(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】SD-WANマルチキャストレプリケータ選択集中化ポリシー
(51)【国際特許分類】
H04L 45/16 20220101AFI20231108BHJP
H04L 45/76 20220101ALI20231108BHJP
【FI】
H04L45/16
H04L45/76
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516662
(86)(22)【出願日】2021-11-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-08
(86)【国際出願番号】 US2021072354
(87)【国際公開番号】W WO2022109528
(87)【国際公開日】2022-05-27
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508041127
【氏名又は名称】シスコ テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】リンデム,アルフレッド,シー.
(72)【発明者】
【氏名】チンタラプディ,ラヴィ,キラン
(72)【発明者】
【氏名】シュリヴァスタヴァ,ガウラブ
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,チーニン
(72)【発明者】
【氏名】パテル,プラレシュクマール,グヴァントレイ
【テーマコード(参考)】
5K030
【Fターム(参考)】
5K030GA12
5K030HC01
5K030JA07
5K030JA11
5K030KA01
5K030LB05
(57)【要約】
本開示は、マルチキャストレプリケータ選択のための集中化制御ポリシーを対象とする。方法は、マルチキャストプロトコルを用いて構成された複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、複数のエッジデバイスからのマルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関連するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、プリファレンスは、複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、エッジデバイスの定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを制御ポリシーで更新することであって、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、制御ポリシーに基づくエッジデバイスの定義されたセットに対するレプリケータ選択のためのプリファレンスを示すことと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
命令を含む1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記システムの1つ以上の構成要素に、
複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、前記複数のエッジデバイスの各エッジデバイスは、マルチキャストプロトコルを用いて構成されており、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、
前記複数のエッジデバイスからの前記マルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、
前記識別された1つ以上のータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、前記プリファレンスは、前記複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを前記制御ポリシーで更新することであって、前記更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、前記制御ポリシーに基づいてエッジデバイスの前記定義されたセットに対するレプリケータ選択のための前記プリファレンスを示すことと、
を含む動作を実行させる、1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記複数のエッジデバイスは、ソフトウェア定義ワイドエリアネットワーク(SD-WAN)上で構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プリファレンスは、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの前記少なくとも1つのレプリケータの近接度、
前記1つ以上のレプリケータに対する前記少なくとも1つのレプリケータの容量、
前記1つ以上のレプリケータに対する前記少なくとも1つのレプリケータの負荷の分散、又は
管理上の考慮事項、のうちの少なくとも1つに基づく、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プリファレンスは、
前記少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた高いプリファレンス、又は
前記少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた低いプリファレンス、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記高いプリファレンスは、
既存のマルチキャストフローを前記少なくとも1つのレプリケータに向けるためのプリエンプティブプリファレンスを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス及びプレフィックス長タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられており、前記定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの前記定義されたセットに送信される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス、プレフィックス長、及び送信元タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられており、前記定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの前記定義されたセットに送信される、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
方法であって、
複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、前記複数のエッジデバイスの各エッジデバイスはマルチキャストプロトコルを用いて構成され、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、
前記複数のエッジデバイスからの前記マルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、
前記識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、前記プリファレンスは、前記複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを前記制御ポリシーで更新することであって、前記更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、前記制御ポリシーに基づいてエッジデバイスの前記定義されたセットに対するレプリケータ選択のための前記プリファレンスを示すことと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記複数のエッジデバイスは、ソフトウェア定義ワイドエリアネットワーク(SD-WAN)上で構成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記プリファレンスは、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの前記少なくとも1つのレプリケータの近接度、
前記1つ以上のレプリケータに対する前記少なくとも1つのレプリケータの容量、
前記1つ以上のレプリケータに対する前記少なくとも1つのレプリケータの負荷の分散、又は
管理上の考慮事項、のうちの少なくとも1つに基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プリファレンスは、
前記少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた高いプリファレンス、又は
前記少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた低いプリファレンス、
を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記高いプリファレンスは、
既存のマルチキャストフローを前記少なくとも1つのレプリケータに向けるためのプリエンプティブプリファレンスを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス及びプレフィックス長タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられており、前記定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの前記定義されたセットに送信される、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス、プレフィックス長、及び送信元タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられており、前記定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの前記定義されたセットに送信される、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
命令を具現化する1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、
複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、前記複数のエッジデバイスの各エッジデバイスはマルチキャストプロトコルを用いて構成され、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、
前記複数のエッジデバイスからの前記マルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、
前記識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、前記プリファレンスは、前記複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを前記制御ポリシーで更新することであって、前記更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、前記制御ポリシーに基づいてエッジデバイスの前記定義されたセットに対するレプリケータ選択のための前記プリファレンスを示すことと、
を含む動作を実行させる、1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項16】
前記複数のエッジデバイスは、ソフトウェア定義ワイドエリアネットワーク(SD-WAN)上で構成されている、請求項15に記載の1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項17】
前記プリファレンスは、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの前記少なくとも1つのレプリケータの近接度、
前記1つ以上のレプリケータに対する前記少なくとも1つのレプリケータの容量、
前記1つ以上のレプリケータに対する前記少なくとも1つのレプリケータの負荷の分散、又は
管理上の考慮事項、のうちの少なくとも1つに基づく、請求項16に記載の1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項18】
前記プリファレンスは、
前記少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた高いプリファレンス、又は
前記少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた低いプリファレンス、
を含む、請求項15~17のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項19】
前記高いプリファレンスは、
既存のマルチキャストフローを前記少なくとも1つのレプリケータに向けるためのプリエンプティブプリファレンスを更に含む、請求項18に記載の1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項20】
前記制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス及びプレフィックス長タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられており、前記定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの前記定義されたセットに送信される、請求項15~19のいずれか一項に記載の1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項21】
装置であって、
複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信する手段であって、前記複数のエッジデバイスの各エッジデバイスは、マルチキャストプロトコルを用いて構成されており、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含む、受信する手段と、
前記複数のエッジデバイスからの前記マルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別する手段と、
前記識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信する手段であって、前記プリファレンスは、前記複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能である、受信する手段と、
エッジデバイスの前記定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを前記制御ポリシーで更新する手段であって、前記更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、前記制御ポリシーに基づいてエッジデバイスの前記定義されたセットに対するレプリケータ選択のための前記プリファレンスを示す、更新する手段と、
を備える、装置。
【請求項22】
請求項2~14のいずれか一項に記載の方法を実装する手段を更に備える、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法のステップを遂行させる命令を含む、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム製品、又はコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ソフトウェア定義ワイドエリアネットワーク(software-defined wide area network、SD-WAN)マルチキャストレプリケータ選択に関し、より具体的には、集中化ポリシーに基づくSD-WANマルチキャストレプリケータ選択のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IPマルチキャストは、潜在的に何千もの企業受信者及び家庭(例えば、受信機)に単一の情報ストリームを同時に配信することによってトラフィックを低減する帯域幅節約技術である。マルチキャストパケットは、ネットワークにおいて、プロトコル独立マルチキャスト(Protocol Independent Multicast、PIM)及び/又は他のサポートするマルチキャストプロトコルによって有効化されるエッジデバイスによって経路が分岐するポイントで複製され、複数の受信機へのデータの効率的な配信をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】ある実施形態による、集中化制御ポリシーを使用するマルチキャストレプリケータ選択のためのシステムを例解する。
【
図2】ある実施形態による、中央コントローラ上で構成され得る集中化制御ポリシーの例示的なシンタックスを例解する。
【
図3】ある実施形態による、集中化制御ポリシーを使用するマルチキャストレプリケータ選択のための方法のフロー図を例解する。
【
図4】ある実施形態によるコンピュータシステムを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
概要
本発明の態様は独立請求項に記載されており、好ましい特徴は従属請求項に記載されている。一態様の特徴は、各態様に単独で、又は他の態様と組み合わせて適用され得る。
【0005】
一実施形態によれば、システムは、1つ以上のプロセッサと、命令を含む1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、システムの1つ以上の構成要素に、複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、複数のエッジデバイスの各エッジデバイスは、マルチキャストプロトコルを用いて構成されており、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、複数のエッジデバイスからのマルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関連するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、プリファレンスは、複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、エッジデバイスの定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを制御ポリシーで更新することであって、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、制御ポリシーに基づくエッジデバイスの定義されたセットに対するレプリケータ選択のためのプリファレンスを示すことと、を含む動作を実行させる、1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と、を含み得る。
【0006】
更に、複数のエッジデバイスは、ソフトウェア定義ワイドエリアネットワーク(SD-WAN)上で構成され得る。
【0007】
加えて、プリファレンスは、エッジデバイスの定義されたセットへの少なくとも1つのレプリケータの近接度、1つ以上のレプリケータに対する少なくとも1つのレプリケータの容量、1つ以上のレプリケータに対する少なくとも1つのレプリケータの負荷の分散、又は管理上の考慮事項、のうちの少なくとも1つに基づき得る。
【0008】
更に、プリファレンスは、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた高いプリファレンス、又は少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた低いプリファレンス、を含み得る。加えて、高いプリファレンスは、既存のマルチキャストフローを少なくとも1つのレプリケータに向けるためのプリエンプティブプリファレンスを更に含み得る。
【0009】
加えて、制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス及びプレフィックス長タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられ得、定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの定義されたセットに送信される。更に、制御ポリシーは、マルチキャストグループプレフィックス、プレフィックス長、及び送信元タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストと更に関連付けられ得、定義されたマルチキャストプレフィックスリストは、エッジデバイスの定義されたセットに送信される。
【0010】
別の実施形態によれば、方法は、複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信するステップであって、複数のエッジデバイスの各エッジデバイスは、マルチキャストプロトコルを用いて構成されており、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含む、受信するステップと、複数のエッジデバイスからのマルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別するステップと、識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関連するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信するステップであって、プリファレンスは、複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能である、受信するステップと、エッジデバイスの定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを制御ポリシーで更新するステップであって、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、制御ポリシーに基づくエッジデバイスの定義されたセットに対するレプリケータ選択のためのプリファレンスを示す、更新するステップと、を含み得る。
【0011】
更に別の実施形態によれば、1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、複数のエッジデバイスの各エッジデバイスは、マルチキャストプロトコルを用いて構成されており、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、複数のエッジデバイスからのマルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関連するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、プリファレンスは、複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、エッジデバイスの定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを制御ポリシーで更新することであって、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、制御ポリシーに基づくエッジデバイスの定義されたセットに対するレプリケータ選択のためのプリファレンスを示すことと、を含む動作を実行させる命令を具現化し得る。
【0012】
本開示のある実施形態の技術的利点は、以下のうちの1つ以上を含み得る。従来のSD-WANマルチキャストレプリケータ選択構成は、ローカルに構成されているレプリケータのステータス、レプリケータ経路の閾値、及び/又はレプリケータの物理的位置のみに基づく。これらのシナリオでは、エッジデバイスは、それらのサイトに受信機を有する全ての他のエッジデバイスへのマルチキャストフローのイングレス複製を実行しなければならない。本明細書で説明されるシステム及び方法は、SD-WANネットワークにおけるマルチキャストレプリケータの集中化された選択を可能にし、それによって、ローカル複製構成の前述の欠点を克服し得る。特に、集中化制御ポリシーは、(マルチキャストフローがより好ましいレプリケータに移動されることを可能にすることによって)復帰挙動を可能にし、クライアントプリファレンス(例えば、冗長性要件など)を考慮し、好ましいレプリケータが失敗した場合に少なくとも1つのレベルのバックアップレプリケータを可能にし、マルチキャストグループ又はマルチキャストグループ/送信元タプルに基づいて異なるレプリケータを選択し、既存の構成との後方互換性を可能にし得る。
【0013】
他の技術的利点は、以下の図面、説明、及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになるであろう。更に、特定の利点が上に列挙されているが、様々な実施形態は、列挙された利点の全てを含む場合、いくつかを含む場合、又は列挙された利点を全く含まない場合がある。
例示的な実施形態
【0014】
マルチキャストは、1回の送信で複数の受信者にデータを送信するグループ通信の方法である。マルチキャストを使用して、送信元は、データパケットを単一のマルチキャストIPアドレスに送信し得る。マルチキャストIPアドレスは、マルチキャストグループ(すなわち、特定のデータストリームに関心のある受信者のセットを含む)に対応する。送信元は、データパケットの宛先IPアドレスをマルチキャストIPアドレスに設定するだけでよい。マルチキャストIPアドレスに送信されたデータパケットは、次いで、ネットワークデバイス(例えば、ルータ)に転送され、ネットワークデバイスは、パケットを複製し、それをマルチキャストグループ内の受信者のセットに向けて転送する。
【0015】
マルチキャストの中心は、パケット複製であり、このプロセスは、特定のパケットの複数の物理コピーを作成し、そのコピーを転送経路内の宛先インターフェースに送信する。SD-WANエッジデバイスは、SD-WANオーバーレイネットワーク全体にわたってレプリケータとして展開及び構成され得る。レプリケータは、自身をオーバーレイネットワーク内の中央コントローラにアドバタイズし、次いで、コントローラは、レプリケータと同じVPN内にあるマルチキャストプロトコル対応エッジデバイス(例えば、プロトコル独立マルチキャスト(PIM)対応エッジデバイス)にレプリケータ位置情報を転送する。したがって、レプリケータは、マルチキャスト送信元からデータストリームを受信し、それらを複製し、同じVPN内のマルチキャスト受信機を有するエッジデバイスにそれらを転送する。
【0016】
上で説明されるように、エッジデバイスは、SD-WANファブリックを介してレプリケータに加入し、送信元は、データパケットをレプリケータに送信し、レプリケータは、データパケットを受信機に転送する。従来、各エッジデバイスは、レプリケータをローカルに選択しなければならず、これは粗い決定であり得る。本開示は、SD-WANにおける集中化制御ポリシーに基づくマルチキャストレプリケータ選択のためのメカニズムを導入することによって、従来技術を改善しようと試みる。
【0017】
図1は、本開示による、集中化制御ポリシーを使用するSD-WANにおけるマルチキャストレプリケータ選択のためのシステム100を描写する。システム100は、SD-WANオーバーレイ180において構成され得、システム100の集中化管理を調整するための、特に、マルチキャストレプリケータ選択のための集中化制御ポリシーの構成のための少なくとも1つの中央コントローラ110を含み得る。
図1には単一の中央コントローラが示されているが、システム100は任意の数の中央コントローラを含み得ることを理解されたい。中央コントローラ110は、特に、オーバーレイ管理プロトコル(overlay management protocol、OMP)を実行するための制御モジュールを備え得る。SD-WANでは、OMPは、中央コントローラ110とネットワーク内のエッジデバイスとの間でルーティング、ポリシー、及び管理情報を交換するために、並びにオーバーレイネットワーク通信及びエッジデバイス間の接続性を編成することを含む制御プレーンを確立及び維持するために使用される制御プロトコルである。
【0018】
システム100は、複数のサイト120a~eを更に含み得る。
図1は、サイト1 120a、サイト2 120b、サイト3 120c、サイト4 120d、及びサイト5 120eを示す。サイトは、1つ以上のエッジデバイス(「ノード」とも称される)130a~eが存在し得る、SD-WANネットワーク180内の物理的位置を指す。例えば、企業の支社は、サイトであり得、複数のエッジデバイスを備え得る。エッジデバイスは、企業又はサービスプロバイダネットワークへのエントリポイントを提供する。エッジデバイスの例は、ルータ、ルーティングスイッチ、統合アクセスデバイス(integrated access device、IAD)、及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)アクセスデバイスを含む。
図1では、複数のサイト120a~eの各々は、単一のエッジデバイス(すなわち、サイト1 120a内のエッジデバイス130a、サイト2 120b内のエッジデバイス130b、サイト3 120c内のエッジデバイス130c、サイト4 120d内のエッジデバイス130d、及びサイト5 120e内のエッジデバイス130e)を含む。ただし、所与のサイトが複数のエッジデバイスを有し得ることを理解されたい。エッジデバイス130a~eは、まとめて「複数のエッジデバイス」と称される。
【0019】
更に、サイト1及び2 120a、120bは、マルチキャストサイトであり、エッジデバイス130a、130bは、プロトコル独立マルチキャスト(PIM)又はインターネットグループ管理プロトコル(Internet Group Management Protocol、IGMP)バージョン3マルチキャストルーティングなどのマルチキャストプロトコルを用いて構成されていると仮定する。同様に、サイト3、4、及び5 120c、120d、120eはマルチキャストサイトであり、それらの関連するエッジデバイス130c、130d、130eはPIMルーティングを用いて構成されている。加えて、エッジデバイス130aは、エッジデバイス130aの背後のローカルサイトに位置する2つのマルチキャスト受信機150a、150bを有するサイト(サイト1 120a)に位置している。マルチキャスト受信機150a、150bは、ローカルサイトPIMルータ(図示せず)を用いて構成される。同様に、エッジデバイス130bは、エッジデバイス130bの背後のローカルサイトに位置しており、ローカルサイトPIMルータで構成された1つのマルチキャスト受信機160aを有するサイト(サイト2 120b)に位置している。最後に、エッジデバイス130cは、エッジデバイス130cの背後のローカルサイトに配置されており、ローカルサイトPIMルータとして構成されたマルチキャスト送信元170aを有するサイト3 120cに配置されている。更に、SD-WANオーバーレイにおけるOMP制御プロトコルは、全てのリモートPIMアイランドを接続するために使用される。サイト1、2、及び3は、任意の方法で構成され得、送信元デバイス及び/又は受信機デバイスとしての役割を果たす任意の数のエッジデバイスを含み得ることを理解されたい。しかしながら、例解目的で、サイト1 120a及びその対応するエッジデバイス130aは、マルチキャストフローを受信するように示されている。サイト2 120b及びその対応するエッジデバイス130bは、マルチキャストフローを受信するように示されており、サイト3及びその対応するエッジデバイス130cは、マルチキャストフローを送信するように示されている。
【0020】
引き続き
図1を参照すると、複数のエッジデバイス130a~eのうちの1つ以上のエッジデバイス130d~eは、SD-WANマルチキャストレプリケータとして構成され得る。具体的には、エッジデバイス130dは、サイト4 120dに位置するマルチキャストレプリケータであり、エッジデバイス130eは、サイト5 120eに位置するマルチキャストレプリケータである。したがって、
図1では、エッジデバイス130d、130eは、「レプリケータ」と各々ラベル付けされている。上説明されるように、マルチキャストレプリケータは、マルチキャスト送信元からデータストリームを受信し、それらを複製し、同じVPN内にマルチキャスト受信機を有するエッジデバイスにそれらを転送する。
【0021】
動作中、複数のエッジデバイス130a~eの各々は、それ自体をアドバタイズするために、マルチキャストアドバタイズメントを中央コントローラ110に送信し得る。一実施形態では、エッジデバイス130a~eのマルチキャストアドバタイズメントは、オーバーレイネットワーク180内の中央コントローラ110に送信されるOMPマルチキャスト自動発見経路を含み得る。マルチキャストアドバタイズメントは、アドバタイズメントを送信するエッジデバイスがレプリケータであるか否かを示す情報を含み得る。中央コントローラ110は、複数のエッジデバイス130a~eから受信されたマルチキャストアドバタイズメントを分析して、ネットワーク180においてマルチキャストレプリケータとして機能する1つ以上のエッジデバイス130d、130eを識別し得る。
【0022】
次に、中央コントローラ110は、少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信し得る。具体的には、制御ポリシーは、中央コントローラ110上での実行のために、ユーザによって構成され得る(又は、ある事例では、ネットワークデバイスにおいて、又はネットワークデバイスによって生成され得る)。制御ポリシーは、非レプリケータエッジデバイスのセットに適用されるべきレプリケータの選択に関連するプリファレンスを割り当て得る。言い換えれば、制御ポリシーは、エッジデバイスのセットを定義又は列挙し、エッジデバイスの定義されたセットがマルチキャストフローのための所与のレプリケータを選択又は使用する(又は選択しない/使用しない)というプリファレンスを述べ得る。制御ポリシーによって定義されたエッジデバイスの「セット」は、1つ以上のエッジデバイスを含み得ることを理解されたい。一実施形態では、エッジデバイスの定義されたセットは、マルチキャストフローを受信するエッジデバイス(すなわち、エッジデバイス130aがそのローカルサイトにマルチキャスト受信機150a、150bを有し、エッジデバイス130bがそのローカルサイトにマルチキャスト受信機160aを有するなど、ローカルサイトにマルチキャスト受信機を有するエッジデバイス)を指し得る。例解目的で、
図1では、エッジデバイスの定義されたセットは、エッジデバイス130a、130bを含み得、制御ポリシー(図示せず)は、レプリケータ(
図1ではエッジデバイス130dとして示されている)を選択することと関連付けられたプリファレンスを述べ得る。一実施形態では、制御ポリシーによって示されるプリファレンスは、マルチキャストフローを受信するために所与のレプリケータを選択するための高い(又は好ましい)プリファレンスに対応し得る。高いプリファレンスは、エッジデバイスの定義されたセットと関連付けられた既存のマルチキャストフローを、現在のレプリケータから離れて、制御ポリシーによって示されるレプリケータに向けるためのプリエンプティブなプリファレンスを含み得る。別の実施形態では、制御ポリシーによって示されるプリファレンスは、所与のレプリケータを選択することに対する低い(又は好ましくない)プリファレンスに対応し得、レプリケータは、エッジデバイスの定義されたセットのためのバックアップレプリケータとして使用され得、又はエッジデバイスの定義されたセットによる使用に不適格であり得る。
【0023】
プリファレンスは、例えば、エッジデバイスの所与のセットに対するレプリケータの近接度(例えば、エッジデバイスのセットに近接しているレプリケータに高いプリファレンスが割り当てられ得る)、1つ以上の他のレプリケータに対するレプリケータの容量(例えば、高い容量を有するレプリケータに高いプリファレンスが割り当てられ得る)、1つ以上の他のレプリケータに対するレプリケータの負荷の分散(例えば、低い負荷分散を有するレプリケータに高いプリファレンスが割り当てられ得る)、並びに/又はレプリケータ及び/若しくはエッジデバイスのセットに関連する管理上の考慮事項(例えば、ある国の全てのエッジデバイスがその国のレプリケータを使用するという管理上のプリファレンス)、を含む様々な因子に基づいて判定され得る。
【0024】
ポリシーが中央コントローラ110上で構成されると、中央コントローラ110は次いで、制御ポリシーを追加することによって、好ましいレプリケータと関連付けられたマルチキャストアドバタイズメントを更新し、次いで、更新されたマルチキャストアドバタイズメント(複数可)をエッジデバイスの定義されたセットに送信し得る。例として、
図1では、好ましいレプリケータ(エッジデバイス130d)と関連付けられたマルチキャストアドバタイズメントは、レプリケータ(エッジデバイス130d)がエッジデバイス130a~bの定義されたセットによって使用される好ましいレプリケータであること、及び更新されたマルチキャストアドバタイズメントがエッジデバイス130a~bの定義されたセットに送信されること、を示す制御ポリシーで更新される。別の実施形態では、更新されたマルチキャストアドバタイズメントは、複数のエッジデバイス130a~eに送信され得る。更新されたマルチキャストアドバタイズメントは、制御ポリシーに基づいてエッジデバイスの定義されたセットのためのレプリケータ選択のプリファレンスを示す。上で説明されるように、レプリケータ選択のプリファレンスは、新しいマルチキャストフローのためにレプリケータを受け入れる(選択する)こと、既存のマルチキャストフローをプリエンプトすること、レプリケータを不適格とすること、及び/又はレプリケータをバックアップとして指定すること、を含み得る。エッジデバイス130a~bの定義されたセットが更新されたマルチキャストアドバタイズメントを受信すると、それらは、レプリケータ選択アルゴリズムを実行し、
図1の例では、制御ポリシーに記載されたプリファレンスに基づいてマルチキャストフローを受信するためのレプリケータ(エッジデバイス130d)を選択し得る。
【0025】
図1の例では、制御ポリシーが、マルチキャストフローを受信すべきエッジデバイス130a、130bの定義されたセットに適用されるべきレプリケータ(エッジデバイス130d)と関連付けられたプリファレンスを割り当てたことが点線によって示されている。言い換えれば、制御ポリシーは、エッジデバイス130a、130bのセットを定義し、エッジデバイス130a、130bの定義されたセットが、マルチキャストフローを受信するために、すなわち、それらの参加(マルチキャストフローを受信するためのそれらの要求)をレプリケータ(エッジデバイス130d)に向けることによって、レプリケータ(エッジデバイス130d)を使用するという高い(好ましい)プリファレンスを割り当てた。次に、レプリケータは、異なるマルチキャストアドバタイズメントを介して送信元(例えば、送信元170a)について学習し、サイト3 120cにおけるエッジデバイス130cに参加(すなわち、フローを受信する要求)を送信し得る。その結果、(エッジデバイス130cの背後に位置する)送信元170aによって送信されたデータパケットは、(エッジデバイス130aの背後に位置する)受信機150a、150b及び(エッジデバイス130bの背後に位置する)受信機160aへのデータストリームの送信のために、レプリケータ(エッジデバイス130d)を使用する。
【0026】
一実施形態では、制御ポリシーは、エッジデバイスの選択されたセットと関連付けられた単一のプリファレンスを含み得る。別の実施形態では、制御ポリシーは、エッジデバイスの異なるセットについての異なるプリファレンスを含み得る。例えば、制御ポリシーは、エッジデバイスの第1のセット(例えば、東海岸エッジデバイス)及びエッジデバイスの第2のセット(例えば、西海岸エッジデバイス)を定義し、第1のレプリケータが東海岸エッジデバイスの定義された第1のセットのために使用される第1のプリファレンス、及び第2のレプリケータが西海岸エッジデバイスの定義された第2のセットのために使用される第2のプリファレンスを示し得る。
【0027】
更なる実施形態では、複数のレプリケータが、異なるマルチキャスト宛先又は宛先/送信元ペアに対して選択され得る。したがって、制御ポリシーは、レプリケータプリファレンスに加えて、マルチキャストグループプレフィックス及びプレフィックス長タプルのセット、又はマルチキャストグループプレフィックス、プレフィックス長、及び送信元タプルのセットと関連付けられた定義されたマルチキャストプレフィックスリストを含み得る。マルチキャストプレフィックスは、マルチキャストフローの経路を識別するように動作する。したがって、中央コントローラは、更新されたマルチキャストアドバタイズメントをエッジデバイスに送信するとき、プレフィックスリストもエッジデバイスに送信し得(エッジデバイスはプレフィックスリストを受信し得)、プレフィックスリストは、次いで、異なるマルチキャストグループ又はマルチキャストグループ/送信元タプルのための異なるレプリケータを選択するために使用され得る。一実施形態では、マルチキャスト送信元は、完全なグループアドレス(すなわち、IPv4のプレフィックス長32又はIPv6のプレフィックス長128)を用いて指定され得、それによって、ルックアップが、グループ又はグループ/送信元ペア上の単純な最長プレフィックスマッチになることを可能にする。マルチキャストプレフィックスリストは、グループの最長プレフィックスマッチをセットアップするために、並びに完全なグループアドレスのために使用され得、その結果、好ましいレプリケータは、フォワード情報ベース(forward information base、FIB)ルックアップと同じ方法でリバースパスフォワーディング(reverse-path forwarding、RPF)チェック中に動的に選択され得る。当技術分野で理解されているように、RPFチェックは、参加要求(すなわち、所与のマルチキャストストリームを受信する要求)をどこに送信するかを判定するときに、潜在的な受信機によって行われる。これらは、選択されたレプリケータ(エッジデバイス130d)に送信され、レプリケータは、次に、送信元エッジデバイス130c又はPIMランデブーポイント(Rendezvous Point、RP)サイトに参加を送信する。
【0028】
マルチキャストプレフィックスリストを用いて、マルチキャストアドバタイズメント、例えば、OMPマルチキャスト自動発見経路は、異なる組み合わせが使用され得るように(例えば、<group>/prefix-length/<group/source>)、複数のタプル(例えば、<multicast-prefix-list,preference,preempt>)を含むように拡張される必要があり得ることを理解されたい。本開示はそのようなタプルの数を限定しないが、実装は限られた数のタプルをサポートする必要があるだけであり得ることを理解されたい。
【0029】
ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示による、中央コントローラ上で構成され得る集中化制御ポリシー200と関連付けられた例示的なシンタックスを示す。
図2のシンタックスは、例解目的で示されており、本開示で説明されるのと同じ又は実質的に同じ結果を達成するために、任意の方法で適合され、改訂され、又は別様に修正され得ることを理解されたい。
【0030】
制御ポリシー200では、エッジデバイスのセット(
図2では「site-id 1」、「site-id 2」、及び「site-id 5」と称され、まとめて「west-sites」210と称される)が、ポリシーの適用のために定義され得る。マルチキャストプレフィックスリスト220はまた、マルチキャストフローのための経路を識別するために定義され得る。
図2の制御ポリシー200は、マルチキャストレプリケータ(「Chicago-replicator」と称される)に対するプリファレンス230を含む。ポリシーは、2つの列挙されたシーケンス240、250で更に定義される。
【0031】
(「sequence 10」とラベル付けされた)第1のシーケンス240は、マルチキャスト経路のためのマッチパラメータを確立し、(IPアドレス10.100.1.1を有する「originator」に対応する)好ましいレプリケータが、プレフィックスリスト220によって定義されるマルチキャストフローのために指定される。「action accept」コマンド及び「set replicator preference 1000 preempt」コマンドは、好ましいレプリケータを指定し、レプリケータが列挙されたエッジデバイス上で構成されるように選択されたときに既存のフローをプリエンプトするように動作する。
【0032】
第2のシーケンス250(「sequence 15」とラベル付けされている)は、レプリケータを不適格とするためのマッチパラメータを確立する。具体的には、「action reject」コマンドは、ポリシーがSD-WANサイトに適用されるときのプリファレンスとは無関係に任意のフローのために使用されることについて、レプリケータ(IPアドレス10.100.1.2を有する「originator」に対応する)を不適格とする。
【0033】
このポリシーは、要素260に示されるコマンドで終了し、「chicago-replicator」のプリファレンスを列挙する前述の制御ポリシーが、定義された「west-sites」に適用され得る。
【0034】
ここで
図3を参照すると、集中化制御ポリシーを使用するマルチキャストレプリケータ選択のための方法300のフロー図が描写されている。方法300のステップは、
図1のシステム100に関連して概説された動作に従い得る。したがって、
図1に関連して説明される同様の用語及び対応する用語は、
図3の方法300に関連して使用される場合に同じ意味を有し得る。加えて、本開示は、方法300のステップを説明する、詳述する、又は別様に明確にする目的で、システム100の説明を参照により組み込む。
【0035】
方法300は、少なくとも1つの中央コントローラと複数のエッジデバイスとを有するSD-WANネットワークにおいて実行され得る。一実施形態では、中央コントローラは、ネットワークの制御及び管理プレーン内に構成され得、ネットワーク内の複数のノードの中央管理を調整し得る。一実施形態では、中央コントローラは、OMPを実行するための制御モジュールを含み得る。一実施形態では、方法300のステップは、中央コントローラの観点から実行され得る。しかしながら、方法300は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、ネットワーク内の任意の構成要素、要素、又はモジュールによって実行され得ることを理解されたい。
【0036】
エッジデバイスは、企業又はサービスプロバイダのネットワークへのエントリポイントを提供する。エッジデバイスの例には、ルータ、ルーティングスイッチ、IAD、及びWANアクセスデバイスが含まれる。SD-WANネットワーク内の複数のエッジデバイスの各々は、SD-WANネットワーク内のサイト又は物理的位置に存在し得、PIM又はIGMPバージョン3ルーティングなどのマルチキャストプロトコルで構成され得る。各エッジデバイスは、PIMを用いて構成されており、エッジデバイスの背後のローカルサイトに位置する1つ以上のマルチキャスト受信機、及び/又はPIMを用いて構成されており、エッジデバイスの背後のローカルサイトに位置する1つ以上のマルチキャスト送信元を有し得る。更に、SD-WANオーバーレイにおけるOMP制御プロトコルは、全てのリモートPIMアイランドを接続するために使用される。
【0037】
加えて、複数のエッジデバイスのうちの1つ以上のエッジデバイスは、SD-WANマルチキャストレプリケータとして構成され得る。上説明されるように、マルチキャストレプリケータは、マルチキャスト送信元からデータストリームを受信し、それらを複製し、同じVPN内にマルチキャスト受信機を有するエッジデバイスにそれらを転送する。
【0038】
この方法は、ステップ310で開始し得る。ステップ320において、中央コントローラは、マルチキャストプロトコルを用いて構成された複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信し得る。言い換えれば、複数のエッジデバイスのうちの各エッジデバイスは、マルチキャストアドバタイズメントを中央コントローラに送信し得る。各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイス(すなわち、マルチキャストアドバタイズメントを送信したエッジデバイス)がレプリケータであるかどうかを示す情報を含み得る。一実施形態では、マルチキャストアドバタイズメントは、OMPマルチキャスト自動発見経路を含み得る。
【0039】
ステップ330において、中央コントローラは、複数のエッジデバイスからのマルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別し得る。ステップ340において、1つ以上のレプリケータが識別されたかどうかについて判定が行われ得る。ステップ340において、1つ以上のレプリケータが識別されていないと判定された場合、方法は、ステップ370において終了し得る。しかしながら、ステップ340において、1つ以上のレプリケータが識別されたと判定された場合、方法は、ステップ350に進み得る。
【0040】
ステップ350において、中央コントローラは、識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信し得、プリファレンスは、複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能である。集中化制御ポリシーは、ユーザによって構成され得るか、又は中央コントローラ上での実行のためにネットワークデバイスにおいて、若しくはネットワークデバイスによって生成され得る。制御ポリシーは、エッジデバイスのセットを定義し、エッジデバイスの定義されたセットがマルチキャストフローのための所与のレプリケータを選択又は使用する(又は選択しない/使用しない)というプリファレンスを述べ得る。制御ポリシーによって定義されるエッジデバイスの「セット」は、1つ以上のエッジデバイスを含み得ることを理解されたい。エッジデバイスの定義されたセットは、マルチキャストフローを受信する1つ以上のエッジデバイスを含み得る。一実施形態では、制御ポリシーによって示されるプリファレンスは、所与のレプリケータを選択するための高い(又は好ましい)プリファレンスに対応し得る。高いプリファレンスは、エッジデバイスの定義されたセットと関連付けられた既存のマルチキャストフローを、現在のレプリケータから離れて、制御ポリシーによって示されるレプリケータに向けるためのプリエンプティブなプリファレンスを含み得る。別の実施形態では、制御ポリシーによって示されるプリファレンスは、所与のレプリケータを選択することに対する低い(又は好ましくない)プリファレンスに対応し得、レプリケータは、エッジデバイスの定義されたセットのためのバックアップレプリケータとして使用され得るか、又はエッジデバイスの定義されたセットによる使用に不適格であり得る。
【0041】
プリファレンスは、例えば、エッジデバイスの所与のセットに対するレプリケータの近接度(例えば、エッジデバイスのセットに近接しているレプリケータは、高いプリファレンスを割り当てられ得る)、1つ以上の他のレプリケータに対するレプリケータの容量(例えば、高い容量を有するレプリケータに高いプリファレンスが割り当てられ得る)、1つ以上の他のレプリケータに対するレプリケータの負荷の分散(例えば、低い負荷分散を有するレプリケータに高いプリファレンスが割り当てられ得る)、並びに/又は、レプリケータ及び/若しくはエッジデバイスのセットと関連付けられた1つ以上の管理上の考慮事項、を含む1つ以上の因子に基づいて判定され得る。
【0042】
ステップ360において、中央コントローラは、エッジデバイスの定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのレプリケータと関連付けられた少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを集中化制御ポリシーで更新し得、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、集中化制御ポリシーに基づいてエッジデバイスの定義されたセットに対するレプリケータ選択のためのプリファレンスを示す。一実施形態では、中央コントローラは、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントをエッジデバイスの定義されたセットに送信し得る。別の実施形態では、中央コントローラは、エッジデバイスの定義されたセットと、エッジデバイスのその定義されたセットのためのレプリケータ選択のプリファレンスとを列挙する更新されたマルチキャストアドバタイズメントを複数のエッジデバイスに送信し得る。エッジデバイスの定義されたセットが更新されたマルチキャストアドバタイズメントを受信すると、エッジデバイスは、レプリケータ選択アルゴリズムを実行し、制御ポリシーに記載されたプリファレンスに基づいてレプリケータを選択し得る(又は選択しない)。ステップ370において、方法は終了し得る。
【0043】
一実施形態では、制御ポリシーは、エッジデバイスの定義されたセットと関連付けられた単一のプリファレンスを含み得る。別の実施形態では、制御ポリシーは、エッジデバイスの定義されたセットと関連付けられた複数のプリファレンス(例えば、第1のレプリケータに対する高い又は好ましいプリファレンス、及び第2のレプリケータに対する低い又は好ましくないプリファレンス)を含み得る。別の実施形態では、制御ポリシーは、エッジデバイスの異なるセットについての異なるプリファレンスを含み得る。更なる実施形態では、複数のレプリケータが、異なるマルチキャスト宛先又は宛先/送信元ペアに対して選択され得る。したがって、制御ポリシーは、レプリケータプリファレンスに加えて、マルチキャストグループプレフィックス及びプレフィックス長タプルのセット、又はマルチキャストグループプレフィックス、プレフィックス長、及び送信元タプルのセットに関連する定義されたマルチキャストプレフィックスリストを含み得る。マルチキャストプレフィックスは、マルチキャストフローの経路を識別する役割を果たす。したがって、中央コントローラは、更新されたマルチキャストアドバタイズメントをエッジデバイスに送信するとき、プレフィックスリストも送信し得(エッジデバイスはプレフィックスリストを受信し得)、プレフィックスリストは、次いで、異なるマルチキャストグループ又はマルチキャストグループ/送信元タプルのための異なるレプリケータを選択するために使用され得る。一実施形態では、マルチキャスト送信元は、完全なグループアドレス(すなわち、IPv4のプレフィックス長32又はIPv6のプレフィックス長128)を用いて指定され得、それによって、ルックアップが、グループ又はグループ-送信元ペア上の単純な最長プレフィックスマッチになることを可能にする。ダウンロードされると、マルチキャストプレフィックスリストは、グループの最長プレフィックスマッチをセットアップするために、並びに完全なグループアドレスのために使用され得、その結果、好ましいレプリケータは、フォワード情報ベースFIBルックアップと同じ方法でRPFチェック中に動的に選択され得る。
【0044】
要するに、本開示のシステム及び方法は、マルチキャストレプリケータ選択のための集中化制御ポリシーを可能にし、それによって、レプリケータのローカル構成の必要性を排除する。結果として、本開示は、サイトごとにきめ細かいカスタマイゼーションを可能にする。この粒度は、マルチキャストグループ及び送信元にまで拡張され得る。
【0045】
ここで
図4を参照すると、例示的なコンピュータシステム400が示されている。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム400は、本明細書で説明又は例解される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行する。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム400は、本明細書で説明又は例解される機能を提供する。特定の実施形態では、1つ以上のコンピュータシステム400上で実行されるソフトウェアは、本明細書で説明又は例解される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行するか、又は本明細書で説明又は例解される機能を提供する。特定の実施形態は、1つ以上のコンピュータシステム400の1つ以上の部分を含む。本明細書において、コンピュータシステムへの言及は、適切な場合、コンピューティングデバイスを包含し得、逆もまた同様である。更に、コンピュータシステムへの言及は、適切な場合、1つ以上のコンピュータシステムを包含し得る。
【0046】
本開示は、任意の好適な数のコンピュータシステム400を企図している。本開示は、任意の好適な物理的形態を採るコンピュータシステム400を企図している。限定ではなく例として、コンピュータシステム400は、組み込みコンピュータシステム、システムオンチップ(system-on-chip、SOC)、シングルボードコンピュータシステム(single-board computer system、SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(computer-on-module、COM)又はシステムオンモジュール(system-on-module、SOM)など)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップ又はノートブックコンピュータシステム、対話型キオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、サーバ、タブレットコンピュータシステム、拡張/仮想現実デバイス、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。適切な場合、コンピュータシステム400は、1つ以上のコンピュータシステム400を含み得、一体型又は分散型であり得、複数の位置にまたがり得、複数のマシンにまたがり得、複数のデータセンタにまたがり得、又は、1つ以上のネットワーク内の1つ以上のクラウドコンポーネントを含み得るクラウドに常駐し得る。適切な場合、1つ以上のコンピュータシステム400は、実質的な空間的又は時間的制限なしに、本明細書で説明又は例解される1つ以上の方法の1つ以上のステップを実行し得る。限定ではなく例として、1つ以上のコンピュータシステム400は、本明細書で説明又は例解される1つ以上の方法の1つ以上のステップをリアルタイム又はバッチモードで実行し得る。1つ以上のコンピュータシステム400は、適切な場合、本明細書で説明又は図示される1つ以上の方法の1つ以上のステップを、異なる時間又は異なる場所で実行し得る。
【0047】
特定の実施形態では、コンピュータシステム400は、プロセッサ402、メモリ404、ストレージ406、入力/出力(input/output、I/O)インターフェース408、通信インターフェース410、及びバス412を含む。本開示は、特定の数の特定の構成要素を特定の配置で有する特定のコンピュータシステムを説明及び図示しているが、本開示は、任意の好適な数の任意の好適な構成要素を任意の好適な配置で有する任意の好適なコンピュータシステムを企図している。
【0048】
特定の実施形態では、プロセッサ402は、コンピュータプログラムを構成する命令などの命令を実行するためのハードウェアを含む。限定ではなく例として、命令を実行するために、プロセッサ402は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ404、又はストレージ406から命令を取り出し(又はフェッチし)、それらを復号及び実行し、次いで、1つ以上の結果を内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ404、又はストレージ406に書き込み得る。特定の実施形態では、プロセッサ402は、データ、命令、又はアドレスのための1つ以上の内部キャッシュを含み得る。本開示は、適切な場合、任意の好適な数の任意の好適な内部キャッシュを含むプロセッサ402を企図している。限定ではなく例として、プロセッサ402は、1つ以上の命令キャッシュ、1つ以上のデータキャッシュ、及び1つ以上の変換索引バッファ(translation lookaside buffer、TLB)を含み得る。命令キャッシュ内の命令は、メモリ404又はストレージ406内の命令のコピーであり得、命令キャッシュは、プロセッサ402によるそれらの命令の取り出しを高速化し得る。データキャッシュ内のデータは、プロセッサ402で実行される命令が動作するためのメモリ404又はストレージ406内のデータ、プロセッサ402で実行される後続の命令によるアクセスのため、又はメモリ404若しくはストレージ406への書き込みのために、プロセッサ402で実行される前の命令の結果、又は他の好適なデータ、のコピーであり得る。データキャッシュは、プロセッサ402による読み出し又は書き込み動作を高速化し得る。TLBは、プロセッサ402の仮想アドレス変換を高速化し得る。特定の実施形態では、プロセッサ402は、データ、命令、又はアドレスのための1つ以上の内部レジスタを含み得る。本開示は、適切な場合、任意の好適な数の任意の好適な内部レジスタを含むプロセッサ402を企図している。適切な場合、プロセッサ402は、1つ以上の演算論理ユニット(arithmetic logic unit、ALU)を含み得、マルチコアプロセッサであり得、又は、1つ以上のプロセッサ402を含み得る。本開示は、特定のプロセッサを説明及び例解しているが、本開示は、任意の好適なプロセッサを企図している。
【0049】
特定の実施形態では、メモリ404は、プロセッサ402が実行する命令又はプロセッサ402が動作するデータを記憶するためのメインメモリを含む。限定ではなく例として、コンピュータシステム400は、ストレージ406又は別の送信元(例えば、別のコンピュータシステム400など)からメモリ404に命令をロードし得る。次いで、プロセッサ402は、メモリ404から内部レジスタ又は内部キャッシュに命令をロードし得る。命令を実行するために、プロセッサ402は、内部レジスタ又は内部キャッシュから命令を取り出し、それらを復号し得る。命令の実行中又は実行後に、プロセッサ402は、1つ以上の結果(中間結果又は最終結果であり得る)を内部レジスタ又は内部キャッシュに書き込み得る。次いで、プロセッサ402は、それらの結果のうちの1つ以上をメモリ404に書き込み得る。特定の実施形態では、プロセッサ402は、(ストレージ406又は他の場所ではなく)1つ以上の内部レジスタ若しくは内部キャッシュ内又はメモリ404内の命令のみを実行し、(ストレージ406又は他の場所ではなく)1つ以上の内部レジスタ若しくは内部キャッシュ内又はメモリ404内のデータのみに対して動作する。1つ以上のメモリバス(各々がアドレスバス及びデータバスを含み得る)は、プロセッサ402をメモリ404に結合し得る。バス412は、以下で説明されるように、1つ以上のメモリバスを含み得る。特定の実施形態では、1つ以上のメモリ管理ユニット(memory management unit、MMU)が、プロセッサ402とメモリ404との間に存在し、プロセッサ402によって要求されたメモリ404へのアクセスを容易にする。特定の実施形態では、メモリ404は、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含む。このRAMは、適切な場合、揮発性メモリであり得る。適切な場合、このRAMは、ダイナミックRAM(dynamic RAM、DRAM)又はスタティックRAM(static RAM、SRAM)であり得る。更に、適切な場合、このRAMは、シングルポート又はマルチポートRAMであり得る。本開示は、任意の好適なRAMを企図している。メモリ404は、適切な場合、1つ以上のメモリ404を含み得る。本開示は、特定のメモリを説明及び例解しているが、本開示は、任意の好適なメモリを企図している。
【0050】
特定の実施形態では、ストレージ406は、データ又は命令のための大容量ストレージを含む。限定ではなく例として、ストレージ406は、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、若しくはユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ドライブ、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。ストレージ406は、適切な場合、リムーバブル又は非リムーバブル(又は固定)媒体を含み得る。ストレージ406は、適切な場合、コンピュータシステム400の内部又は外部にあり得る。特定の実施形態では、ストレージ406は、不揮発性ソリッドステートメモリである。特定の実施形態では、ストレージ406は、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)を含む。適切な場合、このROMは、マスクプログラムされたROM、プログラム可能なROM(programmable ROM、PROM)、消去可能なPROM(erasable PROM、EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、電気的に変更可能なROM(electrically erasable PROM、EAROM)、若しくはフラッシュメモリ、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせであり得る。本開示は、任意の好適な物理的形態を採る大容量ストレージ406を企図している。ストレージ406は、適切な場合、プロセッサ402とストレージ406との間の通信を容易にする1つ以上のストレージ制御ユニットを含み得る。適切な場合、ストレージ406は、1つ以上のストレージ406を含み得る。本開示は、特定のストレージを説明及び例解しているが、本開示は、任意の好適なストレージを企図している。
【0051】
特定の実施形態では、I/Oインターフェース408は、コンピュータシステム400と1つ以上のI/Oデバイスとの間の通信のための1つ以上のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。コンピュータシステム400は、適切な場合、これらのI/Oデバイスのうちの1つ以上を含み得る。これらのI/Oデバイスのうちの1つ以上は、人とコンピュータシステム400との間の通信を可能にし得る。限定ではなく例として、I/Oデバイスは、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、スチルカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、別の好適なI/Oデバイス、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。I/Oデバイスは、1つ以上のセンサを含み得る。本開示は、任意の好適なI/Oデバイス及びそれらのための任意の好適なI/Oインターフェース408を企図している。適切な場合、I/Oインターフェース408は、プロセッサ402がこれらのI/Oデバイスのうちの1つ以上を駆動することを可能にする、1つ以上のデバイス又はソフトウェアドライバを含み得る。I/Oインターフェース408は、適切な場合、1つ以上のI/Oインターフェース408を含み得る。本開示は、特定のI/Oインターフェースを説明及び例解しているが、本開示は、任意の好適なI/Oインターフェースを企図している。
【0052】
特定の実施形態では、通信インターフェース410は、コンピュータシステム400と、1つ以上の他のコンピュータシステム400又は1つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケットベースの通信など)のための1つ以上のインターフェースを提供するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。限定ではなく例として、通信インターフェース410は、イーサネット若しくは他の有線ベースのネットワークと通信するためのネットワークインターフェースコントローラ(network interface controller、NIC)若しくはネットワークアダプタ、又はWI-FIネットワークなどのワイヤレスネットワークと通信するためのワイヤレスNIC(wireless NIC、WNIC)若しくはワイヤレスアダプタを含み得る。本開示は、任意の好適なネットワーク及びそのための任意の好適な通信インターフェース410を企図している。限定ではなく例として、コンピュータシステム400は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(metropolitan area network、MAN)、又はインターネットの1つ以上の部分、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせと通信し得る。これらのネットワークのうちの1つ以上の1つ以上の部分は、有線又は無線であり得る。一例として、コンピュータシステム400は、無線PAN(WPAN)(例えば、BLUETOOTHWPANなど)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、携帯電話ネットワーク(例えば、Global System for Mobile Communications(GSM)ネットワーク、Long-Term Evolution(LTE)ネットワーク、若しくは5Gネットワークなど)、若しくは他の好適な無線ネットワーク、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせと通信し得る。コンピュータシステム400は、適切な場合、これらのネットワークのいずれかのための任意の好適な通信インターフェース410を含み得る。通信インターフェース410は、適切な場合、1つ以上の通信インターフェース410を含み得る。本開示は、特定の通信インターフェースについて説明及び例解しているが、本開示は、任意の好適な通信インターフェースを企図している。
【0053】
特定の実施形態では、バス412は、コンピュータシステム400のコンポーネントを互いに結合するハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。限定ではなく例として、バス412は、Accelerated Graphics Port(AGP)若しくは他のグラフィックスバス、Enhanced Industry Standard Architecture(EISA)バス、フロントサイドバス(front-side bus、FSB)、HYPERTRANSPORT(HT)インターコネクト、Industry Standard Architecture(ISA)バス、INFINIBANDインターコネクト、low-pin-count(LPC)バス、メモリバス、Micro Channel Architecture(MCA)バス、Peripheral Component Interconnect(PCI)バス、PCI-Express(PCIe)バス、Serial Advanced Technology Attachment(SATA)バス、Video Electronics Standards Association local(VLB)バス、若しくは別の好適なバス、又はこれらのうちの2つ以上の組み合わせを含み得る。バス412は、適切な場合、1つ以上のバスを含み得る。本開示は、特定のバスについて説明及び例解しているが、本開示は、任意の好適なバス又はインターコネクトを企図している。
【0054】
本明細書では、コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合、1つ以上の半導体ベース又は他の集積回路(integrated circuit、IC)(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array、FPGA)又は特定用途向けIC(application-specific IC、ASIC)など)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(hybrid hard drive、HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(optical disc drive、ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスケット、フロッピーディスクドライブ(floppy disk drive、FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード若しくはドライブ、任意の他の好適なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、又はこれらのうちの2つ以上の任意の好適な組み合わせを含み得る。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性及び不揮発性の組み合わせであり得る。
【0055】
要約すると、本開示は、マルチキャストレプリケータ選択のための集中化制御ポリシーを対象とする。方法は、マルチキャストプロトコルを用いて構成された複数のエッジデバイスからマルチキャストアドバタイズメントを受信することであって、各マルチキャストアドバタイズメントは、関連付けられたエッジデバイスがレプリケータであるかどうかを示す情報を含むことと、複数のエッジデバイスからのマルチキャストアドバタイズメントを分析して、1つ以上のレプリケータを識別することと、識別された1つ以上のレプリケータからの少なくとも1つのレプリケータの選択に関連するプリファレンスを含む少なくとも1つの制御ポリシーと関連付けられた集中化ポリシー構成を受信することであって、プリファレンスは、複数のエッジデバイスからのエッジデバイスの定義されたセットに適用可能であることと、エッジデバイスの定義されたセットへの送信のために、少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントを制御ポリシーで更新することであって、更新された少なくとも1つのマルチキャストアドバタイズメントは、制御ポリシーに基づくエッジデバイスの定義されたセットに対するレプリケータ選択のためのプリファレンスを示すことと、を含む。
【0056】
本明細書において、「又は」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別段の指示がない限り、包括的であり、排他的ではない。したがって、本明細書では、「A又はB」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別段の指示がない限り、「A、B、又は両方」を意味する。更に、「及び(and)」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別段の指示がない限り、共同及び複数の両方である。したがって、本明細書では、「A及びB」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別段の指示がない限り、「A及びBを一緒に又は別々に」を意味する。
【0057】
本開示の範囲は、当業者が理解するであろう、本明細書に説明又は例解される例示的実施形態に対する全ての変更、置換、変形、改変、及び修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書で説明又は例解される例示的な実施形態に限定されない。更に、本開示は、特定の構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップを含むものとして本明細書のそれぞれの実施形態を説明及び例解しているが、これらの実施形態のいずれも、当業者が理解するであろう、本明細書のいずれかに説明又は例解される構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップのいずれかの任意の組み合わせ又は順列を含み得る。更に、添付の特許請求の範囲における、特定の機能を実行するように適合され、配置され、可能であり、構成され、有効化され、動作可能であり、又は動作可能である装置若しくはシステム、又は装置若しくはシステムの構成要素への言及は、その装置、システム、又は構成要素がそのように適合され、配置され、可能であり、構成され、有効化され、動作可能であり、又は動作可能である限り、それ又はその特定の機能がアクティブ化され、オンにされ、又はロック解除されるかどうかにかかわらず、その装置、システム、構成要素を包含する。加えて、本開示は、特定の実施形態を特定の利点を提供するものとして説明又は例解しているが、特定の実施形態は、これらの利点のいずれも提供しない場合があるか、これらの利点の一部又は全部を提供する場合がある。
【0058】
なお、本明細書で開示された実施形態は例にすぎず、本開示の範囲は、それらに限定されない。特定の実施形態は、本明細書に開示される実施形態の構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップの全てを含む場合、いくつかを含む場合、又はいずれも含まない場合がある。本開示による実施形態は、特に、方法、記憶媒体、システム、及びコンピュータプログラム製品を対象とする添付の特許請求の範囲において開示され、1つの請求項カテゴリー、例えば方法において言及される任意の特徴は、別の請求項カテゴリー、例えばシステムにおいても同様に請求され得る。添付の特許請求の範囲における従属関係又は引用は、形式的な理由のみのために選択されている。しかしながら、任意の先行する請求項(特に、複数の従属関係)への意図的な参照から生じる任意の主題も同様に請求され得、そのため、請求項及びその特徴の任意の組み合わせが、開示され、添付の特許請求の範囲において選択された従属関係にかかわらず、特許請求され得る。特許請求され得る主題は、添付の特許請求の範囲に記載される特徴の組み合わせだけでなく、特許請求の範囲における特徴の任意の他の組み合わせも含み、特許請求の範囲において言及される各特徴は、特許請求の範囲における任意の他の特徴又は他の特徴の組み合わせと組み合わされ得る。更に、本明細書で説明若しくは描写される実施形態及び特徴のうちのいずれも、別個の請求項において、及び/又は本明細書で説明若しくは描写される任意の実施形態若しくは特徴との、若しくは添付の請求項の特徴のいずれかとの任意の組み合わせにおいて、請求され得る。
【国際調査報告】