(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】流体接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/127 20060101AFI20231107BHJP
F16L 21/06 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
F16L37/127
F16L21/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525583
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 US2021035393
(87)【国際公開番号】W WO2022093323
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/057312
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519147290
【氏名又は名称】オエティカ エヌワイ インク
【氏名又は名称原語表記】Oetiker NY, Inc.
【住所又は居所原語表記】4437 Walden Avenue, Lancaster, New York, U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノウィッキ, エリック
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲン, クリスチャン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】アリス, ヘイデン
【テーマコード(参考)】
3H015
3J106
【Fターム(参考)】
3H015DA06
3J106AB01
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106EB02
3J106EB05
3J106ED14
3J106ED39
3J106EF04
(57)【要約】
コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を備え、溝が第1の幅を含む、半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、第3の端部と、第4の端部と、第1のセクションと、第1のセクションに対して変位可能な第2のセクションと、半径方向内向面と、半径方向内向面から半径方向内側に延び溝と係合可能に構成され、第2の幅を有し、第2の幅が第1の幅より小さい、第1のフランジと、半径方向内向面から半径方向内側に延びる第2のフランジと、を含むリテーナと、を備える流体接続アセンブリ。
【選択図】
図2、
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ本体であって、
第1の端部と、
第2の端部と、
貫通孔と、
溝を備え、前記溝が第1の幅を含む、半径方向外向面と、
を含むコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、
第3の端部と、
第4の端部と、
第1のセクションと、
前記第1のセクションに対して変位可能な第2のセクションと、
半径方向内向面と、
前記半径方向内向面から半径方向内側に延び前記溝と係合可能に構成され、第2の幅を有し、前記第2の幅が前記第1の幅より小さい、第1のフランジと、
前記半径方向内向面から半径方向内側に延びる第2のフランジと、
を含むリテーナと、を備える
流体接続アセンブリ。
【請求項2】
完全組立ロック状態において、前記半径方向内向面は、前記半径方向外向面と係合可能に構成される、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項3】
前記第1のフランジが前記溝と係合すると、前記リテーナは、前記コネクタ本体に対して軸方向に変位可能である、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のフランジは、前記第3の端部にすぐ隣接して配置され、前記第2のフランジは、前記第4の端部にすぐ隣接して配置される、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項5】
肩部を含むチューブをさらに備え、前記リテーナは、前記チューブを前記コネクタ本体に留めるように構成されている、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項6】
前記肩部は、前記第2の端部と係合するように構成され、
前記第2のフランジは、前記肩部を前記第2の端部と係合した状態に維持する、
請求項5に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項7】
前記リテーナが前記コネクタ本体にロックされ、前記チューブが前記コネクタ本体に接続されていないとき、前記リテーナは、前記コネクタ本体に対して軸方向に変位可能である、
請求項6に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項8】
前記チューブが前記コネクタ本体に接続され、前記リテーナが前記コネクタ本体および前記チューブにロックされているとき、前記リテーナは、前記コネクタ本体に対して軸方向に変位不能である、
請求項7に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項9】
前記第2のセクションは、前記第1のセクションに枢動可能に接続される、
請求項1に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項10】
前記第1のセクションは、雄コネクタを備え、
前記第2のセクションは、雌コネクタを備え、
完全組立ロック状態では、前記雄コネクタは、前記雌コネクタと係合して前記第1のセクションを前記第2のセクションに固定的に留める、
請求項9に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項11】
前記雌コネクタは、前記半径方向内向面から半径方向外側に延びる凹部と、前記凹部を通って延びる開口とを備え、
前記雄コネクタは、前記開口と係合可能に構成された半径方向外側に延びる突起を備える、
請求項10に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項12】
コネクタ本体であって、
第1の端部と、
第2の端部と、
貫通孔と、
溝を備え、前記溝が第1の幅を含む、半径方向外向面と、
を含むコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、
第3の端部と、
第4の端部と、
第1のセクションと、
第2のセクションと、
半径方向内向面と、
前記第3の端部にすぐ隣接して配置され前記半径方向内向面から半径方向内側に延び、前記溝と係合可能に構成され、第2の幅を含む第1のフランジと、
前記第4の端部にすぐ隣接して配置され前記半径方向内向面から半径方向内側に延びる第2のフランジと、
を含むリテーナと、
肩部を含むチューブと、を備え、
完全組立ロック状態では、前記第2のフランジは、前記肩部を前記コネクタ本体に留める、
流体接続アセンブリ。
【請求項13】
前記第2の幅は、前記第1の幅よりも小さい、
請求項12に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項14】
前記完全組立ロック状態において、前記第1のフランジは、前記第1の溝に係合し、前記肩部は、前記第2の端部に当接し、前記第2のフランジは、前記肩部に当接する、
請求項12に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項15】
前記第1のフランジが前記溝と係合すると、前記リテーナは、前記コネクタ本体に対して軸方向に変位可能である、
請求項12に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項16】
前記コネクタ本体は、前記第2の端部から第1の軸方向に延びる凹部をさらに備え、前記凹部は、第1の直径を備える、
請求項12に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項17】
前記第2のフランジは、第2の直径を有し、前記第2の直径は、前記第1の直径よりも小さい、
請求項16に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項18】
前記肩部は、第3の直径を備え、
前記完全組立ロック状態では、前記肩部は前記凹部内に配置され、
前記第3の直径は、前記第2の直径より大きく、前記第1の直径より小さい、
請求項17に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項19】
前記第2のセクションは、前記第1のセクションに枢動可能に接続され、
前記第1のセクションは、雄コネクタを備え、
前記第2のセクションは、雌コネクタを備え、
前記完全組立ロック状態では、前記雄コネクタは、前記雌コネクタと係合して前記第1のセクションを前記第2のセクションに固定的に留める、
請求項12に記載の流体接続アセンブリ。
【請求項20】
前記雌コネクタは、前記半径方向内向面から半径方向外側に延びる凹部と、前記凹部を通って延びる開口とを備え、
前記雄コネクタは、前記開口と係合可能に構成された半径方向外側に延びる突起を備える、
請求項19に記載の流体接続アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月26日に出願された国際特許出願PCT/US2020/057312号について、工業所有権の保護に関するパリ条約のストックホルム改正条約の第4条および第8条に基づく利益を主張し、その出願は参照によりその全体が本出願に組み入れられる。
【0002】
本開示は、流体コネクタに関し、より具体的には、組立てに必要な挿入力を減少させるとともに工具を必要とせずに迅速な組立てを可能にするリテーナを含む流体接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
流体コネクタ、流体接続部および流体接続アセンブリは、多くの用途、特に自動車用途にとって不可欠な構成要素である。自動車システムは、ラジエーター、トランスミッション、エンジンなどのさまざまな構成要素で構成されているため、流体は、各構成要素内だけでなく、構成要素間を移動できる必要がある。構成要素間を移動する流体の例は、トランスミッション流体の温度を下げるためにトランスミッションからトランスミッションオイルクーラーに移動するトランスミッション流体である。流体は主に、流体コネクタによって各構成部品に接続された柔軟なまたは硬いホースを介して構成部品間を移動する。このような流体コネクタは、通常、チューブがコネクタ本体に完全に挿入されたときにチューブの隆起した肩の後ろにスナップするように適合された、コネクタ本体に搭載された保持クリップ、保持リングクリップ、またはスナップリングを含む。ただし、流体コネクタが適切に機能するためには、コネクタ本体にスロットまたは開口を機械加工して、保持クリップがそこを通じて突き出てチューブに係合できるようにする必要があり、これには、追加の後処理製造加工が必要になる。組立工程中に、コネクタ本体への保持クリップの取付を行うことは困難であり、保持クリップを適切に取付けないと、保持クリップの構造的完全性が危険にさらされる可能性がある。加えて、チューブをコネクタ本体に係合し、保持クリップの半径方向の力に勝つのに必要な力は、現在の設計では非常に大きくなる。また、保持クリップは非常に薄く小さいため、落としたり置き忘れたりすると紛失しやすくなる。さらに、一部の接続アセンブリ解決案は固定に時間がかかり、組立て工程に工具が必要である。
【0004】
したがって、分解を可能にし、後処理機械加工を不要にし、流体コネクタを組立てるのに必要な挿入力を低減するリテーナを含む流体接続アセンブリに対する長年の切実なニーズがある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を備え、前記溝が第1の幅を含む、半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、前記コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、第3の端部と、第4の端部と、第1のセクションと、前記第1のセクションに対して変位可能な第2のセクションと、半径方向内向面と、前記半径方向内向面から半径方向内側に延び前記溝と係合可能に構成され、第2の幅を有し、前記第2の幅が前記第1の幅より小さい、第1のフランジと、前記半径方向内向面から半径方向内側に延びる第2のフランジと、を含むリテーナと、を備える流体接続アセンブリが提供される。
【0006】
いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態において、半径方向内向面は、半径方向外向面と係合可能に構成される。いくつかの実施形態では、第1のフランジが溝と係合すると、リテーナは、コネクタ本体に対して軸方向に変位可能である。いくつかの実施形態では、第1のフランジは、第3の端部にすぐ隣接して配置され、第2のフランジは、第4の端部にすぐ隣接して配置される。いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリは、肩部を含むチューブをさらに備え、リテーナは、チューブをコネクタ本体に留めるように構成されている。いくつかの実施形態では、肩部は、第2の端部と係合するように構成され、第2のフランジは、肩部を第2の端部と係合した状態に維持する。いくつかの実施形態では、リテーナがコネクタ本体にロックされ、チューブがコネクタ本体に接続されていないとき、リテーナは、コネクタ本体に対して軸方向に変位可能である。いくつかの実施形態では、チューブがコネクタ本体に接続され、リテーナがコネクタ本体およびチューブにロックされているとき、リテーナは、コネクタ本体に対して軸方向に変位不能である。いくつかの実施形態では、第2のセクションは、第1のセクションに枢動可能に接続される。いくつかの実施形態では、第1のセクションは、雄コネクタを備え、第2のセクションは、雌コネクタを備え、完全組立ロック状態では、雄コネクタは、雌コネクタと係合して第1のセクションを第2のセクションに固定的に留める。いくつかの実施形態では、雌コネクタは、半径方向内向面から半径方向外側に延びる凹部と、凹部を通って延びる開口とを備え、雄コネクタは、開口と係合可能に構成された半径方向外側に延びる突起を備える。
【0007】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を備え、溝が第1の幅を含む、半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、第3の端部と、第4の端部と、第1のセクションと、第2のセクションと、半径方向内向面と、第3の端部にすぐ隣接して配置され半径方向内向面から半径方向内側に延び、溝と係合可能に構成され、第2の幅を含む第1のフランジと、第4の端部にすぐ隣接して配置され半径方向内向面から半径方向内側に延びる第2のフランジと、を含むリテーナと、肩部を含むチューブと、を備え、完全組立ロック状態では、第2のフランジは、肩部をコネクタ本体に留める、流体接続アセンブリが提供される。
【0008】
いくつかの実施形態では、第2の幅は、第1の幅よりも小さい。いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態において、第1のフランジは、第1の溝に係合し、肩部は、第2の端部に当接し、第2のフランジは、肩部に当接する。いくつかの実施形態では、第1のフランジが溝と係合すると、リテーナは、コネクタ本体に対して軸方向に変位可能である。いくつかの実施形態では、コネクタ本体は、第2の端部から第1の軸方向に延びる凹部をさらに備え、凹部は、第1の直径を備える。いくつかの実施形態では、第2のフランジは、第2の直径を有し、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、肩部は、第3の直径を備え、完全組立ロック状態では、肩部は凹部内に配置され、第3の直径は、第2の直径より大きく、第1の直径より小さい。いくつかの実施形態では、第2のセクションは、第1のセクションに枢動可能に接続され、第1のセクションは、雄コネクタを備え、第2のセクションは、雌コネクタを備え、完全組立ロック状態では、雄コネクタは、雌コネクタと係合して第1のセクションを第2のセクションに固定的に留める。いくつかの実施形態では、雌コネクタは、半径方向内向面から半径方向外側に延びる凹部と、凹部を通って延びる開口とを備え、雄コネクタは、開口と係合可能に構成された半径方向外側に延びる突起を備える。
【0009】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を備える半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、第3の端部と、第4の端部と、第1のセクションと、第2のセクションと、半径方向内向面と、半径方向内向面から半径方向内側に延び溝と係合可能に構成された第1のフランジと、半径方向内向面から半径方向内側に延び第2の端部に係合可能に構成された第2のフランジと、を含むリテーナと、を備える流体接続アセンブリが提供される。
【0010】
いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態では、半径方向内向面は、半径方向外向面に当接可能に構成される。いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態では、第1のフランジは、溝と係合し、第2のフランジは、第2の端部に当接する。いくつかの実施形態では、第1のフランジは、第3の端部にすぐ隣接して配置され、第2のフランジは、第2の端部にすぐ隣接して配置される。いくつかの実施形態では、コネクタ本体は、第2の端部から第1の軸方向に延びる凹部をさらに備え、凹部は第1の直径を備える。いくつかの実施形態では、第2のフランジは、第2の直径を備え、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、流体接続アセンブリは、肩部を含むチューブをさらに備え、リテーナは、チューブをコネクタ本体に留めるように構成される。いくつかの実施形態では、肩部は、凹部内に配置され、第2のフランジは、肩部を凹部内に保持する。いくつかの実施形態では、第2のセクションは、第1のセクションに枢動可能に接続される。いくつかの実施形態では、第1のセクションは、雄コネクタを備え、第2のセクションは、雌コネクタを備え、完全組立ロック状態では、雄コネクタは、雌コネクタと係合して第1のセクションを第2のセクションに固定的に留める。いくつかの実施形態では、雌コネクタは、半径方向内向面から半径方向外側に延びる凹部と、凹部を通って延びる開口とを備え、雄コネクタは、開口と係合可能に構成された半径方向外側に延びる突起を備える。
【0011】
本明細書に示される態様によれば、コネクタ本体であって、第1の端部と、第2の端部と、貫通孔と、溝を備える半径方向外向面と、を含むコネクタ本体と、コネクタ本体に取外しできるように接続可能に構成されたリテーナであって、第3の端部と、第4の端部と、第1のセクションと、第2のセクションと、半径方向内向面と、第3の端部にすぐ隣接して配置され半径方向内向面から半径方向内側に延び、溝と係合可能に構成された第1のフランジと、第4の端部にすぐ隣接して配置され半径方向内向面から半径方向内側に延び、溝と係合可能に構成された第2のフランジと、を含むリテーナと、肩部を含むチューブと、を備え、完全組立ロック状態では、第2のフランジは、肩部をコネクタ本体に留める、流体接続アセンブリが提供される。
【0012】
いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態では、半径方向内向面は、半径方向外向面に当接する。いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態では、第1のフランジは、第1の溝と係合し、第2のフランジは、第2の端部に当接する。いくつかの実施形態では、コネクタ本体は、第2の端部から第1の軸方向に延びる凹部をさらに備え、凹部は、第1の直径を備える。いくつかの実施形態では、第2のフランジは、第2の直径を備え、第2の直径は、第1の直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、肩部は、第3の直径を備え、完全組立ロック状態では、肩部は、凹部内に配置され、第3の直径は、第2の直径より大きく第1の直径より小さい。いくつかの実施形態では、第2のセクションは、第1のセクションに枢動可能に接続される。いくつかの実施形態では、第1のセクションは、雄コネクタを備え、第2のセクションは、雌コネクタを備え、完全組立ロック状態では、雄コネクタは、雌コネクタと係合して第1のセクションを第2のセクションに固定的に留める。いくつかの実施形態では、雌コネクタは、半径方向内向面から半径方向外側に延びる凹部と、凹部を通って延びる開口とを備え、雄コネクタは、開口と係合可能に構成された半径方向外側に延びる突起を備える。
【0013】
本開示のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、図面および添付の特許請求の範囲を考慮して、本開示の以下の詳細な説明を検討することで容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
対応の参照符号が対応の部品を指す添付の概略図を参照して、様々な実施形態が例としてのみ開示される。
【
図1】完全組立ロック状態にある流体接続アセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1に示される流体接続アセンブリの分解斜視図である。
【
図3】ロック解除状態にある、
図1に示されるリテーナの斜視図である。
【
図4】
図1の線4-4に概ね沿う流体接続アセンブリの断面図である。
【
図5】
図1の線5-5に概ね沿う流体接続アセンブリの断面図である。
【
図6】完全組立ロック状態にある流体接続アセンブリの斜視図である。
【
図7】
図6に示される流体接続アセンブリの分解斜視図である。
【
図8】ロック解除状態にある、
図6に示されるリテーナの斜視図である。
【
図9】
図6の線9-9に概ね沿う流体接続アセンブリの断面図である。
【
図10】
図6の線10-10に概ね沿う流体接続アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
初めに、異なる図面での同様の図面番号は、同一または機能的に類似の構造要素を特定することを認識されたい。特許請求の範囲は、開示された態様に限定されないことを理解されたい。
【0016】
さらに、本開示は、記載された特定の方法、材料、および変形に限定されず、そのため当然ながら変化しうることを理解されたい。ここで使用される用語は、特定の態様を記述することのみを目的とし、特許請求の範囲を限定する意図がないことも理解されたい。
【0017】
他に定義されなければ、ここに使用される技術的および科学的な語すべては、この開示が関連する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここに記載されるものと類似または同等の方法、装置、または材料が実施形態例の実施または試験に使用されることを理解されたい。本開示のアセンブリは、油圧、電子機器、空気圧、および/またはバネによって駆動されうる。
【0018】
「実質的に」の語は、「近く」、「非常に近く」、「約」、「およそ」、「だいたい」、「近似する」、「近い」、「本質的に」、「近隣に」、「近傍に」等のような語と同義語であって、このような語は、明細書および特許請求の範囲に出現する際に互換的に使用されうることを認識されたい。「近接の」の語は、「近くに」、「近い」、「隣接の」、「近隣の」、「直近の」、「隣の」等のような語と同義語であって、このような語は、明細書および特許請求の範囲に出現する際に互換的に使用されうることを理解されたい。「およそ」の語は、指定値の10パーセント以内の値を意味することが意図されている。
【0019】
本出願における「または」の使用は、特に明記しない限り、「非排他的」な取り合わせに関するものであることを理解されたい。例えば、「アイテムxはAまたはBである」という場合、これは次の(1)、(2)のいずれかを意味することが理解される。(1)アイテムxはAおよびBの一方または他方のみである。(2)アイテムxはAとBの両方である。言い換えれば、「または」という言葉は、「排他的なまたは」の取り合わせを定義するためには使用されない。例えば、「アイテムxはAまたはBである」という記載についての「排他的なまたは」の取り合わせは、xがAおよびBのいずれか1つのみであることが必要とされる。さらに、ここで使用される「および/または」は、列挙された要素または条件の1つまたは複数が含まれるか、または発生する可能性があることを示すために使用される文法上の接続詞を意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および/または第3の要素を備える装置は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図する。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素、および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。
【0020】
さらに、本明細書で使用される場合、システムまたは要素と組合わせた「の少なくとも1つを備える」および「の少なくとも1つを備えている」という表現は、システムまたは要素が、その表現の後に挙げられた要素の1つまたは複数を含むことを意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および第3の要素の少なくとも1つの要素を備える装置、は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図している。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。同様の解釈は、「の少なくとも1つで使用される」という表現が本明細書で使用されている場合にも意図されている。さらに、本明細書で使用される場合、「および/または」は、列挙された要素または条件の1つまたは複数が含まれるかまたは発生する可能性があることを示すために使用される文法的な接続詞を意味することを意図している。例えば、第1の要素、第2の要素および/または第3の要素を備える装置、は、以下の構造的取り合わせのいずれか1つとして解釈されることを意図する。すなわち、第1の要素を備える装置、第2の要素を備える装置、第3の要素を備える装置、第1の要素および第2の要素を備える装置、第1の要素および第3の要素を備える装置、第1の要素、第2の要素および第3の要素を備える装置、または、第2の要素および第3の要素を備える装置。
【0021】
ここで使用する「チューブ」という語は、ホース、パイプ、チャネル、導管、チューブ端部形成部、または水力学および流体力学で使用される他の任意の適切なパイプ流と同義であることを認識されたい。さらに、「チューブ」という語は、気体または液体の流れを含みかつ許容するのに適した任意の材料の硬いまたは柔軟な導管を意味しうることを認識されたい。
【0022】
本明細書で使用される「完全組立ロック状態」とは、流体接続アセンブリを指し、チューブがコネクタ本体に完全に接続され、リテーナがコネクタ本体に完全に接続されてチューブをその中に保持することを示す。本明細書で使用される「半組立ロック状態」とは、流体接続アセンブリを指し、リテーナがコネクタ本体に完全に接続されているが、コネクタ本体やリテーナ内にチューブが配置されていない状態を指す。リテーナは、コネクタ本体およびチューブから独立したリテーナの状態を示す「ロック状態」または「ロック解除状態」を有するとして説明されてもよい。
【0023】
ここで図面を参照すると、
図1は、完全組立ロック状態にある流体接続アセンブリ10の斜視図である。
図2は、流体接続アセンブリ10の分解斜視図である。流体接続アセンブリ10は、概して、リテーナ20、チューブ80、およびコネクタ本体40を備える。以下の説明は、
図1~
図2と照らし合わせて解釈されたい。
【0024】
チューブ80は、端部82、セクション83、ビードまたは肩部87、セクション89、端部92、および貫通孔94を備える。貫通孔94は、チューブ80を通って端部82から端部92まで延びる。セクション83は、端部82と肩部87との間に配置されており、半径方向外向面84を備える。半径方向外向面84は、実質的に一定の直径を含む。いくつかの実施形態では、半径方向外向面84は、端部82に近接した円錐台状のテーパまたは曲線表面を備える(
図4を参照)。肩部87は、セクション83とセクション89との間に配置されており、面86および面88を備える。いくつかの実施形態では、面86は、軸方向AD1に少なくとも部分的に向くアキシャル面であり、面88は、軸方向AD2に少なくとも部分的に向くアキシャル面である。いくつかの実施形態では、面86は、肩部87の半径方向外向面から軸方向AD1に半径方向内側に延びる円錐台状の面である。例えば、面86は、直線円錐形状であってもよく、軸方向AD2に直径が増加する。いくつかの実施形態では、面86は、直線部分と、円錐状または円錐台状の部分とを備えていてもよい。セクション89は、肩部87と端部92との間に配置されており、半径方向外向面90を備える。半径方向外向面90は、実質的に一定の直径を含む。チューブ80は、具体的には端部82を先にしてコネクタ本体40内に挿入されるように構成されている。チューブ80は、セクション83、または半径方向外向面84がシール62と係合するまで、コネクタ本体40内に挿入される(
図4を参照)。肩部87は、以下でより詳細に説明されるように、リテーナ20が組立てられてチューブ80をコネクタ本体40に留める時点で、凹部45に、したがってコネクタ本体40の内側に配置される。チューブ80は、チューブをコネクタ本体内に留めるために、チューブの外側面上で半径方向外側および軸方向に延びるビード、半径方向外側に延びる突出部若しくはフランジ、または傾斜外形を備える任意の従来のチューブまたはチューブ端形成部であってもよいことを認識されたい。いくつかの実施形態では、チューブ80は、金属を備える。いくつかの実施形態では、チューブ80は、ポリマーを備える。いくつかの実施形態では、チューブ80は、セラミックを備える。
【0025】
図3は、ロック解除状態にあるリテーナ20の斜視図である。
図4は、
図1の線4-4に概ね沿う流体接続アセンブリ10の断面図である。
図5は、
図1の線5-5に概ね沿う流体接続アセンブリ10の断面図である。以下の説明は、
図1~
図5と照らし合わせて解釈されたい。
【0026】
リテーナ20は、概して、セクション20A、セクション20B、端部22、端部24、端部22から端部24まで延びる穴21、半径方向外向面26、および半径方向内向面28を備える。いくつかの実施形態では、セクション20Aは、例えばヒンジ34を介してセクション20Bにヒンジ接続される。いくつかの実施形態では、ヒンジ34は、リビングヒンジである。いくつかの実施形態では、セクション20Aは、セクション20Bに取外し可能に接続される。セクション20Aおよび20Bが接続されるか、リテーナ20がロック状態にあるとき(
図1および
図2)、それらの間に穴21が形成される。しかしながら、ロック解除状態であっても、セクション20Aおよび20Bのそれぞれがそれぞれの穴21を含むと言えることを認識されたい。
【0027】
半径方向内向面28は、端部22から延びており、半径方向外向面52と係合可能に構成される。半径方向内向面28は、そこから半径方向内側に延びるフランジ30を備える。フランジ30は、端部22のすぐ隣に配置される。フランジ30は、溝54と係合可能に構成されており、半径方向内向面28は、半径方向外向面52と係合してリテーナ20をコネクタ本体40に接続可能に構成される。半径方向内向面28は、そこから半径方向内側に延びるフランジ32をさらに備えている。フランジ32は、端部24のすぐ隣に配置される。フランジ32は、肩部87と係合してチューブ80をコネクタ本体40に接続可能に構成される。
【0028】
図4に最も良く示されているように、フランジ32は、フランジ30から第1の距離だけ間隔を空けて配置されている。溝54は、端部44から第2の距離だけ間隔を空けて配置されている。第2の距離は、第1の距離と等しい。この設計により、リテーナ20がコネクタ本体40に接続されると、フランジ32が端部44に当接することになる。さらに、フランジ32は、直径D1を有し、半径方向内向面46は、直径D2を有し、肩部87は、直径D3を有する。直径D3は直径D2より小さく、これにより、半径方向内向面46とアキシャル面47によって形成されるコネクタ本体40の軸方向凹部45内に肩部87が嵌合できるようになる。直径D1は、直径D3より小さく、したがって肩部87がコネクタ本体40から取り外されるのを防止する、またはチューブ80がコネクタ本体40に対して軸方向AD2に変位するのを防止する。
【0029】
セクション20Aは、雄コネクタ36を備えており、セクション20Bは、雌コネクタ38を備える。示されるように、セクション20Aの雄コネクタ36は、セクション20Aおよび20Bが固定的に留められるように、セクション20Bの雌コネクタ38と係合するように構成される。いくつかの実施形態では、雄コネクタ36は、(半径方向外側の方向に)フック形状であり、溝36Aおよび突起36Bを含む。溝36Aは、半径方向外向面26に配置される。突起36Bは、溝36Aから半径方向RD1にほぼ半径方向外側に延びる。いくつかの実施形態では、突起36Bは、突起36Bと雌コネクタ38、具体的には開口38Aとの係合をより容易に行うことを許容可能に構成された半径方向最外端付近のテーパ部分を備える。
【0030】
雌コネクタ38は、半径方向外向面26から半径方向内側に延びる開口38Aを備える。開口38Aは、突起36Bと係合してセクション20Bをセクション20Aにロック可能に構成される。雌コネクタ38は、凹部38Bをさらに備える。いくつかの実施形態では、凹部38Bは、半径方向内向面26に配置される(すなわち、半径方向内向面26から半径方向外側に延びる)。セクション20Bがセクション20Aに向かって変位すると、雌コネクタ38は、突起36Bと係合し、半径方向RD1に半径方向外側に変位する。開口38Aが突起36Bと位置合わせされると、雌コネクタ38は、半径方向RD2に半径方向内側にスナップバックし、それによってセクション20Bをセクション20Aに留める。
【0031】
いくつかの実施形態では、リテーナ20は、金属を備える。いくつかの実施形態では、リテーナ20は、ポリマーを備える。いくつかの実施形態では、リテーナ20は、セラミックを備える。
【0032】
コネクタ本体40は、端部42から端部44まで延びる貫通孔41と、半径方向内向面46と、半径方向内向面48と、溝50と、半径方向外向面52と、溝54と、頭部58と、半径方向外向面60とを備える。コネクタ本体40は、流体が充填されるか流体が流れる構成要素に接続されるように構成される。例えば、コネクタ本体40は、雄ねじを備えていてもよい半径方向外向面60を介して冷凍圧縮機または変速機に接続されてもよい。コネクタ本体40は、頭部58を介して(例えば、レンチを使用して)圧縮機のねじ穴にねじ込まれ、その後、冷媒流体で満たされてもよい。いくつかの実施形態では、頭部58は、六角形である。しかしながら、頭部58は、コネクタ本体40にトルクを加えるのに適した任意の幾何学的形状を備えていればよいことを認識されたい。流体コネクタ10、具体的にはコネクタ本体40が取付けられてもよい別の構成要素は、凝縮器、蒸発器、またはポンプである。流体コネクタ10は、流体接続が望まれる他の様々な構成要素、アセンブリ、およびサブアセンブリに使用されてもよいことを認識されたい。半径方向外向面60は、溝56をさらに備えていてもよい。シールまたはOリングが溝56内に配置され、コネクタ本体40とそれが接続される構成要素との間に液密シールを形成する。シール62は、コネクタ本体40内に配置される。具体的には、シール62は、溝50内に配置されチューブ80(すなわち、半径方向外向面84)と係合する。溝50は、半径方向内向面48に配置される。いくつかの実施形態では、シール62は、Oリングである。いくつかの実施形態では、示されるように、半径方向内向面46は、実質的に円筒形の面である。いくつかの実施形態では、半径方向内向面46は、円錐台状の面、または半径方向外側に延びるテーパ近位端44を備える。いくつかの実施形態では、半径方向内向面48は、実質的に円筒形の面である。面47は、面46と面48を接続する。いくつかの実施形態では、面47は、軸方向に向く面である。いくつかの実施形態では、面47は円錐台状の面である。面47は、肩部87と係合可能に、具体的にはチューブ80の軸方向AD1への軸方向変位を防止可能に構成される。半径方向内向面46および面47は、以下により詳細に説明されるように、肩部87が存在するコネクタ本体40内に凹部45を形成すると言われている。溝54は、半径方向外向面52に配置される。溝54は、端部44と頭部58との間で軸方向に配置される。いくつかの実施形態では、溝54は、端部44と頭部58との間で軸方向に配置されており、端部44と頭部58から間隔を置いて配置される。いくつかの実施形態では、溝54は、頭部58のすぐ隣に配置される。溝54は、フランジ30と係合してリテーナ20をコネクタ本体40に接続可能に構成される。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、金属を備える。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、ポリマーを備える。いくつかの実施形態では、コネクタ本体40は、セラミックを備える。
【0033】
流体接続アセンブリ10を組立てるために、チューブ80は、端部82を先にしてコネクタ本体40内に軸方向AD1に挿入される。半径方向外向面84は、シール62と係合し、セクション83は、コネクタ本体40の半径方向内向面48に近接する内側に配置される。肩部87は、コネクタ本体40の軸方向凹部45と係合し、具体的には、肩部87は、半径方向内向面46および面47と係合する。いくつかの実施形態では、肩部87は、半径方向内向面46内に完全に存在する(すなわち、肩部87は、端部44と面47の間に完全に位置する)。いくつかの実施形態では、肩部87は、半径方向内向面46内に部分的にのみ存在する(すなわち、肩部87は、端部44を越えて軸方向AD2に延びる)。次に、リテーナ20は、コネクタ本体40およびチューブ80の両方の上を覆って留められる。具体的には、セクション20Aおよび20Bは、フランジ30が溝54と位置合わせされるように、コネクタ本体40の上を覆って配置される。セクション20Aおよび20Bは、雌コネクタ38が雄コネクタ36に完全に係合し、リテーナ20がロック状態になるまで、互いに向かって(すなわち、半径方向RD2に)半径方向内側に変位する。完全組立ロック状態では、フランジ30は、溝54と係合し、半径方向内向面28は、半径方向外向面52と係合し、フランジ32は、チューブ80の肩部87と係合する。いくつかの実施形態では、フランジ32は、コネクタ本体40の端部44とも係合する。いくつかの実施形態では、フランジ32は、半径方向外向面90と係合する。いくつかの実施形態では、端部22は、頭部58と係合する。チューブ80とコネクタ本体40との係合は、チューブ80の軸方向AD1への軸方向の変位を防止し、リテーナ20のコネクタ本体40およびチューブ80との係合は、コネクタ本体40に対して、軸方向AD2ならびに半径方向RD1およびRD2におけるチューブ80の軸方向の変位を防止する。分解するには、雌コネクタ38は、開口38Aが突起36Bとの係合を解除するまで、雄コネクタ36に対して半径方向RD1に半径方向外側に変位する。次に、セクション20Aおよび20Bが分離されて、フランジ32と肩部87との係合が解除され、その時点でチューブ80をコネクタ本体40から取外すことができる。
【0034】
図6は、完全組立ロック状態にある流体接続アセンブリ110の斜視図である。
図7は、流体接続アセンブリ110の分解斜視図である。流体接続アセンブリ110は、概して、リテーナ120、チューブ180、およびコネクタ本体140を備える。以下の説明は、
図6~
図7と照らし合わせて解釈されたい。
【0035】
チューブ180は、端部182、セクション183、ビードまたは肩部187、セクション189、端部182、および貫通孔194を備える。貫通孔194は、チューブ180を通って端部182から端部192まで延びる。セクション183は、端部182と肩部187との間に配置されており、半径方向外向面184を備える。半径方向外向面184は、実質的に一定の直径を含む。いくつかの実施形態では、半径方向外向面184は、端部182に近接した円錐台状のテーパまたは曲線表面を備える(
図9を参照)。肩部187は、セクション183とセクション189との間に配置されており、面186および面188を備える。いくつかの実施形態では、面186は、軸方向AD1に少なくとも部分的に向くアキシャル面であり、面188は、軸方向AD2に少なくとも部分的に向くアキシャル面である。いくつかの実施形態では、面186は、肩部187の半径方向外向面から軸方向AD1に半径方向内側に延びる円錐台状の面である。例えば、面186は、直線円錐形状であってもよく、軸方向AD2に直径が増加してもよい。いくつかの実施形態では、面186は、直線部分と、円錐形または円錐台状の部分とを備えていてもよい。セクション189は、肩部187と端部192との間に配置されており、半径方向外向面190を備える。半径方向外向面190は、実質的に一定の直径を含む。チューブ180は、具体的には端部182を先にしてコネクタ本体140内に挿入されるように構成されている。チューブ180は、セクション183、または半径方向外向面184がシール162と係合するまで、コネクタ本体140内に挿入される(
図9を参照)。肩部187は、以下にさらに詳細に説明されるように、端部144と係合し、より具体的には、面186が端部144に当接し、および/または係合し、その時点でリテーナ120が組立てられて、チューブ180をコネクタ本体140に留める。チューブ180は、チューブをコネクタ本体内に留めるために、チューブの外側面上で半径方向外側および軸方向に延びるビード、半径方向外側に延びる突出部若しくはフランジ、または傾斜外形を備える任意の従来のチューブまたはチューブ端形成部であってもよいことを認識されたい。いくつかの実施形態では、チューブ180は、金属を備える。いくつかの実施形態では、チューブ180は、ポリマーを備える。いくつかの実施形態では、チューブ180は、セラミックを備える。
【0036】
図8は、ロック解除状態のリテーナ120の斜視図である。
図9は、
図6の線9-9に概ね沿う流体接続アセンブリ110の断面図である。
図10は、
図6の線10-10に概ね沿う流体接続アセンブリ110の断面図である。以下の説明は、
図6~
図10と照らし合わせて解釈されたい。
【0037】
リテーナ120は、概して、セクション120A、セクション120B、端部122、端部124、端部122から端部124まで延びる穴121、半径方向外向面126、および半径方向内向面128を備える。いくつかの実施形態では、セクション120Aは、例えばヒンジ134を介してセクション120Bにヒンジ接続される。いくつかの実施形態では、ヒンジ134は、リビングヒンジである。いくつかの実施形態では、セクション120Aは、セクション120Bに取外し可能に接続される。セクション120Aおよび120Bが接続されるか、リテーナ120がロック状態にあるとき(
図6~
図7)、それらの間に穴121が形成される。しかしながら、ロック解除状態であっても、セクション120Aおよび120Bのそれぞれがそれぞれの穴121を含むと言えることを認識されたい。
【0038】
半径方向内向面128は、端部122から延びており、半径方向外向面152と係合可能に構成される。半径方向内向面128は、そこから半径方向内側に延びるフランジ130を備える。フランジ130は、端部122のすぐ隣に配置されている。フランジ130は、溝154と係合可能に構成されており、半径方向内向面128は、半径方向外向面152と係合してリテーナ120をコネクタ本体140に接続可能に構成されている。半径方向内向面128は、そこから半径方向内側に延びるフランジ132をさらに備える。フランジ132は、端部124のすぐ隣に配置される。フランジ132は、肩部187と係合してチューブ180をコネクタ本体140に接続可能に構成される。
【0039】
図9に最も良く示されているように、フランジ132は、フランジ130から第1の距離だけ間隔を空けて配置されている。溝154は、端部44から第2の距離だけ間隔を空けて配置されている。肩部187は、第3の距離に等しい幅を有する。第1の距離は、第2の距離と第3の距離との合計に実質的に等しい。この設計により、リテーナ120がコネクタ本体140およびチューブ180に接続されると、フランジ132が面188に当接するとともに、面186が面186に当接する(すなわち、リテーナ120が肩部187を端部144にクランプする)ことになる。いくつかの実施形態では、第1の距離は、第2の距離と第3の距離との合計よりも小さい。これにより、肩部187とコネクタ本体140が互いに締め付けられるか、クランプされることになる。いくつかの実施形態では、第1の距離は、肩部187がコネクタ本体140に係合するか、近接するように、第2の距離と第3の距離の合計よりも大きい。さらに、フランジ130は、幅W2を備えており、溝154は、幅Wを備えており、W2は幅W1より小さい。したがって、リテーナ120がチューブ180なしでコネクタ本体140に接続されると、リテーナ120は、コネクタ本体140に対して軸方向AD1および軸方向AD2にスライドまたは変位することができる。チューブ180がリテーナ120によってコネクタ本体140に適切に留められると、リテーナは、コネクタ本体140に対して軸方向AD1および軸方向AD2に変位することができない。この特徴は、流体接続アセンブリ110の接続状態に関する指示器を提供し、以下でより詳細に説明する。
【0040】
フランジ132は、第1の直径を有し、肩部187は、第2の直径を有する。第1の直径は、第2の直径よりも小さく、したがって、肩部187がコネクタ本体140から取外されること、またはチューブ180が軸方向AD2に変位すること、またはコネクタ本体140に対して回転することを防止する。いくつかの実施形態では、半径方向内向面182は、第2の直径に等しい第3の直径を備えており、これにより肩部187がコネクタ本体140に対して半径方向RD1または半径方向RD2に変位することが防止される。
【0041】
セクション120Aは、雄コネクタ136を備えており、セクション120Bは、雌コネクタ138を備える。示されるように、セクション120Aの雄コネクタ136は、セクション120Aおよび120Bが固定的に留められるように、セクション120Bの雌コネクタ138と係合するように構成される。いくつかの実施形態では、雄コネクタ136は、(半径方向外側の方向に)フック形状であり、溝136Aおよび突起136Bを含む。溝136Aは、半径方向外向面126に配置される。突起136Bは、溝136Aから半径方向RD1にほぼ半径方向外側に延びる。いくつかの実施形態では、突起136Bは、突起136Bと雌コネクタ138、具体的には開口138Aとの係合をより容易に行うことを許容可能に構成された半径方向最外端付近のテーパ部分を備える。いくつかの実施形態では、雄コネクタ136は、少なくとも1つの案内壁、例えば案内壁137A~Bをさらに備える。案内壁137Aは、端部122と位置合わせされており、溝136Aから半径方向外側に延びている。案内壁137Bは、端部124と位置合わせされており、溝136Aから半径方向外側に延びている。案内壁137A~Bは、雌コネクタ138の端部122および端部124にそれぞれ係合して組立中に雌コネクタ138を雄コネクタ136に位置合わせするのを支援可能に構成されている。
【0042】
雌コネクタ138は、半径方向外向面126から半径方向内側に延びる開口138Aを備える。開口138Aは、突起136Bと係合してセクション120Bをセクション120Aにロック可能に構成される。雌コネクタ138は、凹部138Bをさらに備える。いくつかの実施形態では、凹部138Bは、半径方向内向面128に配置される(すなわち、半径方向内向面128から半径方向外側に延びる)。セクション120Bがセクション120Aに向かって変位すると、雌コネクタ138は、突起136Bと係合し、半径方向RD1に半径方向外側に変位する。開口138Aが突起136Bと位置合わせされると、雌コネクタ138は、半径方向内側に、半径方向RD2にスナップバックし、それによってセクション120Bをセクション120Aに留める。
【0043】
いくつかの実施形態では、リテーナ120は、金属を備える。いくつかの実施形態では、リテーナ120は、ポリマーを備える。いくつかの実施形態では、リテーナ120は、セラミックを備える。
【0044】
コネクタ本体140は、端部142から端部144まで延びる貫通孔141と、半径方向内向面148と、溝150と、半径方向外向面152と、溝154と、頭部158と、半径方向外向面160とを備える。コネクタ本体140は、流体が充填されるか流体が流れる構成要素に接続されるように構成される。例えば、コネクタ本体140は、雄ねじを備えていてもよい半径方向外向面160を介して冷凍圧縮機または変速機に接続されてもよい。コネクタ本体140は、頭部158を介して(例えば、レンチを使用して)圧縮機のねじ穴にねじ込まれ、その後、冷媒流体で満たされてもよい。いくつかの実施形態では、頭部158は、六角形である。しかしながら、頭部158は、コネクタ本体140にトルクを加えるのに適した任意の幾何学的形状を備えていればよいことを認識されたい。流体コネクタ110、具体的にはコネクタ本体140が取付けられてもよい別の構成要素は、凝縮器、蒸発器、またはポンプである。流体コネクタ110は、流体接続が望まれる他の様々な構成要素、アセンブリ、およびサブアセンブリに使用されてもよいことを認識されたい。半径方向外向面160は、溝156をさらに備えていてもよい。シールまたはOリング164が溝156内に配置され、コネクタ本体140とそれが接続される構成要素との間に液密シールを形成する。シール162は、コネクタ本体140内に配置される。具体的には、シール162は、溝150内に配置されチューブ180(すなわち、半径方向外向面184)と係合する。溝150は、半径方向内向面148に配置される。いくつかの実施形態では、シール162は、Oリングである。いくつかの実施形態では、半径方向内向面148は、実質的に円筒形の面である。端部144は、肩部187と係合し、具体的にはチューブ180の軸方向AD1への軸方向の変位を防止可能に構成されている。
【0045】
溝154は、半径方向外向面152に配置される。溝154は、端部144と頭部158との間で軸方向に配置される。溝154は、半径方向外向面145、面146、および面147を備える。半径方向外向面145は、半径方向外向面152の直径よりも小さい直径を備える。面146は、半径方向外向面145から半径方向外側に延びており、軸方向AD1に向いている。面147は、半径方向外向面145から半径方向外側に延びており、軸方向AD2に向いている。いくつかの実施形態では、面146および/または面147は、半径方向外向面145に対して垂直に配置される。いくつかの実施形態では、溝154は、端部144と頭部158との間に軸方向に配置されており、端部144と頭部158から間隔を空けて配置される。いくつかの実施形態では、示されるように、溝154は、頭部158のすぐ隣に配置される。溝154は、フランジ130と係合してリテーナ120をコネクタ本体140に接続可能に構成される。
【0046】
溝154は、フランジ130の幅W2よりも大きい幅W1を備える。部分的に組立てられたロック状態では、チューブ180が適切に接続されていないか、まったく存在せずに、リテーナ120がコネクタ本体140に接続されると、フランジ130、したがってリテーナ120は、溝154、したがってコネクタ本体140に対して軸方向AD1および軸方向AD2に変位可能である(すなわち、フランジ130は、面146と面147との間で前後にスライドできる)。これは、流体接続アセンブリ110が適切に組立てられていないことを示す。チューブ180が適切に接続された状態でリテーナ120がコネクタ本体140に接続されると、フランジ130、したがってリテーナ120は、溝154、したがってコネクタ本体140に対して軸方向AD1および軸方向AD2に変位することができない(すなわち、フランジ130は、
図9に示されるように、面146に当接する)。
【0047】
いくつかの実施形態では、コネクタ本体140は、金属を備える。いくつかの実施形態では、コネクタ本体140は、ポリマーを備える。いくつかの実施形態では、コネクタ本体140は、セラミックを備える。
【0048】
流体接続アセンブリ110を組立てるために、チューブ180は、端部182を先にしてコネクタ本体140内に軸方向AD1に挿入される。半径方向外向面184は、シール162と係合し、セクション83は、コネクタ本体140の半径方向内向面148に近接する内側に配置される。肩部187は、コネクタ本体140の端部144と係合し、具体的には、面186は、端部144に当接する。いくつかの実施形態では、示されるように、肩部187は、コネクタ本体140の外側に完全に存在する。次に、リテーナ120は、コネクタ本体140およびチューブ180の両方の上を覆って留められる。具体的には、セクション120Aおよび120Bは、フランジ130が少なくとも部分的に溝154と位置合わせされフランジ132が少なくとも部分的に面188と位置合わせされるように、コネクタ本体140の上を覆って配置される。セクション120Aおよび120Bは、雌コネクタ138が雄コネクタ136に完全に係合し、リテーナ120がロック状態になるまで、互いに向かって(すなわち、半径方向RD2に)半径方向内側に変位する。完全組立ロック状態では、フランジ130は、溝154と係合し、半径方向内向面128は、半径方向外向面152と係合し、フランジ132は、チューブ180の肩部187と係合する。いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態では、フランジ130は、面146に当接し、フランジ132は、面188に当接し、面186は、端部144と係合する。いくつかの実施形態では、完全組立ロック状態では、フランジ130は、半径方向外向面145に当接し、したがって、コネクタ本体140に対するリテーナ120の半径方向または円周方向の変位が防止される。いくつかの実施形態では、フランジ132は、半径方向外向面190に係合する。チューブ180とコネクタ本体140との係合は、チューブ180の軸方向AD1への軸方向の変位を防止し、リテーナ120のコネクタ本体140およびチューブ180との係合は、コネクタ本体140に対して、軸方向AD2ならびに半径方向RD1およびRD2におけるチューブ180の軸方向の変位を防止する。分解するには、雌コネクタ138は、開口138Aが突起136Bとの係合を解除するまで、雄コネクタ136に対して半径方向RD1に半径方向外側に変位する。次に、セクション120Aおよび120Bが分離されて、フランジ132と肩部187との係合が解除され、その時点でチューブ180をコネクタ本体140から取外すことができる。
【0049】
上記の開示の様々な態様、ならびに他の特徴および機能、あるいはそれらの代替物は、望ましくは、他の多くの異なるシステムまたは用途に組合わせることができることが認識されよう。その中の様々な現在予期しないまたは予期しない代替、変形、変更、または改善は、当業者によって今後行われることがあり、これらも以下の特許請求の範囲に含まれることも意図される。
【符号の説明】
【0050】
10 流体接続アセンブリ
20 リテーナ
20A セクション
20B セクション
21 穴
22 端部
24 端部
26 半径方向外向面
28 半径方向内向面
30 フランジ
32 フランジ
34 ヒンジ
36 雄コネクタ
36A 溝
36B 突起
38 雌コネクタ
38A 開口
38B 凹部
40 コネクタ本体
41 貫通孔
42 端部
44 端部
45 凹部
46 半径方向内向面
47 面
48 半径方向内向面
50 溝
52 半径方向外向面
54 溝
56 溝
58 頭部
60 半径方向外向面
62 シール
64 シール
80 チューブ
82 端部
83 セクション
84 半径方向外向面
86 面
87 肩部またはビード
88 面
89 セクション
90 半径方向外向面
92 端部
94 貫通孔
110 流体接続アセンブリ
120 リテーナ
120A セクション
120B セクション
121 穴
122 端部
124 端部
126 半径方向外向面
128 半径方向内向面
130 フランジ
132 フランジ
134 ヒンジ
136 雄コネクタ
136A 溝
136B 突起
137A 案内壁
137B 案内壁
138 雌コネクタ
138A 開口
138B 凹部
140 コネクタ本体
141 貫通孔
142 端部
144 端部
145 半径方向外向面
146 アキシャル面
147 アキシャル面
148 半径方向内向面
150 溝
152 半径方向外向面
154 溝
156 溝
158 頭部
160 半径方向外向面
162 シール
164 シール
180 チューブ
182 端部
183 セクション
184 半径方向外向面
186 面
187 肩部またはビード
188 面
189 セクション
190 半径方向外向面
192 端部
194 貫通孔
AD1 軸方向
AD2 軸方向
D1 直径
D2 直径
D3 直径
RD1 半径方向
RD2 半径方向
W1 幅
W2 幅
【国際調査報告】