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特表2023-547799電極組立体の製造方法およびその製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】電極組立体の製造方法およびその製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20231107BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20231107BHJP
   H01M 4/04 20060101ALI20231107BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20231107BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20231107BHJP
【FI】
H01M10/04 W
H01M10/0587
H01M4/04 A
H01M4/139
H01M50/538
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522535
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 KR2022014599
(87)【国際公開番号】W WO2023055094
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0128689
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ウンジ
(72)【発明者】
【氏名】パク、キ ボム
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ウイソブ
(72)【発明者】
【氏名】イー、ミンハ
(72)【発明者】
【氏名】リ、ゼンファ
(72)【発明者】
【氏名】リー、 ヒョジューン
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
5H043
5H050
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB05
5H028BB07
5H028BB19
5H028CC01
5H028CC05
5H028CC08
5H028CC12
5H028HH00
5H028HH05
5H028HH08
5H029AJ14
5H029BJ06
5H029BJ14
5H029CJ02
5H029CJ28
5H029CJ30
5H029HJ00
5H029HJ12
5H029HJ14
5H043AA19
5H043BA11
5H043BA19
5H043CA12
5H043EA06
5H043EA32
5H043LA21E
5H050AA19
5H050BA08
5H050BA17
5H050DA20
5H050FA05
5H050GA02
5H050GA09
5H050GA29
5H050HA04
5H050HA12
(57)【要約】
本発明では、単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する方法であって、(a)巻き取った後同じ極性の電極タブが互いに上下方向の同じ位置にあるように、前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載して配列体を製造する過程;(b)前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部で前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを共に熱処理する過程;および(c)前記熱処理された単位セルを前記分離フィルムで巻き取る過程を含む電極組立体の製造方法およびその製造装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する方法であって、
(a)前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載して配列体を製造する段階;
(b)前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部で前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理する段階;および
(c)前記熱処理された単位セルを前記分離フィルムで巻き取る段階;
を含む、電極組立体の製造方法。
【請求項2】
前記段階(a)は巻き取った後同じ極性の電極タブが互いに上下方向の同じ位置にあるように、前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載することである、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項3】
前記段階(b)の熱処理は加熱または熱風で行われる、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項4】
前記段階(b)の熱処理は50℃~200℃で行われる、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項5】
前記単位セルに含まれる電極は、活物質層の厚さが一定である平坦部および前記平坦部の両端で前記活物質層の厚さが減少する傾斜部を有し、
前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部は、前記傾斜部に対応する領域を含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項6】
前記段階(c)の巻き取り速度は5ppm~30ppmである、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項7】
前記段階(b)の熱処理と前記段階(c)の巻き取りは連続して行われる、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項8】
前記電極組立体は巻き取られた状態で最外側に位置する電極が内側にのみ活物質層が形成されている片面電極である、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項9】
前記単位セルはそれぞれバイセル、フルセルまたはモノセルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項10】
単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する装置であって、
前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載された状態の配列体を巻き取る巻取り機、および
前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部に位置して前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理するヒータを含む、電極組立体製造装置。
【請求項11】
前記ヒータは加熱式または熱風式である、請求項10に記載の電極組立体製造装置。
【請求項12】
前記ヒータは前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載される部分の全体に形成されている、請求項10に記載の電極組立体製造装置。
【請求項13】
前記巻取り機は前記ヒータの一側に位置する、請求項10から12のいずれか一項に記載の電極組立体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2021年9月29日付韓国特許出願第10-2021-0128689号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電極組立体の製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料使用の急激な増加により代替エネルギー、クリーンエネルギーの使用への要求が増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が電気化学を利用した発電、蓄電分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを用いる電気化学素子の代表的な例として二次電池が挙げられ、日増しにその使用領域が拡大している傾向にある。
【0005】
最近では携帯用コンピュータ、携帯電話、カメラなどの携帯用機器に対する技術開発と需要の増加によりエネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加しており、そのような二次電池のうち高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長くて自己放電率が低いリチウム二次電池について多くの研究が行われてきており、また商用化されて広く使用されている。
【0006】
また、環境問題への関心が高まるにつれて、大気汚染の主な原因の一つであるガソリン車両、ディーゼル車両など化石燃料を使用する車両に代わる電気自動車、ハイブリッド電気自動車などについて研究が多く進められている。このような電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力源としては主にニッケル水素金属二次電池が使用されているが、高いエネルギー密度と放電電圧のリチウム二次電池を使用する研究が活発に進行しており、一部商用化の段階にある。
【0007】
このようなリチウム二次電池は電極組立体が二次電池ケースに内蔵された構造からなっており、前記電極組立体は構造的に、正極シート、負極シート、分離フィルムを巻き取って製造するジェリーロール型電極組立体、単位正極、単位負極、および分離膜を積層する積層型電極組立体、バイセル、フルセルまたはモノセルなどの単位セルを分離フィルムで巻き取るスタック/折り畳み型電極組立体、前記単位セルを積層してラミネーションするスタック/ラミネーション型電極組立体に区分される。
【0008】
この時、前記スタック/折り畳み型電極組立体は分離フィルムで単位セルを巻き取る折り畳み(folding)工程の際、前記単位セルを分離フィルムに載置した後単にワインディングすることによりフォールディング面と単位セルの間の未接着領域が発生し、このような未接着領域での界面抵抗が増加してリチウムが析出される問題が引き起こされる。
【0009】
特にこのような未接着領域は、前記単位セルに含まれる電極が活物質層の厚さが一定である平坦部と、これらの両端でその厚さが次第に減少する傾斜部を有することになるが、このとき前記傾斜部でより顕著となる。
【0010】
したがって、これから析出されたリチウムが二次電池の安全性を脅かし、サイクル特性が顕著に低下する問題がある。
【0011】
したがって、かかる問題を解決できる二次電池用電極組立体の製造技術の開発が切実であることが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記した問題を解決するためのものであり、電極組立体タブが形成された両端でのリチウム析出を抑制して二次電池の安全性およびサイクル特性を向上させることができる電極組立体の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書および特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的または辞典的な意味に限定して解釈すべきではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に則して本発明の技術的思想に適う意味と概念で解釈すべきである。
【0014】
以下、本発明の実施形態によれば、単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する方法であって、
(a)前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載して配列体を製造する段階;
(b)前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部で前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理する段階;および
(c)前記熱処理された単位セルを前記分離フィルムで巻き取る段階を含む電極組立体の製造方法が提供される。
【0015】
前記段階(a)は巻き取った後同じ極性の電極タブが互いに上下方向の同じ位置にあるように、前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載し得る。
【0016】
また、前記段階(b)の熱処理は加熱または熱風で行われ得、前記段階(b)の熱処理は50℃~200℃で行われ得る。
【0017】
前記熱処理が行われる領域を具体的に検討すれば、前記単位セルに含まれる電極は、活物質層の厚さが一定である平坦部および前記平坦部の両端で活物質層の厚さが減少する傾斜部を有し、
前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部は、前記傾斜部に対応する領域を含むものであり得る。
【0018】
一つの具体的な例で、前記段階(c)の巻き取り速度は5ppm~30ppmであり得る。
【0019】
前記段階(b)の熱処理と段階(c)の巻き取りは連続して行われ、したがって、熱処理時間は前記巻き取り速度に影響を受ける。
【0020】
一方、前記電極組立体は巻き取られた状態で最外側に位置する電極が内側にのみ活物質層が形成されている片面電極であり得る。
【0021】
また、前記単位セルはそれぞれバイセル、フルセルまたはモノセルであり得る。
【0022】
本発明のまた他の一実施形態によれば、単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する装置であって、
前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載された状態の配列体を巻き取る巻取り機、および
前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部に位置して前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理するヒータを含む電極組立体製造装置が提供される。
【0023】
ここで、前記ヒータは加熱式または熱風式であり得る。
【0024】
また、前記ヒータは前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載される部分の全体に形成されていてもよい。
【0025】
前記巻取り機は前記ヒータの一側に位置し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態による電極組立体製造装置の模式図である。
図2】本発明の単位セルの側面模式図である。
図3】本発明の電極組立体の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0028】
また、本明細書および特許請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的、かつ辞書的な意味で解釈されるべきではなく、発明者らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に則して本発明の技術的思想に適う意味と概念で解釈すべきである。したがって、本明細書に記載された実施形態と図面に示す構成は本発明の好ましい実施形態に過ぎなく、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願時点においてこれらの代わりとなる多様な均等物と変形例があり得、本発明の範囲は、次に記述する実施形態に限定されるものではない。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する方法であって、
(a)前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載して配列体を製造する段階;
(b)前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部で前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理する段階;および
(c)前記熱処理された単位セルを前記分離フィルムで巻き取る段階を含む電極組立体の製造方法が提供される。
【0030】
また、本発明のまた他の一実施形態によれば、
単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する装置であって、
巻き取った後同じ極性の電極タブが互いに上下方向の同じ位置にあるように、前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載された状態の配列体を巻き取る巻取り機、および
前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部に位置して前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを共に熱処理するヒータを含む電極組立体製造装置が提供される。
【0031】
以下では、電極組立体製造装置の模式図に基づいて、本発明による電極組立体の製造方法とその製造装置を共に説明する。
【0032】
具体的には、図1には本発明の一実施形態による二次電池用電極製造装置を模式的に示した。
【0033】
図1を参照すると、本発明による二次電池用電極組立体製造装置100は、単位セル(108:101,102,103,104,105,106,107)が分離フィルム110の上面に搭載された状態の配列体120を巻き取る巻取り機130、および配列体120の巻き取り方向と平行な分離フィルム110の長手方向に上下部に位置して単位セル108のタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する分離フィルム110を共に熱処理するヒータ140を含む。
【0034】
先に、本発明の一実施形態によれば、本発明の電極組立体は、先に分離フィルム110上に多数の単位セル108を配列して配列体120を製造する。
【0035】
この時、単位セル108は巻き取った後同じ極性の電極タブが互いに上下方向の同じ位置にあるように配列される。
【0036】
単位セル108のそれぞれは、同じ極性の電極が両端に位置する形態のバイセル、異なる極性の電極が両端に位置する形態のフルセル、または一つの電極を含む形態のモノセルであり得る。
【0037】
例えば、前記バイセルは負極/分離膜/正極/分離膜/負極のような構造であり得、フルセルは負極/分離膜/正極のような構造であり得、前記モノセルは正極または負極のうちの一つの電極と分離膜が積層された形態の構造であり得る。
【0038】
ただし、単位セル108は巻き取った後正極と負極が交互に配列される積層形態を有するように配列されるべきであるのはもちろんである。
【0039】
一方、単位セル108に含まれる電極は、電極の製造過程中に電極活物質スラリーの塗布によってタブが形成される一端部とその他端部に傾斜が発生する。
【0040】
これについて具体的に説明するために、図2に本発明の単位セルの側面図を模式的に示した。
【0041】
図2を参照すると、単位セル200は多数の電極210,220,230で構成される。図2には3個の電極210,220,230で構成されるバイセルを示したが、これに限定されるものではない。
【0042】
電極210,220,230はそれぞれ、集電体211,221,231上に活物質層212,222,232が形成された構造で形成されており、集電体211,221,231の一側には電極タブ211a,221a,231aがそれぞれ形成されている。
【0043】
ここで、活物質層212,222,232を検討すれば、活物質層212,222,232は活物質層212,222,232の厚さが一定である平坦部Pおよび平坦部Pの両端で活物質層212,222,232の厚さが減少する傾斜部L1,L2を有する。具体的にはタブが形成された方向の一端部側の傾斜部L1とこれに対応する他端部側の傾斜部L2を有する。
【0044】
このように、単位セル200をなす電極210,220,230の活物質層が傾斜部L1,L2を有するので、このような単位セル200を分離フィルムで巻き取る場合、タブが形成された一端部の傾斜部L1とこれに対応する他端部の傾斜部L2は分離フィルムとの間が離隔して空間が発生するため、接着されず、そのため、前記領域でリチウム析出がよく発生する。
【0045】
しかし、再び図1を参照すると、本発明は、このような単位セル108が分離フィルム110上に搭載された配列体120に対して単位セル108でタブが形成された一端部およびその他端部とこれに対応する分離フィルム110を共に熱処理する過程が行われる。
【0046】
この時、熱処理が行われる単位セル108のタブが形成された一端部およびその他端部は、電極の傾斜部に対応する領域を含む領域 であり得る。
【0047】
前記熱処理の実行は分離フィルム110の長手方向に上下部に位置するヒータ140により行われ、この時、熱処理は加熱または熱風で行われることができ、したがって、ヒータ140は加熱式または熱風式機器であり得る。
【0048】
また、熱処理は50℃~200℃で行われ得る。
【0049】
前記範囲を外れて、過度に低い温度で行う場合には、本発明が意図した接着効果を十分に得ることができず、過度に高い温度の場合には活物質層への変形、分離フィルムの変形が行われるため、好ましくない。
【0050】
一方、前記熱処理後には単位セル108を分離フィルム110で巻き取る。
【0051】
この時、前記熱処理時間は熱処理後に行われる巻き取り速度に影響を受け得る。
【0052】
具体的には、配列体120を巻き取る巻取り機130はヒータ140の一側に前記位置し得、そのため、段階(b)の熱処理と段階(c)の巻き取りは連続して行われ得る。したがって、熱処理時間が巻き取り速度に影響を受け得る。
【0053】
この時、前記段階(c)の巻き取り速度は5ppm~30ppmであり得る。
【0054】
前記範囲を外れて、過度に巻き取り速度が速すぎると、十分な熱処理効果を得ることができず、過度に遅いと過熱され得るので、好ましくない。
【0055】
また、前記熱処理を行うヒータ140はその大きさに制限はないが、単位セル108が十分に熱処理されるように、単位セル108が分離フィルム110の上面に搭載される部分の全体に形成されている。
【0056】
具体的には、このように行われる場合、前記単位セルに対する熱処理時間は、3秒~20秒であり得る。
【0057】
前記範囲を外れる場合、十分な熱処理効果を得ることができないか、逆に過熱され得るので、好ましくない。
【0058】
一方、このように製造された電極組立体は巻き取られた状態で最外側に位置する電極が内側にのみ活物質層が形成されている片面電極であり得る。
【0059】
したがって、図1の巻き取り終点にある2個の単位セル106,107での分離フィルム110と対面する電極は片面電極であり得る。
【0060】
これをより明確に説明するために、下記図3に巻き取られた形態の電極組立体の断面図を示した。
【0061】
図3を参照すると、電極組立体300は単位セルが分離フィルム310で巻き取られた構造からなる。この時、最外側に存在する単位セル106,107に含まれるそれぞれの電極320,330はそれぞれ集電体321,331上に活物質層322,332が電極組立体300の内側にのみ形成されている片面電極である。
【0062】
具体的には、上部に位置する電極320は集電体321の下面にのみ活物質層321が形成されており、下部に位置する電極330は集電体331の上面にのみ活物質層332が形成されている。
【0063】
このように最外側に位置する電極が片面電極である場合、活物質層の浪費がなく、電極組立体の全体的な厚さが減少するので、より好ましい。
【0064】
本発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば、上記の内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことが可能であろう。
【符号の説明】
【0065】
100 電極組立体製造装置
110 分離フィルム
101,102,103,104,105,106,107 単位セル
120 配列体
130 巻取り機
140 ヒータ
200 単位セル
300 電極組立体
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、電極組立体で接着がよく行われないタブが形成された一端部とその対応する他端部に対し、単位セルを分離フィルム上に配列した状態で巻き取り前に熱処理を行う場合、分離フィルムと単位セルの未接着領域を最小化できるため、リチウム析出が最小化され、そのためそれを含む二次電池の安全性およびサイクル特性を向上させることができる効果がある。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する方法であって、
(a)前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載して配列体を製造する段階;
(b)前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部で前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理する段階;および
(c)前記熱処理された単位セルを前記分離フィルムで巻き取る段階;
を含む、電極組立体の製造方法。
【請求項2】
前記段階(a)は巻き取った後同じ極性の電極タブが互いに上下方向の同じ位置にあるように、前記単位セルを前記分離フィルムの上面に搭載することである、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項3】
前記段階(b)の熱処理は加熱または熱風で行われる、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項4】
前記段階(b)の熱処理は50℃~200℃で行われる、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項5】
前記単位セルに含まれる電極は、活物質層の厚さが一定である平坦部および前記平坦部の両端で前記活物質層の厚さが減少する傾斜部を有し、
前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部は、前記傾斜部に対応する領域を含む、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項6】
前記段階(c)の巻き取り速度は5rpm~30rpmである、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項7】
前記段階(b)の熱処理と前記段階(c)の巻き取りは連続して行われる、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項8】
前記電極組立体は巻き取られた状態で最外側に位置する電極が内側にのみ活物質層が形成されている片面電極である、請求項1に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項9】
前記単位セルはそれぞれバイセル、フルセルまたはモノセルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項10】
単位セルを分離フィルムで巻き取った電極組立体を製造する装置であって、
前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載された状態の配列体を巻き取る巻取り機、および
前記配列体の巻き取り方向と平行な前記分離フィルムの長手方向に上下部に位置して前記単位セルのタブが形成された一端部およびその他端部と、これに対応する前記分離フィルムを熱処理するヒータを含む、電極組立体製造装置。
【請求項11】
前記ヒータは加熱式または熱風式である、請求項10に記載の電極組立体製造装置。
【請求項12】
前記ヒータは前記単位セルが前記分離フィルムの上面に搭載される部分の全体に形成されている、請求項10に記載の電極組立体製造装置。
【請求項13】
前記巻取り機は前記ヒータの一側に位置する、請求項10から12のいずれか一項に記載の電極組立体製造装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
一つの具体的な例で、前記段階(c)の巻き取り速度は5rpm~30rpmであり得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
この時、前記段階(c)の巻き取り速度は5rpm~30rpmであり得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【国際調査報告】