(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-13
(54)【発明の名称】二相流体の噴流を生成させるためのデバイス
(51)【国際特許分類】
B05B 7/04 20060101AFI20231106BHJP
B05B 1/10 20060101ALI20231106BHJP
【FI】
B05B7/04
B05B1/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023527291
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 FR2021051879
(87)【国際公開番号】W WO2022090662
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523161583
【氏名又は名称】エタ フランセ ルプレゾンテ パー ル プレフェ ドゥ ポリス,アジサン オ ノム エ プー ル コントゥ ドゥ ラ ヴィル ドゥ パリ,ルラティヴモン ア ラ ブリガドゥ ドゥ サプール-ポンピエ ドゥ パリ
(71)【出願人】
【識別番号】523161594
【氏名又は名称】ズラップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】テスタ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】イスレ,トマ
【テーマコード(参考)】
4F033
【Fターム(参考)】
4F033AA05
4F033AA12
4F033BA04
4F033DA01
4F033EA01
4F033NA01
4F033QA04
4F033QA10
4F033QB02Y
4F033QB03X
4F033QB12Y
4F033QB13Y
4F033QB15X
4F033QD02
4F033QD03
4F033QD15
4F033QE09
4F033QE23
(57)【要約】
本発明は、二相流体の噴流を生成するためのデバイスに関し、本二相流体の噴流を生成するためのデバイスは、加圧気体流体が供給され、かつ混合チャンバ(400)内に開口する主ダクト(1)と、少なくとも1つの加圧流体が供給され、かつ主ダクトの軸と非ゼロ角度を形成する方向で混合チャンバ(400)内に開口する少なくとも1つの副ダクト(301~305)とを有するノズルを備える。混合チャンバ(400)は、主ダクトの軸に対して垂直な平面内に開口部を画定する狭窄部(430)を有する先細-末広円筒形壁を有する。壁の先細部(410)は、液相のための分割チャンバを形成するように、少なくとも1つの副ダクト(301~305)の軸の延長上に切頭円錐形領域を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二相流体の噴流を生成するためのデバイスであって、加圧気体流体が供給され、かつ混合チャンバ(400)内に開口する主ダクト(1)と、少なくとも1つの加圧液体流体が供給され、かつ前記主ダクトの軸と非ゼロ角度を形成する方向で前記混合チャンバ(400)内に開口する少なくとも1つの副ダクト(301~305)とを有するノズルを備え、
・前記混合チャンバ(400)は、前記主ダクトの前記軸に対して垂直な平面内にディスク開口部を画定する狭窄部(430)を有する先細-末広円筒形壁を有し、前記ディスク開口部は、
・前記壁の先細部(410)が、液相のための分割チャンバを形成するように、前記少なくとも1つの副ダクト(301~305)の軸の延長上に切頭円錐形領域を有する、ことを特徴とする、二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの副ダクト(301~305)の前記軸(311、312)が、前記主ダクト(1)の前記軸(10)と2°~20°の角度を形成することを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項3】
前記副ダクト(301~305)の前記軸(311、312)は、前記先細部(410)の円錐の母線(411)と0°~60°、好ましくは45°±10°の角度を画定することを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項4】
前記狭窄部(430)の前記開口部の直径は、前記主ダクトの前記直径の0.8~1.2倍であることを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項5】
前記混合チャンバ(400)に向かって収束し、前記主ダクトの周囲に分散された複数の副ダクト(301、305)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項6】
前記末広部に位置する前記ノズルの噴射チャネル(420)は、切頭弾丸形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項7】
前記ノズルの前記噴射チャネル(420)は、変形可能な噴射先端部によって延在されることを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項8】
前記変形可能な噴射先端部は、2つの可動ジョー(530、540)の間に配設された変形可能なスリーブ(500)からなり、前記2つの可動ジョーが、前記変形可能なスリーブ(500)の前方部分(510)の挟持を確実にする位置と、前記スリーブが公称断面を有する離間位置との間で関節接合されることを特徴とする、請求項7に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項9】
前記可動ジョー(530、540)は、前記可動ジョー(530、540)の前方端部の締め付けを制御するために接続ロッド(531、541)が支持される傾斜部(536、546)を有することを特徴とする、請求項8に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項10】
固定された後方ハンドル(703)と、噴流パラメータの変化を制御する前方傾斜ハンドル(705)とを有する本体(700)に一体化されることを特徴とする、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【請求項11】
前記本体(700)は、エアマスクの供給管を接続するための継手(709)を有することを特徴とする、請求項10に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、具体的には、消火、機器の冷却、ミストの形成のための、少なくとも1つの気体及び液体の二相混合物を生じさせ、突き動かす分野に関する。混合物は、ノズル内で作製され、そこでは、気体の高速流と水の噴流との相互作用が、水噴流内の水滴を霧化して、非常に小さい又は極小の液滴のミストを形成し、これにより、気体の流れによって駆動及び搬送される水ミストの液滴の二相混合物を形成する。
【0002】
そのような二相混合物は、顕著な冷却性能を示し、低レベルの局所的な湿潤を引き起こし、あらゆる周囲の撹乱物をなくすことによって、水及び水蒸気によって引き起こされる損傷を抑制する。これらの混合物は、例えば、産業用、第三級建物若しくは住居用建物の天井、トンネル、飛行機又は船の客室に、又は航空機パイロット又は産業設備オペレータのスーツに、又は産業現場に据え付けられた施設又は森林施設に配設された固定設備、又は消防士によって若しくは自律自動車によって作動される消防ホースの形態の可搬型機器によって生産される。
【0003】
霧化が微細であるほど、かつ液滴速度が高いほど、液滴の運動エネルギーが高くなり、火の中心に浸透する能力が大きくなる。熱交換表面が増加するにつれて、冷却及び不活性化は全てより大きくなる。高圧水ミストはまた、放射熱を遮断する。これにより、例えば、温度は、800℃の火の中心からわずか数メートルで許容可能なままであり得、例えば、爆発によって引き起こされる衝撃波を減衰させる。更に、このミストは、気体の希釈を生じさせ、溶解、吸着又は可溶化反応を生じさせることもでき、気体の爆発性を抑制する。
【0004】
ノズルに供給する気体は、窒素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性気体、又は単に空気、又は酸素であってもよい。
【背景技術】
【0005】
仏国特許第2376384号は、水粒子が地面に触れる前に乾燥するように十分に冷たい空気中に水粒子を噴霧することを意図したスノーキャノンを記載している。このデバイスは、周囲空気を取り入れるために後方に開いた先細-末広形状のフェアリングからなる。一次空気-水混合物の流量を調整するように意図されたオリーブデバイスが、このフェアリングの内側に位置決めされている。この流量調整デバイスは、空気流と周辺水流が供給される先細-末広混合器を有し、混合器の先細部に同軸に開口している。水ダクトは、液体流が空気供給ダクトの外面に向かって方向付けられるような角度配向で、空気ダクトと同軸の管状ダクトに開口している。次いで、この液体流は、2つの実質的に層状かつ同軸の相を形成するために、混合器内に開口する空気供給ダクトと同軸の管状区間内で偏向される。
【0006】
独国特許第10004534号は、ハイドロマッサージノズルによって放射され得るマッサージ噴流の流れの方向が、この目的のためにハイドロマッサージノズルの可動構成要素を必要とすることなく影響を受け、好ましくは、放出時間及び2つの送達時間の間の時間、マッサージ噴流によって影響される休止時間が、マッサージノズルから異なる流れ方向に放射され得る、方法を実施するためのデバイスを記載している。
【0007】
仏国特許第2766108(A1)号は、二相流体を生成するためのデバイスであって、この流体を生成するチャンバを画定する壁を備え、加圧液体供給源に接続されるように意図された第1の端部と、加速ノズルによって延在された二相流体を分散するための第2の端部とが設けられ、この壁は、加圧気体が入る少なくとも1つの開口部によって穿孔され、デバイスは、チャンバをその長さの全部又は一部にわたって少なくとも2つのチャネルに分配するための手段を備えることを特徴とする、デバイスを記載している。
【0008】
英国特許第865434号は、研削又は研磨材料を流れ又は噴霧で発射するためのガンの分野に関し、このタイプのガンは、それぞれ研磨材料の前方通路及び長手方向通路にノズルを有するピストル本体と、ノズルから研磨材料を発射するための空気又は別の加圧気体とを備え、本発明の目的は、研磨材料による摩耗が最小限に抑えられる効果的な噴霧ガン形態及び噴霧ガンである。
【0009】
英国特許第951589(A)号は、半径方向外向きに曲げられたタンブラによって支持された一対の横方向ロッドによって直径方向に対向する位置で係合された円筒形放出円筒形ノズルを担持するバレルを備える粉末噴霧消火器を記載している。2つのアームは、噴流速度を調整するためにバレル上で摺動可能に誘導されるフレア状スリーブのリップによって係合される。
【0010】
独国特許第90013号は、狭いスロットの形態の調節可能なノズルが記載されており、その目的は、薄く平坦な形状を出現させる噴射剤の噴流をことであり、これにより、断面に対して処理される液体と接触するより大きな表面積を得ることが可能になる。処理されるべき液体が吸引されるか又は通される管又はノズルは、平坦又は矩形の断面又はおよそこのタイプのものであるように好適に選択される。しかしながら、この断面は、断面又は形状又は方向の変化が徐々に生じるように、長手方向(すなわち、流れの方向)に成形又は湾曲されなければならず、その結果、移動される液体は、推進剤噴流と接触させられながら、その通過に対して低い抵抗のみを受ける。
【0011】
先行技術の欠点
先行技術の解決策は、高い消火効率を有する非常に小さい寸法の液滴を有するミストの形成には好適ではない。
【0012】
先行技術の特許である仏国特許第2376384号は、例えば、数ミリメートル又は1センチメートル以上の大きな寸法の凍結フレークによって形成された人工雪を生じさせるが、これは消火には全く好適ではない。
【0013】
先行技術の解決策は、気相の流量/液相の流量の流量比に著しく敏感であり、この比が最適値に対してドリフトすると、液滴は正確に微粒子化されない。したがって、効率を失うことなく流量及び希釈率を調節することは不可能である。更に、先行技術の解決策は、概して、高圧を必要とし、したがって、気相の高い流量を必要とし、これは、可搬型機器の使用の可能性を制限し、かさばりすぎて重い貯蔵気体を輸送することを不可能にする。
【発明の概要】
【0014】
これらの欠点を改善するために、本発明は、その最も一般的な意味において、請求項1に記載の二相流体の噴流を生成するためのデバイスに関する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、添付の図面によって例示される非限定的な例示的実施形態を参照する、以下の記載を読むことによって、より良く理解されるであろう。
【
図1】本発明による、ノズルの第1の長手方向断面に沿った図を示す。
【
図2】本発明による、ノズルの、第2の長手方向断面に対して垂直な第2の長手方向断面に沿った図を示す。
【
図3】本発明による、ノズルの切欠き断面図を示す。
【
図4】本発明の変形例による、変形可能な先端部の斜視図を示す。
【
図5】本発明の変形例による、展開位置にある変形可能なスリーブの斜視図を示す。
【
図6】本発明の変形例による、挟持位置における変形可能なスリーブの斜視図を示す。
【
図7】本発明の変形例による、変形可能なスリーブ及び可動調整ジョーの断面図を示す。
【
図8】可動ジョーを伴わない、変形可能な先端部の斜視図を示す。
【
図9】固定ジョーを伴わない、開放位置における変形可能な先端部の斜視図を示す。
【
図10】固定ジョーを伴わず、単一の可動ジョーを伴う、挟持位置における変形可能な先端部の斜視図を示す。
【
図11】本発明の他の変形例による、ホースの多機能制御ハンドルの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
完全なシステムは、多機能制御ハンドルと、例えば、可搬型機器を形成するための任意選択的な周辺要素とを有する、任意選択的に可変形状噴射先端部によって延在され得るノズルを備えることが指定される。その目的は、400マイクロメートル未満、好ましくは、90マイクロメートル未満の断面を有する水滴のミストを形成することである。消火器の場合、液滴に微細に分けられた水ミストは、ノズルにおいて「原位置で」生じる二相消火剤を構成する。
【0017】
水ミストの作用は、しばしば組み合わされる、以下のような、いくつかのメカニズムに基づいている。
【0018】
a)大きな交換表面積及び高い気化速度に起因する火炎の冷却。水は、非常に良好な熱トラップである。1キログラムの液体水を20℃~100℃に上昇させるには、335kJ/kgが必要であり、その気化には更に2257kJ/kgが必要であり、すなわち、合計2592kJ/kgである。水ミストの液滴の微細さは、その蒸発及び熱量吸収の可能性を利用することを可能にする重要な交換表面を含む。蒸発によって、液滴は、高温ゾーン(火炎の近傍)と接触して、酸素濃度を局所的に枯渇させることに寄与する蒸気体積を生成する。火炎を冷却することは、その消火に寄与する。また、煙雲を冷却することにより、煙雲が新鮮な空気と接触するときに煙霧が発火(フラッシュオーバー)するのを防止することができることにも留意すべきである。
【0019】
b)固体燃料(材料)の冷却:水-固体接触(材料)は、発火燃料(材料)の表面によって制限される。水ミストの微細さは必須ではないが、熱衝撃を抑制するために使用することができる。対照的に、効率的な冷却は、十分な水流及び良好な液体-固体の重なりを必要とする。例えば、高温雰囲気の冷却を最適化することが望まれる場合、非常に微細な水ミストが好ましい。一方、固体燃料の冷却が最大化されることが望まれる場合、より大きな割合の大きな液滴を含む水ミストがより良好な結果を得ることになる。
【0020】
c)全体的又は局所的な酸素濃度の減少、以下の2つの場合において酸素含有量の枯渇:
-火の中心の近くで、水滴は蒸気に変わり、これは酸素濃度を局所的に減少させることに寄与する。
【0021】
-室内では、不活性気体に匹敵する水蒸気の形成は、密閉された建物の空気中の酸素濃度を低下させるのに機械的に寄与する。小さな体積に大量に集束する場合、水ミストは気化することができ、蒸気の作用は、消火をもたらすことができる窒息効果を生じさせる。水蒸気に関するこの効果を観察するためには、十分な周囲最低温度(65℃~75℃)が必要とされ、これは、(ミストによって引き起こされる)水で飽和した体積の場合、体積による蒸気形態の水の割合は、空気中の水の飽和蒸気圧によって制限されるからである。
【0022】
d)熱放射、伝搬エネルギーの影響の緩和。伝導及び対流と同様に、熱放射は熱伝達モードである。それは火の伝播に寄与する。好適なサイズの水ミストは、熱放射を大幅に低減することができる。緩和の主要なメカニズムは、吸収、反射及び回折である。緩和の有効性に関与する主なパラメータは以下の通りである。
【0023】
・水ミストの密度
・水ミストスクリーンの厚さ
・水ミストのクラス
・水ミストの分布の均一性
全体的な軽減率の50%は、容易に達成することができる。
【0024】
これらの項目のうちの1つの記載は、第1の要素がその他の要素の詳細な記載に関する部分において詳細に繰り返されていない場合であっても、当然ながら、この要素を別の要素と組み合わせて含むサブアセンブリにも及ぶ。非反復特徴は、明らかに技術的に不可能である特徴を除いて、詳細な記載に含まれているとみなされる必要がある。同様に、要素の各々は、記載のもの又は本特許の主題でさえあるもの以外の相補的要素と共に使用することができ、本特許の主題であるノズルは、本特許によって提案されたもの以外の先端部によって延在することができ、同様に、記載の先端部は、本特許のもの以外のノズルと共に使用することができる。同じことが、詳細な記載における全ての要素に当てはまる。
【0025】
ノズルの例示的実施形態の記述
図1~
図3は、二相供給管又は水供給管によって動力供給される消防ホースから、特に消火を目的とするノズルを生産するための本発明の例示的な実施形態の図を示し、気相は、第2の管によって接続された携帯型圧縮気体シリンダから、又はそのようなノズルを装備した自律型ロボットから、又は更には固定機器、例えば森林領域の地面に、産業現場に、建物に、又は船舶若しくは航空機上に配置された支持体から来る。
【0026】
ノズルは、記載の非限定的な実施例では、封止ガスケット、接続プレート(100)、制御体(200)、中間体(300)、及び混合チャンバ(400)とのねじ留め又は任意の他の機械的接続によって接続されるいくつかの部品から構成されている。
【0027】
ノズルは、同軸混合チャンバ(400)内に開口する軸方向主チャネル(1)が横切っている。上記主チャネル(1)は、偏心ねじ付き継手(101)から、混合チャンバ(400)内に開口するリング(301)まで延在している。主チャネル(1)は、接続ロッド又は電動システムによって作動される、
図1及び
図2では見えないロッドによって作動される球状体(202)が設けられた、気体流量を制御するためのプラグ弁(201)を通過する。
【0028】
主チャネル(1)は、気相、例えば、圧縮空気、窒素などの中性気体を供給するように意図されている。特定の用途では、圧縮気体は空気であり、ミストを生じさせることと、二次的に人間のオペレータ用の呼吸マスクに供給することとの両方に役立つ。
【0029】
供給プレート(100)は、供給管を液相、例えば、加圧水と接続するための第2のねじ付き継手(151)を有する。供給プレート(100)は、手動又は電動で作動されるロッド(253)によって作動される本体(252)が設けられた第2のプラグ弁(251)内で、
図1及び
図2では見えない平面内に配置されたダクトによって制御体(200)内に開口している。
【0030】
この第2のプラグ弁(251)の出口は、主チャネル(1)と同軸の環状チャンバ(260)内に開口する半径方向ダクト(270)内に開口している。任意選択的に、この半径方向ダクト(270)はまた、二次流体のための供給管の接続を可能にするねじ付き継手(271)によって制御体(200)の外壁上に開口している。使用されないとき、このねじ付き継手(271)は、ねじキャップ(272)によって封止される。
【0031】
中間体(300)は、制御体(200)から混合チャンバ(400)への2つの流体の伝達を提供する。それは、中間体(300)及び混合チャンバ(400)の長手方向軸に沿って配設された主チャネル(1)と、1つ以上の副ダクト(301、302)、典型的には、上記環状チャンバ(260)から混合チャンバ(400)の入口まで延在する副ダクトの束とを備える。これらの副ダクト(301、302)は、長手方向軸(10)に対して約10°、典型的には、8°~15°の角度を形成する軸(311、312)に沿って配向されている。空気の主チャネル(1)及び液体の副管(301、302)は、混合チャンバの先細部(410)内に位置する中空空間内で、空気の主チャネル(1)の軸に対して垂直な同じ横断面(306)内に開口している。
【0032】
軸(311、312)は、先細部(410)の円錐の母線(413)と約30°の角度を画定する。
【0033】
他の構成、例えば、上記環状チャンバ(260)から混合チャンバ(400)の入口内の環状出口まで延在する円錐形チャンバが設けられてもよい。この円錐形チャンバは、周壁の剛性を確保するために長手方向に仕切ることができる。
【0034】
混合チャンバ(400)は、ドラバルノズルと呼ばれる先端部を形成する。先端部は、可変断面を有する直線ダクトによって形成され、先細部(410)とそれに続く末広部(420)とからなり、これら2つの部(410、420)の間に狭窄部(430)を有する。チャンバを長手方向に通過する管状体積は、完全に解放されており、混合流体の流れを制限することがあるいかなる障害物及び部材もない。
【0035】
先細部(410)は、上記副ダクト(301~305)の開口部とこの先細環状ゾーン(411)の壁との間にいかなる障害物又は壁もなしに、環状ゾーン(411)が、それぞれ、副ダクト(301~305)の軸(311、312)の延長上にあるように構成されている。先細部(410)によって画定される切頭円錐形体積は、中空体積を形成するために障害物もなく、その中に、横断面(306)によって画定される上流基部において、主空気供給チャネル(1)と、主空気供給チャネル(1)の軸に対して非ゼロ角度で配向された副液体ダクト(301~305)とが開口し、それにより、これらの副液体ダクト(301~305)の開放水噴流は、狭窄部分の上流で混合チャンバの先細部(410)の表面に向かって直接配向される。
【0036】
この構成は、液体噴流が先細部(410)の表面に衝突し、気相の噴流内の中心ベイン内に発射された液滴流を霧化し、先端部の末広部(420)内のネック(430)を通して中心ベインによって駆動される前に先細部(410)内に乱流を生成するのに不可欠であり、これはドラバルノズル構成と呼ばれる。この末広部(420)もまた、フレア状切頭円錐形状であり、完全に中空であり、先細-末広混合チャンバを通過するベインを全体的又は部分的に妨害し得るいかなる障害物又は部分もない。
【0037】
この先細-末広混合チャンバは、ノズルの外側から来る空気のいかなる通路もなしに、封止された様式で接続された変形可能な先端部内に直接開口している。
【0038】
変形可能な先端部の詳細な記述
図5~
図10は、可動ジョーのシステムを有する、少なくとも1つの液相と気体との混合物を含む二相噴流のための変形可能なノズルデバイスに関する。ノズルの端部の変形は、異なる形状、粒径及び噴霧距離の噴流を有することを可能にする。
【0039】
この変形可能なノズルデバイスは、上記のノズルに対する補完物を構成する。しかしながら、変形可能なノズルデバイスは、加圧下での二相混合発生器の他の解決策、特に、先行技術から既に市販されているか又は知られている解決策にも適合することができる。
【0040】
図4は、そのようなノズル先端部の例示的な実施形態の概略図を示す。それは、変形可能なスリーブ(500)を備え、
図5及び
図6は、それぞれ、それらの開位置及び挟持位置の図を表している。この変形可能なスリーブ(500)は、2つの固定ジョー(510、520)と、制御ピストン(531、541)によって作動される2つの可動ジョー(530、540)との間に配置される。固定ジョー(510、520)及び可動ジョー(530、540)は、先に記載のノズル又はスリーブ(500)の入口の直径に近い直径のベインを有する、加圧下で二相噴流を放散させるためのノズルに適合させることができる剛性基部(550)に固定されている。スリーブ(500)の変形は、2つの可動ジョー(530、540)の角度変位によって達成され、その後方端部は、それぞれ、基部(550)及び固定ジョー(510、520)の後方端部を通過する横軸(531、541)に対して枢動することを可能にするように関節接合されている。
【0041】
その出口において、スリーブ(500)は、円形形状と平坦形状との間の可変構成を形成し、2つの横方向リップを形成するスリーブの縁部によって画定された小さな高さのスロット(501)を有する。スリーブ(501)の前方端部は、可動ジョー(530、540)の内側形状と一致する。
【0042】
固定ジョー(510、520)の前方部分は、平行な横断面に配向された一連の細溝部(512、522)を有する。これらの細溝部(512、522)は、可動ジョー(530、540)の前方部分に設けられた、平行な横断面に配向された相補的な隆起部(532、542)の間に挟まれて、可動ジョー(530、540)の角度変位時に誘導を提供し、スリーブ(500)の構成を変更する。
【0043】
気体と液体の混合物からなる噴流は、スリーブが挟持されている(可動ジョー(530、540)が閉じている)か、開位置にある(可動ジョー(530、540)が離間している)かによって異なる流体特性を有する。
【0044】
粒子サイズはより微細であり、噴流の開口円錐角度は、出口が挟持されるときにより開いている。
【0045】
開位置又は挟持位置における幾何学的構成は、円形形状又は挟持形状に限定されず、他の形態をとってもよい。
【0046】
図5に示すスリーブ(500)は、可撓性材料、例えば、ネオプレン、天然ゴム、若しくは可撓性ポリマー、それともゴム被覆布地で作られた部品によって構成されている。それは、出口(501)上に開口する変形可能な管状部分によって延在されたネック(502)を有する。他方の側部では、ネック(502)は、基部(503)上に載置され、ノズル又は継手の前面との封止接合を確実にする。
【0047】
スリーブ(500)の前方部分(501)は、2つの直径方向に対向する突出部(504、505)を有する。それらは、2つの可動ジョー(530、540)の前方内面に設けられた相補的なキャビティ(535、545)内での前方部分(501)の固定を可能にする。
【0048】
可動ジョー(530、540)の後方部分は、可動ジョー(530、540)の傾斜を制御するために接続ロッド(531、541)の端部が押圧する、傾斜した傾斜部(536、546)を有する。
【0049】
図8~
図10は、組み立て中の先端部を示す。剛性基部(550)は、例えば、クイックカップリングを使用して封止された組立体を可能にするために、ノズルの後方表面と相補的な後方表面を有する。
【0050】
基部(550)は、接続ロッド(531、541)の通過を可能にするために、直径方向に対向する2つのノッチ(551、552)を有する。
【0051】
剛性基部(550)と可動ジョー(530、540)との間の組み立ては、横軸(537、547)によって達成される。
【0052】
多機能制御ハンドル
図11は、可変形状を有する先端部、特に上述の本発明による可変形状先端部と関連付けられた、二相噴流を生じさせるノズル、特に上記の本発明によるノズルを備えるシステムを使用する二相噴流放散組立体の図を示す。
【0053】
放散組立体は、本体(700)を含み、その中に、二相噴流生成ノズル、例えば、本発明によるノズルが封入される。この本体(700)は、その後方部分に、供給管(600)継手(601)を接続するための基部(701)を有する。前方において、本体(700)は、噴流成形先端部、例えば、先に記載の変形可能な先端部を封入する副本体(702)によって延在されている。この副本体(702)は、出口オリフィス(710)によって切断された前方プレート(708)を有する。
【0054】
本体(700)には、本体(700)を消火すべき火の方向に向けて保持するための固定ハンドル(703)が設けられている。それは、電気的機能、例えば、加圧空気生成タービンの使用又は加圧酸素供給弁の開放を制御するための側部ボタン(709)を有する。
【0055】
本体(700)は、オペレータが悪臭のある環境又は煙が充満した環境で作業を継続することを可能にするために、オペレータが携帯する保護マスクの酸素又は呼吸可能な空気の供給管の接続を可能にするコネクタ(704)を有する。
【0056】
本体(700)及び/又は副本体(702)は、付属品、例えば、懐中電灯又はカメラを取り付けるためのレール(706、707)を更に含む。
【0057】
最後に、本体(700)は、出口噴流の構成を制御する伝達部材を作動させる傾斜ハンドル(705)を備える。上記の本発明による変形可能な先端部の場合、伝達部材は、傾斜ハンドル(705)によって駆動されるカムによって作動される2つの接続ロッド(531、541)によって構成される。ピボット(715)は、傾斜ハンドル(705)と本体(700)との間の関節接合接続を提供する。
【0058】
この多機能ハンドルは、オペレータが、火災に向かって進み、非常に直観的な様式で二相噴流の異なるパラメータに作用することを可能にする。このハンドルの動作は、断面図を表す
図12によって例示されている。
【0059】
このメカニズムは、偏心横断ピボット(721)に対して回転するように関節接合されたカム(720)を備える。カム(720)の外面(722)は、上記可動ジョー(530、540)の前方端部の締め付け、又はハンドルを解放することによる緩みを制御するために、接続ロッド(531、541)が当接するピストン(730)を押す。
【0060】
これにより、カム(720)の枢動は、気体及び/又は液体チャネルの開口部と同期して、変形可能なノズルのジョー(620、540)を介してノズル形状を位置決めする役割を果たす。
【0061】
弁は、カムトラック(740)を介して制御される(例えば、左側側部が気体を操縦し、他方の側部が水を操縦する)。全体は、ハンドル(705)によって作動され、したがって、調節は必要ではなく、全ての開放/閉鎖/流量及び噴流成形シーケンスは、ハンドル(705)の異なる位置によって「プログラム」される。
【国際調査報告】