(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】特定の粒径分布を有するJAK阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20231108BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20231108BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20231108BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20231108BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20231108BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20231108BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20231108BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20231108BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K9/20
A61K47/02
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/32
A61P17/00
A61P37/08
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524663
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-19
(86)【国際出願番号】 US2021056403
(87)【国際公開番号】W WO2022087515
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516001834
【氏名又は名称】エランコ・ユーエス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Elanco US Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】スターム,スティーヴン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC18
4C076DD41
4C076EE16
4C076EE31
4C076EE38
4C076FF21
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB05
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA20
4C086ZA89
4C086ZB13
4C086ZC20
4C086ZC61
(57)【要約】
本開示は、特定の判定値及び/又は粒径分布を有する2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの組成物、それを含む医薬組成物、それを使用する方法、及びそれを作製するためのプロセスを提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含む錠剤であって、前記錠剤が5以下の判定値を有する、錠剤。
【請求項2】
前記錠剤が、3.5以下の判定値を有する、請求項1に記載の錠剤。
【請求項3】
前記実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルが、5.34°、10.68°、14.26°、16.06°、16.39°、16.48°、18.26°、18.65°、21.05°、21.76°、22.68°、又は26.75°(±0.2°2θ)でピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項1に記載の錠剤。
【請求項4】
前記錠剤がコーティングされている、請求項1に記載の錠剤。
【請求項5】
前記実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルが、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50によって特徴付けられる粒径分布を有する粒子の形態である、請求項1に記載の錠剤。
【請求項6】
前記錠剤が、1mg~20mgの実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含む、請求項1に記載の錠剤。
【請求項7】
前記錠剤が、4.8mg、6.4mg、8.5mg、又は15mgの実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含む、請求項1に記載の錠剤。
【請求項8】
実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの粒子を含む組成物であって、前記粒子が、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50によって特徴付けられる粒径分布を有する、組成物。
【請求項9】
前記実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルが、5.34°、10.68°、14.26°、16.06°、16.39°、16.48°、18.26°、18.65°、21.05°、21.76°、22.68°、又は26.75°(±0.2°2θ)でピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、リン酸カルシウム二塩基性二水和物、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、コーティング、又はそれらの任意の組み合わせを更に含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、経口剤形である、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記経口剤形が、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50によって特徴付けられる粒径分布を有する、1mg~20mgの実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記経口剤形が、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50によって特徴付けられる粒径分布を有する、4.8mg、6.4mg、8.5mg、又は15mgの実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、有効量の請求項1に記載の錠剤又は請求項8に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項15】
前記皮膚状態が、アトピー性皮膚炎又は掻痒である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記非ヒト哺乳動物がイヌである、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、特定の粒径分布を有する2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、それを調製するための医薬組成物及びプロセス、並びにそれを使用する方法、例えば、皮膚状態の治療のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際出願公開第2009/114512号は、化合物、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、トリフルオロ酢酸塩として、またリン酸塩としてのその調製物を含む、特定のJAK阻害剤を開示している。
【発明の概要】
【0003】
効果的に、安全に、かつ再現可能に使用することができる特定の粒径分布を有する2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及び工業生産のために大規模で効率的かつ再現可能に使用することができる、調製及び精製のための方法が必要である。特に、効果的に、安全に、かつ再現可能に使用することができる特定の粒径分布を有する結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及び工業生産のための大規模で効率的かつ再現可能に使用することができる、調製及び精製のための方法に対する必要性が存在する。より具体的には、効果的に、安全に、かつ再現可能に使用することができる実質的に多形的に純粋な結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及び工業生産のための大規模で効率的かつ再現可能に使用することができる、調製及び精製のための方法に対する必要性が存在する。
【0004】
特定の実施形態では、本開示は、特定の粒径分布を有する、実質的に多形的に純粋な結晶形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及びそれを作製するためのプロセスを提供する。特定の好ましい実施形態では、本開示は、特定の粒径分布を有する、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及びそれを作製するためのプロセスを提供する。特定の実施形態では、本開示は、特定の粒径分布を有する、実質的に多形的に純粋な形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及びそれを作製するためのプロセスを提供する。
【0005】
特定の実施形態では、本開示は、特定の粒径分布を有する、実質的に多形的に純粋な形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本開示は、特定の粒径分布を有する、実質的に多形的に純粋な形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本開示は、特定の粒径分布を有する、実質的に多形的に純粋な形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル及び薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0006】
特定の実施形態では、本開示は、皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、特定の粒径分布を有する、有効量の実質的に多形的に純粋な形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを投与することを含む、方法を提供する。特定の好ましい実施形態では、本開示は、皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、特定の粒径分布を有する、有効量の実質的に多形的に純粋な形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを投与することを含む、方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、特定の粒径分布を有する、有効量の実質的に多形的に純粋な形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
本開示は、本明細書に記載の2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含む錠剤を提供し、錠剤は、約5以下等の特定の判定値を有する。
【0008】
本開示は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50等の特定の粒径分布を有する2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するプロセスを提供する。
【発明の詳細な説明】
【0009】
本開示は、特定の粒径分布を有する化合物、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、本明細書で形態I、形態II、及び形態IIIとして同定されるその多形体、並びにその医薬組成物、並びに例えば、皮膚状態の治療のためのその多形体の使用方法、多形体の製造方法、並びに化合物及びその中間体の製造方法に関する。
【0010】
特定のPSD(粒径分布)及び/又は特定の判定値(AV)を有する結晶2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、様々な処理上の利点(例えば、良好な流動特性、例えば、錠剤の重量及び含量均一性を提供するため)又は治療上の利点(例えば、インビボプロファイルで好ましいPK)を提供することができる。より具体的には、本明細書に記載される形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、様々な処理利点(例えば、良好な流動特性)、生成物利点(例えば、錠剤の重量及び/又は含量均一性を提供するため)、又は治療上の利点(例えば、インビボプロファイルで好ましいPK)を提供することができる。
【0011】
1.定義
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先するであろう。好ましい方法及び材料は、以下に記載されるが、本明細書に記載される方法及び材料と同様又は同等の方法及び材料は、本発明の実践又は試験で使用することができる。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。本明細書に開示される材料、方法、及び例は、例示的のみであり、限定的であることを意図しない。
【0012】
「含む(comprise(s))」、「含む(include(s))」、「有している」、「有する」、「できる」、「含有する」という用語及びそれらの変形は、本明細書で使用される場合、追加の行為又は構造の可能性を妨げない、オープンエンドな移行句、用語、又は語であることを意図する。単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の参照を含む。本開示はまた、明示的に記載されているか否かにかかわらず、本明細書に提示される実施形態又は要素を「含む」、「~からなる」、及び「本質的に~からなる」他の実施形態を企図する。
【0013】
「約」という用語は、測定可能な数値変数に関連して使用される場合、変数の示された値、及び示された値の実験誤差内又は示された値の±10パーセント内(いずれか大きい方)にある変数の全ての値を指す。
【0014】
「許容される賦形剤」という用語は、典型的には、獣医学的組成物及び医薬組成物の調製に使用される賦形剤を指し、使用される量において純粋かつ非毒性であるべきである。許容される賦形剤は、一般に、凝集体が、活性成分のためのビヒクル又は媒体としての役割を果たすことができる、固体、半固体、又は液体の物質である。許容される賦形剤のいくつかの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences and the Handbook of Pharmaceutical Excipientsに見出され、希釈剤、ビヒクル、担体、軟膏基剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、滑剤、甘味剤、香味剤、ゲル基剤、徐放性マトリックス、安定化剤、防腐剤、溶媒、懸濁化剤、緩衝剤、乳化剤、色素、噴射剤、コーティング剤等を含む。
【0015】
「芳香族溶媒」という用語は、メチル、クロロ、ブロモ、シアノ、ニトロ、アセトからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意選択で置換されたベンゼンを指す。「芳香族溶媒」という用語は、具体的には、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、及びアセトフェノンを含む。
【0016】
「C1-5アルコール」という用語は、1~5個の炭素原子、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオールなどを有する直鎖又は分岐鎖のアルカノールを指す。
【0017】
「C1-C4アルキル」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル鎖を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどが挙げられる。
【0018】
「C2-8アルキルエーテル」という用語は、合計2~8個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキルエーテル、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、THF、2-メチルTHF、ジオキサンなどを指す。
【0019】
「C3-8酢酸アルキル」という用語は、合計3~8個の炭素を有する酢酸の直鎖又は分岐鎖アルキルエステル、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどを指す。
【0020】
「C2-5アルキルシアン化物」という用語は、合計2~5個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルシアン化物、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリルを指す。
【0021】
「C3-9アルキルケトン」という用語は、オキソ基を有し、合計3~9個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基、例えばアセトン、メチルエチルケトン、及びシクロヘキサノンを指す。
【0022】
「C5-8炭化水素」という用語は、直鎖、分岐鎖、又は環状の飽和アルキル炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどを指す。
【0023】
「5~6員の複素環」という用語は、R1及びR2が結合している酸素原子と、それらの酸素原子が結合しているホウ素とを含む、5~6員の単環式の飽和環を指す。
【0024】
「結晶化(crystallize)」、「結晶化(crystallizing)」、「結晶化(crystallization)」などの用語は、完全溶解に続いて、完全溶解を伴わない沈殿、及びスラリープロセスを指す。スラリープロセスとしては、完全溶解後の沈殿に続く結晶化プロセスの継続を包含するものが挙げられる。
【0025】
「d50」又は「dv50」という用語は、粒径分布の中位径又は中央値として知られており、累積分布の50%における粒径の値であり、例えば、Sympatec製Malvern Mastersizer又はHelosレーザー回折計などの光散乱法によって測定される。例えば、d50=10μmの場合、試料中の粒子の50%は10μmを超え、50%は10μm未満である。
【0026】
「d90」又は「dv90」という用語は、累積分布の90%における粒径の値であり、例えば、Sympatec製Malvern Mastersizer又はHelosレーザー回折計などの光散乱法によって測定される。例えば、d90=10μmの場合、試料中の粒子の90%は、10μm未満である。
【0027】
「皮膚状態」という用語には、乾癬(例えば、尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚発疹、皮膚刺激、皮膚過敏症(例えば、接触性皮膚炎又はアレルギー性接触性皮膚炎)、アレルギー性皮膚炎と関連する掻痒を含む掻痒症、及びアレルギー反応などの皮膚障害が含まれる。
【0028】
「有効量」という用語は、本発明の化合物、又は患者に単回若しくは複数回投与すると、診断若しくは治療中の患者に所望の効果をもたらす薬学的に許容されるその塩の量若しくは用量を指す。有効量は、当業者として、既知の技術の使用によって、及び類似の状況下で得られた結果を観察することによって、主治医によって容易に決定され得る。患者に対する有効量を決定する際に、限定されないが、患者の種、非ヒト哺乳動物、その大きさ、年齢、及び一般的な健康状態、関与する特定の疾患又は障害、疾患又は障害の程度若しくは関与若しくは重症度、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投与様式、投与される調製剤のバイオアベイラビリティ特徴、選択される用量レジメン、併用薬の使用、及び他の関連する状況を含め、いくつかの要因が、主治医によって考慮される。
【0029】
「患者」、「被験者」、「非ヒト哺乳動物」は、温血動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタを指す。特定の非ヒト哺乳動物は、イヌ及びネコ、また、マウス、モルモット、及びウサギなどのペット又はコンパニオンアニマルである。好ましい非ヒト哺乳動物は、イヌ及びネコである。好ましくは、非ヒト哺乳動物は、イヌである。特に好ましい非ヒト哺乳動物は、イヌである。
【0030】
「塩」という用語は、獣医学的又は薬学的に許容される有機酸及び塩基、又は無機酸及び塩基の塩を指す。かかる塩は、当該技術分野において周知であり、Journal of Pharmaceutical Science,66,2-19(1977)に記載されているものを含む。一例は、塩酸塩である。本明細書で使用される用語は、トリフルオロ酢酸塩及びリン酸塩を明示的に除外する。
【0031】
「実質的に多形的に純粋な」という用語は、90%超、好ましくは97%超、より好ましくは99%超、及び更により好ましくは99.5%超の多形性純度を指す。
【0032】
「治療すること(treating)」又は「治療するために(to treat)」という用語は、既存の症状又は疾患の進行又は重症度を抑制し、遅らせ、停止させ、又は逆行させることを含む。
【0033】
「水分活性」という用語は、p/p*に等しく、式中、pは溶液中の水の部分蒸気圧であり、p*は同じ温度での純水の部分蒸気圧である。
【0034】
本明細書の数値範囲の列挙のために、同じ程度の精度でその間に介在する各数が、明示的に企図される。例えば、92~97の範囲について、92及び97に加えて、数字93、94、95及び96が企図され、数字92.1、92.2、92.3、92.4、92.5、92.6等~97.0が当該範囲として企図される。
【0035】
本開示は、特定の実施形態又は態様を参照する。しかしながら、本開示の範囲内では、実施形態及び/又は態様の様々な特性は、本明細書の残りの部分、実施例、特許請求の範囲などに開示される任意の特性と一緒に組み合わされ得る。
【0036】
2.化合物
本発明の化合物としては、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの結晶形態I、II、及びIIIが挙げられる。2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの結晶形態は、医薬製剤の製造の効率及び再現性、並びに好適な安定性を有する医薬組成物を提供するために所望される。
【0037】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、2-[1-シクロプロピルスルホニル-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリル及び2-(1-シクロプロピルスルホニル-3-ピラゾール-1-イル-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン アゼチジン-3-イル)アセトリルの別名としても既知であり、以下の式(I)の化合物により明確化される:
【化1】
【0038】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載の結晶形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルである。結晶形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、無水物である。
【0039】
別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載の結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルである。結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルもまた無水物である。
【0040】
別の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、本明細書に記載の結晶形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルである。結晶形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、水和形態である。
【0041】
形態I、II、及びIII、並びに2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの他の多形形態は、X線回折によって特徴付けられ得る。ピークは、銅源、一次ビームモノクロメータ、及び位置感知検出器を装備した粉末回折計を使用して測定した。入射ビームは、1°発散スリットを使用してコリメートされた。ソースは、40kV及び40mAで動作させた。X線粉末回折データは、0.02度のステップ幅及び37秒のステップ時間を使用して、2.5度~50度まで収集した。代替的に、銅源、一次ビームモノクロメータ、及び位置感知検出器を装備した粉末回折計を使用して、ピークを測定した。入射ビームは、1°発散スリットを使用してコリメートされた。ソースは、40kV及び40mAで動作させた。X線粉末回折データは、0.02度のステップ幅及び12秒のステップ時間を使用して、1.5度~50度まで収集した。
【0042】
X線粉末回折ピークの相対強度は、好ましい配向及び粒径及び試料調製等の他の要因に依存し得ることが認識される。好ましい配向及び/又は粒径の効果が存在する場合、ピーク強度は変化し得るが、多形体の特徴的なピーク位置は変化しない。例えば、The United States Pharmacopoeia #24,National Formulary#19,pages1843-1844(2000)を参照のこと。したがって、形態I又は形態II又は形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの試料は、試料を瑪瑙モルタル及び乳棒又は他の措置で粉砕するなど、そのような要因を緩和するための処理を必要とし得る。回折ピークの相対強度の違いは、獲得したパターンが形態I又は形態II又は形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルと一致することを妨げないことが理解される。
【0043】
更に、任意の所与の結晶形態について、角ピーク位置がわずかに変化し得ることも、結晶学技術分野において周知である。例えば、ピーク位置は、試料の変位、又は試料が分析される温度若しくは相対湿度の変化に起因して変化し得る。この場合において、2θにおける±0.2°のピーク位置変動は、本開示の結晶形態の明確な同定を妨げることなく、これらの潜在的な変化を考慮に入れるであろう。
【0044】
形態I、II、又はIII 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルはまた、示差走査熱量測定によって特徴付けられ得る。DSCは、閉じた(密閉された)金るつぼ又はピンホールを備えたアルミニウムパン内において、周囲条件又はN2流れ(3~10分間)の下で充填された試料、-50℃~300℃の10℃/分の加熱速度で実行することができる。
【0045】
形態I
結晶形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、(最大ピークの約10%を超える相対強度、Io/I100%)を有する度2θ(°2θ)で、次の特徴的なピークを有することが見出された:12.72°(43.1%)、14.04°(61.3%)、17.56°(20.8%)、20.33°(87.4%)、24.50°(100%)、及び25.83°(94.9%)(±0.2°2θ)。
【0046】
本開示は、12.72°、14.04°、17.56°、20.33°、24.50°、又は25.83°2θ(±0.2°2θ)でピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実質的に多形的に純粋な形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する。より具体的には、本開示は、12.72°及び24.50°(±0.2°2θ)にピークを含むか、20.33°及び24.50°(±0.2°2θ)にピークを含むか、又は12.72°及び20.33°(±0.2°2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実質的に多形的に純粋な形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する。
【0047】
本明細書で使用される場合、「形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル」という用語は、「実質的に多形的に純粋な形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル」という用語を含む。
【0048】
様式II
結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、(最大ピークの約10%を超える相対強度、Io/I100%)を有する度2θ(°2θ)で、次の特徴的なピークを有することが見出された。5.34°(16.2%)、10.68°(26.2%)、14.26°(20.8%)、16.06°(13.5%)、16.39°(17.9%)、16.48°(18.6%)、18.26°(19.5%)、18.65°(43.4%)、19.03°(100.0%)、21.05°(10.2%)、21.15°(9.9%)、21.45°(9.0%)、21.76°(20.5%)、22.45°(9.6%)、22.68°(22.5%)、23.23°(11.1%)、23.72°(12.3%)、24.90°(11.7%)、25.08°(9.2%)、26.75°(30.7%)、31.18°(10.1%)、(±0.2°2θ)。
【0049】
本開示は、5.34°、10.68°、14.26°、16.06°、16.39°、16.48°、18.26°、18.65°、19.03°、21.05°、21.76°、22.68°、又は26.75°(±0.2°2θ)でピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実質的に多形的に純粋な形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する。より具体的には、本開示は、18.65°及び10.68°(±0.2°2θ)にピークを含むか、又は18.65°及び21.76°(±0.1°2θ)にピークを含むか、又は18.65°及び22.68°(±0.1°2θ)にピークを含むか、26.75°及び21.76°(±0.2°2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実質的に多形的に純粋な形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル」という用語は、「実質的に多形的に純粋な形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル」という用語を含む。
【0051】
形態III
結晶形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、(最大ピークの約10%を超える相対強度、Io/I100%)を有する度2θ(°2θ)で、次の特徴的なピークを有することが見出された。11.08°(62.3%)、12.32°(15.9%)、13.28°(13.7%)、14.06°(15.3%)、14.73°(32.8%)、17.86°(16.9%)、18.06°(46.4%)、18.27°(18.1%)、18.51°(35.2%)、18.91°(10.9%)、20.36°(15.8%)、21.48°(12.7%)、22.24°(26.9%)、22.69°(100%)、23.40°(10.2%)、24.76°(18.8%)、25.48°(55.4%)、25.97°(12.6%)、26.70°(12.5%)、28.04°(12.8%)、(±0.2°2θ)。
【0052】
本開示は、11.08°、14.73°、18.06°、18.27°、18.51°、22.24°、22.69°、24.76°、25.48°、又は28.04°(±0.2°2θ)でピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実質的に多形的に純粋な形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する。より具体的には、本開示は、11.08°及び22.69°(±0.2°2θ)にピークを含むか、14.73°及び22.69°(±0.2°2θ)にピークを含むか、22.69°及び25.48°(±0.2°2θ)にピークを含むか、11.08°及び18.06°(±0.2°2θ)にピークを含むか、又は11.08°及び25.48°(±0.2°2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、実質的に多形的に純粋な形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル」という用語は、「実質的に多形的に純粋な形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル」という用語を含む。
【0054】
当業者は、化合物が互変異性体として存在し得ることを理解するであろう。本発明の化合物の全ての互変異性体形態は、本開示の範囲内であることが企図される。
【0055】
本発明の化合物はまた、優位な原子質量の少なくとも1つの原子が、同一の原子番号を有するが、優位な原子質量とは異なる原子質量を有する原子によって置き換えられる、全ての同位体変化も含む。同位体変化(例えば、重水素、2H)の使用は、より大きな代謝安定性を提供し得る。加えて、本発明の化合物の特定の同位体変化は、薬物及び/又は基質組織分布研究において有用であり得る放射性同位体(例えば、トリチウム、3H、又は14C)を組み込んでもよい。11C、18F、15O、及び13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、陽電子放出トポグラフィー(PET)研究において有用であり得る。
【0056】
3.結晶形態を作製するためのプロセス
形態Iプロセス
結晶形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、制御条件下で結晶化することによって調製され得る。本開示はまた、アセトンとヘプタンとの混合物から抗溶媒として結晶化することを含む、実質的に多形的に純粋な結晶形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するプロセスを提供する。好ましい実施形態では、形態I 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、形態III試料の脱水によっても得られ、典型的には、真空下で約40℃~約80℃の温度で加熱される。
【0057】
形態IIプロセス
結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、溶媒又は溶媒の混合物からの結晶化により、制御された条件下で結晶化することによって調製され得る。本開示はまた、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するためのプロセスであって、溶媒、又は水を更に含有し、0.7未満の水分活性を有する溶媒の混合物から結晶化することを含む、プロセスを提供する。実際には、好適な溶媒は、C1-5アルコール、C2-8アルキルエーテル、C2-8酢酸アルキル、C2-5シアン化アルキル、C3-9アルキルケトン、及び芳香族溶媒からなる群から選択され、各々が、約0.7未満の水分活性を有する。
【0058】
好ましい実施形態では、本開示はまた、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するプロセスであって、溶媒、又は水を更に含有し、0.5未満の水分活性を有する溶媒の混合物から結晶化することを含む、プロセスを提供する。
【0059】
反溶媒の使用は、有利であり得る。この文脈で使用される場合、「反溶媒」とは、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルが、選択された溶媒と比較して有意に可溶性が低い溶媒を指す。好ましくは、反溶媒を使用する場合、選択された溶媒と混和性である。反溶媒を使用してもよいが、選択された抗溶媒が、所望のレベルを超える水分活性を増加させないように注意しなければならない。
【0060】
実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを提供する水分活性は、温度依存性であることが理解される。結晶化の最終状態のより高い温度は、より高い水分活性に耐えることができる。したがって、約0.7の水分活性は、約40℃を超える結晶化の最終状態の温度で有効である。
【0061】
低温では回収率が高くてもよいため、好ましい実施形態では、本開示はまた、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するためのプロセスであって、溶媒、又は0.5未満の水分活性を有する溶媒の混合物から結晶化することを含む、プロセスを提供する。典型的には、約0.5の水分活性は、約25℃未満の結晶化の最終状態の温度で有効である。
【0062】
好ましい溶媒は、C1-5アルコール及びC2-5シアン化アルキルからなる群から選択され、各々が、約0.7未満の水分活性を有する。更に好ましい溶媒は、C1-5アルコール及びC2-5シアン化アルキルからなる群から選択され、各々が、約0.5未満の水分活性を有する。
【0063】
一実施形態において、本開示は、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するプロセスであって、0.7未満の水分活性を有する水を更に含むアセトニトリルから結晶化することを含む、プロセスを提供する。
【0064】
別の実施形態では、本開示は、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するプロセスであって、0.5未満の水分活性を有する水を更に含むアセトニトリルから結晶化することを含む、プロセスを提供する。
【0065】
本開示は、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するプロセスであって、水を更に含むアセトニトリルから結晶化することを含む、プロセスを提供する。望ましくない水和結晶形態の形成を避けるために注意する必要がある。したがって、水を更に含むアセトニトリルから結晶化するための好ましい実施形態は、8~3水に対する92~97アセトニトリルのv/v比を利用し、より好ましくは、5~3水に対する95~97アセトニトリルのv/v比で水を更に含むアセトニトリルから結晶化する。96:4(v/v)アセトニトリル/水の使用は、実際には、約20℃未満の温度で最も好ましい体積効率を有することが見出されている。
【0066】
したがって、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するための更に好ましいプロセスは、約4水に対する約96アセトニトリルのv/v比で水を更に含むアセトニトリルから結晶化する。
【0067】
任意選択で、結晶化は、形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルで播種されてもよい。
【0068】
溶液及びスラリー化技術からの沈殿による結晶化は、本プロセスの範囲内であることが企図される。結晶化が完全溶解を伴う場合、0.2℃/分~0.02℃/分の速度でゆっくり冷却することが好ましい。形態IIを与えるための結晶化は、完全な溶解を必要としない。スラリープロセスを使用することができる。スラリーは、完全に溶解せずに処理することによって、又は完全に溶解してから、初期沈殿後に処理することによって形成することができる。スラリープロセスでは、体積は、易流動性スラリーを提供するのに十分でなければならない。溶媒の体積は重要ではないが、便宜上、最小限に抑える必要がある。使用される溶媒の水分活性は、水和した出発物質から放出され得る水を含む水を考慮に入れなければならない。任意選択で、スラリー結晶化プロセスは、形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルで播種されてもよい。
【0069】
一実施形態では、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含有する非形態IIを、スラリーによって、約50℃以上の温度で結晶化し、任意選択で冷却して、最終生成物を回収する。別の実施形態では、非形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、溶媒からのスラリーによって、約室温の温度で結晶化される。任意選択で、結晶化は、形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルで播種されてもよい。そのようなスラリープロセスは、一般に、2~14日を必要とする。
【0070】
形態IIIプロセス
結晶形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルは、溶媒又は溶媒の混合物からの結晶化により、制御された条件下で結晶化することによって調製され得る。本開示はまた、実質的に多形的に純粋な結晶形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するためのプロセスであって、溶媒、又は水を更に含有し、0.9を超える水分活性を有する溶媒の混合物から結晶化することを含む、プロセスを提供する。実際には、好適な溶媒は、水、C1-5アルコール、C2-8酢酸アルキル、C2-5シアン化アルキル、及びC3-9アルキルケトンからなる群から選択され、各々が、約0.9を超える水分活性を有する。
【0071】
反溶媒の使用は、有利であり得る。この文脈で使用される場合、「反溶媒」とは、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルが、選択された溶媒(複数可)と比較して有意に可溶性が低い溶媒を指す。好ましくは、反溶媒を使用する場合、選択された溶媒と混和性である。
【0072】
反溶媒を使用してもよいが、選択された反溶媒が所望のレベルを下回る水分活性を減少させないように注意しなければならない。
【0073】
好ましい溶媒は、約0.9を超える水分活性を有するC1-5アルコールからなる群から選択される。
【0074】
溶液及びスラリー化技術からの結晶化は、本プロセスの範囲内であることが企図される。結晶化が完全溶解を伴う場合、0.2℃/分~0.02℃/分の速度でゆっくり冷却することが好ましい。形態IIIを与えるための結晶化は、完全な溶解を必要としない。スラリープロセスを使用することができる。スラリーは、完全に溶解せずに処理することによって、又は完全に溶解してから、初期沈殿後に処理することによって形成することができる。スラリープロセスでは、体積は、易流動性スラリーを提供するのに十分でなければならない。溶媒の体積は重要ではないが、便宜上、最小限に抑える必要がある。任意選択で、スラリー結晶化プロセスを、形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルで播種されてもよい。
【0075】
一実施形態では、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含有する非形態IIIは、約室温の温度で0.9を超える水分活性を有する溶媒からのスラリーによって結晶化される。任意選択で、結晶化は、形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルで播種されてもよい。そのようなスラリープロセスは、一般に、2~10日を必要とする。
【0076】
形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを乾燥させる際には、形態Iへの転換を避けるために注意が必要であり、好ましくは20℃未満の温度で真空下で行う。
【0077】
4.合成方法
本開示は、スキームAに示される、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを作製するためのプロセスを提供する。
【化2】
【0078】
スキームA、ステップ1において、式(1)の化合物を、好適な触媒の存在下で、式(2)の化合物と反応させて、式(3)の化合物を得る。式(1)の化合物は、式中、Xが、トシル酸、トリフラート(triflate)、クロロ、ブロモ、及びヨードからなる群から選択され、Pgが、保護基である、式である。実際には、式中、Xがブロモ又はクロロである式(1)の化合物が好ましく、クロロが更に好ましい。様々な保護基が好適である。適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定され得る。保護基の化学的性質は、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,Wiley & Sons,Inc.,New York(1999)に見出すことができる。例えば、t-BOC、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル、及びN-ピバロイルオキシメチルは、ほんの数例を挙げると、有用である。実際には、t-BOC基が好ましい。式(2)の化合物は、式中、R1及びR2が、水素及びC1-6アルキルからなる群から独立して選択される、又はR1及びR2は、それらが結合する酸素原子及びホウ素原子と一緒に、5~6員の複素環を形成し、これは、1、2、3、又は4つのC1-4アルキル基で任意選択で置換される。当業者によって理解されるように、ステップ1で示される反応は、周知の鈴木反応である。様々な好適な触媒が利用可能である。ニッケル触媒及びパラジウム触媒の両方が有用であるが、パラジウム触媒が好ましい。いくつかの好適なパラジウム(0)及びパラジウム(II)触媒は、当該技術分野で既知である。例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン、及びジクロロメタン[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1:1)。
【0079】
反応は、典型的には、多種多様な有機溶媒を含む溶媒で実施される。溶媒は、水を含有し得る。例えば、好適な溶媒としては、1,4-ジオキサン、THF、1-ブタノール、1,2-ジメトキシエタン(DME)、2-プロパノール、トルエン、若しくはエタノール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。典型的なパラジウム触媒は、約0.01~約0.1当量で使用される。
【0080】
反応は、塩基の存在下で実施される。有機塩基及び無機塩基の両方を使用することができ、例えば、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩、並びに塩基、例えば炭酸セシウムが使用される。反応は、典型的には、約40℃~約100℃の温度で行われ、一般的には、1~18時間を必要とする。
【0081】
スキームAのステップ2からの濾過され、乾燥された化合物(I)のための所望の粒径は、例えば、ループスタイルのジェットミルを使用して達成されてもよい。ジェットミルは、例えば、10psiのベンチュリ及びミル差圧、並びに9.0~9.6kg/時の材料送り速度で、窒素下で実施されてもよい。
【0082】
5.組成物
本開示は、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩を含む組成物を提供する。組成物は、化合物の粒子を含んでもよく、組成物中の粒子は、特定の粒径分布を有する。
【0083】
本化合物は、低用量でも治療上の利益を提供する。少量の化合物を単位用量形態で均一に分配することは問題である。これは、例えば、単位用量形態が、より小さい動物を処置する場合のように、更に分割され得る場合、特に問題である。本化合物が、例えば、PSDを制御するなどの、本明細書に記載の方法によって、単位用量形態内に効果的に分散され得ることが、驚くべきことに見出されている。
【0084】
投薬単位の均一性は、米国薬局方<905>に従って評価することができる。結果は判定値(AV)で表される。本開示は、本化合物を含む、錠剤などの経口単位用量形態を提供する。錠剤は、本明細書に概説される他の物質を含んでもよい。錠剤は、本明細書に記載されるようにコーティングされ得る。本錠剤は、約5以下、約4.5以下、約4以下、約3.5以下、約3以下のAVを有する。
【0085】
本錠剤は、以下の方法に従ってAVを計算する目的で、アイソクラティック溶出によってUHPLC-UV法を介してアッセイすることができる。なお、材料や設備は例として挙げている。同様の品質のものを使用することができる。
【表1】
【表2】
*形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル
以下の機器を例に挙げる。他のサプライヤーから提供された同様の品質の機器も使用され得る。
【表3】
濃度が維持されている限り、全ての溶液を調整することができる。
1.移動相緩衝液:0.1%リン酸、pH3.0
2.移動相:移動相緩衝液中の20%アセトニトリル。
3.希釈剤:水中90%アセトニトリル
4.含量均一性のための作業標準溶液-移動相緩衝液中の6.0μg/mL形態II参考物質の溶液を調製する。
試料溶液
10ユニット準備する
1.表Aに従ってフラスコサイズを選択する。
【表4】
2.1錠をフラスコに入れる。
3.水のフラスコの体積の約10%を追加する。錠剤が完全に崩壊するまで超音波処理する。
4.アセトニトリル及び超音波処理物の追加70%を追加する。
5.室温まで冷却した後、アセトニトリルで容積に希釈する
6.このストック試料溶液1.0mLを対応するサイズの容積フラスコ(表Aを参照)に移し、移動相緩衝液で容積に希釈する。
7.アリコートをHPLCバイアル(作業試料溶液)に濾過する。
8.HPLCシステムに注入する
【表5】
計算
形態IIの含量を、公表された含量の%で評価する。
10個体についてUSP<905>による含量均一性の算出を行う
【0086】
本開示は、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、又はその塩の粒子を含む組成物であって、組成物中の粒子は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50によって特徴付けられる粒径分布を有する、組成物を提供する。
【0087】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩の粒子を含む組成物であって、組成物中の当該粒子が、特定の粒径分布を有し、当該技術分野において既知の方法により調製され得る(例えば、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩のサイズ縮小又は微粉化は、従来のいずれかのミル、例えば、湿式粉砕、ジェットミル、ボールミル、コロイドミル、グラインディングミル、ローラーミル、インパクトミル、クライオミル、若しくは好ましくは湿式粉砕及びジェットミルを使用して行うことができる)。特定の実施形態において、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩は、任意の好適な水性、非水性又は有機溶媒(例えば、油)中で湿式粉砕され得る。特定の実施形態において、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩は、乾式粉砕され得る。特定の実施形態において、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩は、ジェットミルされ得る。
【0088】
6.医薬組成物
実際には、本化合物は、通常、組成物の形態、すなわち、少なくとも1つの許容される賦形剤との混合物で投与される。任意の許容される賦形剤の割合及び性質は、選択された化合物の性質、選択された投与経路、並びに獣医学及び薬学分野における標準的な診療によって決定される。
【0089】
本開示は、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩と、許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物を提供する。組成物は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50の粒径分布を有する化合物の粒子を含んでもよい。好ましい実施形態では、本開示は、結晶形態I又は形態II又は形態III 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル及び許容される賦形剤の粒子を含む医薬組成物であって、組成物中の粒子は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50の粒径分布を有する、医薬組成物を提供する。別の好ましい実施形態では、本開示は、結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及び少なくとも1つの許容される賦形剤の粒子を含む医薬組成物であって、組成物中の粒子は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50の粒径分布を有する、医薬組成物を提供する。別の好ましい実施形態において、本開示は、実質的に多形的に純粋な結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、及び少なくとも1つの許容される賦形剤の粒子含む医薬組成物であって、組成物中の粒子は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50の粒径分布を有する、医薬組成物を提供する。
【0090】
本組成物は、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩を含む錠剤の形態であってもよい。錠剤は、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩のAVが5以下、4.5以下、4以下、3.5以下、3以下であってもよい。
【0091】
かかる処置を必要とする被験者の処置を実施する際に、本組成物は、化合物を生物学的に利用可能にする任意の形態及び経路で投与され得る。
【0092】
本組成物は、経口、特に錠剤及びカプセルを含む様々な経路によって投与され得る。他の投与経路には、非経口経路、より具体的には、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、経皮的、鼻腔内、直腸内、膣内、眼内、局所的、舌下、及び口腔内、腹腔内、脂肪内、髄腔内、並びに例えばカテーテル又はステントによる局所送達が挙げられる。
【0093】
当業者は、選択された組成物の特定の特徴、処置される障害又は状態、障害又は状態の段階、並びに他の関連する状況に応じて、適切な投与形態及び投与経路を容易に選択することができる。本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、小袋(カシェー)、紙、トローチ剤、ウエハース、エリキシル、軟膏、経皮パッチ、エアロゾル、吸入剤、坐剤、ドレンチ、溶液、注射、及び懸濁液の形態で、患者に投与され得る。
【0094】
一実施形態において、組成物は、錠剤など経口投与のために適合される。一実施形態において、組成物は、経口投与のために適合され、例えば、経口投与のために適合されたチュアブル製剤などに適合される。
【0095】
本組成物は、獣医学及び薬学分野において周知の様式で調製され、活性成分として本化合物のうちの少なくとも1つを含む。本組成物中の本開示の化合物の量は、その特定の形態に応じて変化してもよく、好都合には、単位用量形態の重量の1%~約50%であり得る。本組成物は、好ましくは、単位用量形態で製剤化され、各用量は、典型的には、約0.25mg~約20mgの本発明の化合物を含有する。例えば、約1mg~約20mg、約2mg~約17mg、約2.4mg~約15mgである。治療投薬量に影響を与えるように、1回以上の単位用量形態をなしていてもよい。
【0096】
本組成物は、経口剤形であってもよい。好ましくは、本化合物を2.4mg、3.6mg、4.8mg、5.4mg、6.4mg、8.5mg、15mg、又は16mg含む。特定のAV及び/又はPSDを有する本化合物を4.8mg、6.4mg、8.5mg、又は15mg含む経口剤形が好ましい。
【0097】
本経口剤形は、錠剤であってもよい。本錠剤は、好ましくはコーティングされている。例えば、コーティングは、本明細書における意図された用途に許容される市販のコーティング混合物から選択されてもよい。1つの好ましいコーティング混合物は、Colorcon GmbH,Buchwiese 18D-65510 Idstein,Germanyから入手可能なOpadry(商標)である。
【0098】
本組成物は、好ましくは、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、リン酸カルシウム二塩基性二水和物、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、コーティング、又はそれらの任意の組み合わせを含む。本組成物は、好ましくはアルファ化デンプンを含む。
【0099】
7.使用方法
本開示は、皮膚状態を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、有効量の本化合物又は組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0100】
本開示は、皮膚状態(例えば、乾癬(例えば、皮膚障害、例えば、尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚発疹、皮膚刺激、皮膚過敏症(例えば、接触性皮膚炎又はアレルギー性接触性皮膚炎)、アレルギー性皮膚炎と関連する掻痒を含む掻痒、及びアレルギー反応)を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、有効量の本明細書に開示される組成物を投与することを含む、方法を提供する。好ましい非ヒト哺乳動物は、イヌである。特定の実施形態では、イヌは、少なくとも9ヵ月齢、又は少なくとも12ヵ月齢である。
【0101】
好ましい実施形態では、本開示は、アトピー性皮膚炎を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、有効量の本明細書に開示される組成物を投与することを含む、方法を提供する。好ましい非ヒト哺乳動物は、イヌである。特定の実施形態では、イヌは、少なくとも9ヵ月齢、又は少なくとも12ヵ月齢である。
【0102】
好ましい実施形態では、本開示は、アレルギー性皮膚炎と関連する掻痒を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、有効量の本明細書に開示される組成物を投与することを含む、方法を提供する。好ましい非ヒト哺乳動物は、イヌである。特定の実施形態では、イヌは、少なくとも9ヵ月齢、又は少なくとも12ヵ月齢である。
【0103】
特定の実施形態では、本開示は、皮膚状態(例えば、乾癬(例えば、尋常性乾癬)、アトピー性皮膚炎、皮膚発疹、皮膚刺激、皮膚過敏症(例えば、接触性皮膚炎又はアレルギー性接触性皮膚炎)、アレルギー性皮膚炎と関連する掻痒を含む掻痒、及びアレルギー反応などの皮膚障害)を治療する方法であって、それを必要とする非ヒト哺乳動物に、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル又はその塩を含む、有効量の本明細書に開示される組成物を投与することを含む、方法を提供する。組成物は、15~30μmのd50、50~80μmのd90、80μm以下のdv90、及び30μm以下のdv50の粒径分布を有する化合物の粒子を含む。組成物は、本明細書に記載されるようなAVを有し得る。好ましい非ヒト哺乳動物は、イヌである。特定の実施形態では、イヌは、少なくとも9ヵ月齢、又は少なくとも12ヵ月齢である。
【0104】
本発明の化合物の有効量は、0.25mg~100mgの範囲であってもよい。具体的な量は、当業者によって決定することができる。これらの用量は、約0.5kg~約80kgの質量を有する被験者に基づいているが、診断医は、質量がこの重量範囲外になる被験者のための適切な用量を決定することができるであろう。有効量は、例えば、0.2mg~1.2mg/kgの患者、0.4mg~1.0mg/kgの患者、0.6mg~0.9mg/kgの患者、0.8mg/kgの患者の範囲であり得る。投薬レジメンは、1日1回、1日2回、週1回、又は月1回の投与であり得る。
8.実施例
以下の実施例は、本発明を例示するために提供されており、いかなる方式でも限定することを意図していない。
【0105】
実施例1
2-[1-(シクロプロピルスルホニル-3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリル
2-(1-シクロプロピルスルホニルアゼチジン-3-イリデン)アセトニトリル(850g)及び4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(874g)をアセトニトリル(2.6L)中で組み合わせた。1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック-7-エン(65g)を添加し、混合物を70℃まで加熱した。2.5時間後、反応混合物を約2時間にわたって周囲温度まで冷却した。水(5.2L)を約1時間かけて混合物にゆっくりと添加し、混合物を約3時間かけて撹拌した。形成された固体を濾過によって収集し、約24時間、真空中で45℃で乾燥させて、2-[1-(シクロプロピルスルホニル-3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリルを得た。
【0106】
実施例2
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル
【0107】
リン酸カリウム(829g)を水(1L)と混合し、周囲温度まで冷却した。THF(2L)を添加した。4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン(200g)を添加し、続いてジ-tert-ブチルジカーボネート(344g)を添加した。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。反応混合物を窒素ガスで60分間スパージした。2-[1-(シクロプロピルスルホニル-3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリル(562g)及びPd-134(6.6g)を添加し、反応温度を60℃まで上げた。約2時間後、水層を分離し、シリカチオール(40g)を添加し、反応物を60℃で18時間撹拌した。反応混合物を60℃で濾過し、次いで濾液を撹拌して10~20℃まで冷却し、固体を得て、当該固体を濾過によって収集し、冷THFですすいだ後、40~50℃で2時間真空下で乾燥させ、tert-ブチル4-[1-[3-(シアノメチル)-1-シクロプロピルスルホニル-アゼチジン-3-イル]ピラゾール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(540g)を得た。
【0108】
上記(540g)で得られたtert-ブチル4-[1-[3-(シアノメチル)-1-シクロプロピルスルホニル-アゼチジン-3-イル]ピラゾール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-カルボキシレートを、n-ブタノール(3L)及び水(770mL)と混合し、90℃まで加熱した。6時間後、反応物を30分以内に80℃まで冷却し、次いで80℃で30分間撹拌した後、6時間にわたって20℃まで冷却し、10~20℃で16時間撹拌して固体を得、これを濾過して表題化合物(湿ったケーキとして)460gを得た。
【0109】
実施例3
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル
【0110】
リン酸カリウム(829g)を水(1L)と混合し、周囲温度まで冷却した。THF(2L)を添加した。4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン(200g)を添加し、続いてジ-tert-ブチルジカーボネート(344g)を添加した。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。反応混合物を窒素ガスで60分間スパージした。2-[1-(シクロプロピルスルホニル-3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリル(562g)及びPd-134(6.6g)を添加し、反応温度を60℃まで上げた。約2時間後、水層を分離し、シリカチオール(40g)を添加し、反応物を60℃で18時間撹拌した。反応混合物を60℃で濾過し、次いで濾液を撹拌して10~20℃まで冷却し、固体を得て、当該固体を濾過によって収集し、冷THFですすいだ後、40~50℃で2時間真空下で乾燥させ、tert-ブチル4-[1-[3-(シアノメチル)-1-シクロプロピルスルホニル-アゼチジン-3-イル]ピラゾール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-カルボキシレート(525g)を得た。
【0111】
上記(540g)で得られたtert-ブチル4-[1-[3-(シアノメチル)-1-シクロプロピルスルホニル-アゼチジン-3-イル]ピラゾール-4-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-カルボキシレートを、n-ブタノール(3L)及び水(770mL)と混合し、90℃まで加熱した。6時間後、反応物を30分以内に80℃まで冷却し、次いで80℃で30分間撹拌した後、6時間にわたって20℃まで冷却し、10~20℃で16時間撹拌して固体を得、これを濾過して表題化合物(湿ったケーキとして)454gを得た。
【0112】
実施例4
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0113】
実施例2及び3の湿ったケーキ(約907g)をアセトニトリル(4L)中で混合し、60℃で2時間撹拌した。反応混合物を6時間かけて20℃まで冷却し、次いで、20℃で12時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、アセトニトリルですすぎ、50~60℃で24時間真空下で乾燥させて、表題化合物(695g)を得た。
【0114】
実施例5
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態I
【0115】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(104.1mg)をアセトン(8mL)と混合し、55℃まで加熱した。30分後、反応混合物を0.02℃/分の速度で30℃の温度まで冷却し、次いで0.1℃/分の速度で5℃の温度まで冷却し、同時にヘプタン(12mL)を2.94mL/時間の速度で添加して、固体を得、当該固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(79.5mg)を得た。
【0116】
実施例6
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0117】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(152.4mg)をアセトニトリル(8.1mL)と混合し、80℃まで加熱した。30分後、反応混合物を0.05℃/分の速度で5℃の温度まで冷却して、固体を得、当該固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(93.4mg)を得た。
【0118】
実施例7
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0119】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(157.8mg)をアセトニトリル/水96:4(v/v)(4.2mL)と混合し、80℃まで加熱した。30分後、反応混合物を0.05℃/分の速度で5℃の温度まで冷却して、固体を得、当該固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(89.4mg)を得た。
【0120】
実施例8
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0121】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(5g)をアセトニトリル/水96:4(v/v)(100mL)と混合し、80℃まで加熱した。約75分後、反応混合物を0.20℃/分の速度で70℃の温度まで冷却し、次いで種子(0.25gの2つの部分)を添加し、0.05℃/分の速度で8℃の温度まで冷却を継続して固体を得た。約6時間後、固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(4.88g)を得た。
【0122】
実施例9
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0123】
(2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(20.6mg)を、約0.5の水分活性を有する4:1(v/v)メタノール/水(0.3mL)と混合し、25℃で4日間撹拌し、4:1(v/v)メタノール/水(0.5mL)を追加で添加し、25℃で6日間撹拌し続け、次いで、濾過遠心分離(3分、5000rpm、0.2μmのPVDF膜)により固体を収集し、表題化合物を得る。
【0124】
実施例10
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0125】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(10g)をアセトニトリル/水96:4(v/v)(250mL)と混合し、72℃まで加熱した。約60分後、反応混合物を0.20℃/分の速度で65℃の温度まで冷却し、次いで種子(0.10g)を添加し、0.035℃/分の速度で35℃の温度まで冷却を継続して固体を得、次いで0.125℃/分の速度で5℃の温度まで冷却を継続して固体を得た。約3時間後、固体を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(8.51g)を得た。
【0126】
実施例11
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0127】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(70.3mg)を、0.2mLの9:1(v/v)アセトン/水と合わせ、撹拌しながら60℃まで加熱した。追加の9:1(v/v)アセトン/水を、合計で約1.6mL徐々に添加した。温度を60℃1.5時間保持した後、混合物を0.05℃/分の速度で10℃まで冷却し、10℃で2時間45分間保持して固体を得た。固体を、濾過遠心分離(2分、5000rpm)によって収集して、表題化合物を得た。
【0128】
実施例12
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0129】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(149.8mg)をアセトニトリル(8.0mL)と組み合わせ、80℃まで加熱した。30分後、反応混合物を0.02℃/分の速度で55℃の温度まで冷却した。次いで、反応混合物を、55℃~5℃の範囲にわたって0.1℃/分の速度で冷却し、同時に、55℃~5℃の冷却勾配と同じ期間にわたって1.44mL/時間の速度で、合計12mLの酢酸イソプロピルを添加して、固体を得、これを濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物(94.2mg)を得た。
【0130】
実施例13
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0131】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(208.5mg)を、0.2mLの3:1(v/v)メタノール/水と合わせ、撹拌しながら60℃まで加熱した。追加の3:1(v/v)メタノール/水を、合計で約23.2mL、徐々に添加した。温度を60℃で30分間保持した後、混合物を0.05℃/分の速度で10℃まで冷却し、10℃で20分間保持して固体を得た。固体を濾過によって回収して、表題化合物を得た。
【0132】
実施例14
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III
【0133】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60mg)を、約0.9の水分活性を有する5:1(v/v)1-ブタノール/水と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0134】
実施例15
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III
【0135】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(33mg)を、約0.7の水分活性を有する0.4mLの3:2(v/v)メタノール/水と混合し、約20℃で14日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、4400rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0136】
実施例16
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0137】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.4mg)をアセトフェノン(1mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0138】
実施例17
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0139】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(59.9mg)をブチロニトリル(2mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0140】
実施例18
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0141】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.3mg)をシクロヘキサノン(1.5mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)により固体を収集して、表題化合物を得る。
【0142】
実施例19
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0143】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.9mg)をジオキサン(2mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0144】
実施例20
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0145】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.0mg)をギ酸エチル(1.5mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0146】
実施例21
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0147】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(59.4mg)を酢酸メチル(1.5mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)により固体を収集して、表題化合物を得る。
【0148】
実施例22
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0149】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.5mg)をニトロベンゼン(2mL)と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0150】
実施例23
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0151】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.5mg)をアニソール(0.6mL)と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)により固体を収集して、表題化合物を得る。
【0152】
実施例24
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0153】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(59.8mg)をギ酸エチル(0.6mL)と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.22μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0154】
実施例25
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0155】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.5mg)を酢酸イソプロピル(0.6mL)と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.22μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0156】
実施例26
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0157】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.4mg)をイソペンタノール(1mL)と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0158】
実施例27
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0159】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.4mg)をメチルイソブチルケトン(1mL)と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.22μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0160】
実施例28
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0161】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.6mg)を、約0.7(0.9mL)の水分活性を有する3:1(v/v)エタノール/水と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2 2μmPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0162】
実施例29
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0163】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(69.7mg)を1-プロパノール(10.8mL)と混合し、撹拌しながら60℃まで加熱する。ジメチルスルホキシド(2mL)を、約85:15(v/v)の1-プロパノール/DMSOの混合物にゆっくりと添加した。温度を60℃で約1.5時間保持し、次いで混合物を0.05℃/分の速度で10℃まで冷却し、10℃で7.5時間保持し、次いで1-プロパノール(5mL)を添加し、次いで混合物を5℃で10日間撹拌して、濾過によって収集した固体を得て、表題化合物を得た。
【0164】
実施例30
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III
【0165】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(70.6mg)を、水(0.2mL)で飽和した酢酸エチルと混合し、撹拌しながら60℃まで加熱し、次いで酢酸エチル(7.2mL)を添加し、60℃で約1.5時間撹拌し、次いで、混合物を0.05℃/分の速度で10℃まで冷却し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0166】
実施例31
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III
【0167】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(199.6mg)を、水(2.0mL)で飽和した酢酸エチルと混合し、室温で2日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0168】
実施例32
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態I
【0169】
60℃で約69時間真空下で乾燥させて、表題化合物を得ることにより、実施例31の材料から得られた2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III。
【0170】
実施例33
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0171】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.3mg)をエタノール(1mL)と混合し、5℃で7日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0172】
実施例34
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0173】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.4mg)をメタノール(1mL)と混合し、5℃で7日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0174】
実施例35
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0175】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.0mg)をイソプロパノール(1mL)と混合し、5℃で7日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0176】
実施例36
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0177】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.3mg)を1-ブタノール(2mL)と混合し、5℃で7日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0178】
実施例37
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0179】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(59.6mg)をエタノール(1mL)と組み合わせ、60℃で5日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0180】
実施例38
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0181】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(59.9mg)をメタノール(1mL)と混合し、60℃で5日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0182】
実施例39
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0183】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.1mg)をイソプロパノール(1.5mL)と混合し、60℃で5日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0184】
実施例40
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0185】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.6mg)を1-ブタノール(1.5mL)と混合し、60℃で5日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.45μmのPVDF膜)により固体を収集して、表題化合物を得る。
【0186】
実施例41
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0187】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(10.4mg)をアセトニトリル(0.5mL)と混合し、20℃で1日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(1分、4500g rcf、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0188】
実施例42
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0189】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(10.3mg)をアセトン(0.5mL)と混合し、20℃で1日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、4000g rcf、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0190】
実施例43
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0191】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(20.6mg)を、約0.5(0.4mL)の水分活性を有する4:1(v/v)メタノール/水と混合し、25℃で4日間撹拌し、4:1(v/v)メタノール/水(0.5mL)を追加で添加し、25℃で6日間撹拌し、次いで、フィルター遠心分離(3分、5000rpm、0.2μmのPVDF膜)により固体を収集して、表題化合物を得る。
【0192】
実施例44
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0193】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(539.9mg)を、1:1(v/v)エタノール/アセトン(18mL)と混合し、60℃で45分間撹拌し、次いで、0.05℃/分の速度で5℃の温度まで冷却して、濾過によって収集し、40℃で真空下で乾燥させた固体を得て、表題化合物を得る。
【0194】
実施例45
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態II
【0195】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(256.1mg)を、7:3(v/v)アセトン/酢酸イソプロピル(13.5mL)と混合し、60℃で1時間撹拌し、次いで、0.02℃/分の速度で5℃の温度まで冷却して、濾過によって収集し、40℃で真空下で乾燥させた固体を得て、表題化合物を得た。
【0196】
実施例46
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III
【0197】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60mg)を、約0.9の水分活性を有する2mLの5:1(v/v)1-ブタノール/水と混合し、室温で10日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集し、表題化合物を得る。
【0198】
実施例47
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル形態III
【0199】
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(60.1mg)を、約0.9(0.9mL)の水分活性を有する1:1(v/v)アセトニトリル/水と混合し、40℃で6日間撹拌し、次いで、濾過遠心分離(2分、5000rpm、0.2μmのPTFE膜)によって固体を収集して、表題化合物を得る。
【0200】
実施例48
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル
【化3】
【0201】
4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン(100g)及びTHF(890g)を反応器2に充填した。混合物を、全ての固体が溶解するまで、20~30℃で撹拌した。予め溶融されたBoc2O(248.7g)及びTHF(534g)を反応器1に充填した。その後、KOtBu(11.0g)を17~27℃で反応器1にゆっくりと充填し、THF(89g)ですすいだ。反応器1中の混合物を17~27℃で10~20分間撹拌した。反応器2中の溶液を、17~27℃で1~2時間かけて反応器1中に移した。反応器2をTHF(89g)ですすぎ、洗浄液を反応器1に移した。反応が完了するまで、反応器1内の混合物を17~27℃で1~3時間撹拌した。N2で30~60分間脱気した後、H2O(500g)及びK3PO4・3H2O(433.5g)を17~27℃で反応器1に充填した。反応混合物を、2-[1-(シクロプロピルスルホニル-3-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル]アセトニトリル(263.1g)で脱気し、PdCl2-Xtranphos(2.46g)をN2保護下、反応器1に充填した。得られた混合物を、N2と3回交換し、次いで、反応が完了するまで、50~60℃で1~3時間撹拌した。50~60℃で20~40分間静置した後、水相を分離して廃棄した。反応混合物を、10%KCl溶液(640g)で1回洗浄し、次いで、水(500g)で2回洗浄した。有機層を大気蒸留≦75℃により12~13Vに濃縮した。アセトニトリル(1943g)を反応器1に添加し、有機層を大気蒸留≦85℃により20~30Vに濃縮した。アセトニトリル(1476g)を反応器1に添加し、有機層を大気蒸留≦85℃により20~30Vに濃縮した。残留THFを確認し、≦1%の判定レベルに達したことを確認した。水(300g)及びシリカチオール(20.0g)を反応器1に添加し、反応物を70~80℃まで加熱した。反応が完了するまで、混合物を70~80℃で18~24分間撹拌した。反応混合物を60~70℃まで冷却し、珪藻土(20g)の床を通して反応器3中に濾過した。反応器1をアセトニトリル(540g)ですすぎ、洗浄液を反応器3中に濾過した。反応器3中の混合物を、70~85℃での大気蒸留により31~33Vに濃縮した。アセトニトリル(1554g)を、70~85℃での連続大気蒸留によって反応器3に添加した。種子(0.5g)を充填し、70~85℃で30~60分間撹拌した。任意選択のアセトニトリル(389g)を、70~85℃で連続大気蒸留することによって反応器3に充填し、KF≦4.0%を確保した。反応混合物を5~7時間にわたって15~25℃まで冷却し、更に2~4時間熟成させて、濾過した固体を得、アセトニトリル(311g)で洗浄した。湿ったケーキを45~55℃で真空下で20~24時間乾燥させて、表題化合物(227g)を得た。注:実施例48で使用される材料の量は、入力制限試薬として9.0kgの4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジンを含むバッチの公称量である。
【0202】
実施例49
イヌのアレルギー性皮膚炎と関連する掻痒及び皮膚病変の制御。
【0203】
この研究では、イヌのアレルギー性皮膚炎と関連する掻痒及び皮膚病変の制御について、2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを評価した。
【0204】
形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含有する経口錠剤を以下のように調製した。結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、リン酸二カルシウム二水和物、酸化物顔料、及びステアリン酸マグネシウムを含有する経口錠剤ブレンドを調製した。錠剤ブレンドを押して、2.4mg、3.6mg、5.4mg、及び16mgの結晶形態II 2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルを含有する錠剤コア、並びにプラセボコアを得た。錠剤コアを、水及びOpadry 20A150011 Redを含有する混合物でコーティングし、それによって、この研究のための最終経口錠剤を得た。
【表6】
【0205】
イヌにおけるアレルギー性皮膚炎と関連する掻痒及び皮膚病変の制御のための2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの毎日の投与の有効性を評価するために、4群盲検無作為化プラセボ対照試験を実施した。被験者を、以下の治療群のうちの1つに無作為に割り付けた。API含有錠剤0.25~0.40mg/kg体重、API含有錠剤0.40~0.60mg/kg体重、API含有錠剤0.60~0.80mg/kg体重、及びプラセボ錠剤0.0mg/kg体重。
【0206】
研究に登録されたイヌは、約28日間、1日1回の治療を受けた。ベースラインデータ(臨床歴、併用療法、体重、身体検査、掻痒及びアトピー性皮膚炎の評価)は、登録時(0日目)に各イヌについて収集した。追加の健康評価、身体検査、体重測定、掻痒及びアトピー性皮膚炎の評価、並びに血液学、血清化学及び薬物動態(PK)分析のための血液試料の収集は、標準試験プロトコルと一致して行われた。
【0207】
主要な有効性の変数は、治療の成功であった。処置の成功は、最初の7日処置の少なくとも70%(すなわち、最初の7日処置の少なくとも5日間)における、10ユニットの所有者が評価した掻痒視覚アナログ尺度(VAS)のベースラインからの2ユニット以上の減少として定義された。有効性の欠如が認識されたために治療の最初の7日以内に試験から離脱したイヌは、治療の失敗とみなされた。最小有効用量は、プロトコルにおいて、少なくとも50%のイヌにおいて治療の成功が達成される用量として定義された。
【0208】
表2は、最高用量の2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(0.60~0.80mg/kg)の応答率が0.7188(95%信頼区間0.5331、0.8512)であり、これはプラセボ応答率0.2935(0.1571、0.4808)よりも統計的に有意に高いことを示しており、比較のp値(ロジット尺度上)は0.0006である。したがって、最高用量群(0.6~0.8mg/kg)は、治療成功のための主要評価項目を達成した。更に、0.6~0.8mg/kgの1日1回の投与は、最初の投与から掻痒の有意な改善を示し、群は、研究の28日目に病変スコアの有意な改善を示した。低用量(0.24~0.4mg/kg)及び中用量(0.4~0.6mg/kg)の推定限界平均奏効率もプラセボ率よりも高かった。この結果は、治療のための固定効果条件及び0日目のVASスコアを有する一般化線形混合モデルに基づいている。ランダム効果は、分散成分共分散構造を有する部位及び部位処置に適合し、複合対称共分散構造は、個々のイヌに適合した。
【表7】
実施例50
9.6kg/時の送り速度を使用して、約300グラムの短い「セットアップ」走行で開始する微粉化を実施した。ベンチュリ/ミル差圧は10psiであった。この走行から引き出された試料(試料「I」)は、dv10値4、dv50値20、及びdv90値53を有していた。
【0209】
実施例51
2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリルの粒径分布方法。
【0210】
方法:150~175mgの2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(シクロプロピルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル試料を、1mlのTween 20/水混合物(10/90v/v%)と共にビーカー中のペーストに分散させる。次に、ペースト全体を測定キュベット(ビーカーを完全な試料移送のために水ですすぎ出す)に移し、300mlの水に分散させる。測定キュベット内の懸濁液を均質化するために、ポンプ速度を600rpmに設定する。測定前に、試料を30秒間撹拌する。光学濃度は、約15~20%の範囲であるべきであるが、値は、試料中の粒径分布に強く依存する。15~20%の範囲に達していない場合は、より多くの試料ペーストを追加するか、試料を水で希釈する必要がある。
【0211】
機器:SympatecのHelosレーザー回折計を使用する。懸濁液は、Quixelセルを使用して測定される。乾燥測定は、Rodosユニットを使用して行われる。評価は、Paqxosソフトウェアを使用して行われる。このPSD法を使用して、実施例50のように製造及び粉砕された材料を分析し、結果は、dv10値4、dv50値20、及びdv90値51であった。
【表8】
【国際調査報告】