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特表2023-547958拡張可能なプレスプランジャ、容器要素を容器本体に取り付けるための取り付けユニット、および包装容器を封止するための方法
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  • 特表-拡張可能なプレスプランジャ、容器要素を容器本体に取り付けるための取り付けユニット、および包装容器を封止するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-14
(54)【発明の名称】拡張可能なプレスプランジャ、容器要素を容器本体に取り付けるための取り付けユニット、および包装容器を封止するための方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/66 20170101AFI20231107BHJP
   B65B 7/28 20060101ALI20231107BHJP
   B65B 51/14 20060101ALI20231107BHJP
   B29C 57/10 20060101ALI20231107BHJP
【FI】
B31B50/66
B65B7/28 D
B65B51/14
B29C57/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549799
(86)(22)【出願日】2021-10-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 SE2021050999
(87)【国際公開番号】W WO2022086391
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】2051219-0
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523150923
【氏名又は名称】ジーピーアイ システムズ エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ハーゲルクヴィスト,ペール
【テーマコード(参考)】
3E049
3E075
3E094
4F209
【Fターム(参考)】
3E049AA02
3E049AB02
3E049BA03
3E049CA01
3E049DB05
3E049EB01
3E049EC02
3E075AA05
3E075AA28
3E075BA95
3E075BB02
3E075DD12
3E075DD32
3E075DD42
3E075GA04
3E094AA03
3E094BA06
3E094CA07
3E094CA12
3E094CA22
3E094CA25
3E094DA01
3E094GA05
3E094HA08
4F209AG07
4F209AG23
4F209AH57
4F209NA26
4F209NB01
4F209NM02
4F209NN02
(57)【要約】
径方向Rに垂直な軸方向Aに延在する軸a1を有する径方向に拡張可能なプランジャ2は、ベースプレート8と、軸方向に互いに対して移動可能な第1及び第2ツール9、10を持つ。第1ツールは軸方向で第2端部15’’よりベースプレートに近い第1端部15’を有して配置される傾斜平面15を持つ。第1ツールの各傾斜平面は、第1端部から第2端部まで軸a1から離れるように傾斜する。第2ツールは第1ツールの傾斜平面に対応する傾斜平面16を含む。第2ツールの各傾斜平面は軸方向で第2端部よりベースプレートから離れた第1端部を有する。第2ツールの各傾斜平面は第1端部から第2端部まで軸に向けて傾斜する。第1ツールの各傾斜平面はプランジャが半径方向拡張状態のとき、第2ツールの対応する傾斜平面に接触し圧力を加える。容器密封要素を容器本体に取付けるための取付ユニットおよび容器密封要素を容器本体に取付ける方法も開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能なプレスプランジャ(2)は、半径方向(R)に垂直な軸方向(A)に延在するプランジャ軸(a1)を有し、前記拡張可能なプレスプランジャ(2)は、前記半径方向(R)に拡張可能であり、ベースプレート(8)と、第1の拡張ツール(9)と、第2の拡張ツール(10)とを備え、前記第1の拡張ツール(9)および前記第2の拡張ツール(10)は、前記軸方向(A)において互いに対して移動可能であり、前記ベースプレート(8)は、底面(11)と、前記底面(11)の反対側の上面(14)とを有し、前記上面(14)は前記軸方向(A)において前記第1の拡張ツール(9)および前記第2の拡張ツール(10)に面し、前記第2の拡張ツール(10)は上端(20)および下端(21)を有し、前記第2の拡張ツール(10)は内面(23)および外面(24)を有する拡張ツール側壁(22)を備え、前記拡張ツール側壁(22)は、前記第2の拡張ツール(10)の前記上端(20)から前記下端(21)まで延在し、前記拡張ツール側壁(22)は、前記第2の拡張ツール(10)の前記下端(21)に周縁部分(25)を備え、前記第2の拡張ツール(10)の前記周縁部分(25)は、前記半径方向(R)において前記第1の拡張ツール(9)の外側に配置され、前記第2の拡張ツール(10)は、非拡張状態と半径方向拡張状態との間で変形可能であり、
前記第1の拡張ツール(9)は、1つ以上の傾斜平面(15)を備え、前記第1の拡張ツール(9)の各傾斜平面(15)は、第1の端部(15’)および第2の端部(15’’)を有し、前記第1の端部(15’)は、前記軸方向(A)において前記第2の端部(15’’)よりも前記ベースプレート(8)の近くに配置され、前記第1の拡張ツール(9)の前記1つ以上の傾斜平面(15)は、各傾斜平面(15)の前記第1の端部(15’)から各傾斜平面(15)の前記第2の端部(15’’)まで前記プランジャ軸(a1)から離れるように傾斜しており、前記第2の拡張ツール(10)は、1つ以上の傾斜平面(16)を備え、前記第2の拡張ツール(10)の各傾斜平面(16)は、前記第1の拡張ツール(9)の傾斜平面(15)に対応し、前記第2の拡張ツール(10)の各傾斜平面(16)は、第1の端部(16’)および第2の端部(16’’)を有し、前記第1の端部(16’)は、前記軸方向(A)において前記第2の端部(16’’)よりも前記ベースプレート(8)から離れて配置され、前記第2の拡張ツール(10)の各傾斜平面(16)は、前記傾斜平面(16)の前記第1の端部(16’)から前記傾斜平面(16)の前記第2の端部(16’’)まで前記プランジャ軸(a1)に向かって傾斜し、前記第1の拡張ツール(9)の各傾斜平面(15)は、前記拡張可能なプレスプランジャ(2)が前記半径方向に拡張された状態にあるときに、前記第2の拡張ツール(10)の対応する傾斜平面(16)に接触して圧力を加え、
前記第1の拡張ツール(9)を、前記第1の拡張ツール(9)の各傾斜平面(15)の前記第1の端部(15’)が前記第2の拡張ツール(10)の傾斜平面(16)の対応する第1の端部(16’)と交わるまで前記第2の拡張ツール(10)の前記側壁(22)の内側で下向きに前記ベースプレート(8)に向かって移動させることによって、および、前記第1の拡張ツール(9)の前記傾斜平面(15)が前記第2の拡張ツール(10)の前記傾斜平面(16)と完全に位置合わせされるまでの継続した下向きの移動によって、前記第2の拡張ツール(10)は非拡張状態と半径方向拡張状態との間で変形可能であり、
前記第2の拡張ツール(10)は、破損することなく繰り返し屈曲および/または伸張することができる材料からなり、前記第1の拡張ツール(9)の前記1つ以上の傾斜平面(15)は、前記軸方向(A)に対して角度αで、各傾斜平面(15)の前記第1の端部(15’)から各傾斜平面(15)の前記第2の端部(15’’)まで前記プランジャ軸(a1)から離れるように傾斜しており、各前記第2の拡張ツール(10)のそれぞれの前記傾斜平面(16)は、前記軸方向(A)に対して角度βで、前記傾斜平面(16)の前記第1の端部(16’)から前記傾斜平面(16)の前記第2の端部(16’’)まで前記プランジャ軸(a1)に向かって傾斜していて、前記角度βは、1度~3度の範囲の差角γだけ前記角度αよりも大きいことを特徴とする拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項2】
前記第2の拡張ツール(10)の各傾斜平面(16)は前記拡張ツール側壁(22)の前記内面(23)上の楔形突起(47、48、49)上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項3】
前記第2の拡張ツール(10)の前記径方向(R)に平行な断面は少なくとも3つの角部(22c)によって少なくとも3つの壁部(22wl,22ws)が連結された変形多角形であり、前記第2の拡張ツール(5)の各角部(22c)における前記拡張ツール側壁(22)の前記内面(23)には、傾斜平面(16)を有する楔形突起(47)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項4】
前記第2の拡張ツール(10)の各壁部(22wl、22ws)における前記拡張ツール側壁(22)の前記内面(23)には、傾斜平面(16)を有する少なくとも1つの楔形突起(48、49)が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項5】
前記第1の拡張ツール(9)の各傾斜平面(15)は前記第1の拡張ツール(9)上の楔形突起(17、18、19)上に配置されることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項6】
前記第2の拡張ツール(10)の前記拡張ツール側壁(22)には拡張スリット(35)が配置され、前記拡張スリット(35)は前記拡張ツール側壁(22)において前記軸方向(A)に延在することを特徴とする請求項1から5までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ。
【請求項7】
前記第2の拡張ツール(10)は前記軸方向(A)の高さを有し、前記拡張スリット(35)は前記拡張ツール側壁(22)内に、前記第2の拡張ツール(10)の前記高さの40%~100%の範囲、例えば40%~70%または45%~60%の距離で延在することを特徴とする請求項6に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項8】
複数の拡張スリット(35)が前記第2の拡張ツール(10)の前記周縁部(25)から前記上端部(20)に向かって延在し、前記周縁部(25)を複数の縁部セグメントに分割することを特徴とする請求項6または7に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項9】
前記複数の拡張スリット(35)の前記拡張スリット(35)のそれぞれは端部開口部(37)で終端し、前記端部開口部は好ましくは、前記軸方向(A)に垂直な、前記第2の拡張ツール(10)の円周方向に延在するヒンジ線(HL)上に配置されることを特徴とする請求項8に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項10】
前記ベースプレート(8)は変形制御部材(40)を備え、前記変形制御部材(40)は、前記第2の拡張ツール(10)の前記周縁部分(25)の半径方向内向きの変形を制限するように配置されることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項11】
前記変形制御部材(40)は前記ベースプレート(14)の前記上面に配置された停止壁(40)の形態で設けられ、前記停止壁(40)は前記ベースプレート(8)の周縁部(12)から差し込まれることを特徴とする請求項10に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項12】
前記第2の拡張ツール(10)は、前記第2の拡張ツール側壁(22)の外周の全部または一部に沿って前記第2の拡張ツール側壁(22)の前記外面(24)上で円周方向に延在する封止隆起部(41)を備えることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項13】
前記第2の拡張ツール(10)は変形ツール(42)を含み、前記変形ツール(42)は、前記第2の拡張ツール側壁(22)の前記外面(24)から前記半径方向(R)に突出することを特徴とする請求項1から12までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項14】
前記変形ツール(42)は、前記第2の拡張ツール側壁(22)上で円周方向に延在する細長い膨らみ部を備え、または前記細長い膨らみ部から成り、前記細長い膨らみ部は、前記第2の拡張ツール側壁(22)の円周の全部または一部にわたって延在することを特徴とする請求項13に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項15】
前記第2の拡張ツール側壁(22)の前記周縁部分(25)は、前記変形ツール(42)を備えるか、または前記変形ツール(42)から成ることを特徴とする請求項12または13に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項16】
前記第2の拡張ツール(10)の前記下端部(21)から前記第2の拡張ツール(10)の前記上端部(20)に向かって前記軸方向(A)に見たとき、前記封止隆起部(41)は前記変形ツール(42)の上方に配置されることを特徴とする請求項13から15までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項17】
前記拡張可能なプレスプランジャ(2)は、第1のピストン(30)および第2のピストン(31)を備え、前記第1のピストン(30)および前記第2のピストン(31)は、前記軸方向(A)に延在し、前記第2のピストン(31)は前記第1のピストン(30)と同軸であり、前記ベースプレート(8)は該ベースプレート(8)の前記底面(11)が前記軸方向(A)に対して垂直に延在する状態で前記第1のピストン(30)に接続され、前記第1の拡張ツール(9)は前記第2のピストン(31)に接続され、前記第2の拡張ツール(10)は前記第1のピストン(30)に接続され、前記第1ピストン(30)と前記第2ピストン(31)は前記軸方向(A)に同時に一体で移動可能であり、かつ、前記軸方向(A)に互いに独立して移動可能に配置されていることを特徴とする請求項1から16までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)。
【請求項18】
容器密封要素(29)を容器本体(3)に取り付けるための取り付けユニット(1)であって、前記取り付けユニット(1)は請求項1から17までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)と保持装置(4)を備え、前記保持装置(4)は容器本体(3)を保持するように適合され、保持装置(4)は前記容器本体(3)の一部を受け入れて保持するように適合された少なくとも1つの貫通位置決めキャビティ(6)を備え、前記保持装置(4)の前記位置決めキャビティ(6)は前記容器本体(3)のフットプリント領域を画定する断面積を有し、前記拡張可能なプレスプランジャ(2)は前記保持装置(4)の前記位置決めキャビティ(6)の内側の取り付け位置と前記保持装置(4)の前記位置決めキャビティ(6)の外側の休止位置との間で軸方向に移動可能であることを特徴とする取り付けユニット(1)。
【請求項19】
前記保持装置(4)は誘導コイル(56)を備える溶接ユニット(55)などの溶接ユニット(55)を備え、前記溶接ユニット(55)は好ましくは前記位置決めキャビティ(6)の周囲に配置されることを特徴とする請求項18に記載の取り付けユニット(1)。
【請求項20】
前記保持装置(4)の前記位置決めキャビティ(6)は前記位置決めキャビティ(6)の壁に配置された窪み(57)を備え、前記窪み(57)は前記第2の拡張ツール側壁(22)の前記外面(24)から半径方向に突出する前記変形ツール(42)に対応し、前記変形ツール(42)は前記拡張可能なプレスプランジャ(2)が前記取り付け位置にあるときに前記窪み(57)の内側に入れ子になるように配置されることを特徴とする請求項18又は19に記載の取り付けユニット(1)。
【請求項21】
請求項18から20までのいずれか一項に記載の取り付けユニット(1)を用いた包装容器の封止方法であって、前記取り付けユニット(1)は請求項1から17までのいずれか一項に記載の拡張可能なプレスプランジャ(2)を含み、
容器本体(3)の本体壁が前記位置決めキャビティ(6)の壁と位置合わせされた状態で、前記取り付けユニット(1)の前記保持装置(4)の前記位置決めキャビティ(6)内に前記容器本体(3)を配置するステップと、
前記拡張可能なプレスプランジャ(2)の前記ベースプレート(8)の前記底面(11)に、前記底面(11)の前記周縁(12)の半径方向外側に延在する取り付け境界(28)を備える容器密封要素(29)を取り付けるステップと、
前記容器密封要素(29)を、前記拡張可能なプレスプランジャ(2)によって前記取り付けユニット(1)の前記軸方向(A)に前記容器本体(3)内の取り付け位置に移動し、同時に前記容器密封要素(29)の前記取り付け境界(28)を撓ませて前記容器本体(3)の前記本体壁と位置合わせするステップと、
前記第1の拡張ツール(9)を前記底板(8)の前記上面(14)に向かって前記軸方向(A)に移動させ、前記第1の拡張ツール(9)の前記傾斜平面(15)を前記第2の拡張ツール(10)の前記傾斜平面(16)に接触させて摺動させることにより、前記拡張可能なプレスプランジャ(2)を前記非拡張状態から前記半径方向拡張状態に徐々に変形させるステップであって、前記第2の拡張ツール(10)の前記側壁(22)を前記拡張可能なプレスプランジャ(2)の前記プランジャ軸(a1)から離れる方向に移動させ、前記容器封止要素(29)の前記取り付け境界(28)を前記容器本体(3)の前記本体壁に向かって前記半径方向(R)に押圧させる付勢力を前記第2の拡張ツールの前記側壁(22)が受け、
前記容器密封要素(29)の前記取り付け境界(28)を前記容器本体(3)の前記本体壁に溶接するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記容器封止要素(29)の前記取り付け境界(28)は、前記第2の拡張ツール(10)の前記拡張ツール側壁(22)の前記外面(24)上で、円周方向に、例えば、前記第2の拡張ツール(10)の前記拡張ツール側壁(22)の全周に沿って、延在する前記封止隆起部(41)によって前記容器本体(3)の前記本体壁に押し付けられ、前記容器封止要素(29)の前記取り付け境界(28)を前記容器本体(3)の前記本体壁に溶接することは前記封止隆起部(41)に沿って行われることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の拡張ツール(10)は前記拡張ツール側壁(22)の前記外面(24)から半径方向に突出する変形ツール(42)を備え、前記保持デバイス(4)の前記位置決めキャビティ(6)は、前記位置決めキャビティ(6)の壁に配置された対応する窪み(57)を備え、前記方法は、前記容器本体(3)の前記本体壁が前記第2の拡張ツール(10)上の前記変形ツール(42)と前記位置決めキャビティ(6)の前記壁の前記窪み(57)との間に位置する状態で、前記変形ツール(42)を前記位置決めキャビティ(6)の前記壁の前記窪み(57)に半径方向に押し込むことによって前記容器本体(3)の前記本体壁を変形させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
複数の容器封止要素(29)は、複数の取り付けユニット(1)によって複数の容器本体(3)内に同時に位置決めされることを特徴とする請求項21から23までのいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半径方向に拡張可能な、半径方向に垂直な軸方向に延在するプランジャ軸を有する半径方向に拡張可能なプレスプランジャに関する。プレスプランジャは、ベースプレートと、第1の拡張ツールと、第2の拡張ツールとを備える。第1の拡張ツールおよび第2の拡張ツールは、軸方向に互いに対して移動可能である。ベースプレートは、底面と、底面の反対側の上面とを有し、上面は、軸方向において第1の拡張ツールに面する。第2の拡張ツールは、上端および下端を有し、上端から下端まで延在し、内面および外面を有する拡張ツール側壁を備える。拡張ツール側壁は、第2の拡張ツールの下端に周縁部を備え、第2の拡張ツールの周縁部は、半径方向において第1の拡張ツールの外側に配置される。第2の拡張ツールは、第1の拡張ツールからの影響下で、非拡張状態と半径方向拡張状態との間で変形可能である。
【0002】
本開示はまた、容器本体に容器封止要素を取り付けるための取り付けユニット、および取り付けユニットを使用して包装容器を封止するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
消費財を包装するとき、特に乾燥流動性消費財を包装するとき、小売り末端で保護輸送および貯蔵容器として、消費者末端で貯蔵および分配容器として役立つ硬質板紙包装容器を使用することが一般的である。このような板紙容器は、通常、開閉可能な蓋を備える。特許文献1は、2つのピストン部分である、互いに対して軸方向に移動可能である形成部および拡張部、を備える拡張可能なタイプの蓋溶接ピストンを開示している。拡張部は、2つの部分が一緒に移動するときにピストンのセクションの周辺拡張を提供するように動作可能であり、拡張部は、変形可能な材料で作られた拡張ディスクを備え、形成部は、拡張ディスクの底面の少なくとも一部を支持し案内する上面を有する底板を備える。底板の外周面は、拡張ディスクの外周縁と同じ形状である。拡張ディスクは、通常、カップ形状であり、底板は、その通常の非拡張状態において拡張ディスクの外周縁と少なくとも同じサイズを有する。形成部および拡張部は、これらの部分の互いに向けた軸方向の移動が拡張ディスクをそのカップ形状から平坦化し、拡張ディスクの外周縁が底部プレートの周縁を越えて延びるように移動するように配置される。蓋溶接ピストンは、包装容器を製造するための装置における部品として使用することができ、内側可撓性蓋を容器管内に導入して位置決めし、内側可撓性蓋を容器壁に取り付けるための溶接作業中に可撓性蓋の縁部を容器管の内壁に押し付ける役割を果たす。蓋溶接ピストンは、拡張ディスクが非拡張または正常状態にある状態で容器管内に導入される。可撓性蓋が容器管内の意図された位置に置かれると、ピストン部分が共に移動し、それによって拡張ディスクが拡張状態に変形し、拡張ディスクの周縁が底板の周縁を越えて延在し、それによって拡張ディスクが可撓性蓋の縁部を容器管の内壁に押し付ける。
【0004】
特許文献2は、特許文献1におけるデバイスと同様のデバイスを開示している。したがって、特許文献2は、2つの主要部分、すなわち、互いに対して可動である形成部および拡張部を備える半径方向に拡張可能なプレスプランジャを開示する。拡張部は、主要部分が共に動かされるときにプレスプランジャの少なくとも一部分の拡張を提供するように配置される。拡張部は、カップ状に形成された拡張体を備え、形成部は、形成面を有して設計され、形成部および拡張部が互いに向かって軸方向に動かされるときに、拡張体の少なくとも一部が形成面に対して摺動するように適合される。拡張部は、2つの異なる部分から構成される。2つの異なる部分は、プレスプランジャの実際の半径方向外向きの接触圧力を実行するための外側プレス部分であって、耐摩耗性、温度耐性および弾性の材料からなる外側プレス部分と、キャリア部がプレス部を支持する比較的硬い弾性材料からなる内側キャリア部である。
【0005】
特許文献3は、厚紙ベースの容器を封止するための装置および方法を開示している。この装置は、蓋を容器に固定するように構成された溶接ユニットであって、容器および/または蓋の一部を形成する溶接可能な層を溶融させるための誘導溶接エネルギー発生器を備える溶接ユニットと、容器の流れを溶接ユニットへ、および溶接ユニットから輸送するように構成された輸送手段を含む。搬送手段は、容器流れ順に、供給装置と、主コンベア部材と、可動把持装置とを備える。供給装置は、容器を1つずつ連続的に主コンベア部材に移送するように構成され、把持装置は、容器を主コンベア部材から溶接ユニットに移送するように構成される。特許文献3はまた、このタイプの装置を動作させる方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第247986号明細書
【特許文献2】米国特許第4989394号明細書
【特許文献3】国際公開第2013/009226号
【特許文献4】国際公開第2017/180056号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
容器に封止部材を取り付けるためのこれらの既知の構成は、その目的に適していることが分かっているが、依然としてさらなる改善の余地がある。したがって、本開示の目的は、改善された機能を有する汎用性のある拡張可能なプレスプランジャを提供することであり得る。本開示のさらなる目的は、改善された機能を有する多用途の取り付けユニットを提供することであり得る。本開示のさらに別の目的は、板紙容器を製造するときに封止部材を取り付ける改善された方法を提供することであり得る。
【0008】
本開示の全体的な目的は、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服または改善すること、または有用な代替案を提供すること。
【0009】
上記の目的の1つまたは複数は、独立請求項1、19および22の主題によって達成することができる。実施形態は、添付の従属請求項、以下の説明および図面に記載されている。
【0010】
本明細書では、拡張可能プレスプランジャが開示され、拡張可能プレスプランジャは、半径方向に垂直な軸方向に延在するプランジャ軸を有する。拡張可能なプレスプランジャは、半径方向に拡張可能であり、ベースプレートと、第1の拡張ツールと、第2の拡張ツールとを備える。第1の拡張ツールおよび第2の拡張ツールは、軸方向に互いに対して移動可能である。ベースプレートは、底面と、底面に対向する上面とを有し、上面は、軸方向において第1の拡張ツールおよび第2の拡張ツールに面する。第2の拡張ツールは、上端および下端を有し、内面および外面を有する拡張ツール側壁を備える。拡張ツール側壁は、第2の拡張ツールの上端から下端まで延在する。拡張ツール側壁は、第2の拡張ツールの下端に周縁部を備え、第2の拡張ツールの周縁部は、半径方向において第1の拡張ツールの外側に配置される。第2の拡張ツールの下端の周縁部は、第2の拡張ツールの下端の終端周縁部とも呼ばれる。周縁部は、例えば、底端部の上方におけるその延在が制限されてもよい。例えば、周縁部は、第2の拡張ツールの拡張ツール側壁の10%又は更には5%に制限されてもよい。第2の拡張ツールは、非拡張状態と半径方向拡張状態との間で変形可能である。第1の拡張ツールは、1つ以上の傾斜平面を備え、第1の拡張ツールの各傾斜平面は、第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部は、軸方向において第2の端部よりもベースプレートの近くに配置される。第1の拡張ツールの1つ以上の傾斜平面は、各傾斜平面の第1の端部から各傾斜平面の第2の端部までプランジャ軸(ai)から離れるように傾斜している。第2の拡張ツールは、1つ以上の傾斜平面を備え、第2の拡張ツールの各傾斜平面は、第1の拡張ツールの傾斜平面に対応する。第2の拡張ツールの各傾斜平面は、第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部は、軸方向において第2の端部よりもベースプレートから離れて配置され、第2の拡張ツールの各傾斜平面は、傾斜平面の第1の端部から傾斜平面の第2の端部までプランジャ軸に向かって傾斜している。拡張可能なプレスプランジャが半径方向に拡張された状態にあるとき、第1の拡張ツールの各傾斜平面は、第2の拡張ツールの対応する傾斜平面に接触し、圧力を加える。
【0011】
第2の拡張ツールの傾斜平面は、第2の拡張ツールの側壁の内面に配置されてもよい。第2の拡張ツール側壁の内面はさらに、軸方向に延在する、すなわち、軸方向に向かって、または言い換えると、プランジャ軸に向かって実質的に傾斜を伴わずに延在する、第1のセクションを備えてもよい。内面の第1のセクションは、上端と傾斜平面との間に配置される。言い換えれば、第2の拡張ツールの傾斜平面は、拡張ツール側壁の内面の第1のセクションよりも下端部の近くに配置される。一例では、第1のセクションは、拡張ツール側壁において、下端から上端まで軸方向に測定される第2の拡張ツールの高さの40~70%の範囲の距離だけ延在することができる。
【0012】
本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャにおいて、第1の拡張ツールの1つ以上の傾斜平面は、各傾斜平面の第1の端部から各傾斜平面の第2の端部まで軸方向に角度αでプランジャ軸から離れるように傾斜してもよく、第2の拡張ツールの各傾斜平面は、傾斜平面の第1の端部から傾斜平面の第2の端部まで軸方向に対して角度βでプランジャ軸に向かって傾斜してもよい。角度βは、角度αよりも差分角度γだけ大きい。差角γは、1度~3度の範囲であってもよい。第1および第2の拡張ツール上の傾斜平面をわずかな差角で配置することによって、拡張効果を高めることができる。
【0013】
第2の拡張ツールおよびそれによる拡張可能なプレスプランジャの非拡張状態から拡張状態への変形は、第1の拡張ツールをベースプレートに向かって移動させることによって達成される。第1の拡張ツールは、第1の拡張ツールの各傾斜平面の第1の端部が第2の拡張ツールの傾斜平面の対応する第1の端部と接触するまで、第2の拡張ツールの側壁の内側で下方に移動される。例えば、第1の拡張ツールの各傾斜平面の第1の端部は、半径方向に延在する平面上で第2の拡張ツールの傾斜平面の対応する第1の端部と接触しててもよい。第1の拡張ツールの継続的な下向きの移動は、第1の拡張ツールの1つ以上の傾斜平面が第2の拡張ツール上の対応する1つ以上の傾斜平面に対して摺動するにつれて、第1の拡張ツールの傾斜平面が第2の拡張ツールの傾斜平面と完全に位置合わせされるまで、第1および第2の拡張ツールの1つ以上の傾斜平面が徐々に相互に接触することをもたらす。第1および第2の拡張ツール上の傾斜平面の角度αと角度βとの間に異なる角度γが存在する場合、第1および第2の拡張ツール上の傾斜平面を整列させると、拡張可能なプレスプランジャが完全に拡張された状態にあるときに角度γは完全に消失するまで徐々に減少する。第1の拡張ツールから第2の拡張ツールの側壁に加えられる力は、第2の拡張ツールの側壁を半径方向外向きに偏向させ、それによって、第2の拡張ツールの周縁部分の長さが増加し、すなわち、第2の拡張ツールの円周は、少なくとも第2の拡張ツールの下端で増加する。例えば、第2の拡張ツールの円周は、第2の拡張ツールの下端部においてより大きくなっている。第2の拡張ツールの下端部は、第2の拡張ツールの他の部分、例えば第1のセクション及び傾斜平面の上部部分よりも偏向されるので、容器に対する圧力は、周縁部を含む下端部において最も高く、これは周縁部において良好な封止を形成するのに有益である。
【0014】
第2の拡張ツールは、ポリマー材料などの、破損することなく繰り返し屈曲および/または伸張することができる材料から作製される。第2の拡張ツール内の材料は、好ましくは、第1の拡張ツールからの拡張力が取り除かれたときに非拡張形状に戻るように、弾性的に可撓性および/または伸張可能である。本明細書に開示される第2の拡張ツールは、第1の拡張ツールの半径方向外側に配置されるカップ形状要素である。例えば、カップ形状要素は、カップ形状要素内に第1の拡張ツールを収容するために、底部およびハンドルを伴わないカップの中空形態を有してもよい。カップ形状要素は、その高さおよび幅等のその他の寸法に対して薄くてもよい。第1の拡張ツールは、拡張可能プレスプランジャの拡張状態への変形の間、および拡張可能プレスプランジャの非拡張状態への復帰の間、第2の拡張ツールの内側で軸方向に可動である。さらに、第2の拡張ツールは、好ましくは、例えば、射出成形によって、例えば、同じ材料の1つの一体部品に作製される。言い換えれば、第2の拡張ツールは、好ましくは、例えば同じ材料の1つの一体部品として形成される。傾斜平面の上方の第2の拡張ツールの側壁と、破損することなく繰り返し屈曲および/または伸張することができる材料とによって、第2の拡張ツールを、第2の拡張ツールの傾斜平面の第1の端部の下方で半径方向外向きに繰り返し偏向させて、プレスプランジャからの力を主に周縁部に向けることが可能になる。
【0015】
本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャであって、第2の拡張ツールの各傾斜平面は、第2の拡張ツールの側壁の内面に配置された楔形突起上に配置されてもよい。
【0016】
第2の拡張ツールの半径方向に平行な平面での断面は、少なくとも3つの角部によって連結された少なくとも3つの壁部を有する変形多角形形状を有してもよい。第2の拡張ツールの各角部には、傾斜平面を有する楔形突起が配置されてもよい。傾斜平面を有する少なくとも1つの楔形突起が、第2の拡張ツールの各壁部に配置されてもよい。壁部のサイズに応じて、2つ以上の楔形突起を壁部に使用することができる。角部と壁部とに別々の楔形突起を設けることで、角部の拡がり度と角部間の壁部の拡がり度とを異ならせることができる。容器本体の角部において被封止材料に加えられる圧力が高い場合、壁部における封止品質に匹敵する角部における封止品質を得るために、角部が壁部よりも高い封止圧力を必要とし得るので、封止作業に有益であり得る。封止ディスクなどの平坦な要素を曲げ、平坦な要素を容器本体に挿入し、封止縁部を容器本体壁の内面と整列するように偏向させると、余分な封止ディスク材料が角部分にしわ及び凸凹を形成することがある。そのようなしわ及び凸凹を平らにし、封止ディスクと容器本体との間に密封を作り出すために、封止される材料が互いに対して平らに置かれる壁部分よりも高い封止圧力が必要とされ得る。
【0017】
ここで、変形三角形、変形矩形、変形五角形、変形六角形等の変形多角形とは、角部が丸みを帯びた辺部を有する形状を意味する。側部は、直線であってもよく、または角部の曲率よりも小さい曲率を有してもよい。本明細書に開示される拡張可能プレスプランジャでは、第1の拡張ツールの各傾斜平面は、第1の拡張ツール上の楔形突起上に配置されてもよい。第1の拡張ツールの傾斜平面および第2の拡張ツールの傾斜平面が両方とも楔形突起上に配置されるとき、第1の拡張ツールの各楔形突起は、第2の拡張ツールの対応する楔形突起と整合し、相互作用するように配置される。
【0018】
第1の拡張ツール上の楔形突起は、下方向、すなわち、拡張可能なプレスプランジャのベースプレートに向かう方向に先細になり、第2の拡張ツール上の楔形突起は、上方向、すなわち、拡張可能なプレスプランジャのベースプレートから離れる方向に先細になる。
【0019】
複数の楔形突起が第2の拡張ツールの側壁に配置される場合は、楔形突起は、第2の拡張ツールの側壁の周方向に互いに離間して配置される。それによって、楔形突起を担持する第2の拡張ツールの側壁の異なる部分は、第2の拡張ツールが非拡張状態から半径方向拡張状態に変形されるときに、互いに対してより自由に移動することができる。さらに、楔形突起間の分離は、第2の拡張ツールの側壁の異なる部分が、異なる程度まで拡張することを可能にする。本明細書に記載されるように、第2の拡張ツールの角部分を形成する側壁の部分は、角部分の間に配置される側壁の部分よりも大きい拡張を達成するように配置されてもよい。
【0020】
第2の拡張ツールの半径方向の拡張を容易にするために、少なくとも1つの拡張スリットが、第2の拡張ツールの拡張ツール側壁に配置されてもよく、拡張スリットは、拡張ツール側壁において軸方向に延在する。2つ以上の楔形突起が第2の拡張ツールの側壁に配置される場合、拡張スリットは、楔形突起を互いから分離し、それらを互いから独立して移動可能にするように配置されることが好ましい場合がある。
【0021】
1つまたは複数の拡張スリットは、第2の拡張ツールの上端から第2の拡張ツールの下端までずっと、または上端と下端との間の第2の拡張ツールの壁の選択された部分のみに配置されてもよい。概してあまり好ましくないが、拡張スリットは、第2の拡張ツールの周縁部分を貫通しないように配置されてもよい。拡張スリットは、第2の拡張ツールの周縁部を分割し、周縁部から第2の拡張ツールの上端に向かって軸方向に延在してもよい。各拡張スリットは、第2の拡張ツールの周縁部分から同じ距離で終端してもよい。各拡張スリットは、第2の拡張ツールの側壁における端部開口において終端してもよい。端部開口部は、本明細書に記載されるように、円形、楕円形、修正多角形等の任意の好適な形状を有してもよい。複数の拡張スリットが第2の拡張ツールの側壁に配置される場合、スリットは、第2の拡張ツールの側壁の周囲に沿って同じレベルに配置された端部開口部で終端してもよい。端部開口は、端部開口間に形成されたヒンジ線に沿って2つの端部開口間に位置する側壁の部分の曲げを容易にする役割を果たす。
【0022】
本明細書に開示される第2の拡張ツールは、軸方向に高さを有する。1つまたは複数の拡張スリットは、拡張ツール側壁において、第2の拡張ツールの高さの40%~100%、好ましくは40%~70%、または最も好ましくは45%~60%の範囲の距離だけ延在してもよい。
【0023】
本明細書に開示される拡張可能プレスプランジャでは、複数の拡張スリットが、第2の拡張ツールの円周方向縁部分から上端に向かって延在してもよい。拡張スリットは、周方向縁部を複数の縁部セグメントに分割する。
【0024】
第2の拡張ツール内の各拡張スリットは、端部開口で終端してもよい。端部開口は、好ましくは、第2の拡張ツールの周方向に延在し、軸方向に垂直なヒンジ線上に配置される。
【0025】
本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャにおいて、ベースプレートは、変形制御部材を備えてもよく、変形制御部材は、第2の拡張ツールの周縁部分の半径方向内向きの変形を制限するように配置される。変形制御部材は、第2の拡張ツールの周縁部分が、変形制御部材によって生成される限界を超えて半径方向内向きに移動することを防止する。
【0026】
変形制御部材は、ベースプレートの上面に配置された停止壁の形態をとることができ、停止壁は、ベースプレートの底面の周縁から差し込まれる。停止壁は、第2の拡張ツールの円周方向縁部分が停止壁を越えて半径方向内向きに移動することを防止する。
【0027】
第2の拡張ツールは、第2の拡張ツール側壁の外周の全部または一部に沿って第2の拡張ツール側壁の外面上で円周方向に延在する封止隆起部を備えてもよい。
【0028】
第2の拡張ツールは、変形ツールを備えてもよく、変形ツールは、第2の拡張ツール側壁の外面から半径方向に突出する。変形ツールは、第2の拡張ツール側壁の円周方向に延在する細長い膨らみ部を備え、またはそれから成ってもよく、細長い膨らみ部は、第2の拡張ツール側壁の円周の全部または一部にわたって延在する。
【0029】
第2の拡張ツール側壁の周縁部分は、変形ツールを備えるか、または変形ツールから成ってもよい。したがって、周縁部は、変形ツールを構成してもよい。
【0030】
本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャにおいて、封止隆起部と変形ツールとを備えることであって、封止隆起部は、第2の拡張ツールの下端から第2の拡張ツールの上端に向かって軸方向に見て変形ツールの上方に配置されてもよい。封止隆起部および変形ツールを備える拡張可能なプレスプランジャは、容器壁に変形を生じさせるため、および容器本体に封止ディスクを取り付けるための両方に使用され得る。
【0031】
変形ツールは、例えば、特許文献4に開示されるような包装容器などの包装容器内の閉鎖構成において嵌合係止膨らみ部を形成するように構成され得る。特許文献4は、バルク固体用の板紙包装容器を開示している。板紙包装容器は、管状板紙容器本体と、容器底部と、容器蓋とを備える。容器本体は、容器本体の下端から容器開口部まで包装容器の長手方向に延びている。容器本体は、容器開口部に容器本体当接縁部を備える。容器本体は、包装容器内の内側区画の方を向く内面と、内側区画から離れる方を向く外面とを有する。容器蓋は、容器本体当接縁部に当接するように適合された当接縁部を有する蓋カラーと、蓋差し込み部とを備える。蓋差し込み部は、容器蓋が閉位置にあるときに長手方向に延在し容器本体の内面に面する側面を有する。蓋差し込み部は、容器蓋が閉位置にあるときに容器本体当接縁部からある距離に位置する主表面をさらに備える。蓋カラーは、容器本体と同じ材料から作製され、蓋カラーは、蓋カラーが当接縁部において容器本体から完全にまたは部分的に分離されることを可能にするために、スリットによって、または容器本体の周囲に沿って延在する弱化手段によって容器本体から区切られる。容器開口部の形状は、(i)容器本体の内面に取り付けられ、内側区画の上に屋根を形成する部分的に取り外し可能な輸送クロージャを含む板紙包装容器によって、および/または(ii)ポリマーフィルム、コーティング層および/または金属箔の1つ以上の層を含む多層板紙材料を含む容器本体によって、安定化される。板紙包装容器は、容器蓋を閉位置に保持するためのロック装置をさらに備える。ロック装置は、容器本体の内面に設けられた凹部の形態の第1のロック要素と、蓋差し込み部の側面に設けられた突起の形態の第2のロック要素とを備え、第1及び第2のロック要素は嵌合ロック要素である。第1および第2のロック要素は、容器蓋が閉位置にあるときに突起が凹部と係合するように配置される。
【0032】
板紙包装容器の容器蓋と差し込み部とは、製造過程において1枚の板紙素材シートから共成形される。したがって、蓋カラーは、容器本体壁の隣接した連続体を形成し、差し込み部は、容器本体の内面に密着して容器開口部にしっかりと嵌合するプラグの機能を有する。係止機構の相互係止係止要素は、容器が閉鎖後に閉鎖されたままであることを確実にする。容器を閉じることは、第2のロック要素の突出部が容器壁の縁部を越えて移動されるときに生じる抵抗に打ち勝つために、使用者が蓋の差し込み部をかなり決まった強力な方法で下方に押すことを必要とする。したがって、上部材の当接縁部は、増加した力で容器本体当接縁部に当たり、それによって消費者に、容器が適切に閉鎖されていることをユーザに知らせる、感覚的スナップイン表示および例えばクリック音の形態の可聴信号などの強化された閉鎖表示を提供する。これは、適切に密封された容器の知覚に関するユーザ経験を改善する。
【0033】
容器蓋は、突起が凹部にスナップ嵌合し、蓋カラー当接縁部が容器本体当接縁部に対して閉鎖されるまで、差し込み部を容器開口部に押し込むことによって閉鎖されてもよく、これは、蓋を適所に押すときに克服されなければならないわずかな抵抗の感覚によって使用者に示されてもよい、蓋が容器本体に閉じられると、スナップインまたはスライドインの感覚および/またはクリック音またはきしみ音または引っ掻き音などの可聴信号が発生する。閉鎖指示は、明確な感覚もしくは音として、または明確な感覚もしくは音の組み合わせとして提供されることが概して好ましくてもよく、そのような信号は、不明確な感覚もしくは音よりも適切な閉鎖のより明確な確認を提供するものとして知覚されてもよい。明確な感覚の例は、スナップイン感覚であるが、クリック音またはポップ音は、明確な音感覚を提供することができる。
【0034】
本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャであって、第2の拡張ツールは、封止隆起部と変形ツールとの両方を備え、内側封止部材を適用し、例えば、特許文献4に開示されるように、係止配置で相互係合係止要素を形成するために使用され得る。したがって、内側封止部材を適用して容器本体チューブの内壁に溶接し、係止配置を形成することは、包装容器を製造する際に同じプロセス操作で実施することができる。内側封止部材の適用およびロック構成の形成は、同時にまたは連続して行われてもよい。逐次的に実施される場合、内側封止部材の適用およびロック構成の形成は、時間の重複を伴ってまたは伴わずに行われ得る。内側封止部材の適用の持続時間とロック構成の形成とが異なることも考えられる。例えば、包装材料をロック機構の領域内で変形構成に適切に設定するために、より長いプロセス時間を必要とする場合がある。
【0035】
本明細書に開示される拡張可能プレスプランジャは、第1のピストンおよび第2のピストンを備えてもよく、第1のピストンおよび第2のピストンは、軸方向に延在し、第2のピストンは第1のピストンと同軸であり、ベースプレートは、ベースプレートの底面が軸方向に垂直に延在するように第1のピストンに接続され、第1の拡張ツールは第2のピストンに接続され、第2の拡張ツールは第1のピストンに接続される。第1ピストンと第2ピストンとは、一つのユニットとして軸方向に同時に移動可能に、かつ軸方向に互いに独立して移動可能に配置されている。
【0036】
本明細書では、容器封止要素を容器本体に取り付けるための取り付けユニットも開示し、取り付けユニットは、本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャと、保持デバイスとを備え、保持デバイスは、容器本体を保持するように適合され、保持デバイスは、容器本体の一部分を受容および保持するように適合される少なくとも1つの貫通位置決めキャビティを備え、保持デバイスの位置決めキャビティは、容器本体のフットプリント領域を画定する断面積を有する。拡張可能なプレスプランジャは、保持デバイスの位置決めキャビティの内側の取り付け位置と保持デバイスの位置決めキャビティの外側の休止位置との間で軸方向に移動可能である。
【0037】
保持装置は、誘導コイルを備える溶接ユニットのような溶接ユニットを含んでもよく、溶接ユニットは、好ましくは、位置決めキャビティの周りに配置されていてもよい。
【0038】
保持デバイスの位置決めキャビティは、位置決めキャビティの壁に配置されたくぼみを備えてもよく、くぼみは、第2の拡張ツール側壁の外面から半径方向に突出する変形ツールに対応し、変形ツールは、拡張可能なプレスプランジャが取り付け位置にあるときにくぼみの内側に入れ子になるように配置される。第2の拡張ツール側壁の外面は、単一の変形ツールまたは複数の変形ツールを備えることができ、位置決めキャビティは、第2の拡張ツール側壁の外面上の1つまたは複数の変形ツールに適合する単一の窪みまたは複数の窪みを備える。協働する変形ツールおよびくぼみは、細長い隆起部/溝、別個の突起/凹部等の任意の所望の形状の変形を容器壁に作成するために使用されてもよい。
【0039】
位置決めキャビティの断面積は、角部によって接続された複数の側部を含んでもよく、ベースプレートの底面と未拡張状態の第1の拡張ツールの周縁部とは、角部によって連結された対応する複数の側部をそれぞれ含む。
【0040】
本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャを有する取り付けユニットを使用して包装容器を封止する方法は以下を含む。
-容器本体の本体壁が位置決めキャビティの壁と位置合わせされた状態で、保持装置の位置決めキャビティ内に容器本体を配置するステップと、
-底面の周縁の半径方向外側に延在する取り付け境界を含む容器封止要素を、ベースプレートの底面に適用するステップ、
-容器密封要素を、拡張可能なプレスプランジャによって取り付けユニットの軸方向に容器本体内の取り付け位置に移動させると同時に、容器密封要素の取り付け境界を撓ませて容器本体の本体壁と位置合わせするステップと、
-第1の拡張ツールを底板の上面に向かって軸方向に動かし、第1の拡張ツールの傾斜平面を第2の拡張ツールの傾斜平面に接触させて摺動させることにより、拡張可能なプレスプランジャを非拡張状態から径方向に拡張状態に徐々に変形させるステップであって、第2の拡張ツールの側壁を拡張可能なプレスプランジャのプランジャ軸から離れる方向に移動させ、容器封止要素の取り付け境界を容器本体の本体壁に向かって半径方向に押圧させる付勢力を第2の拡張ツールの側壁が受け、
-容器封止要素の取り付け境界を容器本体の本体壁に溶接するステップ、
を含む。
【0041】
容器封止要素の取り付け境界は、第2の拡張ツール上に配置された封止隆起部によって容器本体の本体壁に押し付けられてもよく、封止隆起部は、第2の拡張ツールの拡張ツール側壁の円周に沿って拡張ツール側壁の外面上で円周方向に延在する。容器封止要素の取り付け境界を容器本体の本体壁に溶接することは、封止隆起部に沿って行われる。封止隆起部は、好ましくは、拡張ツール側壁の全周の周りに延在するように配置される。
【0042】
第2の拡張ツールは、拡張ツール側壁の外面から半径方向に突出する変形ツールを備えてもよく、保持デバイスの位置決めキャビティは、位置決めキャビティの壁に配置された対応する窪みを備え、方法は、変形ツールを位置決めキャビティの壁の窪みに半径方向に押し込むことによって、容器封止要素の取り付け境界および容器本体の本体壁を変形させるステップをさらに含む。このプロセスステップは、本明細書に開示されるような係止構成をもたらすことができ、または包装材料の元の平面形状から逸脱する形状を有する容器壁を提供する方法であり得る。容器壁の変形部分は、ロック要素または硬化要素などの技術的機能を提供するために提供されてもよく、および/または装飾レリーフパターン、テキスト、ロゴなどの装飾または情報目的を有してもよい。
【0043】
本明細書に開示される方法では、複数の容器封止要素は、複数の取り付けユニットによって、複数の対応する容器本体内に同時に挿入され、位置決めされてもよく、各取り付けユニットは、封止要素を対応する容器本体内に挿入し、位置決めする。容器封止要素は、その後、本明細書に記載されるように、溶接によって対応する容器本体に同時に取り付けられ得る。
【0044】
以下、添付の図面を参照して、本発明を非限定的な実施例によってさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャの断面図を示す。
図2図1の拡張可能なプレスプランジャ内の第1の拡張ツールの側面図を示す。
図3図2に示す第1の拡張ツールの上面図を示す。
図4図1の拡張可能なプレスプランジャ内の第2の拡張ツールの側面図を示す。
図5図4に示す第2の拡張ツールの上面図を示す。
図6】第1の拡張ツールおよび第2の拡張ツールの概略断面図を示す。
図7図1の拡張可能なプレスプランジャにおけるベースプレートの側面図を示す。
図8図1の拡張可能なプレスプランジャを含む、本明細書に開示される取り付けユニットの断面図を示す。
図9】本明細書に開示される方法において使用されている図7の取り付けユニットの詳細断面図を示す。
図10図1に示す取り付けユニットを用いて作製できる包装容器を示す図である。包装容器は閉鎖状態で示されている。
図11】閉鎖状態の図9の包装容器を示し、図10の一部を断面図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1を参照すると、拡張可能なプレスプランジャ2が示されている。
拡張可能なプレスプランジャ2は、半径方向Rに垂直な軸方向Aに延在するプランジャ軸a1を有する。拡張可能なプレスプランジャ2は、半径方向Rに拡張可能であり、ベースプレート8と、第1の拡張ツール9と、第2の拡張ツール10とを備える。第1の拡張ツール9および第2の拡張ツール10は、ユニットとして、ならびに軸方向Aに互いに対して共に移動可能である。ベースプレート8は、底面11と、底面11の反対側の上面14とを有する。ベースプレート8は、上面14が第1の拡張ツール9及び第2の拡張ツール10と軸方向Aに対向するように配置されている。
【0047】
図4および5を参照すると、第2の拡張ツール10は、上端20および下端21を有し、内面23および外面24を有する拡張ツール側壁22を備え、拡張ツール側壁22は、第2の拡張ツール10の上端20から下端21まで延在する。拡張ツール側壁22は、第2の拡張ツール10の下端21に周縁部25を備え、第2の拡張ツール10の周縁部25は、半径方向において第1の拡張ツール9の外側に配置される。第2の拡張ツール10は、図7および8を参照してさらに説明されるように、非拡張状態と半径方向拡張状態との間で変形可能である。図1の第2の拡張ツールの断面によって示されるように、拡張ツール側壁22は、その高さ等のその他の寸法に対して薄くてもよい。
【0048】
第2の拡張ツール10は、1つ以上の傾斜平面16を備える。より具体的には、傾斜平面16は、拡張ツール側壁22の内面23に配置されてもよい。拡張ツール側壁22の内面23は、軸方向Aに延在する、すなわち、軸方向Aに向かって実質的に傾斜せずに延在する第1のセクション23-1をさらに備えてもよい。内面23の第1のセクション23-1は、上端20と傾斜平面16との間に配置される。第2の拡張ツール10の側壁22はまた、第1のセクション22-1を備えてもよく、これは、上端20と傾斜平面16との間に配置されてもよく、軸方向Aに延在してもよく、すなわち、軸方向Aに向かって実質的に傾斜せずに延在してもよい。また、外面24は、軸方向Aに延在する、すなわち、軸方向Aに向かって実質的に傾斜せずに延在する第1のセクション24-1を備えてもよい。
【0049】
図2および図3に見られるように、第1の拡張ツール9は、複数の傾斜平面15を備える。傾斜平面15は、第2の拡張ツール10の拡張ツール側壁22の内面23に面して配置される。したがって、第1の拡張ツール9の各傾斜平面15は、第1の端部15’および第2の端部15’’を有し、第1の端部15’は、軸方向Aにおいて第2の端部15’’よりもベースプレート8の近くに配置される。傾斜平面15は、傾斜平面15の第1の端部15’から傾斜平面15の第2の端部15’’までプランジャ軸a1から離れるように傾斜している。また、傾斜平面15は、第2の拡張ツール10の側壁22の内面23から軸方向Aに離れるように傾斜していてもよい。より具体的には、傾斜平面15はまた、軸方向Aにおいて、第2の拡張ツール10の側壁22の内面23の第1のセクション23-1から離れるように傾斜してもよい。
【0050】
第1の拡張ツール9はさらに、プランジャ軸a1に沿って軸方向Aに延在し得る、複数の第2の面26を備えてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、第2の面26は、プランジャ軸a1に対して傾斜しておらず、したがって、軸方向Aにおいて側壁22の内面23の第1のセクション23-1から傾斜していない。各第2の面26は、軸方向Aにおいて、傾斜平面15よりもベースプレート8から離れて配置されてもよい。例えば、図2に示されるように、各第2の面26は、第1の拡張ツール9の上端27と傾斜平面15との間に延在してもよい。第2の面26は、平面であってもよい。
【0051】
図示の例では、第1の拡張ツール9は8つの傾斜平面15を有し、各傾斜平面15は楔形突起17、18、19上に配置されている。楔形突起17、18、19および傾斜平面15は、第1の拡張ツール9が第2の拡張ツール10に挿入されるときに第2の拡張ツール10の拡張ツール側壁22の内面23に面するように配置される。図2および図3に示される第1の拡張ツール9は、4つの丸みを帯びた角部によって連結される4つの側壁部を有する修正された矩形断面を有する容器本体に容器封止要素を挿入および取り付ける際に使用されるように構成される。第1の拡張ツール9の角部には4つの楔形突起17が配置され、第1の拡張ツール9の第1の対の側面部には第1の対の対向する楔形突起18が配置され、第1の拡張ツール9の第2の対の側面部に沿って第2の対の対向する楔形突起19が配置されている。図2及び図3に示す例では、第1の対の楔形突起18の楔形突起は、第2の対の楔形突起19の楔形突起よりも、第1の拡張ツール9の円周方向に大きい拡張を有する。
【0052】
容器封止要素を容器本体に挿入し取り付けるプロセスにおいて、第1の拡張ツール9上の楔形突起17、18、19は、容器本体の対応する壁部分に配置される。したがって、第1の拡張ツール9の角部に配置された楔形突起17は、容器本体の対応する角部に配置されることになる。第1の拡張ツール9の長辺側に配置された楔形突起18は容器本体の長い側壁部に配置され、第1の拡張ツール9の短辺側に配置された楔形突起19は容器本体の短い側壁部に配置される。本明細書に記載されるように、拡張可能なプレスプランジャは、修正された矩形断面を有する包装容器を製造する際に使用するための拡張可能なプレスプランジャであることに限定されない。本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャは、円形、楕円形、及び多角形を含む任意の有用な形状を有する包装容器を製造する際に使用され得る。第1の拡張ツール上の傾斜平面を担持する楔形突起の数および位置は、製造される特定の包装容器の構成に適合されるべきであることを理解されたい。
【0053】
第1の拡張ツール9の傾斜平面15は、各傾斜平面15の第2の端部15’’から各傾斜平面15の第1の端部15’までプランジャ軸a1に向かって軸方向Aに対して角度αで傾斜している。
【0054】
図4および図5の第2の拡張ツール10は、第1の拡張ツール9が、第2の拡張ツール10の内部に挿入および嵌合され得るように、第1の拡張ツール9の形状に対応する修正された長方形の断面形状を有する。第2の拡張ツール10は、2つの長壁部22wlと2つの短壁部22wsとを有し、これらは4つの角部22cによって連結されている。
【0055】
第2の拡張ツール10は、第1の拡張ツール9の8つの傾斜平面15に対応する8つの傾斜平面16を備える。第2の拡張ツール10の傾斜平面16の各々は、第1の端部16’及び第2の端部16’’を有することであって、第1の端部16’は、軸方向Aにおいて第2の端部16’’よりもベースプレート8から離れて配置されている。図9に見られるように、第2の拡張ツール10の傾斜平面16は、傾斜平面の第1の端部16’から傾斜平面16の第2の端部16’’まで、軸方向Aに対して角度βだけプランジャ軸a1に向かって傾斜しており、この角度βは、角度αとは異なる角度γだけ異なる、角度γは、1度~3度の範囲内である。本明細書に開示されるように、第1の拡張ツール9上の傾斜平面15と第2の拡張ツール10上の対応する傾斜平面16との間の傾斜の差は、本明細書に開示されるような拡張可能なプレスプランジャ2における要件ではない。
【0056】
第2の拡張ツール10の傾斜平面16は、拡張ツール側壁22の内面23に配置され、拡張ツール側壁22の内面23から半径方向内向きに突出する楔形突起47、48、49上に配置される。
【0057】
第2の拡張ツール10は、第1の組の楔形突起47を備え、各楔形突起は、傾斜平面16を有し、第2の拡張ツール10の角部22cに配置される。第2の拡張ツール10は、対向する長壁部22wlのそれぞれに2つの楔形突起48が配置される第2の楔形突起セット48と、短壁部22wsのそれぞれに1つの楔形突起49が配置される第3の楔形突起セット49とをさらに備える。したがって、各長壁部22wlに配置された各傾斜平面16は、各長壁部22wlにおける2つの楔状突起48の間の仕切りによって2つの部分面に分割されている。
【0058】
図4に見られるように、拡張スリット35は、第2の拡張ツール10の拡張ツール側壁22に配置される。拡張スリット35は、拡張ツール側壁22において第2の拡張ツール10の周縁部25から軸方向Aに延び、周縁部25を複数の縁部セグメントに分割する。図4に示す例では、拡張スリット35は、第2の拡張ツール10の下端21から上端部20までの距離の約50%で延在する。拡張スリット35のそのような配置は、本明細書に開示される拡張可能なプレスプランジャ2の前提条件ではない。拡張スリット35は、拡張ツール側壁22において、第2の拡張ツール10の上端20と下端21との間で測定される第2の拡張ツール10の高さの40%~100%の範囲の距離だけ延在してもよい。拡張スリット35は、第2の拡張ツール10の全高未満、例えば、下端21から上端20までの軸方向Aで測定される第2の拡張ツール10の高さの40%~70%の範囲、または最も好ましくは45%~60%の範囲に延在することが好ましい場合がある。
【0059】
拡張スリット35の配置は、図4に示すものとは異なっていてもよく、例えば、第2の拡張ツール10の長壁部22Iに配置された拡張スリット35は、1つだけ、又は2つより多くであってもよい。さらに、拡張スリット35は、長さおよび/または幅が異なっていてもよい。図4に示すように、拡張スリット35の端部間に形成されたヒンジ線HLに沿ってヒンジ機能を提供するために、拡張スリット35は同じ長さを有し、同じ高さで終端することが好ましい。
【0060】
拡張スリット35は、拡張ツール側壁22の内面23に配置された楔形突起47、48、49の間に配置される。各拡張スリット35は、第2の拡張ツール10の側壁22の端部開口部37で終端する。端部開口部37は、円形、楕円形、正方形、三角形などの任意の適切な形状を有することができる。第2の拡張ツール10の側壁22の周囲に沿って同じレベルに端部開口部37を配置することによって、端部開口部37は、2つの端部開口部37の間に位置する側壁の部分をヒンジ線HLに沿って曲げやすくすることによって、拡張スリット35の端部の間に形成されるヒンジ線HLに沿ったヒンジ効果を高める働きをする。
【0061】
図6は、第1の拡張ツール9に属する傾斜平面15を有する楔形突起17が、第2の拡張ツール10に属する傾斜平面16を有する楔形突起47にどのように関係するかの概略図である。第1の拡張ツール9が矢印A1によって示されるように軸方向Aに下向きに移動すると、第1の拡張ツール9上の傾斜平面15は、第2の拡張ツール10上の対応する傾斜平面16に対して摺動し、矢印R1によって示されるように半径方向Rに第2の拡張ツール10に圧力を加える。これにより、第2の拡張ツール10の側壁22がヒンジ線HLで屈曲し、第2の拡張ツール10の周縁部25が径方向外側に移動する。上述のように、内面23の第1のセクション23-1および側壁22の第1のセクション22-1は、上端20(図6には図示せず)と傾斜平面16との間に配置される。図6に示すように、第2の拡張ツール10の傾斜平面16は、拡張ツール側壁22の内面23の第1のセクション23-1の下に配置される。すなわち、傾斜平面16は、軸方向において、第1のセクション23-1よりも下端21側に配置されている。傾斜平面16は、ヒンジ線HLと下端21との間に配置されてもよい。図6の実施形態などのいくつかの実施形態では、第1のセクション22-1、23-1は、ヒンジ線HLのいくらか下に延在する。例えば、第1のセクション22-1、23-1は、ヒンジ線HLの下に、下端21とヒンジ線HLとの間の距離の0~40%で延在してもよい。別の例では、拡張ツール側壁22の第1のセクション22-1は、下端21から上端20まで軸方向Aに測定して第2の拡張ツール10の高さの40~70%の範囲の距離で延在する。それに対応して、内面23の第1のセクション23-1は、拡張ツール側壁22の内面23上で、下端21から上端20まで軸方向Aに測定して第2の拡張ツール10の高さの40~70%の範囲の距離だけ延在することができる。好ましくは、第1のセクション23-1は、拡張ツール側壁22内で、第2の拡張ツール10の高さの60~70%の範囲内の距離だけ延在してもよい。したがって、図6では、内面23の第1のセクション23-1の下部のみが示されている。
【0062】
第2の拡張ツール10は、第2の拡張ツール側壁22の外周に沿って第2の拡張ツール側壁22の外面24上で円周方向に延在する封止隆起部41をさらに備える。封止隆起部41は、好ましくは、第2の拡張ツール側壁22の全周に沿って延在するが、第2の拡張ツール10は、第2の拡張ツール側壁22の円周の一部分のみに沿って延在する封止隆起部を有することが考えられる。
【0063】
第2の拡張ツール10は、第2の拡張ツール側壁22の外面24から半径方向Rに突出する変形ツール42をさらに備える。図に示す例であって、変形ツール42は、第2の拡張ツール側壁22の周縁部25の一部を形成し、第2の拡張ツール側壁22の全周に沿って周方向に延在する細長い膨らみ部からなる。変形ツール42は、第2の拡張ツール側壁22の周縁部25からある距離に配置されてもよく、および/または変形ツール42は、第2の拡張ツール側壁22の円周の一部または複数に沿ってのみ延在してもよいことを理解されたい。
【0064】
図に見られるように、封止隆起部41は、軸方向Aに見て、第2の拡張ツール10の下端21から第2の拡張ツール10の上端20に向かって変形ツール42の上方に配置される。
【0065】
第2の拡張ツール10、ひいては拡張可能なプレスプランジャ2の非拡張状態から拡張状態への変形は、第1の拡張ツール9をベースプレート8に向かって移動させることによって達成される。第1の拡張ツール9は、第1の拡張ツール9の各傾斜平面15の第1の端部15’が第2の拡張ツール10の傾斜平面16の対応する第1の端部16’と接触するまで、第2の拡張ツール10の側壁22の内側で軸方向Aに下向きに移動する。第1の拡張ツール9の継続的な下向きの移動により、傾斜平面間の差角γが解消され、第1の拡張ツール9の傾斜平面15が第2の拡張ツール10の傾斜平面16と完全に位置合わせされるまで、第1の拡張ツール9の傾斜平面15が第2の拡張ツール10の対応する傾斜平面16に対して摺動するにつれて、第1および第2の拡張ツール9、10の傾斜平面15、16は徐々に接触するようになる。第1および第2の拡張ツール9、10上の傾斜平面15、16を整列させると、第1の拡張ツール9から第2の拡張ツール10の側壁22に半径方向外向きの力が加えられる。第2の拡張ツール10の側壁22の対応する部分を半径方向外向きに偏向させ、それによって、第2の拡張ツール10の周縁部25の長さを増加させる。第1の拡張ツール9の傾斜平面15が軸方向Aの下方へ移動すると、第2の拡張ツール10の側壁22が径方向外方へ徐々に撓むので、角度αと角度βの差角γは徐々に緩和され、第1の拡張ツール9が第2の拡張ツール10の内側の端部位置に移動したときに、第1の傾斜平面15と第2の傾斜平面16は、完全に位置合わせされ、互いに接触する。
【0066】
第2の拡張ツール10の拡張中、であって、拡張スリット35の間に位置する側壁22のセグメントは、端部開口部37の間に形成されるヒンジ線HLに沿って半径方向外向きに屈曲させられる。したがって、拡張スリット35の間の側壁22のセグメントは、互いに独立して外向きに撓むことができる。角度αおよびβを選択することによって、屈曲の程度およびそれによる拡張の程度は、第2の拡張ツール10の異なる部分において異なり得る。例えば、第2の拡張ツール10は、側壁22の角部において、角部を接続する壁部よりも拡張性が高いことが望ましい場合がある。
【0067】
プレスプランジャ2および第2の拡張ツール10が完全拡張状態にあるとき、第2の拡張ツール10の側壁22の外面24上の任意の特徴、例えば封止隆起部41及び/又は変形ツール42を使用して、容器本体壁と容器本体に挿入された封止部材との間に封止を形成し、及び/又は本明細書で説明するように容器本体壁の一部を変形させることができる。
【0068】
図7は、変形制御部材40を備えるベースプレート8を示す。変形制御部材40は、周縁部25がプランジャ軸a1に向かってあまりにも遠くに移動され得ることを禁止することによって、第2の拡張ツール10の周縁部25の半径方向内向きの変形を制限するように配置される。図7に示すような変形制御部材40は、ベースプレートの上面14に配置された停止壁の形態で設けられ、停止壁は、ベースプレートの周縁12から差し込まれる。停止壁は、図9に見られるように、第2の拡張ツール10の周縁部25の半径方向内向きの移動を制限する。
【0069】
図8は、並んで配置された2つの取り付けユニット1を示し、各取り付けユニット1は、拡張可能なプレスプランジャ2と、貫通位置決めキャビティ6を備える保持装置4とを備える。各取り付けユニット1は、容器封止要素29を容器本体3に取り付け、容器本体の選択された部分を変形させることによって嵌合ロック手段を形成するように構成される。位置決めキャビティ6は、取り付けユニット1における容器本体3の処理中に容器本体3の一部分を適所に受け入れて保持するように適合される。保持装置4の位置決めキャビティ6は、位置決めキャビティ6に挿入される容器本体3のフットプリント領域を画定する断面積を有する。
【0070】
拡張可能なプレスプランジャ2は、第1のピストン30および第2のピストン31を備え、両方とも軸方向Aに延在し、第2のピストン31は第1のピストン30と同軸である。ベースプレート8は、ベースプレート8の底面11が軸方向Aに対して垂直に延びる状態で第1のピストン30に接続される。第1の拡張ツール9は第2のピストン31に連結され、第2の拡張ツール10は第1のピストン30に連結される。第1および第2のピストン30、31は、拡張可能なプレスプランジャ2が容器本体内に位置決めされることを可能にするために、軸方向Aに単一のユニットとして同時に移動されるように構成され、ならびに本明細書に記載されるように、ベースプレート8に向かって第1の拡張ツール9を移動させることによって第2の拡張ツール10の拡張を可能にするために、互いに対して独立して移動可能である。
【0071】
図示される取り付けユニット1は、修正された矩形断面積を有する包装容器を形成するように構成される。断面積はまた、包装容器のフットプリント面積とも呼ばれ得る。第1および第2の拡張ツール9、10、ベースプレート8の底面11、および位置決めキャビティ6の断面積もそれぞれ、丸みを帯びた角部分によって相互接続される側壁部分を有する修正された矩形断面積を有する。図面に示される修正された矩形形状は、有用な形状の非限定的な例としてのみ提供されること、および円形、楕円形、または修正された多角形などの任意の有用な断面またはフットプリント形状が考えられることを理解されたい。本明細書で使用するとき、修正された多角形形状、例えば修正された矩形形状は、丸みを帯びた角部によって接続された側部を有する形状を意味する。側部は、直線であってもよく、または角部の曲率よりも小さい曲率を有してもよい。
【0072】
拡張可能なプレスプランジャ2は、保持装置4の位置決めキャビティ6の内側の取り付け位置と保持装置4の位置決めキャビティ6の外側の休止位置との間で軸方向に移動可能である。図8は、拡張可能なプレスプランジャ2が、拡張状態から戻った後、溶接および容器壁変形動作の完了後に位置決めキャビティ6から取り外される前に位置決めキャビティ6に挿入された取り付けユニット1を示す。
【0073】
図9に示すように、ベースプレート8上の変形制御部材40は、ベースプレート8の上面14に配置された停止壁の形態で提供される。変形制御部材40は、第2の拡張ツール10の周縁部25の半径方向内向きの移動を制限するように配置される。したがって、停止壁は、第2の拡張ツール10の周縁部25が半径方向内向きに押圧されることを防止する。
【0074】
図8及び図9に示す例では、第2の拡張ツール側壁22の外面24上の封止隆起部41は、第2の拡張ツール側壁22の全周に沿って延在する。そのような構成は、第2の拡張ツール10の円周に沿って連続封止を生成するため、概して好ましいが、断続的封止隆起部および第2の拡張ツールの円周の一部分または複数部分に沿ってのみ延在する封止隆起部が、本発明の範囲内で使用されてもよいことを理解されたい。
【0075】
図4図8および図9に示す第2の拡張ツール10では、第2の拡張ツール10の外面24上の変形ツール42は、拡張ツール側壁22の肉厚部分としての第2の拡張ツール側壁の周縁部25によって形成される。変形ツール42は、図4では、第2の拡張ツール10の全周にわたって延在するように示されているが、第2の拡張ツール10の外周の一部(複数可)にわたってのみ延在してもよく、拡張ツール側壁22の外面24上の別の場所に配置されてもよく、および/または他の形状を有してもよいことを理解されたい。本明細書に記載される通りである。変形ツール42は、包装容器壁内の材料を変形させて、包装材料の元の平面形状から逸脱する特徴を容器壁内に生成するために使用される。包装材料は、好適には、紙ベースの包装材料、例えば、カートンの基材層と、基材層に積層されたプラスチック、アルミニウム箔などの1つ以上の追加の層とを有する積層体である。このような材料は、本明細書に開示されるプロセスにおいて容易に変形可能である。
【0076】
図8および図9に示されるような取り付けユニット1の保持装置4は、誘導コイル56を備える高周波誘導溶接ユニット55を備える。高周波誘導溶接ユニット55は、図8および図9に示すように、拡張可能なプレスプランジャ2が位置決めキャビティ6内の取り付け位置に運ばれるときに、第2の拡張ツール10上の封止隆起部41の位置に対応するレベルで位置決めキャビティ6を取り囲む。
【0077】
保持装置4の位置決めキャビティ6は、位置決めキャビティ6の壁に配置された窪み57を含む。窪み57は、第2の拡張ツール10上に変形ツール42を収容するように配置され、変形ツール42は、拡張可能なプレスプランジャ2が取り付け位置にあるときに窪み57の内側に入れ子になるように配置されている。
【0078】
拡張可能なプレスプランジャ2が位置決めキャビティ6内の容器本体3に挿入され、完全に拡張された状態になると、変形ツール42は窪み57に押し込まれる。容器本体3の壁材料および容器封止要素29の取り付け境界28は、図9に見られるように、第2の拡張ツール10の側壁22の外面24と位置決めキャビティの壁との間に位置する。変形ツール42を位置決めキャビティ6の壁の窪み57に押し込むことによって、容器本体材料及び容器封止要素29の取り付け境界28も窪み57に押し込まれ、変形して壁材料に膨らみを作り出す。
【0079】
容器封止要素29の取り付け境界28の容器本体壁への溶接は、高周波誘導溶接ユニット55の誘導コイル56を作動させることによって封止隆起部41に沿って行われる。本明細書に開示されるような方法は、高周波誘導溶接に限定されず、熱溶接または超音波溶接等の他のタイプの溶接が使用されてもよいことを理解されたい。
【0080】
本明細書に記載されるように、取り付けユニット1の位置決めキャビティ6の断面積は、容器封止要素が導入される容器本体の形状およびサイズに適合される。図8に示される取り付けユニット1の位置決めキャビティ6は、修正された矩形断面形状を有する容器内に容器封止要素29を取り付けるために構成され、ベースプレート8の底面11の略矩形断面形状に対応する角部によって接続される側部を備える。
【0081】
取り付けユニット1の位置決めキャビティ6の断面積の形状にかかわらず、取り付けユニット1の位置決めキャビティ6の断面積は、第2の拡張ツール10の断面積よりも常に大きく、これにより、未拡張のプレスプランジャ2を位置決めキャビティ6内に入れた容器本体を損傷することなく位置決めキャビティ6内に挿入することができる。
【0082】
図8および図9に示す取り付けユニットは、包装容器を封止するための方法において使用されてもよく、この方法は、
-容器本体3の本体壁が位置決めキャビティ6の壁と位置合わせされた状態で、保持装置4の位置決めキャビティ6内に容器本体3を配置することと、
-底面11の周縁12の半径方向外側に延在する取り付け境界28を備える容器封止要素29をベースプレート8の底面11に取り付けることと、
-拡張可能なプレスプランジャ2を用いて容器封止要素29を取り付けユニットの軸方向Aに容器本体3内の取り付け位置に移動させると同時に、容器封止要素29の取り付け境界28を撓ませて容器本体3の本体壁と位置合わせすることと、
-第1の拡張ツール9を底板8の上面14に向かって軸方向Aに移動させ、第1の拡張ツールの傾斜平面15を第2の拡張ツールの対応する傾斜平面16に接触および摺動させることによって、拡張可能なプレスプランジャ2を非拡張状態から半径方向拡張状態に徐々に変形させることであって、第2の拡張ツールの側壁22は、第2の拡張ツール10の側壁22を拡張可能なプレスプランジャ2のプランジャ軸a1から離れる方向に移動させ、容器封止要素29の取り付け境界28を容器本体3の本体壁に向かって半径方向Rに押圧させる付勢力を受けることと、
-第2の拡張ツール10の拡張ツール側壁22の外面24上で円周方向に延在する封止隆起部41によって容器本体3の本体壁に対して容器封止要素29の取り付け境界28を押圧し、容器封止要素29の取り付け境界28を封止隆起部41に沿って容器本体3の本体壁に溶接することによって、容器封止要素29の取り付け境界28を容器本体3の本体壁に取り付けることと、
-容器本体3の本体壁と容器封止要素29の取り付け境界28が、第2の拡張ツール10上の変形ツール42と位置決めキャビティ6の壁の窪み57との間に位置する状態で、変形ツール42を位置決めキャビティ6の壁の窪み57内に半径方向に押し込むことによって容器本体3の本体壁を変形させること、を含む。
【0083】
本明細書に開示されるプレスプランジャ2を有する取り付けユニット1は、図10および図11に示され、本明細書に記載される板紙包装容器100を形成する際に使用され得る。
【0084】
図10および図11は、閉位置にある板紙包装容器100を示す。図11では、包装容器100の閉鎖機構の断面を示すために容器壁の一部が破断されている。
【0085】
板紙包装容器100は、管状板紙容器本体103と、容器底部104と、容器蓋105とを備える。容器本体103は、容器本体103の下端110から容器開口部107まで容器100の長手方向Lに延びている。容器本体103は、容器開口部107に容器本体当接縁部118を備える。容器本体103は、包装容器100の内側区画114の方を向く内面112と、内側区画114から離れる方を向く外面113とを有する。
【0086】
容器本体103は、変形した矩形の形状を有している。板紙容器は、狭い前壁部136と、狭い後壁部137と、広い側壁部138、139と、壁部136~137を接続する湾曲した角部140とを有する。湾曲角部140は、15~30mmの曲率半径を有し得る。本明細書に記載されるように、図10および11に示されるような容器本体の形状は、非限定的な例にすぎず、容器本体は、本明細書に記載されるような任意の有用な形状を有し得ることを理解されたい。
【0087】
前および後壁部136、137は、平面であってもよく、または30~1000mmの曲率半径を有する外向きに湾曲した形状を有してもよい。同様に、側壁部138、139は、所望に応じて、実質的に平面であってもよく、または曲率を有してもよい。前壁部136、後壁部137、側壁部138、および側壁部139の曲率半径は、角部140の曲率半径よりも常に大きい。
【0088】
容器蓋105は、容器本体当接縁部118に当接するように適合された蓋当接縁部119を有する外周蓋カラー108と、蓋差し込み部115とを備える。また、容器蓋105には、グリップタブ128が設けられている。
【0089】
差し込み部115は、長手方向Lに延び、容器蓋105が閉位置にあるときに容器本体103の内面112と対向する側面116を有する。差し込み部115は、容器蓋105が閉鎖部分にあるときに容器本体当接縁部118から距離を置いて容器本体103内に位置する主表面117をさらに備え、それにより、差し込み部115は、容器底部104に向かって下方に延びるプラグを形成する。
【0090】
板紙包装容器100は、蓋105の閉鎖後の閉鎖位置での容器蓋105の保持を改善するためのロック構成をさらに備える。図11に示すロック装置は、容器本体103の内面112に設けられた凹部の形態の第1の係止要素121と、蓋差し込み部115の側面116に設けられた嵌合突起の形態の第2の係止要素122とを備える。しかしながら、第1の係止要素121は、代替として、突起の形態であってもよく、第2の係止要素122は、凹部の形態であってもよく、突起および凹部は、容器蓋105が閉鎖位置にあるときに突起が凹部の中に突出するように合致する。
【0091】
第1および第2の係止要素121、122は、容器蓋105が閉位置にあるとき、突出部が凹部と係合するように配置され、すなわち、容器本体103の内面112に設けられた第1の係止要素121は、差し込み部115の側面116に設けられた第2の係止要素122と、容器本体当接縁部118から同じ距離に位置している。
【0092】
図10および図11に示す嵌合係止要素121、122は、それぞれ、容器本体103の内面112および差し込み部115の側面116の周囲の実質的に100%に沿って設けられた細長い連続的な突起および細長い連続的な凹部の形態を有する。あるいは、係止要素は、容器本体103の前壁136上など、容器本体103の内面112の周縁部および差し込み部115の側面116の1つまたは複数の選択された部分にのみ設けられてもよい。
【0093】
包装容器100は、2つ以上の係止機構を備えてもよく、2つ以上の第1の係止要素121および2つ以上の第2の係止要素122が、並列に、包装容器100の長手方向Lに離隔して、容器本体103の内面112の周縁に沿って、および差し込み部115の側面116の周縁に沿って、それぞれ連続的または不連続的に、配置されるようにする。
【0094】
図10および図11に示す包装容器100における容器本体当接縁部118および蓋当接縁部119は、容器本体103の壁に対して垂直であり、平坦な表面を有する。
【0095】
容器蓋105は、容器蓋105と容器本体103との間に設けられたヒンジ127を中心に回動することで開放される。ヒンジ127は、後壁部137に設けられている。図10及び図11に示す例では、後壁部137は、包装容器100の短辺を形成している。あるいは、図10及び図11に示すように、長方形状の包装容器の長辺から形成される後壁部にヒンジを設けてもよい。円形、楕円形、または他の多角形の断面形状などの他の形状を有する包装容器の場合、ヒンジは、容器開口部の周囲の任意の適切な位置に配置され得る。さらなる代替形態は、蓋が、容器本体から完全に取り外すことができる完全に分離可能な蓋であることである。
【0096】
図11に示すように、蓋カラー108は、例えば、1つ以上の切り込みまたは穿孔によって形成された分離線120によって容器本体から区切られ、分離線120は、容器本体周縁の少なくとも55%に沿って延在する。それによって、蓋カラー108は、当接縁部118、119において容器本体から完全にまたは部分的に分離され得る。蓋カラーの非分離部分は、蓋と容器本体との間のヒンジ127として機能し得る。
【0097】
本明細書に開示される包装容器100では、蓋105は、容器100を開けるときに完全に取り外されるように配置され得る。容器蓋105が完全に取り外し可能な蓋である場合、容器蓋105は容器本体103への恒久的な接続がない。蓋カラー108、したがって容器蓋105が容器本体から完全に分離可能であるためには、分離線120は、容器本体103の全周囲に延在するべきである。しかしながら、包装容器100の第1の開口の前に、蓋カラー108は、分離線120を形成する切り込み又は穿孔の間に残る小さな突起によって容器本体に接続されてもよい。図10及び図11に示す板紙包装容器100は、容器本体103の内面112の搬送クロージャ周辺フランジ135に取り付けられる完全に又は部分的に取り外し可能な搬送クロージャ129を備える。搬送クロージャ129は、パッケージ化されたコンテンツへの初期アクセスを得るためにユーザによって取り外される。搬送クロージャ129は、周囲フランジ135を容器本体103の内面112から剥がすことによって完全に取り外すことができる。あるいは、搬送クロージャ129を部分的に除去して、少なくとも周辺フランジ135を容器本体103の内面112に依然として取り付けたままにすることができる。残りの周囲フランジ135および除去されない搬送クロージャ129の任意の他の部分は、容器開口部107の補強として作用し得、容器開口部107の形状を安定させ得る。搬送クロージャ129の安定化残留部分は、容器100が複数回開閉された後でさえ、明確かつ良好に適合するクロージャを維持することに寄与する。搬送クロージャ129は、前記容器開口部107における容器本体当接縁部118から充分な距離に設けられて、差し込み部115を備える容器蓋105が閉位置にあることを可能にし、これは、この距離が差し込み部115の高さ以上であるべきであることを意味する。
【0098】
図11に見られるように、容器底部104は、下端110に設けられた底部ディスクの形態であり、底部ディスクは、長手方向Lにおいて下端110に向かって屈曲される周辺フランジを有する。フランジの取り付けは、例えば容器本体103の内面112への高周波誘導溶接による接着または溶接によって行うことができる。底部端縁は、底部ディスクフランジの上に内側に折り畳まれる。
【0099】
添付の特許請求の範囲内の本発明のさらなる改変が可能である。したがって、本発明は、本明細書に説明される実施形態および図面によって限定されると見なされるべきではない。むしろ、本発明の全範囲は、説明および図面を参照して、添付の特許請求の範囲によって決定されるべき。
図1
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【国際調査報告】