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特表2023-547935医療装置をネットワークに接続するための方法、装置、及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】医療装置をネットワークに接続するための方法、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20231107BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20231107BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20231107BHJP
   H04W 4/30 20180101ALN20231107BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/10 110
H04W48/16
H04W4/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526954
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2021080112
(87)【国際公開番号】W WO2022096392
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】21153266.8
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/126689
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ シャオミン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB21
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE25
5K067HH21
(57)【要約】
本発明は、ペアリング装置及びガイド装置を導入することにより、異なる無線通信プロトコルを使用する医療装置又は異なる製造業者の医療装置をネットワークにコミッショニングする方法、装置、及びシステムを提供する。コミッショニング・プロセスは、2つのステップ、例えば、医療装置のペアリング装置へのペアリング、及びペアリング装置とネットワークのサーバとの間のペアリングを含む。ガイド装置を用いてペアリング装置を動的に設定することにより、ペアリング装置は、異なる通信プロトコルを使用する医療装置から配信メッセージを受信し、この配信メッセージを、特定のネットワーク・アドレスを有するリモート・サーバに送ることができる。さらに、ガイド装置は、ペアリング装置の設定を補助するだけでなく、ペアリング装置がインストール中にガイド装置を介してリモート・サーバからリアルタイムのフィードバックを取得する機会を提供するために導入される。そうすることにより、人間の介入が限定的で、柔軟性及び拡張性のあるやり方で、医療装置をネットワークにコミッショニングすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置をネットワークに接続し、前記医療装置から独立したペアリング装置において実行される方法であって、前記方法が、
前記医療装置を前記ペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及び前記ペアリング装置を前記ネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを、ガイド装置から受信するステップと、
前記医療装置から配信メッセージを受信及び解読するために、複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように、前記ペアリング設定情報に基づいて前記ペアリング装置を設定するステップと、
前記医療装置の前記配信メッセージが受信及び解読可能である場合に、前記医療装置の前記ペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を、前記ガイド装置に送るステップと、
前記ネットワーク化設定情報に基づいて、ネットワーク化要求を前記ネットワークの前記サーバに送るステップと、
前記サーバ及び/又は前記ガイド装置から、ネットワーク化応答を受信するステップと、
前記サーバから前記ネットワーク化応答がいつ受信されたかを示す通知を、前記ガイド装置に送るステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記ペアリング設定情報が、前記医療装置の製品モデルを示す情報を含み、前記方法が、
複数の製品モデルのそれぞれを前記複数の無線通信プロトコルのうちの1つに関連付ける予め定義された設定テーブルに基づいて、前記医療装置の前記製品モデルを前記医療装置によって使用される前記無線通信プロトコルにマッピングするステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペアリング設定情報が、前記医療装置によって使用される前記無線通信プロトコルを示す情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ペアリング設定情報が、製品モデル及び無線通信プロトコルを含み、前記方法が、前記製品モデル及び前記無線通信プロトコルの関連付けが予め定義された設定テーブルにまだ含まれていない場合、前記製品モデル及び前記無線通信プロトコルを前記予め定義された設定テーブルに追加するステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ペアリング装置を設定するステップは、
前記ペアリング装置が、前記ペアリング設定情報によって示される、又は前記ペアリング設定情報から導出される前記無線通信プロトコルに対応するドライバを格納しているかを判定するステップと、
前記ペアリング装置が前記ドライバを格納していると判定された場合、前記医療装置からの前記配信メッセージを受信及び解読するように、前記無線通信プロトコルに対応する前記ドライバで前記ペアリング装置を設定するステップと
を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ペアリング装置が、前記ガイド装置及び/又は前記サーバからの更新情報に基づいてそれぞれ更新可能な、少なくとも1つのドライバ及び少なくとも1つの予め定義された変換テーブルを格納する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
医療装置をネットワークに接続し、携帯型ガイド装置において実行される方法であって、前記方法が、
前記医療装置を前記ペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及び前記ペアリング装置を前記ネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを、ペアリング装置に送るステップであって、前記ペアリング設定情報が、前記医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するために複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように、前記ペアリング装置を設定するために使用される、送るステップと、
前記ペアリング装置から、前記医療装置の前記ペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を受信するステップと、
前記サーバから、前記ペアリング装置からのネットワーク化要求が前記サーバによって受信されたことを示すネットワーク化応答を受信するステップと、
前記医療装置の前記ネットワークへの接続の成功を示すネットワーク化応答を、前記ペアリング装置に送るステップと
を有する、方法。
【請求項8】
前記ネットワークのサーバから、又はユーザ・インターフェースから、ペアリング要求を受信するステップと、
前記ペアリング装置から受信された前記ペアリング応答に基づいて、前記医療装置の前記ペアリング装置との前記ペアリングの成功又は失敗を示すペアリング通知を、前記サーバ又は前記ユーザ・インターフェースに送るステップと
をさらに有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記設定情報が、前記医療装置によって使用される無線通信プロトコルに関連付いた製品モデル及び/又は前記医療装置の無線通信プロトコルのうちの少なくとも1つを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法のステップと、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法のステップとを有する、医療装置をネットワークのサーバに接続するための方法。
【請求項11】
医療装置をネットワークに接続するペアリング装置であって、前記ペアリング装置が前記医療装置から独立しており、前記ペアリング装置が、
ガイド装置から、前記医療装置を前記ペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及び前記ペアリング装置を前記ネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを受信する受信ユニットと、
前記医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するために、複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように、前記ペアリング設定情報に基づいて前記ペアリング装置を設定する制御ユニットと、
前記医療装置の前記配信メッセージが受信及び解読可能である場合、前記医療装置の前記ペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を、前記ガイド装置に送る送信ユニットと
を備え、
前記送信ユニットが、さらに、前記ネットワーク化設定情報に基づいてネットワーク化要求を前記ネットワークの前記サーバに送り、前記受信ユニットが、さらに、前記サーバ及び/又は前記ガイド装置からネットワーク化応答を受信し、前記送信ユニットが、さらに、前記サーバから前記ネットワーク化応答がいつ受信されたかを示す通知を前記ガイド装置に送る、ペアリング装置。
【請求項12】
医療装置をネットワークに接続する携帯型ガイド装置であって、前記携帯型ガイド装置が、
前記医療装置をペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及び前記ペアリング装置を前記ネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを、前記ペアリング装置に送る送信ユニットであって、前記ペアリング設定情報が、前記医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するために複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように前記ペアリング装置を設定するのに使用される、送信ユニットと、
前記ペアリング装置から、前記医療装置の前記ペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を受信する受信ユニットと
を備え、
前記受信ユニットが、さらに、前記サーバから、前記ペアリング装置からのネットワーク化要求が前記サーバによって受信されたことを示すネットワーク化応答を受信し、前記送信ユニットが、さらに、前記医療装置の前記ネットワークへの接続の成功を示すネットワーク化応答を、前記ペアリング装置に送る、携帯型ガイド装置。
【請求項13】
前記受信ユニットが、さらに、前記ネットワークのサーバから、又はユーザ・インターフェースから、ペアリング要求を受信し、前記送信ユニットが、さらに、前記ペアリング装置から受信された前記ペアリング応答に基づいて、前記医療装置の前記ペアリング装置との前記ペアリングの成功又は失敗を示すペアリング通知を、前記サーバ又は前記ユーザ・インターフェースに送る、請求項12に記載の携帯型ガイド装置。
【請求項14】
医療装置をネットワークに接続するシステムであって、前記システムが、
請求項11に記載のペアリング装置と、
請求項12又は13に記載の携帯型ガイド装置と
を備える、システム。
【請求項15】
プロセッサ又はコンピュータによって実行されたとき、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するコンピュータ・プログラムを格納する、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にIoTネットワーク化に関し、特に医療装置をネットワークに接続することに関連する。
【背景技術】
【0002】
AED(自動体外式除細動器)は、通常スタンドアロン型装置であり、救急救命具として公共空間に配置されることがよく知られている。いくつかのブランドのAEDは、AEDの保守を可能にするための装置データ、例えばバッテリ残量を定期的に配信する。今日では、AEDの位置決め、保守、及び管理をはるかに容易にするAED IoTソリューションとして、AEDをネットワークに接続する傾向が強まっている。使用安全性への要求が高く、及び/又は適用例のシナリオが頻繁に変わるので、AED装置は単方向データ通信、例えば配信メッセージしか提供できない。現在、スタンドアロン型AEDを自動的にネットワークに接続する簡便な方法はない。
【0003】
装置をネットワークに接続する手順はコミッショニングと呼ばれる。AED IoTのネットワーク化を可能にするために、いくつかの製造業者は、AED装置のチップにIPアドレスなどのネットワーク設定を、AED装置が生産ラインにあるときに予め保存する。しかしながら、この手法では、AEDコミッショニングのための無線プロトコル及びIPアドレスが固定である必要があり、引き渡し後のシステム全体の柔軟性に欠ける。
【0004】
現在、AEDをネットワークに接続する従来のやり方は人間による介入を必要とし、例えば、システム設置者が、まずAEDを様々なセンサが埋め込まれたいわゆるAEDケースに接続し、次いでAEDケースを様々な無線ネットワークを介してサーバに接続する。システム設置者は、AEDケースがAEDからの配信メッセージを受信できることと、AEDケースが、例えば配信メッセージから受けとったデータをネットワークのリモート・サーバに送信するための、データ通信のために無線ネットワークに接続できることを、確実にする必要がある。無線信号が弱いとき、又はネットワーク設定中に人的エラーが発生したとき、すべての機能が正しく動作するかをテストするために追加のワークフローが必要になる。これにより、AED IoTのネットワーク化は拡張性がない。
【0005】
米国特許第2018270340号は、ユーザの利便性及び接続性の問題に対処するペアリング及び通信プロトコルを使用したユーザ装置及び呼気分析装置を開示している。例えば、呼気分析装置は一意の識別子と関連付けられ、一意の識別子はユーザに対応するアカウントと関連付けられる。同様に、ユーザ装置はユーザ装置識別子と関連付けられ、ユーザ装置識別子は、ユーザに対応するアカウントと関連付けられる。呼気分析装置及びユーザ装置は、識別子の少なくとも1つを使用して、ユーザ装置が呼気分析装置とペアリングすることを許可されているか、及びその逆を判定することができる。許可されている場合、呼気分析装置及びユーザ装置は互いにペアリングすることができる。ペアリングされると、ユーザ装置は、呼気分析テスト結果を取得し表示するなどの様々な目的のために、呼気分析装置と無線通信する。
【0006】
EP3091459A1は、植込み型医療装置と、モバイル・ユーザ装置と、リモート・サーバとの間の無線通信のための医療監視及び通信用システムであって、植込み型医療装置に通信可能に連結されたセンサ装置を備え、上記センサ装置が、モバイル・ユーザ装置とペアリングする前に、デフォルトでマスタ・モードになり、モバイル・ユーザ装置からの接続要求を待ち受け、モバイル・ユーザ装置からの接続要求が無効であることに応答して、モバイル・ユーザ装置との通信を控え、モバイル・ユーザ装置からの接続要求が有効であることに応答して、モバイル・ユーザ装置との協働ペアリングを可能にするスレーブ・モードに切り換えるように構成され、モバイル・ユーザ装置が、モバイル・ユーザ装置及びセンサ装置が協働的にペアリングされているときに、センサ装置とリモート・サーバとの間の通信を容易にする、システムを開示している。
【0007】
米国特許第2018270340号及びEP3091459A1は、医療装置と、モバイル・ユーザ装置と、リモート・サーバとの間の通信を容易にする方法を開示しているが、医療装置が使用する無線プロトコルは、知られており、同じネットワーク内の他の医療装置と同じである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
様々な製造業者から提供される医療装置を、柔軟性及び拡張性があり、人による介入が低減されたやり方で、ネットワークにコミッショニングすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、異なる製造業者によるAEDは、メッセージ配信に異なる無線プロトコルを採用するので、AEDケースが、特定の設定を有するAED装置からのメッセージを受信及び解読し、このAED装置を特定のAED IoTネットワークにコミッショニングすることが可能であるように結合されている場合、異なる製造業者のAEDによって使用される無線通信プロトコルは互換性がないため、異なる設定を有する別のAED装置をネットワークにコミッショニングすることができないことに気付いた。
【0010】
本発明者はさらに、AEDがAED IoTネットワークにコミッショニングするのを助けるAED IoTシステムの設置者が、無線信号の弱さ又は一時的なネットワーク障害によるインストール中の接続性の問題に直面することが多く、そのような状況ではリアルタイムのフィードバックが利用できないことに気付いた。
【0011】
本発明の一般概念は、AED装置をネットワークにコミッショニングするためのペアリング装置及びガイド装置を導入することであり、本発明によって提案される技術的ソリューションに基づくと、工場での生産中にAED装置をコミッショニングするために必要な設定情報を予め保存したり、又はAEDケースを特定の製造業者のAED装置と結合させたりする必要がない。その代わり、ペアリング装置は、ガイド装置から受信された設定情報にしたがって動的に設定され、ガイド装置の監視下で最新の設定に適合される。
【0012】
AED装置のコミッショニングは、2つのペアリング・ステップ、例えば、AED装置とペアリング装置との間のペアリング、及びペアリング装置とネットワークのサーバとの間のペアリングを含む。ガイド装置を用いてペアリング装置を動的に設定することにより、ペアリング装置は、異なる通信プロトコルを使用するAED装置から配信メッセージを受信し、この配信メッセージを、特定のネットワーク・アドレスを有するリモート・サーバに送ることができる。さらに、ガイド装置は、ペアリング装置の設定を補助するためだけでなく、ペアリング装置がインストール中にガイド装置を介してリモート・サーバからリアルタイムのフィードバックを取得する機会を提供するために導入される。
【0013】
AED装置のネットワークへのコミッショニングに関する議論は、使用安全性の性質が類似しており、及び/又は適用例のシナリオが頻繁に変わり、並びに単方向通信、例えば、配信メッセージのみを提供する、任意の医療装置に適用可能である。
【0014】
一態様において、本発明は、医療装置をネットワークに接続し、医療装置から独立したペアリング装置において実行される方法であって、方法が、医療装置をペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及びペアリング装置をネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを、ガイド装置から受信するステップと、医療装置から配信メッセージを受信及び解読するために、複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように、ペアリング設定情報に基づいてペアリング装置を設定するステップと、医療装置の配信メッセージが受信及び解読可能である場合に、医療装置のペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を、ガイド装置に送るステップと、ネットワーク化設定情報に基づいて、ネットワーク化要求をネットワークのサーバに送るステップと、サーバ及び/又はガイド装置から、ネットワーク化応答を受信するステップと、サーバからネットワーク化応答がいつ受信されたかを示す通知を、ガイド装置に送るステップとを有する方法を提供する。
【0015】
ペアリング装置は、ガイド装置から受信された設定情報に基づいて動的に設定可能であるので、本方法は、異なる無線通信プロトコルを使用する、異なる製造業者による異なるスタンドアロン型AED装置をネットワークにコミッショニングするために使用することができる。これにより、工場での生産中に設定情報を予め保存したり、又はAEDケースを特定の製造業者のAED装置に結合したりする必要がなくなる。さらに、ペアリング装置とサーバとの間で、異なるネットワーク化設定及びガイド装置の簡便化を用いることで、医療装置を異なるネットワークに接続し、コミッショニングの結果を設置者に適時提供することができる。
【0016】
別の態様では、本発明は、医療装置をネットワークに接続し、携帯型ガイド装置において実行される方法であって、方法が、医療装置をペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及びペアリング装置をネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを、ペアリング装置に送るステップであって、ペアリング設定情報が、医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するために複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように、ペアリング装置を設定するために使用される、送るステップと、ペアリング装置から、医療装置のペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を受信するステップと、サーバから、ペアリング装置からのネットワーク化要求がサーバによって受信されたことを示すネットワーク化応答を受信するステップと、医療装置のネットワークへの接続の成功を示すネットワーク化応答を、ペアリング装置に送るステップとを有する方法を提供する。
【0017】
ガイド装置の上記動作により、送られた設定情報に基づいてペアリング装置を動的に設定し、コミッショニングについてのリアルタイムのフィードバックを設置者に提供することが可能になる。
【0018】
さらなる態様では、本発明は、医療装置をネットワークに接続するペアリング装置であって、ペアリング装置が医療装置から独立しており、ペアリング装置が、ガイド装置から、医療装置をペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及びペアリング装置をネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを受信するように適合された受信ユニットと、医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するために、複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するように、ペアリング設定情報に基づいてペアリング装置を設定するように適合された制御ユニットと、医療装置の配信メッセージが受信及び解読可能である場合、医療装置のペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を、ガイド装置に送るように適合された送信ユニットとを備え、送信ユニットが、ネットワーク化設定情報に基づいてネットワーク化要求をネットワークのサーバに送るようにさらに適合され、受信ユニットが、サーバ及び/又はガイド装置からネットワーク化応答を受信するようにさらに適合され、送信ユニットが、サーバからネットワーク化応答がいつ受信されたかを示す通知をガイド装置に送るようにさらに適合された、ペアリング装置を提供する。
【0019】
さらなる態様では、本発明は、医療装置をネットワークに接続する携帯型ガイド装置であって、携帯型ガイド装置が、医療装置をペアリング装置とペアリングするためのペアリング設定情報、及びペアリング装置をネットワークのサーバに接続するためのネットワーク化設定情報を含むペアリング・メッセージを、ペアリング装置に送るように適合された送信ユニットであって、ペアリング設定情報が、医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するために複数の無線通信プロトコルのうちの1つで動作するようにペアリング装置を設定するのに使用される、送信ユニットとペアリング装置から、医療装置のペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を受信するように適合された受信ユニットとを備え、受信ユニットが、サーバから、ペアリング装置からのネットワーク化要求がサーバによって受信されたことを示すネットワーク化応答を受信するようにさらに適合され、送信ユニットが、医療装置のネットワークへの接続の成功を示すネットワーク化応答を、ペアリング装置に送るようにさらに適合された、携帯型ガイド装置を提供する。
【0020】
さらなる態様では、本発明は、本発明の実施形態による携帯型ガイド装置とペアリング装置とを備えた、医療装置をネットワークに接続するシステムを提供する。
【0021】
別のさらなる態様では、本発明は、プロセッサ又はコンピュータによって実行されたとき、本発明の実施形態の方法を実行するコンピュータ・プログラムを格納するコンピュータ可読媒体を提供する。
【0022】
上記態様の実施形態によると、ペアリング設定情報は、医療装置の製品モデルを示す情報を含み、本方法は、複数の製品モデルのそれぞれを複数の無線通信プロトコルのうちの1つに関連付ける予め定義された設定テーブルに基づいて、医療装置の製品モデルを医療装置によって使用される無線通信プロトコルにマッピングするステップを備える。
【0023】
本実施形態では、AED装置の製品モデルがわかっていれば、予め定義された設定テーブルを設定することにより、ペアリング装置は自身を簡便に設定することができる。製品モデルとは、AED装置の無線通信プロトコルに単独で対応する又は表すことができるAED装置の任意の情報を指し、そのブランド名、その製品シリーズの名称若しくは番号、又は対応するデータ構造を含むが、これらに限定されない。
【0024】
例えば、異なるブランドの医療装置は異なる製品モデルを有しており、予め定義された設定テーブルにAED装置のブランド名及びそれに対応する無線通信プロトコルが格納されていれば、ガイド装置から受信されたAED装置のブランド名を用いて、ペアリング装置は、設定テーブルに格納されているその対応する無線通信プロトコルに基づいて自身を設定することができる。これにより、設置者がペアリング装置を使用してAED装置をコミッショニングすることが容易になる。これにより、設置者がAED装置をコミッショニングするのに必要な技量が軽減される。
【0025】
上記態様の実施形態によると、設定情報は製品モデル及び無線通信プロトコルを含み、本方法は、設定情報が予め定義された設定テーブルにまだ含まれていない場合、設定情報を予め定義された設定テーブルに追加することをさらに有する。
【0026】
このため、新しい製品モデル及びそれに対応する無線通信プロトコルの受信に応答して、予め定義された設定テーブルを更新することができる。したがって、ペアリング装置は、将来的に新しい製品モデルの医療装置をさらにコミッショニングするのに使用され得る。ペアリング装置の拡張性が実現される。
【0027】
上記態様の実施形態によると、本方法は、ペアリング装置が医療装置の設定情報に対応するドライバを格納しているかを判定することと、ペアリング装置がドライバを格納していると判定された場合、医療装置からの配信メッセージを受信及び解読するように、医療装置の設定情報に対応するドライバでペアリング装置を設定することとをさらに有する。
【0028】
ペアリング装置をAED装置に適したドライバで設定することによって、ペアリング装置はAED装置から配信メッセージを受信することができる。
【0029】
上記態様の実施形態によると、本方法は、医療装置からの配信メッセージが、ペアリング装置に格納された予め定義された変換テーブルに基づいて解読可能であるかを判定することと、医療装置からの配信メッセージが、予め定義された変換テーブルに基づいて解読可能であると判定される場合、医療装置のペアリング装置とのペアリングの成功を示すペアリング応答を生成することとをさらに含む。
【0030】
そうすることにより、ペアリング装置はAED装置とペアリングされて、配信メッセージを受信及び解読することができる。さらに、AED装置のペアリング装置とのペアリングの成功を示すためにフィードバックが生成され、したがって、設置者は、ペアリングが成功したときにフィードバックを取得することができる。
【0031】
上記態様の実施形態によると、ペアリング装置は、ガイド装置及び/又はサーバからの更新情報に基づいてそれぞれ更新可能な、少なくとも1つのドライバ及び/又は少なくとも1つの予め定義された変換テーブルを格納する。
【0032】
少なくとも1つのドライバを格納することで、ペアリング装置は、特定のAED装置のみとペアリングされてそこから配信メッセージを受信することに限定されず、異なる製造業者の異なる設定情報で異なるAED装置とペアリングされる能力を有する。
【0033】
例えば、ペアリング装置がBluetooth通信プロトコル及びZigbee通信プロトコルのドライバをそれぞれ格納しているとき、ペアリング装置は、Bluetooth通信プロトコルでAED装置から配信メッセージを受信し、及び/又は、Zigbee通信プロトコルで別のAED装置から配信メッセージを受信するようにそれぞれのドライバで設定される。
【0034】
少なくとも1つの予め定義された変換テーブルを格納することにより、異なる製造業者の少なくとも1つのAED装置からの配信メッセージは、ペアリング装置によってそれぞれ解読することができる。少なくとも1つのドライバ及び/又は少なくとも1つの予め定義された変換テーブルを更新することによって、ペアリング装置は拡張可能であり、ペアリング装置によって元々サポートされていなかった異なるAED装置のコミッショニングに使用できる。
【0035】
本開示の様々な態様及び特徴は、以下でさらに詳述される。本発明の他の目的及び利点は、添付図面と組み合わせてなされる説明を参照して、より明らかになり、より容易に理解されるであろう。
【0036】
本発明は、実施形態と組み合わせ、図面を参照して、より詳細に以下に記載及び説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の一実施形態による各AED装置をネットワークに接続するシナリオである。
図2】本発明の一実施形態によるAED装置のネットワークへの接続方法のフロー・チャートである。
図3】本発明の別の実施形態によるAED装置のネットワークへの接続方法のフロー・チャートである。
図4】本発明の一実施形態によるペアリング装置における予め定義された変換テーブルの更新方法のフロー・チャートである。
図5】本発明の一実施形態によるAED装置をネットワークに接続するためのシステムである。
図6】本発明の別の実施形態によるAED装置をネットワークに接続するためのシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図中の同じ参照符号は、類似又は対応する特徴及び/又は機能を示す。
【0039】
本発明は、特定の図面を参照して特定の実施形態について説明されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。記載されている図面は概略的なものにすぎず、非限定的である。図面では、要素うちのいくつかのサイズが誇張され、例示の目的で縮尺通りに描かれていない場合がある。
【0040】
本発明の実施形態を、自動体外式除細動器(AED)を参照して以下に説明するが、限定的なものではなく、本発明の実施形態は、任意の他の医療装置にも適用され得る。
【0041】
「配信メッセージ」という語句については、医療装置の通信方式を配信に限定するものではなく、単に医療装置から送られるメッセージを指すと理解されるべきである。医療装置の通信方式として、グループキャスト、ユニキャストなども挙げることができる。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態による各AED装置をネットワークに接続するシナリオを示している。複数のAED装置10、10は、緊急時に使用するために公共空間の様々な場所に配置される。各AED装置は、公共空間の対応するケース内に設置することができ、対応するケースは、AED装置をネットワークに接続するためのペアリング装置を含むことができる。図1に示すように、AED装置10及びペアリング装置30はあるケースに設置され、AED装置10及びペアリング装置30は別のケースに設置される。
【0043】
使用後、AED装置10、10は、単方向通信を行うためにそれぞれ対応するケースに配置され、AED装置10、10から配信されるメッセージは、対応するペアリング装置30、30を介してリモート・サーバ20に送られることが望ましい。ペアリング装置を導入することにより、AED装置をネットワークにコミッショニングすることは、AED装置をペアリング装置にペアリングし、次いでペアリング装置をサーバにペアリングすることに関する。上記両方のペアリングは、携帯型ガイド装置50の補助を受けて実行される。特に、ガイド装置50は、上記ペアリングの誘導及び監視に使用される。ガイド装置50は、ユーザに対して情報を受信及び/又は出力するためのユーザ・インターフェース54を含むことができ、したがって、インストール及び通信中のフィードバックは、ガイド装置50を介して届けることができる。
【0044】
ガイド装置50は、ユーザによって携行可能な携帯型装置である。特に、ガイド装置50は、他の装置との通信を提供することができる任意の種類のスマート・デバイスである。例えば、ガイド装置は、携帯電話又はタブレット型コンピュータなどである。或いは、ガイド装置は、スマート・デバイスにインストールして実行することのできるアプリケーションとして具現化することができる。
【0045】
図1に示すように、ガイド装置50は、AED装置10をサーバ20に接続するのを補助するためにペアリング装置30と通信するが、これは例示であって限定的ではなく、ガイド装置50は、AED装置10をサーバ20に接続するのを補助するためにペアリング装置30と通信することもでき、さらにガイド装置50は、AED装置10及び10をサーバ20に接続するのを補助するために、両方のペアリング装置30、30と通信することもできる。
【0046】
さらに、図1に示すように、対応するAED装置をサーバ20に接続するために、1つのケースに1つのペアリング装置だけが含まれているが、これは例示であって限定的ではない。複数の医療装置が同じペアリング装置を共有し、これらをペアリング装置と共にケースに入れて提供できることが考えられる。一実例では、複数のAED装置は、異なる無線プロトコルに基づいてメッセージを配信することができ、ペアリング装置は、異なる無線通信プロトコルに基づいて複数のAED装置のそれぞれからメッセージを受信するように構成され得る。例えば、一方のAED装置がBluetoothに基づいてメッセージを配信し、他方のAED装置が赤外線に基づいてメッセージを配信すると、ペアリング装置は、一方のAED装置からのメッセージをBluetoothに基づいて受信し、他方のAED装置からのメッセージを赤外線に基づいて受信することができる。これにより、ペアリング装置は、異なるAED装置からメッセージを受信する。別の実例では、複数のAED装置は同じ無線通信プロトコルを使用し、ペアリング装置は、あるAED装置からのメッセージをあるタイム・スロットで受信するが、別のAED装置からのメッセージを異なるタイム・スロットで受信する。複数のAED装置に関して説明されたが、異なるタイプの複数の医療装置も想定される。本明細書における「組(ペア)」という語句は、幅広い意味で理解されるものであり、1対1の関係に限定されるものではない。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態による、AED装置10をネットワークに接続する、すなわちAED装置10のコミッショニングを行うための方法100のフロー・チャートである。AED装置10は、AED装置10から配信されたメッセージをサーバ20に送るためのガイド装置50の補助を受けて、ペアリング装置30を介してサーバ20に接続される。ペアリング装置30で実行される方法とガイド装置50で実行される方法との両方について、図2に示す方法100を参照して説明する。
【0048】
図2に示す方法100は、AED装置10をペアリング装置30とペアリングする手順I、及びペアリング装置30をサーバ20とペアリングする手順IIに関する。図2に示す方法100が実行される前に、ガイド装置50はサーバ20への認証を通っているので、サーバ20と通信可能であり、ペアリング装置30とガイド装置50との両方は、互いに接続するためにコミッショニング・モードに入らなければならない。一実施形態では、ペアリング装置のボタンを押し、ガイド装置の機能ボタンを押すことによって、コミッショニング・モードがトリガされる。
【0049】
手順I
ステップS110では、例えばガイド装置50のユーザ・インターフェース54を介して、ガイド装置50によってペアリング要求が受信される。ペアリング要求は、少なくともAED装置10をネットワークに接続するための設定情報を含み得る。
【0050】
一実施形態において、設定情報は、AED装置10がメッセージの配信に使用する無線通信プロトコルを含む。無線通信プロトコルとしては、赤外線、Zigbee、IP、6LoWPAN、又はBluetoothが挙げられる。
【0051】
別の実施形態では、設定情報は、ユーザ・インターフェース54を介して受信されたAED装置10の製品モデルを含む。AED装置10の製品モデルは、AED装置の通信プロトコルを単独で識別する任意の情報であり得る。これは、そのブランド名、その製品シリーズの名称若しくは番号、又は対応するデータ構造を含むが、これらに限定されない。さらに別の実施形態では、設定情報は、AED装置10の製品モデルと対応する無線通信プロトコルとの両方を含む。
【0052】
ステップS110において設定情報を含むペアリング要求を受信した後、ステップS120では、設定情報を含むペアリング・メッセージが生成され、ガイド装置50によってペアリング装置30に送られる。これに従い、ペアリング装置30は、ステップS120において、ガイド装置50から設定情報を含むペアリング・メッセージを受信する。
【0053】
一実施形態では、ステップ120の間、ペアリング装置30が、ガイド装置50との接続後の予め定義された時間間隔内にガイド装置50からペアリング・メッセージを受信できない場合、ペアリング装置30は、ガイド装置50がペアリング・メッセージを送ったかを確認するためにガイド装置50にフィードバックを送り、又は、ペアリング装置30が、予め定義された時間間隔内にガイド装置50からペアリング・メッセージを受信する場合、ペアリング・メッセージの受信についてのフィードバックを与えるために、フィードバックをガイド装置50に送ることもできる。
【0054】
ペアリング装置30は、予め定義された設定テーブルを格納することができ、この設定テーブルには、AED装置の各製品モデルが特定の無線通信プロトコルと対応して格納されている。ステップS120において、AED装置10の製品モデルが、ガイド装置50からペアリング装置30によって受信された場合、本方法はステップS130に進むことができ、ガイド装置50から受信したAED装置10の製品モデルが、ペアリング装置30によって、予め定義された設定テーブルに基づいて特定の無線通信プロトコルにマッピングされる。無線通信プロトコルを決定した後、本方法はステップS140に進む。
【0055】
受信された設定情報が、AED装置の製品モデルと対応する無線通信プロトコルとの両方を含む場合、ペアリング装置30は、まず、AED装置の製品モデル及び対応する無線通信プロトコルが予め定義された設定テーブル内に格納されているかを判定し、格納されていない場合、ペアリング装置30によって受信された製品モデル及び無線通信プロトコルに基づいて、予め定義された設定テーブルが更新されることが考えられる。
【0056】
この場合、ステップS130において、受信された設定情報のAED装置の製品モデル及び対応する無線通信プロトコルが、次回使用するのを容易にするために、予め定義された設定テーブルに追加される。予め定義された設定テーブルを更新した後、本方法はステップS140に進む。
【0057】
ステップS130について、上記のようにペアリング装置30を参照して説明されたが、ステップS130がガイド装置50において実行されることも考えられ、すなわち、ガイド装置50が、予め定義された設定テーブルを格納し、予め定義された設定テーブルに基づいて設定情報を特定の無線通信プロトコルにマッピングし、必要であれば、予め定義された設定テーブルの情報を更新することも考えられる。その後、ガイド装置50からペアリング装置30へ、特定の無線通信プロトコルが送られる。
【0058】
ペアリング装置30によって受信された設定情報が、AED装置10の無線通信プロトコルを含むが、AED装置10の製品モデルを含まない場合、ステップS130は省略されてよく、本方法は直接ステップS140に進む。
【0059】
ステップS140では、ペアリング装置30がAED装置10からの配信メッセージを受信及び解読することを可能にする設定情報に基づいて、ペアリング装置30は、それ自身、特にその受信ユニットを設定する。一方、ガイド装置50は、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング応答を待つ。また、ガイド装置50は、設定がどこまで進み、及び/又はどこで失敗するかをユーザが容易に理解することができるように、ステップS140の間、ペアリング装置30から様々なフィードバックを受信し、フィードバックをユーザに表示することができる。フィードバックについて、図3を参照して詳細に説明される。
【0060】
ステップS140は、ステップS142~S148をさらに含む。ステップS142では、ペアリング装置30は、AED装置10の設定情報がペアリング装置30によってサポート可能か、すなわち、ペアリング装置30がAED装置10の設定情報に対応するドライバを格納しているかを判定する。
【0061】
ペアリング装置30は、AED装置の異なる設定情報にそれぞれ対応する少なくとも1つのドライバを格納することが考えられる。
【0062】
設定情報にAED装置の無線通信プロトコルが含まれる場合、ペアリング装置30は、AED装置の異なる無線通信プロトコルにそれぞれ対応する異なるドライバを格納することができる。設定情報が、医療装置の無線通信プロトコルを単独で識別することができる医療装置の製品モデルを含む場合、ペアリング装置30は、ガイド装置50から受信された製品モデルに対応する適切なドライバでペアリング装置30を設定するように、異なる製品モデルにそれぞれ対応する異なるドライバを格納することができる。ペアリング装置30が、それぞれ異なる製品モデルに対応する異なるドライバを格納している場合、医療装置の製品モデルを特定の無線通信プロトコルにマッピングする必要がないため、ステップS130は省略され得る。
【0063】
ペアリング装置30がAED装置10の無線通信プロトコル又は製品モデルを取得すると、無線通信プロトコル又は製品モデルに対応するドライバがペアリング装置30に格納されているかを判定し、これによりAED装置10の設定情報がペアリング装置30によってサポートされるかを判定する。対応するドライバが格納されていると判定された場合、ペアリング装置30は、AED装置10からの配信メッセージの受信を促進するために、ステップS142においてその受信ユニットを対応するドライバで設定する。それ以外の場合、ペアリング装置30は、設定情報がペアリング装置30によってサポートできないことを記録し、本方法はステップS148に進むことができる。
【0064】
一実例として、ペアリング装置30は、医療装置の製品タイプが赤外線通信プロトコルを使用すると認識した場合、赤外線通信プロトコルに対応するドライバが格納されているかを判定し、ドライバが格納されていると判定した場合、赤外線通信プロトコルに対応するドライバを用いて受信ユニットを設定する。
【0065】
ステップS142において、ペアリング装置30の受信ユニットが、AED装置10に対応するドライバで設定されていた場合、本方法はステップS144に進む。ステップS144において、ペアリング装置30は、AED装置10からの配信メッセージを検出し、ステップS144において、ペアリング装置30が予め定義された時間間隔内にAED装置10からの配信メッセージを検出及び受信できる場合、本方法はステップS146に進む。そうでない場合、ペアリング装置30は、ペアリング装置30がAED装置10からの配信メッセージを検出できないことを記録し、本方法はステップS148に進むことができる。
【0066】
ステップS146において、配信メッセージがAED装置10から受信された後、ペアリング装置30が、受信された配信メッセージを読み取り可能なデータに変換できるか、すなわちペアリング装置30が、受信された配信メッセージを解読できるかをさらに判定する。一般に、ペアリング装置30は、AED装置からの配信メッセージをどのように解読するかを定義する、少なくとも1つの予め定義された変換テーブルを格納することができる。各変換テーブルは変換データを含み、1つのデータ型の配信メッセージを解読するのに使用される。現在のAED装置の配信メッセージのデータ型に対応する、予め定義された変換テーブルがペアリング装置30に格納されていた場合、ペアリング装置30が現在のAED装置からの配信メッセージの解読をサポートしていると判定することができる。さらに、予め定義された変換テーブルが配信メッセージ用の変換データを格納している場合、医療装置からの配信メッセージは予め定義された変換テーブルに基づいて解読されると判定することができる。
【0067】
例えば、ペアリング装置30が、あるブランドのAED装置10のバイナリなどのデータ型に対応する予め定義された変換テーブルを格納している場合、ペアリング装置は、そのブランドのAED装置10からの配信メッセージの解読はサポートしているが、異なるデータ型の異なるブランドのAED装置からの配信メッセージは解読できないことを意味する。
【0068】
配信メッセージは、予め定義された変換テーブルに格納された変換データに基づいて解読することができる。例えば、変換データが、各4ビットがAED装置10の配信メッセージ用のセルとして使用されていることを示している場合、最初の4ビットが0000であることはAED装置10のバッテリ残量を指し、2番目の4ビットが0001であることは現在のバッテリ残量が85%であることを指し、ステップS144において、配信メッセージ「0000 0001」がAED装置10からを受信されたとき、ステップS146において、配信メッセージを「現在のバッテリ残量は85%である」と解読することができる。
【0069】
配信メッセージが読み取り可能なデータに解読された後、読み取り可能なデータは、ペアリング装置30がサーバ20とペアリングされた後に、さらにサーバ20に送信するために、ステップS146においてペアリング装置30のメモリに格納される。そうでない場合、ペアリング装置30は、配信メッセージを読み取り可能なデータに解読できないことを記録し、本方法はステップS148に進むことができる。
【0070】
さらにステップS148において、ペアリング装置30は、ステップS142、S144、及び/又はS146の処理結果に基づいて、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング応答を生成する。
【0071】
ステップS142において、AED装置10の設定情報がペアリング装置30によってサポート可能であると判定された場合、ステップS144において、AED装置10の配信メッセージがペアリング装置30によって受信され、ステップS146において、AED装置10の配信メッセージが読み取り可能なデータに解読されることが可能であり、すなわち、AED装置10の配信メッセージはペアリング装置30によって受信及び解読可能であり、「AED装置ペアリング成功」などの、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功を示すペアリング応答が生成される。
【0072】
そうでない場合、ステップS142、S144、及びS146のうちのいずれか1つで否の判定結果が出る場合、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの失敗を示すペアリング応答が生成される。
【0073】
ステップS142において、ペアリング装置30はAED装置10の設定情報をサポートできないと判定された場合、ステップS144、S146が省略されてよく、本方法はステップS148に直接進んで、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの失敗を示すペアリング応答を生成することに留意されたい。さらに、ステップS144において、AED装置10の配信メッセージを予め定義された時間間隔内に受信できないと判定された場合、ステップS146は省略されてよく、本方法はステップS148に進んで、これに従いAED装置10のペアリング装置30とのペアリングの失敗を示すペアリング応答を生成する。
【0074】
さらに、ペアリングの失敗についての詳細な説明が生成される。例えば、ステップS142において、ペアリング装置30がAED装置10のBluetooth通信プロトコル用のドライバを格納していないため、ペアリング装置30がAED装置10の設定情報をサポートできないと判定された場合、ペアリング応答は「サポートされていない」として生成され、ステップS142においてAED装置10の設定情報がペアリング装置30によってサポート可能であるが、ステップS144において配信メッセージをAED装置10から受信できないと判定された場合、ペアリング応答は、「サポートされているが、配信メッセージは受信されていない」として生成され、ステップS142において、AED装置10の設定情報がペアリング装置30によってサポート可能であり、ステップS144において、AED装置10から配信メッセージを受信することができるが、ステップS146において、AED装置10の配信メッセージを読み取り可能なデータに解読できないと判定された場合、ペアリング応答は「解読失敗」として生成される。
【0075】
ステップS148においてペアリング装置によってペアリング応答が生成された後、ステップS150においてペアリング応答をガイド装置50に送ることができる。特に、AED装置10の配信メッセージが受信及び解読可能である場合、ステップS150において、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功を示すペアリング応答がガイド装置50によって受信されることになる。その他、AED装置10の配信メッセージを受信及び解読できない場合、ステップS150において、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの失敗を示すペアリング応答が、ガイド装置50によって受信されることになる。
【0076】
ガイド装置50によってペアリング応答が受信された後、ステップS160において、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング通知が、ガイド装置50によってペアリング応答に基づいて生成され、ユーザ・インターフェースに送り返されて表示される。ペアリング装置30とAED装置10との間のペアリングがokか否か、及びどこで失敗するかを設置者が理解できるように、ペアリング応答は、フィードバックとして設置者に表示することができる。これにより、手順Iが終了する。手順Iは、ペアリング装置30のAED装置10とのペアリングが成功するまで、繰り返し実行される。
【0077】
手順II
ステップS210において、ペアリング装置30は、ネットワーク化設定に基づいてネットワーク化要求をネットワークのサーバ20に送り、一方ステップS220において、ペアリング装置30は、ペアリング装置30からサーバ20にネットワーク化要求が送られたことをガイド装置50に知らせるメッセージをガイド装置50に送る。ステップS220により、設置者は、ガイド装置50を介して、ペアリング装置30のネットワーク化動作の進捗を把握できる。ステップS220は省略されてもよい。ネットワーク化設定は、ステップS110において、設定情報の一部として受信される。ネットワーク化設定は、ガイド装置50によって、ユーザ・インターフェースを介して又はサーバ20から受信され、一般に、ネットワークのサーバ20のネットワーク・アドレスを含む。ネットワーク・アドレスは、サーバ20のIPアドレス、Wi-Fiアドレス、及び/又はBluetoothアドレスを含むが、これらに限定されない。
【0078】
ステップS210においてネットワーク化要求がサーバ20に送られた後、ステップS230において、ペアリング装置30は、予め定義された間隔の間ネットワーク化応答を待つ。ステップS210においてサーバ20がネットワーク化要求を受信した場合、ネットワーク化応答が、ステップS240において生成され、サーバ20からガイド装置50に送られ、次いでステップS250において、予め定義された間隔内にペアリング装置30に転送されることが可能である。ペアリング装置30が、予め定義された間隔内でネットワーク化応答を受信すると、ステップS260において、医療装置10のネットワークへの接続の成功を示す通知をガイド装置50に送ることができる。この場合、ガイド装置50を介して、ペアリング装置30のサーバ20とのペアリングがOKであることを、設置者に知らせる。
【0079】
確かに、ステップS240において、ガイド装置50にネットワーク化応答が知らされたので、ステップS250及びS260は省略されてもよい。
【0080】
ネットワーク化応答がガイド装置50に送られ、次いでペアリング装置30に転送されるステップS240及びS250とは異なり、ネットワーク化応答はペアリング装置30に直接送られてもよい。この場合、ステップS260は、設置者にネットワーク化応答を知らせることが予想される。
【0081】
ステップS210でサーバ20がネットワーク化要求を受信できなかった場合、ペアリング装置30は、ステップS230においてステップS210に戻り、ステップS240及びS250を介してネットワーク化応答が受信されるまで予め定義された期間、ステップS210及びS220を繰り返すことになる。ステップS240及びS250を介して、ネットワーク化応答が予め定義された期間内に受信された場合も、ペアリング装置30は、ステップS260において、医療装置10のネットワークへの接続の成功を示す通知をガイド装置50に送る。
【0082】
そうではない場合、予め定義された期間内にネットワーク化応答が受信されない場合、ステップS260において、ペアリング装置30が、医療装置のネットワークへの接続の失敗を示す通知をガイド装置50に送り、さらにペアリング装置30は、ガイド装置50にサーバ20用のネットワーク化設定の再送を要求する。通知は、ガイド装置50のユーザ・インターフェース54を介して設置者に示される。ペアリング要求がサーバ20から受信された場合、通知をサーバ20に送る又は転送することも可能である。
【0083】
手順IはステップS110~S160を参照して説明され、手順IIはステップS210~S260を参照して説明されるが、異なる機能を実現するために、それらのうちの1つ又は複数のステップが省略/変更/結合されることが考えられる。
【0084】
図3は、本発明の別の実施形態によるAED装置をネットワークに接続するための方法200のフロー・チャートである。
【0085】
図2に示されるAED装置10をネットワークに接続する方法100とは異なり、方法200のステップS110では、AED装置10の設定情報を含むペアリング要求が、ガイド装置50によってサーバ20から受信される。ペアリング要求を受信した後、ステップS120において、設定情報を含むペアリング・メッセージが、ガイド装置50によって生成され、ペアリング装置30に送られる。
【0086】
したがって、ステップS160において、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング通知がガイド装置50によって生成された後、ステップS170において、ペアリング通知をサーバ20に送り返すことができる。
【0087】
さらに、ステップS142、S144、及びS146の各ステップの後、ステップS1421、S1441、及びS1461それぞれにおいて、フィードバック信号をガイド装置50に送ることができるため、ユーザは、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの進捗及びどこで失敗するのかを容易に把握することができる。フィードバック信号は、ステップS142、S144、及びS146において、それらのステップでのそれぞれの動作に基づき、それぞれペアリング装置30によって生成することができる。
【0088】
例えば、ステップS142において、ペアリング装置30がAED装置10の設定情報をサポートできないと判定された場合、すなわち、ペアリング装置30が、設定情報に含まれる無線通信プロトコル用のドライバを格納していない場合、フィードバック信号は「サポートされていない」として生成可能である。ステップS142において、AED装置10の設定情報がペアリング装置30によってサポート可能であり、ペアリング装置30の受信ユニットが対応するドライバで正常に設定されたと判定された場合、ステップS1421において、フィードバック信号を「設定OK」として生成し、ガイド装置50に送ることができる。次いで、方法200は、ステップS144に進んで、AED装置10からの配信メッセージを受信する。
【0089】
ステップS144において、配信メッセージが、予め定義されたタイム・スロット内にAED装置10から受信されなかった場合、フィードバック信号を「配信メッセージが受信されていない」として生成することができ、ステップS144において、AED装置10から受信した配信メッセージが存在する場合、フィードバック信号を「配信メッセージが受信された」として生成し、次いでステップS1441において、フィードバック信号をガイド装置50に送ることができる。次いで、本方法はステップS146に進む。
【0090】
ステップS146において、AED装置10からの配信メッセージを読み取り可能データに解読することができないと判定された場合、すなわち、ペアリング装置30内に、対応する予め定義された変換テーブルが格納されていない場合、フィードバック信号は「解読失敗」として生成される。ステップS146において、AED装置10からの配信メッセージを読み取り可能なデータに解読することができ、配信メッセージがペアリング装置30によって正常に解読されたと判定された場合、フィードバック信号が「解読ok」として生成され、ステップS1461においてガイド装置50に送られる。次いで、方法200はステップS148に進む。ステップS148では、ステップS146からのフィードバック信号に基づいて、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング応答が生成される。
【0091】
それぞれのステップS142、S144、及びS146からのステップS1421、S1441、及びS1461における上記フィードバック信号は、ガイド装置50のユーザ・インターフェース54を介してユーザに示すことができる。フィードバック信号により、設置者は、AED装置10とペアリング装置30との間のペアリングがどこまで進み、どこで失敗するかを明確に把握することができる。
【0092】
さらに、一実施形態によると、ペアリング装置30に格納されたドライバは、ガイド装置50及び/又はサーバ20からの更新情報に基づいて更新可能である。この場合、手順Iは、ペアリング装置30に格納されているドライバ及び/又は予め定義された変換テーブルを更新するステップをさらに含み得る。
【0093】
一実例では、図3に示されるように、ペアリング装置30によってフィードバック信号「サポートされていない」が生成された後、ペアリング装置30は、ステップS1421でフィードバック信号をガイド装置50に送るだけでなく、ドライバの更新要求もガイド装置50に送る。ペアリング装置30から更新要求が受信された後、ガイド装置50はペアリング装置30に更新情報を提供する。これにより、オンエア更新が提供される。
【0094】
更新情報には、ペアリング装置30に元々格納されていないAED装置10の無線通信プロトコルのドライバが含まれる。ペアリング装置30は、更新情報に含まれるドライバを受信及び格納し、さらに、ペアリング装置30の受信ユニットをドライバで設定する。ペアリング装置30のドライバの更新は、ペアリング装置に新しいドライバを追加すること、又はペアリング装置に格納されているドライバの1つを新しいバージョンに更新することに関する。
【0095】
別の実例では、ドライバの更新は、ガイド装置50によっても要求される。例えば、設置者が、新しい無線通信プロトコルを用いてAED装置とペアリングするためにペアリング装置30のスケール・アップを希望する場合、新しい無線通信プロトコル用の更新情報を含むドライバ更新要求が、ガイド装置50からペアリング装置30に送られる。ドライバ更新要求は、サーバ及び/又はガイド装置のユーザ・インターフェースから、ガイド装置50によって受信される。ガイド装置50からの更新要求に応答して、ペアリング装置30は、新しい無線通信プロトコル用の更新情報に基づいてドライバを更新し、次いでガイド装置50に更新応答を返すことができる。
【0096】
さらなる実例では、ペアリング装置30とサーバ20との間の接続が確立された場合、ドライバの更新要求はサーバ20からペアリング装置30に送られて、サーバ20から更新情報が取得される。
【0097】
ペアリング装置30は、異なるブランドのAED装置の異なる設定情報(例えば、無線通信プロトコル)に対応するドライバを格納するだけでなく、各格納されたドライバ及びそれに対応する設定情報を示す予め定義されたドライバ・テーブルも格納することができる。
【0098】
例えば、ペアリング装置30は、赤外線通信プロトコル用のドライバD1、及びBluetooth通信プロトコル用のドライバD2を格納することができ、予め定義されたドライバ・テーブルは、ドライバD1及びD2並びにそれぞれの通信プロトコルを示す。予め定義されたドライバ・テーブルに基づいて、ステップS142においてAED装置10の通信プロトコルに対応する適切なドライバがペアリング装置30に格納されているかを容易に判定することができる。
【0099】
この場合、更新情報は、更新及び/又は追加すべきドライバ並びにドライバによってサポート可能な設定情報の種類を示す指標を含むことも可能である。次いで、更新情報に基づいてペアリング装置30に格納されたドライバが更新されたとき、予め定義されたドライバ・テーブルも更新される。
【0100】
ドライバと同様に、ペアリング装置30に格納されている予め定義された変換テーブルを更新することもできる。予め定義された変換テーブルの更新は、予め定義された変換テーブルから変換データを追加、変更、及び/又は削除することだけでなく、ペアリング装置30内に格納された複数の予め定義された変換テーブルから予め定義された変換テーブルを追加及び/又は削除することにも関する。更新は、ペアリング装置30若しくはガイド装置50によって要求されるか、又は、手順IIの間にペアリング装置30とサーバ20との間に接続が確立された場合、サーバ20によって更新が要求される。
【0101】
変換テーブルの更新は、手順Iの間に実行される。例えば、ステップS146において、ペアリング装置30がAED装置10から受信された配信メッセージに対応する変換テーブル又は変換データを格納していないと判定された場合、ペアリング装置30は、ステップS1461でフィードバック信号「解読失敗」をガイド装置50に送るだけでなく、変換テーブル更新要求もガイド装置50に送る。更新要求に応答して、ガイド装置50は、変換テーブル用の更新情報をペアリング装置に送って、変換テーブルを更新する。変換テーブルの更新は、ガイド装置50又はサーバ20によっても開始され得る。図4は、本発明の一実施形態によるペアリング装置30における予め定義された変換テーブルを更新するための方法300のフロー・チャートである。
【0102】
ステップS310において、ペアリング装置30とガイド装置50との両方がコミッショニング・モードに入る。このステップは省略され得る。ステップS320において、ガイド装置50は更新情報を含む変換テーブル更新要求をペアリング装置30に送り、更新要求はユーザからユーザ・インターフェースを介して、又はサーバ20から、ガイド装置50によって受信される。例えば、更新情報は、「最初の4ビットが0001であることはAEDのライフサイクルを指し、2番目の4ビットが0010であることは現在のAEDのライフサイクルが50%であることを指す」などのデータを、予め定義された変換テーブルに追加することを示すことができる。
【0103】
ステップS330において、変換テーブル更新要求を受信した後、ペアリング装置30は、更新要求に含まれる更新情報に基づいて予め定義された変換テーブルを更新する。例えば、予め定義された変換テーブルに、上述の更新情報から「0001 0010」のビット及びそれに対応する意味が追加される。
【0104】
ステップS340では、上記更新を実行した後、ペアリング装置30からガイド装置50に更新応答を送ることができる。
【0105】
また、ペアリング装置30とサーバ20との間の接続が確立された場合、ペアリング装置30がサーバ20に更新要求を送ってサーバ20から変換テーブル用の更新情報を取得するか、又はサーバ20が変換テーブル用の更新情報を含む更新要求をペアリング装置30に送って更新を開始することが考えられる。
【0106】
図4は、変換テーブルの更新を参照して示されたが、ドライバの更新にも適用されてもよい。
【0107】
ドライバ及び/又は変換テーブルを更新可能にすることで、ペアリング装置30は、異なる製造業者のAED装置に対しても拡張可能である。
【0108】
さらに、AED装置10がネットワークのサーバ20に接続されることを確実にするための上記手順I及びIIが実行された後、医療装置10がサーバ20に正しく接続されているかをテストするためのテスト・フローが実行される。
【0109】
ステップS260においてAED装置10のネットワークのサーバ20との接続の成功を示す通知を受信した後、ガイド装置50は、テスト・フローを開始するために、そのユーザ・インターフェースを介してテスト要求をさらに受信することができる。ガイド装置50は、テスト要求をペアリング装置30に転送することができる。ペアリング装置30は、テスト要求を受信するとき、AED装置10からの配信メッセージの受信を開始し、受信すると、配信メッセージを解読し、解読済メッセージに「テスト」タグを付加し、解読済メッセージをサーバ20に送り、サーバ20が「テスト」タグの付いた解読済メッセージを受信する場合、テストの成功を示すフィードバックをガイド装置50に送ることができ、そのような解読済メッセージが、予め定義された時間間隔内にサーバ20によって受信されない場合、サーバ20は、テストの失敗を示すフィードバックをガイド装置50に送信することができる。
【0110】
また、ペアリング装置30は、テスト・フロー中に、例えば、AED装置10から配信メッセージを受信できないとき、及び/又は配信メッセージを解読することができないときに、ガイド装置50にフィードバックを送る。フィードバックにより、ユーザがどのような問題が発生するかを把握し、それによりAED装置10のサーバ20との接続の維持が容易になる。
【0111】
図5は、本発明の一実施形態による医療装置10をネットワークのサーバ20に接続するためのシステム1を示している。システム1は、ペアリング装置30とガイド装置50とを少なくとも含み、任意選択で、AED装置10などの医療装置とネットワークのサーバ20とを含む。
【0112】
図5に示すように、ペアリング装置30は、受信ユニット31と、制御ユニット32と、送信ユニット33とを備え、ガイド装置50も、受信ユニット51と、制御ユニット52と、送信ユニット53とを備える。任意選択で、ガイド装置50は、ユーザ・インターフェース54を備える。
【0113】
受信ユニット51は、上記ステップS110を参照して説明したように、ユーザ・インターフェース54からペアリング要求Rst1を受信し、一実施形態では、AED装置10をネットワークに接続するための設定情報は、ペアリング要求Rst1の一部として受信される。設定情報は、AED装置10の製品モデル及び/又はAED装置10の無線通信プロトコルを含むことができる。さらに、設定情報は、サーバ20用のネットワーク化設定を含むことができる。
【0114】
別の実施形態では、ペアリング要求は設定情報が含まないが、ペアリング要求の受信に応答して、ガイド装置50の制御ユニット52は、AED装置10、ユーザ・インターフェース54及び/又はサーバ20からそれぞれ、対応する設定情報を取得するようにガイド装置50を制御する。
【0115】
設定情報が取得されると、制御ユニット52によって設定情報を含むペアリング・メッセージMsgが生成される。
【0116】
ガイド装置50の送信ユニット53は、ペアリング装置30にペアリング・メッセージMsgを送る。ペアリング装置30の受信ユニット31は、ペアリング・メッセージMsgを受信する。ペアリング装置30の制御ユニット32は、AED装置10からの配信メッセージが受信及び解読されるように、ペアリング・メッセージMsgに含まれる設定情報に基づいて、ペアリング装置30、特にペアリング装置30の受信ユニット31を設定する。これは、上記ステップS140に対応する。ペアリング装置30は、ガイド装置から受信された設定情報に基づいて動的に設定することができるので、工場での生産時に設定情報を予め保存したり、又は特定の製造業者のAED装置と結合したりする必要がない。その代わり、ペアリング装置30は、任意の製造業者のAED装置と動的にペアリングされて、AED装置から配信情報を受信する。
【0117】
ペアリング装置30の制御ユニット32によるペアリング装置30の設定中、ガイド装置50は、AED装置のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示す、ペアリング装置30からのペアリング応答Ack1を待つ。具体的には、ガイド装置50の制御ユニット52は、ペアリング装置30から、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング応答Ack1を待つように受信ユニット51を制御する。
【0118】
ペアリング装置30の制御ユニット32が、AED装置10からの配信メッセージを受信及び解読するようにペアリング装置30を設定した場合、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功を示すペアリング応答Ack1が、制御ユニット32によって生成される。そうでない場合、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの失敗を示すペアリング応答Ack1が、制御ユニット32によって生成される。
【0119】
ペアリング装置30の送信ユニット33は、ペアリング応答Ack1をガイド装置50に送る。ガイド装置30の受信ユニット51は、ペアリング装置30からペアリング応答Ack1を受信する。その後、受信されたペアリング応答Ack1に基づいて、AED装置10のペアリング装置30とのペアリングの成功又は失敗を示すペアリング通知Ntfを生成することができる。ペアリング通知Ntfは、ペアリング要求Rst1の受信元であるユーザ・インターフェース54に送られる。このように、AED装置10とペアリング装置30とのペアリングのための手順Iは終了する。
【0120】
手順Iの後、手順IIにおいて、ペアリング装置30はネットワークのサーバ20とさらにペアリングされる。
【0121】
手順IIの間、ペアリング装置30は、サーバ20のネットワーク化設定に基づいて、サーバ20にネットワーク化要求Rst2を送る。ネットワーク化設定は、手順Iの間に受信された設定情報に含まれる。
【0122】
サーバ20は、ネットワーク化要求Rst2を受信した場合、ネットワーク化応答Ack2を生成し、ガイド装置50に送ることができる。ネットワーク化応答Ack2は、ネットワーク化設定に基づいたペアリング装置30からのネットワーク化要求Rst2が、サーバ20によって受信されたことを示す。ネットワーク化応答Ack2の受信に応答して、ガイド装置50は、ネットワーク化応答Ack2に基づくAED装置10のネットワークとの接続に成功したことを示すネットワーク化応答Ack3を生成する。
【0123】
一実施形態では、ネットワーク化応答Ack3はペアリング装置30に送られ、ネットワーク化応答Ack3がペアリング装置30によって受信された場合には、AED装置10のネットワークとの接続に成功したことを示す通知が生成される。そうでない場合、ネットワーク化応答Ack3が、予め定義された期間内にペアリング装置30によって受信されない場合、AED装置10のネットワークとの接続が失敗したことを示す通知が生成される。この通知は、ガイド装置50に送り返され得る。
【0124】
本実施形態では、ネットワーク化要求Rst2がサーバ10に送られた後、ペアリング装置30の制御ユニット32は、ネットワーク化応答Ack3が、サーバ20及び/又はガイド装置50から、予め定義された間隔内にペアリング装置30によって受信されたかを判定する。受信されない場合、ペアリング装置30は、ネットワーク化要求Rst2を送ること、及びネットワーク化応答Ack3が受信されたかを判定することを、予め定義された期間が満了するまで繰り返すことになる。予め定義された期間内にペアリング装置30によってネットワーク化応答Ack3が受信された場合、AED装置10のネットワークへの接続が成功したことを示す通知が生成され、ユーザ・インターフェースを介して表示するためにガイド装置50に送られる。
【0125】
別の実施形態では、ネットワーク化応答Ack3は省略されてよい。ガイド装置50は、予め定義された期間内にネットワーク化応答Ack2を受信すると、その制御ユニット52は、AED装置10のネットワークへの接続が成功したことを示す通知を生成して、設置者に表示する。それ以外の、予め定義された期間内にネットワーク化応答Ack2が受信されなかった場合、制御ユニット52は、AED装置10のネットワークへの接続が失敗したことを示す通知を生成する。
【0126】
AED装置10のネットワークへの接続の成功又は失敗を示す通知を受信又は生成した後、ガイド装置50は、ユーザ・インターフェース54を介してユーザに通知を表示する。
【0127】
図6は、本発明の別の実施形態による医療装置10をネットワークのサーバ20に接続するためのシステム2を示す。
【0128】
図5に示されているシステム1とは異なり、サーバ20は、ネットワーク化要求Rst2を受信した後、ネットワーク化応答Ack2を生成し、ペアリング装置30に直接送る。ペアリング装置30は、AED装置10のネットワークへの接続が成功したことを示す通知NTFを生成し、ユーザ・インターフェース54を介して表示するために、通知NTFをガイド装置50に送る。
【0129】
図5及び図6に示すように、ペアリング要求Rst1はユーザ・インターフェースから受信されるが、サーバから受信することも考えられる。
【0130】
本発明の実施形態は、方法及び製品などの異なる主題を参照して説明されているが、異なる主題を参照して説明された内容は、互いに組み合わせてよい。さらに、制御ユニット32、52が、ペアリング装置30及びガイド装置50のすべての制御機能又は処理機能を実行することができることが考えられる。
【0131】
上述した本発明の実施形態は、デジタル電子回路によって、コンピュータ・ソフトウェア又はファームウェア、コンピュータ・ハードウェア、及びそれらの任意の組み合わせにおいて、実行することができる。一実施形態では、ガイド装置は、1つ又は複数のメモリ及び1つ又は複数のプロセッサによって実現される。メモリは、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、1つ又は複数のプロセッサに実施形態の方法を実行させるように動作可能な命令を格納する。
【0132】
本発明の実施形態は、コンピュータ記憶媒体によって実行される。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたときに、実施形態の方法を実行するための命令を格納している。
【0133】
上述の実施形態は、本発明を限定するのではなく、例示するものであり、当業者であれば添付の請求項の範囲から逸脱することなく、代替実施形態を設計できるであろうことに留意されたい。特許請求の範囲において、丸括弧の間にある参照符号は、特許請求の範囲を限定すると解釈されるものではない。「備える/含む」という語句は、特許請求の範囲又は明細書に列挙されていない要素又はステップの存在を排除しない。単数形の要素は、そのような要素が複数存在することを排除しない。複数のユニットを列挙している製品クレームでは、これらのユニットのうちのいくつかは、ソフトウェア及び/又はハードウェアの全く同じアイテムによって具現化することができる。第1の、第2の、第3の、などの語句の使い方は、いかなる順序付けを示すものでもない。これらの語句は、名称として解読されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】