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特表2023-548055癌をアルキン置換キナゾリン誘導体で治療する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】癌をアルキン置換キナゾリン誘導体で治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/517 20060101AFI20231108BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20231108BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20231108BHJP
   A61K 31/4188 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A61K31/517
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/5377
A61P35/04
A61K31/4188 ZNA
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524708
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021057724
(87)【国際公開番号】W WO2022094464
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】63/108,645
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/166,045
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/190,067
(32)【優先日】2021-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/218,717
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/237,782
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/244,540
(32)【優先日】2021-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521123091
【氏名又は名称】ブラック ダイアモンド セラピューティクス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス バック
(72)【発明者】
【氏名】マシュー オコナー
(72)【発明者】
【氏名】ダーリーン ロマシュコ
(72)【発明者】
【氏名】タイ-アン リン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー フロール
(72)【発明者】
【氏名】ルカ アリスタ
(72)【発明者】
【氏名】イウォナ ローナ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】クリス ロバーツ
(72)【発明者】
【氏名】ギオルギオ オッタビアニ
(72)【発明者】
【氏名】シェリ スミス
(72)【発明者】
【氏名】ニゲル ウォーターズ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC46
4C086BC73
4C086CB05
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示は、化合物1または化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を使用して、癌(例えば、進行性固形癌)を治療、または予防する方法に関する。本開示はまた、治療または予防に好適な医薬組成物および医薬キットに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬有効量の化合物1:
【化1】
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防する方法。
【請求項2】
医薬有効量の化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防する方法。
【請求項3】
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための薬剤の製造における、化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項6】
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための薬剤の製造における、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
【請求項7】
前記癌が、グリア芽腫(GBM)またはその任意のサブタイプである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項8】
前記癌が、グリア芽腫である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項9】
前記癌が、反復性グリア芽腫である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項10】
前記癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)またはその任意のサブタイプである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項11】
前記癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項12】
前記癌が、進行性または転移性NSCLCである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項13】
前記癌が、NSCLCであり、前記癌が、脳脊髄液(CSF)に転移している、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項14】
前記癌が、NSCLCであり、前記癌が、脳に転移している、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項15】
前記対象が、中枢神経系(CNS)疾患を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項16】
前記対象が、軟髄膜疾患を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項17】
化合物2A、化合物2B、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項18】
化合物2A、その薬学的に許容可能な塩が投与される、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項19】
化合物2B、その薬学的に許容可能な塩が投与される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項20】
前記対象がヒトである、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項21】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、
約15±10mg、約15±5mg、約15±4mg、約15±3mg、約15±2mg、または約15±1mg(例えば、約15mg)、
約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)、
約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)、
約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)、
約150±20mg、約150±10mg、約150±5mg、約150±4mg、約150±3mg、約150±2mg、または約150±1mg(例えば、約150mg)、約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)、
約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)、
約400±50mg、約400±40mg、約400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)、
約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)、
約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)、
約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)、または
約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)、の一日用量で投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項22】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約15±10mg、約15±5mg、約15±4mg、約15±3mg、約15±2mg、または約15±1mg(例えば、約15mg)の一日用量で投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項23】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)の一日用量で投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項24】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)の一日用量で投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項25】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)の一日用量で投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項26】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約150±20mg、約150±10mg、約150±5mg、約150±4mg、約150±3mg、約150±2mg、または約150±1mg(例えば、約150mg)の一日用量で投与される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項27】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)の一日用量で投与される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項28】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)の一日用量で投与される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項29】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約400±50mg、約400±40mg、約400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)の一日用量で投与される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項30】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)の一日用量で投与される、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項31】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)の一日用量で投与される、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項32】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)の一日用量で投与される、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項33】
化合物2またはその薬学的に許容可能な塩が、約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)の一日用量で投与される、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【請求項34】
前記それを必要とする対象に、治療有効量のテモゾロミドを投与することをさらに含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記化合物が、治療有効量のテモゾロミドと組み合わせて投与される、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法、化合物、または使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年9月15日に出願された米国仮特許出願第63/244,540号、2021年8月27日に出願された米国仮特許出願第63/237,782号、2021年7月6日に出願された米国仮特許出願第63/218,717号、2021年5月18日に出願された米国仮特許出願第63/190,067号、2021年3月25日に出願された米国仮特許出願第63/166,045号、および2020年11月2日に出願された米国仮特許出願第63/108,645号に対して優先権およびそれらの利益を主張するものであり、その各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、EFS-Webを介してASCII形式で提出された配列表を含み、当該配列表は、その全体で参照により本明細書に組み込まれる。2021年11月2日に作成された当該ASCIIコピーは、「ASET-023_001WO_SeqList.txt」と名付けられ、サイズは約57,901バイトである。
【背景技術】
【0003】
ErbB受容体の細胞内触媒ドメインまたは細胞外リガンド結合ドメインいずれかに影響を及ぼす突然変異は、発癌活性を生じさせる可能性がある(ErbBタンパク質ファミリーは、ヒトにおいて上皮成長因子受容体(EGFR)とも称されるErbB-1およびHER2とも称されるErb-2を含む4つのメンバーからなる)。ErbB阻害剤は、いくつかの癌のための既知の治療である。しかしながら、すべての患者がこの治療に十分に応答するわけではない。したがって、既知の療法に対する癌患者の可変応答性に対処することができる新たな療法の長年にわたる必要性が当該技術分野において存在する。本開示は、これらErbB変異体を有する患者が既存の標準治療を使用して治療される場合に観察される可変応答性を伴わず、これら発癌性突然変異を有する患者の癌を予防または治療するための組成物および方法を提供する。
【発明の概要】
【0004】
一部の態様では、本開示は、医薬有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防する方法を提供する。
【0005】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象において癌を治療または予防するための化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0006】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における癌を治療または予防するための医薬品の製造において、化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0007】
一部の態様では、本開示は、化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、癌を治療または予防するための医薬組成物を提供する。
【0008】
一部の態様では、本開示は、化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、癌を治療または予防するための医薬キットを提供する。
【0009】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本開示が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、文脈上明らかに別の意味を示していない限り、単数形はまた、複数形を含む。本明細書に記載のものと類似または等価な方法および材料を本開示の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、参照することによりここに組み込まれる。本明細書に引用された参考文献は、特許請求される発明の先行技術であると認められるものではない。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先する。更に、材料、方法、および実施例は例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。化学構造と本明細書に開示される化合物の名称との間に矛盾がある場合、化学構造が制御する。
【0010】
本開示の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、EGFR-WT、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-A289V、およびEGFR-G598Vにおける化合物1Aの抗増殖IC50値を示すグラフである。
【0012】
図2図2は、化合物1A(15mg/kg)の平均血漿および脳内濃度を示すグラフであり、黒い棒は血漿濃度を表し、灰色の棒は脳内濃度を表す。
【0013】
図3図3は、pEGFR(Tyr1068)と15mg/kgの化合物1Aの投与との関係を示すグラフである。
【0014】
図4図4は、50mg/kg、15mg/kg、または5mg/kgの化合物1Aで治療されたときに、EGFR-Viiiを発現するGBM6同所性脳患者由来の異種移植片腫瘍の正規化された生物発光強度(BLI)を示すグラフである。
【0015】
図5図5は、EGFR-WT、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-A289V、およびEGFR-G598Vにおける化合物2Bの抗増殖IC50値を示すグラフである。
【0016】
図6図6は、化合物2B(15mg/kg)の平均血漿および脳内濃度を示すグラフであり、黒い棒は血漿濃度を表し、灰色の棒は脳内濃度を表す。
【0017】
図7図7は、pEGFR(P1068)と50mg/kgの化合物2Bの投与との関係を示すグラフである。
【0018】
図8図8は、150mg/kg、50mg/kg、または15mg/kgの化合物2Bで治療されたときに、EGFR-Viiiを発現するGBM6同所性脳患者由来の異種移植片腫瘍の正規化された生物発光強度(BLI)を示すグラフである。
【0019】
図9図9は、EGFR-WT、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、およびEGFR-A289Vにおけるオシメルチニブの抗増殖IC50値を示すグラフである。
【0020】
図10図10は、15mg/kgで経口投与(PO)された場合、および1mg/kgでIVボーラスを介して投与された場合のマウスにおける、化合物1Aの平均血漿濃度を示すグラフである。
【0021】
図11図11は、15mg/kgで経口投与(PO)された場合、および1mg/kgでIVボーラスを介して投与された場合のマウスにおける、化合物2Bの平均血漿濃度を示すグラフである。
【0022】
図12図12は、50mg/kgの化合物1Aを経口投与したときの、頭蓋内GBM6患者由来の腫瘍を発現するマウスの生存率を示すグラフである。
【0023】
図13図13は、50mg/kgの化合物2Bを経口投与したときの、頭蓋内GBM6患者由来の腫瘍を発現するマウスの生存率を示すグラフである。
【0024】
図14A図14A~14Bは、化合物2Bのスペクトルを示す、拡大された数のEGFR突然変異のパネルに対するインビトロIC50値を示すグラフである。
図14B】同上。
【0025】
図14C図14Cは、拡大された数のEGFR突然変異のパネルに対するオシメルチニブのインビトロIC50値を示すグラフである。
【0026】
図15図15は、15mg/kgのPOを投与された時の、マウスの血漿および脳における化合物2Bの平均濃度を示すグラフである。
【0027】
図16図16は、30mg/kgのPOを投与された時の、ラットの血液、脳、および脳脊髄液(CSF)中の化合物2Bの平均濃度を示すグラフである。
【0028】
図17図17は、30mg/kgのPOを投与された時の、イヌの血液、および脳脊髄液(CSF)中の化合物2Bの平均濃度を示すグラフである。
【0029】
図18図18は、洗浄後のBa/F3 EGFRvIIIにおける化合物2Bによるリン酸化%を示すグラフである。
【0030】
図19A図19Aは、15mg/kgのPOを投与された時、EGFR-Viiiを発現するBaF3同種移植片腫瘍を有するマウスにおける、pEGFR(P1068)と化合物1の投与との間の関係を示すグラフである。
【0031】
図19B図19Bは、50mg/kgのPOを投与された時、EGFR-Viiiを発現するBaF3同種移植片腫瘍を有するマウスにおける、pEGFR(P1068)と化合物1Aの投与との間の関係を示すグラフである。
【0032】
図19C図19Cは、50mg/kgのPOを投与された時、EGFR-Viiiを発現するBa/F3同種移植片腫瘍を有するマウスにおける、pEGFR(P1068)と化合物2Bの投与との間の関係を示すグラフである。
【0033】
図20図20は、50mg/kgで化合物2Bを投与された時の、皮下GBM46 PDX発現EGFRvIIマウスモデルにおける腫瘍体積中央値(mm)を示すグラフである。
【0034】
図21図21は、50mg/kgで化合物2Bを投与された時の、皮下GBM46 PDX発現EGFRvIIマウスモデルにおける%体重(BW)変化を示すグラフである。
【0035】
図22図22は、拡大された数のEGFRバリアントおよび変異体のパネルに対するインビトロIC50値を示すグラフである。
【0036】
図23図23は、非小細胞肺癌(NSCLC)における固有耐性および獲得耐性の拡大された数のEGFR突然変異体のパネルに対するインビトロIC50値を示すグラフである。
【0037】
図24図24は、34nMで化合物2Bによる、および1,000nMでオシメルチニブによる、EGFRエクソン19欠失+C797S二重突然変異を発現するBa/F3細胞におけるEGFR突然変異タンパク質のリン酸化の%阻害を示すグラフであり、これは、化合物2Bが、pEGFR Ex19/C797Sの>24時間の阻害を有することを示す。
【0038】
図25図25は、ビヒクル、25mg/kgのオシメルチニブ、40mg/kgの化合物2B、または120mg/kgの化合物2Bを投与された時の、Ba/F3-EGFRエクソン19欠失+C797Sマウス同種移植片モデルにおける腫瘍体積中央値(mm)を示すグラフである。
【0039】
図26図26は、ビヒクル対照、オシメルチニブ、C797S、EGFRvii、およびC595Fモデルの平均腫瘍体積のベースラインからの最大変化率を示すグラフである。ビヒクル対照およびオシメルチニブを、EGFR C797Sモデルで試験した。
【0040】
図27図27は、化合物2Bの例示的研究のスキーマを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書で使用される場合、「化合物1」という用語は、以下の構造を有する化合物を指すことが理解される。
【化1】
【0042】
本明細書で使用される場合、「化合物1A」という用語は、以下の構造を有する化合物を指すことが理解される。
【化2】
【0043】
本明細書で使用される場合、「化合物1B」という用語は、以下の構造を有する化合物を指すことが理解される。
【化3】
【0044】
本明細書で使用される場合、「化合物2」という用語は、以下の構造を有する化合物を指すことが理解される。
【化4】
【0045】
本明細書で使用される場合、「化合物2A」という用語は、以下の構造を有する化合物を指すことが理解される。
【化5】
【0046】
本明細書で使用される場合、「化合物2B」という用語は、以下の構造を有する化合物を指すことが理解される。
【化6】
【0047】
本開示は、ErbB受容体の特定の発癌変異体における受容体チロシンキナーゼ(RTK)の阻害剤として有用な化合物に関する。本発明の一部の実施形態では、ErbB受容体の発癌変異体は、ErbB受容体のアロステリック変異体でもある。一部の実施形態では、アロステリック変異体は、ATP結合部位の外側の配列に突然変異を有するErbB受容体バリアントを含むか、またはそれからなり得る。一部の実施形態では、アロステリック変異体は、エクソン18、エクソン19、エクソン20、またはC1-C2細胞外二量体化界面内のうちの一つ以上の配列に突然変異を有するErbB受容体バリアントを含むか、またはそれからなり得る。
【0048】
ErbB受容体の細胞内触媒ドメインまたは細胞外リガンド結合ドメインいずれかに影響を及ぼす突然変異は、発癌活性を生じさせる可能性がある(ErbBタンパク質ファミリーは、ヒトにおいて上皮成長因子受容体(EGFR)とも称されるErbB-1およびHER2とも称されるErb-2を含む4つのメンバーからなる)。EGFR-Viii(EGFR-V3も)およびHER2-S310Fを含む癌におけるErbB受容体の細胞外変異体は、リガンドの不在下で構成的に活性化され、下方制御に耐性がある持続的なシグナル伝達を呈し、形質転換性および腫瘍原性の両方である(Nishikawa,Ji et al.1994,2013,Francis,Zhang et al.2014)。それらの発現は、転移および長期全生存期間の不良に関連している。
【0049】
全世界の肺癌症例の約85%を占める非小細胞肺癌(NSCLC)では、EGFR突然変異を保有するNSCLCは、ヨーロッパおよび北米のすべての肺癌症例の10~20%、およびアジアのそれの最大50%を占める。あまり知られていないEGFR突然変異、その中のEGFR-G719X、EGFR-S768I、EGFR-L861Qは最も頻度が高いなかにあり、NSCLCにおけるEGFR突然変異の10~20%を占める。NSCLCにおけるEGFR突然変異の80~90%を占める、一般的なエクソン19欠失およびL858R突然変異は、現世代のEGFR阻害剤に応答するが、耐性は必ず現れる。例えば、C797S突然変異と組み合わされたエクソン19欠失(EGFR-エクソン19欠失+C797S)、およびEGFR-L858R+C797S突然変異は、現世代の不可逆的阻害剤(例えば、オシメルチニブまたはラゼルチニブ(lazertinib))を用いた第一選択治療に対する耐性を付与する。
【0050】
グリア芽腫(多形グリア芽腫またはGBMも)において、EGFR-Viiiは、20%の腫瘍によって発現される(Sugawa,Ekstrand et al.1990,Brennan,Verhaak et al.2013)。GBMにおけるEGFR-Viiiの発現は、たった7%のGBM腫瘍においてEGFRバリアントと共発現される他のRTK癌遺伝子の発現と相互排他的である傾向がある (Furnari,Cloughesy et al.2015)。これらのデータは、他の発癌ドライバーと比較して、GBMにおけるEGFR-Viiiがどのように主要かつ相互排他的な発現パターンを有するかを示す。EGFR-Viiiは、約30%のSCCHN腫瘍(Sok,Coppelli et al.2006,Keller,Shroyer et al.2010,Wheeler,Suzuki et al.2010,Tinhofer,Klinghammer et al.2011,Wheeler,Egloff et al.2015)および10%の扁平上皮NSCLC(Ji,Zhao et al.2006,Sasaki,Kawano et al.2007)によっても発現され、抗EGFR抗体のセツキシマブを含む現在の治療法に対する耐性に関連している(Sok,Coppelli et al.2006,Tinhofer,Klinghammer et al.2011)。正常な組織は、この発癌受容体バリアントを発現しない。
【0051】
RNA配列決定データは、GBM腫瘍において発現されたEGFRのいくつかの異常にスプライシングされたバリアントのうちのたった一つであることを明らかにした。他の二つは、エクソン12~13(EGFR-Vvi)および14~15の切り詰め(EGFR-Vii)をもたらした。EGFR-Viiiと同様、EGFR-Viiは、形質転換および腫瘍原性の両方である。スプライスバリアントに加えて、GBM腫瘍は、形質転換および腫瘍原性である、C620Y、A289V、およびG598Vを含む一群のEGFR点突然変異も発現する。
【0052】
HER2-S310Fは、全腫瘍の約0.5%によって発現される、ヒト腫瘍において発現されるHER2の最も一般的な突然変異である。HER2-S310Fの発現は、HER2増幅の発現と相互排他的である。HER2-S310Fは、高度に発癌性であり、BaF3細胞(マウスインターロイキン-3(IL-3)依存性プロB細胞株)をIL-3非依存性に形質転換し、インビボで腫瘍成長を促進する。
【0053】
EGFRおよびHER2のエクソン20内の短い挿入は、肺腺癌腫瘍および他の腫瘍群によって発現される。ErbBエクソン20挿入変異体は、4~5%の肺腺癌腫瘍によって発現される。例としては、HER2-YVMA、EGFR-SVD、およびEGFR-NPHが挙げられる。これらのErbBエクソン20挿入変異体は、高度に発癌性であり、BaF3細胞をIL-3非依存性に形質転換し、インビボで腫瘍成長を促進する。
【0054】
ErbB阻害剤は、いくつかの癌のための既知の治療である。しかしながら、すべての患者がこの治療に十分に応答するわけではない。したがって、既知の療法に対する癌患者の可変応答性に対処することができる新たな療法の長年にわたる必要性が当該技術分野において存在する。本明細書に開示される組成物および方法の開発の前に存在した、標準治療のこれらの欠点のいくつかを本発明は克服することができる。
【0055】
逆説的なErbB受容体活性化
本明細書に記載の機構は、本開示のこれらのEGFRバリアントが発現される癌のいずれの形態にも適用されるが、グリア芽腫(GBM)におけるこれらのバリアントの広がりが、例として提供される。本開示のEGFRバリアントを発現する他の癌には、固形癌、上皮癌、および/または上皮由来の癌、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、グリア芽腫(GBM)、頭頚部癌、肺癌、ならびに非小細胞肺癌(NSCLC)が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
GBM腫瘍において、EGFRは、細胞外二量体界面の変化をもたらすゲノム突然変異および代替えのスプライシング事象の標的であることが多い。多くの腫瘍が二つ以上の異常なアイソフォームを発現する。本開示は、最も一般的に生じるバリアントのEGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-G598V、およびEGFR-A289Vの活性化の機構を提供する。各アイソフォーム/点変異は、独特な外部ドメイン変化の結果であるが、すべてが共有結合リガンド非依存性二量体化を伴う一般的な機構によって活性化される。
【0057】
AMG-595(Amgen)は、野生型EGFRまたは他のスプライス活性化バリアントに対して活性を有さないEGFR-Viiiアイソフォーム選択的抗体である。リンドペピムト(Rindopepimut)(Celldex)は、EGFR-Viiiを発現するが、野生型EGFRまたは他のスプライス活性化アイソフォームを発現しない腫瘍細胞に対して選択的に免疫学的応答をもたらすワクチンである。GBM腫瘍(EGFR-ViiおよびEGFR-Vvi)において発現される他のEGFRアイソフォームは、構成的に活性な共有結合受容体であり、それらの発現は、EGFR-Viiiにのみ選択的であるErbB阻害剤の治療利益の幅および持続期間を制限し得る。したがって、腫瘍がEGFR-Vii、EGFR-Vvi、またはEGFR外部ドメイン点突然変異体を発現する患者を、EGFR-Viii選択的療法での治療から除外することが有用であり得る。
【0058】
腫瘍におけるErbB受容体の複数の外部ドメインバリアントの異種遺伝子型発現パターンは、すべてのバリアントを阻害する低分子阻害剤が好ましいことを示す。共有結合により活性化されたEGFRアイソフォームのファミリーは、NSCLCにおいて観察されるEGFR触媒ドメイン突然変異と比較して、低分子ErbB阻害剤に対して非常に異なった応答をする。重要なことには、エルロチニブを含むI型阻害剤はすべて、共有結合EGFR二量体の形成を誘導し、ErbB阻害剤が洗い流されたときにさらに強化される活性である、飽和未満濃度でのEGFRリン酸化を増加させる。これは、飽和未満濃度で増殖の逆説的活性化として現れる。
【0059】
I型ErbB阻害剤の飽和未満濃度での増殖の逆説的活性化の発見は、乳房および膀胱を含むいくつかの癌に広まっているHER2の一連の細胞外バリアントに対してさらに示される。共有結合により活性化された受容体として存在するすべてのバリアント、および共有結合二量体のレベルは、サピチニブ(sapitinib)およびアファチニブを含むI型阻害剤での治療後に増加した。共有結合により活性化されたEGFRバリアントと同様に、飽和未満用量のI型阻害剤は、逆説的にHER2バリアントのリン酸化を増加させ、それらを発現する細胞の増殖を増加させた。
【0060】
I型阻害剤とは対照的に、本開示は、ネラチニブを含む非I型(例えば、II型)阻害剤がErbB外部ドメインバリアントを発現する細胞に対する逆説的活性化がないことを示す。ネラチニブは、野生型EGFRと比較して、共有結合により活性化されたEGFRファミリーの各メンバーに対し、強力かつ選択的の両方である好ましい分子の典型例であることが判明した。
【0061】
まとめると、本開示は、活性部位に遠位の受容体領域に影響を及ぼす構造変動がどのように低分子活性部位阻害剤に対して劇的に異なる応答を付与し得るかを予測するための構造/機能関係を提供する。I型阻害剤による共有結合により活性化されたErbB受容体バリアントの逆説的活性化に関する本明細書に記載の発見は、重要な臨床的意義を有する。本開示のデータは、共有結合により活性化されたErbB受容体の発現が広まっている腫瘍型におけるI型阻害剤の失敗した臨床研究の機械論的説明を提供する。これには、GBM腫瘍におけるエルロチニブおよびゲフィチニブ、SCCHN腫瘍におけるエルロチニブ、ならびに乳房腫瘍におけるサピチニブが含まれる。
【0062】
グリア芽腫
グリア芽腫(GBM)、グレード IV星細胞腫は、最も一般的な形態の脳癌である。この疾患の転帰は不良である。手術に続く放射線およびテモゾロミドの治療レジメンは、標準治療であるが、これによる全生存期間(OS)中央値はたった14.6ヶ月であり、ほとんどの患者は五年間生存しない。過去十年間にわたって、GBM患者の生存延長における進歩はほとんどない。再発設定において、ベバシズマブは無増悪生存利益の改善を示したが、最先端設定における標準治療の療法へのベバシズマブの追加は、OS利益をもたらさなかった。
【0063】
EGFRは、GBMにおいて最も頻繁に変化した癌遺伝子である。EGFR遺伝子増幅に加えて、多くの腫瘍が異常なスプライシングまたはゲノム突然変異によって生成されたバリアントを発現する。最初に認識されたバリアントは、EGFR-Viiiであり、エクソン2~7の切り詰めに起因し、約20%のGBM腫瘍によって発現される。EGFR-Viiiは、発癌性である。EGFR-Viiiは、EGFリガンドの不在下で構成的に活性化され、下方制御に耐性がある持続的なシグナル伝達を呈する。したがって、EGFR-Viiiは、形質転換および腫瘍原性の両方である。EGFR-Viiiの発現は、GBMにおいて、長期全生存の不良に関連する。
【0064】
RNA配列決定データは、GBM腫瘍において発現されたEGFRのいくつかの異常にスプライシングされたバリアントのうちのたった一つであることを明らかにした。他の二つは、エクソン12~13(EGFR-Vvi、および14~15の切り詰め(EGFR-Vii)をもたらす。EGFR-Viiiと同様、EGFR-Viiは、形質転換および腫瘍原性の両方である。スプライスバリアントに加えて、GBM腫瘍は、形質転換および腫瘍原性である、C620Y、A289V、およびG598Vを含む一群のEGFR点突然変異も発現する。GBMにおけるEGFR変化の複雑な状況は、多くの腫瘍が二つ以上の受容体バリアントを発現するという知見によってさらに複雑になる。
【0065】
GBMにおける複数のEGFRバリアントの発現が形質転換および腫瘍原性活性を生じさせるため、およびEGFRがGBM腫瘍に存在する最も頻繁に変化した癌遺伝子であるため、EGFRは、低分子ErbB阻害剤の特に魅力的な標的である。EGFRにおいて活性化突然変異を保有するNSCLC腫瘍に対する低分子EGFR治療薬(エルロチニブ、ゲフィチニブ、およびアファチニブ)の成功後、これらの薬物はGBMにおいて試験された。>30の臨床試験および>1500人の患者を伴う、GBMにおけるこの群のErbB阻害剤の集中的な臨床調査にもかからわず、EGFR-Viiiを発現したそれらの腫瘍に対してさえも、すべて何の利益ももたらすことができなかった。驚くことに、一部のエビデンスからは、エルロチニブが疾患の進行を促進したことが示唆される。放射線およびテモゾロミドと組み合わせたエルロチニブを評価する第2相試験は、放射線およびテモゾロミドのみを受けた患者の6.9ヶ月および14.6ヶ月と比較して、2.8ヶ月および8.6ヶ月のPFS中央値(mPFS)およびOS中央値(mOS)を示した。エルロチニブを用いた別の無作為化第II相試験は、腫瘍がEGFR-Viiiを発現した患者を含む、エルロチニブを投与された患者は、標準治療を受けた患者と比較して、進行が乏しかったことが示された。GBM腫瘍におけるエルロチニブなどのErbB阻害剤の臨床失敗は、GBMにおける腫瘍成長のドライバーとしてのEGFRの役割に対して疑問を投げかけ、肺癌におけるEGFR突然変異の治療に非常に有効であったErbB阻害剤がGBMにおけるEGFRバリアントの治療になぜ非常に効果がなかったのかに関する追及につながった。
【0066】
GBMにおいて発現されたEGFRバリアントの独特な特徴は、細胞外ドメイン内でのそれらの位置である。これは、細胞内触媒ドメインに存在することが多い、肺癌で見られるEGFRの活性化突然変異とは対照的である。EGFRは、四つの細胞外ドメイン(二つのリガンド結合ドメインおよび二つのシステイン豊富領域)、膜貫通ドメイン、および細胞内触媒ドメインから構成される。リガンド結合は、細胞内ドメインの二量体化および受容体触媒活性の活性化を付与する事象である、細胞外システイン豊富ドメイン (CR1およびCR2)の二量体化を促進する。GBMにおけるほぼすべてのEGFRスプライシング事象および突然変異が、細胞外領域、特に細胞外二量体界面を形成する二つのシステイン豊富領域(CR1およびCR2)に影響を及ぼしている。CR領域は、>40のシステイン残基を含有し、そのすべてが分子内ジスルフィド結合を形成する。EGFR-Viiiにおいて、エクソン2~7の切り詰めは、CR1領域をコードする配列の部分的な喪失をもたらす。結果は、Cys295-Cys307対からの一つのシステインの喪失であり、Cys307を遊離の不対システインとして残す。EGFR-Viiiについて、このシステインは、別のEGFR単量体と分子間ジスルフィド結合を形成して、共有結合により二量体化され、構成的に活性化された受容体を導く。システイン307のセリン(C307S)への突然変異は、共有結合により二量体化されるEGFR-Viiiの形成を妨げ、不活性である。
【0067】
最近のいくつかの前臨床研究は、エルロチニブなどのEGFRキナーゼ阻害剤がEGFR-Viiiの阻害にあまり効果がないことを示唆したが、この効果に対して提案された機構はない。EGFR-ViiおよびEGFR-A289Vを含む、GBMにおける他の外部ドメインバリアントの活性化に関与している機構についての現在の理解も欠けている。本開示は、GBMにおいて最も一般的な外部ドメインバリアントの四つの群、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-G598VおよびEGFR-A289Vの受容体活性化の機構およびErbB阻害剤活性に対する影響を提供する。
【0068】
本開示は、EGFR-Viiiと同様、GBMにおいて一般的に生じるEGFRバリアント(EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-G598V、およびEGFR-A289V)のさらなる群はすべて、構成的に活性な共有結合二量体として存在し、この一般的な機構によって活性化されるEGFRアイソフォームのファミリーを一緒に形成することを示す。さらに、本開示は、これらのバリアントが共有結合により二量体化する傾向は、細胞内触媒部位の立体構造に関連し、この遠位部位に結合する低分子阻害剤のクラスに対して独特な活性を付与することを示す。キナーゼ(I型阻害剤、エルロチニブを含む)の活性立体構造を安定させる阻害剤は、すべての共有結合により活性化されたEGFRアイソフォームに対して共有結合二量体の形成を誘導する。これは、I型阻害剤が飽和未満濃度でEGFRリン酸化を増加させ、共有結合により活性化されたEGFRアイソフォームを発現する細胞の増殖を逆説的に刺激する傾向と関連している。
【0069】
EGFRの強化された二量体化または逆説的活性化のいずれも不活性キナーゼ立体構造を安定させる低分子阻害剤(II型阻害剤、ラパチニブおよびネラチニブを含む)では見られない。共有結合により活性化されたEGFRアイソフォームの強力な阻害剤であり、WT-EGFRと比較してこのファミリーに選択的であるII型阻害剤の例が特定された。
【0070】
EGFRに対して特定された突然変異と同様に、本開示は、HER2およびHER4のCRドメインに影響を及ぼす一群のスプライス事象および突然変異を特定する。本開示は、HER2およびHER4のCRドメインに影響を及ぼすこの群のスプライス事象および突然変異が共有結合二量体として存在し、I型結合モードの薬剤によって逆説的に活性化されることを示す。これらのデータは、GBMにおけるI型ErbB阻害剤の>30の臨床試験を含む、I型阻害剤を伴う複数の臨床試験の失敗の機械論的説明を提供する。まとめると、これらのデータは、共有結合により活性化されたEGFRアイソフォームを発現する腫瘍が逆説的活性化により、エルロチニブなどのI型ErbB阻害剤での治療から除外されるべきであることを示す。これらのデータは、共有結合により活性化されたErbBファミリーに対してII型ErbB阻害剤を最適化することに対する有用性をさらに示す。
【0071】
本開示の方法および使用
一部の態様では、本開示は、医薬有効量の化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防(例えば治療)する方法を提供する。
【0072】
一部の態様では、本開示は、医薬有効量の化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防(例えば治療)する方法を提供する。
【0073】
一部の態様では、本開示は、医薬有効量の化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防(例えば治療)する方法を提供する。
【0074】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象において癌を治療または予防(例えば治療)するための化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0075】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象において癌を治療または予防(例えば治療)するための化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0076】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象において癌を治療または予防(例えば治療)するための化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0077】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における癌を治療または予防(例えば治療)するための医薬品の製造において、化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0078】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における癌を治療または予防(例えば治療)するための医薬品の製造において、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0079】
一部の態様では、本開示は、それを必要とする対象における癌を治療または予防(例えば治療)するための医薬品の製造において、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0080】
一部の実施形態では、化合物1A、化合物1B、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される。
【0081】
一部の実施形態では、化合物1A、その薬学的に許容可能な塩が投与される。
【0082】
一部の実施形態では、化合物1B、その薬学的に許容可能な塩が投与される。
【0083】
一部の実施形態では、化合物2A、化合物2B、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される。
【0084】
一部の実施形態では、化合物2A、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される。
【0085】
一部の実施形態では、化合物2B、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される。
【0086】
適切な対象および疾患
一部の実施形態において、対象は哺乳類である。一部の実施形態では、対象はヒトである。一部の実施形態では、対象は、ヒトの成人(例えば、18歳以上)である。
【0087】
一部の実施形態では、対象はマウスである。一部の実施形態では、対象はラットである。一部の実施形態では、対象はイヌである。
【0088】
本開示の化合物は、受容体チロシンキナーゼ、特に、ErbB-受容体、例えば、限定されないがEGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-A289VおよびEGFR-G598VならびにHER2-S310Fなどの細胞外変異体の活性を阻害または調節する。したがって、本開示の化合物および組成物は、医薬品として、すなわち、以下に詳述されるように、より具体的には癌の予防または治療のための治療法における医薬品として有用であり得る。したがって、さらなる態様では、本開示は、以下に詳述されるように癌を患っている哺乳動物、例えばヒトの予防方法または治療方法を提供する。
【0089】
一部の態様では、本開示は、ErbB受容体の発癌性バリアント(例えば、EGFRの発癌性バリアント)を阻害する方法を対象とし、これには、それを必要とする対象に治療有効量の本明細書に記載の化合物を投与することが含まれる。
【0090】
一部の態様では、本開示は、ErbB受容体の発癌性バリアント(例えば、EGFRの発癌性バリアント)を阻害する方法を対象とし、これには、それを必要とする対象に本明細書に記載の組成物を投与することが含まれる。
【0091】
いくつかの態様では、本開示は、癌を予防または治療する方法を対象とし、これには、それを必要とする対象に治療有効量の本明細書に記載の化合物を投与することが含まれる。
【0092】
いくつかの態様では、本開示は、癌を予防または治療する方法を対象とし、これには、それを必要とする対象に本明細書に記載の組成物を投与することが含まれる。
【0093】
いくつかの態様では、本開示は、ErbB受容体の発癌性バリアント(例えば、EGFRの発癌性バリアント)の阻害に使用するための本明細書に記載の化合物を対象とする。
【0094】
いくつかの態様では、本開示は、癌の予防または治療に使用するための本明細書に記載の化合物を対象とする。
【0095】
いくつかの態様では、本開示は、ErbB受容体の発癌性バリアント(例えば、EGFRの発癌性バリアント)の阻害に使用するための本明細書に記載の組成物を対象とする。
【0096】
いくつかの態様では、本開示は、癌の予防または治療に使用するための本明細書に記載の組成物を対象とする。
【0097】
いくつかの態様では、本開示は、ErbB受容体の発癌性バリアント(例えば、EGFRの発癌性バリアント)を阻害するための医薬品の製造における本明細書に記載の化合物の使用を対象とする。
【0098】
いくつかの態様では、本開示は、癌を予防または治療するための医薬品の製造における本明細書に記載の化合物の使用を対象とする。
【0099】
一部の実施形態では、化合物は、表1および表2に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、および立体異性体から選択される。
【0100】
一部の実施形態では、化合物は、表1および表2に記載の化合物、ならびにその薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0101】
一部の実施形態では、化合物は、表1および表2に記載の化合物から選択される。
【0102】
一部の実施形態では、癌は固形腫瘍を含む。
【0103】
一部の実施形態では、癌は、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、胃癌、グリア芽腫(GBM)、頭頚部癌、肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、またはそれらの任意のサブタイプである。
【0104】
一部の実施形態では、癌は、グリア芽腫(GBM)またはその任意のサブタイプである。一部の実施形態では、癌は、グリア芽腫である。
【0105】
一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、癌は、EGFRの過剰発現によって特徴付けられる。
【0106】
一部の実施形態では、癌は、メチル化グリア芽腫である。一部の実施形態では、癌は、非メチル化グリア芽腫である。
【0107】
一部の実施形態では、癌は、反復性(recurrent)グリア芽腫である。
【0108】
一部の実施形態では、癌は、再発性(relapsed)グリア芽腫である。
【0109】
一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0110】
一部の実施形態では、癌は再発性グリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0111】
一部の実施形態では、癌は反復性グリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0112】
一部の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)またはその任意のサブタイプである。
【0113】
一部の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【0114】
一部の実施形態では、癌は、反復性非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【0115】
一部の実施形態では、癌は、再発性非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【0116】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0117】
一部の実施形態では、癌は反復性NSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0118】
一部の実施形態では、癌は再発性NSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0119】
一部の実施形態では、癌は進行性または転移性のNSCLCである。
【0120】
一部の実施形態では、癌は進行性または転移性のNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現する。
【0121】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、癌は中枢神経系(CNS)に転移している。
【0122】
一部の実施形態では、癌は進行性または転移性のNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現し、癌は中枢神経系(CNS)に転移している。
【0123】
一部の実施形態では、癌は進行性または転移性のNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの少なくとも一つの発癌性バリアントを発現し、癌は中枢神経系(CNS)に転移していない。
【0124】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、癌は、脳脊髄液(CSF)に転移していない。
【0125】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、癌は、脳脊髄液(CSF)に転移している。
【0126】
一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、癌は、脳脊髄液(CSF)に転移していない。
【0127】
一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、癌は、脳脊髄液(CSF)に転移している。
【0128】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、癌は、脳に転移していない。
【0129】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、癌は、脳に転移している。
【0130】
一部の実施形態では、対象は、中枢神経系(CNS)疾患を有する。
【0131】
一部の実施形態では、対象は、いかなるCNS疾患も有さない。
【0132】
一部の実施形態では、対象は軟髄膜疾患を有する。
【0133】
一部の実施形態では、対象はいかなる軟髄膜疾患も有さない。
【0134】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、対象は軟髄膜疾患を有する。
【0135】
一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、対象は軟髄膜疾患を有する。
【0136】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、ErbB受容体の発癌性バリアントを発現する。
【0137】
ErbB受容体の発癌性バリアントは、少なくとも一つの発癌性突然変異を含み、少なくとも一つの発癌性突然変異を含むErbB受容体をコードする遺伝子の発現の結果として産生されるErbB受容体タンパク質であることが理解される。
【0138】
当業者に理解されるように、 遺伝子(例えば、ErbB受容体をコードする遺伝子)の観点から、発癌性突然変異は、 ただし、ErbB受容体内の特定の位置でのあるアミノ酸の別のアミノ酸からの置換をもたらす突然変異に限定されないが、ErbB受容体内の二つの位置間の一つ以上のアミノ酸の挿入をもたらす突然変異と、ErbB受容体内の二つの位置間のもう一つのアミノ酸の欠失をもたらす突然変異と、ErbB受容体またはその一部の、別のタンパク質またはその一部との融合をもたらす突然変異と、を含み得る。当業者に理解されるように、遺伝子の観点から、発癌性突然変異は、限定されないが、ミスセンス変異、非同義変異、一つ以上のヌクレオチドの挿入、一つ以上のヌクレオチドの欠失、逆位および欠失-挿入を含み得る。
【0139】
当業者に理解されるように、タンパク質(例えば、ErbB受容体)の観点から、 発癌性突然変異は、限定されないが、ErbB受容体内の特定の位置でのあるアミノ酸の別のアミノ酸からの置換、 ErbB受容体内の二つの位置間の一つ以上のアミノ酸の挿入、 ErbB受容体内の二つの位置間のもう一つのアミノ酸の欠失、およびErbB受容体またはその一部の、別のタンパク質またはその一部との融合、を含み得る。
【0140】
一部の実施形態では、ErbB受容体の発癌性バリアントは、アロステリック変異を含む。
【0141】
一部の実施形態では、ErbB受容体の発癌性バリアントは、ErbB受容体のアロステリックバリアントである。
【0142】
一部の実施形態では、ErbB受容体は、上皮成長因子受容体(EGFR)またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2)受容体である。
【0143】
一部の実施形態では、ErbB受容体は、上皮成長因子受容体(EGFR)である。
【0144】
一部の実施形態では、ErbB受容体は、HER2受容体である。
【0145】
一部の実施形態では、ErbB受容体は、HER3受容体である。
【0146】
一部の実施形態では、ErbB受容体は、HER4受容体である。
【0147】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、上皮成長因子受容体(EGFR)の発癌性バリアントを発現する。
【0148】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRのアロステリックバリアントである。
【0149】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、アロステリック変異を含む。
【0150】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現する。
【0151】
一部の実施形態では、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントである。
【0152】
一部の実施形態では、HER2受容体の発癌性バリアントは、アロステリック変異を含む。
【0153】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRバリアントIII(EGFR-Viii)変異を含む。
【0154】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRバリアントII(EGFR-Vii)変異を含む。
【0155】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRバリアントVI(EGFR-Vvi)変異を含む。
【0156】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の108位でのアルギニン(R)とリジン(K)の置換を含む。
【0157】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の222位でアルギニン(R)とシステイン(C)の置換を含む。
【0158】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の289位でアラニン(A)とスレオニン(T)の置換を含む。
【0159】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の289位でアラニン(A)とバリン(V)の置換を含む。
【0160】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の598位でグリシン(G)とバリン(V)の置換を含む。
【0161】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の231位でシステイン(C)とフェニルアラニン(F)の置換を含む。
【0162】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の595位でシステインとセリンの置換を含む。
【0163】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の598位でグリシン(G)とバリン(V)の置換を含む。
【0164】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の645位でセリン(S)とシステイン(C)の置換を含む。
【0165】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の719位のグリシン(G)の置換を含み、ここで置換は、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、アルギニン(R)、セリン(S)、またはアラニン(A)から選択される。
【0166】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の719位でグリシン(G)とセリン(S)の置換を含む。
【0167】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1の797位でシステイン(C)とセリン(S)の置換を含む。
【0168】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの発癌性バリアントを発現し、この場合においてEGFRの発癌性バリアントは、EGFRのアロステリックバリアントであり、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRの構造の改変を含み、この場合において、EGFRの発癌性バリアントは、共有結合された二量体を形成することができ、この場合において共有結合された二量体は、構造的に活性であり、この場合において共有結合された二量体は、I型ErbB阻害剤に接触されたとき、EGFRの活性を強化する。一部の実施形態では、EGFRの構造の改変は、核酸配列、アミノ酸配列、二次構造、三次構造、および四次構造のうちの一つ以上の改変を含む。一部の実施形態では、発癌性バリアントは、突然変異、スプライシング事象、翻訳後プロセス、立体構造変化、またはそれらの任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、EGFRの構造の改変は、EGFRの第一のシステイン豊富(CR1)および/または第二のシステイン豊富(CR2)領域内で生じる。一部の実施形態では、EGFRの第一のシステイン豊富(CR1)および/または第二のシステイン豊富(CR2)領域は、それぞれ、配列番号1のアミノ酸残基T211~R334および/またはC526~S645を含む。一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、CR1および/またはCR2領域内でのジスルフィド結合の形成に対する物的障壁を生成する。一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、CR1および/またはCR2領域内でのジスルフィド結合の形成に対する物的障壁を除去する。一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRの二量体界面に位置する一つ以上の遊離または不対システイン(C)残基を含む。一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、配列番号1によるC190~C199、C194~C207、C215~C223、C219~C231、C232~C240、C236~C248、C251~C260、C264~C291、C295~C307、C311~C326、C329~C333、C506~C515、C510~C523、C526~C535、C539~C555、C558~C571、C562~C579、C582~C591、C595~C617、C620~C628、およびC624~C636からなる群から選択される部位に一つ以上の遊離または不対システイン(C)残基を含む。一部の実施形態では、改変は、配列番号1によるC190~C199、C194~C207、C215~C223、C219~C231、C232~C240、C236~C248、C251~C260、C264~C291、C295~C307、C311~C326、C329~C333、C506~C515、C510~C523、C526~C535、C539~C555、C558~C571、C562~C579、C582~C591、C595~C617、C620~C628、およびC624~C636からなる群から選択される部位の10オングストローム以内またはそれ以下の分子内ジスルフィド結合で生じる。
【0169】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの発癌性バリアントを発現し、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRの突然変異であり、EGFRの発癌性バリアントをコードするヌクレオチド配列は、アデノシン三リン酸(ATP)結合部位をコードする一つ以上のアミノ酸を含む欠失または置換を含む。一部の実施形態では、ATP結合部位は、配列番号1のアミノ酸E746~A750を含む。一部の実施形態では、ATP結合部位またはその欠失もしくは置換は、配列番号1のL858を含む。一部の実施形態では、欠失は、配列番号1のL858を含む。一部の実施形態では、配列番号1の858位で、ロイシン(L)をアルギニン(R)で置換する(L858R)。
【0170】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの発癌性バリアントを発現し、この場合においてEGFRの発癌性バリアントは、EGFRのアロステリックバリアントであり、EGFRの発癌性バリアントをコードするヌクレオチド配列は、エクソン20またはその一部をコードする配列内に挿入を含む。一部の実施形態では、エクソン20またはその一部をコードする配列は、KEILDEAYVMASVDNPHVCAR(配列番号7)をコードする配列を含む。一部の実施形態では、エクソン20またはその一部をコードする配列は、C-ヘリックス、C-ヘリックスの末端、またはC-ヘリックス後のループをコードする配列を含む。一部の実施形態では、挿入は、ASV、SVD、NPH、またはFQEAのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、エクソン20またはその一部をコードする配列は、以下のうちの一つ以上を含む:(a)配列番号1のV769~D770位の間にアミノ酸配列ASVの挿入、(b)配列番号1のD770~N771位の間にアミノ酸配列SVDの挿入、(c) 配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸配列NPHの挿入、(d)配列番号1のA763~Y764位の間にアミノ酸配列FQEAの挿入、(e)配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸配列PHの挿入、(f)配列番号1のD770~N771位の間にアミノ酸Gの挿入、(g)配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸Hの挿入、(h)配列番号1のV774~C775位の間にアミノ酸配列HVの挿入、(i)配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸配列AHの挿入、(j)配列番号1のA767~S768位の間にアミノ酸配列SVAの挿入、(k)配列番号1の770~771位の間にアミノ酸配列GYNの挿入、(l)配列番号1のN771~P772位の間にアミノ酸Hの挿入、(m)配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸Yの挿入、(n)配列番号1のC775~R776位の間にアミノ酸配列PHVCの挿入、(o)配列番号1の773位のHと、アミノ酸配列YNPYの置換、(p)配列番号1のP772~H773位の間にアミノ酸配列DNPの挿入、(q)配列番号1のS768~V769位の間にアミノ酸配列VDSの挿入、(r)配列番号1のD770~N771位の間にアミノ酸Hの挿入、(s)配列番号1のN771~P772位の間にアミノ酸Nの挿入、(t)配列番号1のP772~H773位の間にアミノ酸配列PNPの挿入、(u)配列番号1の770~771位の間のDNと、アミノ酸配列GSVDNの置換、(v)配列番号1の771~772位の間のNPと、アミノ酸配列GYPの置換、(w)配列番号1のN771~P772位の間にアミノ酸Gの挿入、(x)配列番号1のP772~H773 位の間にアミノ酸配列GNPの挿入、(y)配列番号1のV769~D770位の間にアミノ酸配列GSVの挿入、(z)配列番号1の774~775位の間のVCと、アミノ酸配列GNPHVCの置換、(aa)配列番号1のA763~Y764位の間にアミノ酸配列LQEAの挿入、(bb)配列番号1のD770~N771位の間にアミノ酸配列GLの挿入、(cc)配列番号1のD770~N771位の間にアミノ酸Yの挿入、(dd)配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸配列NPYの挿入、(ee)配列番号1のH773~V774位の間にアミノ酸配列THの挿入、(ff)配列番号1の771~772位の間のNPと、アミノ酸配列KGPの置換、(gg)配列番号1の771~772位の間のNPと、アミノ酸配列SVDNPの置換、(hh)配列番号1のN771~P772位の間にアミノ酸配列NNの挿入、(ii)配列番号1のN771~P772位の間にアミノ酸Tの挿入、および(jj)配列番号1の768~769位の間のSVと、アミノ酸配列STLASVの置換。
【0171】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン18にまたはより多くの突然変異を有することができる。
【0172】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン19にまたはより多くの突然変異を有することができる。
【0173】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン20にまたはより多くの突然変異を有することができる。
【0174】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの発癌性バリアントを発現し、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRのアロステリックバリアントである。
【0175】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、以下のいずれかであってもよい:EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-R222C、EGFR-R252C、EGFR-R252P、EGFR-R256Y、EGFR-T263P、EGFR-Y270C、EGFR-A289T、EGFR-A289V、EGFR-A289D、EGFR-H304Y、EGFR-G331R、EGFR-P596S、EGFR-P596L、EGFR-P596R、EGFR-G598V、EGFR-G598A、EGFR-G614D、EGFR-C620Y、EGFR-C614W、EGFR-C628F、EGFR-C628Y、EGFR-C636Y、EGFR-S645C、EGFR-Δ660、EGFR-Δ768、EGFR-C231F、EGFR-C231F、 EGFR-C595S、EGFR-D761Y、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-L858R、EGFR-E746-A750del、EGFR-E746-A750del+C797S、EGFR-E746-A750del+C797S+T790M、EGFR-C797S、またはその任意の組み合わせ。
【0176】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、以下から選択される:EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-R108K、EGFR-R222C、EGFR-R252C、EGFR-R252P、EGFR-R256Y、EGFR-T263P、EGFR-Y270C、EGFR-A289T、EGFR-A289V、EGFR-A289D、EGFR-H304Y、EGFR-G331R、EGFR-P596S、EGFR-P596L、EGFR-P596R、EGFR-G598V、EGFR-G598A、EGFR-G614D、EGFR-C620Y、EGFR-C614W、EGFR-C628F、EGFR-C628Y、EGFR-C636Y、EGFR-S645C、EGFR-Δ660、EGFR-Δ768、EGFR-V689M、EGFR-N700D、EGFR-E709K、EGFR-E709Q、EGFR-E709A、EGFR-E709G、EGFR-E709V、EGFR-S768I、EGFR-C231F、EGFR-C595S、EGFR-D761Y、EGFR-L718Q、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、EGFR-G719S、EGFR-G724S、EGFR-L858R、EGFR-L858R+C797S、EGFR-L861Q、EGFR-E746-A750del、EGFR-E746-A750del+C797S、EGFR-E746-A750del+S768I、EGFR-E746-A750del+C797S+T790M、EGFR-C797S、EGFR-Δ19+C797S、EGFR- Δ19+C797S+ T790M、EGFR- Δ19+S768I、EGFR-G719C+S768I、EGFR-D716Y、またはその任意の組み合わせ。
【0177】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン20内の挿入を含み、この場合において挿入は、ASV、SVD、NPHまたはFQEAのアミノ酸配列を含む。
【0178】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン20における挿入を含み、この場合において、エクソン20における挿入は、表1に列挙される挿入の群から選択される。
【表1】
【0179】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFRのエクソン20内の置換を含む。
【0180】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン20の置換を含み、エクソン20の置換は、表2に列挙される置換の群から選択される。
【表2】
【0181】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、表3に示されたEGFRバリアントのいずれかであり得る。
【表3】
【0182】
一部の実施形態では、Δ19は、EGFRの残基E746-A750の欠失を含み得る(配列番号1)。
【0183】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、以下のうちの一つ以上を発現する:(a)野生型ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)受容体またはHER2受容体の発癌性バリアント。
【0184】
一部の実施形態では、癌、またはの腫瘍、またはそれらの細胞は、野生型HER2受容体を発現し、野生型HER2受容体は、配列番号2、3、4、5、または6のアミノ酸配列を含む。
【0185】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントである。
【0186】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の310位でセリン(S)とフェニルアラニン(F)の置換を含む。
【0187】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の310位でセリン(S)とチロシン(Y)の置換を含む。
【0188】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の678位でアルギニン(R)とグルタミン(Q)の置換を含む。
【0189】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の777位でバリン(V)とロイシン(L)の置換を含む。
【0190】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の777位でバリン(V)とメチオニン(M)の置換を含む。
【0191】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の842位でバリン(V)とイソロイシン(I)の置換を含む。
【0192】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の755位でロイシン(L)とアラニン(A)の置換を含む。
【0193】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の755位でロイシン(L)とプロリン(P)の置換を含む。
【0194】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、配列番号2または5の755位でロイシン(L)とセリン(S)の置換を含む。
【0195】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントをコードするヌクレオチド配列は、エクソン20またはその一部をコードする配列内に挿入を含む。一部の実施形態では、エクソン20またはその一部をコードする配列は、KEILDEAYVMAGVGSPYVSR(配列番号8)をコードする配列を含む。一部の実施形態では、エクソン20またはその一部をコードする配列は、C-ヘリックス、C-ヘリックスの末端、またはC-ヘリックス後のループをコードする配列を含む。一部の実施形態では、挿入は、GSPまたはYVMAのアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、エクソン20またはその一部をコードする配列は、以下のうちの一つ以上を含む:(a)配列番号2のA775~G776位の間にアミノ酸配列YVMAの挿入、(b)配列番号2のP780~Y781位の間にアミノ酸配列GSPの挿入、(c)配列番号2のA771~Y772位の間にアミノ酸配列YVMAの挿入、(d)配列番号2のA775~G776位の間にアミノ酸配列YVMAの挿入、(e)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸Vの挿入、(f)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸Vの挿入、(g)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列AVGCVの置換、(h)配列番号2の776位の間のGとアミノ酸配列LCの置換、(i)配列番号2の776位の間のGと、アミノ酸配列LCVの置換、(j)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸配列GSPの挿入、(k)配列番号2の755~757位の間のLREと、アミノ酸配列PSの置換、(l)配列番号2の779~780位の間のSPと、アミノ酸配列CPGSPの置換、(m)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸Cの挿入、(n)配列番号2の775~776位の間のAGと、アミノ酸配列VVMAの置換、(o)配列番号2の776位のGと、アミノ酸配列VVの置換、(p)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列AVCVの置換、(q)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列VCVの置換、(r)配列番号2のG778~S779位の間にアミノ酸Gの挿入、(s)配列番号2の755~757位の間のLREと、アミノ酸配列PKの挿入、(t)配列番号2のA775~G776位の間にアミノ酸Vの挿入、(u)配列番号2のA775~G776位の間にアミノ酸配列YAMAの挿入、(v)配列番号2の776位のGと、アミノ酸配列CVの置換、(w)配列番号2の776~778位の間のGVGと、アミノ酸配列AVCGGの置換、(x)配列番号2の776~778位の間のGVGと、アミノ酸配列CVCGの置換、(y)配列番号2の776~778位の間のGVGと、アミノ酸配列VVVGの置換、(z)配列番号2の776~779位の間のGVGSと、アミノ酸配列SVGGの置換、(aa)配列番号2の776~779位の間のGVGSと、アミノ酸配列VVGESの置換、(bb)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列AVGSGVの置換、(cc)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列CVCの置換、(dd)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列HVCの置換、(ee)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列VAAGVの置換、(ff)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列VAGVの置換、(gg)配列番号2の776~777位の間のGVと、アミノ酸配列VVVの置換、(hh)配列番号2のG778~S779位の間にアミノ酸配列FPGの挿入、(ii)配列番号2のS779~P780位の間にアミノ酸配列GSの挿入、(jj)配列番号2の754~757位の間のVLREと、アミノ酸配列VPSの置換、(kk)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸配列Eの挿入、(ll)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸配列MAGVの挿入、(mm)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸Sの挿入、(nn)配列番号2のV777~G778位の間にアミノ酸配列SCVの挿入、および(oo)配列番号2のY772~V773位の間にアミノ酸配列LMAYの挿入。
【0196】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER2受容体の発癌性バリアントを発現し、この場合において、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2受容体のアロステリックバリアントであり、HER2受容体の発癌性バリアントは、HER2-Δ16、HER2-C311R、HER2-S310F、p95-HER2-M611、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0197】
一部の実施形態では、HER2の発癌性バリアントは、エクソン20内の挿入を含み、この場合において挿入は、GSPまたはYVMAのアミノ酸配列を含む。
【0198】
一部の実施形態では、HER2の発癌性バリアントは、エクソン20における挿入を含み、この場合において、エクソン20における挿入は、表4に列挙される挿入の群から選択される。
【表4】
【0199】
一部の実施形態では、HER2の発癌性バリアントは、HER2のエクソン20内の置換を含む。
【0200】
一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、エクソン20の置換を含み、エクソン20の置換は、表5に列挙される置換の群から選択される。
【表5】
【0201】
一部の実施形態では、HER2の発癌性バリアントは、表6に示されたHER2バリアントのいずれかである。
【表6】
【0202】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER3受容体の発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、HER3の発癌性バリアントは、表7に示されたバリアントのいずれかである。
【表7】
【0203】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、HER4受容体の発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、HER4受容体の発癌性バリアントは、HER4受容体のアロステリックバリアントである。一部の実施形態では、HER4受容体の発癌性バリアントは、エクソン16の欠失(HER4-Δ16)を含む。
【0204】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの発癌性バリアントを発現し、この場合において、EGFRの発癌性バリアントをコードする配列は、エクソン20またはその一部の欠失を含み、この場合において、癌、腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRのエクソン20以外の配列に第二の発癌多様性を含まない。一部の実施形態では、第二の発癌多様性は、EGFRキナーゼドメイン(KD)、BRAF、NTRK、およびKRASのうちの一つ以上をコードする配列を含む。
【0205】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRの発癌性バリアントを発現し、この場合において、EGFRの発癌性バリアントをコードする配列は、エクソン20またはその一部の欠失を含み、この場合において、癌、腫瘍、またはそれらの細胞は、免疫療法に対する応答性を示唆するマーカーを含まない。
【0206】
一部の実施形態では、発癌性バリアント(例えばアロステリックバリアント)または発癌性突然変異(例えばアロステリック変異)は、食品医薬品局(FDA)認可の診断法によって検出される。
【0207】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)の発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、PI3Kの変異型形態を発現し、PI3Kの変異型形態は、PI3Kの野生型配列とは異なる。一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、PI3Kの発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、PI3Kの変異型形態を発現し、PI3Kの変異型形態は、PI3Kの野生型配列とは異なる。
【0208】
PI3Kの発癌性バリアントは、少なくとも一つの発癌性突然変異を含み、少なくとも一つの発癌性突然変異を含むPI3Kをコードする遺伝子の発現の結果として産生されるPI3Kタンパク質であることが理解される。
【0209】
当業者に理解されるように、遺伝子(例えば、PI3Kをコードする遺伝子)の観点から、発癌性突然変異は、ただし、PI3K内の特定の位置でのあるアミノ酸の別のアミノ酸からの置換をもたらす突然変異に限定されないが、PI3K内の二つの位置間の一つ以上のアミノ酸の挿入をもたらす突然変異と、PI3K内の二つの位置間のもう一つのアミノ酸の欠失をもたらす突然変異と、PI3Kまたはその一部の、別のタンパク質またはその一部との融合をもたらす突然変異と、を含み得る。当業者に理解されるように、遺伝子の観点から、発癌性突然変異は、限定されないが、ミスセンス変異、非同義変異、一つ以上のヌクレオチドの挿入、一つ以上のヌクレオチドの欠失、逆位および欠失-挿入を含み得る。
【0210】
当業者に理解されるように、タンパク質(例えば、PI3K)の観点から、 発癌性突然変異は、限定されないが、PI3K内の特定の位置でのあるアミノ酸の別のアミノ酸からの置換、PI3K内の二つの位置間の一つ以上のアミノ酸の挿入、PI3K内の二つの位置間のもう一つのアミノ酸の欠失、およびPI3Kまたはその一部の、別のタンパク質またはその一部との融合、を含み得る。
【0211】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、受容体チロシンキナーゼc-MET(METとも呼ばれる)をコードするMET遺伝子の増幅を有する。
【0212】
一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRvIIIを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRvIIを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFRvVIを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-R108Kを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-R222Cを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C231Fを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-A289Tを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-A289Vを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C595Sを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-G598Vを発現する。一部の態様では、癌はグリア芽腫であり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-S645Cを発現する。
【0213】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C797Sを発現する。一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-G719Sを発現する。一部の態様では、癌は進行性および/または転移性NSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C797Sを発現する。一部の態様では、癌は進行性および/または転移性NSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-G719Sを発現する。一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C797Sを発現し、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、本開示の化合物(例えば、オシメルチニブまたはラゼルチニブ)とは異なる治療薬を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、耐性機構としてEGFR-C797Sを発現し、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、本開示の化合物(例えば、オシメルチニブまたはラゼルチニブ)とは異なる治療薬を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0214】
一部の態様では、エクソン19の欠失は、E746-A750の欠失を含み得る(EGFR-E746-A750del)。
【0215】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、エクソン19の欠失を含むEGFRの発癌性バリアントを発現する。一部の態様では、エクソン19の欠失は、E746-A750の欠失である(EGFR-E746-A750del)。
【0216】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、エクソン19 + C797Sの欠失を含むEGFRの発癌性バリアントを発現する。一部の態様では、エクソン19の欠失は、E746-A750の欠失である(EGFR-E746-A750del)。
【0217】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、エクソン19 + C797Sの欠失を含むEGFRの発癌性バリアントを発現し、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、本開示の化合物(例えば、オシメルチニブまたはラゼルチニブ)とは異なる治療薬を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。一部の態様では、エクソン19の欠失は、E746-A750(EGFR-E746-A750del)の欠失である。一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌またはその腫瘍もしくは細胞は、EGFR-L858Rを発現する。
【0218】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C797S+L858Rを発現する。
【0219】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-C797S+L858Rを発現し、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、本開示の化合物(例えば、オシメルチニブまたはラゼルチニブ)とは異なる治療薬を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0220】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、エクソン18の発癌性突然変異を含むEGFRの発癌性バリアントを発現する。
【0221】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-G719C,EGFR-G719D,EGFR-G719R,EGFR-G719A、またはEGFR-G719Sを発現する。
【0222】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、EGFR-G719S、EGFR-S768I、EGFR-V769L、EGFR-E709G、EGFR-E709A、EGFR-D716Y、またはそれらの任意の組み合わせを発現する。
【0223】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-S768Iを発現する。
【0224】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、EGFR-L861Qを発現する。
【0225】
一部の態様では、癌はNSCLCであり、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、MET遺伝子の増幅を有する。
【0226】
一部の実施形態では、本開示の化合物を用いた治療の前に、対象は、癌を治療するための外科手術を受けていない。
【0227】
一部の実施形態では、本開示の化合物を用いた治療の前に、対象は、癌を治療するための一つ以上の外科手術を受けている。
【0228】
一部の実施形態では、本開示の化合物を用いた治療の前に、対象は少なくとも一つの化学放射線療法を受けている。
【0229】
一部の実施形態では、対象は、反復性GBMを有し、以前に一つ以上の外科手術を受け、少なくとも一つの化学放射線療法を受けたことがある。
【0230】
一部の実施形態では、本開示の化合物を用いた治療の前に、対象は、本開示の化合物とは異なる治療薬で治療される。
【0231】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0232】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、本開示の化合物とは異なるEGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0233】
第三世代EGFR阻害剤の非網羅的および非限定的なリストは、アファチニブ、アビチニブ、ダコミチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラゼルチニブ、mavelertinib、naquotinib、ナザルチニブ、olmutinib、オシメルチニブ、およびロシレチニブからなる。
【0234】
一部の実施形態では、癌、またはその腫瘍もしくは細胞は、アファチニブ、アビチニブ、ダコミチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラゼルチニブ、mavelertinib、naquotinib、ナザルチニブ、olmutinib、オシメルチニブ、およびロシレチニブのうちの一つ以上を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0235】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、オシメルチニブ、またはラゼルチニブを用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0236】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、プラチナ含有化学療法と組み合わせて第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0237】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性であり、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞が、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、プラチナ含有化学療法と組み合わせて第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性であり、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞が、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFR-C797S、EGFR-L861Q、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、EGFR-G719S、EGFR-S768I、またはEGFR-V769Lであり得る。
【0238】
一部の実施形態では、癌は進行性および/または転移性NSCLCであり、第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。一部の実施形態では、癌は進行性および/または転移性NSCLCであり、プラチナ含有化学療法と組み合わせて第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0239】
一部の実施形態では、癌は進行性および/または転移性NSCLCであり、第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性であり、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞が、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、癌は進行性および/または転移性NSCLCであり、プラチナ含有化学療法と組み合わせて第三世代EGFR阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性であり、この場合において、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞が、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現する。一部の実施形態では、EGFRの発癌性バリアントは、EGFR-C797S、EGFR-L861Q、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、EGFR-G719S、EGFR-S768I、またはEGFR-V769Lであり得る。
【0240】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、アファチニブ、アビチニブ、ダコミチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ラゼルチニブ、mavelertinib、naquotinib、ナザルチニブ、olmutinib、オシメルチニブ、およびロシレチニブのうちの一つ以上を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0241】
一部の実施形態では、癌はNSCLCであり、オシメルチニブ、またはラゼルチニブを用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。
【0242】
一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、本開示の化合物とは異なる治療薬を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。一部の実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、I型阻害剤を用いた治療に対して非感受性であるか、または耐性である。いくつかの実施形態では、癌、または腫瘍、またはそれらの細胞は、ゲフィニチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネシツヌマブ(necitunumab)、クリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、アファチニブ、サピチニブ(sapitinib)、ダコミチニブ、カネルチニブ、ペリチニブ、WZ4002、WZ8040、WZ3146、CO-1686、およびAZD9291のうちの一つ以上を用いた治療に対して、非感受性であるか、または耐性である。
【0243】
一部の実施形態では、対象は、本開示の化合物とは異なる治療薬での治療に有害反応を有する。一部の実施形態では、対象は、I型阻害剤での治療に有害反応を有する。一部の実施形態では、対象は、ゲフィニチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ネシツヌマブ(necitunumab)、クリゾチニブ、アレクチニブ、セリチニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、アファチニブ、サピチニブ、ダコミチニブ、カネルチニブ、ペリチニブ、WZ4002、WZ8040、WZ3146、CO-1686、およびAZD9291のうちの一つ以上での治療に有害反応を有する。一部の実施形態では、有害反応はEGFRの発癌性バリアントの活性化であり、発癌性バリアントは受容体の細胞外ドメインに突然変異を含む。一部の実施形態では、有害反応は、HER2受容体の発癌性バリアントの活性化であり、発癌性バリアントは受容体の細胞外ドメインに突然変異を含む。
【0244】
一部の実施形態では、対象が、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つの初期療法を以前に投与されており、前述の少なくとも一つの初期療法の投与にもかかわらず、対象が疾患進行を経験し、この場合において、初期療法が、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤の投与、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法、少なくとも一つの抗PD-L1療法、またはその任意の組み合わせを含む。
【0245】
一部の実施形態では、対象がNSCLCを有する可能性があり、対象が、前述のNSCLCを治療するための、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つの初期療法を以前に投与されており、前述の少なくとも一つの初期療法の投与にもかかわらず、対象が疾患進行を経験し、この場合において、初期療法が、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤の投与、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法、少なくとも一つの抗PD-L1療法、またはその任意の組み合わせを含む。
【0246】
一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法と組み合わせて、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤を以前に投与されている。一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法、および少なくとも一つの抗PD-L1療法と組み合わせて、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤を以前に投与されている。一部の実施形態では、少なくとも一つのEGFR阻害剤は、オシメルチニブとすることができる。一部の態様では、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントは、EGFR-Δ19、EGFR-L858R、EGFR-L861Q、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、EGFR-G719S、EGFR-S768I、EGFR-V769L、またはEGFR-C797Sであり得る。
【0247】
一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法と組み合わせて、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤を以前に投与されている。一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法、および少なくとも一つの抗PD-L1療法と組み合わせて、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤を以前に投与されている。一部の実施形態では、少なくとも一つのEGFR阻害剤は、オシメルチニブとすることができる。一部の態様では、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントは、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、EGFR-G719S、EGFR-S768I、EGFR-V769L、EGFR-E709G、EGFR-E709A、またはEGFR-D716Yであり得る。一部の実施形態では、NSCLCはCNSに転移した可能性がある。一部の実施形態では、NSCLCはCNSに転移しない可能性がある。
【0248】
一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、ここで、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントはEGFR-C797Sであり、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法と組み合わせて、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤を以前に投与されている。一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、ここで、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントはEGFR-C797Sであり、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法、および少なくとも一つの抗PD-L1療法と組み合わせて、本開示の化合物とは異なる少なくとも一つのEGFR阻害剤を以前に投与されている。一部の実施形態では、少なくとも一つのEGFR阻害剤は、オシメルチニブとすることができる。一部の実施形態では、NSCLCはCNSに転移した可能性がある。一部の実施形態では、NSCLCはCNSに転移しない可能性がある。
【0249】
一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、対象は、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法を以前に投与されている。一部の実施形態では、対象は、進行性および/または転移性NSCLCを有し、ここで、NSCLC、または腫瘍、またはそれらの細胞は、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントを発現し、対象は、少なくとも一つの抗PD-L1療法と組み合わせて、少なくとも一つのプラチナ含有化学療法を以前に投与されている。一部の実施形態では、少なくとも一つのEGFRの発癌性バリアントは、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-G719A、またはEGFR-G719Sであり得る。一部の実施形態では、NSCLCはCNSに転移した可能性がある。一部の実施形態では、NSCLCはCNSに転移しない可能性がある。
【0250】
抗PD-L1療法の非限定的な例としては、限定されないが、当技術分野で公知の抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ、アベルマブ、およびデュルバルマブ)が挙げられる。
【0251】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量の非I型阻害剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、非I型阻害剤は、低分子II型阻害剤を含む。
【0252】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量の非I型阻害剤を投与することをさらに含む。一部の実施形態では、非I型阻害剤は、低分子II型阻害剤を含む。
【0253】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量の非I型阻害剤と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、非I型阻害剤は、低分子II型阻害剤を含む。
【0254】
一部の実施形態では、組成物は、非I型阻害剤をさらに含む。一部の実施形態では、非I型阻害剤は、低分子II型阻害剤を含む。
【0255】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量のテモゾロミドを投与することをさらに含む。
【0256】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のテモゾロミドと組み合わせて投与される。
【0257】
一部の実施形態では、組成物は、テモゾロミドをさらに含む。
【0258】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与される。
【0259】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて投与される。
【0260】
一部の実施形態では、組成物はホスファチジリノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤をさらに含む。
【0261】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量のアミバンタマブ、カプマチニブ、またはその組み合わせを投与することをさらに含む。
【0262】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のアミバンタマブ、カプマチニブ、またはその組み合わせと組み合わせて投与される。
【0263】
一部の実施形態では、組成物は、アミバンタマブ、カプマチニブ、またはその組み合わせをさらに含む。
【0264】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量のオシメルチニブ投与することをさらに含む。
【0265】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のオシメルチニブと組み合わせて投与される。
【0266】
一部の実施形態では、組成物は、オシメルチニブをさらに含む。
【0267】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量のアルペリシブ投与することをさらに含む。
【0268】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のアルペリシブと組み合わせて投与される。
【0269】
一部の実施形態では、組成物は、アルペリシブをさらに含む。
【0270】
一部の実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に治療有効量のパクサリシブ投与することをさらに含む。
【0271】
一部の実施形態では、本化合物は、治療有効量のパクサリシブと組み合わせて投与される。
【0272】
一部の実施形態では、組成物は、パクサリシブをさらに含む。
【0273】
一部の実施形態では、治療有効量は、癌の兆候または症状の重症度を低下させる。
【0274】
一部の実施形態では、癌の兆候は、腫瘍悪性度を含み、兆候の重症度の低減は腫瘍悪性度の減少を含む。
【0275】
一部の実施形態では、癌の兆候は、腫瘍転移を含み、兆候の重症度の低減は、転移の排除または転移の速度もしくは程度の低減を含む。
【0276】
一部の実施形態では、癌の兆候は、腫瘍体積を含み、兆候の重症度の低減は、腫瘍の排除または体積の低減を含む。
【0277】
一部の実施形態では、癌の症状は、疼痛を含み、兆候の重症度の低減は、疼痛の排除または低減を含む。
【0278】
一部の実施形態では、治療有効量は、寛解期を誘導する。
【0279】
一部の実施形態では、治療有効量は、対象の予後を改善する。
【0280】
主題のそのような使用(または予防方法もしくは治療方法)は、EGFRおよびHER2受容体のアロステリックおよび/または発癌性バリアントを標的とすることにより、そのような予防または治療を必要とする対象に、治療有効量の本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩もしくはその医薬組成物を投与することを含む。
【0281】
化合物1の投与
一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0282】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が経口投与される。
【0283】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の用量(例えば一日用量)で投与される:
約15±10mg、約15±5mg、約15±4mg、約15±3mg、約15±2mg、または約15±1mg(例えば、約15mg)、
約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)、
約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)、
約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)、
約150±20mg、約150±10mg、約150±5mg、約150±4mg、約150±3mg、約150±2mg、または約150±1mg(例えば、約150mg)、約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)、
約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)、
約400±50mg、約400±40mg、約400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)、
約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)、
約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)、
約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)、または
約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)。
【0284】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約15±10mg、約15±5mg、約15±4mg、約15±3mg、約15±2mg、または約15±1mg(例えば、約15mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0285】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0286】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0287】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0288】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約150±20mg、約150±10mg、約150±5mg、約150±4mg、約150±3mg、約150±2mg、または約150±1mg(例えば、約150mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0289】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0290】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0291】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、400±50 mg、400±40 mg、400±30 mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0292】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0293】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0294】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0295】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0296】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の用量(例えば一日用量)で投与される:
約60±10mg/kg、約60±5mg/kg、約60±4mg/kg、約60±3mg/kg、約60±2mg/kg、または約60±1mg/kg(例えば、約60mg/kg)、
約180±20mg/kg、約180±10mg/kg、約180±5mg/kg、約180±4mg/kg、約180±3mg/kg、約180±2mg/kg、または約180±1mg/kg(例えば、約180mg/kg)、
約600±50mg/kg、約600±40mg/kg、約600±30mg/kg、約600±20mg/kg、約600±10mg/kg、約600±5mg/kg、約600±4mg/kg、約600±3mg/kg、約600±2mg/kg、もしくは約600±1mg/kg(例えば、約600mg/kg)、または
約1800±50mg/kg、約1800±40mg/kg、約1800±30mg/kg、約1800±20mg/kg、約1800±10mg/kg、約1800±5mg/kg、約1800±4mg/kg、約1800±3mg/kg、約1800±2mg/kg、または約1800±1mg/kg(例えば、約1800mg/kg)。
【0297】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約60±10mg/kg、約60±5mg/kg、約60±4mg/kg、約60±3mg/kg、約60±2mg/kg、または約60±1mg/kg(例えば、約60mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0298】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約180±20mg/kg、約180±10mg/kg、約180±5mg/kg、約180±4mg/kg、約180±3mg/kg、約180±2mg/kg、または約180±1mg/kg(例えば、約180mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0299】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約600±50mg/kg、約600±40mg/kg、約600±30mg/kg、約600±20mg/kg、約600±10mg/kg、約600±5mg/kg、約600±4mg/kg、約600±3mg/kg、約600±2mg/kg、または約600±1mg/kg(例えば、約600mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0300】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約1800±50mg/kg、約1800±40mg/kg、約1800±30mg/kg、約1800±20mg/kg、約1800±10mg/kg、約1800±5mg/kg、約1800±4mg/kg、約1800±3mg/kg、約1800±2mg/kg、または約1800±1mg/kg(例えば、約1800mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0301】
一部の実施形態では、対象はマウスである。
【0302】
一部の実施形態では、対象はラットである。
【0303】
一部の実施形態では、対象はイヌである。
【0304】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の用量(例えば一日用量)で投与される:
約1±3mg/kg、約1±2mg/kg、約1±1mg/kg、または約1±0.1mg/kg(例えば、約1mg/kg)、
約5±3mg/kg、約5±2mg/kg、または約5±1mg/kg(例えば、約5mg/kg)、
約15±5mg/kg、約15±4mg/kg、約15±3mg/kg、約15±2mg/kg、または約15±1mg/kg(例えば、約15mg/kg)、
約30±10mg/kg、約30±5mg/kg、約30±4mg/kg、約30±3mg/kg、約30±2mg/kg、または約30±1mg/kg(例えば、約30mg/kg)、
約50±10mg/kg、約50±5mg/kg、約50±4mg/kg、約50±3mg/kg、約50±2mg/kg、または約50±1mg/kg(例えば、約50mg/kg)、または
約150±20mg/kg、約150±10mg/kg、約150±5mg/kg、約150±4mg/kg、約150±3mg/kg、約150±2mg/kg、または約150±1mg/kg(例えば、約150mg/kg)。
【0305】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約1±3mg/kg、約1±2mg/kg、約1±1mg/kg、または約1±0.1mg/kg、(例えば、約1mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0306】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約5±3mg/kg、約5±2mg/kg、または約5±1mg/kg(例えば、約5mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0307】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約15±5mg/kg、約15±4mg/kg、約15±3mg/kg、約15±2mg/kg、または約15±1mg/kg(例えば、約15mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0308】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約30±10mg/kg、約30±5mg/kg、約30±4mg/kg、約30±3mg/kg、約30±2mg/kg、または約30±1mg/kg(例えば、約30mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0309】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約50±10mg/kg、約50±5mg/kg、約50±4mg/kg、約50±3mg/kg、約50±2mg/kg、または約50±1mg/kg(例えば、約50mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0310】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約150±20mg/kg、約150±10mg/kg、約150±5mg/kg、約150±4mg/kg、約150±3mg/kg、約150±2mg/kg、または約150±1mg/kg(例えば、約150mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0311】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩は、1回以上の休薬期間を設けて投与される。
【0312】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩は、休薬期間を全く設けずに投与される。
【0313】
一部の実施形態では、投与前に、対象は、少なくとも約30分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、または少なくとも約12時間、絶食される。
【0314】
一部の実施形態では、投与前に、対象は、少なくとも約30分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、または約12時間、食物を与えられる。
【0315】
投与の長さおよび頻度
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が一日一回投与される。
【0316】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が一日二回投与される。
【0317】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約21日間、約42日間、約63日間、約84日間、約105日間、約126日間、約147日間、約168日間、約189日間、または約210日間投与される。
【0318】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が210日間を超えて投与される。
【0319】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1Aまたは化合物1B)またはその薬学的に許容可能な塩は、癌の進行または有害作用(例えば、許容されない毒性)が観察されるまで投与される。
【0320】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が約21日間投与される。
【0321】
一部の実施形態では、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩が約21日間投与され、続いて30日間の休薬期間を設ける。
【0322】
一部の実施形態では、治療は、約1か月、約2か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約15か月、約18か月、約21か月、または約24か月持続する。
【0323】
一部の実施形態では、治療は一つ以上の治療サイクルを含み、ここで各治療サイクルは、化合物1(例えば、化合物1A、または化合物1B)、またはその薬学的に許容可能な塩を約21日間投与し、続いて30日間の休薬期間を設けることを含む。
【0324】
化合物2の投与
一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0325】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が経口投与される。
【0326】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の用量(例えば一日用量)で投与される:
約15±10mg、約15±5mg、約15±4mg、約15±3mg、約15±2mg、または約15±1mg(例えば、約15mg)、
約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)、
約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)、
約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)、
約150±20mg、約150±10mg、約150±5mg、約150±4mg、約150±3mg、約150±2mg、または約150±1mg(例えば、約150mg)、
約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)、
約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)、
約400±50mg、約400±40mg、約400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)、
約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)、
約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)、
約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)、または
約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)。
【0327】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約15±10mg、約15±5mg、約15±4mg、約15±3mg、約15±2mg、または約15±1mg(例えば、約15mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0328】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0329】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0330】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0331】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約150±20mg、約150±10mg、約150±5mg、約150±4mg、約150±3mg、約150±2mg、または約150±1mg(例えば、約150mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0332】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0333】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0334】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、400±50mg、400±40mg、400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0335】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0336】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0337】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0338】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0339】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の用量(例えば一日用量)で投与される:
約60±10mg/kg、約60±5mg/kg、約60±4mg/kg、約60±3mg/kg、約60±2mg/kg、または約60±1mg/kg(例えば、約60mg/kg)、
約180±20mg/kg、約180±10mg/kg、約180±5mg/kg、約180±4mg/kg、約180±3mg/kg、約180±2mg/kg、または約180±1mg/kg(例えば、約180mg/kg)、
約600±50mg/kg、約600±40mg/kg、約600±30mg/kg、約600±20mg/kg、約600±10mg/kg、約600±5mg/kg、約600±4mg/kg、約600±3mg/kg、約600±2mg/kg、もしくは約600±1mg/kg(例えば、約600mg/kg)、または
約1800±50mg/kg、約1800±40mg/kg、約1800±30mg/kg、約1800±20mg/kg、約1800±10mg/kg、約1800±5mg/kg、約1800±4mg/kg、約1800±3mg/kg、約1800±2mg/kg、または約1800±1mg/kg(例えば、約1800mg/kg)。
【0340】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約60±10mg/kg、約60±5mg/kg、約60±4mg/kg、約60±3mg/kg、約60±2mg/kg、または約60±1mg/kg(例えば、約60mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0341】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約180±20mg/kg、約180±10mg/kg、約180±5mg/kg、約180±4mg/kg、約180±3mg/kg、約180±2mg/kg、または約180±1mg/kg(例えば、約180mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0342】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約600±50mg/kg、約600±40mg/kg、約600±30mg/kg、約600±20mg/kg、約600±10mg/kg、約600±5mg/kg、約600±4mg/kg、約600±3mg/kg、約600±2mg/kg、または約600±1mg/kg(例えば、約600mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0343】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約1800±50mg/kg、約1800±40mg/kg、約1800±30mg/kg、約1800±20mg/kg、約1800±10mg/kg、約1800±5mg/kg、約1800±4mg/kg、約1800±3mg/kg、約1800±2mg/kg、または約1800±1mg/kg(例えば、約1800mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0344】
一部の実施形態では、対象はマウスである。
【0345】
一部の実施形態では、対象はラットである。
【0346】
一部の実施形態では、対象はイヌである。
【0347】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の用量(例えば一日用量)で投与される:
約1±3mg/kg、約1±2mg/kg、約1±1mg/kg、または約1±0.1mg/kg(例えば、約1mg/kg)、
約5±3mg/kg、約5±2mg/kg、または約5±1mg/kg(例えば、約5mg/kg)、
約15±5mg/kg、約15±4mg/kg、約15±3mg/kg、約15±2mg/kg、または約15±1mg/kg(例えば、約15mg/kg)、
約30±10mg/kg、約30±5mg/kg、約30±4mg/kg、約30±3mg/kg、約30±2mg/kg、または約30±1mg/kg(例えば、約30mg/kg)、
約50±10mg/kg、約50±5mg/kg、約50±4mg/kg、約50±3mg/kg、約50±2mg/kg、または約50±1mg/kg(例えば、約50mg/kg)、または
約150±20mg/kg、約150±10mg/kg、約150±5mg/kg、約150±4mg/kg、約150±3mg/kg、約150±2mg/kg、または約150±1mg/kg(例えば、約150mg/kg)。
【0348】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約1±3mg/kg、約1±2mg/kg、約1±1mg/kg、または約1±0.1mg/kg、(例えば、約1mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0349】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約5±3mg/kg、約5±2mg/kg、または約5±1mg/kg(例えば、約5mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0350】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約15±5mg/kg、約15±4mg/kg、約15±3mg/kg、約15±2mg/kg、または約15±1mg/kg(例えば、約15mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0351】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約30±10mg/kg、約30±5mg/kg、約30±4mg/kg、約30±3mg/kg、約30±2mg/kg、または約30±1mg/kg(例えば、約30mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0352】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約50±10mg/kg、約50±5mg/kg、約50±4mg/kg、約50±3mg/kg、約50±2mg/kg、または約50±1mg/kg(例えば、約50mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0353】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約150±20mg/kg、約150±10mg/kg、約150±5mg/kg、約150±4mg/kg、約150±3mg/kg、約150±2mg/kg、または約150±1mg/kg(例えば、約150mg/kg)の用量(例えば、一日用量)で投与される。
【0354】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩は、1回以上の休薬期間を設けて投与される。
【0355】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩は、休薬期間を全く設けずに投与される。
【0356】
一部の実施形態では、投与前に、対象は、少なくとも約30分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、または少なくとも約12時間、絶食される。
【0357】
一部の実施形態では、投与前に、対象は、少なくとも約30分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、または約12時間、食物を与えられる。
投与の長さおよび頻度
【0358】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が一日一回投与される。
【0359】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が一日二回投与される。
【0360】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、約21日間、約42日間、約63日間、約84日間、約105日間、約126日間、約147日間、約168日間、約189日間、または約210日間投与される。
【0361】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が210日間を超えて投与される。
【0362】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、癌の進行または有害作用(例えば、許容されない毒性)が観察されるまで投与される。
【0363】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が約21日間投与される。
【0364】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が約21日間投与され、続いて30日間の休薬期間を設ける。
【0365】
一部の実施形態では、治療または予防は、約1か月、約2か月、約3か月、約6か月、約9か月、約12か月、約15か月、約18か月、約21か月、または約24か月持続する。
【0366】
一部の実施形態では、治療または予防は一つ以上の治療サイクルを含み、ここで各治療サイクルは、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩を約21日間投与し、続いて30日間の休薬期間を設けることを含む。
テモゾロミド(TMZ)との組合せ
【0367】
一部の実施形態では、本方法は、治療有効量のテモゾロミドを投与することをさらに含む。
【0368】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が、治療有効量のテモゾロミドと組み合わせて投与される。
【0369】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、同時に、順次に、または交互に、投与される。
【0370】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、同時に投与される。
【0371】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、順次に投与される。
【0372】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、時間的に近接して投与される。
【0373】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、交互に投与される。
【0374】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、別々の製剤で投与される。
【0375】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、共製剤で投与される。
【0376】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドが、約28日投与される。
【0377】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩、およびテモゾロミドは、約28日、約56日、約84日、約112日、約140日、約168日、約196日、約224日、約252日、または約280日投与される。
【0378】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2A、または化合物2B)、またはその薬学的に許容可能な塩が280日間を超えて投与される。
【0379】
一部の実施形態では、化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B)またはその薬学的に許容可能な塩は、癌の進行または有害作用(例えば、許容されない毒性)が観察されるまで投与される。
例示的実施形態
例示的実施形態1.
医薬有効量の化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防する方法。
例示的実施形態2.
医薬有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防する方法。
例示的実施形態3.
医薬有効量の化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩を、対象に投与することを含む、それを必要とする対象における癌を治療または予防する方法。
例示的実施形態4.
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩。
例示的実施形態5.
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩。
例示的実施形態6.
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩。
例示的実施形態7.
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための薬剤の製造における、化合物1、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
例示的実施形態8.
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための薬剤の製造における、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
例示的実施形態9.
それを必要とする対象において癌を治療または予防するための薬剤の製造における、化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
例示的実施形態10.
癌が、グリア芽腫(GBM)またはその任意のサブタイプである、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態11.
癌が、グリア芽腫である、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態12.
癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)またはその任意のサブタイプである、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態13.
癌が、非小細胞肺癌(NSCLC)である、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態14.
化合物1A、化合物1B、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態15.
化合物1A、その薬学的に許容可能な塩が投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態16.
化合物1B、その薬学的に許容可能な塩が投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態17.
化合物2A、化合物2B、またはその薬学的に許容可能な塩が投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態18.
化合物2A、その薬学的に許容可能な塩が投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態19.
化合物2B、その薬学的に許容可能な塩が投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態20.
対象がヒトである、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態21.
対象がマウスである、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用。
例示的実施形態22.
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の一日用量で投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用:
約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)、
約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)、
約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)、
約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)、
約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)、
約400±50mg、約400±40mg、約400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)、
約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)、
約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)、
約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)、または
約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)。
例示的実施形態23.
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の一日用量で投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用:
約60±10mg/kg、約60±5mg/kg、約60±4mg/kg、約60±3mg/kg、約60±2mg/kg、または約60±1mg/kg、
約180±20 mg/kg、約180±10mg/kg、約180±5mg/kg、約180±4mg/kg、約180±3mg/kg、約180±2mg/kg、または約180±1mg/kg、
約600±50mg/kg、約600±40mg/kg、約600±30mg/kg、約600±20mg/kg、約600±10mg/kg、約600±5mg/kg、約600±4mg/kg、約600±3mg/kg、約600±2mg/kg、もしくは約600±1mg/kg、または
約1800±50mg/kg、約1800±40mg/kg、約1800±30mg/kg、約1800±20mg/kg、約1800±10mg/kg、約1800±5mg/kg、約1800±4mg/kg、約1800±3mg/kg、約1800±2mg/kg、もしくは約1800±1mg/kg。
例示的実施形態24.
化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の一日用量で投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用:
約1±3mg/kg、約1±2mg/kg、約1±1mg/kg、または約1±0.
1mg/kg(例えば、約1mg/kg)、
約5±3mg/kg、約5±2mg/kg、または約5±1mg/kg、
約15±5mg/kg、約15±4mg/kg、約15±3mg/kg、約15±2mg/kg、または約15±1mg/kg、
約30±10mg/kg、約30±5mg/kg、約30±4mg/kg、約30±3mg/kg、または約30±2mg/kg、または約30±1mg/kg(例えば、約30mg/kg)、
約50±10mg/kg、約50±5mg/kg、約50±4mg/kg、約50±3mg/kg、約50±2mg/kg、もしくは約50±1mg/kg、または
約150±20mg/kg、約150±10mg/kg、約150±5mg/kg、約150±4mg/kg、約150±3mg/kg、約150±2mg/kg、または約150±1mg/kg。
例示的実施形態25.
化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の一日用量で投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用:
約25±10mg、約25±5mg、約25±4mg、約25±3mg、約25±2mg、または約25±1mg(例えば、約25mg)、
約50±10mg、約50±5mg、約50±4mg、約50±3mg、約50±2mg、または約50±1mg(例えば、約50mg)、
約100±20mg、約100±10mg、約100±5mg、約100±4mg、約100±3mg、約100±2mg、または約100±1mg(例えば、約100mg)、
約200±20mg、約200±10mg、約200±5mg、約200±4mg、約200±3mg、約200±2mg、または約200±1mg(例えば、約200mg)、
約300±20mg、約300±10mg、約300±5mg、約300±4mg、約300±3mg、約300±2mg、または約300±1mg(例えば、約300mg)、
約400±50mg、約400±40mg、約400±30mg、約400±20mg、約400±10mg、約400±5mg、約400±4mg、約400±3mg、約400±2mg、または約400±1mg(例えば、約400mg)、
約500±50mg、約500±40mg、約500±30mg、約500±20mg、約500±10mg、約500±5mg、約500±4mg、約500±3mg、約500±2mg、または約500±1mg(例えば、約500mg)、
約600±50mg、約600±40mg、約600±30mg、約600±20mg、約600±10mg、約600±5mg、約600±4mg、約600±3mg、約600±2mg、または約600±1mg(例えば、約600mg)、
約800±50mg、約800±40mg、約800±30mg、約800±20mg、約800±10mg、約800±5mg、約800±4mg、約800±3mg、約800±2mg、または約800±1mg(例えば、約800mg)、または
約1000±50mg、約1000±40mg、約1000±30mg、約1000±20mg、約1000±10mg、約1000±5mg、約1000±4mg、約1000±3mg、約1000±2mg、または約1000±1mg(例えば、約1000mg)。
例示的実施形態26.
化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の一日用量で投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用:
約60±10mg/kg、約60±5mg/kg、約60±4mg/kg、約60±3mg/kg、約60±2mg/kg、または約60±1mg/kg、
約180±20 mg/kg、約180±10mg/kg、約180±5mg/kg、約180±4mg/kg、約180±3mg/kg、約180±2mg/kg、または約180±1mg/kg、
約600±50mg/kg、約600±40mg/kg、約600±30mg/kg、約600±20mg/kg、約600±10mg/kg、約600±5mg/kg、約600±4mg/kg、約600±3mg/kg、約600±2mg/kg、もしくは約600±1mg/kg、または
約1800±50mg/kg、約1800±40mg/kg、約1800±30mg/kg、約1800±20mg/kg、約1800±10mg/kg、約1800±5mg/kg、約1800±4mg/kg、約1800±3mg/kg、約1800±2mg/kg、もしくは約1800±1mg/kg。
例示的実施形態27.
化合物2、またはその薬学的に許容可能な塩が、以下の一日用量で投与される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法、化合物、または使用:
約1±3mg/kg、約1±2mg/kg、約1±1mg/kg、または約1±0.
1mg/kg(例えば、約1mg/kg)、
約5±3mg/kg、約5±2mg/kg、または約5±1mg/kg、
約15±5mg/kg、約15±4mg/kg、約15±3mg/kg、約15±2mg/kg、または約15±1mg/kg、
約30±10mg/kg、約30±5mg/kg、約30±4mg/kg、約30±3mg/kg、または約30±2mg/kg、または約30±1mg/kg(例えば、約30mg/kg)、
約50±10mg/kg、約50±5mg/kg、約50±4mg/kg、約50±3mg/kg、約50±2mg/kg、もしくは約50±1mg/kg、または
約150±20mg/kg、約150±10mg/kg、約150±5mg/kg、約150±4mg/kg、約150±3mg/kg、約150±2mg/kg、または約150±1mg/kg。
例示的実施形態28.
それを必要とする対象に、治療有効量のテモゾロミドを投与することをさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法。
例示的実施形態29.
治療有効量のテモゾロミドと組み合わせて使用される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の化合物。
例示的実施形態30.
それを必要とする対象に、治療有効量のホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤を投与することをさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法。
例示的実施形態31.
治療有効量のホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤と組み合わせて使用される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の化合物。
例示的実施形態32.
それを必要とする対象に、治療有効量のアミバンタマブ、カプマチニブ、またはその組み合わせを投与することをさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法。
例示的実施形態33.
治療有効量のアミバンタマブ、カプマチニブ、またはその組み合わせと組み合わせて使用される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の化合物。
例示的実施形態34.
それを必要とする対象に、治療有効量のオシメルチニブを投与することをさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法。
例示的実施形態35.
治療有効量のオシメルチニブと組み合わせて使用される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の化合物。
例示的実施形態36.
それを必要とする対象に、治療有効量のアルペリシブを投与することをさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法。
例示的実施形態37.
治療有効量のアルペリシブと組み合わせて使用される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の化合物。
例示的実施形態38.
それを必要とする対象に、治療有効量のパクサリシブを投与することをさらに含む、前述の実施形態のいずれか一つに記載の方法。
例示的実施形態39.
治療有効量のパクサリシブと組み合わせて使用される、前述の実施形態のいずれか一つに記載の化合物。
【0380】
定義
とはいえ、本明細書に開示される化合物は、一つの特定の構造で表され得ることが理解される。そのような特定の構造は、本開示を一つのまたは別の異性体、互変異性体、位置異性体、または立体異性体に限定するものとして解釈されるべきではなく、まして異性体、互変異性体、位置異性体、または立体異性体の混合物を除外するものでもない。一部の実施形態では、特定の構造での本明細書の化合物の表現は、化合物、またはその任意の混合物の入手可能な異性体、互変異性体、位置異性体、および立体異性体の各々を包含し、およびそれらを指すことが意図され、一方で当該表現はさらに、当該化合物の特定の構造を指すことも意図されている。
【0381】
さらに、本明細書に開示される化合物は、特定の構造を伴わずに(例えば、特定の立体化学を伴わずに)表され得ることが理解される。そうした表現は、化合物のすべての利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、および立体異性体を包含することが意図される。一部の実施形態では、特定の構造を伴わない、本明細書の化合物の表現は、化合物の利用可能な異性体、互変異性体、位置異性体、および立体異性体、またはそれらの任意の混合物の各々を指すことが意図される。
【0382】
本明細書において使用される場合、「異性」という用語は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合順序またはそれらの原子の空間配置が異なる化合物を意味する。空間におけるそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。互いの鏡像ではない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」または場合によっては光学異性体と呼ばれる。等量の反対のキラリティーの個々のエナンチオマー型を含む混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0383】
本明細書で使用される場合、「キラル中心」という用語は、四つの非同一の置換基に結合された炭素原子を指す。
【0384】
本明細書で使用される場合、「キラル異性体」という用語は、少なくとも一つのキラル中心を有する化合物を意味する。二つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして、または「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在し得る。一つのキラル中心が存在する場合、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)により立体異性体を特徴付けることができる。絶対配置は、キラル中心に結合する置換基の空間における配置を指す。検討中のキラル中心に結合する置換基は、Sequence Rule of Cahn,Ingold and Prelog.(Cahn et al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)に従ってランク付けされる。
【0385】
本明細書で使用される場合、「幾何異性体」という用語は、その存在が、二重結合またはシクロアルキルリンカー(例えば、1,3-シクロブチル)についての回転の妨げとなっているジアステレオマーを意味する。これらの立体配置は、Cahn-Ingold-Prelog則に従って、基が分子内の二重結合の同じ側または反対側にあることを示す接頭語cisおよびtrans、またはZおよびEによってその名称が異なる。
【0386】
「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書において、1本鎖または2本鎖のRNA、DNAまたは混合ポリマーを指すように同義に使用される。ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発現する、または発現するように適応され得るゲノム配列、ゲノム外およびプラスミド配列、およびより小さい操作された遺伝子セグメントを含み得る。
【0387】
「単離された核酸」は、天然配列に自然に伴う、他のゲノムDNA配列、ならびにリボソームおよびポリメラーゼなどのタンパク質または複合体から実質的に分離される核酸である。本用語は、その天然に生じる環境から取り除かれた核酸配列を包含し、組換えまたはクローニングされたDNA単離体、および化学的に合成された類似体または異種系により生物学的に合成された類似体を含む。実質的に純粋な核酸は、核酸の単離された形態を含む。もちろんこれは、元々の単離された核酸を指しているが、当該単離された核酸に後にヒトの手により付加された遺伝子または配列も除外しない。
【0388】
「ポリペプチド」という用語は、その従来の意味において、すなわち、アミノ酸の配列として使用される。ポリペプチドは、産物の特定の長さに限定されない。ペプチド、オリゴペプチド、およびタンパク質は、ポリペプチドの定義内に含まれ、そのような用語は、本明細書において、具体的な別段の指示がない限り、同義に使用され得る。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、天然に生じるおよび非天然に生じる両方の、グリコシル化、アセチル化、リン酸化等、ならびに当該技術分野で既知の他の修飾を指さないか、または除外する。ポリペプチドは、タンパク質全体またはその部分であり得る。
【0389】
「単離されたポリペプチド」は、特定され、その自然環境の構成成分から分離され、かつ/または回収されたものである。好ましい実施形態では、単離されたポリペプチドは、(1)ローリー法により決定されるポリペプチドの95重量%超まで、最も好ましくは99重量%超まで、(2)スピニングカップ配列決定装置の使用によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15の残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クマシーブルー、もしくは好ましくは銀染色を使用して、還元もしくは非還元条件下で、SDS-PAGEにより均質まで精製される。単離されたポリペプチドは、ポリペプチドの自然環境の少なくとも一つの構成成分が存在しないため、組換え細胞内のin situでのポリペプチドを含む。しかし通常は、単離されたポリペプチドは、少なくとも一つの精製工程により調製される。
【0390】
「天然配列」のポリヌクレオチドは、自然に由来するポリヌクレオチドと同じヌクレオチド配列を有するものである。「天然配列」のポリペプチドは、自然(例えば任意の種)に由来するポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するもの(例えばEGFR)である。そのような天然配列のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、自然から単離され得るか、または組換えもしくは合成手段によって産生され得る。
【0391】
ポリヌクレオチドの「バリアント」は、当該用語が本明細書で使用される場合、一つ以上の置換、欠失、付加、および/または挿入において、本明細書に具体的に開示されるポリヌクレオチドとは典型的には異なるポリヌクレオチドである。
【0392】
ポリペプチドの「バリアント」は、当該用語が本明細書で使用される場合、一つ以上の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、または反転において、本明細書に具体的に開示されるポリペプチドとは典型的には異なるポリペプチドである。そのようなバリアントは、天然に生じる、非天然に生じてもよいか、または合成により生成されてもよい。
【0393】
本開示のEGFRの突然変異(またはバリアント)は、得られるタンパク質の機能を改変するアミノ酸配列の一つ以上の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、または反転を含み得る。突然変異は、例えば、核酸またはアミノ酸配列と野生型配列との比較またはアライメントにより検出され得る。
【0394】
ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列を比較する場合、二つの配列は、以下に記載されるように、最大一致についてアライメントされたとき、二つの配列におけるヌクレオチドまたはアミノ酸の配列が同じである場合、「同一」であると言われる。二つの配列の間の比較は、典型的には、比較ウィンドウ上の配列を比較して、配列類似性の局所的な領域を特定し、比較することによって実施される。本明細書において使用される場合、「比較ウィンドウ」とは、少なくとも約20個の連続する位置、通常は30~約75個、40~約50個の連続する位置のセグメントを指し、そのセグメントにおいて、二つの配列が最適に整列された後、配列は同数の連続位置の参照配列と比較され得る。
【0395】
比較のための配列の最適なアライメントは、デフォルトのパラメータを使用して、Lasergene suite of bioinformaticsソフトウェア(DNASTAR,Inc.,Madison,WI)のMegalignプログラムを使用して実施され得る。このプログラムは、以下の参考文献に記載されるいくつかのアライメントスキームを具現化するものである。Dayhoff,M.O.(1978)A model of evolutionary change in proteins-Matrices for detecting distant relationships.In Dayhoff,M.O.(ed.)Atlas of Protein Sequence and Structure,National Biomedical Research Foundation,Washington DC Vol.5,Suppl.3,pp.345-358;Hein J.(1990)Unified Approach to Alignment and Phylogenes pp.626-645 Methods in Enzymology vol.183,Academic Press,Inc.,San Diego,CA;Higgins,D.G.and Sharp,P.M.(1989) CABIOS 5:151-153;Myers,E.W.and Muller W.(1988)CABIOS 4:11-17;Robinson,E.D.(1971)Comb.Theor 11:105;Santou,N.Nes,M.(1987)Mol.Biol.Evol.4:406-425;Sneath,P.H.A.and Sokal,R.R.(1973)Numerical Taxonomy-the Principles and Practice of Numerical Taxonomy,Freeman Press,San Francisco,CA;Wilbur,W.J.and Lipman,D.J.(1983)Proc.Natl.Acad.,Sci.USA 80:726-730。
【0396】
あるいは比較のための最適な配列アライメントは、Smith and Waterman (1981) Add.APL.Math 2:482の局所的同一性アルゴリズムにより実施されてもよく、Needleman and Wunsch (1970) J.Mol.Biol.48:443の同一性アライメントアルゴリズムにより実施されてもよく、Pearson and Lipman (1988) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2444の類似性に関する探索方法により実施されてもよく、これらのコンピューター実装アルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package,Genetics Computer Group (GCG),575 Science Dr.,Madison,WIのGAP、BESTFIT、BLAST、FASTA、およびTFASTA)により実施されてもよく、または目視検査により実施されてもよい。
【0397】
配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントの決定に好適なアルゴリズムに関する一つの好ましい例は、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれ、Altschul et al.(1977)Nucl.Acids Res.25:3389-3402、およびAltschul et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-410に記載されている。BLASTおよびBLAST 2.0は、例えば、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの配列同一性パーセントを決定するために、本明細書に記載のパラメータを用いて使用され得る。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Informationを通して公的に入手可能である。
【0398】
一例では、累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメータM(一対の一致残基のリワードスコア;常に>0)およびN(ミスマッチ残基のペナルティスコア;常に<0)を使用して計算することができる。各方向におけるワードヒットの拡張は、累積アライメントスコアがその最大達成値から量Xだけ低下する場合、累積スコアが一つ以上の負のスコア残基アライメントの蓄積によりゼロ以下になる場合、またはいずれかの配列が終わりに達する場合、停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、およびXは、アライメントの感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列について)は、ワード長(W)11、期待値(E)10、そしてBLOSUM62スコアマトリックス(Henikoff and Henikoff(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915を参照されたい)アルゴリズムは、(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4、および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。
【0399】
アミノ酸配列については、スコアマトリックスは、累積スコアを計算するために使用され得る。各方向におけるワードヒットの拡張は、累積アライメントスコアがその最大達成値から量Xだけ低下する場合、累積スコアが一つ以上の負のスコア残基アライメントの蓄積によりゼロ以下になる場合、またはいずれかの配列が終わりに達する場合、停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータW、T、およびXは、アライメントの感度および速度を決定する。
【0400】
一つのアプローチでは、「配列同一性パーセント」は、最適にアライメントされた二つの配列を、少なくとも20個の位置の比較ウィンドウ上で比較することにより決定され、この場合において比較ウィンドウ中のポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の一部は、二つの配列の最適アライメントのために、参照配列(付加または欠失を含まない)と比較して20%以下、通常は5~15%、または10~12%の付加または欠失(すなわちギャップ)を含む場合がある。同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が両配列で生じる位置数を決定して、一致位置数を得、一致位置数を参照配列の総位置数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、結果を100で掛けて、配列同一性のパーセンテージを得ることによって計算される。
【0401】
本開示の野生型EGFR配列は、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり得る:
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721 gafgtvykgl wipegekvki pvaikelrea tspkankeil deayvmasvd nphvcrllgi
781 cltstvqlit qlmpfgclld yvrehkdnig sqyllnwcvq iakgmnyled rrlvhrdlaa
841 rnvlvktpqh vkitdfglak llgaeekeyh aeggkvpikw malesilhri ythqsdvwsy
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961 freliiefsk mardpqrylv iqgdermhlp sptdsnfyra lmdeedmddv vdadeylipq
1021 qgffsspsts rtpllsslsa tsnnstvaci drnglqscpi kedsflqrys sdptgalted
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1141 tvqptcvnst fdspahwaqk gshqisldnp dyqqdffpke akpngifkgs taenaeylrv
1201 apqssefiga
(配列番号1、上皮成長因子受容体[Homo sapiens]およびGenbankアクセッション番号CAA25240に相当する)。
【0402】
本開示の野生型HER2受容体配列は、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり得る:
1 melaalcrwg lllallppga astqvctgtd mklrlpaspe thldmlrhly qgcqvvqgnl
61 eltylptnas lsflqdiqev qgyvliahnq vrqvplqrlr ivrgtqlfed nyalavldng
121 dplnnttpvt gaspgglrel qlrslteilk ggvliqrnpq lcyqdtilwk difhknnqla
181 ltlidtnrsr achpcspmck gsrcwgesse dcqsltrtvc aggcarckgp lptdccheqc
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301 ynylstdvgs ctlvcplhnq evtaedgtqr cekcskpcar vcyglgmehl revravtsan
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(配列番号2、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerbB-2アイソフォームa前駆体[Homo sapiens]およびGenBankアクセッション番号NP_004439に相当する)。
【0403】
本開示の野生型HER2受容体配列は、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり得る:
1 mklrlpaspe thldmlrhly qgcqvvqgnl eltylptnas lsflqdiqev qgyvliahnq
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(配列番号3、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerbB-2アイソフォームb[Homo sapiens]およびGenBankアクセッション番号NP_001005862に相当する)。
【0404】
本開示の野生型HER2受容体配列は、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり得る:
1 mprgswkpqv ctgtdmklrl paspethldm lrhlyqgcqv vqgnleltyl ptnaslsflq
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(配列番号4、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerbB-2アイソフォームc[Homo sapiens]およびGenBankアクセッション番号NP_001276865に相当する)。
【0405】
本開示の野生型HER2受容体配列は、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり得る:
1 melaalcrwg lllallppga astqvctgtd mklrlpaspe thldmlrhly qgcqvvqgnl
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601 psgvkpdlsy mpiwkfpdee gacqpcpinc thscvdlddk gcpaeqrasp ltsiisavvg
661 illvvvlgvv fgilikrrqq kirkytmrrl lqetelvepl tpsgampnqa qmrilketel
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1021 eeylvpqqgf fcpdpapgag gmvhhrhrss strnm
(配列番号5、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerbB-2アイソフォームd前駆体[Homo sapiens]およびGenBankアクセッション番号NP_001276866に相当する)。
【0406】
本開示の野生型HER2受容体配列は、以下のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなり得る:
1 mklrlpaspe thldmlrhly qgcqvvqgnl eltylptnas lsflqdiqev qgyvliahnq
61 vrqvplqrlr ivrgtqlfed nyalavldng dplnnttpvt gaspgglrel qlrslteilk
121 ggvliqrnpq lcyqdtilwk difhknnqla ltlidtnrsr achpcspmck gsrcwgesse
181 dcqsltrtvc aggcarckgp lptdccheqc aagctgpkhs dclaclhfnh sgicelhcpa
241 lvtyntdtfe smpnpegryt fgascvtacp ynylstdvgs ctlvcplhnq evtaedgtqr
301 cekcskpcar vcyglgmehl revravtsan iqefagckki fgslaflpes fdgdpasnta
361 plqpeqlqvf etleeitgyl yisawpdslp dlsvfqnlqv irgrilhnga ysltlqglgi
421 swlglrslre lgsglalihh nthlcfvhtv pwdqlfrnph qallhtanrp edecvgegla
481 chqlcarghc wgpgptqcvn csqflrgqec veecrvlqgl preyvnarhc lpchpecqpq
541 ngsvtcfgpe adqcvacahy kdppfcvarc psgvkpdlsy mpiwkfpdee gacqpcpinc
601 ths
(配列番号6、受容体チロシン-タンパク質キナーゼerbB-2アイソフォームe[Homo sapiens]およびGenBankアクセッション番号NP_001276867に相当する)。
【0407】
本出願を通して与えられた定義に基づいて、当業者は、どの組み合わせが合成的に実現可能かつ現実的であるか、例えば、互いに直接連結されるヘテロ原子をもたらす基の典型的な組み合わせは企図されないことが分かる。
【0408】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、当業者によって認識される任意の正常な変動を網羅する範囲を指す。一部の実施形態では、用語「約」は、別段の記載がない限り、または文脈から別途明らかでない限り、記載される参照値のいずれかの方向(より高い方またはより低い方)に向けて25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満の範囲内に当てはまる値の範囲を指す(当該数値が100%を超える可能性がある場合を除く)。
【0409】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容可能な塩」は、親化合物がその酸性塩または塩基性塩を作製することによって修飾された、本開示の化合物の誘導体を表す。薬学的に許容可能な塩の例として、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられる。薬学的に許容可能な塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成された親化合物の一般的な非毒性塩または第四アンモニウム塩が含まれる。例えば、こうした一般的な非毒性塩として、以下に限定されないが、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および一般的に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなど、から選択される無機酸および有機酸から得られる塩が挙げられる。薬学的に許容可能な塩の他の例として、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタリンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、およびムコン酸などが挙げられる。本開示はまた、親化合物に含まれる酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンで置換されているか、または有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどと配位結合している場合に形成される塩を包含する。塩形態では、化合物と、塩のカチオンまたはアニオンとの比は、1:1、または1:1以外の任意の比、例えば、3:1、2:1、1:2、または1:3とすることができることが理解される。薬学的に許容可能な塩へのすべての言及が、同一の塩の、本明細書で定義されている溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形)を含むことが理解されるべきである。
【0410】
本明細書に記載される化合物は、該当する場合、化合物自体、ならびにそれらの薬学的に許容可能な塩、およびそれらの溶媒和物を含むことが理解される。薬学的に許容可能な塩は、例えば、化合物上の薬学的に許容可能なアニオンと正荷電基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。適切なアニオンとしては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、重硫酸塩、スルファミン酸、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、グルタミン酸、グルクロン酸塩、グルタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、トシレート、サリチル酸塩、乳酸、ナフタレンスルホン酸塩、および酢酸塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)が挙げられる。
【0411】
本開示の化合物、例えば化合物の塩は、水和形態または非水和(無水)形態のいずれかで、または他の溶媒分子との溶媒和物として存在し得ることが理解される。水和物の非限定的な例としては、一水和物および二水和物が挙げられる。溶媒和物の非限定的な例としては、エタノール溶媒和物およびアセトン溶媒和物が挙げられる。
【0412】
本明細書で使用される場合、別段の指示がない限り、表現「A、B、またはCのうちの一つ以上」、「一つ以上のA、B、またはC」、「A、B、およびCのうちの一つ以上」、「一つ以上のA、B、およびC」、「A、B、およびCからなる群から選択される」、「A、B、またはCから選択される」、および類似のものは区別なく使用され、すべて、A、B、および/またはCからなる群からの選択、すなわち、一つ以上のA、一つ以上のB、一つ以上のC、またはそれらの組み合わせを指す。
【0413】
当然のことながら、説明全体を通して、組成物は、特定の成分を有するか、含むか、または含む(comprising)ものとして記述され、組成物はまた、列挙された成分から本質的になるか、またはそれからなることが企図される。同様に、方法またはプロセスが、特定のプロセス工程を有するか、含むか、または含む(comprising)と記述される場合、プロセスはまた、列挙されたプロセス工程から本質的になるか、またはそれからなる。さらに、当然のことながら、特定の動作を行うための工程の順序、または順序は、本発明が動作可能である限り、重要ではない。さらに、二つ以上の工程または動作を同時実行することができる。
【0414】
本開示の化合物は、当業者に公知であるか、または本明細書の教示に照らして当業者に明白となるであろう標準的な合成方法および手順を採用することによって、市販の出発材料、文献において公知の化合物、または容易に作製される中間体を使用して、様々な方法で作製され得ることが理解される。有機分子の作製および官能基の変換ならびに操作に関する標準的な合成方法および手順は、関連する科学文献または当該分野の標準的な教科書から取得することができる。任意の一つまたは複数のソースに限定されないが、例えば、Smith,M.B.,March,J.,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition,John Wiley & Sons:New York,2001;Greene,T.W.,Wuts,P.G.M.,Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edition,John Wiley & Sons:New York,1999;R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers (1989);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons (1995)などの古典的なテキストが、当業者に公知の有機合成に関する有用で広く認められている参照文献であり、それらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0415】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、ヒトおよび非ヒト哺乳動物、ならびに細胞株、細胞培養、組織、および器官を含む。一部の実施形態において、対象は哺乳類である。哺乳動物は、例えば、ヒト、または霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、もしくはブタなどの適切な非ヒト哺乳動物であってもよい。対象はまた、鳥または家禽であってもよい。一部の実施形態では、対象はヒトである。
【0416】
本明細書で使用される場合、用語「それを必要とする対象」は、(治療されるべき)疾患を有するか、または(予防されるべき)疾患を発症するリスクが高い対象を指す。それを必要とする対象は、本明細書に開示される疾患または障害を有するとして以前に診断または特定されたものであってもよい。それを必要とする対象はまた、本明細書に開示される疾患または障害を有する(例えば、罹患している)ものであってもよい。あるいは、それを必要とする対象は、集団全体と比較して、このような疾患または障害を発症するリスクが高いもの(すなわち、集団全体と比較してそのような障害を発症しやすい傾向にある対象)とすることができる。それを必要とする対象は、本明細書に開示される、難治性または耐性である疾患または障害(すなわち、治療に応答しない、またはいまだ応答していない、本明細書に開示される疾患または障害)を有し得る。対象は、治療開始時に耐性である場合があり、または治療中に耐性となる場合がある。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、本明細書に開示される疾患または障害に対するすべての公知の有効な療法を受け、および失敗した。一部の実施形態では、それを必要とする対象は、少なくとも一つの前療法を受けた。
【0417】
本明細書で使用される場合、用語「治療すること」または「治療する」は、疾患、状態、または障害と闘うための患者の管理およびケアを表し、疾患、状態、または障害の症状または合併症を軽減し、または疾患、状態、または障害を除去するために、本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、多形、もしくは溶媒和物の投与を含む。用語「治療する」はまた、インビトロまたは動物モデルでの細胞の治療を含み得る。
【0418】
本開示の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、多形もしくは溶媒和物は、関連する疾患、状態、もしくは障害を予防し得るか、または予防するために使用することもでき、またはそのような目的のために適切な候補を特定するために使用されてもよいことが理解される。
【0419】
本明細書で使用される場合、用語「予防すること」、「予防する」、または「から保護する」は、こうした疾患、状態、または障害の症状または合併症の発症を低減または除去することを表す。
【0420】
本明細書で使用される場合、用語「時間的近接」は、一つの治療薬(化合物2(例えば、化合物2Aまたは化合物2B))の投与が、別の治療薬(例えば、テモゾロミド)の投与の前または後のある期間内に行われ、その結果、一つの治療薬の治療効果が、他の治療薬の治療効果と重複することを示す。一部の実施形態では、一つの治療薬の治療効果は、他の治療薬の治療効果と完全に重複している。一部の実施形態では、「時間的近接」とは、一つの治療薬の投与が、別の治療薬の投与の前または後のある期間内に行われ、その結果、一つの治療薬と他の治療薬との間に相乗効果があることを意味する。「時間的近接」は、様々な要因に応じて変化し得、年齢、性別、重量、遺伝子背景、医学的状態、治療薬が投与される対象の疾患歴および治療歴、治療されるまたは改善されるべき疾患または状態、達成されるべき治療結果、用量、投与頻度、治療薬の投与期間、治療薬の薬物動態および薬力学、ならびに治療薬が投与される経路を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態では、「時間的近接」とは、15分以内、30分以内、1時間以内、2時間以内、4時間以内、6時間以内、8時間以内、12時間以内、18時間以内、または24時間以内を意味する。一部の実施形態では、一つの治療薬の複数回投与は、別の治療薬の単回投与との時間的近接で行われ得る。一部の実施形態では、時間的近接は、治療サイクルの間または投与レジメン内で変化してもよい。
【0421】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容可能である」は、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触して使用することに適し、合理的な利益/リスク比に見合った、化合物、アニオン、カチオン、物質、組成物、担体および/または剤形を意味する。
【0422】
本明細書で使用される場合、用語「医薬有効量」は、同定された疾患もしくは症状を治療、改善、もしくは予防するか、または検出可能な治療効果もしくは抑制効果を示す医薬品の量を表す。効果は、当該技術分野で既知の任意のアッセイ方法により検出することができる。対象に対しての厳密な有効量というのは、対象の体重、サイズ、健康状態;症状の性質および程度;投与用に選択された治療剤または治療剤の組み合わせによって決まることになる。所定の状況での医薬有効量は、臨床医の技術および判断の範囲内である常套的な実験によって算出され得る。
【0423】
塩をさらに形成する能力を有する本開示の化合物について、これらの形態のすべても、特許請求される開示の範囲内で意図されることが理解される。
【0424】
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容可能な塩」は、親化合物がその酸性塩または塩基性塩を作製することによって修飾された、本開示の化合物の誘導体を表す。一部の実施形態では、化合物の薬学的に許容可能な塩はまた、化合物のプロドラッグである。薬学的に許容可能な塩の例として、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられる。薬学的に許容可能な塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成された親化合物の一般的な非毒性塩または第四アンモニウム塩が含まれる。例えば、こうした一般的な非毒性塩として、以下に限定されないが、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2-エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、および一般的に存在するアミン酸、例えば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニンなど、から選択される無機酸および有機酸から得られる塩が挙げられる。
【0425】
薬学的に許容可能な塩の他の例として、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタリンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸、4-メチルビシクロ-[2.2.2]-オクト-2-エン-1-カルボン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、およびムコン酸などが挙げられる。本開示はまた、親化合物に含まれる酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンで置換されているか、または有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどと配位結合している場合に形成される塩を包含する。塩形態では、化合物と、塩のカチオンまたはアニオンとの比は、1:1、または1:1以外の任意の比、例えば、3:1、2:1、1:2、または1:3とすることができることが理解される。
【0426】
薬学的に許容可能な塩へのすべての言及が、同一の塩の、本明細書で定義されている溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形)を含むことが理解される。
【0427】
本明細書で使用される場合、用語「プロドラッグ」は、哺乳動物に投与された時、全体的または部分的に標的化合物に変換される任意の薬剤を指す。一部の実施形態では、化合物のプロドラッグはまた、化合物の薬学的に許容可能な塩である。
【0428】
本開示の化合物はまた、エステル、例えば、薬学的に許容可能なエステルとして調製され得ることが理解される。例えば、化合物のカルボン酸官能基が、その対応するエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステルまたは他のエステル)に変換され得る。さらに、化合物のアルコール基が、その対応するエステル(例えば、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、または他のエステル)に変換され得る。
【0429】
化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口的、経鼻的、経皮的、経肺的、吸入的、頬側、舌下、腹腔内、皮下、筋肉内、静脈内、経直腸的、胸膜内、髄腔内、および非経口的に投与される。一実施形態において、化合物は経口的に投与される。当業者は、特定の投与経路の優位性を認識するであろう。
【0430】
本化合物を用いる投与レジメンは、患者の型、種、年齢、体重、性別、および医学的状態、治療される状態の重症度、投与経路;患者の腎機能および肝機能、使用される特定の化合物またはその塩などを含めた、種々の因子に従って選択される。通常の知識を有する医師または獣医は、その状態の進行を防ぐか、阻止するか、または抑えるのに必要な薬剤の有効量を容易に決定し、処方することができる。
【0431】
本開示の開示された化合物の製剤化および投与の技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA (1995)に記載されている。ある実施形態では、本明細書に記載の化合物およびその薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせて医薬製剤に用いられる。好適な薬学的に許容可能な担体には、不活性な固体充填剤または希釈剤、および無菌水溶液または有機溶液が含まれる。化合物は、こうした医薬組成物中に、本明細書に記載の範囲内の望ましい投与量を与えるのに十分な量で含まれることになる。
【0432】
様々なインビトロまたはインビボの生物学的アッセイが本開示の化合物の効果を検出するのに好適であり得る。これらのインビトロまたはインビボの生物学的アッセイには、酵素活性アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、レポーター遺伝子アッセイ、インビトロ細胞生存アッセイ、および本明細書に記載のアッセイが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0433】
本明細書で用いられるすべての割合および比は、特に明記しない限り、重量基準である。本開示の他の特徴および利点は、種々の実施例から明らかになる。提供される実施例は、本開示の実施に有益な種々の構成要素および方法を示している。実施例は、特許請求される開示を制限するものではない。本開示に基づいて、当業者は、本開示の実施に有益な他の構成要素および方法を特定し、使用することができる。
【0434】
本明細書に引用されるすべての刊行物および特許文書は、あたかもかかる刊行物または文書が、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。刊行物および特許文献の引用は、いずれかが関連する先行技術であることへの承認を意味するものではなく、また内容または日付に関するいかなる承認も構成しない。本発明は記述を介して説明されてきたが、当業者であれば、本発明が様々な実施形態で実行され得ることや、上記説明および以下に示す例が例示を目的とし、後続の請求項を限定するものではないことを認識することになる。
【実施例
【0435】
実施例1.GBMで発現されたアロステリックEGFRバリアントに対する化合物1Aの選択性
EGFRアロステリック変異体に対する化合物1Aの選択性を評価するために、抗増殖性IC50値を、EGFR-WT、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、EGFR-A289V、およびEGFR-G598Vにおける化合物1Aについて決定した。例えば、図1を参照のこと。
【0436】
実施例2.化合物1Aの血漿および脳内濃度
化合物1Aが脳を貫通する能力を評価するために、15mg/kgで投与された場合、化合物1Aについて平均血漿および脳内濃度を決定した。非結合分配係数(Kpuu)は、0.19であると決定された。例えば、図2を参照のこと。図10は、15mg/kgで経口投与(PO)された場合、および1mg/kgでIVボーラスを介して投与された場合のマウスにおける、化合物1Aの平均血漿濃度を示す。以下の表Aに示すように、15mg/kgで化合物1Aを経口投与(PO)した後、および1mg/kgでIVボーラス投与を介して投与された場合のマウスについて、薬物動態(PK)パラメータを測定した。
【表8】
【0437】
実施例3.インビボでの化合物1AとのアロステリックEGFR変異体の関与
pEGFRと化合物1Aの投与との関係は、BaF3-EGFR V2異種移植片MI4029で決定された。例えば、図3を参照のこと。
【0438】
実施例4.化合物1Aは、アロステリックEGFR変異体を発現する頭蓋内PDX腫瘍の腫瘍成長を阻害する
化合物1Aの腫瘍成長を阻害する能力を評価するために、50mg/kg、15mg/kg、または5mg/kgの化合物1Aで治療された場合の、EGFR-Viiiを発現するGBM6同所性脳患者由来の異種移植片腫瘍の正規化された生物発光強度(BLI)を決定した。例えば、図4を参照のこと。
【0439】
実施例5.GBMで発現されたアロステリックEGFRバリアントに対する化合物2Bの選択性
EGFRアロステリック変異体に対する化合物2Bの選択性を評価するために、抗増殖性IC50値を、EGFR-WT、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-A289V、およびEGFR-G598Vにおける化合物2Bについて決定した。例えば、図5を参照のこと。
【0440】
実施例6.化合物2Bの血漿および脳内濃度
化合物2Bが脳を貫通する能力を評価するために、15mg/kgで投与された場合、化合物2Bについて平均血漿および脳内濃度を決定した。例えば、図6を参照のこと。図11は、15mg/kgで経口投与(PO)された場合、および1mg/kgでIVボーラスを介して投与された場合のマウスにおける、化合物2Bの平均血漿濃度を示す。以下の表Bに示すように、15mg/kgで化合物2Bを経口投与(PO)した後、および1mg/kgでIVボーラス投与を介して投与された場合のマウスについて、薬物動態(PK)パラメータを測定した。
【表9】
【0441】
実施例7.インビボでの化合物2BとのアロステリックEGFR変異体の関与
pEGFRと化合物2Bの投与との関係は、BaF3-EGFR V3異種移植片MI4415で決定された。例えば、図7を参照のこと。
【0442】
実施例8.化合物2Bは、アロステリックEGFR変異体を発現する頭蓋内PDX腫瘍の腫瘍成長を阻害する
化合物2Bの腫瘍成長を阻害する能力を評価するために、150mg/kg、50mg/kg、または15mg/kgの化合物2Bで治療された場合の、EGFR-Viiiを発現するGBM6同所性脳患者由来の異種移植片腫瘍の正規化された生物発光強度(BLI)を決定した。例えば、図8を参照のこと。
【0443】
実施例9.GBMで発現されたアロステリックEGFRバリアントに対するオシメルチニブの選択性
EGFRアロステリック変異体に対するオシメルチニブの選択性を評価するために、抗増殖性IC50値を、EGFR-WT、EGFR-Viii、EGFR-Vii、EGFR-Vvi、およびEGFR-A289Vにおけるオシメルチニブについて決定した。例えば、図9を参照のこと。効力および選択性は、化合物1Aおよび化合物2Bと比較して、オシメルチニブによって同様に捕捉されない。
【0444】
実施例10.化合物1Aは、頭蓋内GBM6患者由来腫瘍を発現するマウスにおける生存率を上げる
化合物1Aの有効性を評価するために、50mg/kgの化合物1Aを経口投与したときの頭蓋内GBM6患者由来腫瘍を発現するマウスの生存率を決定した。図12は、より長い投与期間にわたって増加した生存率を示す。
【0445】
実施例11.化合物2Bは、頭蓋内GBM6患者由来腫瘍を発現するマウスにおける生存率を上げる
化合物2Bの有効性を評価するために、50mg/kgの化合物2Bを経口投与したときの頭蓋内GBM6患者由来腫瘍を発現するマウスの生存率を決定した。図13は、より長い投与期間にわたって増加した生存率を示す。
【0446】
実施例12.アロステリックEGFRバリアントのスペクトルの強力かつ選択的な阻害を達成することが示された化合物2B
GBMおよび/またはNSCLCに発現されたアロステリックEGFRバリアントの阻害に対する化合物2Bの効力を評価するために、抗増殖性IC50値を、野生型EGFR(H292)、増幅野生型EGFR(A431)、EGFRvIII、EGFRvII、EGFRvV1、EGFR-R222C、EGFR-C231F、EGFR-A289V、EGFR-C595S、EGFR-G598V、EGFR-D761Y、EGFR-G719C、EGFR-G719D、EGFR-G719R、EGFR-E746-A750del、EGFR-L858R、EGFR-E746-A750del+C797、およびEGFR-E746-A750del+C797S+T790Mを阻害する化合物2Bについて決定した。例えば、図14Aを参照のこと。化合物2Bはさらに、10nM未満の抗増殖性IC50でEGFR-R108K、EGFR-A298T、EGFR-S645Cを阻害することが実証された。例えば、図14Bを参照のこと。化合物2Bは、野生型EGFR(H292)に対する活性が低く、増幅された野生型EGFR(A431)に対する活性が中程度であることが実証された。抗増殖性IC50値はオシメルチニブについても決定された。例えば、図14Cを参照のこと。化合物2Bは、オシメルチニブと比較して、GBMで発生するEGFR突然変異に対する効力および選択性が増加したことが分かった。さらに、化合物2Bは、C797S耐性突然変異に対する活性を示した。図22および図23では、GBMで見られるEGFRバリアントおよび変異体、ならびにNSCLCにおける固有耐性および獲得耐性で、10倍超の選択性も示す。
【0447】
実施例13.化合物2Bは、種を超えて好ましい前臨床CNS PKプロファイルを示す
のPKパラメータは、マウス(15mg/kg)、ラット(30mg/kg)、およびイヌ(30mg/kg)における化合物2BのPO投与について測定された。例えば、図15~17を参照されたい。マウスの脳における非結合分配係数(Kpuu)は、0.19であると決定された。ラットについてのKpuuは、脳では0.81、脳脊髄液(CSF)では0.90であると決定された。イヌについてのKpuuは、CSFで0.22であると決定された。
【0448】
実施例14.化合物2Bの臨床試験
本試験は、GBMまたはNSCLC患者の治療のために、化合物2Bを単一薬剤として、または他の療法と組み合わせて評価するモジュールで構成される。
【0449】
各モジュールは、用量漸増段階および用量拡大段階から構成されている。患者は各モジュールに下記のように登録される:
モジュール1:初回手術後に再発性/難治性(RR)を有するGBM、またはEGFR C797SまたはE18突然変異を有するNSCLC。
モジュール2:テモゾロミド(TMZ)による治療に適格である患者におけるGBM。
モジュール3:外科的切除に適格なEGFR C797SまたはE18突然変異を有するGBMまたはNSCLC。
【0450】
NSCLC患者は、各施設が日常的に使用する検証されたNGSアッセイによって確認された、EGFR C797Sまたはエクソン18の突然変異状態を記録されている。さらに、コンパニオン診断検査による遡及的一致検査(retrospective concordance testing)ためのベースライン腫瘍サンプルが提供される。
【0451】
実施例15.化合物2Bを用いたインビトロでの不可逆的阻害
Ba/F3 EGFRvIIIにおける洗浄試験で、化合物2Bの不可逆性を決定した。例えば、図18を参照のこと。
【0452】
34nMでpEGFR Ex19/C797Sを>24時間阻害する、C797S変異体に対する化合物2Bの不可逆性も決定された一方で、1,000nMでオシメルチニブは0.5時間後に完全な洗浄を示す。例えば、図24を参照のこと。
【0453】
実施例16.化合物1を用いたインビボでの不可逆的阻害
EGFR-Viiiを発現するBaF3同種移植片腫瘍を有するマウスにおける、pEGFR(P1068)と化合物1の投与との間の関係。例えば、図19Aを参照のこと。
【0454】
実施例17.化合物1Aを用いたインビボでの不可逆的阻害
EGFR-Viiiを発現するBaF3同種移植片腫瘍を有するマウスにおける、pEGFR(P1068)と化合物1Aの投与との間の関係。例えば、図19Bを参照のこと。
【0455】
実施例18.化合物2Bを用いたインビボでの不可逆的阻害
EGFR-Viiiを発現するBaF3同種移植片腫瘍を有するマウスにおける、pEGFR(P1068)と化合物2Bの投与との間の関係。例えば、図19Cを参照のこと。
【0456】
実施例19.化合物2Bを用いたインビボでの腫瘍成長阻害
腫瘍体積中央値(mm)と化合物2Bの投与との間の関係を、皮下GBM46 PDX発現EGFRvIIマウスモデルで決定した。例えば、図20を参照のこと。平均腫瘍体積(mm)と化合物2Bの投与との間の関係は、40mg/kgまたは120mg/kgで化合物2Bを投与された場合の、Ba/F3-EGFRエクソン19欠失+C797Sマウス同種移植片モデルで決定された。例えば、図25および図26を参照のこと。
【0457】
実施例20.化合物2Bは、EGFR Ex19delおよびEx19del/C797S駆動細胞株を阻害する
化合物2Bが、EGFR WTに対する選択性を犠牲にすることなく、EGFR Ex19delおよびEx19del/C797S駆動細胞株を選択的に結合する能力を、以下の表Cに示す。化合物2Bは、EGFR WTよりもEGFR Ex19delおよびEx19del/C797Sに選択的である不可逆的EGFR阻害剤である。表Cに示されたデータは、近似であり、実験変動および機差の対象となる。
【表10】
【0458】
実施例21.体重は化合物2Bの影響を受けない
%体重と化合物2Bの投与との間の関係を、皮下GBM46 PDX発現EGFRvIIマウスモデルで決定した。例えば、図21を参照のこと。
【0459】
用量漸増
各モジュール内では、患者は最初に用量漸増段階に登録される。
【0460】
すべてのモジュールは、400mg、600mg、800mg、および1000mgQDの用量レベルを使用したベイズ最適間隔(BOIN)用量漸増設計を使用する(各用量レベルに対してn=7)。
【0461】
モジュール1のみでは、化合物2Bの用量漸増は、最初に、25mg、50mg、および100mgQDの加速漸増として開始される(各用量に対してn=1)。可能性のある用量は、BOIN設計を使用して探索され、200mg、400mg、600mg、および800mgQD、ならびに200mg、300mg、400mg、および500mgBIDの用量レベルを含む。
【0462】
さらに、モジュール1の12人の患者は、400mgまたは600mgQDのいずれかの投与レジメンを使用して、食品または酵素誘導性抗てんかん薬(EIAD)薬物間相互作用(DDI)評価(治療当たりn=12)に参加する。
【0463】
バックフィルされた薬力学(PDc)コホート(n=3)における化合物2Bの薬力学的効果を評価するために、選択GBM患者をモジュール1に登録する。
【0464】
モジュール2および3については、三つの用量レベルを探索してもよく、第一の用量は、モジュール1で決定されたRP2Dよりも1用量レベルだけ低い。
【0465】
各モジュールの用量漸増段階の主な目的は、化合物2BのMTDを単剤または併用療法として特定し、単剤または併用療法のRP2Dを決定することである。化合物2Bの安全性およびPKプロファイルを見直して、モジュールの用量拡大段階を開始するべきかどうかを決定し、開始される場合には、MTDを推奨する。
【0466】
用量拡大
用量拡大段階は、RP2Dでの化合物2Bの単独療法または併用療法の抗腫瘍効果を評価する。各モジュールで評価されるコホートを以下に提示する。
【0467】
モジュール1:最初の腫瘍切除後に再発性/難治性(RR)疾患を有するGBM患者、および標準療法が利用できないか不適切であるEGFR C797Sまたはエクソン18突然変異を有するNSCLC患者。
【0468】
モジュール2:テモゾロミド(TMZ)による治療に適格である患者におけるGBM。
【0469】
モジュール3:新たに診断されたGBM(初回腫瘍切除前);および EGFR C797SまたはE18突然変異を有するNSCLC
【0470】
試験治療
化合物2Bは、21日間の治療サイクルで経口投与される。モジュール1の用量漸増段階の食物効果評価部分の結果に応じて、化合物2Bを食物と共に投与してもよい。
【0471】
試験治療は、疾患進行(PD)、許容できない薬物関連毒性、死亡、新たな抗癌療法の開始、同意の撤回、または追跡不能になるまで継続する。試験治療は、患者が治験薬に耐え、臨床的利益を得ない限り、最後の患者の最初の治験来院から52週間後に中止される。PDが確認された患者、またはその後の抗癌療法を開始した患者では、試験治療を中止する。
【0472】
重大な毒性の証拠または進行性疾患の臨床的証拠を示すことなく治療の最初のサイクルを完了した患者)は、同じ用量レベルで追加の21日間の治療サイクルを受けることができる。
【0473】
試験の評価
患者は、試験の評価の収集のために、治療期間中および治療後の期間中に来院する必要がある。
【0474】
腫瘍撮像は、最初の8サイクルの間は6週間に1回、およびその後は12週間に一回実施され、必要に応じてRECIST第1.1版またはRANOを用いて腫瘍反応が評価される。
【0475】
安全性および忍容性は、有害事象(AE)、臨床検査試験、および心電図(ECG)、心エコー図(またはMUGA)、および身体検査所見の報告を通して評価される。用量制限毒性は、NCI CTCAE第5.0版を使用して評価される。
【0476】
薬物動態サンプリングは、サイクル1の1日目および15日目、ならびに後続の各サイクルの1日目に収集される。
【0477】
探索的バイオマーカー評価は、各治療サイクルごとに採取された血漿ctDNAサンプルに対して実施される。GBM患者では、ベースラインおよびEOTで採取されたCSF ctDNAについて評価を実施する。
【0478】
治験薬/治療群、用量、および投与方法
患者は各モジュールで以下の治療を受ける:
モジュール1:単剤化合物2B
モジュール2:テモゾリミド(temozolimide)と組み合わせた化合物2B
モジュール3:単剤または併用療法としての化合物2B
【0479】
化合物2Bは、経口投与される。
【0480】
治療期間/試験期間:
各患者は、患者または調査者の決定に基づき、進行性疾患(PD)、死亡、または中止まで試験治療を継続する。各患者の予想される治療期間は6か月である。
【0481】
試験の全体的な期間は約4年である。
【0482】
実施例22.化合物2Bの臨床試験
EGFR変化を保有する反復性GBM、または特定のEGFR突然変異を有する局所的進行性もしくは転移性NSCLCを有する患者における化合物2Bの第1相非盲検多施設試験が実施された。試験スキーマを図27に示す。
【0483】
本試験の単独療法用量漸増部分は、CNS疾患を伴うかまたは伴わない、反復性GBM発現EGFR変化、または感受性のEGFR突然変異を保有する進行性/転移性NSCLCのいずれかを有する患者において化合物2Bを評価する。第1相試験には、パイロット食物効果コホート、ならびに軟髄膜疾患(LMD)コホートも含まれ、CNS薬物の浸透と、軟髄膜疾患患者のCSF中の標的関連変化またはctDNAをさらに評価する。安全性、PK、PDx、および忍容性データに基づいて暫定的RP2Dが確立されると、安全性、PK、および有効性の予備的評価をさらに評価することに特化して疾患における化合物2Bの単独療法が探索される。疾患特異的拡大には、1) EGFR突然変異および他のバリアントを有するGBMを有する特許(patents)、および 2) G719Sなどのまれな突然変異またはC797Sなどの後天性突然変異を有する進行性/転移性NSCLCを有する特許(patents)が含まれる。単独療法の安全性が確立されると、EGFR突然変異またはバリアントを保有する反復性GBMを有する患者の治療のための安全性、忍容性、および推奨併用用量を評価するために、化合物2BがTMZとの組み合わせで投与される。
【0484】
単独療法の用量漸増
単独療法としての化合物2Bの最大耐量(MTD)は、加速漸増、続いてベイズ最適間隔(BOIN)設計を用いて推定される。開始用量は、一日一回の経口投与で15mgである。初期用量漸増は、治療量以下の用量レベルの可能性がある患者の数を最小限に抑えるために、一日一回(QD)の15mg、25mg、50mg、および100mgの単一患者コホートでの加速漸増として提案される。
【0485】
複数患者用量コホート設計は、グレード2以上の薬物関連有害事象が観察される場合、200mgQDまたはより早期の用量レベルで開始される。BOIN設計を使用してさらなる増分用量を探索し、MTDを特定する。予め規定された用量レベルには、200mg、400mg、600mg、および800mgQDが含まれる。以前に登録された用量レベルのさらなる拡大、および中間用量レベルの評価は、化合物2Bの安全性、PK、予備的有効性、およびPDx活性をさらに評価するために実施される。
【0486】
軟髄膜疾患(LMD)コホート
LMDコホートは、軟髄膜疾患を有する患者が、単独療法用量漸増において許容可能であるとして特定される用量レベルで化合物2Bの治療を受けることを可能にする(LMDを有しない患者において)。CSFサンプリングは、LMD患者におけるCSF悪性細胞数を追跡するために利用され、CSF中の治験薬PKの評価、ならびに悪性細胞またはctDNAの標的特異的変化を可能にする。単独療法複数患者用量レベルがSRCによって許容可能とみなされた後にのみ、LMDコホートは登録可能となる。LMD患者は、化合物2Bを毎日投与され、単独療法用量漸増による評価を受ける。
【0487】
パイロット食物効果(FE)コホート
パイロットFEコホートを評価し、化合物2BのPKに対する食物の影響に関する予備的情報を得る。患者は、摂食/絶食状態で投与される。PKは、200mgQDで、または新たなPKおよび安全性データに基づいて異なる用量で取得される。単独療法用量拡大コホートにおいて、それを上回る少なくとも一つの用量レベルが許容可能であるとみなされない限り、用量レベルは、FEコホートでは試験されない。高脂肪FEからのデータが示す場合、化合物2BのPKに対する低脂肪食の効果を、このコホートの一部として評価する。
用量拡大コホート
RP2Dが単独療法用量漸増において暫定的に確立されると、次いでRP2Dの確認および予備的有効性の評価が、疾患特異的拡大コホートにおいて行われる。用量拡大は、以下の疾患特異的コホートに患者を組み入れる:
・確認されたEGFR変化を伴う反復性GBM
・CNS転移を伴う場合と伴わない場合の、第1ライン設定およびプラチナ標準の治療における、第三世代EGFR阻害剤(オシメルチニブなど)後の後天性耐性EGFR突然変異(C797S)を有する局所進行性または転移性NSCLC。
・CNS転移を伴う場合と伴わない場合の、EGFR阻害剤およびプラチナ標準の治療後に進行した、発癌性のまれなEGFR突然変異(G719A/C/D/R/S、S768I,V769L,E709G/A、D716Y、またはスポンサーによって検証されたその他の突然変異)を有する局所進行性または転移性NSCLC。
【0488】
単一のRP2Dは、GBMおよびNSCLCの両方にわたる用量漸増から予期される。しかしながら、新たなデータに基づき疾患特異的用量漸増が推奨される場合、さらなる用量調整が患者の特定の群内で行われる。RP2Dは、全体的であるか、または必要に応じて疾患に特異的であるかに関わらず、全体的な安全性および忍容性、PK、PDxおよび予備的抗腫瘍活性に基づいて選択される。
【0489】
テモゾロミド(TMZ)の組み合わせ
用量設定評価は、EGFR変化を保有する反復性GBMを有する患者において、TMZと組み合わせた化合物2Bを用いて実施される。化合物2Bの初期用量は、単独療法用量漸増中に特定された予備的RP2Dよりも少なくとも1用量レベルだけ低い段階から始まる。TMZと組み合わせた化合物2Bの最大用量は、単独療法のMTDを超えない。TMZは、標準治療ごとにこの設定で投与される:各サイクル(28日)の1~5日目に150mg/mPO。
【0490】
化合物2Bの用量漸増または用量漸減についての推奨事項は、BOIN設計を使用した併用療法のサイクル1中に観察されたDLTに基づいており、併用における安全性、忍容性、および利用可能なPKの総合性について検討される。併用MTDは、少なくとも9人の患者が登録された用量レベルとして定義され、漸減は次のステップとして推奨されない。
【0491】
試験治療
化合物2Bは、21日間の治療サイクルで単独療法として、または28日間の治療サイクルでTMZとの組み合わせで、毎日経口投与される。試験治療は、疾患進行(PD)、許容できない薬物関連毒性、死亡、新たな抗癌療法の開始、同意の撤回、または追跡不能になるまで継続する。
【0492】
試験の評価
腫瘍撮像を収集する。腫瘍反応は、必要に応じてRECIST第1.1版、またはRANOを用いて評価される。安全性および忍容性は、有害事象(AE)、臨床検査試験、心電図(ECG)、心エコー図(またはMUGA)、および身体検査所見の報告を通して評価される。薬物動態サンプリングは、治療サイクル中に収集および評価される。探索的バイオマーカー評価は、各治療サイクル中に採取された血漿ctDNA、CTC、および血清サンプルに対して実施される。CNS疾患を有する患者では、採取されたCSFについて評価を実施する。
【0493】
治験薬/治療群、用量、および投与方法
患者は、単剤として、または経口で投与されるTMZと組み合わせてのいずれかで、化合物2Bを毎日経口的に投与される。
【0494】
用量は、以下を含む用量漸増部分の間に評価される:
・単剤としての化合物2B:15、25、50、100、200、400、600、および800mgQDを絶食状態で投与。中間用量レベルは、安全性およびPKに応じて評価される。
・食物効果評価については、化合物2Bは、単独療法として許容できるとみなされていたものよりも少なくとも1用量レベルだけ低く投与され、絶食状態または摂食状態(低脂肪または高脂肪の食事)で投与される。食物効果コホートに対する事前に指定された名目用量は、新たな安全性およびPKデータに応じて、200mgまたは400mgの化合物2Bである。
・TMZと組み合わせた化合物2Bについては、TMZと組み合わせた化合物2Bの初期用量は、単独療法用量漸増中に特定された予備的RP2Dよりも少なくとも1用量レベルだけ低い段階から始まる。TMZと組み合わせた化合物2Bの最大用量は、単独療法のMTDを超えない。TMZは、標準治療ごとにこの設定で投与される:各28日サイクルの1~5日目に150mg/mPO。
【0495】
試験の用量漸増部分から特定された暫定的RP2D用量が、用量拡大コホートに使用される。
【0496】
等価物
本開示の一つ以上の実施形態の詳細は、上述の付随的説明に記載される。本明細書に記載のものと同様または等しい任意の方法および材料を本開示の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料がここに記載される。本開示の他の特徴、目的、および利点は、説明および特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書および付属の特許請求の範囲において、文脈が別途明確に示さない限り、単数形は複数指示対象を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本開示が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において引用されるすべての特許および刊行物は、参照により組み込まれる。前述の説明は、単に図示の目的のために提示され、付随する特許請求の範囲による以外に、本開示を開示される正確な形態に限定することを意図しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【配列表】
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【国際調査報告】