(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-15
(54)【発明の名称】セットピースをモーフィングするためのダイナミックプロジェクションマッピング
(51)【国際特許分類】
A63G 31/16 20060101AFI20231108BHJP
A63G 31/02 20060101ALI20231108BHJP
【FI】
A63G31/16
A63G31/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525035
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-04-25
(86)【国際出願番号】 US2021056675
(87)【国際公開番号】W WO2022093838
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】メロ アンソニー
(57)【要約】
本開示は、アミューズメントショーシステムを記載する。アミューズメントショーシステムは、来園客座席と、背景ディスプレイと、コンベヤと、コンベヤ上に配置されたセットピースと、を含む。コンベヤは、来園客座席と背景ディスプレイとの間で、来園客座席に対してセットピースを移動させる。アミューズメントショーシステムはまた、プロジェクションマッピングシステムを含み、プロジェクションマッピングシステムは、第1の時点で第1の画像がセットピースに投影され、第2の時点で第2の画像がセットピースに投影されるように、画像をセットピースに投影するように構成された1又は2以上のプロジェクタを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミューズメントショーシステムであって、
来園客座席と、
背景ディスプレイと、
コンベヤと、
前記コンベヤ上に配置されたセットピースであって、前記コンベヤが、前記来園客座席と前記背景ディスプレイとの間で前記来園客座席に対して前記セットピースを移動させるように構成されている、セットピースと、
第1の時点で第1の画像が前記セットピースに投影され、第2の時点で第2の画像が前記セットピースに投影されるように、前記セットピースに画像を投影するように構成された1又は2以上のプロジェクタを含むプロジェクションマッピングシステムと、
を備える、アミューズメントショーシステム。
【請求項2】
前記来園客座席を含む乗り物車両と、前記乗り物車両を移動させるように構成されたモーションベースと、を備える、
請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項3】
前記セットピースに結合され、前記コンベヤに対して前記セットピースを操作するように作動するよう構成されたエクステンダを備える、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項4】
前記エクステンダは、前記セットピースが移動するように構成されたレール、前記セットピースを並進させるように作動するように構成された伸縮アーム、前記セットピースを回転させるように構成された枢動ジョイント、又はこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項5】
前記セットピースは、幾何学的構成の間でモーフィングするように構成されている、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項6】
前記セットピースは、ソフトロボットを含む、請求項5に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項7】
前記セットピースの構造的特徴を操作して前記幾何学的構成間を変化させるように構成された、サーボモータ、空気圧アクチュエータ、又はこれらの組み合わせを含む、請求項5に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項8】
前記コンベヤ上に配置された複数のセットピースを備え、前記複数のセットピースは、少なくとも固定の幾何形状のセットピース又は変更可能な幾何形状のセットピースを含む、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項9】
前記コンベヤは、循環コンベヤベルトを備え、前記循環コンベヤベルトが、前記循環コンベヤベルトの可視部分と前記循環コンベヤベルトの隠れた部分との間で前記セットピースを循環させるように構成され、前記セットピースは、前記隠れた部分に沿って移動しながら第1の幾何形状構成から第2の幾何形状構成に移行するように構成される、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項10】
前記プロジェクションマッピングシステムは、前記第1の時点において前記第1の幾何学的構成と協働する第1の画像特性を有する前記第1の画像を投影し、前記第2の時点において前記第2の幾何学的構成と協働する第2の画像特性を有する前記第2の画像を投影するように構成されている、請求項9に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項11】
前記コンベヤと前記来園客座席との間に配置された追加コンベヤを備え、前記追加コンベヤは、そこに配置された複数の第2のセットピースを有して、前記複数の第2のセットピースを前記来園客座席及び前記コンベヤに対して相対的に移動させるように構成されている、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項12】
前記アミューズメントショーシステムがコントローラを備え、前記背景ディスプレイが投影スクリーンを含み、前記コントローラは、前記投影スクリーン上に表示されるメディアを前記コンベヤの移動と協働させて、環境間の移行の錯覚を生じさせるように構成されている、請求項11に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項13】
前記セットピースの第1の位置の指標を生成するように構成されたエンコーダを備え、前記プロジェクションマッピングシステムが、前記指標を受信し、前記指標に基づいて前記第1の画像の特性を構築するように構成されている、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項14】
前記セットピースから前記コンベヤの反対側に追加のセットピースを備え、前記セットピースが隠れているときに前記追加のセットピースが前記コンベヤ上で見えるようになる、請求項1に記載のアミューズメントショーシステム。
【請求項15】
アミューズメントショーシステムの有形で非一時的な機械可読媒体であって、前記有形で非一時的な機械可読媒体が機械可読命令を含み、
前記機械可読命令は、機械の1又は2以上のプロセッサによって実行されたときに、
遊園地乗り物車両の動きを制御し、
前記遊園地乗り物車両の動きと協働して背景ディスプレイを制御し、
コンベヤに沿ってセットピースを移行させ、前記セットピースが前記遊園地乗り物車両と前記背景ディスプレイとの間の経路に沿って移動するように前記コンベヤを制御し、
第1の時点で第1の画像が前記セットピースに投影され、第2の時点で第2の画像が前記セットピースに投影されるように前記セットピースに画像を投影するよう1又は2以上のプロジェクタを含むプロジェクションマッピングシステムを制御する、
ように前記機械に行わせる、有形で非一時的な機械可読媒体。
【請求項16】
前記機械可読命令は、前記1又は2以上のプロセッサによって実行されたときに、前記セットピースのアクチュエータを制御して、前記セットピースを第1の幾何学的構成から第2の幾何学的構成に移行させる、ように前記機械に行わせる、請求項15に記載の有形で非一時的な機械可読媒体。
【請求項17】
前記機械可読命令は、前記1又は2以上のプロセッサによって実行されたときに、前記コンベヤを制御し、前記第1の時点と前記第2の時点との間で前記セットピースを可視位置から隠れた位置に循環させる、ように前記機械に行わせる、請求項15に記載の有形で非一時的な機械可読媒体。
【請求項18】
アミューズメントショーを提供する方法であって、
遊園地乗り物車両を操縦するステップと、
前記遊園地乗り物車両の操縦と協働して背景ディスプレイを提供するステップと、
セットピースをコンベヤに沿って移行させ、前記セットピースが、前記遊園地乗り物車両と前記背景ディスプレイとの間に配置された経路に沿って移動するようにするステップと、
第1の画像が第1の時点で前記セットピースに投影され、第2の画像が第2の時点で前記セットピースに投影されるように、前記セットピースに画像を投影するステップと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記セットピースの特徴を作動させて、少なくとも2つの幾何学的構成の間で前記セットピースを移行させるステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
エクステンダを作動させて、前記セットピースが前記遊園地乗り物車両と前記背景ディスプレイの間を移動している間に、前記セットピースを前記コンベヤに対して相対的に移動させるようにするステップを含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月2日に出願された「DYNAMIC PROJECTION MAPPING FOR MORPHING SET PIECES」と題する米国仮出願第63/108,759号に対する優先権及びその利益を主張し、本仮出願は、あらゆる目的で引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、遊園地のアトラクションに関し、具体的には、遊園地アトラクションのためのプロジェクションマッピングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションは、本開示の様々な態様に関連する可能性がある技術の様々な態様を読み手に紹介することを意図している。ここでの議論は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にする背景情報を読み手に提供するのに役立つと考えられる。従って、これらの記載は、このような観点から読まれるべきであり、先行技術の自認ではないことに留意されたい。
【0004】
遊園地は、来園客を楽しませる様々なアトラクションを含む。例えば、遊園地は、来園客に望ましい体験を提供するために、乗り物及びショーを含むアトラクションを有することができる。一部のアトラクションは、多くのスペースを使用し、運転中に大きな不動産専有面積を有するものがある。例えば、アトラクションは、アトラクション中に複数の部屋に移動する乗り物車両を含むことができる。このように、アトラクションは、不動産のコストがかかる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示される特定の実施形態の概要を以下に示す。これらの態様は、単に読み手にこれらの特定の実施形態の概要を提供するために提示されており、これらの態様は、本開示の範囲を限定することを意図していないことに留意されたい。実際に、本開示は、以下に記載されない場合がある様々な態様を包含することができる。
【0006】
一実施形態では、アミューズメントショーシステムが提供される。アミューズメントショーシステムは、来園客座席と、背景ディスプレイと、コンベヤと、コンベヤ上に配置されたセットピースと、を含む。コンベヤは、来園客座席と背景ディスプレイとの間で来園客座席に対してセットピースを移動させるように構成される。また、アミューズメントショーシステムは、プロジェクションマッピングシステムを含み、プロジェクションマッピングシステムは、第1の時点で第1の画像がセットピースに投影され、第2の時点で第2の画像がセットピースに投影されるように、画像をセットピースに投影するように構成された1又は2以上のプロジェクタを含む。
【0007】
一実施形態では、アミューズメントショーシステムの有形の非一時的な機械可読媒体が提供される。媒体は、機械可読命令を含み、機械可読命令は、機械の1又は2以上のプロセッサによって実行されたときに、遊園地乗り物車両の移動を制御し、遊園地乗り物車両の移動と協働して背景ディスプレイを制御し、コンベヤに沿ってセットピースを移行させ、セットピースが遊園地乗り物車両と背景ディスプレイの間の経路を移動するようにコンベヤを制御し、第1の時点で第1の画像がセットピースに投影され、第2の時点で第2の画像がセットピースに投影されるように、画像をセットピースに投影するよう1又は2以上のプロジェクタを含むプロジェクションマッピングシステムを制御する、ように機械に行わせる。
【0008】
一実施形態では、アミューズメントショーを提供する方法が開示される。本方法は、遊園地乗り物車両を操縦するステップと、遊園地乗り物車両の操縦と協働して動的な背景ディスプレイを提供するステップと、セットピースをコンベヤに沿って移行させ、セットピースが遊園地乗り物車両と背景ディスプレイの間に配置された経路に沿って移動するようにするステップと、を含む。本方法はまた、第1の時点で第1の画像がセットピースに投影され、第2の時点で第2の画像がセットピースに投影されるように、セットピースに画像を投影するステップを含む。
【0009】
一実施形態では、有形の非一時的な機械可読媒体が提供される。媒体は、機械可読命令を含み、機械可読命令は、機械の1又は2以上のプロセッサによって実行されたときに、アミューズメントショーで利用されるように構成された複数のセットピースのうちのあるセットピースの第1の指標を受信するステップと、第1の指標に基づいてセットピースを識別するステップと、セットピースに投影する第1の画像を決定するステップと、第1の画像をセットピースに投影させるステップと、を含む動作を機械に実行させる。複数のセットピースは、複数のセットピースを移行させるように構成されたコンベヤ上に配置される。命令はまた、セットピースの第2の指標を受信するステップと、第2の指標に基づいてセットピースを識別するステップと、セットピースに投影する第2の画像を決定するステップと、第2の画像をセットピースに投影させるステップと、を含む動作を機械に実行させる。
【0010】
本開示の様々な態様に関連して、上記で記載される特徴の様々な改善が存在することができる。また、更なる特徴もまた、これらの様々な態様に組み込むことができる。これらの改善及び追加の特徴は、個別に又は何れかの組み合わせで存在することができる。例えば、例示の実施形態の1又はそれ以上に関連して以下で検討する種々の特徴要素は、本開示の上述の態様の何れかに単独で又は何らかの組み合わせで組み込むことができる。上記に提示された概要は、クレームに記載された主題に限定されることなく、本開示の実施形態の特定の態様及び内容について読み手の理解を得ることのみを意図している。
【0011】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施形態によるアミューズメントショーシステムの斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1のアミューズメントショーシステムのコンベヤ上のセットピースの概略斜視図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図1のアミューズメントショーシステムのセットピースが受けるように構成することができる例示的な幾何学的変換の斜視図である。
【
図4】本開示の実施形態による、様々なセットピース追跡システムに結合された
図1のアミューズメントショーシステムのプロジェクションマッピングシステムを示すブロック図である。
【
図5】
図1のアミューズメントショーシステムのセットピースに画像を投影するための例示的なプロセスである。
【
図6】本開示の実施形態による、
図1のアミューズメントショーシステムの態様を制御するための例示的なプロセスである。
【
図7】本開示の実施形態による、アミューズメントショーを提供するための例示的なプロセスである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1又は2以上の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しないことにする。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実装の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実装毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装時固有の決定を行う必要がある点に留意されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点に留意されたい。
【0014】
本開示の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上が存在することを意味するものとする。用語「備える」、「含む」、及び「有する」は、包括的なものであり、記載した要素以外の付加的な要素が存在し得ることを意味する。本発明の1又は2以上の特定の実施形態について、以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を行うために、本明細書では、実際の実施態様の全ての特徴については説明しない場合がある。何れかの技術又は設計プロジェクトと同様に、このような何らかの実際の実装の開発において、システム及びビジネスに関連した制約への準拠など、実装毎に異なる可能性のある開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装時固有の決定を行う必要がある点に留意されたい。更に、このような開発の取り組みは、複雑で時間を要する可能性があるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、設計、製作、及び製造の日常的な業務である点に留意されたい。
【0015】
以下の開示では、本発明の実施形態によるアミューズメントショーシステムを提供するためのシステム及び方法について説明する。アミューズメントショーシステムは、来園客座席(例えば、乗り物車両又は劇場内の座席)と、背景ディスプレイと、コンベヤと、コンベヤ上に配置されたセットピースと、を含むことができる。コンベヤは、セットピースが来園客座席と背景ディスプレイとの間の経路を横断するように、来園客座席に対してセットピースを移動させることができる。動的構造(例えば、膨張式ロボット)を含むことができるセットピースは、様々な幾何学的構成間で移行するように動作することができる。静的及び動的セットピースを含む多数のセットピースを利用することができる。更に、セットピースは、セットピースの第1のグループが座席にいる来園客に見えるときに、セットピースの第2のグループが(例えば、コンベヤの下側又は裏側に)隠されるように、コンベヤ(例えば、コンベヤベルト)に沿って位置決めすることができる。
【0016】
アミューズメントショーシステムは、セットピース(又は複数のセットピース)に画像を投影(プロジェクションマッピング)するように構成された1又は2以上のプロジェクタを有するプロジェクションマッピングシステムを含む。プロジェクションマッピングシステムは、第1の時点(例えば、セットピースが第1の幾何学的構成にあるとき)にて、第1の画像をセットピースに投影するように動作し、第2の時点(例えば、セットピースが第2の幾何学的構成にあるとき)にて、第2の画像をセットピースに投影するように動作することができる。従って、同じセットピースが、異なる時点で全く異なるオブジェクトであるように見えることができる。これは、セットピースが来園客に見えている間又は来園客から隠されている間に幾何学的形状間を移行することを含むことができる。セットピースを座席に対して移動させ、プロジェクションマッピング及び調整可能な幾何学的構成の一方又は両方を用いてセットピースの外観を移行させることにより、本発明の実施形態は、座席から観察する来園客に対して移行又は移動の錯覚を生じさせることができる。例えば、セットピースは、相対的な移動に関連する変化を遠近法によって示唆するためにサイズが変化するように見えることができ、或いは、セットピースは、場所又は設定(例えば、第1の設定ではピクニックテーブル及び第2の設定ではテレビセット)間の移行を示唆するために異なる時点において異なるオブジェクトとして見えることができる。この移行又は移動の錯覚は、実際の移動(例えば、座席の移動)と連動して提供され、来園客が座席に留まり、不動産の広い領域を横断しないまま、領域又は部屋の間を移動する印象を与えることができる。従って、本発明の実施形態は、不動産を効率的に利用しつつ、来園客に実質的な移動の感覚を与える乗り物体験を提供することができる。
【0017】
また、アミューズメントショーシステムのセットピース上に画像を投影するために、オブジェクト追跡又はオブジェクト識別方法を利用するプロジェクションマッピング技術も提供される。特に、プロジェクションマッピング技術は、静的セットピース及びモーフィングセットピースの両方を含むことができるセットピースのために提供される。プロジェクションマッピングシステムは、1又は2以上の追跡又は識別技術に基づいて、アミューズメントショーシステムの各セットピースに投影する画像を決定することができる。例えば、コンピュータビジョンシステム、位置追跡システム、タイミングシステムなどを利用して、セットピースへの投影マッピングを容易にするために、セットピースに関連する位置、幾何学的構成、移行速度、及び他のパラメータを追跡及び/又は識別することができる。一例では、プロジェクションマッピングシステムは、アミューズメントショーシステムのコンベヤの回転ステータスを示すデータを送信するエンコーダ値システムに結合されて、プロジェクションターゲティングのための特定のセットピースの位置及び/又は幾何学的構成の識別を容易にすることができる。実際に、セットピースの位置及び幾何学的構成を含むパラメータなど、追跡技術又は識別技術によって検出されたセットピースのパラメータは、プロジェクションマッピングシステムがプロジェクションターゲティングパラメータだけでなく、投影コンテンツ(例えば、第1の幾何学的構成に対する第1の漫画のキャラクターの画像と第2の幾何学的構成に対する第2の漫画のキャラクターの画像)を決定する根拠となることができる。
【0018】
記載された実施形態の利点は、アミューズメントショーにおいてセットを変更するのに必要なスペースの量の低減を含むことができる。記載された技術はまた、来園客を実際に異なるセットに移動させることなく、来園客が部屋を横切って異なる物理的セットに移動する錯覚を、来園客が体験することができる。実際に、本明細書に記載された技術を使用すると、アトラクション体験中に様々な内容及び場所が単一の部屋でシミュレートすることができ、従って、部屋又は場所を横断して移動する錯覚を提供する。実際に、不動産の利用可能性が限られることに起因して、アミューズメントショーで提供される内容を変更するのに必要なスペースの量を低減することが望ましい場合がある。他の利点は、リアルタイムでセットピースを追跡することを含むことができる。実際に、コンピュータビジョンシステム技術又は物体位置追跡技術(例えば、符号化値のスキャン)などの物体識別技術を利用するプロジェクションマッピングシステムを利用することによって、インタラクティブアトラクションは、リアルタイムで内容又はメディアを変更することができる。
【0019】
図面に戻り、
図1は、本開示の一実施形態による部屋11内のアミューズメントショーシステム10の斜視図である。アミューズメントショーシステム10は、コントローラ12と、背景ディスプレイ14(例えば、表示パネル、投影スクリーン)と、来園客座席18と背景ディスプレイ14との間に配置されたコンベヤ16(例えば、ベルトコンベヤ、循環コンベヤベルト)と、コンベヤ16上に配置された複数のセットピース20と、複数のセットピース20に画像を投影するプロジェクションマッピングシステム21と、を備える。特定のセットピースがコンベヤ16に直接結合されてもよいが、
図1の複数のセットピース20の各セットピースは、とりわけ、セットピースをコンベヤ16に保持又は係止するエクステンダ22を介してコンベヤ16に結合される。図示の実施形態は、コンベヤ16上に配置された第1のセットピース24、第2のセットピース26、及び第3のセットピース28を含む、複数のセットピース20を示している。
【0020】
複数のセットピース20の各セットピースは、来園客座席18に対してコンベヤ16に沿って移動するように構成される。コンベヤ16は、軸29に平行な軸を中心に回転する。図示の実施形態におけるコンベヤ16は、上部分30(例えば、可視部分)と底部分32(例えば、隠れた部分)とを有するコンベヤベルトを含む。来園客座席18の来園客は、特定のセットピースがコンベヤ16の上部分30に位置するときに、セットピースのうち特定のセットピースを観察できる。来園客座席18の来園客は、特定のセットピースがコンベヤ16の底部分32に位置する間、特定のセットピースを観察することができない場合がある。
図1では、第1のセットピース24及び第2のセットピース26は、コンベヤ16の上部分30に位置するように描かれ、第3のセットピース28(例えば、膨らんだ幾何学的構成)は、コンベヤ16の底部分に位置するように描かれている。第1のセットピース24及び第2のセットピース26は、コンベヤ16の上部分30上の軸33と平行に移動するように描かれている。第1のセットピース24と第2のセットピース26は、軸34に平行で異なる高さに位置付けられる。第3のセットピース28は、コンベヤ16から下方に延びるように図示されているが、実施形態による他の特徴との衝突を回避することを可能にするために、コンベヤ16と同一平面上に位置付けることができる点に留意されたい。例えば、複数のセットピース20は、コンベヤ16の隠れた部分に移行するとき、又は隠れた部分上にあるときに(例えば、ヒンジ動作を介して)収納されるように設計することができ、これにより、コンベヤ16の高さを制限することが可能になる。また、他の実施形態では、コンベヤ16は、異なる向き(例えば、コンベヤ16の表面が来園客座席18に面し、来園客座席18の来園客がコンベヤ16の反対側を見るのを阻止するように)で位置付けることができる。
【0021】
幾つかの実施形態は、単一のコンベヤ(例えば、コンベヤ16)のみを含むことができるが、図示の実施形態では、来園客座席18と背景ディスプレイ14の間に追加のコンベヤ35が設置される。追加のコンベヤ35は、来園客座席18に対してコンベヤ16とは異なる深さ(例えば、背景ディスプレイ14の近く)に配置される。他の実施形態では、異なる方向に延在するコンベヤを含む追加のコンベヤを含めることもできる。例えば、実施形態において、追加のコンベヤは、コンベヤ16と平行に(又は別の方向に)延在するように、来園客座席18の上方(例えば、背景ディスプレイ14の上部付近)に設置することができる。このように複数のコンベヤ16,35を利用することにより、本発明の実施形態は、シーンへの没入感を提供する追加の効果を提供することができる。例えば、追加の複数のセットピース36は、背景特徴(例えば、木)を表すミニチュア構造を含むことができ、追加のコンベヤ35は、追加の複数のセットピース36をコンベヤ16上の複数のセットピース20よりも緩慢に移動させ、奥行きと動きの錯覚を生じさせることができる。
【0022】
追加コンベヤ35及び追加コンベヤ35上に配置される追加の複数のセットピース36は、様々な追加のコンベヤ及びセットピースのうちの何れかを表している。追加コンベヤ35及び追加の複数のセットピース36(並びに他のコンベヤ及びセットピース)は、一般に、コンベヤ16及び複数のセットピース20と同様の機能を有することができる点に留意されたい。このため、議論を効率的にするために、コンベヤ16及び複数のセットピース20の開示された機能は、追加のコンベヤ35及び追加の複数のセットピース36に適用可能であると理解されたい。すなわち、コンベヤ16及び複数のセットピース20に帰属する一般的な機能は、採用することができる他の様々なコンベヤにも適用可能であることは理解されるべきである。
【0023】
アミューズメントショーシステム10の複数のセットピース20の各セットピースは、プロジェクションマッピングシステム21によってプロジェクションマッピングすることができる。これは、(例えば、カメラなどの画像センサ又は深度センサを介して)検出すること、又は予め定義された幾何形状データ(例えば、座標又は輪郭)を使用して、複数のセットピース20上に画像を投影し、テクスチャ、深度、色、形状などの錯覚を生じさせることを含むことができる。プロジェクションマッピングシステム21は、画像(例えば、パターン、形状、テクスチャ、グラフィック特徴、アニメーション、ビデオコンテンツ)を、コンベヤ16の可視部分(例えば、上部分30)上の複数のセットピース20上に投影する1又は2以上のプロジェクタ37を含む。図示の実施形態では、第1のセットピース24は、プロジェクションマッピングシステム21によってその上に投影される第1の画像38を有し、第2のセットピース26は、プロジェクションマッピングシステム21によってその上に投影される第2の画像39を有する。第1の画像38と第2の画像39は、同様の画像であってもよいし、異なる画像であってもよい。第1の画像38は、第1の時点で第1のセットピース24上に投影することができ、画像39は、第1の時点で第2のセットピース26上に投影することができる。第1及び第2のセットピース24,26に提供される第1及び第2の画像38,39(例えば、投影画像)は、アミューズメントショーシステム10によって与えられるショー全体にわたって変化することができる。理解されるべきこととして、これらの第1及び第2の画像38、39は、第1及び第2のセットピース24、26を様々な異なるものの何れかとして出現させることができ、第1及び第2の画像38、39によって提供される錯覚への没入感を高めるために第1及び第2のセットピース24、26の物理的態様(例えば、幾何学的形状)と協働することができる。
【0024】
図示の実施形態では、アミューズメントショーシステム10は、モーションベース40上に配置された来園客座席18(例えば、遊園地乗り物車両における座席)を含む。モーションベース40により、来園客座席18(及び来園客座席18を占有する対応する来園客)が、ロール方向、ピッチ方向、ヒーブ方向、ヨー方向、スウェー方向、及びサージ方向に移動することができる。例えば、来園客座席18は、アミューズメントショーシステム10によって提供される部屋11のコンテキストと協働して(例えば、背景ディスプレイ14上及び複数のセットピース20上の投影を介して)、液圧システムによって制御することができる。このようにして、モーションベース40は、来園客座席18を占める来園客に対して、アミューズメントショーシステム10によって与えられる設定と協働した物理的効果(例えば、振動、ジャークモーション)を与えることができる。例えば、コンベヤ16が複数のセットピース20を第1の方向に移動させると、モーションベース40は、来園客座席18を反対方向に移動させて、来園客に実際の移動の感覚を与えながら、コンテキスト変化に基づく移動の知覚を高めることができる。
【0025】
図示の実施形態では、コントローラ12は、アミューズメントショーシステム10の様々な構成要素と(1又は2以上の有線又はワイヤレス通信媒体を介して)通信可能に結合される。コントローラ12は、1又は2以上のプロセッサと、1又は2以上のプロセッサによって実行できる命令を含む1又は2以上のコンピュータ可読メモリとを含むことができる。命令は、モーションベース40、複数のセットピース20、プロジェクションマッピングシステム21、及びコンベヤ16などのアミューズメントショーシステム10の様々な特徴を互いに同期して動作させ、環境間を移行する錯覚を引き起こさせる命令又はコマンドを含むことができる。例えば、コントローラ12は、背景ディスプレイ14上に表示されるメディアをコンベヤ16の動きと協働させて、環境間の移行の錯覚を生じさせるように構成することができる。
【0026】
図2は、
図1のアミューズメントショーシステム10の第1のセットピース24とそのエクステンダ22のより近接した図を提供する。第1のセットピース24は、コンベヤ16上のエクステンダ22に結合される。図示のエクステンダ22は、第1のセットピース24がコンベヤ16に対して移動することを可能にする様々な特徴を含む。例えば、図示の実施形態では、エクステンダ22は、レール60を含む。レール60は、アクチュエータ又はドライバ65と協働して、第1のセットピース24を軸29に平行に移動させる(矢印61で示すように)。このようにして、レール60に沿った運動が動作される(例えば、1又は2以上の制御信号を介して可能にされる)と、第1のセットピース24は、
図1の背景ディスプレイ14から近い位置又は遠い位置(及び同様に、
図1の来園客座席18から遠い位置又は近い位置)に移動することができ、従って、
図1のアミューズメントショーシステム10が第1のセットピース24が位置付けられる深さを制御できるようになる。幾つかの実施形態では、レール60は、第1のセットピース24が他の方向に沿って移動するように設置することができる。
【0027】
図示の実施形態では、エクステンダ22は、第1のセットピース24を並進させるために作動することができる伸縮アーム62を含む。伸縮アーム62により、第1のセットピース24が、(矢印63によって示されるように)軸34と平行に上下方向に移動することができる。図示の実施形態では、エクステンダ22はまた、作動時に、第1のセットピース24が枢動ジョイント64(例えば、コンベヤ16上の係止位置)を中心に回転させることができる枢動ジョイント64を含む。例えば、枢動ジョイント64を中心とする回転は、(矢印66によって示されるように)軸34に平行な軸を中心とする回転、又は軸29及び軸33(例えば、円弧運動に従う)などの軸34に垂直な何れかの軸を中心とする回転、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
図2に図示されたエクステンダ22の特徴の1又は2以上は、
図1のアミューズメントショーシステム10の複数のセットピース20に結合された1又は2以上のエクステンダ22に含めることができる。各エクステンダ22は、コンベヤ16上の他のエクステンダ22とは独立して作動できることに留意されたい。例えば、第1のセットピース24は、来園客座席18に近い位置まで軸29と平行に移動することができ、第2のセットピース26は、特定の位置に留まるか、又は来園客座席18から離れた後方位置まで軸29と平行(例えば、反平行)に移動することができる。他の実施形態では、コンベヤ16で利用されるエクステンダ22の一部又は全部は、1又は2以上のモータ(例えば、アクチュエータ)を介してなど、互いに結合することができる。エクステンダ22は、他の形態をとることもできる。例えば、エクステンダ22は、一連の(様々な方向の)伸縮セクション、液圧シリンダ、膨張式エクステンション、スクリュー式エクステンダ、膨張するように作動するヒンジ式セクション、アコーディオン式エクステンダなどを含むことができる。
【0028】
アミューズメントショーの間、
図1のアミューズメントショーシステム10は、複数のセットピース20のうちの1又は2以上のセットピースが形状を変更することができる。実際に、アミューズメントショーシステム10によって提供される特徴は、セットピースを「リサイクル」することによってコンテキストをダイナミックに変化させることである。複数のセットピース20は、コンベヤ16の上部分30と底部分32との間で交互に位置を変えるという点でリサイクルされるだけでなく、セットピース20が幾何学的構成を変えることができるという点でもリサイクルされる。特に、コンベヤ16上に配置された複数のセットピース20の一部は、アミューズメントショーシステム10によって与えられるショーの間に、1又は2以上の時間又は時間的家継続にて形状を変更することができる。複数のセットピース20のうちのセットピースは、セットピースの形状(例えば、幾何学的構成)を変えることを可能にする様々なモーフィング機構の何れかを含むことができる。例えば、サーボモータ又は空気圧アクチュエータ、もしくはこれらの組み合わせは、第1のセットピース24に含まれるか、又はこれに結合することができる。このように、サーボモータ又は空気圧アクチュエータ、又はこれらの組み合わせは、セットピースの構造的特徴を操作して、セットピースに幾何学的構成を変更させることができる。複数のセットピース20は、特定のセットピースの1又は2以上の幾何学的特性を変えるために、類似の又は異なる構造を有する類似の又は異なるタイプのセットピースを含むことができる。例えば、コンベヤ16上に配置された複数のセットピース20のうちの1又は2以上のセットピースは、ソフトロボットとすることができる。幾つかの実施形態では、コンベヤ16上に配置された複数のセットピース20は、固定の幾何形状のセットピースと変更可能な幾何形状のセットピースとを含む。特定のセットピースの形状は、来園客座席18からの特定のセットピースの視像に対して(例えば、軸29に対して反平行に)変化することができる点に留意されたい。このような形状変化は、特定のセットピースに結合されたエクステンダ22を介して生じることができる。例えば、
図2の枢動ジョイント64は、第1のセットピース24が枢動ジョイント64の周りに(例えば、軸34を中心に)回転することができ、場合によっては、回転が起こる前に第1のセットピース24が
図1の来園客座席18に対して異なる形状を有するようにし、これにより、第1のセットピース24の異なる投影マッピング及び完全に異なる知覚を可能にすることができる。別の例として、セットピースは、第1の時点では、その上に投影される店舗を示す画像を有する正方形とすることができ、次いで、同じセットピースは、回転後、第2の時点では、その上に投影される消防車を示すオブジェクトを有する矩形プリズムになることができる。幾つかの実施形態では、セットピースの絶対的寸法は同じままとすることができるが、来園客座席18からの視像に基づく相対的な向き及び相対寸法が変化することができ、来園客座席18の来園客に対して、観察された幾何形状の変化に起因して、実際のオブジェクト(すなわち、セットピース)がその前に観察されたものとは異なるセットピースであるという錯覚を与えることができる。
【0029】
図3は、本開示の実施形態による、
図1のアミューズメントショーシステム10のセットピースが受けることができる例示的な幾何学的変換の図である。第1の変換70において、第1のセットピース24は、幾何学的特徴の第1のセットで始まり、来園客座席18に対する三角形の形状を第1のセットピース24に与える。第1のセットピース24は、第1のセットピース24が、第1の時点でコンベヤ16の上部分30にあるときに、幾何学的特徴の第1のセットを有することができる。第1のセットピース24がコンベヤ16の上部分30にある第2の時点では、第1のセットピース24は、
図1の来園客座席18に対して円の形状を第1のセットピース24に与える幾何学的特徴の第2のセットを有する。第2の変換72において、第2のセットピース26は、来園客座席18に対する方形の形状を第2のセットピース26に与える幾何学的特徴の第1のセットで始まる。第2のセットピース26は、第2のセットピース26が第1の時点でコンベヤ16の上部分30にあるとき、幾何学的特徴の第1のセットを有することができる。第2の時点において、第2のセットピース26は、来園客座席18に対する矩形の形状を第2のセットピース26に与える幾何学的特徴の第2のセットを有している。第2のセットピース26は、第2のセットピース26が第2の時点でコンベヤ16の上部分30にあるとき、幾何学的特徴の第2のセットを有することができる。一部の事例では、第1のセットピース24又は第2のセットピース26は、それぞれのセットピースが
図1のアミューズメントショーシステム10のコンベヤ16の底部分32にある間に、相対形状又は絶対形状のそれぞれの第1又は第2の変換70、72を受けることができる。他の事例では、第1のセットピース24又は第2のセットピース26は、それぞれのセットピースが
図1のアミューズメントショーシステム10のコンベヤ16の上部分30にある間に、相対形状又は絶対形状のそれぞれの第1又は第2の変換70,72を受けることができる。
【0030】
図3に示されるように、第1のセットピース24は、第1の時点で第1のセットピース24が幾何学的特性の第1の形状又はセットを有するときに、
図1のプロジェクションマッピングシステム21によってその上に投影される第1の画像(例えば、円パターン)73を有する。次に、第1のセットピース24は、第2の時点で第1のセットピース24が幾何学的特性の第2の形状又はセットを有するときに、
図1のプロジェクションマッピングシステム21によってその上に投影される第2の画像(例えば、方形のパターン)74を有する。プロジェクションマッピングシステム21は、第1の時点で、第1の幾何学的構成と協働して第1の画像73を投影し、その後、第2の時点で、第2の幾何学的構成と協働して第2の画像特性を有する第2の画像を投影することができる。
図3の第2のセットピース26の変換は、第1のセットピース24に関して上述したのと同様の変化を示している。また、
図4に関して後述するように、
図1のプロジェクションマッピングシステム21は、セットピースの形状などの特徴に基づいて、セットピースに画像を投影することができる。
【0031】
図1のプロジェクションマッピングシステム21によって様々なシステムを利用し、各セットピースに特定の画像を投影することができる。例えば、プロジェクションマッピングは、特定のショーのためにプログラム又はタイミングを合わせることができ、プロジェクションマッピングは、リアルタイムで実行することができる。
図4は、本開示の実施形態による、様々なセットピース追跡システムを利用して、特定のセットピースに投影する特定の画像を決定するアミューズメントショーシステム10のプロジェクションマッピングシステム21のブロック図である。図示の実施形態では、プロジェクションマッピングシステム21は、エンコーダ値システム90及びコンピュータビジョンシステム92に結合される。
【0032】
エンコーダ値システム90は、アミューズメントショーシステム10のコンベヤ16の一部であってもよく、コンベヤ16に結合されていてもよい。エンコーダ値システム90は、プロジェクションマッピングシステム21に、コンベヤ16の現在の回転を示すエンコーダ値を(何れかの適切なワイヤレス又は有線の媒体を介して)送信することができる。例えば、エンコーダ値システム90は、コンベヤ16の構成要素(例えば、シャフト又はアクスル)の角度位置をコンピュータ読み取り可能信号に変換することができ、エンコーダ値システム90は、コンベヤ16の移動部分上に配置されたバーコードを読み取って位置決めを決定することができる。特定の検出された態様(例えば、バーコードなどの検出されたデータに基づく角度位置又は構成)は、セットピースの位置と相関させることができる。具体例として、コンベヤベルト上の特定のバーコードが固定バーコードリーダによってスキャンされると、特定のセットピースが特定の位置にあることが(例えば、アルゴリズム又はルックアップテーブルに基づいて)確立することができる。エンコーダ値システム90から受信した入力に基づいて、プロジェクションマッピングシステム21は、アミューズメントショーシステム10の複数のセットピース20のセットピース上に投影する1又は2以上の画像を決定することができる。一例として、エンコーダ値システム90は、第1のセットピース24の第1の位置の指標を生成するエンコーダを含むことができる。プロジェクションマッピングシステム21は、生成された指標を受信して、生成された指標に基づいて、第1のセットピース24に投影する画像の特性を(例えば、アルゴリズム又はルックアップテーブルに基づいて)構築することができる。
【0033】
図4において、プロジェクションマッピングシステム21はまた、コンピュータビジョンシステム92に結合されている。他の実施形態では、プロジェクションマッピングシステム21、エンコーダ値システム90、又は他の何れかの位置検出システムのうちの1つのみを利用することができる。コンピュータビジョンシステム92は、赤外光(IR)マーカ及び他の異議申立認識技術などの様々なコンピュータビジョンベースの追跡システムを採用することができる。例えば、IRマーカは、エクステンダ22、複数のセットピース20、又はコンベヤ16上に配置することができ、複数のセットピース20の各セットピースに固有の様々な周波数でIR光を点滅させることができる。IR光の点滅の周波数に基づいて、プロジェクションマッピングシステム21は、セットピースを識別し、セットピースに投影する画像又は複数の画像を決定することができる。別の例として、コンピュータビジョンシステム92は、1又は2以上のカメラ(例えば、光検出及び測距カメラ)を含むことができ、カメラは、セットピースの形状を検出し、このような検出された形状をプロジェクションマッピングシステム21と共に使用して、本質的にリアルタイムのプロジェクションマッピング出力を提供するように構成されている。コンピュータビジョンシステム92は、形状自体から検出された又は符号化データ(例えば、QRコード(登録商標))に基づいて検出されたセットピースの形状を示す幾何学的値(例えば、コンピュータ読み取り可能な信号で符号化された)をプロジェクションマッピングシステム21に送信する回路を含むことができる。形状に基づいて、プロジェクションマッピングシステム21は、セットピース上に投影する画像を決定することができる。
【0034】
図5は、本開示の実施形態による、プロジェクションマッピングシステム21によって利用することができる方法110を示す。方法110は、プロジェクションマッピングシステム21の1又は2以上のプロセッサによって実行することができる。方法110の1又は2以上のステップは、1又は2以上の有形で非一時的な及び機械可読媒体上の機械可読命令にて記憶させることができる。また、方法110のステップは、何れかの適切な順序で実行することができる。
【0035】
方法110は、アミューズメントショーで利用されるように構成された複数のセットピースのうちのあるセットピースの第1の指標を受信するステップ(ブロック112)から始まる。第1の指標は、セットピースから放射されるIR光のフラッシュ周波数を検出するコンピュータビジョンシステムから送信されたものとすることができる。実際に、IRマーカがセットピースに結合することができ、セットピースに固有の特定周波数でIR光を放出することができる。他の実施形態では、他の指標を受信することができる(例えば、光検出及び測距カメラからのデータに基づいて検出された形状)。
【0036】
方法110は、第1の指標に基づいてセットピースを識別するステップ(ブロック114)に進む。例えば、セットピースから検出された放出されたIR光の特定の周波数を検出することに応答して、複数のセットピースの特定のセットピースへのIRフラッシュ周波数のマッピングを照会することができる。マッピングに基づいて、セットピースを特定することができる。別の例として、セットピースは、セットピースの形状又は幾何学的構成を示す値を送信することができるコンピュータビジョンシステムを介して識別することができる。
【0037】
方法110は、セットピースに投影する第1の画像を決定するステップ(ブロック116)に進む。例えば、セットピースを識別することに応答して、スケジュールを照会し、アミューズメントショー中の特定の時間に、セットピースに投影する特定の画像を決定するか、又は検出されたセットピースの特定のタイプ又はセットピースの構成に基づいて決定することができる。第1の画像が決定されると、方法110は、第1の画像をセットピース上に投影させるステップ(ブロック118)に進む。例えば、信号は、第1の画像をセットピースに投影するために、
図1のプロジェクションマッピングシステム21のプロジェクタに送信することができる。
【0038】
方法110は、セットピースの第2の指標を受信するステップ(ブロック120)に進む。例えば、第2の指標は、セットピースがコンベヤの全サイクルを完了し、セットピースが配置されたコンベヤの上部又は見える部分の近くに再びあるときに、受信することができる。第1の指標及び第2の指標は、
図4に関して議論されたように、同様の又は異なるセットピース追跡システムからの指標を含むことができる。例えば、第1の指標は、
図4のエンコーダ値システム90によってプロジェクションマッピングシステム21に送信することができ、第2の指標は、
図4のコンピュータビジョンシステム92によってプロジェクションマッピングシステム21に送信することができる。次に、方法110は、第2の指標に基づいてセットピースを識別するステップ(ブロック122)と、セットピースに投影する第2の画像を決定するステップ(ブロック124)とに進む。例えば、第2の指標に基づいてセットピースを識別することに応答して、スケジュールを再び照会して、アミューズメントショー中の特定の時間にてセットピースに投影する特定の画像を決定することができる。次に、方法110は、第2の画像をセットピースに投影させるステップ(ブロック126)に進む。例えば、信号は、プロジェクションマッピングシステム21のプロジェクタに送信して、特定の照明特徴を作動させて、第2の画像をセットピースに投影させることができる。
【0039】
図6は、本開示の実施形態による、
図1のアミューズメントショーシステム10の態様を制御するための方法140を示す図である。方法140の1又は2以上のステップは、1又は2以上の有形で非一時的な及び機械可読媒体上の機械可読命令に格納することができる。機械可読命令は、機械の1又は2以上のプロセッサによってすることができ、このため、実行時には、方法140の1又は2以上のステップを実行することができる。方法は、何れかの好適な順序で実行することができることに留意されたい。命令はまた、アミューズメントショーシステム10を提供するために一緒に動作する複数の機械の1又は2以上のプロセッサによって実行することができる点に留意されたい。
【0040】
方法140は、遊園地乗り物車両(例えば、
図1の来園客座席18)の移動を制御するステップ(ブロック142)を含む。遊園地乗り物車両の動きは、モーションベースによって指示される動きとすることができる。方法140は、遊園地乗り物車両の移動と協働して背景ディスプレイを制御するステップ(ブロック144)を含む。背景ディスプレイを制御するステップは、背景ディスプレイ上にオブジェクトを投影又は他の方法で表示するステップを含むことができる。遊園地乗り物車両の動きと協働して背景ディスプレイを制御することにより、遊園地乗り物車両の来園客は、背景ディスプレイ上に表示されたコンテキストと協働して物理的効果を体験することができる。
【0041】
方法140は、複数のセットピースのうちの1つとすることができるセットピースを、セットピースが遊園地乗り物車両と背景ディスプレイとの間の経路に沿って移動するように、コンベヤに沿って移行させるようにコンベヤを制御するステップ(ブロック146)を含む。幾つかの実施形態では、ブロック146は、来園客座席に対して複数の異なる経路に沿って複数のセットピースの移動を引き起こす複数のコンベヤを制御するステップを含むことができる。コンベヤは、特定の角速度で移動するように制御することができる。加えて、幾つかの実施形態では、方法140は、セットピースをコンベヤの上部からコンベヤの底部へ循環させるようにコンベヤを制御するステップを含むことができる。
【0042】
方法140は、第1の時点で第1の画像をセットピースに投影し、第2の時点で第2の画像をセットピースに投影するように、画像をセットピースに投影する1又は2以上のプロジェクタを含むプロジェクションマッピングシステムを制御するステップ(ブロック148)を含む。これには、アニメーションを提供すること、セットピースの形状及び位置の変化に合わせて投影を調整すること、来園客座席の移動に合わせて投影画像協働させること、背景ディスプレイに提供される投影画像と協働することなどを含むことができる。
【0043】
幾つかの実施形態では、方法140は、セットピースを第1の幾何学的構成から第2の幾何学的構成に移行させるために、セットピースのアクチュエータを制御するステップを含む。例えば、セットピースは、膨張可能なロボット工学を含むことができ、アクチュエータは、セットピースのダイヤフラムから空気を供給又は除去して、セットピースの全体形状を変化させてもよい。アクチュエータは、セットピースが隠れた位置にある間に、第1の幾何学的構成から第2の幾何学的構成に移行するように、セットピースを作動させることができる。隠れた位置は、来園客座席18の来園客がセットピースを見ることができない位置とすることができる。
【0044】
図7は、本開示の一実施形態による、アミューズメントショーを提供するための方法160である。方法160は、コンピューティングシステムの1又は2以上のプロセッサによって実行することができる。方法160はまた、
図1のアミューズメントショーシステム10の1又は2以上の構成要素によって実行することができる。方法160は、遊園地乗り物車両を操縦するステップ(ブロック162)を含み、これは、遊園地乗り物車両を移動させる命令及び/又は遊園地乗り物車両の実際の再位置決めを含むことができる。遊園地乗り物車両は、コントローラからの指示に基づいて、モーションベース又は他の適切な機構を介して操縦することができる。
【0045】
方法160は、遊園地乗り物の操縦と協働して背景ディスプレイを提供するステップ(ブロック164)を含む。例えば、1又は2以上のプロジェクタは、加速する宇宙船を例示する背景ディスプレイを投影又は提供することができる。遊園地乗り物車両を操縦し、背景ディスプレイに図示された加速する宇宙船をシミュレートする1又は2以上の物理的効果(例えば、振動効果、加速度)を誘起することができる。これにより、遊園地乗り物車両にいる来園客に、加速する宇宙船にいるかのような物理的な体験を提供することができる。
【0046】
方法160はまた、セットピースが、遊園地乗り物車両と背景ディスプレイとの間に配置された経路に沿って移動するように、コンベヤに沿ってセットピースを移行するステップ(ブロック166)を含む。例えば、八角形の形状を有するセットピースは、経路の周りに移動することができる。第1の時点で第1の画像(例えば、投影画像)がセットピース上に投影され、第2の時点で第2の画像がセットピース上に投影されるように、画像は、セットピース上に投影することができる(ブロック168)。上記の例に戻ると、八角形の形状を有するセットピースは、停止標識を示す投影オブジェクトを受け取ることができる。例えば、プロジェクションマッピングは、「STOP」という単語を示す白い文字と共に赤い背景を投影することを含むことができる。
【0047】
セットピースは、背景ディスプレイによって与えられるコンテキストと協働して、コンベヤ上で継続的に回転することがある。異なる時点で、セットピースは、異なる画像特性(例えば、異なる色、テクスチャ、輪郭、強度、コントラスト)を有する異なる画像を有することができる。幾つかの実施形態では、方法160は、セットピースの特徴を作動させて、セットピースを少なくとも2つの形状(例えば、幾何学的構成)の間で移行させることを含む。これらの実施形態では、セットピースは、セットピースを遊園地乗り物車両に対して相対的に移動させているコンベヤに対して移動(例えば、レールに沿って)させることができる。例えば、幾つかの実施形態では、方法160は、エクステンダ(例えば、
図1のアミューズメントショーシステム10のエクステンダ22)を作動させて、セットピースが遊園地乗り物車両と背景ディスプレイの間を移動している間に、セットピースをコンベヤに対して相対的に移動させることを含む。
【0048】
本発明の特定の特徴のみを本明細書で例示し説明してきたが、当業者であれば、多くの変更形態及び変形が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の技術的思想の範囲内にあるこのような修正形態及び変更全てを保護することを意図していることを理解すべきである。
【0049】
本明細書で提示され請求項に記載された手法は、本発明の技術分野を明らかに改善する実際的な性質の実質的な目的及び具体的な実施例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形、又は真に理論的でもない。更に、本明細書の終わりに添付した何れかの請求項が「「機能」を「実行」する手段」又は「「機能」を「実行」するステップ」として指定された1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されるものとする。しかしながら、他の何れかの方法で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に従って解釈されないものとする。
【符号の説明】
【0050】
10 アミューズメントショーシステム
12 コントローラ
14 背景ディスプレイ
16 コンベヤ
20 セットピース
21 プロジェクションマッピングシステム
【国際調査報告】