(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-13
(54)【発明の名称】係合解除に対して固定された摺動リングシールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16J 15/34 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
F16J15/34 L
F16J15/34 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525493
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2021078937
(87)【国際公開番号】W WO2022089993
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】102020128414.4
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510151348
【氏名又は名称】イーグルブルクマン ジャーマニー ゲセルシャフト ミト ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【氏名又は名称】木戸 良彦
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【氏名又は名称】木戸 一彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルデッカー,フェルディナンド
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,フローリアン
【テーマコード(参考)】
3J041
【Fターム(参考)】
3J041AA02
3J041BA03
3J041BA11
3J041DA12
3J041DA16
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、回転摺動リング(3)と静止摺動リング(4)とが、そのシール面(30,40)間にシールギャップ(5)を画定するメカニカルシール(2)と、前記静止摺動リング(4)を支えるための摺動リングキャリア(6)と、前記摺動リングキャリア(6)と前記静止摺動リングとの間の前記静止摺動リング(4)の背面側(43)に配置される軸方向に移動可能なスラストリング(7)と、前記スラストリング(7)と前記摺動リングキャリア(6)との間に配置され、前記メカニカルシール配置の軸方向X-Xに前記静止摺動リング(4)をプレテンションするためのプレテンション装置(8)と、前記静止摺動リング(4)を回転可能且つ軸方向に移動可能に保持するための回転防止装置(10)であって、前記摺動リングキャリア(6)及び前記スラストリング(7)間で力を伝達するための第1伝達装置(11)と、前記スラストリング(7)及び前記静止摺動リング(4)間で力を伝達するための第2伝達装置(12)とを有する回転防止装置(10)と、を含み、前記第1伝達装置(11)には、前記スラストリング(7)が軸方向に係合解除しないように固定するための係止要素(13)が配置される、メカニカルシール配置に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転摺動リング(3)と静止摺動リング(4)とが、それらのシール面(30,40)間にシールギャップ(5)を画定するメカニカルシール(2)と、
前記静止摺動リング(4)を支えるための摺動リングキャリア(6)と、
前記摺動リングキャリア(6)と前記静止摺動リングとの間の前記静止摺動リング(4)の背面側(43)に配置される軸方向に移動可能なスラストリング(7)と、
前記スラストリング(7)と前記摺動リングキャリア(6)との間に配置され、メカニカルシール配置の軸方向(X-X)に前記静止摺動リング(4)をプレテンションするためのプレテンション装置(8)と、
前記静止摺動リング(4)を回転可能且つ軸方向に移動可能な状態に保持するための回転防止装置(10)であって、前記摺動リングキャリア(6)及び前記スラストリング(7)間で力を伝達するための第1伝達装置(11)と、前記スラストリング(7)及び前記静止摺動リング(4)間で力を伝達するための第2伝達装置(12)とを有する回転防止装置(10)と、
を含み、
前記第1伝達装置(11)には、前記スラストリング(7)が軸方向に係合解除しないように固定するための係止要素(13)が配置される、
メカニカルシール配置。
【請求項2】
前記第1伝達装置(11)が、少なくとも1つのピン、特に円筒ピンを含む、請求項1に記載のメカニカルシール配置。
【請求項3】
前記係止要素(13)が、係止ワッシャーである、請求項2に記載のメカニカルシール配置。
【請求項4】
前記第2伝達装置(12)が、少なくとも1つのピン、特に円筒ピンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項5】
前記摺動リングキャリア(6)が、ベース領域(60)と第1軸方向延在領域(61)とを含み、前記第1軸方向延在領域(61)が、前記静止摺動リング(4)の外側に半径方向に延びる、請求項1~4のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項6】
前記摺動リングキャリア(6)が、前記ベース領域(60)、前記軸方向外側延在領域(61)及び軸方向内側延在領域(62)を備えた略C字形の断面を有する、請求項5に記載のメカニカルシール配置。
【請求項7】
前記静止摺動リング(4)が、前記第1伝達装置(11)を受容するための第1凹部(41)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項8】
前記スラストリング(7)が、貫通孔(70)を含み、前記第1伝達装置(11)が、前記貫通孔(70)を通る、請求項1~7のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項9】
前記静止摺動リング(4)の背面側に面する側で、前記スラストリング(7)に第1二次シール(17)及び第2二次シール(18)が配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項10】
前記回転摺動リング(3)が、回転可能な部品に固定できるように構成されたスリーブ(9)に接続される、請求項1~9のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、係合解除防止装置を備えたメカニカルシール配置に関し、特に組立技術者による安全且つ確実な組立・分解を確保するためのものである。
【背景技術】
【0002】
メカニカルシール配置は、様々な構成で先行技術から知られている。使用目的に応じて、メカニカルシール配置は、1m以上の直径を有し得る。メカニカルシール配置の部品の組立及び分解は、組立技術者が非常に重い重量の部品を扱わなければならないことを意味する。また、メカニカルシールの組み立ては、例えば沖合や極寒・極暑の気候等、厳しい条件下で行われることが多い。また、例えば、摺動リングの摩耗によりメカニカルシール配置の摺動リングを交換する必要がある際、メカニカルシール配置の部品が固着し、ハンマー打撃等による強い力を用いることでしか緩められないことも起こり得る。メカニカルシール配置は、通常、例えばバネ等のプレテンション装置を有するため、メカニカルシールにおける突然の部品の緩みが生じることがあり、突然の部品の緩みは、プレテンション装置において生じる張力解放によって悪化することがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、メカニカルシール配置において、簡単で安価な構造を維持しつつ、突発的な部品の緩みの発生を防止することができるメカニカルシール配置を提供することにある。
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を有するメカニカルシール配置を提供することによって達成されるであろう。好ましくは、従属請求項は、本発明の更なる実施形態を示す。
【0005】
従って、請求項1の特徴を有する本発明に係るメカニカルシール配置は、これまで知られていた解決策と比較して、メカニカルシール配置の部品の組立及び分解が、著しく簡略化され、より安全な方法で行われ得るという利点を有する。特に、建設現場での取り扱いをより容易にすることができる。その際、重くて別個の組立補助具を追加する必要はない。また、必要であれば、あまり熟練していない組立技術者が、例えば緊急時にメカニカルシール配置の組立と分解を行うことも可能である。更に、本発明は、摺動リングを交換する際に、二次シールが損傷する危険性を防止する。本発明によれば、これは、メカニカルシール配置に、そのシール面間にシールギャップを画定する回転摺動リングと静止摺動リングとを有するメカニカルシールを設けることによって達成されるであろう。更に、静止摺動リングを静止部品に保持するための摺動リングキャリアが設けられる。摺動リングキャリアと回転摺動リングとの間の静止摺動リングの背面側には、軸方向に移動可能なスラストリングが配置される。更に、スラストリングとシールリングキャリアとの間に配置される、例えば複数のバネのようなプレテンション装置が設けられる。プレテンション装置は、メカニカルシール配置の軸方向に静止摺動リングをプレテンションする。更に、静止摺動リングを回転不能且つ軸方向に移動可能に保持するための回転防止装置が設けられる。回転防止装置は、摺動リングキャリア及びスラストリング間で力を伝達するための第1伝達装置と、スラストリング及び静止摺動リング間で力を伝達するための第2伝達装置とを含む。第1伝達装置には、スラストリングが軸方向に係合解除しないように固定するための係止要素が配置される。これにより、スラストリングとプレテンション装置を取り外すことなく、2つの摺動リングを分解することができる。
【0006】
好ましくは、第1伝達装置は、ピン、特に円筒ピンである。最も好ましくは、円周に沿って複数のピンが設けられ、これが第1伝達装置を形成することである。
【0007】
好ましくは、回転防止装置の係止要素は、係止ワッシャーである。最も好ましくは、係止ワッシャーは、ピンの溝内に配置される。
【0008】
更に好ましくは、第2伝達装置は、ピン、特に円筒ピンである。最も好ましくは、第2伝達装置は、複数のピンを含む。
【0009】
第1伝達装置及び/又は第2伝達装置としてピンを使用することで、軸方向への組立・分解が容易になり、またピンと部品との接続作業も圧入等で容易に行うことができる。
【0010】
最も好ましくは、摺動リングキャリアは、ベース領域と、静止摺動リングの外側に半径方向に延びる第1軸方向延在領域とを含む。このようにして、摺動リングキャリアは、静止摺動リングに重なり、依然として静止摺動リングの軸方向の取り外し及び取り付けを可能にする。
【0011】
最も好ましくは、摺動リングキャリアは、略C字形の断面を有するように形成され、ベース領域及び第1軸方向延在領域に加えて、第2軸方向延在領域を有する。2つの軸方向延在領域は、ベース領域によって互いに接続され、それらの間に静止摺動リングを収容する。
【0012】
最も好ましくは、静止摺動リングは、第1伝達装置のための第1凹部を有する。第1凹部は、好ましくは、ブラインドホールである。
【0013】
更に好ましくは、スラストリングは、第1伝達装置が通る第2凹部を有する。好ましくは、第2凹部は、シリンダボアである。
【0014】
最も好ましくは、静止摺動リングの背面側に面するスラストリング側で、スラストリングに第1二次シール及び第2二次シールが配置される。これにより、2つの二次シールを取り外すことなく、静止摺動リングを軸方向に取り外すことができる。別の利点は、2つの二次シールを難なく交換することができ、その後、2つの二次シールに損傷を与える危険性なしに静止摺動リングを組み立てることができる点である。
【0015】
更に好ましくは、回転摺動リングは、回転部品、例えばシャフトに固定することができるスリーブに接続される。これにより、メカニカルシール配置全体をアセンブリとして提供することができ、従って、アセンブリとして完全に組立・分解を行うことができる。組み立てた状態では、メカニカルシール配置の残りの部品、特に摺動リングキャリア及びスラストリング、並びにプレテンション装置を取り外すことなく、摺動リングと二次シールを個別に交換することができる。
【0016】
以下では、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい例示的な実施形態によるメカニカルシール配置の概略的な部分斜視断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のメカニカルシール配置の第1断面平面における概略的な部分断面図である。
【
図3】
図3は、
図1のメカニカルシール配置の第2断面平面における概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1~
図3を参照しながら、本発明の好ましい例示的な実施形態に係るメカニカルシール配置1を詳細に説明する。
【0019】
メカニカルシール配置1は、シャフト14及びハウジング19上で、製品領域15を大気領域16からシールする。
【0020】
図1~
図3から分かるように、メカニカルシール配置1は、回転摺動リング3及び静止摺動リング4を有するメカニカルシール2を含む。回転摺動リング3の摺動面30と静止摺動リング4の摺動面40との間には、シールギャップ5が画定される。回転摺動リング3は、スリーブ9に取り付けられる。
【0021】
メカニカルシール配置1は、断面が略C形の摺動リングキャリア6を更に含む。摺動リングキャリア6は、ハウジング19に取り付けられる。この点で、摺動リングキャリア6は、半径方向に延びるベース領域60と、軸方向に延びる第1外側延在領域61と、軸方向に延びる第2内側延在領域62とを含む。外側及び内側延在領域61,62は、互いに平行であり、軸方向において等しい長さを有する。静止摺動リング4は、
図1~
図3から分かるように、2つの延在領域61,62の間に部分的に収容される。2つの延在領域61,62は、ベース領域60に対して90°の角度で延びる。
【0022】
図から更に分かるように、メカニカルシール配置1は、軸方向に移動可能なスラストリング7を含む。スラストリング7は、摺動リングキャリア6と静止摺動リング4との間の静止摺動リング4の背面側43に配置される。それにより、スラストリング7は、摺動リングキャリア6の2つの延在領域61,62の間に配置される。
【0023】
更に、スラストリング7と摺動リングキャリア6との間に配置され、静止摺動リング4を軸方向X-Xにプレテンションするように構成されたプレテンション装置8が設けられる。プレテンション装置8は、円周に沿って配置された複数の別個のバネ要素、例えばシリンダバネを含む。
【0024】
更に、メカニカルシール配置1は、スラストリング7と静止摺動リング4とを回転可能且つ軸方向に移動可能な状態に保持するための回転防止装置10を含む。回転防止装置10は、摺動リングキャリア6とスラストリング7との間で力を伝達するための第1伝達装置11と、スラストリング7と静止摺動リング4との間で力を伝達するための第2伝達装置12とを含む。本例示的な実施形態では、第1伝達装置11及び第2伝達装置12は、それぞれ複数の円筒ピンによって形成される。
【0025】
図2は、回転防止装置10と第1伝達装置11の断面図である。ここでは、第1伝達装置11の円筒ピンが示されており、第1圧入接続部51によって摺動リングキャリア6のベース領域60に固定される。円筒ピンは、スラストリング7を通って貫通開口70へ案内され、静止摺動リング4の背面側43の第1凹部41に突出する。更に、円筒ピン上には、係止ワッシャーの形態の係止要素13が配置される。
図2から更に分かるように、スラストリング7には第2凹部71も形成されており、貫通開口70は第2凹部71に開口する。
【0026】
第2伝達装置12は、
図3において詳細に見ることができる。第2伝達装置12はまた、第2圧入接続部52によってスラストリング7に固定される複数の円筒ピンを含む。ここで、静止摺動リング4の背面側43には、第2伝達装置12の円筒ピンをクリアランス44で受け入れるための第3凹部42が設けられる。
【0027】
特に
図1及び
図2から分かるように、第1伝達装置11は、係止要素13によって、摺動リングを分解する際に、プレテンション装置8のバネ力によってスラストリング7が軸方向(
図2において右方向)に完全に排出されないことを保証する。
【0028】
スラストリング7は、第2凹部71の底部71aが係止要素13に当たるまで、軸方向X-Xに最大長Lだけずらすことができる。
【0029】
このようにして、分解が
図2において右側から行われるメカニカルシール配置1の分解中に、スラストリング7及び静止摺動リング4が組立技術者の方へ外側に飛び出すことを防止する係合解除防止装置が実現され得る。従って、スラストリング7に加えて静止摺動リング4の完全な軸方向の係合解除を、分解中に回避することができる。
【0030】
更に、
図1~
図3から分かるように、スラストリング7の径方向内周には第1二次シール17が配置され、径方向外周には第2二次シール18が配置される。また、二次シール17,18は、静止摺動リング4の背面側43に露出して置かれる。組み立てた状態では、2つの二次シール17,18は、静止摺動リング4の背面側43と第1及び第2延在領域61,62とに対してシールする。
【0031】
また、係合解除防止装置10は、2つの二次シール17,18が摺動リングキャリア6から押し出されることを防止する。これはまた、メカニカルシール配置を修正する際に、2つの二次シール17,18を容易に分解し、更に重要なことに、再組み立てを適切に行うことを可能にする。二次シール17,18の交換後、これらは係合解除防止装置によって所定の位置で支えられ、静止摺動リング4を挿入することによって、スラストリング7と共に
図2に示す開始位置、即ち
図2において左側に戻される。これにより、スラストリング7の係合解除位置から軸方向の作動位置までの組立経路(長さL)が非常に短いだけなので、静止摺動リング4の組立中に二次シール17,18の望ましくない詰まりや潰れが発生しない。
【0032】
このように、メカニカルシール配置1の係合解除防止装置10は、設計が容易で、低コストで製造できるメカニカルシール配置の係合解除装置を提供できる。特に、例えば沖合や暑い地域・寒い地域等の厳しい条件下で組立や分解を行う場合、プレテンション装置8の作用によりメカニカルシール配置1の部品が組立技術者に向けて射出されることなく、安全で危険性のない分解や組立を行うことができる。更に、回転防止装置10は、二次シール17、18の点検及び交換の際に、これらが組立中に直ちに損傷しないようにすることができる。メカニカルシール配置の組立及び分解のために、追加の組立補助具は必要ない。メカニカルシール配置1は、アセンブリとして、従って完全に交換可能なインサートとして提供することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 メカニカルシール配置
2 メカニカルシール
3 回転摺動リング
4 静止摺動リング
5 シールギャップ
6 摺動リングキャリア
7 スラストリング
8 プレテンション装置
9 スリーブ
10 回転防止装置
11 第1伝達装置
12 第2伝達装置
13 係止要素
14 シャフト
15 製品領域
16 大気領域
17 第1二次シール
18 第2二次シール
19 ハウジング
30 摺動面
40 摺動面
41 第1凹部
42 第3凹部
43 背面
44 クリアランス
51 第1圧入接続部
52 第2圧入接続部
60 ベース領域
61 第1軸方向外側延在領域
62 第2軸方向内側延在領域
70 貫通開口
71 第2凹部
71a 底部
L スラストリングの変異長さ
X-X 軸方向
【手続補正書】
【提出日】2023-06-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転摺動リング(3)と静止摺動リング(4)とが、それらのシール面(30,40)間にシールギャップ(5)を画定するメカニカルシール(2)と、
前記静止摺動リング(4)を支えるための摺動リングキャリア(6)と、
前記摺動リングキャリア(6)と前記静止摺動リングとの間の前記静止摺動リング(4)の背面側(43)に配置される軸方向に移動可能なスラストリング(7)と、
前記スラストリング(7)と前記摺動リングキャリア(6)との間に配置され、メカニカルシール配置の軸方向(X-X)に前記静止摺動リング(4)をプレテンションするためのプレテンション装置(8)と、
前記静止摺動リング(4)を回転可能且つ軸方向に移動可能な状態に保持するための回転防止装置(10)であって、前記摺動リングキャリア(6)及び前記スラストリング(7)間で力を伝達するための第1伝達装置(11)と、前記スラストリング(7)及び前記静止摺動リング(4)間で力を伝達するための第2伝達装置(12)とを有する回転防止装置(10)と、
を含み、
前記第1伝達装置(11)には、前記スラストリング(7)が軸方向に係合解除しないように固定するための係止要素(13)が配置される、
メカニカルシール配置。
【請求項2】
前記第1伝達装置(11)が、少なくとも1つのピン、特に円筒ピンを含む、請求項1に記載のメカニカルシール配置。
【請求項3】
前記係止要素(13)が、係止ワッシャーである、請求項2に記載のメカニカルシール配置。
【請求項4】
前記第2伝達装置(12)が、少なくとも1つのピン、特に円筒ピンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項5】
前記摺動リングキャリア(6)が、ベース領域(60)と
第1軸方向外側延在領域(61)とを含み、前記
第1軸方向外側延在領域(61)が、前記静止摺動リング(4)の外側に半径方向に延びる、請求項1~4のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項6】
前記摺動リングキャリア(6)が、前記ベース領域(60)、前記
第1軸方向外側延在領域(61)及び
第2軸方向内側延在領域(62)を備えた略C字形の断面を有する、請求項5に記載のメカニカルシール配置。
【請求項7】
前記静止摺動リング(4)が、前記第1伝達装置(11)を受容するための第1凹部(41)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項8】
前記スラストリング(7)が、貫通孔(70)を含み、前記第1伝達装置(11)が、前記貫通孔(70)を通る、請求項1~7のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項9】
前記静止摺動リング(4)の背面側に面する側で、前記スラストリング(7)に第1二次シール(17)及び第2二次シール(18)が配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【請求項10】
前記回転摺動リング(3)が、回転可能な部品に固定できるように構成されたスリーブ(9)に接続される、請求項1~9のいずれか一項に記載のメカニカルシール配置。
【国際調査報告】