(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】経時的な天体暦データシグナリングデルタ
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20231107BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20231107BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20231107BHJP
H04W 72/231 20230101ALI20231107BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W84/06
H04W74/08
H04W72/231
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524654
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 IB2021059771
(87)【国際公開番号】W WO2022084946
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】マーッタネン, ヘルカ-リーナ
(72)【発明者】
【氏名】ルーン, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヤヴツ, エムル
(72)【発明者】
【氏名】オイラー, セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ホー, チャオ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA22
5K067EE02
5K067EE10
5K067FF03
(57)【要約】
いくつかの実施形態によると、無線デバイスによって行われる方法は、サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを受信することであって、全天体暦データのブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを受信することと、全天体暦データに基づいてサービングセル衛星の位置を特定することと、サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを受信することであって、デルタ天体暦データのブロードキャストは第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを受信することと、全天体暦データおよびデルタ天体暦データに基づいてサービングセル衛星の位置を特定することとを含む。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスによって行われる方法であって、
サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを受信すること(612)であって、全天体暦データの前記ブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを受信すること(612)と、
前記全天体暦データに基づいて前記サービングセル衛星の位置を特定すること(614)と、
前記サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを受信すること(616)であって、デルタ天体暦データの前記ブロードキャストは前記第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを受信すること(616)と、
前記全天体暦データおよび前記デルタ天体暦データに基づいて前記サービングセル衛星の位置を特定すること(618)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記デルタ天体暦データは、前記全天体暦データに基づくデルタを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デルタ天体暦データは、前のデルタ天体暦データに基づいて累積されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記全天体暦データおよび前記デルタ天体暦データは、システム情報を介して受信される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記全天体暦データの前記第1の周期は、セルスイッチまで、その直後の時間で増加する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
全天体暦データまたはデルタ天体暦データを受信するためのリクエストを送信すること(620)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記リスエストは、ランダムアクセスチャネル(RACH)上で送信される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記天体暦データは、前記サービングセル衛星の軌道に近い原点を備えた座標系に基づいている、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
処理回路(120)を備える無線デバイス(110)であって、前記処理回路(120)は、
サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを受信することであって、全天体暦データの前記ブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを受信することと、
前記全天体暦データに基づいて前記サービングセル衛星の位置を特定することと、
前記サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを受信することであって、デルタ天体暦データの前記ブロードキャストは前記第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを受信することと、
前記全天体暦データおよび前記デルタ天体暦データに基づいて前記サービングセル衛星の位置を特定することと
を行うように動作可能である、無線デバイス(110)。
【請求項10】
前記デルタ天体暦データは、前記全天体暦データに基づくデルタを含んでいる、請求項9に記載の無線デバイス。
【請求項11】
前記デルタ天体暦データは、前のデルタ天体暦データに基づいて累積されている、請求項9に記載の無線デバイス。
【請求項12】
前記全天体暦データおよび前記デルタ天体暦データは、システム情報を介して受信される、請求項9から11のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項13】
前記全天体暦データの前記第1の周期は、セルスイッチまで、その直後の時間で増加する、請求項9から12のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項14】
前記処理回路はさらに、全天体暦データまたはデルタ天体暦データを受信するためのリクエストを送信するように動作可能である、請求項9から13のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項15】
前記リスエストは、ランダムアクセスチャネル(RACH)上で送信される、請求項14に記載の無線デバイス。
【請求項16】
前記天体暦データは、前記サービングセル衛星の軌道に近い原点を備えた座標系に基づいている、請求項9から15のいずれか一項に記載の無線デバイス。
【請求項17】
ネットワークノードによって実施される方法であって、
サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを送信することであって(652)、全天体暦データの前記ブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを送信すること(652)と、
前記サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを送信すること(654)であって、デルタ天体暦データの前記ブロードキャストは前記第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを送信すること(654)と
を含む、方法。
【請求項18】
前記デルタ天体暦データは、前記全天体暦データに基づくデルタを含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記デルタ天体暦データは、前のデルタ天体暦データに基づいて累積されている、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記全天体暦データおよび前記デルタ天体暦データは、システム情報を介して送信される、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記全天体暦データの前記第1の周期は、セルスイッチまで、その直後の時間で増加する、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
全天体暦データまたはデルタ天体暦データを送信するためのリクエストを受信すること(656)をさらに含む、請求項17から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記リスエストは、ランダムアクセスチャネル(RACH)上で受信される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記天体暦データは、前記サービングセル衛星の軌道に近い原点を備えた座標系に基づいている、請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
処理回路(170)を備えるネットワークノード(160)であって、前記処理回路(170)は、
サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを送信することであって、全天体暦データの前記ブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを送信することと、
前記サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを送信することであって、デルタ天体暦データの前記ブロードキャストは前記第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを送信することと
を行うように動作可能である、ネットワークノード(160)。
【請求項26】
前記デルタ天体暦データは、前記全天体暦データに基づくデルタを含んでいる、請求項25に記載のネットワークノード。
【請求項27】
前記デルタ天体暦データは、前のデルタ天体暦データに基づいて累積されている、請求項25に記載のネットワークノード。
【請求項28】
前記全天体暦データおよび前記デルタ天体暦データは、システム情報を介して送信される、請求項25から27のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項29】
前記全天体暦データの前記第1の周期は、セルスイッチまで、その直後の時間で増加する、請求項25から28のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【請求項30】
前記処理回路はさらに、全天体暦データまたはデルタ天体暦データを送信するためのリクエストを受信するように動作可能である、請求項25から29の一項に記載のネットワークノード。
【請求項31】
前記リスエストは、ランダムアクセスチャネル(RACH)上で受信される、請求項30に記載のネットワークノード。
【請求項32】
前記天体暦データは、前記サービングセル衛星の軌道に近い原点を備えた座標系に基づいている、請求項25から31のいずれか一項に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、無線通信を対象とし、より詳細には、非地上系ネットワーク(NTN)用の天体暦データシグナリングを対象とする。
【背景技術】
【0002】
一般に、本明細書で使用する全ての用語は、関連する技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきであるが、異なる意味を明確に持たせている、および/または使用する文脈によって示唆している場合を除く。要素、装置、構成要素、手段、ステップなどに対する全ての参照は、別段の明示的な提示がない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの事例を指すものとオープンに解釈されるべきである。本明細書に開示するあらゆる方法のステップは、あるステップが別のステップの次または前であるものとして明示的に記載されない限り、および/またはあるステップが別のステップの次または前でなければならないことが暗示されていない限り、開示する正確な順序で実施される必要はない。本明細書に開示する実施形態のいずれかの任意の特徴は、適切であれば、他の任意の実施形態に適用されてもよい。同様に、任意の実施形態の任意の利点は、他の任意の実施形態に適用され得、逆もまた同様である。記載された実施形態の他の目的、特徴、および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0003】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)仕様は、エボルブドパケットシステム(EPS)を含む。EPSは、ロングタームエボリューション(LTE)無線およびエボルブドパケットコア(EPC)をベースとする。音声および携帯広帯域(MBB)サービスを提供することを元々意図していたが、その機能性を広げるために連続的に進化された。例えば、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)およびマシン用LTE(LTE-M)は、LTE仕様の一部であり、大量マシン形通信(mMTC)サービスへのコネクティビティを提供する。
【0004】
3GPPはまた、5Gシステム(5GS)を含む。この新世代無線アクセス技術は、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超信頼度および低レイテンシ通信(URLLC)、およびmMTCなどのユースケースを提供することを意図している。5G仕様は、新無線(NR)アクセス階層インターフェースおよび5Gコアネットワーク(5GC)を含む。NR物理およびより高い層は、LTE仕様の一部を再利用し、新しいユースケースに必要とされるような構成要素を追加する。
【0005】
3GPPはまた、非地上系ネットワーク(NTN)内の動作用にNRを準備するために作動している(3GPP技術報告(TR)38.811を参照)。並行して、NTN内での動作用のLTEを適合させるための興味が成長している。その結果、3GPPは、LTEとNRの両方についてのNTN用サポートを導入することを検討している。
【0006】
衛星無線アクセスネットワークは普通、以下の構成要素、衛星ネットワークをコアネットワークに接続するゲートウェイ、衛星(例えば、人工衛星プラットフォーム)、端末(例えば、ユーザ機器(UE))、ゲートウェイと衛星の間のフィーダリンク、および衛星と端末の間のサービスリンクを含む。ゲートウェイから端末へのリンクはしばしば、送信リンクと呼ばれ、端末からゲートウェイへのリンクはしばしば、戻りリンクと呼ばれる。
【0007】
軌道高度に応じて、衛星は、低地球軌道(LEO)、中間地球軌道(MEO:Medium Earth Orbit)、または静止(GEO)衛星にカテゴリ分類され得る。LEOは、250~1,500kmの範囲に及ぶ一般的な高度、および90~130分の範囲に及ぶ軌道周期を含む。MEOは、5,000~25,000kmの範囲に及ぶ一般的な高度、および2~14時間の範囲に及ぶ軌道周期を含む。GEOは、約35,786kmの高度、および24時間の軌道周期を含む。
【0008】
衛星システムは、かなりの軌道高さにより地上波ネットワークよりかなり高いパスロスを有する傾向がある。パスロスを克服することはしばしば、アクセスおよびフィーダリンクを見通し条件で操作し、UEに高ビーム方向性を提供するアンテナを備えさせる必要がある。
【0009】
通信衛星は、一般に、所与のエリア上にいくつかのビームを生成する。ビームのフットプリントは、通常、楕円形状であり、旧来、セルとみなされてきた。ビームのフットプリントは、しばしば、スポットビームとも呼ばれる。ビームのフットプリントは、衛星移動と共に地球表面にわたって移動し得るか、または、衛星によってその動きを補償するために使用される、ビームポインティング機構を用いて地球固定であり得る。スポットビームのサイズは、システム設計に依存し、数十キロメートルから数千キロメートルの範囲に及び得る。
図1は、ベントパイプ(bent pipe)トランスポンダをもつ例示的な衛星ネットワークアーキテクチャを示す。
【0010】
地上波ネットワーク内で観察されるビームと比較して、NTNビームは極めて幅広くてもよく、サーブされたセルによって規定されたエリアの外側のエリアをカバーしてもよい。隣接するセルをカバーするビームは、重複し、有意なレベルのセル間干渉を引き起こす。NTN内の大きなレベルの干渉を克服するための典型的なアプローチは、異なる搬送波周波数および偏光モードで異なるセルを構成する必要がある。
【0011】
3GPP TR 38.821は、天体暦データが、例えば、衛星に向けて方向性アンテナ(またはアンテナビーム)に向けるのを助けるために、および正しいタイミングアドバンス(TA)およびドップラーシフトを計算するために、UEに提供されるべきであるアイディアをキャプチャする。どのように天体暦データを提供および更新するかに関する手続はまだ詳細には研究されていないが、1つの選択肢はシステム情報内で天体暦データをブロードキャストすることである。
【0012】
衛星軌道は、6つのパラメータを仕様して完全に記載することができる。ユーザは、どのセットのパラメータを使用するかを正確に選択することができ、多くの異なる態様が可能である。例えば、パラメータのセット(α、ε、i、Ω、ω、t)はしばしば、天文学で使用される。ここで、半主軸「α」および偏心度「ε」は軌道楕円の形状およびサイズを示し、傾斜「i」、昇交点「Ω」、および近点「ω」の偏角は空間内の位置を決定し、元期「t」は参照時間(例えば、衛星が近点を通して移動するときの時間)を決める。
【0013】
このセットのパラメータは、
図2に図示されている。
図2では、近点は、軌跡が地球に最も近い点のことを言い、牡羊座の第1の点は春分点で太陽に向かう方向のことを言い、昇交点は、軌跡が赤道面を通して上向きに通過する点のことを言う。
【0014】
異なる媒介変数表示の例として、2ラインエレメントセット(TLE)は、aおよびtの代わりに、平均運動「n」および平均近点角(M)を使用する。完全に異なるセットのパラメータは、衛星の位置および速度ベクトル(x、y、z、vx、vy、vz)である。これらは時々、軌道状態ベクトルと呼ばれる。これらは、含んでいる情報が等価であるので、軌道エレメントから導き出される、および逆も同様である。これらの公式(および多くのその他)は、NTNで使用される天体暦データのフォーマットの可能な選択肢である。さらなる進化を可能にするために、データのフォーマットを一致させるべきである。
【0015】
UEは少なくとも数メートルの精度で衛星の位置を決めることができることが重要である。しかし、いくつかの研究では、TLEの事実上標準を使用する場合に達成することが難しい可能性があることが示されている。もう一方では、LEO衛星はしばしばGNSS受信機を有し、いくつかのメートルレベル精度でその位置を決めることができる。
【0016】
3GPP TR 38.821でキャプチャされる別の態様は、天体暦データの有効性時間である。衛星位置の予測は一般的に、大気抵抗、衛星の操縦、使用される軌道モデルにおける欠陥などにより、使用される天体暦データの加齢と共に劣化する。したがって、公的に入手可能であるTLEデータは、例えば、かなり頻繁に更新される。更新頻度は、衛星およびその軌道により、例えば、更新頻度は(例えば、強い大気抵抗に曝され、しばしば修正操作を行う必要がある極めて低い軌道上の衛星に対して)一日多数回から(例えば、比較的より高い軌道上の衛星またはより低い大気抵抗に曝された衛星に対して)週に1度までの範囲にわたってもよい。
【0017】
したがって、衛星位置に所要の精度を提供することが可能であると思われるが、例えば、天体暦データフォーマットを選択する場合、または軌道伝搬に使用される軌道モデルを選択する場合に、これらの要件を満たすために注意をする必要がある。
【0018】
システム情報(SI)は、セルラ通信システム内の重要な機能である。ネットワークにアクセスし、3GPP標準に従って動作するセルラネットワーク内でのセル間の再選択およびマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)伝達の受信などの他の機能を行うために必要な情報を無線デバイス(例えば、UE)に提供する。加えて、3GPPセルラシステムでは、システム情報機構は、3GPPセルラ通信システム内での地震および津波警告システム(ETWS)メッセージおよび商業モバイル警報システム(CMAS)メッセージなどの公共警告システムメッセージを伝えるために使用される。
【0019】
LTEでは、システム情報は、各セル内の周期的ブロードキャスティングを使用して提供される。SIは、マスタ情報ブロック(MIB)およびいくつかのシステム情報ブロック(SIB)に分割される。MIBおよびSIB1は、基準で固定された周期でブロードキャストされる。他のSIBは、SIB1内で設定されるように、異なる周期でブロードキャストされる。
【0020】
新無線(New Radio:NR)と呼ばれる5Gシステム(RANは次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)と呼ばれ、コアネットワークは次世代コア(NGC)と呼ばれる)では、3GPPはLTEで使用されるシステム情報(SI)の分配のための原則を部分的に変更した。
【0021】
NRでは、SIは「最小SI」および「他のSI」に分けられ、最小SIはセルにアクセスする必要があるSIであり、NR独立型モデル(すなわち、LTEとのデュアル接続設定ではない)場合、最小SIはまた他のSIのSIBに対するスケジューリング情報を含む。最小SIは、マスタ情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロックタイプ1(SIB1)からなる。SIB1はまた、「残余最小システム情報」(RMSI)と呼ばれる。
【0022】
少なくともNR独立型モードでは、最小SIはセル内で周期的にブロードキャストされ、他のSIは周期的にブロードキャストされる、またはUEからのリクエストによってトリガされたオンデマンドで運ばれるいずれかであってもよい。周期的にブロードキャストされるSIおよびオンデマンドSIへの分割の粒度は、SIメッセージのレベルである。特定のSIメッセージは周期的にブロードキャストされるまたはオンデマンドで提供されるかどうかは、SIB1内に(si-BroadcastStatusパラメータを使用して)示される。無線リソース制御(RRC)アイドル(RRC_IDLE)、非アクティブ(RRC_INACTIVE)、または接続(RRC_CONNECTED)状態でのUEは、ランダムアクセスプリアンブル(Msg1ベース方法と呼ばれる)を使用して、またはランダムアクセスメッセージ3(Msg3ベース方法と呼ばれる)を使用したいずれかで、オンデマンドSIメッセージをリクエストすることができる。
【0023】
ランダムアクセスプリアンブル(Msg1)送信が使用される場合、他のSIの異なるSIメッセージ(その結果、SIメッセージに割り当てられたSIB)をリクエストするための異なるプリアンブルがあってもよい。ランダムアクセスプリアンブルとリクエストされるSIメッセージの間のマッピングは、SIB1内に設定される。ランダムアクセスメッセージ3(Msg3)送信が使用される場合、UEはこのようなメッセージ内で、UEがネットワークにブロードキャスト/送信させたいのは他のSIのどのSIメッセージ(その結果、そのSIメッセージに割り当てられるSIB)かを特定してもよい。
【0024】
オンデマンドSIメッセージに対するリクエストは、SIB1内の該当するSIメッセージに関連するスケジューリング情報に従って、限られた時間だけリクエストされたSIメッセージをブロードキャストするようにネットワークをトリガする。ネットワークはまた、リスエストしているUEに確認応答メッセージを送信する。Msg1ベースリクエスト方法では、ネットワークは確認しているランダムアクセスメッセージ2(Msg2)に応答する。Msg3ベースリクエスト方法では、ネットワークは確認しているランダムアクセスメッセージ4(Msg4)に応答する。
【0025】
システム情報(SI)の周期的ブロードキャストは、LTE内と同じNR内の原理に従って、大部分設計されている。LTEと同様に、マスタ情報ブロック(MIB)は、同期信号に関連する固定位置で送信される。SIB1に対する状況は、LTEとはNR内では僅かに異なる。SIB1の周期は160msであるが、これらの160ms内で多数繰り返されてもよく、送信設定はMIB内に示される。残りのSIBはSIB1内でスケジューリングされ、LTEと同じ方法で物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上に送信される。
【0026】
異なるSIBは異なる周期を有することができる。同じ周期を有するSIBは同じSIメッセージに割り当てられ、全てのSIメッセージはSIメッセージがその中で送信されるべき周期的SIウィンドウに関連付けられている。異なるSIメッセージのSIウィンドウは異なる周期を有し、重なり合わず、全て同じ持続時間を有する。SIメッセージの正確な送信機会は設定されず、その中で送信されるウィンドウだけであることに留意されたい。PDSCH送信はSIメッセージが含んでいることを示すために、PDSCH送信リソースを割り当てる物理ダウンリンク共有チャネル(PDCCH)スケジューリングダウンリンク制御情報(DCI)の巡回冗長検査(CRC)は、システム情報無線ネットワーク一時識別子(SI-RNTI)内でスクランブルされる。
【0027】
受信UEは、どのSIメッセージを受信するか(したがって、どのSIBをSIメッセージが含むか)を特定するために、SIウィンドウの非重複性状を利用する。SIメッセージ自体は、1つのSIメッセージを他から区別するための表示を含んでいない。SIBからSIメッセージを割り当てる、およびSIウィンドウ内のSIメッセージのスケジューリングの原理が、
図3に示されている。
図3では、各SIメッセージは独自のSIウィンドウ内で送信され、その時間内の発生はSIメッセージ周期、およびSIB1内のリスト中のSIメッセージの位置による。
【0028】
周期的にブロードキャストされるまたはオンデマンドで提供されるかどうかにかかわらず、全てのSIメッセージは設定されたスケジュールを有することに留意されたい。後者の場合、スケジューリングされたブロードキャスト機会は、ネットワーク(例えば、gNB)が該当SIメッセージに対するリクエストを受信した場合のみに使用される。
【0029】
SIB1内のSIスケジューリング関連パラメータのASI.1規定、および関連するフィールド記述が以下に示されている。
【0030】
SI更新に対する基本的原理は、LTEとNR内で同じである。SI変更期間の概念の周りで構築される。いくつかの例外で、SIは2つのSI変更期間の間の境界で更新することができるだけである。さらに、計画されたSI更新は、実際のSI更新の前にSI修正期間内でアナウンスされなければならない。このようなアナウンスはページング機構を使用して行われる、すなわち、ページングチャネル上の通知は、次のシステム情報変化に関して、RRC_IDLE状態のUE、RRC_INACTIVE状態のUE、およびRRC_CONNECTED状態のUEを報告するために使用される。NRでは、次のSI更新の通知は、いわゆる「ショートメッセージ」を介して伝えられる、すなわち、PDSCH上の関連するスケジューリングされたページングメッセージの有無にかかわらず、PDCCH上の(CRCがページングRNTI(P-RNTI)とスクランブルされた状態で)DCI内に含まれている。UEがsystemInfoModification表示を含むショートメッセージを含むDCIを受信すると、UEはシステム情報が次のSI変更期間境界で変更することが分かる。
【0031】
ページングチャネル上のショートメッセージを介したSI更新通知の特別な場合は、ショートメッセージ内のetwsAndCmasIndicationパラメータが、公的警告システムメッセージ(ETWSまたはCMAS)がSI内でアクティブにされた(または変更された)ことを示す場合である。この場合、UEは更新がすぐに適用可能であることが分かり、UEは該当公的警告に関連するSIBをできるだけすぐに取得し、読み取るべきである。UEは、通知がETWSまたはCMASに関連するかどうか発見するためにSIB1を読み取らなければならない。
【0032】
SI更新はしたがって、ページングチャネルを介して通知され、その結果、UEはページングターゲット自体を受信するだけでなく、(公的警告システム(PWS)通知を含む)可能なSI更新通知を受信するために、ページングチャネルを監視しなければならない。RRC_IDLEおよびRRC_INACTIVE状態のUEは、規則的ページング機会(PO)、すなわちページング間欠受信(DRX)サイクル毎1つを監視し、RRC_CONNECTED状態のUEはSI更新通知に対するあらゆるPOを監視することができるが、(SIB1内のdefaultPagingCycleパラメータによって示される)デフォルトページングサイクル毎に少なくとも1つのPOを監視しなければならない。
【0033】
現在、特定の課題が存在する。例えば、天体暦データは、衛星軌道の空間内の形状および位置を記載する少なくとも5つのパラメータからなる。また、軌道楕円を記載する他のパラメータが得られたときの時間である、タイムスタンプを含む。近い将来のあらゆる所与の時間の衛星の位置は、軌道機構を使用してこのデータから予測することができる。しかし、予測の精度は将来にわたってどんどん低下する。特定のセットのパラメータの有効性時間は、軌道のタイプおよび高さなどの多くの要因だけでなく、所望の精度により、数日の規模から数年にわたる。
【0034】
3GPPは、NTN内での動作のために、NR、場合によってはLTEを採用してもよい。NRおよびLTEでは、UEが電源投入されたとき、UEは、PLMNについてUEのサポートされる周波数帯域、および、キャンプオンすべきセルにわたって初期探索を実施することが期待される。NTNでは、方向性アンテナを使用するUEは、最悪の場合、水平に対して空全体にわたってキャンプオンすべき衛星を検索しなければならない。このような労力、したがって、初期検索に必要な時間は、衛星の位置、したがってそのアンテナを指さなければならない場所をUEに報告する天体暦データをUEに提供することによってかなり減らすことができる。
【0035】
UEが、ネットワークが隣接するセルの周波数(場合によってはPCI)をUEに報告するだけである場合に、例えば、ハンドオーバに備えて、別の衛星から送信されるセルを検索すべきである場合に同様の問題が生じる。
【発明の概要】
【0036】
上記記載に基づいて、特定の挑戦が非地上系ネットワーク(NTN)で存在している。本開示の特定の態様およびそれらの実施形態は、これらまたは他の課題に対する解決策を提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、天体暦データのブロードキャストは全天体暦データ(自己完結型で完全精度を備えた)の不定期のブロードキャスト、および天体暦データ内の変化のみを示すデルタシグナリングのより頻繁なブロードキャストに分割される。
【0037】
いくつかの実施形態では、全天体暦データを受信したUEは、デルタシグナリングのその後のブロードキャストを受信し、これらの変更を記憶した天体暦データに適用することによって、正確な天体暦データを維持することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ネットワークは、天体暦データの追加のブロードキャストが次の変更期間内にブロードキャストされることがスケジューリングされていることを示すために、レガシー内と同様に、システム情報更新に関する変更期間内でサービングセル内のUEを報告してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態は、全およびデルタシグナリングとして天体暦パラメータを表現するための方法を含む。
【0040】
いくつかの実施形態によると、無線デバイスによって行われる方法は、サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを受信することであって、全天体暦データのブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを受信することと、全天体暦データに基づいてサービングセル衛星の位置を特定することと、サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを受信することであって、デルタ天体暦データのブロードキャストは第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを受信することと、全天体暦データおよびデルタ天体暦データに基づいてサービングセル衛星の位置を特定することとを含む。
【0041】
特定の実施形態では、デルタ天体暦データは、全天体暦データに基づくデルタを含んでいる。いくつかの実施形態では、デルタ天体暦データは前のデルタ天体暦データに基づいて累積される。
【0042】
特定の実施形態では、全天体暦データおよびデルタ天体暦データは、システム情報を介して受信される。
【0043】
特定の実施形態では、全天体暦データの第1の周期は、セルスイッチまで、その直後の時間で増加する。
【0044】
特定の実施形態では、方法はさらに、全天体暦データまたはデルタ天体暦データを受信するためのリクエストを送信することを含む。リクエストは、ランダムアクセルチャネル(RACH)上で送信されてもよい。
【0045】
特定の実施形態では、天体暦データは、サービングセル衛星の軌道に近い原点を備えた座標系に基づいている。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、無線デバイスが、上記で説明された無線デバイス方法のいずれかを実施するように動作可能な処理回路を備える。
【0047】
コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を備え、コンピュータ可読プログラムコードが、処理回路によって実行されたとき、上記で説明された無線デバイスによって実施される方法のいずれかを実施するように動作可能である。
【0048】
いくつかの実施形態によると、ネットワークノードによって行われる方法は、サービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを送信することであって、全天体暦データのブロードキャストは第1の周期で起こる、ブロードキャストを送信することと、サービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを送信することであって、デルタ天体暦データのブロードキャストは第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる、ブロードキャストを送信することとを含む。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、ネットワークノードが、上記で説明されたネットワークノード方法のいずれかを実施するように動作可能な処理回路を備える。
【0050】
別のコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を備え、コンピュータ可読プログラムコードが、処理回路によって実行されたとき、上記で説明されたネットワークノードによって実施される方法のいずれかを実施するように動作可能である。
【0051】
いくつかの実施形態は、以下の技術的利点の1つまたは複数を提供し得る。例えば、特定の実施形態は、全情報をよりまばらおよび効率的に送信することができるので、天体暦データのフレキシブルなブロードキャストを可能にする。
【0052】
開示される実施形態ならびにそれらの特徴および利点のより完全な理解のために、次に、添付の図面と共に、以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】ベントパイプ(bent pipe)トランスポンダをもつ例示的な衛星ネットワークアーキテクチャを示す。
【
図3】SIBからSIメッセージの割り当て、およびSIウィンドウ内のSIメッセージのスケジューリングを示す。
【
図4】例示的な無線ネットワークを示すブロック図である。
【
図5】特定の実施形態による、例示的なユーザ機器を示す。
【
図6A】いくつかの実施形態による、無線デバイスにおける例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図6B】いくつかの実施形態による、ネットワークノードにおける例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図7】いくつかの実施形態による、無線ネットワークにおける無線デバイスの概略ブロック図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、例示的な仮想化環境を示す。
【
図9】いくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された例示的な通信ネットワークを示す。
【
図10】いくつかの実施形態による、部分的無線接続上で基地局を介してユーザ機器と通信する例示的なホストコンピュータを示す。
【
図11】いくつかの実施形態による、実装される方法を示すフローチャートである。
【
図12】いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図13】いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【
図14】いくつかの実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0054】
上記記載に基づいて、特定の挑戦が非地上系ネットワーク(NTN)で存在している。本開示の特定の態様およびそれらの実施形態は、これらまたは他の課題に対する解決策を提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、天体暦データのブロードキャストは全天体暦データ(自己完結型で完全精度を備えた)の不定期のブロードキャスト、および天体暦データ内の変化のみを示すデルタシグナリングのより頻繁なブロードキャストに分割される。
【0055】
以下、本明細書で想到される実施形態のいくつかについて、添付図面を参照してさらに記載する。しかしながら、他の実施形態が本明細書に開示する主題の範囲内に含まれ、開示する主題は、本明細書に記載する実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではなく、それよりもむしろ、これらの実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるために例として提供される。特定の問題および解決法を新無線(NR)用語を使用して記載してもよいが、同じ解決法は、適応可能な場合、Long Term Evolution(LTE)および他の無線ネットワークにも当てはまることを理解すべきである。
【0056】
本明細書で使用されるように、「全天体暦データ」、「全精度」、「デルタ天体暦データ」、「デルタシグナリングされた天体暦データ」、「部分天体暦データ」、「部分情報」は、(「全」と記載されている)より多数のビットによって可能にされるより高い精度を備えた天体暦データ/情報、またはより低い精度(より少ない数のビット)を備えた異なる天体暦データ/情報を指している。
【0057】
上に記載したように、NTNユーザ機器(UE)が特定の衛星からの信号を見つけるためにそのアンテナを指すべきである場合に関する情報なしで、UEは空全体をスキャンしなければならず、大きな衛星検索時間につながる。その後、より長い初期アクセス遅延、場合によっては、より長い測定ギャップの要件を生じる。情報マッピングセルおよび天体暦データをUEに提供することにより、このような問題が緩和される。その情報で、UEは特定のセルを見つけるためにそのアンテナを指す場所が分かる。この目的で、本明細書に記載された実施形態は、適切およびタイムリーなアクセス可能データのこのようなマッピングおよび提供を可能にする。実施形態は基本的に、効率的な方法で衛星天体暦データを提供するためのシステムおよび方法からなる。
【0058】
第1のグループの実施形態は、UEの現在のサービングセルをサーブする衛星の天体暦データをブロードキャストすることに関する。いくつかの実施形態は、全ブロードキャストおよびデルタブロードキャストへの天体暦データブロードキャストの分割を含む。
【0059】
一式の実施形態では、天体暦データのブロードキャストは全天体暦データ(自己完結型で高精度(本明細書の他の場所では「完全精度」を使用することもあるが、より正確な用語は「高精度」である)を備えた)の不定期のブロードキャスト、および時間の経過と共に開発される天体暦データ内の変化のみを示すデルタシグナリングのより頻繁なブロードキャストに分割される。デルタシグナリングは、全天体暦データの最新のブロードキャストとの差異を示してもよい。代替形態として、デルタシグナリングは、全天体暦データのブロードキャストの後のデルタシグナリングの第1のブロードキャストが全天体暦データの前のブロードキャストからの変化を示すように累積されてもよく、デルタシグナリングのその後のブロードキャストは、デルタシグナリングの第1のブロードキャストなどによって示される変化を適用することにより得られる全天体暦データからの変化を示す。
【0060】
非累積原理はより安定している。というのは、デルタシグナリグブロードキャストがないUEの結論は累積原理より小さい、すなわち、UEは次のデルタシグナリングブロードキャストを受信した後に全天体暦データの知識を取り戻すからである。加えて、UEは、精度に関するその必要性に応じて、どのような頻度でこのようなデルタシグナリングブロードキャストの経過を追うか選択する柔軟性がある。全天体暦データを受信したUEは、デルタシグナリングのその後のブロードキャストを受信し、これらの変更を記憶した天体暦データに適用することによって、正確な天体暦データを維持することができる。
【0061】
もう一方では、非累積原理に基づいたデルタシグナリング天体暦データ更新は、(将来の更新の基礎として)全天体暦データの最新のブロードキャストおよび(現在の使用のための)デルタシグナリングされた天体暦を適用する更新された天体暦の両方を記憶するための二重メモリ割り当てを必要とし、累積原理のものは、例えば、マルコフ連鎖の方法で、現在および将来の使用の両方のために更新された天体暦データを保持するための単一のメモリ割り当てのみを必要とする。
【0062】
サービングセルの衛星の全天体暦データのブロードキャストを制限する利点を最大限にするために、全天体暦データは長いブロードキャスト周期でSIメッセージ内に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、周期は現在の標準的仕様(例えば、最大設定可能周期が5.12秒である512無線フレームである、3GPP TS 38.331バージョン16.1.0)に従って設定することが可能な最大SIブロードキャスト周期よりさらに長くてもよい。全天体暦データブロードキャスト間のこのような長い間隔の可能性のある欠点を緩和するために、周期延長は規則的なブロードキャストの間で全天体暦データの追加のブロードキャストに対するUEリクエストによって考えられてもよい。
【0063】
本実施形態はまた、例えば、地球固定セルの場合、特定のエリアのカバレッジを新しい衛星が引き受けた後に、初期の期間中に全天体暦データをより頻繁にブロードキャストすることによって、最も必要とされる場合により頻繁なブロードキャストと組み合わされてもよい。場合によっては、天体暦データのブロードキャストの頻度は、衛星スイッチの前および後の両方でより高くてもよい。衛星スイッチの前および後の両方で増加したブロードキャスト周波数を使用する理由付けは、衛星の仰角が大きい場合より小さい場合に衛星移動によりUEの所要TAがより迅速に変わってもよいことであり、サービング衛星に対する正確な天体暦データの利用可能性は、衛星の仰角が小さい場合により重大であることを暗示している。特に、小さな衛星仰角は典型的には、地球固定セルの場合、衛星スイッチ(例えば、特定の地理的(セル)エリアをカバーする責任がある衛星のスイッチ)の前または後の期間と一致する。
【0064】
別の実施形態では、ネットワークは、天体暦データの追加のブロードキャストが次の変更期間内にブロードキャストされることがスケジューリングされていることを示すために、レガシー内と同様に、システム情報更新に関する変更期間内でサービングセル内のUEを報告してもよい。天体暦データの追加のブロードキャストは、全情報または部分のいずれであってもよく、まれに送信される全情報に加えて、部分情報はデルタシグナリングでいくらか頻繁に送信される。これは、サービスリンクまたはフィーダリンクスイッチと一致することを主に意図している。ネットワークは、次のシステム情報更新を示す、および/またはページング情報を運ぶメッセージをスケジューリングするDCIメッセージ内で、通知が天体暦データの追加のブロードキャストを含むサービスリンクおよび/またはフィーダリンクスイッチによる更新のためであることを示してもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、各デルタシグナリング天体暦データのサイズは、異なる時間に対して同一または変化してもよい。デルタシグナリングプロセスが開始する場合、または他の値がネットワークまたはUEによってリクエストされない場合、衛星はシステム内で予め規定されたデフォルト値をとることができる。いくつかの実施形態では、RRC_CONNECTEDモードで、UEはデルタシグナリング精度を改善/低下させる、例えば、衛星をより良く追跡またはブロードキャストオーバヘッドコストを緩和するために、衛星/ネットワークをシグナリングすることができる。単一のUEの需要がUEの要望の全てまたは大部分でさえも示していない可能性があるが、同じ衛星によってカバーされる他のUEによるさらなるリクエストへの前のデルタシグナリング情報サイズでの状態に戻ることが可能であることに留意されたい。いくつかの実施形態では、衛星またはネットワークは、独自の観察に基づいて、デルタシグナリング天体暦データのサイズを増加/減少させることを決定することができる、例えば、衛星/ネットワークは時間/周波数に関する残余推定誤差を観察した場合に、デルタシグナリング天体暦データにより多くの情報ビットを取っておいてもよい。デルタシグナリング天体暦のサイズに関するこのような調節は、調節されたサイズが全天体暦データのサイズと等しいときに、全天体暦データがUEによってリクエストされる、または衛星/ネットワークによってスケジューリングされる場合も含む。
【0066】
特定の実施形態は、デルタシグナリングを使用した効率的な方法で、サービングセルの天体暦データを示す。例えば、サービング衛星の天体暦データのブロードキャストに関連する実施形態は特に、衛星天体暦データが衛星位置および速度ベクトル(軌道状態ベクトル)からなる場合に興味深い。最後の衛星位置から比較的小さいデルタ(すなわち、差異)のみをシグナリングしなければならないことにより、全衛星位置と比較してシグナリング負荷においてかなりの節約が行われる。というのは、座標系は典型的には原点として地球の中心で選択されるからである。
【0067】
シグナリングビットを節約するために、いくつかの実施形態は、衛星軌道の近い原点で座標系を規定し、この座標系内の特定の期間に衛星状態ベクトルを提供し、その後、衛星が原点からはるかに遠く移動された場合に座標系を変更する。これらの実施形態では、天体暦データは基準位置(上に記載した「全天体暦」に対応し、特定の時間での衛星位置に一致してもしなくてもよい)、およびこの基準位置に向けた位置デルタに分割される。座標系が時間の経過と共に変わる場合、UEは変化に気づかされる。使用される座標系、使用される配列/順序、および座標系間の切換の周期的時点は、UEおよびgNB/衛星によって先験的に知られているように標準化されてもよい。このような標準は、例えば、(予め設定したセットの一連の座標系の1つを選択する)一連の座標系を作り出す入力データとしていくつかの天体暦データまたは軌道パラメータ、および出力として時点を切り換える座標系を使用したアルゴリズムの形をとることができる。
【0068】
例えば、上記が前の実施形態と組み合わせて使用されると、ネットワークはまばらな周期で「全天体暦」を送信してもよく、切換時間が近づくと、ネットワークは「全天体暦」の提供の間に「全天体暦」にデルタ位置をシグナリングし始めてもよい。このように、UEは、いくつかのUEが新しい衛星を介してランダムアクセスを行う可能性が高い場合、切換中に衛星移動をより特に追跡することができる。このように、ランダムアクセス問題の深刻化に関連する問題を最小限に抑えることができる。
【0069】
ランダムアクセス問題の深刻化は、1つのUEが故障するまたは正しくない時間にランダムアクセスプリアンブルを送信する場合に、他のUEのアップリンク送信に対する問題を生じ、したがって、多くのアップリンク問題を深刻化させることがあることを意味する。これは、UEが十分前もって全情報を読み取ることができ、切換の時間が近づく、または「オン」でありランダムアクセスのモーメントがタイムリーになる場合に、UEは更新のために次の全送信を待たなくてもよいが、現在の時間tに全天体暦を更新するより頻繁なデルタを得ることができるからである。そうでなければ、UEは、時間の経過と共に変わる期間があるかどうか推定する必要がある。
【0070】
いくつかの実施形態では、全天体暦データは、切換の前、および/またはその間、および/またはその後により高い周波数で送信される。別の方法では、座標系の配列および切換時点を、例えば、システム情報内でブロードキャストしてもよい、またはUE内のUSIM上に予めロードしてもよい。両方の場合において、1つの可能性としては情報が一式の標準化された配列の座標系および座標系切換時点の1つにポインタ/インデックスの形でブロードキャストされるまたは予めロードされることである。
【0071】
いくつかの実施形態では、衛星/ネットワーク側で利用可能な知られている天体暦データに基づいて近い将来の衛星位置を急いでUEがどのように予測/計算するかという仮定に基づいて、衛星は、1)(衛星/ネットワークとしても知られる)UEによって予測される新しい衛星位置に対する位置差、すなわち、UE側での予測/推定誤差、2)将来の衛星位置予測誤差を小さくする際に使用される速度差をシグナリングする必要があるだけである。どのようにUEが衛星位置を予測するかは、各製造者の実装形態によるが、衛星/ネットワーク/UEに知られている/同意されている単純な予測方法は、デルタ天体暦データを送信するコストを減らすために標準化されてもよい。急ぎの予測方法は、このような計算に割り当てられている力を算出するコストで、予めロードされた座標系より大きなブロードキャスト周期またはタイミングに対するさらなる柔軟性を提供する。
【0072】
いくつかの実施形態は、SIブロードキャストリクエスト(SIオンデマンド)を使用する。例えば、ブロードキャスト天体暦データが全天体暦データブロードキャストおよびデルタ天体暦データブロードキャストに分割される上記実施形態の延長で、UEはパフォーマンスを改善するために、SIリクエスト機構(Msg1ベースSIリクエストまたはMsg3ベースSIリクエストのいずれか)を使用することができる。
【0073】
これらの実施形態のターゲットシナリオは、例えば、一時無線チャネル品質の問題による、全天体暦データのブロードキャストがないサービング衛星の天体暦データの経過を追うために、上記ブロードキャストシグナリングを利用するUEである。このような状況で、UEは、好ましくはSIリクエストに対する既存の機構の延長を使用して、全天体暦データの追加のブロードキャストをリクエストしてもよい。これは、UEがPRACH上で送信する必要があるが、それはUEがまだ(前に取得した衛星天体暦データおよびそれ自体の位置に基づく)十分良いTA推測および周波数補償推測を有する可能性が高いので、問題ではない。
【0074】
これは、既存のSIリクエスト機構の延長を含んでもよい。1つの延長は、同時に周期的にブロードキャストされながら(現在SIメッセージは周期的にブロードキャストされるまたはオンデマンドで提供されるいずれかである)、SIメッセージがオンデマンドで利用可能とすることができることであってもよい。第2の延長は、この場合、リクエストされたSIメッセージは(SIB1内に設置されるように)その規則的スケジュールに縛られるべきではないが、規則的なスケジュールに従って次の時間をいつブロードキャストするかどうかにかかわらず、リクエストの後にいくらか迅速にブロードキャストされるべきであることであってもよい。
【0075】
このような余分なオンデマンドスケジューリングは、リクエスト送信のタイミングに関連して規定されてもよく、例えば、リクエストされたSIメッセージはリクエストの送信後に設定可能な時間を開始する設定可能な長さでウィンドウ内に送信される。別の選択肢として、余分なオンデマンドスケジュールは、規則的なスケジュールとは別の周期(好ましくは、より短い周期、すなわち、より頻繁なブロードキャスト機会)を備えているが、規則的なスケジューリング情報の別のバージョン、または例であってもよく、余分なスケジュールを通して設定されたブロードキャスト機会は、余分なスケジュールが関連するSIメッセージ(すなわち、本実施形態の延長でのサービング衛星の全天体暦データを含むSIメッセージ)がオンデマンドで(すなわち、オンデマンドのみで利用可能なSIメッセージに使用される同じ原理に従って)リクエストされる場合にのみ使用される。
【0076】
いくつかの実施形態では、特別なRACH設定は、サービング衛星の全天体暦データの追加のブロードキャストのリクエストに使用されてもよい。特別なRACH設定は、gNBがRAプリアンブル送信の際のタイミング誤差により耐性がある延長されたRAプリアンブル受信ウィンドウを使用する、特別なPRACH機会を含んでもよい(また、専用のRAプリアンブルを含んでもよい)。これにより、(gNBがサービング衛星の天体暦データの合理的な知識から導き出されるTA推定で送信されるRAプリアンブルに適合されたRAプリアンブル受信ウィンドウを使用する)規則的なRACH設定を使用してRAプリアンブルの送信のために十分良いTA推定なしで、サービング衛星の全天体暦データのブロードキャストをUEがリクエストすることが容易になる。任意選択では、Msg1ベースSIリクエスト方法が使用される場合、RAプリアンブルの受信を確認するMsg2は、リクエストされたSIメッセージがブロードキャストされることを確認することに加えて、正確なTA調節表示(場合によっては、ドップラーシフト周波数補償表示)を含んでもよい。その後、UEは、さらなるTA維持およびドップラーシフト計算を可能にするデルタシグナリングに基づいて、天体暦データの継続追跡のために、サービング衛星の新しい正確なTAおよび全天体暦データの両方を得る。
【0077】
さらに別の選択肢として、Msg1ベースSIメッセージリクエストを確認するMsg2、またはMsg3ベースSIメッセージリクエストを確認するMsg4は、このような情報をブロードキャストする代わりに、または情報をブロードキャストすることに加えてのいずれかで、サービング衛星の実際の(リクエストされた)全天体暦データを含んでもよい。
【0078】
本開示全体を通して、「ビーム」および「セル」という用語は、そうでないと明示的に記されていない限り、交換可能に使用されてもよい。特定の実施形態をNTNを参照して記載したが、提案された方法はあらゆる無線ネットワーク(例えば、見通し線条件によって支配されるあらゆる無線ネットワーク)に適用される。特定の実施形態(または、その部分)は、3GPPリリース17+、3GPP TS 38.331、および/またはNR TR 38.821 Rel-16などの1つまたは複数の標準で実装されてもよい。
【0079】
図4は、いくつかの実施形態による、例示的な無線ネットワークを示す。無線ネットワークは、任意のタイプの通信、通信、データ、セルラ、および/もしくは無線ネットワーク、または他の類似のタイプのシステムを備え、ならびに/あるいはそれらと干渉してもよい。いくつかの実施形態では、無線ネットワークは、特定の規格または他のタイプの事前規定された規則もしくは手順に従って、動作するように設定されてもよい。それ故、無線ネットワークの特定の実施形態は、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE)、および/または他の好適な2G、3G、4G、もしくは5G規格などの通信規格、IEEE 802.11規格などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、ならびに/あるいはマイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMax)、Bluetooth、Z-Wave、および/またはZigBee規格などの他の任意の適切な無線通信規格を実装してもよい。
【0080】
ネットワーク106は、1つまたは複数のバックホールネットワーク、コアネットワーク、IPネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、パケットデータネットワーク、光ネットワーク、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、およびデバイス間の通信を可能にする他のネットワークを備えてもよい。
【0081】
ネットワークノード160およびWD110は、以下により詳しく説明する様々な構成要素を備える。これらの構成要素は、無線ネットワークにおいて無線接続を提供することなど、ネットワークノードおよび/または無線デバイス機能を提供するために協働する。異なる実施形態では、無線ネットワークは、任意の数の有線または無線ネットワーク、ネットワークノード、基地局、コントローラ、無線デバイス、中継局、ならびに/あるいは有線または無線どちらの接続を介するかにかかわらず、データおよび/もしくは信号の通信を容易にするかまたはその通信に参加してもよい、他の任意の構成要素またはシステムを備えてもよい。
【0082】
本明細書で使用するとき、ネットワークノードは、無線デバイスおよび/もしくは他のネットワークノードと直接もしくは間接的に通信することができる、通信するように設定された、通信するように配置された、および/または通信するように動作可能な機器、あるいは無線デバイスへの無線アクセスを可能にする、および/もしくは提供する、および/または無線ネットワークの他の機能(例えば、管理)を実施する、無線ネットワーク内の機器を指す。
【0083】
ネットワークノードの例としては、非限定的に、アクセスポイント(AP)(例えば、無線アクセスポイント)、基地局(BS)(例えば、無線基地局、ノードB、エボルブドノードB(eNB)、およびNR NodeB(gNB))が挙げられる。基地局は、基地局が提供するカバレッジの量(または言い換えれば、基地局の送信電力レベル)に基づいてカテゴリ分けされてもよく、それ故、フェムト基地局、ピコ基地局、ミクロ基地局、マクロ基地局とも呼ばれてもよい。
【0084】
基地局は、中継ノード、またはリレーを制御する中継ドナーノードであってもよい。ネットワークノードはまた、集中デジタルユニット、および/またはリモート無線ヘッド(RRH)と呼ばれることがあるリモート無線ユニット(RRU)など、分散無線基地局の1つもしくは複数(または全て)の部分を含んでもよい。このようなリモートラジオユニットは、アンテナ統合無線機としてアンテナと統合されていてもよいし、統合されていなくてもよい。分散無線基地局の部分は、分散アンテナシステム(DAS)のノードとも呼ばれることがある。ネットワークノードの他のさらなる例としては、マルチ規格無線(MSR)BSなどのMSR機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)もしくは基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、ベーストランシーバ基地局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、コアネットワークノード(例えば、MSC、MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、測位ノード(例えば、E-SMLC)、および/またはMDTが挙げられる。
【0085】
別の例として、ネットワークノードは、さらに詳細に後述するような仮想ネットワークノードであってもよい。しかしながら、より一般には、ネットワークノードは、無線デバイスが無線ネットワークにアクセスできるようにする、および/もしくは無線ネットワークへのアクセスを無線デバイスに提供する、または無線ネットワークにアクセスしている無線デバイスに何らかのサービスを提供することができる、そのように設定された、そのように配置された、ならびに/あるいはそのように動作可能な、任意の好適なデバイス(またはデバイスのグループ)を表してもよい。
【0086】
図4において、ネットワークノード160は、処理回路170、デバイス可読媒体180、インターフェース190、補助機器184、電源186、電力回路187、およびアンテナ162を具備する。
図4の例示の無線ネットワークに示されるネットワークノード160は、ハードウェア構成要素の示される組合せを含むデバイスを表してもよいが、他の実施形態は、構成要素の異なる組合せを有するネットワークノードを備えてもよい。
【0087】
ネットワークノードが、本明細書に開示するタスク、特徴、機能、および方法を実施するのに必要なハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の好適な組合せを備えることが理解されるべきである。さらに、ネットワークノード160の構成要素は、より大きいボックス内に位置する単独のボックスとして、または複数のボックス内に入れ子にされた単独のボックスとして示されるが、実際には、ネットワークノードは、単一の示される構成要素を組成する複数の異なる物理構成要素を備えてもよい(例えば、デバイス可読媒体180は、複数の別個のハードドライブならびに複数のRAMモジュールを備えてもよい)。
【0088】
同様に、ネットワークノード160は、複数の物理的に別個の構成要素(例えば、ノードB構成要素およびRNC構成要素、またはBTS構成要素およびBSC構成要素など)から組み立てられ得、これらは各々、それら自体のそれぞれの構成要素を有し得る。ネットワークノード160が複数の別個の構成要素(例えば、BTS構成要素およびBSC構成要素)を備える特定のシナリオでは、別個の構成要素の1つまたは複数が、いくつかのネットワークノードの間で共有されてもよい。例えば、単一のRNCが複数のノードBを制御してもよい。かかるシナリオでは、一意のノードBとRNCとの各ペアは、いくつかの事例では、単一の別個のネットワークノードとみなされてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、ネットワークノード160は、複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするように設定されてもよい。そのような実施形態では、いくつかの構成要素は複製され得(例えば、異なるRATのための別個のデバイス可読媒体180)、いくつかの構成要素は再使用され得る(例えば、同じアンテナ162がRATによって共有され得る)。ネットワークノード160はまた、ネットワークノード160に統合された、例えば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、またはBluetooth無線技術など、異なる無線技術に関する様々な例示される構成要素の複数のセットを含んでもよい。これらの無線技術は、同じまたは異なるチップまたはチップセット、およびネットワークノード160内の他の構成要素に統合されてもよい。
【0090】
処理回路170は、ネットワークノードによって提供されるものとして本明細書に記載される、任意の決定動作、計算動作、または同様の動作(例えば、特定の取得動作)を実施するように設定される。処理回路170によって実施されるこれらの動作は、処理回路170によって取得された情報を、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報もしくは変換された情報をネットワークノードに格納された情報と比較すること、および/または取得された情報もしくは変換された情報に基づいて1つもしくは複数の動作を実施することによって、処理することと、上記処理の結果として決定を行うことと、を含んでもよい。
【0091】
処理回路170は、単独で、またはデバイス可読媒体180などの他のネットワークノード160構成要素と併せて、ネットワークノード160の機能性を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、もしくは他の任意の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうち1つもしくは複数の組合せ、またはハードウェア、ソフトウェア、および/もしくは符号化された論理の組合せを備えてもよい。
【0092】
例えば、処理回路170は、デバイス可読媒体180に記憶された命令、または処理回路170内のメモリに記憶された命令を実行し得る。かかる機能性は、本明細書で考察する様々な無線の特徴、機能、または利益のいずれかを提供することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、処理回路170は、システムオンチップ(SOC)を含み得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、処理回路170は、無線周波数(RF)トランシーバ回路172、およびベースバンド処理回路174の1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、無線周波数(RF)トランシーバ回路172およびベースバンド処理回路174は、別個のチップ(またはチップセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニットなどのユニット上にあってもよい。代替実施形態において、RFトランシーバ回路172およびベースバンド処理回路174の一部または全ては、同じチップまたはチップのセット、ボード、またはユニット上でもよい。
【0094】
特定の実施形態では、ネットワークノード、基地局、eNB、他のかかるネットワークデバイスによって提供されるものとして本明細書に記載する機能性の一部または全ては、デバイス可読媒体180、または処理回路170内のメモリに格納された命令を実行する処理回路170によって実施されてもよい。代替実施形態では、機能性の一部または全ては、ハードワイヤード方式などで、別個のまたは個別のデバイス可読媒体に格納された命令を実行することなく、処理回路170によって提供されてもよい。それらの実施形態のいずれでも、デバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路170は、説明される機能を実施するように設定され得る。このような機能によりもたらされる利益は、処理回路170単独またはネットワークノード160の他の構成要素に限定されず、全体としてのネットワークノード160ならびに/または一般としてのエンドユーザおよび無線ネットワークにより享受される。
【0095】
デバイス可読媒体180は、非限定的に、永続記憶域、固体メモリ、リモートマウントメモリ、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)、またはデジタルビデオディスク(DVD))を含む、任意の形態の揮発性もしくは不揮発性コンピュータ可読メモリ、ならびに/または、処理回路170によって使用されてもよい情報、データ、および/もしくは命令を格納する、他の任意の揮発性もしくは不揮発性の非一時的デバイス可読および/もしくはコンピュータ実行可能メモリデバイスを備えてもよい。デバイス可読媒体180は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、アプリケーション(論理、規則、コード、テーブルなどの1つまたは複数を含む)を含む、任意の好適な命令、データ、もしくは情報、および/または処理回路170によって実行することが可能であり、ネットワークノード160によって利用される、他の命令を格納してもよい。デバイス可読媒体180は、処理回路170によって行われたあらゆる計算および/またはインターフェース190を介して受信されたあらゆるデータを記憶するために使用され得る。いくつかの実施形態では、処理回路170およびデバイス可読媒体180は、統合されているとみなされてもよい。
【0096】
インターフェース190は、ネットワークノード160、ネットワーク106、および/またはWD110の間のシグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信において使用される。図示のように、インターフェース190は、例えば有線接続を介したネットワーク106へのデータ送信およびネットワーク106からのデータ受信のためのポート/端子194を備える。インターフェース190はまた、アンテナ162に結合されるか、または特定の実施形態ではアンテナ162の一部であってもよい、無線フロントエンド回路192を含む。
【0097】
無線フロントエンド回路192は、フィルタ198および増幅器196を備える。無線フロントエンド回路192は、アンテナ162および処理回路170に接続されてもよい。無線フロントエンド回路は、アンテナ162と処理回路170との間で通信される信号を調整するように設定されてもよい。無線フロントエンド回路192は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるべきであるデジタルデータを受信してもよい。無線フロントエンド回路192は、デジタルデータを、フィルタ198および/または増幅器196の組合せを使用して、適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換してもよい。無線信号は次に、アンテナ162を介して送信されてもよい。同様に、データを受信するとき、アンテナ162は無線信号を収集してもよく、無線信号は次に、無線フロントエンド回路192によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路170に受け渡され得る。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備えてもよい。
【0098】
特定の代替実施形態では、ネットワークノード160は別個の無線フロントエンド回路192を含まなくてもよく、代わりに、処理回路170は、無線フロントエンド回路を備えてもよく、別個の無線フロントエンド回路192なしでアンテナ162に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路172の全てまたは一部が、インターフェース190の一部とみなされてもよい。さらに他の実施形態では、インターフェース190は、無線ユニット(図示なし)の一部として、1つもしくは複数のポートまたは端末194と、無線フロントエンド回路192と、RFトランシーバ回路172とを含んでもよく、インターフェース190は、デジタルユニット(図示なし)の一部である、ベースバンド処理回路174と通信してもよい。
【0099】
アンテナ162は、無線信号を伝送および/または受信するように設定された、1つもしくは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含んでもよい。アンテナ162は、無線フロントエンド回路192に結合されてもよく、データおよび/または信号を無線で送信および受信することができる、任意のタイプのアンテナであってもよい。いくつかの実施形態では、アンテナ162は、例えば2GHz~66GHzの、無線信号を送信/受信するように動作可能な1つまたは複数の全方向性、セクタ、またはパネルアンテナを含んでもよい。全方向性アンテナは、任意の方向に無線信号を送信/受信するのに使用されてもよく、セクタアンテナは、特定のエリア内のデバイスから無線信号を送信/受信するのに使用されてもよく、パネルアンテナは、比較的直線ラインで無線信号を送信/受信するのに使用される見通し線アンテナであってもよい。いくつかの事例では、2つ以上のアンテナの使用はMIMOと呼ばれることがある。特定の実施形態では、アンテナ162は、ネットワークノード160とは別個であってもよく、インターフェースまたはポートを通してネットワークノード160に接続可能であってもよい。
【0100】
アンテナ162、インターフェース190、および/または処理回路170は、ネットワークノードによって実施されるものとして本明細書に記載する、任意の受信動作および/または特定の取得動作を実施するように設定されてもよい。任意の情報、データ、および/または信号は、無線デバイス、別のネットワークノード、および/または他の任意のネットワーク機器から受信されてもよい。同様に、アンテナ162、インターフェース190、および/または処理回路170は、ネットワークノードによって実施されるものとして本明細書に記載する、任意の送信動作を実施するように設定されてもよい。任意の情報、データ、および/または信号は、無線デバイス、別のネットワークノード、および/または他の任意のネットワーク機器に送信されてもよい。
【0101】
電力回路187は、電力管理回路を備えるか、または電力管理回路に結合され得、本明細書で説明される機能を実施するための電力を、ネットワークノード160の構成要素に供給するように設定される。電力回路187は電源186から電力を受信してもよい。電源186および/または電力回路187は、それぞれの構成要素に好適な形態で(例えば、各それぞれの構成要素のために必要とされる電圧および電流レベルにおいて)、ネットワークノード160の様々な構成要素に電力を提供するように設定され得る。電源186は、電力回路187および/もしくはネットワークノード160に含まれるか、またはその外部にあるかのどちらかであってもよい。
【0102】
例えば、ネットワークノード160は、電気ケーブルなどの入力回路またはインターフェースを介して、外部電源(例えば、電気コンセント)に接続可能であってもよく、それにより、外部電源は電力回路187に電力を供給する。さらなる例として、電源186は、電力回路187に接続された、または統合された、バッテリーまたはバッテリーパックの形態の電力源を備えてもよい。電池は、外部電源が故障した場合に予備電力を提供し得る。他のタイプの電源、例えば太陽電池デバイスも使用され得る。
【0103】
ネットワークノード160の代替実施形態は、本明細書で説明される機能、および/または本明細書で説明される主題をサポートするために必要な機能のうちのいずれかを含む、ネットワークノードの機能のいくつかの態様を提供することを担当し得る、
図4に示されている構成要素以外の追加の構成要素を含み得る。例えば、ネットワークノード160は、ネットワークノード160への情報の入力を可能にし、またネットワークノード160からの情報の出力を可能にする、ユーザインターフェース機器を含んでもよい。これにより、ユーザが、ネットワークノード160の診断、保守、修復、および他の管理機能を実施することを可能にしてもよい。
【0104】
本明細書で使用するとき、無線デバイス(WD)は、ネットワークノードおよび/もしくは他の無線デバイスと無線で通信することができる、そのように設定された、そのように配置された、ならびに/またはそのように動作可能なデバイスを指す。別段の指定がない限り、WOという用語は、本明細書ではユーザ機器(UE)と互換可能に使用されてもよい。無線で通信することは、空中で情報を伝達するのに好適な、電磁波、電波、赤外波、および/または他のタイプの信号を使用して無線信号を送信および/または受信することを伴ってもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、WDは、直接人間対話なしで情報を送信および/または受信するように設定されてもよい。例えば、WDは、内部もしくは外部イベントによってトリガされたとき、またはネットワークからの要求に応答して、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信するように設計されてもよい。
【0106】
WDの例は、限定はしないが、スマートフォン、モバイルフォン、セルフォン、ボイスオーバーIP(VoIP)フォン、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲーミングコンソールまたはデバイス、音楽記憶デバイス、再生器具、ウェアラブル端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップコンピュータ、ラップトップ組込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線顧客構内機器(CPE)、車載無線端末デバイスなどを含む。WDは、例えば、サイドリンク通信、V2V(Vehicle-to-Vehicle)、V2I(Vehicle-to-Infrastructure)、V2X(Vehicle-to-Everything)のための3GPP規格を実装することによって、D2D(device-to-device)通信をサポートしてもよく、この場合、D2D通信デバイスと呼ばれることがある。
【0107】
また別の特定の例として、モノのインターネット(IoT)シナリオでは、WDは、監視および/または測定を実施し、そのような監視および/または測定の結果を別のWDおよび/またはネットワークノードに送信する、マシンまたは他のデバイスを表し得る。WDは、この場合、マシンツーマシン(M2M)デバイスであってもよく、M2Mデバイスは、3GPPの文脈ではMTCデバイスと呼ばれることがある。一例として、WDは、3GPP狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)規格を実装するUEであり得る。かかるマシンまたはデバイスの例は、センサ、電力計などの計量デバイス、産業用機械類、または家庭用もしくは個人用電気器具(例えば、冷蔵庫、テレビジョンなど)、個人用ウェアラブル(例えば、時計、フィットネストラッカーなど)である。
【0108】
他のシナリオでは、WDは、自身の動作状態、または動作と関連付けられた他の機能を、監視および/または報告することができる、車両または他の機器を表してもよい。上述したようなWDは、無線接続のエンドポイントを表してもよく、その場合、デバイスは無線端末と呼ばれることがある。さらに、上述したようなWDは移動体であってもよく、その場合、デバイスは移動デバイスまたは移動端末と呼ばれることもある。
【0109】
図示のように、無線デバイス110は、アンテナ111、インターフェース114、処理回路120、デバイス可読媒体130、ユーザインターフェース機器132、補助機器134、電源136、および電力回路137を具備する。WD 110は、例えば、ほんの数例を挙げると、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、WiMAX、またはBluetooth無線技術など、WD 110がサポートする異なる無線技術のための、例示する構成要素のうち1つまたは複数の複数セットを含んでもよい。これらの無線技術は、WD 110内の他の構成要素と同じもしくは異なるチップまたはチップセットに統合されてもよい。
【0110】
アンテナ111は、無線信号を送るおよび/または受信するように設定された、1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含み得、インターフェース114に接続される。特定の代替実施形態では、アンテナ111は、WD 110とは別個であって、インターフェースまたはポートを通してWD 110に接続可能であってもよい。アンテナ111、インターフェース114、および/または処理回路120は、WDによって実施されるものとして本明細書に記載される任意の受信または送信動作を実施するように設定されてもよい。任意の情報、データ、および/または信号が、ネットワークノードおよび/または別のWDから受信されてもよい。いくつかの実施形態では、無線フロントエンド回路および/またはアンテナ111は、インターフェースとみなされてもよい。
【0111】
示されているように、インターフェース114は、無線フロントエンド回路112とアンテナ111とを備える。無線フロントエンド回路112は、1つもしくは複数のフィルタ118ならびに増幅器116を備える。無線フロントエンド回路112は、アンテナ111および処理回路120に接続され、アンテナ111と処理回路120との間で通信される信号を調整するように設定される。無線フロントエンド回路112は、アンテナ111に結合されるかまたはアンテナ111の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、WD 110は別個の無線フロントエンド回路112を含まなくてもよく、それよりもむしろ、処理回路120は、無線フロントエンド回路を備えてもよく、アンテナ111に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路122の一部または全てがインターフェース114の一部とみなされてもよい。
【0112】
無線フロントエンド回路112は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるべきであるデジタルデータを受信してもよい。無線フロントエンド回路112は、デジタルデータを、フィルタ118および/または増幅器116の組合せを使用して、適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換してもよい。無線信号は次に、アンテナ111を介して送信されてもよい。同様に、データを受信するとき、アンテナ111は無線信号を収集してもよく、無線信号は次に、無線フロントエンド回路112によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路120に受け渡され得る。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備えてもよい。
【0113】
処理回路120は、単体で、またはデバイス可読媒体130などの他のWD110構成要素と併せてのいずれかで、WD110機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の好適なコンピューティングデバイス、リソースのうちの1つまたは複数の組合せ、あるいはハードウェア、ソフトウェアおよび/または符号化された論理の組合せを備え得る。かかる機能性は、本明細書で考察する様々な無線の特徴または利益のいずれかを提供することを含んでもよい。例えば、処理回路120は、デバイス可読媒体130に、または処理回路120内のメモリに格納された命令を実行して、本明細書に開示する機能性を提供してもよい。
【0114】
示されているように、処理回路120は、RFトランシーバ回路122、ベースバンド処理回路124、およびアプリケーション処理回路126のうちの1つまたは複数を含む。他の実施形態では、処理回路は、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを備えてもよい。特定の実施形態では、WD 110の処理回路120はSOCを備えてもよい。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路122、ベースバンド処理回路124、およびアプリケーション処理回路126は、別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。
【0115】
代替実施形態では、ベースバンド処理回路124およびアプリケーション処理回路126の一部または全ては、組み合わされて1つのチップまたはチップセットにされてもよく、RFトランシーバ回路122は、別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。さらなる代替実施形態では、RFトランシーバ回路122およびベースバンド処理回路124の一部または全ては、同じチップまたはチップセット上にあってもよく、アプリケーション処理回路126は、別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。さらなる他の代替実施形態では、RFトランシーバ回路122、ベースバンド処理回路124、およびアプリケーション処理回路126の一部または全ては、同じチップまたはチップセット内で組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、RFトランシーバ回路122はインターフェース114の一部であってもよい。RFトランシーバ回路122は、処理回路120のためにRF信号を調整してもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される機能の一部または全部は、デバイス可読媒体130に記憶された命令を実行する処理回路120によって提供され得、デバイス可読媒体130は、いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体であり得る。代替実施形態では、機能性の一部または全ては、ハードワイヤード方式などで、別個のまたは個別のデバイス可読記憶媒体に格納された命令を実行することなく、処理回路120によって提供されてもよい。
【0117】
それらの実施形態のいずれでも、デバイス可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路120は、説明される機能を実施するように設定され得る。そのような機能によって提供される利益は、処理回路120単独に、またはWD 110の他の構成要素に限定されないが、WD 110によって、ならびに/または概してエンドユーザおよび無線ネットワークによって、享受される。
【0118】
処理回路120は、WDによって実施されるものとして本明細書で説明される、任意の決定動作、計算動作、または同様の動作(例えば、いくつかの取得動作)を実施するように設定され得る。処理回路120によって実施されるようなこれらの動作は、処理回路120によって取得された情報を、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報もしくは変換された情報をWD 110によって格納された情報と比較すること、および/または取得された情報もしくは変換された情報に基づいて1つもしくは複数の動作を実施することによって、処理することと、上記処理の結果として決定を行うことと、を含んでもよい。
【0119】
デバイス可読媒体130は、コンピュータプログラム、ソフトウェア、アプリケーション(論理、規則、コード、テーブルなどのうちの1つもしくは複数を含む)、および/または処理回路120によって実行することが可能である他の命令を格納するように動作可能であってもよい。デバイス可読媒体130は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読取り専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/あるいは、処理回路120によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的デバイス可読および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、処理回路120およびデバイス可読媒体130は、統合され得る。
【0120】
ユーザインターフェース機器132は、人間のユーザがWD 110と対話することを可能にする構成要素を提供してもよい。かかる対話は、視覚、聴覚、触覚など、多くの形態のものであってもよい。ユーザインターフェース機器132は、ユーザへの出力を作り出すように、およびユーザがWD 110への入力を提供することを可能にするように動作可能であってもよい。対話のタイプは、WD 110にインストールされるユーザインターフェース機器132のタイプに応じて異なってもよい。例えば、WD 110がスマートフォンの場合、対話はタッチスクリーンを介するものであってもよく、WD 110がスマートメータの場合、対話は、使用量(例えば、使用されたガロン数)を提供するスクリーン、または(例えば、煙が検出された場合は)可聴アラートを提供するスピーカーを通したものであってもよい。
【0121】
ユーザインターフェース機器132は、入力インターフェース、デバイス、および回路、ならびに出力インターフェース、デバイス、および回路を含んでもよい。ユーザインターフェース機器132は、WD 110への情報の入力を可能にするように設定され、処理回路120が入力情報を処理することを可能にするため、処理回路120に接続される。ユーザインターフェース機器132は、例えば、マイクロフォン、近接もしくは他のセンサ、キー/ボタン、タッチディスプレイ、1つもしくは複数のカメラ、USBポート、または他の入力回路を含んでもよい。ユーザインターフェース機器132はまた、WD 110からの情報の出力を可能にするように、および処理回路120がWD 110からの情報を出力することを可能にするように設定される。ユーザインターフェース機器132は、例えば、スピーカー、ディスプレイ、振動回路、USBポート、ヘッドフォンインターフェース、または他の出力回路を含んでもよい。ユーザインターフェース機器132の1つまたは複数の入力および出力インターフェース、デバイス、および回路を使用して、WD 110は、エンドユーザおよび/または無線ネットワークと通信し、エンドユーザおよび/または無線ネットワークが本明細書で説明される機能から利益を得ることを可能にし得る。
【0122】
補助機器134は、WDが一般的に実行し得ないより具体的な機能を提供するように動作可能である。これは、様々な目的のために測定を行う専用センサ、有線通信などの追加のタイプの通信用のインターフェースなどを備えてもよい。補助機器134の構成要素を含むことおよびそのタイプは、実施形態および/またはシナリオに応じて異なってもよい。
【0123】
電源136は、いくつかの実施形態では、バッテリーまたはバッテリーパックの形態のものであり得る。外部電源(例えば、電気コンセント)、光起電力デバイス、または電池など、他のタイプの電源も使用されてもよい。WD 110はさらに、電源136から、本明細書に記載または指示される任意の機能性を実施するのに電源136からの電力を必要とする、WD 110の様々な部分に電力を送達するための、電力回路137を備えてもよい。電力回路137は、特定の実施形態では、電力管理回路を備えてもよい。
【0124】
電力回路137は、加えてまたは代わりに、外部電源から電力を受信するように動作可能であってもよく、その場合、WD 110は、入力回路または電力ケーブルなどのインターフェースを介して(電気コンセントなどの)外部電源に接続可能であってもよい。電力回路137はまた、特定の実施形態では、外部電源から電源136に電力を送達するように動作可能であってもよい。これは、例えば、電源136の充電のためのものであってもよい。電力回路137は、電力が供給されるWD 110のそれぞれの構成要素に好適な電力にするため、電源136からの電力に対して任意のフォーマッティング、変換、または他の修正を実施してもよい。
【0125】
本明細書で説明される主題は、任意の好適な構成要素を使用する任意の適切なタイプのシステムにおいて実装され得るが、本明細書で開示される実施形態は、
図4に示されている例示的な無線ネットワークなどの無線ネットワークに関して説明される。簡単のために、
図4の無線ネットワークは、ネットワーク106、ネットワークノード160および160b、ならびにWD110、110b、および110cのみを図示する。実際には、無線ネットワークはさらに、無線デバイス間の通信、あるいは無線デバイスと、固定電話、サービスプロバイダ、または他の任意のネットワークノードもしくはエンドデバイスなどの別の通信デバイスとの間の通信をサポートするのに好適な、任意の追加の要素を含んでもよい。図示の構成要素のうち、ネットワークノード160および無線デバイス(WD)110について、さらに詳しく説明する。無線ネットワークは、通信および他のタイプのサービスを、1つまたは複数の無線デバイスに提供して、無線デバイスが、無線ネットワークによって、または無線ネットワークを介して提供されるサービスにアクセスすること、および/またはサービスを使用することを容易にしてもよい。
【0126】
図5は、特定の実施形態による、例示的なユーザ機器を示す図である。本明細書で使用するとき、ユーザ機器またはUEは、関連するデバイスを所有し、かつ/または動作させる人間のユーザという意味でのユーザを必ずしも有さないことがある。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売、または人間のユーザによる操作が意図されるが、特定の人間のユーザと関連付けられないことがあるか、または特定の人間のユーザと最初は関連付けられないことがある、デバイス(例えば、スマートスプリンクラーコントローラ)を表してもよい。あるいは、UEは、エンドユーザへの販売、またはエンドユーザによる操作は意図されないが、ユーザの利益と関連付けられるか、またはユーザの利益のために操作されてもよい、デバイス(例えば、スマート電力計)を表してもよい。UE200は、NB-IoT UE、マシン型通信(MTC)UE、および/または拡張MTC(eMTC)UEを含む、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって識別される任意のUEであってもよい。
図5に示すように、UE200は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)により公布された1つまたは複数の通信規格に従って通信するように設定されたWDの一例であり、例えば、3GPPのGSM、UMTS、LTE、および/または5G規格である。上述したように、WDおよびUEという用語は互換可能に使用されてもよい。したがって、
図5はUEであるが、本明細書で説明される構成要素は、WDに等しく適用可能であり、その逆も同様である。
【0127】
図5では、UE200は、入出力インターフェース205、無線周波数(RF)インターフェース209、ネットワーク接続インターフェース211、ランダムアクセスメモリ(RAM)217と読取り専用メモリ(ROM)219と記憶媒体221などとを含むメモリ215、通信サブシステム231、電源213、および/または任意の他の構成要素、あるいはそれらの任意の組合せに動作可能に結合された、処理回路201を含む。記憶媒体221は、オペレーティングシステム223、アプリケーションプログラム225、およびデータ227を含む。他の実施形態では、記憶媒体221は他の同様のタイプの情報を含んでもよい。いくつかのUEは、
図5に示されている全ての構成要素を使用するか、またはそれらの構成要素のサブセットのみを使用し得る。構成要素間の統合のレベルは、UE毎に異なってもよい。さらに、特定のUEは、複数のプロセッサ、メモリ、トランシーバ、送信機、受信機など、構成要素の複数のインスタンスを含んでもよい。
【0128】
図5では、処理回路201は、コンピュータ命令およびデータを処理するように設定され得る。処理回路201は、(例えば、ディスクリート論理、FPGA、ASICなどにおける)1つまたは複数のハードウェア実装状態マシンなど、マシン可読コンピュータプログラムとしてメモリに記憶されたマシン命令を実行するように動作可能な任意の逐次状態マシン、適切なファームウェアと一緒のプログラマブル論理、適切なソフトウェアと一緒のマイクロプロセッサまたはデジタル信号プロセッサ(DSP)など、1つまたは複数のプログラム内蔵方式汎用プロセッサ、あるいは上記の任意の組合せを実装するように設定され得る。例えば、処理回路201は、2つの中央処理装置(CPU)を含んでもよい。データは、コンピュータが使用するのに適した形式の情報であってもよい。
【0129】
図示された実施形態では、入出力インターフェース205は、入力デバイス、出力デバイス、または入出力デバイスに通信インターフェースを提供するように設定され得る。UE200は、入出力インターフェース205を介して出力デバイスを使用するように設定されてもよい。
【0130】
出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのインターフェースポートを使用してもよい。例えば、UE200への入力およびUE200からの出力を提供するのに、USBポートが使用されてもよい。出力デバイスは、スピーカー、サウンドカード、ビデオカード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、別の出力デバイス、またはそれらの任意の組合せであってもよい。
【0131】
UE200は、入出力インターフェース205を介して入力デバイスを使用して、ユーザがUE200に情報をキャプチャするのを可能にするように設定されてもよい。入力デバイスは、タッチセンシティブまたはプレゼンスセンシティブディスプレイ、カメラ(例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなど)、マイクロフォン、センサ、マウス、トラックボール、方向パッド、トラックパッド、スクロールホイール、スマートカードなどを含んでもよい。プレゼンスセンシティブディスプレイは、ユーザからの入力を感知する容量性または抵抗性タッチセンサを含んでもよい。センサは、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、チルトセンサ、力センサ、磁力計、光センサ、近接センサ、別の同様のセンサ、またはそれらの任意の組合せであってもよい。例えば、入力デバイスは、加速度計、磁力計、デジタルカメラ、マイクロフォン、および光センサであってもよい。
【0132】
図5では、RFインターフェース209は、送信機、受信機、およびアンテナなど、RF構成要素に通信インターフェースを提供するように設定され得る。ネットワーク接続インターフェース211は、通信インターフェースをネットワーク243aに提供するように設定されてもよい。ネットワーク243aは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、電気通信ネットワーク、別の同様のネットワークまたはそれらの任意の組合せなど、有線および/または無線ネットワークを包含し得る。例えば、ネットワーク243aはWi-Fiネットワークを含んでもよい。ネットワーク接続インターフェース211は、イーサネット、TCP/IP、SONET、ATMなど、1つまたは複数の通信プロトコルに従って、通信ネットワークを通じて1つまたは複数の他のデバイスと通信するのに使用される、受信機および送信機インターフェースを含むように設定されてもよい。ネットワーク接続インターフェース211は、通信ネットワークリンク(例えば、光学的、電気的など)に適した受信機および送信機機能を実装し得る。送信機および受信機機能は、回路構成要素、ソフトウェアもしくはファームウェアを共有してもよく、または別個に実装されてもよい。
【0133】
RAM 217は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびデバイスドライバなど、ソフトウェアプログラムの実行中に、データもしくはコンピュータ命令を格納またはキャッシングするため、バス202を介して処理回路201にインターフェース接続するように設定されてもよい。ROM 219は、コンピュータ命令またはデータを処理回路201に提供するように設定されてもよい。例えば、ROM 219は、不揮発性メモリに格納される、基本入出力(I/O)、起動、またはキーボードからのキーストロークの受信など、基本システム機能に関する不変低レベルシステムコードまたはデータを格納するように設定されてもよい。
【0134】
記憶媒体221は、RAM、ROM、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスク、光学ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、リムーバブルカートリッジ、またはフラッシュドライブなどの、メモリを含むように設定されてもよい。一例では、記憶媒体221は、オペレーティングシステム223と、ウェブブラウザアプリケーション、ウィジェット、もしくはガジェットエンジン、または別のアプリケーションなどのアプリケーションプログラム225と、データファイル227とを含むように設定されてもよい。記憶媒体221は、UE200による使用のため、多種多様の様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組合せのうちいずれかを格納してもよい。
【0135】
記憶媒体221は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、キードライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD-DVD)光学ディスクドライブ、内蔵ハードディスクドライブ、Blu-Ray光学ディスクドライブ、ホログラフィックデジタルデータ記憶(HDDS)光学ディスクドライブ、外部ミニデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、外部マイクロDIMM SDRAM、加入者識別モジュールもしくはリムーバブルユーザ識別情報(SIM/RUIM)モジュールなどのスマートカードメモリ、他のメモリ、またはそれらの任意の組合せなど、多数の物理ドライブユニットを含むように設定されてもよい。記憶媒体221は、UE200が、一時的もしくは非一時的メモリ媒体に格納された、コンピュータ実行可能命令、アプリケーションプログラムなどにアクセスすること、データをオフロードすること、またはデータをアップロードすることを可能にしてもよい。通信システムを利用する製造品などの製造品は、デバイス可読媒体を含んでもよい記憶媒体221において、有形的に具体化されてもよい。
【0136】
図5では、処理回路201は、通信サブシステム231を使用してネットワーク243bと通信するように設定され得る。ネットワーク243aとネットワーク243bとは、同じ1つまたは複数のネットワークまたは異なる1つまたは複数のネットワークであり得る。通信サブシステム231は、ネットワーク243bと通信するために使用される1つまたは複数のトランシーバを含むように設定され得る。例えば、通信サブシステム231は、IEEE802.2、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、WiMaxなど、1つまたは複数の通信プロトコルに従って、無線アクセスネットワーク(RAN)の別のWD、UE、または基地局など、無線通信が可能な別のデバイスの1つまたは複数のリモートトランシーバと通信するために使用される、1つまたは複数のトランシーバを含むように設定され得る。各トランシーバは、RANリンク(例えば、周波数割り当てなど)に適した送信機機能または受信機機能をそれぞれ実装するための、送信機233および/または受信機235を含み得る。さらに、各トランシーバの送信機233および受信機235は、回路構成要素、ソフトウェアもしくはファームウェアを共有してもよく、または別個に実装されてもよい。
【0137】
例示の実施形態では、通信サブシステム231の通信機能は、データ通信、ボイス通信、マルチメディア通信、Bluetoothなどの短距離通信、ニアフィールド通信、ロケーションを決定するのに全地球測位システム(GPS)を使用するなどのロケーションベース通信、別の同様の通信機能、またはそれらの任意の組合せを含んでもよい。例えば、通信サブシステム231は、セルラ通信、Wi-Fi通信、Bluetooth通信、およびGPS通信を含んでもよい。ネットワーク243bは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、通信ネットワーク、別の同様のネットワークまたはそれらの任意の組合せなど、有線および/または無線ネットワークを包含し得る。例えば、ネットワーク243bは、セルラネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/またはニアフィールドネットワークであり得る。電源213は、UE200の構成要素に交流(AC)または直流(DC)電力を提供するように設定されてもよい。
【0138】
本明細書で説明される特徴、利益および/または機能は、UE200の構成要素のうちの1つにおいて実装されるか、またはUE200の複数の構成要素にわたって区分され得る。さらに、本明細書に記載する特徴、利益、および/または機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの任意の組合せで実装されてもよい。一例では、通信サブシステム231は、本明細書に記載する構成要素のいずれかを含むように設定されてもよい。さらに、処理回路201は、バス202を通じてかかる構成要素のいずれかと通信するように設定されてもよい。別の例では、かかる構成要素のいずれかは、処理回路201によって実行されたとき、本明細書に記載する対応する機能を実施する、メモリに格納されたプログラム命令によって表されてもよい。別の例では、かかる構成要素のいずれかの機能性は、処理回路201と通信サブシステム231との間で分割されてもよい。別の例では、かかる構成要素のいずれかの非計算集約的機能は、ソフトウェアまたはファームウェアで実装されてもよく、計算集約的機能はハードウェアで実装されてもよい。
【0139】
図6Aは、いくつかの実施形態による、無線デバイスにおける例示的な方法を示すフローチャートである。特定の実施形態では、
図6Aの1つまたは複数のステップは、
図4に関して説明された無線デバイス110によって実施され得る。
【0140】
方法は、ステップ612で始まり、無線デバイス(例えば、無線デバイス110)はサービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを受信し、全天体暦データのブロードキャストは第1の周期で起こる。天体暦データは、本明細書で与えられた実施形態および例に関して記載された天体暦データのいずれかを含んでもよい。
【0141】
ステップ614では、無線デバイスは全天体暦データに基づいてサービングセル衛星の位置を特定する。例えば、無線デバイスがサービングセル衛星がビームを受信するための適切な方向にビームを送信してもよいように、無線デバイスはサービングセル衛星の位置を特定するために天体暦データを使用してもよい。
【0142】
時間の経過と共に、ステップ614で受信された天体暦データは精度が劣化することがある。ステップ616では、無線デバイスはサービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを受信する。デルタ天体暦データのブロードキャストは、第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる。無線デバイスは、サービングセル衛星の位置の特定を更新するために、デルタ天体暦データを使用してもよい。
【0143】
特定の実施形態では、デルタ天体暦データは、全天体暦データに基づくデルタを含んでいる。いくつかの実施形態では、デルタ天体暦データは前のデルタ天体暦データに基づいて累積される。
【0144】
特定の実施形態では、全天体暦データおよびデルタ天体暦データは、システム情報を介して受信される。
【0145】
特定の実施形態では、全天体暦データの第1の周期は、セルスイッチまで、その直後の時間で増加する。
【0146】
ステップ618では、無線デバイスは全天体暦データおよびデルタ天体暦データに基づいてサービングセル衛星の位置を特定する。例えば、全天体暦データは、より正確な位置推定を生み出すために、デルタ天体暦データで増大される。
【0147】
いくつかの機会では、無線デバイスは全またはデルタ天体暦データのブロードキャストがない、または設計されたブロードキャスト時間以外の時間でその天体暦データをリフレッシュしたいことがある。このような状況では、無線デバイスはネットワークノードからの更新をリクエストしてもよい。
【0148】
ステップ620では、無線デバイスは全天体暦データまたはデルタ天体暦データを受信するためのリクエストを送信する。リクエストは、ランダムアクセルチャネル(RACH)上で送信されてもよい。
【0149】
図6Aの方法600に対して修正、追加、または省略が行われ得る。さらに、
図6Aの方法における1つまたは複数のステップは、並行してまたは任意の好適な順序で実施され得る。
【0150】
図6Bは、いくつかの実施形態による、ネットワークノードにおける例示的な方法を示すフローチャートである。特定の実施形態では、
図6Bの1つまたは複数のステップは、
図4に関して説明されたネットワークノード160によって実施され得る。
【0151】
方法はステップ652で始まり、ネットワークノード(例えば、ネットワークノード160)はサービングセル衛星用の全天体暦データのブロードキャストを送信する。全天体暦データのブロードキャストは、第1の周期で起こる。ネットワークノードは、本明細書に記載された実施形態および例のいずれかにより、全天体暦データをブロードキャストする。
【0152】
ステップ654では、ネットワークノードはサービングセル衛星用のデルタ天体暦データのブロードキャストを送信する。デルタ天体暦データのブロードキャストは、第1の周期より頻繁な第2の周期で起こる。ネットワークノードは、本明細書に記載された実施形態および例のいずれかにより、デルタ天体暦データをブロードキャストする。
【0153】
図6Bの方法650に対して修正、追加、または省略が行われ得る。さらに、
図6Bの方法における1つまたは複数のステップは、並行してまたは任意の好適な順序で実施され得る。
【0154】
図7は、無線ネットワーク(例えば、
図4に示されている無線ネットワーク)における2つの装置の概略ブロック図を示す。本装置は、無線デバイスおよびネットワークノード(例えば、
図1に示されている無線デバイス110およびネットワークノード160)を含む。装置1600および1700は、それぞれ
図6Aおよび
図6Bを参照しながら説明された例示的な方法、ならびに、場合によっては、本明細書で開示される任意の他のプロセスまたは方法を行うように動作可能である。また、
図6Aおよび
図6Bの方法は、必ずしも装置1600および/または1700のみによって行われるとは限らないことを理解されたい。その方法の少なくともいくつかの動作は、1つまたは複数の他のエンティティによって実施され得る。
【0155】
仮想装置1600および1700は、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含み得る、処理回路、ならびに、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理などを含み得る、他のデジタルハードウェアを備え得る。処理回路は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光学記憶デバイスなど、1つまたはいくつかのタイプのメモリを含んでもよい、メモリに格納されたプログラムコードを実行するように設定されてもよい。メモリに格納されたプログラムコードは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに本明細書に記載する技術の1つまたは複数を実施するための命令を含む。
【0156】
いくつかの実装形態では、処理回路は、受信モジュール1602、決定モジュール1604、送信モジュール1606、および装置1600の任意の他の好適なユニットに、本開示の1つまたは複数の実施形態による、対応する機能を実施させるために使用され得る。同様に、上記で説明された処理回路は、受信モジュール1702、特定モジュール1704、送信モジュール1706、および装置1700の他の好適なユニットに、本開示の1つまたは複数の実施形態による、対応する機能を実施させるように使用され得る。
【0157】
図5に示されているように、装置1600は、本明細書で説明される実施形態および例のいずれかに従って、天体暦データを受信するように設定された受信モジュール1602を含む。決定モジュール1604は、本明細書で説明される実施形態および例のいずれかに従って、天体暦データに基づいた衛星の位置を決定するように設定される。送信モジュール1606は、本明細書で説明される実施形態および例のいずれかに従って、天体暦データに対するリクエストをネットワークノードに送信するように設定される。
【0158】
図5に示されているように、装置1700は、本明細書で説明される実施形態および例のいずれかに従って、天体暦データに対するリクエストを受信するように設定された受信モジュール1702を含む。決定モジュール1704は、本明細書で説明される実施形態および例のいずれかに従って、天体暦データおよび天体暦データを送信するための周期を決定するように設定される。送信モジュール1706は、本明細書で説明される実施形態および例のいずれかに従って、天体暦データを無線デバイスに送信するように設定される。
【0159】
図8は、いくつかの実施形態によって実装される機能が仮想化され得る、仮想化環境300を示す概略ブロック図である。本文脈では、仮想化とは、ハードウェアプラットフォーム、記憶デバイス、およびネットワーキングリソースを仮想化することを含んでもよい、装置またはデバイスの仮想バージョンを作成することを意味する。本明細書において使用される場合、仮想化は、ノード(例えば、仮想化基地局または仮想化無線アクセスノード)に、あるいは、デバイス(例えば、UE、無線デバイス、もしくは他の任意のタイプの通信デバイス)またはその構成要素に適用可能であり、(例えば、1つまたは複数のネットワークにおける1つまたは複数の物理的な処理ノード上で実行する1つまたは複数のアプリケーション、構成要素、機能、仮想マシンまたはコンテナを介して)、1つまたは複数の仮想構成要素として機能の少なくとも一部が実装される実装形態に関係がある。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される機能の一部または全部は、ハードウェアノード330のうちの1つまたは複数によってホストされる1つまたは複数の仮想環境300において実装される1つまたは複数の仮想マシンによって実行される、仮想構成要素として実装され得る。さらに、仮想ノードが無線アクセスノードではないか、または無線接続性(例えば、コアネットワークノード)を必要としない実施形態では、ネットワークノードは完全に仮想化されてもよい。
【0161】
機能は、本明細書で開示される実施形態のうちのいくつかの特徴、機能、および/または利益のうちのいくつかを実装するように動作可能な、(代替的に、ソフトウェアインスタンス、仮想アプライアンス、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能などと呼ばれることがある)1つまたは複数のアプリケーション320によって実装され得る。アプリケーション320は、処理回路360およびメモリ390を含むハードウェア330を提供する仮想化環境300において実行される。メモリ390は、処理回路360によって実行可能な命令395を含み、その処理回路360によって、本明細書に開示の特徴、利益、および/または機能のうちの1つまたは複数を提供するようにアプリケーション320が動作する。
【0162】
仮想化環境300は、1つまたは複数のプロセッサのセットまたは処理回路360を備える、汎用または専用のネットワークハードウェアデバイス330を備え、1つまたは複数のプロセッサのセットまたは処理回路360は、商用オフザシェルフ(COTS)プロセッサ、専用の特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいは、デジタルもしくはアナログハードウェア構成要素または専用プロセッサを含む任意の他のタイプの処理回路であり得る。各ハードウェアデバイスは、処理回路360によって実行される命令395またはソフトウェアを一時的に記憶するための非永続メモリであってもよい、メモリ390-1を備えてもよい。各ハードウェアデバイスは、物理ネットワークインターフェース380を含む、ネットワークインターフェースカードとしても知られる、1つまたは複数のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)370を備えてもよい。各ハードウェアデバイスはまた、処理回路360によって実行可能なソフトウェア395および/または命令が記憶された非一時的、永続的、マシン可読記憶媒体390-2、を含んでもよい。ソフトウェア395は、1つもしくは複数の(ハイパーバイザとも呼ばれる)仮想化レイヤ350をインスタンス化するソフトウェア、仮想マシン340を実行するソフトウェア、ならびにソフトウェアが本明細書に記載するいくつかの実施形態に関連して記載する機能、特徴、および/または利益を実行することを可能にするソフトウェアを含む、任意のタイプのソフトウェアを含んでもよい。
【0163】
仮想マシン340は、仮想処理、仮想メモリ、仮想ネットワーキングまたはインターフェース、および仮想ストレージを備え、対応する仮想化レイヤ350またはハイパーバイザによって稼働され得る。仮想アプライアンス320の事例の異なる実施形態が、仮想マシン340の1つまたは複数で実装されてもよく、実装は異なるやり方で行われてもよい。
【0164】
動作中、処理回路360は、ソフトウェア395を実行して、場合によっては仮想マシンモニタ(VMM)と呼ばれることがある、ハイパーバイザまたは仮想化レイヤ350をインスタンス化する。仮想化レイヤ350は、仮想マシン340に対して、ネットワーキングハードウェアのように見える仮想動作プラットフォームを提示してもよい。
【0165】
図8に示されるように、ハードウェア330は、一般的なまたは特定の構成要素を有するスタンドアロンネットワークノードであってもよい。ハードウェア330は、アンテナ3225を備えてもよく、仮想化を介していくつかの機能を実装してもよい。代替的に、ハードウェア330は、多くのハードウェアノードが協働し、特に、アプリケーション320のライフサイクル管理を監督する、管理およびオーケストレーション(MANO)3100を介して管理される、(例えば、データセンタまたは顧客構内機器(CPE)の場合のような)ハードウェアのより大きいクラスタの一部であり得る。
【0166】
いくつかの文脈において、ハードウェアの仮想化は、ネットワーク機能仮想化(NFV)と称する。NFVは、多くのネットワーク機器タイプを、データセンタおよび顧客構内機器中に位置し得る、業界標準高ボリュームサーバハードウェア、物理スイッチ、および物理ストレージ上にコンソリデートするために使用され得る。
【0167】
NFVの文脈では、仮想マシン340は、物理的な仮想化されていないマシン上で実行しているかのようにしてプログラムを稼働する、物理マシンのソフトウェア実装形態であってもよい。仮想マシン340および当該仮想マシンを実行するハードウェア330の部分は、当該仮想マシン専用のハードウェアおよび/または当該仮想マシンが他の仮想マシン340と共有するハードウェアである場合、別個の仮想ネットワーク要素(VNE)を構成する。
【0168】
さらにNFVの文脈では、仮想ネットワーク機能(VNF)は、ハードウェアネットワーキングインフラストラクチャ330の上の1つまたは複数の仮想マシン340において稼働する特定のネットワーク機能をハンドリングすることを担当し、
図18中のアプリケーション320に対応する。
【0169】
いくつかの実施形態では、各々、1つまたは複数の送信機3220と1つまたは複数の受信機3210とを含む、1つまたは複数の無線ユニット3200は、1つまたは複数のアンテナ3225に結合され得る。無線ユニット3200は、1つまたは複数の適切なネットワークインターフェースを介してハードウェアノード330と直接通信してもよく、無線アクセスノードまたは基地局など、無線能力を有する仮想ノードを提供するのに、仮想構成要素と組み合わせて使用されてもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、何らかのシグナリングが、ハードウェアノード330と無線ユニット3200との間の通信のために代替的に使用され得る制御システム3230を使用して、実現され得る。
【0171】
図9を参照すると、一実施形態によれば、通信システムが、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク411とコアネットワーク414とを備える、3GPPタイプセルラネットワークなどの通信ネットワーク410を含む。アクセスネットワーク411は、NB、eNB、gNBまたは他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局412a、412b、412cを備え、各々が、対応するカバレッジエリア413a、413b、413cを規定する。各基地局412a、412b、412cは、有線接続または無線接続415上でコアネットワーク414に接続可能である。カバレッジエリア413c中に位置する第1のUE491が、対応する基地局412cに無線で接続するか、または対応する基地局412cによってページングされるように設定される。カバレッジエリア413a内の第2のUE492は、対応する基地局412aに無線で接続可能である。この例では、複数のUE491、492が示されているが、開示されている実施形態は、1つのUEがカバレッジエリアに存在する状況、または、1つのUEが対応する基地局412に接続する状況に同様に適用可能である。
【0172】
通信ネットワーク410自体はホストコンピュータ430に接続されており、ホストコンピュータ430は、独立型サーバ、クラウド実装型サーバ、または分散型サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、またはサーバファームにおける処理リソースとして具現化され得る。ホストコンピュータ430はサービスプロバイダの所有下にあり、または制御下にあり得、または、サービスプロバイダにより、または、サービスプロバイダの代わりに運用され得る。通信ネットワーク410とホストコンピュータ430との間の接続421および422は、コアネットワーク414からホストコンピュータ430に直接的に延び得、または、任意選択的な中間ネットワーク420を介して延び得る。中間ネットワーク420は、パブリックネットワーク、プライベートネットワーク、またはホスト型ネットワークのうちの1つ、または1つより多くのものの組合せであり得、中間ネットワーク420は、存在する場合、バックボーンネットワークまたはインターネットであり得、特に、中間ネットワーク420は、2つ以上のサブネットワーク(図示されていない)を備え得る。
【0173】
図9の通信システムは全体として、接続されたUE491、492とホストコンピュータ430との間のコネクティビティを可能にする。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT:over-the-top)接続450として記述されてもよい。ホストコンピュータ430と、接続されたUE491、492とは、中間体として、アクセスネットワーク411、コアネットワーク414、任意の中間ネットワーク420、および可能なさらなるインフラストラクチャ(図示されていない)を使用して、OTT接続450を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定されている。OTT接続450は、OTT接続450が通る関与する通信デバイスがアップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングを認識しないという意味で透明であり得る。例えば、ホストコンピュータ430に由来するデータが、接続されたUE491に転送される(例えば、ハンドオーバされる)ときに、基地局412は、入来するダウンリンク通信の過去のルーティングについて知らされないか、または知らされることを必要としないものであり得る。同様に、基地局412は、ホストコンピュータ430に向けてUE491から生じる外向きのアップリンク通信の将来のルーティングを認識することを必要としない。
【0174】
図10は、いくつかの実施形態による、部分的無線接続上で基地局を介してユーザ機器と通信する例示的なホストコンピュータを示す。ここまでの段落において説明されているUE、基地局およびホストコンピュータの一実施形態による例示的な実装形態が、
図10を参照して以下で説明される。通信システム500において、ホストコンピュータ510は、通信システム500の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップし、維持するように設定された通信インターフェース516を含むハードウェア515を備える。ホストコンピュータ510は、ストレージおよび/または処理能力をもち得る処理回路518をさらに備える。特に処理回路518は、命令を実行するように適応された1つまたは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示されていない)を備え得る。ホストコンピュータ510はホストコンピュータ510に記憶された、またはホストコンピュータ510によりアクセス可能な、および処理回路518により実行可能なソフトウェア511をさらに備える。ソフトウェア511は、ホストアプリケーション512を含む。ホストアプリケーション512は、UE530とホストコンピュータ510とにおいて終端するOTT接続550を介して接続するUE530などのリモートユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。リモートユーザにサービスを提供することにおいて、ホストアプリケーション512は、OTT接続550を使用して送信されるユーザデータを提供し得る。
【0175】
通信システム500は、通信システム中に提供される基地局520をさらに含み、基地局520は、基地局520がホストコンピュータ510およびUE530と通信することを可能にするハードウェア525を備える。ハードウェア525は、通信システム500の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線接続または無線接続をセットアップおよび維持するための通信インターフェース526、ならびに基地局520によってサーブされるカバレッジエリア(
図10に図示せず)中に位置するUE530との少なくとも無線接続570をセットアップおよび維持するための無線インターフェース527を含み得る。通信インターフェース526は、ホストコンピュータ510への接続560を円滑化するように設定され得る。接続560は直接的であり得、または、接続560は、通信システムのコアネットワーク(
図10に示されていない)を通り、および/または、通信システムの外部における1つまたは複数の中間ネットワークを通り得る。示される実施形態では、基地局520のハードウェア525は、命令を実行するように適応された1つまたは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示されていない)を備え得る処理回路528をさらに含む。基地局520は、内部に記憶された、または外部接続を介してアクセス可能なソフトウェア521をさらに含む。
【0176】
通信システム500は、既に説明されているUE530をさらに含む。UE530のハードウェア535は、UE530が現在位置するカバレッジエリアにサービングする基地局との無線接続570をセットアップするように、および維持するように設定された無線インターフェース537を含み得る。UE530のハードウェア535は処理回路538をさらに含み、処理回路538は、命令を実行するように適応された1つまたは複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(図示されていない)を備え得る。UE530はUE530に記憶された、またはUE530によりアクセス可能な、および処理回路538により実行可能なソフトウェア531をさらに備える。ソフトウェア531は、クライアントアプリケーション532を含む。クライアントアプリケーション532は、ホストコンピュータ510のサポートを伴って、UE530を介して人間または人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能であり得る。ホストコンピュータ510において、実行中のホストアプリケーション512は、UE530とホストコンピュータ510とにおいて終端するOTT接続550を介して実行中のクライアントアプリケーション532と通信し得る。ユーザにサービスを提供することにおいて、クライアントアプリケーション532は、ホストアプリケーション512から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供し得る。OTT接続550は、要求データとユーザデータの両方を伝達し得る。クライアントアプリケーション532は、それが提供するユーザデータを生成するためにユーザと対話し得る。
【0177】
図10に示されているホストコンピュータ510、基地局520およびUE530は、それぞれ、
図4のホストコンピュータ430、基地局412a、412b、412cのうちの1つ、およびUE491、492のうちの1つと同様または同等であり得ることに留意されたい。すなわちこれらの実体の内部作業は
図10に示されている内部作業と同じであってもよく、また、それとは別に、周囲のネットワーク接続形態は
図4のネットワーク接続形態であってもよい。
【0178】
図10では、OTT接続550は、あらゆる仲介デバイスとこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングとへの明示的言及なしに、基地局520を介したホストコンピュータ510とUE530との間の通信を示すために抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャはルーティングを決定し得、ネットワークインフラストラクチャはUE530から、もしくは、ホストコンピュータ510を運用するサービスプロバイダから、またはその両方からルーティングを隠すように設定され得る。OTT接続550がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャはさらに、(例えば、負荷分散への考慮またはネットワークの再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する判断を行うことができる。
【0179】
UE530と基地局520との間の無線接続570は、本開示の全体において説明されている実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続570が最後のセグメントを形成するOTT接続550を使用してUE530に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、シグナリングオーバーヘッドを改善し、レイテンシを低減し得、これは、ユーザのためのより速いインターネットアクセスを提供し得る。
【0180】
1つまたは複数の実施形態が改善する、データレート、レイテンシおよび他のファクタを監視するための、測定プロシージャが提供され得る。測定結果の変動に応じてホストコンピュータ510とUE530との間のOTT接続550を再設定するための任意選択的なネットワーク機能がさらに存在し得る。OTT接続550を再設定するための測定プロシージャおよび/またはネットワーク機能は、ホストコンピュータ510のソフトウェア511およびハードウェア515により、もしくは、UE530のソフトウェア531およびハードウェア535により、またはその両方により実装され得る。実施形態では、OTT接続550が通過する通信デバイスにおいて、またはその通信デバイスに関連して、センサ(図示せず)が配備され得、センサは、上記で例示された監視された量の値を供給すること、またはソフトウェア511、531が監視された量を算出または推定し得る他の物理量の値を供給することによって、測定プロシージャに参加し得る。OTT接続550の再設定は、メッセージフォーマット、再送信設定、好ましいルーティングなどを含んでもよく、再設定は基地局520に影響を及ぼす必要はなく、また基地局520に知られていないかまたは知覚不能であってもよい。このような手順および機能性は、場合によっては当技術分野で知られており、また、実践されている。特定の実施形態において、測定は、スループット、伝播時間、レイテンシなどのホストコンピュータ510の測定を円滑化する独自のUEシグナリングを伴い得る。ソフトウェア511および531が伝播時間、エラーなどを監視しながら、OTT接続550を使用して、特に空の、または「ダミー」メッセージといったメッセージが送信されることをもたらすという点において、測定がソフトウェア511および531において実装され得る。
【0181】
図11は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されているものであり得るホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡単のために、
図11への図面参照のみがこのセクションに含まれる。
【0182】
ステップ610において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。ステップ610の(任意選択的であり得る)サブステップ611において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによりユーザデータを提供する。ステップ620において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに伝達する送信を開始する。(任意選択的であり得る)ステップ630において、基地局は、本開示の全体において説明されている実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信において伝達されたユーザデータをUEに送信する。(さらに任意選択的であり得る)ステップ640において、UEは、ホストコンピュータにより実行されたホストアプリケーションに関連したクライアントアプリケーションを実行する。
【0183】
図12は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されているものであり得るホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡単のために、
図12への図面参照のみがこのセクションに含まれる。
【0184】
本方法のステップ710において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。任意選択のサブステップ(図示せず)で、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップ720において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに伝達する送信を開始する。送信は、本開示の全体において説明されている実施形態の教示に従って、基地局を介して通り得る。(任意選択的であり得る)ステップ730において、UEは送信において伝達されたユーザデータを受信する。
【0185】
図13は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されているものであり得るホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡単のために、
図13への図面参照のみがこのセクションに含まれる。
【0186】
(任意選択的であり得る)ステップ810において、UEは、ホストコンピュータにより提供された入力データを受信する。追加的または代替的に、ステップ820において、UEは、ユーザデータを提供する。ステップ820の(任意選択的であり得る)サブステップ821において、UEはクライアントアプリケーションを実行することによりユーザデータを提供する。ステップ810の(任意選択的であり得る)サブステップ811において、UEは、ホストコンピュータにより提供される受信された入力データに応答してユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受信したユーザ入力をさらに考慮することができる。ユーザデータが提供された特定の手法にかかわらず、UEは、(任意選択的であり得る)サブステップ830において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を開始する。本方法のステップ840において、ホストコンピュータは、本開示の全体において説明されている実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0187】
図14は、一実施形態による、通信システムにおいて実装される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照しながら説明されているものであり得るホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡単のために、
図13への図面参照のみがこのセクションに含まれる。
【0188】
(任意選択的であり得る)ステップ910において、本開示の全体において説明されている実施形態の教示に従って、基地局がUEからユーザデータを受信する。(任意選択的であり得る)ステップ920において、基地局は、ホストコンピュータへの受信されたユーザデータの送信を開始する。(任意選択的であり得る)ステップ930において、ホストコンピュータは、基地局により開始された送信において伝達されたユーザデータを受信する。
【0189】
ユニットという用語は、エレクトロニクス、電気デバイス、および/または電子デバイスの分野における従来の意味を有してもよく、また例えば、本明細書に記載するものなど、それぞれのタスク、手順、算出、出力、および/または表示機能を実施するための、電気および/または電子回路、デバイス、モジュール、プロセッサ、メモリ、論理固体、および/または個別デバイス、コンピュータプログラムまたは命令などを含んでもよい。
【0190】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されるシステムおよび装置に対して修正、追加、または省略が行われ得る。システムおよび装置の構成要素は、統合または分離され得る。その上、システムおよび装置の動作は、より多数の、より少数の、または他の構成要素によって実施され得る。さらに、システムおよび装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または他の論理を含む任意の好適な論理を使用して実施され得る。本明細書で使用される「各々」は、セットの各メンバーまたはセットのサブセットの各メンバーを指す。
【0191】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される方法に対して修正、追加、または省略が行われ得る。本方法は、より多数の、より少数の、または他のステップを含み得る。さらに、ステップは、任意の好適な順序で実施され得る。
【0192】
上記の説明は、多数の具体的な詳細を記載する。ただし、実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解されたい。他の事例では、よく知られている回路、構造および技法は、この説明の理解を不明瞭にしないために詳細に示されていない。当業者は、含まれた説明を用いて、過度の実験なしに適切な機能を実装することが可能になる。
【0193】
「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態」などへの本明細書における言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを指示するが、あらゆる実施形態が、必ずしも、特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らないことがある。また、このような言い回しは、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関して説明されるとき、明示的に説明されるか否かにかかわらず、他の実施形態に関してそのような特徴、構造、または特性を実装することは当業者の知識内にあることが具申される。
【0194】
本開示はいくつかの実施形態に関して説明されたが、実施形態の改変および置換は当業者に明らかである。したがって、実施形態の上記の説明は、本開示を制約しない。他の変更、置換、および改変が、以下の特許請求の範囲によって規定される、本開示の範囲から逸脱することなく可能である。
【国際調査報告】