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特表2023-547933レーザー放出装置、レーザー放出方法およびレーザー無線充電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】レーザー放出装置、レーザー放出方法およびレーザー無線充電システム
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20231107BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20231107BHJP
   H04B 10/80 20130101ALI20231107BHJP
   H01S 3/02 20060101ALI20231107BHJP
   G02B 26/10 20060101ALN20231107BHJP
【FI】
H01S3/10 Z
H01S3/00 A
H04B10/80
H01S3/02
G02B26/10 104Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526503
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2021107151
(87)【国際公開番号】W WO2022088774
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011204598.8
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ツォ
(72)【発明者】
【氏名】ルゥ,ゼォフォン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ミンチアン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ヤンディン
【テーマコード(参考)】
2H045
5F172
5K102
【Fターム(参考)】
2H045AB03
2H045AB43
5F172AD05
5F172AE03
5F172AF02
5F172EE13
5F172NN19
5F172NP02
5F172NQ32
5F172NQ70
5F172ZZ20
5K102AN03
(57)【要約】
レーザー放出装置(41)、レーザー放出方法、およびレーザー無線充電システムが開示される。レーザー放出装置(41)は、検出および制御モジュール(414、415)と、ポンプ源(411)と、光路上に配置された第1の反射鏡群(413)、利得媒体(412)、およびビーム偏向モジュール(416)とを有する。利得媒体(412)は、ポンプ源(411)によってポンピングされて蛍光を放出し、第1の反射鏡群(413)とレーザー受信装置(42)との間での蛍光の共振によって励起されてレーザー光を放出する。ビーム偏向モジュール(416)は、利得媒体(412)によって放出された蛍光またはレーザー光を放出し、レーザー受信装置(42)によって反射された蛍光またはレーザー光を利得媒体(412)内に放出する。検出および制御モジュールモジュール(414、415)は、ビーム偏向モジュール(416)を複数の事前設定された放出角度に調整し、該複数の事前設定された放出角度における蛍光またはレーザー光の光強度、および検出および制御モジュール(414、415)上でのレーザー光の光点位置を検出し、光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、光点位置に基づいてビーム偏向モジュール(416)の放出角度を調整し、これにより、レーザー放出装置がレーザー受信装置(42)を追跡する範囲が無線充電のフィールドにおいて拡大される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出および制御モジュールと、ポンプ源と、光路上に配置された第1の反射鏡群、利得媒体、およびビーム偏向モジュールとを有するレーザー放出装置であって、
前記利得媒体は、前記ポンプ源によってポンピングされて蛍光を放出し、前記第1の反射鏡群とレーザー受信装置との間の蛍光の共振によって励起されてレーザー光を放出し;
前記ビーム偏向モジュールは、前記利得媒体によって放出された前記蛍光または前記レーザー光を放出し、前記レーザー受信装置によって反射された前記蛍光または前記レーザー光を前記利得媒体の中に放出するように構成されており;
前記検出および制御モジュールは:
前記ビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整し;
前記複数の事前設定された放出角度における前記蛍光または前記レーザー光の光強度、および前記検出および制御モジュールでの前記レーザー光の光点位置を検出し;
前記光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、前記ビーム偏向モジュールによって放出される前記レーザー光が前記レーザー受信装置に向けられるように、前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの前記放出角度を調整するように構成されている、
レーザー放出装置。
【請求項2】
前記検出および制御モジュールは、制御モジュールと検出モジュールとを有しており、
前記制御モジュールは、前記光点位置と前記検出モジュールの中心との間の偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、前記光点位置と前記検出モジュールの中心との間の偏差が減少する方向に前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するように構成されている。
請求項1に記載のレーザー放出装置。
【請求項3】
前記検出および制御モジュールは、前記制御モジュールを有しており、前記ビーム偏向モジュールは、第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナを有しており、前記利得媒体からの前記蛍光または前記レーザー光は、前記第1のガルバノスキャナおよび前記第2のガルバノスキャナにより順次反射され、次いで放出され、前記レーザー放出装置から放出された前記蛍光または前記レーザー光は、前記第2のガルバノスキャナおよび前記第1のガルバノスキャナにより順次反射されて、次いで前記利得媒体に伝送し戻され;前記制御モジュールは、前記第1のガルバノスキャナおよび前記第2のガルバノスキャナの回転角度を制御することにより、前記ビーム偏向モジュールの前記放出角度を調整する、請求項1または2に記載のレーザー放出装置。
【請求項4】
前記検出および制御モジュールは、前記検出モジュールを有しており、当該レーザー放出装置は、前記光路に配置された比例ビームスプリッターをさらに有しており、前記比例ビームスプリッターは、前記蛍光または前記レーザー光の一部を前記検出モジュールに透過させるように構成され、前記検出モジュールは、前記蛍光または前記レーザー光の前記一部の光強度および光点位置を検出するように構成される、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項5】
前記比例ビームスプリッターは、前記利得媒体と前記ビーム偏向モジュールとの間で前記光路に配置されている、請求項4に記載のレーザー放出装置。
【請求項6】
前記比例ビームスプリッターは、前記第1の反射鏡群と前記利得媒体との間で前記光路に配置されている、請求項4に記載のレーザー放出装置。
【請求項7】
前記検出および制御モジュールは、前記検出モジュールを有しており、前記第1の反射鏡群は、前記蛍光または前記レーザー光の一部を前記検出モジュールに透過させるようにさらに構成され、前記検出モジュールは、前記蛍光または前記レーザー光の光強度および光点位置を検出するように構成されている、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項8】
当該レーザー放出装置は第1のレンズ群をさらに有しており、前記第1のレンズ群は、前記利得媒体と前記ビーム偏向モジュールとの間で前記光路に配置され、前記第1のレンズ群は、前記レーザー光の安定領域の、作動距離および視野を調整するように構成される、請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項9】
当該レーザー放出装置は、部分反射鏡をさらに有しており、前記部分反射鏡は、前記利得媒体と前記ビーム偏向モジュールとの間で前記光路に配置され、前記部分反射鏡は、前記蛍光または前記レーザー光を前記利得媒体に部分的に反射することができる、請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項10】
前記ポンプ源および前記利得媒体は、電気ポンプ半導体利得チップとして一緒に配置される、請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項11】
前記検出および制御モジュールは前記検出モジュールを有しており、前記検出モジュールは、位置感応性デバイスPSD、赤外線カメラ、および四象限光電検出器またはフォトダイオードを有する、請求項1ないし10のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項12】
前記第1の反射鏡群は、コーナーリフレクター、凸レンズと平面鏡を有する鏡群、凸レンズと凹面鏡を有する鏡群、または屈折率が1.9以上2.1以下の略球面再帰反射体である、請求項1ないし11のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置に適用されるレーザー放出方法であって、当該方法は:
前記レーザー放出装置のビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整するステップと;
前記複数の事前設定された放出角度における蛍光またはレーザー光の光強度、および前記レーザー放出装置の検出および制御モジュールでの前記レーザー光の光点位置を検出するステップと;
前記光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、前記ビーム偏向モジュールによって放出されたレーザー光がレーザー受信装置に向けられるように、前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するステップとを含む、
方法。
【請求項14】
前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するステップは:
前記光点位置と検出モジュールの中心との間の偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、前記光点位置と前記検出および制御モジュールの前記検出モジュールの中心との間の偏差が減少する方向に、前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1ないし12のうちいずれか一項に記載のレーザー受信装置およびレーザー放出装置を有するレーザー無線充電システムであって、前記レーザー受信装置は、第2の反射鏡群と、レーザー光起電力セルと、電力変換回路と、負荷回路とを有しており、前記第2の反射鏡群は、前記レーザー放出装置のビーム偏向モジュールからの蛍光またはレーザー光の一部を前記ビーム偏向モジュールに反射して戻し、他の部分を前記レーザー光起電力セルに透過させるように構成され;前記電力変換回路は、前記レーザー光起電力セルからの電気エネルギーに対して電力変換を実行し、前記電気エネルギーを前記負荷回路に出力するように構成されている、レーザー無線充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年11月2日に中国国家知識産権局に出願された「レーザー放出装置、レーザー放出方法およびレーザー無線充電システム」と題する中国特許出願第202011204598.8号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は、レーザー無線充電の分野に関し、特に、レーザー放出装置、レーザー放出方法、およびレーザー無線充電システムに関する。
【背景技術】
【0003】
レーザー無線充電技術は、長距離無線充電技術であり、具体的には、レーザー放出装置がレーザー光をレーザー受信装置に放出し、レーザー光を受信した後、レーザー受信装置がレーザー光を電気エネルギーに変換して充電を行う。
【0004】
実際の応用では、レーザー受信装置はレーザー放出装置に対して移動するので、レーザー放出装置はレーザー受信装置の位置を走査および追跡する必要がある。レーザー放出装置およびレーザー受信装置が共振を形成することによってレーザー光を伝送するレーザー無線充電システムについては、レーザー放出装置がレーザー光を放出する範囲は、共振の安定性限界のために非常に小さい。結果として、レーザー受信装置がレーザー光を受信できなくない可能性が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施形態は、レーザー放出装置がレーザー受信装置を追跡する範囲を拡張するために、レーザー放出装置、レーザー放出方法、およびレーザー無線充電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本願の実施形態では以下の技術的解決策が使用される。
【0007】
第1の側面によれば、検出および制御モジュールと、ポンプ源と、光路上に配置された第1の反射鏡群、利得媒体、およびビーム偏向モジュールとを含むレーザー放出装置が提供される。利得媒体は、ポンプ源によってポンピングされて蛍光を放出し、第1の反射鏡群とレーザー受信装置との間の蛍光の共振によって励起されてレーザー光を放出する。ビーム偏向モジュールは、利得媒体によって放出された蛍光またはレーザー光を放出し、レーザー受信装置によって反射された蛍光またはレーザー光を利得媒体内に放出するように構成される。検出および制御モジュールは:ビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整し、すなわち、レーザー光を特定のエリアにおいて放出することによってレーザー受信装置を走査し;複数の事前設定された放出角度における蛍光またはレーザー光の光強度、および検出モジュール上でのレーザー光の光点位置を検出し;光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、すなわち、レーザー光が第1の反射鏡群とレーザー受信装置との間で共振を発生させる場合、ビーム偏向モジュールによって放出されたレーザー光がレーザー受信装置に向けられるように、すなわち、微調整が行われるように、光点位置に基づいてビーム偏向モジュールの放出角度を調整するように構成される。本願のこの実施形態において提供されるレーザー放出装置によれば、ビーム偏向モジュールは、レーザー光の放出角度を大きな角度で調整することができ、反射鏡の反射範囲および共振空洞の安定性によって制限される必要がない。したがって、レーザー放出装置のレーザー光の放出範囲が拡大できる。
【0008】
ある可能な実装では、前記検出および制御モジュールは、制御モジュールと検出モジュールとを含み、前記制御モジュールは、前記光点位置と前記検出モジュールの中心との間の偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、前記光点位置と前記検出モジュールの中心との間の偏差が減少する方向に前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するように構成される。この実装は、制御モジュールがビーム偏向モジュールの放出角度を具体的に細かく制御する仕方を開示する。光点位置が検出モジュールの中心に近いほど、レーザー光のパワーが高いことを示す。
【0009】
ある好ましい実装では、前記ビーム偏向モジュールは、第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナを含み、前記利得媒体からの蛍光またはレーザー光は、前記第1のガルバノスキャナおよび前記第2のガルバノスキャナにより順次反射され、次いで放出され、前記レーザー放出装置から放出された蛍光またはレーザー光は、前記第2のガルバノスキャナおよび前記第1のガルバノスキャナにより順次反射されて、次いで前記利得媒体に戻り;前記制御モジュールは、前記第1のガルバノスキャナおよび前記第2のガルバノスキャナの回転角度を制御することにより、前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整する。この実装は、ビーム偏向モジュールの可能な構造を開示する。第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの回転角度を調整することにより走査角度が調整されてもよく、あるいはレーザー放出装置によって放出されるレーザー光の方向が、レーザー受信装置に向けられるように微調整されてもよい。
【0010】
ある可能な実装では、レーザー放出装置は、第1のレンズ群をさらに含み、第1のレンズ群は、利得媒体とビーム偏向モジュールとの間の光路上に配置され、第1のレンズ群は、レーザー光の安定領域の、作動距離および視野を調整するように構成される。異なる距離および異なる角度範囲における共振空洞の安定性は、第1のレンズ群の光学パラメータ、たとえばレンズの焦点距離またはズームイン比を変更することによって変更されうる。たとえば、より小さいズームイン比は、安定ゾーンの、より短い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より大きい視野を示す。より大きいズームイン比は、安定ゾーンの、より長い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より小さい視野を示す。別の例では、より長い焦点距離は、安定ゾーンの、より長い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より小さい視野を示す。より短い焦点距離は、安定ゾーンの、より短い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より大きな視野を示す。
【0011】
ある可能な実装では、レーザー放出装置は、部分反射鏡をさらに含み、部分反射鏡は、利得媒体とビーム偏向モジュールとの間の光路上に配置され、部分反射鏡は、蛍光またはレーザー光を利得媒体に部分的に反射することができる。部分反射鏡は、第1の波長の蛍光またはレーザー光を利得媒体に部分的に反射することができ、それにより、第1の波長のレーザー光の共振空洞のポンピングパワー閾値が低減できる。部分反射鏡によって反射された蛍光の光強度は微弱であり、部分反射鏡の反射率に利得媒体の利得係数を乗じたものは1未満であり、そのため、レーザー受信装置による反射がない場合には部分反射鏡と第1の反射鏡との間で共振が形成されない。レーザー受信装置が第1の波長の光を反射するとき、共振空洞内の利得は損失よりも大きく、共振が共振空洞内で生成されてもよく、第1の波長のレーザー光が放射されうる。
【0012】
ある可能な実装では、ポンプ源および利得媒体は、電気ポンプ半導体利得チップとして一緒に配置され、これは、レーザー放出装置の体積を低減することができる。
【0013】
第2の側面によれば、第1の側面および第1の側面の実装のいずれかによるレーザー放出装置に適用されるレーザー放出方法が提供される。この方法は:レーザー放出装置のビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整するステップと;複数の事前設定された放出角度における蛍光またはレーザー光の光強度、およびレーザー放出装置の検出および制御モジュールでのレーザー光の光点位置を検出するステップと;光強度が任意の事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、ビーム偏向モジュールによって放出されたレーザー光がレーザー受信装置に向けられるように、光点位置に基づいてビーム偏向モジュールの放出角度を調整するステップとを含む。
【0014】
ある可能な実装では、前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するステップは:前記光点位置と前記検出モジュールの中心との偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、前記光点位置と前記検出制御モジュールの前記検出モジュールの中心との偏差が減少する方向に、前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整することを含む。
【0015】
第3の側面によれば、レーザー無線充電システムが提供され、該レーザー無線充電システムは、第1の側面および第1の側面の実装のいずれかによるレーザー放出装置およびレーザー受信装置を含む。レーザー受信装置は、第2の反射鏡群と、レーザー光起電力セルと、電力変換回路と、負荷回路とを含む。第2の反射鏡群は、レーザー放出装置のビーム偏向モジュールからの蛍光またはレーザー光の一部をビーム偏向モジュールに反射して戻し、他の部分をレーザー光起電力セルに透過させるように構成され;電力変換回路は、レーザー光起電力セルからの電気エネルギーに対して電力変換を実行し、電気エネルギーを負荷回路に出力するように構成される。
【0016】
第2の側面および第3の側面の技術的効果については、第1の側面および第1の側面の実装のいずれかの技術的効果を参照されたい。詳細はここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願のある実施形態によるレーザー無線充電システムのアーキテクチャーの概略図1である。
【0018】
図2】本願のある実施形態によるレーザーの原理の概略図である。
【0019】
図3】本願のある実施形態による反射鏡群の構造の概略図である。
【0020】
図4】本願のある実施形態によるレーザー無線充電システムのアーキテクチャーの概略図2である。
【0021】
図5】本願のある実施形態による蛍光範囲および視野範囲の概略図である。
【0022】
図6】本願のある実施形態によるレーザー無線充電システムのアーキテクチャーの概略図3である。
【0023】
図7】本願のある実施形態によるレーザー無線充電システムのアーキテクチャーの概略図4である。
【0024】
図8】本願のある実施形態によるレーザー無線充電システムのアーキテクチャーの概略図5である。
【0025】
図9】本願のある実施形態によるレーザー放出装置の構造の概略図1である。
【0026】
図10】本願のある実施形態によるレーザー放出装置の構造の概略図2である。
【0027】
図11】本願のある実施形態によるレーザー放出装置の構造の概略図3である。
【0028】
図12】本願のある実施形態による四象限光電検出器の構造の概略図である。
【0029】
図13】本願のある実施形態による第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナの回転角度を制御する概略図である。
【0030】
図14】本願のある実施形態による走査方式の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
レーザー無線エネルギー伝送技術は、レーザー放出装置がレーザー光を搬送波として使用することによってエネルギーを外部に送信し、レーザー受信装置がそのレーザー光を受信して電気エネルギーに変換する技術である。電磁無線エネルギー伝送技術と比較して、レーザー無線エネルギー伝送技術は、より良好な指向性およびより長い伝送距離を有する。
【0032】
レーザー無線エネルギー伝送技術は、レーザー受信装置の充電に適用され、これは
レーザー無線充電技術と呼ばれる。図1に示されるように、レーザー無線充電システムは、レーザー放出装置11およびレーザー受信装置12を含む。レーザー受信装置12は、レーザー光起電力セル121と、電力変換回路122と、負荷回路123とを含む。レーザー放出装置11は、特定波長のレーザー光を生成し、レーザー光起電力セル121は、レーザー光を受光した後にレーザー光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力変換回路122は、レーザー光起電力セルによって生成された電圧を負荷回路123によって必要とされる電圧に変換して、負荷回路123に電力を供給する。
【0033】
レーザー放出装置は、レーザー無線充電器またはレーザー放出タワーなど、レーザー光を放射することができるデバイスであってもよい。レーザー受信装置は、レーザー光を受信することができ、レーザー光を電気エネルギーに変換することができるデバイス、たとえば携帯電話または電気自動車であってもよい。
【0034】
レーザー放出装置は、通例、レーザーから進化したものである。そこで、まず、レーザーの基本的な動作原理について説明する。
【0035】
図2に示されるように、レーザーは、ポンプ源21と、利得媒体(作動物質とも呼ばれる)22と、共振空洞23とを含む。ポンプ源21は、エネルギー源として使用され、利得媒体22にエネルギーを提供するように構成される。利得媒体22はポンピングされて特定波長のレーザー光を放出して増幅する。レーザー光は、共振器23内で発振し、往復し、利得媒体22内で増強される。そして、共振空洞23の一端からレーザー光が出力される。
【0036】
ポンプ源21は、光ポンプ源、電気ポンプ源等を含む。一般的なポンプ源は、電気エネルギーから光エネルギーへの変換を実施する半導体レーザー・ポンプ源である。
【0037】
利得媒体22の種類は、液体、気体、固体を含む。液体はたとえば有機溶液を含み、気体はたとえば二酸化炭素を含み、固体はたとえば半導体、結晶材料(たとえばネオジム添加イットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)結晶)などを含む。
【0038】
共振空洞23は2つの反射鏡群を含み、光子は2つの反射鏡群の間を往復して反射され、利得媒体内で誘導放射を連続的に引き起こし、高い光強度を有するレーザー光を発生させる。反射鏡群は、入射光をもとの経路に沿ってまたは平行に、返すために使用される。共振空洞内の一方の反射鏡群は全反射鏡にされ、他方の反射鏡群は部分反射鏡にされる。これにより、部分反射鏡の他方の側からレーザー光の一部が出力されることができる。
【0039】
図3に示されるように、反射鏡群の構造は、本願では限定されない。反射鏡群は、たとえば、図3のAに示すコーナーリフレクター、図3のBに示す凸レンズおよび平面鏡を含む鏡群、図3のCに示す凸レンズおよび凹面鏡を含む鏡群、図3のDに示す屈折率が1.9以上2.1以下の略球面状の再帰反射体等であってもよい。
【0040】
利得媒体22によって光子を放出する過程は、自然放出と誘導放射を含み、そのため、利得媒体22によって放出される光は蛍光およびレーザー光をも含む。
【0041】
利得媒体22がポンプ源21によってポンピングされた後、上位エネルギー準位の分布反転が生じ(すなわち、高いエネルギー準位E2にある原子の量が低いエネルギー準位E1にある原子の量よりも多い)、反転された上のエネルギー準位の粒子は光子を放出して基底状態に戻ることができる。この過程は自然放出であり、光は蛍光である。共振空洞23が共振を形成しない場合、自然放出の蛍光が支配的であり、自然放出の蛍光は4πの立体角を有する(すなわち、指向性のない全方向への放出)。
【0042】
共振空洞が共振し始めた後、利得媒体22は、共振空洞内で反射された蛍光によって刺激され、光を増幅し、もとの方向に光を放出し続ける。この過程が誘導放射である。増幅された光はレーザー光であり、増幅された光の放出方向は入射光の方向と同じである。このため、増幅された光は良好な指向性を有する。共振空洞が共振し始めると、自然放出が大幅に弱められ、蛍光の強度が減少し、レーザー光の強度が増加する。
【0043】
2つの反射鏡群を含むレーザーは、レーザー無線充電の分野で使用される。図4に示されるように、本願の実施形態は、レーザー放出装置41およびレーザー受信装置42を含むレーザー無線充電システムを提供する。レーザー放出装置41は、ポンプ源411と、利得媒体412と、第1の反射鏡群413とを含む。レーザー受信装置42は、レーザー光起電力セル421と、電力変換回路422と、負荷回路423と、第2の反射鏡群424とを含む。電力変換回路422は、直流‐直流(direct current-direct current、DC-DC)回路4221を含み、任意的に、最大電力点追跡(maximum power point tracking、MPPT)回路4222をさらに含む。
【0044】
レーザー無線充電システムの動作原理は以下の通りである。
【0045】
第1の反射鏡群412および第2の反射鏡群424は、共振空洞を形成する。第1の反射鏡群412は全反射鏡であり、第2の反射鏡群424は部分反射鏡である。ポンプ源411は、利得媒体412のためにエネルギーを提供するためのエネルギー源として使用される。利得媒体412はポンピングされて特定波長のレーザー光を放出して増幅する。レーザー光は共振空洞において発振、往復し、レーザー光の一部が第2の反射鏡群412の他方の側から放出される。レーザー光起電力セル421は、レーザー光を受光した後、レーザー光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力変換回路422は、負荷回路423に電力を供給するために、レーザー光起電力セルによって生成された電圧を負荷回路423によって必要とされる電圧に変換する。
【0046】
電力変換回路422内のMPPT回路4222は、レーザー光起電力セル421が最大電力を出力するように、最大電力追跡を実施するように構成され、MPPT 4222は、通例、昇圧(boost〔ブースト〕)回路である。DC-DC回路4221は、MPPT回路4222によって出力された電圧を負荷回路によって必要とされる電圧に変換するように構成される。DC-DC回路4221は、降圧(buck〔バック〕)回路、昇圧(boost)回路、降昇圧(buck-boost)回路等の電圧変換機能を有する回路であってもよい。
【0047】
反射鏡は、特定の範囲内で入射光をもとの経路に沿って、または平行に戻すことができるので、第1の反射鏡群、第2の反射鏡群、および利得媒体がほぼ直線上にある限り、エネルギー伝送が実施でき、レーザー受信装置の自動位置決めおよび追跡が、特定の範囲内で実施できる。人が光路に入ると、共振空洞内でのレーザー光の共振が停止するので、人に害は生じない。
【0048】
しかしながら、反射鏡の反射範囲の制限および共振空洞の安定性の制限のため、走査および追跡範囲は十分に大きくない。図5に示されるように、利得媒体412は、特定の蛍光範囲内の蛍光を放出するようにポンピングされる。共振空洞の安定性によって制限されて、第2の反射鏡群424は、全蛍光範囲内で第1の反射鏡群413と共振空洞を形成することができず、代わりに、蛍光範囲よりも小さい視野範囲内で第1の反射鏡群413と共振空洞を形成することができる。第2反射鏡群424(すなわち、レーザー受信装置42)が視野範囲内で移動すると、共振のためレーザー光が受信される。第2の反射鏡群424(すなわち、レーザー受信装置42)が視野範囲外に移動すると、共振が停止するため、レーザー光は受信できない。
【0049】
したがって、本願のある実施形態は、別のレーザー無線充電システムを提供する。視野範囲を拡大するために、レーザー放出装置にビーム偏向モジュールが追加される。レーザー受信装置は、視野範囲内で走査される。レーザー放出装置は、蛍光またはレーザー光の光強度および検出モジュール上の光点位置を検出する。レーザー受信装置が視野範囲内にあるとき、レーザー放出装置およびレーザー受信装置は共振空洞を形成し、レーザー放出装置はレーザー光を生成する。この場合、粗い位置決めを実施するために、レーザー光の光強度は閾値よりも強い。次いで、レーザー放出装置は、検出モジュール上のレーザー光の光点位置に基づいてビーム偏向モジュールを調整して、レーザー放出装置によって生成されるレーザーパワーを調整する。ビーム偏向モジュールは、レーザー光の放出角度を大きな角度で調整することができ、反射鏡の反射範囲の制限および共振空洞の安定性の制限が除去される。したがって、レーザー放出装置のレーザー光放出範囲が拡大でき、レーザー放出装置がレーザー受信装置を追跡する範囲が拡大される。
【0050】
図6図8に示されるように、図4に示されるレーザー無線充電システムに基づいて、レーザー放出装置41は、検出および制御モジュール(制御モジュール414および検出モジュール415を含む)と、ポンプ源411と、共振空洞の光路上に順次配置された第1の反射鏡群413、利得媒体412、およびビーム偏向モジュール416とを含んでいてもよい。制御モジュール414は、検出モジュール415、ポンプ源411、およびビーム偏向モジュール416に電気的に接続される。
【0051】
任意的に、図7および図8に示されるように、レーザー放出装置41は、共振空洞内に配置された比例ビームスプリッター417をさらに含んでいてもよく、比例ビームスプリッター417は、利得媒体412とビーム偏向モジュール416との間の光路上に配置されてもよく(図7)、または第1の反射鏡群413と利得媒体412との間の光路上に配置されてもよい(図8)。
【0052】
任意的に、図6図8に示されるように、レーザー放出装置41は、第1のレンズ群418をさらに含んでいてもよく、第1のレンズ群418は、利得媒体412とビーム偏向モジュール416との間の光路上に配置されてもよい。
【0053】
任意的に、図6図8に示されるように、レーザー放出装置41は、部分反射鏡419をさらに含んでいてもよく、部分反射鏡419は、利得媒体412とビーム偏向モジュール416との間の光路上に配置されてもよい。
【0054】
すべての構成要素の機能を以下に説明する。
【0055】
利得媒体412は、ポンプ源411によってポンピングされて、第1の波長(たとえば、1064nm)の蛍光を第1の反射鏡群413およびビーム偏向モジュール416に放出する。利得媒体412からの第1の波長の蛍光を利得媒体に反射し戻した後、第1の反射鏡群413は、ビーム偏向モジュール416を通じて蛍光を放出し、蛍光をレーザー受信装置42に放出してもよい。装置の外部から放出された(たとえば、レーザー受信装置42から反射された)第1の波長の蛍光を利得媒体412に反射し戻した後、ビーム偏向モジュール416は、蛍光を第1の反射鏡群413に伝送する。レーザー受信装置42とレーザー放出装置41との間に共振が形成されていない場合、利得媒体412は蛍光を発し、蛍光の一部はビーム偏向モジュール416によってレーザー放出装置41の外部に反射され、蛍光の前記一部は非常に弱く、人体にとって安全である。
【0056】
利得媒体412はさらに、第1の反射鏡群413とレーザー受信装置42(第2の反射鏡群424)との間での蛍光の共振によって励起されて、レーザー光が放出される。蛍光と同様に、利得媒体412からの第1の波長のレーザー光を反射して利得媒体に戻した後、第1の反射鏡群413は、ビーム偏向モジュール416を通じてレーザー光を放出し、レーザー光をレーザー受信装置42に放出してもよい。装置の外部から放出された(たとえば、レーザー受信装置42から反射された)第1の波長のレーザー光を利得媒体412に反射し戻した後、ビーム偏向モジュール416は、レーザー光を第1の反射鏡群413に伝送する。
【0057】
任意的に、図9および図10に示されるように、ポンプ源411および利得媒体412は別々に配置されてもよい。たとえば、ポンプ源411は、光ポンプ源であってもよく、ポンプ源411は、第2の波長(たとえば、808nm)のポンプ光を利得媒体412に放出する。利得媒体412は、第2の波長のポンプ光によって励起されて第1の波長の蛍光またはレーザー光を第1の反射鏡群413およびビーム偏向モジュール416に放出する。
【0058】
任意的に、図11に示されるように、ポンプ源411および利得媒体412は一緒に配置されてもよい。たとえば、ポンプ源411および利得媒体412は、電気ポンプ半導体利得チップであってもよい。
【0059】
任意的に、図9図11に示されるように、第1の反射鏡群413は、凸レンズF1および平面鏡M1を含んでいてもよい。凸レンズF1と平面鏡M1との間の距離L1は、凸レンズF1の焦点距離f1にほぼ等しく、凸レンズF1と利得媒体との間の距離L2は、凸レンズF1の焦点距離f1にほぼ等しい。
【0060】
また、図9および図10に示されるように、平面鏡M1の両側に第2の波長のための高透過膜(たとえば、反射防止性の(anti-reflective、AR)高透過膜)を成長させてもよく、平面鏡M1の片側(反射面)に第1の波長のための高反射膜(たとえば、高反射性の(high-reflective、HR)低透過膜)を成長させてもよい。また、凸レンズF1の両側に第1の波長および第2の波長のための高透過膜を成長させてもよい。このようにして、ポンプ源411によって放出された第2の波長のポンプ光は、平面鏡M1および凸レンズF1を通じて利得媒体412に照射されることができ、利得媒体412によって放出された第1の波長の蛍光またはレーザー光は、利得媒体412に反射して戻される。
【0061】
任意的に、図9および図10に示されるように、利得媒体412の第1の側に第1の波長および第2の波長のための高透過膜を成長させてもよく、利得媒体412の第2の側に第1の波長の高透過膜および第2の波長の高反射膜を成長させてもよい。利得媒体412の第1の側は、第1の反射鏡群413に面する側であり、利得媒体412の第2の側は、第1の側の反対側である。このようにして、第2の波長のポンプ光は、第2の側から漏れることなく第1の側から利得媒体412に入射することができ、第1の波長の蛍光またはレーザー光は、第1の側および第2の側から放出される、または第1の側および第2の側に放出されることができる。
【0062】
任意的に、図6に示されるように、第1の反射鏡群413は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の一部を検出モジュール415に伝送するようにさらに構成される。たとえば、図11に示されるように、平面鏡M1は部分反射鏡であってもよい。たとえば、透過率は5%、反射率は95%であってもよい。第1の波長の蛍光またはレーザー光の一部が平面鏡M1を通じて検出モジュール415に伝送されることができるように、第1の波長のための高透過膜が凸レンズF1の両側に成長されてもよい。
【0063】
任意的に、図11に示されるように、利得媒体412の入射面(出射面ともいう)に第1の波長のための高透過膜を成長させ、利得媒体412の反射面(ポンプ源411との接合面)に第1の波長のための高反射膜を成長させてもよい。これにより、第1の波長の蛍光またはレーザー光が利得媒体から放出される、または第1の波長の蛍光またはレーザー光が利得媒体中に放出されることができ、利得媒体における第1の波長の蛍光またはレーザー光の損失が低減される。
【0064】
比例ビームスプリッター417は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の前記一部(たとえば、4%)を検出モジュール415に透過させるように構成され、他の部分(たとえば、96%)は特定の角度で反射される。反射された部分は、第1の反射鏡群413とビーム偏向モジュール416との間で共振する。たとえば、図9および図10に示されるように、比例ビームスプリッター417は、レーザー光に対して非垂直な角度(たとえば45度)にあり、特定の透過率(たとえば4%)または反射率(たとえば96%)を有する部分反射鏡であってもよい。レーザー放出装置とレーザー受信装置との間に共振が形成される場合、比例ビームスプリッター417は特定の透過率を有するので、レーザー受信装置42から反射された第1の波長のレーザー光の一部は、比例ビームスプリッター417を通じて検出モジュール415に透過される。
【0065】
検出および制御モジュールは:ビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整し、すなわち、レーザー光を特定のエリアにおいて放出することによってレーザー受信装置を走査し;複数の事前設定された放出角度における蛍光またはレーザー光の光強度、および検出および制御モジュール上でのレーザー光の光点位置を検出し;前記光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、すなわち、レーザー光がレーザー受信装置の第1の反射鏡群413と第2の反射鏡群424の間で共振を発生させる場合、光点位置に基づいてビーム偏向モジュールの放出角度を調整し、ビーム偏向モジュールによって放出されたレーザー光がレーザー受信装置に向けられる、すなわち、微調整が行われるようにするように構成される。光点位置が検出および制御モジュールの中心に近いほど、レーザー光のパワーが高いことを示す。
【0066】
検出モジュール415は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の光強度と、検出モジュール415上でのレーザー光の光点位置とを検出するように構成される。視野範囲の存在のため、検出モジュール415の受光面に照射されるレーザー光の光点位置は固定されない。検出モジュール415は、たとえば、位置感応性デバイス(position sensitive device、PSD)、赤外線カメラ、および四象限光電検出器またはフォトダイオード(photodiode、PD)を含みうる。
【0067】
任意的に、光点位置検出へのスプリアス光の干渉を回避するために、第1の波長用の帯域通過フィルタ、たとえば1064nmの帯域通過フィルタが検出モジュール415の表面上に配置されてもよく、または第1の波長用の帯域通過コーティング膜が検出モジュール415の表面上に成長させられる。このようにして、第1の波長付近の光のみが検出モジュール415によって検出されることができ、他の波長の光は検出モジュール415によって検出されることができない。
【0068】
ある可能な実装では、図6および図11に示されるように、レーザー放出装置41が比例ビームスプリッター417を含まない場合、検出モジュール415は、第1の反射鏡群413の光透過側に配置されてもよい。第1の反射鏡群413は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の一部を検出モジュール415に透過させてもよく、検出モジュール415は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の光強度および光点位置を検出する。
【0069】
別の可能な実装では、図7図10に示されるように、レーザー放出装置41が比例ビームスプリッター417を含む場合、比例ビームスプリッター417は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の一部を検出モジュール415に透過させるように構成される。検出モジュール415は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の光強度と、検出モジュール415上でのレーザー光の光点位置とを検出する。
【0070】
下記は、検出モジュール415の検出原理について説明する。
【0071】
たとえば、検出モジュール415が四象限光電検出器であることが一例として使用される。図12に示されるように、四象限光電検出器は、直交座標系の四象限(A,B,C,D)に基づいて、同一性能の4つのPDを配置することによって形成される光電検出デバイスである。四象限光電検出器の表面に蛍光やレーザー光が照射されると、各象限のPDが電流を発生し、その電流信号が外部回路を通じてサンプリングのために電圧信号に変換される。四象限光電検出器の中心に蛍光またはレーザー光が照射された場合、四象限のPD出力電流は同じになる。象限AのPD出力電流をIa、象限BのPD出力電流をIb、象限CのPD出力電流をIc、象限DのPD出力電流をIdとする。電流の大きさは、蛍光またはレーザー光の光強度に対応する。光点の重心の座標(δXY)は、下記の式(1)および式(2)によって表される。
【数1】
【0072】
Ia+Id=Ic+Ib、すなわち、X軸の左側の電流の和がX軸の右側の電流の和に等しいとき、光点の重心はY軸上に位置する、すなわち、光点の重心のX軸座標はx=0によって表される。
【0073】
Ia+Ib=Ic+Id、すなわち、Y軸の上側の電流の和がY軸の下側の電流の和に等しいとき、光点の重心はX軸上に位置する、すなわち光点の重心のY軸座標はy=0によって表される。
【0074】
Ia+Id>Ib+Ic、すなわち、X軸の右側の電流の和がX軸の左側の電流の和よりも大きいとき、光点の重心はX軸の正の半軸上に位置する、すなわち、光点の重心のX軸座標はx>0によって表される。
【0075】
Ib+Ic>Ia+Id、すなわち、X軸の左側の電流の和がX軸の右側の電流の和よりも大きいとき、光点の重心はX軸の負の半軸上に位置する、すなわち、光点の重心のX軸座標はx<0によって表される。
【0076】
Ia+Ib>Ic+Id、すなわち、Y軸の上側の電流の和がY軸の下側の電流の和よりも大きいとき、光点の重心はY軸の正の半軸上に位置する、すなわち、光点の重心のY軸座標はy>0によって表される。
【0077】
Ia+Ib<Ic+Id、すなわち、Y軸の下側の電流の和がY軸の上側の電流の和よりも大きいとき、光点の重心はY軸の負の半軸上に位置する、すなわち、光点の重心のY軸座標はy<0によって表される。
【0078】
上記の仕方に基づいて、蛍光またはレーザー光の光強度および光点位置を大まかに得ることができる。
【0079】
たとえば、検出モジュール415がPDであることが例として使用される。複数のPDを用いて四象限光電検出器が形成されてもよい。複数のPDを用いて形成される四象限光電検出器の原理は、前記四象限光電検出器の場合と同じである。詳細はここでは再び繰り返さない。
【0080】
たとえば、検出モジュール415が赤外線カメラであることが例として使用される。赤外線カメラは、撮影した画像を制御モジュール414に送信し、制御モジュール414は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の輝度および光点位置を取得してもよい。輝度は、光強度を表してもよい。たとえば、画像内の明るい領域が光点位置であり、対応する光強度は、光点位置の輝度値を抽出することによって取得されてもよい。
【0081】
たとえば、検出モジュール415がPSDであることが例として使用される。PSDの受信面はほぼ正方形であり、一辺の長さはLである。
【0082】
ある可能な実装では、PSDは、4つの信号:X1、X2、Y1、およびY2を出力してもよい。X1およびX2は、PSDのX軸上の2つの電極によって実行される光点検出によって生成された光電流から変換された電圧信号である。Y1およびY2は、PSDのY軸上の2つの電極によって実行される光点検出によって生成された光電流から変換された電圧信号である。
【0083】
別の可能な実装では、PSDは、3つの信号:XC、YC、およびOUTH1を出力してもよい。XC、YC、OUTH1は、X1、X2、Y1、Y2に対して、XC=(X2+Y1)-(X1+Y2)、YC=(X2+Y2)-(X1+Y1),OUTH1=X1+X2+Y1+Y2の関係にある。
【0084】
X方向における光点の光点位置は、XC/OUTH1×L/2を計算することによって得ることができ、Y方向における光点の光点位置は、YC/OUTH1×L/2を計算することによって得ることができる。座標原点はPSDの受光面の中心であり、OUTH1は光点の強度である。したがって、検出モジュール415は、第1の波長の蛍光またはレーザー光の強度および光点位置を検出してもよい。
【0085】
任意的に、図9図11に示されるように、ビーム偏向モジュール416は、第1のガルバノスキャナ〔ガルバノメータースキャナ〕4161および第2のガルバノスキャナ4162を含んでいてもよい。任意的に、第1のガルバノスキャナ4161および第2のガルバノスキャナ4162の表面に、第1の波長のための高反射膜(たとえば、高反射性の(high-reflective、HR)低透過膜)を成長させてもよい。利得媒体412からの第1の波長の蛍光またはレーザー光は、第1のガルバノスキャナ4161および第2のガルバノスキャナ4162によって順次反射され、次いで放出され、レーザー放出装置から放出された第1の波長の蛍光またはレーザー光は、第2のガルバノスキャナ4162および第1のガルバノスキャナ4161によって順次反射されて、もとの利得媒体412に伝達される。制御モジュール414は、第1のガルバノスキャナ4161および第2のガルバノスキャナ4162の回転角度を制御することにより、ビーム偏向モジュール416の放出角度を調整する。
【0086】
図9に示されるように、第1のガルバノスキャナ4161および第2のガルバノスキャナ4162の位置を固定した場合、ほぼ円錐状の蛍光範囲が形成され、視野範囲は蛍光範囲よりも小さくなる。図13に示されるように、第1のガルバノスキャナ4161のモーター回転軸に垂直な平面に蛍光範囲の中心を投影した座標が(x,y)であり、dは第2のガルバノスキャナ4162から当該平面までの距離がdであり、eが第1のガルバノスキャナ4161と第2のガルバノスキャナ4162の中心間の距離であり、回転角をfとする。ここで、第1のガルバノスキャナ4161のX軸のまわりの回転角θxは式3を満たし、第2のガルバノスキャナ4162のY軸まわりの回転角は式4を満たすとする:
【数2】
【0087】
したがって、ビーム偏向モジュール416の放出角度は、第1のガルバノスキャナ4161および第2のガルバノスキャナ4162の回転角度を制御することにより、走査経路を制御するために調整されうる。たとえば、図14に示されるように、いくつかの可能な走査経路がある。走査経路は、図14のAに示される、中心から周へのステップごとの走査であってもよいし、図14のBに示される、周から中心へのステップごとの走査であってもよいし、図14のCに示される行ごとのステップごとの走査であってもよいし、図14のDに示される列ごとのステップごとの走査であってもよいし、図14のEに示される斜めの行ごとのステップごとの走査であってもよい。これは本願では限定されない。不感帯の発生を回避するために、走査ステップは、走査ステップが視野範囲の幅未満であるように制御されるべきであることに留意されたい。
【0088】
部分反射鏡419は、第1の波長の蛍光またはレーザー光を利得媒体412に部分的に反射することができ、それにより、第1の波長のレーザー光の共振空洞のポンピングパワー閾値を下げることができる。部分反射鏡419によって反射される蛍光の光強度は弱く、部分反射鏡419の反射率に利得媒体412の利得係数を乗じたものは1未満であるため、レーザー受信装置42による反射がない場合には、部分反射鏡419と第1の反射鏡415との間で共振は形成されない。レーザー受信装置42が第1の波長の光を反射するとき、共振空洞内の利得は損失よりも大きく、共振空洞内で共振が生成されてもよく、第1の波長のレーザー光が放出されてもよい。
【0089】
第1のレンズ群418は、第1の波長のレーザー光の視野範囲を調整することができ、視野範囲は、安定領域の作動距離および視野を含む。異なる距離および異なる角度範囲における共振空洞の安定性は、第1のレンズ群418の光学パラメータ、たとえば、レンズの焦点距離またはズームイン比を変更することによって変更されうる。たとえば、より小さいズームイン比は、安定ゾーンの、より短い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より大きい視野を示す。より大きいズームイン比は、安定ゾーンの、より長い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より小さい視野を示す。別の例では、より長い焦点距離は、安定ゾーンの、より長い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より小さい視野を示す。より短い焦点距離は、安定ゾーンの、より短い作動距離を示すが、安定ゾーンの、より大きな視野を示す。
【0090】
たとえば、図10に示されるように、第1のレンズ群418は、凸レンズF2と凸レンズF3とを含んでいてもよい。部分反射鏡419と第1のレンズ群内の各レンズとの間の位置関係は、本願において限定されない。たとえば、部分反射鏡419は、凸レンズF2と凸レンズF3との間に配置されていてもよいし、第1のレンズ群の外の、凸レンズF2に近い側に配置されていてもよいし、第1のレンズ群の外の、凸レンズF3側に近い側に配置されていてもよい。
【0091】
任意的に、凸レンズF2の第1の焦点は、利得媒体412上に位置してもよい(たとえば、利得媒体412の中心に位置してもよい)。レーザー放出装置41が比例ビームスプリッター417を含む場合、凸レンズF2の第1の焦点は、比例ビームスプリッター417によって反射された後、利得媒体412上に位置しうることに留意されたい。凸レンズF2の第2の焦点は、凸レンズF3の第1の焦点と一致してもよく、凸レンズF3の第2の焦点は、ビーム偏向モジュール416の反射面(たとえば、第1のガルバノスキャナ4161の反射面)に位置してもよい。
【0092】
レーザー放出装置41の動作原理は以下の通りである。
【0093】
制御モジュール414は、ポンプ源411を第1のポンプ強度として制御し、目標領域を走査するよう、ビーム偏向モジュール416を複数の事前設定された放出角度に順次調整する。このとき、レーザー放出装置41は蛍光を放出し、この過程は粗い位置決めプロセスである。レーザー放出装置41は特定の視野範囲を有するので、レーザー受信装置42が視野範囲外にあるとき、共振空洞内に共振は形成されず、検出モジュール415上に明らかな光点は存在しない。
【0094】
制御モジュール415が、検出モジュール415を通じて、第1の波長の蛍光またはレーザー光の強度が前記任意の事前設定された放出角度において第1の閾値より大きいことを検出した場合、レーザー受信装置42がレーザー放出装置41の視野範囲内にあり、レーザー放出装置41とレーザー受信装置42との間に共振が形成されていると考えられる。この場合、レーザー放出装置41がレーザー光を放出し、粗い位置決め工程が完了する。この場合、光点は検出モジュール415のエッジ位置に位置してもよい。レーザー放出装置41は、レーザー光を通じてレーザー受信装置42にエネルギーも伝送するが、レーザーパワーは低い。
【0095】
制御モジュール414は、第2のポンプ強度としてポンプ源411を制御し、第1の波長のレーザー光の光点位置に基づいてビーム偏向モジュール416の放出角度を調整する。具体的には、制御モジュール414は、光点位置と検出モジュール415の中心との間の偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、光点位置と検出モジュール415の中心との間の偏差が小さくなる方向にビーム偏向モジュール416の放出角度を調整する。たとえば、第2の閾値は100マイクロメートルであってもよい。
【0096】
光点位置が検出モジュール415の中心からずれている場合、検出モジュール415は、ずれ〔偏差〕を制御モジュール414に送信し、制御モジュール414は、ずれがなくなるように、ビーム偏向モジュール416を調整する。すなわち、制御モジュール414は、レーザー放出装置41の光軸がレーザー受信装置42に向くように、ビーム偏向モジュール416を調整する。この場合、光点位置は、検出モジュール415の中心位置に位置し、この場合、レーザー放出装置41は、レーザー光を通じてレーザー受信装置42にエネルギーを伝送し、レーザーパワーは最も高い。
【0097】
任意的に、ビーム偏向モジュール416が目標放出角度に調整された後、制御モジュール415が、第1の波長の蛍光またはレーザー光の光強度が第2の閾値未満であることを検出した場合、制御モジュール414は、ポンプ源411を第1のポンプ強度として制御し、ビーム偏向モジュール416を複数の放出角度に順次調整する、すなわち、レーザー放出装置41はレーザー受信装置42を見失い、粗い位置決めが再び実行される。第2の閾値は、第1の閾値以下である。
【0098】
光点位置が検出モジュール415の中心位置に位置するかどうかは、検出モジュール415の以下の態様で決定されうる。
【0099】
検出モジュール415が四象限光電検出器またはPDである場合、4つの象限におけるPDの電流は同じであり、すなわち、Ia=Ib=Ic=Idである。
【0100】
検出モジュール415が赤外線カメラである場合、明るい領域は画像の中心に位置する。
【0101】
検出モジュール415がPSDである場合、XC/OUTH1×L/2およびYC/OUTH1×L/2は座標原点の座標に等しい。
【0102】
第2のポンプ強度および第1のポンプ強度は、同じであっても異なっていてもよい。ある可能な実装形態では、第1のポンプ強度は第2のポンプ強度よりも小さく、すなわち、走査プロセスにおいて、走査は、粗い位置決めプロセスにおける電力消費を低減するために、より小さいポンプ強度を使用することによって実行される。レーザー放出装置41は、レーザー光を通じてレーザー受信装置42にエネルギーを伝送し、伝送効率を改善するために、大きなパワーでエネルギーを伝送する。あるいはまた、第2のポンプ強度は、レーザー受信装置42によってフィードバックされる必要とされる電力に基づいて調整される。
【0103】
本願の実施形態は、レーザー放出装置、レーザー放出方法、およびレーザー無線充電システムを提供する。レーザー放出装置は、制御モジュールと、検出モジュールと、ポンプ源と、共振空洞内に配置された第1の反射鏡群、利得媒体、およびビーム偏向モジュールとを含む。制御モジュールは、検出モジュール、ポンプ源、およびビーム偏向モジュールに電気的に接続される。利得媒体は、ポンプ源によってポンピングされて蛍光を放出し、第1の反射鏡群とレーザー受信装置との間の蛍光の共振によって励起されてレーザー光を放出する。ビーム偏向モジュールは、利得媒体によって放出された蛍光またはレーザー光を放出し、レーザー受信装置によって反射された蛍光またはレーザー光を利得媒体中に放出する。制御モジュールは、ビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に調整するように構成され、検出モジュールは、蛍光またはレーザー光の光強度および検出モジュール上でのレーザー光の光点位置を検出するように構成され、光強度が任意の事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、制御モジュールは、光点位置に基づいてビーム偏向モジュールの放出角度を調整するようにさらに構成される。ビーム偏向モジュールは、レーザー光の放出角度を大きな角度で調整することができ、反射鏡の反射範囲および共振空洞の安定性によって制限される必要がない。したがって、レーザー放出装置のレーザー光放出範囲が増大できる。
【0104】
当業者は、本明細書に開示される実施形態を参照して説明されるユニットおよびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実装できることを認識しうる。これらの機能がハードウェアによって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、技術的解決策の特定の適用例および設計制約条件に依存する。当業者は、各特定のアプリケーションについての説明された機能を実装するために異なる方法を使用しうるが、かかる実装が本願の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0105】
当業者は、簡便な説明のために、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについて、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照することを明確に理解することができる。詳細はここでは再び説明されない。
【0106】
本願において提供されるいくつかの実施形態では、開示されるシステム、デバイス、および方法は、他の仕方で実装されうることを理解されたい。たとえば、説明されたデバイス実施形態は単に例である。たとえば、ユニットへの分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実装においては他の分割であってもよい。たとえば、複数のユニットまたはコンポーネントは、別のシステムに組み合わされ、または統合されてもよく、またはいくつかの特徴が無視されてもよく、または実行されなくてもよい。加えて、表示されるまたは議論される相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェースを通じて実装されてもよい。デバイスまたはユニット間の間接的な結合または通信接続は、電子的、機械的、または他の形で実装されてもよい。
【0107】
別個の構成要素として説明されるユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして表示される構成要素は、物理的ユニットであってもなくてもよく、1つの位置に位置されてもよく、または複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。それらのユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際の要件に基づいて選択されうる。
【0108】
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、ユニットのそれぞれが物理的に単独で存在してもよく、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
【0109】
前述の説明は、単に本願の特定の実装であり、本願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変形または置換は、本願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
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図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-06-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出および制御モジュールと、ポンプ源と、光路上に配置された第1の反射鏡群、利得媒体、およびビーム偏向モジュールとを有するレーザー放出装置であって、
前記利得媒体は、前記ポンプ源によってポンピングされて蛍光を放出し、前記第1の反射鏡群とレーザー受信装置との間の蛍光の共振によって励起されてレーザー光を放出し;
前記ビーム偏向モジュールは、前記利得媒体によって放出された前記蛍光または前記レーザー光を放出し、前記レーザー受信装置によって反射された前記蛍光または前記レーザー光を前記利得媒体の中に放出するように構成されており;
前記検出および制御モジュールは:
前記ビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整し;
前記複数の事前設定された放出角度における前記蛍光または前記レーザー光の光強度、および前記検出および制御モジュールでの前記レーザー光の光点位置を検出し;
前記光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、前記ビーム偏向モジュールによって放出される前記レーザー光が前記レーザー受信装置に向けられるように、前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの前記放出角度を調整するように構成されている、
レーザー放出装置。
【請求項2】
前記検出および制御モジュールは、制御モジュールと検出モジュールとを有しており、
前記制御モジュールは、前記光点位置と前記検出モジュールの中心との間の偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、前記光点位置と前記検出モジュールの中心との間の偏差が減少する方向に前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するように構成されている。
請求項1に記載のレーザー放出装置。
【請求項3】
前記検出および制御モジュールは、制御モジュールを有しており、前記ビーム偏向モジュールは、第1のガルバノスキャナおよび第2のガルバノスキャナを有しており、前記利得媒体からの前記蛍光または前記レーザー光は、前記第1のガルバノスキャナおよび前記第2のガルバノスキャナにより順次反射され、次いで放出され、前記レーザー放出装置から放出された前記蛍光または前記レーザー光は、前記第2のガルバノスキャナおよび前記第1のガルバノスキャナにより順次反射されて、次いで前記利得媒体に伝送し戻され;前記制御モジュールは、前記第1のガルバノスキャナおよび前記第2のガルバノスキャナの回転角度を制御することにより、前記ビーム偏向モジュールの前記放出角度を調整する、請求項1または2に記載のレーザー放出装置。
【請求項4】
前記検出および制御モジュールは、検出モジュールを有しており、当該レーザー放出装置は、前記光路に配置された比例ビームスプリッターをさらに有しており、前記比例ビームスプリッターは、前記蛍光または前記レーザー光の一部を前記検出モジュールに透過させるように構成され、前記検出モジュールは、前記蛍光または前記レーザー光の前記一部の光強度および光点位置を検出するように構成される、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項5】
前記比例ビームスプリッターは、前記利得媒体と前記ビーム偏向モジュールとの間で前記光路に配置されている、請求項4に記載のレーザー放出装置。
【請求項6】
前記比例ビームスプリッターは、前記第1の反射鏡群と前記利得媒体との間で前記光路に配置されている、請求項4に記載のレーザー放出装置。
【請求項7】
前記検出および制御モジュールは、検出モジュールを有しており、前記第1の反射鏡群は、前記蛍光または前記レーザー光の一部を前記検出モジュールに透過させるようにさらに構成され、前記検出モジュールは、前記蛍光または前記レーザー光の光強度および光点位置を検出するように構成されている、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項8】
当該レーザー放出装置は第1のレンズ群をさらに有しており、前記第1のレンズ群は、前記利得媒体と前記ビーム偏向モジュールとの間で前記光路に配置され、前記第1のレンズ群は、前記レーザー光の安定領域の、作動距離および視野を調整するように構成される、請求項1ないし7のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項9】
当該レーザー放出装置は、部分反射鏡をさらに有しており、前記部分反射鏡は、前記利得媒体と前記ビーム偏向モジュールとの間で前記光路に配置され、前記部分反射鏡は、前記蛍光または前記レーザー光を前記利得媒体に部分的に反射することができる、請求項1ないし8のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項10】
前記ポンプ源および前記利得媒体は、電気ポンプ半導体利得チップとして一緒に配置される、請求項1ないし9のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項11】
前記検出および制御モジュールは検出モジュールを有しており、前記検出モジュールは、位置感応性デバイスPSD、赤外線カメラ、および四象限光電検出器またはフォトダイオードを有する、請求項1ないし10のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項12】
前記第1の反射鏡群は、コーナーリフレクター、凸レンズと平面鏡を有する鏡群、凸レンズと凹面鏡を有する鏡群、または屈折率が1.9以上2.1以下の略球面再帰反射体である、請求項1ないし11のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置。
【請求項13】
請求項1ないし12のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置に適用されるレーザー放出方法であって、当該方法は:
前記レーザー放出装置のビーム偏向モジュールを複数の事前設定された放出角度に順次調整するステップと;
前記複数の事前設定された放出角度における蛍光またはレーザー光の光強度、および前記レーザー放出装置の前記検出および制御モジュールでの前記レーザー光の光点位置を検出するステップと;
前記光強度がいずれかの事前設定された放出角度において第1の閾値より大きい場合、前記ビーム偏向モジュールによって放出されたレーザー光が前記レーザー受信装置に向けられるように、前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するステップとを含む、
方法。
【請求項14】
前記光点位置に基づいて前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整するステップは:
前記光点位置と前記検出および制御モジュールの検出モジュールの中心との間の偏差の絶対値が第2の閾値以下になるまで、前記光点位置と前記検出および制御モジュールの前記検出モジュールの中心との間の偏差が減少する方向に、前記ビーム偏向モジュールの放出角度を調整することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1ないし12のうちいずれか一項に記載のレーザー放出装置と前記レーザー受信装置を有するレーザー無線充電システムであって、前記レーザー受信装置は、第2の反射鏡群と、レーザー光起電力セルと、電力変換回路と、負荷回路とを有しており、前記第2の反射鏡群は、前記レーザー放出装置のビーム偏向モジュールからの蛍光またはレーザー光の一部を前記ビーム偏向モジュールに反射して戻し、他の部分を前記レーザー光起電力セルに透過させるように構成され;前記電力変換回路は、前記レーザー光起電力セルからの電気エネルギーに対して電力変換を実行し、前記電気エネルギーを前記負荷回路に出力するように構成されている、レーザー無線充電システム。
【国際調査報告】