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特表2023-5480190度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法
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  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図1A
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図1B
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図2
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図3
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図4
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図5
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図6
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図7
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図8A
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図8B
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図9A
  • 特表-0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法 図9B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】0度近傍交差軸角度歯車カッタ及びそのような工具を使用する歯車切削方法
(51)【国際特許分類】
   B23F 21/10 20060101AFI20231108BHJP
   B23F 5/16 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
B23F21/10
B23F5/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522878
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2021025404
(87)【国際公開番号】W WO2022078629
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】63/091,675
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーン、ベンジャミン エス.
【テーマコード(参考)】
3C025
【Fターム(参考)】
3C025AA11
3C025EE02
(57)【要約】

ワーク(312)に内歯を切削して歯車を形成するための歯車カッタ工具(308)が提供される。歯車カッタ工具は、長手方向歯車カッタ回転軸(354)を中心に回転するように構成される。ワークは、ワーク回転軸(374)を中心に回転するように構成される。歯車カッタ工具は、複数の切削歯(332)を有する歯車カッタを含む。複数の切削歯の各切削歯は、歯面(341)と長手方向歯車カッタ回転軸を横切る線(352)との間に画定される交差軸歯角度)350)を画定する歯面を有する。交差軸歯角度は、1~15度である。長手方向歯車カッタ回転軸とワーク回転軸との間に画定される歯車カッタ工具の交差軸工具(372)角度は、実質的に0度に近い。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに内歯を切削して歯車を形成するための歯車カッタ工具であって、前記歯車カッタ工具は、長手方向歯車カッタ回転軸を中心に回転するように構成され、前記ワークは、ワーク回転軸を中心に回転するように構成され、前記歯車カッタ工具は、
複数の切削歯を有する歯車カッタであって、前記複数の切削歯の各切削歯は、歯面と前記長手方向歯車カッタ回転軸を横切る線との間に画定される交差軸歯角度を画定する前記歯面を有し、前記交差軸歯角度は1~15度であり、前記長手方向歯車カッタ回転軸と前記ワーク回転軸との間に画定される前記歯車カッタ工具の交差軸工具角度は実質的に0度に近い、歯車カッタ、
を備える、歯車カッタ工具。
【請求項2】
前記交差軸工具角度は、1~6度である、請求項1に記載の歯車カッタ工具。
【請求項3】
前記交差軸工具角度は、1~5度である、請求項2に記載の歯車カッタ工具。
【請求項4】
前記交差軸工具角度は、1~4度である、請求項3に記載の歯車カッタ工具。
【請求項5】
前記交差軸工具角度は、3度である、請求項4に記載の歯車カッタ工具。
【請求項6】
前記交差軸工具角度は、2度である、請求項4に記載の歯車カッタ工具。
【請求項7】
前記交差軸工具角度は、1度である、請求項4に記載の歯車カッタ工具。
【請求項8】
前記長手方向歯車切断軸は、前記ワークに対して横方向である、請求項1に記載の歯車カッタ工具。
【請求項9】
前記交差軸歯角度は、10~15度である、請求項1に記載の歯車カッタ工具。
【請求項10】
前記交差軸歯角度は、1~10度である、請求項9に記載の歯車カッタ工具。
【請求項11】
歯車カッタ工具を使用して歯車を形成するためにワークに内歯を切削する方法であって、前記方法は、
複数の切削歯を有する歯車カッタであって、前記複数の切削歯の各切削歯は、歯面と長手方向歯車カッタ回転軸を横切る線との間に画定される交差軸歯角度を画定する前記歯面を有し、前記交差軸歯角度は1~15度である、歯車カッタを提供することと、
ワーク軸を中心に前記ワークを回転させることと、
前記歯車カッタ工具を長手方向歯車切断軸を中心に回転させることであって、前記ワーク軸及び長手方向歯車切断軸は、それらの間に交差軸工具角度を画定する、ことと、
前記複数の歯を使用して前記ワークを切削することであって、前記交差軸工具角度は実質的に0度に近い、ことと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記交差軸工具角度は、1~6度である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記交差軸工具角度は、1~5度である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記交差軸工具角度は、1~4度である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記交差軸工具角度は、3度である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記交差軸工具角度は、2度である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記交差軸工具角度は、1度である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記交差軸歯角度は、10~15度である、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記交差軸歯角度は、1~10度である、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月14日に出願された米国特許出願第63/091,675号の利益を主張する。上記出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、ワークの内径に歯を形成する歯車カッタ、及び関連する冷却剤送達アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
歯車製造業者は、歯車を製造するために様々な機械加工プロセス及び対応する工具を利用する。例示的なプロセスは、ホブ切り、成形、フライス削り、シャー切断及び研削を含むことができる。歯車製造業者によって選択されるプロセスは、機械加工される歯車のタイプ及び歯車が生産される公差に依存し得る。方法を選択する際の他の考慮事項は、歯車のサイズ、内部セクション又はフランジの構成、製造される歯車の量、並びに歯車対ピニオン比及びコストを含むことができる。
【0004】
他の部品特徴に隣接する歯は、現在、成形又はラック転造などの製造方法に限定されている。内歯の場合、成形又はブローチ加工が従来の製造方法であるが、各プロセスは部品タイプに限定される。換言すれば、ブローチ加工は、工具が部品を完全に通過することができるように、完全に遮られない部品レイアウトを有さなければならない。歯車成形は、歯が干渉表面に対して切断されることを可能にするが、機械サイクル及び柔軟性に関して本質的に遅い。
【0005】
歯車スカイブ加工は、従来の歯車成形サイクル時間を最大80%短縮する歯車製造における最近の開発である。従来のスカイブ加工は、非常に高速であるが、カッタクリアランス及び部品構成に限定される。
【発明の概要】
【0006】
ワークに内歯を切削して歯車を形成するための歯車カッタ工具が提供される。歯車カッタ工具は、長手方向歯車カッタ回転軸を中心に回転するように構成される。ワークは、ワーク回転軸を中心に回転するように構成される。歯車カッタ工具は、複数の切削歯を有する歯車カッタを含む。複数の切削歯の各切削歯は、歯面と長手方向歯車カッタ回転軸を横切る線との間に画定される交差軸歯角度を画定する歯面を有する。交差軸歯角度は、1~15度である。長手方向歯車カッタ回転軸とワーク回転軸との間に画定される歯車カッタ工具の交差軸工具角度は、実質的に0度に近い。
【0007】
追加の特徴によれば、交差軸工具角度は、1~6度である。他の特徴では、交差軸工具角度は、1~5度である。他の特徴では、交差軸工具角度は、1~4度である。更に他の特徴において、交差軸工具角度は3度である。更に他の特徴において、交差軸工具角度は2度である。更に他の特徴において、交差軸工具角度は1度である。いくつかの構成では、長手方向歯車切断軸は、ワークに対して横方向である。交差軸歯角度は、10~15度であり得る。他の構成では、交差軸歯角度は、1~10度であり得る。
【0008】
歯車カッタ工具を使用して歯車を形成するためにワークに内歯を切削する方法は、複数の切削歯を有する歯車カッタを提供することを含む。複数の切削歯の各切削歯は、歯面と長手方向歯車カッタ回転軸を横切る線との間に画定される交差軸歯角度を画定する歯面を有する。交差軸歯角度は、1~15度である。ワークは、ワーク軸を中心に回転される。歯車カッタ工具は、長手方向歯車切断軸を中心に回転される。ワーク軸と長手方向歯車カッタ軸は、それらの間に交差軸工具角度を画定する。ワークは、複数の歯で切削される。交差軸工具角度は、実質的に0度に近い。
【0009】
追加の特徴によれば、交差軸工具角度は、1~6度である。他の特徴では、交差軸工具角度は、1~5度である。他の特徴では、交差軸工具角度は、1~4度である。更に他の特徴において、交差軸工具角度は3度である。更に他の特徴において、交差軸工具角度は2度である。更に他の特徴において、交差軸工具角度は1度である。交差軸歯角度は、10~15度であり得る。他の構成では、交差軸歯角度は、1~10度であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、「発明を実施するための形態」及び添付図面からより完全に理解されるであろう。
【0011】
図1A】ブランク配向で内歯車を切削するように構成された歯車カッタを含む例示的な従来技術の歯車カッタシステムの概略斜視図である。
図1B図1Aのシステムの概略斜視図であり、最終配向において精密内歯車を生成したカッタを示す。
図2】カッタの回転軸と内歯車の回転軸との間の中心距離を示す、図1Aのシステムの概略端面図である。
図3図1Aのカッタ及び内歯車の概略側面図であり、カッタの回転軸と内歯車の回転軸との間の交差軸角度を示す。
図4】従来技術の歯車カッタの概略側面図である。
図5】本開示の一例による歯車カッタの側面概略図である。
図6】従来の歯先端面の上に重ねられた提案された歯面の概略図である。
図7図5及び図6の歯車カッタを比較する概略的な並列図である。
図8A】従来の歯車の断面図である。
図8B】ワークとの干渉を示す、6度の交差軸角度で示された従来の歯車カッタの断面図である。
図9A】従来の歯車の断面図である。
図9B】本開示に従って構成され、ワークとの干渉がないことを示す、実質的に0度近傍の交差軸角度で示される、歯車カッタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的なインボリュート歯車カッタシステム(以下、「システム」)は、コンピュータ数値制御(CNC)工作機械と、最終配向の精密歯車を生産するように複数のパスで歯車から削りくずを除去するためにブランク配向の歯車を切削するように構成された修正歯比率歯車カッタ(以下、「カッタ」)とを含む。CNC工作機械は、チャックと、アクティブサブスピンドル、すなわち、CNC制御による制御された回転運動とを含む。カッタはスピンドルに取り付けることができ、ブランク構成の歯車はチャックに取り付けることができる。より具体的には、カッタは、複数の切削歯を有することができ、切削歯の各々は、ギアをブランク配向で切削して最終配向の歯車を提供するように構成された一対の切削端を有することができる。
【0013】
最終配向では、歯車は、複数の切断歯とそれらの間の複数の谷とを含むインボリュート歯形を有する。切削端は、ブランク配向の歯車を切削するように構成されてもよく、その結果、最終配向の歯車は、互いに離間したアクティブ輪郭セクション及び動作ピッチ円直径を含む。したがって、カッタは、歯車の表面に沿って単一方向又は一方向にほぼ一定の力を加えて、特別な切削工具又は切削システムを必要とせずに、例えば0.0010インチの公差内で歯車を機械加工する精度を向上させることができる。
【0014】
図1A図3を参照すると、例示的な従来技術のシステム100は、部分的にチャック104及びスピンドル106を有するコンピュータ数値制御(CNC)工作機械102を含む。システム100は、スピンドル106に取り付けられたカッタ108を更に含み、スピンドルは、ブランク配向(図1A)で歯車114を切削し、最終配向(図1B)で歯車112を生成するように、切削軸110を中心にカッタ108を回転させるように構成される。この形態のカッタ108は、ブランク配向の内歯車112を切削して最終配向の内歯車114を生成するように構成された外歯車である。最終配向における内歯車114は、複数の切断歯116を有する。歯116は、噛み合う歯車の対向する歯と接触するように構成された各歯面の一部であるアクティブ輪郭セクション120を含むインボリュート歯形118を有する。
【0015】
ブランク配向の歯車112はチャック104に取り付けられ、チャックは、切断軸122(図1A)を中心に歯車112を回転させるように構成され、それにより、切断軸122及び切削軸110は中心距離CDだけ互いから離間される。加えて、切断軸122及び切削軸110は、歯車114が最終配向にあるとき、互いに対して交差軸角度αで配置される。本明細書で使用される場合、「交差軸」という用語は、歯車ワーク及び切削工具の2つの回転軸間の差を画定する角度である。
【0016】
システム100は、スピンドル106がカッタ108を回転させて歯車112を複数のパスで切削するときに、歯車112から削りくず、切り屑、又は塵を除去するために歯車112に流体を送達するように構成されたフラッシング装置124を更に含むことができる。流体は、システム100から熱を除去することもできる。一例では、フラッシング装置124は、水、窒素ガス、又は別の流体を外歯車112に供給するためにリザーバ128と連通する流体ライン126である。最終配向では、歯車114は、複数の切断歯116とそれらの間の複数の谷とを含むインボリュート歯形を有する。インボリュート歯形118は、アクティブ輪郭セクション120を含み、動作ピッチ円直径は、歯車114がその最終配向にあるときにアクティブ輪郭セクションから離間される。従来技術のスカイブ加工工具の更なる説明は、同一出願人が所有する米国特許に見出すことができる。その内容が参照により本明細書に明示的に組み込まれる米国特許第10,016,827号を参照されたい。
【0017】
本開示は、特定のカッタ/ワーク干渉を排除しながらワークを正確に切断するその能力のために、現在の方法では以前は不可能であった歯のスカイブ加工を可能にする。従来のスカイブ加工方法は、ワークの軸と同じではない軸に取り付けられた回転歯車カッタからなる。従来のスカイブ加工方法は、切削工具をその回転交差軸角度で保持するときのワーククリアランスによって制限される。歯車カッタの交差軸角度は、切り屑を生成する切削動作を作り出す。より大きな交差軸角度は、より多くの切削動作及び増加した切り屑形成を可能にする。従来のシステムに対する所望の交差軸角度は、典型的には20度であるが、15度又は12度などのより低い角度であってもよい。このような設計パラメータでは、工具のクリアランスを考慮しなければならず、スカイブ加工プロセスの用途を制限する。
【0018】
本明細書で詳細に説明されるように、本開示は、ワークの軸及び工具の軸が同じ又は本質的に同じ(実質的に1~6度の範囲内)であることを可能にし、交差軸角度を完全に排除するか、又は大幅に低減する。カッタとワーク形状との間に小さなクリアランスが存在する状況では、より小さな交差軸角度が望ましい。提案された開示は、非常に小さい動作交差軸角度を依然として可能にしながら、より良好な切削動作を与える局所的な歯面角度修正を追加することによって、非常に小さい交差軸工具角度を可能にする。これに関して、工具の交差軸角度を最小化又は排除することにより、干渉点が排除される。交差軸角度を最小化又は排除することにより、工具が以前は不可能であった領域に到達することが可能になる。
【0019】
従来の歯車スカイブ加工工具は、スカイブ加工機械の交差軸角度に等しい螺旋角度で製造される。この最新技術は、商業的に容易に入手可能である。切り屑の形成は、カッタの交差軸角度がワークの歯を横切ってスワイプし、材料を切り取るときに生じる。交差軸角度は、この切削動作を生成し、機械(歯車カッタ)の交差動作によって可能になる。本開示は、マクロレベルのワーク及び機械軸から、歯車カッタ自体の各歯に対して局所的なミクロレベルに交差角度を移動させる。これは、カッタの各歯上の局所的な交差軸角度を利用することによって切り屑形成に必要な交差軸を依然として提供しながら、カッタがほぼ0度の交差軸角度で保持されることを可能にする。本明細書で使用される場合、ほぼ0又は実質的にゼロは、1~6度の角度を指すために使用される。この利点は、以前は不可能であったワーク上の干渉位置に工具を近づけることができることである。この点に関して、本開示は、スカイブ加工をより多くのタイプのワーク、ショルダワーク、及びクリアランスが課題とされる用途に開放する。更に、本開示は、スカイブ加工プロセスを、ワークと切削工具軸との間に交差軸を有さない機械に開放する。工作機械のコストは、特注のスカイブ加工機に対して標準的な工作機械を利用することによって著しく低下する可能性がある。
【0020】
次に図4を参照すると、1つの従来技術の例に従って構成された歯車カッタ又は切削工具が示されており、一般的に参照番号208で識別されている。歯車カッタ208は、複数の歯232を含む。各歯232は、ワーク212に対して歯面角度242を有する歯面241を画定する。交差軸角度250は、歯車カッタ208の長手方向回転軸252と、ワーク212を通る横軸254(本明細書ではワーク212の回転軸とも呼ばれる)との間に画定される。歯車カッタ208の交差軸角度250は、ワーク212の特定の位置258に小さなクリアランス距離を作り出す。最大交差軸角度は、ワーク形状及びクリアランスに依存する。図4に示すように、歯面角度242は、ワーク212の面に平行である。ワーク212は、歯232によって270で切断される。切削中、歯車カッタ208とワーク212の両方が回転している(歯車カッタ208は長手方向切削軸282を中心に、ワーク212は回転軸254を中心に)が、毎分回転数(RPM)は異なる。
【0021】
図5及び図6を参照すると、本開示の一例に従って構成された歯車カッタ工具が示されており、参照番号308で一般的に識別されている。歯車カッタ308は、複数の歯332を有する。各歯332は、歯面341を画定する。各歯332は、カッタ308全体ではなく、各歯332に局所化された交差軸歯角度350を有する。交差軸角度350は、0ではなく、歯面341と、歯車カッタ308の長手方向軸(又は回転軸)354を横切る線352との間の角度として定義される。本開示によれば、1~15度の歯角度350を提供することにより、歯車カッタ工具308は、以前は不可能であったワークの領域に到達するように、(ワークに対して)改善された角度で配置され得ることが示されている。
【0022】
各歯332において局所的な交差軸歯角度350を生成することによって、歯車カッタ308の長手方向軸354とワーク312の回転軸374との間に画定される交差軸工具角度372は、0度近くまで大幅に低減され得る。この場合も、1~6度の角度を使用して、切削の成功及び工具のリーチの改善を達成することができることが示されている。この点に関して、歯車カッタ308の長手方向軸354は、ワーク312の回転軸374と平行な関係に、又はその近くに配置することができる。歯車カッタ308全体を傾斜させる必要があるのではなく(図4、従来技術参照)、各歯面341は、それ自体の局所的な交差軸角度350である。したがって、ワーク312の肩部までうまくスカイブ加工を行うことができる。更に、切削工具308の経路は、部品形状によって以前に制限されたワーク312の領域内に更に侵入することができる。ワーク312は、歯332によって370(図5のワークの内部スプライン)で切削される。切削中、歯車カッタ308とワーク312の両方が回転しているが(歯車カッタ308は長手方向切削軸372の周りに、ワーク312は回転軸274の周りに)、異なるRPMである。
【0023】
図7は、従来技術の歯車カッタ208及びワーク212と、本開示による歯車カッタ308及びワーク312との比較を示す。図7において、交差軸工具角度372は、1~6度の間でより正確に示されている(図5における同じ角度の誇張された描写と比較して、見るのがより困難である)ことが理解されるであろう。注目すべきことに、追加のクリアランス380は、ワーク312と干渉する前に歯車カッタ308に設けられる。図8Aは、従来の歯車412の断面図である。図8Bは、歯車カッタ408が送り軸438に沿って前進するときのワーク412との参照番号434における干渉を示す6度の交差軸角度で示される従来の歯車カッタ408を示す。図示のように、歯車カッタ408とワーク412との間の干渉434により、スカイブ加工は不可能である。図9Aに、従来の歯車512の断面図を示す。図9Bは、本開示に従って構成された歯車カッタ308の断面図であり、歯車カッタ308が送り軸538に沿って前進するときに実質的に0度に近い交差軸角度で示され、ワークと干渉しないことを示している。
【0024】
従来のスカイブ加工機械では、機械は、交差軸を提供する能力を有しなければならない。この点に関して、単に水平フライス盤の代わりに、スカイブ加工機械はまた、所望の交差軸を達成するために、5軸テーブル又は他の傾斜軸を提供する能力をユーザに提供しなければならない。本開示は、追加の調整軸を提供しないはるかに安価な機器で最終結果を達成することができるように、この要件を除去する。
【0025】
前述の説明の例は、多くの例示及び説明のために提供されている。包括的であること、又は開示を限定することを意図するものではない。特定の態様の個々の要素又は特徴は、一般にその特定の例に限定されないが、適用可能な場合には、具体的に図示又は説明されていなくても、交換可能であり、選択した例で使用することができる。同じことが、多くの方式において変更されてもよい。このような変更は、本開示からの逸脱とみなされるべきではなく、全てのこのような修正が、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
【国際調査報告】