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特表2023-547775プライミングペン事象と治療ペン事象とを判別するための薬剤注射ペン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】プライミングペン事象と治療ペン事象とを判別するための薬剤注射ペン
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/172 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
A61M5/172 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519530
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-28
(86)【国際出願番号】 US2021057250
(87)【国際公開番号】W WO2022098575
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,295
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ローレン・フルービー・ジェプソン
(72)【発明者】
【氏名】レア・ジーグラー
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066FF05
4C066QQ82
(57)【要約】
本出願は、プライミング投与と患者への治療投与の注射とを判別することができる薬剤注射ペンなどの薬剤送達デバイスに関する。一態様では、薬剤注射デバイスは、薬剤のカートリッジを収容するように構成されたチャンバを有するハウジングと、薬剤の用量を設定し、カートリッジから分配するように構成された用量設定分配機構と、を含む。デバイスはまた、薬剤用量の分配体積、及び薬剤用量が分配された時間を、ペン事象として検出及び記録するように構成されたロギングモジュールを含み得る。デバイスは、ペン事象を治療ペン事象又はプライミングペン事象として識別する履歴ユーザデータに少なくとも部分的に基づいて、プライミング用量と関連付けられたペン事象と治療用量と関連付けられたペン事象とを判別するように構成された用量判別器を更に含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤注射ペンからの薬剤のプライミング用量の分配と治療用量の分配とを判別するための方法であって、
ユーザによる薬剤注射ペンからの薬剤の用量の分配と関連付けられたペン事象の発生を識別することであって、前記ペン事象の各々が、分配される薬剤の体積、及び前記薬剤の体積が分配される時間を指定する、識別することと、
前記ユーザの以前の投薬パターンの挙動に少なくとも部分的に基づいて、プライミング用量と関連付けられた識別されたペン事象と、治療用量と関連付けられた識別されたペン事象とを判別することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、プライミングペン事象又は治療ペン事象として手動で分類されているペン事象を含む履歴ユーザデータを検査する機械学習技法を使用して識別される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械学習技法は、決定木、ロジスティック回帰、ベイズ分析、及びカルマンフィルタからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動に適合しない異常ペン事象を識別することと、前記識別された異常ペン事象の手動ユーザ分類を要求することと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記判別することは、分配された用量の体積及び/又は連続する分配された投与間の時間のうちの1つ以上の調整可能な閾値を確立することを含み、前記調整可能な閾値は、プライミングペン事象と治療ペン事象との間で使用され、前記調整可能な閾値は、前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、前記ユーザが、治療用量を分配する前にプライミング用量を定期的に分配することを示し、それに基づいて、前記調整可能な分配体積閾値及び/又は前記調整可能な時間閾値を増加させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、プライミングペン事象と治療ペン事象との間に一貫した時間量があることを示し、それに基づいて、前記時間閾値を低減する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記時間閾値を低減することは、前記時間閾値をデフォルト時間閾値未満に低減することを含み、ペン事象が前記デフォルト時間閾値を使用して治療ペン事象として分類されるが、前記低減された時間閾値を使用してプライミングペン事象として分類される場合、前記ペン事象が治療ペン事象であるというユーザ確認を要求することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、プライミング用量の体積が以前のプライミングペン事象に対して前記ユーザについて一貫していることを示し、それに基づいて、前記調整可能な分配体積閾値が前記プライミング用量の前記体積よりも大きくなるように前記調整可能な分配体積閾値を調整する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、プライミング用量の体積が以前のプライミングペン事象に対して前記ユーザについて一貫している用量であることを示し、それに基づいて、分配用量の体積がデフォルト体積閾値未満であるが、前記一貫した用量を上回るというユーザ確認を要求する、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、プライミング用量の体積が指定された時刻について一貫していることを示し、それに基づいて、前記指定された時刻について前記調整可能な分配体積閾値を調整する、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、プライミングペン事象が1日当たり1回発生することを示し、それに基づいて、所与の日に発生する任意の残りのペン事象が治療ペン事象であると仮定する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、使い捨て薬剤注射ペンが最初に使用されるときにプライミングペン事象が1回だけ発生することを示し、それに基づいて、前記使い捨て薬剤注射ペンと関連付けられた任意の残りのペン事象が治療ペン事象であると仮定する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動は、前記薬剤注射ペン内の薬剤カートリッジが交換カートリッジと交換されたときにのみプライミングペン事象が発生することを示し、それに基づいて、前記交換カートリッジを使用している間に発生する第1のペン事象以外の任意のペン事象が治療ペン事象であると仮定する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
統計モデルを使用して前記ユーザの前記以前の投薬パターンの挙動を判定することと、分配用量の予測体積及び分配用量間の予測時間を生成することと、を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項16】
前記分配用量の予測体積及び前記分配用量間の予測時間に少なくとも部分的に基づいて、前記調整可能な閾値を確立することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
ユーザ治療処置を監視するために、前記治療用量と関連付けられたペン事象を記録及び追跡することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記監視することに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ治療処置を調整することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
薬剤注射デバイスであって、
薬剤のカートリッジを収容するように構成されたチャンバを有するハウジングと、
前記薬剤の用量を設定し、前記カートリッジから分配するように構成された用量設定分配機構と、
薬剤用量の分配体積、及び前記薬剤用量が分配された時間を、ペン事象として検出及び記録するように構成されたロギングモジュールと、
ペン事象を治療ペン事象又はプライミングペン事象として識別する履歴ユーザデータに少なくとも部分的に基づいて、プライミング用量と関連付けられたペン事象と治療用量と関連付けられたペン事象とを判別するように構成された用量判別器と、を備える、薬剤注射デバイス。
【請求項20】
薬剤注射デバイスであって、
薬剤のカートリッジを収容するように構成されたチャンバ、及び薬剤を針に送達するように構成された出口を有する、ハウジングと、
前記針を覆い、かつ露出させるように構成された取り外し可能なキャップと、
前記薬剤の用量を設定し、前記カートリッジから分配するように構成された用量設定分配機構と、
薬剤用量の分配体積、及び前記薬剤用量が分配された時間を、ペン事象として検出及び記録するように構成されたロギングモジュールと、
前記キャップが取り外され、それによって前記針が露出している間の持続時間を識別するために、キャップ取り外し事象及びキャップ交換事象を判定するように構成されたセンサと、
前記キャップが取り外されている間の前記持続時間に少なくとも部分的に基づいて、プライミング投与と関連付けられたペン事象と治療用量と関連付けられたペン事象とを判別するように構成された用量判別器と、を備える、薬剤注射デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年11月5日に出願された「PRIMING DETECTION AND QUANTIFICATION」と題した米国特許仮出願第63/110,295号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、薬剤送達デバイスから薬剤を注射するときに薬剤投薬情報を取得するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、プライミング投与と患者への治療投与の注射とを判別することができる薬剤注射ペンなどの薬剤送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
真性糖尿病は、膵臓が十分なインスリンを作ることができない(I型若しくはインスリン依存性)、かつ/又はインスリンが有効ではない(2型若しくは非インスリン依存性)障害である。糖尿病の状態において、被害者は高血糖に悩まされ、それは、微小血管の悪化と関連付けられる多くの生理学的な障害、(例えば、腎不全、皮膚潰瘍、又は眼球の硝子体液への出血)を引き起こし得る。低血糖反応(低血糖)は、インスリンの不注意な過剰投与によって、又は異常な運動若しくは不十分な食物摂取を伴うインスリン若しくはグルコース低下剤の正常な投与後に誘導され得る。
【0004】
在宅糖尿病治療は、ユーザの個人的な自己管理、医師からの適切な教育、時には有害な状況下での積極的な挙動、自分の系統へのインスリン及びグルコースの供与の種類及び量を含む、適切な治療決定を判定するための患者の計算を必要とし、ヒューマンエラーにさらされる。
【0005】
インスリン強化糖尿病患者が直面する基本的な問題は、彼らが投与するインスリンの量を適切に定量化する必要があることである。この投薬情報は、意思決定支援、開ループ及び閉ループ自動インスリン送達などの分野において重要である。
【0006】
毎日複数回の注射又はMDIを受けている患者の場合、インスリンを送達するためにインスリンペンが一般に使用される。場合によっては、これらのペンは、様々な程度の「スマートさ」、又はむしろ計算能力及び接続性を有する。
【0007】
関連する問題は、シリンジのようなペンは、一般に、患者に注射する前に気泡がないことを確実にするために「プライミング」を必要とすることである。しかしながら、スマートペンの場合、リザーバから分配されたインスリンの量が「プライミング」によるものであるか、又は注射された用量によるものであるかが明確でない場合がある。この曖昧さは望ましくなく、有害な結果をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0008】
本原理によるシステム及び方法は、いくつかの態様では、薬剤注射ペンからのプライミング用量の分配と治療用量の分配とを判別することによって、前述の問題に対処する。
【0009】
一態様は、薬剤注射ペンからの薬剤のプライミング用量の分配と治療用量の分配とを判別するための方法であって、ユーザによる薬剤注射ペンからの薬剤の用量の分配と関連付けられたペン事象の発生を識別することであって、ペン事象の各々は、分配される薬剤の体積及び薬剤の体積が分配される時間を指定する、識別することと、ユーザの以前の投薬パターンの挙動に少なくとも部分的に基づいて、プライミング用量と関連付けられた識別されたペン事象と、治療用量と関連付けられた識別されたペン事象とを判別することと、を含む、方法である。
【0010】
上記の方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、プライミングペン事象又は治療ペン事象として手動で分類されているペン事象を含む履歴ユーザデータを検査する機械学習技法を使用して識別される。上記の方法において、機械学習技法は、決定木、ロジスティック回帰、ベイズ分析、及びカルマンフィルタからなる群から選択される。上記の方法は、ユーザの以前の投薬パターンの挙動に適合しない異常ペン事象を識別することと、識別された異常ペン事象の手動ユーザ分類を要求することと、を更に含む。
【0011】
上記の方法では、判別することは、分配された用量の体積及び/又は連続する分配された投与間の時間のうちの1つ以上の調整可能な閾値を確立することを含み、調整可能な閾値は、プライミングペン事象と治療ペン事象との間で使用され、調整可能な閾値は、ユーザの以前の投薬パターンの挙動に少なくとも部分的に基づく。上記の方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、ユーザが、治療用量を分配する前にプライミング用量を定期的に分配することを示し、それに基づいて、調整可能な分配体積閾値及び/又は調整可能な時間閾値を増加させる。
【0012】
上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、プライミングペン事象と治療ペン事象との間に一貫した時間量があることを示し、それに基づいて、時間閾値を低減する。上記方法では、時間閾値を低減することは、時間閾値をデフォルト時間閾値未満に低減することを含み、方法は、ペン事象がデフォルト時間閾値を使用して治療ペン事象として分類されるが、低減された時間閾値を使用してプライミングペン事象として分類される場合、ペン事象が治療ペン事象であるというユーザ確認を要求することを更に含む。
【0013】
上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、プライミング用量の体積が以前のプライミングペン事象に対してユーザについて一貫していることを示し、それに基づいて、調整可能な分配体積閾値がプライミング用量の体積よりも大きくなるように調整可能な分配体積閾値を調整する。上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、プライミング用量の体積が以前のプライミングペン事象に対してユーザについて一貫している用量であることを示し、それに基づいて、分配用量の体積がデフォルト体積閾値未満であるが一貫した用量を上回るというユーザ確認を要求する。
【0014】
上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、プライミング用量の体積が指定された時刻について一貫していることを示し、それに基づいて、指定された時刻について調整可能な分配体積閾値を調整する。上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、プライミングペン事象が1日当たり1回発生することを示し、それに基づいて、所与の日に発生する任意の残りのペン事象が治療ペン事象であると仮定する。上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、使い捨て薬剤注射ペンが最初に使用されるときにプライミングペン事象が1回だけ発生することを示し、それに基づいて、使い捨て薬剤注射ペンと関連付けられた任意の残りのペン事象が治療ペン事象であると仮定する。
【0015】
上記方法では、ユーザの以前の投薬パターンの挙動は、薬剤注射ペン内の薬剤カートリッジが交換カートリッジと交換されたときにのみプライミングペン事象が発生することを示し、それに基づいて、交換カートリッジを使用している間に発生する第1のペン事象以外の任意のペン事象が治療ペン事象であると仮定する。上記方法では、統計モデルを使用してユーザの以前の投薬パターンの挙動を判定することと、分配用量の予測体積及び分配用量間の予測時間を生成することと、を更に含む。
【0016】
上記方法は、分配用量の予測体積及び分配用量間の予測時間に少なくとも部分的に基づいて、調整可能な閾値を確立することを更に含む。上記方法は、ユーザ治療処置を監視するために、治療用量と関連付けられたペン事象を記録及び追跡することを更に含む。上記方法は、監視することに少なくとも部分的に基づいてユーザ治療処置を調整することを更に含む。
【0017】
別の態様は、薬剤注射デバイスであって、薬剤のカートリッジを収容するように構成されたチャンバを有するハウジングと、薬剤の用量を設定し、カートリッジから分配するための用量設定分配機構と、薬剤用量の分配体積、及び薬剤用量が分配された時間を、ペン事象として検出及び記録するように構成されたロギングモジュールと、ペン事象を治療ペン事象又はプライミングペン事象として識別する履歴ユーザデータに少なくとも部分的に基づいて、プライミング用量と関連付けられたペン事象と治療用量と関連付けられたペン事象とを判別するように構成された用量判別器と、を備える、薬剤注射デバイスである。
【0018】
別の態様は、薬剤注射デバイスであって、薬剤のカートリッジを収容するように構成されたチャンバ、及び薬剤を針に送達するように構成された出口を有するハウジングと、針を覆い、かつ露出させるように構成された取り外し可能なキャップと、薬剤の用量を設定し、カートリッジから分配するための用量設定分配機構と、薬剤用量の分配体積、及び薬剤用量が分配された時間を、ペン事象として検出及び記録するように構成されたロギングモジュールと、キャップが取り外され、それによって針が露出している間の持続時間を識別するために、キャップ取り外し事象及びキャップ交換事象を判定するように構成されたセンサと、キャップが取り外されている持続時間に少なくとも部分的に基づいて、プライミング投与と関連付けられたペン事象と治療用量と関連付けられたペン事象とを判別するように構成された用量判別器と、を備える、薬剤注射デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】連続グルコースセンサと、センサデータを処理及び表示するための受信機と、手持ち式薬剤注射ペンと、任意選択の単一点グルコース監視デバイスと、を含む、実施形態の一体型システムのブロック図である。
図2A】一実施形態における、完全に埋め込み可能な連続グルコースセンサの斜視図である。
図2B】一実施形態における、連続グルコースセンサの生体内部分の斜視図である。
図2C】一実施形態における、図2Bの連続グルコースセンサの線2C-2Cに沿った断面図である。
図2D】一実施形態における、2つの作用電極を含む連続グルコースセンサの生体内部分の斜視図である。
図2E】一実施形態における、静脈/動脈に埋め込まれた連続グルコースセンサを図示する。
図3】手持ち式薬剤注射ペンハウジング上のLCD画面を示す、一実施形態における一体型システムの斜視図である。
図4】手持ち式薬剤注射ペンハウジング上のLCD画面を示す、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図5】手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成されたハウジングを示し、ハウジングがその上にLCD画面を含む、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図6】手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成されたハウジングを示し、ハウジングはその上にLCD画面を含む、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図7】手持ち式薬剤注射ペン、受信機、一体型電子機器、及びユーザインターフェースを受容するように構成されたハウジングを示す、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図8】手持ち式薬剤注射ペン、受信機、一体型電子機器、及びその中に一体的に形成及び/又は組み込まれたユーザインターフェースを示す、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図9】受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる手持ち式薬剤注射ペンを含む、受信機ハウジングを示す、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図10】受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる手持ち式薬剤注射ペンを含む、受信機ハウジングを示す、別の実施形態における一体型システムの斜視図である。
図11】受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、及び手持ち式薬剤注射ペンを含む一体型ハウジングを示し、ハウジングが手持ち式薬剤注射ペン用のキャップを更に含む、一体型システムの斜視図である。
図12】受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、及び手持ち式薬剤注射ペンを含む一体型ハウジングを示し、ハウジングがキャップを更に含む、一体型システムの斜視図である。
図13】一実施形態における一体型電子機器を図示するブロック図である。
図14】一実施形態において、例えば、LCD画面上に表示することができる総合データのグラフ表現である。
図15】一実施形態における、薬剤送達の前に治療命令を検証するプロセスを図示するフローチャートである。
図16】一実施形態における、一体型センサ及び手持ち式薬剤注射ペンを使用して、適応代謝制御を提供するプロセスを図示する、フローチャートである。
図17】一実施形態における、連続グルコースセンサ及び複数の手持ち式薬剤注射ペンを含む、一実施形態における、一体型システムを図示するブロック図である。
図18】一実施形態における、複数の連続グルコースセンサ及び手持ち式薬剤注射ペンを含む、一実施形態における一体型システムを図示するブロック図である。
図19】一実施形態における、連続グルコースセンサ、受信機、基礎薬剤送達デバイス及びボーラス薬剤送達デバイスを含む、一実施形態における、一体型システムを図示するブロック図である。
図20a】1人の特定の患者又はユーザのペン事象データを示す。
図20b】1人の特定の患者又はユーザのペン事象データを示す。
図20c】1人の特定の患者又はユーザのペン事象データを示す。
図21a】異なる患者又はユーザについての図20a、図20b、及び図20cと同じ形式のプロットである。
図21b】異なる患者又はユーザについての図20a、図20b、及び図20cと同じ形式のプロットである。
図22c】異なる患者又はユーザについての図20a、図20b、及び図20cと同じ形式のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の記載及び実施例は、開示された発明のいくつかの例示的な実施形態を詳細に例示する。当業者は、本発明の範囲によって包含される本発明の多くの変化形及び修正形があることを認識するであろう。したがって、ある特定の例示的な実施形態の記載は、本発明の範囲を制限するとみなされるべきではない。
【0021】
定義
実施形態の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「アルゴリズム」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、例えばコンピュータ処理を使用して、ある状態から別の状態へと情報を変換するのに関与する計算プロセス(例えば、プログラム)を指すが、これに限定されない。
【0023】
本明細書で使用される場合、「基礎」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、何かが機能するために最低必要率又はその他の値を指すが、これに限定されない。例えば、薬剤治療の場合、「基礎率」という用語は、限定されるものではないが、24時間の期間を通してなど、低レベルの薬剤の定期的な(例えば、固定された時間の間/固定された時間において定期的にスケジュールされるなど、固定された順序又は処置に従って)、周期的又は連続的な送達を指し得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「基礎プロファイル」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、限定されないが、1つ以上の時間のブロック(例えば、時間ブロック)を含む薬剤送達スケジュールを指し、各ブロックは最大薬剤送達率と関連付けられる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「生物学的サンプル」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、例えば、血液、間質液、脊髄液、唾液、尿、涙、汗、又は同様のものなどのホストの体のサンプルを指すが、これに限定されない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ボーラス」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、通常、短い一定期間に投与される、単回の薬剤用量を指すが、これに限定されない。1つの例示的な実施形態では、薬剤のボーラスは、概ね食事中/食後に生じる上昇などの血中グルコースの予想される上昇をカバーするのに十分であるように計算及び/又は推定される。
【0027】
本明細書で使用される場合、「連続(又は継続的)分析物感知」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、分析物濃度の監視を連続的、継続的、及び又は間欠的(規則的又は不規則的)、例えば、約5~10分の間隔で行う期間を指すが、これに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される場合、「連続グルコース感知」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、血漿グルコース濃度の監視が、例えば、1秒未満から最大で例えば、1、2、又は5分以上に及ぶ時間間隔で、連続的又は継続的に実施される期間を指すが、これに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「カウント」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、デジタル信号の測定の単位を指すが、これに限定されない。例えば、カウントで測定された生データストリーム又は生データ信号は、作用電極からの電流に直接関連する(例えば、A/Dコンバータによって変換される)電圧に直接関連する。
【0030】
本明細書で使用される場合、電気化学反応性表面」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、電気化学反応が起こる電極の表面を指すが、これに限定されない。例えば、作用電極は、検出された分析物の酵素触媒反応によって産出され、反応して電流を創出する過酸化水素を測定する。グルコース分析物は、副産物としてHを産出するグルコースオキシダーゼを利用して検出することができる。Hは、作用電極の表面と反応して、2つのプロトン(2H)、2つの電子(2e)、及び1つの酸素分子(O)を産出し、これが、検出される電子電流を産出する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「電子接続」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、当業者に既知のあらゆる電子接続を指すが、これらに限定されない。1つの例示的な実施形態において、接続は、感知領域電極と、機械的(例えば、ピン及びソケット)又ははんだ付けされた電子接続などの電気通信を提供するデバイスの電子回路との間である。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ホスト」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、哺乳類、特にヒトを指すが、これらに限定されない。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ホスト情報」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、連続グルコースセンサ、薬剤送達デバイス、及び/又は薬剤治療を受けるなど、実施形態の一体型システムを使用する患者などのホストに関連する情報を指すが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬剤は、インスリン又は別の注射可能な糖尿病薬剤、例えば、プラムリンチド、エキセナチド、アミリン、グルカゴン、及び同様のものであるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ホスト情報は、限定ではないが、ホスト識別番号及び/又はコード、ホスト身体的特徴、ホスト健康情報(例えば、健康状態、疾患、疾病)、ホスト運動情報、限定ではないが、ホストが受け取るべき1種類以上の薬剤及び/又は標的グルコース濃度、アラーム、アラート及び/又は命令を含む、ホストに割り当てられた薬剤治療プロトコルなどの治療プロトコルなど、限定ではないが、(例えば、臨床背景における)ホストを識別するのに使用される情報など、ホスト及びその治療に関する情報を含むが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書で使用される場合、「一体型」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、プロセス又は機能を一緒にまとめることを指すが、これに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される場合、「問い合わせる」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、データ又は情報を(デバイス、データベースなど)から取得するために適切な応答をトリガするための信号を(例えば、トランスポンダとして)与える又は送出することを指すが、これに限定されない。
【0036】
本明細書で使用される場合、「薬剤治療」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、ホストに送達される薬剤の同一性、量及び/又はスケジュールを指すが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬剤は、注射用に製剤化された糖尿病を処置する薬剤であり、例えば、インスリン、プラムリンチド、エキセナチド、アミリン、グルカゴン、それらの誘導体、及び同様のものであるが、これらに限定されない。他の実施形態において、薬剤は、別の疾患を処置するためのものであり、注射用に製剤化される。
【0037】
本明細書で使用される場合、「動作可能に接続される」、「動作可能に結合される」、「操作可能に接続される」及び「操作可能に結合される」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、1つ以上の構成要素に結合された1つ以上の他の構成要素を指すが、これに限定されない。これらの用語は、機械的接続、電気的接続、又は構成要素間の信号の送信を許容する接続(例えば、無線接続を含む)を指すことができる。例えば、1つ以上の電極を使用して、サンプル内の分析物の量を検出し、その情報を信号に変換することができ、次いで、信号を回路に伝送することができる。そのような例では、電極は電子回路に「操作可能に連結」される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「プロセッサモジュール」及び「プロセッサ」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、コンピュータを駆動する基本命令に応答して処理する論理回路を使用して算術又は論理演算を実行するように設計されたコンピュータシステム、ステートマシン、プロセッサ、又は同様のものを指すが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、プロセッサという用語は、記憶装置、例えば、ROM及びRAMを含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、「範囲」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、限界(例えば、最大値及び最小値)間のシーケンス、シリーズ、又はスケールを指すが、これらに限定されるものではない。例えば、グルコース濃度の範囲は、60mg/dl~200mg/dlのグルコース濃度を含むことができる。別の例では、薬剤送達速度の範囲は、約0.01U/時~約40U/時の速度を含むことができる。いくつかの実施形態では、範囲は単一の値である。
【0040】
本明細書で使用される場合、「センサ」、「感知領域」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、分析物を定量化することができるデバイスの構成要素又は領域を指すが、これらに限定されない。
【0041】
本明細書で使用される「平滑化」及び「フィルタリング」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、例えば、移動平均を実施することによって、データのセットをより平滑若しくは連続的なものにするか、又は異常点を除去若しくは軽減するようなデータのセットの修正を指すが、これに限定されない。
【0042】
本明細書で使用される場合、「単一点グルコースモニタ」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、単一の時点でホスト内のグルコース濃度を測定するために使用することができるデバイス、例えば、フィンガースティック血中グルコースメータを指すが、これに限定されない。単一点グルコースモニタは、複数のサンプル(例えば、血液又は間質液)を測定することができるが、一度に測定されるサンプルは1つだけであり、典型的には、何らかのユーザ開始及び/又は対話を必要とすることを理解されたい。
【0043】
本明細書で使用される場合、「標的範囲」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、ホストがその血糖を維持しようとするグルコース濃度の範囲を指すが、これに限定されない。一般に、標的範囲は、正常血糖であると考えられるグルコース濃度の範囲である。正常血糖グルコース濃度については、「プログラミング及び処理」と題するセクションで詳細に考察する。
【0044】
本明細書で使用される場合、「治療命令」という用語は、広義の用語であり、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に与えられるものであり(かつ特別な、又はカスタマイズされた意味に限定されるものではなく)、限定されないが、送達される薬剤の量及び/又は薬剤送達の時間を含む、ホストに薬剤治療を送達するための、薬剤注射ペン又は薬剤ポンプなどの薬剤送達デバイスへの命令を指すが、これらに限定されない。
【0045】
本明細書で使用される「実質的な」及び「実質的に」という用語は、広義の用語であり、当業者にとって通常の慣習的な意味を与えられるものであり(特別な又はカスタマイズされた意味に限定されるものではない)、限定することなく、所望の機能を提供する十分な量を指す。いくつかの実施形態では、「実質的に」という用語は、50パーセントを超える量、60パーセントを超える量、70パーセントを超える量、80パーセントを超える量、及び/又は90パーセントを超える量を含む。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、実質的に時間対応するセンサデータに実質的に隣接して、ユーザインターフェース上に薬剤送達の表現を表示するように構成され、「実質的に隣接する」とは、例えば、関連付けを創出するために、関連データに十分に近い又は近い場所を指す。
【0046】
概要
図1は、連続グルコースセンサ12と、センサデータを処理及び表示するための受信機14と、薬剤送達デバイス16と、任意選択で、単一点グルコース監視デバイス18と、を含む、実施形態の一体型システム10のブロック図である。実施形態の一体型糖尿病管理システム10は、改善された利便性及び精度を提供し、したがって、ホスト8は、彼らの疾患のケアにおける改善された利便性、機能性、及び安全性が与えられる。
【0047】
図1は、グルコースの濃度、又はグルコースの濃度若しくは存在を示す物質を測定する連続グルコースセンサ12を示す。いくつかの実施形態では、グルコースセンサ12は、本明細書の他の箇所に記載されているように、例えば皮下、経皮、又は血管内デバイスなどの侵襲性、低侵襲性、又は非侵襲性のデバイスである。いくつかの実施形態においては、センサ12は、複数の断続的な生体サンプルを分析することができる。グルコースセンサは、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、分光光度的、偏光的、熱量測定的、放射測定的、又は同様のものを含む、任意のグルコース測定方法を使用することができる。代替実施形態では、センサ12は、体内の分析物、例えば、酸素、ラクターゼ、インスリン、ホルモン、コレステロール、薬剤、ウイルス、又は同様のもののレベルを判定することができる任意のセンサであり得る。グルコースセンサ12は、任意の既知の方法を使用して、グルコースの濃度を示す出力信号を提供する。出力信号は、典型的には、例えば、測定されたグルコース濃度の有用な値を患者又は医師に提供するために使用される生データストリームである。
【0048】
生データストリームを受信して、以下に詳細に説明するようにホストに対して意味のあるグルコース値を較正、検証、及び表示することを含む、処理を行う受信機14が提供される。受信機は、センサと無線通信するように示されているが、受信機は、センサ及び/又はセンサ電子機器に物理的に接続され、かつ/又は薬剤送達デバイス及び/又は単一点モニタ内に収容され、それによって、無線接続を除去することができる。薬剤送達デバイス16は、一体型システム10の一部として更に提供される。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイス16は、薬剤(例えば、インスリン)を注射するための薬剤注射ペン又はジェット式注射器である。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイス16は、薬剤注入(例えば、インスリン)のための、注入ポンプとも称される薬剤送達ポンプである。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン及び注入ポンプの両方を、本明細書の他の場所でより詳細に説明されるように、1種類上の薬剤をホストに送達するために使用する。いくつかの実施形態では、任意選択の単一点グルコースモニタ18は、例えば自己監視血中グルコースメータ(self-monitoring blood glucose meter、SMBG)、非侵襲性グルコースメータ、又は同様のものなど、一体型システム10の一部として更に提供され、受信機ハウジング及び/又は薬剤送達デバイスハウジング内に一体化されている。
【0049】
従来、これらのデバイスの各々は、糖尿病患者に有益な情報及び/又はサービスを別々に提供する。したがって、典型的な糖尿病患者は、多数の個々のデバイスを有し、それらを別々に追跡し、考慮する。場合によっては、これらの個々のデバイスによって提供される情報量は、各デバイスのニュアンス及び含意、例えば、送達する薬剤(例えば、インスリン)の種類及び量の複雑な理解を必要とし得る。典型的には、各個々のデバイスは、そこに提供されるデータと同様に機能する情報のサイロであり、したがって、デバイスが互いに通信することができるとき、強化された機能性及び安全性を実現することができる。例えば、連続グルコースモニタが単独で(例えば、デバイスによって収集されたもの以外のデータなしに)機能するとき、グルコースレベルの突然の変化が追跡されるが、センサデータの処理において完全に理解されず、予測されず、プリエンプトされず、又は別様に考慮されない場合があるが、連続グルコースセンサが、薬剤注射の時間、量、及び種類、消費されたカロリー、時間又は日、食事時間、又は同様のものに関する情報を提供されるとき、本明細書でより詳細に説明されるように、より意味のある、正確かつ有用なグルコース推定、予測、及び他のそのような処理を提供することができる。これらのデバイスを一体化することによって、各構成要素からの情報を活用して、連続グルコースセンサ及び他の一体型構成要素のインテリジェンス、提供される利益、利便性、安全性、及び機能性を増加させることができる。したがって、糖尿病患者がその疾患の処置において、これらの個々のデバイスを統合するのを助けるデバイスを提供することが有利であろう。
【0050】
センサ
実施形態は、対象の分析物の濃度又は分析物の濃度又は存在を示す物質を測定する分析物センサ12の使用に関する。いくつかの実施形態においては、センサは、例えば、皮下、経皮(例えば、経皮性)、又は血管内デバイスのような連続デバイスである。分析物センサは、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、分光光度的、偏光的、熱量測定的、放射測定的、又は同様のものを含む、任意の分析物感知の方法を使用することができる。
【0051】
分析物センサは、対象の分析物の濃度を示す出力信号を提供するために、侵襲的、低侵襲的、及び非侵襲的感知技法を含む任意の方法を使用することができる。ホストの分析物濃度と関連付けられる出力信号は、典型的には、デバイスを使用することができる患者又は医師などのユーザに対象の分析物の有用な値を提供するために使用される生信号である。したがって、適切な平滑化、較正、及び/又は評価方法を信号及び/又はシステム全体に適用して、関連する容認可能な推定分析物データをユーザに提供することができる。
【0052】
図2Aは、一実施形態における連続グルコースセンサ12、米国特許出願公開第2005/0245799号に記載されているような埋め込み可能なグルコースセンサを示し、その全体が参照により組み込まれる。この実施形態では、本体13及び感知領域は、電極及び膜12cを含む。センサ電子機器(図示せず)は、本体13内に位置する。感知領域内の、作用電極12a、参照電極12b、及び補助、対又は第2の作用電極12xを含むがこれらに限定されない3つの電極は、センサ電子機器に操作可能に接続され、感知膜12c及び任意選択でバイオインターフェース膜(図示せず)によって覆われており、これらは本明細書の他の場所で説明される。本体13は、センサ電子機器の周りに成形されたエポキシから形成されることが好ましいが、本体は、金属、セラミック、プラスチック、又はそれらの複合材料を含む様々な材料から形成することができる。全体が参照により組み込まれる米国特許第7,134,999号は、本体13に適した好適な構成を開示している。一実施形態では、感知領域12cは、例えば、白金作用電極12a、白金対電極12x、及び銀/塩化銀参照電極12bを含む3つの電極を備える。しかしながら、様々な電極材料及び構成を、実施形態の埋め込み可能なグルコースセンサと共に使用することができる。電極の上端は、検知膜と電極との間に配設された自由流動性の流体相である電解質相(図示せず)と接触している。一実施形態では、対電極12xは、作用電極において測定されている種によって生成される電流を平衡させるために提供される。グルコースオキシダーゼベースのグルコースセンサの場合、作用電極で測定されている種はHである。グルコースオキシダーゼは、以下の反応に従って、酸素及びグルコースの過酸化水素及びグルコン酸への変換を触媒する。
グルコース+O→グルコン酸+H
【0053】
グルコース分子が代謝されるごとに、生成物であるHが比例して変化するため、Hの変化を監視して、グルコース濃度を判定することができる。作用電極によるHの酸化は、周囲酸素、酵素によって生成されたH、又は対電極における他の還元可能な種の還元によってバランスがとられる。グルコースオキシダーゼ反応から産出されたHは、作用電極の表面において更に反応し、2つのプロトン(2H)、2つの電子(2e)、及び1つの酸素分子(O)を産出する。代替実施形態では、連続グルコースセンサは、Bonnecazeらの米国特許第6,579,690号又はSayらの米国特許第6,484,046号を参照して説明されるような連続グルコースセンサを含む。別の実施形態では、連続グルコースセンサは、Colvinらの米国特許第6,512,939号を参照して説明されるような再充填可能な皮下センサを含む。上記の特許及び/又は特許出願は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
図2Bは、別の実施形態における連続グルコースセンサを図示しており、グルコースセンサは、米国特許出願公開第2006/0020187(A1)号、米国特許出願公開第2006/0142651(A1)号、米国特許出願公開第2006/0270923(A1)号、米国特許出願公開第2007/0027370(A1)号、米国特許出願公開第2005/0143635(A1)号、米国特許出願公開第2007/0027385(A1)号、米国特許出願公開第2007/0213611(A1)号、及び米国特許出願公開第2008/0083617(A1)号により詳細に記載されており、これらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。図2Bは、一実施形態における、連続グルコースセンサ12の生体内部分の斜視図である。この実施形態では、センサの生体内部分は、少なくとも1つの作用電極12aと、基準電極12bと、感知膜12c(破線)と、を含む。1つの代替実施形態では、連続グルコースセンサは、Sayらの米国特許第6,565,509号、McIvorらの米国特許第6,360,888号、及び/又はMastrototaroらの米国特許第6,424,847号に記載されているようなグルコースセンサを含む。上記の特許及び/又は特許出願の全ては、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
図2Cは、線2C-2Cに沿った図2Bに示すセンサの断面図である。実施形態では、膜12c(例えば、バイオインターフェース及び/又は感知膜)は、限定されないが、グルコースオキシダーゼ(例えば、glucose oxidase、GOX)などの分析物を検出するように構成された酵素を有する、少なくとも酵素ドメイン12fを含む。いくつかの実施形態では、感知膜12cは、例えば、限定されないが、電極ドメイン12d、干渉ドメイン12e、抵抗ドメイン12j、細胞破壊ドメイン及び/又は細胞不透過性ドメインなどの、1つ以上の追加のドメインを含むことができる。追加のセンサ及び膜構成は、米国特許出願公開第2006/0020187(A1)号、米国特許出願公開第2005/0031689(A1)号、米国特許出願公開第2007/0027370(A1)号、米国特許出願公開第2006/0229512(A1)号、米国特許出願公開第2006/0253012(A1)号、米国特許出願公開第2007/0197890(A1)号、米国特許出願公開第2007/0244379号、及び米国特許出願公開第2007/0235331(A1)号に見出すことができ、これらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
図2Dは、別の実施形態における連続グルコースセンサ、米国特許出願公開第2007/0027385(A1)号、米国特許出願公開第2007/0213611(A1)号、及び米国特許出願公開第2008/0083617(A1)号、米国特許出願第7,366,556号、並びに2008年4月28日に出願され、「Dual Electrode System for a Continuous Analyte Sensor」と題された同時係属米国特許出願第12/111,062号に説明されるような、第1及び第2の作用電極(例えば、二重電極)を有するグルコースセンサを図示し、これらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、二重電極連続グルコースセンサは、第1の作用電極12a及び第2の作用電極12aと、参照電極12bと、膜システム(図示せず)とを含み、第1の作用電極の上に位置する膜は活性酵素を含み、第2の作用電極の上に位置する膜は酵素を含まないか、又は不活性酵素を含む。したがって、第1の作用電極によって検出される全信号は、分析物関連(例えば、グルコース)信号成分及び非分析物関連信号成分を含むが、第2の作用電極は、非分析物関連信号成分のみを含む信号を検出する。実質的に分析物のみの信号は、限定されないが、全信号(例えば、第1作用電極によって検出)から非分析物関連信号成分(第2作用電極によって検出)を減算することなどによって、アルゴリズム的に判定することができるが、それによって、実質的に「ノイズフリー」の分析物信号が提供される。
【0057】
図2Eは、更に別の実施形態における連続グルコースセンサを示し、連続グルコースセンサは、ホストの循環系に、ホストの循環系と流体連通して、かつ/又は体外循環デバイス内に埋め込むために構成されている。図2Eに示すように、いくつかの実施形態では、連続グルコースセンサ12は、ホストの静脈1204又は動脈に挿入されたカテーテル1201内に配設される。カテーテル1201は、ルアーロックなどのコネクタ1202を介してIVチューブ1203に取り付けられる。図2Eに図示される実施形態では、センサ12は、センサの感知部分がサンプルに露出するように、血液サンプルをカテーテル内腔に引き出すことによって、ホストの循環系(例えば、血液1205)のサンプルに露出される。いくつかの代替実施形態では、センサ12は、ホストの循環系と流体連通するIVチューブの流体コネクタ又は他の部分内に配設される。この実施形態では、血液サンプル中のグルコース濃度と関連付けられた信号の生成後、サンプルがカテーテルから排出され(例えば、循環系に戻され)、センサが洗浄され、較正される。追加の実施形態は、2006年10月4日に出願され、「Analyte Sensor」と題する同時係属米国特許出願第11/543,396号、2008年3月25日に出願され、「Analyte Sensor」と題する同時係属米国特許出願第12/055,114号、及び米国特許出願公開第2008/0108942(A1)号に更に詳細に記載されている。代替実施形態では、連続グルコースセンサは、Schulmanらの米国特許第6,477,395号を参照して記載されているような血管内センサを含む。別の代替実施形態では、連続グルコースセンサは、Mastrototaroらの米国特許第6,424,847号を参照して記載されているような血管内センサを含む。上記の特許及び/又は特許出願の全ては、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
実施形態の方法及びデバイスは、グルコースの濃度、又はグルコースの濃度若しくは存在を示す物質を測定する連続グルコースセンサにおいて採用することができる。しかしながら、実施形態の特定の方法及びデバイスは、LifeScan,Inc.によって製造されるOneTouch(登録商標)システム、又は米国特許第5,418,142号、米国特許第5,515,170号、米国特許第5,526,120号、米国特許第5,922,530号、米国特許第5,968,836号、及び米国特許第6、335,203号に開示されるようなモニタなどの非連続(例えば、単一点測定又はフィンガースティック)モニタとの関連で使用するにも好適である。いくつかの実施形態では、デバイスは、血液、間質液、又は同様のものなどの複数の断続的な生体サンプルを分析することができる。グルコースセンサは、比色分析的、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、分光光度的、偏光的、熱量測定的、放射測定的、又は同様のものを含む、任意のグルコース測定の方法を使用することができる。代替実施形態では、センサは、体内の分析物、例えば、酸素、ラクターゼ、ホルモン、コレステロール、薬剤、ウイルス、又は同様のもののレベルを判定することができる任意のセンサであり得る。
【0059】
連続グルコースセンサのいくつかの例示的な実施形態が本明細書に図示され、説明されるが、開示される実施形態は、単一の分析物、対象となる分析物の濃度の実質的に継続的又は連続的な測定、及びその分析物の濃度を表す出力信号の提供が可能な任意のデバイスに適用可能であることを理解されたい。
【0060】
薬剤送達デバイス
いくつかの実施形態は、薬剤をホスト8に供与するための薬剤送達デバイス16を含む、一体型システム10を提供する。一体型薬剤送達デバイスは、ボーラス注射、連続注射、吸入、経皮吸収、薬剤を供与するための他の方法、又はそれらの任意の組み合わせのために設計することができる。薬剤という用語は、システム10を使用するホスト8の治療に使用される任意の物質、例えば、インスリン、プラムリンチド、エキセナチド、アミリン、グルカゴン、それらの誘導体、及び同様のものを含む。PCT国際公開第02/43566号は、実施形態と共に使用することができるグルコース、グルカゴン、及びビタミンA、C、又はDを記載している。米国特許第6,051,551号及び米国特許第6,024,090号は、実施形態で使用することができる吸入に好適な種類のインスリンを記載している。米国特許第5,234,906号、米国特許第6,319,893号、及び欧州特許第760677号は、実施形態で使用することができるグルカゴンの様々な誘導体を記載している。米国特許第6,653,332号は、実施形態と共に使用することができる併用治療を記載している。米国特許第6,471,689号及びPCT国際公開第81/01794号は、実施形態で使用することができる送達ポンプに有用なインスリンを記載している。米国特許第5,226,895号は、実施形態で使用することができる2種類以上のインスリンを提供する方法を記載している。上記の特許及び公開の全ては、全体が参照により本明細書に組み込まれ、実施形態において薬剤として有用であり得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、薬剤の注射及び/又は注入用に構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイスは、ベッドサイド又は携帯用注入ポンプなどの注入ポンプであるが、これらに限定されない。一実施形態では、注入は、本明細書の他の場所で説明されるように、携帯用薬剤ポンプである。1つの好ましい実施形態において、薬剤送達デバイス16は、薬剤の基礎注入及び/又はボーラス注入のために設計された薬剤ポンプである。実施形態の薬剤ポンプは、当業者によって理解されるような、任意の携帯用又はベッドサイド(例えば、非携帯用)注入デバイスを含む。実施形態と共に使用され得る薬剤注入デバイス(例えば、ポンプ)のいくつかの例は、米国特許第5,389,078号、米国特許第6,471,689号、米国特許第6,656,148号、米国特許第6,749,587号、米国特許第6,999,854号、米国特許第7,060,059号、米国特許第7,109,878号、米国特許第7,267,665号、米国特許第7,291,133号、米国特許第7,311,691号、米国特許第7,374,556号、米国特許第7,303,549号、PCT国際公開第81/01794号、欧州特許第1281351号、及び「Analyte Sensor」と題された3008年3月25日出願の同時係属米国特許出願第12/055,114号を含み、これらの全ては、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイス16は、これらに限定されないが、シリンジ、薬剤注射ペン、又は空気圧注射デバイスなどの手持ち式薬剤注射ペンである。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、単回使用用に構成されている(例えば、使用後に廃棄される)。他の実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、単回使用の使い捨て部品を有する複数回使用注射デバイスである。例えば、薬剤注射ペンは、1回使用後に廃棄される単回使用の使い捨て針を使用するように構成することができる。例示的な一実施形態では、薬剤注射ペンは、複数の単回使用の使い捨て針のカートリッジと共に使用するように構成され、それにより、使用済みの針を排出し、未使用の(例えば、無菌の)針を設置することなどによって、使用済みの各針を交換及び/又は除去することができるが、これに限定されない。更に他の実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、複数のホストの各々に薬剤用量を(例えば、無菌で)順次送達するように構成された複数回使用デバイスである。例えば、一実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、空気圧式注射デバイスである。
【0063】
1つの好ましい実施形態では、一体型薬剤送達デバイス16は、ボーラス注射のために設計された手持ち式薬剤注射ペン(例えば、インスリンペン)である。実施形態の手持ち式薬剤注射ペンは、当業者によって理解されるような任意のペン型注射器を含む。実施形態で使用することができる手持ち式薬剤注射ペンのいくつかの例としては、米国特許第4,865,591号、米国特許第5,104,380号、米国特許第5,226,895号、米国特許第5,308,340号、米国特許第5,383,865号、米国特許第5,536,249号、米国特許第6,192,891号、米国特許第7,169,132号、米国特許第7,195,616号、米国特許第7,291,132号、米国特許出願公開第2001/0051792(A1)号、米国特許出願公開第2007/0061674(A1)号、及び米国特許出願公開第2008/0015511(A1)号が挙げられ、これらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイス(例えば、手持ち式薬剤注射ペン)が提供され、それは、プロセッサと、受信機への有線又は無線接続とを含み、それらは、本明細書の他の場所でより詳細に説明される。いくつかの実施形態では、デバイスは、供与する薬剤の種類及び量に関する命令を受信機14から受信するプログラミングを含む。薬剤送達デバイスが2種類以上の薬剤を含む注射デバイス(例えば、ペン)であるいくつかの実施形態では、受信機は、どの種類又はどの複数の種類の薬剤を供与すべきかを判定するために必要な命令を提供し、1つ以上の薬剤を混合するために必要な命令を提供することができる。いくつかの実施形態では、受信機は、グルコース傾向情報(例えば、濃度、変化率、加速度、又は他のユーザ入力情報)を提供し、注射デバイスは、適切な薬剤送達を判定するために必要なプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、受信機、ユーザインターフェース、及び/又は一体型電子機器は、ペンに組み込まれ、かつ/又はペンと一体化される。しかしながら、受信機、薬剤送達デバイス、及び/又は任意選択の単一点モニタと関連付けられた電子機器(ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェア/プログラミングを含む)のいずれも、受信機、薬剤送達デバイス、及び/又は任意選択の単一点モニタのうちのいずれか1つ又は組み合わせに位置させることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、受信機及び/又は手持ち式薬剤注射ペンは、薬剤使用量及び/又は残りのオンボード薬剤量を計算するように構成されている。いくつかの実施形態では、(例えば、受信機及び/又は薬剤送達デバイス内の)一体型電子機器は、センサデータを受信し、履歴、現在、推定、及び/又は予測されたグルコースデータに基づいて、送達デバイスに搭載された現在の薬剤と共に残っている時間量(例えば、薬剤デバイスのリザーバ/カートリッジ内の薬剤の量)を計算するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、受信機及びペンと関連付けられた電子機器を含み、それらは、本明細書の他の場所でより詳細に説明されるように、それらの間の双方向通信のために構成することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、ペンは、処理のために受信機14に供与される薬剤送達の量、種類、及び時間に関する情報を送信するためのプログラミングを含む。受信機14は、ペンから受信したこの情報を、センサから得られた連続グルコースデータと組み合わせて使用して、ホストのグルコースパターンを監視し、判定して、各薬剤送達に対するその応答を測定することができる。薬剤送達の各種類及び量に対するホストの個々の応答を知ることは、ホストの治療を調整又は最適化する際に有用であり得る。個々の代謝プロファイル(例えば、薬剤感受性)は、ホストごと及び時間ごとに変動することに留意されたい。理論に縛られることは望まないが、受信機がグルコース傾向及び関連する薬剤送達を含む個人の代謝パターンをいったん学習すると(又は受信機が継続的に学習すると)、受信機は、ホストの個々の生理機能についての治療推奨を調整及び最適化し、そのグルコース値を望ましい標的範囲内に維持するようプログラムすることができると考えられている。いくつかの実施形態では、受信機(ユーザインターフェース及び一体型電子機器を含む)は、ペンと一体化され、かつ/又はペンに組み込まれる。
【0067】
いくつかの実施形態では、受信機は、グルコース濃度、グルコース濃度の変化率、及びグルコース濃度の加速度など、連続グルコースセンサによって提供されるパラメータを使用して、薬剤供与の種類、量、及び時間をより具体的に判定するアルゴリズムを含み、本明細書に記載されるような一体型システム10に適用することができる。しかしながら、一体型システムにより、自動化による利便性(例えば、操作可能な接続によるデータ転送)、及び従来の治療で経験する可能性のあるヒューマンエラーの機会の減少が更に提供される。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書の他の場所でより詳細に説明される一体型電子機器は、受信機14、単一点グルコースモニタ18、及び手持ち式薬剤注射ペン16のうちの少なくとも1つが、フェイルセーフ精度チェックを提供するために、構成要素のうちの別のものによって検証又は確認されることを要求するプログラミングを含み、これらの実施形態では、検証は、構成要素のうちの任意の1つ以上にプログラムされたアルゴリズムを含む。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、受信機14及び手持ち式薬剤注射ペン16のうちの少なくとも1つを、(例えば、薬剤の量及び/又は種類を確認するために)ヒトによって検証又は確認することを必要とするプログラミングを含む。これらの実施形態では、検証により、例えば、ホスト又は医師が、ホストの治療決定に対してより多く制御したい場合に、受信機を補助的に使用することができる手段が提供される。本明細書で実施することができる例示的なプロセスについては、図15及び図16を参照されたい。
【0069】
いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン16は、手持ち式薬剤注射ペンの少なくとも一部分を電子制御するように構成されたモータを含む。いくつかの実施形態では、モータは、例えば、ステップモータを使用して、限定されないが、薬剤ボーラス量など、ホストに送達される薬剤の量を自動的に設定するように構成されている。いくつかの実施形態では、モータは、ホストへの薬剤注射の速度を制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所でより詳細に説明される一体型電子機器(例えば、受信機)は、上記で説明されるものなどの少なくとも1つのモータを遠隔制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、推奨される治療量(例えば、薬剤ボーラス量)を提供するように構成され、それは、手持ち式薬剤注射ペンに通信することができ(又はペンと一体化することができ)、いくつかのそのような実施形態では、一体型電子機器及び/又は手持ち式薬剤注射ペン電子機器は、モータ(例えば、ステップモータ)を使用してボーラス量を自動的に設定するように構成されるが、いくつかの実施形態では、検証ステップが必要とされ得る。いくつかの実施形態では、一体型電子機器及び/又は手持ち式薬剤注射ペン電子機器は、制御されたスピード及び/又は速度で薬剤を自動的に注射するように構成されている。好ましくは、システムは、組織損傷を低減し、薬剤吸収を最適化するために最適な速度で薬剤を注入するように構成され、これは、薬剤の有効性が経時的により一貫することを可能にすると考えられる。いくつかの実施形態では、ボーラス量の設定及び/又は薬剤の注射の作動(又は制御)は、手持ち式薬剤注射ペンに操作可能に接続された受信機によって、例えば、ボタン、ユーザ選択可能メニュー項目の作動(又は選択)によって、又はタッチスクリーン上で制御される。代替実施形態では、ボーラス量の設定及び/又は薬剤の注射の作動(又は制御)は、手持ち式薬剤注射ペンによって、例えば、ボタン、ユーザ選択可能メニュー項目の作動(又は選択)によって、又はタッチスクリーン上で制御される。
【0070】
本明細書及び例示的な実施形態の多くは、一体型手持ち式薬剤注射ペンに向けられているが、本明細書で説明される一体化の概念は、吸入デバイス、経皮パッチ、及び同様のものを含む様々な他の薬剤デバイスに適用可能である。
【0071】
受信機
実施形態は、連続グルコースセンサ12から生データストリームを受信して処理する受信機14を含む、一体型システム10を提供する。受信機は、例えば、較正、センサデータの変換、較正の更新、受信した基準及びセンサデータの評価、分析物センサの較正の評価、受信した基準及びセンサデータの検証、意味のあるグルコース値のユーザへの表示、治療推奨の計算、推奨された治療の検証、個々の代謝パターンを学習するための適応プログラミング、及びグルコース値の予測などの動作の全て又は一部を実行することができる。受信機と関連付けられたいくつかの相補的なシステム及び方法は、全体が参照により本明細書に組み込まれる同時係属米国特許出願公開第2005/0027463(A1)号を参照してより詳細に説明される。
【0072】
いくつかの実施形態では、受信機14は、例えば、PDA又はページャサイズのハウジングであり、複数のボタン108と、バックライトを含み得る液晶表示(liquid crystal display、LCD)画面とを有するユーザインターフェース96を備える。いくつかの実施形態では、受信機は、他の形態、例えば、手持ち式薬剤注射ペンケース、手持ち式薬剤注射ペンキット、手持ち式薬剤注射ペンハウジング、薬剤送達デバイスハウジング及び/又は受信機、コンピュータ、サーバ、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、又は本明細書に記載されるようなデータを受信及び処理することができる他のそのようなデバイスをとることができる。加えて、又は代替的には、ユーザインターフェースは、図13を参照して説明されるような、キーボード、スピーカ、スクロールホイール、及び/又はバイブレータを含むことができる。受信機14は、図13を参照してより詳細に説明されるように、グルコースセンサ12からセンサデータを受信し、処理し、表示するために必要なシステム(例えば、電子機器)を備える。受信機14は、連続グルコースセンサ12からのデータを処理し、加えて、手持ち式薬剤注射ペン16、単一点グルコースメータ16、及びホスト8(ユーザ)のうちの少なくとも1つと関連付けられたデータを処理する。
【0073】
いくつかの実施形態では、受信機はセンサと一体化される(センサに物理的に接続される)。いくつかの実施形態では、受信機14は、薬剤送達デバイス16及び/又は単一点グルコースモニタ18と一体的に形成される。いくつかの実施形態では、受信機14、薬剤送達デバイス16、及び/又は単一点グルコースモニタ18は、構成要素のうちの1つ以上が、ユーザの都合に応じて個別に取り外され、取り付けられることができるように、取り外し可能に接続される。いくつかの実施形態では、受信機14、薬剤送達デバイス16、及び/又は単一点グルコースモニタ18は、互いに別個であるか、取り外し可能に接続可能であるか、又は一体であり、構成要素のうちの1つ以上は、有線又は無線接続を通して操作可能に接続され、データ転送、したがって構成要素間の一体化を許容する。いくつかの実施形態では、受信機14及び薬剤送達デバイス16(例えば、手持ち式薬剤注射ペン)は各々、手持ち式薬剤注射ペンと受信機との間の通信を許容するように構成されている、相互に係合する電気接点を備える。更なる実施形態では、一体型システムは、電気接点の係合に応答して、受信機と手持ち式薬剤注射ペンとの間の通信を開始するように構成されている。電気接点が係合すると、システムは、受信機と手持ち式薬剤注射ペンとの間で薬剤送達データを通信するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、受信機14は、ハウジングと、受信機ハウジング上に位置するユーザインターフェース196と、を含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンが提供され、手持ち式薬剤注射ペンはハウジングを含み、ユーザインターフェース196は手持ち式薬剤注射ペンハウジング上に位置する。いくつかの実施形態では、ハウジングが提供され、ハウジングは手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成され、ハウジングはユーザインターフェース196を含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンキットが提供され、手持ち式薬剤注射ペンキットは、手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成され(薬剤カートリッジ、針、及び同様のものなど、他の付属品を受容するように構成され得る)、ユーザインターフェース196は手持ち式薬剤注射ペンキット上に位置する。いくつかの実施形態では、受信機、一体型電子機器、及び手持ち式薬剤注射ペンは、1つのハウジング内に一体的に形成される。
【0075】
いくつかの代替実施形態では、可撓性LED画面がユーザインターフェース(又はその構成要素)として提供され、可撓性LED画面は、受信機及び手持ち式薬剤注射ペンのうちの少なくとも1つの上に物理的に位置し、かつ/又は受信機及び手持ち式薬剤注射ペンのうちの少なくとも1つに操作可能に接続され、一体型電子機器は、センサデータを可撓性LED画面上に表示するように構成されている。
【0076】
いくつかの代替実施形態では、画像投影システムが提供され、一体型電子機器は、ユーザインターフェース(又はその構成要素)として、表面(例えば、壁、皮膚、及び同様のもの)上にデータを投影するように構成されている。例えば、画像投影システムは、受信機、手持ち式薬剤注射ペン、及び/又はそれと関連付けられた任意のハウジング上に提供され得、画像投影システムは、例えば、LCD画面上で従来見られるものと同様の、英数字データ、アイコン、写真、及び同様のものなどの画像を投影するように構成されている。使用中、画像は、自動的に、又はユーザによる作動に応答して投影され得、画像は、グルコース濃度及び/又はグルコース傾向、治療推奨、事象マーカ、及び同様のもののデータを含む。
【0077】
単一点グルコースモニタ
いくつかの実施形態では、一体型システムは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,994,167号及び米国特許第4,757,022号を参照して説明される感知膜に類似する、酵素を含浸させた感知膜を有する感知領域を含む、生体サンプル内のグルコースを測定するためのメータなどであるが、それに限定されない、単一点グルコースモニタ18と操作可能に通信するように構成及び配置される。いくつかの実施形態では、単一点グルコースモニタは、従来のフィンガースティックデバイスを含む。しかしながら、代替実施形態では、単一点グルコースモニタは、酵素的、化学的、物理的、電気化学的、分光光度的、偏光測定的、熱量測定的、放射測定的、及び同様のものを含む他の測定技法を使用することができる。いくつかの実施形態では、単一点グルコースモニタは、限定されないが、受信機などの一体型システムの構成要素との有線又は無線通信(例えば、自動及び/又は半自動通信)のために構成されている。しかしながら、他の実施形態では、単一点グルコースモニタは、一体型システムと操作可能に通信するように構成されず、したがって、ホストは、単一点グルコースモニタデータを(例えば、受信機に)手動で入力しなければならない。測定器は、別個の測定器が使用され得、グルコースデータがユーザによって受信機にダウンロード又は入力され得るという点で、任意選択であることに留意されたい。
【0078】
一体型システム設計
実施形態では、一体型システム10は、受信器14(例えば、ユーザインターフェース及び一体型電子機器を含む)と、薬剤送達デバイス16と、任意選択的に単一点グルコースメータ18とを含み、一体型電子機器は、傾向グラフ、グルコース濃度、変化率情報(例えば、方向矢印)、高グルコースアラーム及び低グルコースアラーム、及び/又は同様のものを含む、連続グルコースセンサ12からの連続グルコースデータを処理し、ユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、薬剤送達デバイス(例えば、手持ち式薬剤注射ペン)からの情報を処理及び表示するように構成されている。ユーザインターフェース及び一体型電子機器は、手持ち式薬剤注射ペン、手持ち式薬剤注射ペンキット、受信機、それと関連付けられたハウジング、及び/又はそれらの組み合わせの中及び/又は上に含まれ得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、例えば、当業者によって理解されるように、手持ち式薬剤注射ペンを保持するように構成されたケース、1つ以上の薬剤カートリッジ、1つ以上の針などを含む、一体型手持ち式薬剤注射ペンキットが提供される。いくつかの実施形態では、一体型手持ち式薬剤注射ペンキットは、例えばケースの外側(又は内側)に、本明細書の他の箇所に説明されているような連続グルコースデータを表示するように構成されたユーザインターフェース(例えば、LCD画面)を更に含む。これらの実施形態では、キットは、ユーザインターフェースに動作可能に接続された電子機器を含み、電子機器は、例えば、連続グルコースセンサデータの較正及び表示、(例えば、ボーラス型計算機を使用した)治療推奨の計算、(例えば、ユーザによる)推奨された治療の検証、及び個々の代謝パターン(例えば、ペンによって供与される治療に対する応答)を学習するように構成された適応アルゴリズムの動作の全て又は一部を実行するように構成されたプログラミングを含む。
【0080】
図3は、手持ち式薬剤注射ペンハウジング22上のLCD画面106を示す、一実施形態における一体型システム20の斜視図である。この例示的な実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン20は、手持ち式薬剤注射ペンハウジング22と、受信機と、一体型電子機器と、LCD画面106とを含み、これらは全て、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる。手持ち式薬剤注射ペンハウジング22は、薬剤カートリッジ及び/又は針を受容するように構成されたポート24を更に含み、このポートをエンドキャップで覆うことができる。LCD画面106は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、連続グルコースセンサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンからのデータを表示するように構成されている。人間工学的握り部は、例えば、挿入ボタン28を介して手持ち式薬剤注射ペンの作動中にユーザの指が静止又は保持することを許容するように構成されたくぼみ26を含む。図示されていないが、いくつかの実施形態では、センサ及び/又は薬剤送達電子機器は、部分的又は全体的に、受信機と、センサと、及び/又は薬剤送達デバイスと共に位置し得る。いくつかの実施形態では、電子機器は、受信機、センサ、及び/又は薬剤送達デバイスの間に分散される。
【0081】
例示的な一実施形態では、一体型システム10は、糖尿病を監視及び処置するように構成及び配置され、ある量の薬剤をホスト8に注射するように構成及び配置された薬剤送達デバイス16と、センサデータを連続グルコースセンサ12から受信するように構成及び配置された一体型受信機14とを含み、センサデータは、ホスト生体内のグルコース濃度を示し、一体型受信機は、センサデータを処理するように構成及び配置された電子機器を備える。いくつかの実施形態では、電子機器は、薬剤治療の量(例えば、限定されないが、ホストに送達されるボーラス用量などの送達可能薬剤用量)及び/又は薬剤治療送達の時間を計算するように更に構成されている。当業者によって理解されるように、一体型電子機器は、受信機14内に完全に位置し得るか、又は電子機器の1つ以上の部分が、連続グルコースセンサ12及び/若しくは薬剤送達デバイス16又はそれらの組み合わせと共に位置し得る。同様に、いくつかの実施形態では、受信機14(一体型電子機器を含む)は、センサ12及び/又は手持ち式薬剤注射ペン16とは別個のユニットであるが、他の実施形態では、本明細書でより詳細に説明するように、受信機を(部分的又は全体的に)センサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンと一体化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、一体型受信機はハウジングを含み、手持ち式薬剤注射ペンはハウジングと一体的に形成される。
【0082】
別の例示的な実施形態では、糖尿病を監視及び処置するための一体型システム10が提供され、システムは、操作可能に接続された連続グルコースセンサ12からセンサデータを受信するように構成及び配置された受信機14であって、連続グルコースセンサが、ホストのグルコース濃度と関連付けられたセンサデータを生成するように構成及び配置されている、受信機14と、センサデータを処理し、かつ薬剤治療(例えば、インスリン治療、プラムリンチド治療、エキセナチド治療、それらの組み合わせ)を生成するように構成された一体型電子機器と、薬剤治療に少なくとも部分的に基づいて、ある量の対応する薬剤をホストに注射するための一体型手持ち式薬剤注射ペン16と、を備える。薬剤治療は、薬剤アイデンティティ、薬剤治療の量、及び/又は薬剤治療送達の時間を含むが、それらに限定されない。いくつかの更なる実施形態では、受信機及び手持ち式薬剤注射ペンは一体的に形成される。しかしながら、いくつかの他の更なる実施形態では、受信機及び手持ち式薬剤注射ペンは、本明細書の他の箇所で説明されるように、取り外し可能に接続可能である。
【0083】
取り外し可能に接続可能な手持ち式薬剤注射ペン16(例えば、インスリン、プラムリンチド、又はエキセナチドペン)及び受信機14ハウジングの更なる実施形態では、システム10は、手持ち式薬剤注射ペンとハウジングとの(取り外し可能な)接続に応答して、手持ち式薬剤注射ペンと受信機との間の通信を開始するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン及びハウジングは、手持ち式薬剤注射ペンがハウジングに接続され、受信機と手持ち式薬剤注射ペンとの間の通信を開始するときに嵌合する(例えば、電気的接続を行う)相互係合接点(例えば、電気接点)を含むことができる。通信が開始されると、受信機及び手持ち式薬剤注射ペンはデータを伝送することができる。例えば、ボーラス薬剤用量(例えば、送達される薬剤の量及び種類)などであるが、それに限定されない、(例えば、一体型電子機器によって計算される)薬剤治療の量、及び薬剤治療の時間は、薬剤治療がホストに送達(例えば、注射)され得るように、手持ち式薬剤注射ペンに通信することができる。同様に、手持ち式薬剤注射ペンは、ホストに送達された薬剤の量、薬剤が送達された時間、使用される手持ち式薬剤注射ペン内に残っている薬剤の量、手持ち式薬剤注射ペン内に収容されている薬剤の種類などであるが、これらに限定されない情報を受信機に通信することができる。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンと受信機との間の無線通信は、接点の係合によって、又はスイッチ、ボタン、又は同様のものなどのホスト作動によって開始することができる。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンと受信機との間の通信は、ホストによって、又は2つのデバイスの取り付けによってなど、スイッチ、ボタン又は同様のものの作動によって接続後に開始される。例えば、一実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンが受信機ハウジングに挿入されると、手持ち式薬剤注射ペンの外面が受信機ハウジングの内面に対して隣接する平行な向きになり、その結果、受信機ハウジングの内部の通信作動ボタンが押し下げられる。当業者は、代替的な構成を理解することができる。
【0084】
更なる実施形態では、一体型システムは、ホスト情報の入力並びに/又はセンサデータ及び/若しくは薬剤送達データの出力のために構成及び配置される、例えば、図3図12に図示されるLCD画面106などのユーザインターフェース196を含む。例えば、ユーザインターフェースは、キーボード198、ボタン108、及び/又はホスト情報の入力、メニューからの選択、及び同様のもののためのタッチスクリーンを含むことができる。ホスト情報は、ホスト識別(例えば、ホストIDコード/番号)、ホストの身体的特徴、ホストに注射される薬剤の種類、標的血中グルコース範囲/レベル、ホストに割り当てられる薬剤治療のためのプロトコル、アラート、アラーム、及び同様のものであるが、それらに限定されない、ホスト及びその薬剤治療に関連する任意の情報を含む。例えば、臨床背景において有用な実施形態では、介護者(例えば、看護師、医師、医師助手)は、ユーザインターフェースを介して、ホストのID番号及びグルコース濃度を入力することができ、それは、一体型電子機器が、(例えば、そのホストID番号に割り当てられた薬剤治療プロトコルに従って)送達可能な薬剤用量を計算することを可能にし、それは、次いで、看護師が、ベッドサイドでホストに適切なボーラス薬剤用量を送達することを可能にする。いくつかの実施形態では、看護師がホスト及びその埋め込まれた連続グルコースセンサの通信距離内にいるとき、受信機は、ホストのグルコース濃度と関連付けられたホスト情報及び/又はセンサデータについてセンサに問い合わせるように構成されている。
【0085】
実施形態では、一体型システムは、ある量の薬剤をホストに注射する前に検証を必要とするように構成及び配置される。例えば、いくつかの実施形態では、一体型システムは、ユーザインターフェースを介して(例えば、スピーカ100、バイブレータ102、又は画面を介して)、ホストID、ホストの割り当てられた薬剤治療プロトコル、及び/又は手持ち式薬剤注射ペンに搭載された薬剤の種類を検証する(例えば、確証する)ように、ユーザ(例えば、看護師若しくは医師などの介護者、又はホスト自身)に促すことができる。加えて、一体型システムは、ホストID、連続グルコースセンサから受信されるセンサデータ、処理されたセンサデータ、薬剤送達データ(例えば、ホストに送達される薬剤治療に関連するデータ)などの情報を看護師に表示することができる。
【0086】
図4は、手持ち式薬剤注射ペンハウジング36上のLCD画面106を示す、別の実施形態における一体型システム32の斜視図である。この例示的な実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンハウジング36は、手持ち式薬剤注射ペンと、受信機と、一体型電子機器と、LCD画面とを含み、これらは全て、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる。手持ち式薬剤注射ペンハウジング36は、薬剤カートリッジ及び/又は針を受容するように構成されたポート38を更に含み、このポートをエンドキャップで覆うことができる。LCD画面106は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、連続グルコースセンサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンからのデータを表示するように構成されている。人間工学的握り部は、例えば、挿入ボタン42を介して手持ち式薬剤注射ペンの作動中にユーザの親指が静止又は保持することを許容するように構成されたサムホールド40を含む。加えて、例えば、メニュー、データ(例えば、数字)、及び/又はオプションのスクロール、並びにメニュー、データ、及び/又はオプションの選択を許容するスクロールホイール44(ジョグホイール、サムホイール、ジョグエンコーダ、又はロータリエンコーダとも称される)が提供される。1つのそのような実施形態では、スクロールホイールは、ユーザがホイールを上下にスクロールすることによって、センサの開始、グルコースデータの表示、治療推奨の表示、治療推奨の修正、及び同様のもののための様々なメニュー駆動画面又はオプションを見ることを可能にし、加えて、スクロールホイールは、ユーザがスクロールホイールを押下することによって画面又はオプションから選択することを可能にする。一体型システムへのスクロールホイールの組み込みは、良好な人間工学、有用性、及び信頼性を有する、よりコンパクトなシステム設計を可能にすると考えられる。いくつかの実施形態では、メニュー、データ、オプション及び同様のものを通して移動するために、1つ以上のボタン及び/又はトグルが(スクロールホイールの代わりに、又はそれに加えて)含まれる。
【0087】
図5は、手持ち式薬剤注射ペン50を受容するように構成されたハウジング48を示し、ハウジングがその上にLCD画面106を含む、別の実施形態における一体型システム46の斜視図である。この例示的な実施形態では、ハウジング48は、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれた受信機、一体型電子機器、及びLCD画面106を含む。加えて、ハウジングは、手持ち式薬剤注射ペン50を受容するように構成された開口54を含む。図示された手持ち式薬剤注射ペンは、分配機構を使用して分配される薬剤ボーラス量を設定するためのダイヤル又は他の機構56と、ダイヤル56を回しながら薬剤ボーラス量(例えば、いくつかの実施形態では約0~約70単位の薬剤)を見るための画面58と、薬剤カートリッジホルダ/レセプタクル60と、針62とを示すが、当業者によって理解され、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、構成された任意の既知の手持ち式薬剤注射ペンを使用することができる。そのような既知の薬剤注射ペンは、一般に、分配されたボーラス又は薬剤の体積を検出し、分配された投与の体積及び分配された時間を記録するロギングモジュールなどの他の特徴を含む。このようにして、薬剤注射ペンは、ユーザの治療を監視し、管理し、調整するために、ユーザが注射する薬剤の時間及び量を追跡することができる。図5の例示的な実施形態では、ロギングモジュールは、注射ペン又はハウジング内に全体的又は部分的に位置してもよく、分配されたボーラス又は薬剤の体積を検出するためのセンサ及び関連する電子機器を含み得、それには、本明細書で図示される薬剤注射の他の実施形態で示されるプロセッサなどのプロセッサモジュールが含まれてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、一体型システムは、薬剤カートリッジを受容するように構成及び配置されたレセプタクルを含み、それによって、薬剤をホストに送達することができる。ペンとハウジングとが別個であるいくつかの実施形態では、レセプタクル60は、図5に図示するように、手持ち式薬剤注射ペンに含まれる。しかしながら、ペンとハウジングが一体的に形成される実施形態では、レセプタクルはハウジングと一体的に形成することができる。一体型システムは、手持ち式薬剤注射ペンが少なくとも部分的に受容され、実質的に完全にハウジング48によって受容され得るように構成されている。いくつかの実施形態では、端部キャップ64は、手持ち式薬剤注射ペンの端部を保護するために、かつ/又は手持ち式薬剤注射ペン付属品(例えば、針、薬剤カートリッジ、及び同様のもの)を保管するための保管区画と共に提供される。図示されたハウジング48は、LCDスクリーン106及びスクロールホイール44を含み、これらは本明細書の他の箇所でより詳細に説明される。
【0089】
図5に示される実施形態などのいくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、受信機に取り外し可能に接続可能である。一体型システム46が手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成されたハウジングを含むいくつかの実施形態では、ペンがハウジングによって(例えば、所定の位置で)受容された(取り外し可能に接続された)ときに、ペンとハウジング(例えば、その中に収容された受信器及び/又は一体型電子機器)との間の直接通信が起こり得るように、手持ち式薬剤注射ペン上及びハウジング(例えば、受信器、ケースなど)上に相互係合接点が提供される。いくつかの実施形態では、一体型システムは、ペンがハウジングによって受容されたときを検出し、その後、それらの間で情報をアップロード及び/又はダウンロードするように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型システムは、電気接点の相互係合に応答して、手持ち式薬剤注射ペンとハウジング(例えば、受信機及び/又は一体型電子機器)との間の通信を開始するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型システムは、電気接点の係合に応答して、手持ち式薬剤注射ペンとハウジング(例えば、受信機及び/又は一体型電子機器)との間でデータ(例えば、推奨される薬剤ボーラス量、送達される薬剤の実際の量、及び薬剤送達の時間、グルコースデータ、及び同様のもの)を通信するように構成されている。
【0090】
図6は、更に別の実施形態における一体型システム46の斜視図であり、一体型受信機14は、手持ち式薬剤注射ペン50を受容するように構成されたハウジング48を含み、ハウジングは、その上にLCD画面106を含む。この例示的な実施形態では、ハウジング48は、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれた受信機、一体型電子機器、及びLCD画面106を含む。図示の手持ち式薬剤注射ペン50は、ハウジング上に位置する作動ボタン44を使用して選択することができる、薬剤ボーラス量を見るための画面58を示す。作動ボタン44は、LCD画面106上のメニューをトグル/スクロールするために使用することもできる。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、ハウジングの接点と嵌合する接点を含み、それにより、一体型電子機器は、計算された薬剤治療などのボーラス用量を自動的に設定することができ、ボーラス用量は、次いで、ホストによって手動で送達することができる。したがって、いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン16は、ハウジングに取り外し可能に接続可能である。例えば、手持ち式薬剤注射ペンをハウジングに接続し、次いでハウジングから取り外す/分離することができる。例えば、いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは使い捨てであり、第1の手持ち式薬剤注射ペンが取り外されて捨てられ、その後、第2の(例えば、新しい未使用の)手持ち式薬剤注射ペンが接続される。別の例では、手持ち式薬剤注射ペンは使い捨てではなく、レセプタクルに受容された薬剤の使い捨てカートリッジを使用する。したがって、この例では、手持ち式薬剤注射ペンは、薬剤カートリッジ交換のためにハウジングから取り外すことができ、その後、ペンをハウジングに再接続することができる。
【0091】
図7は、更に別の実施形態における一体型システム46aの斜視図であり、一体型受信機14は、限定されないが、手持ち式薬剤注射ペン50を受容するように構成された、手持ち式薬剤注射ペンキットなどのハウジング48aを含み、受信機ハウジングは、LCD画面106及びその上の作動ボタン44を含む。この例示的な実施形態では、システムは、一方の縁部にヒンジを備え、クラムシェル方式で開くように構成された2部分ハウジングを有する手持ち式薬剤注入ペンキットとして構成及び配置される。図7に図示されるデバイスは、ヒンジ構造によって接続された上部及び底部を含むが、デバイスは、2つより多くの部分を含むことができ、又はそれらの部分を、図7に描写されるものとは異なる向きにすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、ハウジングは、3つのヒンジ接続された部分(例えば、上部、中間部、及び底部)を有する。他の実施形態では、部分は、側部から側部へ、若しくは前部から後部へ、又はそれらの任意の組み合わせで開くことができる。更に他の実施形態では、ハウジングの一部分は、取り外し可能に接続される(例えば、バッテリ区画カバー)か、又は引き出しなど、ハウジングからスライド/ポップアウトするように構成されている。
【0092】
図示される実施形態(図7)では、受信機ハウジングは、その上に位置するユーザインターフェース196(例えば、LCD画面106(例えば、センサデータ及び/又は薬剤治療の表示のため)及び作動ボタン44)を含む上部分と、手持ち式薬剤注射ペン50並びに1つ以上の付属品(例えば、薬剤カートリッジ、針、アルコールワイプなど)を保持(例えば、保管)するように構成された区画50a及び60aを有して構成された底部分と、を有して構成されている。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース上に薬剤送達の表現を表示し、薬剤送達の表現は、図14を参照して他の場所で説明されるように、実質的に時間対応するセンサデータに実質的に隣接する。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、受信機及び手持ち式薬剤注射ペンのうちの少なくとも1つに操作可能に接続された可撓性LED画面、例えば、使用されていないときに保管のために折り畳む及び/又は巻き上げることができる折り畳み又は展開可撓性画面などを含む。したがって、一体型電子機器は、可撓性LED画面上に連続グルコースセンサデータを表示するように構成されている。他の実施形態では、ユーザインターフェースは、連続グルコースセンサデータを、限定されないが、壁、テーブルトップ、本、及び同様のものなどの表面上に投影するように構成された画像投影システムを含む。
【0093】
図7の図示された実施形態などのいくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、受信機に取り外し可能に接続可能である。例えば、手持ち式薬剤注射ペン及び手持ち式薬剤注射ペンを受容するための凹部は、手持ち式薬剤注射ペンがハウジング内に置かれたときに係合する相互に係合する電気接点を含むことができる。手持ち式薬剤注射ペンと同様に、いくつかの実施形態では、受信機はハウジングに(取り外し可能に又は取り外し不可能にかのいずれかで)接続される。しかしながら、実施形態では、受信機(例えば、一体型電子機器を含む)は、ハウジングと一体的に形成される。いくつかの実施形態では、システムは、相互に係合する電気接点の係合に応答して(例えば、ペンがハウジング内に置かれたとき)、手持ち式薬剤注射ペンと受信機との間の通信を開始するように構成され、それにより、データ/情報(例えば、薬剤治療)を受信機と手持ち式薬剤注射ペンとの間で通信することができる。ハウジングは、(例えば、含まれるバッテリを再充電するための)電力ケーブル及び/又は(例えば、較正のための単一点グルコースモニタへの接続のため、並びに/若しくはデータ転送及び/又はバッテリ充電などのためのコンピュータへの接続のための)データケーブルの接続のための、受信機及び一体型電子機器、並びにコネクタ48bを含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン(例えば、電動式)及びハウジングの内部は、相互に係合する接点を備え、それによって、ペンがハウジング内に設置され、ペン及びハウジング接点が係合されると、一体型電子機器は、ホストに送達される(ペン上の)ボーラス用量を設定することができる。
【0094】
図8は、手持ち式薬剤注射ペンハウジング68、受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる手持ち式薬剤注射ペンを示す、別の実施形態における一体型システム66の斜視図である。手持ち式薬剤注射ペンハウジング68は、薬剤カートリッジ及び/又は針を受容するように構成されたポート70を更に含み、このポートをエンドキャップで覆うことができる。LCD画面106は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、連続グルコースセンサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンからのデータを表示するように構成されている。人間工学的握り部は、例えば、挿入ボタン74を介して手持ち式薬剤注射ペンの作動中にユーザの人差し指が静止又は保持することを許容するように構成されたくぼみ72を含む。
【0095】
図9は、受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる手持ち式薬剤注射ペンを含む、受信機ハウジング78を示す、別の実施形態における一体型システム76の斜視図である。(例えば、手持ち式薬剤注射ペンを作動させるための)作動ボタン80が、一体化された受信機ハウジングに組み込まれ、受信機ハウジングは、(例えば、図9に示されていない作動ボタンに対して)反対側に、薬剤カートリッジ及び/又は針を受容するように構成され、エンドキャップで覆うことができるポートを更に含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、受信機ハウジングと一体的に形成され、かつ/又は受信機ハウジングに組み込まれるが、代替実施形態は、図5に図示されるものと同様の手持ち式薬剤注入ペン(例えば、それに着脱可能に接続されるようなもの)を受容するように構成された受信機ハウジング内に開口部を含む。LCD画面106は、本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、連続グルコースセンサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンからのデータを表示するように構成されている。図示されたハウジングはスクロールホイール44を更に含み、これらは本明細書の他の箇所でより詳細に説明される。図9の図示された構成は、薄型デバイスを可能にし、ユーザは、一体型システムを個別に装着又は携行することができると考えられる。
【0096】
図10は、受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、それと一体的に形成され、かつ/又はその中に組み込まれる手持ち式薬剤注射ペンを含む、受信機ハウジング84を示す、別の実施形態における一体型システム82の斜視図である。図10の図示の実施形態は、図9と実質的に同様であるが、一体化した手持ち式薬剤注射ペンは、ハウジングの設計内で90度回転される。
【0097】
図11は、受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、及び手持ち式薬剤注射ペンを含む一体型ハウジング88を示し、ハウジングが手持ち式薬剤注射ペン用のキャップを更に含む、一体型システム80の斜視図である。この図示された実施形態は、図6及び図7の実施形態と同様であるが、手持ち式薬剤注射ペンの端部を保護するように構成され、かつ/又は手持ち式薬剤注射ペン付属品(例えば、針、薬剤カートリッジ、及び同様のもの)を保管するための保管区画を有するキャップ90を更に含んでいる。
【0098】
図12は、受信機、一体型電子機器、ユーザインターフェース、及び手持ち式薬剤注射ペンを含む一体型ハウジング94を示し、ハウジングが手持ち式薬剤注射ペン用のキャップを更に含む、一体型システム92の斜視図である。この図示された実施形態は、図11の実施形態と同様であるが、ヒンジ式エンドキャップ96を含み、患者の容認及び/又は使用を促進するように体積/サイズを低減した設計を可能にすることができる。
【0099】
一体型電子機器
図13は、一実施形態における一体型システム電子機器を図示するブロック図である。受信機内のプロセッサが処理の多くを実行する一実施形態が説明されるが、本明細書に説明されるプログラミング及び処理の全て又はいくつかは、連続グルコースセンサ、受信機、単一点グルコースモニタ、及び/若しくは送達デバイス、又はそれらの任意の組み合わせ内で達成され得ることが理解される。同様に、ディスプレイ、アラーム、及び他のユーザインターフェース機能は、一体型送達デバイスの個々の構成要素のいずれかに組み込まれ得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、受信機は、受信機ハウジング内に位置する一体型電子機器を有するハウジングを含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンはハウジングを備え、一体型電子機器は手持ち式薬剤注射ペンハウジング内に位置する。いくつかの実施形態では、ハウジングは、手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成され、ハウジングは、その中に一体型電子機器を含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンキットが提供され、手持ち式薬剤注射ペンキットは、手持ち式薬剤注射ペンを受容するように構成され(薬剤カートリッジ、針、及び同様のものなど、他の付属品を受容するように構成され得る)、一体型電子機器は手持ち式薬剤注射ペンキット内に位置する。いくつかの実施形態では、受信機、一体型電子機器、及び手持ち式薬剤注射ペンは、1つのハウジング内に一体的に形成される。
【0101】
石英水晶176は、アンテナ180を介して(例えば、送信140)データストリームを受信し、同期するように一緒に機能するRF送受信機178に操作可能に接続される。受信されると、プロセッサモジュール182は、以下で説明するように、信号を処理する。しかしながら、有線又は無線通信の他の方法を、本明細書に説明されるRF通信の代わりに使用することができる。
【0102】
プロセッサ(又はプロセッサモジュール)182は、プロンプト、メッセージ、警告及びアラーム、並びに同様のものを提供することによって、データの記憶、連続グルコースセンサデータストリームの分析、単一点グルコース値の分析、精度チェック、臨床受容性のチェック、センサデータの較正、データのダウンロード、治療命令の推奨、薬剤送達量、種類及び時間の計算、個々の代謝パターンの学習、並びにユーザインターフェースの制御などの処理を実行する中央制御ユニットである。プロセッサ(又はプロセッサモジュール)は、例えば、フラッシュメモリなどの読み出し専用メモリ(read only memory、ROM)を含む、本明細書に説明される処理を行うハードウェア及びソフトウェアを含むことができ、データの恒久的又は半恒久的記憶、センサID、受信機ID、及びデータストリームを処理するためのプログラミング(例えば、本明細書の他の場所に説明される推定及び他のアルゴリズムを行うためのプログラミング)などのデータ記憶を提供し、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)は、システムのキャッシュメモリを記憶し、データ処理に役立つ。
【0103】
いくつかの実施形態では、プロセッサ182は、連続センサデータストリームの較正のために単一点グルコースモニタ電子機器116を使用して、連続グルコースセンサデータストリーム140を監視して、グルコース濃度値を捕捉するための好ましい時間を判定する。例えば、(例えば、データストリームから観察される)センサグルコースデータがあまりに急速に変化するとき、単一点グルコースモニタ読取値は、ホストにおける不安定なグルコース変化中の較正に対して十分に信頼できない場合があり、対照的に、センサグルコースデータが比較的安定している(例えば、比較的低い変化率)場合、信頼できる較正のために単一点グルコースモニタ読取値を取得することができる。いくつかの追加の実施形態では、プロセッサは、ユーザにユーザインターフェースを介して所定の間隔で較正のための単一点グルコース値を取得するように促すことができる。いくつかの追加の実施形態では、ユーザインターフェースは、食事、運動、グルコースレベルの大きな変動、誤った又は中断されたデータ読み取り、及び同様のものなど、特定の事象に基づいて較正のために単一点グルコースモニタ値を取得するようにユーザに促すことができる。いくつかの実施形態では、ある容認性パラメータは、単一点グルコースモニタから受信される基準値に対して設定することができる。例えば、一実施形態では、受信機は、約40~約400mg/dLの間の基準グルコースデータのみを容認する。
【0104】
いくつかの実施形態では、プロセッサ182は、種類、量、及び時間を含む、薬剤送達のための好ましい時間を判定するために、連続グルコースセンサデータを監視する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、差し迫った臨床リスクを検出するようにプログラムされ、治療推奨を確認するために、データ入力、単一点グルコースモニタからの基準グルコース値、及び同様のものを要求することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、個人の代謝パターンに適応的に調整するために、連続グルコースデータ及び薬剤治療を処理するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、一体型システムからのデータ(例えば、薬剤送達情報、ユーザ入力、及び同様のもの)に基づいて、グルコース傾向を提案するようにプログラムされる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、一体型単一点グルコースモニタ18に基づいて、連続グルコースセンサを較正するようにプログラムされる。当業者によって理解されるように、本明細書で引用された特許及び特許出願に記載されているように、並びに図15及び図16のフローチャートを参照して記載されているように、多数の他のプログラミングをプロセッサに組み込むことができる。
【0105】
バッテリ192は、プロセッサ182に操作可能に接続され、受信機に電力を供給する。一実施形態では、バッテリは標準的なAAAアルカリ電池であるが、任意の適切なサイズ及び電力のバッテリを使用することができる。いくつかの実施形態では、複数のバッテリを使用して、システムに電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、充電式バッテリの充電を可能にする電源ポート(図示せず)が提供される。石英水晶194は、プロセッサ182に操作可能に接続され、コンピュータシステム全体のシステム時間を維持する。
【0106】
システムとの通信を可能にするために、PC通信(com)ポート190を設けることができ、例えば、シリアル通信ポートは、別のコンピュータシステム(例えば、PC、PDA、サーバ、又は同様のもの)との通信を許容する。1つの例示的な実施形態では、受信機は、医師による遡及的分析のために、履歴データを医師のPCにダウンロードするように構成されている。PC通信ポート190はまた、他の医療デバイス、例えば、ペースメーカ、埋め込まれた分析物センサパッチ、注入デバイス、遠隔測定デバイス、及び同様のものとインターフェース接続するために使用することができる。
【0107】
ユーザインターフェース196は、キーボード198、スピーカ100、バイブレータ102、バックライト104、液晶ディスプレイ(LCD)106、1つ以上のボタン108、及び/又はスクロールホイール44(例えば、図4に示す)を含む。ユーザインターフェース196を備える構成要素は、ユーザと対話するための制御を提供する。キーボード198は、例えば、食事時間、運動、薬剤供与、及び基準グルコース値など、自分自身についてのユーザ情報の入力を許容することができる。スピーカ100は、例えば、現在及び/又は予測される高血糖状態及び低血糖状態などの状態に対する可聴信号又はアラートを提供することができる。バイブレータ102は、例えば、スピーカを参照して上述したような理由で、触覚信号又はアラートを提供することができる。バックライト104は、例えば、ユーザが微小光条件下でLCDを読むことを助けるために提供することができる。LCD106は、例えば、ユーザに視覚データ出力を提供するために提供することができる。いくつかの実施形態では、LCDはタッチ作動式画面である。ボタン108及び/又はスクロールホイール44(例えば、図4及び図6を参照)は、例えば、トグル、メニュー選択、オプション選択、モード選択、及びリセットを提供することができる。いくつかの代替実施形態では、音声作動制御を許容するためにマイクロフォンを提供することができる。
【0108】
プロセッサ182に操作可能に接続されるユーザインターフェース196は、連続グルコースセンサ、手持ち式薬剤注射ペン、及び/又は単一点グルコースモニタの両方のためのデータ入力及び出力を提供する役割を果たす。データ出力は、数値的な推定された分析物値、分析物濃度の方向傾向の指示、ある期間にわたる測定された分析物データのグラフ表示、アラーム/アラート、治療推奨、供与された実際の治療、事象マーカ、及び同様のものを含む。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、ユーザインターフェース上に標的グルコース値又は標的グルコース範囲の表現を表示するように構成されている。いくつかの追加のデータ表現は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、公開された米国特許出願第2005/0203360号に開示されている。
【0109】
図14は、一実施形態において、例えば、LCD画面106上に表示することができる総合データのグラフ表現である。この実施形態では、一体型電子機器は、標的グルコース値(図14において「145」(mg/dL)での線によって図示される)又は標的グルコース範囲(図示せず)の上又は下のセンサデータの値(この図ではバーによって図示される)の表現をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。図示の実施形態では、x軸は時間を表し、y軸はmg/dL単位のグルコース濃度を表す。グルコース濃度は、標的(例えば、標的より上及び/又は下)と比較した値に従って、経時的にグラフ化される。例えば、標的グルコース濃度が145mg/dLに設定され、実際のグルコース濃度が180mg/dLである場合、バー値は、そのグルコース測定に対する標的グルコース濃度よりも35mg/dL(180mg/dL~145mg/dL)高いことを表す。図14は一連の黒いバーとしてグルコース濃度を示すが、データは様々な記号を用いて示すことができる。例えば、一実施形態では、バーは着色され、緑色のバーは標的の上にあり、赤色のバーは標的の下にある。着色バーを使用する別の実施形態では、バーは勾配として着色され、標的範囲内のバーは緑色であり、ホストのグルコース濃度が標的範囲から離れるにつれて黄色に変化し、次いで赤色に変化する。別の実施形態では、バーの代わりにドット、円、正方形及び同様のものが使用される。更に別の実施形態では、ホストが標的内にいた期間を示すために、星、ハート、サムアップ図、及び/又はスマイリーフェイス(色付き及び/又は白黒)をグラフに追加することができる。更なる実施形態では、星、ハート、サムアップ図、及び/又はスマイリーフェイスは、標的内に留まるための報償として点滅するか、又は閃光を発することができる。更に別の実施形態では、色を使用する代わりに、グラフの部分が点滅する/閃光を発するようにされる。例えば、一実施形態では、一連のドットがホストのグルコース濃度をプロットし、最近の濃度が点滅する。
【0110】
いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、ボーラスで送達される薬剤の単位を表す、図14において「10U」及び「7U」として図示される、実質的に時間に対応するセンサデータに隣接して、ユーザインターフェース上に薬剤送達の表現を表示するように構成されている。これらの実施形態では、薬剤送達の表示は、薬剤送達と実質的に同じ時間に測定されたグルコース値に実質的に隣接して位置する。実質的に時間に対応するセンサデータに隣接してユーザ上に薬剤送達の表現を提供することによって、ユーザは、そのグルコース濃度及び/又は標的グルコース濃度の達成に対する治療(例えば、薬剤ボーラス)の影響を見ることができると考えられる。
【0111】
いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、例えば、1時間、3時間、6時間、9時間、1日、3日、5日、7日、1ヶ月、3ヶ月、年初来、1年、2年、5年、及び同様のものの間、ユーザインターフェース上にグルコースデータを表示するように構成され、これは、その期間にわたる実際のグルコース値、平均グルコース値、又は推定グルコース値をユーザに提供する。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、グルコース値が経時的に変化するときのグラフ表現を含む、グルコース傾向データ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、2つの特定の期間の間の傾向に関連する所見を含む、2つの期間の比較データ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、食事時間に基づくグルコース要約データを含む、モード日データ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、曜日に基づくグルコース要約データを含むモード週データ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、薬剤レジメン情報及び基本薬剤パターンの変化を含む、薬剤投与及び効果データ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、非常に低いグルコース測定値及び非常に高いグルコース測定値、並びに/又は(いくつかの実施形態では、ユーザによって定義され得る)標的範囲外のグルコース測定値に関する情報を含む、低血糖及び高血糖エピソードデータ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、一体型電子機器は、例えば、事前にプログラムされるか、又はユーザによって設定可能であり得る、低血中グルコースレベルと高血中グルコースレベルとの間の急速な変動の事象を含む、急速な変動データ(例えば、チャート又はグラフ)をユーザインターフェース上に表示するように構成されている。
【0112】
いくつかの実施形態では、プロンプト又はメッセージをユーザインターフェース上に表示して、連続グルコースセンサの誤動作、異常値、見逃したデータ送信、又は同様のものなどの情報をユーザに伝えることができる。加えて、プロンプトを表示して、連続グルコースセンサの較正を通じてユーザを案内することができる。更に、較正されたセンサグルコースデータを表示することができ、これは、同時係属米国特許出願公開第2005/0027463(A1)号及び米国特許出願公開第2005/0203360(A1)号を参照してより詳細に説明されており、これらの各々は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンに関するプロンプト又はメッセージをユーザインターフェース上に表示して、薬剤送達のユーザの種類、量、及び時間を通知又は確認することができる。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、薬剤送達、及びその送達に対するホストの代謝応答に関する履歴データ及び分析物パターン情報を提供し、これは、様々な薬剤の効果のレベルを判定する際に患者又は医師にとって有用であり得る。
【0114】
再び図13を参照すると、送達デバイス16と関連付けられた電子機器110は、プロセッサ182に操作可能に接続され、送達デバイス16に関連付けられたデータを処理するためのプロセッサ112を含み、受信機14のプロセッサ182と送達デバイス16のプロセッサモジュール112との間のデータ伝送のための少なくとも有線又は無線接続114を含む。いくつかの実施形態では、送達デバイス電子機器110は、電子機器110が必要とされなくてもよいように、少なくとも部分的に又は完全に一体型電子機器に組み込まれる。当業者によって理解されるように、本明細書に引用される送達デバイスのいずれか、又は他の既知の送達デバイスと関連付けられる他の電子機器は、本明細書に説明される送達デバイス電子機器110と共に実装され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、プロセッサモジュール112は、連続センサ情報と組み合わせて送達情報を処理するためのプログラミングを含む。いくつかの代替実施形態では、プロセッサ182は、連続センサ情報と組み合わせて送達情報を処理するためのプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、両方のプロセッサ182及び112は、各構成要素に関連する情報を相互に処理する。
【0116】
いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン16は、例えば、ディスプレイ及び/又はボタンを含み得るユーザインターフェース(図示せず)を更に含む。米国特許第6,192,891号、米国特許第5,536,249号、及び米国特許第6,471,689号は、当業者によって理解されるように、手持ち式薬剤注射ペン内へのユーザインターフェースの組み込みのいくつかの実施例を説明している。
【0117】
任意選択の単位点グルコースモニタ18と関連付けられた電子機器116は、プロセッサモジュール120に操作可能に接続され、一実施形態では、上述のように、生体サンプルが感知膜上に置かれたときに作用電極において産出される電流を測定するポテンショスタット118を含む。
【0118】
アルゴリズム
図15は、一実施形態における、薬剤送達の前に治療命令を検証するプロセス230を図示するフローチャートである。いくつかの実施形態では、システムは、治療推奨の検証を提供するプログラミングを用いて構成されている。いくつかの実施形態では、治療推奨は、ユーザインターフェース上の、送達すべき薬剤の時間、量、及び種類の提案を含む。いくつかの実施形態では、治療命令は、供与する薬剤送達の時間、量、及び/又は種類を計算することと、任意選択で、それらの命令を送達デバイスに伝送することと、を含む。いくつかの実施形態では、治療命令は、当業者によって理解されるように、薬剤の判定及び送達が達成される閉ループシステムのその部分を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、治療推奨は、例えば、シリンジ、薬剤ペン、薬剤ポンプ、リンゴ、オレンジジュース、キャンディバー、又は摂食、飲用、若しくは治療の供与を表す任意のアイコンなどの代表的なアイコンによって、(例えば、一体型ハウジングの)ユーザインターフェース上に表示される。加えて、又は代替的に、治療推奨は、例えば、「3.0単位」、「炭水化物を消費する」、「薬剤を注射する」又は「治療を必要としない」のような予め設定された英数字メッセージであり、ブランド名、量、時間、頭字語、コード、及び同様のものを含み得る。ユーザインターフェース上に表示される治療の推奨に応答して、ユーザは、推奨された治療を確認、修正、及び/又はキャンセルすることができ、その後、一体型手持ち式薬剤注射ペンは、適切な治療を供与するように構成されている。
【0120】
データの計算及び処理はますます複雑かつ信頼できるものになっているが、治療勧告が人間の介入を必要とする状況がある。いくつかの例は、ユーザが、例えば、運動、食事、保留中の手動薬剤送達、及び同様のものなどの挙動に起因して、自身の代謝状態を変化させようとしているときを含む。そのような例では、プログラミングによって判定された治療推奨は、現在又は今後の挙動を考慮していない場合があり、これは推奨される治療を変更することができる。多数のそのような状況が発生する可能性があり、したがって、治療推奨が適切に供与されることを保証するために、検証を行うことが有利となる場合がある。
【0121】
ブロック232において、センサデータモジュールとも称されるセンサデータ受信モジュールは、センサから、センサと有線又は無線通信することができる受信機を介して、1つ以上の時間間隔センサデータ点を含むセンサデータ(例えば、データストリーム)を受信する。センサデータ点は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0043598(A1)号に記載されているように、生であるか、又は平滑化されていてもよい。
【0122】
ブロック234において、プロセッサモジュールの一部である薬剤計算モジュールは、受信されたセンサデータに基づいて推奨される薬剤治療を計算する。当業者によって理解されるように、様々なアルゴリズムを使用して、推奨治療を計算することができる。
【0123】
ブロック236において、プロセッサモジュールの一部である検証モジュールは、任意選択で、推奨された治療を検証する。検証は、安全かつ正確な薬剤の推奨又は送達を確実にするために、ユーザ又は一体型システム10の別の構成要素からの追加データの要求を含み得る。いくつかの実施形態では、検証モジュールは、時刻、食事、睡眠、カロリー、運動、病気、又は同様のものなどの追加の入力を要求及び/又は考慮する。いくつかの実施形態では、検証モジュールは、この情報をユーザに要求するように構成されている。いくつかの実施形態では、検証モジュールは、そのような情報を入力するユーザに対して応答性がある。
【0124】
いくつかの実施形態では、一体型システム10が完全自動化モードにあるとき、検証モジュールは、潜在的リスクが評価されたときにトリガされる。例えば、臨床的に危険な不一致が評価されるとき、グルコース値の加速度が変化しているか又は低い(グルコース傾向の著しい変化を示す)とき、正常な食事、運動又は睡眠時間に近いとき、個人の投薬パターンに基づいて薬剤送達が予想されるとき、及び/又は外部の影響(食事時間、運動、定期的な薬剤送達、又は同様のもの)が治療命令において追加の考慮を必要とし得る様々な他のそのような状況である。検証モジュールをトリガするためのこれらの条件は、例えば、プロセッサモジュールが個人の挙動パターンを監視及びパターン化するにつれて、事前にプログラムすることができ、かつ/又は経時的に学習することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、システムは、検証前に一体型システムに未知の外部影響に関する追加情報をユーザから要求するようにプログラムすることができる。例えば、運動、食物又は薬剤の摂取、休息、及び同様のものを受信機に入力して、治療推奨を処理するプログラミング(アルゴリズム)のパラメータに組み込むことができる。
【0126】
ブロック238において、受信機は、治療推奨を確認し、送信する(例えば、表示する、伝送する、及び/又は送達する)。いくつかの実施形態では、受信機は、例えば、推奨された治療を単純に確認し、表示することができる。いくつかの実施形態では、受信機は、例えば、推奨された治療に関する命令を送達デバイスに確認し、伝送し、任意選択で送達することができる。いくつかの実施形態では、受信機は、例えば、推奨された治療の送達を確認し、保証することができる。いくつかの実施形態では、単一点グルコースモニタによって測定されたグルコース値は、治療推奨を検証するために使用される。これらの例は限定を意味するものではなく、実施形態の範囲内で、受信機が推奨された治療を確認、表示、伝送、及び/又は送達することができる様々な方法が存在することに留意されたい。
【0127】
図16は、一実施形態において、一体型システムを使用して適応代謝制御を提供するプロセスを図示するフローチャート240である。この実施形態では、一体型システムは、薬剤送達に対する代謝応答を含む、個人の代謝のパターンを学習するようにプログラムされる。
【0128】
いくつかの実施形態では、システムは、グルコース濃度、グルコース傾向情報(例えば、変化率、加速度など)、予測グルコース値、食物摂取(例えば、炭水化物)、運動、疾病、睡眠、時刻、及び同様のもののうちの少なくとも1つに基づいて、治療推奨を提供するプログラミングを用いて構成されている。1つのそのような実施例では、システムは、ユーザから炭水化物及び運動情報を要求するように構成され、それは、連続グルコースセンサからのデータと組み合わせて使用され、(例えば、手持ち式薬剤注射ペンを用いて)注射のための薬剤の推奨用量を計算する。いくつかの実施形態では、ユーザのグルコース濃度が標的範囲外にある(又は標的範囲外にあると予測される)とき、推奨された治療が(例えば、上述のような一体型ペンの)ユーザインターフェース上に表示され、ユーザは、薬剤の注射の前に治療推奨を検証する機会を有する。ユーザが薬剤を注射した後、一体型システムに記憶された薬剤の量(及び種類など)が、所定の期間(例えば、注射後数分~数時間)にわたるユーザの代謝応答(すなわち、連続グルコースデータ)と組み合わせて分析されて、供与された薬剤の量(及び/又は種類)が所望の変化(例えば、標的範囲内のグルコース濃度)に影響を与えたかどうかが判定される。好ましくは、システムのプログラミングは、薬剤送達情報及び連続グルコースセンサ情報を処理して、治療推奨を個人の代謝パターンに適応的に調整するように構成されている。すなわち、各薬液注入のたびに、かつ/又は複数回の薬剤注射にわたって、ユーザが様々な治療にどのように応答するかを適応的に学習し、それに応じて治療推奨の計算を適応的に調整するように構成されている。
【0129】
ブロック242において、受信機14及び/又は薬剤送達デバイス16内にプログラムすることができる薬剤データ受信モジュールは、時間、量、及び/又は種類を含む薬剤送達データを受信する。いくつかの実施形態では、ユーザは、薬剤送達情報をユーザインターフェースに入力するように促される。いくつかの実施形態では、薬剤送達デバイス16は、薬剤送達データを薬剤データ受信モジュールに送信する。
【0130】
ブロック244において、センサデータモジュールとも称されるセンサデータ受信モジュールは、センサから、センサと有線又は無線通信することができる受信機を介して、1つ以上の時間間隔センサデータ点を含むセンサデータ(例えば、データストリーム)を受信する。
【0131】
ブロック246において、受信機14及び/又は送達デバイス16にプログラムされ得るプロセッサモジュールは、センサデータモジュール242からのセンサデータ及び薬剤送達モジュール244からの薬剤送達データを監視して、薬剤の様々な時間、量、及び/又は種類に対する応答を含む個人の代謝プロファイルを判定するようにプログラムされる。プロセッサモジュールは、当業者によって理解されるように、任意のパターン認識型アルゴリズムを使用して、個人の代謝プロファイルを定量化することができる。
【0132】
ブロック248において、プロセッサモジュールの一部である薬剤計算モジュールは、センサグルコースデータ、薬剤送達データ、及び/又はホストの個人の代謝プロファイルに基づいて推奨された薬剤を計算する。いくつかの実施形態では、上記図15を参照して図15を参照して説明されるように検証される。いくつかの実施形態では、推奨された治療は、手動で、半自動的に、又は自動的にホストに送達される。
【0133】
ブロック250において、ホストの代謝プロファイルを監視及び評価するプロセスは、新しい薬剤送達データの受信ごとに繰り返され、プロセッサは、必要に応じて、新しく判定された代謝プロファイル又はパターンに適応的に調整するために、センサデータ及び関連付けられた薬剤送達データを監視して、個人の代謝応答を判定する。このプロセスは、一体型システムの寿命を通して連続的であってもよく、連続グルコースセンサによって満たされる条件に基づいて開始されてもよく、患者又は医師によってトリガされてもよく、かつ/又は始動又は学習段階中に提供されてもよい。
【0134】
理論に束縛されるものではないが、薬剤に対する応答を含む個人の代謝プロファイルに基づいて薬剤送達を適応的に調整することによって、改善された長期の患者ケア及び全体的な健康が達成され得ると考えられる。
【0135】
臨床背景のための一体型システム
図17は、一実施形態における、臨床背景で使用するための一体型糖尿病監視及び処置システムを図示するブロック図である。一体型システムは、ホストのグルコース濃度と関連付けられた信号を連続的に検出するように構成された連続グルコースセンサ12と、信号を処理してセンサデータ及び治療命令を生成するように構成及び配置されたプロセッサモジュール182であって、治療命令がいくつかの実施形態では送達可能な薬剤用量を含む、プロセッサモジュールと、プロセッサモジュールと1つ以上の手持ち式薬剤注射ペンなどの薬剤送達デバイス16との間で治療命令を通信するように構成及び配置された通信モジュール1700と、を含む。説明の多くは手持ち式薬剤注射ペンに関するが、実施形態は、薬剤吸入器、及び/又は同様のものなど、ボーラス治療用に構成された任意のそのような薬剤送達デバイスに適用することができる。1つの例示的な実施形態では、グルコースセンサはホストに埋め込まれる。いくつかの実施形態では、センサと関連付けられたプロセッサモジュール182は、センサデータを処理して、薬剤治療(例えば、ホストに送達される薬剤用量)を計算し、通信モジュール1700は、限定ではないが、無線通信などを介して、薬剤治療命令を手持ち式薬剤注射ペン16に通信する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、通信モジュールの範囲内の手持ち式薬剤注射ペンに送信することができる送達可能な薬剤用量を継続的に計算する。他の実施形態では、プロセッサモジュールは、無線通信などを介して手持ち式薬剤注射ペンによる問い合わせに応答して薬剤治療を計算する。例えば、介護者は、手持ち式薬剤注射ペン16を使用して、患者の連続グルコースセンサ12に問い合わせ、薬剤治療命令を受信することができる(例えば、プロセッサモジュール182によって計算され、通信モジュール1700によって手持ち式薬剤注射ペンに通信される、ホストの識別及び送達可能な薬剤用量)。いくつかの実施形態では、連続グルコースセンサは、薬剤治療命令を判定するように構成されたプロセッサモジュールを含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、システムは、プロセッサモジュールの少なくとも一部分が手持ち式薬剤注射ペン内に配設され、薬剤デバイスが計算の少なくとも一部を実行して薬剤治療命令を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、連続グルコースセンサは、センサデータを収集し、(任意選択で)収集されたデータを処理してデータパケットにし、次いでデータパケットを手持ち式薬剤注射ペンに通信するのに必要な最小限の電子機器のみを含み、手持ち式薬剤注射ペンは、プロセッサモジュールを含み、受信されたデータを処理して薬剤治療命令を生成する。様々な中間構成が、当業者によって理解され得る。
【0136】
薬剤治療命令を受信した後、介護者は、単に薬剤注射ペンを作動させることによって、薬剤用量を患者に送達することができる。図17に示されるように、連続グルコースセンサ12は、複数の手持ち式薬剤注射ペン(16n)と通信するように構成及び配置され、それにより、病院などの臨床環境において、各介護者が手持ち式薬剤注射ペンを携帯し、その手持ち式薬剤注射ペンを使用して、患者の体温、脈拍、血圧、呼吸、pO、尿排出量、及び同様のものを病院プロトコルによって判定される一定の間隔で測定する実践と同様に、患者ケアの通常の過程の一部として患者(ホスト)に薬剤を送達することができる。
【0137】
実施形態において、プロセッサモジュール182は、ホスト情報及び/又は治療命令の入力のために構成された入力モジュールを含む。好ましくは、デバイスは、介護者などの外部プログラマによってプログラムされる(例えば、操作される)ように構成及び配列される。このような情報は、連続グルコースセンサ12がホストに埋め込まれたときにデバイスに入力することができる。例えば、いくつかの実施形態では、入力モジュールは、ユーザインターフェース、手持ち式薬剤注射ペン、注入ポンプ、患者モニタ、単一点グルコースモニタ、受信機、及び同様のものから情報を受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、情報は、連続グルコースセンサに組み込まれたユーザインターフェースを介して、又はユーザインターフェースを含むことができる手持ち式薬剤注射ペンを介して入力することができる。他の実施形態では、情報は、ユーザインターフェースを有し、限定されないが、コンピュータ、患者モニタ、PDA及び同様のものなどの通信モジュールと通信するように構成された三次デバイスを介して入力することができる。
【0138】
実施形態では、ホスト情報は、連続グルコースセンサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンと関連付けられた入力モジュールを介して入力することができ、ホスト情報は、患者に割り当てられた一意の識別コードなどのホストID、ホストの身体的特徴、ホストに送達される薬剤の種類、ホストに割り当てられた治療プロトコル、及び同様のものを含むが、これらに限定されない。治療命令は、治療プロトコル及び/又はその一部分の選択を含むが、これらに限定されず、標的ホスト血中グルコース濃度及び/又は濃度範囲、ホストが所定の基準を満たす場合に鳴らされるアラート、及び同様のものの選択などを含むが、これらに限定されない。実施形態では、治療命令は、薬剤の種類、薬剤用量、及び送達時間のうちの少なくとも1つを含む。一体型電子機器は、ホスト情報及び/又は治療命令を処理するように更に構成及び配置される。例えば、一体型電子機器は、選択されたプロトコルとの関連で連続グルコースセンサデータを処理することができ、それにより、薬剤治療は、例えば、標的血中グルコース濃度範囲(例えば、100~140mg/dl血中グルコース)内にホストを維持するように計算される。実施形態では、デバイスは、ホスト情報、センサデータ、治療命令、送達可能な薬剤用量、アラート及び/又はアラームを表示するように構成及び配置されたディスプレイモジュールを含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、システムは、ホスト情報、センサデータ、治療命令、送達可能薬剤用量、アラート、アラーム、予測アラーム、及び同様のものを受信するように構成された、(例えば、ポータブル及び/又は遠隔に位置する)データリポジトリシステム及び/又はデバイスと通信するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、通信モジュールは、ホスト及びホストの処置に関連する情報を、ホストの状態を記録及び追跡し、かつ/又はホストの患者カルテにデータを入力するデータリポジトリに伝送するように構成されている。例えば、データは、医療記録などにおいて、遠隔でホストの患者カルテに電子的に入力することができる。別の実施形態では、情報は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA及び同様のものなどのディスプレイデバイスに一体化されたデータリポジトリデバイスを使用して、患者の医師によって遠隔で監視することができ、それは、医師が、来たる問題/事象の予測アラーム、又はホストの現在の物理的状態に関連するアラーム/アラートを受信することを可能にする。同様に、医師がホストを訪問するとき、医師は、携帯型データリポジトリを使用して、連続グルコースセンサから関連データを収集することができる。1つの例示的な実施形態では、連続グルコースセンサは、薬剤治療に関連するデータ及び情報を別個の及び/又は遠隔のデータリポジトリに通信するように構成され、例えば、センサは、この情報を、医師によって携行されるか若しくはナースステーションにある遠隔モニタに、又は記憶及び/若しくは監視のために遠隔位置(例えば、医療記録)に伝送するように構成されている。別の例示的な実施形態では、手持ち式薬剤注入ペン(例えば、インスリンペン)は、連続グルコースセンサから受信したデータ(例えば、通信モジュールを介して)及びホストに送達された薬剤治療に関連する情報を、例えば、この情報を医師によって携行される遠隔モニタ又はナースステーションに、又は保存及び/若しくは監視のために遠隔の場所(例えば、医療記録)に伝送することによって、別個及び/又は遠隔データレポジトリに通信するように構成されている。
【0140】
図17に示されるように、一体型システムは、連続グルコースセンサ12と通信して(例えば、逆も同様)、薬剤をホストに送達するように構成された手持ち式薬剤注射ペン16を含む。いくつかの実施形態では、システムは、複数の手持ち式薬剤注射ペン16nと通信するように構成されている。例えば、一実施形態では、システムは、連続グルコースセンサを装着しているホストが、各々が手持ち式薬剤注射ペンを携行する複数の介護者によって監視及び/又は処置され得るように構成されている。例えば、ホストのセンサは、第1の介護者の手持ち式薬剤注射ペン、次いで第2の介護者の手持ち式薬剤注射ペンなどと通信するように構成されている。非限定的な実施例として、病院のホストについて、各勤務シフトの開始時に、(例えば、本明細書で説明されるように、ホストのセンサと看護師の手持ち式薬剤注射ペンとの間の通信を介して)新しい看護師がホストのグルコースレベルをチェックして、必要に応じてインスリンを送達することができる。したがって、連続グルコースセンサ及び手持ち式薬剤注射ペンは、操作可能に接続されたときに互いに通信して、その間の有線及び/又は無線通信を許容することができる。
【0141】
図18は、別の実施形態における、限定されないが、臨床環境などにおいて、1つ以上のホストにおける糖尿病を監視及び処置するための薬剤送達デバイスを図示する、ブロック図である。説明の多くは手持ち式薬剤注射ペンに関するが、実施形態は、薬剤吸入器、及び/又は同様のものなど、ボーラス治療用に構成された任意のそのような薬剤送達デバイスに適用することができる。薬剤送達デバイス16は、操作可能に接続された連続グルコースセンサ12に問い合わせを行い、かつそこからセンサデータ(例えば、ホストのグルコース濃度と関連付けられた信号)を受信するように構成された通信モジュール1700と、センサデータを処理し、薬剤治療を計算するように構成されたプロセッサモジュール182と、薬剤治療に少なくとも部分的に基づいて薬剤を送達するように構成及び配置された(例えば、注射のために薬剤のカートリッジを受容するように構成された)手持ち式薬剤注射ペンと、を含む。いくつかの実施形態では、システムは、一般病棟で使用するためなど、ホストに経皮的に埋め込むように構成及び配置された連続グルコースセンサと共に使用するように構成され、この場合、グルコースセンサによって生成される信号は、例えば間質液中で測定することができる。他の実施形態では、システムは、ホストの循環系に(例えば、動脈又は静脈を介して)又は体外血液循環デバイスに埋め込むように構成及び配置された連続グルコースセンサと共に使用するように構成され、この場合、グルコースセンサによって生成される信号は、ホストの循環系のサンプルのグルコース濃度と関連付けられる。
【0142】
一実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンと一体的に形成されるか、又は手持ち式薬剤注射ペンと有線若しくは無線で通信するか、又は手持ち式薬剤注入ペンに取り外し可能に接続することができる、通信モジュール1700は、手持ち式薬剤注射ペンがそれに問い合わせたとき、操作可能に接続された連続グルコースセンサから情報を受信するよう構成されている。手持ち式薬剤注射ペン及び連続グルコースセンサは、限定はしないが、有線及び/又は無線通信など、当技術分野で既知の任意の方法を使用して操作可能に接続することができる。一実施形態では、介護者は、手持ち式薬剤注射ペンを所定の通信範囲内に単に保持することができ、それにより、手持ち式薬剤注射ペン及び連続グルコースセンサは、RF、IR、Bluetooth、及び同様のものなどの無線通信によって互いに通信することができる。別の実施形態では、システムは、介護者がペンをセンサに隣接して保持するか又はペンをセンサに接触させたときに、手持ち式薬剤注射ペンが誘導結合通信を介してセンサと通信することができるように構成されている。様々な代替の有用な通信方法が、当業者によって理解される。
【0143】
いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペン16は、本明細書の他の箇所で説明されるように、センサデータに少なくとも部分的に基づいて薬剤治療を計算するためのプログラミングを含むプロセッサモジュール182を含む。例えば、プログラミングは、ホストの連続グルコースセンサから受信されたセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、ホストに送達される薬剤の量を計算するためのアルゴリズムの使用を指示する。実施形態では、プロセッサモジュールは、本明細書の他の場所で説明される1つ以上のアルゴリズムを使用して、投薬情報(例えば、送達される薬剤の種類、送達される薬剤の量、及び送達時間、及び/又は同様のもの)を計算する。図18に示される実施形態は、手持ち式薬剤注射ペン内に配設されるプロセッサモジュール182を描写するが、いくつかの実施形態では、プロセッサ電子機器及び/又は機能の一部又は全ては、連続分析物センサ12n内に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態では、図18に描写されるように、受信機14の電子機器/構成要素/モジュール(例えば、プロセッサモジュール、通信モジュール、及び同様のもの)は、限定ではないが、連続分析物センサ12及び手持ち式薬剤注射ペンなどの他の一体型システム構成要素の間で分散させることができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、プロセッサモジュール182は、投薬情報の検証のために構成されている。例えば、プロセッサモジュールは、ホストへの用量の注射の前に、計算された薬剤用量の検証及び/又はホストの識別を要求することができる。いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも用量(例えば、薬剤アイデンティティ、送達される薬剤の量及び/又は送達時間)及び/又はホスト情報が検証されていない限り、注射を許容しない/防止するように構成されている。例えば、手持ち式薬剤注射ペンは、第1の連続グルコースセンサに問い合わせ、薬剤用量を計算し、介護者が計算された用量をホストに注射することを許容する前に検証を要求することができる。介護者は、第2のホストに移って、プロセスを繰り返すことができる。したがって、(例えば、あるホストの薬剤用量の別のホストへの)偶発的な注射を回避することができる。
【0145】
好ましくは、手持ち式薬剤注射ペンは、少なくともいくつかの医療情報の入力及び/又は表示のために構成及び配置された、図13を参照して説明したものなどのユーザインターフェースを含み、医療情報は、ホスト情報、受信されたセンサデータ、処理されたセンサデータ、計算された薬剤治療、送達された薬剤治療、命令、アラート、アラーム、及びフェイルセーフのうちの少なくとも1つを含む。ホスト情報は、ホストID、受け取られる薬剤の種類、標的グルコースレベル及び/又は範囲、予測される低血糖/低血糖、治療プロトコル、アラート、及びアラームのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、それらの間の通信を許容する相互に係合する接点などを介して、手持ち式薬剤注射ペンに取り外し可能に接続され、次いで、ユーザインターフェースは手持ち式薬剤注射ペンに接続される。しかしながら、他の実施形態では、ユーザインターフェース(一部又はその全体)は、手持ち式薬剤注射ペンと一体的に形成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、処置情報(例えば、ホスト情報、連続グルコース情報、治療プロトコル、投薬情報、薬剤の種類、送達された薬剤、及び薬剤送達の時間)を中央モニタに通信するように構成された通信モジュール1700を含む。中央モニタは、1つ以上の手持ち式薬剤注射ペンから通信された情報を受信するように構成されたデバイス、例えば、受信した情報を表示し、任意選択でコマンド/命令を1つ以上の手持ち式薬剤注射ペンに返信するためのユーザインターフェースを含むコンピュータ化されたデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、中央モニタは、病棟の周囲又はナースステーションに位置し、通信された情報を無線で受信し、次いで、通信された情報を有線及び/又は無線接続を介して中央モニタに中継するように構成された1つ以上の中間受信デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、介護者が中間受信デバイス及び/又は中央モニタ自体の範囲内で移動すると、受信デバイス/中央モニタが手持ち式薬剤注射ペンを認識し、ペンをトリガして、ホストの処置に関する情報をダウンロードするように構成することができる。代替的に、手持ち式薬剤注射ペンによる受信デバイス/中央モニタの認識により、情報のダウンロードがトリガされる。中央モニタは、ナースステーション又は医療記録内など、中央の場所に位置してもよく、又は医師のオフィス若しくは看護管理者のオフィスのような、より個人的な遠隔の場所に位置してもよい。グルコースセンサ及び/又は手持ち式薬剤注射ペンから離れた場所に中央モニタを位置させることにより、手持ち式薬剤注射ペンの使用(例えば、どのように、いつ、どこで使用されるか)及び/又は機能(例えば、適切に機能しているか)の遠隔監視が可能になる。
【0147】
いくつかの実施形態では、システムの少なくとも一部分は、図16を参照して説明されるように、ホストのグルコースの適応代謝制御を提供するように構成されている。したがって、プロセッサモジュールは、センサデータ及び薬剤治療データ(例えば、ホストへの薬剤送達に関連する情報)を受信し、かつ送達された薬剤治療に対するホストの代謝応答についてセンサデータを監視するように構成されている。したがって、システムは、薬剤送達に対するホストの代謝応答に基づいて、新しい薬剤治療を計算することができる。例えば、ホストがインスリンに非常に敏感である場合、システムは、インスリン用量に対するホストの応答を知的に監視し、ホストのインスリン感受性を考慮に入れるために新しい薬剤用量を再計算することができる。例えば、この特定の状況では、プロセッサモジュールは、ホストのグルコースが標的範囲内に維持され、低血糖が回避され得るように、少量のインスリン用量を計算することができる。別の例において、ホストはインスリンに対して非常に非感受性であり得る。このインスリン非感受性ホストの場合、システムは、このホストのグルコースが標的範囲内に維持され得るように、インスリン治療送達時のグルコース濃度低下の欠如を監視し、将来のインスリン用量を再計算する(例えば、ボーラス用量で送達されるインスリンの量を増加させる、及び/又は基礎送達速度を上昇させる)ことができる。
【0148】
外来使用のための一体型システム
図19は、一実施形態における、外来使用のための一体型システム(糖尿病の監視及び処置)を図示するブロック図である。このようなシステムは、外来ホストによって使用され、血中グルコースを連続的に監視し、連続グルコースセンサによって生成されたデータの少なくとも一部に基づき、基礎薬剤送達デバイス(例えば、薬剤ポンプ)及びボーラス薬剤送達デバイス(例えば、手持ち式薬剤注射ペン)を用いて、開ループ、閉ループ又は半閉ループ方式のいずれかで薬剤を注入/注射することによって、リアルタイムで自分の糖尿病を正確に監視し、処置することができる。この実施形態では、一体型システムは、ホストに埋め込まれた操作可能に接続された連続グルコースセンサ12から連続グルコースセンサデータを受信するように構成及び配置された受信機14と、連続グルコースセンサデータを処理し、かつ連続グルコースセンサデータに少なくとも部分的に基づいて薬剤投薬情報を提供するように構成されたプロセッサモジュールと、薬剤投薬情報を薬剤送達デバイス16a及び16bと通信するように構成及び配置された通信モジュールと、を含む。別個の受信機が図19に図示されているが、プロセッサモジュール及び/又は通信モジュールを含む受信機14は、連続グルコースセンサ、基礎薬剤送達デバイス、ボーラス薬剤送達デバイス及び/又はそれらの組み合わせと共に位置することができ、別個に収容された受信機の必要性を排除する。
【0149】
いくつかの実施形態では、基礎薬剤送達デバイス16aは薬剤ポンプ16aであり、薬剤投薬情報は薬剤の基礎用量を含む。したがって、プロセッサモジュールは、連続グルコースセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、基礎用量を計算するためのプログラミングを含む。受信機は、基礎用量を薬剤ポンプに伝達するように構成され、薬剤ポンプは、ひいては基礎薬剤用量をホストに注入するように構成されている。グルコースセンサは連続グルコースセンサであるため、システムは、連続グルコースセンサによって生成されたセンサデータによって示されるように、基礎薬剤用量を継続的に再計算して、ホストの必要性に従って用量を再調整するように構成することができる。これは、図16を参照して説明されるように、適応代謝制御240、及び最適化されたリアルタイム患者ケアを可能にする。
【0150】
いくつかの好ましい実施形態では、ボーラス薬剤送達デバイス16bは、手持ち式薬剤注射ペン16bであり、薬剤投薬情報は、ボーラス薬剤用量を含む。したがって、プロセッサモジュールは、連続グルコースセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、薬剤のボーラス用量を計算するためのプログラミングを含む。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、薬剤ポンプと同じ薬剤を注入するように構成されるが、他の実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンは、以下でより詳細に説明するように、薬剤ポンプによって注入される薬剤以外の薬剤を注入するように構成されている。いくつかの実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンはモータを含む。モータは、薬剤投薬情報に少なくとも部分的に基づいて、薬剤の量を自動的に設定するように構成することができる。例えば、薬剤投薬情報は、手持ち式薬剤注射ペンがボーラス薬剤用量を自動的に分配するための命令を含むことができ、ボーラス薬剤用量は、ホストによって手動で送達され得る。更なる実施形態では、薬剤は手動で送達されるのではなく(例えば、ホストがプランジャを作動させて薬剤を注射することによって)、ホストがペンを注射部位に当てて保持し(例えば、薬剤を注射するように)、ペンを作動させて薬剤を自動的に注射することができるように、薬剤は半自動的に送達される。この実施形態では、手持ち式薬剤注射ペンのモータは、ホストへの薬剤注射の速度を制御するように構成することができ、薬剤投薬情報は、手持ち式薬剤注射ペンがプログラムされた速度でボーラス用量を送達するための命令を含む。例えば、注射された薬剤の活性は、部分的に注射速度に依存することが知られている。手持ち式薬剤注射ペンは、薬剤の活性を最適化するように選択された速度で薬剤を注射するように構成することができる。したがって、ホストの血糖の管理を最適化し、より一貫性のあるものにすることができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、一体型システムは、薬剤ポンプ16a及び手持ち式薬剤注射ペン16bの両方など、少なくとも2つの手持ち式薬剤注射ペンと共に使用するように構成されている。ホストは、両方のデバイスにおいて単一種の薬剤を使用することを選択することができるが、薬剤送達の複数のモードを便利に使用することが、この実施形態によって可能になる。例えば、第1の薬剤送達ポンプは、第1の種類の薬剤を送達するように構成することができ、第2の手持ち式薬剤注射ペンは、第2の種類の薬剤を送達するように構成することができ、以下同様である。1つの例示的な実施形態では、薬剤ポンプ16aは、長時間作用型薬剤を送達するように構成されている一方で、手持ち式薬剤注射ペン16bは、短時間作用型薬剤を送達するように構成されている。第2の例示的な実施形態では、薬剤ポンプ16aは、短時間作用型薬剤を送達するように構成されている一方で、手持ち式薬剤注射ペン16bは、長時間作用型薬剤を送達するように構成されている。第3の例示的な実施形態では、2つの薬剤送達デバイスは、同じ種類の薬剤を送達するように構成されている。例えば、基礎薬剤送達デバイス16aは、低用量(例えば、基礎用量)の短時間作用型インスリンを頻繁に送達するように構成することができる一方で、ボーラス薬剤送達デバイス16bは、高用量(例えば、ボーラス)の短時間作用型インスリンを送達するように構成することができる。追加の構成が、実施形態において企図される。送達される薬剤の種類及び使用される送達デバイスに関係なく、プロセッサモジュールは、ホストが標的血中グルコース範囲内に維持され得るように、連続グルコースセンサデータに応答してその特定の薬剤の用量を計算するためのプログラミングを含む。
【0152】
実施形態において、通信モジュールは、本明細書の他の箇所に記載されるように、一体型手持ち式薬剤注射ペン16a/16bと無線通信するように構成及び配置される。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、一体型手持ち式薬剤注射ペンに薬剤投薬情報を問い合わせし、かつ/又は提供するように構成及び配置されたトランシーバを備えるが、他の無線通信モードを使用することもできる。好ましくは、通信モジュールは、限定されないが、薬剤ポンプ及び手持ち式薬剤注射ペンなどの、少なくとも2つの一体型薬剤送達デバイス間の通信を可能にするように構成及び配置される。しかしながら、実施形態では、追加の手持ち式薬剤注射ペン(例えば、ポンプ及び2つのペン)の使用が企図される。好ましくは、実施形態では、通信モジュールは、少なくとも2つの一体型薬剤送達デバイスと同時に、例えば、実質的に同じ時間内に通信するように構成及び配置される。したがって、プロセッサモジュールは、基礎治療及びボーラス治療の両方を一緒に考慮して、それぞれ、デバイスについての基礎治療及びボーラス治療の推奨値を計算し、通信モジュールは、ホストのグルコースレベルを標的範囲内に維持するなど、ホストの血中グルコースレベルのコントロールを最適化するように、基礎及びボーラス薬剤送達デバイスと通信するように構成されている。いくつかの実施形態では、通信モジュールは、薬剤の注射に関する通知をユーザに提供するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、通信モジュールは、ホストに対して(例えば、受信機又は手持ち式薬剤注射ペンのうちの1つを介して)、薬剤用量が推奨され、注入されており、かつ/又は注射されたことを警告し、任意選択で、本説明書の他の箇所に記載されるように、薬剤用量の検証を要求することができる。例えば、一実施形態では、受信機及び/又は手持ち式薬剤注射ペンは、ボーラス薬剤用量が計算され、送達される準備ができたときに聴覚アラート(例えば、ビープ音又はブザー音)を発するように構成されている。
【0153】
実施形態では、一体型システムは、連続グルコースセンサデータ及び/又は薬剤投薬情報を表示するように構成及び配置されたユーザインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、ホスト情報及び/又は薬剤送達デバイス情報の入力のために更に構成され、薬剤送達デバイス情報は、薬剤ポンプ及び手持ち式薬剤注射ペンと関連付けられる。本明細書の他の箇所に記載されているように、ホスト情報は、ホストアイデンティティ、ホストの物理的状態、標的グルコース濃度並びに送達される薬剤の種類、及び同様のもののうちの少なくとも1つを含むことができる。また、本明細書の他の箇所で説明されるように、薬剤送達情報は、ホストアイデンティティ、機能的に接続された手持ち式薬剤注射ペンの識別、送達される薬剤の種類、薬剤送達プロファイル及び/又はプロトコル並びにフェイルセーフなどのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0154】
一実施例では、ホストは、連続グルコースセンサ12(例えば、図2B図2Dを参照して説明されるようなセンサ)と、受信機14と、薬剤注入ポンプ16aと、手持ち式薬剤注射ペン16bと、を含む一体型システムを使用することができ、受信機は、センサ、薬剤ポンプ及び手持ち式薬剤注射ペンと無線通信するように構成及び配置される。受信機は、トグルボタン及び/又はスクロールホイールを使用して、受信機に組み込まれたディスプレイ上の命令を選択するなど、ホストがシステムをプログラムすることができるように構成されているユーザインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、受信機は、薬剤ポンプ又は手持ち式薬剤注射ペン(図3図12を参照)のいずれかと一体化されるか、又はそれに取り外し可能に接続され、それによって、ホストは、ポンプ及びペンのみを携行する必要がある(例えば、3つのデバイスである、受信機、ポンプ及びペン)。いくつかの実施形態では、図6図7を参照して説明されるように、薬剤注射ペンキットが提供される。好ましくは、システムは、ホストが、基礎薬用量を送達するように薬剤ポンプをプログラムし、ボーラス薬剤用量を送達するように手持ち式薬剤注射ペンをプログラムすることができるように構成され、これらの全ては、連続グルコースセンサによって生成され、そこから受け取ったセンサデータに少なくとも部分的に基づき、プロセッサモジュールが、受信したセンサデータを処理し、薬剤用量(基礎及び/又はボーラス)を計算し、薬剤用量のホストへの送達を調整する。例えば、プロセッサモジュールは、基礎薬剤用量を計算し、(連続グルコースセンサデータに少なくとも部分的に基づいて)ホストに基礎用量を注入するように薬剤ポンプに自動的に命令することができる。実質的に同時に、プロセッサモジュールは、ボーラス薬剤用量を計算し、計算されたボーラス用量を送達するように手持ち式薬剤注射ペンを設定し、次いで、ボーラス用量を注射するようにホストに警告することができる。有利なことに、ホストは、その血糖値管理の制御性と融通性が高まり、次いで、ホストの健康を増進させ、糖尿病の合併症を減少させることが可能になる。
【0155】
実施形態の態様と併せて使用するのに好適な方法及びデバイスは、米国特許第4,994,167号、米国特許第4,757,022号、米国特許第6,001,067号、米国特許第6,741,877号、米国特許第6,702,857号、米国特許第6,558,321号、米国特許第6,931,327号、米国特許第6,862,465号、米国特許第7,074,307号、米国特許第7,081,195号、米国特許第7,108,778号、米国特許第7,110,803号、米国特許第7,192,450号、米国特許第7,226,978号、米国特許第7,310,544号、米国特許第7,364,592号、及び米国特許第7,366,556号に開示されている。
【0156】
用量判別器
手持ち式薬剤注射ペンなどの薬剤送達デバイスを使用するとき、患者は、治療又は治療用量を注射する前に、プライミング又はプライミング用量を分配する必要があり得る。例えば、いくつかの使用事例では、患者は、その針を交換し、新しい針から空気を除去することを意図したプライミング用量を送達する。しかしながら、患者はまた、治療用量の注射の前に気泡がないことを確実にするために、他の状況においてプライミング用量を送達し得る。多くの場合、治療用量に絶えず注意することが重要であるため、どの用量がプライミング用量で、どの用量が治療用量であるかを判定することができることが重要である。したがって、本明細書で説明される薬剤注射ペンのいくつかの実施形態では、用量分配データを処理し、ペンから分配されるプライミング用量と治療量とを判定及び判別するために、用量判別器又は用量識別構成要素又はモジュールが提供され得る。
【0157】
いくつかの実装形態では、用量判別器は、プロセッサモジュール(例えば、図13のプロセッサモジュール112)を組み込むことができ、プロセッサモジュールは、薬剤注射ペン自体、薬剤注射ペンが保管のために受容されるハウジング(例えば、図5のハウジング48)、又は薬剤注射ペンと連通する任意の他の好適な場所に位置することができる。より一般的には、採用される用量判別器の特定の実装形態は、採用される薬剤注射ペンの特定の構成に依存してもよく、薬剤注射ペンは、本明細書で説明する薬剤注射ペンの実施形態のいずれか、並びに「スマート」薬剤注射ペンとして特徴付けることができる他の薬剤注射ペンを含んでもよく、「スマート」薬剤注射ペンは、ある程度の計算能力及び他のデバイスとの通信のための接続性の両方を有する薬剤注射ペンである。
【0158】
いくつかの実施形態では、用量判別器は、薬剤注射ペン上のキャップが取り外される時間量を判定することができる。キャップの取り外しとキャップの交換との間の持続時間は、その時間間隔中に分配された任意の用量がプライミング用量を含むかどうかを示し得る。例えば、患者は、ペン針を交換するときはいつでもプライミングするように命令されることがある。ペン針を交換することは、一般に、薬剤の用量を単に注射するよりも多くの時間を要する。したがって、より長い期間にわたって持続するキャップ取り外し事象は、プライミング用量及び治療用量の分配と組み合わせた針交換と関連付けられる可能性がより高い一方、持続時間がより短いキャップ取り外し事象は、針交換なしの治療用量の分配及びプライミング用量の分配のみと関連付けられる可能性がより高い。したがって、この実施形態では、用量判別器は、キャップ取り外し事象及びキャップ交換事象を判定することができることが必要である。
【0159】
この目的のために、キャップが取り外されているとき及びキャップが交換されているときを判定するために、様々な構成又は機構のいずれも採用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、キャップが所定の位置にあるときにキャップ上のラッチがキャップをペンハウジングに固定するラッチ機構などの機械的機構を採用することができる。ラッチは、キャップが所定位置に配置されていることを示す信号をプロセッサに提供するスイッチ又はセンサを作動させることができる。同様に、キャップが取り外されると、スイッチ又はセンサは、ラッチが開放されていることを判定し、それに応答して、キャップが取り外されていることをプロセッサに知らせる。代替実装形態では、キャップの取り外し及び交換は、例えば、光センサ(例えば、感光性)、電気センサ若しくは磁気センサを使用して、又は任意の他の好適な手段によって判定され得る。
【0160】
本発明の代替実施形態では、用量判別器は、ペンによって分配される薬剤用量の体積、及び連続する分配用量の間に生じる時間量を検査する。プライミング用量と治療用量とを判別するために使用され得る体積及び/又は時間閾値を、確立することができる。これらの閾値を超える(又は、代替的に下回る)分配用量は、治療用量として分類されてもよく、これらの閾値を下回る(又は、代替的に上回る)分配用量は、プライミング用量として分類されてもよい。この目的のために、分配された用量を分類するときに、分配用量のログを使用することができる。(図5に関連して考察されるような、例えばロガーモジュールによって生成される)そのようなログは、「ペン事象」の記録として維持することができ、ペン事象は、所与の用量においてペンによって分配された薬剤の体積、及び所与の用量が分配されたときを指定するタイムスタンプを指す。
【0161】
いくつかの実施形態では、最適な体積及び時間閾値は、所与のユーザについて自動的に確立されてもよく、手動で閾値を選択する負担を取り除き、分類精度を上げることができる。閾値調整は、ユーザ入力なしに完全に自動的に実行することができ、又は提案された調整は、推奨される調整として、例えば、アプリ内通知において、電子メールなどによってユーザに提供することができ、その後、実施前にユーザによって承認又は容認される必要がある。
【0162】
いくつかの実施形態では、体積閾値及び時間閾値の確立及び調整は、治療用量及びプライミング用量の分配に関する個々のユーザの過去の挙動に関する履歴データに少なくとも部分的に基づき得る。そのような履歴データは、治療用量及びプライミング用量を識別するために手動で注釈を付けることができる。パターンは、所与のユーザがどのくらいの頻度でいつプライミング用量を分配するか、及び所与のユーザがどのくらいの頻度でいつ治療用量を分配するかに関するこの履歴データにおいて識別され得る。
【0163】
以下に提示されるのは、履歴データから識別され得るユーザ挙動パターン、並びにプライミング用量と治療用量とを判別するために(例えば、デフォルト値から)確立又は調節され得る、結果として生じる体積閾値及び時間閾値のいくつかの非限定的な例示的実施例である。これらの実施例は、閾値未満の値がプライミング事象をより示し、閾値を超える値が治療事象をより示すと仮定する。
【0164】
1つの例示的実施例では、履歴データは、ユーザがプライミング用量を分配せず、時間的に十分に分離した治療事象のみを分配することを示す(例えば、ペン事象は、例えば互いに10分以内に生じることは非常に稀である)。この場合、用量判別器は、このユーザに関する全ての将来のペン事象がプライミング用量ではなく、治療用量であると仮定することができる。結果として、体積閾値は、ある最小分配量(例えば、0)に設定することができる。代替的に、用量判別器は、将来のペン事象が元のデフォルト閾値に基づいてプライミング用量として通常分類されるときに、ユーザ確認を要求してもよい。
【0165】
別の例示的実施例では、履歴データは、ユーザが各治療用量の前にプライミング用量を分配することを示す。この場合、用量判別器は、将来のプライミング用量が治療用量として誤って分類される可能性を低減するために、時間閾値及び/又は分配体積閾値を自動的に上昇させることができる。
【0166】
更に別の例示的実施例では、履歴データは、プライミング用量と治療用量との間の相対的なタイミングが所与のユーザについて非常に一貫していることを示す。例えば、プライミングとして過去に分類されたペン事象が、例えば、治療用量の20~40秒前に常に発生する場合、それに応答して、時間閾値を、デフォルト値未満のより低い値(例えば、6分~1分)に調整することができ、別の用量が供与される1~6分前に発生した場合に、将来の用量をプライミングとして誤って分類してしまう可能性が低減される。場合によっては、デフォルト閾値に基づいてプライミングペン事象として通常分類され得るが、プライミング用量シーケンスの典型的なタイミングから逸脱するペン事象について、ユーザの確認が要求される場合がある。
【0167】
別の例示的実施例では、履歴データは、プライミング用量についての分配体積が所与のユーザについて非常に一貫していることを示す。例えば、プライミング用量についての分配体積が一貫して、例えば、2Uである場合、分配体積閾値は、この典型的な値をわずかに上回るように(例えば、3Uに)調整され得るか、又はデフォルト閾値を下回るが、プライミング用量について典型的な分配体積(例えば、3U~6U)を上回るペン事象についてユーザの確認が要求され得る。一方、治療用量体積が高度に一貫している場合(例えば、各食事に対して固定インスリン用量の量を使用する患者について)、分配体積閾値は、誤分類の可能性を低減するために、食事別の時間窓内で調節され得る。例えば、4Uの治療用量がユーザの固定朝食用量である場合、分配体積閾値は、例えば、午前3時~午前11時の時間の間に3Uに設定され得る。
【0168】
別の例示的実施例では、履歴データは、ユーザが常に1日当たり1回プライミングすることを示す。この場合、ペン使用の所与の日にプライミングペン事象が検出された後、より低い時間閾値及び/又は分配体積閾値を、その日の残りに対して使用することができる。代替的に、その日の全ての残りの事象を、プライミング用量ではなく治療用量であると仮定することができる。場合によっては、デフォルトの閾値を使用した場合、別様にプライミング用量として分類されているであろう、その日の任意の後続のペン事象について、ユーザの確認が要求される可能性がある。
【0169】
別の例示的実施例では、履歴データは、ユーザが新しいペンを最初に使用する前にプライミング用量を分配するだけであることを示す。これは、例えば、使い捨てペンが取り外し可能なロガーモジュールと共に採用される場合に起こり得る。この場合、新しいペンについてプライミングペン事象が検出された後、ペンの残りの寿命について、より低い時間閾値及び/又は分配体積閾値を使用することができる。代替的に、そのペンの全ての残りのペン事象を、プライミング用量ではなく治療用量であると仮定することができる。このアプローチは、もちろん、ロガーモジュールがあるペンから別のペンに移行していると判定することができると仮定する。
【0170】
別の例示的実施例では、履歴データは、ユーザが再使用可能ペン内の薬剤カートリッジを交換した後にプライミング用量を分配するだけであることを示す。この場合、新しいカートリッジについてプライミングペン事象が検出された後、カートリッジの残りの寿命について、より低い時間閾値及び/又は分配体積閾値を使用することができる。代替的に、そのカートリッジの全ての残りのペン事象を、プライミング用量ではなく治療用量であると仮定することができる。ペンが、カートリッジ交換プロセスが記録されないか、又は検出できない種類のものである場合、カートリッジ交換のタイミングは、最後のプライミングペン事象以降の薬剤の累積分配体積(プライミング用量及び治療用量を含む)に基づいて推測され得る。例えば、カートリッジが60Uの薬剤(例えば、インスリン)を保持する場合、方法は、最後の既知のプライミングペン事象から50U超が分配されるまで調整された閾値を使用することができ、その後、可能性のある将来のカートリッジ交換を予測して、デフォルト閾値に戻ることができる。
【0171】
別の例示的実施例では、履歴データは、ユーザが治療用量を複数の注射部位に「分割」することが多いことを示す。この場合、履歴挙動パターンにより、同様の用量の量を有する治療ペン事象の対が、先行するプライミング事象の有無にかかわらず、近い時間に発生していることが分かる。この場合、本方法は、特に投与体積の比率が分割された治療用量として以前に識別されているものと同様である場合(例えば、50%-50%分割比率)、将来のペン事象の対が、プライミング用量に続く治療用量のシーケンスではなく、分割治療用量を表すと仮定することができる。このユーザ挙動パターンに応答して、体積閾値及び時間閾値を、同様の分配比率が将来観察されるとき、ペン事象の対に対して低減することができる。このようにして、分割治療用量における第1のペン事象をプライミング用量として誤って分類するリスクが低減される。代替的に、本方法は、単に、同様の分配用量の体積を有する全てのペン事象対が、分割治療用量であると仮定することができる。
【0172】
別の例示的実施例では、履歴データは、ユーザがマイクロドーザであることを示し、ユーザは、大きな治療用量を数回ではなく、一日を通して小さな治療用量をより多く分配する傾向がある。これらのユーザでは、治療用量のサイズが小さく、用量頻度が高いため、治療用量をプライミング用量と誤って分類するリスクが高くなる。マイクロドーザの挙動パターンは、一日にわたるペン事象の平均頻度よりも高い頻度によって識別することができる。用量の体積はまた、典型的なものよりも低くてもよいが、これは、インスリン感受性などのユーザの生理機能に体積が依存するため、信頼性の低い指標となる。いずれにしても、履歴データからマイクロドーザを識別することに応答して、タイミング閾値及び/又は分配体積閾値を低減して、少量の頻繁な用量をプライミング用量として誤って分類するリスクを低減することができる。
【0173】
送達される薬剤がインスリンである場合、治療用量の体積は、ユーザが高インスリン感受性ユーザであるか低インスリン感受性ユーザであるかに実質的に基づいて変化し得る。インスリン感受性は、個々のユーザの生理機能に応じて実質的に(例えば、1~2桁)変化し得る。インスリン感受性が低いユーザは、一般に、より大きな体積の治療用量を使用することが予想され、インスリン感受性が高いユーザは、一般に、より小さな体積の治療用量を使用することが予想される。高い又は低いインスリン感受性によって特徴付けられるユーザは、治療用量として分類されている全ての履歴ペン事象から導出される総1日治療用量に基づいて推測することができる。履歴データは、所与のユーザが低い総1日治療用量を分配することを示す場合、分配体積閾値を低減することができ、それにより、治療用量をプライミング用量として誤って分類するリスクが低減される。同様に、履歴データは、所与のユーザが高い総1日治療用量を分配することを示す場合、分配体積閾値を増加させることができ、それにより、プライミング用量を治療用量として誤って分類するリスクが低減される。履歴データに加えて、患者の年齢、糖尿病の種類、非インスリン糖尿病治療、及び糖尿病持続時間など、インスリン感受性と相関する他の情報源を使用して、ユーザが高インスリン感受性ユーザ又は低インスリン感受性ユーザであることを推測することができる。そのような情報は、総1日治療用量を計算するために利用可能な十分な履歴ペン事象データが存在する前の期間において特に有用であり得る。
【0174】
履歴データのみがペン事象の誤分類につながる可能性がある、いくつかの特別な状況又は異常な状況が生じる可能性がある。これらの特別な場合のいくつかを以下に説明する。
【0175】
一例として、ユーザがペン又はカートリッジに十分な量の薬剤が残っていない状況が発生することがあり、そのため、ユーザは、1つの部分を元のペン又はカートリッジから送達し、残りの部分を新しいペン又はカートリッジから送達するように、用量を分割しなければならない。元のペン又はカートリッジ内のインスリンの量が少ない場合、2つのペン又はカートリッジにわたるこのペン事象のシーケンスは、プライミング用量の後に治療用量を投与するシーケンスであると誤解される可能性がある。この問題に対処するため、ペン又はカートリッジの変更がペンによってログ記録されるか、又は別様で直接検出される場合、ペン又はカートリッジを廃棄する前にプライミングする理由はほとんどないので、用量判別器は、変更前の最後のペン事象を治療用量(又は分割治療用量の一部)と仮定することができる。
【0176】
履歴データのみがペン事象の誤分類につながり得る別の特別な状況は、ペンが落とされたとき、又は別様で薬剤を収容するペンチャンバに空気が入った場合に発生し得る。この場合、ユーザは、チャンバから全ての空気を排出するために、プライミング用量を繰り返し分配する必要があり得る。この状況は、少量であるが一貫した体積の薬剤のシーケンスが分配されるペン事象のシーケンス(例えば、5分以内に5回以上のペン事象、各々が2Uの体積を有する)として検出され得る。このシーケンスが検出された場合、用量判別器は、各ペン事象を手動で分類するようにユーザに促すか、又は最後の事象の前の全てのペン事象がプライミング事象であると仮定することができる。加えて、加速度計又は振動データが、ペン又は任意の関連付けられたデバイスから利用可能である場合、任意の異常な加速度計/振動データ(例えば、高加速度又は振動)は、検出された異常に続いて、用量分類方法を修正し、ユーザは、異常に続くある時間窓内でペン事象を手動でラベル付けすることを強制される可能性がある。代替的に、体積閾値又はタイミング閾値は、その時間窓内で調節されてもよい(例えば、プライミング用量を治療用量として誤って分類する可能性を低減するために、体積閾値及び/又はタイミング閾値を増加させることによって)。
【0177】
患者データは、遡及的に分析されて、患者の挙動及び動作が、上述の用量判別器によって実行される用量分類方法に対して行われた閾値調整と一致するかどうかを判定する。例えば、図20a、図20b、及び図20cは、1人の特定の患者についてのペン事象データを示す。図20aは、分単位の時間(x軸)に対する用量の体積(y軸)を示す。図20bは、分単位の時間(x軸)に対する、ある分配用量から次の分配用量までの時間(y軸)を示す。図20cは、用量の体積(x軸)に対する分配用量から次の分配用量までの時間(y軸)を示す。全ての3つのプロットにおいて、赤い円は、ユーザラベル付けされたプライミングペン事象を示し、黒い円は、ユーザラベル付けされた治療ペン事象を表す。図20cは、データをまとめたものであり、緑色の線は、用量サイズ及び後続の事象タイミングの両方の閾値を示す。図20cでは、全ての赤色のドットが左下の象限に入る場合に、最大分類精度が得られる。このユーザに対して、閾値を調整することによって、具体的には、(集団全体の複数対象分析から生成された)デフォルト時間から逸脱する時間と関連付けられるいくつかのプライミングペン事象を捕捉するために、水平緑色バーをより長い時間に上方に移動させることによって、精度の増加を達成することができる。
【0178】
図21a、図21b、及び図22cは、異なる患者又はユーザについての図20a、図20b、及び図20cと同じ形式のプロットである。この場合、数十回のプライミングペン事象の長いシーケンスが存在し、その多くは、体積閾値を著しく上回る薬剤体積を有する。しかし、これらのプライミング事象は、タイミングシーケンスによって識別可能であり、これらは全て時間閾値未満である(すなわち、図21cの水平緑色ライン)。
【0179】
図20図21を合わせると、投薬パターンに関する異なるユーザ挙動が、本明細書に記載の用量分類方法によって捕捉され、個々のユーザについてプライミング用量と治療用量とをより正確に判別することができることを図示している。
【0180】
上述の用量分類方法は、閾値がユーザの履歴挙動パターンに基づいて調整される決定木を使用する。すなわち、決定木モデルは、履歴データから取得された用量体積及び時間を調べることによって訓練される機械学習アルゴリズムの一実施例であり、分配用量をプライミング用量又は治療用量として分類するために使用される。
【0181】
より一般的には、本明細書に記載の用量判別器によって実行される用量分類方法は、広範な機械学習技法のいずれかを使用して、履歴ユーザデータを検査し、個々のユーザの投薬パターンの挙動を識別することによって、プライミングペン事象と治療ペン事象とを分類又は判別することができる。そのような機械学習技法は、決定木に加えて、限定はしないが、ロジスティック回帰、ベイズ分析、並びにカルマンフィルタ及び異常検出モデルなどの様々な統計モデルを含み得る。この点に関して、モデルは、プライミングペン事象と治療ペン事象とを分類又は判別するだけでなく、ペン投与事象が履歴データにおいて識別されている典型的なユーザ挙動パターンに適合しないときを識別するために異常検出を実行することができる。機械学習技法を使用して、そのような異常を識別し、それに応答して、ユーザが異常なペン事象を手動で分類するよう要求することができる。
【0182】
実施形態の態様と併せて使用するのに好適な方法及びデバイスは、米国特許出願公開第2005/0143635(A1)号、米国特許出願公開第2005/0181012(A1)号、米国特許出願公開第2005/0177036(A1)号、米国特許出願公開第2005/0124873(A1)号、米国特許出願公開第2005/0115832(A1)号、米国特許出願公開第2005/0245799(A1)号、米国特許出願公開第2005/0245795(A1)号、米国特許出願公開第2005/0242479(A1)号、米国特許出願公開第2005/0182451(A1)号、米国特許出願公開第2005/0056552(A1)号、米国特許出願公開第2005/0192557(A1)号、米国特許出願公開第2005/0154271(A1)号、米国特許出願公開第2004/0199059(A1)号、米国特許出願公開第2005/0054909(A1)号、米国特許出願公開第2005/0051427(A1)号、米国特許出願公開第2003/0032874(A1)号、米国特許出願公開第2005/0103625(A1)号、米国特許出願公開第2005/0203360(A1)号、米国特許出願公開第2005/0090607(A1)号、米国特許出願公開第2005/0187720(A1)号、米国特許出願公開第2005/0161346(A1)号、米国特許出願公開第2006/0015020(A1)号、米国特許出願公開第2005/0043598(A1)号、米国特許出願公開第2005/0033132(A1)号、米国特許出願公開第2005/0031689(A1)号、米国特許出願公開第2004/0186362(A1)号、米国特許出願公開第2005/0027463(A1)号、米国特許出願公開第2005/0027181(A1)号、米国特許出願公開第2005/0027180(A1)号、米国特許出願公開第2006/0020187(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036142(A1)号、米国特許出願公開第2006/0020192(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036143(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036140(A1)号、米国特許出願公開第2006/0019327(A1)号、米国特許出願公開第2006/0020186(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036139(A1)号、米国特許出願公開第2006/0020191(A1)号、米国特許出願公開第2006/0020188(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036141(A1)号、米国特許出願公開第2006/0020190(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036145(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036144(A1)号、米国特許出願公開第2006/0016700(A1)号、米国特許出願公開第2006/0142651(A1)号、米国特許出願公開第2006/0086624(A1)号、米国特許出願公開第2006/0068208(A1)号、米国特許出願公開第2006/0040402(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036142(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036141(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036143(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036140(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036139(A1)号、米国特許出願公開第2006/0142651(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036145(A1)号、米国特許出願公開第2006/0036144(A1)号、米国特許出願公開第2006/0200022(A1)号、米国特許出願公開第2006/0198864(A1)号、米国特許出願公開第2006/0200019(A1)号、米国特許出願公開第2006/0189856(A1)号、米国特許出願公開第2006/0200020(A1)号、米国特許出願公開第2006/0200970(A1)号、米国特許出願公開第2006/0183984(A1)号、米国特許出願公開第2006/0183985(A1)号、米国特許出願公開第2006/0195029(A1)号、米国特許出願公開第2006/0229512(A1)号、米国特許出願公開第2006/0222566(A1)号、米国特許出願公開第2007/0032706(A1)号、米国特許出願公開第2007/0016381(A1)号、米国特許出願公開第2007/0027370(A1)号、米国特許出願公開第2007/0027384(A1)号、米国特許出願公開第2007/0032718(A1)号、米国特許出願公開第2007/0059196(A1)号、米国特許出願公開第2007/0066873(A1)号、米国特許出願公開第2007/0093704(A1)号、米国特許出願公開第2007/0197890(A1)号、米国特許出願公開第2007/0173710(A1)号、米国特許出願公開第2007/0163880(A1)号、米国特許出願公開第2007/0203966(A1)号、米国特許出願公開第2007/0213611(A1)号、米国特許出願公開第2007/0232879(A1)号、米国特許出願公開第2007/0235331(A1)号、米国特許出願公開第2008/0021666(A1)号、米国特許出願公開第2008/0033254(A1)号、米国特許出願公開第2008/0045824(A1)号、米国特許出願公開第2008/0071156(A1)号、米国特許出願公開第2008/0086042(A1)号、米国特許出願公開第2008/0086044(A1)号、米国特許出願公開第2008/0086273(A1)号、米国特許出願公開第2008/0083617(A1)号、米国特許出願公開第2008/0119703(A1)号、及び米国特許出願公開第2008/0119706(A1)号に開示されている。
【0183】
実施形態の態様と併せて使用するのに好適な方法及びデバイスは、1999年11月22日に出願され、「DEVICE AND METHOD FOR DETERMINING ANALYTE LEVELS」と題する米国特許出願第09/447,227号、2007年1月17日に出願され、「POROUS MEMBRANES FOR USE WITH IMPLANTABLE DEVICES」と題する米国特許出願第11/654,135号、2007年1月17日に出願され、「MEMBRANES FOR AN ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第11/654,140号、2006年10月4日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第11/543,490号、2007年3月26日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第11/691,426号、2008年2月26日に出願され、「ANALYTE MEASURING DEVICE」と題する米国特許出願第12/037,830号、2008年2月26日に出願され、「ANALYTE MEASURING DEVICE」と題する米国特許出願第12/037,812号、2008年4月14日に出願され、「SYSTEM AND METHODS FOR PROCESSING ANALYTE SENSOR DATA」と題する米国特許出願第12/102,654号、2008年4月14日に出願され、「SYSTEM AND METHODS FOR PROCESSING ANALYTE SENSOR DATA」と題する米国特許出願第12/102,729号、2008年4月14日に出願され、「SYSTEM AND METHODS FOR PROCESSING ANALYTE SENSOR DATA」と題する米国特許出願第12/102,745号、2008年4月4日に出願され、「SYSTEM AND METHODS FOR PROCESSING ANALYTE SENSOR DATA」と題する米国特許出願第12/098,359号、2008年4月4日に出願され、「SYSTEM AND METHODS FOR PROCESSING ANALYTE SENSOR DATA」と題する米国特許出願第12/098,353号、2008年4月7日に出願され、「SYSTEM AND METHODS FOR PROCESSING ANALYTE SENSOR DATA」と題する米国特許出願第12/098,627号、2008年4月15日に出願され、「BIOINTERFACE WITH MACRO- AND MICRO-ARCHITECTURE」と題する米国特許出願第12/103,594号、2008年4月28日に出願され、「DUAL ELECTRODE SYSTEM FOR A CONTINUOUS ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/111,062号、2008年4月17日に出願され、「TRANSCUTANEOUS MEDICAL DEVICE WITH VARIABLE STIFFNESS」と題する米国特許出願第12/105,227号、2008年4月11日に出願され、「TRANSCUTANEOUS ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/101,810号、2008年4月11日に出願され、「TRANSCUTANEOUS ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/101,790号、2008年4月11日に出願され、「TRANSCUTANEOUS ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/101,806号、2008年5月1日に出願され、「LOW OXYGEN IN VIVO ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/113,724号、2008年5月1日に出願され、「LOW OXYGEN IN VIVO ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/113,508号、2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/055,098号、2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/054,953号、2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/055,114号、2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/055,078号、2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/055,149号、2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/055,203号、及び2008年3月25日に出願され、「ANALYTE SENSOR」と題する米国特許出願第12/055,227号に開示されている。
【0184】
公開及び未公開の出願、特許、及び参考文献を含むがこれらに限定されない、本明細書に引用される全ての参考文献は、全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。参照により組み込まれる刊行物及び特許又は特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する範囲で、本明細書は、任意のそのような矛盾する材料に取って代わり、及び/又は優先することが意図される。
【0185】
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。
【0186】
本明細書で使用される成分、反応条件などの数量を表す全ての数字は、全ての場合において「約(about)」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、そうでないと示されない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、得ようとする所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、かつ本出願に対する優先権を主張する任意の出願におけるいかなる特許請求の範囲の範囲への同等物の原則の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有効数字の数及び通常の四捨五入法を考慮して解釈されるべきである。
【0187】
上記の説明は、本発明のいくつかの方法及び材料を開示する。本発明は、方法及び材料の修正、並びに製作方法及び機器の変更を行い易い。このような修正は、本開示の考慮又は本明細書中に開示される本発明の実施から、当業者に明らかになる。したがって、本発明は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の真の範囲及び趣旨内に入る全ての修正及び代替案を包含するものとする。
【符号の説明】
【0188】
8 ホスト
10 一体型糖尿病管理システム
12 連続グルコースセンサ
12a 作用電極
12a1 第1の作用電極
12a2 第2の作用電極
12b 参照電極
12c 感知膜
12d 電極ドメイン
12e 干渉ドメイン
12f 酵素ドメイン
12j 抵抗ドメイン
12n 連続分析物センサ
12x 対電極
13 本体
14 一体型受信機
16 一体型薬剤送達デバイス
16a及び16b 薬剤送達デバイス
18 単一点グルコース監視デバイス
20 一体型システム
22 手持ち式薬剤注射ペンハウジング
24 ポート
28 挿入ボタン
32 一体型システム
36 手持ち式薬剤注射ペンハウジング
38 ポート
40 サムホールド
42 挿入ボタン
44 スクロールホイール
46 一体型システム
48a ハウジング
48b コネクタ
50 手持ち式薬剤注射ペン
50a及び60a 区画
54 開口
56 機構
58 画面
60 レセプタクル
62 針
64 端部キャップ
66 一体型システム
68 手持ち式薬剤注射ペンハウジング
70 ポート
74 挿入ボタン
76 一体型システム
78 受信機ハウジング
80 作動ボタン
82 一体型システム
84 受信機ハウジング
88 一体型ハウジング
90 キャップ
92 一体型システム
94 一体型ハウジング
96 ユーザインターフェース
100 スピーカ
102 バイブレータ
104 バックライト
106 液晶ディスプレイ(LCD)
108 ボタン
110 送達デバイス電子機器
112 プロセッサ
114 無線接続
116 単一点グルコースモニタ電子機器
118 ポテンショスタット
120 プロセッサモジュール
140 連続グルコースセンサデータストリーム
176 石英水晶
178 RF送受信機
180 アンテナ
182及び112 プロセッサ
190 ポート
192 バッテリ
194 石英水晶
196 ユーザインターフェース
198 キーボード
1201 カテーテル
1202 コネクタ
1203 IVチューブ
1204 静脈
1205 血液
1700 通信モジュール
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20a
図20b
図20c
図21a
図21b
図22c
【図
【国際調査報告】