(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】高速ライトバルブシステム
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20231108BHJP
B23K 26/21 20140101ALI20231108BHJP
B23K 26/34 20140101ALI20231108BHJP
B23K 26/064 20140101ALI20231108BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20231108BHJP
【FI】
G02F1/01 D
B23K26/21 Z
B23K26/34
B23K26/064 Z
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524532
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 US2021057038
(87)【国際公開番号】W WO2022094071
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405068
【氏名又は名称】シューラット テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】SEURAT TECHNOLOGIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】リード フランシス エル.
(72)【発明者】
【氏名】デムス ジェイムス エー.
(72)【発明者】
【氏名】バイラミアン アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】クラス スザンヌ
(72)【発明者】
【氏名】クローソン ウィリアム エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ガービン クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ムラフヴァー マシュー
【テーマコード(参考)】
2K102
4E168
【Fターム(参考)】
2K102AA21
2K102BA05
2K102BB01
2K102BB03
2K102BB04
2K102BC01
2K102BC04
2K102CA18
2K102DB08
2K102DC07
2K102DC08
2K102DC09
2K102DD02
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2K102EA02
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2K102EB02
2K102EB10
2K102EB20
4E168BA35
4E168BA81
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4E168DA26
4E168DA28
4E168EA11
(57)【要約】
積層製造システムは、高フルエンスのレーザビームを生成するための高出力レーザを含む。電子放出に応答する構造を有する2Dパターン化可能ライトバルブが、高出力レーザから光を受け取り、受け取られた光をパターン化するように配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフルエンスを有する第1のレーザ書き込みビームと、
前記第1のレーザ書き込みビームよりも大きい第2のフルエンスを有する第2のレーザビームと、
前記第2のレーザビームからの光を反射するために前記第1のレーザ書き込みビームによってパターン化された反射構造を有する2Dパターン化可能ライトバルブと
を備える、積層製造システム。
【請求項2】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、光伝導体に堆積された透明導電性酸化物をさらに含む、請求項1に記載の積層製造システム。
【請求項3】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、反射ミラーに堆積された光伝導体をさらに含む、請求項1に記載の積層製造システム。
【請求項4】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、アライメント層に堆積された反射ミラーと、線形電気光学系とをさらに備える、請求項1に記載の積層製造システム。
【請求項5】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、パターン化されていない光をビームダンプまたはスイッチヤードシステムの少なくとも1つに向ける、請求項1に記載の積層製造システム。
【請求項6】
電子書き込みビームと、
レーザビームと、
前記レーザビームからの光を反射するために前記電子書き込みビームによってパターン化された反射構造を有する2Dパターン化可能ライトバルブと
を備える、積層製造システム。
【請求項7】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが二次放出グリッドをさらに備える、請求項6に記載の積層製造システム。
【請求項8】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、電子書き込みビームと相互作用する構造化バイア層をさらに備える、請求項6に記載の積層製造システム。
【請求項9】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、アライメント層に堆積された反射ミラーと、線形電気光学系とをさらに備える、請求項6に記載の積層製造システム。
【請求項10】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、パターン化されていない光をビームダンプまたはスイッチヤードシステムの少なくとも1つに向ける、請求項6に記載の積層製造システム。
【請求項11】
電子ビームアレイと、
レーザビームと、
前記レーザビームからの光を反射するために前記電子ビームアレイによってパターン化された反射構造を有する2Dパターン化可能ライトバルブと
を備える、積層製造システム。
【請求項12】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、アドレス指定可能な電子エミッタの複数の行および列をさらに備える、請求項11に記載の積層製造システム。
【請求項13】
前記電子ビームアレイが、電子エミッタから電子を受け取るように配置された複数の電子ビームアレイドライバをさらに備える、請求項11に記載の積層製造システム。
【請求項14】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、アライメント層に堆積された反射ミラーと、線形電気光学系とをさらに備える、請求項11に記載の積層製造システム。
【請求項15】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、パターン化されていない光をビームダンプまたはスイッチヤードシステムの少なくとも1つに向ける、請求項11に記載の積層製造システム。
【請求項16】
自発光ディスプレイと、
レーザビームと、
前記レーザビームからの光を反射するために前記自発光ディスプレイによってパターン化された反射構造を有する2Dパターン化可能ライトバルブと
を備える、積層製造システム。
【請求項17】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、前記自発光ディスプレイから前記反射構造に光を向けるように配置されたレンズレットアレイをさらに備える、請求項16に記載の積層製造システム。
【請求項18】
前記自発光ディスプレイが、OLEDアレイ、LEDアレイ、またはマイクロLEDディスプレイのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の積層製造システム。
【請求項19】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、アライメント層に堆積された反射ミラーと、線形電気光学系とをさらに備える、請求項16に記載の積層製造システム。
【請求項20】
前記2Dパターン化可能ライトバルブが、パターン化されていない光をビームダンプまたはスイッチヤードシステムの少なくとも1つに向ける、請求項16に記載の積層製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本開示は、2020年10月29日に出願された米国特許出願63/107,310の優先権の利益を主張する非仮特許出願の一部であり、参照によりその全体が組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般的に、高速ライトバルブシステムの動作に関する。より詳細には、高速動作に適した電子放出および新規のアーキテクチャの使用が記載される。
【背景技術】
【0003】
高フルエンスで長時間動作できる高出力レーザシステムは、パターン化された高エネルギーレーザの使用から利益を得ることができる積層製造および他の用途に有用である。残念ながら、積層製造または他の用途に必要とされる多くの既存の高出力レーザシステムは、ライトバルブの動作が比較的遅いため、フルスピードで動作することができない。
【0004】
本開示の非限定的および非網羅的な実施形態は、以下の図を参照して説明され、ここで、同一の参照番号は、特に指定されない限り、様々な図全体にわたって同一の部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1A】金属積層製造用の高速反射型ライトバルブ(RLV)の一例を示している。
【
図1B(i)】高速電子ビームアドレス指定RLV(EBA-RLV)の一例を示している。
【
図1B(ii)】電子ビームアレイを組み込むEBA-RLVに関する実施形態の一例を示している。
【
図1B(iii)】光伝導分離層を組み込むEBA-RLVの実施形態の一例を示している。
【
図1C】高速直接結合自発光ディスプレイアドレス指定RLV(e-RLV)の一例を示している。
【
図1D(i)】高速デュアル光伝導体LVの一例を示している。
【
図1D(ii)】フリンジフィールドスイッチングを利用する高速デュアル光伝導体LVの一例を示している。
【
図1E】インプレーンスイッチングを利用する高速LVの一例を示している。
【
図1F(i)】
図1F(ii)と合わせて、高速LVシステム(HSLVユニット)100F(i)およびそのタイミング100F(ii)に関するアーキテクチャの一例を示している。
【
図1F(ii)】
図1F(i)と合わせて、高速LVシステム(HSLVユニット)100F(i)およびそのタイミング100F(ii)に関するアーキテクチャの一例を示している。
【
図1F(iii)】
図1F(i)の高速LVシステムのためのマルチポイントLVスイッチの使用の一例を示している。
【
図1G】HSLVユニットのアレイを使用するアーキテクチャの一例を示している。
【
図2】ビームダンプ、高速ライトバルブ、および熱機関をサポートする高フルエンスライトバルブベースの積層製造システムのブロック図を示している。
【
図3】高フルエンス高速ライトバルブベースの積層製造システムを示している。
【
図4】高フルエンス高速ライトバルブベースの積層製造システムの別の実施形態を示している。
【
図5】廃エネルギーの回収およびさらなる使用のためのスイッチヤード手法を組み込んだ高フルエンス高速ライトバルブベースの積層製造の別の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明では、その一部を形成し、開示を実施することができる具体的な例示的な実施形態を例示する方法で示されている添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本明細書に開示された概念を実践することができるように十分に詳細に説明されており、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された様々な実施形態に修正を加えることができ、他の実施形態を利用することができることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味では取られるべきではない。
【0007】
以下の開示では、積層製造システムは、高フルエンスのレーザビームを生成するための高出力レーザを含む。電子放出に応答する構造を有する2Dパターン化可能ライトバルブが、高出力レーザから光を受け取り、受け取られた光をパターン化するように配置される。
【0008】
ライトバルブ(LV)技術は、ピクセル速度を切り替える能力に限界がある。本明細書で論じるいくつかの記載される実施形態では以下の通りである。
【0009】
金属積層製造システム(M-AM LV)システムでの記載されるLVの使用は、LiNbO3、BBO、KDP、またはK*DPなど高速スイッチング時間をサポートできる材料に変更することによって、速度の大幅な向上(従来のLVに比べて1000倍を超える)を可能にする。
【0010】
M-AM LVシステムでの記載されるLVの使用は、複雑さの低減を可能にするとともに、(既存のLV M-AMシステムに比べて)10~1000倍を超えるフレーム速度の向上を可能にする。
【0011】
M-AMシステムでの記載されるLVの使用は、LVシステムにおいてフリンジフィールドスイッチング(FFS)を使用することができることにより速度向上を可能にするとともに、複雑さを低減する。この低減は、フリンジフィールドスイッチングを使用したときにLEOLの厚さが減少するためであり、(既存のLV M-AMシステムに比べて)4~10倍の速度向上が予想される。
【0012】
M-AM LVでの記載されるLVの使用は、そのLEOL層の厚さの減少による相応の速度増加を有するLVにおいてインプレーンスイッチングを実現することを可能にし、そのような速度増加は、フリンジフィールドの速度増加と同様(4~10倍)であるが、FFSで必要とされる複雑さに比べて複雑さが低減される。
【0013】
M-AM LVシステムでの記載されるLVの使用は、低速パターン化LVを有する二分木で使用され得るPIセルの使用を可能にし、2N個のLVの出力を時間的にスライスしてシーケンスにし、従来のM-AM LVシステムに比べて全体的なフレーム速度をN倍向上させる。
【0014】
M-AM LVシステムでの記載されるLVの使用は、固体走査(SSS)非パターン化LVを使用して、SSSが達成することができる設定角度の数に依存する速度を有する1Dまたは2D低速LVのアレイを選択することによって速度の向上を可能にする。そのようなシステムは、低速パターン化LVのランダムアクセスシーケンスも可能にする。
【0015】
図1Aは、金属積層製造用の速度反射型ライトバルブ(RLV)100Aの一例を示している。RLV(110A)は、光伝導体(130A)の上に堆積された上部透明導電性酸化物(TCO、120A)から構成される。高反射ミラー(140A)が、130Aの底部に堆積され、990~1070nmの光に関しては99.9%超を反射し、265~500nmの光に関しては75%超を反射する。アライメントまたはインピーダンス層が、140Aの内側に堆積され、線形電気光学系(LEO、160A)にインターフェースするために使用される。別のアライメントまたはインピーダンス層(170A)が、160Aとインターフェースするために使用され、底部TCO(180A)に取り付けられ、底部TCO(180A)は支持基板(190A)に堆積される。
【0016】
λ2での低フルエンスのパターン化書き込みビーム(200A)は、120Aを通過して130Aに入り、それにより、120A、130A、140A、150A、160A、170Aから構成されて180Aで終了する回路において、130Aがその抵抗を低下する。この電気回路は、外部コントローラ(図示せず)によって制御される。130Aでの抵抗の変化は、200Aでの強度パターンを反映し、120Aで見られるパターン化されていない電界が、140Aでのパターン化された電界になることを可能にする。このパターン化された電界は、160Aにわたって印加されて、160Aは、110Aに入る高フルエンスレーザビーム(HFL、210A)で見られるように、この材料の複屈折の変化を引き起こす。高フルエンスビーム(210A)はλ1であり、右から左に進んで、190A、180A、170Aを通過することによって110Aに入った後、160Aのパターン化された複屈折と相互作用する。160Aのパターン化された複屈折は、210Aが160Aを通過するときに、200Aのパターンを210Aに付与する。HFLは、160Aおよび150Aを通過した後、140Aで反射し、再び160A、170A、180A、および190Aを通過した後、220Aの形態でのパターン化されたHFLとして110Aから出る。160Aを通過する二重パスは、二重パスが200Aでのパターンを210Aに付与するように160Aが構造化されていることを必要とする。二重パス法で160Aの最大効果が得られるので、その物理的距離を50%未満に短縮して、標準的な透過型LVの速度に比べて4倍を超えて速度を増加させることが可能である。パターン化されたHFLビーム(220A)は、ビームパターンセパレータ(230A)を通過し、所望のパターン240Aが印刷チャンバに再結像されるようにし、不要なパターン(わかりやすくするために図示せず)がビームダンプまたはスイッチヤードシステムに送られる。
【0017】
200Aが存在しない場合、パターン化されていないHFLビーム(250A)は、110Aに入り、190A、180A、170A、160A、150Aを通過し、140Aで反射し、150A、160A、170A、180A、および190Aを再び通過した後、パターン化されていないHLFビーム260Aとして110Aから出る。ビーム260Aは、230Aに当たると、(270Aとして)完全に拒否されて、ビームダンプまたはスイッチヤードシステム(
図5に関して後述する)に入る。
【0018】
図1B(i)は、高速電子ビームアドレス指定RLV(EBA-RLV)100B(i)の一例を示している。EBA-RLV100B9(i)は、負電荷を収集する二次放出グリッド(115B(i))から構成され、負電荷は、構造化バイアアレイ(120B(i))の表面から散乱される、弾道電荷により120B(i)から放出する、または120B(i)の電圧の関数として引き離される。115B(i)は、120B(i)が、電子ビームによって定義された電荷「ピクセル」に正、中性、または負の電荷を与えることを可能にし、そのようなスクリーンのないシステムよりも良好にピクセルを定義できるようにする。バイア層(120B(i))は、その体積全体にわたって小板状の導電性粒子が散乱された異方性マトリックス、ファンアウト中間層としてマイクロエレクトロニクスで一般的に使用されるシリコンもしくはポリマーベースの電気バイアアレイ、またはマイクロスコピックもしくはナノスコピック貫通伝導経路の同様の構成を有するフレックス層から形成されることによって構造化することができる。120B(i)には、990~1070nmの光に関して99%超を反射する高反射ミラー(HRM、130B(i))が取り付けられている。130B(i)には、線形電気光学層(150B(i))の向きを設定するアライメントまたはインピーダンス層(140B(i))が取り付けられている。追加のアライメント/インピーダンス層(160B(i))は、150B(i)の向きを定義するのに役立つ。透明導電性酸化物(TCO、170B(i))は、115B(i)、120B(i)、130B(i)、140B(i)、150B(i)、および160B(i)から構成される110B(i)の電気回路を終端する。支持基板(180B(i))は、110B(i)のための安定性を提供する。
【0019】
110B(i)でピクセルを定義する電子源は、自由電子のストリームを放出する電子銃(トンネル電子源、スピント型冷陰極エミッタ、または同様の電子ビーム発生器でもよい)によって生成される(200B(i))。偏向および集束構造は、115B(i)の面にわたって「x」(210B(i))および「y」(220B(i))方向にビームが掃引されることを可能にし、115B(i)と連動して、120B(i)の荷電ピクセルおよび150B(i)にわたる可変電圧場を定義する。200B(i)の強度を115B(i)に付与された波形とともに変調することにより、グレースケール画像を150B(i)に付与することができる。190B(i)に関する電流および電圧制御は、電子ビーム電子回路モジュール(270B(i))から制御ライン230B(i)を介して190B(i)に伝達される。同様に、210B(i)および220B(i)に関する電圧波形の制御は、270B(i)によって制御される260B(i)(X-Y偏向ドライバ)からの制御ライン240B(i)および250B(i)によってそれぞれ伝達される。さらに、270B(i)は、280B(i)制御ラインを介して115B(i)の電圧および電流波形を制御する。270B(i)は、LV電子回路モジュール(290B(i))によって制御され、LV電子回路モジュール(290B(i))は、300B(i)制御ラインを介して170B(i)の電圧波形も制御する。
【0020】
ライトバルブとしての110B(i)の動作は、パターン化されていない高フルエンスビーム(310B(i))が、180B(i)、170B(i)、160B(i)、150B(i)、140B(i)を通過し、130B(i)で反射した後、140B(i)、150B(i)、160B(i)、170B(i)を通って180B(i)から出ることによって、110B(i)に入ることを必要とする。115B(i)および120B(i)にわたるラスタ走査200B(i)によって蓄積される電荷画像は、150B(i)にわたる電圧画像として転送される。この電圧画像は、150B(i)に作用し、その光学応答を変化させる。150B(i)の光学応答は通常、その複屈折の変化であるが、310B(i)で見られるような相変化、スペクトル、散乱、吸収、または反射応答でもよい。電圧画像は、150B(i)に光学応答画像を付与し、150B(i)を通る310B(i)の二重パスは、その画像を310B(i)に付与し、パターン化されたHFLビーム(320B(i))に変える。320B(i)は、110B(i)を通過して出て、所望のパターン画像(370B(i))を不要な画像から分割するビームパターンセパレータ(330B(i))に当たる。所望の画像(370B(i))は、印刷チャンバに中継され、不要な画像(図示せず)はビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに進む。
【0021】
パターン化されていないHLFビーム(340B(i))が100B(i)に入り、電子ビームシステムによって提供される画像がない状況では、この光は影響を受けず、110B(i)によってパターン化されず、パターン化されないまま出て(350B(i))、330B(i)に当たると逸らされて360B(i)になり、そのままビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに送信される。EBA-RLVシステムのフレームレートは、毎秒E6フレームを超えることがあり、走査型電子ビームエレクトロニクスの性能よりも150B(i)のスイッチ時間によって制限される可能性が高い。
【0022】
図1B(ii)は、電子ビームアレイを組み込むEBA-RLV100B(ii)の実施形態の一例を示している。ライトバルブ110B(ii)は、アクティブマトリックス配置で個別にアドレス指定可能なフィールドエミッタ(125B(ii))の行と列を含む2Dアドレス指定可能な電子エミッタ(120B(ii))によってアクティブ化される。1つのそのようなエミッタ(125B(ii))のアクティブ化により、電子放出(127B(ii))が110B(ii)に局所的に蓄積されることが可能となり、荷電ピクセル(130B(ii))が生成され、110B(ii)内部のLEO層の変性に影響が及ぼされる。120B(ii)の行と列のアドレス指定は、電子ビームアレイドライバ(160B(ii))によって制御され、制御ライン140B(ii)(列制御ライン)と150B(ii)(行制御ライン)によって120B(ii)に伝達される。LV電子回路は、制御ライン180B(ii)を介して、110B(ii)内でTCOに付与される電圧波形を含む160B(ii)を制御する。
図1Bに示すように、入射するパターン化されていないHFL(190B(ii))は110B(ii)に入り、電子ビームピクセルがアクティブ化されている場合には常に、パターン化されたHFL(200B(ii))として出る。200B(ii)は、ビームパターンセパレータ(210B(ii))によって、印刷チャンバに結像される所望のパターン化されたHFLビーム(220B(ii))と、ビームダンプまたはスイッチヤードシステムに進む不要なパターンとに分割される。パターン化されていないHFLビーム(230B(ii))が110B(ii)に入り、アクティブ化されている電子ビームピクセルがない場合、パターン化されていないHFLビーム(240B(ii))として110B(ii)から出て、210B(ii)によって完全に拒否され、250B(ii)としてビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに向けられる。2Dアドレス指定可能なEBA-RLVのフレームレートは、典型的には1秒あたりE2フレームでのアレイドライバによって制限される。
【0023】
図1B(iii)は、EBA-RLV100B(iii)に関する実施形態の一例を示し、ゲートアノードと先端入口との間に光伝導分離層を組み込み、カソード放出アレイのベースを書き込みビームに対して透明にする。これは、110B(iii)に示されるように、EBA-RLVを、光学的にアドレス指定されたEBA-RLVに効果的に変換する。EBA-RLV(110B(iii))構成要素は、
図1Bに示されている。この実施形態では、走査電子ビームは、アノードを先端支持構造から分離する光伝導体(120B(iii))を含む光学的にアドレス指定される冷陰極エミッタアレイ(113B(iii))によって置き換えられる。この実施形態では、λ2でのパターン化された書き込みビーム(115B(iii))が、113B(iii)を通過し、光伝導体125B(iii)をアクティブ化して、125B(iii)の直下の先端が電子ストリーム(127B(iii))を放出できるようにし、電子ストリーム(127B(iii))は、115B(iii)でのパターンを反映するパターン化された荷電領域(130B(iii))を110B(iii)内に生成する。荷電パターンは、110B(iii)の外側からの電圧を110B(iii)内のLEO層にわたって転送する。制御ライン140B(iii)、150B(iii)、および153B(iii)は、それぞれ110B(iii)内の冷陰極アレイ、光伝導体アノード層、および二次放出グリッドに付与される電圧波形を制御する。電子ビームアレイ電子回路(155B(iii))は、140B(iii)、150B(iii)、および153B(iii)での波形を制御し、LV電子回路(157B(iii))とともに動作し、LV電子回路(157B(iii))は、制御ライン160B(iii)を介して110B(iii)内のTCOに送達される波形も制御する。
【0024】
最初にパターン化されていないHFLビーム(170B(iii))を110B(iii)に入れ、126B(iii)、127B(iii)、および130B(iii)を介して115B(iii)によってアクティブ化されているLEOと相互作用させることによって、HFLビームに望ましいパターンが付与される。LEOは、115B(iii)に固有のパターンと同じパターンを170B(iii)に付与し、170B(iii)は、110B(iii)のHRMで反射すると、パターン化されたHFLビーム(180B(iii))として110B(iii)から出る。パターン化されたHFLビーム(180B(iii))はパターンセパレータ(190B(iii))に当たり、所望のビーム(200B(iii))は印刷チャンバに中継され、不要なパターンはビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに進む。前の場合と同様に、パターン化されていないHFLビーム(210B(iii))が、アクティブ化されていない領域で110B(iii)に入り、ビームは110B(iii)内のHRMで反射し、依然としてパターン化されていないまま220B(iii)としてEBA-RLVから出て、190B(iii)によって完全に拒否されて230B(iii)になり、ビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに入る。100B(iii)の利点は、フレームレートが、115B(iii)およびLEO材料を切り替えることができる速度に依存することであり、LEO材料としてのLiNbO3、および115B(iii)に関するソースとしての高速DLPシステムに関する場合、100B(iii)は、DLPシステムに固有の50~100KHzのフレームレート限度に制限される。
【0025】
図1Cは、高速直接結合自発光ディスプレイアドレス指定RLV(e-RLV)100Cの一例を示している。RLV(110C)は、λ2で動作する自発光ディスプレイ(130C)に直接結合される。130Cと110Cとの間の光結合は、レンズレットアレイ(120C)、アパーチャアレイ、または同様の近接集束(110C内の薄い光伝導体層への130Cの表面の直接の突き合わせ結合)のいずれかによって行われる。自発光ディスプレイは、OLED、LEDのアレイ(ディスプレイとしてドライブされる)、microLEDディスプレイ、またはλ2(265nmから500nm帯域)で放出することができる任意の様々な面発光ディスプレイでよい。パターン化されたビーム(140C)を130C内で生成するピクセルのセットによって放出される光により、120Cによって直接接触または結合された光伝導体要素が、110Cの外側での電圧を110Cの内側のLEO層にわたって転送し、上述したようにLEOの光学特性への変化を課す。自発光ディスプレイは、制御ライン150Cを介して高速ディスプレイドライブ(160C)によって制御され、110Cは、前述したようにLV電子回路(170C)によって制御される。パターン化されていないHFLビーム(189C)は110Cに入り、140Cによってアドレス指定される150Cによって影響を及ぼされる領域でLEO層を通過する。140Cによって付与された画像は、LEO層に対する150Cの作用によって180Cに転送され、180Cが110C内部のHRM層で反射し、LEO層および中間層を通過し、パターン化されたHFLビーム190Cとして出る。190Cでの所望のパターン(200C)は、ビームパターンセパレータ(190C)の作用によって分離され、次いで印刷チャンバに結像される。不要なパターン(図示せず)は、195Cで反射し、ビームダンプまたはスイッチヤードシステムに結像される。130Cから放出されるパターンまたは光がない場合、パターン化されていないHFLビーム210Cは、110Cを通って進み、130Cからのアクティブ化がないので、LEOの作用によってパターン化されて出ることはない;ビームは、パターン化されていないHFLビーム(220C)として130Cから出て、195Cによって完全に拒否され、ビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに廃光として結像される(230C)。100Cによって達成可能なフレームレートは、110C内のLEO層と、130Cのスイッチング速度とに依存し、どちらも典型的には1秒あたり1000フレームを超える。
【0026】
図1D(i)は、高速デュアル光伝導体LV(DPCLV)100D(i)の一例を示している。DPCLVは、上部透明導電性酸化物(TCO、120D(i))、上部光伝導体層(PC、130D(i))、上部インピーダンス/アライメント層(IML、150D(i))、上部線形電気光学層(TLEOL、160D(i))、中間層グループ(170D(i)、より詳細に340D(i)で示されている)、底部LEOL(B-LEOL、180D(i))、底部IML(190D(i))、底部PC層(210D(i))、および底部TCO(220D(i))を含む。
【0027】
DPCLVシステム(110D(i))は、110D(i)に右から(230D(i))および左から(240D(i))入る、どちらもλ2での2つの逆伝搬するパターン化された書き込みビームの二重アクションによって機能する。110D(i)に右から入るパターン化された書き込みビーム(230D(i))は、130D(i)をアクティブ化して、パターン化された電圧画像を130D(i)内で生成し、電圧画像は、このパターン化された電圧変化(270D(i))に対するT-LEOLによる応答によって160D(i)に転送される。同様に、110D(i)に左から入るパターン化された書き込みビーム(240D(i))は、260D(i)および280D(i)を介してB-LEOLへの同じ転送を行う。λ1でのパターン化されていないHF1ビーム(300D(i))が110D(i)に入り、通過して、270D(i)および260D(i)のパターン応答と相互作用し、これら2つのLEOLとの相互作用によって、パターン化されたHFLビーム310D(i)として110D(i)から出る。同様に、230D(i)および240D(i)によってパターン化されていない110D(i)の領域では、パターン化されていないHFLビーム(320D(i))は、LEOLによって影響を受けることなく110D(i)を通過して、330D(i)になる。これは、依然としてパターン化されていないHFLビームである。パターン化された310D(i)は、ビームパターンセパレータ(図示せず)を通過した後、印刷床に結像され、所望の画像が床に進み、不要なパターンおよび330D(i)は拒否され、
図5に関して論じるようなビームダンプまたはスイッチヤードシステムに結像される。
【0028】
110D(i)内の中間層グループ(170D(i))は、340D(i)として詳細に示されている。この構造は、160D(i)および180D(i)に関する中間支持体として機能し、中間上部IML(350D(i))、中間上部TCO(260D(i))、中間支持層(370D(i))、中間底部TCO層(380D(i))、および中間底部IML(390D(i))から構成される。
【0029】
標準的な透過型LVの半分以下へのLEOLでの減少により、スイッチング速度を、標準的な高速透過型LVのスイッチング速度に比べて4倍超に増加することができる。
【0030】
図1D(ii)は、フリンジフィールドスイッチングを利用する高速デュアル光伝導体LV100D(ii)の一例を示している。フリンジフィールドスイッチングLEOLシステムは、材料の光学特性(特にその複屈折)が電界勾配によってアクティブ化される、様々なタイプの線形電気光学材料を使用する。これらの勾配は、2つの隣接するアクティブ化された領域間のフリンジフィールドによるものである。フリンジフィールドは、典型的には、局所フィールド強度がより高く、LOELに対してより大きな効果を有する。その結果、LEOLの厚さを劇的に減少させることができ、通常動作のLVに比べて、厚さ減少の2乗として、フレームレートの相応の増加を伴う。この実施形態では、フリンジフィールドは、
図1Dで導入されるデュアル光伝導体の概念を使用することによって生成される。フリンジフィールドDPCLVの一例が110D(ii)に示されており、上部TCO(120D(ii))、上部光伝導体(130D(ii))、上部IML(140D(ii))、LEOL(150D(ii))、底部IML(160D(ii))、底部光伝導体(170D(ii))、および底部TCO(175D(ii))から構成されている。
【0031】
(λ2での)パターン化された書き込みビーム180D(ii)が左から110D(ii)に入り、130D(ii)内で電圧パターン(200D(ii))を付与する。第2のパターン化された書き込みビーム(同じ画像を搬送する、190D(ii))が右から入り、180D(ii)との共線および逆伝搬からわずかにずらされて110D~Iに入り、170D(ii)内で電圧パターン(210D(ii))を付与する。2つの電圧パターン(200D(ii)と210D(ii))の間のオフセットによって生成される150D(ii)内のフリンジフィールドは、150D(ii)内でLEOを作動させ、250D(ii)として示される150D~Iでのパターン光学応答を生成する(130D(ii)および170D(ii)での電圧フリンジフィールドの詳細は、わかりやすくするために省かれている)。パターン化されていないHFLビーム(240D(ii))が110D(ii)に入り、250D(ii)での光学応答パターンが240D(ii)に付与され、それにより、110D(ii)から出ると、HFLビームは、180D(ii)と190D(ii)の両方に含まれる同じ空間画像でパターン化される(260D(ii))。260D(ii)での所望のパターンは印刷チャンバに結像され、その不要なパターンは、
図5に関して論じるようなビームダンプまたはスイッチヤードシステムに結像される。
【0032】
2つの書き込みビーム(180D(ii)および190D(ii))は、同じ画像を搬送する必要はなく、各チャネルに提示される画像に関係なくフリンジフィールドが設定される;240D(ii)での応答は上述したようなものであるが、260D(ii)に付与される最終的なパターンは、180D(ii)と190D(ii)に含まれる2つの画像の畳み込みとなる。さらに、200D(ii)と210D(ii)によって生成されたフリンジフィールドに対する150D(ii)の応答は、両方のフィールドが同じ時間間隔で存在することに依存する。180D(ii)と190D(ii)の時間的な重畳は、追加の速度向上を提供し、150D(ii)および2つの光伝導体(130D(ii)と170D(ii))の緩和時間に依存し、高速LVを提供する。
【0033】
1つの書き込みビームがある場合、または両方の書き込みビーム(180D(ii)と190D(ii))がなく、パターン化されていないHFLビーム(270D(ii))が110D~Iに入る場合、パターン光学応答は150D(ii)に含まれず、270D(ii)は、パターン化されていないHFLビーム(280D(ii))として110D(ii)から出て、これは、
図5に関して論じるようなビームダンプまたはスイッチヤードシステムに結像される。
【0034】
図1Eは、インプレーンスイッチングを利用する高速LV100Eの一例を示している。LV110Eは、上部TCO(120E)、光伝導体(130E)、上部IML(140E)、LEO層(150E)、底部IML(160E)、および支持基板(170E)から構成される。150Eは、フリンジフィールドに反応する材料から構成され、典型的には垂直配向(VA)されている電気制御複屈折液晶(ECB-LC)である。インプレーンLCシステムは非常に薄くすることができ、しかしこの条件により、このデバイスクラスでのLCが非常に大きな複屈折を有し、実用に十分なコントラスト比を実現する必要がある。LCベースのLVのフレーム速度は、公称LVと比べて厚さ低減の2乗となるので、フレーム速度は、公称よりも1~2桁大きくなり得る。
【0035】
110Eのアクティブ化は、2つのパターン化された書き込みビーム(180Eと190E)から始まり、どちらもλ2で動作し、左から110Eに入り、130Eに進み、130E内に2つの電圧パターン(200Eと210E)を生成する。200Eと210Eとのフィールド干渉パターンは、140Eの直後に150Eに入って2つのパターン間のインプレーンフリンジフィールドを生成し、これは220Eによって表される。インプレーンフリンジフィールドは、干渉フィールド220Eに従って150E(230E)内のLEO材料を変性し、180Eと190Eに含まれる画像を反映する光学応答を230E内で課す。
【0036】
HFLビーム(240E)が左から110Eに入り、上述したように2つの同様に生成された干渉間のインプレーンスイッチングによって引き起こされる150Eのパターン化されたセクション(250Eとして示される)と相互作用する。150Eへの250Eの提供の詳細は、わかりやすくするために省かれている。150E(250E)でのパターン光学応答は、そのパターンを240Eに付与し、240Eは、パターン化されたHFLビーム(260E)として出て、このパターン化の所望の部分は印刷チャンバに進み、不要な部分はビームダンプまたはスイッチヤードシステムに進む。一方または両方の書き込みビームが存在しない場合、パターン化されていないHFLビーム(270E)は、パターン化されていない150Eボリュームと相互作用し、依然としてパターン化されていないまま280Eとして110Eから出て、
図5に関して論じるようなビームダンプまたはスイッチヤードシステムのいずれかに結像される。
【0037】
図1F(i)および
図1F(ii)は、両図を合わせて、高速LVシステム(HSLVユニット)100F(i)およびそのタイミング100F(ii)に関するアーキテクチャの一例を示している。この概略レイアウトには、高速エリアLV(別名、PIセル)スイッチおよび低速パターン化LVがあり、このアーキテクチャを実現するためのサポート光学系もあり、それらはわかりやすくするために省かれている。パターン化されていないHFLビーム(110F(i))は、100F(i)に入り、PIセル120F(i)によって、2つの取り得る経路/チャネルの一方、すなわち130F(i)または240F(i)のいずれかに切り替えられる。120F(i)が、入射する110F(i)を130F(i)チャネルに切り替えたと仮定すると、パターン化されていないHF(i)Lビームは、パターン化されていないPIセル(140F(i))の第2層に入り、この第2層は、130F(i)を2つの経路/チャネルの一方、すなわち150F(i)または160F(i)のいずれかに入れることができる。140F(i)がアクティブになり、130F(i)でのパターン化されていないHFLビームが150F(i)チャネルに切り替えられると仮定する。パターン化されていないHFLビーム150F(i)は、パターン化LV170F(i)に入り、タイムスロットt1中にパターン化される。パターン化されたHF(i)Lビームは、170F(i)から出て、経路190F(i)に沿って進み、そこで、非パターン化第3層PIセル(210F(i))によって220F(i)に切り替えられる。パターン化されたHFLビームは、220F(i)に沿って、第4層の非パターン化PIセル(230F(i))に進み、PIセル(230F(i))は、様々な信号をチャネル340F(i)に統合し、そこでタイムスロットt1で印刷チャンバに結像される。
【0038】
同様に、パターン化されていないHFLを、110F(i)から120F(i)を通って130F(i)に入り、140F(i)を通って160F(i)に入るように導く経路は、パターン化されていないHFLビームが、時間t2でパターン化LV180F(i)によってパターン化されるようにする。180F(i)の出力は、200F(i)に沿って210F(i)に進み、210F(i)は、パターン化されたHFLビーム200F(i)を220F(i)に進め、それにより、ここでも、230F(i)がその画像をタイムスロットt2内に340F(i)に統合して、印刷チャンバに送信できるようにする。
【0039】
同様に、初期のパターン化されていないHFLビームは、経路240F(i)および260F(i)に沿って、PIセル250F(i)を介して(時間t3で)パターン化LV280F(i)に送信することができる。280F(i)からのパターン化されたHFL結果は、300F(i)に沿って進み、経路300F(i)および330F(i)に沿ってPIセル320F(i)および230F(i)を介して(タイムスロットt3で)340F(i)に統合される。同様に、パターン化されていないHFLビームは、PIセル250F(i)を介して240F(i)および270F(i)を進むことによって、タイムスロットt4でパターン化LV290F(i)によってパターン化することができる。タイムスロットt4での290F(i)(310F(i))から340F(i)へのパターン化されたHFL出力の統合は、パス310F(i)および330F(i)を進み、320F(i)を通過し、最後に230F(i)を通過することによって達成される。それぞれタイムスロットt1、t2、t3、およびt4で170F(i)、180F(i)、280F(i)、および290F(i)によって付与されたパターンから生じたパターン化されたHFLビームのシーケンスが230F(i)から出て、したがって、ただ1つのパターン化LVが使用された場合に実現することができるフレームレートに比べて4倍の向上を生み出す。
【0040】
タイミングシーケンスは350F(i)に示されており、360F(i)は、120F(i)(PIセルの第1層)のタイミングシーケンスである。PIセルの第2層(140F(i)および250F(i))は、それぞれ370F(i)および420F(i)に示されるタイミング図を有する。低速パターン化LV(170F(i)、180F(i)、280F(i)、および290F(i))は、それぞれ400F(i)、410F(i)、430F(i)、および440F(i)のタイミング図を有する。PIセルの第3層(210F(i)および320F(i))は、それぞれ380F(i)および450F(i)に示されるタイミング図を有する。PIセルの第4層(230F(i))は、390F(i)に示されるタイミング図を有する。高速LVシステム(チャネル340F(i))の出力のタイミング図は、460F(i)に示されている。個々のパターン化LVのフレームレート(480F(i))(400F(i)のタイミングの周りに点線のボックスとして示される)をLVシステムに関するフレームレート(点線のボックス490F(i))と比較すると、LVシステムが、第2層アップ/ダウンシステムに関して4倍速いフレームレートを有することがわかる。このアーキテクチャは、単一のLVシステムに比べて2Nの速度向上を可能にし、ここで、Nは、システム内のパターン化LVの前/後のPIセルの層数である。このアーキテクチャは、PIセルが低速パターン化LVのスイッチング速度の4倍を超えることを必要とする。100F(i)に示される構成は、高速バイナリスイッチLVシステムのユニットである。
【0041】
図1F(iii)は、
図1F(i)の高速LVシステムのためのマルチポイントLVスイッチ100F(ii)の使用の一例を示している。単一の高速マルチポイント非パターン化LVスイッチは、低速パターン化LVの1Dまたは2Dアレイに入力する/そこから出力する入力ゲートと出力ゲートとの両方に使用される。パターン化されていないHFLビーム(110F(i))が、マルチポイント走査/スターリングLV(120F(i))に入り、160F(i)として示される低速パターン化LVのアレイの任意の1つに走査される。160F~Iの各側にプリズムアレイがあり、プリズムアレイは、角度の付いたパターン化されていないHFL(130F(i))を受け、160F(i)でそれを直進させて、任意の1つのパターン化LVの空間解像度を最適化する。各パターン化LVは120F~Iに対して正確な位置にあるので、150F(i)は、プリズム構成要素の静的アレイでよい。HFLは、タイムスロットtiで160F(i)内の任意の1つのパターン化LVによってパターン化された後、別のプリズムアレイ(170F(i))を通過する。第2のプリズムアレイ(170F(i))は、パターン化されたHFLビーム(180F(i))を、第2の非パターン化高速マルチポイントLVに偏向し、このマルチポイントLVは、180F(i)を100F(i)の出力チャネルにリダイレクトして、印刷チャンバに結像されるパターン化されたパルスのトレインの一部を形成するように設定される。130F(i)および180F(i)は、(それぞれ)パターンLVアレイに入るおよび出る最初のチャネルを表し、このアレイに入るおよび出る最後のチャネルは、(それぞれ)140F(i)および190F(i)によって表される。
【0042】
この構成でチャネル選択が行われるいくつかの異なる方法があり、最初のチャネル(130F(i)/180F(i))から最後のチャネル(140F(i)/190F(i))まで順次に行われる、または130F(i)/180F(i)で始まらない、もしくは140F(i)/190F(i)で終わらないなどの変形形態がある。標準的な(単一の)LVシステムのフレーム速度に比べたこの方法のフレーム速度の向上は、120F(i)/200F(i)が行うことができる一意であり制御可能な指向方向の数(Mx)に等しい。さらに、この方法は、120F(i)/200F(i)が、160F(i)での低速パターン化LVの任意の1つのM倍高速であることを必要とし、ここで、Mは、120F(i)/200F(i)が達成することができる一意のアドレス指定可能な方向の数に等しい。100F(i)の構成は、高速マルチポイントスイッチLVシステムのユニットである。
【0043】
図1Gは、HSLVユニット100Gのアレイを使用するアーキテクチャの一例を示している。バイナリ高速アーキテクチャ(110G)に関する概略が使用されて示されているが、マルチポイント実施形態を使用することもできることに留意されたい。バイナリスイッチLVシステムは、非パターン化高速エリアLVスイッチ(120Gによって例示される)および低速パターン化LV(130Gによって例示される)を含む。110Gの3D表現が140Gで表され、150Gおよび160Gがそれぞれ120Gおよび130Gに相当する。140Gの端面図が170Gに示され、180Gおよび190Gがそれぞれ120Gおよび130Gに相当する。高速LVシステムのこの単位セルを配列することができ(200G)、210Gが1つのそのような単位を表す。170Gを配列して200Gにすることにより、高速LVシステムの概念が空間に拡張されて、高速エリア印刷エンジン、
図5に関して論じるようなスイッチヤードに関する代替アーキテクチャ、または固体走査システムを実現することができる。
【0044】
上述した相変化ライトバルブシステムと組み合わせて、様々な波長の広範なレーザを使用することができる。いくつかの実施形態では、使用可能なレーザのタイプには、ガスレーザ、化学レーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ(例えばファイバ)、半導体(例えばダイオード)レーザ、自由電子レーザ、ガスダイナミックレーザ、「ニッケル様」サマリウムレーザ、ラマンレーザ、または核ポンプレーザが含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
ガスレーザには、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンイオンレーザ、窒素レーザ、二酸化炭素レーザ、一酸化炭素レーザ、またはエキシマレーザなどのレーザを含めることができる。
【0046】
化学レーザには、フッ化水素レーザ、フッ化重水素レーザ、COIL(化学酸素-ヨウ素レーザ)、またはAgil(全気相ヨウ素レーザ)などのレーザを含めることができる。
【0047】
金属蒸気レーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)金属-蒸気レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)金属-蒸気レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)金属-蒸気レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)金属-蒸気レーザ、ストロンチウム蒸気レーザ、ネオン-銅(NeCu)金属-蒸気レーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザ、またはマンガン(Mn/MnCl2)蒸気レーザなどのレーザを含み得る。ルビジウムなどのアルカリ金属蒸気レーザも使用できる。固体レーザには、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、ネオジウムYLF(Nd:YLF)固体レーザ、ネオジウムドープイットリウムオルトバナデート(Nd:YVO4)レーザ、ネオジウムドープオキソホウ酸イットリウムカルシウムNd:YCa4O(BO3)3または単にNd:YCOB、ネオジウムガラス(Nd:ガラス)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア)レーザ、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、イッテルビウムYAG(Yb:YAG)レーザ、イッテルビウム:2O3(ガラスまたはセラミック)レーザ、イッテルビウムドープガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ、およびファイバ)、ホルミウムYAG(Ho:YAG)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、セリウムドープリチウムストロンチウム(またはカルシウム)フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、プロメチウム147ドープリン酸塩ガラス(147Pm+3:ガラス)固体レーザ、クロミウムドープクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、エルビウムドープおよびエルビウムイッテルビウム共ドープガラスレーザ、三価ウランドープフッ化カルシウム(U:CaF2)固体レーザ、二価サマリウムドープフッ化カルシウム(Sm:CaF2)レーザ、またはFセンターレーザなどのレーザを含み得る。
【0048】
半導体レーザには、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、GaInP、InGaAs、InGaAsO、GaInAsSb、鉛塩、垂直共振器形面発光レーザ(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザ、またはこれらの組み合わせなどのレーザ媒質タイプを含めることができる。
【0049】
図2は、積層製造システム200における、本明細書に開示されるような高速ライトバルブの使用を示している。レーザ源202は、レーザ前置増幅器および/または増幅器204を介してレーザビームを高速ライトバルブ206に向ける。パターン化後、光を印刷床210に向けることができる。いくつかの実施形態では、レーザ源202、レーザ前置増幅器および/または増幅器204、または高速ライトバルブ206からの熱またはレーザエネルギーは、熱伝達、熱機関、冷却システム、およびビームダンプ208に能動的または受動的に転送することができる。ライトバルブベースの積層製造システム200の全体的な動作は、レーザ出力およびタイミングを変更することができる1つまたは複数のコントローラ220によって制御することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、様々な前置増幅器または増幅器204を任意選択で使用してレーザ信号に高利得を提供し、それとともに、光変調器およびアイソレータをシステム全体に分散させて、光損傷を低減または回避し、信号コントラストを向上させ、システム200のより低いエネルギー部分に対する損傷を防ぐことができる。光変調器およびアイソレータには、ポッケルス(Pockels)セル、ファラデー回転子、ファラデーアイソレータ、音響光学反射器、またはボリュームブラッグ格子を含めることができるが、これらに限定されない。前置増幅器または増幅器204は、ダイオード励起増幅器またはフラッシュランプ励起増幅器でよく、シングルパスおよび/またはマルチパスまたはキャビティタイプのアーキテクチャで構成することができる。理解されるように、本明細書における前置増幅器という用語は、(より大きい)レーザ増幅器に比べて熱的に制限されない(すなわちより小さい)増幅器を表すために使用される。増幅器は、典型的には、レーザシステム200での最終ユニットになるように配置され、限定はされないが熱破壊や過度の熱レンズ効果などの熱損傷を受けやすい最初のモジュールになる。
【0051】
レーザ前置増幅器は、エネルギー効率に過度に関係しないシステムで使用可能なシングルパス前置増幅器を含むことができる。よりエネルギー効率の高いシステムの場合、次の段階に進む前に各前置増幅器204から多くのエネルギーを抽出するようにマルチパス前置増幅器を構成することができる。特定のシステムに必要とされる前置増幅器204の数は、システム要件、および各増幅器モジュールで利用可能な蓄積エネルギー/利得によって定義される。マルチパス前置増幅は、角度多重化または偏光スイッチング(例えば、波長板またはファラデー回転子を使用する)によって達成することができる。
【0052】
代わりに、前置増幅器は、回生増幅器タイプ構成を備えるキャビティ構造を含むことができる。そのようなキャビティ構造は、典型的な機械的考慮事項(キャビティの長さ)により最大パルス長を制限する可能性があるが、いくつかの実施形態では、「ホワイトセル」キャビティを使用することができる。「ホワイトセル」は、各パスに小さな角度ずれが追加されるマルチパスキャビティアーキテクチャである。入口および出口経路を提供することによって、そのようなキャビティは、入口と出口との間に非常に多数のパスを有するように設計することができ、増幅器の大きな利得と効率的な使用を可能にする。ホワイトセルの一例は、ビームがわずかにオフ軸で注入され、ミラーが傾いている共焦点キャビティであり、多くのパスの後に反射がミラーにリングパターンを作成する。注入およびミラー角度を調整することによって、パスの数を変更することができる。
【0053】
増幅器は、システムエネルギー要件を満たすのに十分な蓄積エネルギーを提供するためにも使用され、それとともに、ダイオードであるか励起されるフラッシュランプであるかにかかわらず、システムに必要とされる繰り返し率での動作を可能にするのに十分な熱管理をサポートする。動作中に生成される熱エネルギーとレーザエネルギーとの両方を、熱伝達、熱機関、冷却システム、およびビームダンプ208に向けることができる。
【0054】
増幅器は、シングルパスおよび/またはマルチパスまたはキャビティタイプのアーキテクチャで構成することができる。増幅器は、エネルギー効率に過度に関係しないシステムで使用可能なシングルパス増幅器を含むことができる。よりエネルギー効率の高いシステムの場合、次の段階に進む前に各増幅器から多くのエネルギーを抽出するようにマルチパス増幅器を構成することができる。特定のシステムに必要とされる増幅器の数は、システム要件、および各増幅器モジュールで利用可能な蓄積エネルギー/利得によって定義される。マルチパス前置増幅は、角度多重化、偏光スイッチング(波長板、ファラデー回転子)によって達成することができる。代わりに、増幅器は、回生増幅器タイプ構成を備えるキャビティ構造を含むことができる。前置増幅器に関して論じたように、出力増幅のために増幅器を使用することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、システム200の動作中に生成される熱エネルギーとレーザエネルギーとを、熱伝達、熱機関、冷却システム、およびビームダンプ208に向けることができる。代わりに、またはそれに加えて、いくつかの実施形態では、ビームダンプ208は、他の産業プロセスに有用な熱を提供するための熱伝達システムの一部でよい。さらに他の実施形態では、熱を使用して、機械的、熱電気的、または電気的な力を生成するのに適した熱機関にエネルギー供給することができる。いくつかの実施形態では、廃熱を使用して、接続された構成要素の温度を上昇させることができる。理解されるように、このアーキテクチャでは、適切な熱管理および光分離を伴ってより多くの前置増幅器および増幅器を追加することによって、レーザ光束およびエネルギーをスケーリングすることができる。冷却システムの熱除去特性の調整が可能であり、性能を調整するためにポンプ速度の増加または冷却効率の変更が使用される。
【0056】
図3は、本開示で記載されるような高速ライトバルブを収容することができる積層製造システム300を示している。
図3で見られるように、レーザ源および増幅器312は、共振ベースのライトバルブおよびレーザ増幅器、ならびに前述したような他の構成要素を含むことができる。
図3に示すように、積層製造システム300は、レーザパターン化システム310の一部として1次元または2次元の指向性エネルギーを提供できるレーザを使用する。いくつかの実施形態では、1次元パターン化は、直線状または曲線状のストリップ、ラスタ状の線、スパイラル状の線、またはその他の任意の適切な形式で指示することができる。2次元パターン化には、分離されたタイルや重複したタイル、またはレーザの強度が変化する画像を含めることができる。非正方形の境界を有する2次元画像パターンを使用することができ、重複または相互貫通画像を使用することができ、2つ以上のエネルギーパターン化システムによって画像を提供することができる。レーザパターン化システム310は、レーザ源と増幅器312を使用して、1つまたは複数の連続または断続的なエネルギービームをビーム成形光学系314に向ける。成形後、必要に応じて、ビームは、透過型ライトバルブまたは反射型ライトバルブを含むレーザパターン化ユニット316によってパターン化され、一般的に、一部のエネルギーは拒絶エネルギー処理ユニット318に向けられる。拒絶エネルギー処理ユニットは、ライトバルブのアクティブな冷却によって提供される熱を利用することができる。
【0057】
パターン化されたエネルギーは、床346の近くに焦点を合わせた2次元画像322としての一実施形態において、画像リレー320によって物品処理ユニット340に向けて中継される。床346(任意選択の壁348を有する)は、材料ディスペンサ342によって分注される材料344(例えば金属粉末)を含むチャンバを形成することができる。画像リレー320によって指示されるパターン化されたエネルギーは、溶融、融合、焼結、結合、結晶構造の変化、応力パターンへの影響、またはその他の方法で、化学的または物理的に、分注された材料344を変更して、所望の特性を有する構造を形成することができる。制御プロセッサ350は、様々なセンサ、アクチュエータ、加熱または冷却システム、モニタ、およびコントローラに接続して、レーザ源と増幅器312、ビーム成形光学系314、レーザパターン化ユニット316、および画像リレー320、およびシステム300の他の構成要素の動作を調整することができる。理解されるように、接続は有線または無線で、連続または断続的に行うことができ、フィードバック(例えば、感知された温度に応じて熱加熱を調整することができる)の機能を備えている。
【0058】
いくつかの実施形態では、ビーム成形光学系314は、レーザ源および増幅器312から受信した1つまたは複数のレーザビームをレーザパターン化ユニット316に向けて、結合、集束、発散、反射、屈折、均質化、強度の調整、周波数の調整、またはその他の方法で成形および指向させるために、非常に多様な撮像光学系を含むことができる。一実施形態では、それぞれが異なる光波長を有する複数の光ビームを、波長選択ミラー(例えば二色性)または回折要素を使用して組み合わせることができる。他の実施形態では、多面鏡、マイクロレンズ、および屈折または回折光学要素を使用して、複数のビームを均質化または組み合わせることができる。
【0059】
レーザパターン化ユニット316は、静的または動的エネルギーパターン化要素を含むことができる。例えば、レーザビームは固定または可動要素を有するマスクによって遮断することができる。画像パターン化の柔軟性と容易さを高めるために、ピクセルアドレス指定可能なマスキング、画像生成、または伝送を使用できる。いくつかの実施形態では、レーザパターン化ユニットは、単独で、または他のパターン化機構と組み合わせて、パターン化を提供するアドレス指定可能なライトバルブを含む。ライトバルブは、透過型、反射型、または透過型と反射型の要素を組み合わせて使用するものとできる。パターンは、電気的または光学的アドレス指定を使用して動的に変更できる。一実施形態では、光学的にアドレス指定された透過型ライトバルブは、バルブを通過する光の偏光を回転させるように作用し、光学的にアドレス指定されたピクセルは、光投影源によって定義されるパターンを形成する。別の実施形態では、光学的にアドレス指定された反射型ライトバルブが、読み出しビームの偏光を変更するための書き込みビームを含む。特定の実施形態では、光学的にアドレス指定されていないライトバルブを使用することができる。これらには、電気的にアドレス指定可能なピクセル要素、可動ミラーまたはマイクロミラーシステム、ピエゾまたはマイクロ作動光学系、固定マスクまたは可動マスク、またはシールド、または高強度の光のパターン化を提供できるその他の従来のシステムが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0060】
拒絶エネルギー処理ユニット318は、パターン化されず画像リレー320を通過しないエネルギーを分散、リダイレクト、または利用するために使用される。一実施形態では、拒絶エネルギー処理ユニット318は、レーザ源、ライトバルブ、および増幅器312と、レーザパターン化ユニット316との両方から熱を除去する受動または能動の冷却要素を含むことができる。他の実施形態では、拒絶エネルギー処理ユニットは、レーザパターンの定義に使用されないビームエネルギーを吸収して熱に変換するための「ビームダンプ」を含むことができる。さらに他の実施形態では、ビーム成形光学系314を使用して、拒絶レーザビームエネルギーを再利用することができる。代わりに、またはそれに加えて、拒絶ビームエネルギーを加熱またはさらなるパターン化のために物品処理ユニット340に向けることができる。特定の実施形態では、拒絶ビームエネルギーを追加のエネルギーパターン化システムまたは物品処理ユニットに向けることができる。
【0061】
一実施形態では、「スイッチヤード」スタイルの光学系を使用することができる。スイッチヤードシステムは、印刷されるパターンによる不要な光の拒絶によって生じる、積層製造システムで無駄になる光を減らすのに適している。スイッチヤードには、複雑なパターンの生成(この場合、構造化ビームまたは非構造化ビームに空間パターンが付与される平面)から一連のスイッチポイントを介した送達への複雑なパターンのリダイレクトが含まれる。各スイッチポイントは、必要に応じて入射ビームの空間プロファイルを変更できる。スイッチヤード光学系は、例えば、限定されず、光にマスクを適用するレーザベースの積層製造技術に利用することができる。有利なことに、本開示に従った様々な実施形態において、捨てられたエネルギーは、均質化された形態で、あるいは、高い電力効率または高いスループット率を維持するために使用されるパターン化された光として再利用され得る。さらに、捨てられたエネルギーを再利用および再使用して強度を高め、より難しい材料を印刷することができる。
【0062】
画像リレー320は、レーザパターン化ユニット316から直接またはスイッチヤードを介してパターン化された画像(1次元または2次元)を受信し、それを物品処理ユニット340にガイドすることができる。ビーム成形光学系314と同様の方法で、画像リレー320は、結合、集束、発散、反射、屈折、強度の調整、周波数の調整、またはその他の方法でパターン化された光を成形して指向させるための光学系を含むことができる。パターン化された光は、実質的な物理的移動を必要としない可動ミラー、プリズム、回折光学要素、または固体光学系を使用して指向させることができる。複数のレンズアセンブリのうちの1つは、倍率比を有する入射光を提供するように構成でき、レンズアセンブリは光学レンズの第1セットと光学レンズの第2セットの両方を備え、光学レンズの第2セットはレンズアセンブリから交換可能である。補償ガントリに取り付けられた1つまたは複数のミラーセットと構築プラットフォームガントリに取り付けられた最終的なミラーの回転を使用して、先行ミラーからの入射光を所望の場所に向けることができる。補償ガントリと構築プラットフォームガントリの並進運動はまた、物品処理ユニット340の先行ミラーからの入射光の距離が実質的に画像距離と同等であることを保証することができる。事実上、これにより、システムの高可用性を確保しながら、異なる材料の構築領域の場所全体で光ビームの送達サイズと強度を迅速に変更することができる。
【0063】
物品処理ユニット340は、壁付きチャンバ348および床344(総体として構築チャンバを画定する)と、材料を分散するための材料ディスペンサ342とを含むことができる。材料ディスペンサ342は、分散、除去、混合、材料のタイプや粒径のグラデーションや変化の付与、または材料の層厚の調整が可能である。この材料には、金属、セラミック、ガラス、高分子粉末、固体から液体への熱的に誘起された相変化と再び戻ることができる他の可溶材料、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。この材料にはさらに、可溶材料と不溶材料の複合材料が含まれ、いずれかまたは両方の成分を撮像リレーシステムによって選択的にターゲットにして、溶融可能な成分を溶融させる一方で、不溶材料に沿って残すか、または気化/破壊/燃焼またはその他の破壊プロセスを行わせることができる。特定の実施形態では、スラリー、スプレー、コーティング、ワイヤー、ストリップ、または材料シートを使用することができる。不要な材料は、送風機、真空システム、掃引、振動、震え、傾斜、または床346の反転を使用して、使い捨てまたは再利用のために除去することができる。
【0064】
物品処理ユニット340は、材料を扱う構成要素に加えて、3D構造を保持して支持するための構成要素、チャンバを加熱または冷却するための機構、補助または支持光学系、ならびに材料または環境条件を監視または調整するためのセンサおよび制御機構を含むことができる。物品処理ユニットは、全体または部分的に、真空または不活性ガス大気を支持して、不要な化学的相互作用を減らし、火災または爆発(特に反応性金属)のリスクを軽減することができる。いくつかの実施形態では、様々な純粋または他の大気の混合物が使用され得、Ar、He、Ne、Kr、Xe、CO2、N2、O2、SF6、CH4、CO、N2O、C2H2、C2H4、C2H6、C3H6、C3H8、i-C4H10、C4H10、1-C4H8、cic-2、C4H7、1,3-C4H6、1,2-C4H6、C5H12、n-C5H12、i-C5H12、n-C6H14、C2H3Cl、C7H16、C8H18、C10H22、C11H24、C12H26、C13H28、C14H30、C15H32、C16H34、C6H6、C6H5-CH3、C8H10、C2H5OH、CH3OH、iC4H8を含むものを含む。いくつかの実施形態では、冷媒または大きな不活性分子(六フッ化硫黄を含むがこれに限定されない)を使用することができる。選択されたパーセンテージの不活性/非反応性ガスとともに、体積(または数密度)で少なくとも約1%のHeを有するエンクロージャ大気組成を使用することができる。
【0065】
特定の実施形態では、それぞれが粉末床を保持するための構築プラットフォームを有する複数の物品処理ユニットまたは構築チャンバを、1つまたは複数の入射エネルギービームを受け取って構築チャンバに向けるように配置された複数の光学機械アセンブリと組み合わせて使用することができる。複数のチャンバにより、1つまたは複数の構築チャンバ内での1つまたは複数の印刷ジョブを同時に印刷できる。他の実施形態では、着脱可能なチャンバ側壁は、構築チャンバからの印刷された物体の取外しを簡略化することができ、粉末材料の迅速な交換を可能にする。チャンバには、調整可能なプロセス温度制御機能を装備することもできる。さらに他の実施形態では、構築チャンバは、レーザ光学系の近くに配置可能な着脱可能なプリンタカートリッジとして構成することができる。いくつかの実施形態では、着脱可能なプリンタカートリッジは、粉体を含む、または粉体供給源への取外し可能な接続を支持することができる。物品の製造後、着脱可能なプリンタカートリッジを取り外して、新しいプリンタカートリッジに交換することができる。
【0066】
別の実施形態では、1つまたは複数の物品処理ユニットまたは構築チャンバは、固定された高さに維持される構築チャンバを有することができ、一方、光学系は垂直に移動できる。レンズアセンブリの最終光学系と粉末床aの上面との間の距離は、構築プラットフォームを固定された高さに保ったまま、最終光学系を粉末層の厚さに相当する距離だけ上方にインデックスすることによって、本質的に一定に管理することができる。有利には、構築プラットフォームを垂直方向に移動させる場合と比較して、構築プラットフォームの絶えず変化する質量の正確なミクロンスケールの移動が必要ないため、大きくて重い対象物をより簡単に製造できる。通常、約0.1~0.2立方メートル(すなわち、100~200リットルを超えるか、500~1,000kgより重い)を超える体積の金属粉末を対象とする構築チャンバは、構築プラットフォームを固定された高さに保つことで最もメリットがある。
【0067】
一実施形態では、粉末床の層の一部を選択的に融解または融合して、粉末床の層の融合部分から1つまたは複数の一時的な壁を形成し、構築プラットフォーム上の粉末床の層の別の部分を含むことができる。選択された実施形態では、改善された熱管理を可能にするために、1つまたは複数の第1壁に流体通路を形成することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、積層製造システムは、ホッパ内で粉末床を構築プラットフォームから実質的に分離するために、傾斜する、反転する、および震えることができる粉末床を支持する構築プラットフォームを有する物品処理ユニットまたは構築チャンバを含むことができる。粉末床を形成する粉末状の材料は、後の印刷ジョブで再使用するためにホッパに回収され得る。粉末の回収プロセスは自動化され、粉末の排出と除去を支援するためにバキュームやガスジェットシステムも使用され得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、積層製造システムは、利用可能な構築チャンバよりも長い部品を容易に扱うように構成することができる。連続した(長い)部品を、第1ゾーンから第2ゾーンへと縦方向に順次進めることができる。第1ゾーンでは、選択した粒状材料の顆粒を結合できる。第2ゾーンでは、粒状材料の未結合の顆粒を除去することができる。連続部品の第1部分は、第2ゾーンから第3ゾーンに進むことができ、一方、連続部品の最後の部分は第1ゾーン内で形成され、第1部分は、第1部分が第1ゾーンと第2ゾーン内で占めていた横方向および横断方向の同じ位置に維持される。実際には、粒状材料および/または部品の除去のために停止する必要なく、部品コンベア上の異なる場所またはゾーンで、積層製造とクリーンアップ(例えば、未使用または未結合の粒状材料の分離および/または再生)を並行して(すなわち同時に)実行することができる。
【0070】
別の実施形態では、エンクロージャの内部とエンクロージャの外部との間のガス状物質の交換を制限するエンクロージャを使用することによって、積層製造能力を向上させることができる。エアロックは、内部と外部の間のインターフェースを提供し;動力床融合を支持するものを含む、複数の積層製造チャンバを内部に有する。ガス管理システムは、内部のガス状酸素を制限酸素濃度以下に維持し、システムで使用できる粉末のタイプや処理の柔軟性を高める。
【0071】
別の製造実施形態では、物品処理ユニットまたは構築チャンバをエンクロージャ内に収容し、構築チャンバが2,000キログラム以上の重量を有する部品を作製できるようにすることで、能力を向上させることができる。ガス管理システムは、大気レベル未満の濃度でエンクロージャ内のガス状酸素を維持することができる。いくつかの実施形態では、エアロックは、エンクロージャ内のガス環境とエンクロージャ外のガス環境の間の緩衝、およびエンクロージャとエアロックの両方の外部の場所に動作するため、車輪付き車両は、エンクロージャ内からエアロックを介して部品を搬送することができる。
【0072】
他の製造の実施形態は、粉末床からリアルタイムで粉末サンプルを収集することを含む。インゲスターシステムは、粉末サンプルのインプロセス収集と特性評価に使用される。収集は定期的に実施することができ、特性評価の結果、粉末床融合プロセスの調整が行われる。インゲスターシステムは、必要に応じて、監査、プロセス調整、またはプリンタパラメータの変更やライセンスされた粉末材料の適切な使用の確認などのアクションの1つまたは複数に使用できる。
【0073】
クレーン、リフティングガントリ、ロボットアームなどのマニピュレータ装置を使用することで、または同様に人が動かすことが困難または不可能な部品の操作を可能にする、積層製造プロセスのさらなる改善が可能であると説明されている。マニピュレータ装置は、部品上に永続的または一時的に積層製造された様々な操作点を把握し、部品の再配置や操作を可能にすることができる。
【0074】
制御プロセッサ350は、レーザ、レーザ増幅器、光学系、熱制御、構築チャンバ、およびマニピュレータ装置を含む、本明細書に記載されている積層製造システム300の任意の構成要素を制御するために接続することができる。制御プロセッサ350は、様々なセンサ、アクチュエータ、加熱または冷却システム、モニタ、およびコントローラに接続して、動作を調整することができる。制御や監視に使用される情報を提供するために、イメージャ、光強度モニタ、熱センサ、圧力センサ、またはガスセンサなどの幅広いセンサを使用できる。制御プロセッサは、単一の中央コントローラとすることも、または代わりに、1つまたは複数の独立した制御システムを含めることもできる。コントローラプロセッサ350には、製造指示の入力を可能にするインターフェースが設けられている。幅広いセンサを使用することで、品質、製造スループット、およびエネルギー効率を向上させる様々なフィードバック制御機構が可能になる。
【0075】
積層または除去製造に適した高速ライトバルブの使用を支持する製造システムの動作の一実施形態を
図4に示す。この実施形態では、フローチャート400は、記述された光学構成要素および機械構成要素によって支持される製造プロセスの一実施形態を示している。ステップ402では、床、チャンバ、またはその他の適切な支持に材料を配置する。材料は、除去製造技術を使用したレーザ切断用の金属板、または溶融、融合、焼結、結晶構造を変化させるための誘導、応力パターンの影響を受ける、またはその他の方法で化学的または物理的に積層製造技術によって変更して所望の特性を有する構造を形成することができる粉末であり得る。
【0076】
ステップ404では、パターン化されていないレーザエネルギーが、固体または半導体レーザを含むがこれに限定されない、1つまたは複数のエネルギー放射体によって放出され、その後、1つまたは複数のレーザ増幅器によって増幅される。ステップ406では、パターン化されていないレーザエネルギーを成形し、修正する(例えば、強度変調または集束)。ステップ408では、高速ライトバルブによって、このパターン化されていないレーザエネルギーをパターン化し、パターンの一部を形成していないエネルギーはステップ410で処理される(これには、廃熱への変換、パターン化されたエネルギーまたはパターン化されていないエネルギーとしての再利用、またはステップ404でレーザ増幅器を冷却することによって発生する熱の廃棄を可能にする、
図2および
図3に関して開示されたビームダンプの使用が含まれ得る)。ステップ412では、ここで1次元または2次元の画像を形成するパターン化されたエネルギーが材料に向けて中継される。ステップ414では、画像が材料に適用され、3D構造の一部が除去処理されるか、または積層的に構築される。積層製造では、画像(または異なる画像と後続の画像)が材料の最上層の必要なすべての領域に適用されるまで、これらの手順を繰り返すことができる(ループ416)。材料の最上層へのエネルギーの適用が終了したら、新しい層を適用して(ループ418)、引き続き3D構造を構築できる。これらのプロセスループは、残った余分な材料を除去または再利用できる場合、3D構造が完成するまで継続される。
【0077】
図5は、パターン化された2次元エネルギーの再使用を可能にする高速ライトバルブおよびスイッチヤードシステムを含む積層製造システムの一実施形態である。積層製造システム520は、1つまたは複数の連続または断続的なレーザビームをビーム成形光学系514に向けるレーザおよび増幅器源512を備えたエネルギーパターン化システムを有する。余剰の熱は、
図2、
図3、および
図4に関して開示されたアクティブライトバルブ冷却システムを含むことができる拒絶エネルギー処理ユニット522に伝達することができる。成形後、ビームは、共鳴ベースの材料に基づくエネルギーパターン化ユニット530によって2次元的にパターン化され、一般に、一部のエネルギーが拒絶エネルギー処理ユニット522に向けられる。パターン化されたエネルギーは、複数の画像リレー532の1つによって、1つまたは複数の物品処理ユニット534A、534B、534C、または534Dに向けて、典型的には可動のまたは固定された高さの床の近くに焦点を合わされた2次元画像として中継される。床は、粉末ホッパまたは同様の材料ディスペンサを含むカートリッジ内にあり得る。画像リレー532によって指示されるパターン化されたレーザビームは、溶融、融合、焼結、結合、結晶構造の変化、応力パターンへの影響、またはその他の方法で、化学的または物理的に、分注された材料を変更して、所望の特性を有する構造を形成することができる。
【0078】
この実施形態では、拒絶エネルギー処理ユニットは、拒絶されたパターン化されたエネルギーの再使用を可能にするために複数の構成要素を有する。レーザ増幅器およびレーザ源512からの冷却流体は、発電機524、加熱/冷却熱管理システム525、またはエネルギーダンプ526のうちの1つまたは複数に向けることができる。さらに、リレー528A、528B、および528Cは、エネルギーを発電機524、加熱/冷却熱管理システム525、またはエネルギーダンプ526にそれぞれ転送することができる。任意選択で、リレー528Cは、さらなる処理のために、パターン化されたエネルギーを画像リレー532に向けることができる。他の実施形態では、パターン化されたエネルギーを、リレー528Cによってリレー528Bおよび528Aに向け、レーザおよび増幅器源512によって提供されるレーザビームに挿入することができる。画像リレー532を使用して、パターン化された画像の再使用も可能である。画像は、1つまたは複数の物品処理ユニット534A~Dに配信するために、リダイレクト、反転、ミラーリング、サブパターン化、または他の方法で変換することができる。有利には、パターン化された光の再使用は、積層製造プロセスのエネルギー効率を改良し、いくつかの場合には床に向けられるエネルギー強度を向上させる、または製造時間を短縮することができる。
【0079】
本発明の多くの修正および他の実施形態は、上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有する当業者の頭に浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正および実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図していると理解される。また、本発明の他の実施形態は、本明細書で特に開示されていない要素/ステップがない場合にも実施できることが理解される。
【国際調査報告】