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特表2023-548010極低温で水素を製造するためのプラント及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】極低温で水素を製造するためのプラント及び方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20231108BHJP
   F25J 1/02 20060101ALI20231108BHJP
   C25B 1/04 20210101ALI20231108BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20231108BHJP
   C25B 15/08 20060101ALI20231108BHJP
   C25B 9/19 20210101ALN20231108BHJP
【FI】
F25J1/00 C
F25J1/02
C25B1/04
C25B9/00 A
C25B15/08 302
C25B9/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521460
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-04-07
(86)【国際出願番号】 EP2021077673
(87)【国際公開番号】W WO2022096217
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】2011490
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】バルジョー、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】クレスピ、ピエール
【テーマコード(参考)】
4D047
4K021
【Fターム(参考)】
4D047AA02
4D047AB07
4D047BA03
4D047CA06
4D047CA11
4D047CA16
4D047CA19
4D047EA00
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA09
4K021DB31
4K021DC03
(57)【要約】
極低温で水素を製造するためのプラント及び方法であって、電解槽(2)と、冷却されることになる水素回路(3)であって、水素出口に接続された上流端と冷却及び/又は液化水素を収集するための部材(23)に接続されることになる下流端(22)とを含む冷却されることになる水素回路(3)とを含み、プラント(1)が、冷却されることになる水素回路(3)と熱交換する熱交換器(4、5、6、7、8)のセットもまた含み、プラント(1)が、熱交換器(4、5、6、7、8)のセットの少なくとも一部と熱交換する少なくとも1つの冷却デバイス(9、10)を含み、プラント(1)がさらに、酸素出口に接続された上流端と下流端(11)とを含む酸素回路(9)を含み、酸素回路(190)が、酸素ストリームを膨張させるためのシステム(13)と、膨張した酸素ストリームと冷却されることになる水素回路(3)との間の少なくとも1つの熱交換とを含むプラント及び方法において、酸素回路(190)が、酸素ストリーム膨張システム(13)の上流に配置された少なくとも1つの酸素圧縮器(12)を含み、酸素ストリーム膨張システム(13)が膨張タービン(13)を含むことと、タービン(13)の上流の酸素ストリームを圧縮するために加圧された酸素ストリームから圧縮器(12)へ膨張作用を伝達するために、前記膨張タービン(13)及び前記圧縮器(12)が同じ回転シャフト(14)に結合されることとを特徴とする、プラント及び方法。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温で水素、特に液化水素を製造するためのプラントであって、酸素出口と水素出口とが設けられた電解槽(2)と、冷却されることになる水素回路(3)であって、前記水素出口に接続された上流端と冷却及び/又は液化水素を収集するための部材(23)に接続されることを意図された下流端とを含む冷却されることになる水素回路(3)とを含み、前記プラント(1)が、冷却されることになる前記水素回路(3)と熱交換する熱交換器(4、5、6、7、8)のセットを含み、前記プラント(1)が、熱交換器(4、5、6、7、8)の前記セットの少なくとも一部と熱交換する少なくとも1つの冷却デバイス(9、10)を含み、前記プラント(1)が、前記酸素出口に接続された上流端と、下流端(11)とを含む酸素回路(190)を含み、前記酸素回路(190)が、酸素フロー膨張システム(13)と、前記膨張した酸素フローと冷却されることになる前記水素回路(3)との間の少なくとも1つの熱交換とを含み、前記酸素回路(190)が、前記酸素フロー膨張システム(13)の上流に配置された少なくとも1つの酸素圧縮器(12)を含み、前記酸素フロー膨張システム(13)が膨張タービン(13)を含む、プラントにおいて、前記タービン(13)の上流の前記酸素フローを圧縮するために圧力下の前記酸素フローを膨張させる作用を前記圧縮器(12)に伝達するために、前記膨張タービン(13)及び前記圧縮器(12)が同じ回転シャフト(14)に結合されることを特徴とするプラント。
【請求項2】
同じ回転シャフト(14)に結合された前記膨張タービン(13)及び前記圧縮器(12)を含む組立体が受動的機械システムである、すなわち前記酸素フローの他は前記回転シャフト(14)を駆動するための動力装置を含まないことを特徴とする、請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
同じ回転シャフト(14)に結合された前記膨張タービン(13)及び前記圧縮器(12)を含む前記組立体が能動的機械システムである、すなわち前記回転シャフト(14)を駆動するための動力装置を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラント。
【請求項4】
前記酸素回路(190)が、前記酸素フロー膨張システム(13)の上流で直列に及び/又は並列に配置されたいくつかの酸素圧縮器(12)を含み、前記酸素フロー膨張システムが複数の膨張タービン(13)を含むことと、前記圧縮器(12)の各々が、少なくとも1つのタービン(13)が同様に結合される回転シャフト(14)に結合されることとを特徴とする、請求項1又は3に記載のプラント。
【請求項5】
前記酸素回路(190)が、前記酸素フロー膨張システム(13)の上流で直列に配置されたいくつかの圧縮器(12)を含み、前記酸素フロー膨張システム(13)が複数の膨張タービン(13)を含むことと、前記圧縮器及びタービン(13)がそれぞれの回転シャフト(14)に対で結合されることとを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のプラント。
【請求項6】
前記タービン(14)が前記酸素回路(190)において直列に配置され、前記酸素回路(190)が、熱交換器(4、5、6、7、8)の前記セットと各タービン(13)の前記出口の前記酸素フローとの間の熱交換のための別個のそれぞれの部分を含むことを特徴とする、請求項4又は5に記載のプラント。
【請求項7】
前記圧縮器(12)の少なくとも一部の前記出口に酸素冷却システム(21)を含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載のプラント。
【請求項8】
熱交換器(4、5、6、7、8)の前記セットが、いくつかの熱交換器であって、直列に配置されるとともに、冷却されることになる前記水素回路(3)の上流端と下流端との間で冷却されることになる前記水素回路(3)と熱交換する、いくつかの熱交換器を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプラント。
【請求項9】
前記プラントが、冷却されることになる前記水素回路(3)と熱交換する第1冷却デバイス(9)と第2冷却デバイス(10)とを含み、前記第1冷却デバイス(9)が熱交換器(4、5、6、7、8)の前記セットの熱交換器(4、5、6、7)の第1群と熱交換し、前記第2冷却デバイス(10)が熱交換器(8)の第2群と熱交換し、熱交換器(4、5、6、7)の前記第1群が、冷却されることになる前記水素回路(3)において熱交換器(8)の前記第2群の上流に位置することと、前記第1冷却デバイス(9)が、前記第2冷却デバイス(10)により実施される前記追加的な冷却の前に前記水素回路(3)の予冷却を確実にするために、前記膨張した酸素フローと冷却されることになる前記水素回路(3)との間の前記熱交換を含むこととを特徴とする請求項8に記載のプラント。
【請求項10】
前記第2冷却デバイス(10)がサイクルガス冷蔵サイクル冷蔵装置を含み、前記第2冷却デバイス(10)の前記冷蔵装置が、サイクル回路において直列に配置された、前記第2サイクルガスを圧縮するための機構(15)、前記第2サイクルガスを冷却するための部材(24)、前記第2サイクルガスを膨張させるための機構(16)、及び前記膨張した第2サイクルガスを加熱するための部材(8)を含むことを特徴とする、請求項9に記載のプラント。
【請求項11】
熱交換器(4、5、6、7)の前記第1群の少なくとも一部と熱交換する第3冷却デバイス(17)を含むことを特徴とする、請求項9又は11に記載のプラント。
【請求項12】
冷却されることになる前記水素回路(3)が水素フロー膨張システム(18)を含み、冷却されることになる前記水素回路(3)が前記水素フロー膨張システム(18)の上流に少なくとも1つの水素圧縮器(19)を含み、前記水素フロー膨張システム(18)が膨張タービン(18)を含むことと、前記タービン(18)の上流で前記水素フローを圧縮するために圧力下の前記水素フローを膨張させる作用を前記圧縮器(19)に伝達するために、前記膨張タービン(18)及び前記圧縮器(19)が同じ回転シャフト(20)に結合されることとを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のプラント。
【請求項13】
同じ回転シャフト(20)に結合された膨張タービン(18)及び圧縮器(19)を備えた前記組立体が受動的機械システムである、すなわち前記水素フロー以外の前記回転シャフト(20)を駆動するための動力装置を含まないことを特徴とする、請求項12に記載のプラント。
【請求項14】
前記水素回路(3)が、前記水素フロー膨張システム(18)の上流で直列に及び/又は並列に配置されたいくつかの水素圧縮器(19)を含み、前記水素フロー膨張システムが、直列に及び/又は並列に配置された複数の膨張タービン(18)を含むことと、前記圧縮器(19)の各々が、少なくとも1つのタービン(18)が同様に結合される回転シャフト(20)に結合されることとを特徴とする、請求項12又は13に記載のプラント。
【請求項15】
冷却されることになる前記水素回路(3)が、前記水素フロー膨張システム(18)の上流で直列に配置されたいくつかの圧縮器(19)を含み、前記水素フロー膨張システムが、直列に配置された複数の膨張タービン(18)を含むことと、前記圧縮器及びタービン(18)がそれぞれの回転シャフト(20)に対で結合されることとを特徴とする、請求項13又は14に記載のプラント。
【請求項16】
前記タービン(18)が、冷却されることになる前記水素回路(3)において直列に配置され、冷却されることになる前記水素回路(3)が、熱交換器(4、5、6、7、8)の前記セットと各タービン(18)の前記出口の前記水素フローとの間の熱交換のための別個のそれぞれの部分を含むことを特徴とする、請求項13又は14に記載のプラント。
【請求項17】
前記水素フロー膨張システム(18)が、冷却されることになる前記水素回路(3)の、熱交換器(4、5、6、7)の前記第1群と熱交換する部分に位置することを特徴とする、請求項11~15のいずれか一項と関連する請求項9~11のいずれか一項に記載のプラント。
【請求項18】
前記水素フロー膨張システム(18)が、冷却されることになる前記水素回路(3)の、熱交換器(8)の前記第2群と熱交換する部分に位置することを特徴とする、請求項11~15のいずれか一項と関連する請求項9~11のいずれか一項に記載のプラント。
【請求項19】
前記圧縮器(19)の少なくとも一部の前記出口に水素冷却システム(22)を含むことを特徴とする、請求項14~19のいずれか一項に記載のプラント。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載のプラント(1)を使用して極低温で水素、特に液化水素を製造するための方法であって、前記方法が、前記電解槽(2)により、例えば15~150バールの圧力で、水素フローを前記水素回路(3)の上流端に供給するステップ、例えば15~150バールの圧力で、酸素フローを前記酸素回路(190)の上流端に供給するステップを含み、前記方法が、前記酸素フローを圧縮し次いで膨張させるステップを含み、前記膨張がシャフト(14)に結合された少なくとも1つのタービン(13)により実施され、前記シャフト(14)が同様に少なくとも1つの圧縮器(12)に結合され、前記酸素フローの、その膨張前の前記圧縮を確実にし、前記方法が、前記水素フローを冷却するための前記膨張した酸素フローと前記水素フローとの間での熱交換を含む、方法。
【請求項21】
前記方法が、前記水素フローを冷却するために前記水素フローを圧縮し次いで膨張させるステップを含み、前記膨張が、シャフト(20)に結合された少なくとも1つのタービン(18)により実施され、前記シャフト(20)が同様に少なくとも1つの圧縮器に結合され(19)、前記水素フローの、その膨張前の前記圧縮を確実にすることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極低温で水素を製造するためのプラント及び方法に関する。
【0002】
本発明はより具体的には、極低温で水素、特に液化水素を製造するためのプラントであって、酸素出口と水素出口とが設けられた電解槽、冷却されることになる水素回路であって、水素出口に接続された上流端と冷却及び/又は液化水素を収集するための部材に接続されることを意図された下流端とを含む冷却されることになる水素回路を含み、プラントが冷却されることになる水素回路と熱交換する熱交換器のセットを含み、プラントが熱交換器のセットの少なくとも一部と熱交換する少なくとも1つの冷却デバイスを含み、プラントが、酸素出口に接続された上流端と下流端とを含む酸素回路を含み、酸素回路が、酸素フロー膨張システムと、膨張した酸素フローと冷却されることになる水素回路との間の少なくとも1つの熱交換とを含むプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
水素(水素分子H2)を製造するための2つの主な方法は、電気分解及び水蒸気メタン改質(SMR)による化学的製造である。
【0004】
電気分解の場合、水分子が分解され、これにより一方では水素が他方では酸素(O2)が製造される。電気分解技術に関しては、3つの主な種類、すなわち「PEM」(プロトン交換膜)、「アルカリ」及び「固体酸化物」がある。
【0005】
これらの技術は、水分子の分解の化学反応のエネルギー性能及び効率の理由から大気圧に近い圧力で最適に動作する。
【0006】
PEM技術により、電気分解のエネルギー性能に著しく影響を及ぼすこと無しに高圧で動作することが可能となる。例えば、先行技術において、数メガワットの電力の電解槽は室温で30絶対圧力で水素と酸素とを製造し得る。
【0007】
例えば文献米国特許第4530744号明細書又は米国特許第10351962号明細書において説明されたが、高圧下で製造された酸素を利用することは、一般的に工業的には行われない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの既知の解決策は、しかしながら、それらがエネルギー効率的でないことから、水素液化プロセスにおいて工業的にはほとんど興味を引くものではない。
【0009】
本発明は、特に高圧で動作する電解槽の場合の、製造された酸素を利用するための革新的なプラント及び方法を提案する。
【0010】
本発明の1つの目的は、上記の先行技術の欠点の全て又は一部を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、上記前文において与えられた一般的な定義にさらに従う本発明によるプラントは本質的に、酸素回路が、酸素フロー膨張システムの上流に配置された少なくとも1つの酸素圧縮器を含み、酸素フロー膨張システムが膨張タービンを含み、タービンの上流の酸素フローを圧縮するために圧力下の酸素フローを膨張させる作用を圧縮器に伝達するために、前記膨張タービン及び前記圧縮器が同じ回転シャフトに結合されることを特徴とする。
【0012】
そのようなプラントにより、水素のフローを極低温に予冷却するために、電解槽により生じた酸素を(特に高圧で)効率的に利用することが可能になる。
【0013】
この解決策により、特に、液化されることになる水素の80~130Kへの冷却を無くすか、又は減らすことにより、そのようなプラントのための投資コストを減少させることが可能になる。これにより、例えば、先行技術に見られるような窒素圧縮ステーションを備えた液体窒素予冷却システムを減らす又は不要にすることが可能になる。
【0014】
解決策により、そのようなプラントのための対応する運転コストを著しく低下させることが可能になる(例えば比エネルギー、例えばkWh/kg単位の液化H2で30%減)。
【0015】
さらに、本発明の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る、すなわち、
- 同じ回転シャフトに結合された膨張タービン及び圧縮器を含む組立体が受動的機械システムである、すなわち酸素フローの他は回転シャフトを駆動するための動力装置を含まない、又は能動的機械システムである、すなわち回転シャフトを駆動するための動力装置を含む、
- 酸素回路が、酸素フロー膨張システムの上流で直列に及び/又は並列に配置されたいくつかの酸素圧縮器を含み、酸素フロー膨張システムが複数の膨張タービンを含み、圧縮器の各々が、少なくとも1つのタービンが同様に結合される回転シャフトに結合される、
- 酸素回路が、直列に酸素フロー膨張システムの上流で直列に配置されたいくつかの圧縮器を含み、酸素フロー膨張システムが複数の膨張タービンを含み、圧縮器及びタービンが、それぞれの回転シャフトに対で結合される、
- タービンが、酸素回路において直列に配置され、酸素回路が、熱交換器のセットと各タービンの出口の酸素フローとの間の熱交換のための別個のそれぞれの部分を含む、
- プラントが、圧縮器の少なくとも一部の出口に酸素冷却システムを含む、
- 熱交換器のセットが、いくつかの熱交換器であって、直列に配置されるとともに、冷却されることになる水素回路の上流及び下流端の間で冷却されることになる水素回路と熱交換するいくつかの熱交換器を含む、
- プラントが、冷却されることになる水素回路と熱交換する第1冷却デバイス及び第2冷却デバイスを含み、第1冷却デバイスが熱交換器のセットの熱交換器の第1群と熱交換し、第2冷却デバイスが熱交換器の第2群と熱交換し、熱交換器の第1群が、冷却されることになる水素回路において熱交換器の第2群の上流に位置し、第1冷却デバイスが、第2冷却デバイスにより実施される追加的な冷却の前に水素回路の予冷却を確実にするために、膨張した酸素フローと冷却されることになる水素回路との間の熱交換を含む、
- 第2冷却デバイスがサイクルガス冷蔵サイクル冷蔵装置を含み、第2冷却デバイスの冷蔵装置が、サイクル回路において直列に配置された、第2サイクルガスを圧縮するための機構、第2サイクルガスを冷却するための部材、第2サイクルガスを膨張させるための機構、及び膨張した第2サイクルガスを加熱するための部材を含む、
- プラントが、熱交換器の第1群の少なくとも一部と熱交換する第3冷却デバイスを含む、
- 冷却されることになる水素回路が水素フロー膨張システムを含み、冷却されることになる水素回路が、水素フロー膨張システムの上流に少なくとも1つの水素圧縮器を含み、水素フロー膨張システムが膨張タービンを含み、タービンの上流で水素フローを圧縮するために圧力下の水素フローを膨張させる作用を圧縮器に伝達するために、前記膨張タービン及び前記圧縮器が同じ回転シャフトに結合される、
- 同じ回転シャフトに結合された膨張タービン及び圧縮器を備えた組立体が好ましくは受動的機械システムである、すなわち水素フロー以外の回転シャフトを駆動するための動力装置を含まない、
- 水素回路が、水素フロー膨張システムの上流で直列に及び/又は並列に配置されたいくつかの水素圧縮器を含み、水素フロー膨張システムが直列に及び/又は並列に配置された複数の膨張タービンを含み、圧縮器の各々が、少なくとも1つのタービンが同様に結合される回転シャフトに結合される、
- 冷却されることになる水素回路が、水素フロー膨張システムの上流で直列に配置されたいくつかの圧縮器を含み、水素フロー膨張システムが直列に配置された複数の膨張タービンを含み、圧縮器及びタービンが、それぞれの回転シャフトに対で結合される、
- タービンが、冷却されることになる水素回路において直列に配置され、冷却されることになる水素回路が、熱交換器のセットと各タービンの出口の水素フローとの間の熱交換のための別個のそれぞれの部分を含む、
- 水素フロー膨張システムが、冷却されることになる水素回路の、熱交換器の第1群と熱交換する部分に位置する、
- 水素フロー膨張システムが、冷却されることになる水素回路の、熱交換器の第2群と熱交換する部分に位置する、
- プラントが、圧縮器の少なくとも一部の出口に水素冷却システムを含む。
【0016】
本発明はまた、先行する特徴のうちの任意の1つによるプラントを使用して極低温で水素、特に液化水素を製造するための方法に関し、方法は、電解槽により、例えば15~150バールの圧力で、水素フローを水素回路の上流端に供給するステップ、例えば15~150バールの圧力で、酸素フローを酸素回路の上流端に供給するステップを含み、方法は、酸素フローを圧縮し次いで膨張させるステップを含み、膨張は、シャフトに結合された少なくとも1つのタービンにより実施され、シャフトは同様に少なくとも1つの圧縮器に結合され、酸素フローの、その膨張前の圧縮を確実にし、方法は、水素フローを冷却するために膨張した酸素フローと水素フローとの間での熱交換を含む。
【0017】
他の可能な特有の特徴によると、
- 方法が、水素フローを冷却するために水素フローを圧縮し次いで膨張させるステップを含み、膨張が、シャフトに結合された少なくとも1つのタービンにより実施され、シャフトが同様に少なくとも1つの圧縮器に結合され、水素フローの、その膨張前の圧縮を確実にする。
【0018】
本発明はまた、クレームの範囲内の上記又は下記の特徴の組合せを含む任意の代替的デバイス又は方法に関連し得る。
【0019】
他の特有の特徴及び利点は図面を参照して提供された下記の説明を読むことで明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明によるプラントの構造及び動作の第1実施形態を示す概略部分図を示す。
図2】本発明によるプラントの構造及び動作の第2実施形態を示す概略部分図を示す。
図3】本発明によるプラントの構造及び動作の第3実施形態を示す概略部分図を示す。
図4】本発明によるプラントの構造及び動作の第4実施形態を示す概略部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図示の水素製造プラント1は、極低温で水素、特に液化水素を製造するためのデバイスである。
【0022】
このプラント1は好ましくは、高圧で動作する「PEM」(プロトン交換膜)タイプの、すなわち15~150バール、例えば30バールに等しい圧力で気体水素及び酸素を製造する電解槽2を含む。
【0023】
電解槽2は酸素出口と水素出口とを有する。
【0024】
プラント1は、冷却されることになる水素回路3(又はパイプ)であって、電解槽2の水素出口に接続される上流端と冷却及び/又は液化水素を取集するための部材(例えば格納及び/又はユーザ用途)に接続されることを意図された下流端23とを有する水素回路3(又はパイプ)を含む。
【0025】
プラント1は、水素の液化に好ましい温度に到達することを目的として、冷却されることになる水素回路3と熱交換する熱交換器4、5、6、7、8のセットを含む。
【0026】
図示のとおり、少なくとも1つの別個の熱交換器25が、水素フローを周囲温度に近い温度にするために、(例えば水又は空気などの熱伝達流体との熱交換により)水素フローを冷却するために電解槽の出口に提供されてもよい。電気分解による水素の製造のための電気化学反応は、概して、数十度の温度上昇をもたらす。
【0027】
プラント1はさらに、熱交換器4、5、6、7、8のセットの少なくとも一部と熱交換する少なくとも1つの冷却デバイス9、10を含む。
【0028】
さらに、プラント1は、電解槽2の酸素出口に接続される上流端と下流端11とを含む酸素回路190(少なくとも1つのパイプ)を含む。下流端は、例えば、酸素を取集及び/又は使用するためのデバイスへ接続され得る。
【0029】
この酸素回路190は、酸素フロー膨張システム13と、膨張した酸素フロー(これはしたがって膨張により冷却される)と冷却されることになる水素回路3との間の少なくとも1つの熱交換とを含む。この熱交換は、特に、水素を、その冷蔵及び/又は液化プロセスにおいて予冷却するために使用され得る。
【0030】
1つの有利な特有の特徴によると、酸素回路190は、酸素フロー膨張システム13の上流に配置された少なくとも1つの酸素圧縮器12を含む。酸素フロー膨張システム13は少なくとも1つの膨張タービン13を含む。前記酸素膨張タービン13及び前記上流酸素圧縮器12は、膨張タービン13の上流の酸素フローを圧縮するために圧力下の酸素フローの膨張の作用を圧縮器12に伝達するために、同じ回転シャフト14に結合される。
【0031】
同じ回転シャフト14に結合された膨張タービン13及び圧縮器12を含む組立体は好ましくは受動的機械システムであり、すなわち酸素フロー以外に回転シャフト14を駆動するための動力装置を含まない。したがって、膨張タービン13は同じシャフト14に結合された圧縮器12により機械的に制動される。当然のことながら、これは限定するものではなく、したがって、(適切な場合にプラントの効率を向上させるために)動力装置であって、そのシャフトがタービン及び圧縮器に結合された動力装置を備えたシステムを提供することが予想され得る。
【0032】
この作用の伝達は、「ターボブースティング」を生じ、「ターボブースティング」はしたがって、作動流体が電解槽2により予め製造された酸素である1つ又は複数の極低温膨張タービン13を一体化することからなる。これらのタービンを制動するためのシステムは、同じシャフト14に結合された1つ又は複数の圧縮器12である。これにより、周囲温度で上流のフローブースターとしてこの気体フローを膨張させる作用を注入することが可能になる。
【0033】
図示のとおり、生じたこの冷熱エネルギーを水素フローに伝達するために、冷却された酸素が冷熱エネルギー/熱エネルギーを冷却されることになる水素と交換することを可能にするために1つ又は複数の交換器4、5、6、7に主水素フローから独立した特定の通路を一体化することが可能である。
【0034】
水素冷蔵/液化システムの熱交換器4、5、6、7の配列における膨張した酸素フローの一体化により、特に、その体積を減らすことが可能になる。同一の装置における熱交換ラインを共有することによりコストもまた低減する。さらに、水素及び酸素を同じ装置に接触させるリスクを冒さないように、典型的には不活性の中間熱伝達流体、ヘリウム、窒素、アルゴンなどを使用することが可能になる。
【0035】
エネルギー消費無しに提供されるこの冷熱により、水素をその標的温度へ(例えば、以下でより詳細に説明されるとおり第2冷却デバイス10を介して)冷却するために入力されることになる作用を減少させることが可能になる。
【0036】
例えば、水素は例えば約20Kの標的温度に冷却される。この目的のために、水素フローは電解槽の出口での温度から220~90Kの、及び例えば約100Kの温度に予冷され得る。
【0037】
膨張前(圧縮器12の下流で)、酸素は例えば、例えば工業用水など冷熱源を有する圧縮ステージ間の(次いで終わりでの)冷却のための交換器のおかげで、15~150バールの圧力に及び周囲温度に近い温度にさせられ得る。この予冷却の全て又は一部は、上述のとおり膨張した酸素を介して実施され得る。
【0038】
図1]に示されるとおり、プラント1は、熱交換器4、5、6、7の少なくとも一部と熱交換する第3冷却デバイス17を含み得る。この第3冷却デバイス17は、同様に水素予冷却の一部を確実にするために熱交換器4、5、6、7に供給する冷却流体ループ(例えば逆流して循環する液体窒素)を含み得る。
【0039】
上述のとおり酸素を介して実施される予冷却により、特に、そのような冷却流体(例えば液体窒素又はガス混合サイクルなどを伴う)の消費を減少させる(特に半分にする)ことが可能になり得る。
【0040】
発明者らは、特に、25トンの300Kから85Kへ冷却されるべき水素を毎日製造するプラントについて過圧の酸素圧力のこの利用により、液体窒素の消費を約45%節約する(液体窒素を製造するために消費される電気エネルギーの節約)ことが可能になることを究明した。
【0041】
当然、この利点は、別の予冷却デバイス(例えば窒素サイクル冷却器)の使用の場合に依然として有効である。
【0042】
電解槽2の出口での酸素フローの圧力がおよそ70バールである場合、水素フローの予冷却の機能について、約50~70%の運転コストの節約を達成することができる。
【0043】
図示のとおり、酸素回路190は、酸素フロー膨張システム13の上流で直列に配置されたいくつかの酸素圧縮器12を含み得る。酸素フロー膨張システムは複数の膨張タービン13を含み、圧縮器12の各々は、少なくとも1つのタービン13が同様に結合される回転シャフト14に結合される。
【0044】
例えば、これらの要素の全て又は一部は、n個のタービンと同じシャフトの両側に取り付けられたn個の圧縮器とを有する(例えば単一の)ターボ機械に一体化され得る。
【0045】
図示の非限定的な例において、酸素回路190は、下流で直列に配置された膨張タービン13と同じ数の上流で直列に配置された圧縮器12を含み、圧縮器及びタービン13はそれぞれの回転シャフト14に対して対で結合される。例えば、第1タービン(上流)は第1圧縮器(上流)と結合され、第2タービンは第2圧縮器と結合されるなどである。
【0046】
当然のことながら、本発明は、ターボブースターのみを含むこの構成に限定されるものではない、このタイプのターボブースターと、追加的に、1つ又は複数の従来のタービンとを提供することが可能である。
【0047】
当然のことながら、いくつかの圧縮器又はタービンは、タービンの(又はそれぞれ圧縮器の)別のホイールが同様に結合されるシャフトに結合されなくてもよい。換言すると、タービン(又は圧縮器)の全てが必ずしも圧縮器と同じシャフトに結合されなくてもよく、逆もまた同様である。同様に、3つ以上のホイール(圧縮器及び/又はタービン)が同じシャフトに結合されてもよい。
【0048】
好ましくは、酸素冷却システム21が、圧縮器12の少なくとも一部の出口に提供される。例えば、各圧縮ステージの等温効率を向上させるために、冷却器(流体、例えば空気又は水と交換する冷却交換器)が各圧縮器の出口に挿入され得る。
【0049】
熱交換器4、5、6、7、8のセットはしたがって、好ましくは、いくつかの熱交換器であって、直列に配置されるとともに冷却されることになる水素回路3の上流及び下流端の間で冷却されることになる水素回路3と熱交換するいくつかの熱交換器を含む。
【0050】
さらに、好ましくは、直列なタービン13を出た後で、酸素フローはそれぞれ、上流から下流へ直列の熱交換器4、5、6、7を通過する。この交換器の通過は、したがって、各膨張ステージ後の酸素フローの冷却又は加熱を生じる(酸素フローの圧力条件及び関連する交換器4、5、6、7の温度に依存して冷却又は加熱)。具体的には、タービンの末端での酸素フローの圧力の低下が比較的大きいとき、出口に位置する熱交換器4、5、6、7との熱交換は(水素フロー冷蔵サイクルの熱力学的最適化を目的として)フローを加熱する傾向があるのに対して、圧力の低下が比較的低い場合に、出口に位置する熱交換器4、5、6、7の通過はフローを冷却する傾向がある(図1に示されるとおり)。
【0051】
水素のこの予冷却は、冷却されることになる水素回路3と熱交換する第2冷却デバイス10により回路3の下流で完了し得る。
【0052】
図示のとおり、例えば、前述の第1冷却デバイス9(膨張した酸素)は、熱交換器4、5、6、7のセットの熱交換器4、5、6、7の第1上流群と熱交換している状態で置かれる。
【0053】
第2冷却デバイス10はそれ自体、熱交換器8の第2下流群(ここでは単一の熱交換器により表されているが直列及び/又は並列ないくつかの熱交換器が予想され得る)と熱交換した状態で配置され得る。
【0054】
水素回路3を80~100Kなどの温度へ予冷却した後で、第2冷却デバイス10は、例えば約20Kの温度までの水素の追加的な冷却を提供してそれを液化する。
【0055】
模式的に示されるとおり、第2冷却デバイス10は、水素の最終冷却のためのデバイス10の効率を向上させるために(例えば水素又はヘリウム、又はネオン、又は3つのうちの最適な組合せを含む)サイクルガス冷蔵サイクル冷蔵装置を含み得る。従来は、第2冷却デバイス10のこの冷蔵装置は、サイクル回路において直列に配置された、第2サイクルガスを圧縮するための機構15(1つ又は複数の圧縮器)、第2サイクルガスを冷却するための部材24(例えば熱交換器)、第2サイクルガスを膨張させるための機構16(タービン及び/又は膨張バルブ)並びに膨張した第2サイクルガスを加熱するための部材8(熱交換器及び特に、冷却されることになる水素フローと熱交換する熱交換器)を含み得る。
【0056】
図2]は、[図1]のものとは、冷却されることになる水素フローの圧力を利用するためのシステムを追加的に含むという点で本質的に異なる、別の可能な実施形態を示す。簡潔さのために、同じ要素は再び説明されることはなく、同じ参照符号で示される(後続の実施形態についても同様である)。
【0057】
図示のとおり、[図2]のプラントにおいて、冷却されることになる水素回路3は水素フロー膨張システム18と、水素フロー膨張システム18の上流の少なくとも1つの水素圧縮器19とを含む。酸素についての上記と同様に、水素フロー膨張システム18は少なくとも1つの水素フロー膨張タービン18を含み、前記膨張タービン18及び前記圧縮器19は、タービン18の上流の水素フローを圧縮するために圧力下の水素フローを膨張させる作用を圧縮器19に伝達するために、同じ回転シャフト20に結合される。同じ回転シャフト20に結合された膨張タービン18及び圧縮器19を備えた組立体は好ましくは受動的機械システムであり、すなわち、水素フロー以外の回転シャフト20を駆動するための動力装置を含まない。
【0058】
図示のとおり、水素回路3は好ましくは、水素フロー膨張システム18の上流で直列に配置されたいくつかの水素圧縮器19を含む。水素フロー膨張システムは好ましくは同じ数の直列に配置された膨張タービン18を含み、圧縮器19の各々は少なくとも1つのタービン18も同様に結合される回転シャフト20に結合される。例えば、圧縮器19及びタービンは、別個のそれぞれの回転シャフト20上で対で関連付けられる(例えば上流の第1圧縮器19が上流の第1タービン20と結合されるなど)。
【0059】
図示のとおり、水素の予冷却を確実にするために、各タービン18の出口で、膨張した水素フローは任意選択的に、熱交換器4、5、6、7の第1群のそれぞれ上流から下流へ別個の熱交換器を通過し得る。
【0060】
これらの膨張ステージ18により、水素フローの圧力を利用することが可能になる(中間冷却有り又は無しで)。これにより上述の予冷却を置換又は補完することが可能になる。
【0061】
当然のことながら、水素フローの圧力を膨張させる及び利用するこの方法はこの例に限定されない。したがって、周囲温度から所与の予冷却温度への水素の膨張は、特にコストを低減させるために、例えば体積膨張バルブを介して、径方向膨張のいくつかのステージにおいて又は膨張の単一のステージにおいて実施され得る。
【0062】
図2]の実施形態において、水素フロー圧縮器19は、(例えば周囲温度への)予冷却のための交換器4、5、6、7の第1群及び予冷却部におけるタービン(これらの予冷却熱交換器4、5、6、7とのタービン18の出口での熱交換)の上流に位置する。
【0063】
図3]の実施形態は、[図2]のそれと、水素フロー圧縮器19が予冷却交換器4、5、6の第1群の下流及び冷却交換器8の第2群の上流(回路3の、水素が既に予冷却されている部分)に位置するという点で本質的に異なる。換言すると、水素フローの圧縮は予冷却後及び最終冷却前に実施される。これにより、極めて軽いH2分子(モル質量約2g/mol)でより高い圧縮比率を得ることが可能になる。さらに、膨張タービン18は冷却部に挿入される(第2群のこれらの熱交換器8とのタービン18の出口での熱交換)。
【0064】
実施形態は、第1圧縮器12の上流の電解槽2を出る酸素フローの冷却26を提供する(他の実施形態に対して適用されてもよい)任意選択の可能性を示すことにも留意されたい。
【0065】
図2]の実施形態において、水素フロー圧縮器19は、予冷却交換器4、5、6、7の第1群及び予冷却部におけるタービン(これらの予冷却熱交換器4、5、6、7とのタービン18の出口での熱交換)の上流に位置する。
【0066】
図3]の実施形態は、[図2]のものと、水素フロー圧縮器19が予冷却交換器4、5、6の第1群の下流及び冷却交換器8の第2群の上流に位置するという点で本質的に異なる。換言すると、水素フローの圧縮は、予冷却後及び冷却前に実施される。さらに、膨張タービン18は冷却部に挿入される(第2群のこれらの熱交換器8とのタービン18の出口での熱交換)。
【0067】
この実施形態は、第1圧縮器12の上流の電解槽2を出る酸素フローの冷却26を提供する(他の実施形態に対して適用されてもよい)任意選択の可能性を示すことにも留意されたい。
【0068】
図4]の実施形態は、[図3]のものと、水素フロー圧縮器19が予冷却交換器の第1群の上流に位置するという点で本質的に異なる。換言すると、水素フローの圧縮は(例えば室温への)予冷却前に実施される一方で、膨張は冷たい冷却部において実施される(予冷却後)。
【0069】
図4]において模式的に示されるとおり(これは他の実施形態にも当てはまり得る)、第2冷蔵デバイス10は直列及び/又は平行な1つ又は複数のタービン16を含み得る。さらに、1つ又は複数の圧縮器15の上流及び下流のフローは、同じ熱交換器150において逆流して熱交換し得る。1つ又は複数のタービンの出口の1つ又は複数のフローは、第2群の1つ又は複数の熱交換器8(点線で示される)において任意選択的に交換し得る。
【0070】
タービンは好ましくは半径流及びラジアル技術タイプのものである。これにより液化プラント全体にわたっての膨張技術のプール化が可能になる。
【0071】
圧縮器は好ましくは遠心式のものである。
【0072】
詳細には図示されない変形形態において、酸素回路190は下流で液化酸素を生じ、これは回収される。この目的のために、酸素フローの全て又は一部は、水素フローと交換している交換器4、5、6、7、8とは別個の熱交換器を通過し得る。

図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】