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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】バッテリシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20231107BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 303C
H02J7/00 P
H02J7/34 B
H02J7/00 302B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524787
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021062739
(87)【国際公開番号】W WO2022125853
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/123,748
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ツイッター
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュアング, フィリップ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ローズ, クリストファー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ピエルクエット, ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】マーチング, ギリダール エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラフ, ウィリアム エー.
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA07
5G503BA02
5G503BA03
5G503BB01
5G503CB11
5G503DA08
5G503DA16
5G503DA17
5G503DA18
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
5G503HA00
(57)【要約】
システム(100)は、第1のバス(110)と、第2のバス(112)と、第1の複数のセル(120)を含む第1のバッテリ(114)と、第2の複数のセル(124)を含む第2のバッテリ(116)とを含み、第2のバッテリは第2のバス(112)に接続されている。第1のコンバータ(106)は、高電圧バッテリ(114)を第1のバス(110)に接続する。第2のコンバータ(108)は、第1のバス(110)を第2のバス(112)に接続する。コントローラ(104)は、第1のコンバータ(106)及び第2のコンバータ(108)の動作を制御するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1のバスと、
第2のバスと、
第1の複数のセルを含む高電圧バッテリと、
第2の複数のセルを含む低電圧バッテリであって、前記第2のバスに接続されている、前記低電圧バッテリと、
前記高電圧バッテリを前記第1のバスに接続する第1のDC-DCコンバータと、
前記第1のバスを前記第2のバスに接続する第2のDC-DCコンバータと、
前記高電圧バッテリと前記第1のバスとの間で電力を伝送するように前記第1のDC-DCコンバータの動作を制御し、前記第1のバスと前記第2のバスとの間で電力を伝送するように前記第2のDC-DCコンバータの動作を制御する、ように構成されているコントローラと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のバスに接続されている第1の負荷と、
前記第2のバスに接続されている第2の負荷と、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記第1の負荷及び前記第2の負荷が前記高電圧バッテリによって電力供給される第1の動作モード、前記第1の負荷及び前記第2の負荷が前記低電圧バッテリによって電力供給される第2の動作モード、並びに前記高電圧バッテリが前記低電圧バッテリによって充電される第3の動作モードのうちの1つで、前記第1のDC-DCコンバータ及び前記第2のDC-DCコンバータの動作を制御するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の動作モードにおいて、前記第1のDC-DCコンバータを使用して前記高電圧バッテリによって前記第1のバスに電力が供給され、前記第2のDC-DCコンバータによって前記第1のバスから前記第2のバスに電力が伝送され、前記第1の負荷が前記第1のバスから電力を受け取り、前記第2の負荷が前記第2のバスから電力を受け取る、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の動作モードにおいて、前記低電圧バッテリによって前記第2のバスに電力が供給され、前記第2のDC-DCコンバータによって前記第2のバスから前記第1のバスに電力が伝送され、前記第1の負荷が前記第1のバスから電力を受け取り、前記第2の負荷が前記第2のバスから電力を受け取る、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第3の動作モードにおいて、前記低電圧バッテリによって前記第2のバスに電力が供給され、前記第2のDC-DCコンバータによって前記第2のバスから前記第1のバスに電力が伝送され、前記第1のDC-DCコンバータを使用して前記第1のバスから前記高電圧バッテリに電力が伝送されて、前記高電圧バッテリを充電する、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第1のDC-DCコンバータ及び前記第2のDC-DCコンバータの動作を制御して、選択的に、前記高電圧バッテリからの電力を前記第1の負荷及び前記第2の負荷に供給するか又は前記低電圧バッテリからの電力を前記第1の負荷及び前記第2の負荷に供給するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の複数のセル及び前記第2の複数のセルに対して、共通のセルタイプが使用されている、請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の複数のセルに含まれる個々のセルの数が、前記第2の複数のセルに含まれる個々のセルの数の整数倍である、請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の複数のセルが、直列に接続されている第1の数の個々のセルを含み、前記第2の複数のセルが、直列に接続されている第2の数の個々のセルを含む、請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の複数のセルが、前記第2の複数のセルに直接接続されていない、請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のDC-DCコンバータが、前記高電圧バッテリに対応する第1の電圧レベルと前記第1のバスに対応する第2の電圧レベルとの間で電力を変換するように動作可能である、請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のバス及び前記第2のバスが共通の電圧レベルにあり、前記第2のDC-DCコンバータが、前記共通の電圧レベルで前記第1のバスと前記第2のバスとの間で電力を伝送するように動作可能である、請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のDC-DCコンバータのみが、前記第1のバスと前記第2のバスとの間で電力を伝送するために、前記第1のバスを前記第2のバスに接続する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ハウジングを更に備え、前記高電圧バッテリ及び前記低電圧バッテリが前記ハウジング内に配置されている、
請求項1、3、又は7のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月10日出願の米国特許仮出願第63/123,748号の利益を主張し、この出願の内容は、その開示全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、バッテリシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
電気システムは、通常、異なる電力及び冗長性要件を有する様々な補助構成要素及びシステムを含む。主バッテリパックは、高い電力要件を有する構成要素に電力を供給するために使用され得、補助バッテリパックは、低い電力要件を有する構成要素に電力を供給するために使用され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様によるシステムは、第1のバスと、第2のバスと、第1のバスに接続されている第1の負荷と、第2のバスに接続されている第2の負荷と、第1の複数のセルを含み、第1の電圧レベルで電力を出力する高電圧バッテリと、第2の複数のセルを含み、第1の電圧レベルよりも低い第2の電圧レベルで第2のバスに電力を出力する低電圧バッテリと、を含む。第1の複数のセル及び第2の複数のセルに対して共通のセルタイプが使用され、第1の複数のセルに含まれる個々のセルの数は、第2の複数のセルに含まれる個々のセルの数の整数倍である。本開示の第1の態様によるシステムはまた、高電圧バッテリと第1のバスとの間で電力を伝送するために、高電圧バッテリを第1のバスに接続する第1のDC-DCコンバータを含み、第1のDC-DCコンバータは、第1の電圧レベルと第2の電圧レベルとの間で電力を変換するように動作可能である。本開示の第1の態様によるシステムはまた、第1のバスと第2のバスとの間で第2の電圧レベルで電力を伝送するために、第1のバスを第2のバスに接続する第2のDC-DCコンバータを含む。本開示の第1の態様によるシステムはまた、第1の負荷及び第2の負荷が高電圧バッテリによって電力供給される第1の動作モード、第1の負荷及び第2の負荷が低電圧バッテリによって電力供給される第2の動作モード、並びに高電圧バッテリが低電圧バッテリによって充電される第3の動作モードのうちの1つで、第1のDC-DCコンバータ及び第2のDC-DCコンバータの動作を制御するように構成されているコントローラを含む。
【0005】
本開示の第1の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセルからの個々のセルは直列に接続され、第2の複数のセルからの個々のセルは直列に接続されている。本開示の第1の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセルは、第2の複数のセルに直接接続されていない。本開示の第1の態様によるシステムのいくつかの実装形態はまた、ハウジングを含み、高電圧バッテリ及び低電圧バッテリはハウジング内に配置されている。
【0006】
本開示の第1の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の動作モードにおいて、第1のDC-DCコンバータを使用して高電圧バッテリによって第1のバスに電力が供給され、第2のDC-DCコンバータによって第1のバスから第2のバスに電力が伝送され、第1の負荷は第1のバスから電力を受け取り、第2の負荷は第2のバスから電力を受け取る。本開示の第1の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第2の動作モードにおいて、低電圧バッテリによって第2のバスに電力が供給され、第2のDC-DCコンバータによって第2のバスから第1のバスに電力が伝送され、第1の負荷は第1のバスから電力を受け取り、第2の負荷は第2のバスから電力を受け取る。本開示の第1の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第3の動作モードにおいて、低電圧バッテリによって第2のバスに電力が供給され、第2のDC-DCコンバータによって第2のバスから第1のバスに電力が伝送され、第1のDC-DCコンバータを使用して第1のバスから高電圧バッテリに電力が伝送されて、高電圧バッテリを充電する。
【0007】
本開示の第2の態様によるシステムは、第1のバスと、第2のバスと、第1の複数のセルを含む高電圧バッテリと、第2の複数のセルを含む低電圧バッテリとを含み、低電圧バッテリは第2のバスに接続されている。第1のDC-DCコンバータは、高電圧バッテリを第1のバスに接続する。第2のDC-DCコンバータは、第1のバスを第2のバスに接続する。コントローラは、高電圧バッテリと第1のバスとの間で電力を伝送するように第1のDC-DCコンバータの動作を制御し、第1のバスと第2のバスとの間で電力を伝送するように第2のDC-DCコンバータの動作を制御する、ように構成されている。
【0008】
本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセル及び第2の複数のセルに対して共通のセルタイプが使用される。本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセルに含まれる個々のセルの数は、第2の複数のセルに含まれる個々のセルの数の整数倍である。本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセルは、直列に接続されている第1の数の個々のセルを含み、第2の複数のセルは、直列に接続されている第2の数の個々のセルを含む。本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセルは、第2の複数のセルに直接接続されていない。本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1のDC-DCコンバータは、高電圧バッテリに対応する第1の電圧レベルと第1のバスに対応する第2の電圧レベルとの間で電力を変換するように動作可能である。本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1のバス及び第2のバスは共通の電圧レベルにあり、第2のDC-DCコンバータは、共通の電圧レベルで第1のバスと第2のバスとの間で電力を伝送するように動作可能である。本開示の第2の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第2のDC-DCコンバータのみが、第1のバスと第2のバスとの間で電力を伝送するために、第1のバスを第2のバスに接続する。
【0009】
本開示の第3の態様によるシステムは、第1のバスと、第2のバスと、第1のバスに接続されている第1の負荷と、第2のバスに接続されている第2の負荷とを含む。高電圧バッテリは、第1の複数のセルを含む。低電圧バッテリは、第2の複数のセルを含み、低電圧バッテリは、第2のバスに接続されている。第1のDC-DCコンバータは、高電圧バッテリを第1のバスに接続する。第2のDC-DCコンバータは、第1のバスを第2のバスに接続する。コントローラは、第1の負荷及び第2の負荷が高電圧バッテリによって電力供給される第1の動作モード、第1の負荷及び第2の負荷が低電圧バッテリによって電力供給される第2の動作モード、並びに高電圧バッテリが低電圧バッテリによって充電される第3の動作モードのうちの1つで、第1のDC-DCコンバータ及び第2のDC-DCコンバータの動作を制御するように構成されている。
【0010】
本開示の第3の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の動作モードにおいて、第1のDC-DCコンバータを使用して高電圧バッテリによって第1のバスに電力が供給され、第2のDC-DCコンバータによって第1のバスから第2のバスに電力が伝送され、第1の負荷は第1のバスから電力を受け取り、第2の負荷は第2のバスから電力を受け取る。本開示の第3の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第2の動作モードにおいて、低電圧バッテリによって第2のバスに電力が供給され、第2のDC-DCコンバータによって第2のバスから第1のバスに電力が伝送され、第1の負荷は第1のバスから電力を受け取り、第2の負荷は第2のバスから電力を受け取る。本開示の第3の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第3の動作モードにおいて、低電圧バッテリによって第2のバスに電力が供給され、第2のDC-DCコンバータによって第2のバスから第1のバスに電力が伝送され、第1のDC-DCコンバータを使用して第1のバスから高電圧バッテリに電力が伝送されて、高電圧バッテリを充電する。本開示の第3の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1のDC-DCコンバータは、高電圧バッテリに対応する第1の電圧レベルと第1のバスに対応する第2の電圧レベルとの間で電力を変換するように動作可能である。本開示の第3の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1のバス及び第2のバスは共通の電圧レベルにあり、第2のDC-DCコンバータは、共通の電圧レベルで第1のバスと第2のバスとの間で電力を伝送するように動作可能である。本開示の第3の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセル及び第2の複数のセルに対して共通のセルタイプが使用される。
【0011】
本開示の第4の態様によるシステムは、第1のバスと、第2のバスと、第1のバスに接続されている第1の負荷と、第2のバスに接続されている第2の負荷とを含む。高電圧バッテリは、第1の複数のセルを含み、第1の電圧レベルで電力を出力する。低電圧バッテリは、第2の複数のセルを含み、第1の電圧レベルよりも低い第2の電圧レベルで第2のバスに電力を出力し、第1の複数のセル及び第2の複数のセルに対して共通のセルタイプが使用される。
第1のDC-DCコンバータは、高電圧バッテリを第1のバスに接続する。第2のDC-DCコンバータは、第1のバスを第2のバスに接続する。コントローラは、第1のDC-DCコンバータ及び第2のDC-DCコンバータの動作を制御して、選択的に、高電圧バッテリからの電力を第1の負荷及び第2の負荷に供給するか又は低電圧バッテリからの電力を第1の負荷及び第2の負荷に供給するように構成されている。
【0012】
本開示の第4の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1のDC-DCコンバータは、第1の電圧レベルと第2の電圧レベルとの間で電力を変換するように動作可能である。本開示の第4の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1のバス及び第2のバスは第2の電圧レベルにあり、第2のDC-DCコンバータは、第1のバスと第2のバスとの間で第2の電圧レベルで電力を伝送するように動作可能である。本開示の第4の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、システムはハウジングを更に含み、高電圧バッテリ及び低電圧バッテリはハウジング内に配置されている。本開示の第4の態様によるシステムのいくつかの実装形態では、第1の複数のセルは、第2の複数のセルに直接接続されていない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】バッテリパックを含むバッテリシステムの一例を示すブロック図である。
【0014】
図2】バッテリパックの一例を示す概略図である。
【0015】
図3】バッテリシステムの制御処理を示すフローチャートである。
【0016】
図4】バッテリシステムの動作中におけるバッテリパックの低電圧バッテリの充電状態を示すグラフである。
【0017】
図5】コントローラのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、バッテリパックに統合された高電圧(HV)バッテリ及び低電圧(LV)バッテリを含むバッテリシステムに関する。本明細書で説明されるバッテリシステムは、バッテリパックが推進モータなどの1つ以上の負荷のための主電源である電気システムにおいて使用することを意図している。HVバッテリ及びLVバッテリは、電気システムにおいて一般的に存在する異なるクラスの負荷にサービス提供するためにバッテリパック内に含まれている。例えば、高電圧バスと呼ばれ得る第1のバスは、推進モータを含む負荷にサービス提供することができ、低電圧バスと呼ばれ得る第2のバスは、(例えば、電気システムの自動化制御機能を制御する)電気システムのコンピューティングシステムを含む負荷にサービス提供することができる。しかしながら、本明細書で説明されるバッテリシステムは、様々なアプリケーションにおいて電力を供給するために使用され得ることを理解されたい。
【0019】
HVバッテリ及びLVバッテリは、同じバッテリ化学反応を有する共通の(すなわち、同じタイプの)電気化学セルタイプを使用することができる。HVバッテリ及びLVバッテリはまた、共通の構造体(例えば、ハウジング)内にパッケージ化されてもよい。HVバッテリ及びLVバッテリを統合することにより、及び共通の電気化学セルタイプを使用することにより、バッテリシステムの全体的な複雑度が低減され得、パッケージ化の効率性がもたらされ得る。HVバッテリとLVバッテリとを組み合わせて効率的に使用するために、バッテリシステムは、HVバッテリ及びLVバッテリを使用する様々な構成要素への電力供給の方法を変化させるように制御され得る。HVバッテリ及びLVバッテリからの電力使用の制御は、HVバッテリが枯渇したときにLVバッテリからのかなりの量の電力が使用されないままになることを防止するように実施され得る。
【0020】
図1は、バッテリシステム100の一例を示すブロック図である。バッテリシステム100は、バッテリパック102と、バッテリシステムコントローラ104と、HV-LVコンバータ106と、LV-LVコンバータ108と、第1のバッテリシステムバス110と、第2のバッテリシステムバス112と、HVバス113とを含む。
【0021】
バッテリパック102は、HVバッテリ114及びLVバッテリ116を含む。バッテリパック102はまた、HVバッテリ114及びLVバッテリ116からの個々のセルの特性を監視するように構成されているセル監視システム118を含む。バッテリパック102のHVバッテリ114は、電気システムの推進モータを含む、高電力要件を有する構成要素に電力を供給するように機能することなどによって、従来のシステムにおいて主バッテリパックによって実行される機能と同等の機能を実行することができる。バッテリパック102のLVバッテリ116は、電気システムのコンピューティングシステムを含む、低電力要件を有する構成要素に電力を供給するように機能することなどによって、従来のシステムにおいて補助バッテリパックによって実行される機能と同等の機能を実行することができる。
【0022】
HVバッテリ114は、従来の方法で充電及び放電されるように構成されている電気バッテリである。HVバッテリ114は、HV-LVコンバータ106に接続されており、HV-LVコンバータ106を使用して第1のバッテリシステムバス110に電力を供給するように構成されている。したがって、HVバッテリ114は、HV-LVコンバータによって第1のバッテリシステムバス110に接続されている。電力は、HVバッテリ114によって、第1の電圧レベルV1でHV-LVコンバータ106に出力される。第1の電圧レベルV1は、通常の動作条件下でのHVバッテリ114の公称出力電圧であり、通常の変動を受ける。一例として、第1の電圧レベルV1は、300~3000ボルトであり得る。
【0023】
HVバッテリ114は、第1のセル120及び第1の内部バッテリバス122を含む。第1のセル120は、任意の適切なバッテリ化学反応を使用する電気化学セルである。第1のセル120は、第1のセル、第1の複数のセル、HVバッテリのセル、及び/又はHVセルと呼ばれてもよく、これらは便宜上の名称であり、特定の特徴又は特性を意味しない。第1のセル120は、全て同じセルタイプのものであってもよく、したがって、バッテリ化学反応において、セル電圧(例えば、ボルトで測定された)、及びセル容量(例えば、アンペア時で測定された)が互いに同一であり得る。第1の内部バッテリバス122は、HVバッテリ114の第1のセル120を互いに電気的に接続し、HVバッテリ114を(例えば、HVバッテリ114に関連する端子を使用して)HV-LVコンバータ106などの外部構成要素に接続する。
【0024】
第1のセル120を互いに接続するために、第1の内部バッテリバス122は、第1のセル120のうちの1つ以上に各々接続されているバスバーを含んでもよい。第1の内部バッテリバス122の構成は、HVバッテリ114の第1のセル120が互いに接続される方法を制御する。一例として、HVバッテリ114の第1の内部バッテリバス122は、HVバッテリ114の第1のセル120の全てが直列に接続されるように構成されてもよい。例えば、HVバッテリ114の第1のセル120の直列及び並列接続の組み合わせを含む、他の構成が使用されてもよい。
【0025】
LVバッテリ116は、従来の方法で充電及び放電されるように構成されている電気バッテリである。LVバッテリ116は、バッテリシステム100の第2のバッテリシステムバス112に接続されており、第2のバッテリシステムバス112に電力を供給するように構成されている。LVバッテリ116は、介在するコンバータ(例えば、DC-DCコンバータ)なしで第2のバッテリシステムバス112に直接接続されてもよい。電力は、LVバッテリ116によって、第2の電圧レベルV2で第2のバッテリシステムバス112に出力される。第2の電圧レベルV2は、通常の動作条件下でのLVバッテリ116の公称出力電圧であり、通常の変動を受ける。一例として、第2の電圧レベルV2は、12ボルト~100ボルトであり得る。
【0026】
LVバッテリ116は、第2のセル124及び第2の内部バッテリバス126を含む。第2のセル124は、第2のセル、第2の複数のセル、LVバッテリのセル、及び/又はLVセルと呼ばれてもよく、これらは便宜上の名称であり、特定の特徴又は特性を意味しない。第2のセル124は、任意の適切なバッテリ化学反応を使用する電気化学セルである。第2のセル124は、全て同じセルタイプのものであってもよく、したがって、バッテリ化学反応において、セル電圧(例えば、ボルトで測定された)、及びセル容量(例えば、アンペア時で測定された)が互いに同一であり得る。加えて、第1のセル120からの全てのセル及び第2のセル124からの全てのセルは、全て同じセルタイプであり得る。第2の内部バッテリバス126は、LVバッテリ116の第2のセル124を互いに電気的に接続し、LVバッテリ116を(例えば、LVバッテリ116に関連する端子を使用して)第2のバッテリシステムバス112などの外部構成要素に接続する。
【0027】
第2のセル124を互いに接続するために、第2の内部バッテリバス126は、第2のセル124のうちの1つ以上に各々接続されているバスバーを含んでもよい。第2の内部バッテリバス126の構成は、LVバッテリ116の第2のセル124が互いに接続される方法を制御する。一例として、LVバッテリ116の第2の内部バッテリバス126は、LVバッテリ116の第2のセル124の全てが直列に接続されるように構成されてもよい。例えば、LVバッテリ116の第2のセル124の直列及び並列接続の組み合わせを含む他の構成が使用されてもよい。
【0028】
第1のセル120は、第2のセル124に電気的に直接接続されていない。代わりに、HV-LVコンバータ106及びLV-LVコンバータ108が、第1のセル120と第2のセル124との間に電気的に介在し、それによって、第1のセル120と第2のセル124との間の任意の電力伝送が、HV-LVコンバータ106及びLV-LVコンバータ108を通って流れる。
【0029】
バッテリシステムコントローラ104は、コンピューティングデバイスである。バッテリシステムコントローラ104は、例えば、プロセッサ、メモリ、及び記憶装置を含んでもよい。バッテリシステムコントローラ104は、特定用途向け集積回路であってもよく、又は特定用途向け集積回路を含んでもよい。バッテリシステムコントローラ104は、システムオンチップであってもよく、又はシステムオンチップを含んでもよい。バッテリシステムコントローラ104は、コンピュータプログラム命令を実行し、コンピュータプログラム命令によって記述された動作を実行するように動作可能である。
【0030】
バッテリシステムコントローラ104は、バッテリシステム100に含まれている構成要素の動作を制御するように動作可能である。例えば、バッテリシステムコントローラ104は、バッテリシステム100の構成要素及び/又は(例えば、バッテリシステム100以外のシステムに属する)外部構成要素から情報を受信し、受信した情報を使用して1つ以上の決定を行い、1つ以上のコマンドをバッテリシステム100の構成要素に送信して、コマンドに従って構成要素を動作させることができる。例として、バッテリシステムコントローラ104は、HV-LVコンバータ106、LV-LVコンバータ108、及び/又はセル監視システム118から情報を受信してもよい。例として、バッテリシステムコントローラ104は、HV-LVコンバータ106、LV-LVコンバータ108、及び/又はセル監視システム118にコマンドを送信してもよい。バッテリシステムコントローラ104の動作を、本明細書で更に説明する。
【0031】
HV-LVコンバータ106は、HVバッテリ114及び第1のバッテリシステムバス110に接続されているDC-DCコンバータ(例えば、第1のDC-DCコンバータ)である。HV-LVコンバータ106は、HVバッテリ114と第1のバッテリシステムバス110との間で電力を伝送するように構成されている双方向電力コンバータであり、伝送の方向に応じて電圧を上昇又は下降させる。HV-LVコンバータ106は、HVバッテリ114によって出力される電圧に対応する第1の電圧レベルV1と、第1のバッテリシステムバス110、第2のバッテリシステムバス112の電圧及びLVバッテリ116によって出力される電圧に対応する、第2の電圧レベルV2との間で電力を変換するように動作可能である。したがって、HV-LVコンバータ106は、第1の電圧レベルV1から第2の電圧レベルV2に電圧を低下させることによって、HVバッテリ114から第1のバッテリシステムバス110に電力を伝送することができる。HV-LVコンバータ106は、スイッチ型コンバータアーキテクチャ(例えば、トランジスタを使用して実装される)などの任意の好適なコンバータアーキテクチャを使用して実装されてもよい。HV-LVコンバータ106は、例えば、バッテリシステムコントローラ104によって、電力伝送の方向、電力伝送の量、及び出力電流を調節するように制御可能である。
【0032】
LV-LVコンバータ108は、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112に接続されているDC-DCコンバータ(例えば、第2のDC-DCコンバータ)である。LV-LVコンバータ108は、第2の電圧レベルV2で、第1のバッテリシステムバス110と第2のバッテリシステムバス112との間で電力を伝送するように構成されている双方向電力コンバータである。LV-LVコンバータ108は、スイッチ型コンバータアーキテクチャ(例えば、トランジスタを使用して実装される)などの任意の好適なコンバータアーキテクチャを使用して実装されてもよい。LV-LVコンバータ108は、例えば、バッテリシステムコントローラ104によって、電力伝送の方向、電力伝送の量、及び出力電流を調節するように制御可能である。したがって、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112は、共通の(すなわち、同じ)電圧レベルにあり、LV-LVコンバータ108は、共通の電圧レベルで第1のバッテリシステムバス110と第2のバッテリシステムバス112との間で電力を伝送するように動作可能である。
【0033】
第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112は、HVバッテリ114及びLVバッテリ116が負荷に電力を供給することができるように、バッテリパック102を負荷に接続する、(例えば、導電体、及び任意選択的に他の電力分配ハードウェアを含む)電力分配システムである。第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112の各々は、複数の負荷(例えば、数十の負荷)に接続され得る。図示された例では、第1の負荷128は、第1のバッテリシステムバス110に接続することができる負荷の表現として示されており、第2の負荷130は、第2のバッテリシステムバス112に接続することができる負荷の表現として示されている。したがって、図示された例では、第1のバッテリシステムバス110を使用して第1の負荷128に電力が供給され、第2のバッテリシステムバス112を使用して第2の負荷130に電力が供給される。
【0034】
図示された実装形態では、バッテリシステム100は、第1のバッテリシステムバス110と第2のバッテリシステムバス112とを含む。いくつかの実装形態では、第2の電圧レベルV2で他の負荷にサービス提供するために、バッテリシステム100に1つ以上の追加のバスが含まれ得る。例えば、第3のバッテリシステムバスは、能動制御構成要素又は受動構成要素によって、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112の一方又は両方から電力が供給され得る。特定の実装形態では、第3のバッテリシステムバスは、第1のバッテリシステムバス110を第3のバッテリシステムバスに接続する第1のダイオード(又はダイオードの第1のグループ)、及び第2のバッテリシステムバス112を第3のバッテリシステムバスに接続する第2のダイオード(又はダイオードの第2のグループ)などのダイオードによって、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112の一方又は両方から電力が供給され得る。本明細書に記載の制御方法は、適用可能なままである。
【0035】
図示された実装形態では、バッテリシステム100は、LV-LVコンバータ108によって接続されている、第1のバッテリシステムバス110と第2のバッテリシステムバス112とを含む。代替実装形態では、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112が単一のバッテリシステムバスに結合されるように、LV-LVコンバータ108が省略されてもよい。本明細書で説明される制御方法は、電力がLV-LVコンバータ108を使用してバス間で伝送されないことを除いて、適用可能なままである。
【0036】
HVバス113は、バッテリパック102のHVバッテリ114を第1の電圧レベルV1の高電圧負荷に接続する、(例えば、導電体、及び任意選択的に他の電力分配ハードウェアを含む)電力分配システムである。図示された例では、HV負荷131が高電圧負荷の一例として含まれているが、複数の高電圧負荷がHVバス113によってサービス提供されてもよい。一例として、HV負荷131は、電気システムの1つ以上の推進モータに電力を供給するDC-ACコンバータであってもよく、又はそれを含んでもよい。
【0037】
図2は、バッテリパック102の一例を示す概略図である。バッテリパック102は、ハウジング240を含む。ハウジング240は、内部空間を画定する構造体である。HVバッテリ114及びLVバッテリ116は、ハウジング240の内部空間に配置されている(例えば、ハウジング240の内部に配置されている)。
【0038】
ハウジング240は、例えば、金属、硬質プラスチック、及び/又は硬質複合材料のうちの1つ以上から形成された、剛性構造体であってもよい。ハウジング240は、例えば、水及び他の液体がハウジングの内部空間に入ることを防止するように構成された、封止構造体であってもよい。一例として、ハウジング240は、封止部材(例えば、ガスケット)によって接合されて、(例えば、ボルト、クランプ、及び/又は他の機械的締結構造体によって)互いに堅固に締結される2つ以上の構成要素から形成されてもよい。
【0039】
HVバッテリ114及びLVバッテリ116に加えて、他の構成要素が、バッテリパック102のハウジング240内に配置されてもよい。一例として、HVバッテリ114の第1のセル120及びLVバッテリ116の第2のセル124からの個々のセル又はセルグループの監視及び/又は平衡化を可能にする、第1の内部バッテリバス122及び第2の内部バッテリバス126への電気接続などの、セル監視システム118の構成要素の一部又は全部がハウジング240内に配置されている。別の例として、バッテリシステムコントローラ104は、バッテリパック102のハウジング240内に配置されてもよい。別の例として、HV-LVコンバータ106は、バッテリパック102のハウジング240内に配置されてもよい。別の例として、LV-LVコンバータは、バッテリパック102のハウジング240内に配置されてもよい。別の例として、冷却システム構成要素は、外部源から供給される冷えた冷却媒体を使用してHVバッテリ114及びLVバッテリ116を冷却するために、バッテリパック102のハウジング240内に配置されてもよい。
【0040】
HVバッテリ114の第1のセル120は、セルグループに配置されてもよい。セルは、多様な方法でグループ化されてもよい。例えば、セルグループの各々は、スタック内などの特定の幾何学的グループに配置されてもよく、又はバッテリパック102のハウジング240内に配置されている別個のハウジング又は容器構造内に配置されてもよい。
【0041】
図示された例では、HVバッテリ114は、第1~第15のHVセルグループ215a~215oによって表される15個のセルグループを含む。第1~第15のHVセルグループ215a~215oは、互いに(例えば、直列に)接続されてHVバッテリ114を画定する。第1~第15のHVセルグループ215a~215oは、全て同一に構成されてもよく、例えば各々が、同じ数の同一のセルを含み、同じ配線接続構成であってもよい。例えば、第1~第15のHVセルグループ215a~215oの各々は、例えば、14個の直列接続されたセル(例えば、14s1p構成)などの直列構成において、同じ数の同一のセルを含んでもよい。図示された実装形態は、例のみとして示されており、セルグループの数及びそれらの構成は変化してもよい。
【0042】
LVバッテリ116の第2のセル124は、HVバッテリ114に関して説明したように、セルグループに配置されてもよい。図示された実装形態では、LVバッテリは、LVセルグループ217によって表される1つのセルグループのみを含む。代替実装形態では、LVバッテリ116の第2のセル124は、2つ以上のセルグループにグループ化されてもよい。
【0043】
LVセルグループ217のセルの数及びセルの配線構成は、第1~第15のHVセルグループ215a~215oのものと同一であってもよい。したがって、LVセルグループ217は、第1~第15のHVセルグループ215a~215oの各々と同一であってもよい。この結果、HVバッテリ114の第1のセル120に含まれる個々のセルの総数は、LVバッテリ116の第2のセル124に含まれる個々のセルの総数の整数倍であり得る。
【0044】
セル監視システム118は、HVバッテリ114及びLVバッテリ116のセルグループのうちの1つ以上に各々接続された複数のセル監視モジュールを含むことができる。図示された例では、セル監視システム118は、2つのセルグループに各々接続されている第1~第8のセル監視モジュール219a~219hを含む。第1~第7のセル監視モジュール219a~219gは、第1~第14のHVセルグループ215a~215nに接続されている。第8のセル監視モジュール219hは、第15のHVセルグループ215o及びLVセルグループ217に接続されている。第1~第8のセル監視モジュール219a~219hの各々は、そのそれぞれのセルグループからの個々のセルを監視するための配線接続と、セルの各々の動作特性(例えば、充電状態)を個々に監視し、セルグループ内のセル間で充電を平衡化するように動作可能な、セル監視及び平衡化回路とを含む。
【0045】
図3は、バッテリシステム100を制御するための処理350を示すフローチャートである。処理350は、例えば、処理350の動作を実装するプログラム命令を実行する、(例えば、1つ以上のプロセッサを含む)コンピューティングデバイスを使用して実行され得る。処理350は、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスによる処理350の動作の実行を引き起こすプログラム命令を有する、非一時的コンピュータ可読記憶デバイスを使用して実施され得る。本明細書で説明される実装形態では、処理は、バッテリシステム100のバッテリシステムコントローラ104を使用して実行される。
【0046】
処理350は、バッテリシステム100を所望の動作モードで動作させるために使用される。動作モードの各々は、HVバッテリ114及びLVバッテリ116によって供給される電力をバッテリシステム100の他の構成要素に分配することができる異なる方法を表す。
【0047】
本明細書で説明される実装形態では、バッテリシステムコントローラ104は、第1の動作モード、第2の動作モード、及び第3の動作モードのうちの1つで、HV-LVコンバータ106及びLV-LVコンバータ108の動作を制御するように動作可能である。本明細書で説明される動作モードに加えて、他の動作モードが使用され得ることを理解されたい。
【0048】
第1の動作モードは、HVバッテリ114が、第1の負荷128及び第2の負荷130を含む、バッテリシステム100に接続された負荷に電力を供給することを主に担う通常動作モードである。第1の動作モードにおいて、HV-LVコンバータ106を使用してHVバッテリ114によって第1のバッテリシステムバス110に電力が供給され、LV-LVコンバータ108によって第1のバッテリシステムバス110から第2のバッテリシステムバス112に電力が伝送され、第1の負荷128は第1のバッテリシステムバス110から電力を受け取り、第2の負荷130は第2のバッテリシステムバス112から電力を受け取る。第1の動作モードにおいて、第1のバッテリシステムバス110に接続されている負荷は、HVバッテリ114のみによって電力供給され、第2のバッテリシステムバス112に接続されている負荷は、少なくとも部分的にHVバッテリ114によって電力供給される。一例として、第1の動作モードにおいて、第2のバッテリシステムバス112に接続されている(例えば、第2の負荷130を含む)負荷は、主に又はHVバッテリ114のみによって電力供給され得る。
【0049】
ピーク電流需要を満たすのに十分な電力を供給するために、第1の動作モードにおいてLVバッテリ116から第2のバッテリシステムバス112に接続されている負荷に対して追加の電力が供給され得る。例えば、第1の動作モードにおいて、LV-LVコンバータ108が第1のバッテリシステムバス110から第2のバッテリシステムバス112に電力を伝送しているため、LVバッテリ116は、第1の動作モードにおいて第1のバッテリシステムバス110に電力を供給しない。したがって、第1の動作モードにおいて、第1の負荷128はHVバッテリ114のみによって電力供給され、第2の負荷130は主にHVバッテリ114によって電力供給される一方で、第1の動作モードにおいて、LVバッテリ116から第2の負荷130に対して追加の電力が供給され得る。
【0050】
第2の動作モードは、第2のバッテリシステムバス112に電力供給する責任をLVバッテリ116にシフトし、LVバッテリ116からの電力は、第1の動作モードにおけるよりも速いレートでLVバッテリ116の充電状態を低下させるために、第1のバッテリシステムバス110に供給され得る。第2の動作モードにおいて、LVバッテリ116によって第2のバッテリシステムバス112に電力が供給され、LV-LVコンバータ108によって第2のバッテリシステムバス112から第1のバッテリシステムバス110に電力が伝送され、第1の負荷128は第1のバッテリシステムバス110から電力を受け取り、第2の負荷130は第2のバッテリシステムバス112から電力を受け取る。第2の動作モードにおいて、第1のバッテリシステムバス110に接続されている負荷は、HVバッテリ114単独、LVバッテリ116単独、又はHVバッテリ114のLVバッテリ116との組み合わせのいずれかによって電力供給される。したがって、例えば、第1の負荷128は、第2の動作モードにおいて、部分的にLVバッテリ116によって、主にLVバッテリ116によって、又はLVバッテリ116のみによって電力供給され得る。
【0051】
ピーク電流需要を満たすのに十分な電力を供給するために、第2の動作モードにおいて、HVバッテリ114によって第1のバッテリシステムバス110に接続されている負荷に対して追加の電力が供給され得る。例えば、第2の動作モードにおいて、LV-LVコンバータ108が第2のバッテリシステムバス112から第1のバッテリシステムバス110に電力を伝送しているため、HVバッテリ114は、第2の動作モードにおいて第2のバッテリシステムバス112に電力を供給しない。したがって、第2の動作モードにおいて、第1の負荷128は主にLVバッテリ116によって電力供給され得、第2の動作モードにおいて、HVバッテリ114から第1の負荷128に対して追加の電力が供給され得る。第2の負荷130は、第2の動作モードにおいて、LVバッテリ116のみによって電力供給される。
【0052】
第3の動作モードは、HV-LVコンバータ106を使用してHVバッテリ114及び/又はHVバス113に電力を伝送することによって、第3の動作モードにおいてLVバッテリ116によりHVバッテリ114が充電されることを除いて、第2の動作モードと同様である。第3の動作モードにおいて、LVバッテリ116によって第2のバッテリシステムバス112に電力が供給され、LV-LVコンバータ108によって第2のバッテリシステムバス112から第1のバッテリシステムバス110に電力が伝送され、HV-LVコンバータ106を使用して第1のバッテリシステムバス110からHVバッテリ114に電力が伝送されて、HVバッテリ114を充電し、及び/又はHV負荷131に電力供給するようにHVバス113に電力を供給する。
【0053】
第3の動作モードは、LVバッテリ116が第2の動作モードと比較してより大きいレートで放電されることを可能にし、HVバッテリ114の充電状態を増加させることができる。例えば、LVバッテリ116は、第3の動作モードにおいて、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112に接続された負荷に電力を供給することができ、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112に接続された負荷の電力需要を超えるLVバッテリ116によって供給される電力は、HV-LVコンバータ106によって第1のバッテリシステムバス110からHVバッテリ114に伝送されて、LVバッテリ116からの電力を使用してHVバッテリ114を充電し、及び/又はHV負荷131に電力供給するようにHVバス113に電力を供給する。
【0054】
第3の動作モードにおいて、主にLVバッテリ116によって第1のバッテリシステムバス110に電力が供給され、第3の動作モードにおいて、LVバッテリ116のみによって第2のバッテリシステムバス112に電力が供給される。したがって、第1の負荷128などの、第1のバッテリシステムバス110に接続された負荷は、第3の動作モードにおいて主にLVバッテリ116によって電力供給される。HVバッテリ114からの電力は、HV-LVコンバータ106の動作を一時的に切り替えて第1のバッテリシステムバス110に電力を供給することによって、第1のバッテリシステムバス110に接続されている負荷に対するピーク電力需要を満たすために、第1のバッテリシステムバス110に電力を供給するように使用されてもよく、HV-LVコンバータ106の動作は、ピーク電力需要が経過し、LVバッテリ116が第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112の両方の電力需要を再び満たすことができると、HVバッテリ114の充電に戻るように切り替えられる。
【0055】
発電機(例えば、回生制動用)が第1のバッテリシステムバス110又は第2のバッテリシステムバス112のうちの1つに接続されている実装形態では、第1の動作モード、第2の動作モード、又は第3の動作モードの各々は、(例えば、第1の負荷128又は第2の負荷130であり得る)発電機から電力の供給を受けることを含み得る。発電機からの電力は、HVバッテリ114及び/又はLVバッテリ116を充電するために使用され得る。第1の動作モード、第2の動作モード、及び第3の動作モードの他の詳細は、前述した通りである。
【0056】
ここで、処理350によるバッテリシステム100の動作モードの選択、及び動作モード間の遷移について、動作モードの例として第1の動作モード、第2の動作モード、及び第3の動作モードを使用して説明する。処理350は、追加の及び/又は異なる動作モードを使用して実装されてもよい。
【0057】
処理350は、第1のバッテリシステムバス110又は第2のバッテリシステムバス112のうちの1つに接続されている負荷が電力を要求している間に、バッテリパックから第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112への電力の供給を制御するように実行される。したがって、処理は、第1のバッテリシステムバス110又は第2のバッテリシステムバス112に接続されている構成要素が起動され、第1のバッテリシステムバス110又は第2のバッテリシステムバス112を介してHVバッテリ114又はLVバッテリ116から電力を引き出しているときに、開始され得る。処理350は、1つ以上の負荷がバッテリパック102から電力を引き出し続ける間、繰り返し実行され得る。
【0058】
動作351において、バッテリパック102は監視される。バッテリパック102は、バッテリシステム100に含まれている構成要素を使用して監視され得る。例えば、バッテリパック102は、前述のように、セル監視システム118を使用して監視され得る。バッテリパック102を監視することには、HVバッテリ114の充電状態を判定すること、HVバッテリ114の電力使用率(例えば、放電率)を判定すること、HVバッテリ114の温度を判定すること、HVバッテリ114の完全放電(例えば、0パーセントの充電状態)までの推定時間を判定すること、HVバッテリ114の将来の経時的な充電状態予測を判定すること、HVバッテリ114の他の動作特性を監視すること、LVバッテリ116の充電状態を判定すること、LVバッテリ116の電力使用率(例えば、放電率)を判定すること、LVバッテリ116の温度を判定すること、LVバッテリ116の完全放電(例えば、0パーセントの充電状態)までの推定時間を判定すること、LVバッテリ116の将来の経時的な充電状態予測を判定すること、及び/又はLVバッテリ116の他の動作特性を監視することを含み得る。バッテリパック102を監視することによって得られた情報は、例えば、セル監視システム118からバッテリシステムコントローラ104に送信されてもよい。
【0059】
HVバッテリ114及びLVバッテリ116の放電までの時間は、推定値である。これらの値は、例えば、HVバッテリ114及びLVバッテリ116の各々の充電状態値及び電力使用率を使用して推定され得る。HVバッテリ114及びLVバッテリ116の将来の充電状態予測も推定される。放電までの時間及び将来の充電状態予測は、予想される将来のルート及び道路条件を記述する情報を含む、(手動又は自動化制御下の)電気システムに対して意図されるナビゲーションルートを記述する電気システムからの情報を使用して判定され得る。
【0060】
動作352には、現在の動作モードから異なる動作モードへのモード変更を実行すべきかどうかを判定することを含む。モード変更を実行すべきかどうかの判定は、動作351においてバッテリパック102を監視することによって得された情報を使用して行われ得る。例えば、バッテリシステムコントローラ104は、HVバッテリ114の完全放電までの推定時間とLVバッテリ116の完全放電までの推定時間との比較に基づいて、モード変更を実行すべきかどうかを判定することができる。動作352にはまた、バッテリシステム100をどのモードに切り替えるべきかを判定することを含み得る。
【0061】
一例として、バッテリシステムコントローラ104は、HVバッテリ114の充電状態とLVバッテリ116の充電状態との間の差が閾値を上回るときに、モード切り替えを実行すべきであると判定することができる。別の例として、バッテリシステムコントローラ104は、HVバッテリ114の電力使用率とLVバッテリ116の電力使用率との間の差が閾値を上回るときに、モード切り替えを実行すべきであると判定することができる。別の例として、バッテリシステムコントローラ104は、HVバッテリ114の完全放電までの時間とLVバッテリ116の完全放電までの時間との間の差が閾値を上回るときに、モード切り替えを実行すべきであると判定することができる。
【0062】
いくつかの実装形態では、バッテリシステムコントローラは、第1のバッテリシステムバス110及び第2のバッテリシステムバス112(及び任意選択的に追加のバス)に接続された負荷の電力使用が閾値を上回るときに、第1の動作モードを選択し、電力使用が閾値を下回るときに、第2の動作モード又は第3の動作モードのうちの1つを選択する。
【0063】
いくつかの実装形態では、動作モードを切り替えるかどうか、及び/又はどの動作モードに切り替えるべきかを判定するために、動作条件を記述する複数の値が使用される。(例えば、動作351に関して説明したように)バッテリパック102を監視することによって得られた値のいずれかを使用することができる。一例として、モード間の切り替えは、動作モード間(例えば、第1の動作モードから第2の動作モードへ、又は第3の動作モードから第1の動作モードへ)の特定の変更を実行するために満たすべき条件のセットを必要とするステートマシンを使用して制御することができる。別の例として、動作351においてバッテリパック102を監視することによって得られた値を使用して、動作モードの各々に対するスコアを判定することができ、最も高いスコアの動作モードが選択され、それによって、選択されたモードが現在のモードと異なる場合にモード変更を促してもよい。
【0064】
動作353において、動作352において行われた判定に従ってモード変更が実行される場合、処理は動作354に進む。動作353において、動作352において行われた判定に従ってモード変更が実行されない場合、処理350は、動作351に戻ってバッテリパック102を監視し続け、モード変更を実行すべきかどうかを評価する。
【0065】
動作354において、現在の動作モードから新しい動作モードへのモード変更が実行され、バッテリシステム100は新しい動作モードで動作する。次いで、処理350は、動作351に戻って、バッテリパック102を監視し続け、モード変更を実行すべきかどうかを評価する。
【0066】
図4は、バッテリシステム100の動作中の、LVバッテリ116の充電状態を示すグラフである。横軸は時間に対応し、T_0はバッテリシステム100の動作の開始を表し、T_1はバッテリシステム100の動作の終了を表し、LVバッテリ116の充電状態は時点T_0において100パーセントであり、LVバッテリ116の充電状態は時点T_1において0パーセントである。バッテリパック102の使用を最適化するために、HVバッテリ114の充電状態はまた、時点T_0における100パーセントから時点T_1における0パーセントに減少されるべきである。HVバッテリ114及びLVバッテリ116の放電率は通常同じではないため、バッテリシステム100は、動作中にバッテリシステム100の動作モードに変更するように(例えば、バッテリシステムコントローラ104によって)制御される。図示された例では、バッテリシステム100は、最初に(例えば、T_0で開始して)第2の動作モードで動作する。その後、動作モードが第2の動作モードから第1の動作モードに変更されて、LVバッテリ116の放電が遅くなる。その後、動作モードが第3の動作モードに変更されて、LVバッテリ116は、第1の動作モード及び第2の動作モードにおけるLVバッテリ116の放電率よりも高い率で放電される。
【0067】
本開示では、充電状態値は、バッテリに蓄積される電力量を表すために使用される。充電状態値が推定される。一例として、充電状態は、電圧に基づいて推定され得る。別の例として、充電状態は、経時的な電流積分値に基づいて推定され得る。充電状態値は、通常、0パーセント及び100パーセントの設定点に対するパーセンテージ値として表され、所定値又は計算値であり得る。0パーセントの充電状態は、バッテリが電力供給し続けることができない充電状態を表すために使用される。100パーセントの充電状態は、バッテリの更なる充電が中断される充電レベルを表すために使用され、したがって、完全充電状態として示される。
【0068】
バッテリシステム100は、車両に実装されてもよい。バッテリシステム100は、車両に含まれるシステムの一部又は全部に電力を供給する。一例として、車両は、車体を含み、ホイールによって支持される従来の道路走行車両であってもよい。車両は、例えば、自動車、トラック、オートバイ、ボート、又は航空機であってもよい。車両には、客室及び/又は貨物室を含んでもよい。車両には、サスペンションシステム、推進システム、ブレーキシステム、ステアリングシステム、感知システム、及び制御システムなどの特定の機能を実行するシステムを含んでもよい。感知システムは、外部条件及び車両の条件を観察するためのセンサを含む。制御システムは、コントローラなどの、通信構成要素及び処理構成要素を含み、自動運転機能を制御するように構成されてもよい。他のシステムは、車両内に含まれ得る。
【0069】
図5は、コントローラ560のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コントローラ560は、バッテリシステム100のバッテリシステムコントローラ104及び電気システム(例えば、車両)の制御システムなど、本明細書に記載の制御システムを実装するために使用されてもよい。コントローラ560は、プロセッサ561と、メモリ562と、記憶デバイス563と、1つ以上の入力デバイス564と、1つ以上の出力デバイス565とを含んでもよい。コントローラ560は、通信のために構成要素を相互接続するためのバス又は同様のデバイスを含んでもよい。プロセッサ561は、コンピュータプログラム命令を実行し、コンピュータプログラム命令によって記述された動作を実行するように動作可能である。一例として、プロセッサ561は、中央処理ユニットなどの従来のデバイスであってもよい。メモリ562は、ランダムアクセスメモリモジュールなどの揮発性高速短期情報記憶デバイスであってもよい。記憶デバイス563は、ハードドライブ又はソリッドステートドライブなどの不揮発性情報記憶デバイスであってもよい。入力デバイス564は、ボタン、スイッチ、キーボード、マウス、タッチスクリーン入力デバイス、ジェスチャ入力デバイス、又はオーディオ入力デバイス(例えば、マイクロフォン)などの任意の種類のヒューマンマシンインタフェースを含むことができる。出力デバイス565は、表示スクリーン若しくはオーディオ出力などの動作状態、又は他の機能的出力若しくは制御に関するインジケーションをユーザに提供するように動作可能な任意のタイプのデバイスを含むことができる。
【0070】
上述したように、本技術の一態様は、バッテリの充電及び放電を制御することであり、これは、様々なソースから利用可能なデータの収集及び使用を含むシステムにおいて実装されてもよい。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0071】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、個人情報データは、電力管理システムがユーザ選好又はユーザ習慣に従ってエネルギー使用を制御することを可能にするユーザ活動情報を記憶するために使用され得る。更に、ユーザに利益をもたらす個人情報データに関する他の使用も本開示によって意図されている。例えば、位置情報及びナビゲーション情報は、ユーザの近くの又はユーザがたどっているルートに沿ったバッテリ充電ステーションの利用可能性に基づいて、バッテリからの電力の使用を制御するための基礎として使用され得る。
【0072】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的且つ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、第三者による評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)などの、連邦法及び/又は州法に準拠し得る。その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0073】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、本技術を使用するシステムは、ユーザが、サービスのための登録中に又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成され得る。別の例では、ユーザは、本技術を利用するサービスに対して個人情報を提供しないことを選択することができる。更に別の例では、ユーザは、本技術を使用するサービスによって個人情報が維持される時間の長さを制限するように選択することができ、又はユーザは、本技術を使用するシステムによる個人情報の使用を完全に禁止することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに知らされ、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0074】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。加えて、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0075】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。例えば、電力管理システムは、非個人情報データ若しくは最小限の量の個人情報、本技術を使用しているサービスに利用可能な他の非個人情報、又は公的に利用可能な情報に基づくモデルを使用して、バッテリ使用を制御することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1のバスと、
第2のバスと、
第1の複数のセルを含む高電圧バッテリと、
第2の複数のセルを含む低電圧バッテリであって、前記第2のバスに接続されている、前記低電圧バッテリと、
前記高電圧バッテリを前記第1のバスに接続する第1のDC-DCコンバータと、
前記第1のバスを前記第2のバスに接続する第2のDC-DCコンバータと、
前記高電圧バッテリと前記第1のバスとの間で電力を伝送するように前記第1のDC-DCコンバータの動作を制御し、前記第1のバスと前記第2のバスとの間で電力を伝送するように前記第2のDC-DCコンバータの動作を制御する、ように構成されているコントローラと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記第1のバスに接続されている第1の負荷と、
前記第2のバスに接続されている第2の負荷と、
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラが、前記第1の負荷及び前記第2の負荷が前記高電圧バッテリによって電力供給される第1の動作モード、前記第1の負荷及び前記第2の負荷が前記低電圧バッテリによって電力供給される第2の動作モード、並びに前記高電圧バッテリが前記低電圧バッテリによって充電される第3の動作モードのうちの1つで、前記第1のDC-DCコンバータ及び前記第2のDC-DCコンバータの動作を制御するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の動作モードにおいて、前記第1のDC-DCコンバータを使用して前記高電圧バッテリによって前記第1のバスに電力が供給され、前記第2のDC-DCコンバータによって前記第1のバスから前記第2のバスに電力が伝送され、前記第1の負荷が前記第1のバスから電力を受け取り、前記第2の負荷が前記第2のバスから電力を受け取る、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の動作モードにおいて、前記低電圧バッテリによって前記第2のバスに電力が供給され、前記第2のDC-DCコンバータによって前記第2のバスから前記第1のバスに電力が伝送され、前記第1の負荷が前記第1のバスから電力を受け取り、前記第2の負荷が前記第2のバスから電力を受け取る、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第3の動作モードにおいて、前記低電圧バッテリによって前記第2のバスに電力が供給され、前記第2のDC-DCコンバータによって前記第2のバスから前記第1のバスに電力が伝送され、前記第1のDC-DCコンバータを使用して前記第1のバスから前記高電圧バッテリに電力が伝送されて、前記高電圧バッテリを充電する、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第1のDC-DCコンバータ及び前記第2のDC-DCコンバータの動作を制御して、選択的に、前記高電圧バッテリからの電力を前記第1の負荷及び前記第2の負荷に供給するか又は前記低電圧バッテリからの電力を前記第1の負荷及び前記第2の負荷に供給するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の複数のセル及び前記第2の複数のセルに対して、共通のセルタイプが使用されている、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の複数のセルに含まれる個々のセルの数が、前記第2の複数のセルに含まれる個々のセルの数の整数倍である、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の複数のセルが、直列に接続されている第1の数の個々のセルを含み、前記第2の複数のセルが、直列に接続されている第2の数の個々のセルを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の複数のセルが、前記第2の複数のセルに直接接続されていない、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のDC-DCコンバータが、前記高電圧バッテリに対応する第1の電圧レベルと前記第1のバスに対応する第2の電圧レベルとの間で電力を変換するように動作可能である、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のバス及び前記第2のバスが共通の電圧レベルにあり、前記第2のDC-DCコンバータが、前記共通の電圧レベルで前記第1のバスと前記第2のバスとの間で電力を伝送するように動作可能である、請求項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2のDC-DCコンバータのみが、前記第1のバスと前記第2のバスとの間で電力を伝送するために、前記第1のバスを前記第2のバスに接続する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ハウジングを更に備え、前記高電圧バッテリ及び前記低電圧バッテリが前記ハウジング内に配置されている、
請求項に記載のシステム。
【国際調査報告】