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特表2023-547790複数のビームによる上りリンク送信の拡張
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】複数のビームによる上りリンク送信の拡張
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20231107BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20231107BHJP
   H04W 72/23 20230101ALI20231107BHJP
   H04W 76/15 20180101ALI20231107BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20231107BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W16/28
H04W72/23
H04W76/15
H04W72/0446
H04B7/06 956
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521408
(86)(22)【出願日】2021-07-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 SG2021050427
(87)【国際公開番号】W WO2022086437
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10202010554V
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(31)【優先権主張番号】10202013045T
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SG
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン スアン ツオン
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】小川 佳彦
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA01
5K067DD11
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
5K067JJ14
5K067JJ22
5K067JJ31
5K067KK02
(57)【要約】
本開示は、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための通信装置および通信方法を提供する。通信装置は、動作時、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信する送受信部と、動作時、制御情報に基づいて、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用する回路と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信する送受信部と、
動作時、前記制御情報に基づいて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームを使用する回路であり、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、回路と、を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)、1つまたは複数のトランスポートブロックからの物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)処理、サウンディング参照信号(SRS:sounding reference signal)、または物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:physical random access channel)送信オケージョンであり、スロットインデックス、開始シンボル、および複数の連続するシンボルによって定義される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、スロット間レベルの繰返しフレームワークにおけるPUCCHまたはPUSCHの複数の繰返しのうちの送信オケージョン、またはスロット内レベルの繰返しフレームワークにおけるPUCCHまたはPUSCHの複数の名目上/実際の繰返しのうちの送信オケージョンである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送受信部は、基地通信装置から、時間領域においてビームスイッチングを実行することの明示的指示をさらに受信し、ビームスイッチングのための前記少なくとも1つの条件は、前記明示的指示にさらに基づく、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記送受信部は、下りリンク制御情報(DCI:downlink control information)シグナリング、媒体アクセス制御レイヤ制御要素(MAC CE:medium access control layer control element)シグナリング、または無線リソース制御(RRC:radio resource control)シグナリングの少なくとも1つを使用することによって前記制御情報を受信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの条件は、前記複数の上りリンク送信オケージョンのうちの連続する2つの上りリンク送信オケージョンの間の第1の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上であることである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記回路は、前記複数の上りリンク送信オケージョンのための前記2つ以上のビームの設定に関する支援情報を基地通信装置に提供するようにさらに設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
前記回路は、前記少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、前記複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームのそれぞれを周期的または逐次的パターンで使用するように設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記回路は、
単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルと、ビームスイッチングの必須レイテンシと、に基づいて、前記ビームスイッチングの必須レイテンシの長さおよび前記単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルの長さのうちの大きい方に対応する長さを有する新たな無効シンボルを決定し、
前記新たな無効シンボルに基づいて前記複数の上りリンク送信オケージョンを決定し、
前記決定に応じて前記複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つまたは複数のビームを使用するように設定されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記新たな無効シンボルに基づく前記複数の上りリンク送信オケージョンの決定は、単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルすべてに適用される、
請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記回路は、
単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルとビームスイッチングの必須レイテンシとからなり、前記単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルが前記ビームスイッチングの必須レイテンシと重複しない新たな無効シンボルを決定し、
前記新たな無効シンボルに基づいて前記複数の上りリンク送信オケージョンを決定し、
前記決定に応じて前記複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用するようにさらに設定されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記回路は、
単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルとビームスイッチングの必須レイテンシとを統合した新たな無効シンボルを決定し、
前記新たな無効シンボルに基づいて前記複数の上りリンク送信オケージョンを決定し、
前記決定に応じて複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つまたは複数のビームを使用するようにさらに設定されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項13】
前記2つ以上のビームのそれぞれは、電力制御パラメータのセットで設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項14】
前記回路は、前記制御情報に基づき、コードブックベースの送信のためのコードブックからの複数の送信プリコーダの少なくとも1つに前記2つ以上のビームのそれぞれを関連付けるようにさらに設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項15】
前記複数の送信プリコーダの1つは、DCIシグナリングにおいて、少なくとも送信プリコーディング行列インジケータ(TPMI:transmit precoding matrix indicator)および/またはサウンディング参照信号リソースインジケータ(SRI:sounding reference signal resource indicator)を使用することによって示される、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記複数の送信プリコーダは、DCIシグナリングにおいて少なくともTPMIおよび/またはSRIを再解釈することによって示される、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項17】
前記回路は、コードブックベースの送信のためのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットの少なくとも1つに前記2つ以上のビームのそれぞれを関連付けるように設定され、前記SRSリソースセットの少なくとも1つは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:channel state information reference signal)リソースに関連付けられる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項18】
前記SRSリソースセットの1つは、DCIシグナリングにおいて少なくともSRIを使用することによって示される、
請求項17に記載の通信装置。
【請求項19】
前記SRSリソースセットは、DCIシグナリングにおいて少なくともSRIを再解釈することによって示される、
請求項17に記載の通信装置。
【請求項20】
上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信し、
前記制御情報に基づいて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームを使用し、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、New Radio(NR)通信のための通信装置および通信方法に関し、より詳細には、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための通信装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)のリリース15(Rel.15)では、スロットレベル(スロット間)での繰返し、すなわち、繰返しタイプA(repetition type A)がサポートされている。繰返しタイプAでは、別々の繰返し送信が、同一の長さおよび同一の開始シンボルを有する別々のスロットにおいて行われる。そのような繰返しは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:physical downlink shared channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)、および物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)において適用される。
【0003】
3GPPのリリース16(Rel.16)では、ミニスロットレベル(ミニスロット内)の繰返しは、PUSCHのみ、すなわち、PUSCH繰返しタイプBに対してサポートされる。 PUSCHの名目上の(nominal)繰返しは、交差スロット境界(crossing slot boundary)または無効シンボルに基づいて、複数の実際の(actual)繰返しに分割することができる。
【0004】
PUSCH繰返しタイプAおよびBの両方について、現在のRel.15/16の規格に従って、以下の観測(観測1)を行うことができる。すなわち、図6に示すように、PUSCHの繰返しはすべて、同一の上りリンク(UL)ビームおよび同一のUL送信パラメータセットを使用すると想定される。同様に、PUCCHの繰返しについても、観測1が依然として成り立つ。
【0005】
非特許文献1での合意事項によれば、PUSCHの拡張のための時間領域ベースのソリューションに対する性能および規格の影響に関する検討が優先される。この検討は、(i)非連続スロットを用いたPUSCHの繰返し/時間分割複信(TDD:time division duplex)に利用可能なスロットに基づくPUSCHの繰返し等のPUSCH繰返しタイプAについて繰返しの回数を増やすこと(なお、周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)にたいしてPUSCHの繰返しの回数を増やすことは、非特許文献1の議長の注記からの議題項目8.8.1.1の結果に依存する)、(ii)スロット境界を越える実際の繰返しまたは14シンボルよりも大きい実際の繰返しの長さ等のPUSCH繰返しタイプBの拡張、および(iii)少なくともミニスロットPUSCHにわたるトランスポートブロック(TB)の処理(例えば、単一スロット用のサイズであるが部分的に複数のスロットにわたって送信される単一TBおよび複数のスロットにわたり送信される複数のスロット用のサイズの単一TB)等を含む。
【0006】
合意事項では、直交カバーコード(OCC:Orthogonal Cover Code)による拡散に基づく繰返し、シンボルレベルの繰返し、TBインターリービング(interleaving)、冗長バージョン(RV:redundancy version)による繰返し、およびPUSCHの繰返しの早期終了等、さらなる検討のトピックも議論されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】RAN1#102-e
【非特許文献2】3GPP TS 38.300 v16.3.0
【非特許文献3】3GPP TS 38.211 v16.3.0
【非特許文献4】TS 23.502
【非特許文献5】ITU-R M.2083
【非特許文献6】TR 38.913
【非特許文献7】TS 23.287 v16.4.0
【非特許文献8】3GPP technical specification (TS) 38.214
【非特許文献9】TS 38.213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
Rel.16では、下りリンク(DL)の場合、別々の送信点からのTBの複数の物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)送信がサポートされるのみである。ULの場合、別々のビームを使用するTBの複数のPUSCH送信は、Rel.15/16の規格ではサポートされていない。
【0009】
したがって、上記の課題の1つまたは複数に対処し、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための新たな通信装置および通信方法を開発する必要がある。さらに、他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示の背景技術と併せることで、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明を制限することのない例示的な1つの実施例は、複数のビームを用いてUL送信を拡張するための通信装置および方法を提供することに資する。
【0011】
第1の態様では、本開示は、動作時、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信する送受信部と、動作時、制御情報に基づいて、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用する回路と、を備える、通信装置を提供する。
【0012】
第2の態様では、本開示は、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信し、制御情報に基づいて、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用する、通信方法を提供する。
【0013】
なお、一般的な実施の形態または具体的な実施の形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして、実施できることに留意されたい。
【0014】
開示されている実施の形態のさらなる恩恵および利点が、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施の形態および特徴によって、個別にうることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数をうる目的で、実施の形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示の実施の形態は、一例にすぎないが、以下の説明からまた図面と関連付けて、より良く理解され、当業者に容易に明らかになるであろう。
図1】例示的な3GPP NR-RANアーキテクチャを示す図
図2】NG-RANと5GCとの間の機能的分割を示す概略図である。
図3】無線リソース制御(RRC:radio resource control)接続のセットアップ/再設定手順のシーケンス図
図4】enhanced Mobile BroadBand(eMBB)、massive Machine Type Communications(mMTC)、およびUltra Reliable and Low Latency Communications(URLLC)の利用シナリオを示す概略図
図5】非ローミングシナリオにおけるV2X通信のための例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図
図6】同一の上りリンク(UL)ビームがPUSCHのすべての繰返しに適用される、例示的な物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)の繰返しタイプAおよびBを示す図
図7】上りリンク送信のための複数のビームの1つの例示的な遮蔽を示す概略図
図8】様々な実施の形態に係る通信装置の概略的な例を示す図。通信装置は、UEまたはgNB/基地局として実装され、本開示の様々な実施の形態に従って、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するように設定されうる。
図9】本開示の様々な実施の形態による、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための通信方法を示すフロー図
図10】本開示の第1の実施の形態の第1の例による、2つのビームが使用されるPUSCH繰返しタイプAを示す図
図11】本開示の第1の実施の形態の第1の例による複数の送受信点(TRP:Transmission Reception Point)での送信シナリオの下で、図10の2つの繰返しにマッピングされる2つのビームを示す概略図
図12】本開示の第1の実施の形態による、複数の上りリンク送信オケージョンのためのビームスイッチングのための時間領域リソース割当ての例示的な設定を示す図
図13】本開示の第2の実施の形態による、PUSCH繰返しタイプBの下での上りリンク送信オケージョンにおける新たな無効シンボルの例示的な設定を示す図
図14A】Rel.16の無効シンボルを有するPUSCH繰返しタイプBを示す図
図14B】本開示の第2の実施の形態の一例による、新たな無効シンボルを伴うPUSCH繰返しタイプBを示す図
図15A】Rel.16の無効シンボルを有するPUSCH繰返しタイプBを示す図
図15B】本開示の第2の実施の形態の他の例による、Rel.16の無効シンボルおよび新たな無効シンボルを伴うPUSCH繰返しタイプBを示す図
図15C】本開示の第2の実施の形態のさらに他の例による、Rel.16の無効シンボルと新たな無効シンボルとを有するPUSCH繰返しタイプBを示す図
図16】本開示の第3の実施の形態による例示的なシンボルレベルの繰返しを示す図
図17】本開示の第3の実施の形態による、複数の上りリンク送信オケージョンのためのビームスイッチングのための例示的なPUSCH割当設定を示す図
【0016】
当業者であれば、図中の要素が平易にかつ明確に説明されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解できる。例えば、本実施の形態をより理解できるようにするために、図、ブロック図、またはフローチャート中の要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素に関して誇張されうる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示のいくつかの実施の形態を、一例として、図面を参照して説明する。図面中の同様の参照番号および文字は、同様の要素または等価の要素を指す。
【0018】
3GPPは、100GHzまでの周波数範囲で動作する新無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代携帯電話技術(単に「5G」ともいう)の次のリリースに向けて作業を続けている。5G規格の初版は2017年の終わりに完成しており、これにより、5G NRの規格に準拠したスマートフォンの試作および商用配備に移ることが可能となっている。2020年6月に5G規格の第2バージョンが完成し、5Gの到達範囲を、無認可スペクトル(NR-U)、非パブリックネットワーク(NPN)、時間センシティブネットワーキング(TSN)、およびセルラーV2X等の新しいサービス、スペクトル、および展開にさらに拡大した。
【0019】
特に、システムアーキテクチャは、全体としては、gNBを備えるNG-RAN(Next Generation-Radio Access Network)を想定する。gNBは、NG無線アクセスのユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーン(RRC)のプロトコルのUE側の終端を提供する。gNBは、Xnインタフェースによって互いに接続されている。また、gNBは、Next Generation(NG)インタフェースによってNGC(Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを行う特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(User Plane Function)(例えば、UPFを行う特定のコアエンティティ)に接続されている。NG-RANアーキテクチャを図1に示す(例えば、非特許文献2参照)。
【0020】
NRのユーザプレーンのプロトコルスタック(例えば、非特許文献2の第4.4.1節参照)は、gNBにおいてネットワーク側で終端されるPDCP(Packet Data Convergence Protocol(非特許文献2の第6.4節参照))サブレイヤ、RLC(Radio Link Control(非特許文献2の第6.3節参照))サブレイヤ、およびMAC(Medium Access Control(非特許文献2の第6.2節参照))サブレイヤを含む。また、新たなアクセス層(AS:Access Stratum)のサブレイヤ(SDAP:Service Data Adaptation Protocol)がPDCPの上に導入されている(例えば、非特許文献2の第6.5節参照)。また、制御プレーンのプロトコルスタックがNRのために定義されている(例えば、非特許文献2の第4.4.2節参照)。レイヤ2の機能の概要が非特許文献2の第6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、それぞれ、非特許文献2の第6.4節、第6.3節、および第6.2節に列挙されている。RRCレイヤの機能は、非特許文献2の第7節に列挙されている。
【0021】
例えば、Medium-Access-Controlレイヤは、論理チャネルの多重化と、様々なニューメロロジーを扱うことを含むスケジューリングおよびスケジューリング関連の諸機能と、を扱う。
【0022】
例えば、物理レイヤ(PHY)は、符号化、PHYハイブリッド自動再送要求(HARQ:hybrid automatic repeat request)処理、変調、マルチアンテナ処理、および適切な物理的時間-周波数リソースへの信号のマッピングの役割を担う。また、物理レイヤは、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングを扱う。物理レイヤは、MACレイヤにトランスポートチャネルの形でサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。例えば、物理チャネルは、上りリンクでは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、および物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)であり、下りリンクでは、物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、および物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)であり、サイドリンク(SL)では、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンクフィードバックチャネル(PSFCH:Physical Sidelink Feedback Channel)である。
【0023】
NRのユースケース/配備シナリオには、データレート、レイテンシ、およびカバレッジの点で多様な要件を有するenhanced mobile broadband(eMBB)、ultra-reliable low-latency communications(URLLC)、massive machine type communication(mMTC)が含まれ得る。例えば、eMBBは、IMT-Advancedが提供するデータレートの3倍程度のピークデータレート(下りリンクにおいて20Gbpsおよび上りリンクにおいて10Gbps)および実効(user-experienced)データレートをサポートすることが期待されている。一方、URLLCの場合、より厳しい要件が超低レイテンシ(ユーザプレーンのレイテンシについてULおよびDLのそれぞれで0.5ms)および高信頼性(1ms内において1~10-5)について課されている。最後に、mMTCでは、好ましくは高い接続密度(都市環境において装置1,000,000台/km)、悪環境における広いカバレッジ、および低価格の装置のための極めて寿命の長い電池(15年)が求められうる。
【0024】
そのため、1つのユースケースに適したOFDMのニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長、スケジューリング区間毎のシンボル数)が他のユースケースには有効でない場合がある。例えば、低レイテンシのサービスでは、好ましくは、mMTCのサービスよりもシンボル長が短いこと(したがって、サブキャリア間隔が大きいこと)および/またはスケジューリング区間(TTIともいう)毎のシンボル数が少ないことが求められうる。さらに、チャネルの遅延スプレッドが大きい配備シナリオでは、好ましくは、遅延スプレッドが短いシナリオよりもCP長が長いことが求められうる。サブキャリア間隔は、同様のCPオーバーヘッドが維持されるように状況に応じて最適化されるべきである。NRがサポートするサブキャリア間隔の値は、1つ以上であってよい。これに対応して、現在、15kHz、30kHz、60kHz…のサブキャリア間隔が考えられている。シンボル長Tおよびサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/Tによって直接関係づけられている。LTEシステムと同様に、用語「リソースエレメント」を、1つのOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する1つのサブキャリアから設定される最小のリソース単位を意味するように使用することができる。
【0025】
新無線システム5G-NRでは、各ニューメロロジーおよび各キャリアについて、サブキャリアおよびOFDMシンボルのリソースグリッドが上りリンクおよび下りリンクのそれぞれに定義される。リソースグリッドの各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域の周波数インデックスおよび時間領域のシンボル位置に基づいて特定される(非特許文献3参照)。
【0026】
図2は、NG-RANと5GCとの間の機能分離を示す。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCは、論理ノードAMF、UPF、およびSMFを有する。
【0027】
特に、gNBおよびng-eNBは、以下の主な機能をホストする:
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、上りリンクおよび下りリンクの両方におけるリソースのUEへの動的割当(スケジューリング)等の無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能;
- データのIPヘッダ圧縮、暗号化、および完全性保護;
- UEが提供する情報からAMFへのルーティングを決定することができない場合のUEのアタッチ時のAMFの選択;
- UPFに向けたユーザプレーンのデータのルーティング;
- AMFに向けた制御プレーン情報のルーティング;
- 接続のセットアップおよび解除;
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信;
- システム報知情報(AMFまたは運用管理保守機能(OAM:Operation,Admission,Maintenance)が発信源)のスケジューリングおよび送信;
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定の報告の設定;
- 上りリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング;
- セッション管理;
- ネットワークスライシングのサポート;
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラに対するマッピング;
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート;
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)メッセージの配信機能;
- 無線アクセスネットワークの共有;
- デュアルコネクティビティ;
- NRとE-UTRAとの緊密な連携。
【0028】
Access and Mobility Management Function(AMF)は、以下の主な機能をホストする:
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)のシグナリングを終端させる機能;
- NASシグナリングのセキュリティ;
- Access Stratum(AS)のセキュリティ制御;
- 3GPPのアクセスネットワーク間でのモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング;
- アイドルモードのUEへの到達可能性(ページングの再送信の制御および実行を含む);
- 登録エリアの管理;
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート;
- アクセス認証;
- ローミング権限のチェックを含むアクセス承認;
- モビリティ管理制御(加入およびポリシー);
- ネットワークスライシングのサポート;
- Session Management Function(SMF)の選択。
【0029】
さらに、User Plane Function(UPF)は、以下の主な機能をホストする:
- intra-RATモビリティ/inter-RATモビリティ(適用可能な場合)のためのアンカーポイント;
- データネットワークとの相互接続のための外部PDU(Protocol Data Unit)セッションポイント;
- パケットのルーティングおよび転送;
- パケット検査およびユーザプレーン部分のポリシールールの強制(Policy rule enforcement);
- トラフィック使用量の報告;
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートする上りリンククラス分類(uplink classifier);
- マルチホームPDUセッション(multi-homed PDU session)をサポートするための分岐点(Branching Point);
- ユーザプレーンに対するQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング(gating)、UL/DLレート制御(UL/DL rate enforcement);
- 上りリンクトラフィックの検証(SDFのQoSフローに対するマッピング);
- 下りリンクパケットのバッファリングおよび下りリンクデータ通知のトリガ機能。
【0030】
最後に、Session Management Function(SMF)は、以下の主な機能をホストする:
- セッション管理;
- UEに対するIPアドレスの割当および管理;
- UPFの選択および制御;
- 適切な宛先にトラフィックをルーティングするためのUser Plane Function(UPF)におけるトラフィックステアリング(traffic steering)の設定機能;
- 制御部分のポリシー強制およびQoS;
- 下りリンクデータの通知。
【0031】
図3は、NAS部分の、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行する際のUE、gNB、およびAMF(5GCエンティティ)の間のやり取りのいくつかを示す(非特許文献2参照)。移行ステップは以下の通りである。
1.UEは、RRC_IDLE状態から新しい接続をセットアップすることを要求する。
2/2a.gNBがRRCセットアップ手順を完了する。
(注記:gNBが要求を拒否するシナリオを以下において説明する。)
3.RRCSetupCompleteにおいてピギーバック方式で送られたUEからの第1のNASメッセージが、AMFに送信される。
4/4a/5/5a.追加のNASメッセージが、UEとAMFとの間で交換されうる(非特許文献4参照)。
6.AMFは、UEコンテキストデータ(PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力、およびUEセキュリティ能力等を含む)を準備し、gNBに送信する。
7/7a.gNBは、UEとのASセキュリティをアクティブにする。
8/8a.gNBは、SRB2およびDRBをセットアップするための再構成を実行する。
9.gNBは、セットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0032】
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤのシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行により、AMFは、UEコンテキストデータ(これは、例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線性能(UE Radio Capability)、UEセキュリティ性能(UE Security Capabilities)等を含む)を用意し、初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)とともにgNBに送る。そして、gNBは、UEとのASセキュリティをアクティブにする。これは、gNBがUEにSecurityModeCommandメッセージを送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって行われる。その後、gNBは、UEにRRCReconfigurationメッセージを送信し、これに対するUEからのRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによって、Signaling Radio Bearer 2(SRB2)およびData Radio Bearer(DRB)をセットアップするための再設定を行う。シグナリングのみの接続については、SRB2およびDRBがセットアップされないため、RRCReconfigurationに関するステップは省かれる。最後に、gNBは、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)でセットアップ手順が完了したことをAMFに通知する。
【0033】
図4は、5G NRのためのユースケースのいくつかを示す。3rd generation partnership project new radio(3GPP NR)では、多種多様なサービスおよびアプリケーションをサポートすることがIMT-2020によって構想されていた3つのユースケースが検討されている。大容量・高速通信(eMBB:enhanced mobile-broadband)のための第一段階の規格の策定が終了している。現在および将来の作業には、eMBBのサポートを拡充していくことに加えて、高信頼・超低遅延通信(URLLC:ultra-reliable and low-latency communications)および多数同時接続マシンタイプ通信(mMTC:massive machine-type communications)のための標準化が含まれる。図4は、2020年以降のIMTの想定される使用シナリオのいくつかの例を示す(例えば、非特許文献5の図2参照)。
【0034】
URLLCのユースケースには、スループット、レイテンシ(遅延)、および可用性のような性能についての厳格な要件があり、URLLCのユースケースは、工業生産プロセスまたは製造プロセスのワイヤレス制御、遠隔医療手術、スマートグリッドにおける送配電の自動化、交通安全等の今後のこれらのアプリケーションを実現するために必要なものの1つとして構想されている。URLLCの超高信頼性は、非特許文献6によって設定された要件を満たす技術を特定することによってサポートされる。リリース15におけるNR URLLCでは、重要な要件として、目標とするユーザプレーンのレイテンシがUL(上りリンク)で0.5ms、DL(下りリンク)で0.5msであることが含まれている。一度のパケット送信に対する一般的なURLLCの要件は、ユーザプレーンのレイテンシが1msの場合、32バイトのパケットサイズに対してブロック誤り率(BLER:block error rate)が1E-5であることである。
【0035】
物理レイヤの観点では、信頼性は、多くの採り得る方法で向上可能である。現在の信頼性向上の余地としては、URLLC用の別個のCQI表、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰返し等を定義することが含まれる。しかしながら、この余地は、NRが(NR URLLCの重要要件に関し)より安定しかつより開発されるにつれて、超高信頼性の実現のために広がりうる。リリース15におけるNR URLLCの具体的なユースケースには、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セイフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが含まれる。
【0036】
また、NR URLLCが目標とする技術拡張は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目指している。レイテンシの改善のための技術拡張には、設定可能なニューメロロジー、フレキシブルなマッピングによる非スロットベースのスケジューリング、グラントフリーの(設定されたグラントの)上りリンク、データチャネルにおけるスロットレベルでの繰返し、および下りリンクでのプリエンプション(Pre-emption)が含まれる。プリエンプションとは、リソースが既に割り当てられた送信が停止され、当該既に割り当てられたリソースが、後から要求されたより低いレイテンシ/より高い優先度の要件の他の送信に使用されることを意味する。したがって、既に許可されていた送信は、後の送信によって差し替えられる。プリエンプションは、具体的なサービスタイプと無関係に適用可能である。例えば、サービスタイプA(URLLC)の送信が、サービスタイプB(eMBB等)の送信によって差し替えられてもよい。信頼性向上についての技術拡張には、1E-5の目標BLERのための専用のCQI/MCS表が含まれる。
【0037】
mMTC(massive machine type communication)のユースケースの特徴は、典型的には遅延の影響を受けにくい比較的少量のデータを送信する接続装置の数が極めて多いことである。装置には、低価格であること、および電池寿命が非常に長いことが要求される。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することが、UEから見て電力が節約されかつ電池の長寿命化を可能にする1つの解決法である。
【0038】
上述のように、NRにおける信頼性向上のスコープはより広くなることが予測される。あらゆるケースにとっての重要要件の1つであって、特にURLLCおよびmMTCに必要な重要要件が高信頼性または超高信頼性である。いくつかのメカニズムが信頼性を無線の観点およびネットワークの観点から向上させることができる。概して、信頼性の向上に役立つ可能性がある2つ~3つの重要な領域が存在する。これらの領域には、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰返し、および周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関するダイバーシティがある。これらの領域は、特定の通信シナリオにかかわらず一般に信頼性向上に適用可能である。
【0039】
NR URLLCに関し、ファクトリーオートメーション、運送業、および電力の分配のような、要件がより厳しいさらなるユースケースが想定されている。厳しい要件とは、高い信頼性(10-6レベルまでの信頼性)、高い可用性、256バイトまでのパケットサイズ、数μs程度までの時刻同期(time synchronization)(ユースケースに応じて、値を、周波数範囲および0.5ms~1ms程度の短いレイテンシ(特に、目標とするユーザプレーンでの0.5msのレイテンシ)に応じて1μsまたは数μsとすることができる)である。
【0040】
さらに、NR URLLCについては、物理レイヤの観点からいくつかの技術拡張が有り得る。これらの技術拡張には、コンパクトなDCIに関するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)の拡張、PDCCHの繰返し、PDCCHの監視の増加がある。また、UCI(Uplink Control Information)の拡張は、enhanced HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)およびCSIフィードバックの拡張に関係する。また、ミニスロット(スロット内)レベルのホッピングに関係するPUSCHの拡張、および再送信/繰返しの拡張が有り得る。用語「ミニスロット」は、スロットより少数のシンボルを含むTransmission Time Interval(TTI)を指す(スロットは、14個のシンボルを備える)。
【0041】
5GのQoS(Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づいており、保証されたフロービットレートが求められるQoSフロー(GBR(Granteed Bit Rate)QoSフロー)、および、保証されたフロービットレートが求められないQoSフロー(非GBR QoSフロー)をいずれもサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローは、PDUセッションにおける最も微細な粒度のQoSの区分である。QoSフローは、NG-Uインタフェースを介してカプセル化ヘッダ(encapsulation header)において搬送されるQoSフローID(QFI:QoS Flow ID)によってPDUセッション内で特定される。
【0042】
各UEについて、5GCは、1つ以上のPDUセッションを確立する。各UEについて、PDUセッションに合わせて、NG-RANは、例えば図3を参照して上に示したように少なくとも一つのData Radio Bearers(DRB)を確立する。また、そのPDUセッションのQoSフローに対する追加のDRBが後から設定可能である(いつ設定するかはNG-RAN次第である)。NG-RANは、様々なPDUセッションに属するパケットを様々なDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルパケットフィルタが、ULパケットおよびDLパケットとQoSフローとを関連付けるのに対し、UEおよびNG-RANにおけるASレベルマッピングルールは、UL QoSフローおよびDL QoSフローとDRBとを関連付ける。
【0043】
図5は、5G NRの非ローミング参照アーキテクチャ(non-roaming reference architecture)を示す(非特許文献7の第4.2.1.1節参照)。Application Function(AF)(例えば、図4に例示した、5Gのサービスをホストする外部アプリケーションサーバ)は、サービスを提供、例えば、トラフィックのルーティングにアプリケーションの影響を与えること、Network Exposure Function(NEF)にアクセスすること、またはポリシー制御(例えば、QoS制御)のためにポリシーフレームワークとやり取りすること(Policy Control Function(PCF)参照)をサポートするために3GPPコアネットワークとやり取りする。オペレーターによる配備に基づいて、オペレーターによって信頼されていると考えられるApplication Functionは、関連するNetwork Functionと直接やり取りすることができる。Network Functionに直接アクセスすることがオペレーターから許可されていないApplication Functionは、NEFを介することにより外部に対する解放フレームワークを使用して関連するNetwork Functionとやり取りする。
【0044】
図5は、V2X通信用の5Gアーキテクチャのさらなる機能単位、すなわち、5GCにおけるUnified Data Management(UDM)、Policy Control Function(PCF)、Network Exposure Function(NEF)、Application Function(AF)、Unified Data Repository(UDR)、Access and Mobility Management Function(AMF)、Session Management Function(SMF)、およびUser Plane Function(UPF)、ならびにV2X Application Server(V2AS)およびData Network(DN;例えば、オペレーターによるサービス、インターネットアクセス、またはサードパーティーによるサービス)をさらに示す。コアネットワークの機能およびアプリケーションサービスの全部または一部がクラウドコンピューティング環境において展開されかつ動作してもよい。
【0045】
したがって、本開示では、QoS要件に応じたgNodeBとUEとの間の無線ベアラを含むPDUセッションを確立するために、動作時に、URLLCサービス、eMMBサービス、およびmMTCサービスの少なくとも1つに対するQoS要件を含む要求を5GCの機能(例えば、NEF、AMF、SMF、PCF、UPF等)の少なくとも1つに送信する送信部と、動作時に、確立されたPDUセッションを使用してサービスを行う制御回路と、を備える、アプリケーションサーバ(例えば、5GアーキテクチャのAF)が提供される。
【0046】
本開示において、本開示に係る下りリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPDCCHを介して送信される信号(情報)であってもよく、上位レイヤまたはRRCのMAC Control Element(CE)を介して送信される信号(情報)であってもよい。下りリンク制御信号は、予め定義された信号(情報)であってもよい。
【0047】
本開示に係る上りリンク制御信号(情報)は、物理レイヤのPUCCHを介して送信される信号(情報)であってもよく、上位レイヤまたはRRCのMAC CEを介して送信される信号(情報)であってもよい。また、上りリンク制御信号は、予め定義される信号(情報)であってもよい。上りリンク制御信号は、上りリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)、第1段階サイドリンク制御情報(SCI: sildelink control information)、または第2段階SCIでありうる。
【0048】
本開示において、基地局は、例えば、 送受信点(TRP:Transmission Reception Point)、クラスタヘッド、アクセスポイント、遠隔無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、eNodeB(eNB)、gNodeB(gNB)、基地局(BS:Base Station)、基地局送受信部(BTS:Base Transceiver Station)、ベースユニット(base unit)、またはゲートウェイでありうる。また、サイドリンク通信では、基地局の代わりに端末が用いられてもよい。基地局は、上位ノードと端末との間の通信を中継する中継装置でありうる。基地局は、路側機でありうる。
【0049】
本開示は、上りリンク、下りリンク、およびサイドリンクのいずれに適用されてもよい。本開示は、例えば、PUSCH、PUCCH、およびPRACH等の上りリンクチャネル、PDSCH、PDCCH、およびPBCH等の下りリンクチャネル、ならびに物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical Sidelink Shared Channel)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH:Physical Sidelink Control Channel)、および物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical Sidelink Broadcast Channel)等のサイドリンクチャネルに適用され得る。
【0050】
PDCCH、PDSCH、PUSCH、およびPUCCHは、それぞれ、下りリンク制御チャネル、下りリンクデータチャネル、上りリンクデータチャネル、上りリンク制御チャネルの一例である。PSCCHおよびPSSCHは、それぞれ、サイドリンク制御チャネルおよびサイドリンクデータチャネルの例である。PBCHおよびPSBCHはそれぞれ、報知チャネルの例であり、PRACHは、ランダムアクセスチャネルの例である。
【0051】
本開示は、データチャネルおよび制御チャネルのいずれに適用されてもよい。本開示におけるチャネルは、PDSCH、PUSCH、およびPSSCHを含むデータチャネル、ならびに/またはPDCCH、PUCCH、PBCH、PSCCH、およびPSBCHを含む制御チャネルと置き換えられ得る。
【0052】
本開示では、参照信号は、基地局と移動局の両方に既知の信号であり、各参照信号は、参照信号(RS)またはパイロット信号と呼ばれることがある。参照信号は、DMRS、チャネル状態情報-参照信号(CSI-RS:Channel State Information - Reference Signal)、トラッキング参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、位相トラッキング参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、およびサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)のうちのいずれかでありうる。
【0053】
アンテナポートは、1つまたは複数の物理アンテナから形成される論理アンテナ(アンテナグループ)を指す。すなわち、アンテナポートとは、必ずしも1つの物理アンテナを指すもためはなく、複数のアンテナ等からなるアレーアンテナを指す場合もある。例えば、アンテナポートを構成する物理アンテナの数は定義されておらず、その代わりに、アンテナポートは、端末が参照信号を送信することを許可される最小単位として定義される。アンテナポートはまた、プリコーディングベクトル重み付けの乗算のための最小単位として定義され得る。様々な実施の形態のいくつかの特性がデバイスを参照して説明されているが、対応する特性は、様々な実施の形態の方法にも適用され、逆もまた同様であることが理解されよう。
【0054】
上記の課題の1つまたは複数に対処し、特に、(i)セル端にあるUE(cell-edge UE)またはカバレッジ拡張領域におけるUEの性能、(ii)これらのUEのユースケース、(iii)5Gにおけるビーム指向動作(またはビーム管理)、(iv)複数のTRP送信動作を拡張するために、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための新たな通信装置および通信方法を開発する必要がある。他の望ましい特徴および特性が、添付の図面および本開示の背景技術と併せることで、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0055】
以下の様々な実施の形態では、上りリンク送信オケージョン(uplink transmission occasion)は、名目上/実際の繰返し(nominal/actual repetition)、または名目上/実際の繰返しのグループ/セットを指し、名目上/実際の繰返しは、1つまたは複数の連続するシンボルであり得る。
【0056】
図6は、例示的なPUSCH繰返しタイプA 600およびPUSCH繰返しタイプB 602を示し、図6ではすべてのPUSCHの繰返しに対して同一のULビームが適用されている。上述のように、Rel.15では、別々の繰返し送信610、612、614が、同一の長さおよび同一の開始シンボルを有する別々のスロット604、606、608において行われるが、Rel.16では、PUSCHの名目上の繰返しは、交差スロット境界616または無効シンボル(不図示)に基づいて、複数の実際の繰返し624、626、628に分割され得る。すべてのPUSCHの繰返しは、現在のRel.15/16の規格における観測1に従って、同一のULビーム(すなわち、空間関係情報)および同一のUL送信パラメータの設定を使用すると想定されている。
【0057】
5GのNew Radio(NR)ネットワーク用の高周波数帯域を使用する主な技術的課題の1つは、人/建物による深刻な遮蔽であり、これは、遮蔽によるフェージング(shadow fading)および透過の際の損失(penetration loss)を引き起こす。例えば、人による遮蔽は、30~40dBもの大きな伝搬チャネルの減衰を引き起こす可能性がある。すべてのPUCCH/PUSCHの繰返しに対して同一のULビームが使用されるため、ビームは人体によって遮られる可能性があり、カバレッジおよび信頼性の著しい劣化をもたらす。遮蔽を克服するために、PUCCH/PUSCHの繰返しのために複数のビームを使用することができる。しかしながら、ビームスイッチングのレイテンシの側面をどのように扱うかは、依然として、複数のビームを用いたPUCCH/PUSCHの繰返しをサポートするための未解決の問題である。
【0058】
図7は、上りリンク送信のための複数のビームの1つの例示的な遮蔽を示す模式図700を示す。UE(例えば、モバイルデバイス)702は、基地局704へのUL送信を開始しうる。ビーム1 706を介したUL送信は、人の手708によって遮蔽されてUL送信は失敗する一方、ビーム2 710は、人の手708によって遮蔽されず、したがって、基地局704に到達し得る。したがって、ビーム2 710を、UL送信に使用することができる。
【0059】
したがって、上記の課題の1つまたは複数に対処し、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための新たな通信装置および通信方法を開発する必要がある。本開示によれば、UEは、少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンを送信するために2つ以上のビームを使用するように設定される。そのような少なくとも1つの条件は、ネットワークの明示的指示およびビームスイッチングの必須レイテンシの少なくとも1つに関する。有利なことに、これは、複数のビームを使用する上りリンク送信のカバレッジおよび信頼性に関する性能を向上しうる。
【0060】
図8は、様々な実施の形態による通信装置の概略的な例を示す。通信装置は、UEまたはgNB/基地局として実装され得、本開示の様々な実施の形態に従って、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するように設定されうる。
【0061】
図8に示されるように、通信装置800は、回路814と、少なくとも1つの無線送信部802と、少なくとも1つの無線受信部804と、少なくとも1つのアンテナ812とを含みうる(簡略化のため、説明を目的として1つのアンテナのみが図8に示される)。回路814は、少なくとも一つの制御部806を含んでよい。制御部806は、少なくとも一つの制御部806が実行するように設計されたタスクをソフトウェアおよびハードウェアの支援を受けて実行するように用いられる。タスクとは、無線ネットワーク内の1つまたは複数の他の通信装置との通信の制御を含む。回路814は、少なくとも1つの送信信号生成部808と、少なくとも1つの受信信号処理部810とをさらに含み得る。少なくとも1つの制御部806は、少なくとも1つの制御部806の制御下で、少なくとも1つの無線送信部802を介して1つまたは複数の他の通信装置(例えば、基地通信装置)に送信される信号(例えば、ベースバンド信号)を生成するための少なくとも1つの送信信号生成部808と、少なくとも1つの制御部806の制御下で1つまたは複数の他の通信装置から少なくとも1つの無線受信部804を介して受信された信号(例えば、ベースバンド信号)を処理するための少なくとも1つの受信信号処理部810とを制御することができる。少なくとも1つの送信信号生成部808および少なくとも1つの受信信号処理部810は、図8に示されるように、上述の機能のために少なくとも1つの制御部806と通信する通信装置800のスタンドアロンモジュールでありうる。あるいは、少なくとも1つの送信信号生成部808および少なくとも1つの受信信号処理部810は、少なくとも1つの制御部606に含まれうる。これらの機能モジュールの配置が柔軟であり、実際の必要性および/または要件に応じて変化してよいことは、当業者には明らかである。データ処理、仮想記憶、および他の関連する制御装置は、適切な回路基板上および/またはチップセット内に設けることができる。様々な実施の形態では、動作時、少なくとも1つの無線送信部602、少なくとも1つの無線受信部804、および少なくとも1つのアンテナ812は、少なくとも1つの制御部806によって制御されうる。
【0062】
本開示の様々な実施の形態では、無線送信部802および無線受信部804は、まとめて送受信部と呼ばれることがある。したがって、通信装置800は、少なくとも1つのアンテナ812を介して信号を送信および受信するための少なくとも1つの送受信部を備えうる。
【0063】
通信装置600は、動作時に、複数のビームを用いた上りリンク送信の拡張のために必要な機能を提供する。例えば、通信装置600はUEであり得、少なくとも1つの無線受信部804は、動作時に、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信し得、回路614は、動作時に、制御情報に基づいてビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用し得る。
【0064】
図9は、本開示の様々な実施の形態による、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するための通信方法を示す流れ図900を示す。ステップ902において、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信するステップが実行される。ステップ904では、ビームスイッチングのための少なくとも1つを満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用するステップが実行される。
【0065】
以下の段落では、本開示の第1の実施の形態に関連するいくつかの例が、複数のビームを用いた上りリンク送信、特に複数のビームを用いたPUSCH繰返しタイプAの下でのUEに関連して説明される。
【0066】
図10は、本開示の第1の実施の形態の第1の例による、2つのビームが使用されるPUSCH繰返しタイプAを示す。PUSCH繰返しタイプAの下では、別々の送信オケージョン(例えば、繰返し1006、1008)が、それぞれ、同一の長さおよび同一の開始シンボルを有する別々のスロット1002、1004において送信される。この実施の形態では、連続する2つの送信オケージョン(例えば、連続するスロット1002、1004における繰返し1006、1008)の間の間隔(T)が、UEのビームスイッチングの必須レイテンシ(TBSw)以上である場合、複数のビーム間のビームスイッチングが適用される。間隔は、式(1)を用いて計算することができ、TBSwに関連するTの上記の条件は、式(2)を用いて表すことができる。
【数1】
【数2】
【0067】
式中、Lは、各繰返しの長さであり、Tは、連続する2つの送信オケージョン(このケースでは、1006、1008)の間の間隔であり、TBSwは、ビームスイッチングの必須レイテンシである。式2で表される条件を満たす場合、すなわち、繰返し#1 1006および繰返し#2 1008が、ビームスイッチングの必須レイテンシよりも大きい間隔を有する場合(T=14-L≧TBSw)、2つのビーム(ビーム#1 1010およびビーム#2 1012)は、それぞれ、繰返し#1 1006および繰返し#2 1008の送信を行うために使用されるように設定される。
【0068】
一実施の形態では、ビームスイッチングの決定は、基地局gNBによって行われる。そのような実施の形態では、新たな明示的指示は、下りリンク制御情報(DCI:downlink control information)シグナリング、媒体アクセス制御レイヤ制御エレメント(MAC CE)シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングの少なくとも1つを使用することによって、UEにこの決定を示す。Rel.15/16の規格において規定された{S,L}または{SLIV}(ここで、SはPUSCH割当ての開始シンボルであり、Lは各繰返しの長さであり、SLIVは開始長さインジケータである)を使用する代わりに、新たな明示的指示では、時間領域リソース割当て(TDRA:Time-Domain Resource Assignment)が{S,L,14-L≧TBSw}または{SLIV,14-L≧TBSw}に基づいてgNBによって定義される。追加または代替として、DCIがTDRA値を示すために使用される。
【0069】
ビームスイッチングは、各スロット(例えば、スロット1002、スロット1004)内で適用可能でありうる。言い換えれば、スロット間レベルのビームスイッチングおよびマッピングは、スロット毎に適用可能である。図10に示されるように、周期的ビームマッピングパターン、すなわち、第1のビーム(例えば、ビーム#1 1010)および第2のビーム(例えば、ビーム#2 1012)が、スロットの第1の繰返し(例えば、繰返し#1 1006)および第2の繰返し(例えば、繰返し#2 1008)にそれぞれ適用されうる。第1のビーム1010および第2のビーム1012以外のビームがないと想定すると、第1のビームおよび第2のビームは、それぞれ、第3の繰返しおよび第4の繰返し(不図示)に適用される。同一のビームマッピングパターンは、残りの繰返しに対して続けて用いられる。
【0070】
第1の実施の形態の第1の変形例では、{S,L}または{SLIV}のサブセットを設定することができる。このサブセットは、非特許文献8における時間領域のリソース割当てに関する第5.1.2.1節で規定され、式(1)および(2)で表される条件を満たす。
【0071】
第1の実施の形態の第2の変形例では、周期的ビームマッピングパターンの代わりに、逐次的マッピングパターンが使用される。
【0072】
例えば、第1のビーム1010は、第1および第2の繰返し1006、1008に適用され、第2のビーム1012は、第3および第4の繰返し(不図示)に適用される。第3のビーム(不図示)は、第5および第6の繰返し(不図示)に適用され得る。同一のビームマッピングパターンが、残りの繰返しに対して続けて用いられる。
【0073】
第1の実施の形態の第3の変形例では、周期的ビームマッピングパターンの代わりに、ハーフハーフ(half-half)マッピングパターンが使用される。具体的には、PUSCHに合計4回の繰返しがある場合、第1のビーム1010は、4回の繰返しの前半、すなわち、第1および第2の繰返しに適用され、一方、第2のビーム1012は、4回の繰返しの後半、すなわち、第3および第4の繰返しに適用される。
【0074】
第1の実施の形態の第4の変形例では、周期的ビームマッピングパターンの代わりに、複数の繰返しのための複数のビーム、すなわち第1のビーム1010および第2のビーム1012のそれぞれの使用が設定可能である。このビームマッピングパターンは、設定可能ビームマッピングパターンともいう。
【0075】
第1の実施の形態の第5の変形例では、連続する2つの繰返しの間の間隔は、各繰返しの長さに基づいて決定される。
【0076】
第1の実施の形態の第6の変形例では、連続する2つの繰返しの間の間隔がビームスイッチングの必須レイテンシ未満であり、したがって条件が満たされない場合、複数のビームの1つのみが、複数の繰返しを送信するために使用されることになる。
【0077】
第1の実施の形態の第7の変形例では、連続する2つの繰返しの間の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ未満であり、したがって、条件が満たされず、第1のビームが複数のビームの中で最も強いビームである場合、第1のビーム以外のビームにマッピングされる他の繰返しは、第1のビームにマッピングされる繰返しのみが送信されるようにドロップされる。
【0078】
第1の実施の形態の第8の変形例では、非連続スロット、例えば、第2のスロット1004の隣の第1のスロット1002および第3のスロット(不図示)におけるPUSCHの繰返しの場合、連続する2つの繰返しの間の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ未満であり、したがって、条件が満たされず、第1のビームが複数のビームの中で最も強いビームである場合、第1のビーム以外のビームにマッピングされる繰返しは、条件が満たされるまで、すなわち、連続する2つの繰返しの間の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上になるまで延期または移動される。
【0079】
第1の実施の形態の第9の変形例では、第7および第8の変形例を参照して、第1のビームは、最小のインデックスを有する設定ビームであり得る。
【0080】
第1の実施の形態の第10の変形例では、連続する2つの繰返しの間の間隔は、各UE間で異なる。
【0081】
第1の実施の形態の第11の変形例では、スロットは、シンボルレベルの繰返しフレームワークにおいていくつかの連続する仮想シンボルを含む仮想スロットであってもよい。仮想シンボルは、複数の連続するシンボルを含む。さらに、逐次的マッピングパターンおよびハーフハーフマッピングパターンは、仮想スロットにわたって仮想シンボルの繰返しをマッピングする際に使用され得る。
【0082】
第12の変形例では、PUSCH割当ての繰返しの長さは、複数のビームに対してより短くすることができる。
【0083】
上述の複数のビームを使用する上りリンク送信オケージョンは、シングルTRP(送信受信点)またはマルチTRPの送信シナリオにおいて、直接単一および複数であり得ることに留意されたい。シングルTRPの場合、第1のビーム1010および第2のビーム1012はそれぞれ、第1の繰返し1006および第2の繰返し1008のために使用され、一方、マルチTRPの場合、第1のビーム1010および第2のビーム1012はいずれも、第1の繰返し1006および第2の繰返し1008の両方をマッピングするために使用される。図11は、本開示の第1の実施の形態の第1の例による複数の送受信点(TRP:Transmission Reception Point)での送信のシナリオの下で、図10の2つの繰返しにマッピングされる2つのビームを示す概略図を示す。UE1101は、第1のビーム(例えば、ビーム#1 1010)を介して、および第2のビーム(例えば、ビーム#2 1012)を介して、それぞれ第1の基地局1102および第2の基地局1104に信号を送信しうる。図11の模式図1100における、図10におけるビーム#1およびビーム#2と同一のビーム#1およびビーム#2については、図面において同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
マルチTRPの送信シナリオの下で、UEは、すべての繰返し(例えば、第1の繰返し1006および第2の繰返し1008)のためにビーム#1 1010およびビーム#2 1012を使用するように設定され得る。このシナリオでは、ビーム#1 1010が手1106によって遮蔽され、意図された第1の基地局1102に到達できない場合であっても、繰返し1006、1008は、ビーム#2 1012を介して第2の基地局1104に送信されうる。
【0085】
図12は、本開示の第1の実施の形態による、複数の上りリンク送信オケージョンのためのビームスイッチングのための時間領域リソース割当ての例示的な設定1200を示す。PUSCH-TimeDomainResourceAllocationにおけるPUSCH-Allocation-r16が、新たな項目であるbeam-switchingを追加することによってビームスイッチングを指示するように拡張される。beam-switchingが有効化され、numberOfRepetition0r16によって示される値が1より大きい場合、UEは、beam-mapping-patternにおけるビームマッピングパターンの1つを有効化するようにさらに設定されうる。ここで、CycBeamMap、SeqBeamMap、HalfBeamMap、ConfigBeamMapは、それぞれ、周期的ビームマッピングパターン、逐次的ビームマッピング、ハーフハーフビームマッピングパターン、および設定可能ビームマッピングパターンを示す。
【0086】
本開示の第1の実施の形態の第2の例によれば、ビームスイッチングを可能にするための新たな明示的指示が、UEへの指示のために使用されうる。そのような場合、第1の例とは異なり、連続する2つの繰返しの間の間隔(例えば、式(1)および(2)で表される間隔)が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上である場合、ビームスイッチングの決定がUEによって行われる。必須レイテンシ未満である場合、ビームマッピングおよびスイッチングは適用できない。新たな明示的指示は、DCIシグナリング、MAC CEシグナリング、およびRRCシグナリングの少なくとも1つを使用して示される。新たな明示的指示がgNBによって設定される場合、UEは、gNBが、Rel.15/16の技術規格で規定された{S,L}または{SLIV}に基づいて使用するPUSCH割当ての繰返しのための現在のTDRAに基づくビームマッピングをサポートすることを理解する。
【0087】
第1の例と同様に、周期的ビームマッピングパターン、逐次的ビームマッピングパターン、ハーフハーフビームマッピングパターン、および設定可能ビームマッピングパターン等のビームマッピングパターンのいずれか1つが第2の例で使用されうる。
【0088】
第1の実施の形態の第2の例の動作を実行するために、UEは最初に、制御情報と、gNBからビームスイッチングを可能化するための新たな明示的指示とを受信する場合、UEは、現在のTDRA設定とビームスイッチングを可能化するための新たな明示的指示とから、PUSCH割当ての繰返しに対する開始シンボルSおよび割当て長Lを決定してよく、次に、UEの性能、すなわち、ビームスイッチングの必須レイテンシTBSwに応じて、UEは、式(1)および(2)で表される状態が満たされる場合に実際のビームスイッチングを実行するか否かを決定する。UEは、gNBが新たな指示に基づくビームマッピングをサポートすることを理解する。UEは、UEの性能に基づいて、gNBに支援情報を提供するようにさらに設定され得、支援情報は、少なくともビームマッピングパターン、ビームスイッチングの必須レイテンシの優先傾向(preferences)、処理タイムラインパラメータ、アンテナ構成、帯域幅部分、チャネル状態情報測定値、および/または空間情報を含む。このような支援情報は、UEアダプテーションのための後続の設定で使用して、上りリンク送信を効果的に行うために提供される。
【0089】
特に、本開示の第1の実施の形態の第1の例と第2の例との差は、第1の例ではビームスイッチングの決定がgNBによって行われ、第2の例ではビームスイッチングの決定がUEによって行われることである。ビームスイッチングは、第1の例では各スロット内で適用可能であるが、PUSCHの繰返しのためのSおよびLを含むTDRAの導出のために第2の例では適用可能でないことがある。TDRAは、第1の例では{S,L,14-L≧T_BSw}または{SLIV,14-L≧T_BSw}に基づいて定義され、第2の例では{S,L}または{SLIV}に基づいて定義される。
【0090】
以下の段落では、本開示の第2の実施の形態に関連するいくつかの例が、複数のビームを用いた上りリンク送信のための、特に複数のビームを用いたPUSCH繰返しタイプBの下でのUEに関連して説明される。
【0091】
PUSCH繰返しタイプBの下では、PUSCHの名目上の繰返しは、交差スロット境界または無効シンボルに基づいて、複数の実際の繰返しに分割することができる。第2の実施の形態によれば、PUSCH繰返しタイプBの複数のビーム間のビームスイッチングを可能化するために、TBSwが考慮されて、UEによって新たな無効シンボルが定義される。
【0092】
第2の実施の形態の第1の例では、新たな無効シンボルは、以下の式(3)に従って設定される。
【数3】
【0093】
ここで、Rel.16_invalid_symbolsは、tdd-UL-DL-ConfigurationCommon/tdd-UL-DLConfigurationDedicated、ssb-PositionsInBurst/ssb-PositionsInBurst、numberInvalidSymbolsForDL-UL-Switching、またはInvalidSymbolPattern等を使用して示されるRel.16の無効シンボルである。
【0094】
非特許文献8のバージョン16.2.0の第6.1.2.1節によれば、UEに複数のサービングセルが設定され、half-duplex-behaviour-r16が「enable」であり、UEが複数のサービングセルのいずれかにおける同時送受信が可能ではなく、不対スペクトル(unpaired spectrum)によるCAでの半二重動作の能力のサポートを示し、かつ、複数のサービングセルのいずれかにおけるDCIフォーマット2_0の検出のためにPDCCHを監視するように設定されていない場合、シンボルは、SIB1におけるssb-PositionsInBurstまたはServingCellConfigCommonにおけるssb-PositionInBurstによって複数のサービングセルのいずれかにおけるSS/PBCHブロックの受信のためにUEに示されるならばPUSCH繰返しタイプB送信のための複数のサービングセルのいずれかにおける無効シンボルと見なされ、シンボルは、基準セルにおいてtdd-UL-DL-ConfigurationCommonまたはtdd-UL-DL-ConfigurationDedicatedによって下りリンクとして示される場合はアクティベーション後の最初のタイプ2のPUSCH送信(すべての繰返しを含む)を除きタイプ1またはタイプ2の設定されたグラントを有するPUSCH繰返しタイプB送信のための複数のサービングセルのいずれかにおける無効シンボルと見なされるか、または、UEは、シンボルにおいて基準セルでPDCCH、PDSCH、またはCSI-RSを受信するように上位レイヤによって設定される。
【0095】
PUSCH繰返しタイプBについて、K個の名目上の繰返しのそれぞれについてPUSCH繰返しタイプB送信のための無効シンボルを決定した後、残りのシンボルは、PUSCH繰返しタイプB送信のための潜在的に有効なシンボルと見なされる。PUSCH繰返しタイプB送信のための潜在的に有効なシンボルの数が名目上の繰返しに対してゼロより大きい場合、名目上の繰返しは、1つまたは複数の実際の繰返しからなり、各実際の繰返しは、スロット内のPUSCH繰返しタイプB送信のために使用され得るすべての潜在的に有効なシンボルの連続するセットからなる。L-1の場合を除き、1つのシンボルによる実際の繰返しは省略される。非特許文献9の第11.1節の条件にしたがって実際の繰返しは省略される。n番目の実際の繰返し(カウントは、省略される実際の繰返しを含む)に適用される冗長バージョンは、表2に従って決定される。
【0096】
PUSCH繰返しタイプBの場合、DCIにおけるCSI要求フィールドによって、非周期的CSI報告をスケジューリングするか、またはトランスポートブロックを伴わないPUSCH上の半永続的CSI報告をアクティブ化するDCIをUEが受信する場合、名目上の繰返しの数は、numberofrepetitionsの値にかかわらず、常に1であると想定される。DCIにおけるSCI要求フィールドによって、トランスポートブロックを伴わず、非周期的または半永続的SCI報告を伴うPUSCH繰返しタイプBを送信するようにUEがスケジューリングされる場合、第1の名目上の繰返しは、第1の実際の繰返しと同一であると予期される。DCIにおけるCSI要求フィールドによってPUSCHにおいてアクティブ化された後に、対応するPDCCHを伴わずに、半永続的SCI報告を含むPUSCH繰返しタイプBの場合、第1の名目上の繰返しが第1の実際の繰返しと同一でない場合、第1の名目上の繰返しは省略され、同一である場合、第1の名目上の繰返しは、非特許文献9の第11.1節における条件に従って省略される。
【0097】
PUSCH繰返しタイプBの場合、UEが、DCIにおけるCSI要求フィールドによって、PUSCH上のトランスポートブロックおよび非周期的CSI報告を送信するようにスケジューリングされる場合、CSI報告は、最初の実際の繰返しにおいてのみ多重化される。UEは、最初の実際の繰返しが単一のシンボル持続時間を有することを期待しない。
【0098】
pusch-Config内のpusch-TimeDomainAllocationListが、連続する2つ~8つのPUSCHのためのリソース割当てを示す行を含む場合、Kは、別個のSLIVおよびマッピングタイプをそれぞれが有する複数PUSCHのうちの最初のPUSCHをUEが送信するスロットを示す。スケジューリングされたPUSCHの数は、DCIフォーマット0_1でシグナリングされるpusch-TimeDomainAllocationListの行内の示された有効なSLIVの数によってシグナリングされる。
【0099】
アクティブUL帯域幅部分(BWP:BandWidth Part)におけるminimumSchedulingOffsetK2がUEに設定される場合、同一のフィールドが利用可能であれば、DCIフォーマット0_1またはDCIフォーマット1_1における「最小適用可能スケジューリングオフセットインジケータ(Minimum applicable scheduling offset indicator)」フィールドによって示される最小スケジューリングオフセット制限を適用する。アクティブUL BWPにおけるminimumSchedulingOffSetK2がUEに設定されており、DCIフォーマット0_1または1_1で「Minimum applicable scheduling offset indicator」フィールドを受信していない場合、UEは「Minimum applicable scheduling offset indicator」値「0」に基づいて示された最小スケジューリングオフセット制限を適用するものとする。最小スケジューリングオフセット制限が適用される場合、UEにはスロットnにおいてDCIがスケジューリングされず、K2min′μ′/2μより小さいKを有するC-RNTI、CS-RNTI、MCS-C-RNTI、またはSP-CSI-RNTIでスケジューリングされたPUSCHを送信することが予想される。ここで、K2minおよびμは、それぞれ、適用された最小スケジューリングオフセット制限、および、スロットnにおいてDCIを受信する場合にスケジューリングされるセルのアクティブUL BWPのヌメロロジーであり、μ′は、スケジューリングされたセルにおいてアクティブUL BWPを変更する場合における、新規アクティブUL BWPのヌメロロジーであり、この場合以外ではμに等しい。最小スケジューリング制限は、RACH手順のためのRAR ULグラントまたはフォールバックRAR ULグラントによってPUSCH送信がスケジューリングされる場合、またはTC-RNTIによってPUSCHがスケジューリングされる場合には適用されない。最小スケジューリングオフセット制限の変化の適用遅延は、第5.3.1節で決定される。
【0100】
第2の実施の形態の第1の例では、式(3)によるそのような新たな無効シンボルは、Rel.16の無効シンボルのあらゆるオケージョンまたはイベントに適用される。特に、1つのオケージョンまたはイベントは、単一のまたは複数のRel.16の連続する無効シンボルを含むことができる。そのようなnew_invalid_symbolsは、少なくともDCIシグナリング、MAC CEシグナリング、およびRRCシグナリングを使用することによって、UEに示され得る。
【0101】
図13は、本開示の第2の実施の形態による、PUSCH繰返しタイプBの下での上りリンク送信オケージョンにおける新たな無効シンボルの例示的な設定を示す。NewInvalidStmbolPatternおよびT_BSwがさらに提案され、value1およびvalue2は、3および6シンボルの持続時間に対応し、InvalidSymbolPattern-r16は、Rel.16において指定される。
【0102】
PUSCH繰返しタイプBにおけるRel.16の無効シンボルのすべてのオケージョンまたはイベントに新たな無効シンボルを適用した後、PUSCH繰返しタイプBの名目上/実際の繰返しは、新たな無効シンボルに基づく。PUSCHの名目上の繰返しは、新たな無効シンボルに基づいて複数の実際の繰返しに分割される。複数のビームのそれぞれは、実際の繰返しのグループのために使用されうる。複数のビーム間のビームスイッチングは、新たな無効シンボルによって占有される時間中に適用される。同様に、本実施の形態では、周期的ビームマッピングパターン、逐次的ビームマッピングパターン、ハーフハーフビームマッピングパターン、および設定可能ビームマッピングパターン等のビームマッピングパターンのいずれか1つを使用してよい。
【0103】
図14Aは、Rel.16の無効シンボルを有するPUSCH繰返しタイプB 1400aを示す。図14Aでは、UEは、Rel.16(レガシー)無効シンボル(例えば、ULスロットにおけるシンボル#4~5およびシンボル#11)に基づいて、3つの名目上の繰返し#1~3から6つの実際の繰返し#1~6を決定する。
【0104】
この例では、新たな無効シンボルは、単一のシンボル(例えば、図14Aのシンボル#11におけるRel.16無効シンボル)または複数の連続するレガシー無効シンボル(例えば、図14Aのシンボル#4~5におけるRel.16(レガシー)無効シンボル)に基づいて決定される。図14Bは、本開示の第2の実施の形態の一例による、新たな無効シンボル1400bを伴うPUSCH繰返しタイプBを示す。TBSwが3つのシンボルの値を有することが決定されると想定すると、ULスロットにおいて、シンボル#4~6とシンボル#11~13とにおける3つの新しい無効シンボルが第1のオケージョン/イベント(シンボル#4~5における連続するRel.16の無効シンボルに基づく)および第2のオケージョン/イベント(シンボル#11における単一Rel.16の無効シンボルに基づく)に対して決定される。
【0105】
新たな無効シンボルを用いて、UEは、3つの名目上の繰返し#1~3から5つの実際の繰返し#1~5を決定する。そのような新たな無効シンボルの導入により、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上の2つの実際の繰返しの間の間隔ができ、したがってビームスイッチングが可能化される。複数のビーム間のビームスイッチングは、新たな無効シンボルによって占有される時間中に、この場合、シンボル#4~6において適用され得、第1のビーム#1 1402が実際の繰返しの群#1~3のために使用され、第2のビーム#2 1404が実際の繰返しの群#4~5のために使用される。
【0106】
第2の実施の形態の第2の例によれば、新たな無効シンボルは、以下の式(4)に従って設定される。
【数4】
【0107】
式中、Rel.16_invalid_symbolsは、技術規格である非特許文献8の第6.1.2.1節に規定されるように、tdd-UL-DL-ConfigurationCommon/tdd-UL-DLConfigurationDedicated、ssb-PositionsInBurst/ssb-PositionsInBurst、numberInvalidSymbolsForDL-UL-Switching、またはInvalidSymbolPattern等を使用して示されるRel.16無効シンボルである。
【0108】
図15Aは、Rel.16無効シンボルを有するPUSCH繰返しタイプB 1500aを示す。図15Aでは、UEは、Rel.16(レガシー)無効シンボル、例えば、ULスロット内のシンボル#4~5およびシンボル#11に基づいて、3つの名目上の繰返し#1~3から6つの実際の繰返し#1~6を決定する。
【0109】
この第2の実施の形態では、新たな無効シンボルの決定と、ビームスイッチングのためのTBSwの設定とは、互いに独立している。言い換えれば、TBSwは、ビームスイッチングのための時間領域リソース割当てである。1つのケースでは、Rel.16無効シンボルおよびTBSwからなる新たな無効シンボルが決定され得、ここで、Rel.16(レガシー)無効シンボルは、TBSwと重複しない(すなわち、非重複ケース(non-overlapped case))。ここでは、図15Cに示すように、TBSw1508で指定された期間にのみ、ビームスイッチングが適用可能であるように設定されている。
【0110】
この第2の例の他のケースでは、Rel.16(レガシー)無効シンボルとTBSwとを統合した新たな無効シンボルが決定され得、ここで、Rel.16無効シンボルは、TBSwと重複する(すなわち、重複ケース(overlapped case))。さらに、第1の例とは異なり、非重複ケースと重複ケースの両方における新たな無効シンボルの決定は、単一のまたは複数の連続するRel.16無効シンボルのすべての機会/イベントに適用されないことがある。重複ケースにおいて、Rel.16(レガシー)の無効シンボルとTBSwとを統合したものの長さは、TBSwの長さ以上である。
【0111】
したがって、ビームスイッチングは、TBSwによって指定された持続時間中にのみ(例えば、図15Bでは、ULスロットにおいて、Rel.16(レガシー)無効シンボルとTBSwとの統合シンボルは、シンボル#2~5であり、TBSwは3つのシンボルを含み、ビームスイッチングは、ULスロットにおけるシンボル#2~4の間にのみ設定される)(以下、ケースiと呼ばれる)、またはRel.16(レガシー)無効シンボルとTBSwとを統合した持続時間中に柔軟に設定される(以下、ケースiiと呼ばれる)のいずれかに適用可能であるように設定される。
【0112】
特に、図15Bは、本開示の第2の実施の形態の他の例による、新たな無効シンボルを伴うPUSCH繰返しタイプB 1500bを示す。TBSw1506は、独立して決定され、上りリンクスロットにシンボル#2~4のような3つのシンボルを含み、シンボル#4は、Rel.16(レガシー)無効シンボルのシンボルと重複する。Rel.16(レガシー)無効シンボルとTBSwとの統合シンボルである新たな無効シンボルは、上りリンクスロットのシンボル#4~5におけるRel.16無効シンボルを含むシンボル#2~5である。UEは、式(4)のように新たな無効シンボルに基づいて、3つの名目上の繰返し#1~3から5つの実際の繰返し#1~5をさらに決定する。ケースiの場合、ビームスイッチングは、ULスロット内のシンボル#2~4の間に適用されるように設定される。ケースiiについて、ビームスイッチングがULスロット内のシンボル#2~4の間に設定される可能性があり、他の可能性としては、ビームスイッチングがULスロット内のシンボル#3~5の間に柔軟に設定される、すなわち、統合されたシンボル内で柔軟に設定可能である。例えば、第1のビーム#1 1502は、実際の繰返しのグループ#1~2のために使用され、第2のビーム#2 1504は、実際の繰返しのグループ#3~5のために使用される。他の実施の形態では、独立して設定されたTBSwは、図15Cに示されるように、Rel.16無効シンボルと重複しなくてもよい。図15Cでは、TBSw1508は、独立して決定され、上りリンクスロット内にシンボル#1~3等の3つのシンボルを含むが、シンボル#4~5におけるRel.16(レガシー)無効シンボルのシンボルとは重複しない。ビームスイッチングは、ULスロットのシンボル#1~3の間に適用されるように設定される。非重複ケースの実際の繰返しのための時間リソース割当ては、重複ケースのリソース割当てとは異なり、重複ケース内では、実際の繰返しのための時間リソース割当は、ケースiおよびiiの両方について同様であることを理解されたい。
【0113】
以下の段落では、本開示の第3の実施の形態に関するいくつかの例が、シンボルレベルでの繰返しの複数のビームを用いた上りリンク送信のためのUEを参照して説明される。
【0114】
シンボルレベルの繰返しは、仮想シンボルおよび仮想スロットの概念を含む。仮想シンボルは、virtualsymbolLengthに対応する複数の連続するシンボルを含むが、仮想スロットは、複数の連続する仮想シンボルからなる。これは、シンボルレベルの繰返しとスロットレベルの繰返し(同一の長さおよび同一の開始シンボルを有する別々の(仮想)スロットにおいて別々の繰返し送信が行われる、Rel.15において規定される繰返しタイプA)の組合せ、すなわち、仮想スロットレベルの繰返しの使用を想定することによる。特に、仮想シンボル(繰返し)は、複数の仮想スロットにわたって繰り返される。したがって、シンボル/スロットを仮想シンボル/仮想スロットに置き換えることによって、Rel.15繰返し手順を再使用することができる。
【0115】
複数のビームの間のビームスイッチングは、仮想シンボルの連続する2つの繰返しの間の間隔(例えば、持続時間)がTBSw以上である場合に適用される。これは、仮想スロット間レベルのビームスイッチング/マッピングと呼ばれることがある。この実施の形態におけるそのようなビームスイッチングは、第1の実施の形態と同様であるが、シンボルレベルの繰返し(仮想シンボルおよび仮想スロット)を伴う。したがって、本開示の第1の実施の形態のすべての変形例が、仮想シンボル/仮想スロットをシンボル/スロットに置き換えることによってこの第3の実施の形態およびその変形例において使用され得、この実施の形態の様々な変形例に関する説明は省略される。例えば、周期的ビームマッピングパターン、逐次的ビームマッピングパターン、ハーフハーフビームマッピングパターン、および設定可能ビームマッピングパターン等のビームマッピングパターンの1つは、複数の仮想スロットにわたる仮想シンボルの繰返しのためのビームマッピングを実行するために使用され得る。
【0116】
図16は、本開示の第3の実施の形態による例示的なシンボルレベルの繰返しを示す。6つの仮想シンボル1506aは、仮想スロットn+1 1502にマッピングされ、仮想シンボル1506aのそれぞれは、連続する2つのシンボル(virtualsymbolLength=2)を含む。これらの仮想シンボルの繰返し1506bは、仮想スロットn+2 1504にマッピングされる。仮想シンボル1506a、1506bの連続する2つの繰返しが、TBSw以上の間隔T(例えば、持続時間)を有する場合、複数のビーム間のビームスイッチングが可能になる。間隔TがTBSw以上の場合、ビーム#1 1608およびビーム#2 1610は、それぞれ、仮想シンボルの第1の繰返し1506aおよび第2の繰返し1506bのために使用される。
【0117】
第3の実施の形態の動作を実行するために、UEには、DCIシグナリング、MAC CEシグナリング、またはRRCシグナリングの少なくとも1つ、ならびにビームマッピングおよびビームスイッチングの情報を使用することによって、仮想シンボル毎のシンボルの数(virtualsymbolLength)、仮想スロット毎の仮想シンボルの数、および/または仮想スロットの繰返しの数が与えられる。
【0118】
図17は、本開示の第3の実施の形態による、複数の上りリンク送信オケージョンのためのビームスイッチングのための例示的なPUSCH割当設定を示す。PUSCH-Allocation-r16は、第1の実施の形態と同様に、PUSCH割当ておよびビームスイッチングのための仮想シンボルの時間領域リソース割当て(TDRA)を示すために新たな項目であるsymbol_levelを追加することによって、シンボルレベルの繰返しを示すように拡張される。symbol_levelが設定され、numberOfRepetitions-r16>1であるとき、UEは、beam-mapping-patternにおけるビームマッピングパターンの1つを有効化するようにさらに設定され得る。
【0119】
本開示の第3の実施の形態の変形例では、少なくとも仮想シンボル/仮想スロットに基づいて周波数ホッピング手順が使用される。周波数ホッピングのための復調参照信号は、仮想シンボル/仮想スロットに基づいて有効化することができる。特に、仮想シンボルの繰返しのそれぞれは、周波数ホッピングに対応し得る。したがって、連続する2つの周波数ホッピング間の間隔(例えば、持続時間)がTBSw以上である場合、複数のビーム間のビームスイッチングが適用される。第1の実施の形態の全ての変形例は、本開示の第3の実施の形態のこの変形例に依然として適用されうる。例えば、周期的ビームマッピングパターン、逐次的ビームマッピングパターン、ハーフハーフビームマッピングパターン、および設定可能ビームマッピングパターン等のビームマッピングパターンの1つを使用して、周波数ホッピングのためのビームマッピングを実行してよい。このような動作を実行するには、Rel.15/16のスロット間周波数ホッピング手順は、スロット間を仮想スロット間に置き換えることによって再使用することができる。有利なことに、この変形例は、周波数ホッピング利得を実現するのに役立ち得る。
【0120】
上記の例では、繰返しタイプAの概念を使用して(仮想スロット間レベルのビームスイッチング/マッピングを用いて)シンボルレベルの繰返しを説明しているが、第3の実施の形態の別の検討において、シンボルレベルの繰返しと繰返しタイプBの概念との組合せが使用されうる。このような変形例では、第2の実施の形態と同様に、複数のビーム間のビームスイッチングを適用してよく、ここで、新たな無効シンボルが、仮想スロットにわたってシンボルレベルの繰返し(仮想シンボル)を伴って導入されうる。
【0121】
以下の段落では、本開示の第4の実施の形態に関連するいくつかの例を、複数のスロットおよび複数のビームにわたるトランスポートブロック(TB)処理を用いた上りリンク送信のためのUEを参照して説明する。
【0122】
複数のスロットにわたるTB処理の場合、TBサイズは、単一のスロットについて得られるが、複数のスロットにわたる複数の部分においてマッピングされ、送信される。複数のビーム間のビームスイッチングは、(2つの連続したまたは非連続のスロットにわたって)マッピングされた連続する2つの部分の間の間隔(例えば、持続時間)がTBSw以上である場合に適用される。本開示の第1の実施の形態のすべての変形例は、この第4の実施の形態およびその変形例において、マッピングされた部分を繰返しまたは上りリンク送信オケージョンに置き換えることによって使用されうる。有利なことに、これにより、コーディングおよび時間ダイバーシティ利得が実現され得る。
【0123】
第4の実施の形態の第1の変形例では、複数のスロットにわたるジョイントリプリーション(joint repletion)およびTB処理が適用される。TBサイズは、単一のスロット(または仮想スロット)または複数のスロット(または複数の仮想スロット)について取得される。TB(複数のスロットのうちの単一のスロットにわたるTB)は、時間領域において複数回送信するために繰り返され、各繰返しは、TBの送信オケージョンに対応する。複数のビーム間のビームスイッチングは、連続する2回の繰返しの間の間隔(例えば、持続時間)がTBSw以上である場合に適用される。
【0124】
第4の実施の形態の第2の変形例では、周波数ホッピング手順が、複数の部分のそれぞれに(複数のスロットにわたって)適用される。複数のビーム間のビームスイッチングは、連続する2つの周波数ホッピング間の間隔(例えば、持続時間)がTBSw以上である場合に適用される。
【0125】
第4の実施の形態の第3の変形例では、TBは、複数の仮想スロットにわたって部分的にマッピングされ、送信され得る。
【0126】
以下の段落では、本開示のいくつかの例示的な実施の形態を、複数のビームを用いた上りリンク送信の拡張のための他の検討に対応するUEを参照して説明する。
【0127】
様々な実施の形態において、ビームスイッチングの必須レイテンシTBSwは、シンボル単位で表される。一実施の形態では、TBSwが非常に小さい、または無視できる場合、少なくともスロット内(または仮想スロット内)レベルのビームスイッチングを適用することができる。この実施の形態では、複数のビームの各ビームは、名目上/実際の繰返しの1つのために使用される。
【0128】
例えば、低サブキャリア間隔(SCS:subcarrier spacing)、例えば、15kHz、30kHz等のSCSの場合、ビームスイッチングの必須レイテンシTBSwは、OFDMシンボルのサイクリックプレフィックスの持続時間以下であり、UEは、このサイクリックプレフィックス内でビームスイッチングを行うことができる。スロット内(または仮想スロット内)レベルのビームスイッチングとスロット間(または仮想スロット間)レベルのビームスイッチングの両方を適用すれば十分である。他の例では、スロット間(または仮想スロット間)レベルのビームスイッチングのための連続する2つのスロットの間のガード持続時間がビームスイッチングの必須レイテンシ以上である場合、UEはこのガード持続時間内でビームを切り替えることができる。ミリ波(mmWave)におけるNR動作のための高SCS、例えば、52.6GHzから71GHz以上までのNR動作のための480kHzおよび960kHzのSCSの場合、OFDMシンボルの持続時間が短いため、ビームスイッチングの必須レイテンシは、OFDMシンボルの持続時間以上である。これにより、スロット内(または仮想スロット内)レベルのビームスイッチングよりも、スロット間(または仮想スロット間)レベルのビームスイッチングを適用できれば十分である。ビームスイッチングの必須レイテンシが満たされる場合、スロット内(または仮想スロット内)レベルのビームスイッチングも同様に適用可能であることに留意されたい。
【0129】
また、一実施の形態では、ビームスイッチングのための複数のビームのそれぞれは、電力制御パラメータセットを用いて設定される。
【0130】
コードブックベースの送信では、複数のビームを用いたPUSCHの繰返しを可能にするために、一実施の形態では、コードブックからの複数のPUSCH送信プリコーダが、DCIシグナリングにおける現在の送信プリコーディング行列インジケータ(TPMI:Transmit Precoding Matrix Indicator)および新規サウンディング参照信号リソースインジケータ(SRI:Sounding reference signal Resource Indicator)等の複数の指示を使用することによって示される。複数のビームのそれぞれは、gNBから受信された制御情報に基づくコードブックベースの送信のために、コードブックからのTPMIの1つに関連付けられる。複数のビームのそれぞれは、コードブックベースの送信のために、SRSリソースセットの1つに関連付けられ得、SRSリソースセットは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられる。SRSリソースセットの1つは、DCIシグナリングにおいて新規SRIを使用して示されうる。他の一実施の形態では、DCIシグナリングにおける現在のTPMIまたはSRIは、複数のPUSCH送信プリコーダまたはSRSリソースセットをそれぞれ示すように再解釈されて、複数のビームを用いたPUSCHの繰返しを可能にすることができる。
【0131】
非コードブックベースの送信の場合、複数のビームを用いたPUSCHの繰返しを可能にするために、一実施の形態では、各TRPについて、1つのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットが、複数の非ゼロ電力チャネル状態情報参照信号(NZP SCI-RS:Non-Zero-Power Channel State Information Reference Signal)に関連付けられる。SRSリソースセットは、srs-ResourceSetToAddModList等の上位レイヤパラメータによって設定され、値「nonCodeBook」の上位レイヤパラメータの使用に関連付けられる。1つの他の実施の形態では、各TRPについて、複数のSRSリソースセットが設定され得、SRSリソースセットのそれぞれは、1つのNZP CSI-RSに関連付けられ、値「nonCodeBook」の上位レイヤパラメータの使用に関連付けられる。
【0132】
一実施の形態では、複数の送信設定インジケータ(TCI:Transmission Configuration Indicator)状態がDCIシグナリングにおいて指示可能であり、複数の空間情報を切り替えるために、本開示の上述の第1~第4の実施の形態のPUSCH送信オケージョンに使用される複数のビームを置き換えることができる。統一されたTCI状態(unified TCI state)がULとDLの両方に対して示される場合、統一されたTCI状態は、DLとULの両方の繰返しに対して使用される。
【0133】
一実施の形態では、本開示の上述の第1~第4の実施の形態は、PUCCHの繰返しフレームワークに適用することができる。各実施の形態はまた、非連続スロットにおけるPUCCH/PUSCHの繰返しのために使用されうる。各実施の形態はまた、3つ以上のビームおよび/または3つ以上のTRPをサポートするために直接適用されてもよい。
【0134】
さらに他の実施の形態では、上述の複数の実施の形態は、複数のビームを用いて上りリンク送信を拡張するために、単一のUEにおいて同時に適用され得る。
【0135】
本開示は以下の例を提供する。
【0136】
1.動作時、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信する送受信部と、
動作時、制御情報に基づいて、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用する回路と、を備える、
通信装置。
【0137】
2.複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)、1つまたは複数のトランスポートブロックからの物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)処理、サウンディング参照信号(SRS)、または物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)送信オケージョンであり、スロットインデックス、開始シンボル、および複数の連続するシンボルによって定義される、例1の通信装置。
【0138】
3.複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、スロット間レベルの繰返しフレームワークにおけるPUCCHまたはPUSCHの複数の繰返しのうちの送信オケージョン、またはスロット内レベルの繰返しフレームワークにおけるPUCCHまたはPUSCHの複数の名目上/実際の繰返しのうちの送信オケージョンである、例1の通信装置。
【0139】
4.少なくとも1つの条件は、前記制御情報に基づいて、基地通信装置から、時間領域においてビームスイッチングを実行することの明示的通知を受信することである、例1の通信装置。
【0140】
5.送受信部は、下りリンク制御情報(DCI)シグナリング、媒体アクセス制御レイヤの制御要素(MAC CE)シグナリング、または無線リソース制御(RRC)シグナリングの少なくとも1つを使用することによって制御情報を受信する、例1の通信装置。
【0141】
6.少なくとも1つの条件は、複数の上りリンク送信オケージョンのうちの連続する2つの上りリンク送信オケージョンの間の第1の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上であることである、例1の通信装置。
【0142】
7.回路は、複数の上りリンク送信オケージョンのための2つ以上のビームの設定に関する支援情報を基地通信装置に提供するようにさらに設定されている、例1の通信装置。
【0143】
8.支援情報は、通信装置の性能に基づいて、少なくともビームスイッチングの必須レイテンシの優先傾向(preferences)、処理タイムラインパラメータ、アンテナ構成、帯域幅部分、CSI測定値、および/または空間情報を含む、例7の通信装置。
【0144】
9.回路は、連続する2つの上りリンク送信オケージョンのそれぞれの長さに基づいて、連続する2つの上りリンク送信オケージョンの間の第1の間隔を決定するようにさらに設定されている、例6の通信装置。
【0145】
10.回路は、少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームのそれぞれを周期的または逐次的パターンで使用するように設定されている、例1の通信装置。
【0146】
11.回路は、少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンの第1の半分に対して2つ以上のビームの第1の半分を使用し、複数の上りリンク送信オケージョンの第2の半分に対して2つ以上のビームの第2の半分を使用するように設定されている、例1の通信装置。
【0147】
12.回路は、少なくとも1つの条件を満たさないことに応答して、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームの1つを使用するように設定されている、例1の通信装置。
【0148】
13.回路は、複数の上りリンク送信オケージョンの1つ以上の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームのうちの第1のビームを使用し、少なくとも条件を満たさないことに応答して、複数の上りリンク送信オケージョンのうちの残りの上りリンク送信オケージョンを除去するようにさらに設定され、第1のビームは、2つ以上のビームのうちの最も強いビームである、例1~3のいずれか1つの通信装置。
【0149】
14.少なくとも1つの条件が満たされない場合、回路は、残りの上りリンク送信オケージョンを延期または移動するように設定されている、例13の通信装置。
【0150】
15.複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームのそれぞれの使用が設定可能である、例1の通信装置。
【0151】
16.回路は、
単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルと、ビームスイッチングの必須レイテンシと、に基づいて、ビームスイッチングの必須レイテンシの長さおよび単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルの長さのうちの大きい方に対応する長さを有する新たな無効シンボルを決定し、
新たな無効シンボルに基づいて複数の上りリンク送信オケージョンを決定し、
決定に応じて複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つまたは複数のビームを使用するように設定されている、
例1~3のいずれか1つの通信装置。
【0152】
17.新たな無効シンボルに基づく複数の上りリンク送信オケージョンの決定は、単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルすべてに適用される、例16の通信装置。
【0153】
18.回路は、
単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルとビームスイッチングの必須レイテンシとからなり、単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルがビームスイッチングの必須レイテンシと重複しない新たな無効シンボルを決定し、
新たな無効シンボルに基づいて複数の上りリンク送信オケージョンを決定し、
決定に応じて複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用するように設定されている、
例1~3のいずれか1つの通信装置。
【0154】
19.前記回路は、
単一のまたは複数の連続するレガシー無効シンボルとビームスイッチングの必須レイテンシとを統合した新たな無効シンボルを決定し、
新たな無効シンボルに基づいて複数の上りリンク送信オケージョンを決定し、
決定に応じて複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つまたは複数のビームを使用する、
例1~3のいずれか1つの通信装置。
【0155】
20.回路は、単一のまたは複数の連続したレガシー無効シンボルとビームスイッチングの必須レイテンシとの統合内でビームスイッチングを行うように柔軟に設定されている、例19の通信装置。
【0156】
21.回路は、少なくとも1つの条件が満たされる場合、複数の上りリンク送信オケージョンのサブセットに対して2つ以上のビームのそれぞれを使用するように設定されている、例1の通信装置。
【0157】
22.ビームスイッチングに要求されるレイテンシは、制御情報によって周期的または非周期的であると設定される、例16~20のいずれか1つの通信装置。
【0158】
23複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、1つまたは複数のトランスポートブロックからの複数の部分処理(parts processing)の1つに対応し、1つまたは複数のトランスポートブロックからの複数の部分処理のそれぞれは、対応する複数のスロットの1つにマッピングされる、例1の通信装置。
【0159】
24.1つまたは複数のトランスポートブロックは、時間領域において複数回繰り返されるように制御情報によってさらに設定され、複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、1つまたは複数のトランスポートブロックの送信オケージョンに対応し、少なくとも1つの条件は、1つまたは複数のトランスポートブロックの連続する2つの繰返しの間の第2の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上であることである、例1の通信装置。
【0160】
25.複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、複数の仮想スロットにわたる仮想シンボルの複数の繰返しの1つに対応し、仮想シンボルは、連続するシンボルの数を含み、仮想スロットは、シンボルレベルの繰返しにおいて複数の連続する仮想シンボルを含む、例1~3のいずれか1つの通信装置。
【0161】
26.複数の上りリンク送信オケージョンのそれぞれは、複数の周波数ホッピングの1つに対応し、少なくとも1つの条件は、連続する2つの周波数ホッピング間の第3の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上であることである、例1の通信装置。
【0162】
27.2つ以上のビームのそれぞれは、電力制御パラメータのセットで設定されている、例1の通信装置。
【0163】
28.回路は、制御情報に基づき、コードブックベースの送信のためのコードブックからの複数の送信プリコーダの少なくとも1つに2つ以上のビームのそれぞれを関連付けるようにさらに設定されている、例1の通信装置。
【0164】
29.複数の送信プリコーダの1つは、DCIシグナリングにおいて少なくとも送信プリコーディング行列インジケータ(TPMI)および/またはサウンディング参照信号リソースインジケータ(SRI)を使用することによって示される、例28の通信装置。
【0165】
30.複数の送信プリコーダは、DCIシグナリングにおいて少なくともTPMIおよび/またはSRIを再解釈することによって示される、例28の通信装置。
【0166】
31.回路は、コードブックベースの送信のためのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットの少なくとも1つに2つ以上のビームのそれぞれを関連付けるように設定され、SRSリソースセットの少なくとも1つは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられる、例1の通信装置。
【0167】
32.SRSリソースセットの1つは、DCIシグナリングにおいて少なくともSRIを使用することによって示される、例31の通信装置。
【0168】
33.SRSリソースセットは、DCIシグナリングにおいて少なくともSRIを再解釈することによって示される、例31の通信装置。
【0169】
34.回路は、2つ以上のビームのそれぞれを複数の送信設定インジケータ(TCI)の状態の1つに関連付けるように設定されている、例1の通信装置。
【0170】
35.ビームスイッチングの必須レイテンシは、シンボル単位で表される、例6、8、16~20、22、24、および26のいずれか1つの通信装置。
【0171】
36.回路は、ビームスイッチングの必須レイテンシが非常に小さいかまたは無視できる場合に、スロット内レベルまたは仮想スロット内レベルのビームスイッチングを適用するように設定され、2つ以上のビームの1つは、複数の上りリンク送信オケージョンの1つのために使用される、例35の通信装置。
【0172】
37.回路は、単一または複数の送受信点(TRP)に対して複数の上りリンク送信オケージョンのための2つ以上のビームを使用するように設定され、2つ以上のビームのそれぞれは、複数のTRPの1つに対応する、例1~36のいずれか1つの通信装置。
【0173】
38.動作時に、上りリンク送信のための2つ以上のビームのためのビームスイッチングの明示的指示および/または必要となるレイテンシを示す制御情報を生成する回路と、
動作時に、通信装置に制御情報を送信する送信部と、を備える、
基地通信装置。
【0174】
39.上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信し、
制御情報に基づいて、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して2つ以上のビームを使用する、
通信方法。
【0175】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的にまたは全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的にまたは全体的に、一つのLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサまたは専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0176】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信部(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信部は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信部(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。
【0177】
通信装置は無線送受信部(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信部は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信部(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。
【0178】
通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物または移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、および上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0179】
通信装置は、持ち運び可能または移動可能なものに限定されず、持ち運びできないまたは固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーターまたは計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在してよいあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0180】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0181】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続または連結される、制御部やセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、制御部やセンサが含まれる。
【0182】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0183】
当業者であれば、広く記載された本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施の形態に示されるように、本開示に対して多数の変形および/または修正を行うことができることを理解するであろう。したがって、本実施の形態は、あらゆる点で例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【表1】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作時、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信する送受信部と、
動作時、前記制御情報に基づいて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームを使用する回路であり、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、前記回路と、を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記複数の上りリンク送信オケージョンは、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)、1つまたは複数のトランスポートブロックからの物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)処理、サウンディング参照信号(SRS:sounding reference signal)、または物理ランダムアクセス(PRACH:physical random access)送信オケージョンのうち1つまたは複数を含み、スロットインデックス、開始シンボル、および複数の連続するシンボルによって定義される、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の上りリンク送信オケージョンは、スロット間レベルの繰返しフレームワークにおけるPUCCHまたはPUSCHの複数の繰返しのうちの送信オケージョン、またはスロット内レベルの繰返しフレームワークにおけるPUCCHまたはPUSCHの複数の名目上/実際の繰返しのうちの送信オケージョンである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記送受信部は、動作時、基地通信装置から、時間領域においてビームスイッチングを実行することの明示的指示をさらに受信し、ビームスイッチングのための前記少なくとも1つの条件は、前記明示的指示にさらに基づく、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記送受信部は、動作時、下りリンク制御情報(DCI:downlink control information)シグナリング、媒体アクセス制御レイヤ制御要素(MAC CE:medium access control layer control element)シグナリング、または無線リソース制御(RRC:radio resource control)シグナリングの少なくとも1つを使用することによって前記制御情報を受信する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの条件は、前記複数の上りリンク送信オケージョンのうちの連続する2つの上りリンク送信オケージョンの間の第1の間隔が、ビームスイッチングの必須レイテンシ以上であることである、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項7】
前記必須レイテンシがサイクリックプレフィックスの持続時間以下のとき、前記サイクリックプレフィックス内で前記ビームスイッチングを行うように設定される、
請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記回路は、UEの性能に基づいて、支援情報を基地通信装置に提供するようにさらに設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記回路は、動作時、前記少なくとも1つの条件を満たすことに応じて、前記複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームのそれぞれを周期的または逐次的パターンで使用するように設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
前記回路は、2つ以上のビームのそれぞれを複数の送信設定インジケータ(TCI)の状態の1つに関連付けるように設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項11】
前記2つ以上のビームのそれぞれは、電力制御パラメータのセットで設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項12】
前記回路は、動作時、前記制御情報に基づき、コードブックベースの送信のためのコードブックからの複数の送信プリコーダの少なくとも1つに前記2つ以上のビームのそれぞれを関連付けるようにさらに設定されている、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項13】
前記複数の送信プリコーダの1つは、DCIシグナリングにおいて、少なくとも送信プリコーディング行列インジケータ(TPMI:transmit precoding matrix indicator)および/またはサウンディング参照信号リソースインジケータ(SRI:sounding reference signal resource indicator)を使用することによって示される、
請求項12に記載の通信装置。
【請求項14】
前記回路は、動作時、コードブックベースの送信のためのサウンディング参照信号(SRS)リソースセットの少なくとも1つに前記2つ以上のビームのそれぞれを関連付けるように設定され、前記SRSリソースセットの少なくとも1つは、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:channel state information reference signal)リソースに関連付けられる、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項15】
前記SRSリソースセットの1つは、DCIシグナリングにおいて少なくともSRIを使用することによって示される、
請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信し、
前記制御情報に基づいて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームを使用し、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、
通信方法。
【請求項17】
動作時、上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を生成する回路であり、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、前記回路と、
動作時、前記制御情報を送信する送受信部と、を備える、
基地通信装置。
【請求項18】
上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を生成し、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たし、
前記制御情報を送信する、
通信方法。
【請求項19】
通信装置の処理を制御する集積回路であって、
前記処理は、
上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を受信しる処理と、
前記制御情報に基づいて、複数の上りリンク送信オケージョンに対して前記2つ以上のビームを使用し、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、処理と、
を含む、集積回路。
【請求項20】
基地通信装置の処理を制御する集積回路であって、
前記処理は、
上りリンク送信のための2つ以上のビームを示す制御情報を生成し、ビームスイッチングのための少なくとも1つの条件を満たす、処理と、
前記制御情報を送信する処理と、
を含む、集積回路。
【国際調査報告】