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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-13
(54)【発明の名称】果物および野菜の成形方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20231106BHJP
   A23L 5/30 20160101ALI20231106BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20231106BHJP
【FI】
A23L19/00 A
A23L19/00 Z
A23L5/30
A23L5/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525113
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-05
(86)【国際出願番号】 EP2021079596
(87)【国際公開番号】W WO2022090182
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020128303.2
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595014653
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツール フエルデルング デア アンゲヴァンテン フォルシュング エー.ファオ.
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】カイザー クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ゼイフェルト セヴェリン
(72)【発明者】
【氏名】カリナ クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】ディットリッヒ セバスティアン
【テーマコード(参考)】
4B016
4B035
【Fターム(参考)】
4B016LE03
4B016LG01
4B016LG05
4B016LP03
4B016LP05
4B016LP13
4B035LC16
4B035LE05
4B035LG32
4B035LP16
4B035LP31
4B035LP59
(57)【要約】
本発明は、超音波を用いる果物および野菜の成形方法、この方法で成形された果物および野菜を含むコンビニエンス食料品、および、果物および野菜の成形に超音波を用いることに関する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果物および野菜を成形する方法であって、
a)果物または野菜の塊を提供するステップと、
b)前記果物または野菜の塊に超音波を照射するステップと、
c)前記果物または野菜の塊の果肉中の液体を音響キャビテーションによって加熱するステップと、
d)液体の蒸発によって前記果肉の細胞構造を破壊するステップと、
e)前記果物または野菜の塊に空洞を成形するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記果物または野菜の塊が、ソノトロードによって、好ましくは調節可能に取り付けられたソノトロードによって、超音波を照射される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
超音波が、20~2000kHzの範囲の周波数を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記果肉中の液体が、音響キャビテーションによる加熱中に、最高5000Kの温度および/または最高1000barの圧力および/または最高400km/hの流速に局所的に曝露される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記液体の加熱中に、前記果肉がマイクロ調理される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記果物または野菜の塊における前記空洞の成形は、前記果肉の破壊された細胞構造を側面に押し付けることを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記空洞を成形された前記果物または野菜の塊に食品を充填し、その後に超音波を照射し、前記液体の加熱中にこの充填物も調理する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記果物または野菜の塊の皮または果皮が、音響キャビテーションにより部分的にまたは完全に除去される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記空洞が、前記果物または野菜の塊にパターンまたは多次元構造を成形する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記果物または野菜の塊が、ウリ科植物、好ましくはカボチャ、メロン、キュウリおよびズッキーニから選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の方法により成形された1つ以上の前記果物または野菜の塊を含むコンビニエンス食料品。
【請求項12】
果物または野菜を成形するための音波の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いる果物および野菜の成形(forming)方法、この方法で成形された果物および野菜を含むコンビニエンス食料品(convenience food item)、および、果物および野菜の成形に超音波を用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
食品の分野では、ウリ科植物(cucurbit)は、風味(flavor)がさまざまであり、さらに、他の食品素材と組み合わせて、例えば「詰め物」(filled)のような調理で機能する(function)ので、日常的に使用されている。栄養価が高く、水分量も多いこと、地元で採れる野菜であることも、この多彩な野菜に共通する、さらなる利点である。
【0003】
食品に関する社会的な変化に牽引されて、加工産業、とりわけコンビニエンス(convenience)製品や「ファーストフード」産業などの加工産業が、この「スーパーフード」に注目している。しかしながら、この産業分野は、標準化と簡略化に大きく依存している。ファーストフードのレストランでは、迅速な準備、迅速な提供、そして迅速な消費などのパラメータが不可欠である。これは、例えばキュウリの場合、形状が標準化されている必要があるということである。さらに、詰め物で味覚の幅を広げるためには、キュウリに空洞を成形する(excavate)必要がある。外形を形作る方法としては、例えば、ガラス容器の中で成長させたり、または、正確に果皮(peel)を切り離す方法などが実際に見出されているが、空洞を成形すること(excavation)についてはまだ問題がある。それは必ずしもその実施や、種子の割合(種なしキュウリの栽培)によるものではなく、残留物(residual substances)の生成のためである。中空化(hollowing)の工程では、果肉(pulp)の多くの部分を除去してしまうからである。さらに、ドイツ連邦栄養センターによると、キュウリは鼓腸効果(bloating effect)を伴う難消化性品種の一つである。後者は、例えば調理工程で減らすことができる。しかしながら、このような中間工程もまた、準備の時間に影響を与える。
【0004】
したがって、食品の準備(調理)の工程と、空洞の成形(excavation)作業および/または果物または野菜の果皮の除去とを直接組み合わせて、しかも残留物を最小限に抑えることができれば、進歩が期待できる。
【0005】
例えば、DE102014112083A1、EP18672362、US3382900、US7096777B1またはWO03/043443などの先行技術から、特定の果物および野菜を成形し、空洞を成形するための自動機械化方法が知られている。しかしながら、これらの方法は、そもそも、機械的な掻き取り(scraping)方法であるために、掻き取られた果肉が生じ、これを再使用するか、または廃棄しなければならず、したがって、製造工程において追加のコストが発生するという欠点がある。さらに、先行技術に示された機械的装置は柔軟性が大きくはないので、満足のいく結果を得るためには、果物および野菜に厳しい形状の要件が課される。このため、例えば曲率、長さ、または厚さによって厳しく設定された形状の要件を満たさないだけで、原則的には食用である果物および野菜が大量に廃棄物となる。さらに、先行技術による方法は、果物および野菜を成形することのみに役立つ。こうして成形された果物および野菜は、さらなる工程、例えば調理により、消費が可能な状態にされる必要がある。
【0006】
本発明は、上記の欠点を克服することを目的とする。驚くべきことに、ソノケミストリー(sonochemistry)、すなわち超音波による音響キャビテーション(acoustic cavitation)によって、実質的な残留物の生成なしに、果物および野菜を形状の仕様とは無関係に成形し、同時に一種のマイクロ調理(microcooking)によって消費可能にできることが、見出された。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、果物および野菜を成形する方法に関し、前記方法は、
a)果物または野菜の塊(片、断片、piece)を提供するステップと、
b)前記果物または野菜の塊に超音波を照射するステップと、
c)前記果物または野菜の塊の果肉(pulp)中の液体を音響キャビテーション(acoustic cavitation)によって加熱するステップと、
d)液体の蒸発によって前記果肉の細胞構造を破壊するステップと、
e)前記果物または野菜の塊に空洞(cavity)を成形する(塊を刳り抜く)ステップと、
を含む。
【0008】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の方法によって成形された1つ以上の果物または野菜の塊を含むコンビニエンス食料品に関するものである。
【0009】
さらなる態様において、本発明は、果物または野菜を成形するための音波の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実験セットアップを模式的に示す。
図2】キュウリに円筒形の穴を生成することを示す。
図3】キュウリに円筒形の穴を生成することを示す。
図4】キュウリに円筒形の穴を生成することを示す。
図5】X線断層撮影写真を示す。
図6】X線断層撮影写真を示す。
図7】X線断層撮影写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、果物および野菜を成形する方法に関し、前記方法は、
a)果物または野菜の塊を提供するステップと、
b)前記果物または野菜の塊に超音波を照射するステップと、
c)前記果物または野菜の塊の果肉中の液体を音響キャビテーションによって加熱するステップと、
d)液体の蒸発によって前記果肉の細胞構造を破壊するステップと、
e)前記果物または野菜の塊に空洞を成形するステップと、
を含む。
【0012】
本発明の方法は、固い(firm)果肉を有するので皮むき(peeling)や空洞の成形によって成形するのに適した果物または野菜であれば、どのようなものにも適している。特に好適なのは、カボチャ、メロン、キュウリ、ズッキーニなどのウリ科植物(Cucurbitaceae)、特にキュウリやズッキーニなどである。
【0013】
超音波は、好ましくは、超音波プロセッサ(ultrasound processor)において発生される。このような超音波プロセッサは、例えば、超音波溶接(ultrasonic welding)のような超音波製造プロセス(ultrasonic manufacturing process)や超音波振動ラッピング(ultrasonic vibration lapping)に関連して先行技術において知られており、本発明の方法のためのさらなる改変を必要としない。
【0014】
超音波は、好ましくは、ソノトロード(sonotrode)によって果物または野菜の塊に伝達される。ソノトロードは、通常、超音波プロセッサの構成要素のうち、果物または野菜の塊と直接接触する唯一の構成要素である。好ましくは、ソノトロードは果物または野菜の塊の果肉に浸される(immersed)。この工程では、音響キャビテーションによって果肉内の液体が加熱される。
【0015】
キャビテーションとは、液体内での高周波変動(high-frequency fluctuations)による圧力および/または密度への影響下における気泡の形成とその振動(oscillation)のことと理解されている。媒体の部分における非弾性的な挙動により、連続した流体相が破壊され、気泡が形成される。流体中に存在する不均質な部分がキャビテーションを促進する。気泡が発生すると、周囲の流体からの蒸気(vapor)や流体中に溶解した気体が気泡内に順次拡散していく。ベーパーキャビテーション(vapor cavitation)」(ハード/トランジェントキャビテーション(hard/transient cavitation))の場合、気泡はわずか数回の振動で局所的に高いエネルギーを放出し、破裂(implode)する。超音波などの音波によってキャビテーションが発生する場合は、それは音響キャビテーションと呼ばれる。
【0016】
ソノトロードは、好ましくは、調整可能に取り付けられる。調整可能に取り付けられたソノトロードは、少なくとも1つの次元で、好ましくは3つの次元全てで、位置を調整することによって、および/または角度を調整することによって、果物または野菜の塊の個々の形状に適合させることができる。したがって、この方法は、まず、例えばサラダキュウリ(salad cucumber)やスイカのような、異なる一般的な形状を有する種類の果物および野菜に適しており、また、1種類の果物または野菜の中でも、例えば、曲率、長さ、厚さなどの点で通常の規範(customary norm)から逸脱した果物または野菜の塊に適している。
【0017】
音響キャビテーションの際の超音波の圧力および密度の変動(fluctuations)の結果として、通常、果肉内の液体は、浸漬されたソノトロードのすぐ近くで加熱される。加熱の結果、果肉は好ましくはマイクロ調理、すなわち、超音波による加熱によって調理される。
【0018】
また、空洞の成形のステップと調理のステップは、時間的に、および/または空間的に分離されてもよい。
【0019】
したがって、例えば、本明細書に記載されるように、果物または野菜の塊は、第1のステップにおいて空洞の成形をされてもよい。空洞の成形をされた果物または野菜の塊は、次いで、第2のステップで、超音波を使用して調理されてもよい。調理の前に、空洞の成形をされた果物または野菜の塊は、例えば、チーズ調製物またはひき肉調製物などの肉調製物で充填されてもよい。この食品は、その後、同様に、果肉内の液体が加熱される際に必要に応じてマイクロ調理され、加熱されてもよい。
【0020】
調理の工程は、果物または野菜の塊、特にウリ科の植物をより消化しやすくする。結果として、コンビニエンス食料品の製造において、さらなる調理工程を省くことが可能になる。したがって、本発明による方法の助けを借りて、すでに食べられる準備が整っている食品を製造することができる。
【0021】
超音波は、好ましくは、20~2000kHzの周波数を有する。果肉内の液体は、局所的に(locally)最高5000Kの温度に曝露されてもよい。さらに、果肉内の液体は、局所的に最高1000バールの圧力に曝露されてもよい。またさらに、果肉内の液体は、局所的に最高400km/hの流速に曝露されてもよい。箇所によっては、加熱中に最高110K/sの温度の上昇を伴ってもよい。ここで得られる条件は、通常、超音波の周波数に依存する。
【0022】
適切な時間の超音波への曝露が与えられると、通常、果肉内の液体は、蒸発する程度にまで加熱され、その結果、果肉の細胞構造が破壊される。こうして破壊された果肉は、したがって、細胞の安定性を失い、好ましくは超音波の衝撃(impulse)によって果物または野菜の塊の側壁に押し付けられる。これにより、果物または野菜の塊内に空洞(cavity)が成形される。
【0023】
超音波の影響を受けない側壁は、好ましくは、それらに対して押し付けられた果肉によって圧縮され、補強され、したがって、例えば、コンポート、チャツネ、チーズ調製物、肉調製物、刻んだまたは粉砕した果物または野菜またはそれらの混合物などの適切な食品を充填するのに適した安定した容器構造(vessel structure)を成形する。
【0024】
果物または野菜の塊における空洞に加えて、本明細書に記載の方法は、果物または野菜の塊から皮(skin)または果皮(peel)を部分的にまたは完全に除去するのに使用されてもよい。
【0025】
本明細書に記載の方法は、果物または野菜の塊にパターン(pattern)または多次元構造(multidimensional structure)を成形するためにも使用されてもよい。
【0026】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載の方法によって成形された1つ以上の果物または野菜の塊を含むコンビニエンス食料品に関するものである。
【0027】
前記コンビニエンス食料品は、好ましくは、本明細書に記載の方法によって成形された果物または野菜の塊であり、好ましくは、例えば、コンポート、チャツネ、チーズ調製物、肉調製物、刻んだまたは粉砕した果物または野菜、またはそれらの混合物などの、1つ以上のさらなる食品で充填されたものを含む。
【0028】
前記コンビニエンス食料品は、末端の消費者市場またはレストラン流通用の食品アイテムであってもよい。
【0029】
前記末端の消費者市場向けの食品アイテムは、好ましくは、通常、消費者市場からの準備済み食品(ready meal)であり、これらは調製準備が済んでいる(preparation-ready)か、またはすでに消費される準備ができている(ready to be consumed)ものである。
【0030】
前記レストラン流通用の食品アイテムは、好ましくは、ファーストフードレストランの料理または料理の一部である。
【0031】
本発明のコンビニエンス食料品は、市場において以下の利点を有する。
【0032】
本発明の方法の結果として、果肉は、切り取られるのではなく、果物または野菜の塊の側壁に押し付けられるので、残留物(residual substances)または廃棄物(waste substances)の生成がより少ない。
【0033】
成形された果物または野菜の塊の側壁を安定させることで、充填物(fillings)用の安定した容器(a stable vessel)ができる。これにより、以前は安定性が乏しいために充填されることに適さないと考えられていた果物または野菜の品種において、充填された果物または野菜の市場が開かれる。
【0034】
本発明による方法を用いて、異なる形状や大きさの果物および野菜を処理することができる。従って、一般に消費可能な果物および野菜の廃棄が少なくなる。
【0035】
本発明による方法では、1つの工程で果物および野菜を成形し、調理することができる。これにより、さらなる準備の工程は省かれ、生(raw)のままでは比較的に消化が困難な果物および野菜の品種について市場が開かれる。
【0036】
また、音波(sound wave)の助けを借りたマイクロ調理方法により、本発明のコンビニエンス食料品の風味をある程度制御することが可能である。音響キャビテーションにより、超音波に曝露された果物または野菜の塊、あるいは場合によっては充填物に、化学分解プロセス(chemical breakdown process)が起こり、これらのプロセスは風味に影響を与える可能性がある。また、煮る(boiling)、炒める(frying)、揚げる(deep-frying)などの、他の加熱技術の場合に予測されるような、熱分解による風味の変化はない。
【0037】
加熱(heat input)と、それゆえの調理の工程は、ソノトロードによって、局所的に標的化された方法で制御されてもよい。
【0038】
本発明による方法を用いれば、冷やしたり(chilled)または冷凍したり(deep-frozen)した果物または野菜も成形することができ、また同時にそれらを所望の消費温度にすることができる。したがって、追加の加熱工程を省くことが可能である。
【0039】
したがって、本発明の方法により、ファーストフード産業で必要とされるように、シンプルで標準化された、したがってコスト効率の良い工程で、過剰な廃棄物がなく、より少ない加工のステップにより、コンビニエンス食料品を製造することが可能である。
【0040】
追加の態様において、本発明は、果物または野菜を成形するための音波の使用に関する。
【0041】
前記音波は、したがって、好ましくは、本発明による方法に関し、本明細書に記載されるようなすべての態様および実施形態に従って使用される。
【実施例
【0042】
本発明による果物および野菜の成形方法を、サラダキュウリ(salad cucumber)の空洞の成形を例にとって以下に説明する。実験セットアップを図1に模式的に示す。サラダキュウリの処理には、直径20mmのチタン製のソノトロードを使用した。他の形状の果物および野菜の場合は、ソノトロードは、直径がより大きい、またはより小さい、他のソノトロードに交換されてもよい。
【0043】
前記ソノトロードは、超音波発生装置(ultrasound generator)と超音波トランスデューサ(ultrasonic transducer)を含む超音波装置(ultrasound apparatus)に接続され、20kHzで1000Wの電力で動作する。前記電力は、成形される果物または野菜の塊に合わせて個別に適合されてもよい。
【0044】
サラダキュウリは、数秒間ソノトロードに接触させられ、その間に、サラダキュウリはソノトロードに沿って上方に誘導される。さらに、果物または野菜の塊の形状によっては、例えば、横方向または円方向の移動など、ソノトロードに沿った他の動作もまた行われてもよい。
【0045】
前記超音波は、サラダキュウリの周辺組織に影響を与えることなく、図2~4に示すように、キュウリに円筒形の穴を生成する。図5~7において、X線断層撮影写真は、周囲の組織に悪影響を与えることなく、円筒形の穴の表面が滑らかであることを示す。具体的には、図6および図7において、果肉が、結果として得られた前記円筒形の穴の側壁に押し付けられていることを見ることができる。
【0046】
成形中、種子の部分(seed zone)または空洞の部分(cavity zone)から出る組織液以外のさらなる廃棄物は発生しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】