように位置決めされることが可能である。そうであるので、ターゲット組織254は、レンズ238の視野240の中にあることが可能である。視野240は、特定の視野角を有するものとして図示されている。しかし、レンズ238は、最大で108度までの(108度を含む)異なる角度を有する視野240を有するように構成されることが可能である。図6Aにおいて見ることができるように、組織収集デバイス204は、シャフト232から延在させられ、ジョー212Aおよび212Bを露出させているが、ターゲット組織254にまだ係合していない。そうであるので、ジョー212Aおよび212Bは、したがって、ターゲット組織254から視野240を完全に遮断しないように位置付けされることが可能である。しかし、視野240は、組織収集デバイス204が作業チャネル234からさらに延在させられれば延在させられるほど、妨害されるようになる可能性がある。たとえば、ターゲット組織254がそこから延在する導管255の部分は、レンズ238によって見ることを阻害されるようになる可能性がある。
【0062】
図6Bは、サンプル組織258を伴う貯蔵スペース256を示すために、ジョー212が断面で示された状態の組織収集デバイス204の側面図である。ジョー212は、半径方向(たとえば、図6Bの配向に対して上下方向)に細長くなっていることが可能であり、収集された物質の貯蔵のためのコンテナを形成するようになっている。
【0063】
ジョー212がヒンジ214において互いに離れるように回転させられた状態で、組織収集デバイス204は、サンプル組織258に向けて軸線方向に移動されることが可能である。ジョー212は、ターゲット組織254に係合するように互いに向けて回転させられることができる。組織収集デバイス204は、シャフト222の軸線に沿って前後に往復運動させられ、サンプル組織258を収集することが可能である。歯213は、患者の解剖学的構造から離れるように、ターゲット組織254の一部分を切断するか、ノコギリで切るか、引き裂くか、または引き剥がすために使用されることが可能である。例では、ジョー212Aおよび212Bのうちの1つのみが、回転するように構成されることが可能である。
【0064】
歯213は、ジョー212Aおよび212Bの縁部から製作されることが可能である。例では、歯213は、ジョー212Aおよび212Bの材料のエクステンションを含むことが可能である。そのような例では、歯213ならびにジョー212Aおよび212Bの両方は、プラスチックまたは金属などのようなリジッド材料から製作されることが可能である。例では、ジョー212Aおよび212Bは、Corningから市販されているGorilla Glass(登録商標)、または、他の化学的に強化されたガラス(たとえば、アルカリアルミノシリケートシートガラスなど)から製作されることが可能である。例では、ジョー212Aおよび212Bは、成形ポリカーボネートから製作されることが可能である。
【0065】
追加の例では、歯213ならびにジョー212Aおよび212Bは、ヒンジ214から延在するフレームに装着されることが可能である。たとえば、ジョー212Aは、境界を定められたスペースを形成するためにヒンジ214から延在する端部部分を有するU字形状のリジッドのフレームを含むことが可能である。ジョー212Aは、境界を定められたスペースを部分的に囲むようにU字形状のリジッドのフレームに装着されている可撓性の材料のバッグまたはベローズを含むことが可能である。歯213は、部分的に囲まれたスペースから離れるようにU字形状のリジッドのフレームから延在することが可能である。ジョー212Bは、ジョー212Aの歯213と噛み合うように構成された歯213を備えて同様に構成されることが可能である。したがって、ジョー212Aおよび212Bの可撓性の材料は、ジョー212Aおよび212Bが係合するように回転させられるときに、完全な囲いを形成することが可能であるが、ターゲット組織254に係合している歯213と干渉しないように曲がることが可能である。
【0066】
歯213は、1つまたは複数の配向を有するように構成されることが可能である。たとえば、歯213は、ターゲット組織254に向けて遠位に角度付きになっているか、または、シャフト222に向けて近位に角度付きになっていることが可能である。例では、歯213のうちのいくつかは、近位に角度付きになっていることが可能であり、歯213のうちのいくつかは、遠位に角度付きになっていることが可能である。例では、歯212は、異なる方向に配向されることが可能である。
【0067】
上記に議論されているように、組織収集デバイス204のコンポーネントまたは部分は、光学的に強化された材料から作製されることが可能である。例では、ジョー212Aおよび212Bは、半透明の材料または透明な材料から作製されることが可能であり、それは、光波がそれを通ってトラベルすることを可能にすることができ、それによって、レンズ238がジョー212Aおよび212Bを「見通す」ことを可能にする。透明な材料は、レンズ238がターゲット組織254の生来の着色を見ることを可能にすることができる。半透明の材料は、レンズ238がフィルタリングされた様式でターゲット組織254を見ることを可能にするように構成されることが可能である。そうであるので、ジョー212Aおよび212Bは、異なる色によって半透明に色付けされ、特定の組織タイプの視認を強化するか、または、他の組織タイプの視認を弱めることが可能である。
【0068】
しかし、組織収集デバイス204の制御を維持するために(たとえば、歯213を正確に用いることを維持するために)、組織収集デバイス204の一部分は、不透明であるか、反射性であるか、または半透明であることが可能である。とりわけ、歯213は、不透明な、反射性の、もしくは半透明の材料から作製されることが可能であり、または、それに適用されるコーティングを有することが可能である。例では、歯213は、レンズ238によって容易に見ることができるように不透明であることが可能である。追加の例では、歯213は、レンズ239からの光と光学的に相互作用するように構成されることが可能である。たとえば、歯213は、それに適用されている反射性のコーティング(たとえば、反射性粒子または酸化チタンの粒体のコーティングなど)を有することが可能である。したがって、レンズ239からの光は、レンズ238に跳ね返ってくることができる。追加の例では、歯213は、特定のタイプの光によって係合されるときに明るくなるように蛍光性であることが可能である。したがって、レンズ239からの光は、導管255に対してより識別可能な特定の波長でレンズ238が歯213を見ることを引き起こすことが可能である。例では、歯213のうちのいくつかのみが、反射性または蛍光性であることが可能である。
【0069】
先述のものの観点から、光学的に強化された組織収集デバイスの使用は、ジョー212Aおよび212Bを通したターゲット組織254の視認、ジョー212Aおよび212Bの中のサンプル組織258の視認、ならびに、サンプル組織258がターゲット組織254から除去された裂傷部260の視認を促進させることが可能である。そうであるので、内視鏡230は、裂傷部260の中の内部組織層を見るために、および、その組織の条件を潜在的に診断するために使用されることが可能である。
【0070】
図7Aは、ボーリングデバイス302を含む組織回収デバイス300の概略図であり、ボーリングデバイス302は、内視鏡304の中へ挿入されることが可能である。図7Bは、サンプル組織308を伴う貯蔵スペース306を示すために、ボーリングデバイス302が断面で示された状態の図7Aの組織回収デバイス300の側面図である。図7Aおよび図7Bは、同時に議論されており、その中のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。
【0071】
組織回収デバイス300は、シャフト310をさらに含むことが可能である。ボーリングデバイス302は、コンテナ312、ボーリングランド314、ブレード316、およびボア318を含むことが可能である。内視鏡304は、図6Aおよび図6Bの内視鏡230と同様に構成されることが可能であり、補助スコープ134の別の例を含むことが可能である。内視鏡304は、シャフト320、作業チャネル322、通路324、およびレンズ326を含むことが可能である。視野328は、レンズ326から投影することが可能である。内視鏡304は、1つまたは複数の波長の光をターゲット組織330の上に投影するための光レンズ329をさらに含むことが可能である。
【0072】
組織回収デバイス300は、矢印Bの軸線方向にターゲット組織330に係合するように構成されることが可能である。たとえば、組織回収デバイス300は、組織のマウンドもしくは突出部の前に、または、組織の壁部に近接して位置決めされることが可能である。シャフト306は、ターゲット組織330に係合するように、ユーザーによって矢印Bの方向に前進されることが可能である。ボーリングデバイス302は、パンチとして構成されることが可能である。コンテナ312は、円錐形状を有することが可能であり、遠位ボア318を含むことが可能であり、遠位ボア318は、組織の中を押し進むように構成されることが可能である。したがって、組織回収デバイスは、樹木のコアサンプリングなどと同様に、組織を突き抜け、組織サンプルを採取するように構成されることが可能である。ボア318の遠位縁部または前縁部は、鋭利にされることが可能である。そのような構成では、ランド314およびブレード316は、コンテナ312から省略されることが可能である。
【0073】
例では、ボーリングデバイス302は、オーガーとして構成されることが可能である。そうであるので、コンテナ312は、円錐形状を有することが可能であり、ランド314が螺旋様式でコンテナ312の周りに巻き付けられた状態になっている。ランド314は、組織に係合し、コンテナ312が矢印Bの方向に組織を貫通することを可能にするように構成されることが可能である。いくつかの状況において、たとえば、滑りやすいまたは湿った条件に起因して、ボーリングデバイス302がターゲット組織の上を滑ることが起こり得る。したがって、望ましい体積のサンプル組織を収集するのに十分に組織に係合することが困難であるかまたは不可能である可能性がある。ランド314は、組織との係合を促進させるように構成されることが可能である。シャフト306は、オペレーターによって回転させられ、コンテナ312およびランド314を回転させることが可能である。ランド314は、回転させられながら組織を掴み、組織の中へのボーリングデバイス302のさらなる軸線方向の貫通を引き起こすことが可能である。そうであるので、ボーリングデバイス302が前方に前進されるとき、コンテナ312の遠位先端部は、組織との係合を維持することが可能である。コンテナ312が組織に進入するとき、ブレード316は、患者から離れるように組織をスライスするかまたは削り落とすように構成されることが可能である。ブレード316は、コンテナ312の中の開口部の鋭利にされた縁部を含むことが可能であり、ポテトピーラーと同様に構成されることが可能である。例では、ブレード316およびボア318のうちの1つのみが使用されることが可能である。しかし、図示されているように、両方が含まれることができる。
【0074】
追加的に、さまざまな例において、コンテナ312は、ボア318および/またはブレード316によって収集されたサンプル組織を捕獲して保つための内部スペースを有するように構成されることが可能である。
【0075】
本明細書で議論されているように、ボーリングデバイス302の特徴は、レンズ326の視点および光レンズ329において放出される光と相互作用するように光学的に強化されることが可能である。たとえば、コンテナ312は、透明な材料または半透明の材料から製作されることが可能である。そうであるので、見通し線340は、レンズ326から、コンテナ312を通って、サンプル組織308がターゲット組織330から除去された裂傷部342へ延在することが可能である。追加的に、見通し線344は、レンズ326から、コンテナ312を通って、コンテナ312の中のサンプル組織308へ延在することが可能である。
【0076】
ボーリングデバイス302の他の特徴は、レンズ329からの光と相互作用するように構成されることが可能である。たとえば、ボーリングランド314、ブレード316、およびボア318は、光を反射するかまたは発光性になるための材料から製作されるかまたはそれによってコーティングされることが可能である。
【0077】
したがって、本明細書で議論されているように、ボーリングデバイス302は、透明または半透明であることによって、デバイスの一部分を隠すかまたは見えなくするように、および、反射性または発光性であることによって、デバイスの他の部分を視覚的に明るくするかまたは強調するように、光学的に強化されることが可能である。したがって、ボーリングデバイス302の一部分(たとえば、ターゲット組織を識別および除去することに機能的に重要でないものなど)は、オペレーターのためのイメージング信号におけるノイズを低減させるために光学的に最小化されることが可能であり、ボーリングデバイス302の一部分(たとえば、ターゲット組織を識別および除去することに機能的に重要であるものなど)は、オペレーターのためのイメージング信号における視認性を増加させるために光学的に最大化されることが可能である。
【0078】
図8Aは、内視鏡402および生検器具404を含む内視鏡検査システム400の概略図である。生検器具404は、患者の解剖学的構造の中への挿入のために内視鏡402の遠位端部部分に繋留されることが可能であり、それによって、患者の中へ内視鏡402を何度も再挿入する必要なしに、大きな体積のサンプル組織の収集を促進させる。
【0079】
生検器具404は、患者からの生物学的物質(たとえば、組織など)の分離、収集、および/または回収のために構成されたデバイスを含むことが可能である。例では、生検器具404は、図8Bに示されている鉗子として構成されることが可能である。生検器具404は、セパレーター406を含むことが可能であり、それは、図示されている例では、ジョー408Aおよび408B、ヒンジ410、ベース412、制御ケーブル414Aおよび414B、ならびに、カップラー416Aおよび416Bを含むことが可能である。生検器具404は、ハンドピース418ならびにカップラー420Aおよび420Bを追加的に含むことが可能である。ハンドピース418は、コネクター421およびケーブル419を介して制御ユニット16(図1および図2)に動作可能に連結されることが可能である。
【0080】
内視鏡402は、シャフト422、ルーメン424、ハンドピース426、コントロール428、コネクター430、およびケーブル432を含むことが可能である。ハンドピース426は、内視鏡402の機能を動作させるためのコントローラーを含むことが可能である。たとえば、コントロール428は、シャフト422の中のプルワイヤーを活性化させるためのノブを含むことが可能である。ハンドピース426は、ケーブル432を介して、および、コネクター430の使用を介して、システム制御ユニット16(図1および図2)に接続されることが可能である。図8Aに図示されているコンポーネントは、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。
【0081】
内視鏡402は、図5B図7Bの内視鏡230および内視鏡304を参照して説明されているようなコンポーネントおよび特徴を含むことが可能である。内視鏡402は、ステアリング能力(たとえば、プルワイヤー)、照明能力(たとえば、光エミッター)、ガイダンス能力(たとえば、カメラまたはイメージングシステム)、および流体能力(たとえば、灌流能力および吸引能力)を含むことが可能である。とりわけ、内視鏡402は、ルーメン424を使用する作業ツールとともに動作するように構成されることが可能である。ルーメン424は、シャフト422の最遠位端部434とハンドピース426との間の接続を提供し、器具が、ルーメン424の中へ挿入され、シャフト422の遠位端部を通して解剖学的構造の中で機能することができるようになっており、また、ハンドピース426を介して内視鏡402の近位端部436において制御されることが可能であるようになっている。
【0082】
生検器具404は、患者の中から生物学的物質を回収し、除去し、および収集するように構成された作業ツールを含むことが可能である。図示されている例では、生検器具404は、鉗子を含む。しかし、図7Aおよび図7Bのボーリングデバイス302、ならびに、本明細書で説明されている他のデバイスなどのような、他の生検器具または作業ツールも使用されることが可能である。
【0083】
ベース412は、セパレーター406をその上に装着するためのコンポーネントを含むことが可能であり、それは、シャフト422に係合することが可能である。例では、ベース412は、制御ケーブル414Aおよび414Bによって適切な場所に保持されるように、最遠位端部434に当接するように構成されることが可能である。他の例では、ベース412は、たとえば、ネジ山付きカップリング、ルーメン424と締まり嵌めになることができる突出部、クイックコネクトカップリング、または磁気カップリングを介してなど、最遠位端部434に連結されるように構成されることが可能である。ヒンジ410は、ベース412に装着された軸または枢動ポイントを含むことが可能であり、ジョー408Aおよび408Bのうちの一方または両方が、その上で枢動することが可能である。したがって、ジョー408Aおよび408Bは、ヒンジ410に装着されることが可能である。
【0084】
制御ケーブル414Aおよび414Bは、ルーメン424の中への延在のために、ジョー408および408Bから、ベース412を通って、ベース412と並んで、または、ベース412の周りに延在することが可能である。制御ケーブル414Aおよび414Bは、生検器具404の遠隔の(たとえば、近位での)制御を可能にするさまざまなデバイスまたはコンポーネントを含むことが可能である。例では、制御ケーブル414Aおよび414Bは、生検器具404のコンポーネントを引っ張るように構成されたワイヤーまたはケーブルを含むことが可能である。図示されている例では、2つの制御ケーブルが、ジョー408Aおよび408Bの操作のために示されている。しかし、1つのみの制御ケーブルが使用されることもでき、または、3つ以上の制御ケーブルが使用されることもできる。
【0085】
制御ケーブル414Aおよび414Bの近位端部は、カップラー416Aおよび416Bをそれぞれ提供されることが可能である。カップラー416Aおよび416Bは、ハンドピース426のカップラー420Aおよび420Bに接続されることが可能である。カップラー416Aおよび416Bとカップラー420Aおよび420Bとのそれぞれの結合は、ハンドピース426から生検器具404への制御ケーブル414Aおよび414Bを通した作動力の伝送を可能にすることができる。したがって、ハンドピース426は、制御ケーブル414Aおよび414Bを引っ張るおよび押すように動作されることが可能であり、または、制御ケーブル414Aおよび414Bを引っ張るおよび押すためのボタン、ノブ、およびレバーなどを含むことが可能である。例では、カップラー416Aおよび416Bは、プラグを含むことが可能であり、カップラー420Aおよび420Bは、ソケットを含むことが可能である。例では、カップラー416Aおよび416Bは、ループまたはアイレットを含むことが可能であり、カップラー420Aおよび420Bは、ラッチ、クリップ、およびフックなどを含むことが可能であり、または、その逆もまた同様に可能である。
【0086】
生検器具404は、機械的に作動される生検器具として、図8Aに示されている。しかし、例では、電気的に作動される生検器具が提供されることが可能であり、そこでは、1つまたは複数の制御ケーブルが、電力および制御信号のうちの少なくとも1つを生検器具に送達するように構成されている。そうであるので、生検器具は、たとえば、電気モーターまたはアクチュエーターを介して、電気的に活性化させられるデバイスを含むことが可能である。それに対応して、ハンドピース426は、そのような生検デバイスの電気的なコンポーネントを動作させるための適当なアクチュエーター(たとえば、ボタンおよびスイッチなど)を含むことが可能である。
【0087】
典型的に、内視鏡が、患者の解剖学的構造の中へ挿入され、次いで、作業ツールが、内視鏡を通して挿入される。そうであるので、上記に議論されているように、作業ツール(とりわけ、作業ツールの遠位の機能的な端部)は、内視鏡のルーメンの中にフィットするようにサイズ決めされていなければならず、それは、機能的端部およびそこに配設されている作業ツールのサイズを制限する。その理由は、作業ルーメンが必然的に内視鏡の断面よりも小さいからである。上述のように、典型的な作業ツールルーメン(たとえば、ルーメン424など)は、おおよそ1.2mmの直径を有するように構成されることが可能である。
【0088】
本開示のデバイスおよびシステムによって、作業ツールは、内視鏡の遠位端部に挿入前に取り付けられることができる作業ツールを提供することによって、内視鏡の典型的な作業ツールルーメンよりも大きい機能的エレメントを含むことが可能である。作業ツールルーメンは、作業ツールのためのコントローラーまたはハンドピースに近位に連結されることが可能である作業ツールからの制御エレメントの通過のために使用されることが可能である。作業ツールは、作業ツールルーメンよりも大きくサイズ決めされることが可能であり、内視鏡の長手方向軸線に対して、作業ツールルーメンを越えて半径方向に延在することが可能である。そのような能力を促進させるために、作業ツールは、内視鏡のイメージング能力および照射能力の妨害を最小化するために、光の通過を可能にする材料(たとえば、透明な材料または半透明の材料)から製作されるコンポーネントを含むことが可能である。
【0089】
生検器具404は、最遠位端部434においてルーメン424の中へカップラー416Aおよび416Bを挿入することを介して、内視鏡402に連結されることが可能である。カップラー416Aおよび416Bは、シャフト422およびハンドピース426を通して延在させられ、近位端部436から延在することが可能である。ベース412は、シャフト422に当接されることが可能であり、例では、それに装着されることが可能である。カップラー416Aおよび416Bは、ハンドピース418のカップラー420Aおよび420Bとリンク接続されることが可能である。ハンドピース418は、任意の適切なカップリング(たとえば、ネジ山付き締結具、スナップフィットカップラー、およびフックアンドループ締結具材料など)を介して、ハンドピース426に装着されることが可能である。例では、カップラー416Aおよび416Bとカップラー420Aおよび420Bとの接合によって、ベース412とハンドピース418との間で制御ケーブル414Aおよび414Bに印加される張力は、生検器具404およびハンドピース418を内視鏡402に接合するのに十分であり得る。そのように構成されているので、セパレーター406は、シャフト422に繋留されることが可能である。しかし、セパレーター406は、他の繋留構成体(たとえば、ベース412を参照して本明細書で議論されているものなど)によって取り付けられることができる。
【0090】
組み立てられると、生検デバイス404は、ユーザーによって近位端部において操作されるように、最遠位端部434に位置決めされることが可能である。ジョー408Aおよび408Bは、ルーメン424よりも大きくサイズ決めされることが可能であり、それによって、より大きな内部体積を有しており、それは、より大きな体積の組織サンプルが獲得されることを可能にする。ルーメン424よりも大きい生検デバイス406の動作を促進させるために(それは、レンズ238および239(図6A)を潜在的に妨害する)、ジョー408Aおよび408Bは、本出願の全体を通して説明されているように、光透過性材料から作製されることが可能である。そのうえ、たとえば、生検器具404を含む鉗子によって複数の収集動作(たとえば、「噛むこと」)を実行することを介して、大きな体積のサンプル生物学的物質の収集を促進させるためである。
【0091】
図8Bは、本開示の生検デバイスとして使用するのに適切な鉗子438の側面図である。鉗子438は、ベース440、ジョー442Aおよび442B、ヒンジ444、アクチュエーター446Aおよび446B、ならびに、制御ワイヤー448Aおよび448Bを含むことが可能である。鉗子438は、イメージングレンズ238および照明レンズ239の図示のために、図5Bの内視鏡230との係合を参照して説明されている。ベース440は、シャフト232に係合するように構成されることが可能である。ベース440は、シャフト232の最遠位面に当接することが可能であり、作業チャネル234の高さH1よりも高くなるように構成されることが可能であり、それによって、ベース440が作業チャネル234に進入することができるのを防止する。例では、ベース440は、シャフト232と同一平面上に嵌合し、シャフト232への安定した接続を提供することが可能であり、それによって、揺れまたは振動を阻止し、ジョー442Aおよび442Bがターゲット組織に固く係合することを可能にする。述べられているように、ベース440は、追加的に、機械的なカップリングなどを介して、シャフト232に対して適切な場所に確実に保持されるように構成されることが可能である。
【0092】
ヒンジ444は、ジョー442Aおよび442Bがベース440に連結するための接続ポイントを含むことが可能である。ヒンジ444は、丸形のピンまたはシャフトを含むことが可能であり、ジョー442Aおよび442Bの中の対応するボアがその上にフィットされることが可能である。したがって、ジョー442Aおよび442Bは、ヒンジ444の上で自由に回転するように構成されることが可能である。しかし、ヒンジ444の上でのジョー442Aおよび442Bの回転は、制御ワイヤー448Aおよび448Bによって制御されることが可能である。制御ワイヤー448Aおよび448Bは、ジョー442Aおよび442Bのアクチュエーター446Aおよび446Bにそれぞれ連結されることが可能である。アクチュエーター446Aおよび446Bは、作業チャネル234の中心線に対してジョー442Aおよび442Bから角度を持って延在するレバーを含むことが可能である。したがって、制御ワイヤー448Aおよび448Bは、ハンドピース418によって動作され、アクチュエーター446Aおよび446Bを引っ張り、ヒンジ444の周りにジョー442Aおよび442Bを回転させ、組織サンプルの収集を促進させることが可能である。例では、制御ワイヤー448Aおよび448Bは、予め湾曲されており、開位置または閉位置への回転付勢力をアクチュエーター446Aおよび446Bに付与することが可能である。しかし、例では、アクチュエーター446Aおよび446Bは、他の付勢エレメント(たとえば、スプリングなど)を提供されることが可能である。そうであるので、制御ワイヤー448Aおよび448Bの引っ張りは、所望の通りに、ジョー442Aおよび442Bの開閉を引き起こすことが可能である。図示されているように、ジョー442Aおよび442Bは、解剖学的構造から離れるように組織の切断および引き裂きを促進させるための歯を含むことが可能である。図示されている例は、レバーを含むアクチュエーターを参照して示されているが、他のアクチュエーター(たとえば、プルロッドまたはスクリューメカニズムなど)も使用されることが可能である。
【0093】
図示されているように、ジョー442Aおよび442Bは、作業チャネル234の高さH1を越えて半径方向に延在することが可能であり、レンズ238および239を妨害するようになっている。例では、作業チャネル234は、1.2mmの高さH1を有することが可能である。とりわけ、ジョー442Aは、レンズ238および239と内視鏡230の遠位のターゲット組織との間に位置決めされるように、作業チャネル234の上方に半径方向に延在することが可能である。そうであるので、たとえば、組織のイメージングを提供することなどによって、レンズ238および239がガイダンスおよびターゲット組織の獲得を内視鏡230に提供することを妨げることを、ジョー442Aおよび442Bが防止するようにするために、ジョー442Aおよび442Bは、本明細書で説明されているように、光がそれを通過することを可能にする材料(たとえば、透明な材料、半透明の材料、および、部分的に不透明な材料など)から作製されることが可能である。そうであるので、ジョー442Aおよび442Bは、内視鏡230の動作と干渉することなく、作業チャネル234よりも大きくなっていることが可能である。
【0094】
図9図11は、本開示とともに使用するのに適切な生検器具の例を図示している。図9図11は、図8Bの鉗子438の簡略図を図示している。しかし、他の組織収集または回収デバイスおよび他の鉗子の構成も使用されることが可能である。
【0095】
図9は、スポンジ454および針アレイ456を含む組織リテンションシステムを有する鉗子452を含む生検器具450の概略図である。鉗子452は、ジョー458Aおよび458B、ヒンジ460、ならびにベース462を含むことが可能である。ジョー458Aおよび458Bは、歯464を含むことが可能である。針アレイ456は、ベース464および針466を含むことが可能である。組織サンプル468は、ジョー458Aとジョー458Bとの間に位置付けされることが可能である。スポンジ454は、弾性的に変形可能な本体部を含むことが可能であり、弾性的に変形可能な本体部は、ジョー458Aおよび458Bの中のサンプル組織の存在によって変形させられることができるが、リテイニング力をサンプル組織に印加するためにその形状を保つ傾向がある。針466は、サンプル組織およびスポンジ454を穿孔するように構成されたタインまたはピンを含むことが可能である。
【0096】
スポンジ454および針アレイ456は、容量強化特徴を含むことが可能であり、容量強化特徴は、スポンジ454および針アレイ456がないときよりも大きな体積のサンプル組織をジョー458Aおよび458Bが保持することを可能にする。スポンジ454は、たとえば、接着剤または任意の適切な様式を介してなど、ジョー458Aの内部キャビティーに取り付けられることができ、組織サンプル468を458Bに向けて付勢するために使用されることが可能である。ベース464は、たとえば、接着剤または任意の適切な様式を介してなど、ジョー458Bの内部キャビティーに取り付けられることができる。そうであるので、ジョー458Aおよび458Bは、たとえば、制御ワイヤー448Aおよび448Bを使用することなどによって、組織サンプル468を取得し、ジョー458Aとジョー458Bとの間に組織サンプル468を位置決めするために使用されることが可能である。その後に、ジョー458Aおよび458Bは、追加的な組織サンプルを取得するために再び開けられることができ、スポンジ454は、組織サンプル468を針466の中へ押し込み、組織サンプル468が鉗子452から落下することを防止することが可能である。例では、スポンジ454および針アレイ456は、ジョー458Aとジョー458Bとの間に組織サンプル468を保つために独立して(たとえば、他方がない状態で一方のみを)使用されることが可能である。
【0097】
図10は、拡張可能なジョー504Aおよび504Bを有する鉗子502を含む生検器具500の概略図である。鉗子502は、ベース506、ヒンジ508、ならびに、レール510Aおよび510Bを含むことが可能である。ジョー504Aおよび504Bは、歯512を含むことが可能である。組織サンプル514は、ジョー458Aとジョー458Bとの間に位置付けされることが可能である。ジョー504Aは、方向Y1に変位可能になるように、レール510Aにスライド可能に連結されることが可能である。したがって、ジョー504Aは、中心線CLから(回転させられていない状態に対して)距離D1だけ変位されることが可能である。同様に、ジョー504Bは、方向Y2に変位可能になるように、レール510Bにスライド可能に連結されることが可能である。したがって、ジョー504Bは、中心線CLから(回転させられていない状態に対して)距離D2だけ変位されることが可能である。
【0098】
ジョー504Aおよび504Bは、たとえば、制御ワイヤー448Aおよび448Bによる作動を介してなど、組織サンプル514を取得するために使用されることが可能である。ジョー504Aおよび504Bは、矢印Y1およびY2の方向に半径方向外向きに移動されることが可能である。例では、ジョー504Aおよび504Bは、組織サンプル514からの抵抗によってレール510Aおよび510Bの上を移動されることが可能である。ジョー504Aおよび504Bは、レール510Aおよび510Bに乗るトラックを含むことが可能である。したがって、ジョー504Aおよび504Bが閉じられるように作動されているときに組織サンプル514が存在すると、ジョー504Aおよび504Bは、組織サンプル514の存在を収容するように外向きに移動することが可能である。トラックは、適当なレベルの摩擦を伴ってレール510Aおよび510Bに乗り、それらの間での自由な移動を防止することが可能である。したがって、ジョー504Aおよび504Bは、複数の組織サンプル、または、枢動ポイントにおいて固定されているジョーと比較してより大きなサイズのサンプルの収集を収容するように移動されることが可能である。
【0099】
図11は、可撓性のジョー554および対向するジョー556を有する鉗子552を含む生検器具550の概略図である。可撓性のジョー554および対向するジョー556は、ヒンジ558において接続され、ベース560に連結されることが可能である。ジョー554および556は、歯562を含むことが可能である。可撓性のジョー554は、偏向可能な壁部564を含むことが可能である。組織サンプル566Aおよび566Bは、ジョー554とジョー556との間に位置付けされることが可能である。
【0100】
ジョー554および556は、たとえば、制御ワイヤー448Aおよび448Bによる作動を介してなど、組織サンプル556Aを取得するために使用されることが可能である。したがって、組織サンプル556Aは、ジョー554とジョー556との間に位置決めされることが可能である。組織サンプル556Aは、ジョー554Aとジョー554Bとの間のスペースを占有することが可能である。しかし、生検器具550および内視鏡(生検器具550が内視鏡の中に挿入されている)を引き出すために組織収集手順を停止するのではなく、ジョー554および556は、第2の組織サンプル556Bを収集するように動作されることが可能であり、第2の組織サンプル556Bは、ジョー554Aとジョー556との間に位置決めされることが可能である。組織サンプル556Bの存在は、組織サンプル556Aをジョー556に向けて外向きに変位させることが可能である。組織サンプル566Aは、偏向されていない位置から距離D3だけ、偏向可能な壁部564をヒンジ558から離れるように外向きに偏向させ、ジョー554とジョー556との間により多くのスペースを作り出すことが可能である。
【0101】
図12は、本開示の生検デバイスおよび組織回収デバイス(たとえば、内視鏡の遠位に繋留されるものなど)を使用して患者から生物学的物質を収集する方法600の例を図示するブロック図である。方法600は、図8Aの内視鏡検査システム400、図8Bの鉗子438、図9の生検器具450、図10の生検器具500、および、図11の生検器具550、ならびに、本明細書で説明されているものを含む他の器具の使用を包含することが可能である。
【0102】
ステップ602において、生検デバイス(たとえば、図8Bの鉗子438、図9の生検器具450、図10の生検器具500、および、図11の生検器具550など)が、内視鏡402の中へ挿入されることが可能である。たとえば、制御ケーブル414Aおよび414Bは、シャフト422のルーメン424の中へ挿入されることが可能である。例では、制御ケーブル414Aおよび414Bは、内視鏡402よりも長くなっていることが可能であり、カップラー416Aおよび416Bを有する制御ケーブル414Aおよび414Bの近位端部が、内視鏡402から外に近位に延在することができるようになっている。
【0103】
ステップ604において、生検デバイスが、内視鏡に取り付けられ、内視鏡からの分離を防止することが可能である。たとえば、ハンドピース418は、たとえば、カップラー420Aおよび420Bをカップラー416Aおよび416Bに取り付けることなどによって、ハンドピース426に組み立てられ、制御ケーブル414Aおよび414Bがルーメン424からスライドして出ることを防止することが可能である。他の例では、カップラー416Aおよび416Bは、ハンドピース418の使用なしにハンドピース426に取り付けられることができる。追加的に、生検デバイス406のベース412が、内視鏡402のシャフト422に取り付けられることができる。
【0104】
ステップ606において、十二指腸内視鏡が、たとえば、患者の中の開口部または切開部の中へ挿入されることなどによって、患者の解剖学的構造の中へ挿入されることが可能である。例では、十二指腸内視鏡が、胆管鏡検査手順を実施するために患者の十二指腸にガイドされることが可能である。しかし、本開示の繋留された生検デバイスは、本明細書において言及されている他のタイプの手順においても使用されることが可能である(たとえば、他の消化器の手順および腎臓域の手順など)。
【0105】
ステップ608において、十二指腸内視鏡が、患者の解剖学的構造の中へ挿入され、それを通してナビゲートされることが可能である。たとえば、内視鏡14(図1)は、生来のイメージング能力を利用し、患者の解剖学的導管を通して挿入セクション28をガイドすることが可能である。挿入セクション28は、制御ノブ38を使用して曲げられるかまたは湾曲され、内視鏡14のターニングを促進させることが可能である。
【0106】
ステップ610において、内視鏡または補助スコープが、導管の中にさらに奥に位置付けされている解剖学的構造にアクセスするために、十二指腸内視鏡の中へ挿入されることが可能である。たとえば、内視鏡スコープ402(図8A)が、生検デバイス404がそれに取り付けられた状態で、ルーメン62(図3C)またはルーメン132(図4)の中へ挿入され、内視鏡14によって到達された解剖学的導管と交差する別の解剖学的導管に到達することが可能である。エレベーター54(図3C)は、内視鏡402を曲げるかまたはターンさせるために使用されることが可能である。
【0107】
ステップ612において、内視鏡は、解剖学的構造を通してナビゲートされることが可能である。たとえば、内視鏡402は、十二指腸から総胆管へガイドされることが可能である。内視鏡は、内視鏡の生来のステアリング能力およびイメージング能力を使用してガイドされることが可能である。
【0108】
ステップ614において、補助スコープの上のビューイングデバイスまたはイメージングデバイスが、患者の生物学的物質を見るために活性化させられることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ238の視野240の中の解剖学的構造を見るために活性化させられることができる。イメージは、制御ユニット16に送り返されることが可能である。
【0109】
ステップ616において、ターゲット組織が、イメージングユニットおよびビデオ表示モニターを使用して見られることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ238を使用し、出力ユニット18の上にターゲット組織を表示することが可能である。レンズ238は、組織収集デバイス(たとえば、図8Bの鉗子438、図9の生検器具450、図10の生検器具500、および、図11の生検器具550など)の透明な部分または半透明の部分を通して、ターゲット組織を見ることが可能である。光供給源からの光は、ターゲット組織を照射するために使用されることが可能である。たとえば、照明ユニット112によって発生させられるような、レンズ239からの光は、ターゲット組織の上に方向付けられることができる。本明細書で議論されているように、組織収集デバイスのさまざまなコンポーネントは、視認性を強化するために、光供給源からの光を反射するように構成されることが可能である。
【0110】
ステップ618において、生検デバイスの組織コレクターが、患者の中のターゲット組織の場所にナビゲートされることが可能である。たとえば、ジョー408Aおよび408Bは、解剖学的導管を通してターゲット組織254(図6A)へナビゲートされることが可能である。ターゲット組織は、潜在的に疾患があるかまたはそうでなければ患者の疾患のある条件を示す組織を含むことが可能である。ジョー408Aおよび408Bは、押されるか、押圧されるか、または、その他の方法でターゲット組織と加圧接触した状態に持って行かれることができる。したがって、ジョー408Aおよび408Bは、ハンドピース418からのガイドケーブル414Aおよび414Bの活性化によって、ヒンジ410の周りに回転させられ、ジョー408Aおよび408Bが、患者の解剖学的構造から離れるように、組織の1つまたは複数のピースをスライスすること、パンチすること、削り落とすことなどを引き起こすことが可能である。そのうえ、組織収集デバイスの一部分は、レンズ239からの光と相互作用し、そのような部分の視認性を強化することが可能である。たとえば、組織分離コンポーネント(たとえば、歯またはブレード縁部など)は、反射性または発光性であり、ビデオ表示モニター(たとえば、出力ユニット18など)の上での表示を強化することが可能である。
【0111】
ステップ620において、ステップ618において患者から分離または収集されたサンプル組織または生物学的物質が、組織収集デバイスの内側のスペースまたは内部体積の中に貯蔵されることが可能である。たとえば、分離されたサンプル組織258は、スペース256の中に位置決めされることが可能である。図9の生検器具450、図10の生検器具500、および、図11の生検器具550を参照して説明されているように、組織回収デバイスは、大きな体積のサンプル組織(たとえば、複数のサンプル組織体積など)の収集を促進させる容量強化特徴を含むことが可能である。スポンジ454および針アレイ456は、リテンション特徴を含むことが可能であり、リテンション特徴は、収集された組織サンプルの脱落を防止するために、収集された組織サンプルをジョー458Aおよび458Bの中に付勢するかまたは保つように、独立してまたは協働して動作することが可能である。スライド可能なレール510Aおよび510B、ならびに、偏向可能な壁部564は、容量増加特徴を含むことが可能であり、容量増加特徴は、ますますより大きくなる体積の組織をそれらのそれぞれのジョーの中に固定するために用いられることができる。
【0112】
ステップ622において、組織セパレーターデバイスを再適用することによって、追加的な組織が、生検デバイスによって収集されることが可能である。より多くの組織ピースが収集されるにつれて、新しく収集されたピースは、以前に収集されたピースを組織回収デバイスの中へさらに押し込むことが可能である。次いで、以前に収集されたピースは、たとえば、以前に収集されたピースが押されてスポンジ454と係合した状態になること、針アレイ456の中へ押し込まれること、可動ジョー504Aおよび504Bを外向きに押すこと、ならびに、偏向可能な壁部564を移動させることなどによって、容量強化特徴を活性化させることが可能である。
【0113】
ステップ624において、生検デバイスが、たとえば、十二指腸内視鏡からの除去などによって、患者から除去されることが可能であり、それは、解剖学的構造の内側の適切な場所に残されることが可能である。患者の解剖学的構造を不注意に切断することなく、組織収集デバイスの除去を保証するために、セーフガードが、適切な場所に置かれることができる。
【0114】
ステップ626において、収集されたサンプル組織が、組織収集デバイスから除去されることが可能である。たとえば、ジョー408Aおよび408Bは、互いに離れるように回転させられ、それらの間のスペースにアクセスし、分析などのためにサンプル組織を除去することが可能である。
【0115】
ステップ628において、十二指腸内視鏡が、患者から除去されることが可能である。その後に、患者は、手順の完了のために適当に塞がれるかまたは準備されることが可能である。
【0116】
そうであるので、方法600は、患者からの外科的デバイスの挿入および除去を排除または低減させるために、たとえば、内部貯蔵部を備えた光学的に強化された(たとえば、透明な、クリアな、反射性の、半透明の、発光性の、または散乱性の)繋留された組織除去デバイスを使用することによって、十分に大量に患者の内部通路から生物学的物質を収集する方法の例を図示している。組織除去デバイスの繋留は、内視鏡の作業チャネルまたはルーメンが許容することができるものよりも大きい器具が使用されることを可能にする。光学的な強化は、たとえば、組織除去デバイスがカメラには少なくとも部分的に見えなくなることおよび光供給源によって認識されることを可能にする。
【0117】
図13は、収集デバイス702およびレーザー蛍光能力(たとえば、レンズ737など)を含む外科用器具700の概略図である。収集デバイス702は、ヒンジ714において接続されたジョー712Aおよび712Bを含む鉗子750を含む組織セパレーター710を含むことが可能である。図13は、ターゲット組織754に近接して、内視鏡730のシャフト732の作業チャネル734から延在させられている鉗子750を示している。図13のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りに描かれているとは限らない。図13は、内視鏡730および収集デバイス702を参照して説明されているが、本明細書で説明されているレーザー蛍光能力および他の光励起能力は、他のスコープおよび外科用器具(結腸鏡、子宮鏡、尿道鏡、腹腔鏡、および十二指腸内視鏡を含む)とともに利用されることが可能である。外科用器具700は、マザースコープ(たとえば、十二指腸内視鏡など)の有無にかかわらず、それ自体によって使用されることが可能であるスタンドアロンの器具を含むことが可能である。
【0118】
収集デバイス702は、ターゲット組織754が位置付けされている解剖学的導管755の中に位置決めされることが可能である。シャフト722は、解剖学的導管755を通してターゲット組織754へセパレーター710をガイドするために使用されることが可能である。ターゲット組織754は、突出部(たとえば、癌性材料または前癌性材料の成長など)を含む可能性がある。ターゲット組織754は、染料材料757を含むことが可能である。染料材料757は、励起光を吸収した後に光を放出することができる蛍光性染料または別の材料を含むことが可能である。
【0119】
イメージングレンズ738は、イメージングコンポーネントを含むことが可能であり、イメージングコンポーネントは、他の光学コンポーネント(たとえば、プリズムおよびイメージングユニット(たとえば、図3Bのイメージングユニット67)など)に接続されることが可能であり、それは、配線768に連結されることが可能であり、配線768は、直接的にまたは間接的に(ハンドルセクション32および/または他の配線を介して)、制御ユニット16(図2)に延在することが可能である。配線768は、図3Bの配線68と同様であることが可能である。
【0120】
励起用レンズ737は、第1の光エミッターを含むことが可能であり、第1の光が、第1の光エミッターから放出されることが可能である。レンズ737は、光伝送器770に接続されることが可能であり、光伝送器770は、通路774を通って光供給源772に延在する光ファイバーケーブルもしくはケーブル束または別の光伝送器を含むことが可能である。光供給源772は、ハンドルセクション32および/または他の配線もしくは接続を介して、制御ユニット16(図2)に接続されることが可能である。したがって、光供給源772からの光は、光伝送器770を通してレンズ737に伝送されることが可能であり、励起光775が作り出されるようになっている。
【0121】
照明レンズ739は、第2の光エミッターを含むことが可能であり、第2の光が、第2の光エミッターから放出されることが可能である。レンズ739は、光伝送器776に接続されることが可能であり、光伝送器776は、光供給源22(図1)に延在する光ファイバーケーブルまたはケーブル束を含むことが可能であり、それは、直接的にまたは間接的に(ハンドルセクション32および/または他の配線もしくは接続を介して)制御ユニット16(図2)に延在することができる。光伝送器764は、通路778を通って延在することが可能である。したがって、光供給源22からの光は、光伝送器776を通してレンズ739に伝送されることが可能であり、照明光740が作り出されるようになっている。
【0122】
下記に議論されているように、レンズ737からの励起光およびレンズ739からの照明光の組み合わせ、ならびに、ジョー712Aおよび712Bの光透過性の特性(たとえば、透明性)は、光励起された染料材料757の補助によって、ターゲット組織754のより良好な視認を可能にすることができる。光供給源772は、組織を照射するように、および、組織の中の染料を励起させるように、光を放出するように構成されることが可能であり、ジョー712Aおよび712Bによるターゲット組織754のより良好な獲得、ならびに、レンズ738によるより良好な視認を促進させるようになっている。
【0123】
内視鏡730は、レンズ738がターゲット組織754に面するように位置決めされることが可能である。そうであるので、ターゲット組織754は、レンズ739の照明光740の視野の中にあることが可能である。照明光740の視野は、特定の視野角を有するものとして図示されている。しかし、レンズ739は、最大で180度までの(180度を含む)異なる角度を有する視野を有するように構成されることが可能である。
【0124】
ターゲット組織754は、レンズ737の励起光775の視野の中にあることが可能である。励起光775の視野は、最大で180度であることが可能である。しかし、励起光775の視野は、導管755のより小さいエリアのみを照射するように、より集束されることが可能である。たとえば、光775の視野は、光740の視野よりも小さくなっていることが可能である。光775の視野は、組織収集デバイス702が動作されることが望まれる長さにおいて、組織収集デバイス702のサイズの程度に投影するように構成されることが可能である。そうであるので、励起光775によって励起される組織は、組織セパレーター710が延在するための方向探知器を提供することが可能である。
【0125】
組織収集デバイス702は、シャフト732から延在させられ、ジョー712Aおよび712Bを露出させ、ターゲット組織754に到達することが可能である。そうであるので、ジョー712Aおよび712Bは、照明光740および励起光775の中に位置付けされることが可能である。したがって、ジョー712Aおよび712Bは、光740および光775がターゲット組織754に到達することを阻害または妨害する可能性がある。たとえば、ターゲット組織754がそこから延在する導管755の部分は、レンズ738による視認から阻害されるようになる可能性がある。そうであるので、本明細書で説明されているように、ジョー712Aおよび712Bは、少なくとも部分的に光波を通過させることができる材料(クリアな材料、透明な材料、および半透明の材料を含む)から製作されることが可能である。ジョー712Aおよび712Bの材料は、イメージングレンズ738による視認を強化するために、励起光775によって励起されるかまたは照明光740によって反射されることが可能である材料または物質を追加的に含むことが可能である。例では、組織収集デバイス702は、不透明な材料または光不透過性材料から製作されることが可能である。たとえば、組織収集デバイスは、イメージングデバイスの視認を妨害することなく(または、その可能性が低減された状態で)スコープの作業チャネルまたはルーメンを通ってフィットするようにサイズ決めされることが可能であり、それによって、透明性の望ましさはより低くなる。
【0126】
ジョー712Aおよび712Bを通過する光は、ターゲット組織754に入射することが可能である。照明光740は、組織の視認を補助するために可視光を提供することが可能である。励起光775は、染料材料757を励起するための他の光を提供することが可能である。染料材料757は、レンズ737からの光によって励起され、ターゲット組織754の識別および回収を促進させることが可能である。
【0127】
染料材料757は、蛍光透視用染料および近赤外線染料を含む、1つまたは複数の外科用染料を含むことが可能である。例では、染料材料757は、発光性材料を含むことが可能である。例では、染料材料757は、フルオロフォアを備えるかまたは含むことが可能であり、フルオロフォアは、光による励起のときに光を再放出することができる蛍光性の化学化合物である。例では、染料材料757は、癌手術において使用されることが可能である青色染料(メチレンブルー)、および、子宮内膜症手術において使用されることが可能である蛍光性染料(たとえば、インドシアニングリーン(ICG)など)を含むことが可能である。例では、染料材料757は、フルオレセイン(490nmにおいて最大励起)を含むことが可能であり、光供給源772は、波長488(青)nmおよび514(緑)nmを主に放出するアルゴンイオン青-緑レーザーを含むことが可能である。
【0128】
【表1】
【0129】
Table 1(表1)は、さまざまな染料、そのような染料が使用され得る関連の組織、および、そのような染料のピーク吸収に関する波長を示している。そうであるので、ピーク吸収の周りの波長を有する光を放出することができるレーザーおよび他の光供給源が、列挙された染料を励起するために使用されることが可能である。
【0130】
例では、光775は、赤外光、近赤外光、または紫外光を含むことが可能である。例では、光775は、青色光または緑色光であることが可能である。例では、光775は、おおよそ400~800ナノメートル(nm)の範囲にある波長を有する光を含むことが可能である。光供給源772からの光775は、組織の分子によって吸収される励起エネルギーを提供し、患者に投与された発光性の染料を活性化させることが可能である。光供給源772は、レーザーとして構成されることが可能であり、または、放射線の誘導放出によって光増幅を作り出すことが可能である。例では、レーザー光は、358~405ナノメートルの範囲で作り出されることが可能である。
【0131】
光供給源772は、光伝送器770を介して外科用器具700に連結可能なスタンドアロンのモジュールを含むことが可能である。そうであるので、光供給源772は、外科用器具700から遠隔に位置付けされることが可能である。追加の例では、光供給源772は、ハンドルセクション32(図2)の外部に直接的に取り付けられることができる。光供給源772は、カップラーを介してハンドルセクション32に除去可能に取り付けられることができ、それによって、蛍光透視用染料および近赤外線染料を含む異なるタイプの外科用染料の励起を可能にすることができる、異なる強度または波長を作り出す光発生器の取り付けを可能にする。追加の例では、光供給源772は、ハンドルセクション32の中へ組み込まれることができ、コネクターが使用されないようになっている。追加の例では、光供給源772は、制御ユニット16の中へ組み込まれることができ、光伝送器770およびケーブルセクション34(図1)は、共通のケーブル束の中に含まれることができる。
【0132】
光伝送器770は、たとえば、レンズ737などにおいて、光供給源772をシャフト732の遠位端部部分と接続することが可能である。光伝送器770は、光波を伝導するか、通信するか、または伝送するための1つまたは複数のケーブルまたは導体を含むことが可能である。例では、光伝送器770は、光ファイバーケーブルを含むことが可能である。例では、光ファイバーケーブルは、1つまたは複数の保護コーティングおよび反射性のコーティングで被覆されたガラスおよびプラスチックファイバーを含むことが可能である。光伝送器770は、通路774の中に配設されることが可能である。例では、光伝送器770は、シャフト732の中に埋め込まれることができ、または、その中に提供されているチャネルの中に位置付けされることが可能である。例では、光伝送器770は、シャフト732の外部に位置付けされ、シースを介してそれに固定されることが可能である。例では、光伝送器770は、内部または外部のいずれかで、シャフト732に粘着または接着されることが可能である。
【0133】
レンズ737は、伝送器770の遠位端部にまたはその近くに位置付けされることが可能である。レンズ737は、任意の適切な手段によって光伝送器770に連結されることが可能である。例では、レンズ737は、光伝送器770からの光波を収集および集束させるためのレンズを含むことが可能である。レンズ737は、透明な材料のガラスまたはプラスチック本体部を含むことが可能である。しかし、追加の例では、別個の光エミッターは使用されず、光伝送器770は、端面発光ファイバーを含むことが可能であり、光伝送器770の遠位端部または終端端部が、光エミッターを含むことができるようになっている。
【0134】
例では、光740は、電球からの白熱光、または、発光ダイオードからの指向性の光を含むことが可能である。例では、光740は、白色光または黄色光であることが可能である。例では、光740は、おおよそ400~700ナノメートル(nm)の範囲にある波長を有する光を含むことが可能である。光740は、肉眼で見ることができ、出力ユニット18(図1)において見られ得る導管755のイメージをイメージングレンズ738が取得することを促進させることが可能である。
【0135】
光740が導管755を照射し、光775が染料材料757を励起した状態で、組織セパレーター710は、ターゲット組織754と係合されることが可能である。ジョー712Aおよび712Bは、ヒンジ714において互いに離れるように回転させられることができ、組織収集デバイス702は、サンプル組織758に向けて軸線方向に移動されることが可能である。ジョー712Aおよび712Bは、ターゲット組織754に係合するように互いに向けて回転させられることができる。組織収集デバイス702は、シャフト722の軸線に沿って前後に往復運動させられ、サンプル組織758を収集することが可能である。歯713は、患者の解剖学的構造から離れるように、ターゲット組織754の一部分を切断するか、ノコギリで切るか、引き裂くか、または引き剥がすために使用されることが可能である。例では、ジョー712Aおよび712Bのうちの1つのみが、回転するように構成されることが可能である。述べられているように、励起された染料材料757は、ターゲットを提供することが可能であり、ジョー712Aおよび712Bは、ターゲットにナビゲートされることが可能である。
【0136】
歯713は、ジョー712Aおよび712Bの縁部から製作されることが可能である。例では、歯713は、ジョー712Aおよび712Bの材料のエクステンションを含むことが可能である。そのような例では、歯713ならびにジョー712Aおよび712Bの両方は、プラスチックまたは金属などのようなリジッド材料から製作されることが可能である。例では、ジョー712Aおよび712Bは、Corningから市販されているGorilla Glass(登録商標)、または、他の化学的に強化されたガラス(たとえば、アルカリアルミノシリケートシートガラスなど)から製作されることが可能である。例では、ジョー712Aおよび712Bは、成形ポリカーボネートから製作されることが可能である。
【0137】
上記に議論されているように、組織収集デバイス702のコンポーネントまたは部分は、光学的に強化された材料から作製されることが可能である。例では、ジョー712Aおよび712Bは、半透明の材料または透明な材料から作製されることが可能であり、それは、光波がそれを通ってトラベルすることを可能にすることができ、それによって、レンズ738がジョー712Aおよび712Bを「見通す」ことを可能にする。透明な材料は、レンズ738がターゲット組織754の生来の着色を見ることを可能にすることができる。半透明の材料は、レンズ738がフィルタリングされた様式でターゲット組織754を見ることを可能にするように構成されることが可能である。そうであるので、ジョー712Aおよび712Bは、異なる色によって半透明に色付けされ、特定の組織タイプの視認を強化するか、または、他の組織タイプの視認を弱めることが可能である。
【0138】
しかし、組織収集デバイス702の制御を維持するために(たとえば、歯713を正確に用いることを維持するために)、組織収集デバイス702の一部分は、不透明であるか、反射性であるか、または半透明であることが可能である。とりわけ、歯713は、不透明な、反射性の、もしくは半透明の材料から作製されることが可能であり、または、それらの特性を有する、それに適用されるコーティングを有することが可能である。例では、歯713は、レンズ738によって容易に見ることができるように不透明であることが可能である。追加の例では、歯713は、レンズ739からの光と光学的に相互作用するように構成されることが可能である。たとえば、歯713は、それに適用されている反射性のコーティング(たとえば、反射性粒子または酸化チタンの粒体のコーティングなど)を有することが可能である。したがって、レンズ739からの光は、レンズ738に跳ね返ってくることができる。追加の例では、歯713は、特定のタイプの光(たとえば、レンズ737からの光など)によって係合されるときに明るくなるように蛍光性であることが可能である。したがって、レンズ739からの光は、導管755に対してより識別可能な特定の波長でレンズ738が歯713を見ることを引き起こすことが可能である。例では、歯713のうちのいくつかのみが、反射性または蛍光性であることが可能である。
【0139】
先述のものの観点から、光学的に強化された組織収集デバイスの使用は、ジョー712Aおよび712Bを通したターゲット組織754の視認、ジョー712Aおよび712Bの中のサンプル組織758の視認、ならびに、サンプル組織758がターゲット組織754から除去された裂傷部の視認を促進させることが可能である。そうであるので、内視鏡730は、裂傷部の中の内部組織層を見るために、および、その組織の条件を潜在的に診断するために使用されることが可能である。
【0140】
追加の例では、歯713ならびにジョー712Aおよび712Bは、図6Aおよび図6Bを参照して説明されているような歯213ならびにジョー212Aおよび212B、ならびに、図9図10、および図11を参照して示されて説明されているデバイスと同様に構成されることが可能である。たとえば、歯713は、ジョー712Aおよび712Bの内部に対して前方配向または後方配向に配向されることが可能であり、ジョー712Aおよび712Bは、たとえば、拡張可能であることなどによって、収集された組織サンプルの容量または保持能力の増加を促進させるための特徴を含むことが可能である。
【0141】
図14は、本明細書で説明されているように、本開示の組織収集デバイスおよび組織回収デバイス(たとえば、発光材料を活性化させるための発光能力を含むものなど)を使用して患者から生物学的物質を収集する方法800の例を図示するブロック図である。方法800は、図13の内視鏡検査システム700、ならびに、本明細書で説明されているものを含む他の器具の使用を包含することが可能である。例では、本開示の発光能力および発光材料が利用され得る、焼灼能力および切除能力を有する切断鉗子などのような外科用器具は、Murdeshwarによる「Surgical instruments with integrated lighting systems」という標題の米国特許出願第17/100,025号に説明されており、その文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。図14の方法800は、具体的に別段の記述がない限り、図13を参照して説明されている。
【0142】
ステップ802において、染料が、患者に投与されることが可能である。染料は、静脈内に摂取されるかまたは投与されることが可能である。染料は、本明細書で議論されているような外科的手順のために使用される任意のタイプの染料または染料材料を含むことが可能である。染料または他の材料は、光供給源からの第1の波長の光を吸収し、第2の波長の光を放出するように構成されることが可能である。本明細書で議論されているように、染料は、蛍光透視用材料および発光性材料などを含むことが可能である。染料は、患者の組織(軽減のために外科医によってターゲットにされるべき組織(たとえば、ターゲット組織754)によるものを含む)の中へ代謝されるかまたはその他の方法で注入もしくは吸収されることが可能である。子宮、膀胱、卵巣、ならびに、他の場所および器官(たとえば、卵管および直腸など)の組織は、染料を代謝させることが可能である。ターゲット組織は、癌性組織または子宮内膜組織であることが可能である。ステップ800は、代替的に、手術前にまたは手術中に実施されることが可能である。
【0143】
ステップ804において、十二指腸内視鏡(たとえば、図1のスコープ14)が、たとえば、患者の中の開口部または切開部の中へ挿入されることなどによって、患者の解剖学的構造の中へ挿入されることが可能である。例では、十二指腸内視鏡が、胆管鏡検査手順を実施するために患者の十二指腸にガイドされることが可能である。しかし、本開示は、本明細書において言及されている他のタイプの手順において使用される他のデバイスおよび手順とともに利用されることが可能である(たとえば、他の消化器の手順、腎臓域の手順、および癌治療手順など)。十二指腸内視鏡が、患者の解剖学的構造の中へ挿入され、それを通してナビゲートされることが可能である。たとえば、内視鏡14(図1)は、生来のイメージング能力を利用し、患者の解剖学的導管を通して挿入セクション28をガイドすることが可能である。挿入セクション28は、制御ノブ38を使用して曲げられるかまたは湾曲され、内視鏡14のターニングを促進させることが可能である。
【0144】
ステップ806において、別のスコープが、十二指腸内視鏡の中へ挿入されることが可能である。内視鏡または補助スコープが、導管の中にさらに奥に位置付けされている解剖学的構造にアクセスするために、十二指腸内視鏡の中へ挿入されることが可能である。たとえば、内視鏡730が、組織収集デバイス702(図13)とともに、ルーメン62(図3C)またはルーメン132(図4)の中へ挿入され、内視鏡14によって到達された解剖学的導管と交差する別の解剖学的導管に到達することが可能である。エレベーター54(図3C)は、内視鏡402を曲げるかまたはターンさせるために使用されることが可能である。
【0145】
ステップ808において、照射光740が放出されることが可能である。たとえば、可視光を放出することができる光供給源は、補助スコープの遠位にある解剖学的構造の照明を提供するために使用されることが可能である。照明ユニット112(図4)は、ハンドルセクション32(図2)の上のスイッチによって活性化させられ、鉗子750の遠位にある解剖学的構造を照射することが可能である。したがって、可視光は、イメージングユニット110(図4)の視認を補助するために放出されることが可能である。たとえば、照明ユニット112によって発生させられるような、レンズ739からの光は、ターゲット組織の上に方向付けられることができる。
【0146】
ステップ810において、補助スコープの上のビューイングデバイスまたはイメージングデバイスが、患者の生物学的物質を見るために活性化させられることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ738の照明光740の視野の中の解剖学的構造を見るために活性化させられることができる。イメージは、制御ユニット16(図2)に送り返されることが可能である。ターゲット組織754および周囲組織が、イメージングユニットおよびビデオ表示モニターを使用して見られることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ738を使用し、出力ユニット18(図1)の上にターゲット組織を表示することが可能である。
【0147】
ステップ812において、内視鏡730が、解剖学的構造を通してナビゲートされることが可能である。たとえば、内視鏡730は、十二指腸から総胆管へガイドされることが可能である。内視鏡730は、内視鏡の生来のステアリング能力およびイメージング能力を使用してガイドされることが可能である。ターゲット組織が位置付けされている解剖学的構造の一般的な領域に補助スコープがあることになると、活性化光775が、ターゲット組織の特定の場所に到達するように放出されることが可能である。
【0148】
ステップ814において、励起用光775が放出されることが可能である。光供給源772は、ステップ802において投与された染料と適合する波長において光を放出することが可能であり得る。光775は、染料材料757を励起するために使用されることが可能である。光供給源772は、ハンドルセクション32(図2)の上のスイッチによって活性化させられ、鉗子750の遠位にある解剖学的構造と相互作用することが可能である。したがって、励起用光775は、ターゲット組織754の識別を補助するために放出されることが可能である。たとえば、光供給源772によって発生させられるような、レンズ737からの光は、ターゲット組織754の上に方向付けられることができる。
【0149】
ステップ816において、ターゲット組織754が、組織収集デバイス702を通して見られることができる。レンズ738は、組織収集デバイス702の透明なまたは半透明の部分(たとえば、図13の鉗子750のジョー712Aおよび712Bなど)を通して、ターゲット組織を見ることが可能である。手順の間の任意の時点において、レンズ738からの可視波長光が、収集デバイス702を通過することが可能である。光740および光775は、光740および光775のいずれも使用しないようにするために、それらの両方を使用するために、または、それらのうちの一方のみを使用するために、ユーザーによって必要に応じてオンとオフを切り替えられることができる。
【0150】
ステップ818において、ステップ802の染料が代謝された解剖学的構造の部分が、レンズ737からの光と相互作用することが可能である。光は、追加的に、染料を励起する(たとえば、蛍光化する)のに十分な波長の光(たとえば、近赤外(NIR)光など)であることが可能である。NIR光は、子宮内膜症手術においてインドシアニングリーンを励起するために使用されることが可能である。NIR光は、典型的に、おおよそ780nmからおおよそ2500nmの電磁スペクトルの近赤外線領域に位置付けされている。インドシアニングリーン染料は、血管の豊富なエリアに(たとえば、子宮内膜組織などに)集中することが可能である。追加的に、Table 1(表1)に列挙されている光および染料の組み合わせは、一緒に利用されることが可能である。光775は、導管775の組織の中へ代謝された染料を励起することが可能である。とりわけ、損傷を受けた、疾患のある、または、他の望ましくない組織は、その組織が近隣の組織からより容易に区別されることを光775が可能にすることとなるように、染料を代謝させることが可能である。励起された染料は、イメージングユニット110(図4)に接続されているカメラレンズ738によって見られることができる。レンズ738からのビデオは、内視鏡730に取り付けられている接眼レンズによって、または、出力ユニット18(図1)(それは、ビデオモニターを含むことが可能である)において、見られることができる。たとえば、ターゲット組織754は、染料材料757を含むことが可能であり、それは、除去されることとなるターゲット組織を示す。
【0151】
ステップ820において、組織収集デバイス702の一部分は、レンズ239からの光775と相互作用し、そのような部分の視認性を強化することが可能である。本明細書で議論されているように、組織収集デバイス702のさまざまなコンポーネントは、光供給源772からの光を反射し、視認性を強化するように構成されることが可能である。たとえば、組織分離コンポーネント(たとえば、歯712Aおよび712Bまたはブレード縁部など)は、反射性または発光性であり、ビデオ表示モニター(たとえば、出力ユニット18(図1)など)の上での表示を強化することが可能である。
【0152】
ステップ822において、外科用器具700の組織セパレーター710が、患者の中のターゲット組織754を収集するために使用されることが可能である。たとえば、ジョー712Aおよび712Bが、解剖学的導管755を通してターゲット組織754へナビゲートされることが可能である。ターゲット組織754は、潜在的に疾患があるかまたはそうでなければ患者の疾患のある条件を示す組織を含むことが可能である。ジョー712Aおよび712Bは、押されるか、押圧されるか、または、その他の方法でターゲット組織754と加圧接触した状態に持って行かれることができる。したがって、ジョー712Aおよび712Bは、ハンドルセクション32(図2)からヒンジ714の周りに回転させられ、ジョー712Aおよび712Bが、患者の解剖学的構造から離れるように、組織の1つまたは複数のピースをスライスすること、パンチすること、削り落とすことなどを引き起こすことが可能である。
【0153】
ステップ822において患者から分離または収集されたサンプル組織または生物学的物質が、組織収集デバイス702の内側のスペース756または内部体積の中に貯蔵されることが可能である。たとえば、分離されたサンプル組織758は、スペース756の中に位置決めされることが可能である。図9の生検器具450、図10の生検器具500、および、図11の生検器具550を参照して説明されているように、組織収集デバイス702は、大きな体積のサンプル組織(たとえば、複数のサンプル組織体積など)の収集を促進させる容量強化特徴を含むことが可能である。スポンジ454および針アレイ456(図9)は、リテンション特徴を含むことが可能であり、リテンション特徴は、収集された組織サンプルの脱落を防止するために、収集された組織サンプルをジョー712Aおよび712Bの中に付勢するかまたは保つように、独立してまたは協働して動作することが可能である。スライド可能なレール510Aおよび510B(図10)、ならびに、偏向可能な壁部564(図11)は、容量増加特徴を含むことが可能であり、容量増加特徴は、ますますより大きくなる体積の組織をそれらのそれぞれのジョー712Aおよび712Bの中に固定するために用いられることができる。
【0154】
組織セパレーター710を再適用することによって、追加的な組織が、生検デバイスによって収集されることが可能である。より多くの組織ピースが収集されるにつれて、新しく収集されたピースは、以前に収集されたピースを組織収集デバイス702の中へさらに押し込むことが可能である。次いで、以前に収集されたピースは、たとえば、以前に収集されたピースが押されてスポンジ454と係合した状態になること、針アレイ456の中へ押し込まれること、可動ジョー504Aおよび504Bを外向きに押すこと、ならびに、偏向可能な壁部564を移動させることなどによって、容量強化特徴を活性化させることが可能である。
【0155】
ステップ824において、組織収集デバイス702が、たとえば、十二指腸内視鏡からの除去などによって、患者から除去されることが可能であり、それは、解剖学的構造の内側の適切な場所に残されることが可能である。患者の解剖学的構造を不注意に切断することなく、組織収集デバイスの除去を保証するために、セーフガードが、適切な場所に置かれることができる。組織収集デバイス702は、追加的な組織サンプルを収集するために、望まれる場合には再挿入されることが可能である。
【0156】
ステップ826において、収集されたサンプル組織が、組織収集デバイス702から除去されることが可能である。たとえば、ジョー712Aおよび712Bは、ヒンジ714において互いに離れるように回転させられ、それらの間のスペース756にアクセスし、分析などのためにサンプル組織を除去することが可能である。
【0157】
ステップ828において、十二指腸内視鏡が、患者から除去されることが可能である。その後に、患者は、手順の完了のために適当に塞がれるかまたは準備されることが可能である。
【0158】
そうであるので、方法800は、スコープの中へ一体化された活性化光を使用して、患者の内部通路から生物学的物質を収集する方法の例を図示している。活性化光は、組織の中の発光染料を励起するために使用されることが可能である。発光染料は、患者によって以前に投与または代謝されることが可能であり、スコープ手順のときに染料がターゲット組織の中にあるようになっている。スコープからの励起用光は、条件が整えば、組織収集デバイスを通過することによって、染色されたターゲット組織に到達することが可能である。たとえば、組織収集デバイスは、いくらかの光、ほとんどの光、またはすべての光が通過することを可能にする一方で、照明光が通過することまたは反射されることも選択的に可能にする材料から作製されることが可能である。したがって、組織収集デバイスは、たとえば、組織収集デバイスがカメラには少なくとも部分的に見えなくなることおよび光供給源によって認識されることまたはカメラには部分的に高度に見えることを可能にするように、光学的に強化されることが可能である(たとえば、透明であるか、クリアであるか、反射性であるか、半透明であるか、発光性であるか、または散乱性である)。そうであるので、組織収集デバイスがターゲット組織のサンプルを収集するために用いられている間に、励起用光は、組織収集デバイスを通過することが可能である。本出願は、成功的な介入(たとえば、疾患のある組織の実質的にすべてを成功的に除去すること、または、鉗子もしくは別の器具を再挿入する必要なしに、および、後続の手順を実施する必要なしに、生検および他の後続の手順が実施されることが可能であるのに十分に大きいサンプルサイズを収集することなど)の可能性を増加させるために使用されることが可能である複数の特徴を含む。たとえば、本開示は、大きなサンプルサイズを収集する能力(図8A図12)と、レーザーおよび染料の組み合わせによって(図13および図14)ターゲット組織を特異的に識別する能力とを組み合わせることが可能であり、望ましい(適正に識別された)組織の十分に大きなサンプルが収集されることを保証することを助け、それによって、第2のサンプルを収集するために器具を再挿入する必要性、または、さらなる組織収集もしくは追加的な治療を実行するために追加の手順を実施する必要性を低減させるかまたは排除する。
【0159】
図15は、本開示の組織回収デバイス(たとえば、光学的に強化されたものなど)を使用して患者から生物学的物質を収集する方法900の例を図示するブロック図である。方法900は、図5A図6Bの外科用器具200、および、図7Aの組織回収デバイス300、ならびに、他の器具の使用を包含することが可能である。
【0160】
ステップ902において、内視鏡が、患者の解剖学的構造の中へ挿入され、それを通してナビゲートされることが可能である。たとえば、内視鏡14(図1)は、生来のイメージング能力を利用し、患者の解剖学的導管を通して挿入セクション28をガイドすることが可能である。挿入セクション28は、制御ノブ38を使用して曲げられるかまたは湾曲され、内視鏡14のターニングを促進させることが可能である。
【0161】
ステップ904において、補助スコープが、導管の中にさらに奥に位置付けされている解剖学的構造にアクセスするために、内視鏡の中へ挿入されることが可能である。たとえば、補助スコープ134(図4)が、ルーメン62(図3C)またはルーメン132(図4)の中へ挿入され、内視鏡14によって到達された解剖学的導管と交差する別の解剖学的導管に到達することが可能である。エレベーター54(図3C)は、補助スコープ134を曲げるかまたはターンさせるために使用されることが可能である。
【0162】
ステップ906において、組織回収デバイスが、補助スコープの中へ挿入され、補助スコープの遠位にあるターゲット組織に到達することが可能である。たとえば、外科用器具200(図5A)は、組織収集デバイス204が補助スコープ134の遠位端部を越えて延在するように挿入されることが可能である。
【0163】
ステップ908において、組織収集デバイスが、患者の中のターゲット組織の場所にナビゲートされることが可能である。たとえば、組織収集デバイス204は、解剖学的導管を通してターゲット組織254(図6A)へナビゲートされることが可能である。ターゲット組織は、潜在的に疾患があるかまたはそうでなければ患者の疾患のある条件を示す組織を含むことが可能である。
【0164】
ステップ910において、補助スコープの上のビューイングデバイスが、患者の生物学的物質を見るために活性化させられることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ238の視野240の中の解剖学的構造を見るために活性化させられることができる。
【0165】
ステップ912において、ターゲット組織が、イメージングユニットおよびビデオ表示モニターを使用して見られることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ238を使用し、出力ユニット18の上にターゲット組織を表示することが可能である。レンズ238は、組織収集デバイスの透明な部分または半透明の部分を通して、ターゲット組織を見ることが可能である。光供給源からの光は、ターゲット組織を照射するために使用されることが可能である。たとえば、照明ユニット112によって発生させられるような、レンズ239からの光は、ターゲット組織の上に方向付けられることができる。
【0166】
ステップ914において、組織収集デバイスが、押されるか、押圧されるか、または、その他の方法でターゲット組織と加圧接触した状態に持って行かれることができる。したがって、組織収集デバイス204は、軸線方向に往復運動させられるかまたは回転させられ、ブレード266が、患者の解剖学的構造から離れるように、組織の1つまたは複数のピースをスライスすること、パンチすること、または削り落とすことなどを引き起こすことが可能である。そのうえ、組織収集デバイスの一部分は、レンズ239からの光と相互作用し、そのような部分の視認性を強化することが可能である。たとえば、組織分離コンポーネント(たとえば、歯またはブレード縁部など)は、反射性または発光性であり、ビデオ表示モニター(たとえば、出力ユニット18など)の上での表示を強化することが可能である。
【0167】
ステップ916において、ステップ412において患者から分離または収集されたサンプル組織または生物学的物質が、組織収集デバイスの内側のスペースの中に貯蔵されることが可能である。たとえば、組織収集デバイス204が前後に操作されるかまたは回転させられるときに、分離されたサンプル組織258は、スペース256の中に位置決めされることが可能である。
【0168】
ステップ918において、回収および貯蔵された組織が、イメージングユニットおよびビデオ表示モニターを使用して、組織収集デバイスのコンテナの中で見られることができる。たとえば、イメージングユニット110は、レンズ238を使用し、出力ユニット18の上にターゲット組織を表示することが可能である。レンズ238は、組織収集デバイスの透明な部分または半透明の部分の中で、貯蔵された組織を見ることが可能である。光供給源からの光は、ターゲット組織を照射するために使用されることが可能である。たとえば、照明ユニット112によって発生させられるような、レンズ239からの光は、ターゲット組織の上に方向付けられることができる。
【0169】
ステップ920において、組織収集デバイスが、たとえば、補助スコープからの除去などによって、患者から除去されることが可能であり、それは、解剖学的構造の内側の適切な場所に残されることが可能である。患者の解剖学的構造を不注意に切断することなく、組織収集デバイスの除去を保証するために、セーフガードが、適切な場所に置かれることができる。
【0170】
ステップ922において、収集されたサンプル組織が、組織収集デバイスから除去されることが可能である。たとえば、ジョー212Aおよび212Bは、互いに離れるように回転させられ、スペース256にアクセスし、分析などのためにサンプル組織258を除去することが可能である。
【0171】
その後に、方法900は、ステップ908に戻ることが可能であり、または、ステップ920に継続することが可能である。
【0172】
ステップ924において、組織収集デバイスが再挿入されることが可能である。ステップ920から、ステップ908から918は、適切な量(たとえば、高いレベルの確実性で診断を確認するために実験室試験を実施するのに十分な量など)のサンプル組織を実現するために、所望の回数だけ繰り返されることが可能である。本開示は、組織回収デバイスを再挿入する必要性を低減させるかまたは排除するシステムおよび方法に向けられているということに留意されたい。しかし、いくつかのケースでは、同じ部位から追加的なサンプル材料を収集するために、または、異なる部位からサンプル材料を収集するために、そのように行うことが望ましい可能性がある。
【0173】
ステップ926において、補助スコープが、内視鏡から除去されることが可能である。
【0174】
ステップ928において、内視鏡が、患者から除去されることが可能である。
【0175】
そうであるので、方法900は、患者からの外科的デバイスの挿入および除去を排除または低減させるために、たとえば、内部貯蔵部を備えた光学的に強化された(たとえば、透明な、クリアな、反射性の、半透明の、発光性の、または散乱性の)組織除去デバイスを使用することによって、十分に大量に患者の内部通路から生物学的物質を収集する方法の例を図示している。光学的な強化は、たとえば、組織除去デバイスがカメラには少なくとも部分的に見えなくなることおよび光供給源によって認識されることを可能にする。
【0176】
さまざまな注記および例
内視鏡のための光学的に強化された生物学的物質収集デバイス
例1は、組織分離デバイスであって、組織分離デバイスは、近位端部部分および遠位端部部分を含む細長い本体部と、遠位端部部分に連結されている組織セパレーターであって、組織セパレーターは、収集のためにサンプル組織に係合するように構成されている、組織セパレーターとを含み、組織セパレーターは、光が組織セパレーターを通過することを可能にする材料から少なくとも部分的に作製されている、組織分離デバイスなどのような、主題を含むかまたはそれを使用することが可能である。
【0177】
例2は、内視鏡であって、内視鏡は、第1のルーメンを有する細長いシャフトであって、細長い本体部が第1のルーメンの中に配設されることが可能である、細長いシャフトと、細長い本体部によって第1のルーメンから延在させられている組織セパレーターを見るように構成されたビューイングデバイスとを含む、内視鏡を含むことが可能であり、または、随意的に、例1の主題と組み合わせられ、上記内視鏡を随意的に含むことが可能である。
【0178】
例3は、ビューイングデバイスが組織セパレーターを通して見るように位置決めされているという特徴を含むことが可能であり、または、随意的に、例1もしくは2のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記特徴を随意的に含むことが可能である。
【0179】
例4は、内視鏡が光エミッターをさらに含むという特徴を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例3のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記特徴を随意的に含むことが可能である。
【0180】
例5は、鉗子を含む組織セパレーターを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例4のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織セパレーターを随意的に含むことが可能である。
【0181】
例6は、細長い本体部に枢動可能に接続されている第1のジョーと、第1のジョーから延在する複数の歯とを含む鉗子を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例5のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記鉗子を随意的に含むことが可能である。
【0182】
例7は、蛍光性の材料から製作されている複数の歯を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例6のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記複数の歯を随意的に含むことが可能である。
【0183】
例8は、反射性の材料から製作されている複数の歯を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例7のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記複数の歯を随意的に含むことが可能である。
【0184】
例9は、内部体積を形成するように形状決めされている第1のジョーを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例8のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記第1のジョーを随意的に含むことが可能である。
【0185】
例10は、内部体積を形成する第1のジョーの材料は可撓性であるという特徴を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例9のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記特徴を随意的に含むことが可能である。
【0186】
例11は、第1のジョーの反対側に配設されている対向するジョーを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例10のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記対向するジョーを随意的に含むことが可能である。
【0187】
例12は、オーガーを含む組織セパレーターを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例11のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織セパレーターを随意的に含むことが可能である。
【0188】
例13は、円錐形状の本体部と、円錐形状の本体部の周りに延在するネジ切り部と、円錐形状の本体部の中へ延在する通路とを含むオーガーを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例12のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記オーガーを随意的に含むことが可能である。例14は、反射性の材料または半透明の材料から製作されているネジ切り部を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例13のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ネジ切り部を随意的に含むことが可能である。
【0189】
例15は、鋭利にされた縁部を含む通路を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例14のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記通路を随意的に含むことが可能である。
【0190】
例16は、反射性の材料または半透明の材料から製作されている通路を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例15のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記通路を随意的に含むことが可能である。
【0191】
例17は、パンチを含む組織セパレーターを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例16のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織セパレーターを随意的に含むことが可能である。
【0192】
例18は、クリアなポリカーボネートまたはガラスから製作されている組織セパレーターを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例17のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織セパレーターを随意的に含むことが可能である。
【0193】
例19は、反射性の特性、半透明の特性、または透明な特性を有する組織除去デバイスを含む組織セパレーターを含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例18のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織セパレーターを随意的に含むことが可能である。
【0194】
例20は、組織セパレーターが分離された組織を貯蔵するための内部体積を含むという特徴を含むことが可能であり、または、随意的に、例1から例19のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記特徴を随意的に含むことが可能である。
【0195】
例21は、組織回収デバイスを使用して生物学的物質を収集する方法であって、方法は、組織回収デバイスを患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと、組織回収デバイスの組織コレクターをターゲット組織にガイドするステップと、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップと、組織回収デバイスによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップとを含むことが可能である、方法などのような、主題を含むかまたはそれを使用することが可能である。
【0196】
例22は、ビデオカメラによってターゲット組織のイメージを見ることによって、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21の主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0197】
例23は、組織コレクターを越えてターゲット組織を見ることによって、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21または例22のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0198】
例24は、組織コレクターの中でターゲット組織を見ることによって、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例23のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0199】
例25は、組織コレクターによってターゲット組織の表面を貫通するステップと、貫通された表面の中の新たに露出された組織を見るステップとを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例24のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0200】
例26は、ターゲット組織の一部分を分断するために鉗子を動作させることによって、組織回収デバイスによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例25のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0201】
例27は、ターゲット組織の中へ組織パンチをボーリングすることによって、組織回収デバイスによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例26のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0202】
例28は、ターゲット組織の中へオーガーを前進させることによって、組織回収デバイスによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例27のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0203】
例29は、光エミッターによって組織回収デバイスを照射するステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例28のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0204】
例30は、組織回収デバイスの切断縁部を蛍光化するステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例29のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0205】
例31は、組織回収デバイスの切断縁部によって光を反射させるステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例29のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0206】
例32は、組織回収デバイスの切断縁部が組織に係合することを可能にするように、組織回収デバイスを屈曲させるステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例31のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0207】
例33は、組織回収デバイスの中に組織を貯蔵するステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例32のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0208】
例34は、組織コレクターの半透明の材料を通してターゲット組織を見ることによって、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例23のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0209】
例35は、第1の長手方向の通路を含む内視鏡を患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと、第2の長手方向の通路を含む補助スコープを第1の長手方向の通路の中へ挿入するステップと、ターゲット組織に到達するように、組織回収デバイスを第2の長手方向の通路の中へ挿入するステップとを含むことが可能であり、または、随意的に、例21から例34のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記ステップを随意的に含むことが可能である。
【0210】
例36は、外科用器具であって、外科用器具は、内視鏡と、組織回収デバイスとを含むことが可能であり、内視鏡は、近位端部から遠位端部へ延在する挿入シャフトと、挿入シャフトを通って少なくとも部分的に延在する作業チャネルと、挿入シャフトに連結されているイメージングシステムであって、イメージングシステムは、作業チャネルの遠位に投影する視野を有している、イメージングシステムとを含み、組織回収デバイスは、作業チャネルの中に位置決め可能な細長いシャフトと、組織収集デバイスとを含み、細長いシャフトは、軸線に沿って延在しており、解剖学的構造の中への挿入のために構成されており、組織収集デバイスは、細長いシャフトに連結されており、解剖学的構造から組織を分離するように構成されており、組織収集デバイスは、イメージングシステムの視野と相互作用するように光学的に強化されている、外科用器具などのような、主題を含むかまたはそれを使用することが可能である。
【0211】
例37は、イメージングシステムには見ることができないように構成されている組織収集デバイスを含むことが可能であり、または、随意的に、例36の主題と組み合わせられ、上記組織収集デバイスを随意的に含むことが可能である。
【0212】
例38は、半透明の材料から製作されている組織収集デバイスを含むことが可能であり、または、随意的に、例36または例37のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織収集デバイスを随意的に含むことが可能である。
【0213】
例39は、透明な材料から製作されている組織収集デバイスを含むことが可能であり、または、随意的に、例36から例38のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織収集デバイスを随意的に含むことが可能である。
【0214】
例40は、イメージングシステムによって取得されるイメージを拡大するように構成されている組織収集デバイスを含むことが可能であり、または、随意的に、例36から例39のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織収集デバイスを随意的に含むことが可能である。
【0215】
例41は、イメージングシステムによって強調されるように構成されている組織セパレーターデバイスを含む組織収集デバイスを含むことが可能であり、または、随意的に、例36から例40のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記組織収集デバイスを随意的に含むことが可能である。
【0216】
例42は、組織セパレーターデバイスが反射性材料から製作されているという特徴を含むことが可能であり、または、随意的に、例36から例41のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記特徴を随意的に含むことが可能である。
【0217】
例43は、組織収集デバイスが半透明の材料から製作されているという特徴を含むことが可能であり、または、随意的に、例36から例42のうちの1つもしくは任意の組み合わせの主題と組み合わせられ、上記特徴を随意的に含むことが可能である。
【0218】
内視鏡のための繋留された生物学的物質収集デバイス
例1は、生検器具であって、生検器具は、組織セパレーターデバイスと、細長い制御エレメントとを含み、組織セパレーターデバイスは、ベースと;ベースに装着されている組織セパレーターと;組織セパレーターに連結されている作動メカニズムとを含み、細長い制御エレメントは、組織セパレーターを操作するための作動メカニズムに連結されており、組織セパレーターは、光を伝送することができる材料から少なくとも部分的に作製されている、生検器具である。
【0219】
例2では、例1の主題は、内視鏡であって、内視鏡は、第1のルーメンを有する細長いシャフトであって、細長い制御エレメントが第1のルーメンの中に配設されることが可能である、細長いシャフトと;細長い本体部によって第1のルーメンの遠位にある組織セパレーターデバイスを見るように構成されたビューイングデバイスとを含む、内視鏡を随意的に含む。
【0220】
例3では、例2の主題は、第1のルーメンが、長手方向軸線に沿って延在しており、長手方向軸線に対して横断方向に延在する第1の高さを有しており;組織セパレーターは、第1の高さよりも大きい第2の高さを有しているという特徴を随意的に含む。
【0221】
例4では、例2~3のいずれか1つまたは複数の主題は、ベースが、第1の高さよりも大きい第3の高さを有しているという特徴を随意的に含む。
【0222】
例5では、例2~4のいずれか1つまたは複数の主題は、ベースが、細長いシャフトに連結可能であるという特徴を随意的に含む。
【0223】
例6では、例2~5のいずれか1つまたは複数の主題は、細長い制御エレメントが、内視鏡ルーメンよりも長いという特徴を随意的に含む。
【0224】
例7では、例1~6のいずれか1つまたは複数の主題は、細長い制御部材の近位端部におけるクイックコネクトカップリングを随意的に含む。
【0225】
例8では、例7の主題は、クイックコネクトカップリングに連結可能なハンドピースであって、ハンドピースは、細長い制御エレメントを介して作動メカニズムを活性化させるように構成されている、ハンドピースを随意的に含む。
【0226】
例9では、例1~8のいずれか1つまたは複数の主題は、組織セパレーターが、鉗子を含み、鉗子は、第1のジョーと;第2のジョーと;ヒンジとを含み、第1および第2のジョーのうちの少なくとも1つは、開位置と閉位置との間でヒンジの周りに関節運動するように構成されているという特徴を随意的に含む。
【0227】
例10では、例9の主題は、作動メカニズムが、開位置と閉位置との間で関節運動するように構成された第1および第2のジョーのうちの少なくとも1つから延在するレバーを含むという特徴を随意的に含む。
【0228】
例11では、例9~10のいずれか1つまたは複数の主題は、鉗子が、鉗子が複数の組織サンプルを保持することを可能にするように構成された容量強化特徴を含むという特徴を随意的に含む。
【0229】
例12では、例11の主題は、容量強化特徴が、開位置において第1のジョーと第2のジョーとの間に保たれている組織のピースを固定化するように構成された組織付勢デバイスを含むという特徴を随意的に含む。
【0230】
例13では、例12の主題は、組織付勢デバイスが、第1のジョーの上に位置付けされているスポンジと;第1および第2のジョーが閉位置にあるときにスポンジを貫通するように位置決めされている、第2のジョーの上に位置付けされた針アレイとを含むという特徴を随意的に含む。
【0231】
例14では、例12~13のいずれか1つまたは複数の主題は、容量強化特徴が、第1および第2のジョーのうちの少なくとも1つの内部体積を増加させるように構成された容量増加特徴を含むという特徴を随意的に含む。
【0232】
例15では、例14の主題は、容量増加特徴が、第1のジョーおよび第2のジョーのうちの少なくとも一方が、ヒンジにおいて、第1および第2のジョーのうちの他方と反対の方向に並進し、第1のジョーと第2のジョーとの間のスペースを増加させるように構成されているという特徴を含むという特徴を随意的に含む。
【0233】
例16では、例14~15のいずれか1つまたは複数の主題は、容量増加特徴が、第1のジョーおよび第2のジョーのうちの少なくとも一方が、第1のジョーと第2のジョーとの間のスペースを増加させるための可撓性の壁部を備えて構成されているという特徴を含むという特徴を随意的に含む。
【0234】
例17では、例9~16のいずれか1つまたは複数の主題は、第1のジョーおよび第2のジョーのうちの少なくとも一方が、透明な材料から少なくとも部分的に製作されているという特徴を随意的に含む。
【0235】
例18では、例1~17のいずれか1つまたは複数の主題は、組織セパレーターが、円錐形状の本体部と;円錐形状の本体部の周りに延在するネジ切り部と;円錐形状の本体部の中へ延在する通路とを含むオーガーを含むという特徴を随意的に含む。
【0236】
例19では、例1~18のいずれか1つまたは複数の主題は、細長い制御エレメントが、可撓性のプルワイヤーを含むという特徴を随意的に含む。
【0237】
例20では、例1~19のいずれか1つまたは複数の主題は、組織セパレーターを所定の位置に付勢するための作動メカニズムのための付勢エレメントを随意的に含む。
【0238】
例21は、生検器具を使用して生物学的物質を収集する方法であって、方法は、内視鏡の遠位端部部分に生検器具を繋留するステップと;生検器具を備えた内視鏡を患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと;生検器具をターゲット組織部位にガイドするステップと;生検器具を通してターゲット組織を見るステップと;生検器具によってターゲット組織部位から生物学的物質を収集するステップとを含む、方法である。
【0239】
例22では、例21の主題は、生検器具をターゲット組織部位にガイドするステップが、生検器具を通して解剖学的構造を見るステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0240】
例23では、例21~22のいずれか1つまたは複数の主題は、生検器具を通してターゲット組織を見るステップが、ビデオカメラによってターゲット組織部位のイメージを見るステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0241】
例24では、例21~23のいずれか1つまたは複数の主題は、内視鏡の遠位端部部分に生検器具を繋留するステップが、内視鏡の遠位端部から内視鏡のルーメンの中へ細長い制御部材を挿入するステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0242】
例25では、例24の主題は、内視鏡の遠位端部部分に生検器具を繋留するステップが、生検器具のベースを内視鏡の遠位端部に係合させるステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0243】
例26では、例24~25のいずれか1つまたは複数の主題は、内視鏡の近位端部部分において制御デバイスを細長い制御部材に取り付けるステップを随意的に含む。
【0244】
例27では、例21~26のいずれか1つまたは複数の主題は、生検器具によってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップが、ターゲット組織の一部分を分断するために鉗子を動作させるステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0245】
例28では、例27の主題は、生検器具によってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップが、組織付勢デバイスによって鉗子の中に生物学的物質を保つステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0246】
例29では、例28の主題は、組織付勢デバイスによって鉗子の中に生物学的物質を保つステップが、収集された組織をタインによって穿孔するステップをさらに含むという特徴を随意的に含む。
【0247】
例30では、例27~29のいずれか1つまたは複数の主題は、生検器具によってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップが、容量増加特徴によって鉗子の容量を増加させるステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0248】
例31では、例30の主題は、容量増加特徴によって鉗子の容量を増加させるステップが、鉗子のジョーを枢動ポイントから離れるようにスライドさせ、対向するジョーからの距離を増加させるステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0249】
例32では、例30~31のいずれか1つまたは複数の主題は、容量増加特徴によって鉗子の容量を増加させるステップが、鉗子のジョーの壁部を屈曲させ、ジョーの内部体積を増加させるステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0250】
例33では、例21~32のいずれか1つまたは複数の主題は、解剖学的構造から内視鏡を引き出す前に、生検器具によってターゲット組織から複数の組織サンプルを取得するステップを随意的に含む。
【0251】
レーザー蛍光能力を備えた半透明の生検デバイス
例1は、外科用器具であって、外科用器具は、スコープと、組織回収デバイスとを含み、スコープは、近位端部部分から遠位端部部分へ延在する細長い本体部と;細長い本体部を通って少なくとも部分的に延在する作業チャネルと;細長い本体部に連結されているイメージングコンポーネントであって、イメージングコンポーネントは、作業チャネルの遠位に投影する視野を有している、イメージングコンポーネントと、発光材料を励起するのに適切な第1の波長の光を細長い本体部から投影するように構成されている第1の光エミッターとを含み、組織回収デバイスは、作業チャネルの中に位置決め可能な細長いシャフトであって、細長いシャフトは、軸線に沿って延在しており、解剖学的構造の中への挿入のために構成されている、細長いシャフトと;組織収集デバイスであって、組織収集デバイスは、細長いシャフトに連結されており、解剖学的構造から組織を分離するように構成されている、組織収集デバイスとを含む、外科用器具である。
【0252】
例2では、例1の主題は、イメージングコンポーネントが、組織収集デバイスを通して見るように位置決めされているという特徴を随意的に含む。
【0253】
例3では、例1~2のいずれか1つまたは複数の主題は、第1の光エミッターが、フルオロフォアを蛍光化するように構成されているという特徴を随意的に含む。
【0254】
例4では、例1~3のいずれか1つまたは複数の主題は、第1の光エミッターがレーザーを含むという特徴を随意的に含む。
例5では、例1~4のいずれか1つまたは複数の主題は、第1の波長が358ナノメートルから405ナノメートルを含むという特徴を随意的に含む。
【0255】
例6では、例1~5のいずれか1つまたは複数の主題は、スコープが、細長い本体部から第2の波長の光を投影するように構成された第2の光エミッターをさらに含むという特徴を随意的に含む。
【0256】
例7では、例6の主題は、第2の光エミッターが発光ダイオードを含むという特徴を随意的に含む。
例8では、例6~7のいずれか1つまたは複数の主題は、第2の波長が400ナノメートルから700ナノメートルを含むという特徴を随意的に含む。
【0257】
例9では、例1~8のいずれか1つまたは複数の主題は、光透過性のファイバーが細長い本体部を通って第1の光エミッターへ延在するという特徴を随意的に含む。
【0258】
例10では、例9の主題は、光透過性のファイバーが細長い本体部の材料の中に埋め込まれているという特徴を随意的に含む。
【0259】
例11では、例9~10のいずれか1つまたは複数の主題は、光透過性のファイバーが、細長い本体部の中のルーメンを少なくとも部分的に通って延在しているという特徴を随意的に含む。
【0260】
例12では、例1~11のいずれか1つまたは複数の主題は、第1の光エミッターに接続されている光供給源を随意的に含む。
【0261】
例13では、例12の主題は、光供給源がスコープによって担持されているという特徴を随意的に含む。
【0262】
例14では、例1~13のいずれか1つまたは複数の主題は、組織収集デバイスが鉗子を含むという特徴を随意的に含む。
【0263】
例15では、例14の主題は、鉗子が、細長い本体部に枢動可能に接続されている第1のジョーと;第1のジョーから延在する複数の歯とを含むという特徴を随意的に含む。
【0264】
例16では、例15の主題は、複数の歯が、蛍光性の材料から製作されているという特徴を随意的に含む。
【0265】
例17では、例15~16のいずれか1つまたは複数の主題は、複数の歯が、反射性の材料から製作されているという特徴を随意的に含む。
【0266】
例18では、例1~17のいずれか1つまたは複数の主題は、組織収集デバイスが、分離された組織を貯蔵するための内部体積を含むという特徴を随意的に含む。
【0267】
例19では、例1~18のいずれか1つまたは複数の主題は、組織収集デバイスが、クリアなポリカーボネートまたはガラスから製作されているという特徴を随意的に含む。
【0268】
例20では、例1~19のいずれか1つまたは複数の主題は、組織収集デバイスが、イメージングコンポーネントの視野と相互作用するように光学的に強化されており、光学的な強化は、反射性の特性、半透明の特性、透明な特性、または拡大特性を含むという特徴を随意的に含む。
【0269】
例21は、組織回収デバイスを使用して生物学的物質を収集する方法であって、方法は、組織回収デバイスを患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと;組織回収デバイスの組織コレクターをターゲット組織にガイドするステップと;励起光によってターゲット組織を照射するステップと;組織コレクターを通して発光ターゲット組織を見るステップと;組織コレクターによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップとを含む、方法である。
【0270】
例22では、例21の主題は、組織コレクターを通して発光ターゲット組織を見るステップを随意的に含む。
【0271】
例23では、例22の主題は、組織コレクターを越えてカメラによってターゲット組織のイメージを見ることによって、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップを随意的に含む。
【0272】
例24では、例23の主題は、組織コレクターを越えてカメラによってターゲット組織のイメージを見るステップが、ターゲット組織から放出される光を見るステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0273】
例25では、例21~24のいずれか1つまたは複数の主題は、組織コレクターによってターゲット組織の表面を貫通するステップと、貫通された表面の中の新たに露出された組織を見るステップとを随意的に含む。
【0274】
例26では、例21~25のいずれか1つまたは複数の主題は、レーザーによってターゲット組織を照射することによって、励起光によってターゲット組織を照射するステップを随意的に含む。
【0275】
例27では、例21~26のいずれか1つまたは複数の主題は、ターゲット組織が光を放出することを引き起こすように、励起光によってターゲット組織を照射するステップを随意的に含む。
【0276】
例28では、例21~27のいずれか1つまたは複数の主題は、ターゲット組織を蛍光化することによって、励起光によってターゲット組織を照射するステップを含み、発光ターゲット組織を見るステップは、蛍光化されたターゲット組織を見るステップを含むという特徴を随意的に含む。
【0277】
例29では、例21~28のいずれか1つまたは複数の主題は、ターゲット組織の中へ蛍光性の材料を注入し、発光ターゲット組織を作り出すステップを随意的に含む。
【0278】
例30では、例21~29のいずれか1つまたは複数の主題は、第2の光エミッターによって組織回収デバイスを照射するステップを随意的に含む。
【0279】
例31では、例30の主題は、第2の光エミッターが可視光を放出するという特徴を随意的に含む。
【0280】
例32では、例31の主題は、励起光が、358ナノメートルから405ナノメートルの範囲にある波長を有しており、可視光は、400ナノメートルから700ナノメートルの範囲にある波長を有しているという特徴を随意的に含む。
【0281】
例33では、例21~32のいずれか1つまたは複数の主題は、組織コレクターの切断縁部を蛍光化するステップを随意的に含む。
【0282】
例34では、例21~33のいずれか1つまたは複数の主題は、組織コレクターの切断縁部によって光を反射させるステップを随意的に含む。
【0283】
例35では、例21~34のいずれか1つまたは複数の主題は、組織コレクターの半透明の材料を通してターゲット組織を見ることによって、組織コレクターを通してターゲット組織を見るステップを随意的に含む。
【0284】
例36では、例21~35のいずれか1つまたは複数の主題は、第1の長手方向の通路を含む内視鏡を患者の解剖学的構造の中へ挿入するステップと;第2の長手方向の通路を含む補助スコープを第1の長手方向の通路の中へ挿入するステップと;ターゲット組織に到達するように、組織回収デバイスを第2の長手方向の通路の中へ挿入するステップとを随意的に含む。
【0285】
例37では、例21~36のいずれか1つまたは複数の主題は、ターゲット組織の一部分を分断するために鉗子を動作させることによって、組織コレクターによってターゲット組織から生物学的物質を収集するステップを随意的に含む。
【0286】
これらの非限定的な例のそれぞれは、自立することが可能であり、または、他の例のうちの1つもしくは複数とさまざまな順列もしくは組み合わせで組み合わせられることができる。
【0287】
上記の詳細な説明は、添付の図面への参照を含み、図面は、詳細な説明の一部を形成している。図面は、例示として、本発明が実践され得る特定の実施形態を示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも称される。そのような例は、示されているかまたは説明されているものに加えて、エレメントを含むことが可能である。しかし、本発明者は、示されているかまたは説明されているそれらのエレメントのみが提供される例も企図する。そのうえ、本発明者は、特定の例(または、その1つもしくは複数の態様)に関して、または、本明細書で示されているかもしくは説明されている他の例(または、その1つもしくは複数の態様)に関して、示されているかまたは説明されているそれらのエレメント(または、その1つもしくは複数の態様)の任意の組み合わせまたは順列を使用する例も企図する。
【0288】
本文献と参照により組み込まれた任意の文献との間で使用法に矛盾がある場合、本文献における使用法が優先される。
【0289】
本文献において、「a」または「an」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」の任意の他の事例または使用法とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用されている。本文献において、「または」という用語は、非排他的な「または」を指すために使用されており、「AまたはB」が、別段の指示がない限り、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、ならびに「AおよびB」を含むようになっている。本文献において、「含む(including)」および「in which」という用語は、それぞれの用語「含む(comprising)」および「wherein」の平易な英語の同等物として使用されている。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」および「含む(comprising)」という用語は、オープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲においてそのような用語の後に列挙されているものに加えてエレメントを含むシステム、デバイス、物品、組成、処方、またはプロセスが、依然として、その特許請求の範囲の中に入るとみなされる。そのうえ、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は、単にラベルとして使用されており、それらの対象物に数値的要件を課すことを意図していない。
【0290】
本明細書で説明されている方法の例は、少なくとも部分的にマシン実装されるかまたはコンピューター実装されることが可能である。いくつかの例は、上記の例において説明されているような方法を実施するように電子デバイスを構成するために動作可能なインストラクションによってエンコードされたコンピューター可読媒体または機械可読媒体を含むことが可能である。そのような方法の実装形態は、コード(たとえば、マイクロコード、アッセンブリ言語コード、または、より高レベルの言語コードなど)を含むことが可能である。そのようなコードは、さまざまな方法を実施するためのコンピューター可読インストラクションを含むことが可能である。コードは、コンピュータープログラム製品の一部分を形成することが可能である。さらに、例では、コードは、たとえば、実行の間に、または、他の時間などに、1つまたは複数の揮発性の、非一時的な、または不揮発性のタンジブルコンピューター可読媒体の上にタンジブルに記憶されることが可能である。これらのタンジブルコンピューター可読媒体の例は、それに限定されないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(たとえば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリーカードまたはスティック、ランダムアクセスメモリー(RAM)、およびリードオンリーメモリー(ROM)などを含むことが可能である。
【0291】
上記の説明は、例示目的であることを意図しており、制限的でないことを意図している。たとえば、上述の例(または、その1つもしくは複数の態様)は、互いに組み合わせて使用されることが可能である。他の実施形態は、たとえば、上記の説明を検討した当業者などによって使用されることが可能である。要約は、37 C.F.R. §1.72(b)に準拠し、読者が技術的な開示の性質を迅速に確認することを可能にするように提供される。それは、それが特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または限定するために使用されることとはならないという理解とともに提出される。また、上記の詳細な説明において、本開示を合理化するために、さまざまな特徴が、一緒にグループ化されている可能性がある。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項に必須であるということを意図するものとして解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴にある可能性がある。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施形態として詳細な説明の中へ組み込まれており、それぞれの請求項は、別個の実施形態として自立しており、そのような実施形態は、さまざまな組み合わせまたは順列で互いに組み合わせられることができるということが企図される。本発明の範囲は、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0292】
10 内視鏡検査システム
12 イメージングおよび制御システム
14 内視鏡
16 制御ユニット
18 ディスプレイユニット、出力ユニット
20 入力ユニット
22 光供給源
24 流体供給源
26 吸引ポンプ
28 挿入セクション
30 機能セクション
32 ハンドルセクション
34 ケーブルセクション
36 カップラーセクション
38 制御ノブ
40 ポート
41 カート
42 イメージ処理ユニット
44 治療発生器
46 ドライブユニット
50 側視型内視鏡カメラモジュール
51 角度付きランプ表面
52 ハウジング
53 スペース
54 エレベーター
55 デフレクター
55’ デフレクター55の第2の位置
56 流体出口部
57 ワイヤー
58 照明レンズ
59 チューブ
60 対物レンズ
61 ピン
62 中央ルーメン
63 器具
64 光伝送器
65 ウィンドウ
66 プリズム
67 イメージングユニット
68 配線
69 流体ライン、溝部
100 内視鏡
102 機能モジュール
104 挿入セクションモジュール
106 制御モジュール
108 コントローラー
110 イメージングユニット
112 照明ユニット
114 パワーユニット
120 導管壁
122 オッディ括約筋
124 総胆管
126 主膵管
128 進入口
129 通路
130 エレベーター部分
132 ルーメン
134 補助スコープ
136 ルーメン
137 カメラレンズ
200 外科用器具
202 細長い本体部
204 組織収集デバイス
206 デバイスコントローラー
210 セパレーター
212 ジョー
212A ジョー
212B ジョー
213 歯
214 ヒンジ
216 活性化メカニズム
218 ハンドル、ハンドピース
220 コネクター
222 シャフト
224 ルーメン
226 ケーブル
230 内視鏡
232 シャフト
234 作業チャネル
236 通路
238 レンズ
239 レンズ
240 視野
254 ターゲット組織
255 解剖学的導管
256 スペース
258 サンプル組織
260 裂傷部
300 組織回収デバイス
302 ボーリングデバイス
304 内視鏡
310 シャフト
312 コンテナ
314 ボーリングランド
316 ブレード
318 ボア
320 シャフト
322 作業チャネル
324 通路
326 レンズ
328 視野
329 光レンズ
330 ターゲット組織
342 裂傷部
344 見通し線
400 内視鏡検査システム
402 内視鏡
404 生検器具
408A ジョー
408B ジョー
410 ヒンジ
412 ベース
414A 制御ケーブル
414B 制御ケーブル
416A カップラー
416B カップラー
418 ハンドピース
419 ケーブル
420A カップラー
420B カップラー
421 コネクター
422 シャフト
424 ルーメン
426 ハンドピース
428 コントロール
430 コネクター
432 ケーブル
434 遠位端部
436 近位端部
438 鉗子
440 ベース
442A ジョー
442B ジョー
444 ヒンジ
446A アクチュエーター
446B アクチュエーター
448A 制御ワイヤー
448B 制御ワイヤー
450 生検器具
452 鉗子
454 スポンジ
456 針アレイ
458A ジョー
458B ジョー
460 ヒンジ
462 ベース
464 歯
464 ベース
466 針
468 組織サンプル
500 生検器具
502 鉗子
504A ジョー
504B ジョー
506 ベース
508 ヒンジ
510A レール
510B レール
512 歯
514 組織サンプル
550 生検器具
552 鉗子
554 ジョー
556 ジョー
558 ヒンジ
560 ベース
562 歯
564 偏向可能な壁部
566A 組織サンプル
566B 組織サンプル
770 光伝送器
772 光供給源
700 外科用器具
702 組織収集デバイス
710 組織セパレーター
712A ジョー
712B ジョー
713 歯
714 ヒンジ
722 シャフト
732 シャフト
734 作業チャネル
737 励起用レンズ
738 イメージングレンズ
739 照明レンズ
740 照明光
750 鉗子
754 ターゲット組織
755 解剖学的導管
756 スペース
757 染料材料
768 配線
774 通路
775 励起光
776 光伝送器
778 通路
A1 中心長手方向軸線
B 軸線方向
CL 中心線
D 十二指腸
D1 距離
D2 距離
D3 距離
H1 高さ
Y1 方向
Y2 方向
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】