IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イン, スク シンの特許一覧

<>
  • 特表-穿孔機用ビット 図1
  • 特表-穿孔機用ビット 図2
  • 特表-穿孔機用ビット 図3
  • 特表-穿孔機用ビット 図4
  • 特表-穿孔機用ビット 図5
  • 特表-穿孔機用ビット 図6
  • 特表-穿孔機用ビット 図7
  • 特表-穿孔機用ビット 図8
  • 特表-穿孔機用ビット 図9
  • 特表-穿孔機用ビット 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-13
(54)【発明の名称】穿孔機用ビット
(51)【国際特許分類】
   C21B 7/12 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
C21B7/12 302
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527066
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 KR2021016076
(87)【国際公開番号】W WO2022098175
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0148107
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0148112
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0141859
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517363182
【氏名又は名称】イン, スク シン
【氏名又は名称原語表記】IN, Suk Shin
【住所又は居所原語表記】101-903, 10, Seoha-ro 94beon-gil, Buk-gu, Gwangju 61064, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イン, スク シン
【テーマコード(参考)】
4K015
【Fターム(参考)】
4K015DA09
(57)【要約】
【課題】残銑に穿孔ホールを形成するための穿孔機用ビットを提供すること。
【解決手段】中空部を有する第1ビット本体と、第1ビット本体の端部に円周方向に設けられる切削チップと、コア差込み穴を有する切削チップ装着部と、第1ビット本体の外周面には回転による前記第1ビット本体の外周面に形成されて回転による穿孔作業時の第1ビット本体の動きを防止しつつ、第1ビット本体を冷却するための第1移動防止部と、第1ビット本体と同軸上に螺合する第2ビット本体と、第1ビット本体の中空部に設けられてビットによって穿孔形成されるコアを引き出すためのコア引き出し部材とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空部を有する第1ビット本体と、
該第1ビット本体の端部に設けられる切削チップと、
前記第1ビット本体の外周面に形成されて回転による穿孔作業時の前記第1ビット本体の移動を防止し、前記第1ビット本体を冷却するための第1移動防止部とを含むことを特徴とする穿孔機用ビット。
【請求項2】
前記第1ビット本体と同軸上に螺合し、外周面に穿孔中心軸に対する揺れを防止するための第2移動防止部が形成された第2ビット本体をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機用ビット。
【請求項3】
前記第1及び第2移動防止部は、前記第1ビット本体の外周面と第2ビット本体の外周面に各々回転方向に沿って傾斜して形成される第1及び第2移動防止凸条が形成されることを特徴とする請求項2に記載の穿孔機用ビット。
【請求項4】
前記第1及び第2移動防止凸条の外面には円周方向に所定の間隔に離隔する第1及び第2冷却水流動溝が各々形成されることを特徴とする請求項3に記載の穿孔機用ビット。
【請求項5】
各切削チップの切削刃には、各々隣接する切削チップの切削刃に形成されたグルーブの形成位置と重複しないようにグルーブが形成されることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機用ビット。
【請求項6】
前記第1ビット本体に設けられて穿孔時に形成されるコアを引き出すコア引き出し部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機用ビット。
【請求項7】
前記コア引き出し部材は、第1コア本体の中空部に設けられるもので、円筒形の支持部と該支持部から前記切削チップ側に延びる複数個のコア引き出し爪を備えることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機用ビット。
【請求項8】
前記第1ビット本体の中空部に設けられ、前記コア差込み穴を介して入り込まれるコアチップを切断するコアチップ切断部を備えることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機用ビット。
【請求項9】
前記コアチップ切断部はコア差込み穴と連通し、傾斜したコアチップ切断孔が形成されたチップ切断ダイを備えることを特徴とする請求項1に記載の穿孔機用ビット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビット(bit)に係り、さらに詳しくは高強度金属、特殊鋼、高炉の解体作業時に高炉の炉底部に残存する鉄鉱石、コークス、鉱物などが混在した固形物である残銑に穿孔ホールを形成するための穿孔機用ビットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高炉の操業を長期間行うことにより固化したスラグ、カーボン、コークス、メチルなどが混在する残銑の解体作業時、人力によるゼットランス(ZET LANCE:酸素切断ランス)で穿孔してから発破したり小割りして高炉の外部に搬出するようになるが、穿孔時発破孔が広くその深さが浅くて発破の効果があまり大きくないという短所がある。
【0003】
また、ゼットランスで穿孔作業を行う際、多量の有毒ガスと煤煙によって深刻な環境公害及び隣接作業に干渉が発生する問題点があり、多くの人員を解体に投入しなければならず、解体に長時間かかり、大規模の高炉の残銑の場合はゼットランスで切断作業を行い難い問題点がある。
【0004】
韓国特許登録第10-10044451号には大型高炉の改修工事中高炉内残銑発破解体方法が開示されている。この特許文献に開示されている残銑発破解体方法は、残銑に多数の発破孔を垂直に穿孔し、前記穴開けられた発破孔の内部に火薬を装填し、起爆させうる導爆線と雷管とを連結して発破する構成を有する。
【0005】
前述したように残銑を発破する方法は、垂直方向に発破孔、すなわち穿孔ホールを形成するようになるが、かかる残銑は鉄鉱石とコークスなどのような鉱物質及びスラグが混在していることから、穿孔機による穿孔ホールの穿孔作業を円滑に行えない問題点がある。
【0006】
特に、穿孔機にビットを装着して穿孔する場合、穿孔ホールの穿孔作業を行うビットの移送速度が不均一であり、切削荷重が片方向に働いて振動が激しく発生する短所がある。これは、穿孔のためのビットの屈進速度が遅くなり、チップが壊れしやすくなる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許登録第10-10044451号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ビットの屈進速度の変化によってチップが損傷することを防止することができ、切削面積を最小化して穿孔ホールの形成のための屈進速度をアップできる穿孔機用ビットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ビットにより穿孔されたコアをビットを用いて切断及び取り除ける穿孔機用ビットを提供することにある。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、ビットの隣接する切削チップによって切断される切断領域が相互重ならないようにすることから穿孔が行われるビットの振動を防止できる穿孔機用ビットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明に係る穿孔機用ビットは、中空部を有する第1ビット本体と、該第1ビット本体の端部に設けられる切削チップと、前記第1ビット本体の外周面に形成されて回転による穿孔作業時の前記第1ビット本体の移動を防止し、第1ビット本体の冷却のための第1移動防止部とを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明において、前記第1ビット本体と同軸上に螺合し、外周面に穿孔中心軸に対する揺れを防止するための第2移動防止部が形成された第2ビット本体をさらに備える。
【0013】
そして、第1及び第2移動防止部は、前記第1ビット本体の外周面と第2ビット本体の外周面とに各々回転方向に沿って傾斜して形成される第1及び第2移動防止凸条が形成される。前記第1及び第2移動防止凸条の外面には円周方向に所定の間隔に離隔する第1及び第2冷却水流動溝が各々形成される。
【0014】
前記各切削チップの切削刃には各々隣接する切削チップの切削刃に形成されたグルーブの形成位置と重複しないようにグルーブが形成される。
【0015】
前記第1ビット本体に設けられて穿孔時に形成されるコアチップを引き出すコア引き出し部材をさらに備え、前記第1ビット本体の中空部に設けられて前記コア差込穴を介して入り込まれるコアチップを切断するコアチップ切断部がさらに備えられる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、特殊鋼または高強度の金属または高炉の残銑に破砕ホール、すなわち穿孔ホールを形成する際最小の切削面積を用いて穿孔できるので屈進速度を向上することができ、穿孔ホールの形成のための垂直中心軸に対してビットの揺れを防止して屈進速度を向上することができる。また、ビットの切削チップに作用する部分的な切削負荷の急激な変化による切削チップの損傷を防止することができる。そして、ビットにより穿孔ホールの作業が行われてからビットの引き出し時にビットと共にコアを引き出すことができるので、残存するコアにより後続作業の妨害を防止することができる。
【0017】
また、前記切削チップによって切断される切断領域が切断の行われる間お互い重ならないようにすることから、穿孔が行われるビットの振動を防止することができる。
【0018】
そして、第1ビット本体の内部にはコアチップを切断するコアチップ切断部が形成されていることから、穿孔時に発生するコアチップを切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る穿孔機用ビットの分離斜視図である。
図2図2は、図1に示された穿孔機用ビットの断面図である。
図3図3は、穿孔機用ビットの切削チップ装着部を示した正面図である。
図4図4は、本発明の第2の実施形態に係る穿孔機用ビットの分離斜視図である。
図5図5は、図4に示された本発明に係る穿孔機用ビットの切削チップ装着部を示した正面図である。
図6図6は、図4に示された穿孔機用ビットの断面図である。
図7図7は、本発明の第3の実施形態に係る穿孔機用ビットを示した断面図である。
図8図8は、本発明に係る穿孔機用ビットの使用状態を示す断面図である。
図9図9は、本発明に係る穿孔機用ビットの使用状態を示す断面図である。
図10図10は、本発明に係る穿孔機用ビットの使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
<第1の実施形態及び第2の実施形態>
本発明は穿孔機用ビットに関するもので、その実施の形態を図1ないし図6に示した。
【0022】
図面を参照すれば、本発明に係る穿孔機用ビット10は、中空部21を有する第1ビット本体20と、前記第1ビット本体20の端部に円周方向に設けられる切削チップ30が設けられ、コア差込み穴22を有する切削チップ装着部23を備える。前記第1ビット本体20の外周面には回転による穿孔作業時に第1ビット本体20が穿孔されるホールの中心軸に対して移動することを防止しつつ第1ビット本体20を冷却するための第1移動防止部25を含む。
【0023】
そして、前記第1ビット本体20と同軸上に螺合する第2ビット本体50と、前記第1ビット本体20の中空部21に設けられてビットによって穿孔形成されるコアを引き出すためのコア引き出し部材60を備える。
【0024】
前述したように構成された本発明に係る穿孔機用ビットを構成要素別にさらに詳述すれば次の通りである。
【0025】
本発明に係る穿孔機用ビット10の第1ビット本体20は長手方向に中空部21が形成され、端部には切削チップ装着部23が形成される。
【0026】
前記切削チップ装着部23は、図4に示したようにコア差込み穴22が形成され、相対的に小直径の第1装着部23aと、該第1装着部23aと段差あるように形成される第2装着部23bとを備えられる。
【0027】
図1及び図4に示したように、切削チップ装着部23と、第1及び第2装着部23a、23bには各々の切削チップ30が設けられる。そして、第1ビット本体20の外周面には円周方向に所定深さの引込み溝が形成されうる。前記第1ビット本体20の切削チップ装着部23と対応する側の中空部21の内周面には螺合部24が形成される。
【0028】
前記切削チップ装着部23に結合される切削チップ30は中空部の中心軸に対して半径方向に設けられるが、半径方向の軸に対して所定の角度に傾斜した構造を有しうる。切削チップ装着部23に切削チップ30の結合は第1ビット本体20の長手方向に前記切削チップ装着部23の端部から引込み溝が加工され、該引込み溝に切削チップ30を挿入した後溶接される。
【0029】
前述したように結合された切削チップ30の上面には、図3及び図5に示したように、所定角度の傾斜面31が形成され、該傾斜面31には切削方向と平行な方向にお互い所定の間隔ほど離隔するグルーブ32が形成される。該グルーブ32は隣接する切削チップの傾斜面に形成されたグルーブと重畳しないように形成される。これは切削チップ30の傾斜面に形成されたグルーブにより分割された切削刃が隣接する切削刃と重畳しないようにするためのものである。
【0030】
そして、前記第1ビット本体20の外周面にはビットの回転方向に傾斜した第1移動防止部25が形成される。該第1移動防止部25は第1ビット本体20の外周面から所定の高さに突出した第1移動防止凸条25aが形成されてなされるが、第1移動防止凸条25aは第1ビット本体20の外周面に螺旋方向に形成される。前記第1移動防止部25の表面には円周方向に複数個の第1冷却水流動溝26が形成される。
【0031】
また、前記コア引き出し部材60は、図1図2及び図4図6に示したように第1ビット本体20の中空部21に設けられるものであって、中空部21にはテーパ部21aが設けられ、該テーパ部21aに設けられるものであって、前記テーパ部21aと対応するテーパを有する支持部61と該支持部61から前記切削チップ側に延びる複数個のコア引き出し爪62を備える。
【0032】
一方、前記第1ビット本体20と螺合し、第2中空部51を有する第2ビット本体50の外周面にはビットの回転方向に傾斜した第2移動防止部55が形成されるが、第2移動防止部55は第2ビット本体50の外周面から所定の高さに突出した第2移動防止凸条55aが形成されてなされる。第2移動防止凸条55aは第2ビット本体50の外周面に螺旋方向に形成される。前記第2移動防止部55の表面には円周方向に複数個の第1冷却水流動溝56が形成される。
【0033】
そして、前記第2ビット本体50には、図4及び図6に示されたように、前記コア引出部材60の移動範囲を制限するためのものであって、第2コアチップ挿入孔66が形成されたストッパ部材65が設けられうる。
【0034】
一方、本発明にかかる穿孔機用ビットは、前記コア差込み穴22を介して入り込まれるコアチップ200を切断するためのコアチップ切断部70をさらに備える。前記コアチップ切断部70は前記ストッパ部材65の第2コアチップ差込み穴66が中空部21の中心軸について図4及び図6に示したように、所定の角度に傾斜して形成された構造を有する。
【0035】
<第3の実施形態>
一方、図7には本発明の第3の実施形態にかかる穿孔機用ビットが示されている。本発明に係る穿孔機用ビットにおいて、前述した形態実施と同じ図面符号は同じ構成要素を指す。
【0036】
同図を参照すれば、本発明にかかる穿孔機用ビット10は、中空部21を有する第1ビット本体20と該第1ビット本体20の端部の円周方向に切削チップ30が設けられ、コア差込み穴22を有する切削チップ装着部23を備える。前記第1ビット本体20の外周面には回転による穿孔作業時に第1ビット本体20が穿孔されるホールの中心軸に対して動くことを防止し、第1ビット本体20を冷却するための第1移動防止部25を含む。そして、前記第1ビット本体20の中空部21に設けられ、前記コア差込み穴22を介して入り込まれるコアチップ200を切断するコアチップ切断部80を備える。
【0037】
前記コアチップ切断部80は、前記中空部21にテーパ部21aが形成され、該テーパ部21aに設けられてコア差込み穴22の中心軸と所定の角度に傾斜したコア切断孔81が形成されたコア切断ダイ82を備える。
【0038】
そして、前記第1ビット本体20と螺合する第2ビット本体50を備えるが、前記第2ビット本体50には第1ビット本体20の中空部と連通する第2中空部51が形成される。前記第2ビット本体50の外周面には、前述した実施の形態のように、ビットの回転方向に傾斜した第2移動防止部55が一定間隔で複数個形成される。
【0039】
前述したように構成された本発明に係る穿孔機用ビット10は、穿孔機の中空部を有するロッド90,すなわち、穿孔時に穿孔機のヘッド部と結合され中空部を介いて冷却のための水が供給されるロッド90の端部に結合されて使われる。
【0040】
穿孔機用ビット10が装着されたロッド90は所定の回転数で回転しつつ一定の速度で進む。前述したように穿孔機のロッド90に装着されて残銑100を穿孔するビット10は、図8ないし図10に示したように、切削チップ30により残銑にドーナッツ状の穿孔ホールを形成するようになる。すなわち、ビットが中空部を有しているので、穿孔が行われる間穿孔ホール110にはコア差込み穴22に入り込まれるコアチップ200が形成される。
【0041】
一方、ロッド90に装着されて残銑100に穿孔ホール110を形成する間前記中空部を介して引き続き冷却のための水が供給され、この水は切削チップ30を冷却させてから第1及び第2ビット本体20、50の外周面とロッド90の外周面と穿孔ホール100の内周面との間に排出される。
【0042】
かかる切削作業が行われる間、前記第1及び第2移動防止部25、55はビット10が穿孔ホールの中心軸に対して揺れないように穿孔ホール110の内周面と接触した状態を保つようになる。
【0043】
また、切削チップ装着部23に形成された切削チップ30は切削が行われる間隣接する切削チップ30によって切削部位が重ならなくなる。従って、全ての切削チップ30が残銑100の切削作業を行うようになるので、切削チップ30に働く負荷の変化によって切削チップに加わる振動及び衝撃を防げる。
【0044】
前記残銑100には鉄、鉱石、コークスなどのコアが存するようになるが、穿孔機のビット10によって切削が行われる過程においてビットに切削力の差による偏荷重が働くようになる。しかし、前記第1及び第2ビット本体20、30の外周面には第1及び第2移動防止部25、55が形成されているので、穿孔ホールの中心とビット10の中心とが食い違うようになることを防止でき、さらには切削チップ30が損傷することを防ぐことができる。
【0045】
前述したような作用により穿孔作業が行われた後ロッドのようにビットを引き出すようになると、前記コア引き出し部材60のコア引き出し爪61がコアチップ20を把持したまま排出される。
【0046】
一方、穿孔機用ビットには、図4及び図7に示したように、コアチップ切断部70,80が備えられているので、残銑に穿孔ホール100が形成される間、前記コアチップ200がコア差込み穴22に入り込まれ、該コア差込み穴22に入り込んだコアチップ200は切断される。
【0047】
図9に示したように、コアチップ切断部70がストッパ部材に第2コア差込み穴66が傾斜して設けられた場合、穿孔ホールの形成のための穿孔機のビット10が回転し続けられることから、第2コア差込み穴71に入り込まれたコアチップ200が引き続き屈伸して切断されるようになる。かかる切断作業は穿孔ホールが形成される間引き続き行われる。
【0048】
図10に示したように、前記第1ビット本体20の中空部21にコア切断ダイ82が設けられた場合、残銑100に穿孔ホール110を形成する過程において、発生するコアチップ200が前記コア切断ダイ82のコア切断孔81に流入される。前記コア切断孔81に入り込まれたコアチップ200は、ロッド90に設けられたビット10が回転し続けることによって折り曲げ部位が伸縮を繰り返しながら切断される。このように切断されたコアチップ200は、穿孔が行われた後ロッド90からビットを分離する過程で除去される。
【0049】
以上述べたように、本発明に係る穿孔機用ビットは、高炉の残銑を取り除くための穿孔ホールの形成時の穿孔効率を高めることができ、各切削チップに働く切削力の差、すなわち穿孔ホール110を形成する過程において鉄鉱石、鉱石、スラグ、コークスなどの切削時に発生する切削負荷の差によって切削チップの損傷を防止することができる。本発明に係る穿孔機用ビット10は残銑200を穿孔することを例として挙げて説明してきたが、これに限らず高強度の金属、特殊鋼などの穿孔にも適用可能である。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、これについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】