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特表2023-547983電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法並びに機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法並びに機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/533 20210101AFI20231108BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20231108BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20231108BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/202 501Z
H01M50/202 101
H01M50/593
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515570
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2021122378
(87)【国際公開番号】W WO2023050388
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林文法
(72)【発明者】
【氏名】余明喜
(72)【発明者】
【氏名】黄寧
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA02
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040CC05
5H040DD02
5H040NN03
5H043BA19
5H043CA05
5H043CB04
5H043EA22
5H043HA02E
5H043JA06E
5H043JA13E
5H043LA02E
5H043LA21E
5H043LA23E
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法並びに機器を提供する。電池セルは、本体及びタブを含む電極アセンブリと、電極端子に接続されるための端子接続部と、前記タブに接続されるために用いられ、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む接続部材と、を含む。ここで、タブは、本体に接続される第一のセグメントと、第一の表面に固定される第二のセグメントと、第一のセグメントと第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含み、本体から接続部材に向かう方向に沿ってコーナーセグメントは、前記第一の表面を超える。この電池セルは、比較的に高いエネルギー密度を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
本体とタブとを含む電極アセンブリと、
電極端子に接続されるための端子接続部と、前記タブに接続されるために用いられ、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む接続部材と、
を含み、
前記タブは、前記本体に接続される第一のセグメントと、前記第一の表面に固定される第二のセグメントと、前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含み、
前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って、前記コーナーセグメントは、前記第一の表面を超える、電池セル。
【請求項2】
前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って、前記コーナーセグメントは、前記タブ接続部の前記本体から離れる第二の表面を超える、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記コーナーセグメントと前記第二のセグメントとのなす角は、鈍角である、請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記電池セルは、
ハウジングをさらに含み、当該ハウジングは、収容キャビティを有し、少なくとも一部の前記接続部材及び前記電極アセンブリは、前記収容キャビティ内に収容され、
前記接続部材は、前記電極アセンブリの厚さ方向に沿う端面をさらに有し、前記コーナーセグメントは、前記端面と前記ハウジングの内壁との間に位置する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記電池セルは、
前記ハウジングをシールするエンドキャップと、
少なくとも一部が前記エンドキャップと前記接続部材との間に設置され、前記エンドキャップと前記接続部材とを隔離するための絶縁材と、
をさらに含む、請求項4に記載の電池セル。
【請求項6】
前記絶縁材の前記電極アセンブリの厚さ方向に沿うエッジには、前記本体へ突出するフランジが形成され、前記フランジは、前記コーナーセグメントと前記ハウジングとの間に位置する、請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記タブの厚さは、Aであり、前記端面と前記フランジとの間の距離は、Bであり、1%≦A/B≦20%を満たす、請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
前記コーナーセグメントは、前記エンドキャップから離間した前記絶縁材の側に当接する、請求項5~7のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記第一の表面と前記端面との交差箇所には、丸み又は弾性材が設置される、請求項4~8のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項10】
前記端子接続部は、前記タブ接続部に対して前記本体から離間する側へ突出する、請求項1~8のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項11】
電池であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の電池セルを含む、電池。
【請求項12】
電力消費機器であって、請求項1~10のいずれか1項に記載の電池セルを含み、前記電池セルは、電気エネルギーを提供するためのものである、電力消費機器。
【請求項13】
電池セルの製造方法であって、
電極アセンブリを提供することであって、前記電極アセンブリは、本体と、タブと、を含み、前記タブは、第一のセグメントと、第二のセグメントと、前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含むことと、
端子接続部と、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む接続部材を提供することと、
電極端子を提供することと、
前記コーナーセグメントが前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って前記第一の表面を超えるように、前記第二のセグメントを前記第一の表面に固定し、前記タブを折り曲げること、
前記端子接続部を前記電極端子に接続することと、
を含む、電池セルの製造方法。
【請求項14】
電池セルの製造機器であって
電極アセンブリの提供、接続部材の提供、電極端子の提供を行うための提供モジュールであって、前記電極アセンブリは、本体と、タブと、を含み、前記タブは、第一のセグメントと、第二のセグメントと、前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含み、前記接続部材は、端子接続部と、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む提供モジュールと、
前記第二のセグメントを前記第一の表面に固定し、前記タブを折り曲げることで、前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って前記コーナーセグメントが前記第一の表面を超え、且つ前記端子接続部を前記電極端子に接続するための組み立てモジュールと、
を含む、電池セルの製造機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に関し、特に電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法並びに機器に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネと汚染物質の排出削減は、自動車産業の持続可能な発展の鍵である。電動車両は、その省エネと環境保護の優位性により、自動車産業の持続可能な発展の重要な構成部分となっている。電動車両にとって、電池技術は、その発展に関わる重要な要素である。
【0003】
電池技術の発展において、電池の性能を向上させるほか、電池のエネルギー密度も、無視できない問題である。そのため、どのように電池のエネルギー密度を高めるかは、電池技術における早急に解決すべき技術的問題の一つである。
【発明の概要】
【0004】
本出願の目的は、電池セル、電池、電力消費機器及び電池セルの製造方法並びに機器を提供することである。この電池セル、比較的に高いエネルギー密度を有する。
【0005】
本出願は、以下のような技術案により実現される。
【0006】
第一の態様によれば、本出願は、電池セルを提供し、この電池セルは、
本体とタブとを含む電極アセンブリと、
電極端子に接続されるための端子接続部と、前記タブに接続されるために用いられ、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む接続部材と、を含み、
ここで、前記タブは、前記本体に接続される第一のセグメントと、前記第一の表面に固定される第二のセグメントと、前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含み、前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って、前記コーナーセグメントは、前記第一の表面を超える。
【0007】
本出願による電池セルであって、本体から接続部材に向かう方向に沿って、コーナーセグメントが第一の表面を超え、一部のタブが第一の表面の本体から離れる空間内に収容されることによって、タブにより占有され、第一の表面の本体に近い側の空間を減少させ、さらに本体と接続部材との間の距離を減少させて、各部材をよりコンパクトにし、さらに体積エネルギー密度を向上させる。
【0008】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って、前記コーナーセグメントは、前記タブ接続部の前記本体から離れる第二の表面を超える。
【0009】
上記技術案では、コーナーセグメントが第二の表面を超え、より多くの部分のタブが第一の表面の本体から離れる空間内に収容されることによって、本体と接続部材との間の距離をより小さくし、さらに本体の空間割合を増加させ、即ち、正負極の活物質の割合を増加させ、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0010】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記コーナーセグメントと前記第二のセグメントとのなす角は、鈍角である。
【0011】
上記技術案では、コーナーセグメントと第二のセグメントの設置形態により、接続部材とコーナーセグメントとの干渉力を小さくし、接続部材によるタブへの損傷を減少させるとともに、タブの折り曲げを容易にすることができる。
【0012】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記電池セルは、ハウジングをさらに含み、このハウジングは、収容キャビティを有し、少なくとも一部の前記接続部材と前記電極アセンブリが前記収容キャビティ内に収容され、前記接続部材は、前記電極アセンブリの厚さ方向に沿う端面をさらに有し、前記コーナーセグメントは、前記端面と前記ハウジングの内壁との間に位置する。
【0013】
上記技術案では、コーナーセグメントは、端面とハウジングの内壁との間に設置され、収容キャビティの内部空間を合理的に利用し、空間占有を減少させ、電池セルが比較的に高いエネルギー密度を有することを保証する。
【0014】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記電池セルは、前記ハウジングをシールするエンドキャップと、少なくとも一部が前記エンドキャップと前記接続部材との間に設置され、前記エンドキャップと前記接続部材とを隔離するための絶縁材と、をさらに含む。
【0015】
上記技術案では、絶縁材により、エンドキャップと接続部材との隔離を実現し、内部短絡を回避し、電池セルの安全性を保証する。
【0016】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記絶縁材の前記電極アセンブリの厚さ方向に沿うエッジには、前記本体へ突出するフランジが形成され、前記フランジは、前記コーナーセグメントと前記ハウジングとの間に位置する。
【0017】
上記技術案では、フランジは、コーナーセグメントとハウジングとの間に位置し、コーナーセグメントとハウジングとを隔離する役割を果たし、内部短絡を回避し、電池セルの安全性を保証することができる。
【0018】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記タブの厚さは、Aであり、前記端面と前記フランジとの間の距離は、Bであり、1%≦A/B≦20%を満たす。
【0019】
上記技術案では、上記数値範囲により、タブの折り曲げの難易度を容易に低減させることができるとともに、コーナーセグメントを容易に収容することができる。
【0020】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記コーナーセグメントは、前記エンドキャップから離間した前記絶縁材の側に当接する。
【0021】
上記技術案では、コーナーセグメントは、絶縁材に当接し、さらに本体と接続部材との間隔(距離)を減少させることができ、電池セルは、比較的に高いエネルギー密度を有する。
【0022】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記第一の表面と前記端面との交差箇所には、丸み又は弾性材が設置される。
【0023】
上記技術案では、第一の表面と端面との交差箇所に設置される丸み又は弾性材は、タブと接続部材との間の摩擦を緩衝し、タブにカット傷を付けることを回避し、電池セルの耐用年数を保証することができる。
【0024】
本出願のいくつかの実施例によれば、前記端子接続部は、前記タブ接続部に対して前記本体から離間する側へ突出する。
【0025】
上記技術案では、端子接続部は、タブ接続部に対して突出することで、電極端子との接続を容易にするとともに、本体へ突出して電池セルの内部空間を占有することを回避し、電池セルのエネルギー密度を保証することができる。
【0026】
第二の態様によれば、本出願は、上記のいずれか一つの技術案に記載の電池セルを含む、電池を提供する。
【0027】
第三の態様によれば、本出願は、電力消費機器を提供し、この電力消費機器は、上記のいずれか一つの技術案に記載の電池セルを含み、前記電池セルは、電気エネルギーを提供するためのものである。
【0028】
第四の態様によれば、本出願は、電池セルの製造方法を提供し、この電池セルの製造方法は、
電極アセンブリを提供することであって、前記電極アセンブリは、本体とタブとを含み、前記タブは、第一のセグメントと、第二のセグメントと、前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含むことと、
端子接続部と、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む接続部材を提供することと、
電極端子を提供することと、
前記コーナーセグメントが前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って前記第一の表面を超えるように、前記第二のセグメントを前記第一の表面に固定し、前記タブを折り曲げること、
前記端子接続部を前記電極端子に接続することと、を含む。
【0029】
第五の態様によれば、本出願は、電池セルの製造機器を提供し、この電池セルの製造機器は、
電極アセンブリの提供、接続部材の提供、電極端子の提供を行うための提供モジュールであって、前記電極アセンブリは、本体とタブとを含み、前記タブは、第一のセグメントと、第二のセグメントと、前記第一のセグメントと前記第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含み、前記接続部材は、端子接続部と、前記本体に向かう第一の表面を有するタブ接続部と、を含む提供モジュールと、
前記第二のセグメントを前記第一の表面に固定し、前記タブを折り曲げることで、前記本体から前記接続部材に向かう方向に沿って前記コーナーセグメントが前記第一の表面を超え、且つ前記端子接続部を前記電極端子に接続するための組み立てモジュールと、を含む。
【0030】
上記説明は、本出願の技術案の概要に過ぎず、本出願の技術手段をより明確に理解するために、明細書の内容に従って実施することができ、かつ本出願の上記と他の目的、特徴と利点をより明らかに分かりやすくするために、以下は、特に本出願の具体的な実施の形態を挙げて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本出願の実施例に使用される必要のある図面を簡単に紹介し、自明なことに、以下に記述された図面は、ただ本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
図1】本出願のいくつかの実施例による車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による電池の分解構造概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による電池セルの分解構造概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による電池セルの断面図である。
図5図4の局所図である。
図6図5のC箇所の第1の拡大図である。
図7図5のC箇所の第2の拡大図である。
図8】本出願のいくつかの実施例による接続部材の構造概略図である。
図9図8のD-D方向の断面図である。
図10図9のE箇所の第1の拡大図である。
図11図9のE箇所の第2の拡大図である。
図12】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法の概略的なフローチャートである。
図13】本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造機器の概略的なブロック図である。
【0032】
図面において、図面は実際のスケールで描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、図面と実施例を結び付けながら、本出願の実施の形態についてさらに詳細に記述する。以下の実施例の詳細な記述及び図面は、本出願の原理を例示的に説明するためのものであるが、本出願の範囲を制限するためのものではなく、即ち本出願は、記述された実施例に限らない。
【0034】
特に定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術的と科学的用語は、本出願の技術分野に属する当業者によって一般的に理解される意味と同じであり、本明細書に使用される用語は、具体的な実施例を記述するためのものに過ぎず、本出願を限定することを意図しておらず、本出願の明細書と特許請求の範囲及び上記図面の説明における用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものである。
【0035】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「第一」、「第二」などは、異なる対象を区別するためのものにすぎず、相対的な重要性を指示するか又は暗示するか、又は指示された技術的特徴の数、特定の順序、又は主従関係を暗黙的に指示すると理解されることはできない。本出願の実施例の記述において、明確かつ特定の限定がない限り、「複数」の意味は、二つ以上である。
【0036】
本明細書に言及された「実施例」は、実施例を結び付けて記述された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも一つの実施例に含まれ得ることを意味している。明細書における各位置で出現したこのフレーズは、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記述の実施例を他の実施例と組み合わせることができることが明示的及び暗示的に理解される。
【0037】
本出願の実施例の記述において、用語である「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述するものに過ぎず、三つの関係が存在し得ることを表し、例えばA及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBという3つのケースを表してもよい。また、本明細書における文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0038】
本出願の実施例の記述において、用語である「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は、二組以上(二組を含む)を指し、「複数枚」は、二枚以上(二枚を含む)を指す。
【0039】
本出願の実施例の記述において、技術用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係であり、本出願の実施例を記述しやすく、記述を簡略化するためのものに過ぎず、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して動作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本出願の実施例に対する制限として理解されるべきではない。
【0040】
本出願の実施例の記述において、特に明確に規定、限定されていない限り、技術用語である「取り付け」、「繋がり」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきであり、例えば固定接続であってもよく、着脱可能な接続であってもよく、又は一体であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な繋がりであってもよく、中間媒体による間接的な繋がりであってもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて本出願の実施例における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0041】
本出願では、言及された電池とは、より高い電圧と容量を提供するための一つ又は複数の電池セルを含む単一の物理モジュールを意味する。例えば、本出願で言及された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。
【0042】
電池セルは、電極アセンブリと、電解液と、を含み、電極アセンブリは、正極極板と、負極極板と、セパレータと、からなる。電池セルは、主に金属イオンが正極極板と負極極板との間を移動することによって動作する。正極極板は、正極集電体と、正極活物質層と、を含み、正極活物質層は、正極集電体の表面に塗布されており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極活物質層が塗布された正極集電体から突出しており、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は、正極タブとされる。リチウムイオン電池を例にして、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極極板は、負極集電体と、負極活物質層と、を含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に塗布されており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極活物質層が塗布された負極集電体から突出しており、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は、負極タブとされる。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素又はケイ素などであってもよい。大電流を流しても溶断が生じないように、正極タブの数は、複数で積層されており、負極タブの数は、複数で積層されている。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。
【0043】
電池技術の発展は、多岐にわたる設計要素、例えば放電容量、充放電倍率、安全性及び耐用年数などの性能パラメータを同時に考慮する必要があり、また、エネルギー密度を考慮する必要もある。
【0044】
電池セルにとって、エネルギー密度に影響する要素は多く、例えば正負極活物質の割合、正負極材料の比容量などである。発明者らの研究によると、電池セルでは、電極アセンブリの本体から接続部材に向かう方向に沿って、タブのコーナー箇所が、接続部材の電極アセンブリの本体に向かう面を超えず、接続部材と電極アセンブリの本体との間の距離が比較的に大きく、正負極活物質の割合が比較的に低く、電池セルの内部空間が無駄になるため、内部空間の利用率が低くなり、エネルギー密度が比較的に低くなることを発見した。
【0045】
そこで、エネルギー密度が比較的に低い問題を解決するために、発明者らは鋭意研究によって、電池セルを設計し、この電池セルは、電極アセンブリと、接続部材と、を含む。電極アセンブリは、本体とタブと、を含む。接続部材は、端子接続部と、タブ接続部と、を含み、端子接続部は、電極端子に接続されるために用いられ、タブ接続部は、タブに接続されるために用いられ、タブ接続部は、本体に向かう第一の表面を有する。タブは、本体に接続される第一のセグメントと、第一の表面に固定される第二のセグメントと、第一のセグメントと第二のセグメントとの間に接続されるコーナーセグメントと、を含み、本体から接続部材に向かう方向に沿って、コーナーセグメントは、第一の表面を超える。
【0046】
このような電池セルでは、本体から接続部材に向かう方向に沿って、タブを折り曲げて形成されるコーナーセグメントが第一の表面を超え、一部のタブが第一の表面の本体から離れる空間内に収容されることによって、タブによって占有される、第一の表面の本体に近い側の空間を減少させ、さらに本体と接続部材との間の距離を減少させて、各部材をよりコンパクトにし、本体の空間占有を増加させ、即ち、正負極活物質の割合を増加させ、さらに体積エネルギー密度を向上させる。
【0047】
本出願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池などを含んでもよく、本出願の実施例は、これに限定されない。
【0048】
本出願の実施例に開示された電池セルは、車両、船舶又は飛行器などの電力消費機器に用いることができるが、これらに限定されない。本出願に開示された電池セルを用いてこの電力消費機器の電源システムを構成することができる。
【0049】
本出願の実施例は、電池を電源として用いる電力消費機器を提供し、電力消費機器は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、電動玩具、電動工具、電動自転車、電動バイク、電気自動車、船舶、宇宙航空機などであってもよいが、これらに限られない。ここで、電動玩具は、据置型又は移動型の電動玩具、例えばゲーム機、電気自動車玩具、電動汽船玩具及び電動飛行機玩具などを含んでもよく、宇宙航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船などを含んでもよい。
【0050】
以下の実施例では、説明しやすいために、本出願の一実施例の電力消費装置を車両とした例で説明する。
【0051】
図1を参照すると、図1は、本出願のいくつかの実施例による車両1000の構造概略図である。車両1000は、ガソリン自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。車両1000の内部には、電池100が設置され、電池100は、車両1000の底部又は頭部又は尾部に設置されてもよい。電池100は、車両1000への給電に用いることができ、例えば、電池100は、車両1000の操作電源として、車両1000の回路システム、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び運行時の作動電力消費需要に用いることができる。
【0052】
車両1000は、コントローラ200と、モータ300と、をさらに含んでもよく、コントローラ200は、モータ300への給電、例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力消費需要に用いるように電池100を制御するために用いられる。
【0053】
本出願のいくつかの実施例では、電池100は、車両1000の操作電源として用いることができるだけでなく、車両1000の駆動電源として、ガソリン又は天然ガスの代わりに、又はその一部の代わりに車両1000に駆動動力を提供することもできる。
【0054】
図2を参照すると、図2は、本出願のいくつかの実施例による電池100の分解構造概略図である。電池100は、筐体101と、筐体101内に収容される電池セル10と、を含む。ここで、筐体101は、電池セル10に収容空間を提供するために用いられ、筐体101は、様々な構造を採用することができる。いくつかの実施例では、筐体101は、第一の部分1011と、第二の部分1012と、を含んでもよく、第一の部分1011と第二の部分1012とは、相互に被せられ、第一の部分1011は、第二の部分1012とともに、電池セル10を収容するための収容空間を画定する。第二の部分1012は、一端が開口する中空構造であり、第一の部分1011は、板状構造であってもよく、第一の部分1011が第二の部分1012の開口側に被せられることで、第一の部分1011が第二の部分1012とともに収容空間を画定し、第一の部分1011及び第二の部分1012は、いずれも一側が開口する中空構造であってもよく、第一の部分1011の開口側は、第二の部分1012の開口側に被せられる。
【0055】
電池100では、電池セル10は、複数であってもよく、複数の電池セル10同士は、直列接続又は並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、複数の電池セル10に直列接続も並列接続も含まれることを意味する。複数の電池セル10同士を直接に直列接続又は並列接続又は直並列接続してから、複数の電池セル10からなるものを一体として筐体101内に収容してもよく、無論、電池100は、複数の電池セル10をまず直列接続又は並列接続又は直並列接続して電池モジュール形式を構成し、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は直並列接続して一体を形成し、筐体101内に収容してもよい。電池100は、他の構造をさらに含んでもよく、例えばこの電池100は、複数の電池セル10間の電気的な接続を実現するためのバスバ材をさらに含んでもよい。
【0056】
ここで、各電池セル10は、二次電池又は一次電池であってもよく、リチウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池であってもよいが、これらに限定されない。
【0057】
図3及び図4を参照すると、図3は、本出願のいくつかの実施例による電池セル10の分解構造概略図であり、図4は、本出願のいくつかの実施例による電池セル10の断面図であり、図4は、接続部材14と電極端子15の接続方式、及び接続部材14とタブ132の接続方式を具現化するための階段断面図である。電池セル10とは、電池100を構成する最小単位を意味する。図3及び図4に示すように、電池セル10は、エンドキャップ11と、ハウジング12と、電極アセンブリ13と、接続部材14と、電極端子15と、を含む。
【0058】
エンドキャップ11とは、ハウジング12の開口箇所に被せられて電池セル10の内部環境を外部環境から遮断する部材を意味する。エンドキャップ11の形状は、ハウジング12と整合するようにハウジング12の形状に適合してもよいが、これに限定されない。いくつかの実施例では、エンドキャップ11は、一定の硬度と強度を有する材質(例えば、アルミニウム合金)で製造されてもよく、このように、エンドキャップ11が押出や衝撃を受ける際に変形しにくくなることで、電池セル10がより高い構造強度を備えることができ、安全性能も向上させることができる。エンドキャップ11には、電池セル10の内部圧力又は温度が閾値に達すると、内部圧力を逃すための放圧機構が設けられてもよい。エンドキャップ11の材質は、種々のもの、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、プラスチックなどであってもよく、本出願の実施例は、これについて特に限定しない。いくつかの実施例では、エンドキャップ11の内側に絶縁材がさらに設置されてもよく、絶縁材は、ハウジング12内の電気的接続部材とエンドキャップ11とを隔離して、短絡のリスクを低減させるために用いられる。例示的には、絶縁材は、プラスチック、ゴムなどであってもよい。
【0059】
ハウジング12は、エンドキャップ11と整合して電池セル10の内部環境を形成するためのアセンブリであり、ここで、形成される内部環境は、電極アセンブリ13、電解液及び他の部材を収容するために用いられてもよい。ハウジング12及びエンドキャップ11は、独立した部材であってもよく、ハウジング12に開口を設置し、開口箇所でエンドキャップ11を開口に被せて電池セル10の内部環境を形成してもよい。これに限定されず、エンドキャップ11及びハウジング12は、一体化されてもよい。具体的には、エンドキャップ11及びハウジング12は、他の部材をハウジングに入れる前、共通の接続面を形成し、ハウジング12の内部をパッケージングする必要がある時、エンドキャップ11をハウジング12に被せてもよい。ハウジング12の形状は、電極アセンブリ13の具体的な形状とサイズに応じて決定されることができる。ハウジング12の材質は、種々のもの、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、アルミニウム合金、プラスチックなどであってもよく、本出願の実施例は、これについて特に限定しない。
【0060】
電極アセンブリ13は、電池セル10において電気化学反応が発生する部材である。ハウジング12には、一つ又は複数の電極アセンブリ13を含んでもよい。電極アセンブリ13は、主に正極極板と負極極板を捲回又は積層して配置して形成されるとともに、一般的には正極極板と負極極板との間にセパレータが設けられる。電極アセンブリ13の本体131は、正極極板及び負極極板の、活物質を有する部分と、セパレータと、を含み、正極極板と負極極板の、活物質を有さない部分は、それぞれタブ132を構成する。正極タブは負極タブとともに、本体131の一端に位置し、又はそれぞれ、本体131の両端に位置してもよい。電池100の充放電プロセスでは、正極活物質と負極活物質は、電解液と反応し、タブ132は、接続部材14によって電極端子15に接続して電流回路を形成する。
【0061】
電極端子15は、エンドキャップ11に設置され、電極端子15は、接続部材14によって電極アセンブリ13に電気的に接続されることで、電池セル10の電気エネルギーを出力又は入力するために用いられる。
【0062】
本出願のいくつかの実施例によれば、図5及び図6を参照すると、図5は、図4の局所図であり、図6は、図5のC箇所の第1の拡大図である。本出願は、電池セル10を提供する。図5及び図6に示すように、電池セル10は、電極アセンブリ13と、接続部材14と、を含む。電極アセンブリ13は、本体131と、タブ132と、を含む。接続部材14は、端子接続部141と、タブ接続部142と、を含み、端子接続部141は、電極端子15に接続されるために用いられ、タブ接続部142は、タブ132に接続されるために用いられ、タブ接続部142は、本体131に向かう第一の表面1421を有する。タブ132は、本体131に接続される第一のセグメント1321と、第一の表面1421に固定される第二のセグメント1322と、第一のセグメント1321と第二のセグメント1322との間に接続されるコーナーセグメント1323と、を含み、本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿って、コーナーセグメント1323は、第一の表面1421を超える。
【0063】
電池セル10では、接続部材14と本体131は、エンドキャップ11の厚さ方向で間隔をおいて設置され、本体131から接続部材14に向かう方向は、図におけるアルファベットZで示される方向であり、Z方向は、接続部材14に垂直であり、エンドキャップ11の厚さ方向であってもよい。
【0064】
電池セル10の組み立てプロセスでは、タブ132をタブ接続部142の第一の表面1421に接続した後、折り曲げる必要があり、タブ132を折り曲げた後の折り曲げ部位がコーナーセグメント1323を形成する。電極アセンブリ13をハウジング12内に入れてエンドキャップ11とハウジング12をパッケージングした後、本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿って、コーナーセグメント1323は、第一の表面1421を超える。
【0065】
接続部材14は、タブ132と電極端子15を接続するための導電部材であり、端子接続部141は、電極端子15に接続されるために用いられ、タブ接続部142は、タブ132に接続されるために用いられ、タブ132と電極端子15との間の電気的な接続を実現する。第一の表面1421は、接続部材14の本体131に向かう面、即ち、接続部材14の本体131に近い面である。
【0066】
本出願の実施例による電池セル10では、本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿って、コーナーセグメント1323が第一の表面1421を超え、一部のタブ132が第一の表面1421の本体131から離れる空間内に収容されることによって、タブ132により占有される、第一の表面1421の本体131に近い側の空間を減少させ、さらに本体131と接続部材14との間の距離を減少させ、各部材をよりコンパクトにし、本体131を接続部材14により近づけ、本体131の空間占有を増加させ、即ち、正負極の活物質の割合を増加させ、さらに体積エネルギー密度を向上させることで、電池セル10は、比較的に高いエネルギー密度を有する。
【0067】
本出願のいくつかの実施例によれば、図6に示すように、本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿って、コーナーセグメント1323は、タブ接続部142の本体131から離れる第二の表面1422を超える。
【0068】
第二の表面1422は、接続部材14の第二のセグメント1322に接続された部分の本体131から離間した面である。つまり、第二の表面1422及び第一の表面1421は、タブ接続部142の接続部材14の厚さ方向での対向する二つの面であり、接続部材14の厚さ方向は、エンドキャップ11の厚さ方向である。
【0069】
コーナーセグメント1323が第二の表面1422を超え、より多くの部分のタブ132が第一の表面1421の本体131から離れる空間内に収容されることによって、本体131と接続部材14との間の距離をより小さくし、さらに本体131の空間割合を増加させ、即ち、正負極の活物質の割合を増加させ、電池セル10のエネルギー密度を向上させることができる。
【0070】
本出願のいくつかの実施例によれば、図6に示すように、コーナーセグメント1323と第二のセグメント1322とのなす角αは、鈍角である。
【0071】
図6に示すように、図のαにより示される角は、コーナーセグメント1323と第二のセグメント1322とのなす角であり、コーナーセグメント1323が第一の表面1421を超え、コーナーセグメント1323が第一の表面1421の本体から離間した側に向かって延在しているため、コーナーセグメント1323と第二のセグメント1322との間に鈍角を形成する。コーナーセグメント1323と第二のセグメント1322との間の角αが比較的に小さければ、タブ132の折り曲げに不利であり、コーナーセグメント1323と接続部材14との間が比較的に大きい接触面積を有するため、接続部材14の端部によるタブ132への干渉をもたらしやすく、深刻な場合、接続部材14がタブ132を損傷する一方、コーナーセグメント1323と第二のセグメント1322との間の角αが比較的に大きければ、コーナーセグメント1323が比較的に大きい空間を占有し、電池セル10の内部空間の利用率に影響を与え、電池セル10のエネルギー密度に影響を与える。
【0072】
コーナーセグメント1323と第二のセグメント1322の設置形態により、接続部材14とコーナーセグメント1323との干渉力を小さくすることができ、接続部材14によるタブ132への損傷を減少させるとともに、タブ132の折り曲げを容易にし、電池セル10の内部空間を合理的に利用することができる。
【0073】
本出願のいくつかの実施例によれば、図4及び図6に示すように、電池セル10は、ハウジング12をさらに含む。ハウジング12は、収容キャビティ121を有し、少なくとも一部の接続部材14と電極アセンブリ13は、収容キャビティ121内に収容される。接続部材14は、電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿う端面143をさらに有し、コーナーセグメント1323は、端面143とハウジング12の内壁との間に位置する。
【0074】
収容キャビティ121は、電極アセンブリ13を収容キャビティ121内に設置するための開口を有する。電極アセンブリ13が収容キャビティ121内に収容されることで、電極アセンブリ13と電解液との反応を容易に発生する。
【0075】
少なくとも一部の接続部材14が収容キャビティ121内に収容され、例えば一部の接続部材14が収容キャビティ121内に収容され、別の一部の接続部材14がハウジング12のスルーホール内に収容されることで、電極端子15との接続を容易にし、又は、すべての接続部材14が収容キャビティ121内に収容され、電極端子15が収容キャビティ121に突入されて接続部材14に接続される。
【0076】
電極アセンブリ13は、扁平体を呈し、電極アセンブリ13は、厚さ方向を有し、図では、Xで示される方向は、電極アセンブリ13の厚さ方向である。
【0077】
接続部材14は、本体131に向かう第一の表面1421と、本体131から離間した第二の表面1422と、を有し、端面143は、第一の表面1421と第二の表面1422とを接続する。
【0078】
コーナーセグメント1323は、接続部材14の電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿う端面143とハウジング12の内壁との間に位置し、つまり、電極アセンブリ13の厚さ方向Xに垂直な平面内で、コーナーセグメント1323の投影は、端面143の投影と重なり、例えば、コーナーセグメント1323の投影は、端面143の投影内に位置し、又は、一部のコーナーセグメント1323の投影は、端面143の投影と重なる。接続部材14の本体131に向かう第一の表面1421、及び、接続部材14の本体131から離間した第二の表面1422は、上記端面143の投影の二つの境界面であり、コーナーセグメント1323が接続部材14の本体131に向かう第一の表面1421を超えるが、接続部材14の本体131から離間した第二の表面1422を超えない場合、コーナーセグメント1323の投影は、端面143の投影内に位置し、コーナーセグメント1323が接続部材14の本体131から離間した第二の表面1422を超える場合、一部のコーナーセグメント1323の投影は、端面143の投影と重なる。
【0079】
コーナーセグメント1323は、端面143とハウジング12の内壁との間に設置され、収容キャビティ121の内部空間を合理的に利用し、空間占有を減少させ、電池セル10が比較的に高いエネルギー密度を有することを保証する。
【0080】
図7を参照すると、図7は、図5のC箇所の第2の拡大図である。本出願のいくつかの実施例によれば、図4及び図7に示すように、電池セル10は、エンドキャップ11と絶縁材16とをさらに含む。エンドキャップ11は、ハウジング12をシールする。少なくとも一部の絶縁材16は、エンドキャップ11と接続部材14との間に設置され、エンドキャップ11と接続部材14とを隔離するために用いられる。
【0081】
エンドキャップ11は、ハウジング12の開口箇所に被せられて、ハウジング12に接続されて収容キャビティ121をシールするために用いられる。
【0082】
絶縁材16は、絶縁部材であり、エンドキャップ11と接続部材14との間の絶縁を実現するために用いられる。少なくとも一部の絶縁材16は、エンドキャップ11と接続部材14との間に設置され、例えば一部の絶縁材16は、エンドキャップ11と接続部材14との間に設置され、別の一部の絶縁材16は、方向Zの反方向へ延在して本体131に当接し、又は、絶縁材16全体は、エンドキャップ11と接続部材14との間に位置する。
【0083】
絶縁材16により、エンドキャップ11と接続部材14との隔離を実現し、内部短絡を回避し、電池セル10の安全性を保証する。
【0084】
本出願のいくつかの実施例によれば、図7に示すように、絶縁材16の電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿うエッジには、本体131へ突出するフランジ161が形成され、フランジ161は、コーナーセグメント1323とハウジング12との間に位置する。
【0085】
フランジ161は、絶縁材16の電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿うエッジに位置するとともに、本体131へ突出し、つまり、電極アセンブリ13の厚さ方向Xで、フランジ161は、端面143とハウジング12の内壁との間に位置する。
【0086】
フランジ161は、コーナーセグメント1323とハウジング12との間に位置し、即ち、コーナーセグメント1323は、端面143とフランジ161との間に位置する。
【0087】
フランジ161は、コーナーセグメント1323とハウジング12との間に位置し、コーナーセグメント1323とハウジング12とを隔離する役割を果たし、内部短絡を回避し、電池セル10の安全性を保証することができる。
【0088】
本出願のいくつかの実施例によれば、図7に示すように、タブ132の厚さは、Aであり、端面143とフランジ161との間の距離は、Bであり、1%≦A/B≦20%を満たす。
【0089】
タブ132は、複数層のタブ132からなり、タブ132の厚さAは、タブ132の層数に層毎のタブ132の厚さを乗じたものである。端面143は、フランジ161と平行に設けられ、端面143とフランジ161との間の距離Bは、端面143に垂直な方向において、端面143における一点からフランジ161までの距離であってもよい。
【0090】
タブ132の厚さAが厚いほど、端面143とフランジ161との間の距離Bが大きくなることで、コーナーセグメント1323を収容するのを容易にする。タブ132の厚さAが比較的に小さい場合、タブ132を折り曲げやすいことに応じて、端面143とフランジ161との間の距離Bは、比較的に小さくてもよい。タブ132の厚さAと、端面143とフランジ161との間の距離Bとの比の関係は、1%≦A/B≦20%を満たし、タブ132の折り曲げの難易度を容易に低減させることができるとともに、コーナーセグメント1323を収容しやすく、コーナーセグメント1323の、他の部材との干渉を回避することができる。
【0091】
いくつかの実施例では、タブ132の厚さAと、端面143とフランジ161との間の距離Bの比の関係は、2%≦A/B≦8%を満たし、タブ132が折り曲げされやすいことを保証するとともに、コーナーセグメント1323を端面143とフランジ161との間に収容しやすい。
【0092】
本出願のいくつかの実施例によれば、図7に示すように、コーナーセグメント1323は、エンドキャップ11から離間した絶縁材16の側に当接する。
【0093】
絶縁材16は、接続部材14とエンドキャップ11とを隔離するために用いられるため、エンドキャップ11から離間した絶縁材16の側は、絶縁材16の本体131に向かう側であり、コーナーセグメント1323は、エンドキャップ11から離間した絶縁材16の側に当接し、即ち、コーナーセグメント1323は、絶縁材16の本体131に向かう側に当接する。
【0094】
コーナーセグメント1323が絶縁材16に当接する時、さらに本体131と接続部材14との間隔距離を減少させることができ、電池セル10の内部空間内で本体131により占有された割合が比較的に高く、即ち、正負極の活物質の割合が比較的に高いことで、電池セル10は、比較的に高いエネルギー密度を有する。
【0095】
本出願のいくつかの実施例によれば、図7に示すように、内部短絡を回避するために、タブ132が接続部材14に接続された後、タブ132の厚さ方向の両面にいずれもテープ17が接着され、即ち、タブ132と接続部材14との接続位置の両側にいずれもテープ17が接着され、例えば、タブ132の一側に位置するテープ17が接続部材14の第二の表面1422に接着され、コーナーセグメント1323がテープ17を介して絶縁材16の本体131に向かう側に当接する。
【0096】
図8を参照すると、図8は、本出願のいくつかの実施例による接続部材14の構造概略図である。本出願のいくつかの実施例によれば、図3及び図4に示すように、電池セル10は、二つの電極アセンブリ13を含み、二つの電極アセンブリ13の正極タブは、一つの接続部材14に接続され、二つの電極アセンブリ13の負極タブは、もう一つの接続部材14に接続される。図5及び図8に示すように、接続部材14は、二つのタブ接続部142を含み、二つのタブ接続部142は、電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿って間隔をおいて設置され、二つのタブ接続部142は、それぞれ二つの電極アセンブリ13のタブ132に接続される。
【0097】
図9図11を参照すると、図9は、図8のD-D方向の断面図であり、図10は、図9のE箇所の第1の拡大図であり、接続部材14における丸み144を示し、図11は、図9のE箇所の第2の拡大図であり、接続部材14の弾性材145を示す。本出願のいくつかの実施例によれば、図9図11に示すように、第一の表面1421と端面143との交差箇所には、丸み144又は弾性材145が設置される。
【0098】
第一の表面1421と端面143との交差箇所は、タブ132が折り曲げられた後、タブ132が接続部材14に当接する部位、即ち、第二のセグメント1322とコーナーセグメント1323との交差箇所に対応する接続部材14の位置である。
【0099】
コーナーセグメント1323が端面143とハウジング12の内壁との間に位置するとともに、タブ132が第一の表面1421と端面143との交差箇所に当接するため、タブ132を折り曲げるプロセスでは、この交差箇所がタブ132にカット傷を付けやすく、タブ132の過電流能力に影響を与え、電池セル10の耐用年数に影響を与える。
【0100】
図10に示すように、第一の表面1421と端面143との交差箇所には、丸み144が設置されてもよく、第一の表面1421と端面143との滑らかな接続を実現し、この交差箇所によるタブ132への損傷を減少させることができる。
【0101】
図11に示すように、第一の表面1421と端面143との交差箇所には、弾性材145が設置されてもよく、弾性材145は、シリカゲル、発泡綿、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、合成樹脂、合成ゴムなどであってもよく、緩衝の役割を果たすことができ、力が作用された後に変形できることで、第一の表面1421と端面143との交差箇所でタブ132にカット傷を付けることを回避する。弾性材145と接続部材14との接続方式は、複数種であってもよく、ゴム接着であってもよく、ゴムスプレー凝固成形であってもよい。いくつかの実施例では、第一の表面1421と端面143との交差箇所に対してゴムスプレー処理を行い、ゴム液が凝固して弾性材145を成形する。
【0102】
第一の表面1421と端面143との交差箇所に設置される丸み144又は弾性材145は、タブ132と接続部材14との間の摩擦を緩衝し、タブ132にカット傷を付けることを回避し、電池セル10の耐用年数を保証することができる。
【0103】
本出願のいくつかの実施例によれば、図5及び図9に示すように、端子接続部141は、タブ接続部142に対して、本体131から離間する側へ突出する。
【0104】
端子接続部141がタブ接続部142に対して本体131から離間する側へ突出することは、端子接続部141が方向Zに沿ってタブ接続部142に対して突出し、端子接続部141がタブ接続部142に対して本体131から離れることを意味する。
【0105】
端子接続部141が本体131から離間する側へ突出することで、電極端子15との接続を容易にするとともに、本体131へ突出して電池セル10の内部空間を占有することを回避し、電池セル10のエネルギー密度を保証することができる。
【0106】
本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、以上のいずれか一つの技術案に記載の電池セル10を含む電池100をさらに提供する。
【0107】
本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、電力消費機器に電気エネルギーを提供するための、以上のいずれか一つの技術案に記載の電池セル10を含む電力消費機器をさらに提供する。
【0108】
本出願のいくつかの実施例によれば、図3図7を参照すると、本出願は、電池セル10を提供した。電池セル10は、エンドキャップ11と、ハウジング12と、電極アセンブリ13と、接続部材14と、電極端子15と、絶縁材16と、を含む。ハウジング12は、開口を有する収容キャビティ121を含み、エンドキャップ11は、開口箇所に被せられてハウジング12の収容キャビティ121を密閉する。電極アセンブリ13と少なくとも一部の接続部材14は、ハウジング12の収容キャビティ121内に収容される。接続部材14は、端子接続部141と、タブ接続部142と、を含み、端子接続部141は、電極端子15に接続されるために用いられ、タブ接続部142は、タブ132に接続されるために用いられ、本体131に向かう第一の表面1421を有する。電極アセンブリ13は、本体131と、タブ132と、を含み、タブ132は、本体131に接続される第一のセグメント1321と、第一の表面1421に固定される第二のセグメント1322と、第一のセグメント1321と第二のセグメント1322との間に接続されるコーナーセグメント1323と、を含む。本体131と接続部材14とは、平行に設置され、かつエンドキャップ11の厚さ方向に沿って間隔をおいて分布する。本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿って、コーナーセグメント1323は、第一の表面1421を超える。少なくとも一部の絶縁材16は、接続部材14とエンドキャップ11との間に位置することで、接続部材14とエンドキャップ11とを隔離する。接続部材14は、電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿う端面143をさらに有し、絶縁材16の電極アセンブリ13の厚さ方向Xに沿うエッジには、本体131へ突出するフランジ161が形成され、コーナーセグメント1323は、端面143とフランジ161との間に位置し、フランジ161は、コーナーセグメント1323とハウジング12との間に位置する。コーナーセグメント1323は、絶縁材16のエンドキャップ11から離間した側に当接する。
【0109】
コーナーセグメント1323が第一の表面1421を超えかつ絶縁材16のエンドキャップ11から離間した側に当接することで、本体131と接続部材14との間の距離が比較的に小さくなり、本体131によって占有される空間を増加させ、即ち、正負極の活物質の割合を増加させることができ、さらには、比較的に高いエネルギー密度を有する。
【0110】
図12は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造方法の概略的なフローチャートである。本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、電池セルの製造方法を提供し、図12に示すように、この電池セルの製造方法は、
電極アセンブリ13を提供するステップ401であって、電極アセンブリ13は、本体131と、タブ132と、を含み、タブ132は、第一のセグメント1321と、第二のセグメント1322と、第一のセグメント1321と第二のセグメント1322との間に接続されるコーナーセグメント1323と、を含むステップ401と、
端子接続部141と本体131に向かう第一の表面1421を有するタブ接続部142と、を含む接続部材14を提供するステップ402と、
電極端子15を提供するステップ403と、
第二のセグメント1322を第一の表面1421に固定し、タブ132を折り曲げることで、本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿ってコーナーセグメント1323が第一の表面1421を超えるステップ404と、
端子接続部141を電極端子15に接続するステップ405と、を含んでもよい。
【0111】
指摘すべきこととして、「電極アセンブリ13を提供するステップ401」、「接続部材14を提供するステップ402」及び「電極端子15を提供するステップ403」の順序は、限定されず、いくつかの実施例では、順に「接続部材14を提供するステップ402」、「電極アセンブリ13を提供するステップ401」及び「電極端子15を提供するステップ403」の順序で行ってもよく、又は、順に「電極端子15を提供するステップ403」、「電極アセンブリ13を提供するステップ401」及び「接続部材14を提供するステップ402」の順序で行ってもよい。
【0112】
図13は、本出願のいくつかの実施例による電池セルの製造機器500の概略的なブロック図である。本出願のいくつかの実施例によれば、本出願は、電池セルの製造機器500を提供し、図13に示すように、この電池セルの製造機器500は、提供モジュール501と、組み立てモジュール502と、を含む。提供モジュール501は、電極アセンブリ13の提供、接続部材14の提供、電極端子15の提供を行うために用いられ、電極アセンブリ13は、本体131と、タブ132と、を含み、タブ132は、第一のセグメント1321と、第二のセグメント1322と、第一のセグメント1321と第二のセグメント1322との間に接続されるコーナーセグメント1323と、を含み、接続部材14は、端子接続部141と、本体131に向かう第一の表面1421を有するタブ接続部142と、を含む。組み立てモジュール502は、第二のセグメント1322を第一の表面1421に固定し、タブ132を折り曲げることで、本体131から接続部材14に向かう方向Zに沿ってコーナーセグメント1323が第一の表面1421を超え、且つ端子接続部141を電極端子15に接続するために用いられる。
【0113】
好ましい実施例を参照して本出願について記述したが、本出願の範囲を逸脱することなく、様々な改良を行って、その中の部材を等価物で置き換えることができる。特に、構造上の矛盾がない限り、各実施例に言及された各技術的特徴は、いずれも任意の方式で組み合わせることができる。本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されるものではなく、請求項の範囲内に含まれるすべての技術案を含む。
【符号の説明】
【0114】
100 電池、101 筐体、1011 第一の部分、1012 第二の部分、10 電池セル、11 エンドキャップ、12 ハウジング、121 収容キャビティ、13 電極アセンブリ、131 本体、132 タブ、1321 第一のセグメント、1322 第二のセグメント、1323 コーナーセグメント、14 接続部材、141 端子接続部、142 タブ接続部、1421 第一の表面、1422 第二の表面、143 端面、144 丸み、145 弾性材、15 電極端子、16 絶縁材、161 フランジ、17 テープ、200 コントローラ、300 モータ、1000 車両
図1
図2
図3
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図5
図6
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図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】