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特表2023-547906流動性食品を分注するための分注アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】流動性食品を分注するための分注アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/44 20060101AFI20231107BHJP
【FI】
A47J31/44 410
A47J31/44 430
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525536
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 NL2021050660
(87)【国際公開番号】W WO2022093025
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】20204598.5
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505310426
【氏名又は名称】フリースランドカンピーナ ネーデルランド ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドルーテン、ヴィーベ ニコラース
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA27
4B104BA32
4B104EA10
4B104EA20
(57)【要約】
流動性食品を分注するための分注アセンブリであって、製品濃縮物を保持するためのバッグインボックス型コンテナであって、コンテナから製品濃縮物を放出するための濃縮物出口を有する、コンテナと、濃縮物出口から間隔を置いて配置された混合ユニットであって、製品濃縮物を液体と混合するように構成されており、コンテナから放出された製品濃縮物を受容するための濃縮物入口と、液体を受容するための液体入口と、液体と混合された製品濃縮物を流動性食品として分注するための注ぎ口とを有する、混合ユニットと、コンテナの濃縮物出口から混合ユニットの濃縮物入口までの流路に沿って製品濃縮物の流動を案内するように配置されたダクトであって、流路を柔軟に調整するために、ダクトの少なくとも一部分が可撓性である、ダクトと、を備える、分注アセンブリ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性食品を分注するための分注アセンブリ(1)であって、
-製品濃縮物を保持するためのバッグインボックス(BIB)型コンテナ(2)であって、前記コンテナ(2)から製品濃縮物を放出するための濃縮物出口(3)を有する、コンテナ(2)と、
-前記濃縮物出口(3)から間隔を置いて配置された混合ユニット(4)であって、前記製品濃縮物を液体、例えば水と混合するように構成されており、前記コンテナ(2)から放出された製品濃縮物を受容するための濃縮物入口(5)と、前記液体を受容するための液体入口(6a)と、前記液体と混合された前記製品濃縮物を流動性食品として分注するための注ぎ口(7)とを有し、
前記混合ユニット(4)が、液体食品を得るために最初に前記製品濃縮物を前記液体と混合し、且つ前記得られた食品を、特に泡状食品を提供するために、気体、例えば空気と混合するように構成されており、前記混合ユニットが、前記気体を受容するためのそれぞれの気体入口を備え、前記混合ユニットが、前記気体を前記液体食品と混合するための1つ以上の精密濾過デバイス(17)を備える、混合ユニット(4)と、
-前記コンテナ(2)の前記濃縮物出口(3)から前記混合ユニット(4)の前記濃縮物入口(5)までの流路に沿って製品濃縮物の流動を案内するように配置されたダクト(9)であって、前記ダクト(9)の少なくとも一部分が可撓性である、ダクト(9)と、
を備える、分注アセンブリ(1)。
【請求項2】
最初の使用前に、前記分注アセンブリ(1)が、封止状態から流動可能状態に変更可能であり、前記封止状態では、前記分注アセンブリ(1)の内部空間(S)がその環境から封止され、前記内部空間(S)が、少なくとも前記コンテナ(2)内に延び、製品濃縮物を保持するように構成されており、前記流動可能状態では、前記ダクト(9)が、製品濃縮物の前記流動用の流動経路を提供する、請求項1に記載の分注アセンブリ。
【請求項3】
前記分注アセンブリ(1)の封止要素(11)を作動させ、例えば移動及び/又は破壊し、それによって、前記分注アセンブリ(1)を前記封止状態から前記流動可能状態に変更するように構成された、作動アセンブリ(10)を備える、請求項2に記載の分注アセンブリ。
【請求項4】
前記封止要素(11)及び/又は前記作動アセンブリ(10)が、前記バッグインボックス型コンテナ(2)の前記濃縮物出口(3)、特に前記出口(3)と前記ダクト(9)との間の接続部に配置されている、請求項3に記載の分注アセンブリ。
【請求項5】
前記作動アセンブリ(10)が、前記ダクト(9)及び前記コンテナ(2)を互いに機械的に接続するように構成され、及び/又は少なくとも前記分注アセンブリ(1)が前記流動可能状態にあるときに、前記流路の一部を提供するように構成されている、請求項4に記載の分注アセンブリ。
【請求項6】
前記封止要素(11)が、前記作動アセンブリ(10)によって破壊可能である、例えば金属及び/又はプラスチックから作成されたフォイルを含み、前記作動アセンブリ(10)が、例えば、前記フォイルを破壊するための穿孔及び/又は切断部材を含む、請求項4又は5に記載の分注アセンブリ。
【請求項7】
前記封止要素(11)が、好ましくは、封止位置から開放位置まで、それぞれの受容構造体に対して前記作動アセンブリ(10)によって移動可能である、プラグ及び/又はキャップを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項8】
前記分注アセンブリが、例えば前記封止要素(11)の上流又は下流に、更なる封止要素を含み、前記作動アセンブリ(10)が、前記分注アセンブリ(1)が前記封止状態から前記流動可能状態に変更されるように前記封止要素(11)を作動させている間に、前記更なる封止要素を作動させる、例えば移動及び/又は破壊するように構成されている、請求項4~7のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項9】
前記分注アセンブリ(1)が、例えば、作動アセンブリ(10)の手動作動、例えば押圧、例えば前記バッグインボックス型コンテナ(2)に対する手動作動によって、前記封止状態から前記流動可能状態に手動で変更可能である、請求項2~8のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項10】
前記分注の前に、少なくとも前記ダクトに、前記ダクト(9)の内部(9i)をその環境から封止する取り外し可能なパッケージが提供される、請求項1~9のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項11】
前記流動可能状態において、少なくとも製品が前記アセンブリ(1)から分注されないときに、前記流路が前記分注アセンブリ(1)の環境から実質的に、好ましくは無菌的に、封止されるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項12】
前記ダクト(9)が、前記コンテナ(2)から前記混合ユニット(4)まで前記ダクト(9)を通って製品濃縮液を圧送するための圧送要素及び/又はポンプ(13)を備え、
好ましくは、前記圧送要素及び/又はポンプ(13)が、例えば、前記ダクト(9)内部の前記流路に沿って製品濃縮物を促すために前記ダクト(9)の外部から前記ダクト(9)の可撓性壁を作動させるように構成された、蠕動ポンプを備え、及び/又はその一部を形成するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項13】
前記混合ユニット(4)が、前記気体を前記液体と混合するための少なくとも2つの精密濾過デバイス(17)を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項14】
前記混合ユニット(4)が、前記濃縮物入口(5)を通る製品濃縮物の流動を調節するためのバルブ部材(14)を備え、好ましくは、前記バルブ部材(14)が、前記混合ユニット(4)の前記液体入口(6a)に前記液体を供給するように構成されている分注機(M)によって制御、例えば移動するように構成されており、好ましくは、前記バルブ部材(14)が、前記分注機の液体注入器(15)に接続するように構成されており、前記バルブ部材(14)が、例えば、前記液体入口(6a)に配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項15】
前記ダクト(9)の流路長が、1cm~100cmの範囲、好ましくは5cm~60cmの範囲、より好ましくは10cm~40cmの範囲にあり、例えば約20cmであり、
好ましくは、前記ダクト(9)の内部流路幅、例えば直径が、2mm~30mm、好ましくは5mm~20mm、例えば8mm~16mmの範囲にある、請求項1~14のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項16】
前記ダクト(9)、少なくともその可撓性部分が、高分子材料、特に可撓性及び/又は弾力性のある高分子材料から作成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項17】
前記バッグインボックス型コンテナ(2)が、前記製品濃縮物、具体的には液体製品濃縮物、より具体的には酪農製品濃縮物、例えばミルク濃縮物又はクリーム濃縮物を保持する、請求項1~16のいずれか一項に記載の分注アセンブリ。
【請求項18】
流動性食品を分注するためシステム(16)であって、分注アセンブリ(1)と、前記流動性食品を分注するために前記分注アセンブリ(1)と協働するように構成された分注機(M)とを備え、
前記分注機(M)が、コーヒー分注機を含むか又はコーヒー分注機の一部であり、前記流動性食品が、泡状ミルク製品であり、
前記分注アセンブリが、
-製品濃縮物を保持するためのバッグインボックス(BIB)型コンテナ(2)であって、前記コンテナ(2)から製品濃縮物を放出するための濃縮物出口(3)を有する、コンテナ(2)と、
-前記濃縮物出口(3)から間隔を置いて配置された混合ユニット(4)であって、前記製品濃縮物を液体、例えば水と混合するように構成されており、前記コンテナ(2)から放出された製品濃縮物を受容するための濃縮物入口(5)と、前記液体を受容するための液体入口(6a)と、前記液体と混合された前記製品濃縮物を流動性食品として分注するための注ぎ口(7)とを有する、混合ユニット(4)と、
-前記コンテナ(2)の前記濃縮物出口(3)から前記混合ユニット(4)の前記濃縮物入口(5)までの流路に沿って製品濃縮物の流動を案内するように配置されたダクト(9)であって、前記ダクト(9)の少なくとも一部分が可撓性である、ダクト(9)と、
を備え、
前記混合ユニット(4)が、前記濃縮物入口(5)を通る製品濃縮物の流動を調節するためのバルブ部材(14)を備え、前記バルブ部材(14)が、前記分注機(M)によって制御、例えば移動するように構成されており、前記バルブ部材(14)が、前記分注機の液体注入器(15)に接続するように構成されており、前記分注機(M)が、前記分注アセンブリの前記バルブ部材(14)を制御し、且つ前記混合ユニット(4)の前記液体入口(6a)に前記液体を供給するように構成されている液体注入器(15)を有する、システム(16)。
【請求項19】
前記分注アセンブリ(1)が、請求項1~17のいずれか一項に記載のアセンブリであり、前記分注アセンブリの前記混合ユニット(4)が、食品を得るために最初に前記製品濃縮物を前記液体と混合し、且つ前記得られた食品を、特に泡状食品を提供するために、気体、例えば空気と混合するように構成されており、前記混合ユニットが、前記気体を受容するためのそれぞれの気体入口を備え、前記混合ユニットが、気体を液体と混合するための1つ以上の精密濾過デバイスを備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記コーヒー分注機が、ハウジング(H)を有し、前記BIBコンテナ(2)が、前記コーヒー分注機(M)の前記ハウジング(H)の外部に配置されている、請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
請求項1~17のいずれか一項に記載の分注アセンブリ(1)を組み立てるための部品のキットであって、前記キットは、前記バッグインボックス型コンテナ(2)と、前記混合ユニット(4)と、前記ダクト(9)を含み、前記キットでは、例えば前記コンテナ(2)は前記混合ユニット(4)及び/又は前記ダクト(9)から分離されている、部品のキット。
【請求項22】
流動性食品を分注する方法であって、
-請求項1~17のいずれか一項に記載の分注アセンブリ(1)を、好ましくは請求項18~20のいずれか一項に記載のシステム(16)において提供することと、
-前記混合ユニット(4)において、前記バッグインボックス型コンテナ(2)から前記ダクト(9)を通って前記混合ユニット(4)まで案内される濃縮物の流動を、前記液体入口(6a)において受容し、好ましくは前記システム(16)の前記分注機(M)から受容した液体と混合することと、
-特に前記混合ユニット(4)から、前記液体と混合された前記製品濃縮物を流動可能食品として分注することであって、任意選択的に、前記流動可能食品が泡状食品として分注される、ことと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記分配アセンブリ(1)が、請求項2~17のいずれか一項に従って構成されており、前記方法が、前記分注アセンブリ(1)の1つ以上の、好ましくは全ての内部空間(S、9i)を滅菌し、その後、特に前記混合の前に、前記分注アセンブリ(1)を前記封止状態から前記流動可能状態に変更することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記バッグインボックス型コンテナ(2)から前記ダクト(9)を通って前記混合ユニット(4)まで製品濃縮物を圧送することを含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
請求項18~20のいずれか一項に記載のシステムを提供し、前記BIBコンテナを前記コーヒー分注機(M)の外部に配置することを含む、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流動性食品を分注するための分注アセンブリ、並びに流動性食品を分注する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような分注アセンブリ及び方法は、例えば国際公開第2016/043590号パンフレットに開示されているような、例えば泡状ミルク製品を分注するための、様々なタイプのものとして知られている。
【0003】
米国特許出願公開第2009011110号明細書は、高温のミルク含有飲料を調製するためのコーヒーマシンを開示しており、ミルク供給手段及び排出手段を有する。改善されたハンドリングを達成するために、ミルク供給部は、濃縮ミルクを収容するように構成される。濃縮ミルクを水と混合するために、混合デバイスが提供される。
【0004】
米国特許出願公開第2005118319号明細書は、コンデンスミルク源、水源、及び加圧空気源から泡状ミルクを作成する泡状ミルクシステムを提供している。泡状ミルクシステムは、コンデンスミルク用のミルク入口システム、水用の水入口システム、加圧空気用の空気入口システム、及びコンデンスミルク、水、及び加圧空気を混合するための混合領域を含む。
【0005】
既知の分注アセンブリ及び方法の一例では、製品濃縮物を保持する使い捨てのバッグインボックス(BIB)型コンテナは、コンテナの出口に混合ユニットを備え、混合ユニットにおいて、製品濃縮物が、例えば水及び空気などの流体(単数又は複数)と混合され、その後、例えば混合ユニットの注ぎ口から、流動性食品としての混合物で分注される。流体(単数又は複数)を受容するために、混合ユニットは、適切な分注機によって提供される1つ以上のそれぞれの流体供給部に接続されている。そのような分注アセンブリ及び方法は、特に混合ユニットがコンテナに固定的に接続されており、且つ好ましくはコンテナとともに使い捨て又はリサイクル可能である場合、代替案と比較して改善された衛生状態を提供することができる。したがって、分注の前に、分注アセンブリ、すなわち、製品保持コンテナをそれぞれの混合ユニットと一緒に滅菌することができる。最初の分注後の汚染は、その後、特にコンテナから注ぎ口までの比較的短い製品流路長によって制限される。
【0006】
しかしながら、既知の解決策の1つの欠点は、流体供給を提供する分注機が、分注アセンブリの空間的配置、特にコンテナ、混合ユニットの関連流体入口、及び注ぎ口又は他の分注出口の間の空間的関係を収容する必要があることである。特定の分注アプリケーションによっては、これは、困難であったり、更には実質的に不可能であったりする可能性がある。例えば、流動性食品として泡状ミルクを追加で分注するコーヒー分注機の場合、マシンのコーヒー分注機能に関連する設計要件により、そのような収容が妨げられ得ることが判明している。
【0007】
その結果、流動性食品を分注するための改善された分注アセンブリ及び方法が必要とされている。本発明の目的は、上述の欠点のうちの少なくとも1つが少なくとも部分的に克服される一方で、上述の利点が実質的に維持される、そのような改善された分注アセンブリ及び方法を提供することである。ある目的は、より汎用性が高く、特に飲料分注機との協働に関して、良好な食品衛生状態、好ましくは良好な食品品質、及び効率的でユーザフレンドリな取り扱いも可能にする、分注アセンブリを提供することである。ある目的は、使いやすく、輸送しやすく、製造しやすく、及び/又はリサイクルしやすい、そのような分注アセンブリを提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の一態様は、流動性食品を分注するための請求項1に記載の分注アセンブリを提供する。
【0009】
分注アセンブリは、製品濃縮物を保持するためのバッグインボックス型コンテナを備え、コンテナは、コンテナから製品濃縮物を放出するための濃縮物出口を備える。分注アセンブリは、濃縮物出口から間隔を置いて配置された混合ユニットを備え、混合ユニットは、製品濃縮物を液体、例えば水と混合するように構成されており、混合ユニットは、コンテナから放出された製品濃縮物を受容するための濃縮物入口と、液体を受容するための液体入口と、液体と混合された製品濃縮物を流動性食品として分注するための注ぎ口と、を備える。分注アセンブリは、コンテナの濃縮物出口から混合ユニットの濃縮物入口までの流路に沿って製品濃縮物の流動を案内するように配置されたダクトを備え、ダクトの少なくとも一部分は可撓性である。
【0010】
このように、混合ユニットを濃縮物出口から離し、且つその間に少なくとも部分的に可撓性のダクトを設けることにより、良好な衛生状態及び製品品質を維持しながら、分注アセンブリの汎用性を大幅に向上させることができる。特に、混合ユニットとコンテナとの相対的な空間的配置は、関連する分注機に関する制約及び/又は選好に応じて、このように調整され得る。
【0011】
任意選択的に、最初の使用前に、分注アセンブリは、封止状態から流動可能状態に変更可能であり、封止状態では、分注アセンブリの内部空間がその環境から封止され、その内部空間は、少なくともコンテナ内に延び、製品濃縮物を保持するように構成され、流動可能状態では、ダクトが、製品濃縮物の流動用の流動経路を提供する。
【0012】
したがって、製品の衛生状態が促進され、特に、最初の分注の前に製品濃縮物及び/又はコンテナの汚染のリスクが有利に低減され得る。
【0013】
任意選択的に、分注アセンブリは、分注アセンブリの封止要素を作動させ、例えば移動及び/又は破壊し、それによって、分注アセンブリを封止状態から流動可能状態に変更するように構成された作動アセンブリを備える。
【0014】
したがって、分注アセンブリは、封止状態から流動可能状態に、特に容易且つ衛生的に変更され得る。
【0015】
任意選択的に、封止要素及び/又は作動アセンブリは、バッグインボックス型コンテナの濃縮物出口、特にその出口とダクトとの間の接続部に配置される。好ましくは、作動アセンブリは、少なくとも分注アセンブリが流動可能状態にあるときに、ダクト及びコンテナを互いに機械的に接続し、及び/又は流路の一部を提供するように構成される。
【0016】
したがって、封止された内部空間は、コンテナの内部に実質的に閉じ込められ得るため、使用前に、例えば製品濃縮物の冷却は、コンテナを冷却することによって達成され得る。また、封止要素及び/又は作動アセンブリのこの配置は、BIBの改ざんの証拠を提供することができる。
【0017】
任意選択的に、封止要素は、作動アセンブリによって破壊可能である、例えば金属及び/又はプラスチックから作成されたフォイル又は封止プラグを含み、作動アセンブリは、例えば、そのフォイル又はプラグを破壊するための穿孔及び/又は切断部材を含む。
【0018】
代替的に又は追加的に、封止要素は、好ましくは、封止位置から開放位置まで、それぞれの受容構造体に対して作動アセンブリによって移動可能である、プラグ及び/又はキャップを任意選択的に含む。
【0019】
したがって、良好で衛生的な封止が、良好な使いやすさと組み合わせて提供され得る。
【0020】
任意選択的に、分注アセンブリは、例えば封止要素の上流又は下流に、更なる封止要素を含み、作動アセンブリは、分注アセンブリが封止状態から流動可能状態に変更されるようにその封止要素を作動させている間に、更なる封止要素を作動させる、例えば移動及び/又は破壊するように構成される。
【0021】
これにより、封止の冗長性を提供することができ、衛生状態を更に促進することができる。また、更なる内部空間を、このように使用前にその環境から(及び任意選択的に、製品濃縮物保持内部空間から)封止することができ、更なる内部空間は、例えば、ダクト内に延在している。したがって、使用前に、ダクト及びコンテナは、良好な衛生状態及び使いやすさが提供される一方で、例えば部品のキットで互いに分離されてもよい。
【0022】
任意選択的に、分注アセンブリは、例えば、作動アセンブリの手動作動、例えば押圧、例えばバッグインボックス型コンテナに対する手動作動によって、封止状態から流動可能状態に手動で変更可能である。
【0023】
したがって、ユーザは、最初の分注の直前に、分注アセンブリを流動可能状態に変更することができる。
【0024】
任意選択的に、分注の前に、少なくともダクトに、ダクトの内部をその環境から封止する取り外し可能なパッケージが提供される。
【0025】
これにより、例えば、輸送中及び取り扱い中の汚染リスクを、有利に低減することができる。
【0026】
任意選択的に、分注アセンブリは、流動可能状態において、少なくとも製品がアセンブリから分注されないときに、流路が分注アセンブリの環境から実質的に、好ましくは無菌的に、封止されるように構成される。
【0027】
そのような封止のための様々な手段は、そのように知られており、本内容において有利に採用され得る。製品汚染のリスクは、こうして低減される。
【0028】
任意選択的に、ダクトは、コンテナから混合ユニットまでダクトを通って製品濃縮物を圧送するための圧送要素及び/又はポンプを備える。
【0029】
したがって、流路に沿った製品濃縮物の良好な流動が促進され、例えば、ダクトに関連する流動抵抗及び/又は静水圧を克服することができる。
【0030】
任意選択的に、圧送要素及び/又はポンプは、例えば、ダクト内部の流路に沿って製品濃縮物を促すためにダクトの外部からダクトの可撓性壁を作動させるように構成された、蠕動ポンプを備え、及び/又はその一部を形成するように構成される。
【0031】
このようにして、圧送要素及び/又はポンプは、圧送されている製品と直接接触する必要がない。
【0032】
好ましい態様によれば、混合ユニットは、(液体)食品を得るために最初に製品濃縮物を液体と混合し、且つ得られた(液体)食品を、特に泡状食品を提供するために、気体、例えば空気と混合するように構成されており、好ましくは、混合ユニットは、気体を受容するためのそれぞれの気体入口を備え、好ましくは、混合ユニットは、気体を液体食品と混合するための1つ以上(例えば、少なくとも2つ)の精密濾過デバイスを備える。
【0033】
したがって、泡状食品、例えば泡状ミルク製品又は泡状クリーム製品を、製品濃縮物、例えばミルク濃縮物又はクリーム濃縮物から製造することができる。気体を液体(特に液体食品、例えばミルク又はクリーム)と混合するための少なくとも1つの精密濾過デバイスを適用することにより、比較的コンパクトな手段を使用して、良好な製品の泡状化を提供できることが判明している。
【0034】
各精密濾過デバイスは、好ましくは、気体透過性孔を有する管状精密濾過壁を備え、その精密濾過デバイスは、入口開口部と出口開口部とを備え、その精密濾過デバイスは、管状精密濾過壁とハウジングとの間に気体供給空間を形成するための管状精密濾過壁を取り囲むハウジングを更に備え、そのハウジングは、気体入口管と連通する気体開口部を含み、その管状精密濾過壁は、例えば疎水性材料で作成されている。
【0035】
任意選択的に、混合ユニットは、濃縮物入口を通る製品濃縮物の流動を調節するためのバルブ部材を備え、好ましくは、バルブ部材は、混合ユニットの液体入口に液体を供給するように構成されている分注機によって制御、例えば移動するように構成されており、好ましくは、バルブ部材は、分注機の液体注入器に接続するように構成されており、バルブ部材は、例えば、液体入口に配置されている。
【0036】
そのようなバルブ部材は、例えば国際公開第2016/043590号パンフレットを参照すると、既知の分注アセンブリにおいてそのように知られており、当業者であれば理解するように、本開示による分注アセンブリに有利に組み込まれ得る。
【0037】
任意選択的に、ダクトの流路長は、1cm~100cmの範囲、好ましくは5cm~60cmの範囲、より好ましくは10cm~40cmの範囲にあり、例えば約20cmであり、好ましくは、ダクトの内部流路幅、例えば直径は、2mm~30mm、好ましくは5mm~20mm、例えば8mm~16mmの範囲にある。
【0038】
このように、汎用性、使いやすさ、及び衛生状態の良好なバランスを提供することができる。
【0039】
任意選択的に、ダクト、少なくともその可撓性部分は、高分子材料、特に可撓性及び/又は弾力性のある高分子材料から作成される。
【0040】
そのような材料は、良好な柔軟性を提供すると同時に、良好な食品衛生状態及び品質を可能にすることができる。特にそのような材料は、例えばポンプ作用による変形に応じて、ダクトの機械的挙動の回復を提供することができる。
【0041】
任意選択的に、バッグインボックス型コンテナは、製品濃縮物、特に液体製品濃縮物、より具体的には酪農製品濃縮物、例えばミルク濃縮物又はクリーム濃縮物若しくはクリームを保持する。
【0042】
本発明の更なる態様は、流動性食品を分注するためのシステムを提供する。システムは、上述のような分注アセンブリと、流動性食品を分注するためにその分注アセンブリと協働するように構成された分注機とを備え、特に分注機は、混合ユニットの液体入口に液体を供給するように構成されている。
【0043】
任意選択的に、分注機は、コーヒー分注機を含むか又はコーヒー分注機の一部であり、例えば、流動性食品は、泡状ミルク製品である。
【0044】
そのようなシステムは、上述の利点を提供することができる。
【0045】
本発明の更なる態様は、上述のような分注アセンブリを組み立てるための部品のキットを提供し、このキットは、バッグインボックス型コンテナと、混合ユニットと、ダクトとを含み、このキットでは、例えばコンテナは混合ユニット及び/又はダクトから分離されている。
【0046】
そのようなキットは、上述の利点を提供することができ、特に、キットから分注アセンブリを組み立てている間に、関連する分注機に対して分注アセンブリが容易に配置され、例えばダクトが、組み立ての前及び/又はその間に、マシンの通路を通って容易に案内され得る。
【0047】
例えば、本発明は、既存の(コーヒー)分注機を、(コーヒーの分注の次に)泡状食品(例えば泡状ミルク)の分注という追加の機能を有するアップグレードされた分注機に、簡単な方法でアップグレードするために使用され得る。既存の分注機をアップグレードすることにより、例えば、コーヒー分注機に混合ユニットを付加し、別個のBIBコンテナを追加し(例えば、BIBコンテナをコーヒー分注機の外部に配置し)、且つ少なくとも部分的に可撓性のダクトを介してBIBコンテナを混合ユニットに結合させることを伴うことができる。既存の(コーヒー)分注機をアップグレードする場合、分注機が、追加された混合ユニットを制御するための手段、例えば、混合ユニットの前述の製品濃縮の流動バルブ部材(そのようなバルブ部材が存在する場合)を動作/制御するための手段を備えることも好ましく、分注機は、好ましくは、液体(例えば水)を混合ユニットの液体入口に供給する液体注入器を備える。また、特に、混合ユニットが泡状食品を提供するために液体食品を気体と混合するように構成されている場合、マシンは、混合ユニットに、気体、例えば空気を供給するように(再)構成されることが好ましい。
【0048】
本発明の更なる態様は、流動性食品を分注する方法を提供する。方法は、上述のような分注アセンブリを、好ましくは上述のようなシステムにおいて提供することを含む。
【0049】
方法は、混合ユニットにおいて、バッグインボックス型コンテナからダクトを通って混合ユニットまで案内される濃縮物の流動を、液体入口において受容した、好ましくはシステムの分注機から受容した液体と混合することを含む。
【0050】
方法は、特に混合ユニットから、液体と混合された製品濃縮物を流動可能食品として分注することを含み、任意選択的に、流動可能食品は泡状食品として分注される。
【0051】
そのような方法は、上述の利点を提供することができる。
【0052】
分注アセンブリが封止状態から流動可能状態に変更可能である場合、方法は、任意選択的に、分注アセンブリの1つ以上の、好ましくは全ての内部空間を滅菌し、その後、特に混合の前に、分注アセンブリを封止状態から流動可能状態に変更することを含む。
【0053】
滅菌は、コンテナ内の製品濃縮物に関連する食品保存処理の一部とすることができ、例えば、低温滅菌処理及び/又は照射処理である。
【0054】
任意選択的に、方法は、バッグインボックス型コンテナからダクトを通って混合ユニットまで製品濃縮物を圧送することを含む。
【0055】
以下では、本発明を、例示的な実施形態及び図面を使用して更に説明する。図面は、概略的なものであり、例を示すに過ぎない。図面では、類似の又は対応する特徴は、類似の又は対応する参照符号を用いて示される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】例示的な実施形態による、分注アセンブリの断面図である。
図2】分注機の液体注入器の協働部分を有する、分注機の混合ユニットの一部の断面図である。
図3】例示的な実施形態による、流動性食品を分注するためのシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、流動性食品を分注するための分注アセンブリ1を示している。分注アセンブリ1は、製品濃縮物を保持するためのバッグインボックス(BIB)型コンテナ2を備え、コンテナ2は、コンテナ2から製品濃縮物を放出するための濃縮物出口3を有する。
【0058】
分注アセンブリ1は、濃縮物出口3から間隔を置いて配置された混合ユニット4を備え、混合ユニット4は、製品濃縮物を液体、例えば水と混合するように構成されており、混合ユニット4は、コンテナ2から放出された製品濃縮物を受容するための濃縮物入口5と、液体を受容するための液体入口6aと、液体と混合された製品濃縮物を流動性(すなわち液体)食品として分注するための注ぎ口7と、を備える。
【0059】
図示の例では、混合ユニット4は、製品濃縮物を、液体入口6aに供給される液体、例えば水、特に分注機Mの液体注入器15によって供給される液体と混合するための混合チャンバ8などを備える。水は、注入器15を介して、供給前にマシンMにおいて加熱され得る。
【0060】
混合ユニット4内の気体、例えば空気を受容するために、混合チャンバ8の下流に気体入口6bが配置されている。したがって、この例では、使用中、混合ユニット4において、濃縮物は最初に、液体入口6aに供給される液体(例えば水)と混合され、その後、液体と混合された濃縮物(すなわち、得られた液体食品)が、特に液体食品の(すなわち、液体と混合された濃縮物の)泡状化のために、気体入口6bに供給される気体(例えば、空気)と混合される。
【0061】
分注アセンブリ1は、コンテナ2の濃縮物出口3から混合ユニット4の濃縮物入口5までの流路に沿って製品濃縮物の流動を案内するために配置されたダクト9を備える。図示の例では、特に、最初の使用前、例えば、分注機Mに対して分注アセンブリ1を配置及び/又は組み立てる際に、流路を柔軟に調整するために、実質的にダクト9全体が可撓性である。或いは、ダクト9の1つ以上の部分のみが可撓性であり得る。
【0062】
したがって、図1を参照すると、そのように流路は、濃縮物出口3から濃縮物入口5までダクト9の示された経路に沿って延びていることを理解されたい。
【0063】
図1は、コンテナ2の上端部に配置された濃縮物出口3を示しているが、そのような濃縮物出口3は、図3に示されるように、より有利にはコンテナ2の下端部に配置されて、重力の影響下で出口3を通るコンテナ2からの濃縮物の流動を促進することができることを理解されたい。或いは、例えば、コンテナ2の底端部から間隔を置いて配置された濃縮物出口3は、コンテナ内、特にその底端部に向かって延びるディップ管(図示せず)を備えてもよい。
【0064】
図1の例では、更に説明するように、最初の使用前に、分注アセンブリ1は、封止状態から流動可能状態に変更可能であり、封止状態では、分注アセンブリの内部空間Sがその環境から封止され、その内部空間Sは、少なくともコンテナ2内に延び、製品濃縮物を保持するように構成され、流動可能状態では、ダクト9が、製品濃度の流動用の流動経路を提供する。
【0065】
図1を更に参照すると、例示的な分注アセンブリ1は、分注アセンブリの封止要素11を作動させ、例えば移動及び/又は破壊し、それによって、分注アセンブリ1を封止状態から流動可能状態に変更するように構成された作動アセンブリ10を備える。
【0066】
例では、作動アセンブリ10は、例えば、図1の矢印Aの方向に封止要素11に向かって作動部材12を押圧することによって、封止要素11を(直接的又は間接的のいずれかで)手動で作動させるための作動部材12を備える。
【0067】
示されるように、封止要素11及び作動アセンブリ10は、バッグインボックス型コンテナ2の濃縮物出口3、特にその出口3とダクト9との間の接続部に配置されており、作動アセンブリ10は、少なくとも分注アセンブリ1が流動可能状態にあるときに、ダクト9及びコンテナ2を互いに機械的に接続して、流路の一部を提供するよう構成されている。
【0068】
一例として、封止要素11は、作動アセンブリ10によって破壊可能である、例えば金属及び/又はプラスチックから作成作された、フォイルを含んでもよく、作動アセンブリは、例えば、そのフォイルを破壊するための穿孔及び/又は切断部材(明示的に示されていない)を含み、そのピアス及び/又は切断部材は、例えば、作動部材12の端部に、例えばその一部として配置されている。
【0069】
別の例として、封止要素11は、代替的に又は追加的に、作動アセンブリ10によって、特に作動部材12の作動によって、封止位置から開放位置までそれぞれの受容構造体に対して移動可能である、プラグ及び/又はキャップを含む。
【0070】
可能な詳細では、分注アセンブリ1は、例えば封止要素11の上流又は下流に、更なる封止要素(図示せず)を含み、作動アセンブリ10は、それによって分注アセンブリ1を封止状態から流動可能状態に変更するように封止要素11を作動させている間に、更なる封止要素を作動させる、例えば移動及び/又は破壊するように構成される。
【0071】
図1の例では、説明したように、分注アセンブリは、特に、作動アセンブリ10の手動作動、例えば押圧、この例ではバッグインボックス型コンテナ2に対する手動作動によって、封止状態から流動可能状態に手動で変更可能である。
【0072】
任意選択的に、分注の前に、少なくともダクト9に、ダクト9の内部9iをその環境から封止する取り外し可能なパッケージ(図示せず)が提供される。
【0073】
分注アセンブリ1は、好ましくは、流動可能状態において、少なくとも製品がアセンブリ1から分注されないときに、流路が分注アセンブリ1の環境から実質的に、好ましくは無菌的に、封止されるように構成される。
【0074】
ダクト9は、コンテナ2から混合ユニット4までダクト9を通って製品濃縮液を圧送するための圧送要素及び/又はポンプ13を備え得る。図1では、ポンプ要素及び/又はポンプ13の例示的な位置が示されている。そのようなポンプ要素及び/又はポンプは、代替的に又は追加的に、ダクト9に沿った他の場所に配置され得ることを理解されたい。そのようなポンプ要素及び/又はポンプ13は、混合ユニット4及び/又はコンテナ2において提供されるポンプ機能を補完することができる。コンテナ2におけるそのような追加のポンプ機能は、濃縮クリーム若しくはクリームなどの比較的濃厚及び/又は粘性の製品濃縮物の場合に、特に有益であり得る。
【0075】
好ましくは、圧送要素及び/又はポンプ13は、例えば、ダクト9内部の流路に沿って製品濃縮物を促すためにダクト9の外部からダクト9の可撓性壁を作動させるように構成された、蠕動ポンプを備え、及び/又はその一部を形成するように構成される。
【0076】
図1の例では、先に言及したように、混合ユニット4は、食品を得るために製品濃縮物を最初に液体と混合し、得られた食品を、特に泡状食品を提供するために気体、例えば空気と混合するように構成されており、混合ユニット4は、気体を受容するための気体入口6bを備える。好ましくは、混合ユニット4は、特に気体入口6bの下流において、気体を液体と混合するための1つ以上の精密濾過デバイス17を備える。
【0077】
各精密濾過デバイス17は、好ましくは、気体透過性孔を有する管状精密濾過壁を備え、その精密濾過デバイス17は、入口開口部と出口開口部とを備え、その精密濾過デバイス17は、管状精密濾過壁とハウジングの間に気体供給空間を形成するようにその管状精密濾過壁を取り囲むハウジングを更に備え、そのハウジングは、気体入口管と連通する気体開口部を含む。例えば、その管状精密濾過壁は、疎水性材料で作成され得る。
【0078】
図2の詳細図に示されるように、混合ユニット4は、濃縮物入口5を通る製品濃縮物の流動を調節するためのバルブ部材14を備え得る。この例では、バルブ部材14は、混合ユニット4の液体入口6aに液体を供給するように構成された分注機M(図3を参照)によって制御、例えば移動するように構成されており、バルブ部材14は、分注機Mの液体注入器15に接続するように構成されており、バルブ部材14は、液体入口6aに配置されている。示されるように、バルブ部材14の封止部分14sは、好ましくは、バルブ部材14と液体注入器15との間に封止された接続部を提供するように構成されている。分注アセンブリの混合ユニット内のバルブ部材のそのような配置は、国際公開第2016/043590号パンフレットに詳細に記載されており、その特徴は、当業者であれば明らかであるように、本発明の文脈において有利に適用することができる。
【0079】
図1及び図3では、ダクト9は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。ダクト9の流路長は、好ましくは1cm~100cmの範囲、好ましくは5cm~60cmの範囲、より好ましくは10cm~40cmの範囲にあり、例えば約20cmであり、好ましくはダクト9の内部流路幅、例えば直径は、特に流路に対して横断して測定したときに、2mm~30mm、好ましくは5mm~20mm、例えば8mm~16mmの範囲にある。
【0080】
ダクト9、少なくともその可撓性部分は、好ましくは、高分子材料、特に可撓性及び/又は弾力性の高分子材料から作成される。そのような材料は、例えばポンプ作用による変形に応じて、ダクトの機械的挙動の回復を提供することができる。
【0081】
使用時、バッグインボックス型コンテナ2は、したがって、分注される製品濃縮物を保持する。最初の分注の前に、製品濃縮物はこのように、好ましくは、コンテナ2内に、少なくとも、好ましくは実質的に延びる封止された内部空間Sに閉じ込められる。製品濃縮物は、液体製品濃縮物、より具体的には酪農製品濃縮物、例えば、ミルクベースの濃縮物又はクリームベースの濃縮物であり得る。
【0082】
例示的なミルク又はクリームベースの濃縮物は、20重量%乾物~30重量%乾物、好ましくは23~27重量%乾物を含むが、通常の水分含量のミルク(非濃縮ミルクとも呼ばれる)は、10重量%乾物を含む。
【0083】
加えて、本発明の実施形態では、コンテナ4に収容されるミルク又はクリームベースの濃縮物の最大量は、業務用では2~10リットル、家庭用では0.2~1リットル(200mL~1000mL)に達し、実施形態では、ミルク又はクリームベースの濃縮物は、20重量%乾物~30重量%乾物、好ましくは23~27重量%乾物を含み得る。
【0084】
図3は、流動性食品を分注するためのシステム16を示し、システムは、説明したような分注アセンブリ1と、流動性食品を分注するために分注アセンブリ1と協働するように構成された分注機Mとを備え、特に分注機Mは、混合ユニット4の液体入口6aに液体を供給するように構成されている。好ましくは、マシンMはまた、気体、例えば空気を気体入口6bに供給するように構成されている。その目的のために、マシンMは、例えば、当業者であれば理解するように、気体入口6bに接続された又は接続可能な、気体圧力源又は気体ポンプ(図示せず)を備え得る。
【0085】
示されるように、分注アセンブリ1の一部3、4は、したがって、分注機MのハウジングH内に配置され、別の一部2は、そのハウジングHの外部に配置され得る。例えば、図3に示されるように、混合ユニット4及び任意選択的なポンプ13は、ダクト9の一部とともにハウジングH内に配置される一方で、コンテナ2、作動アセンブリ10、及びダクト9の別の一部は、そのハウジングHの外部に配置されている。
【0086】
したがって、関連する分注機に対する分注アセンブリ1の空間的配置に関して、多くの変形例が可能であることを理解されたい。したがって、特に汎用性の高い分注アセンブリ1を提供することができ、例えば、特にそのマシンのハウジングHの外部にBIBコンテナ2を配置/配列することによって、比較的大量の製品濃縮物を保持する比較的大きなコンテナ2(図3を参照)を、マシンMのハウジングH内部の空間を比較的ほとんど用いずに、使用することができる(図3を参照)。したがって、BIBコンテナ2は、例えば、実質的に見えないように、及び/又は製品分注ワークフローにとって便利な場所、例えば、マシンM(図3を参照)用のプラットフォームP内又はその下に配置することができる。
【0087】
一例として、可撓性ダクト9は、分注機のハウジングHの外壁、例えば側壁及び/又は底壁を通って延びることができる(この場合、ハウジングHは、可撓性ダクト9の流入/通過用の開口部又は通路を含み得る)。
【0088】
任意選択的に、分注機Mは、コーヒー分注機を含むか又はその一部であり、例えば、流動性食品は、泡状ミルク製品又は泡状クリーム製品である。図3を参照すると、分注機は、その目的のために、好ましくは混合ユニット4の注ぎ口7に実質的に隣接する、コーヒー分注出口Cを備えることができる。このようにして、例えばコーヒー及び泡状ミルクを、例えば、その後に及び/又は同時に、カップ、マグ、又はグラスのような容器Rに容易に分注することができる。
【0089】
図面及び上記の説明を参照すると、説明したような分注アセンブリ1を組み立てるための部品の例示的なキットは、少なくともバッグインボックス型コンテナ2と、混合ユニット4と、ダクト9とを含み、このキットにおいて、例えばコンテナ2は、混合ユニット4及び/又はダクト9から分離されている。
【0090】
例えば、本発明の1つ以上の実施形態は、既存の(コーヒー)分注機を、泡状食品(例えば泡状ミルク)を分注するという追加の能力を有するアップグレードされた分注機Mに、簡単な方法でアップグレードするために使用され得る。特に、比較的コンパクトなコーヒー分注機Mを、比較的大量の濃縮製品を供給するために、比較的嵩張るBIBコンテナ2と組み合わせて使用することができる。
【0091】
本開示の一態様では、コーヒーマシンは、例えば、混合ユニット4及びそれぞれの液体注入器15を備えることができ、マシンは更に、(例えば、コーヒーマシンに対して又はその中に、気体源又は気体ポンプを提供又は設置することによって)混合ユニットの気体入口6bに、気体、例えば空気を供給するように構成することができ、外部のBIBコンテナは、ダクト9を介して混合ユニットに接続することができる(その結果、泡状食品分注機能付きコーヒーマシンMをもたらす)。
【0092】
また、代替実施形態では、コーヒーマシンのハウジングHは、BIBコンテナ2を受容するか又は取り囲むように構成され得ることが考慮されるべきである。
【0093】
引き続き図面及び上記の説明を参照すると、流動性食品を分注する例示的な方法は、好ましくは説明したようなシステム16において、説明したような分注アセンブリ1を提供することを含む。
【0094】
方法は、混合ユニット4において、バッグインボックス型コンテナ2からダクト9を通って混合ユニット4まで案内される濃縮物の流動を、液体入口6aにおいて受容した、好ましくはシステム16の分注機Mから受容した液体と混合することを含む。方法は、特に混合ユニット4から、液体と混合された製品濃縮物を流動可能食品として分注することを含み、任意選択的に、流動可能食品は泡状食品として分注される。
【0095】
例示的な方法は、分注アセンブリ1の1つ以上の、好ましくは全ての内部空間S、9iを滅菌し、その後、特に混合の前に、分注アセンブリ1を封止状態から流動可能状態に変更することを含む。
【0096】
例示的な方法は、バッグインボックス型コンテナ2からダクト9を通って混合ユニット4まで製品濃縮物を圧送すること、例えば、ダクト9に沿った流路に配置された圧送要素若しくはポンプ13、及び/又は他の場所に配置されたポンプを用いて圧送することを含む。
【0097】
本発明を例示的な実施形態及び図面を使用して説明してきたが、これらは、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、その範囲は特許請求の範囲によって提供される。当業者であれば理解するように、多くの変形形態、組み合わせ及び拡張形態が可能である。その実施例が、本明細書を通じて提供されている。
図1
図2
図3
【国際調査報告】