IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノボキュア ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2023-547679腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置
<>
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図1
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図2
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図3
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図4
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図5
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図6A
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図6B
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図7A
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図7B
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図7C
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図7D
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図8
  • 特表-腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-13
(54)【発明の名称】腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/32 20060101AFI20231106BHJP
【FI】
A61N1/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527090
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-06-30
(86)【国際出願番号】 IB2021060184
(87)【国際公開番号】W WO2022097045
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,674
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/517,407
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タル・マルチャーノ
(72)【発明者】
【氏名】オシュリット・ゼーヴィ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053LL07
(57)【要約】
被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、方法は、被験者の身体の画像上の複数の交差する線分ペアを選択するステップであって、線分ペアの各々が被験者の身体内の腫瘍に対応する画像の領域内で交差し、線分ペアの各々が被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置に対応する、ステップと、交差する線分ペアの各々に関するペア値を決定するステップであって、各ペア値が、対応する交差する線分ペアの各線分の長さに基づく、ステップと、ペア値に基づいて1つまたは複数の交差する線分ペアを選択して、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアを取得するステップと、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアに対応する被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置を出力するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、前記コンピュータが、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、前記メモリが、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記コンピュータに前記方法を実行させる命令を記憶し、前記方法が、
前記被験者の身体の画像上の複数の交差する線分ペアを選択するステップであって、前記線分ペアの各々が前記被験者の身体内の腫瘍に対応する前記画像の領域内で交差し、前記線分ペアの各々が前記被験者の身体上の前記トランスデューサを配置する位置に対応する、ステップと、
前記交差する線分ペアの各々に関するペア値を決定するステップであって、各ペア値が、対応する交差する線分ペアの各線分の長さに基づく、ステップと、
前記ペア値に基づいて1つまたは複数の交差する線分ペアを選択して、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアを取得するステップと、
前記1つまたは複数の選択された交差する線分ペアに対応する前記被験者の身体上の前記トランスデューサを配置する前記位置を出力するステップと
を含む、コンピュータが実行する方法。
【請求項2】
前記交差する線分ペアの各々に関する前記ペア値を決定するステップが、前記対応する交差する線分ペアの前記線分の長さ間の差の絶対値を計算するステップを含む、請求項1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項3】
前記交差する線分ペアの各々に関する前記ペア値を決定するステップが、前記対応する交差する線分ペアの前記線分の長さの総和を計算するステップを含む、請求項1に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項4】
前記被験者の身体の前記画像が、前記被験者の身体の複数の組織タイプを含み、
前記交差する線分ペアの各々に関する前記ペア値を決定するステップが、前記対応する交差する線分ペアの各線分が通過する前記組織タイプのうちの1つまたは複数にさらに基づく、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項5】
前記被験者の身体の組織タイプに基づいて、前記被験者の身体の前記画像のピクセルにピクセル組織重みを割り当てるステップをさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項6】
前記交差する線分ペアの各々に関する前記ペア値を決定するステップが、
前記交差する線分ペアの各々の各線分が交差する前記画像のピクセルを識別するステップと、
前記交差する線分ペアの各線分と交差する前記ピクセルに基づいて前記ペア値を決定するステップと
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項7】
ピクセル組織値が前記被験者の身体の組織タイプに基づいて前記画像のピクセルに割り当てられ、
前記交差する線分ペアの各々に関する前記ペア値を決定するステップが、
前記交差する線分ペアの各線分と交差する前記ピクセルの前記ピクセル組織値に基づいて前記ペア値を決定するステップをさらに含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項8】
前記交差する線分ペアの前記線分が、前記画像内の前記腫瘍内の点、前記画像内の前記腫瘍の重心、または前記画像内の前記腫瘍に隣接する点において交差する、請求項1から7のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項9】
第1の交差する線分ペアの第1の線分が、第2の交差する線分ペアの第1の線分から所定の角度だけ離間され、
前記第2の交差する線分ペアの第1の線分が、第3の交差する線分ペアの第1の線分から前記所定の角度だけ離間される、
請求項1から8のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の選択された交差する線分ペアのうちの少なくとも1つが、選択されていない交差する線分ペアの前記線分の交点における局所最小電力密度(LMiPD)よりも高い、前記線分の交点におけるLMiPDを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の選択された交差する線分ペアが、前記被験者の身体上のトランスデューサ位置についてTTFieldをシミュレートすることなく選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンピュータが実行する方法。
【請求項12】
被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置を特定する命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、コンピュータによって実行されると、
前記被験者の身体の画像上の複数の交差する線分ペアを選択するステップであって、前記線分ペアの各々が前記被験者の身体内の腫瘍に対応する前記画像の領域内で交差し、前記線分ペアの各々が前記被験者の身体上の前記トランスデューサを配置する位置に対応する、ステップと、
前記交差する線分ペアの各々に関するペア値を決定するステップであって、各ペア値が、前記線分ペアが通過する前記被験者の身体の前記画像内のピクセル数に基づく、ステップと、
前記ペア値に基づいて1つまたは複数の交差する線分ペアを選択して、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアを取得するステップと、
前記1つまたは複数の選択された交差する線分ペアに対応する前記被験者の身体上の前記トランスデューサを配置する前記位置を出力するステップと
を含む方法を前記コンピュータに実行させる、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
ピクセル組織値が前記被験者の身体の組織タイプに基づいて前記画像のピクセルに割り当てられ、
前記交差する線分ペアの各々に関する前記ペア値を決定するステップが、前記線分ペアが通過する前記被験者の身体の前記画像内のピクセルの前記ピクセル組織値にさらに基づく、
請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置を特定するシステムであって、前記システムが、1つまたは複数のプロセッサと、前記1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを備え、前記メモリが、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、
前記被験者の身体のスライスの画像にアクセスするステップであって、前記画像が、前記被験者の身体の腫瘍に関連する領域を含み、前記被験者の身体の組織タイプが、前記画像内で識別される、ステップと、
前記被験者の身体の前記スライスの前記画像上で複数の交差する線分ペアを選択するステップであって、前記線分ペアの各々が、前記被験者の身体の前記腫瘍に対応する前記画像の位置において交差し、前記複数の線分ペアの各線分が、前記被験者の身体の表面上に第1の端点と第2の端点とを有する、ステップと、
前記交差する線分ペアの各々に関するペア値を決定するステップであって、各ペア値が、対応する交差する線分ペアの各線分の前記第1の端点と前記第2の端点との間の重み付けされた距離に基づく、ステップと、
前記ペア値に基づいて1つまたは複数の交差する線分ペアを選択して、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアを取得するステップと、
前記1つまたは複数の選択された交差する線分ペアに関する前記ペア値を出力するステップであって、前記1つまたは複数の選択された交差する線分ペアが、前記被験者の身体上の前記トランスデューサを配置する位置に対応する、ステップと
を含む方法を前記システムに実行させる命令を記憶する、
システム。
【請求項15】
各線分の前記第1の端点と前記第2の端点との間の前記重み付けされた距離が、前記対応する線分が通過する前記被験者の身体の部分内の1つまたは複数の組織タイプに基づく、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願が、2021年11月2日に出願した米国特許出願第17/517,407号および2020年11月6日に出願した米国特許出願第63/110,674号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、腫瘍治療場を生成するためにトランスデューサ位置を決定するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
腫瘍治療場(TTField)は、米国特許第7,565,205号に記載されているように、腫瘍を治療するために使用され得る、中間周波数範囲内の低強度の交番電場である。TTFieldは、患者の身体上にトランスデューサを配置し、トランスデューサ間にAC電圧を印加することによって、関心領域に非侵襲的に誘導される。従来は、トランスデューサの第1のペアおよびトランスデューサの第2のペアが被験者の身体上に配置される。一般に前後方向に走る力線を有する電場を生成するために、第1の時間間隔の間、トランスデューサの第1のペア間にAC電圧が印加される。次いで、一般に左右方向に走る力線を有する電場を生成するために、第2の時間間隔の間、トランスデューサの第2のペア間に同じ周波数においてAC電圧が印加される。次いで、システムは、治療全体を通してこの2ステップシーケンスを繰り返す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,565,205号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法に向けられる。コンピュータは、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを含み、メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、コンピュータに方法を実行させる命令を記憶する。方法は、被験者の身体の画像上の複数の交差する線分ペアを選択するステップであって、線分ペアの各々が被験者の身体内の腫瘍に対応する画像の領域内で交差し、線分ペアの各々が被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置に対応する、ステップと、交差する線分ペアの各々に関するペア値を決定するステップであって、各ペア値が、対応する交差する線分ペアの各線分の長さに基づく、ステップと、ペア値に基づいて1つまたは複数の交差する線分ペアを選択して、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアを取得するステップと、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアに対応する被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置を出力するステップとを含む。
【0006】
本発明の上記の態様は、例示的なものであり、本発明の他の態様および変形例は、以下の実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定することの一例を示すフローチャートである。
図2】交差する線分ペアが腫瘍を通過する被験者の身体の一例を示す図である。
図3】交差する線分ペアが腫瘍を通過する被験者の身体の一例を示す図である。
図4】交差する線分ペアが異なる組織タイプおよび腫瘍を通過する被験者の頭部の例示的な磁気共鳴画像法(MRI)画像を示す図である。
図5】交差する線分ペアが異なる組織タイプおよび腫瘍を通過する被験者の胴体の例示的なMRI画像を示す図である。
図6A】LMiPDの計算を本発明の例示的な実施形態と比較する例示的なグラフである。
図6B】LMiPDの計算を本発明の例示的な実施形態と比較する例示的なグラフである。
図7A】トランスデューサの構造の一例を示す図である。
図7B】トランスデューサの構造の一例を示す図である。
図7C】トランスデューサの構造の一例を示す図である。
図7D】トランスデューサの構造の一例を示す図である。
図8】一対のトランスデューサの構成の一例を示す図である。
図9】被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定する装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
効果的なTTField治療を被験者に提供するために、被験者の身体上のトランスデューサを配置する正確な位置が生成されなければならず、これらの正確な位置は、被験者の身体内の癌のタイプと癌の位置とに基づく。しかしながら、これらの正確な位置を決定することは、非常に困難であり、トランスデューサを配置する多数の可能な位置の長くて資源集約的なコンピュータシミュレーションを必要とする。
【0009】
これらのコンピュータシミュレーションにおける1つの困難は、コンピュータシミュレーションにおける異なるタイプの組織(例えば、骨、臓器、流体、皮膚、および腫瘍)の導電率を考慮することである。さらなる困難は、コンピュータシミュレーションのためのより高解像度の画像をモデル化することにあり、結果として被験者の身体のより複雑なコンピュータモデルを生じることである。結果として、トランスデューサの多数の可能な位置に対する被験者の身体の詳細なコンピュータシミュレーションは、計算リソースおよび時間の点で非常にコストがかかる。
【0010】
本発明者らは、これらの問題を認識し、コストのかかるシミュレーションなしに、被験者の身体上のトランスデューサを配置する正確な位置を決定する手法を発見した。特に、被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置は、TTFieldを誘導するために使用されるトランスデューサ間の関係に基づいて決定され得る。トランスデューサ間の関係は、例えば、トランスデューサ間の距離、被験者の身体の画像内のトランスデューサ間のピクセル、および/または被験者の身体の画像内のトランスデューサ間の組織に基づき得る。
【0011】
図1は、被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定することの一例を示すフローチャートである。一実施形態において、各トランスデューサは、電極要素のアレイであり得、したがって、各線分は、トランスデューサアレイのペアの中心点間の距離を表し得る。
【0012】
ステップ110において、方法100は、被験者の身体の画像上の複数の交差する線分ペアを選択し得る。一実施形態において、各交差する線分ペアは、第1の線分と第2の線分とを有し得る。被験者の身体の画像は、被験者の身体内の腫瘍に関連する領域を含み得る。被験者の身体の画像は、例えば、被験者の身体のX線画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、磁気共鳴画像法(MRI)画像、もしくは超音波画像、または被験者の身体の内部ビューを提供する被験者の身体の任意の画像であり得る。画像は、スキャン機器によって取得された、被験者の身体を通るいわゆるスライスであり得る。
【0013】
各交差する線分ペアの各線分は、被験者の身体上の一対のトランスデューサを配置する位置を特定し得る。トランスデューサの各対は、被験者の身体内にTTFieldを生成するためのチャネルに対応し得る。特定の線分は、1つだけまたは2つ以上の交差する線分ペアにおいて使用され得る。各交差する線分ペアは、被験者の身体内の腫瘍に対応する領域において交差する。
【0014】
各線分は、2つのトランスデューサ間の距離を表し得、例えば、第1のトランスデューサ上の点および第2のトランスデューサ上の点、第1のトランスデューサとの交点および第2のトランスデューサとの交点、画像のピクセル、ならびに/または画像のボクセルによって定義され得る。
【0015】
交差する線分のペアの各線分は、被験者の身体内の腫瘍に対応する画像の領域内で、交差角度において交差し得る。例えば、線分ペアは、画像内の腫瘍内、画像内の腫瘍の重心、または画像内の腫瘍に隣接する点において交差し得る。各交差する線分ペアの線分は、実質的に垂直であり得、被験者の身体の物理的ジオメトリに基づく角度において交差し得、または被験者の身体上で使用されるべきトランスデューサのタイプに基づく角度において交差し得る。場合によっては、90°±15°以内の交差角度が必要とされ得る。
【0016】
ステップ120において、方法100は、交差する典型的な線分ペアの各々についてペア値を決定し得る。一実施形態において、ペア値は、対応する交差する線分ペアの各線分の長さに基づき得る。一例において、交差する典型的な線分ペアのペア値は、例えば、交差する線分ペアにおける線分の長さ間の差の絶対値として計算され得る。別の例において、交差する典型的な線分ペアのペア値は、交差する線分ペアにおける線分の長さの総和として計算され得る。
【0017】
一実施形態において、各典型的な線分の長さは、画像内の典型的な線分の端点間の距離(例えば、mm)、各典型的な線分間の幾何学的距離(例えば、mm)、または画像の相対単位に基づいて計算され得る。一例において、交差する典型的な線分ペアのペア値Tは、以下の式、
T=|d1-d2| 式1
によって計算され得、ここで、d1およびd2は、交差する典型的な線分ペアの第1の線分および第2の線分の距離である。
【0018】
別の例において、各交差する典型的な線分ペアのペア値Tは、以下の式、
T=d1+d2 式2
によって計算され得、ここで、d1およびd2は、交差する典型的な線分ペアの第1の線分および第2の線分の距離である。
【0019】
別の実施形態において、各典型的な線分の長さは、典型的な線分の端点間の画像のピクセル数またはボクセル数に基づいて計算され得る。より具体的な例において、方法は、交差する線分ペアの各々の各線分が交差する画像のピクセルを識別し得る。別の例において、方法は、被験者の身体の組織タイプに基づいて、画像のピクセルにピクセル組織値を割り当てるステップと、交差する線分ペアの各線分と交差するピクセルのピクセル組織値に基づいてペア値を決定するステップとをさらに含む。
【0020】
一例において、各交差する典型的な線分ペアのペア値Tは、以下の式、
【数1】
によって計算され得、ここで、交差する線分ペアの第1の線分は、N1個のピクセルd1pを有し、交差する線分ペアの第2の線分は、N2個のピクセルd2vを有する。
【0021】
別の例において、各交差する典型的な線分ペアのペア値Tは、以下の式、
【数2】
によって計算され得、ここで、交差する線分ペアの第1の線分は、N1個のピクセルd1pを有し、交差する線分ペアの第2の線分は、N2個のピクセルd2vを有する。
【0022】
別の実施形態において、各ペア値は、対応する交差する線分ペアの各線分の第1の端点と第2の端点との間の重み付けされた距離に基づき得る。一例において、各線分の第1の端点と第2の端点との間の重み付けされた距離は、対応する線分が通過する被験者の身体の部分内の1つまたは複数の組織タイプに基づく。より具体的な例において、方法は、被験者の身体の組織タイプに基づいて、被験者の身体の画像のピクセルにピクセル組織重みを割り当てるステップをさらに含む。一例において、被験者の身体の組織タイプは、灰白質、白質、および骨を含む。別の例において、被験者の身体の組織タイプは、臓器組織、筋肉組織、および骨を含む。重みは、例えば、組織タイプの導電率または抵抗率に基づき得る。
【0023】
一例において、各交差する典型的な線分ペアのペア値Tは、以下の式、
【数3】
によって計算され得、ここで、交差する線分ペアの第1の線分は、N1個のピクセルd1pを有し、交差する線分ペアの第2の線分は、N2個のピクセルd2vを有し、ピクセルd1pは、組織重みw1pを有し、ピクセルd2vは、組織重みw2vを有する。
【0024】
別の例において、各交差する典型的な線分ペアのペア値Tは、以下の式、
【数4】
によって計算され得、ここで、交差する線分ペアの第1の線分は、N1個のピクセルd1pを有し、交差する線分ペアの第2の線分は、N2個のピクセルd2vを有し、ピクセルd1pは、組織重みw1pを有し、ピクセルd2vは、組織重みw2vを有する。
【0025】
ステップ130において、方法100は、ステップ120において決定されたペア値に基づいて、1つまたは複数の交差する典型的な線分ペアを選択し得る。例えば、ペア値を決定するために絶対値計算が使用される場合、ペア値がソートされ得、より小さいペア値または最小のペア値が決定され得、より小さいペア値または最小のペア値に対応する交差する典型的な線分ペアが選択され得る。別の例として、ペア値を決定するために総和計算が使用される場合、ペア値がソートされ、より小さいペア値または最小のペア値が決定され得、より小さいペア値または最小のペア値に対応する交差する典型的な線分ペアが選択され得る。
【0026】
別の例として、交差する典型的な線分ペアは、しきい値を交差する線分ペアのペア値と比較することに基づいて選択され得る。例えば、ペア値を決定するために絶対値計算が使用される場合、しきい値以下のペア値に対応する交差する典型的な線分ペアが選択され得る。別の例として、ペア値を決定するために総和計算が使用される場合、しきい値以下のペア値に対応する交差する典型的な線分ペアが選択され得る。
【0027】
一実施形態において、1つまたは複数の選択された交差する典型的な線分ペアのうちの少なくとも1つは、選択されていない交差する線分ペアの線分の交点における局所最小電力密度(LMiPD(local minimum power density))よりも高い、線分の交点におけるLMiPDを有し得る。LMiPDは、特定のトランスデューサレイアウトを介してTTFieldによって腫瘍に送達される最小線量を表し得、この最小線量が他の潜在的なレイアウトと比較して最大化されるときに、理想的なトランスデューサレイアウトが取得され得る。
【0028】
別の実施形態において、1つまたは複数の選択された交差する線分ペアは、被験者の身体上のトランスデューサ位置についてTTFieldをシミュレートすることなく選択される。
【0029】
ステップ140において、方法100は、1つまたは複数の選択された交差する典型的な線分ペアに対応する被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置を出力し得る。出力は、ユーザデバイスに送信され得る。一実施形態において、被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置は、位置についてTTFieldをシミュレートすることなく出力される。
【0030】
図2は、交差する線分ペアが腫瘍を通過する被験者の身体の例示的な部分を示す。図2に示す例において、被験者の身体の画像200は、腫瘍205と、腫瘍205内で交差する第1の線分250aおよび第2の線分250bとを含む。第1の線分250aは、第1のトランスデューサ210および第2のトランスデューサ220の位置に対応する。一例において、第1の線分250aの端点は、トランスデューサ210および220の中心の位置に対応し得る。第2の線分250bは、第3のトランスデューサ230および第4のトランスデューサ240の位置に対応する。一例において、第2の線分250bの端点は、トランスデューサ230および240の中心の位置に対応し得る。第1の線分250aおよび第2の線分250bは、交差する線のペア250を形成する。第1の線分250aおよび第2の線分250bは、実質的に90°において交差する。
【0031】
線分250aは、距離(または長さ)d1によって表される第1のトランスデューサ210と第2のトランスデューサ220との間の長さを有し得、線分250bは、距離(または長さ)d2によって表される第3のトランスデューサ230と第4のトランスデューサ240との間の長さを有し得る。一実施形態において、交差する線のペア250のペア値は、上記で論じた式1~4に基づいて計算され得る。
【0032】
図3は、交差する線分ペアが腫瘍を通過する被験者の身体の例示的な部分を示す。図3に示す例において、被験者の身体の画像200は、トランスデューサの3つのペアの位置を表す3つの交差する線分ペアを含む。明確にするために、トランスデューサの3つのペアは、図3に示されていない。特に、被験者の身体の画像200は、線分250aおよび250bの第1の交差する線分ペア250と、線分320aおよび320bの第2の交差する線分ペア320と、線分330aおよび330bの第3の交差する線分ペア330とを含む。交差する線分ペアの各々は、腫瘍205内で交差する。
【0033】
被験者の身体上の潜在的なトランスデューサ位置は、所定の角度だけ離間され得る。一例として、各交差する典型的な線分ペアの第1の線分は、所定の角度だけ離間され得、各交差する線分ペアの第2の線分は、所定の角度だけ離間され得る。所定の角度は、例えば、0.5°、1°、5°、10°、15°、30°、45°、60°、90°、または任意の他の角度であり得る。別の例として、各交差する線分ペアの線分は、異なる角度だけ離間され得る。図3に示す例において、第1の交差する線分ペア250の第1の線分250aは、第2の交差する線分ペア320の第1の線分320aから所定の角度だけ離間され得、第2の交差する線分ペア320の第1の線分320aは、第3の交差する線分ペア330の第1の線分330aから所定の角度だけ離間され得る。同様に、第1の交差する線分ペア250の第2の線分250bは、第2の交差する線分ペア320の第2の線分320bから所定の角度だけ離間され得、第2の交差する線分ペア320の第2の線分320bは、第3の交差する線分ペア330の第2の線分330bから所定の角度だけ離間され得る。
【0034】
図4は、交差する線分ペアが異なる組織タイプおよび腫瘍を通過する被験者の頭部の例示的な磁気共鳴画像法(MRI)画像を示す。図4に示す例において、被験者の頭部のMRI画像400は、腫瘍405を含み、交差する典型的な線分ペア450は、異なる組織タイプを通過し、腫瘍405と交差する。交差する典型的な線分ペア450は、第1の線分450aと第2の線分450bとを含む。第1の線分450aは、トランスデューサ410および420の位置によって定義され、第2の線分450bは、トランスデューサ430および440の位置によって定義される。被験者の身体の組織タイプは、灰白質401と、白質402と、骨403と、脳液と、皮膚とを含み得る。図4において、第1の線分450aおよび第2の線分は、複数の組織タイプ(例えば、皮膚、骨、脳液、白質、および/または灰白質)を通過する。線分450aの距離d1は、皮膚、骨、脳液、白質、および灰白質を通過する複数のピクセルを含み得、各ピクセルは、それに応じて重み付けされる。その場合、d1は、線分450aに沿った各重み付けされたピクセルの総和であり得る。同様に、線分450bの距離d2は、線分450bに沿った各重み付けされたピクセルの総和であり得る。交差する典型的な線分ペア450のペア値は、上記で論じた式5~6に基づいて計算され得る。
【0035】
図5は、交差する線分ペアが異なる組織タイプおよび腫瘍を通過する被験者の胴体の例示的なMRI画像を示す。図5に示す例において、被験者の胴体のMRI画像500は、腫瘍505と、異なる組織タイプを通過して腫瘍505と交差する、交差する典型的な線分ペア550とを含む。被験者の身体の組織タイプは、臓器組織501と、筋肉組織502と、骨503と、皮膚と、流体とを含み得る。交差する典型的な線分ペア550は、第1の線分550aと第2の線分550bとを含む。第1の線分550aは、トランスデューサ510および520の位置によって定義され、第2の線分550bは、トランスデューサ530および540の位置によって定義される。
【0036】
図6Aおよび図6Bは、局所最小電力密度(LMiPD)の計算を本発明の例示的な実施形態と比較する例示的なグラフを示す。
【0037】
図6Aおよび図6Bにおいて、x軸は、被験者の頭部上の一対のトランスデューサに関するチャネル(CH0)の角度に対応し、ここで、0°は、被験者の頭部の前後線を指し、角度は、この前後線に対するものであり、左のy軸は、電力損失単位(mW/cm3)に対応し、右のy軸は、トランスデューサのペアの間の正規化された重み付けされた距離に対応する。一例において、-3と3との間の相対値を有する重みwは、そのそれぞれの組織タイプに基づいてピクセルに割り当てられ得る。グラフは、被験者の頭部上で前後方向に配置され、次いでx軸の角度だけシフトされたトランスデューサのペアに関するチャネル(CH0)の電力損失を含む。チャネル(CH0)のデータ点に関する角度は、チャネル(CH0)のデータ点に関する角度は、5°きざみで0°と170°との間である。
【0038】
図6Aに示す例において、グラフ601Aは、被験者の身体上のトランスデューサのペアの間の重み付けされた距離に基づいて計算された標的領域(例えば、腫瘍)における電力損失に対応する。グラフ602Aは、LMiPDを計算する複雑なシミュレーションに基づいて計算された被験者の頭部内の腫瘍における電力損失に対応する。図6Aに示すように、本発明の例示的な実施形態を使用して重み付けされた距離を計算することによって特定されたトランスデューサのレイアウトは、LMiPDを計算するための複雑なシミュレーションによって裏付けられる。
【0039】
図6Bに示す例において、グラフ601Bは、被験者の身体上のトランスデューサのペアの間の重み付けされた距離に基づいて計算された標的領域(例えば、腫瘍)における電力損失に対応する。グラフ602Bは、LMiPDを計算する複雑なシミュレーションに基づいて計算された被験者の頭部内の腫瘍における電力損失に対応する。図6Bに示すように、本発明の例示的な実施形態を使用して重み付けされた距離を計算することによって特定されたトランスデューサのレイアウトは、LMiPDを計算するための複雑なシミュレーションによって裏付けられる。
【0040】
図7A図7Dは、様々なトランスデューサの構造の例を示す。一実施形態において、トランスデューサは、実質的に平坦な電極要素のアレイを備える。
【0041】
図7Aにおいて、トランスデューサ700Aは、基板701Aと、複数の電極要素702Aとを有し得る。基板700Aは、トランスデューサ700Aを被験者の身体に取り付けるように構成され得る。基板701Aに適した材料は、例えば、布、発泡体、および可撓性プラスチックを含み得る。一例において、基板701Aは、導電性医療用ゲルを含み得る。より具体的な例において、基板701Aは、ハイドロゲルの層であり得る。
【0042】
複数の容量結合型電極要素702Aが基板701A上に配置され得、容量結合型電極要素の各々は、基板に面する誘電体層が上に配置された導電板を有し得る。オプションで、1つまたは複数のセンサが、Novocure Optune(登録商標)システムにおいて使用される従来の配置と同様の方法で、電極要素の各々の下に配置され得る。一例において、1つまたは複数のセンサは、温度センサ(例えば、サーミスタ)であり得る。
【0043】
図7Bは、トランスデューサ700Bの構造の別の例を示す。この例において、トランスデューサ700Bは、複数の電極要素702Bを含み得る。複数の電極要素702Bは、基板なしで互いに電気的および機械的に接続され得る。一例において、電極要素702Bは、導電性ワイヤ701Bを介して互いに接続され得る。
【0044】
図7Cおよび図7Dは、トランスデューサ700Cおよび700Dの構造のさらなる例を示す。例えば、図7Cは、基板701C上に配置された13個の電極要素702Cのアレイを有するトランスデューサ700Cの一例を示す。さらに、図7Dは、基板701D上に配置された20個の電極要素702Dのアレイを有するトランスデューサ700Dの一例を示す。
【0045】
一例において、電極要素702A、702B、702C、および702Dは、セラミックディスクであり得、セラミックディスクの各々は、直径約2cm、および厚さ約1mmであり得る。別の例において、電極要素702A、702B、702C、および702Dは、ディスク状ではないセラミック要素であり得る。さらに別の例において、電極要素702A、702B、702C、および702Dは、複数の平坦な導体上に配置された非セラミック誘電体材料であり得る。平坦な導体上に配置された非セラミック誘電体材料の例は、プリント基板上のパッド上または平坦な金属片上に配置されたポリマーフィルムを含み得る。特定の実施形態において、容量結合されていない電極要素のアレイを使用するトランスデューサも使用され得る。この状況において、各電極要素702A、702B、702C、702Dは、導電性要素と身体との間に絶縁誘電体層が配置されずに、被験者の身体に対して配置するように構成された導電性材料の領域を使用して実装され得る。他の実施形態において、トランスデューサは、単一の電極要素のみを含み得る。一例として、単一の電極要素は、基板上に配置された可撓性有機材料または可撓性有機複合材料を含み得る。別の例として、トランスデューサは、基板なしの可撓性有機材料または可撓性有機複合材料を含み得る。
【0046】
本発明の実施形態で使用するトランスデューサを実現するための他の代替構造も、それらが(a)TTFieldを被験者の身体に送達することができ、(b)本明細書で指定する位置に配置することができる限り、使用され得る。
【0047】
図8は、一対のトランスデューサの構成の一例を示す。この例において、第1のトランスデューサ801は、基板804上に配置された13個の電極要素803を含み得、電極要素803は、導電性配線809を介して互いに電気的および機械的に接続され得る。同様に、第2のトランスデューサ802は、基板806上に配置された20個の電極要素805を含み得、電極要素805は、同様に、導電性配線810を介して互いに電気的および機械的に接続され得る。さらに、第1のトランスデューサ801および第2のトランスデューサ802は、AC電圧発生器807およびコントローラ808に接続され得る。コントローラ808は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによってアクセス可能なメモリとを含み得る。メモリは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、トランスデューサ801、802の第1のペアの間に第1の電場を実現し、次いで、トランスデューサの第2のペア(図示せず)の間に第2の電場を実現し、次いで、第1の電場および第2の電場の実現を交互に繰り返すようにAC電圧発生器807を制御する命令を記憶し得る。図8に示すように、トランスデューサ801、802は、異なる。トランスデューサ801、802は、例えば、要素の数および/または要素の位置に関して同じであり得、または異なり得る。
【0048】
図9は、本明細書で論じる例示的な実施形態を使用して被験者の身体上のトランスデューサの位置を決定する装置の一例を示す。この例において、装置900は、1つまたは複数のプロセッサ902と、1つまたは複数の出力デバイス905と、メモリ903とを含み得る。
【0049】
一実施形態において、1つまたは複数のプロセッサ902は、汎用プロセッサ、集積回路、サーバ、他のプログラマブル論理デバイス、またはそれらの任意の組合せを含み得る。プロセッサは、従来のプロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンであり得る。1つまたは複数のプロセッサは、同じタイプまたは異なるタイプの1つ、2つ、またはそれよりも多くのプロセッサであり得る。さらに、1つまたは複数のプロセッサは、コンピュータ、コンピューティングデバイス、およびユーザデバイスなどであり得る。
【0050】
一例において、ユーザ入力901に基づいて、1つまたは複数のプロセッサは、TTFieldを誘導するために使用されるチャネル間の関係に基づいて、被験者の身体上にトランスデューサを配置する位置を決定し得、1つまたは複数の推奨をユーザに行い得る。1つまたは複数の推奨は、1つまたは複数の出力デバイス905において出力され得る。別の例において、ユーザは、出力デバイス905を介して1つまたは複数の推奨に関するフィードバックを与え得る。ユーザからフィードバックを受信した後、1つまたは複数のプロセッサ902は、トランスデューサの位置に関する1つまたは複数の異なる推奨を生成し得る。
【0051】
メモリ903は、1つまたは複数のプロセッサ902が情報をメモリ903に書き込み、情報をメモリ903から読み取ることができるように、リンク904を介して1つまたは複数のプロセッサ902によってアクセス可能であり得る。メモリ903は、プロセッサと一体または別個であり得る。メモリ903の例は、RAM、フラッシュ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ディスクストレージ、または任意の他の形態の記憶媒体を含む。メモリ903は、1つまたは複数のプロセッサ902によって実行されると、本発明の1つまたは複数の実施形態を実装する命令を記憶し得る。メモリ903は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに本明細書で論じる例示的な方法のうちの1つまたは複数を実行させる命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であり得る。
【0052】
本発明は、以下のような他の例示的な実施形態を含む。
【0053】
例示的実施形態1.被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、被験者の身体の画像が、被験者の身体の複数の組織タイプを含み、被験者の身体の組織タイプが、灰白質と、白質と、骨とを含む、コンピュータが実行する方法。
【0054】
例示的実施形態2.被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、被験者の身体の画像が、被験者の身体の複数の組織タイプを含み、患者の身体の組織タイプが、臓器組織と、筋肉組織と、骨とを含む、コンピュータが実行する方法。
【0055】
例示的実施形態3.被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、交差する線分ペアのうちの少なくとも1つの線分が、実質的に垂直である、コンピュータが実行する方法。
【0056】
例示的実施形態4.被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、トランスデューサが、実質的に平坦な電極要素のアレイを備える、コンピュータが実行する方法。
【0057】
例示的実施形態5.被験者の身体上のトランスデューサの配置を決定するための、コンピュータが実行する方法であって、被験者の身体上のトランスデューサを配置する位置が、位置についてTTFieldをシミュレートすることなく出力される、コンピュータが実行する方法。
【0058】
特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対する多数の修正、改変、および変更が可能である。本発明は、説明した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲の文言およびその均等物によって定義される全範囲を有することが意図される。
【符号の説明】
【0059】
200 画像
205 腫瘍
210 第1のトランスデューサ
220 第2のトランスデューサ
230 第3のトランスデューサ
240 第4のトランスデューサ
250 交差する線のペア、第1の交差する線分ペア
250a 第1の線分、線分
250b 第2の線分、線分
320 第2の交差する線分ペア
320a 線分
320b 線分
330 第3の交差する線分ペア
330a 線分
320b 線分
400 MRI画像
401 灰白質
402 白質
403 骨
405 腫瘍
410 トランスデューサ
420 トランスデューサ
430 トランスデューサ
440 トランスデューサ
450 交差する典型的な線分ペア
450a 第1の線分
450b 第2の線分
500 MRI画像
501 臓器組織
502 筋肉組織
503 骨
505 腫瘍
510 トランスデューサ
520 トランスデューサ
530 トランスデューサ
540 トランスデューサ
550 交差する典型的な線分ペア
550a 第1の線分
550b 第2の線分
601A グラフ
602B グラフ
700A トランスデューサ
700B トランスデューサ
700C トランスデューサ
700D トランスデューサ
701A 基板
701B 導電性ワイヤ
701C 基板
701D 基板
702A 電極要素、容量結合型電極要素
702B 電極要素
702C 電極要素
702D 電極要素
801 第1のトランスデューサ、トランスデューサ
802 第2のトランスデューサ、トランスデューサ
803 電極要素
804 基板
805 電極要素
806 基板
807 AC電圧発生器
808 コントローラ
809 導電性配線
810 導電性配線
900 装置
902 プロセッサ
903 メモリ
904 リンク
905 出力デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
【国際調査報告】