(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】運搬器案内レールシステムにおける使用のための工具組立体およびシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 35/00 20060101AFI20231107BHJP
B23Q 1/28 20060101ALI20231107BHJP
B23Q 1/58 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
B65G35/00 Z
B23Q1/28 Z
B23Q1/58 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526098
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021079491
(87)【国際公開番号】W WO2022090130
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520011887
【氏名又は名称】エスエイチエル・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・シンドラー
(72)【発明者】
【氏名】ユン-タ・ヤン
【テーマコード(参考)】
3C048
【Fターム(参考)】
3C048BB03
3C048BC02
3C048CC01
3C048DD01
(57)【要約】
運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、2つの運搬器は互いに対して運搬器案内レールに沿って移動可能であり、工具組立体は、基部と、基部に対して移動可能な線形アクチュエータとを備え、基部は、2つの運搬器の一方に取り付けるための第1の連結器を備え、線形アクチュエータは、2つの運搬器の他方に取り付けるための第2の連結器を備え、基部は、第1の連結器に取り付けられる第1の基礎部分を備え、第1の基礎部分は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータの少なくとも一部と2つの連結器との間に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、前記2つの運搬器は互いに対して前記運搬器案内レール(1)に沿って移動可能であり、前記工具組立体は、
基部(4; 4'; 14; 24)と、
前記基部(4; 4'; 14; 24)に対して移動可能な線形アクチュエータ(5; 5')と
を備え、
前記基部(4; 4'; 14; 24)は、前記2つの運搬器の一方に取り付けるための第1の連結器(3a; 3a')を備え、
前記線形アクチュエータ(5; 5')は、前記2つの運搬器の他方に取り付けるための第2の連結器(3b; 3b')を備え、
前記基部(4; 4'; 14; 24)は、前記第1の連結器(3a; 3a')に取り付けられる第1の基礎部分(40; 401'; 140; 240; 340)を備える、工具組立体。
【請求項2】
前記第1の基礎部分(40; 401'; 140; 240; 340)は、前記運搬器案内レール(1)に対して垂直な方向において、前記線形アクチュエータ(5; 5')の少なくとも一部と前記2つの連結器(3a; 3a', 3b; 3b')との間に配置される、請求項1に記載の工具組立体。
【請求項3】
前記第1の基礎部分(40; 401'; 140; 240; 340)は、前記運搬器案内レール(1)に対して垂直な方向において、前記線形アクチュエータの少なくとも一部より前記2つの連結器(3a; 3a', 3b; 3b')の近くに配置される、請求項1または2に記載の工具組立体。
【請求項4】
前記第1の基礎部分(40; 401'; 140; 240; 340)は、作動組立体または工具セットを担持するように構成され、前記線形アクチュエータ(5; 5')の前記少なくとも一部は前記作動組立体または前記工具セットに作用するように構成され、前記2つの運搬器の一方が前記2つの運搬器の他方に対して移動するとき、前記運搬器案内レール(1)に対する前記作動組立体または前記工具セットの少なくとも一部の回転運動および/または並進運動が前記線形アクチュエータ(5; 5')の少なくとも一部によって開始させられるように、前記基部(4; 4'; 14; 24)は前記線形アクチュエータ(5; 5')に対して移動する、請求項1から3のいずれか一項に記載の工具組立体。
【請求項5】
前記線形アクチュエータ(5; 5')は、第1の端(51; 51'; 51")と第2の端(52; 52'; 52")との間で、前記運搬器案内レール(1)と平行な方向に沿って延び、前記線形アクチュエータ(5; 5')の前記第2の端(52; 52'; 52")は、前記2つの運搬器の一方が前記2つの運搬器の他方に対して移動するときに作動組立体または工具セットに作用するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の工具組立体。
【請求項6】
前記第1の連結器および前記第2の連結器の一方が、中心通路と、第1の部分と、第2の部分と、係止基部と、係止制御装置とを備え、前記係止制御装置は係止位置と係止解除位置との間で前記中心通路に対して枢動可能であり、前記係止基部は係止ユニットを備え、前記係止制御装置は、前記係止ユニットを取り囲む係止フレームを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の工具組立体。
【請求項7】
前記基部および前記線形アクチュエータの少なくとも一方は連結部を備え、前記連結部は首部分を備え、前記首部分は、前記係止基部における係止開口に隣接する、請求項6に記載の工具組立体。
【請求項8】
前記係止制御装置が前記係止解除位置にあるとき、前記係止ユニットは前記連結部の前記首部分から離間され、前記係止制御装置が前記係止位置にあるとき、前記係止ユニットは前記首部分と係合させられる、請求項7に記載の工具組立体。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の工具組立体を備えるシステムであって、前記システムは作動組立体を備え、前記作動組立体は、駆動装置(6; 6'; 16; 26; 36)と係合させられる被駆動部材(71; 71'; 171; 271; 37)を備える、システム。
【請求項10】
前記駆動装置(6; 16; 26)は前記線形アクチュエータ(5)の第2の端(52)に取り付けられる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記作動組立体は延在要素(13)を備え、前記延在要素は、第1の端(13a)と第2の端(13b)との間で、前記運搬器案内レール(1)と平行な方向に沿って延在し、前記駆動装置(6'; 36)は、前記延在要素(13)の前記第1の端(13a)と前記第2の端(13b)との間に配置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記作動組立体は延在要素(13)を備え、前記延在要素は、第1の端(13a)と第2の端(13b)との間で、前記運搬器案内レール(1)と平行な方向に沿って延在し、前記延在要素は、前記運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において前記駆動装置(6")に連結される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
延在要素が、前記線形アクチュエータに解除可能に取り付けるように構成される、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項14】
延在要素の第1の端または第2の端の少なくとも一方が第1の横突起と第2の横突起とを備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
アクチュエータ本体は第1の相手横突起を備え、前記第1の相手横突起は、前記運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において、前記第1の横突起と前記第2の横突起との間に位置するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記基部は案内アームを備え、アクチュエータ本体は、前記線形アクチュエータが前記基部に向けて移動するときに前記案内アームに沿って移動するように構成される案内突起を備える、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項17】
請求項1から8のいずれか一項に記載の工具組立体を備える運搬器案内レールシステムであって、
X軸に沿って延在する運搬器案内レールと、
第1の運搬器および第2の運搬器と
を備え、
前記第1の運搬器は、前記運搬器案内レールにおいて、前記X軸に沿って、前記第2の運搬器に対して移動可能であり、
前記第1の連結器は前記第1の運搬器に取り付けられるだけであり、前記第2の連結器は前記第2の運搬器に取り付けられるだけである、運搬器案内レールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して運搬器案内レールシステムにおける使用のための工具組立体およびシステムに関し、特には、運搬器案内レールシステムの少なくとも2つの運搬器を、運搬器案内レールシステムの運搬器案内レールに配置するための工具組立体およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
運搬器案内レールシステムは、例えば製造または組立のために、生産ラインにおいて、特には、製造ロボットなどオートメーション機器を伴う生産ラインにおいて、一般的に使用される。このような運搬器案内レールシステムは、複数の運搬器と、運搬器案内レールとを一般的に備え、複数の運搬器は、移行経路において互いから独立して制御および/または移動させられ得る。複数の運搬器は、先行技術の米国特許第6,876,896号(特許文献1)、米国特許第9,555,720号(特許文献2)、および米国特許第10,196,073号(特許文献3)から知られているものなど、運搬器案内レールに沿って配置され、直線的に運行する。
【0003】
生産ラインにおいて、製造ロボットは運搬器案内レールの近くに配置でき、運搬器は、運搬器案内レールに沿って直線的に運行し、製造ロボットのそれぞれ1つの傍を通過する。運搬器のそれぞれ1つは部品を担持するために使用でき、各々の運搬器は製造ロボットの各々を通過するとき、製造ロボットは、運搬器から部品を取ることができるか、または、他の部品を運搬器に置くことができるか、または、部品を運搬器における部品に取り付けることができる。
【0004】
生産ラインには、工場が通常は相当の数の運搬器を必要とするように、通常は複数の運搬器が配置される。これらの運搬器が、製造/組立のコストが低減され得るように、機械的部品から、または簡単な電子部品を伴って、主に構築することができる。また、運搬器案内レールシステムの設計コストを低減し、設計安定性を増加させるために、運搬器の移動は、概して移行経路に沿って一方向にのみ可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,876,896号明細書
【特許文献2】米国特許第9,555,720号明細書
【特許文献3】米国特許第10,196,073号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
製造した製品が、益々多くの部品を備えるとき、または、より多くのステップ、もしくは、より複雑な動きで組み立てられる必要があるとき、製造ロボットの数および複雑性の要求も高くさせられる。しかしながら、各々の製造ロボットのコストが通常は相当であり、そのため、運搬器に配置させることができる構成を導入することへの要求があり、このような構成は、このような生産ラインがより多くの製造ロボットを持つことなくより多くの複雑な製品を生産するために使用できるように、製造/組立工程を支援するためのいくつかの動きを提供することもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ここで参照されるべきである添付の請求項によって定められる。したがって、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、2つの運搬器は互いに対して運搬器案内レールに沿って移動可能であり、工具組立体は、基部と、基部に対して移動可能な線形アクチュエータとを備え、基部は、2つの運搬器の一方に取り付けるための第1の連結器を備え、線形アクチュエータは、2つの運搬器の他方に取り付けるための第2の連結器を備え、基部は、第1の連結器に取り付けられる第1の基礎部分を備え、第1の基礎部分は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータの少なくとも一部と2つの連結器との間に配置される、工具組立体が提供される。
【0008】
そのため、このような工具組立体は、基部における製造/組立工程を支援するための異なる機器または機械的構成を担持するために使用でき、線形アクチュエータが基部に対して移動可能であるため、2つの運搬器は互いに対して移動するとき、基部に対する線形アクチュエータの移動は、このような機器または機械的構成が製造/組立工程を支援するための動きを出力することができるように、このような機器または機械的構成の動きを開始させるために使用できる。
【0009】
一実施形態によれば、第1の基礎部分は、作動組立体または工具セットを担持するように構成され、線形アクチュエータの少なくとも一部は作動組立体または工具セットに作用するように構成され、2つの運搬器の一方が2つの運搬器の他方に対して移動するとき、運搬器案内レールに対する作動組立体または工具セットの少なくとも一部の回転運動および/または並進運動が線形アクチュエータの少なくとも一部によって開始させられるように、基部は線形アクチュエータに対して移動する。
【0010】
一実施形態によれば、線形アクチュエータは、第1の端と第2の端との間で、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延びる。
【0011】
一実施形態によれば、第1の基礎部分は、運搬器案内レールと平行な方向と、運搬器案内レールに対して垂直な方向とに延在するスロットを備え、線形アクチュエータは、線形アクチュエータの第1の端に取り付けられる支持部を備え、線形アクチュエータの支持部はスロット内で移動可能である。
【0012】
一実施形態によれば、線形アクチュエータの第2の端は、2つの運搬器の一方が2つの運搬器の他方に対して移動するとき、作動組立体または工具セットに作用するように構成される。
【0013】
一実施形態によれば、線形アクチュエータの少なくとも一部が第1の基礎部分に隣接する。
【0014】
一実施形態によれば、線形アクチュエータは基部から離間される。
【0015】
一実施形態によれば、工具組立体は、作動組立体を伴うシステムで使用され得る。
【0016】
一実施形態によれば、作動組立体は延在要素を備え、延在要素は、第1の端と第2の端との間で、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延びる。
【0017】
一実施形態によれば、延在要素は、運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において駆動装置に連結される。
【0018】
一実施形態によれば、延在要素は、第1の端と第2の端との間に配置される駆動装置を備え、作動組立体は、駆動装置と係合させられる被駆動部材を備える。
【0019】
一実施形態によれば、延在要素は線形アクチュエータに解除可能に取り付けられるように構成される。
【0020】
一実施形態によれば、延在要素は、線形アクチュエータが延在要素に取り付けられ、線形アクチュエータが基部に対して移動するとき、線形アクチュエータのアクチュエータ本体によって押されるかまたは引っ張られるように構成される。
【0021】
一実施形態によれば、延在要素の第1の端または第2の端の少なくとも一方が第1の横突起と第2の横突起とを備える。
【0022】
一実施形態によれば、第1の横突起は、第1の横突起の中心軸の周りに回転可能である車輪を備え、第2の横突起は、第1の横突起の中心軸の周りに回転可能である車輪を備える。
【0023】
一実施形態によれば、アクチュエータ本体は第1の相手横突起を備え、第1の相手横突起は、運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において、第1の横突起と第2の横突起との間に位置させられるように構成される。
【0024】
一実施形態によれば、基部は案内アームを備え、アクチュエータ本体は、線形アクチュエータが基部に向けて移動するときに案内アームに沿って移動するように構成される案内突起を備える。
【0025】
一実施形態によれば、第1の相手横突起は、運搬器案内レールによって定められる移行経路と平行な平面と、運搬器案内レールによって定められる移行経路と平行な平面に対して垂直な方向とに対して角度が付けられ、基部の方を向く第1の傾斜面と、運搬器案内レールによって定められる移行経路と、運搬器案内レールによって定められる移行経路と平行な平面に対して垂直な方向とに対して角度が付けられ、線形アクチュエータの方を向く第2の傾斜面との少なくとも一方を備える。
【0026】
一実施形態によれば、線形アクチュエータは、線形アクチュエータの第2の端に取り付けられる駆動装置を備え、作動組立体は、駆動装置と係合させられる被駆動部材を備える。
【0027】
一実施形態によれば、作動組立体は、第1の基礎部分に取り付けられる回転体を備え、回転体は円形の本体を備え、被駆動部材は円形の本体の外面部分に配置され、外面部分は、回転体が周りで回転するように構成される回転軸から離間される。
【0028】
一実施形態によれば、被駆動部材はカムであり、カムは円形の本体の外面部分から径方向に延びる。
【0029】
一実施形態によれば、被駆動部材は、円形の本体の外面部分から突出する突起である。
【0030】
一実施形態によれば、被駆動部材ははめば歯車を備え、駆動装置は、はめば歯車と噛み合わされるラチェット歯のセットを備える。
【0031】
一実施形態によれば、作動組立体は線形アクチュエータ従動子を備え、回転体は変速部材を備え、線形アクチュエータ従動子は相手変速部材を備え、変速部材は相手変速部材と係合させられる。
【0032】
一実施形態によれば、変速部材は複数のラチェット歯であり、はめば歯車は変速部材であり、複数のラチェット歯ははめば歯車と噛み合わされる。
【0033】
一実施形態によれば、回転体は、駆動装置のラチェット歯のセットと、線形アクチュエータ従動子の複数のラチェット歯との間に配置される。
【0034】
一実施形態によれば、線形アクチュエータ従動子は、第1の端と第2の端との間において、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延び、線形アクチュエータ従動子は、運搬器案内レールと平行な方向において第1の基礎部分に移動可能に取り付けられ、複数のラチェット歯は線形アクチュエータ従動子の第2の端に取り付けられる。
【0035】
一実施形態によれば、作動組立体または工具セットは、第1の把持面を伴う第1の把持部と、第1の把持面の方に向けられた第2の把持面を伴う第2の把持部とを備え、第2の把持部は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において基部から突出するように構成され、第1の把持部は、運搬器案内レールと平行な方向に沿って第2の把持面に対して移動可能である。
【0036】
一実施形態によれば、第1の把持部は線形アクチュエータに固定的に取り付けられる。
【0037】
一実施形態によれば、第1の把持部は基部に固定的に取り付けられる。
【0038】
一実施形態によれば、第2の把持部は基部に固定的に取り付けられる。
【0039】
一実施形態によれば、第2の把持部は線形アクチュエータ従動子に取り付けられる。
【0040】
一実施形態によれば、作動組立体は、第1の端と第2の端との間において、運搬器案内レールに対して垂直な方向に沿って延びる昇降部材を備える。
【0041】
一実施形態によれば、昇降部材は被駆動部材である。
【0042】
一実施形態によれば、昇降部材の第2の端が昇降部材の第1の端より線形アクチュエータの第2の端に近い。
【0043】
一実施形態によれば、被駆動部材は昇降部材の第2の端にある。
【0044】
一実施形態によれば、駆動装置および被駆動部材の少なくとも一方は、第1の端と第2の端との間において、運搬器案内レールと平行な方向と、運搬器案内レールに対して垂直な方向とにおいて延びる傾斜面を備え、第2の端は、運搬器案内レールと平行な方向と、運搬器案内レールに対して垂直な方向との両方において、第1の端に対してずれている。
【0045】
一実施形態によれば、駆動装置および被駆動部材の少なくとも一方はカム表面を備える。
【0046】
一実施形態によれば、駆動装置および被駆動部材の少なくとも一方は案内軌道を備え、傾斜面は案内軌道の一部を形成し、被駆動部材は昇降部材の第2の端に取り付けられ、被駆動部材は案内軌道に位置決めされる。
【0047】
一実施形態によれば、基部は第2の基礎部分を備え、第2の基礎部分は第1の基礎部分に取り付けられ、線形アクチュエータは第1の基礎部分と第2の基礎部分との間に配置される。
【0048】
一実施形態によれば、第2の基礎部分は基礎開口を備え、作動組立体の少なくとも一部が第1の基礎部分と第2の基礎部分との間に配置される。
【0049】
一実施形態によれば、回転体の円形の本体は中心シャフトを備え、中心シャフトは、第2の基礎部分の開口を通じて突出する突出端を備え、スピナが円形の本体の突出端に取り付けられる。
【0050】
一実施形態によれば、昇降部材は第1の基礎部分と第2の基礎部分との間に配置され、昇降部材の第1の端は第2の基礎部分の開口を通じて突出し、それによって、昇降部材は、運搬器案内レールと平行な方向において基部に対して不動である。
【0051】
一実施形態によれば、第2の基礎部分はブロックを備え、第1の端はブロックに隣接し、それによって、昇降部材は、運搬器案内レールと平行な方向において基部に対して不動である。
【0052】
一実施形態によれば、第1の連結器は、中心通路と、第1の部分と、第2の部分と、係止基部と、係止制御装置とを備え、係止制御装置は係止位置と係止解除位置との間で中心通路に対して枢動可能であり、係止基部は係止ユニットを備え、係止制御装置は、係止ユニットを取り囲む係止フレームを備える。
【0053】
一実施形態によれば、第2の連結器は、中心通路と、第1の部分と、第2の部分と、係止基部と、係止制御装置とを備え、係止制御装置は係止位置と係止解除位置との間で中心通路に対して枢動可能であり、係止基部は係止ユニットを備え、係止制御装置は、係止ユニットを取り囲む係止フレームを備える。
【0054】
一実施形態によれば、基部および線形アクチュエータの少なくとも一方は連結部を備え、連結部は首部分を備え、首部分は、係止基部における係止開口に隣接する。
【0055】
一実施形態によれば、係止制御装置が係止解除位置にあるとき、係止ユニットは連結部の首部分から離間され、係止制御装置が係止位置にあるとき、係止ユニットは首部分と係合させられる。
【0056】
本発明の他の態様によれば、工具組立体は運搬器案内レールシステムと使用することができる。
【0057】
本発明の他の態様によれば、システムは運搬器案内レールシステムと使用することができる。
【0058】
一実施形態によれば、運搬器案内レールシステムは、X軸に沿って延在する運搬器案内レールと、第1の運搬器および第2の運搬器とを備え、第1の運搬器は、運搬器案内レールにおいて、X軸に沿って、第2の運搬器に対して移動可能であり、第1の連結器は第1の運搬器に取り付けられ、第2の連結器は第2の運搬器に取り付けられる。
【0059】
本発明の他の態様によれば、工具組立体は、第1の連結器を、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器の一方に取り付けるステップと、第2の連結器を、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器の他方に取り付けるステップと、2つの運搬器を互いに対して運搬器案内レールに沿って移動させるステップと、線形アクチュエータの少なくとも一部と、作動組立体または工具セットとの間の接触による、運搬器案内レールに沿っての2つの運搬器の間の移動に応答して、運搬器案内レールに対する作動組立体または工具セットの1つまたは複数の回転運動および/または並進運動を実行するステップとを含む方法によって動作させられ得る。
【0060】
本発明の他の態様によれば、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、2つの運搬器は互いに対して運搬器案内レールに沿って移動可能であり、工具組立体は、2つの運搬器のうちの一方に取り付けられるための線形アクチュエータと、2つの運搬器のうちの他方に取り付けられるための基部とを備え、基部は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータの少なくとも一部と運搬器案内レールとの間に配置され、基部は作動組立体または工具セットを担持するように構成され、線形アクチュエータの少なくとも一部は作動組立体または工具セットに作用するように構成され、第1の運搬器が第2の運搬器に対して移動するとき、線形アクチュエータは基部に対して移動し、作動組立体または工具セットの少なくとも一部のカートリッジ案内レールに対する回転運動および/または並進運動を開始する、工具組立体を提供する。
【0061】
本発明の他の態様によれば、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、2つの運搬器は互いに対して運搬器案内レールに沿って移動可能であり、工具組立体は、基部と、基部に隣接する線形アクチュエータとを備え、基部は、2つの運搬器の一方に取り付けるための第1の連結器を備え、線形アクチュエータは、2つの運搬器の他方に取り付けるための第2の連結器を備え、基部は、線形アクチュエータの少なくとも一部と運搬器案内レールとの間に配置される、工具組立体を提供する。
【0062】
本発明の他の態様によれば、運搬器案内レールを伴う運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、運搬器案内レールはX軸に沿って延在し、2つの運搬器は、運搬器案内レールに対して、および、互いに対して、運搬器案内レールにおいてX軸に沿って移動可能であり、工具組立体はX軸、Y軸、およびZ軸に沿って延在し、Y軸はX軸に対して垂直であり、Z軸は、X軸およびY軸によって定められるXY平面に対して垂直であり、工具組立体は、基部と、第1の連結器と、第2の連結器と、線形アクチュエータとを備え、基部は第1の連結に固定的に取り付けられ、基部は第2の連結器に対してX軸方向において移動可能であり、基部は、第1の表面と第2の表面との間でZ軸方向に延在する第1の基礎部分を備え、線形アクチュエータは第1の端から第2の端へとX軸方向において延在し、線形アクチュエータは、第2の連結器と線形アクチュエータの第1の端との間でZ軸方向において延在する支持部によって、第2の連結器に固定的に取り付けられ、線形アクチュエータはX軸方向において第1の連結器に対して移動可能であり、第1の連結器は、運搬器案内レールシステムの2つ運搬器の一方だけに取り付けられるように構成され、第2の連結器は、運搬器案内レールシステムの2つ運搬器の他方だけに取り付けられるように構成され、第1の連結器は第1の基礎部分の第1の表面に隣接し、線形アクチュエータの第2の端は第1の基礎部分の第2の表面に隣接する、工具組立体を提供する。
【0063】
概して、請求項において使用されているすべての用語は、本明細書において他に明示的に定められていない場合、その技術的分野における通常の意味に従って解釈されるものである。「1つ/その要素、装置、部品、手段など」へのすべての言及は、他に明示的に述べられていない場合、要素、装置、部品、手段などのうちの少なくとも1つの例への言及としてオープンに解釈されるものである。
【0064】
ここで、本発明の概念の実施形態が、例だけを用いて、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1A】生産ラインにおいて少なくとも2つの運搬器と運搬器案内レールとを伴う運搬器案内レールシステムの概略的な斜視図である。
【
図1B】生産ラインにおいて少なくとも2つの運搬器と運搬器案内レールとを伴う運搬器案内レールシステムの概略的な斜視図である。
【
図2】
図1A~
図1Bの運搬器案内レールシステムにおいて使用される第1の運搬器および第2の運搬器の概略的な斜視図である。
【
図3】
図2の第1の運搬器に取り付けられるように構成される第1の連結器、および、
図2の第2の運搬器に取り付けられるように構成される第2の連結器の概略的な斜視図である。
【
図4】
図1に示されているものなど、運搬器案内レールシステムにおいて使用させるための、一実施形態における工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図5】
図3の第2の連結器によって
図2の第2の運搬器に取り付けられている
図4の工具組立体からの線形アクチュエータ、および、
図2の第1の運搬器に取り付けられた
図3の第1の連結器の概略的な斜視図である。
【
図6】基部の第1の基礎部分の第1の層、
図4の工具組立体の線形案内ユニット、
図3の第1の連結器の第2の部品、および
図3の第2の連結器の第2の部品の概略的な斜視図である。
【
図7】
図6の工具組立体のための線形案内ユニットを形成するための線形案内レールおよび線形案内従動子の概略的な斜視図である。
【
図8】
図4の工具組立体の線形アクチュエータ、
図4の工具組立体の第1の基礎部分、および線形案内ユニットの概略的な斜視図である。
【
図9】
図8の線形アクチュエータに取り付けるための駆動装置の一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図10A】
図4の工具組立体の作動組立体の一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図10B】
図4の工具組立体の作動組立体の一実施形態の概略的な斜視図である。
【
図11】
図9の駆動装置を伴う線形アクチュエータによって作動させられる
図10A~
図10Bの例示の作動組立体の概略的な斜視図である。
【
図12A】
図4の工具組立体、
図4の工具組立体の第1の基礎部分、
図4の工具組立体の線形アクチュエータ、および
図10A~
図10Bの作動組立体のための第2の基礎部分の一例の概略的な斜視図である。
【
図12B】工具組立体が第1の連結器および第2の連結器によって第1の運搬器および第2の運搬器に取り付けられている、
図12Aの第2の基礎部分を伴う
図4の工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図13A】
図10A~
図10Bの作動組立体、
図4の工具組立体の線形アクチュエータ、
図4の工具組立体のための第1の基礎部分の層の他の例、
図3の第1の連結器の第2の部品、および、
図3の第2の連結器の第2の部品のための例示の線形アクチュエータ従動子の概略的な斜視図である。
【
図13B】
図10A~
図10Bの作動組立体、
図4の工具組立体の線形アクチュエータ、
図4の工具組立体のための第1の基礎部分の層の他の例、
図3の第1の連結器の第2の部品、および、
図3の第2の連結器の第2の部品のための例示の線形アクチュエータ従動子の概略的な上面図である。
【
図14】他の実施形態における工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図15】他の実施形態における工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図16A】
図14の部分的に分解された工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図16B】
図14の部分的に分解された工具組立体の概略的な上面図である。
【
図17】他の実施形態における工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図18】
図17の工具組立体の概略的な斜視図、および、
図17の第2の基礎部分の概略的な分解図である。
【
図19】
図8の線形アクチュエータに取り付けられる駆動装置の他の実施形態の概略的な斜視図である。
【
図20】
図19の線形アクチュエータ、
図19の駆動装置、基部の例示の第1の基礎部分、および昇降部材の概略的な斜視図である。
【
図21A】昇降部材の一例の概略的な斜視図である。
【
図21B】
図19の駆動装置との昇降部材の相互作用の概略的な斜視図である。
【
図22】この例では、第1の基礎部分および第2の基礎部分が基部を形成している、
図20の第1の基礎部分、
図20の昇降部材、および例示の第2の基礎部分の概略的な斜視図である。
【
図23】工具組立体が、
図3の第1の連結器によって
図2の第1の運搬器に取り付けられ、
図3の第2の連結器によって
図2の第2の運搬器に取り付けられている、
図20~
図22の作動組立体を備える工具組立体の概略的な側面図である。
【
図24】
図8の線形アクチュエータに取り付けられた駆動装置の他の例、および、
図4の工具組立体のための作動組立体の他の例の概略的な側面図である。
【
図25】
図2の第1の運搬器に取り付けられた基部の他の例、および、
図2の第2の運搬器に取り付けられた線形アクチュエータの概略的な斜視図である。
【
図26】
図2の第1の運搬器に取り付けられた基部の他の例、および、
図2の第2の運搬器に取り付けられた線形アクチュエータの概略的な斜視図である。
【
図27】一実施形態における作動組立体を伴う
図25~
図26の工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図28】他の実施形態における作動組立体を伴う
図25~
図26の工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図29】他の実施形態における作動組立体を伴う
図25~
図26の工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図30】他の実施形態における作動組立体を伴う
図25~
図26の工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図32】他の例における第1の連結器および第2の連結器の概略的な斜視図である。
【
図35】第1の連結器および第2の連結器なしでの
図25~
図26の工具組立体の概略的な斜視図である。
【
図36】
図2の第1の運搬器に取り付けられた基部の他の例、および、
図2の第2の運搬器に取り付けられた線形アクチュエータの概略的な斜視図である。
【
図37】
図36の線形アクチュエータと
図36の基部における延在要素との間の連結の概略的な斜視図である。
【
図38】
図37の線形アクチュエータの概略的な斜視図である。
【
図39】
図37の線形アクチュエータの概略的な斜視図である。
【
図41】
図36の基部における
図37の延在要素、および他の例における駆動装置の概略的な斜視図である。
【
図42】
図36の基部における
図37の延在要素、および他の例における駆動装置の概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明の実施形態が、
図1A~
図1Bに示されているように、運搬器案内レール1を伴う運搬器案内レールシステムの(
図2に示されているような)2つの運搬器2a、2bへの取り付けのための工具組立体を提供する。このような運搬器案内レールシステムは、自動機器および/または製造ロボットと一緒に、生産ラインにおいて一般的に使用される。運搬器案内レール1は、運搬器案内レール1に配置される運搬器のための単一の軸の移行経路を定めるように構成される。
【0067】
工具組立体は、基部と、基部に隣接する線形アクチュエータとを備える。基部は、2つの運搬器の一方に取り付けるための第1の連結器3a; 3a'を備え、線形アクチュエータは、2つの運搬器の他方に取り付けるための第2の連結器3b; 3b'を備える。基部4; 4'; 14; 24; 34は、第1の連結器3a; 3a'に取り付けられる第1の基礎部分40; 401'; 140; 240; 340を備え、第1の基礎部分は、運搬器案内レール(すなわち、運搬器のための移行経路)に対して垂直な方向において、線形アクチュエータ5; 5'の少なくとも一部と2つの連結器3a; 3a'、3b; 3b'との間に配置される。すなわち、線形アクチュエータ5; 5'の少なくとも一部、第1の基礎部分40; 401'; 140; 240; 340、および2つの連結器3a; 3a'、3b; 3b'は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、互いに対して軸方向でずれており、第1の基礎部分40; 401'; 140; 240; 340は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータ5; 5'の少なくとも一部より2つの連結器3a; 3a'、3b; 3b'に近い。可能な構成が以下の2つの例によって示されている。
【0068】
第1の例では、第1の基礎部分40; 140; 240; 340が、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータ5の少なくとも一部と2つの連結器3a; 3a'、3b; 3b'との間に直接的に配置されるように、線形アクチュエータ5の少なくとも一部は、
図1~
図24に示されているように第1の基礎部分40; 140; 240; 340に隣接している。
【0069】
第2の例では、線形アクチュエータ5'の少なくとも一部が第1の基礎部分401'に隣接しない。代わりに、線形アクチュエータ5'は、
図25~
図26に示されているように第1の基礎部分から離間される。しかしながら、線形アクチュエータ5'の少なくとも一部、第1の基礎部分401'、および2つの連結器3a'、3b'は、この例でも、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、互いに対して軸方向でずれており、第1の基礎部分401'は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータ5'の少なくとも一部より2つの連結器3a'、3b'に近い。したがって、第1の基礎部分401'は、先の例と同様に、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータ5'の少なくとも一部と2つの連結器3a'、3b'との間に配置される。先の例と同様に、線形アクチュエータ5'が第1の基礎部分401'より連結器から遠くに離れて配置されるため、運搬器案内レールに沿っての基部4'に対する線形アクチュエータ5'の移動は、線形アクチュエータ5'の少なくとも一部を、第1の基礎部分401'に位置させられた工具セットまたは作動組立体に接触させることができる。これに拘わらず、線形アクチュエータは、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、第1の基礎部分401'と並べられる。
【0070】
本発明を詳細にはっきりと説明するために、工具組立体は、X軸、Y軸、およびZ軸に沿って延在するように定められる。
図3に示されているように、X軸は、(
図1Aに示されているような)運搬器案内レール1によって定められる移行経路に沿って延びている軸として定められ、Y軸は、X軸に対して垂直であり、運搬器案内レール1によって定められる移行経路に対して横断する軸として定められる。X軸とY軸とはXY平面を形成する。XY平面は運搬器案内レール1と平行である。Z軸は、運搬器案内レール1によって定められる移行経路に対して垂直となるように、XY平面に対して垂直である軸として定められる。運搬器2a、2bは、運搬器案内レール1において1つだけの次元で移動するように設計される。この記載において開示されているすべての例では、運搬器2a、2bは、運搬器案内レール1においてX軸方向に移動可能なだけである。工具組立体は、運搬器案内レール1においてX軸方向で互いに対して独立して移動可能である2つのこのような運搬器2a、2bに取り付けられるように構成される。
【0071】
上記で言及されたこれらの引用の技術によって開示されているように、単一の軸の移行経路において移動可能なだけである少なくとも2つの運搬器を伴う運搬器案内レールシステムの多くの異なる設計があることは、留意されるべきであり、運搬器が運搬器案内レールシステムにおいて移動するのをどのように制御するか、または、運搬器案内レールの設計、または、運搬器案内レールに配置される運搬器の設計は、本開示の一部を形成していないため、および、異なる様々なこのような機能性が実現できるため、この特徴は本明細書においてさらに詳細には検討されない。
【0072】
本発明を詳細に説明するために、以下の記載は、工具組立体の構成と、工具組立体と2つの運搬器との間の相互作用とを説明するために、運搬器案内レール1における独立して(1つの次元のみにおいて)移動可能な2つの運搬器を例として使用することになる。独立して移動可能な2つの運搬器2a、2bは、第1の運搬器2aおよび第2の運搬器2bとして定めることができる。また、簡潔性のために、すべての図において示され、すべての例において記載されているような工具組立体の以下の例は、運搬器案内レールが工場の地面に配置され、すべての運搬器が運搬器案内レールに配置され、運搬器案内レールが、湾曲もされ得るが、工場の地面と平行な直線において延びるという仮定に基づかれる。
【0073】
すべての実施形態における工具組立体が、運搬器案内レールが工場の天井に取り付けられ、運搬器が、例えば磁石または懸架レールのシステムによって、運搬器案内レールに直線的に移動可能に取り付けられる吊り下げシステムとして構築される運搬器案内レールシステムなど、他の種類の運搬器案内レールシステムの構成に取り付けることもできることは、留意されるべきである。
【0074】
先に言及されているように、第1の連結器3a; 3aは運搬器案内レールシステムの2つの運搬器の一方に取り付けられるためのものであり、以下の例では、第1の連結器3a; 3a'は、第1の運搬器2aに取り付けられるように構成され、第2の運搬器2bには取り付けられず、第2の連結器3b; 3b'は運搬器案内レールシステムの2つの運搬器の他方に取り付けられるためのものであり、以下の例では、第2の連結器3b; 3b'は、第2の運搬器2bに取り付けられるように構成され、第1の運搬器2aには取り付けられない。一例では、
図3に示されているように、第1の連結器3aおよび第2の連結器3bはそれぞれ第1の部品31を備え、第1の連結器3aの第1の部品31と第2の連結器3bの第1の部品31とは同一である。第1の連結器3aの第1の部品31は、例えば1つまたは複数のネジ係止、リベット係止、または磁石によって、第1の運搬器2aに固定されるように構成され、第2の運搬器2bには固定されず、第2の連結器3bの第1の部品31は、例えば1つまたは複数のネジ係止、リベット係止、または磁石によって、第2の運搬器2bに固定されるように構成され、第1の運搬器2aに固定されない。好ましい実施形態では、第1の連結器3aおよび第2の連結器3bの第1の部品31と運搬器2a、2bとの間のこのような固定は、第1の運搬器2aおよび第2の運搬器2bが、製造/組立の要求に依存して、異なる工具組立体に選択的の取り付けることができるように、または、場合により工具組立体なしで使用できるように、解除可能である。
【0075】
第1の連結器3aは第2の部品32aを備え、第2の連結器3bは第2の部品32bを備える。第1の連結器3aは第2の部品32aと第2の連結器3bの第2の部品32bは、工具組立体の2つの異なる付品に固定されるように構成され、後で詳細に説明されることになる。
【0076】
第1の連結器3aの第1の部品31および第2の部品32aは、単一の一体部品とできる、または、例えばネジ、リベット、ピン、もしくはスナップ留め要素によって、直接的もしくは間接的に一体に固定される2つの独立した品物として形成できる。第2の連結器3bの第1の部品31および第2の部品32bは、単一の一体部品とできる、または、例えばネジ、リベット、ピン、もしくはスナップ留め要素によって、直接的もしくは間接的に一体に固定される2つの独立した品物として形成できる。
【0077】
工具組立体は基部と線形アクチュエータとを備え、第1の例が
図4~
図5に示されている。
図4は、一実施形態における基部4を示しており、第1の連結器3aの第1の部品31と第2の連結器3bの第1の部品31とが互いと同一であるため、
図4は、第1の連結器3aの第2の部品32a、および第2の連結器3bの第2の部品32bだけを示している。
【0078】
一方で、他の例において、第1の連結器3a'および第2の連結器3b'は、
図31~
図35において示されているように、枢動係止機構を介して、線形アクチュエータおよび/または基部に固定させることができる。この例では、第1の連結器3a'および第2の連結器3b'は、先に言及されているように、2つの運搬器と連結するために第1の部品31を備え得るが、対応する第2の部品はこの例では同一であり得る。代替で、第1の連結器3a'と第2の連結器3b'とは、互いと同一とでき、ネジ、リベット、または磁石などの任意の適切な連結を通じて2つの運搬器に取り付けられる。この例では、工具組立体を製造および組立するコストおよび複雑性が低減され得る。この例における第1の連結器3a'と第2の連結器3b'とは互いと同一であるため、第1の連結器3a'および/または第2の連結器3b'についての以下の説明は、第1の連結器3a'と第2の連結器3b'との両方に適用されるべきである。
【0079】
図32に示されているような第1の連結器3a'は、基部4; 4'または線形アクチュエータ5'; 5'のいずれかにおいて連結部を受け入れるように構成される中心通路を備える。
【0080】
図33Aに示されているように、第1の連結器3a'(および、この例では第2の連結器3b')は、第1の部分30a'と、第2の部分30b'と、係止基部31'と、任意選択で係止要素32'と、係止制御装置33'とを備える。
【0081】
第1の部分30a'は第2の部分30b'に取り付けられる。第1の部分30a'と第2の部分30b'とはZ軸方向において少なくとも部分的に互いに重なる。第1の部分30a'および第2の部分30b'は、XY平面から見られるとき、概して、長方形、正方形、六角形、八角形、楕円形、円形、三角形、または台形など、任意の適切な形とできる。同様に、X軸およびZ軸によって定められる平面、または、Y軸およびZ軸によって定められる平面のいずれかから見るとき、第1の部分30a'および第2の部分30b'は、概して、長方形、正方形、六角形、八角形、楕円形、または台形など、任意の適切な形とできる。
【0082】
好ましい例において、X軸またはY軸に沿って測定される第1の部分30a'の長さは、Z軸に沿って測定される第1の部分30a'の長さおよび第2の部分30b'の長さより大きい。同様に、X軸またはY軸に沿って測定される第2の部分30b'の長さは、第1の部分30a'が第2の部分30b'に取り付けられるとき、Z軸に沿って測定される第1の部分30a'の長さおよび第2の部分30b'の長さより大きい。さらに、X軸またはY軸に沿って測定される第1の部分30a'の長さおよび第2の部分30b'の長さは、Z軸に沿って測定される第1の部分30a'の長さおよび第2の部分30b'の長さより大きい。
【0083】
第2の部分30b'は、第1の運搬器2aまたは第2の運搬器2bのいずれかと係合するように構成される。第1の部分30a'は、基部または線形アクチュエータのいずれかと係合するように構成される。
【0084】
第2の部分30b'は、第1の運搬器2aまたは第2の運搬器2bのいずれかに固定されるように構成される。第2の部分30b'は、ネジ、リベット、接着剤、または磁石などの任意の適切な固定機構によって、第1の運搬器2aまたは第2の運搬器2bのいずれかに固定させることができる。
【0085】
第1の部分30a'は、基部または線形アクチュエータのいずれかを支持するように構成される。第1の部分30a'が基部または線形アクチュエータのいずれかに確実に固定されることは、必要ではない。例えば、運搬器案内レールシステムが工場の地面において構築される場合、この例では、基部または線形アクチュエータのいずれかが第1の部分30a'に置かれることになり、第1の部分30a'は基部または線形アクチュエータのいずれかに確実に固定される必要がない。
【0086】
好ましい例において、第1の部分30a'は中心開口を備え、第2の部分30b'は中心凹所を備える。中心開口は、第1の部分30a'が第2の部分30b'に取り付けられるとき、Z軸方向において中心凹所と並べられる。他の好ましい例において、第1の部分30a'は第1の凹所を備え、中心開口は第1の凹所内に配置される。第2の部分30b'は第2の凹所を備え、中心凹所は第2の凹所の中に配置される。第1の凹所と第2の凹所とは、第1の部分30a'が第2の部分30b'に取り付けられるとき、Z軸方向において互いを向く。
【0087】
好ましい例では、係止基部31'、係止要素32'、および係止制御装置33'は、第1の連結器3a'自体が組み立てられたとき、第1の部分30a'の第1の凹所および第2の部分30b'の第2の凹所の中に受け入れられるように構成される。
【0088】
好ましい例では、第2の部分30b'の第2の凹所は第1の一部と第2の一部とを備える。第2の部分30b'の第2の凹所の第1の一部は、Z軸方向に沿って測られる第1の長さを備える。第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部は、Z軸方向に沿って測られる第2の長さを備える。第1の長さと第2の長さとの合計は、Z軸方向に沿って測られる第2の部分30b'の長さに等しい。
【0089】
好ましい例では、
図33Bに示されているように、係止基部31'は、係止ユニット310'と、第2の部分30b'へと取り付けるための取り付け基部311a'と、取り付け基部311a'から延びる管状本体311b'と、管状本体311b'における係止開口311c'とを備える。係止ユニット310'は、球形、もしくは円板形、または任意の他の形の要素であり得る。
【0090】
好ましい例では、取り付け基部311a'は、第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部に位置決めされる。取り付け基部311a'は、X軸方向とY軸方向との両方において、例えば接着剤、溶接、磁石、スナップ留め、形態適合、ネジ、またはリベットなど、任意の適切な固定機構によって第2の部分30b'に固定できる。例えば、取り付け基部311a'が第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部に位置決めされるとき、取り付け基部311a'は、長方形、正方形、六角形、八角形、または台形などの任意の適切な形とでき、第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部は、取り付け基部311a'の形と合致させられる対応する形である。取り付け基部311a'が第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部の中に位置決めされるとき、取り付け基部311a'の形は第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部によってぴったりと包囲されることになり、そのため、取り付け基部311a'と第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部とはX軸方向とY軸方向との両方において互いに固定される。
【0091】
好ましい実施形態では、係止基部31'は、より多くの係止開口と、より多くの係止ユニットとを備え得る。この例では、係止開口の数は係止ユニットの数以上となるべきである。
【0092】
管状本体311b'は中心管部分を備える。中心管部分は、第1の部分30a'の中心開口と、第2の部分30b'の中心凹所との両方と並べられるように構成されている。
【0093】
係止要素32'は第1の連結器3a'の任意選択の要素である。係止要素32'は、XY平面から見られるとき、長方形、正方形、六角形、八角形、楕円形、三角形、または台形など、任意の適切な形で形成され得る。同様に、X軸およびZ軸によって定められる平面、または、Y軸およびZ軸によって定められる平面のいずれかから見られるとき、係止要素32'は、概して、長方形、正方形、六角形、八角形、楕円形、または台形など、任意の適切な形とできる。
【0094】
係止要素32'は中心切り抜きを備える。中心切り抜きは、第1の部分30a'の中心開口および第2の部分30b'の中心凹所と並ぶように構成されている。係止基部31'の管状本体311b'は、係止要素32'の中心切り抜きに位置付けられるように構成されている。
【0095】
係止制御装置33'は、XY平面から見るとき、長方形、正方形、六角形、八角形、楕円形、円形、三角形、もしくは台形、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切な形で形成され得る。同様に、X軸およびZ軸によって定められる平面、または、Y軸およびZ軸によって定められる平面のいずれかから見るとき、係止制御装置33'は、概して、長方形、正方形、六角形、八角形、楕円形、または台形など、任意の適切な形とできる。
【0096】
係止制御装置33'は、切り抜きと、任意選択で取っ手部分330'とを備える。好ましい例において、第1の連結器3a'は係止要素32'を備える場合、係止制御装置33'の切り抜きは、(XY平面から観察されるとき)係止要素の形と合致させられる対応する形として形成される。
【0097】
係止制御装置33'の切り抜きは、係止フレーム331'として、切り抜きの周りに内側フレームを定める。係止制御装置33'は、第2の部分30b'の第2の凹所の第1の一部の中に少なくとも部分的に配置される。切り抜きは、第1の部分30a'の中心開口、第2の部分30b'の中心凹所、係止基部31'の管状本体311b'の中心管部分、および係止要素32'の中心切り抜き(第1の連結器3a'が係止要素32'を備える場合)に対して同心である。
【0098】
第1の連結器3a'の中心通路は、基部または線形アクチュエータのいずれかの連結部が、第1の部分30a'、係止基部31'、係止要素32'、および係止制御装置33'を通過することができるように、第1の部分30a'の中心開口、第2の部分30b'の中心凹所、係止基部31'の管状本体311b'の中心管部分、係止要素32'の中心切り抜きを通じて延び、第2の部分30b'の第2の凹所の第2の一部において途切れさせられる。
【0099】
好ましい例では、係止制御装置33'は、中心通路に対して枢動可能であり、第2の部分30b'の第2の凹所の第1の一部の中に配置される。
【0100】
好ましい実施形態において、係止基部31'は、係止制御装置33'の係止フレーム331'の中に少なくとも部分的に同心で配置され、前述のように第2の部分30b'に取り付けられる。
【0101】
他の好ましい実施形態において、
図33Cに示されているように、係止要素32'の中心切り抜きは、中心通路の方へと径方向に向く中心切り抜きの縁によって、内側フレーム320'を定める。係止要素32'の中心切り抜きによって定められる内側フレーム320'は、管状本体311b'を少なくとも部分的に包囲するように構成され、そのため、係止ユニット310'および係止開口311c'を包囲する。
【0102】
係止要素32'も、係止制御装置33'の係止フレーム331'の中に同心で配置される。使用者が係止制御装置33'を取っ手330'で中心通路に対して枢動させることで、係止フレーム331'が係止制御装置33'と一緒に回転させられるとき、係止要素32'が回転させられるように、係止フレーム331'は係止要素32'に隣接する。
【0103】
係止要素32'の中心切り抜きによって定められる内側フレーム320'は解放部分321'と係止部分322'とを備える。各々の解放部分321'から中心通路への間の径方向の距離は、各々の係止部分322'から中心通路への間の径方向の距離より大きい。好ましい実施形態において、解放部分の数と係止部分の数とは、複数の係止ユニット310'の数以上である。
【0104】
複数の係止ユニット310'は係止要素32'の内側フレーム320'に隣接する。
【0105】
係止要素32'は、係止制御装置の係止フレーム331'と係止要素32'の少なくとも部分的な一部分との間で同心に配置される。係止要素32'の内側フレーム320'は、係止ユニット310'および係止開口311c'を取り囲むように成形されている。
【0106】
図34Aは、係止制御装置33'の係止解除位置における係止要素32'を示している。係止解除位置において、係止ユニット310'は、係止要素32'の解放部分321'と係止要素32'の管状本体311b'との間に受け入れられる。
図34Bに示されているように、係止制御装置33'が矢印Tに沿って係止制御装置33'の係止位置へと回転させられるとき、係止要素32'も係止制御装置33'の係止フレーム331'によって回転させられる。係止要素32'の内側フレーム320'の係止部分322'が係止ユニット310'と並ぶように回転させられたとき、係止部分322'から中心通路への間の径方向の距離が、解放部分321'から中心通路への間の径方向の距離より小さいため、係止ユニット310'は、
図34Bに示されているように、係止開口311c'へと押し込まれることになり、そのため係止ユニット310'は中心通路へと突出する。
【0107】
図35に示されているように、基部4; 4'または線形アクチュエータ5; 5'のいずれかにおける連結部は、首部4b'を伴うロッド4a'を備える。ロッド4a'は、係止基部31'の管状本体311b'によって少なくとも部分的に取り囲まれるように、第1の連結器3a'または第2の連結器3b'のいずれかの中心通路の中に少なくとも部分的に受け入れられるように構成されている。首部4b'は、係止要素が
図34Bに示されているように係止位置にあるとき、係止ユニット310'が係止開口311c'から突出し、ロッド4a'の首部4b'と係合するように、係止開口311c'と並べられ、そのため、連結部と、基部または線形アクチュエータのいずれかとは、第1および/または第2の連結器に係止される。
【0108】
係止要素32'が枢動係止機構に必要ではないことは、留意されるべきである。例えば、係止要素32'の内側フレーム320'における係止部分および解放部分は、係止制御装置が係止解除位置から係止位置へと移動するとき、係止制御装置33の回転が係止ユニット310'を係止開口311c'へと移動させることができるように、係止制御装置の係止フレームに配置され得る。
【0109】
基部4; 4'は、X軸方向において第1の連結器3a; 3a'に固定的に取り付けられ、X軸方向において第2の連結器3b; 3b'に対して移動可能である。基部4; 4'は、第1の基礎部分40; 401'と、任意選択で第2の基礎部分43とを備える。第1の基礎部分401'は、
図25に示されているように、単層の長方形の板の形の部品として、または、
図4に示されているように、多層の長方形の板の形の部品として形成され得る。
【0110】
例において、
図4に示されているように、第1の基礎部分40は第1の層40'と第2の層40"とを備える。
【0111】
第1の基礎部分40の第1の層40'の連結面は、第1の層40'が第2の層40"に固定されるように、例えば磁石、ネジ、またはリベットによって、第1の基礎部分40の第2の層40"の相手連結面に固定される。第2の基礎部分43は第1の基礎部分40に固定される。この例では、第1の基礎部分40は、第1の基礎部分40がX軸方向において第1の連結器3aに対して不動となり、そのため基部4が第1の連結器3aに固定的に取り付けられるように、例えば、第1の基礎部分40の第1の層40'の固定部42と、第1の連結器3aの第2の部品32aにおける相手固定部32a'との間のネジ留めまたはリベット連結を介して、X軸方向において第1の連結器3aに固定される。一方、第2の連結器3bがX軸方向において基部4に対して移動することが防止されることがないように、基部4と第2の連結器3bとの間にはX軸方向において固定の連結はない。好ましくは、製造/組立の要求に依存して、第1の連結器3aが再使用可能であり得るように、または、工具組立体のための異なる種類の基礎に選択的に取り付けることができるように、固定部42と相手固定部32a'とは互いに解放可能に固定される。
【0112】
第1の基礎部分は作動組立体または工具セットを担持するように構成され、2つの運搬器の一方が2つの運搬器の他方に対して移動するとき、運搬器案内レールに対する作動組立体または工具セットの少なくとも一部の回転運動および/または並進運動が線形アクチュエータ5; 5'の少なくとも一部によって開始させられるように基部が線形アクチュエータ5; 5'に対して移動するように、線形アクチュエータ5; 5'の少なくとも一部は作動組立体または工具セットに作用するように構成される。
【0113】
工具セットは、市場における生産ラインまたは製造/組立工程のための任意の適切な工具/機器とでき、このような工具セット自体の設計は、本発明の一部を形成していない。本発明は、作動組立体の詳細な設計を含み、後で詳細に説明される。
【0114】
作動組立体もしくは工具セットは第1の基礎部分40; 401'によって担持させることができ、図示されている例では、第1の基礎部分40の第1の層40'もしくは第2の層40"によってとでき、または、第1の基礎部分が単層部品である場合には、作動組立体もしくは工具セットは第1の基礎部分の一表面によって担持させることができ、作動組立体もしくは工具セットは第1の基礎部分と第2の基礎部分との間で受け入れることもできる。
【0115】
好ましい一実施形態では、線形アクチュエータ5; 5'は、
図5および
図25に示されているように、第1の端51; 51'; 51"と第2の端52; 52'; 52"との間でX軸に沿って延びるアクチュエータ本体50; 50'; 50"を備える。アクチュエータ本体50; 50'; 50"は、棒状の形、管状の形、概して矩形、または、異なる多角形の組み合わせなど、任意の適切な形であり得る。
【0116】
他の例では、
図5に示されているように、第1の端51は、Z軸方向において延在する支持部51aを備える。支持部51aは、線形アクチュエータ5の第1の端51の一体部品であり得る、または、線形アクチュエータ5の第1の端51に解放可能に取り付けられ得る。支持部51aは、支持部51aと、第2の連結器3bの第2の部品32bにおける固定部品32b'との間で、例えばネジまたはリベットの連結といった連結を介して、(一例において示されているような)第2の連結器3bに取り付けられるように構成されている。代替で、支持部51aは、前述したように支持部が枢動係止機構によって第2の連結器3b'に固定できるように、ロッド4aおよび首部4bを伴う連結要素を備えてもよい。
【0117】
そのため、支持部51aは、線形アクチュエータ5が支持部51aによって第2の連結器5bに固定されるように、線形アクチュエータ5の第1の端51と第2の連結器3b; 3b'との両方に固定的に取り付けられる。線形アクチュエータ5が第1の連結器3a; 3a'と基部4との両方に対して移動可能となるように、X軸方向において線形アクチュエータ5と第1の連結器3a; 3a'/基部4との間には固定の連結がない。好ましくは、支持部51aと固定部品32b'とは、線形アクチュエータ5と第2の連結器3bとが再使用可能とできるように、互いに解放可能に取り付けられ、工具組立体は、保管および/または輸送の間に工具組立体を分解状態で保つことで、よりコンパクトにすることができる。
【0118】
線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"は、基部4; 4'によって受け入れ/担持される作動組立体または工具セットの少なくとも一部に直接的または間接的に作用するように構成されている。第1の基礎部分40; 401'は、第1の基礎部分40; 401'によって担持される作動組立体または工具機器と一緒にされた第1の基礎部分40; 401'の重心を第1の運搬器2aの近くに保つように、第1の運搬器2aのできるだけ近くに配置され得、そのため工具組立体は第1の運搬器2aにおいてきつく把持させることができる。
【0119】
線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"は、第1の基礎部分40; 401'を線形アクチュエータ5; 5'の少なくとも一部と2つの連結器3a; 3a'、3b; 3b'との間に置くことが工具組立体の設計により大きな設計の柔軟性をもたらし得るように、基部4; 4'によって受け入れ/担持される作動組立体または工具セットと直接的または間接的に相互作用するように構成されている。
【0120】
図5~
図24に示されているように、線形アクチュエータ5の第2の端52は、第1の基礎部分40によって担持される作動組立体または工具セットの一部に隣接して置くことができ、第2の端52は駆動装置(後で詳細に説明される)または延在部に固定させることができ、このような駆動装置または延在部は作動組立体または工具セットの一部に隣接する。延在部は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向のうちの少なくとも1つにおいて、線形アクチュエータの第2の端52から延在し得る。
【0121】
一方で、
図25に示されているように、基部4'によって担持される作動組立体は、作動組立体に隣接する駆動装置6'; 36を伴う延在要素13を備え得る。延在要素13は、第1の端13aと第2の端13bとの間でX軸方向に沿って延在する。第1の端13aおよび第2の端13bの少なくとも一方は、X軸方向において第1の基礎部分401'から突出し、突出する第1の端13aおよび/または第2の端13bは、第2の運搬器2bが第1の運搬器2aに対して移動するとき、線形アクチュエータ5'の第2の端52'; 52"によって移動させられるように構成される。
【0122】
延在要素13は、棒状の形、管状の形、または概して矩形といった、任意の適切な形として形成され得る。例えば、
図25~
図30に示されているように、延在要素13は棒状の形の要素である。好ましくは、延在要素13は、X軸方向において細長い本体を備える。他の好ましい例では、線形アクチュエータ5'が延在要素13に容易に接触して延在要素13を移動させるように、延在要素13の一部がX軸方向において基部4'から突出する。
【0123】
線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"の位置は、基部4; 4'によって受け入れ/担持される作動組立体または工具セットの場所に依存する。
【0124】
図5に示されているような例では、Z軸方向における線形アクチュエータ5の第2の端の位置は、Z軸方向における支持部51aの長さによって調整することができる。好ましい例において、第1の基礎部分は、第1の基礎部分の1つまたは複数の層を通じて延びるスロットを備え、線形アクチュエータ5の支持部51aは、線形アクチュエータ5が第1の基礎部分40に取り付けられるとき、スロットを通じて一部または全体で突出する。
図4~
図5に示されている例では、スロット41は、第1の基礎部分40の第1の層40'と第2の層40"との両方を通じて延び、線形アクチュエータ5の支持部51aは、線形アクチュエータ5の第2の端52、または線形アクチュエータ5の第2の端52に固定される駆動装置/延在部が、基部4によって受け入れ/担持される作動組立体または工具セットの一部に隣接して置かれ得るように、線形アクチュエータ5が第1の基礎部分40に取り付けられるときに第1の基礎部分40の第1の層40'と第2の層40"との両方におけるスロット41を通じて突出する。
【0125】
基部4; 4'は、第1の連結器3a; 3a'に固定されるが第2の連結器3b; 3b'には固定されず、そのため、基部4; 4'は、第1の運搬器2aに固定されるが第2の運搬器2bには固定されず、線形アクチュエータ5; 5'は、第2の連結器3b; 3b'に固定されるが第1の連結器3a; 3a'には固定されず、そのため、線形アクチュエータ5; 5'は、(
図5または
図25に示されているように)第2の運搬器2bに固定されるが第1の運搬器2aには固定されず、第1の運搬器2aと第2の運搬器2bとはX軸方向において互いに対して移動可能であるため、線形アクチュエータ5; 5'は、X軸方向において基部4; 4'に対して(第2の連結器3b; 3b'および第2の運搬器2bと一緒に)移動可能である。
【0126】
スロット41がX軸方向における空間を線形アクチュエータ5の支持部51aに提供するため、線形アクチュエータ5の第2の端52は、基部4と、基部4によって受け入れ/担持される作動組立体または工具セットとに対して、移動させることができる。
【0127】
線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"は、線形アクチュエータ5; 5'がX軸方向において基部4; 4'に対して移動する間、基部4; 4'によって受け入れ/担持される作動組立体もしくは工具セットの一部と(駆動装置maまたは延在部を介して)直接的もしくは間接的に接触するように、および/または、そのような一部を(駆動装置または延在部を介して)直接的もしくは間接的に移動させるように構成される。
【0128】
このような接触または移動は、基部4; 4'によって受け入れ/担持されるこのような工具セットのための起動の動きとして設計されてもよく、例えば、基部4; 4'は、このような起動の動きによってスイッチオンされるように構成される発振器を受け入れることができる、または、このような接触または移動は、基部4; 4'によって受け入れ/担持されるこのような工具セットに固定される部品のための工程の動きとして設計されてもよく、例えば、基部4; 4'は、部品を担持するための棚を担持することができ、線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"は、このような工程の動きがこのような部品に印を押すことができるように、スタンプヘッドを伴うピンに固定されてもよく(この例では、スタンプヘッドは延在部である)、もしくは、他の例では、線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"は、このような工程の動きが検査プローブをこのような部品の十分に近くにさせ、検査を実施することができるように、検査プローブに固定されてもよい(この例では、検査プローブは延在部である)。
【0129】
支持部51aが第1の基礎部分を通じて突出する必要があり、この場合、第1の基礎部分40がスロット41を有する必要がない可能性があることは、留意されるべきである。線形アクチュエータは、線形アクチュエータの第2の端、または、線形アクチュエータの第2の端に固定される駆動装置/延在部と、X軸方向において基部4によって受け入れ/担持される作動組立体または工具セットとの間の距離を調整するために、基部に対してより近くかまたはより遠くに移動させられてもよい。基部に対してより近くに移動することは、X軸方向における線形アクチュエータと基部との間の距離を固定することができ、使用者に「ゼロ」の基準位置を提供することができるため、より使用者にとって優しくすることができ、そのため、使用者は、このような起動/工程の動きを結果的に生じさせ得る第2の運搬器の第1の運搬器に向けての移動の速度または距離を、容易に計算することができる。基部に対してより遠くに移動することは、より良好な設計の柔軟性を提供することができる。
【0130】
他の例では、基部4; 4'は第2の連結器3bと滑動可能に連結することもできる。この例では、基部4; 4'は、前述されているようにX軸方向において第1の連結器3aに移動可能に固定され、第2の連結器3bに(X軸方向において)移動可能に置かれる。このような構成は、第1の連結器3a(第1の運搬器2aと併せて)と第2の連結器3b(第2の運搬器2bと併せて)とがZ軸方向において基部4; 4'を支持することができるように、基部4; 4'が、重い場合、またはX軸方向において比較的長い場合、好ましいとされる。
図4~
図7に示されているような例において、基部4; 4'は、基部4; 4'および第2の連結器3bに取り付けられることなく、第2の連結器3bに置かれるだけであり得る。他の例では、特には、工具組立体が、吊り下げシステムである運搬器案内レールシステムに取り付けられる場合、基部は第2の連結器3bの下に配置されてもよく、この場合、基部は懸架レール連結によって第2の連結器に連結され得る。
【0131】
好ましい例では、相対的な滑り移動の間に作り出される基部4; 4'と第2の連結器3bとの間の摩擦を低減するために、任意選択の線形案内ユニット45が基部4; 4'と第2の連結器3bとの間に配置され得る。
図6~
図7に示されている例では、線形案内ユニット45は線形案内レール45aと線形案内従動子45bとによって形成され得る。
図6に示されている一例では、第2の連結器3bは線形案内レール45aを備え、基部4; 4'は、例えば溝部および隆条部(互いを向く)の連結によって、線形案内従動子45bの中で(X軸に沿って)滑動可能に配置されるように構成される線形案内従動子45bを備える。このような溝部と隆条部との連結は、Z軸方向および/またはY軸方向において互いを向くように設計されてもよい。代替で、第2の連結器が線形案内従動子を備えてもよく、基部が線形案内レールを備えてもよい。
【0132】
同じ線形案内ユニットは、互いに対して滑動可能である2つの他の要素の間に配置させることもでき、そのため、このような2つの要素の間の相対的な滑り移動の間に作り出される摩擦が低減できる。例えば、他の線形案内ユニット45'が、
図8に示されているように、線形アクチュエータ5と第1の基礎部分40との間に配置され得る。線形アクチュエータ5は、例えば線形アクチュエータ5の第1の端51と第2の端52との間の一部分53において、線形案内レールに解放可能に取り付けられ得る。第1の基礎部分40は線形案内従動子に解放可能に取り付けられてもよく、または代替で、線形アクチュエータは線形案内従動子を備えてもよく、第1の基礎部分は線形案内レールを備えてもよい。線形案内従動子は、線形案内レールの中で(X軸に沿って)滑動可能に配置される。
【0133】
本発明は、製造/組立の工程に加わるために1つまたは複数の動きを提供することができ、工具組立体によって提供される動きのすべては、線形アクチュエータ5; 5'をX軸方向において移動させることによる、第1の運搬器2aに対するX軸に沿っての運搬器案内レール1における第2の運搬器2bの線形移動によって開始させることができる。前述されているように、線形アクチュエータ5; 5'は、支持部51aまたは枢動係止機構などによって第2の連結器3b; 3b'に固定され、第1の連結器3a; 3a'には固定されず、そのため、線形アクチュエータ5; 5'は第2の連結器3b; 3b'を介して第2の運搬器2bに固定されるが、第1の運搬器2aには固定されない。基部4; 4'は、第1の連結器3a; 3a'には固定されるが第2の連結器3b; 3b'には固定されず、そのため、基部4; 4'は、第1の運搬器2aには固定されるが第2の運搬器2bには固定されず、第1の運搬器2aと第2の運搬器2bとがX軸方向において互いに対して移動可能であるため、線形アクチュエータ5; 5'はX軸方向において基部4; 4'に対して(第2の連結器3b; 3b'および第2の運搬器2bと一緒に)移動可能である。
【0134】
線形アクチュエータ5; 5'は、基部によって受け入れまたは担持される作動組立体または工具セットと相互作用するように構成されており、線形アクチュエータ5; 5'は、線形アクチュエータ5; 5'と基部との間でのX軸に沿っての相対移動による、基部によって受け入れまたは担持される作動組立体または工具セット/機器の1つまたは複数の動きを、(線形アクチュエータの第2の端によって)制御するようにも構成されている。
【0135】
第1の基礎部分の形が作動組立体または工具セット/機器の大きさおよび/または形に依存して変更され得るように、第1の基礎部分がこのような作動組立体または工具セットの少なくとも一部を受け入れまたは担持するように構成されることは、留意されるべきである。提示されている例では、図に示されているように、第1の基礎部分は、互いに取り付けられる複数の長方形の板によって形成されており、第2の基礎部分は長方形の板である。しかしながら、第1および/または第2の基礎部分は、例えば円形、楕円形、もしくは三角形の板、または立方形で形成されてもよく、このような板または立方体は互いに取り付けることができる。
【0136】
作動組立体の4つの実施形態が以下において概説されており、第1の運搬器2aに対するX軸方向においての運搬器案内レール1における第2の運搬器2bの線形移動、またはより明確には、工具組立体および作動組立体が製造/組立の工程に提供しようとする1つまたは複数の動きを、概して機械的な方法で制御するために、第1の運搬器2aに対するX軸に沿っての線形アクチュエータ5; 5'の線形移動を記載している。これらの4つの実施形態における作動組立体は延在要素13を任意選択で備え得る。
【0137】
第1、第2、および第4の実施形態において、作動組立体は、好ましくは、工具組立体のコストが低減できるように、純粋に機械的な部品および構成で構築される。
【0138】
作動組立体は基部に取り付けられ、例えば、作動組立体は、第1の基礎部分によって担持させることができる、または、第1の基礎部分と第2の基礎部分との間で受け入れることができる。作動組立体は、線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"と直接的または間接的に接触するように構成され、線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"と接触するか、または、(前述したように)線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"に固定される駆動装置もしくは延在部と接触するかのいずれかとなるように構成される。作動組立体は、線形アクチュエータ5; 5'と基部との間でのX軸方向における相対移動(特に、線形アクチュエータ5; 5'の第2の端52; 52'; 52"と作動組立体との間でのX軸方向における相対的な移動)に応答して、1つまたは複数の動き(回転、把持する移動、およびZ軸方向における真っ直ぐな移動のうちの少なくとも1つなど)を製造/組立の工程に出力するように構成される、または、(前述したように)線形アクチュエータ5; 5'によって制御されるように構成される工具セットと連結され得る。
【0139】
作動組立体の第1、第2、および第4の実施形態において、線形アクチュエータ5は駆動装置6; 16; 26を備え、代替で、線形アクチュエータ5'は駆動装置を備えず、代わりに、基部4'に取り付けられる作動組立体が延在要素13を備え、延在要素13は駆動装置6'; 36を備える。作動組立体は被駆動部材を備え、被駆動部材は、駆動装置が線形アクチュエータ5; 5'と一緒にX軸方向に移動させられる場合に、被駆動部材が駆動装置によって移動させられるように、駆動装置と係合させられる。
【0140】
作動組立体の第1の実施形態では、線形アクチュエータの第2の端が作動組立体に隣接している。駆動装置6は、線形アクチュエータ5の第2の端52の一体部品であり得る、または、線形アクチュエータ5の第2の端52に固定的に取り付けられ得る。駆動装置は、好ましくは、線形アクチュエータ5の第2の端52に解放可能に取り付けられる。好ましい例では、駆動装置6は、
図9に示されているように、Y軸方向を向くラチェット歯61のセットを伴う駆動装置本体60を備える。
【0141】
他方で、作動組立体の第1の実施形態では、作動組立体は延在要素13を備え得る。この例における線形アクチュエータ5'は、延在要素13と接触することで、作動組立体と相互作用するように構成される。駆動装置6'は、延在要素13の一体部品とできる、または、延在要素13に固定的に取り付けることができる。駆動装置は、好ましくは延在要素13に解放可能に取り付けられる。好ましい例では、駆動装置6'は、
図27に示されているように、Y軸方向を向くラチェット歯61'のセットを伴う駆動装置本体60'を備える。
【0142】
作動組立体の第1の実施形態において、
図10A~
図10Bおよび
図27に示されているように、作動組立体は回転体7; 7'である。
図10A~
図10Bに示されているような例に開示されている作動組立体は、
図27に開示されている例と同様であり、そのため、
図10A~
図10Bに示されているような例についての以下の説明のほとんどが、
図27に示されている例に適用可能である。
【0143】
回転体7は円形の本体70と中心シャフト72とを備える。中心シャフト72は、Z軸方向に沿って延び、突出端を備える。突出端は、Z軸方向において第1の基礎部分40から離れるように延びる、または、
図11に示されているように、Z軸方向において第1の基礎部分40の第2の層40"から離れるように延びる。
図12Aに示されているような一例において、突出端は、Z軸方向において、第1の基礎部分40から離れて第2の基礎部分43に向けて延在し、作動組立体が基部4に取り付けられるとき、突出端は第2の基礎部分43の基礎開口44を通じて突出する。
【0144】
基礎開口44は、
図12Aにおける提示された例では、貫通孔として第2の基礎部分に配置され、基礎開口44は円形の貫通孔であるが、基礎開口は、楕円形、長方形、または正方形など、他の形で形成されてもよい。第2の基礎部分は、XY平面と平行な概して平坦な表面を備えてもよく、基礎開口はこのような平坦な表面に配置させることができる、または、基礎部分はXY平面と平行な概して平坦な表面を備えてもよく、平坦な表面は、Z軸方向において窪む凹所部分を備える。基礎開口はこのような凹所部分の中に配置され得る。
図12A~
図12Bに示されているような一例として、回転体7が、Z軸方向において第1の基礎部分40と第2の基礎部分43との間で、基部4に取り付けられるとき、突出端は、Z軸方向において基礎開口44を通じて突出することになり、そのため、第2の基礎部分43から突出する。
【0145】
回転体7は、
図12A~
図12Bに示されているように、中心シャフト72の突出端に織りつけられるスピナ73を任意選択で備える。第2の基礎部分43の凹所部分はスピナ73を受け入れるように構成されている。好ましい例において、回転体7はZ軸の周りで回転可能である。好ましい例において、
図12A~
図12Bに示されているように、線形アクチュエータ5および作動組立体は、第2の基礎部分43が覆う機能を提供することができることで、埃、部品、または部品の断片が線形アクチュエータ5および/または作動組立体に進入または妨害し、それによって工具組立体を誤動作させるのを防止することができるように、Z軸方向において第1の基礎部分40と第2の基礎部分43との間に位置決めされる。
【0146】
この実施形態では、作動組立体の被駆動部材71; 71'が円形の本体70の外面部分に配置され、外面部分は、回転体7が周りで回転するように構成されている回転軸からの周辺であり、そのため、被駆動部材71; 71'が(後で詳細に説明されているように)回転させられるとき、回転体7; 7'(円形の本体70、中心シャフト72、およびスピナ73)も回転させられる。
【0147】
好ましくは、被駆動部材は、回転体7; 7'として回転軸の周りで回転するはめば歯車71; 71'である。
図10A~
図10Bおよび
図27に示されているような例では、回転体7; 7'およびはめば歯車71; 71'はZ軸の周りで回転するように構成されている。
【0148】
回転体7; 7'は、例えば、第1の基礎部分40; 401'に、または、X軸方向において回転体7; 7'の円形の本体70を直線的に規制する第1の基礎部分40; 401'の一部の形に回転で固定される中心シャフト72などによって、第1の基礎部分40; 401'に取り付けられる。例えば、回転体7; 7'が中心シャフト72によって第1の基礎部分40; 401'に固定される場合、第1の基礎部分40; 401'は固定部材を備え得る。固定部材は、中心シャフト72が、X軸方向における線形移動なしで、または、若干の線形移動だけを伴って(公差/摩擦のため)、第1の基礎部分40に対して回転することができるように、中心シャフト72を概して取り囲む。
【0149】
他の例では、回転体7; 7'は、第1の基礎部分40; 401'の一部の形によって第1の基礎部分40; 401'に固定され、第1の基礎部分40; 401'は、回転体7; 7'の円形の本体70を部分的に包囲するために、または、より明確には、
図11における提示された例では、はめば歯車71; 71'と回転体7; 7'とが、滑動可能に固定され、第1の基礎部分40; 401'に対して回転可能となるように、はめば歯車71; 71'を部分的に包囲するために、Y軸に向けて湾曲する湾曲凹所(例えば、一部分が除去されている円のような形の凹所)を備え得る。
【0150】
この例では、線形アクチュエータ5; 5'は、駆動装置6を介して作動組立体に作用する。線形アクチュエータ5; 5'は、第1の基礎部分40および線形アクチュエータ5の第2の端52に対して滑動可能であり、延在要素13ははめば歯車71; 71'に隣接し、駆動装置6; 6'におけるラチェット歯61; 61'のセットははめば歯車71; 71'と噛み合わされる。
図11および
図27に示されているように、例えば、第2の運搬器2bが、矢印X1によって示されているような方向において、X軸に沿って第1の運搬器2aに対して滑るとき、第2の連結器3b; 3b'および線形アクチュエータ5; 5'もX1方向において基部4; 4'に対してX軸に沿って滑る。ラチェット歯61; 61'のセットとはめば歯車71; 71'との間の噛み合いのため、X1方向における線形アクチュエータ5; 5'の線形移動は、はめば歯車71; 71'と、延いては回転体7; 7'とを、(矢印Rで示されているように)時計回り方向に回転させる。そのため、この場合、作動組立体は、基部4; 4'に対する線形アクチュエータ5; 5'の線形移動に応じて、(回転体7; 7'および/またはスピナ73によって)回転運動を発生させる。
【0151】
一方で、駆動装置6'が延在要素13に固定される場合、線形アクチュエータ5'は、
図26~
図27に示されているように、延在要素13を介して作動組立体に作用し、線形アクチュエータ5'が第1の基礎部分401'に対して滑動可能であり、延在要素13がはめば歯車71'に隣接するとき、駆動装置6'におけるラチェット歯61'のセットははめば歯車71'と噛み合わされる。
図27に示されているように、例えば、第2の運搬器2bが、矢印X1によって示されているような方向において、X軸に沿って第1の運搬器2aに対して滑るとき、第2の連結器3b'および線形アクチュエータ5'もX1方向において基部4'に対してX軸に沿って滑る。ラチェット歯61'のセットとはめば歯車71'との間の噛み合いのため、X1方向における線形アクチュエータ5'の線形移動は、はめば歯車71'と、延いては回転体7'とを、(矢印Rで示されているように)時計回り方向に回転させる。そのため、この場合、作動組立体は、基部4'に対する線形アクチュエータ5'の線形移動に応じて、(回転体7'および/またはスピナ73によって)回転運動を発生させる。
【0152】
はめば歯車の回転角度は、第1の運搬器に向けてのX軸に沿っての第2の運搬器の線形移動距離によって決定でき、また、スピナは、回転体の回転角度がスピナと異なり得るように、例えば偏心歯車といった回転比を条件付ける構成で、中心シャフトに連結してもよい。
【0153】
代替で、回転体は、円形の本体の外面部分から径方向に突出するカムを被駆動部材として備えてもよく、外面部分は、回転体が周りで回転するように構成される回転軸からの周辺である、または、他の代替では、回転体は、円形の本体の外面部分からZ軸に沿って突出する突起を(被駆動部材として)備えてもよいことは、留意されるべきである。この場合、円形の本体の外面部分は、径方向に延在する出っ張りまたは輪形の部分を備えてもよく、突起はこのような出っ張りまたは輪形の部分に配置される。駆動装置は、Y軸の方向において延在する突起を備えてもよく、突起は回転体のカムまたは突起と係合する。この例では、回転体は、第2の運搬器2bが第1の運搬器2aに対して滑動している間に特定の角度の回転を出力するだけとできる。角度は、回転体に対するカムまたは突起の場所によって決定され得る。
【0154】
スピナ73は、中心シャフト72とスピナ73との間の連結のため、回転体と一緒に回転するように構成されている。スピナ73は、出力回転が製造/組立の部品または製造/組立の機械へと伝達され得るように、製造/組立の部品、または、製造ロボットなどの他の製造/組立の機械と相互作用するように構成されている。スピナ73は、製造/組立の要求に依存する形を備え得る。
【0155】
例えば、
図12Bに示されているように、スピナ73は、製造/組立の部品が板に置かれ得るように板の形とできる、または、スピナは、製造/組立の部品へと少なくとも部分的に突出するように構成されるシャフトとできる。また、スピナ73は、製造/組立の部品/工具/機器が作動組立体への影響なしで第2の基礎部分43における空間の残りに置かれ得るように、第2の基礎部分43において位置決めされる唯一の作動組立体であり得る。
【0156】
作動組立体の第2の実施形態において、作動組立体は、
図13A~
図13Bおよび
図28に示されているように、線形アクチュエータ従動子8; 8'を備える。この実施形態では、第1および第2の連結器3a; 3a'、3b; 3b'と、基部14; 4'と、線形アクチュエータ5; 5'と、駆動装置6; 6'と、回転体7; 7'と、それらの連結とは、作動組立体の第1の実施形態に記載されたものと同様である。
【0157】
線形アクチュエータ従動子8; 8'は、回転体が線形アクチュエータ5; 5'によって回転させられる間、回転体によって移動させられるように構成されている。回転体7; 7'は変速部材を備え、変速部材は、線形アクチュエータ従動子における相手変速部材と係合するように構成されている。
図13A~
図13Bに示されているような例に開示されている作動組立体は、
図28に開示されている例と同様であり、そのため、
図13A~
図13Bに示されているような例についての以下の説明のほとんどが、
図28に示されている例に適用可能である。
【0158】
例えば、
図13Aに示されているように、線形アクチュエータ従動子8は、第1の端81と第2の端82との間でX軸に沿って延在する。線形アクチュエータ従動子8は、第1の基礎部分140(
図14に示されている)に対して、X軸方向において移動可能である。好ましくは、線形アクチュエータ従動子8と第1の基礎部分140との間の摩擦を低減するために、他の線形案内ユニット45"が線形アクチュエータ従動子8と第1の基礎部分140との間に配置され得る。線形案内ユニット45"は、作動組立体の第1の実施形態に言及されているのと同様である。
図13Aに示されているような例では、第1の基礎部分140の一部140'が線形案内レールを備え、線形アクチュエータ従動子8の第1の端81は、線形案内従動子において滑動可能である線形アクチュエータ従動子を備える。代替で、第1の基礎部分140の一部140'は線形案内従動子を備えてもよく、線形アクチュエータ従動子8の第1の端81は線形案内レールを備えてもよい。
【0159】
好ましい例では、第1の基礎部分140は、上記の実施形態に記載されているようなスロットを備える。線形アクチュエータ5の支持部51aは、第1の基礎部分のスロットを通じて突出するように構成されている。
【0160】
同じ例において、線形アクチュエータ従動子8; 8'の第2の端82は、複数のラチェット歯82a; 82a'を相手変速部材として備える。線形アクチュエータ従動子8; 8'の第2の端82は第1の基礎部分140に隣接する。
【0161】
回転体7は、作動組立体の第1の実施形態における一例で言及されているように、はめば歯車71を備え得る。この例では、はめば歯車71は、作動組立体の被駆動部材であり、回転体7の変速部材である。複数のラチェット歯82aははめば歯車71と噛み合わされる。好ましい例では、はめば歯車71は、線形アクチュエータ5の第2の端52における駆動装置6; 6'のラチェット歯61; 61'のセットと、線形アクチュエータ従動子8; 8'の第2の端82の複数のラチェット歯82a; 82a'との間に位置決めされる。
【0162】
この実施形態における基部14は、前述のように、X軸方向において第1の連結器3aに固定的に取り付けられ、X軸方向において第2の連結器3bに対して移動可能である。そのため、線形アクチュエータ5; 5'は、前述のように、第2の運搬器2bが第1の運搬器2aに対して移動するとき、X軸方向において基部14に対して移動することができる。
図13Bに示されているように、はめば歯車71は、ラチェット歯61のセットと複数のラチェット歯82aとの両方と噛み合わされる。線形アクチュエータ5; 5'が基部14(または、第1の基礎部分140の一部140'だけが
図13Bにおいて見られる)に対してX1方向においてX軸に沿って移動するとき、このような線形の移動は、はめば歯車71を、矢印Rによって示されているような時計回り方向に回転させることになる。そのため、はめば歯車71の回転は、図示されている例では、線形アクチュエータ従動子8; 8'を、第1の基礎部分140の一部140'に対して、X2方向においてX軸に沿って直線的に移動させることになる。
【0163】
線形アクチュエータ従動子が、製造/組立の工程の要求に依存して、異なる形であり得る、かつ/または、異なる方向への移動を含むことは、留意されるべきである。例えば、
図13A~
図13Bおよび
図28に示されている例における線形アクチュエータ従動子8; 8'は、X軸方向において線形に移動するように構成され、そのため、工具組立体は、線形アクチュエータ5; 5'が運搬器案内レールに沿って基部に対して移動するとき、製造/組立工程において使用される1つの回転運動と併せて、反対方向でのX軸に沿っての2つの並進運動を(作動組立体によって)出力することができる。また、線形アクチュエータ従動子は、線形アクチュエータとはめば歯車との間に接触点を配置し、90度ずらして線形アクチュエータ従動子とはめば歯車との間に接触点を配置することで、Y軸方向において直線的に移動するように構成され得る。代替で、線形アクチュエータ従動子は、回転体7のはめば歯車71と噛み合わされる他のはめば歯車として設計され得る。この代替の例では、線形アクチュエータ従動子は、線形アクチュエータ5; 5'がX1方向に直線的に移動するとき、回転体7のはめば歯車71に対して反対方向で回転することになる。この例では、工具組立体は、線形アクチュエータ5が運搬器案内レールに沿って基部に対して移動するとき、製造/組立工程において使用される1つの並進運動と伴せて、一方が時計回りで他方が反時計回りの2つの回転運動を(作動組立体によって)出力することができる。
【0164】
また、前述のように、作動組立体の被駆動部材としてはめば歯車を使用する代わりに、回転体の円形の本体の外面部分に配置されたカムまたは突起も被駆動部材とできる。これらの場合、線形アクチュエータ従動子を複数のラチェット歯で移動させるために(
図13A~
図13Bおよび
図28に示されているように、または、線形アクチュエータ従動子がはめば歯車を備える場合)、回転体は、回転体の円形の本体の外面部分の2分の1においてカムまたは突起を備え、回転体の円形の本体の外面部分の他の2分の1において一連のラチェット歯を備え得る。
【0165】
線形アクチュエータ従動子8'は、
図28に示されているように、バネ83も備え得る。図示されている例では、延在要素13がX1方向において線形アクチュエータ5'によって移動させられるとき、線形アクチュエータ従動子8'はX2方向に移動する(変速部材と相手変速部材との間の係合のため)。線形アクチュエータ5'が延在要素13の一端ともはや接触していないとき、バネ83は線形アクチュエータ従動子8'をX1方向に押し、変速部材と相手変速部材との間の係合のため、延在要素13はX2方向に移動させられる。
【0166】
他の例では、回転体は、Z軸方向に沿って延在する管状の形の本体を備え得る。この例では、被駆動部材と変速部材とは両方とも回転体の管状の本体の周辺に配置でき、管状の本体の周辺は、回転体の回転軸から周辺にあり、Z軸に沿って互いに対してずれており、そのため、線形アクチュエータ従動子は、Z軸に沿って線形アクチュエータ5に対してずれることができる、または、例えば、線形アクチュエータ5; 5'がX1方向に移動するときにY軸に沿って直線的に移動させられるなど、異なる次元において移動させることができる。
【0167】
他の例では、変速部材および相手変速部材は案内軌道およびピンとでき、例えば、回転体は、その円形の本体の外面部分においてピンを備えてもよく、ピンはZ軸に沿って延び得る。線形アクチュエータ従動子は、ピンを受け入れるように構成される案内軌道を備え得る。この例では、X1方向における線形アクチュエータの線形移動は、例えば、線形アクチュエータ従動子を、X軸およびY軸の方向に移動させることができる、または、案内軌道の設計に依存する湾曲した経路で移動させることができる。
【0168】
作動組立体の第3の実施形態において、
図14~
図15に示されているように、工具組立体は第1の把持部9aと第2の把持部9bとを備える。この実施形態では、基部14は、前述のように、第1の連結器3aに固定的に取り付けられ、X軸方向において第2の連結器3bに対して移動可能である。一例において、第1の把持部9aおよび第2の把持部9bの少なくとも一方は、Z軸方向において基部14から突出するように構成され、第1の把持部9aおよび第2の把持部9bの他方は、X軸に沿って基部14に対して移動可能である。第1の把持部9aは第1の把持面91aを備え、第2の把持部9bは第2の把持面91bを備える。第1の把持面91aと第2の把持面91bとはX軸方向において互いを向いている。第1の把持部9aは第1の把持本体90aを備え、第2の把持部9bは第2の把持本体90bを備える。
【0169】
一例において、
図14に示されているように、第1の把持本体90aは第1の部分と第2の部分とを備える。第1の把持本体90aの第1の部分は、第1の端と第2の端との間でZ軸に沿って延在する。第1の把持本体90aの第2の部分は、第1の端と第2の端との間でX軸に沿って延在する。第1の把持本体90aの第1の部分の第2の端は、第1の把持本体90aの第2の部分の第1の端に連結されている。第1の把持面91aは、第1の把持本体90aの第2の部分の第2の端に固定される。好ましい例において、第1の把持本体90aの第1の部分の第1の端は、X軸方向において線形アクチュエータ5(図示されていない)の第2の端52に直接的または間接的に固定される。第2の把持本体90bは第1の部分と第2の部分とを備える。第2の把持本体90bの第1の部分は、第1の端と第2の端との間でZ軸に沿って延在する。第2の把持本体90bの第2の部分は、第1の端と第2の端との間でX軸に沿って延在する。第2の把持本体90bの第1の部分の第2の端は、第2の把持本体90bの第2の部分の第1の端に連結されている。第2の把持面91bは、第2の把持本体90bの第2の部分の第2の端に固定される。一例では、第2の把持本体90bの第1の部分の第1の端は、第2の把持部9bが基部14に固定的に取り付けられるように、基部14に直接的または間接的に固定される。
【0170】
この例では、工具組立体は作動組立体と配置される必要がなく、第1の把持部9aが線形アクチュエータ5に取り付けられ、第2の把持部9bが基部に取り付けられるため、線形アクチュエータ5が、第2の連結器3bを介して第2の運搬器2bと一緒に、X軸方向において第2の把持部9bに向けて移動させられるとき、部品が第1の把持面91aと第2の把持面91bとの間で把持され得るように、第1の把持面91aも第2の把持面91bに向けて直線的に移動することになる。この例では、工具組立体は線形アクチュエータ5において駆動装置を備える必要がなく、作動組立体は、駆動装置と合致させられる被駆動部材を備える必要がない。
【0171】
代替で、第1の把持部本体は、第1の端と第2の端との間で、Z軸に沿って延在するロッド、または、Z軸とX軸との両方に沿って傾斜するロッドとして形成でき、第2の把持部本体は、第1の端と第2の端との間で、Z軸に沿って延在するロッド、または、Z軸とX軸との両方に沿って傾斜するロッドとして形成できる。第1の把持部の第1の端は線形アクチュエータに取り付けられ、第2の把持部の第1の端は基部に取り付けられる。第1の把持面は第1の把持本体の第2の端に配置され、第2の把持面は第2の把持本体の第2の端に配置される。
【0172】
この実施形態における基部14は第1の基礎部分140と第2の基礎部分143とを備える。第1の基礎部分140は、作動組立体の第1および第2の実施形態で使用された第1の基礎部分40と同様である。線形アクチュエータ5は、第1および第2の実施形態において言及されたように、第1の基礎部分140に対してX軸に沿って移動可能である。好ましい例では、線形アクチュエータ5および作動組立体は、第2の基礎部分143が前述したような覆う機能を提供することができるように、Z軸方向において第1の基礎部分140と第2の基礎部分143との間に位置決めされる。
【0173】
さらに、
図15に示されているように、工具組立体は、第1および第2の把持部9a、9bを覆うためのカバーセット92a、92bを任意選択で備える。一例において、カバーセットは第1のカバー92aと第2のカバー92bとを備える。第1のカバー92aは第1の把持部9aを覆うように構成されており、第2のカバー92bは第2の把持部9bを覆うように構成されている。
図15に示されているような例では、第1のカバー92aは第1の把持本体90aの第2の部分を覆うことができ、第2のカバーは第2の把持本体90bの第2の部分を覆うことができる。第1のカバー92aは第1のカバー開口を備えることができ、第2のカバー92bは、
図15に示されているような第2の開口92b'など、第2のカバー開口を備えることができる。第1の把持面91aおよび第2の把持面91bは、それぞれ第1のカバー開口および第2のカバー開口を通じて、第1のカバー92aおよび第2のカバー92bから外へ延びることができる。
【0174】
他の例において、第1の把持部9aおよび第2の把持部9bは、X軸方向において基部14に対して両方とも移動するように構成され得る。例えば、工具組立体は、作動組立体で配置させることができ、好ましくは、線形アクチュエータ従動子で配置させることができ、この場合、第1の把持本体90aの第1の部分の第1の端は、線形アクチュエータ5の第2の端52に直接的または間接的に固定させることができ、第2の把持本体90bの第1の部分の第1の端は、
図16A~
図16Bに示されているように、線形アクチュエータ従動子8の第2の端82に直接的または間接的に固定させることができる(線形アクチュエータ従動子8は、上記の作動組立体の第2の実施形態において詳細に記載されている)。線形アクチュエータ従動子8の並進運動は、第2の把持部9bを第1の把持部9aに向けて移動させる。
【0175】
一例において、工具組立体は第1の連結要素93aを備え、例示の第1の連結要素93aは第1の端と第2の端との間でX軸に沿って延在し、第1の連結要素93aの第1の端は線形アクチュエータ5の第2の端52に取り付けられ、第1の連結要素93aの第2の端は第1の把持本体90aの第1の部分の第1の端に取り付けられる。同様に、例示の第2の連結要素93bが、第1の端と第2の端との間でX軸に沿って延在し、第2の連結要素93bの第1の端は、線形アクチュエータ従動子8の第2の端82に取り付けられ、第2の連結要素93bの第2の端は、
図16Aに示されているように、第2の把持本体90bの第1の部分の第1の端に取り付けられる。
【0176】
代替で、第1の連結要素が、線形アクチュエータと一体にされ得る、または、例えば線形アクチュエータの第2の端で、線形アクチュエータに解放可能に取り付けられ得ることは、留意されるべきである。第2の連結要素は、線形アクチュエータ従動子と一体にされ得る、または、例えば線形アクチュエータ従動子の第2の端など、線形アクチュエータに解放可能に取り付けられ得る。また、第1の把持本体は、線形アクチュエータと一体にされ得る、または、例えば線形アクチュエータの第2の端で、線形アクチュエータに解放可能に取り付けられ得る。第2の把持本体は、線形アクチュエータ従動子と一体にされ得る、または、例えば線形アクチュエータ従動子の第2の端など、線形アクチュエータに解放可能に取り付けられ得る。
【0177】
図16A~
図16Bに示されているような例では、作動組立体の第2の実施形態において前述されているように、作動組立体は、回転体7などの被駆動部材を備え得る。回転体7は、はめば歯車71を被駆動部材として備え得る。線形アクチュエータ5は、線形アクチュエータ5の第2の端52に駆動装置を備え得る。この例における駆動装置はラチェット歯61のセットを備える。この例における線形アクチュエータ従動子8は複数のラチェット歯82aを備える。この例では、はめば歯車71は、ラチェット歯61のセットと複数のラチェット歯82aとの両方と噛み合わされる。線形アクチュエータ5は、前述のように、第2の運搬器2bが第1の運搬器2aに対して移動するとき、X軸方向において基部14に対して移動することができる。線形アクチュエータ5が基部14(または、第1の基礎部分140だけが
図16Aにおいて見られる)に対してX1方向においてX軸に沿って移動するとき、このような線形の移動は、はめば歯車71を時計回り方向に回転させることになる。そのため、はめば歯車71の回転は、図示されている例では、線形アクチュエータ従動子8を、第1の基礎部分140に対して、X2方向においてX軸に沿って直線的に移動させることになる。
【0178】
第1の把持部9aは線形アクチュエータ5と一緒にX1方向に移動させられ、第2の把持部9bは線形アクチュエータ従動子8と一緒にX2方向に移動させられ、そのため、第1の把持面91aと第2の把持面91bとはX軸方向において互いに向けて直線的に移動させられることで、部品が第1の把持面91aと第2の把持面91bとの間で把持させられ得る。
【0179】
また、他の例では、基部は、第1の把持面と第2の把持面との間で把持されることになる部品を支持するための把持支持部10を任意選択で備える。把持支持部10は、基部に固定でき、例えば、
図17に示されているように第2の基礎部分に固定できる、または、把持支持部は、把持支持部がそれに配置される部品を回転させることができるように、回転体のスピナ、もしくは、モータ駆動されるスピナユニットなどの他のものと固定できる。前の例では、把持支持部は、部品における把持をより安定させることができ、後の例は、加工される必要がある部品に適合することができる。例えば、第1の把持面および第2の把持面は、例えば部品が工具組立体において均一に研磨できるように、刃を備えてもよい。
【0180】
把持支持部10は、X軸方向において第1の把持面と第2の把持面との間で、第1の把持面および第2の把持面に対してZ軸方向にずれて配置されてもよい。
【0181】
さらに、基部は、
図17に示されているように、把持案内レール11を任意選択で備える。この例では、第1の把持部9aおよび第2の把持部9bは第1のレール連結器94aおよび第2のレール連結器94bをそれぞれ備える。把持案内レール11は、一例では、X軸に沿って延在する。案内レール11は、好ましくは2つの円筒によって形成される。第1のレール連結器94aは、第1の把持本体90aに取り付けられ得る、または、第1の把持本体90aの一体の部品であり得る。第1のレール連結器94aは、把持案内レール11に取り付けられ、把持案内レール11においてX軸方向に滑動可能である。好ましい例では、第1のレール連結器94aは2つの輪状の部分を備え、2つの輪状の部分の各々は、把持案内レール11の円筒のうちの1つを包囲するように構成される。第2のレール連結器94bは、第2の把持本体90bに取り付けられる、または、第2の把持本体90bの一体の部品であり得る。第2のレール連結器94bの構造は第1のレール連結器94aと同一である。代替で、第1および第2のレール連結器と把持案内レールの間の連結は、Y軸方向において互いを向く溝部と隆条部とによって形成できる。
【0182】
他の例では、特に、第1の把持部だけが基部140に対して移動するように構成され、第2の把持部が基部140に固定的に取り付けられる場合、第1の把持部9aは第1のレール連結器94aを備え、第2の把持部9bは第2のレール連結器94bを備えない。また、他の例では、把持案内レール11は、少なくとも第1の把持部および第2の把持部についての移動経路の設計に依存して、X軸方向とY軸方向との両方において傾斜してもよい。
【0183】
把持案内レール11は、第1の把持部9aおよび第2の把持部9bの少なくとも一方を支持することができ、特には、X軸方向において移動可能である第1の把持部9aおよび/または第2の把持部9bを支持することができる。一例では、
図17に示されているように、把持案内レール11は第2の基礎部分143に固定され、第1の把持部9aが線形アクチュエータ5の第2の端に固定される例では、把持案内レール11は、Z軸方向において第1の把持部9aの重量を支えることができる。工具組立体が第1の運搬器2aおよび第2の運搬器2bに配置される例では、線形アクチュエータ5は、第1の把持部9aの重量によって作り出される通常の力を支える必要がなく、そのため、線形アクチュエータ5と第1の基礎部分との間の摩擦が低減され得る。第1の運搬器と第2の運搬器とが吊り下げ運搬器案内レールシステムにおいて使用される例では、線形アクチュエータ5は第1の把持部9aの重量を支える必要がなく、そのため、第1の把持部9aのこのような重量は、Z軸方向において線形アクチュエータ5を引っ張ったり曲げたりしない。第2の把持部9bが線形アクチュエータ従動子8に固定される例では、把持案内レール11は、Z軸方向における第1の把持部9aの重量を再び支えることができる。前述されているのと同様に、工具組立体が第1の運搬器2aおよび第2の運搬器2bに配置される例では、線形アクチュエータ従動子8は、第2の把持部9bの重量によって作り出される通常の力を支える必要がなく、そのため、線形アクチュエータ従動子と第1の基礎部分との間の摩擦が低減され得る。第1の運搬器と第2の運搬器とが吊り下げ運搬器案内レールシステムにおいて使用される例では、線形アクチュエータ従動子8は第2の把持部9bの重量を支える必要がなく、そのため、第2の把持部9bのこのような重量は、Z軸方向において線形アクチュエータ従動子を引っ張ったり曲げたりしない。
【0184】
把持案内レール11は、第1の把持部9aと第2の把持部9bとの間の相対移動を設計するために、柔軟性を提供することもでき、例えば、第1の把持部9aと第2の把持部9bとの間の相対移動は、Y軸方向における移動、または、X軸方向とY軸方向との両方における移動であり得る。第1の把持部9aと第2の把持部9bとの間のこのような相対移動は、把持案内レール11の選択された位置および/または方向によって設計され得る。把持機能を維持するために、第1の把持面91aは第2の把持面91bを向く必要があり、第1の把持部9aと第2の把持部9bとの間の相対移動さえも変化し得ることは、留意されるべきである。
【0185】
この例では、第1および第2の基礎部分は、把持案内レール構成を担持および/または受け入れすることができる部品を備えてもよい。一例が
図18において見出すことができる。第2の基礎部分143は、互いに対して隣接して配置される3つの板状の部品を備えてもよく、各々の板状の部品は、第1および第2の把持本体を、第2の基礎部分143を通じて突出させ、第2の基礎部分143に対して滑動させるための1つまたは2つのスロットを備える。3つの板状の部品のうちの1つの板状の部品は、把持案内レールが配置され得る支持面を備え、3つの板状の部品のうちのもう1つの板状の部品は、把持案内レールを受け入れることができる開口を備え、好ましくは、このような板状の部品は、支持面を伴う層に配置され、3つの板状の部品のうちの残りの板状の部品は、把持案内レールと、第1および第2のレール連結器との両方を覆うように構成され、好ましくは、このような板状の部品は、開口を伴う板状の部品、または、支持面を伴う板状の部品に配置される。
【0186】
上記の機構および構成は、
図25~
図31に示されているように、線形アクチュエータ5'が基部4'から離間されている状態で工具組立体が構築され、作動組立体が延在要素13を備え、好ましくは駆動装置6'を伴うときにも適用可能であることは、留意されるべきである。
【0187】
図19~
図24および
図29~
図30は、作動組立体の第4の実施形態における作動組立体の動作を実施するための2つの例を示しており、この実施形態では、第1および第2の連結器3a; 3a'、3b; 3b'と、基部と、線形アクチュエータ5; 5'と、それらの連結とは、作動組立体の第1の実施形態に記載されているのと同様である。第4の実施形態における作動組立体は被駆動部材を備え、被駆動部材は、線形アクチュエータ5の第2の端52に取り付けられる駆動装置、または、延在要素13に取り付けられる駆動装置と接触するように構成される。
【0188】
一例において、作動組立体の第4の実施形態で使用される駆動装置16; 26は、第1の端162a; 261aと第2の端162b; 261bとの間でX軸方向およびZ軸方向に延びる傾斜面162; 261を備える。第2の端162b; 261b(
図21Bおよび
図24に示されている)は、X軸方向およびZ軸方向において第1の端162a; 261aに対してずれている。
【0189】
一例において、駆動装置16は、線形アクチュエータ5の第2の端52に固定的に取り付けられる(例えば、解放可能に取り付けられる/解放不可能に取り付けられる、または線形アクチュエータ5の第2の端52の一体部品)駆動装置本体160を備える。駆動装置本体160は案内軌道161を備える。案内軌道161は切り抜きまたは凹所によって形成され得る。切り抜きまたは凹所は、Y軸の方向を向く開口を備える。傾斜面162は、
図19に示されているように案内軌道161の一部を形成する。
【0190】
この実施形態における作動組立体は、
図20および
図24に示されているように昇降部材17; 27を備える。この実施形態における作動組立体は、線形アクチュエータ5が基部24、34に対して移動するとき、昇降部材17; 27によって、Z軸方向における並進運動を出力するように構成されている。
【0191】
一例において、昇降部材17; 27は、
図20および
図24に示されているように、第1の端170a、270aと第2の端170b、270bとの間でZ軸に沿って延在する。作動組立体の被駆動部材171; 271は昇降部材170; 270の第2の端170b; 270bに配置される。被駆動部材171; 271は傾斜面162; 261と係合し、被駆動部材171; 271は、傾斜面162、261の第1の端から第2の端へと傾斜面162; 261に沿って移動するように構成される。
【0192】
昇降部材17; 27は基部に対してX軸方向において不動であり、好ましくは、昇降部材は基部に対してY軸方向においても不動であり、そのため、昇降部材17; 27は、第2の運搬器2bが第1の運搬器2aに対してX軸に沿って直線的に移動するとき、Z軸方向における直線的な移動を提供することができる。
【0193】
例えば、昇降部材は、第1の基礎部分の一部もしくは第2の基礎部分の一部によって、または、本発明の工具組立体以外の製造/組立のロボットもしくは工具によって、X軸方向において妨害され得る。また、昇降部材がY軸方向において妨害される場合、昇降部材は、第1の基礎部分の一部もしくは第2の基礎部分の一部によって、または、本発明の工具組立体以外の製造/組立のロボットもしくは工具によって、妨害され得る。
図22に示されているような例では、基部24は第1の基礎部分240と第2の基礎部分243とを備える。第1の基礎部分240は、作動組立体の第1の実施形態における第1の基礎部分と同様である。
【0194】
例えば、第1の基礎部分240はスロットを備えてもよく、線形アクチュエータ5の支持部51aはスロットを通じて突出するように構成される。第2の基礎部分243は基礎開口244を備える。
【0195】
基礎開口244は、
図22における提示された例では、貫通孔として第2の基礎部分243に配置されており、基礎開口244は円形の貫通孔であるが、基礎開口は、楕円形、長方形、または正方形など、他の形で形成されてもよい。第2の基礎部分243は、XY平面と平行な概して平坦な表面を備えてもよく、基礎開口244は、
図22に示されているように、このような平坦な表面に配置させることができる。しかしながら、第2の基礎部分243は、XY平面に対して凸状および/または凹状の表面を備えてもよい。
【0196】
作動組立体が基部24に取り付けられるとき、Z軸方向における第1の基礎部分240と第2の基礎部分243との間で、昇降部材17の第1の端170aは基礎開口244を通じて突出する。好ましくは、基礎開口244の内側輪郭の形は、基礎開口244が昇降部材17の一部を密に包囲し、そのため、第2の基礎部分243に対するX軸方向での昇降部材17の移動と、第2の基礎部分243に対するY軸方向での昇降部材17の移動とを妨害するように、昇降部材17の一部の外側輪郭の形と合致させられる。
【0197】
昇降部材を、基部に対するX軸方向と、基部に対するY軸方向との両方で妨害することで、線形アクチュエータから、駆動装置および被駆動部材を介して、複数の方向に導かれる昇降部材へと伝達される力を低減し、それによって、この例での昇降部材は、隆条部または重い部品を押す/持ち上げるのに適することができる。
【0198】
好ましい例では、線形アクチュエータ5および作動組立体は、第2の基礎部分243が前述したような覆う機能を提供することができるように、Z軸方向において第1の基礎部分240と第2の基礎部分243との間に位置決めされる。好ましい例では、昇降部材17、27は、第1の基礎部分240、340と第2の基礎部分243、343との間に配置される。
【0199】
一例では、被駆動部材171は、
図21Bに示されているように、案内軌道161を備える。被駆動部材171は、
図21Aに示されているように、Y軸方向において突出する。昇降部材17が駆動装置16に取り付けられるとき、被駆動部材171は、案内軌道161の切り抜きまたは凹所へと少なくとも部分的に突出する。この実施形態における基部24は、前述のように、X軸方向において第1の連結器3aに固定的に取り付けられ、X軸方向において第2の連結器3bに対して移動可能である。
【0200】
案内軌道161および傾斜面162が、線形アクチュエータ5、第2の連結器3b、および第2の運搬器2bの線形移動と一緒にX1方向において移動するとき、
図23に示されているように(第2の運搬器2bがX1方向において第1の運搬器2aに対して移動している)、被駆動部材171は第1の端162aから第2の端162bへと移動させられる。これは、昇降部材17がX軸方向において基部24に対して不動なためであり、そのため、被駆動部材171および昇降部材17は、傾斜面162が線形アクチュエータ5、第2の連結器3b、および第2の運搬器2bと一緒にX軸方向に移動するとき、Z軸方向だけに移動することができる(この例では、昇降部材17および被駆動部材171はZ1方向に移動させられる)。
【0201】
他の例では、
図24に示されているように、駆動装置26は、前述のように、線形アクチュエータ5の第2の端52に固定的に配置される。駆動装置26は、傾斜面261を備えるが、案内軌道を有してない。昇降部材27は先に言及されているものと同様であるが、この例における駆動装置26は案内軌道を有していないため、被駆動部材271はY軸の方向において突出する必要がない。この例における被駆動部材271は、単に昇降部材27の第2の端270bであり得る。
【0202】
この実施形態における基部は、前述のように、X軸方向において第1の連結器3aに固定的に取り付けられ、X軸方向において第2の連結器3bに対して移動可能であり、前述のように、第1の基礎部分340はZ軸に沿って延在する。
【0203】
この例における昇降部材27は、基部(第1の基礎部分340および第2の基礎部分343だけが
図24では示されている)に対してX軸方向において不動であり、任意選択で、前述のように、基部に対してY軸方向においても不動である。駆動装置26および傾斜面261が、線形アクチュエータ5、第2の連結器3b、および第2の運搬器2bの直線的な移動と一緒に、前述のようにX軸方向において移動するとき、被駆動部材271は第1の端261aから第2の端261bへと移動させられ、昇降部材27がX軸方向において基部に対して不動であるため、被駆動部材271および昇降部材27はZ軸方向においてのみ移動可能である。
【0204】
第2の基礎部分343は、この例では、基礎開口を備えていない。代わりに、第2の基礎部分343はブロックを備え得る。ブロックは、X軸方向において並べられる2つの突起によって形成され得る。2つの突起は、X軸方向において互いから離間される。昇降部材27の第1の端270aは、X軸方向においてこのような2つの突起の間に合位置される。他の例では、ブロックは、第2の基礎部分に配置され、Z軸方向において昇降部材27の第1の端270aに向けられた凹所であり得る。このような凹所は、円形、楕円形、長方形、および/または三角形とでき、また、凹所は内側輪郭を備え、内側輪郭は、昇降部材の第1の端270aが凹所へと少なくとも部分的に突出するとき、X軸方向において昇降部材27の第1の端270aに隣接する。好ましい例では、凹所の形および大きさは、昇降部材27の形に依存し、特には、昇降部材27の第1の端270aの形に依存する。この例では、昇降部材27の第1の端270aはこのような凹所へと少なくとも部分的に突出し、昇降部材27の第1の端270aは凹所の内側の輪郭によって密に取り囲まれる。そのため、基部に対するX軸方向における昇降部材27の移動は、第2の基礎部分343のブロックによって妨害され得る。この例では、第2の基礎部分は、
図24に示されているのもなど、生産ラインにおいて昇降板として作用することができる。製品の部品または部分組立体などの荷重Lが、第2の基礎部分に置くことができ、第2の運搬器2bが第1の運搬器2aに対して運搬器案内レール1においてX軸に沿って直線的に移動するとき、上昇させられ得る、または下降させられ得る。
【0205】
昇降部材27は、第2の基礎部分343と昇降部材27の第2の端270bとの間に配置されるバネ272を任意選択で備える。好ましくは、バネは圧縮バネであり、好ましくは、バネは、昇降部材の第2の端270bを傾斜面261と常に係合させたままにするように構成される。
【0206】
傾斜面162、261を、線形アクチュエータ5の第2の端52に取り付けられた駆動装置16、26の一部として配置することの代わりに、傾斜面が被駆動部材の一部としても配置され得ることは、留意されるべきである。この例では、昇降部材17、27の第2の端170b、270bは、第1の端と第2の端との間でX軸方向とZ軸方向との両方において延在する傾斜面を備え、傾斜面の第1の端は、X軸方向とZ軸方向との両方において、傾斜面の第2の端に対してずれている。
【0207】
この例では、線形アクチュエータ5'の第2の端52'; 52"は、過剰な部品を取り付けることなく駆動装置として作用することができる、または、線形アクチュエータは、前述のようにされ得る。この例における駆動装置は作動組立体の延在要素13に固定され得る。駆動装置には、昇降部材17、27の第2の端170b、270bにおける傾斜面と係合するように構成される球形、楕円形、長方形のヘッド部が形成され得る。前述しているように、線形アクチュエータ5'が基部および昇降部材17、27に対してX軸方向に移動するとき、駆動装置は、傾斜面の第1の端から第2の端へと第2の端170b、270bにおいて傾斜面に沿って移動することになる。昇降部材17、27は前述のようにX軸方向において不動であり、そのため、駆動装置のヘッド部が傾斜面の第1の端から第2の端へと第2の端170b、270bにおいて傾斜面に沿って移動するとき、昇降部材17、27は、前述のように、基部に対してZ軸方向に移動する。
【0208】
他の例では、
図29~
図30に示されているように、傾斜面372は昇降部材37の一部である。この例における昇降部材37は、作動組立体の被駆動部材としても作用することになる。駆動装置36は延在要素13に固定される。駆動装置36は第1の端361と第2の端362との間でZ軸方向に延在する。好ましい実施形態では、延在要素37は案内軌道371を備え、傾斜面372は案内軌道371の一部である。駆動装置36の第1の端361は、案内軌道371の中で傾斜面372に隣接して少なくとも部分的に配置される。この例では、基部4'はブロック44'を備える。ブロック44'は、第2の基礎部分において、または、基部4'に取り付けられる独立した要素として、配置され得る。好ましい例において、ブロック44'は、X軸方向における延在要素37の移動が妨害されるように、延在要素37を少なくとも部分的に取り囲むように構成される内側フレーム441'を備える。前述したように、線形アクチュエータ5'が、(第2の運搬器2bと一緒に)X軸方向において基部4'に対して移動するとき、延在要素13は、駆動装置36の第1の端361が傾斜面372に沿って移動し、それによって昇降部材37がZ軸方向に移動させられるように、線形アクチュエータ5'の第2の端52'; 52"によって押されることになる。
【0209】
昇降部材37は、
図30に示されているような突起373を備えてもよく、ブロック44'は、昇降部材37がZ軸方向において移動するときに突起373が突出するような開口442'を備えてもよい。
【0210】
傾斜面は、製造/組立工程の要求に依存して、駆動装置の一部または被駆動部材の一部のいずれかとなるために、カム表面によって置き換えられてもよい。
【0211】
線形アクチュエータ5'は、2つ以上のアクチュエータ本体50'; 50"を備え得る。アクチュエータ本体50'; 50"のすべてが第1の端51'; 51"と第2の端52'; 52"とを備える。この例では、線形アクチュエータ5'は、複数の基部4'を伴う複数の運搬器を伴う運搬器案内レールに取り付けられる場合、基部に対して滑動可能である。線形アクチュエータの第2の端52'のうちの1つは、延在要素に作用するように構成される。基部のうちの1つに取り付けられる作動組立体の延在要素は、作動組立体のはめば歯車に隣接でき、その作動組立体の駆動装置におけるラチェット歯のセットは、はめば歯車と噛み合わされる。ラチェット歯のセットとはめば歯車との間の噛み合いのため、線形アクチュエータの線形移動は、はめば歯車、延いては回転体7を、回転させる。線形アクチュエータ5'の他方の側において、他の基部は、昇降部材の一部である傾斜面を伴う作動組立体を備え得る。駆動装置は延在要素に固定される。駆動装置は第1の端と第2の端との間でZ軸方向に延在する。線形アクチュエータがX軸方向において基部に対して移動するとき、延在要素13は、駆動装置の第1の端が傾斜面に沿って移動し、それによって昇降部材がZ軸方向に移動させられるように、線形アクチュエータ5'の他の第2の端52'によって押されることになる。
【0212】
別の言い方をすれば、線形アクチュエータ5'は、製造/組立工程に加わるために1つまたは複数の動きを提供することができる2つ以上のアクチュエータ本体50'; 50"を備え、工具組立体によって提供される動きのすべては、線形アクチュエータをX軸方向において前後に移動させることで、線形アクチュエータ5'が取り付けられる運搬器と、運搬器案内レール1における2つ以上の運搬器との間の、好ましくはX軸に沿っての相対的な線形移動によって、開始させることができる。
【0213】
線形アクチュエータ5; 5'が、1つまたは複数の基部によって受け入れまたは担持される1つまたは複数の作動組立体または工具セットと相互作用するように構成されているため、線形アクチュエータは、前述されているように、線形アクチュエータと1つまたは複数の基部との間でのX軸に沿っての相対移動による、基部によって受け入れまたは担持される作動組立体または工具セットの1つまたは複数の動きを、(線形アクチュエータの複数の第2の端によって)制御するようにも構成されている。
【0214】
さらに、線形アクチュエータ5'が延在要素13に接触することで、基部4'によって担持される作動組立体の回転/並進運動を開始させるとき、および、線形アクチュエータ5'が延在要素13から離れるように移動するとき、延在要素13がバネによって元の位置へと移動させられ、それによって作動組立体の第2の回転/並進運動を発生させるように、延在要素13は、X軸方向に沿って延在要素13と基部4との間に配置される圧縮バネまたは引っ張りバネを備えてもよい。
【0215】
他の例では、
図37~
図40に示されているように、延在要素13'は線形アクチュエータ5"に解放可能に取り付けられるように構成されている。この例では、工具組立体の部品のほとんどは、例えば連結器、駆動装置、および被駆動部材といった先に記載されているものと同様である。さらに、以下に記載されているような基部の構造のほとんどは、先に記載されているような基部4'と同様であり、以下に記載されているような延在要素13'の構造のほとんどは、先に記載されている延在要素13と同様であり、以下に記載されているような線形アクチュエータ5"の構造のほとんどは、先に記載されている線形アクチュエータ5'と同様である。以下に記載されているような延在要素13'とアクチュエータ本体50'''との間の連結だけが、先の記載と異なる。
【0216】
この例では、延在要素13'の第1の端または第2の端の少なくとも一方は、X軸方向において第1の基礎部分401'から突出する。第1の基礎部分401'から突出する延在要素13'の第1の端または第2の端の少なくとも一方(例えば、
図37に示されているように、第1の端13a')は、第1の横突起131と第2の横突起132とを備える。好ましい例では、第1の横突起131は、第1の横突起の中心軸の周りに回転可能である車輪を備え、第2の横突起132は、第1の横突起の中心軸の周りに回転可能である車輪を備える。任意選択で、基部4'は、X軸の方向において延在する案内アーム47を備える。案内アーム47は第1の表面47aと第2の表面47bとを備える。一例において、第1の表面は、XY平面およびZ軸に対して傾斜されており、他の例では、第1の表面47aは、湾曲した表面であり、第1の連結器3a; 3a'により近い位置から、第1の連結器からより遠くに離れた位置まで、Z軸の方向において延在する。一例において、第2の表面はXY平面と平行であり、他の例では、第2の表面は、Y軸と平行な第1の縁と、Y軸と平行な第2の縁との間に形成され、第1の縁は、Z軸の方向において第2の縁に対してずれており、好ましくは、この例における第2の表面は、第1の縁と第2の縁との間で湾曲する湾曲した表面である。
【0217】
基部4'が案内アーム47を備える一例において、第1の横突起131は、案内アーム47に向けてY軸の方向に延在する。第2の横突起132は、案内アーム47に向けてY軸の方向に延在する。延在要素13'が第1の横突起131と第2の横突起132とを備える一例では、第1の横突起131と第2の横突起132とは、
図37および
図40において示されているように、X軸の方向においてずれており、Z軸の方向において並べられる。
【0218】
図37~
図39に示されているように、アクチュエータ本体50'''の第2の端52'''は第1の相手横突起54を備え、任意選択で案内突起55を備える。第1の相手横突起54は、
図37に示されているように、X軸の方向において第1の横突起131と第2の横突起132との間に位置させられるように構成される。
【0219】
好ましい例において、第1の相手横突起54は、XY平面およびZ軸に対して角度が付けられ、基部4'の方を向く第1の傾斜面54aと、XY平面およびZ軸に対して角度が付けられ、線形アクチュエータ5'の方を向く第2の傾斜面54bとの少なくとも一方を備える。
【0220】
任意選択の案内突起55は、線形アクチュエータ5'がX軸に沿って基部4'に向けて移動するとき、案内アーム47の第1の表面47aと、案内アーム47の第2の表面47bとに沿って移動するように構成される。好ましい例では、案内突起55は、案内突起55の中心軸の周りで回転可能な車輪を備える。好ましい例では、案内突起55は、
図39に示されているように、XY平面とYZ平面との両方に対して角度の付けられた方向に延在する。
【0221】
第1の横突起131が車輪を備える一例において、線形アクチュエータ5'は基部4'に向けて移動するとき、基部4'または線形アクチュエータ5'のいずれかが、第1の相手横突起54と第1の横突起131との間の係合によって第1または第2の連結器から離れるようにZ軸の方向において移動させられ得るように、第1の相手横突起54は、第1の相手横突起54によって回転させられる車輪と一緒に移動することができる。それによって、第1の相手横突起54は、X軸の方向において第1の横突起131と第2の横突起132との間に移動する。それによって、アクチュエータ本体50'''は、X軸の方向において延在要素13'に取り付けられ、それによって、X軸に沿う線形アクチュエータ5'の移動は、第1の相手横突起54と第1の横突起131との間の係合、および、第1の相手横突起54と第2の横突起132との間の係合を介して、延在要素13'を引っ張ったり押したりすることができる。
【0222】
アクチュエータ本体50'''は、線形アクチュエータ5'を基部4'から離すように所定の速度でX軸の方向において移動させること、または、X軸の方向において停止位置へと、すなわち、線形アクチュエータ5'に向けてのX軸の方向における延在要素13'の移動が基部4'の一部によって妨害される位置へと、延在要素13'を移動させることのいずれかで、X軸の方向において延在要素13'から取り外すことができる。それによって、基部4'または線形アクチュエータ5'のいずれかが、第1の相手横突起54と第1の横突起131との間の係合によって、Z軸の方向において移動させることができ、それによって線形アクチュエータ5'が基部4'から離れるように移動するように、第1の相手横突起54は、基部4'から離れるX軸の方向において、第1の相手横突起54によって回転させられる車輪と共に移動することができる。
【0223】
第1の傾斜面54aと第2の傾斜面54bとは、それらの両方がZ軸の方向において上昇するとき、第1の相手横突起54および第1の横突起131による、第1または第2の連結器から離れるZ軸の方向における基部4'または線形アクチュエータ5'の移動を、より容易にするように構成されている。
図39に示されているように、第1の傾斜面54aおよび第2の傾斜面54bがZ軸の方向において第2の連結器3b; 3b'から離れる方向を向いている一例では、基部4'は、第1の相手横突起54と第1の横突起131との間の係合によって、Z軸の方向において持ち上げられるように構成されている。これは、基部4'からの線形アクチュエータ5'の取り付けおよび取り外しを可能にする。
【0224】
案内アーム47と案内突起55とは、案内アーム47がZ軸の方向において延びるとき、第1の相手横突起54および第1の横突起131によるZ軸の方向における基部4'または線形アクチュエータ5'の移動を、より容易にするように構成されている。第1の表面47aが、湾曲した表面であり、第1の連結器3a; 3a'により近い位置から、Z軸の方向において第1の連結器からより遠くに離れる位置へと、Z軸の方向において移動する一例では、基部4'は、第1の相手横突起54と第1の横突起131との間の係合によって、第1または第2の連結器から離れるようにZ軸の方向において移動させられるように構成される。これは、基部4'からの線形アクチュエータ5'の取り付けおよび取り外しを可能にする。
【0225】
この例では、駆動装置6'; 16; 26; 36は、先に記載されているように、延在要素13'の第1の端と第2の端との間に配置され得る。代替で、駆動装置6"は、延在要素13'によって押される、かつ/または引っ張られるように配置されてもよい。例えば、
図41~
図42に示されているように、延在要素13'は第1の端13a'と第2の端13b'とを備える。好ましい例では、駆動装置6"の駆動装置本体60"は管状区域を備える。管状区域は、X軸の方向において、開放端60a"と閉鎖端60b"との間、または、第1の開放端60a"と第2の開放端60b"との間のいずれかで延在する。この例では、延在要素13'の第1の端13a'は、先に記載されているように、アクチュエータ本体50'''によって押される、かつ/または引っ張られるように構成される。延在要素13'の第2の端13b'は、開放端/第1の開放端60a"を通じて、駆動装置本体60"の管状区域の中に位置させられる。一例では、延在要素13'はフランジ13c'を備える。フランジ13c'は、駆動装置本体60"の開放端/第1の開放端60a"に当接するように構成されている。駆動装置6"が延在要素13'によって押されるだけであるように設計される一例において、延在要素13'のフランジ13c'は、開放端/第1の開放端60a"を、X軸の方向において、駆動装置6"の開放端/第1の開放端60a"の方を向く表面と当接させるように構成されている。駆動装置6"が延在要素によって押されたり引っ張られたりされるように設計される一例において、フランジ13c'は、X軸の方向において駆動装置本体60"に対して不動である。この例では、フランジは、駆動装置本体60"の壁における凹所の中に、が駆動装置本体60"の管状区域を形成する状態で位置させることができる。駆動装置本体の管状区域が閉鎖端60b"を備える例において、延在要素13'の第2の端13b'は、延在要素13'が駆動装置6"を押すことができるように、駆動装置本体60"の閉鎖端60b"に当接するように構成される。他の例では、延在要素の第2の端は、延在要素が駆動装置6"を押したり引っ張ったりすることができるように、駆動装置本体60"の管状区域へとスナップ留めされる。さらに、駆動装置本体が管状区域を有していない一例では、延在要素は、駆動装置を移動させるために駆動装置本体を直接的に押すように構成される。
図41~
図42に示されているような例が、駆動装置6"と延在要素13との間の相互作用を説明するために、ラチェット歯61"のセットを伴う駆動装置6"を使用し、この記載された相互作用は、前述の例示した駆動装置16; 26; 36にも適用可能であることは、留意されるべきである。
【0226】
他の例では、線形アクチュエータ5; 5'および/または基部4; 4'は、1つまたは複数の支え車輪46a、46bを備える。支え車輪は、運搬器案内レール(Y軸の方向に配置される)の一方の側または両方の側に通常は位置させられるプラットフォームに載るように構成されている。支え車輪は、プラットフォーム上にあるとき、基部または線形アクチュエータの一部を持ち上げるように構成されている。それによって、線形アクチュエータ5; 5'および/または基部4; 4'は、第1および/または第2の連結器3a、3bに向けてZ軸の方向に適用される力を支え(例えば、重い品物を担持するとき、または、他の組み立て工具によって押し付けられることになる品物を担持するとき)、力は、運搬器案内レールの損傷が防止され得るように、運搬器案内レールまで伝わらない。
【0227】
本発明の概念が、主にいくつかの例を参照して先に説明されてきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、先に開示されているもの以外の実施形態が、添付の請求項によって定められているように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【0228】
本発明のいくつかの態様が、以下において条項で記載されている。
1. 運搬器案内レールシステムの2つの運搬器に取り付けるための工具組立体であって、2つの運搬器は互いに対して運搬器案内レールに沿って移動可能であり、工具組立体は、
基部と基部に対して移動可能な線形アクチュエータとを備え、
基部は、2つの運搬器の一方に取り付けるための第1の連結器を備え、
線形アクチュエータは、2つの運搬器の他方に取り付けるための第2の連結器を備え、
基部は、第1の連結器に取り付けられる第1の基礎部分を備え、
第1の基礎部分は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において、線形アクチュエータの少なくとも一部と2つの連結器との間に配置される、工具組立体。
【0229】
2. 第1の基礎部分は、作動組立体または工具セットを担持するように構成され、線形アクチュエータの少なくとも一部は作動組立体または工具セットに作用するように構成され、2つの運搬器の一方が2つの運搬器の他方に対して移動するとき、運搬器案内レールに対する作動組立体または工具セットの少なくとも一部の回転運動および/または並進運動が線形アクチュエータの少なくとも一部によって開始させられるように、基部は線形アクチュエータに対して移動する、条項1に記載されているような工具組立体。
【0230】
3. 線形アクチュエータは、第1の端と第2の端との間で、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延びる、条項1または2に記載されているような工具組立体。
【0231】
4. 線形アクチュエータの第2の端は、2つの運搬器の一方が2つの運搬器の他方に対して移動するとき、作動組立体または工具セットに作用するように構成される、条項3に記載されているような工具組立体。
【0232】
5. 第1の基礎部分は、運搬器案内レールと平行な方向と、運搬器案内レールに対して垂直な方向とに延在するスロットを備え、線形アクチュエータは、線形アクチュエータの第1の端に取り付けられる支持部を備え、線形アクチュエータの支持部はスロット内で移動可能に延在する、条項3または4に記載されているような工具組立体。
【0233】
6. 線形アクチュエータの少なくとも一部が第1の基礎部分に隣接する、条項1から5のいずれか1つに記載されているような工具組立体。
【0234】
7. 線形アクチュエータは基部から離間される、条項1から6のいずれか1つに記載されているような工具組立体。
【0235】
8. 基部は第2の基礎部分を備え、第2の基礎部分は第1の基礎部分に取り付けられ、線形アクチュエータは第1の基礎部分と第2の基礎部分との間に配置される、条項1から7のいずれか1つに記載されているような工具組立体。
【0236】
9. 第1の連結器は、中心通路と、第1の部分と、第2の部分と、係止基部と、係止制御装置とを備え、係止制御装置は係止位置と係止解除位置との間で中心通路に対して枢動可能であり、係止基部は係止ユニットを備え、係止制御装置は、係止ユニットを取り囲む係止フレームを備える、条項1から8のいずれか1つに記載されているような工具組立体。
【0237】
10. 第2の連結器は、中心通路と、第1の部分と、第2の部分と、係止基部と、係止制御装置とを備え、係止制御装置は係止位置と係止解除位置との間で中心通路に対して枢動可能であり、係止基部は係止ユニットを備え、係止制御装置は、係止ユニットを取り囲む係止フレームを備える、条項1から9のいずれか1つに記載されているような工具組立体。
【0238】
11. 基部および線形アクチュエータの少なくとも一方は連結部を備え、連結部は首部分を備え、首部分は、係止基部における係止開口に隣接する、条項9または10に記載されているような工具組立体。
【0239】
12. 係止制御装置が係止解除位置にあるとき、係止ユニットは連結部の首部分から離間され、係止制御装置が係止位置にあるとき、係止ユニットは首部分と係合させられる、条項11に記載されているような工具組立体。
【0240】
13. 条項1から12のいずれか1つに記載されているような工具組立体を備えるシステムであって、システムは作動組立体を備え、作動組立体は、駆動装置と係合させられる被駆動部材を備える、システム。
【0241】
14. 作動組立体は、基部に配置され、運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において基部に対して線形アクチュエータが移動するときに線形アクチュエータによって作動させられるように構成される、条項13に記載されているようなシステム。
【0242】
15. 駆動装置は線形アクチュエータの第2の端に取り付けられる、条項3から6または条項8から12のいずれか1つに従属する条項13または14に記載されているようなシステム。
【0243】
16. 作動組立体は延在要素を備え、延在要素は、第1の端と第2の端との間で、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延在し、延在要素は、第1の端と第2の端との間に配置される駆動装置を備える、条項3から5または条項7から12のいずれか1つに従属する条項13または14に記載されているようなシステム。
【0244】
17. 作動組立体は延在要素を備え、延在要素は、第1の端と第2の端との間で、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延在し、延在要素は、運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において駆動装置に連結される、条項3から5または条項7から12のいずれか1つに従属する条項13または14に記載されているようなシステム。
【0245】
18. 延在要素は線形アクチュエータに解除可能に取り付けられるように構成される、条項16または17に記載されているようなシステム。
【0246】
19. 延在要素は、線形アクチュエータが延在要素に取り付けられ、線形アクチュエータが基部に対して移動するとき、線形アクチュエータのアクチュエータ本体によって押されるかまたは引っ張られるように構成される、条項18に記載されているようなシステム。
【0247】
20. 延在要素の第1の端または第2の端の少なくとも一方が第1の横突起と第2の横突起とを備える、条項17から19のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0248】
21. 第1の横突起は、第1の横突起の中心軸の周りに回転可能である車輪を備え、第2の横突起は、第1の横突起の中心軸の周りに回転可能である車輪を備える、条項20に記載されているようなシステム。
【0249】
22. アクチュエータ本体は第1の相手横突起を備え、第1の相手横突起は、運搬器案内レールによって定められる移行経路の方向において、第1の横突起と第2の横突起との間に位置させられるように構成される、条項19に記載されているような、または、条項19に従属するときの条項20もしくは21に記載されているようなシステム。
【0250】
23. 基部は案内アームを備え、アクチュエータ本体は、線形アクチュエータが基部に向けて移動するときに案内アームに沿って移動するように構成される案内突起を備える、条項22に記載されているようなシステム。
【0251】
24. 第1の相手横突起は、運搬器案内レールによって定められる移行経路と平行な平面と、運搬器案内レールによって定められる移行経路と平行な平面に対して垂直な方向とに対して角度が付けられ、基部の方を向く第1の傾斜面と、運搬器案内レールによって定められる移行経路と、運搬器案内レールによって定められる移行経路と平行な平面に対して垂直な方向とに対して角度が付けられ、線形アクチュエータの方を向く第2の傾斜面との少なくとも一方を備える、条項22または23に記載されているようなシステム。
【0252】
25. 作動組立体は、第1の基礎部分に取り付けられる回転体を備え、回転体は円形の本体を備え、被駆動部材は円形の本体の外面部分に配置され、外面部分は、回転体が周りで回転するように構成される回転軸から離間される、条項15から24のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0253】
26. 被駆動部材はカムであり、カムは円形の本体の外面部分から径方向に延びる、条項25に記載されているようなシステム。
【0254】
27. 被駆動部材は、円形の本体の外面部分から突出する突起である、条項25に記載されているようなシステム。
【0255】
28. 被駆動部材ははめば歯車を備え、駆動装置は、はめば歯車と噛み合わされるラチェット歯のセットを備える、条項25に記載されているようなシステム。
【0256】
29. 作動組立体は線形アクチュエータ従動子を備え、回転体は変速部材を備え、線形アクチュエータ従動子は相手変速部材を備え、変速部材は相手変速部材と係合させられる、条項25から28のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0257】
30. 変速部材は複数のラチェット歯であり、はめば歯車は変速部材であり、複数のラチェット歯ははめば歯車と噛み合わされる、条項29と条項14との組み合わせに記載されているようなシステム。
【0258】
31. 回転体は、駆動装置のラチェット歯のセットと、線形アクチュエータ従動子の複数のラチェット歯との間に配置される、条項29に記載されているようなシステム。
【0259】
32. 線形アクチュエータ従動子は、第1の端と第2の端との間において、運搬器案内レールと平行な方向に沿って延び、線形アクチュエータ従動子は、運搬器案内レールと平行な方向において第1の基礎部分に移動可能に取り付けられ、複数のラチェット歯は線形アクチュエータ従動子の第2の端に取り付けられる、条項29または31に記載されているようなシステム。
【0260】
33. 作動組立体は、第1の把持面を伴う第1の把持部と、第1の把持面の方に向けられた第2の把持面を伴う第2の把持部とを備え、第2の把持部は、運搬器案内レールに対して垂直な方向において基部から突出するように構成され、第1の把持面は、運搬器案内レールと平行な方向に沿って第2の把持面に対して移動可能である、条項13から32のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0261】
34. 第1の把持部は線形アクチュエータに固定的に取り付けられる、条項33に記載されているようなシステム。
【0262】
35. 第1の把持部は基部に固定的に取り付けられる、条項33と条項15から23のいずれか1つとの組み合わせに記載されているようなシステム。
【0263】
36. 第2の把持部は基部に固定的に取り付けられる、条項33に記載されているようなシステム。
【0264】
37. 第2の把持部は線形アクチュエータ従動子に取り付けられる、条項17に従属する条項34から36のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0265】
38. 作動組立体は、第1の端と第2の端との間において、運搬器案内レールに対して垂直な方向に沿って延びる昇降部材を備える、条項14から24のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0266】
39. 昇降部材は被駆動部材である、条項38に記載されているようなシステム。
【0267】
40. 昇降部材の第2の端が昇降部材の第1の端より線形アクチュエータの第2の端に近く、被駆動部材は昇降部材の第2の端にある、条項39に記載されているようなシステム。
【0268】
41. 駆動装置および被駆動部材の少なくとも一方は、第1の端と第2の端との間において、運搬器案内レールと平行な方向と、運搬器案内レールに対して垂直な方向とにおいて延びる傾斜面を備え、第2の端は、運搬器案内レールと平行な方向と、運搬器案内レールに対して垂直な方向との両方において、第1の端に対してずれている、条項38から40のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0269】
42. 駆動装置および被駆動部材の少なくとも一方はカム表面を備える、条項38から40のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0270】
43. 駆動装置および被駆動部材の一方は案内軌道を備え、傾斜面は案内軌道の一部を形成し、被駆動部材は昇降部材の第2の端に取り付けられ、被駆動部材は案内軌道に位置決めされる、条項40から42のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0271】
44. 第2の基礎部分は基礎開口を備え、作動組立体の少なくとも一部が第1の基礎部分と第2の基礎部分との間に配置される、条項8に従属する条項13から43のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0272】
45. 回転体の円形の本体は中心シャフトを備え、中心シャフトは、第2の基礎部分の開口を通じて突出する突出端を備え、スピナが円形の本体の突出端に取り付けられる、条項8に従属する条項25から32のいずれか1つに記載されているようなシステム。
【0273】
46. 昇降部材は第1の基礎部分と第2の基礎部分との間に配置され、昇降部材の第1の端は第2の基礎部分の開口を通じて突出し、それによって、昇降部材は、運搬器案内レールと平行な方向において基部に対して不動である、条項38から43のいずれか1つに従属する条項44に記載されているようなシステム。
【0274】
47. 第2の基礎部分はブロックを備え、昇降部材の第1の端はブロックに隣接し、それによって、昇降部材は、運搬器案内レールと平行な方向において基部に対して不動である、条項38から43のいずれか1つに従属するときの条項44に記載されているようなシステム。
【0275】
48. 条項1から12のいずれか1つに記載されているような工具組立体を備える運搬器案内レールシステムであって、
X軸に沿って延在する運搬器案内レールと、
第1の運搬器および第2の運搬器と
を備え、
第1の運搬器は、運搬器案内レールにおいて、X軸に沿って、第2の運搬器に対して移動可能であり、
第1の連結器は第1の運搬器に取り付けられるだけであり、第2の連結器は第2の運搬器に取り付けられるだけである、運搬器案内レールシステム。
【0276】
49. 条項13から47のいずれか1つに記載されているようなシステムを備える運搬器案内レールシステムであって、
X軸に沿って延在する運搬器案内レールと、
第1の運搬器および第2の運搬器と
を備え、
第1の運搬器は、運搬器案内レールにおいて、X軸に沿って、第2の運搬器に対して移動可能であり、
第1の連結器は第1の運搬器に取り付けられるだけであり、第2の連結器は第2の運搬器に取り付けられるだけである、運搬器案内レールシステム。
【0277】
50. 条項1から12のいずれか1つに記載されているような工具組立体を動作させる方法であって、
第1の連結器を、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器の一方に取り付けるステップと、
第2の連結器を、運搬器案内レールシステムの2つの運搬器の他方に取り付けるステップと、
2つの運搬器を互いに対して運搬器案内レールに沿って移動させるステップと、
線形アクチュエータの少なくとも一部と、作動組立体または工具セットとの間の接触による、運搬器案内レールに沿っての2つの運搬器の間の移動に応答して、運搬器案内レールに対する作動組立体または工具セットの1つまたは複数の回転運動および/または並進運動を実行するステップと
を含む方法。
【符号の説明】
【0278】
1 運搬器案内レール
2a、2b 運搬器
3a、3a' 第1の連結器
3b、3b' 第2の連結器
4、4' 基部
4a、4a' ロッド
4b、4b' 首部
5、5'、5" 線形アクチュエータ
5b 第2の連結器
6、6'、6" 駆動装置
7、7' 回転体
8、8' 線形アクチュエータ従動子
9a 第1の把持部
9b 第2の把持部
10 把持支持部
11 把持案内レール
13、13' 延在要素
13a、13a' 第1の端
13b、13b' 第2の端
13c' フランジ
14 基部
16 駆動装置
17 昇降部材
24 基部
26 駆動装置
27 昇降部材
30a' 第1の部分
30b' 第2の部分
31 第1の部品
31' 係止基部
32' 係止要素
32a、32b 第2の部品
32a' 相手固定部
32b' 固定部品
33' 係止制御装置
34 基部
36 駆動装置
37 昇降部材
40 第1の基礎部分
42 固定部
43 第2の基礎部分
44 基礎開口
44' ブロック
45、45'、45" 線形案内ユニット
45a 線形案内レール
45b 線形案内従動子
46a、46b 支え車輪
47 案内アーム
50'、50'、50"、50''' アクチュエータ本体
51、51'、51" 第1の端
51a 支持部
52、52'、52"、52''' 第2の端
53 線形アクチュエータ5の一部分
54 第1の相手横突起
54a 第1の傾斜面
54b 第2の傾斜面
55 案内突起
60、60'、60" 駆動装置本体
60a" 開放端、第1の開放端
60b" 閉鎖端、第2の開放端
61、61' ラチェット歯
70 円形の本体
71、71' 被駆動部材、はめば歯車
72 中心シャフト
73 スピナ
81 第1の端
82 第2の端
82a、82a' ラチェット歯
83 バネ
90a 第1の把持本体
90b 第2の把持本体
91a 第1の把持面
91b 第2の把持面
92a 第1のカバー
92b 第2のカバー
92b' 第2の開口
93a 第1の連結要素
93b 第2の連結要素
94a 第1のレール連結器
94b 第2のレール連結器
131 第1の横突起
132 第2の横突起
140 第1の基礎部分
140' 第1の基礎部分140の一部
143 第2の基礎部分
160 駆動装置本体
161 案内軌道
162 傾斜面
162a 第1の端
162b 第2の端
170 昇降部材
170a 第1の端
170b 第2の端
171 被駆動部材
240 第1の基礎部分
243 第2の基礎部分
244 基礎開口
261 傾斜面
261a 第1の端
261b 第2の端
270 昇降部材
270a 第1の端
270b 第2の端
271 被駆動部材
272 バネ
310' 係止ユニット
311a' 取り付け基部
311b' 管状本体
311c' 係止開口
320' 内側フレーム
321' 解放部分
322' 係止部分
330' 取っ手部分
331' 係止フレーム
340 第1の基礎部分
343 第2の基礎部分
372 傾斜面
373 突起
401' 第1の基礎部分
441' 内側フレーム
442' 開口
L 荷重
【国際調査報告】